説明

迅速な口内分解のための安定な親水性外層を備えたカプセルまたはマイクロカプセル

【課題】好ましい属性により口腔の中で迅速に分解するように設計されたカプセルであって、ストレス安定型条件下でさえ安定である、カプセルを提供する。
【解決手段】本発明の幾つかの実施形態では、疎水性内核層と少なくとも1種類の親水性外層とを含むカプセルが提供される。外層はシームレスであってもよく、かつ、少なくとも1種類の吸湿性ポリオールと少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールとを含むことができる。少なくとも1種類の外層は、少なくとも1種類の膜形成剤または少なくとも1種類のゲル形成剤を含むことができる。そのようなカプセルは、加速安定条件の下、安定であり、かつ、最小限の分解を受けるか、または全く分解を受けない。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、少なくとも1つの疎水性内核層と少なくとも1つの親水性外層とを含むカプセルに関する。そのようなカプセルは、加速安定条件(accelerated stability conditions)の下で最小限の分解を受けるか、または全く分解を受けない。
【0002】
〔関連技術の記述〕
経口の剤形(Oral dosage forms)は、頬側口腔内で分解するように設計されることがある。そのような剤形は、好ましい属性(pleasing attributes)により消費者の頬側口腔の中で分解することが望ましく、そうでなければ、そのような剤形は受け入れられないであろう。分解性剤形は、口腔内で迅速に分解して心地よい風味を提供し、かつ、残渣を残さないことが望ましい。
【0003】
カプセルは、頬側口腔内で分解するように製造することができる。典型的には膜形成(film forming)剤またはゲル化剤が、カプセルの外層に使用される。ゼラチンはそのようなゲル化剤の1つであるが、ゼラチン単独では、迅速な分解性剤形のための望ましい属性は提供されない。なぜなら、ゼラチンは、頬側口腔内で迅速には分解しないことがあり、結果的に、容認できない時間にわたって、口腔内に残渣が残ることがあるからである。ゼラチンを含有する外層の分解を促進するため、諸添加剤が添加されることがある。しかし、これらの添加剤は、ストレス条件(例えば、活性な医薬品を含有する生成物のための安定性試験によって必要とされるストレス条件)において証明されるような容認できない分解をカプセル外層に引き起こすことがある。
【0004】
したがって、好ましい属性により頬側口腔または口腔の中で迅速に分解するように設計されたカプセルであって、ストレス安定型条件(stressed stability type conditions)下でさえ安定である、カプセルを消費者に提供することが望ましい。
【0005】
〔概要〕
本発明の幾つかの実施形態では、少なくとも1種類の疎水性内核と少なくとも1種類の親水性外層とを含むカプセルにおいて、前記の少なくとも1種類の外層は、少なくとも1種類の吸湿性ポリオール、および少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールを含む、カプセルが提供される。本発明の幾つかの実施形態では、疎水性内核と親水性中間層と少なくとも1種類の親水性外層とを含むカプセルにおいて、前記外層は、少なくとも1種類の吸湿性ポリオール、および少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールとを含む、カプセルが提供される。本発明の幾つかの実施形態では、疎水性内核と親水性外層とを含むカプセルにおいて、前記外層は、少なくとも1種類の吸湿性ポリオール、および少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールとを含む、カプセルが提供される。カプセルは、継目なし外層を有することができ、これはシームレスカプセル(seamless capsule)としても知られている。他の実施形態において、前記の少なくとも1種類の外層は、少なくとも1種類の膜形成剤または少なくとも1種類のゲル形成剤と、少なくとも1種類の吸湿性ポリオールと、少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールとを含むことができる。外層は、ゼラチン、グリセリンおよびイソマルト(isomalt)を含むことができる。本発明の様々な実施形態において、カプセルの外観は、安定であり、かつ、ストレス条件(例えば、温度および/または相対湿度が増大されている加速安定条件でのストレス条件)で、最小限の分解を受けるか、または全く分解を受けない。そのような安定条件には、30℃/65%相対湿度、または45℃/75%相対湿度が含まれる。
【0006】
他の実施形態では、疎水性内核と親水性外層とを含むカプセルが提供される。疎水性層は、医薬品有効成分(active pharmaceutical ingredient)(API)を薬学的に有効な量で含むことができる。医薬品有効成分は、カプセル化することができるか、または部分的にカプセル化することができるか、または複合体の上に吸着させることができる。そのようなカプセルは、安定であり、かつ、最小限の外層の漏出(leaking)、亀裂(cracking)もしくは破壊(breaking)を受けるか、または、漏出も亀裂も破壊も全く受けない。本発明のもう1つの実施形態では、フェニレフリンを治療的に有効な量で含むシームレスカプセルであって、フェニレフリンがカプセル化されているか、または部分的にカプセル化されているか、または複合体の上に吸着されている、シームレスカプセルが提供される。
【0007】
更なる実施形態では、疎水性内核と少なくとも1種類の親水性外層とを含むカプセルを含むパッケージにおいて、該パッケージには薬剤の詳細情報(drug facts)が添付されていてもよい、パッケージが提供される。外層は、少なくとも1種類の吸湿性ポリオールと少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールとを含むことができる。外層は、少なくとも1種類の膜形成剤または少なくとも1種類のゲル形成剤をさらに含むことができる。
【0008】
本発明のもう1つの実施形態では、疎水性内層に入っている親水性医薬品有効成分と;少なくとも1種類の膜形成剤または少なくとも1種類のゲル形成剤、少なくとも1種類の吸湿性ポリオール、および少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールを含む外殻と;を有するシームレスカプセルを安定化する方法が提供される。1つの実施形態では、疎水性核層にある医薬品有効成分を治療的に有効な量で提供し、かつ、少なくとも1種類の膜形成剤または少なくとも1種類のゲル形成剤と、少なくとも1種類の吸湿性ポリオールと、少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールとを含む親水性外層を提供することによって、親水性医薬品有効成分がシームレスカプセルの疎水性内層から該カプセルの親水性外層まで移動するのを防止するかまたは最小限に抑える方法が提供される。医薬品有効成分をカプセル化するか、または部分的にカプセル化するか、または吸着させることができる。
【0009】
〔詳細な記述〕
本発明の様々な実施形態は、親水性であると考えられる少なくとも1種類の外層であって、水溶性層としても知られている、外層を提供する。様々な実施形態において、カプセルの少なくとも1種類の外層は、少なくとも1種類の吸湿性ポリオールと、少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールとを含むことができる。少なくとも1種類の外層は、少なくとも1種類の膜形成剤、少なくとも1種類のゲル形成剤、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0010】
