説明

迷惑電話対策音出力機能を有する電話機

【課題】 いたずら電話目的の相手先のみに確実に対策音を出力する。
【解決手段】 着信後、ステップS90で回線接続し、無音期間の測定を開始し無音期間が10秒経過したと判定すると、対策操作に基づく対策音出力を有効にする(ステップs91〜ステップS95)。或いは、無音期間が10秒経過したと判定すると、自動的に回線に対策音を出力し、いたずら電話目的で発呼してきた相手先に対して威嚇する或いは発呼をあきらめさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆電話回線網に接続される電話機、コードレス電話機、ファクシミリ装置機能を有するなるいはファクシミリ機能を有する電話機に関するものであり、無言電話などの迷惑電話を抑制するための対策音の出力機能を有する電話機に関する。特に本発明は、迷惑電話の対策音の出力機能を有する電話機において、迷惑電話発信者に向けて有効に対策音出力を機能させるように、オンフック後も一定時間対策音出力を継続するようにし、かつ、その後、利用者が通話のためオフフック操作した場合に所定時間経過後に回線を再捕捉するようにした電話機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からオフィスや家庭において、公衆電話回線網に接続される加入電話のような固定電話機の他、無線通信機能により結ばれる親機と子機からなるコードレス電話機が広く使用されている。近年ではファクシミリ装置が接続可能な電話機、親機にファクシミリ機能を備えた電話機やコードレス電話機も普及している。本明細書においてはコードレス電話装機やファクシミリ機能を有する電話機を含み電話機と総称することとする。
【0003】
最近では電話機対して無言電話や悪戯電話などの迷惑電話が着信する被害も増加しており、このような迷惑電話の着信時に相手方電話機(発信側電話機)に対して、不快感を与えるような音(撃退音:以下、対策音ということとする)を出力することによって再度同じ発信者から迷惑電話がかからないように抑止する手段も提案されている。
【0004】
例えば、下記の特許文献1(特開平8−149202号公報)には「コードレス電話機」として迷惑電話対応出力(撃退音を出力する)電話機が開示されている。このコードレス電話機は、手間をかけることなく、悪戯撃退音の効果を上げるように考慮されたものであり、電話機に悪戯撃退音を出力する機能と受信した利用者が迷惑電話であると判断した時に悪戯撃退音を出力するための操作キーとを備え、利用者が悪戯電話と判断すると操作キーを押して相手方に撃退音を出力開始し、話中音が検出される間は撃退音を出力し、相手が電話を切り話中音が検出されなくなると通話を終了して待機状態に戻るように構成している。
【0005】
図9は上記特許文献1に開示されたコードレス電話機における迷惑電話着信時の動作手順を示すフローチャートである。図9に示されるように、利用者が電話を受信して通信中に悪戯電話と判断するとキー操作によりS1の動作が行われ悪戯撃退音が回線に送出される。次にS2において、コードレス受話器がオンチャージされているか否かが判断され、オンチャージされているとステップS3に移行し、そうでないとS4に移行する。S3では悪戯撃退音を回線と拡声スピーカに出力しS5に移行する。S4では悪戯撃退音を回線とコードレス受話器に出力しS5に移行する。S5では回線から話中音が検出されるか否かを判断し、話中音が検出されるとS6に移行し、そうでないとS2が繰り返される。S6では通話を終了して待機状態となる。
【特許文献1】特開平8−149202号公報(図1、図2、段落[0006])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示されたコードレス電話機においては、所定のキー操作に基づいて撃退音が回線へ出力される。しかしながら、キー操作をするだけで簡単に撃退音が出力できる構成であれば、いたずら目的でない相手先にも誤って撃退音が出力される可能性がある。できるなら、いたずら目的である相手先にのみ確実に撃退音が出力されることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、迷惑電話発信側からの着信に応答後、回線へ所定の対策音を出力する迷惑電話対策音出力機能を有する電話機において、前記電話機は、前記発信側から音声が出力されない期間(無音期間)が所定時間以上であると判定すると、自動的に前記対策音を回線へ出力することを特徴とする迷惑電話対策音出力機能を有する。
請求項2にかかる発明は、迷惑電話発信側からの着信に応答後、回線へ所定の対策音を出力する迷惑電話対策音出力機能を有する電話機において、前記対策音を出力指示するためのキーと、制御部と、を有し、前記制御部は、前記発信側からの着信があり、前記発信側から音声が出力されない期間(無音期間)が所定時間以上であると判定すると、前記キーによる操作を有効とすることを特徴とする。