有用なゲル形成剤または膜形成剤は、ゼラチンを含むが、それに限定されない。ゼラチンは、親水性外層となる場合もある少なくとも1種類の外層に使用することができる。ゼラチンはしばしば、口腔内で分解するのにある程度の時間がかかり、望ましくない残渣を口腔内に残すことがある。カプセルの分解速度および舌ざわりを改善するのを助けるために、ポリオールとしても知られている糖アルコールを該外層に添加することができる。有用な糖アルコールは、ポリオールとしても知られているが、吸湿性ポリオールを含み、また、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール(maltitol)、ラクチトール(lactitol)、エリトリトール(erythritol)、その他同種類のもの、および、それらの組合せを含むが、それらに限定されない。有用なポリオールは、グリセロールとしても知られているグリセリンを含む。ポリオールは、吸湿性が高いものであってよい。吸湿性ポリオールがカプセルの親水性外層に使用されるならば、該外層は多量の水分を吸収することがある。その結果として、カプセルは、分解してそれの完全性(integrity)を喪失することがあり、漏出するか、または、ベタベタした状態になるか、または、溶けるように見えることがある。そのような分解は、加速安定条件(accelerated stability conditions)のようなストレス条件(stressed conditions)の下で確かめることができる。カプセルの親水性層の分解を最小限に抑えるために、少なくとも1種類の非吸湿性ポリオールまたは低吸湿性ポリオールを該親水性層に添加することによって、親水性外層の安定性が増大し、同時に、経口的分解性の(orally disintegrating)剤形に対する、所望の「舌ざわり(mouth feel)」が維持されることが見出だされた。例えば30℃/65%相対湿度などで加速安定性研究を行う間、カプセルの親水性外層は、最小限の分解を受けるか、または全く分解を受けない。グリセリン等の吸湿性ポリオールと、イソマルト等の低吸湿性ポリオールとを親水性外層に添加することによって、該外層は安定する。低い吸湿性を有するポリオールを含む外層を備えたカプセルは、該カプセルの完全性を維持する。例えば、該カプセルは、漏出せず、ベタベタした状態にもならず、かつ、溶けるようにも見えない。加えて、吸湿性ポリオールと低吸湿性ポリオールとを含む外層を備えたカプセルは、口腔内である感触を有し、著しく心地よく、しかも、望ましくない残渣を残すことなく迅速に分解する。
【0011】
吸湿性ポリオールとは、それの周囲から水分を直ちに吸収するポリオールをいう。非吸湿性ポリオールとは、それの周囲から水分を直ちには吸収しないポリオールをいう。低吸湿性ポリオールは、それの周囲から最小限の水分を吸収する。
【0012】
有用な非吸湿性ポリオールまたは有用な低吸湿性ポリオールは、イソマルト系(isomalts)を含むが、それらに限定されない。そのようなイソマルト系は、ドイツ国パラチニット社(Palatinit)によって製造された商品名「パラチニット(PALATINIT)」で販売されているものを含む。パラチニット社のイソマルトは、6−0−α−D−グルコピラノシド(glucopyranoside)−D−ソルビトール(1,6−GPS)と、1−0−α−D−グルコピラノシド−D−マンニトール・二水和物(1,1−GPM・二水和物)との等モル組成物である。イソマルトは、有利な性質を有する。イソマルトは、低吸湿性を有しており、25℃の温度および85%以下の相対湿度で水分を実質的に吸収しない。イソマルトの吸湿性は、他のポリオールのほとんど全ての吸湿性よりも低く、しかも、糖それ自体の吸湿性よりも低い。特定のいかなる理論にも拘束されたくないが、イソマルトはカプセルの高安定性を提供するのに役立つものと思われる。このことは、とりわけ加速安定条件(accelerated stability conditions)、特に高温、高相対湿度の加速安定条件で気が付くことがある。
【0013】
カプセルは、頬側口腔内で、または、胃腸管もしくは胃領域において、直接に分解および/または溶解するように調剤することができる。様々な実施形態において、1つの有用なカプセルには、頬側口腔内で分解する迅速分解性(fast disintegrating)カプセルが含まれる。幾つかの実施形態において、カプセルは、消費者の口腔の中で完全に分解することのできる独立型生成物(standalone product)である。独立型(standalone)とは、カプセルが消費者によって直接に消費されるように意図されており、別個の生成物(例えば、ガム、食品、等)の中に組み入れられないことを示す。幾つかの実施形態では、カプセルは他の食品(例えば、ガム、液体、より大きい錠剤、カプレット(caplet)、等)と併用することができることが企図される。
【0014】
様々な実施形態において、カプセルは、口腔内で約1秒〜約60秒で、もしくは約1秒〜約45秒で、もしくは約1秒〜約30秒で、もしくは約1秒〜約15秒で、もしくは約20秒未満で、もしくは約10秒未満で、分解するか、または粉々に壊れることが可能である。本発明のカプセルでは、口腔内にゼラチンの残渣がほとんど残らないか、または最小限に抑えられるか、または全く残らない。
【0015】
カプセルは、約0.1mm〜約10mmの直径を有することができる。少なくとも1種類の吸湿性ポリオールは、約1重量%〜約50重量%の量で、または約10重量%〜約30重量%の量で存在することができる。少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールは、約1重量%〜約50重量%の量で、または約10重量%〜約50重量%の量で存在することができる。膜形成剤またはゲル形成剤は、約40重量%〜約95重量%の量で、または約50重量%〜約80重量%の量で存在することができる。
【0016】
本発明の1つの実施形態は、1種類だけの疎水性内核層と1種類だけの親水性外層とを備えた迅速分解性カプセルであって、安定であり、かつ、該外層にいかなる亀裂も破壊も生じない、カプセルを提供する。このタイプのカプセルは、幾つかの理由で好都合である場合がある。カプセルに利用される材料によるが、複数種類の親水性外層または複数種類の水溶性外層を有するカプセルは、該カプセルの所望の分解性能に影響を及ぼすことがある。例えば、1種類の疎水性内核層と2種類以上の水溶性外層とを備えたカプセルは、1種類だけの核層と1種類だけの水溶性外層とを有するカプセルほど迅速には分解しないことがある。加えて、1種類だけの疎水性核層と1種類だけの水溶性外層とを有することは、生産効率の観点から好都合である場合がある。
【0017】
本発明のもう1つの実施形態は、3種類の層、即ち、核層、中間層および外殻層、を備えたシームレスマイクロカプセルを提供する。中間層は、第3の注入ノズルによってマイクロカプセルに加えられてよい。中間層によって、より安定なマイクロカプセルが提供される。より詳しくは、中間層は、外殻層に対する追加的保護を提供することができ、かつ、核層が外殻層へ移動するのを防止するか、または最小限に抑えることができる。
【0018】
本発明の幾つかの実施形態において、1つの有用なカプセルは、シームレスカプセルである。そのようなシームレスカプセルは典型的には、「核層(core layer)」として定義される少なくとも1種類の内層と、「殻層(shell layer)」として定義される少なくとも1種類の外層とを含む。複数種類の層は、内核層を取り囲むことができる。1つのそのような層であって、核層と外層との間に位置することのできる、層は、保護層または被覆外層と呼ぶことができる。
【0019】
本発明の1つの実施形態は、図1に示される。図1において、複数層のカプセル(multilayered capsule)は、内核層と外殻層とを含む。本発明の他の実施形態には、追加の層(例えば、核層と殻層との間の追加層、および/または、外殻層の外側の追加層)を備えたカプセルが含まれる。本発明の幾つかの実施形態は、2、3、4、5種類の相または層を有するカプセルを提供する。各々の層の厚さは、様々な溶液の割合を変えることによって調整することができる。適切な腸溶剤には、ペクチン(pectin)、アルギン酸、セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースおよび同類のもの)、アクリル系共重合体の一種であるオイドラギット(Eudragit)(登録商標)、ならびに同類のもの、ならびに、それらの組合せが含まれる。
【0020】
少なくとも1種類の外層に有用な膜形成剤またはゲル形成剤は、ゼラチン、タンパク質、多糖類、デンプン、セルロースおよびそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。有用な膜形成剤またはゲル形成剤(例えば、少なくとも1種類の外層に適した膜形成剤またはゲル形成剤)は、ゼラチン、プルラン(pullulan)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、トラガカントゴム(tragacanth gum)、グアールガム(guar gum)、アカシアゴム(acacia gum)、アラビアゴム(arabic gum)、ポリアクリル酸、メタクリル酸メチル共重合体、カルボキシビニルポリマー、アミロース(amylose)、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン(hydroxypropylated high amylose starch)、デキストリン(dextrin)、キチン(chitin)、キトサン(chitosan)、レバン(levan)、エルシナン(elsinan)、コラーゲン、ゼイン(zein)、グルテン(gluten)、大豆タンパク質分離物(soy protein isolate)、乳漿タンパク質分離物(whey protein isolate)、カゼイン(casein)、およびそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。
【0021】
親水性、水溶性の外側被覆または外殻層に有用な作用物質は、ゼラチン、アルブミン(albumin)、ペクチン(pectin)、グアールガム、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン(carrageenan)、寒天および同類のもの、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース(ethycellulose)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース[例えば、アクアコート(Aquacoat)(登録商標)]、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、プルラン、ならびにそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。該被覆層を形成するための材料がタンパク質または多糖を含有する場合、有用な量は、約100重量部〜約1重量部の量を含む。被覆外層または外殻層に入っている他の有用な材料には、腸溶物質、可塑剤、防腐剤、着色剤および同類のもの、および、それらの組合せが含まれる。
【0022】
殻の硬度を調整するために、殻材料が硬化した後の硬度を増大させる材料(例えば、ソルビトール)を可塑剤と一緒に該殻材料に添加することができる。さらに、増粘多糖類(thickening polysaccharide)、ゲル化剤、タンパク質分解試薬または同類のものを添加することによって、殻の長時間安定性を改善することができる。
【0023】
殻材料は、顔料によって任意のいかなる色調にも着色することができる。また、香味料、甘味料、酸味料または同類のものを添加することができる。ソルビトール(sorbitol)、増粘多糖類、ゲル化剤、タンパク質分解試薬および同類のものは、殻材料の全量に対して10質量%以下で、好ましくは5質量%以下で添加する。
【0024】
水溶性相に入っている有用な材料には可塑剤が含まれる。可塑剤には多価アルコール(例えば、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコールおよび同類のもの)ならびにそれらの組合せが含まれる。水溶性多価アルコールまたはそれの水溶性誘導体もまた、水溶性の外層または被覆層に使用することができる。多価アルコールまたはそれの水溶性誘導体の有用な例は、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、オリゴ糖、糖エステル、グリセリド、ソルビタンエステルおよび同類のものを含むが、それらに限定されない。有用な防腐剤および着色剤には、安息香酸、パラオキシ安息香酸、カラメル着色剤、クチナシ着色剤(gardenia colorant)、カロテン着色剤(carotene colorant)、タール着色剤(tar colorant)および同類のもの、ならびにそれらの組合せが含まれる。
【0025】
水溶性の外層または殻層の上に膜物質を使用することができる。膜物質は、カプセルを膜形成物質で処理することによって形成することができる。適切な膜形成要素(film formers)は、アルブミン、ペクチン、グアールガム、カラギーナン、寒天および同類のもの、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース[例えば、アクアコート(Aquacoat)(登録商標)]、プルランならびにそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。
【0026】
諸添加剤の有効量は、被覆層中のゼラチン100重量部に基づき2〜98重量部を含む。本発明のカプセルの酸素透過性を抑制するため、被覆層中に、膜形成材料または諸添加剤に加えてスクロース(sucrose)を含有させることができる。スクロースが被覆層中に含有されていない場合、酸素は、水溶性ゲル層を通って浸透して内容物(content)に到達し、長期にわたる貯蔵期間の間に不飽和脂肪酸およびそれの誘導体を酸化することがある。酸化された不飽和脂肪酸およびそれの誘導体は、過酸化物価(POV)を増大させて、製品品質を低下させる。スクロースは、その不利な点を効果的に抑制する。スクロースは、ゼラチン100重量部に基づき1〜100重量部の量で含有させることができる。
【0027】
水溶性の層または相は、酸またはそれの酸性塩をさらに含有して、カプセルが不溶化するのを最小限に抑えるか、または防止することができる。有用な酸またはそれの酸性塩には、水溶性有機酸、無機酸、または、それらの酸性塩(例えば、ナトリウム塩)が含まれる。適切な有機酸には、2〜6個の炭素原子を有する酸が含まれる。それらの酸には、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、酪酸、コハク酸および同類のもの、それらの酸性塩(例えば、リンゴ酸ナトリウム、コハク酸カリウム、クエン酸カルシウムおよび同類のもの)、ならびに、それらの組合せが含まれる。有用な無機酸には、リン酸、ポリリン酸、炭酸、それらの酸性塩(例えば、第二リン酸ナトリウム)、およびそれらの組合せが含まれる。水溶性層に対する酸またはそれの酸性塩の有効量は通常、水溶性の層または相100重量%に基づき約0.01〜約50重量%または約0.05〜約20重量%である。
【0028】
カプセルの内部溶液もしくは核溶液、または内相もしくは核相は、脂肪酸(例えば、不飽和脂肪酸)またはそれの誘導体を含むことができる。内核に適切な材料は、植物油脂、動物油脂、鉱油およびそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。内核に適切な材料は、魚油およびそれらの精製材料、肝油、エイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid)(EPA)、ドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid)(DHA)、アラキドン酸(arachidonic acid)、プロスタグランジン(prostaglandin)およびそれの誘導体、スクロース脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸トリグリセリド、中鎖脂肪酸トリグリセリド、両性イオン乳化剤、レシチン、ゴマ油、コーヒー油、ナタネ油、玄米油、流動パラフィンならびにそれらの組合せを含む。
【0029】
乳化された核用液体を調製するためには、従来の周知方法を使用することができる。周知方法において、乳化剤および油成分を含む主要成分は、ホモジナイザー(homogenizer)を用いて乳化され、水中油型エマルションを得る。核相または内相のための他の有用な材料は、ビタミンE、ビタミンC、β−カロテン、ユーカリプトール(eucalyptol)、メントール、香味料、甘味料、小麦の胚種油および同類のもの、ならびに、それらの組合せなどの酸化防止剤を含む、不飽和脂肪酸またはそれの誘導体のための様々なタイプの安定剤を含むが、それらに限定されない。
【0030】