【0008】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の迷惑電話対策音出力機能を有する電話機であり、更に、強制的に対策音を出力指示するための強制出力指示キーを有し、該強制出力指示キーが操作された際には、前記発信側から音声が出力されない期間(無音期間)が所定時間以上となる前であっても、強制的に前記対策音を回線へ出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1にかかる発明においては、発信側から音声が出力されない期間(無音期間)が所定時間以上であると判定すると、自動的に前記対策音を回線へ出力する。即ち、所定時間無音だったことに基づいて相手先をいたずら目的による通話と判定する為、確実にいたずら目的の相手先のみに対策音を出力することが可能である。
【0010】
又、請求項2にかかる発明においては、発信側から音声が出力されない期間(無音期間)が所定時間以上であると判定すると、対策音を出力指示するためのキーを有効とする為、間違えていたずら目的でない相手先に対策音を出力することを禁止することが可能であり、更に、確実にいたずら目的の相手先のみに対策音を出力することが可能である。
【0011】
更に、請求項3にかかる発明においては、着呼があるとすぐさま中傷するような言葉を発する相手先に対しても対処できるように、強制的に対策音を出力指示するための強制出力指示キーを有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の実施例にかかる迷惑電話対策音出力機能を有する電話機の構成を示す外観図である。図2は本発明の実施例にかかる迷惑電話対策音出力機能を有する電話機の構成を示すブロック図である。本実施例においてはコードレス電話機を例に説明を進めるが、コードレス電話機の他、通常の固定電話機、あるいはファクシミリ機能を有する電話機、あるいはファクシミリ装置を接続可能な電話機やコードレス電話機などにも適用可能である。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1にかかるコードレス電話機10の外観を示す図である。以下の実施例1においては、コードレス電話機10において、迷惑電話を受信した場合にその抑制のための対策音を発信者側に出力する際の構成、また、その後利用者が通話のためオフフック操作した場合に所定時間経過後に回線を再捕捉する構成について説明する。
【0014】
コードレス電話機10は親機20と子機30とが無線で接続された構成となっており、子機30から親機20を介して通話の受信、発信が行えるようになっている。親機20は、図2のブロック図に示すように、電話回線制御部21、音声信号処理部22、無線部23、制御部24、マイク・スピーカ部25、操作・表示部26、メモリ27、アンテナ28を備えて構成されている。制御部24はマイクロプロセッサからなる制御回路であり、図示していないROM、RAMを備えている。ROMには各部動作を制御するプログラムを記憶しており、制御部24が通話時間の計時、通話料金の算出を行えるプログラムなども書き込まれている。RAMには制御部24の動作に必要な情報を記憶する。
【0015】
電話回線制御部21は公衆回線Nからの着信、公衆回線Nへの発信を制御するものであり、着信検出、ダイアルトーン検出などを行う。音声信号処理部22は受話音声信号を処理してマイク・スピーカ部25を介して出力し、あるいは、マイク・スピーカ部25を介して入力された送話音声を処理して音声信号に変換して送出する。無線部23はアンテナ28を介して子機30との間で発信信号、着信信号、送話音声信号、受信音声信号を通信する。
【0016】
操作・表示部26は、ディスプレイ、機能キー、数字キーなどから構成され、数字キーは発信の際の電話番号入力に用いられ、機能キーは種々の機能を選択したり設定したりするために用いられる。すなわち、機能キーを操作してディスプレイに所望の機能設定画面を表示してコードレス電話機10の種々の機能設定をしたり、通信キャリアが提供する種々のサービス機能のオン・オフの設定をしたりすることができる。例えば、ナンバーディスプレイサービスやキャッチホンディスプレイサービス、ネームディスプレイサービスなどのオン・オフの設定ができる。
【0017】
操作・表示部26には図示していないが、利用者が着信した電話を迷惑電話と判断したい場合に撃退音などの対策音を出力させるための操作を行う「対策選択キー」が設けられている。また、制御部24には対策選択キーが操作された場合、あるいは後述する判別により親機20が着信を迷惑電話と判別したことを検出する対策選択検出部241が設けられている。更に、メモリ27には、迷惑電話対策処理部271が設けられ、着信回線の接続継続を制御するための回線接続継続処理部272、迷惑電話に対する対策音(撃退音)出力制御部273、オフフック検出部274、回線接続切断処理部275が設けられている。これらの機能は実質的にはプログラム制御により後述の動作手順のように行われる。
【0018】
子機30は、図3のブロック図に示されるように、音声信号処理部32、無線部33、制御部34、マイク・スピーカ部35、操作・表示部36、メモリ37、アンテナ38を備えて構成されている。制御部34はマイクロプロセッサからなる制御回路であり、図示していないROM、RAMを備えている。ROMには各部動作を制御するプログラムを記憶しており、制御部34が親機20と通信するためのプログラムなども書き込まれている。RAMには制御部34の動作に必要な情報を記憶する。
【0019】
着信が迷惑電話であるか否かの判別は、次のいくつかの方法を単独でまたは組み合わせて行うことができる。第1は、利用者が着信電話を迷惑電話と判断して対策選択キーを操作した場合である。第2は、同じ発信元から所定回数以上連続した着信があった場合である。前記第2の判別を行うために、メモリ27に図4に示す着信履歴を記憶しておく。
【0020】
すなわち、図4のように着信履歴は、着信ごとに相手方の電話番号、着信時刻、音声録音の有無、着信回数を記憶するように構成される。記憶の順序は着信順に記憶部のアドレスを進め、古い着信から新しい着信の順である。従って、連続したアドレスに同じ電話番号の電話から着信があれば、その電話番号からの着信回数をカウントすれば連続した着信であると判別することができる。
【0021】
別の着信履歴の記憶方法によれば、着信した相手方の電話番号ごとに着信時刻、音声録音有無、着信回数を記憶するように構成し、着信回数をカウントするにあたり、着信時刻が連続していれば所定回数に達するまでカウントし、着信時刻が連続していなければカウント値をクリアするようにすることもできる。これにより着信回数を参照すれば連続した着信であると判別することができる。
【0022】
本実施例1においては、迷惑電話であることを対策選択検出部241が自動的に判別するとオフフックしなくても相手方と回線接続し、相手方が回線切断するまで迷惑電話に対する対策音を継続出力する。また、着信電話に対してオフフックして回線接続し通話を開始した後、利用者が迷惑電話と判別して対策キーを操作した場合、オンフックしても所定時間の間対策音出力を継続する。これらの処理が回線接続継続処理部272、対策音出力制御部273、回線接続切断処理部275の制御により行われる。その後、利用者が通話のためにオフフック操作した場合には、オフフック検出部274が所定時間経過後に対策音出力を停止し、通話(発呼)を可能とするように制御する。
【0023】
図5、図6に示すフローチャートに基づいて親機20における上記の迷惑電話に対する対策音出力制御の手順について説明する。ステップS11の処理において着信があると、ステップS12の処理において発呼側の電話番号を取得する。発呼側電話番号を取得すると、対策選択検出部241は、ステップS13の処理において図4の着信履歴を参照して以前に着信した発呼側電話番号と同一かを判定する。
【0024】
同一の場合、ステップS14の処理において着信回数(連続)が所定回数(例えば3回)を超過したかを判定する。着信回数(連続)が所定回数を超えていなければ通常の着信と判断し、ステップS19の処理に進みタイマA(第1タイマ)の計数をスタートしてステップ20において着信音を鳴動させる。所定回数を超過した場合は、対策選択検出部241は迷惑電話と判定し、ステップS15以降の処理に入り対策音出力の処理を行う。
【0025】
すなわち、ステップS15の処理において回線接続切断処理部274は回線を接続し、対策音出力制御部273はステップS16の処理において対策音を出力し、ステップS17の処理において通話の録音を行う(録音機能をオンしていない場合はこの処理はスキップされる)。そしてステップS18の処理において相手側が回線を切断したか否かが検出され、回線切断でなければステップS16の処理に戻り、対策音の出力が継続される。回線切断が検出されたならばステップS11の処理に戻り着信待ちの状態に復帰する。
【0026】
一方、ステップS20の処理において着信音を鳴動させた後、利用者が受信のためステップS21の処理において親機20の受話器をオフフックすると、ステップS28の処理でタイマAの計数をクリアし、ステップS29の処理において着信音の鳴動を停止し、ステップS30の処理において発信側との回線を接続し、ステップS31の処理において相手側が回線切断したかの監視を行う。相手側が回線切断したことが検出されるとステップS11の処理に戻り着信待ちの状態に復帰する。
【0027】
相手側が回線切断していなければステップS32の処理において対策選択検出部241は、利用者が着信した電話を迷惑電話と判断したい場合に撃退音などの対策音を出力させるための操作を行う操作・表示部26の「対策選択キー」が操作され、対策選択を行ったか否かが検出される。対策選択キーが操作されていなければステップS31に戻り、相手側の回線切断の監視を継続する。この間、親機20においては相手側との通話動作が行われることはいうまでもない。
【0028】
対策選択キーが操作されると、対策選択検出部241は迷惑電話と判定し、ステップS33以降の処理に入り対策音出力の処理を行う。すなわち、対策音出力制御部273はステップS33の処理において対策音を出力し、ステップS34の処理において発信側の電話番号を記録、録音、着信回数のカウントを行う。そしてステップS35の処理において受話器がオンフック(通話終了)されたか否かが判別される。オンフックされていなければステップS33の処理に戻り、対策音の出力が継続される。
【0029】