核用充填材料(core filler material)は、核用液体として複数のノズル(multiple nozzle)から押し出されるとき、液体状態になっていてもよい。また、該核用液体は、多層液滴が形成された後、液体のままであってもよく、または代わりに、シームレスカプセルが形成された後はゲルもしくは固体になってもよい。核用材料は、食料品、健康食品、香味料、薬味、薬剤、芳香剤または同類のものを含むことができ、様々な添加物、例えば、溶媒(例えば、食用油)、甘味料、酸味料、香味料、着色剤、増粘剤(ゼラチン化剤)、安定剤および乳化剤、または、食品製造もしくは薬理学の点で許容される同類のものを含むことができる。核用材料が液体状態で調製される場合、該核用材料は、主要成分が溶媒に溶解している透明溶液、懸濁液またはラテックス(クリーム)の形態をとることができる。核用液体充填材料を調製する方法は、食品製造または薬物製造の分野で周知のいかなる方法であってもよい。例えば、透明の核用液体を調製するためには、主要成分および諸添加物を計り取り、次いで、食用油等の溶媒と一緒に混合し、必要に応じて加熱し撹拌し、均一な溶液を作り出す。
【0031】
内相または核相の有効量は、カプセルの全重量に基づき約10重量%〜95重量%、または約40重量%〜約90重量%である。
【0032】
本発明の幾つかの実施形態において、シームレスカプセルは、外膜と、内相または核相との間に、水とほとんど混和できない粘稠液を含有することができる。水とほとんど混和できない粘稠液は、100℃で1000cP(センチポアズ)以下の粘度を有する液体であってもよい。該粘稠液の例には、乳化剤、油、樹脂および同類のものが含まれ、それらは、単独でまたは組み合わせて使用することができる。乳化剤の例には、2〜8のHLB値を有する非イオン性乳化剤、例えば、スクロース脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル[例えば、長鎖脂肪酸トリグリセリド、中鎖脂肪酸トリグリセリド、例えば、ネオビー(NeoBee)(登録商標)、等];両性イオン乳化剤(例えば、レシチン);または、それらの混合物;が含まれる。油の例には、植物油脂、動物油脂、および、150℃の無水アルコール100gに対する溶解度が50g以下である鉱油、例えば、ゴマ油、コーヒー油、ナタネ油、玄米油、流動パラフィンおよびそれらの組合せ、が含まれる。さらに、dl−α−トコフェロール(tocopherol)、イソブチレンポリマー(例えば、ポリブチレン、ポリブテン、等)、樹脂(例えば、シリコーン樹脂、酢酸ビニル樹脂、等)、二酸化ケイ素[例えば、キャボシル(Cab-o-sil)(登録商標)]および同類のものを使用することができる。カプセルを製造する場合、粘稠液は、内容物(content)と膜との間に存在してもよい。しかし、粘稠液は必ずしも内容物と膜との間に存在する必要はなく、粘稠液は分離された状態で内容物中に存在してもよい。
【0033】
内層または外層は、他の材料を含むことができる。他の材料には、医薬品有効成分(APIs)、食品、化粧品(cosmetics)、調味料(flavors)、工業薬品および同類のものが包まれる。
【0034】
本発明の様々な実施形態では、カプセルであって、内層内の疎水性キャリヤの中に1種類以上の親水性化合物がカプセル化されているかまたは部分的にカプセル化されている、カプセルが提供される。そのようなカプセルでは、親水性キャリヤまたは親水性相を有することもある、周囲の1種類以上の外層に、亀裂も破壊も生じない。
【0035】
薬剤のカプセル化は、ある特定の医薬品有効成分を徐放性にしたバージョンを提供するのに有用であることが知られている。医薬品有効成分が患者に長時間にわたって放出されるように徐放性製剤を提供することは、ある特定の状況では望ましいことがあるが、即効型薬剤が望まれているときに、薬剤をカプセル化することは望ましくないであろう。本発明の様々な実施形態では、頬側口腔内で分解するように設計されているカプセル(例えば、シームレスカプセル)が提供される。安定なカプセルは、該カプセル内に含有される医薬品有効成分をカプセル化するかまたは部分的にカプセル化することによって提供することができる。
【0036】
親水性の医薬品有効成分を含む医薬品有効成分を部分的にカプセル化することは、外殻の亀裂問題を最小限に抑えるかまたは排除し、同時に、望ましくない徐放性の医薬品有効成分を作り出さないので、好都合である。本発明のもう1つの実施形態では、被カプセル化医薬品有効成分を含有するシームレスカプセルであって、該被カプセル化医薬品有効成分を患者の体内で迅速放出するために利用することができる、シームレスカプセルがさらに提供される。そのような実施形態において、カプセル化は、医薬品有効成分が外殻まで移動するのを最小限に抑えるかまたは排除するのに有効な量で行う。代わりに、カプセル化は、外殻の変形(例えば、亀裂、破壊および同類のもの、ならびにそれらの組合せ)を最小限に抑えるかまたは排除するのに有効な量で行う。医薬品有効成分は、部分的にカプセル化されてもよく、完全にカプセル化されてもよく、部分的吸着質(partial adsorbates)、完全吸着質(full adsorbates)またはそれらの組合せであってもよい。
【0037】
本発明の幾つかの実施形態において、医薬品有効成分は、カプセル化することができるか、部分的にカプセル化することができるか、複合体として吸着させることができるか、または複合体として部分的に吸着させることができることが意図されている。カプセル化は、従来の方法を使用して達成することができ、かつ、不水溶性作用物質だけでなく水溶性作用物質をも使用して実施することができる。代わりに、カプセル化用殻(encapsulating shell)の内部に医薬品有効成分と一緒に放出制御性物質をカプセル化して、味が隠された(taste-masked)カプセルの制御放出を提供することができる。
【0038】
例えば、先ず医薬品有効成分を十分な量の所望のカプセル化用材料と一緒に粒状にすることによって、該医薬品有効成分をカプセル化するか、または部分的にカプセル化することができる。湿塊(wet mass)は、必要に応じてメッシュスクリーン(例えば、10メッシュスクリーン)に通過させて、あらゆる塊(lumps)を粉砕する。それらの顆粒は50℃の強制空気オーブンで乾燥させる。乾燥粉末は、スクリーン(例えば、40メッシュスクリーン)を通過させる。その粉末は、次いで、核の内部溶液(core inner solution)の中に組み込まれる準備ができる。
【0039】
医薬品有効成分をカプセル化するか、または部分的にカプセル化するために使用することのできる適切な材料は、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース[アクアコート(Aquacoat)(登録商標)]、エチルセルロース、メタクリレート、アクリル系共重合体[例えば、オイドラギット(Eudragit)(登録商標)(ブチルメタクリラート−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリラート−メチルメタクリラート−共重合体(1:2:1)”)]、コリコート(KOLLICOAT)(登録商標)、ポリビニルピロリドンおよびそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。薬剤組成物は、全身的に活性な(systemically-active)治療薬の物理的特性、化学的特性または味覚特性を修飾する目的で与えられる他の機能成分(functional component)を含むことができる。例えば、医薬品有効成分は、マイクロカプセル化されたイオン交換樹脂複合体(microencapsulation, ion-exchange resin complex)の形態[例えば、スルホン化ポリマー、電気化学的溶融体、超臨界流体(supercritical fluids)、三ケイ酸マグネシウム、コアセルベーション、または、シクロデキストリン(cyclodextrin)(環状連結オリゴ糖類)複合体]であってもよい。有用なスルホン化ポリマーには、ジビニルベンゼン8%で架橋されたポリスチレン、例えば、(ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas)によって得られる)アンバーライト(Amberlite)(登録商標)IRP−69およびIRP−64、(ダウ・ケミカル社(the Dow Chemical Company)から得られる)Dow XYS−40010.00(登録商標)、Dow XYS−40013.00(登録商標)、が含まれる。
【0040】
本発明の1つの面では、シームレスカプセルまたはカプセルであって、カプセル化された医薬品有効成分もしくは部分的にカプセル化された医薬品有効成分を治療的に有効な量で含む、シームレスカプセルまたはカプセルが提供される。有用な医薬品有効成分には、抗菌剤、非ステロイド系抗炎症剤、鎮咳薬、充血除去剤、抗ヒスタミン剤、去痰薬、下痢止め薬、H−拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬、鎮痛剤、興奮剤およびそれらの組合せが含まれる。有用な医薬品有効成分には、ジフェンヒドラミン(diphenhydramine)、デキストロメトルファン(dextromethorphan)、フェニレフリン(phenylephrine)、メントール(menthol)、偽エフェドリン(pseudoephedrine)、アセトアミノフェン(acetaminophen)、イブプロフェン(ibuprofen)、ファモチジン(famotidine)、グアイフェネシン(guaifenesin)、ケトプロフェン(ketoprofen)、ニコチン、セレコキシブ(celecoxib)、バルデコキシブ(valdecoxib)、クロルフェニラミン(chlorpheniramine)、フェキソフェナジン(fexofenadine)、ロラタジン(loratadine)、デスロラタジン(desloratadine)、セチリジン(cetirizine)、ラニチジン(ranitidine)、シメチコン(simethicone)、ならびに、それらの異性体、薬学的に容認可能な塩およびプロドラッグ、ならびに、それらの組合せが含まれる。
【0041】
フェニレフリンの有効量は、約1mg〜約60mg、約1mg〜約15mg、約5mg〜約10mg、または、約10mgである。
【0042】
本発明の様々な実施形態は、少なくとも2種類の医薬品有効成分を備えた組成物を提供する。
【0043】
有用な医薬品有効成分は、
(a)抗菌剤、例えば、トリクロサン(triclosan)、塩化セチルピリジウム(cetylpyridium chloride)、臭化ドミフェン(domiphen bromide)、第四級アンモニウム塩、亜鉛化合物、サンギナリン(sanguinarine)、フッ化物、アレキシジン(alexidine)、オクトニジン(octonidine)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)および同類のもの;
(b)非ステロイド系の抗炎症薬および痛み緩和剤、例えば、アスピリン、アセトアミノフェン(acetaminophen)、イブプロフェン(ibuprofen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、ジフルニサル(diflunisal)、フェノプロフェンカルシウム(fenoprofen calcium)、フルルビプロフェンナトリウム(flurbiprofen sodium)、ナプロキセン(naproxen)、トルメチンナトリウム(tolmetin sodium)、インドメタシン(indomethacin)、セレコキシブ(celecoxib)、バルデコキシブ(valdecoxib)、パレコキシブ(parecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)および同類のもの;
(c)鎮咳薬、例えば、ベンゾナテート(benzonatate)、カラミフェン・エジシレート(caramiphen edisylate)、メントール(menthol)、臭化水素酸デキストロメトルファン(dextromethorphan hydrobromide)、塩酸クロフェジアノール(chlophedianol hydrochloride)および同類のもの;
(d)抗ヒスタミン剤、例えば、マレイン酸ブロムフェニラミン(brompheniramine maleate)、マレイン酸クロルフェニラミン(chlorpheniramine maleate)、マレイン酸カルビノキサミン(carbinoxamine maleate)、フマル酸クレマスチン(clemastine fumarate)、d−マレイン酸クロルフェニラミン(dexchlorpheniramine maleate)、塩酸ジフェニルヒドラミン(diphenylhydramine hydrochloride)、マレイン酸アザタジン(azatadine maleate)、クエン酸ジフェンヒドラミン(diphenhydramine citrate)、塩酸ジフェンヒドラミン(diphenhydramine hydrochloride)、塩酸ジフェニルピラリン(diphenylpyraline hydrochloride)、コハク酸ドキシラミン(doxylamine succinate)、塩酸プロメタジン(promethazine hydrochloride)、マレイン酸ピリラミン(pyrilamine maleate)、クエン酸トリペレナミン(tripelennamine citrate)、塩酸トリプロリジン(triprolidine hydrochloride)、アクリバスチン(acrivastine)、ロラタジン(loratadine)、デスロラタジン(desloratadine)、ブロムフェニラミン(brompheniramine)、デクスブロフェニラミン(dexbropheniramine)、フェキソフェナジン(fexofenadine)、セチリジン(cetirizine)、モンテルカストナトリウム(montelukast sodium)および同類のもの;
(e)去痰薬、例えば、グアイフェネシン(guaifenesin)、トコン(ipecac)、ヨウ化カリウム、抱水テルピン(terpin hydrate)および同類のもの;
(f)鎮痛剤−解熱剤、例えば、サリチル酸塩、フェニルブタゾン(phenylbutazone)、インドメタシン(indomethacin)、フェナセチン(phenacetin)および同類のもの;
(g)抗片頭痛薬(antimigraine drugs)、例えば、コハク酸スマトリプタン(sumitriptan succinate)、ゾルミトリプタン(zolmitriptan)、バルプロ酸(valproic acid)、臭化水素酸エレトリプタン(eletriptan hydrobromide)および同類のもの;
(h)抗ガス剤(anti-gas)および下痢止め薬、例えば、シメチコン(simethicone)、ロペラミド(loperimide);
(i)H−拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬、例えば、ラニチジン(ranitidine)、ファモチジン(famotidine)、オメプラゾール(omeprazole)および同類のもの;ならびに
(j)中枢神経系作用薬(central nervous system agents)、
を含むが、それらに限定されない。
【0044】
製剤中の医薬品有効成分の量を調整し、活性剤の予定投与量を予定時間にわたって送出すことができる。該予定時間は典型的には、4時間〜24時間まで様々であってよい。表1に、特定の薬学的活性剤を含有する投与量の例を開示する。
【表1】

【0045】
特に指定のない限り、医薬品有効成分の量は、剤形当りの重量%として表す。使用される医薬品有効成分の量は通常、約0.01重量%〜約80重量%、または約0.1重量%〜約40重量%、または約1重量%〜約30重量%、または約1重量%〜約10重量%であってよい。
【0046】
活性成分の「有効(effective)」量または「治療的に有効な量(therapeutically effective amount)」とは、無毒な量であるものの所望の効能を提供するのに十分である薬品の量をいう。活性剤の「有効」量は、被検者によって様々であり、個人の年齢および全身容態、1種類以上の特定活性剤、等によって決まる。したがって、正確な「有効量」を特定することは必ずしも可能ではない。しかし、あらゆる個々のケースにおける適切な「有効」量は、当業者が日常的な実験を行うことによって決定することができる。
【0047】
「薬理学的に活性な(pharmacologically active)」化合物(または単に「活性な」)化合物とは、薬理学的活性を有する化合物をいい、また、活性剤の「薬理学的に活性な」誘導体とは、親化合物と同一タイプの薬理学的活性を有し、程度がほぼ等しい誘導体をいう。用語「薬学的に許容できる(pharmaceutically acceptable)」が活性剤の誘導体(例えば、塩)に言及するために用いられる場合、その化合物もまた薬理学的に活性であると理解されるべきである。用語「薬学的に許容できる」が、賦形剤に言及するために用いられる場合、その用語は、該賦形剤が毒性試験および製造試験の必要基準を満たしたこと、または、該賦形剤が米国食品医薬品局(the Food and Drug Administration)によって作成された不活性成分ガイド(the Inactive Ingredient Guide)に載っていること、を意味する。
【0048】
例えば、「薬学的に許容できる賦形剤」または「薬学的に許容できる添加物」の詳述の中などでの「薬学的に許容できる」とは、生物学的に望ましくない訳ではない材料、または別様に望ましくない訳ではない材料を意味する。即ち、該材料は、望ましくないいかなる生物学的作用をも引き起こすことなく、あるいは、該材料が含有されている組成物の他の諸成分のいずれとも有害に相互作用することなく、患者に投与される薬剤組成物の中に組み入れることができる。
【0049】
本発明の様々な実施形態において、剤形は、経口投与されてもよい。経口投与は、1種類以上の医薬品有効成分を備えた組成物が胃腸管の中に入るように嚥下を伴うことがあり、かつ/または、医薬品有効成分が口腔から直接に血流の中に入り込む、口腔投与、舌投与もしくは舌下投与(lingual, or sublingual administration)を伴うこともできる。
【0050】
カプセルの様々な相または溶液の中に含まれることのできる有用な不活性成分は、結合剤、充填剤、潤滑剤、懸濁化剤(suspending agents)、甘味料、香味料および風味増強剤、味覚マスキング剤、防腐剤、緩衝剤、湿潤剤、酸化防止剤、着色剤または色素剤、薬学的に許容できるキャリヤ、錠剤分解物質、唾液分泌刺激剤、冷却剤、(油を含む)共溶媒、pH調整剤、発泡剤、緩和薬(emollients)、膨張性薬剤、発泡防止剤、界面活性剤、可溶性有機塩、浸透化剤(permeabilizing agents)、流動促進剤および他の賦形剤、ならびにそれらの組合せを含むことができるが、それらに限定されない。これらの薬品は、医薬品有効成分と化学的に、または物理的に適合性があることが望ましい。
【0051】
実質的に水溶性である有用なキャリヤまたは充填剤の例は、様々なデンプン、セルロース、糖質、圧縮糖または可溶性充填剤を含むが、それらに限定されない。さらに詳しくは、有用な充填剤は、ラクトース、ラクトース一水和物、ラクトース無水物、スクロース、アミロース、デキストロース(dextrose)、マンニトール(mannitol)、イノシトール(inositol)、マルトース(maltose)、マルチトール(maltitol)、ソルビトール(sorbitol)、グルコース(glucose)、キシリトール(xylitol)、エリトリトール(erythritol)、フルクトース(fructose)、マルトデキストリン(maltodextrins);微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース(calcium carboxymethyl cellulose);アルファ化デンプン(pregelatinized starch)、変性デンプン、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン;カオリンを含む粘土、およびPEG(ポリエチレングリコール)4000を含むPEG;または、それらの組合せ;を含むが、それらに限定されない。充填剤の有効量は、本発明の組成物の約1〜約99重量%の範囲、または約25〜約95重量%の範囲、または約40〜約95重量%の範囲を含む。
【0052】
本発明の組成物は、甘味料を含むことができる。有用な甘味料は、糖類(sugars)、例えば、スクロース、グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトースおよびそれらの混合物; 酸性サッカリン(acid saccharin)およびそれの様々な塩、例えば、ナトリウム塩またはカルシウム塩;シクラミン酸およびそれの様々な塩、例えば、ナトリウム塩;ジペプチド甘味料、例えば、アスパルテーム(aspartame)およびアリテーム(alitame);天然甘味料、例えば、ジヒドロカルコン化合物(dihydrochalcone compounds);グリシリジン(glycyrrhizin);ステビア・レバウディアナ(Stevia rebaudiana)[ステビオシド(Stevioside)];糖アルコール、例えば、ソルビトール、ソルビトールシロップ、マンニトール、キシリトールおよび同類のもの、合成甘味料、例えば、アセスルファムK(acesulfame-K)、そのナトリウム塩およびカルシウム塩、および他の合成甘味料、水素化デンプン加水分解物(hydrogenated starch hydrolysate)[リカシン(lycasin)];タンパク質ベースの甘味剤、例えば、タリン(talin)[タウマッコスダニエリ(thaumaoccous danielli)]、ならびに/または、最新技術により知られている、薬理学的に許容できる他のあらゆる甘味料、ならびに、それらの混合物を含むが、それらに限定されない。
【0053】
甘味料として有用な適切な糖アルコールは、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール(galactitol)、マルチトール(maltitol)、イソマルト(isomalt)[パラチニット(PALATINIT)(商標)]およびそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。使用される糖アルコールの正確な量は、所望の冷却効果の度合い等の因子に左右される好みの問題である。したがって、糖アルコールの量は、最終生成物において望ましい結果を得るために様々であってよく、そのような変化(variations)は、過度の実験を行う必要はなく、当業者の能力の範囲内にある。
【0054】
もう1つの実施形態において、カプセルは糖を含有しない。無糖製剤は、血糖疾患を患っている消費者に対して、または、そのような製剤を必要とする糖尿病患者に対して容易に投与することができるという利点を有する。そのような甘味料は、苦く金属的な後味が存在しないなどの特性(properties)を共有するスクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテームを含むが、それらに限定されない。
【0055】
もう1つの実施形態において、カプセルは、アセスルファムK、アスパルテーム、スクラロースおよびそれらの組合せを含むことができる。アセスルファムKは、ニュトリノーバ・ニュートリーション・スペシャルティーズ・アンド・フード・イングリーディエント有限責任会社(Nutrinova Nutrition Specialties & Food Ingredient GmbH)の市販用製品である。剤形におけるスクラロースの有効量は、FDDFの全重量に基づき約0.002%〜約10%の間である。しかし、この量は、甘味付けされている組成物の性質によって大きく変わることがある。1つの好ましい実施形態において、甘味料は、スクラロースとアセスルファムKとの混合物である。
【0056】
本発明の1つの実施形態は、放出制御組成物または徐放性組成物を提供する。
【0057】
任意的に、1種類以上の調味料、例えば、米国特許第6,596,298号明細書に記載されている調味料、を使用することができる。この米国特許明細書の開示内容は本明細書に組み入れられる。いかなる量の調味料をも使用することができ、また、その量は、1種類以上の医薬品有効成分の特性によって決まる。調味料の好ましい濃度は、組成物の約0.01w/w%〜約10w/w%の間である。
【0058】
本発明のもう1つの実施形態は、複数個の(シームレスカプセルを含む)カプセルの中に医薬品有効成分を有する2種類以上の別個の組成物と、それらのカプセルを別々に保持するための手段(例えば、容器、分割瓶(divided bottle)、または分割されたホイル包み(divided foil packet))とを有するキットを提供する。そのようなキットの例は、複数個のカプセル等を包装するために使用される普通のブリスター包装(blister pack)である。他の実施形態では、1回服用量ブリスター包装(unit dose blister packs)から複数回投与用パッケージ(multiple dose packages)(例えば、瓶)まで多岐にわたる様々な包装形態を含む製品が意図されている。コンプライアンスの助けとなるように、キットは、施薬のための説明書を有することができ、さらに、いわゆる記憶補助物(memory aid)を備えることができる。
【0059】
1つの実施形態において、カプセルと相互作用することのある酸素の量を制限するものと思われているブリスター包装であって、それ自体で医薬品有効成分を含有する製剤の安定性を増大させるかまたは改善することもできるブリスター包装の中に、該カプセルは提供される。もう1つの実施形態では、ブリスター包装の裏面のホイルを通して製剤を押すことによって、ブリスター包装からカプセルを分配する方法が意図されている。
【0060】
本発明のもう1つの実施形態は、被カプセル化不飽和脂肪酸物質を製造する方法を提供する。この方法は、軟カプセル(soft capsule)を製造するための従来の方法であってもよい。カプセルを製造するための方法の例には、主としてゼラチンを含有する被覆層のためのシートと、酸およびそれの酸性塩を含有する水溶性ゲル層のためのシートとをそれぞれ調製する工程;両方のシートを積層する工程;乾燥シートを得るために乾燥する工程;ならびに、内容物(content)としての不飽和脂肪酸またはそれの誘導体を前記乾燥シートと一緒に回転充填機の上でカプセル化して、継目のあるカプセル(seamed capsule)を形成する工程;を含む方法、さらに、同心円状に配列された幾つかのノズルを備えた装置を使用することによってシームレスカプセルを製造する、別の方法が含まれる。
【0061】
シームレスマイクロカプセルは、容認できるいかなる機械、例えば、シームレスミニカプセル製造機械[例えば、図2に示されるような、フロイント産業(Freund-Corp.)(日本国)によって製造されるスフェレックス(Spherex)]、によっても製造することができる。そのような機械によって、非常に球状で均一なシームレスカプセルを製造することができる。シームレスマイクロカプセルを含むシームレスカプセルの有用な製造方法は、1つの容器に入っている核の諸成分と、もう1つの容器に入っている1種類以上の殻の諸成分とを混合する工程を含む。1種類以上の殻用材料を加熱して液状媒体を提供する。次いで、前記の核用材料と殻用材料とを、有機キャリヤ媒体中に入れられた少なくとも2つの流体ノズル(two fluid nozzles)まで別々に送り込む。形成されたカプセルは、冷却して硬化させる。次いで、それらカプセルは、更なる処理のために変性されて分離される。追加の溶液を注入して、3以上の系のマイクロカプセルを形成することができる。前記の核溶液および殻用溶液は相違していなければならない。シームレスミニカプセル製剤の原理は、表面張力を利用することである。とりわけ、2種類の相違する溶液が互いに接触しているとき、表面張力は該溶液の接触面積を減少させるように作用し、結果的に球状になる。
【0062】
シームレスカプセルの適切な製造方法は、米国特許第5,330,835号および米国特許第6,531,150号、米国特許出願公開第2004/0051192号、米国特許第5,478,508号明細書に開示されている。それらの明細書は、そっくりそのまま本明細書に組み入れられる。
【0063】
図1は、内核材料21と被覆層23とを備えたカプセル20の横断面図を概略的に示す。図2は、内核材料11と被覆層10と膜層14とを備えたカプセル15の横断面図を概略的に示す。
【0064】
図3は、シームレスカプセルを製造するのに適した、本発明の1つの実施形態を例示する概略的横断面図である。ノズルに供給されるカプセルの内核材料4は内側ノズル(第1のノズルと呼ぶ)1の環状端から、水溶性ゲル層5を形成するための材料は中間ノズル(第2のノズルと呼ぶ)2の環状端から、また、オプションとして被覆層6のための膜形成用材料は外側ノズル(第3のノズルと呼ぶ)3の環状端から、同時に押し出されて、3相複合材料のジェット流を作り出し、次いで、該ジェット流を冷却用溶液8の中に放出して、シームレスカプセルの形態の、本発明の被カプセル化(encapsulated)不飽和脂肪酸物質7を得る。
【0065】
本発明の方法では、全ての充填材が液体であるので、振動手段を用いてジェット流を十分に振動させて、ジェット流を直ちに放出することによって、カプセル化工程は容易に実施することが可能であり、そうすることによって、結果として得られるカプセルの粒度を均一に制御することができる。
【0066】
本発明の方法によって製造された被カプセル化不飽和脂肪酸物質7は、被覆層中に水分を残存させている非乾燥形態、または乾燥形態のいかなる方法ででも使用することができる。
【0067】
本発明のカプセルは、0.1〜20mm、好ましくは0.3〜8mmの所望の粒度に形成することができる。水溶性外層12は、約0.001〜約5.00mm、または約0.01〜1mmの厚さを有することができる。
【0068】
実施例
【表2】

【0069】
表2の処方を混合して、カプセルの各々の層を調製する。親水性外層用液体は、グリセリン、イソマルト、スクラロース(sucralose)の入っている適切な大きさの容器に純水を加え、それらの成分が完全に溶解するまで30℃±5℃で混合することによって調製する。次いで、ゼラチンを添加して、その混合物は60℃±5℃に加熱し、約1〜2時間の間混合して全ての成分を溶解させる。混合を停止し、次いで、その温度を60℃±5℃に1〜2時間の間保持して気泡を除去する。その溶液は、60℃±5℃の温度を保持しながら、カプセル化タンクに移される。50℃±5℃のオーブンでメルバ26(Melba 26)等の硬化植物油を溶融し、その温度を2〜5時間の間保持しながらレシチンと混合し、レシチンを溶解させることによって保護層を調製する。その混合物は、撹拌することなく約30分間の間40℃±5℃に保持して気泡を除去する。約40℃〜約55℃の温度のオーブンでメルバ26等の硬化植物油を溶融し、該硬化植物油が溶融するまでメントールを混ぜ合わせることによって、核液相を調製する。ユーカリプトール(eucalyptol)およびオレンジ香味料を添加して、約30〜約45℃の温度で約1時間の間混合し続ける。その温度および混合を維持しながら、フェニレフリン(phenylephrine)および二酸化ケイ素、スクラロースおよびアセスルファムカリウム塩(Acesulfame potassium salt)を添加する。その混合物は、温度を約30〜約45℃に保持しながら約2500〜約8500rpmの撹拌速度で混合しながら、約20分間の間均質化する。
【0070】
カプセルを形成するために、それらの材料は、同心円状に配列された三重ノズル(triple nozzle)を通して押し出され、冷却用溶液(植物油)の中に放出されて三重構造のカプセルを製造する。
【表3】

【0071】
表3に記載のカプセル化用材料を用いてフェニレフリンを造粒することによって、フェニレフリンを部分的にカプセル化する。その湿式造粒塊(wet granulation mass)は、10メッシュスクリーンを通過させられる。それらの顆粒は50℃の強制空気オーブンで乾燥される。乾燥粉末は、40メッシュスクリーンを通過させられ、次いで、その粉末は、核溶液中に混ぜられる。
【0072】
本発明は、それの特定の諸実施例を参照しながら詳細に記述してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、それら実施形態に様々な変化および変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。
【0073】
〔実施の態様〕
(1)疎水性内核、および少なくとも1種類の親水性外層を含むカプセルにおいて、
前記外層は、少なくとも1種類の吸湿性ポリオール、および少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールを含む、カプセル。
(2)実施態様1に記載のカプセルにおいて、
前記少なくとも1種類の親水性外層は、少なくとも1種類の膜形成剤、または少なくとも1種類のゲル形成剤をさらに含む、カプセル。
(3)実施態様1に記載のカプセルにおいて、
前記低吸湿性ポリオールは、イソマルトを含む、カプセル。
(4)実施態様1に記載のカプセルにおいて、
前記吸湿性ポリオールは、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、エリトリトール、および同類のもの、ならびに、それらの組合せから成る群から選ばれている、カプセル。
(5)実施態様2に記載のカプセルにおいて、
前記少なくとも1種類の膜形成剤または少なくとも1種類のゲル形成剤は、ゼラチン、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、トラガカントゴム、グアールガム、アカシアゴム、アラビアゴム、ポリアクリル酸、メタクリル酸メチル共重合体、カルボキシビニルポリマー、アミロース、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン、デキストリン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質分離物、乳漿タンパク質分離物、カゼイン、およびそれらの組合せから成る群から選ばれている、カプセル。
(6)実施態様1に記載のカプセルにおいて、
前記疎水性内核は、少なくとも1種類の医薬品有効成分を薬学的に有効な量で含む、カプセル。
(7)実施態様1に記載のカプセルにおいて、
前記カプセルは、
前記内核と前記親水性外層との間に位置する少なくとも1種類の追加層、
をさらに含む、カプセル。
(8)実施態様1に記載のカプセルにおいて、
前記カプセルは、消費者の口腔の中で完全に分解することのできる独立型生成物である、カプセル。
(9)実施態様8に記載のカプセルにおいて、
前記カプセルは、口腔内で約20秒未満で分解するが、前記口腔内にゼラチン残渣を残さない、カプセル。
(10)実施態様1に記載のカプセルにおいて、
前記カプセルは、シームレス外層を有している、カプセル。
(11)実施態様1に記載のカプセルにおいて、
前記カプセルは、安定であり、
前記少なくとも1種類の外層は、30℃/65%相対湿度の加速安定条件の下で最小限の分解を受ける、カプセル。
(12)実施態様1に記載のカプセルにおいて、
前記カプセルは、約0.1mm〜約10mmの直径を有している、カプセル。
(13)実施態様1に記載のカプセルにおいて、
前記少なくとも1種類の吸湿性ポリオールは、約1重量%〜約50重量%の量で存在している、カプセル。
(14)実施態様1に記載のカプセルにおいて、
前記少なくとも1種類の吸湿性ポリオールは、約10重量%〜約30重量%の量で存在している、カプセル。
(15)実施態様1に記載のカプセルにおいて、
前記少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールは、約1重量%〜約50重量%の量で存在している、カプセル。
(16)実施態様1に記載のカプセルにおいて、
前記少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールは、約10重量%〜約40重量%の量で存在している、カプセル。
(17)実施態様6に記載のカプセルにおいて、
前記医薬品有効成分は、アクリル系共重合体でカプセル化されているか、または部分的にカプセル化されている、カプセル。
(18)実施態様6に記載のカプセルにおいて、
前記医薬品有効成分は、ジフェンヒドラミン、デキストロメトルファン、メントール、フェニレフリン、偽エフェドリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ファモチジン、グアイフェネシン、ケトプロフェン、ニコチン、セレコキシブ、バルデコキシブ、クロルフェニラミン、フェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、セチリジン、ラニチジン、シメチコン、ならびに、それらの異性体、薬学的に容認可能な塩、およびプロドラッグ、ならびに、それらの組合せから成る群から選ばれている、カプセル。
(19)疎水性内核、および少なくとも1種類の親水性外層を含むカプセルにおいて、
前記外層は、少なくとも1種類の膜形成剤または少なくとも1種類のゲル形成剤、少なくとも1種類の吸湿性ポリオール、および少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールを含み、
前記疎水性内核は、少なくとも1種類の医薬品有効成分を薬学的に有効な量で含み、
前記少なくとも1種類の外層は、30℃/65%相対湿度で最小限の分解を受ける、カプセル。
(20)疎水性内核および少なくとも1種類の親水性外層を含むカプセルを含む、パッケージにおいて、
前記外層は、少なくとも1種類の吸湿性ポリオール、および少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールを含み、
前記パッケージは、前記パッケージに添付された薬剤の詳細情報を含む、パッケージ。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の1つの実施形態によって提供される、内核層と外殻層とを有するカプセルを例示する横断面図である。
【図2】本発明の1つの実施形態によって提供される、内核層と外側被覆層と外側膜層とを有するカプセルを例示する横断面図である。
【図3】シームレスカプセルを製造するのに適した装置のノズル部分に係る、本発明の1つの実施形態を例示する概略的横断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性内核、および少なくとも1種類の親水性外層を含むカプセルにおいて、
前記外層は、少なくとも1種類の吸湿性ポリオール、および少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールを含む、カプセル。
【請求項2】
請求項1に記載のカプセルにおいて、
前記少なくとも1種類の親水性外層は、少なくとも1種類の膜形成剤、または少なくとも1種類のゲル形成剤をさらに含む、カプセル。
【請求項3】
請求項1に記載のカプセルにおいて、
前記低吸湿性ポリオールは、イソマルトを含む、カプセル。
【請求項4】
請求項1に記載のカプセルにおいて、
前記吸湿性ポリオールは、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、エリトリトール、および同類のもの、ならびに、それらの組合せから成る群から選ばれている、カプセル。
【請求項5】
請求項2に記載のカプセルにおいて、
前記少なくとも1種類の膜形成剤または少なくとも1種類のゲル形成剤は、ゼラチン、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、トラガカントゴム、グアールガム、アカシアゴム、アラビアゴム、ポリアクリル酸、メタクリル酸メチル共重合体、カルボキシビニルポリマー、アミロース、高アミロースデンプン、ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン、デキストリン、キチン、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質分離物、乳漿タンパク質分離物、カゼイン、およびそれらの組合せから成る群から選ばれている、カプセル。
【請求項6】
請求項1に記載のカプセルにおいて、
前記疎水性内核は、少なくとも1種類の医薬品有効成分を薬学的に有効な量で含む、カプセル。
【請求項7】
請求項1に記載のカプセルにおいて、
前記カプセルは、
前記内核と前記親水性外層との間に位置する少なくとも1種類の追加層、
をさらに含む、カプセル。
【請求項8】
請求項1に記載のカプセルにおいて、
前記カプセルは、消費者の口腔の中で完全に分解することのできる独立型生成物である、カプセル。
【請求項9】
請求項8に記載のカプセルにおいて、
前記カプセルは、口腔内で約20秒未満で分解し、前記口腔内にゼラチン残渣を残さない、カプセル。
【請求項10】
疎水性内核、および少なくとも1種類の親水性外層を含むカプセルにおいて、
前記外層は、少なくとも1種類の膜形成剤または少なくとも1種類のゲル形成剤、少なくとも1種類の吸湿性ポリオール、および少なくとも1種類の低吸湿性ポリオールを含み、
前記疎水性内核は、少なくとも1種類の医薬品有効成分を薬学的に有効な量で含み、
前記少なくとも1種類の外層は、30℃/65%相対湿度で最小限の分解を受ける、カプセル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−518381(P2009−518381A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543929(P2008−543929)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002972
【国際公開番号】WO2007/066178
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(506105814)マクニール−ピーピーシー・インコーポレーテツド (69)
【Fターム(参考)】