ステップS35の判別処理において、オンフックが検出されると、図6のフローチャートのステップS40の処理に進み、所定の時間、対策音の出力を継続する本発明の処理が行われる。すなわち、利用者が受話器をおいて(オンフック)して相手方との通話終了操作を行っても回線を切断せず、対策音の出力を継続することによって、迷惑電話抑制の効果を向上させる。
【0030】
このため、ステップS40の処理において回線切断の設定有無を判定する。回線切断までの時間設定がなされていない場合はステップS44の処理に進み回線接続切断処理部274が直ちに回線を切断する。回線切断までの時間設定がなされていれば、ステップS42の処理において回線接続継続処理部272は回線接続を継続する処理を行い、ステップS42の処理において、対策音出力制御部273が対策音の出力を継続する。
【0031】
ステップS43の処理において、例えば相手側がオンフックしたことにより、回線が切断されたか否かを判別し、回線切断であると判定するとステップS44の処理において回線を切断し、ステップS11(図5参照)の処理に戻り着信待ちの状態に復帰する。そうでなければステップS45の処理においてオフフック操作があったか否かが検出される。オフフック操作がなければステップS43の処理に戻る。
【0032】
ステップS45の処理においてオフフックが検出されるとステップS46の処理において相手方との回線を切断し(対策音出力を終了し)、ステップS47の処理においてタイマB(第2のタイマ)が計数を開始する。そしてステップS48の処理においてタイマBの計数値が2.2秒経過したかを判別し、経過していなければステップS48の処理を繰り返し、2.2秒経過していればステップS49の処理において回線を接続する。
【0033】
ステップS50の処理においてはダイアル発信か判別し、ダイアル発信であれば相手側が応答した後にステップS51の処理において通話を開始しステップS52のオンフック検出処理に進む。ダイアル発信でなければステップS52の処理においてオンフックされたか否かが検出され、オンフックが検出されればステップS53の処理において回線を切断、通話を終了してステップS11の処理に戻り着信待ちの状態に復帰する。ステップS52の処理においてオンフックが検出されなければステップS50の処理に戻る。
【0034】
一方、図5のフローチャートにおいて、ステップS20の処理で着信音を鳴動させた後、ステップS21の処理において親機20の受話器がオフフックされず、タイマAの計数が所定時間を計数すると、留守番電話録音の処理に入る。すなわち、ステップS22の処理において、タイマAの計数時間が判定され、所定時間が計数されていなければステップS20の処理に戻り、着信音の鳴動が継続される。
【0035】
タイマAの計数が所定時間を経過すると、ステップS23の処理において着信音の鳴動が停止され、ステップS24の処理において相手方との回線を接続し、録音を開始する。録音開始にあたって、ステップS26の処理において留守番電話録音のメッセージを送出する。ステップS27の処理において通話(録音)を終了し相手方が回線を切断すれば処理を終了し、ステップS11の処理に戻り着信待ちの状態に復帰する。
【0036】
以上、説明したように、迷惑電話であることを自動的に判別するとオフフックしなくても相手方と回線接続し、相手方が回線切断するまで迷惑電話に対する対策音を継続出力する(ステップS13〜ステップS18)。また、着信電話に対してオフフックして回線接続し通話を開始した後、利用者が迷惑電話と判別して対策キーを操作した場合、オンフックしても所定時間の間対策音出力を継続する(ステップS21〜ステップS43)。その後、利用者が通話のためにオフフック操作した場合には、オフフック検出部274が所定時間経過後に対策音出力を停止し、通話(発呼)を可能とする(ステップS45〜ステップS53)。
【0037】
これにより、オンフック操作しても迷惑電話に対する対策音出力を所定時間継続することができるようになり、また、迷惑電話と判別したら直ぐに警察などに電話通報したい場合にオフフック操作した後、一定時間経過した後自動的に通話することが可能になる。従って迷惑電話抑制の効果を更に高めることができるようになる。
【0038】
なお、上記の実施例において、オンフック検出後ステップS40の処理において一定期間経過するまで対策音出力を継続する設定の有無を判別する構成を説明したが、この設定は、利用者が任意に設定する、しないを選択できるように構成し、また、この設定は通話前に予め行ってもよく、あるいは、ステップS30の処理からステップS35の処理(オンフック)までの間に、操作・表示部26から設定するように構成することもできる。
【実施例2】
【0039】
上記実施例1においては、図6のステップS45〜ステップS49の手順に示すように迷惑電話に対する対策音出力継続中にオフフック操作があると、2.2秒経過後に回線接続する例を説明したが、以下に説明する実施例2のように、迷惑電話に対する対策音出力継続中にオフフック操作があるとタイマC(第3のタイマ)により一定時間経過するまでの間、対策音出力を継続した後、回線切断し、その後2.2秒経過したら回線接続(再捕捉)して通話を開始できるようにすることもできる。
【0040】
図7は、実施例2にかかるコードレス電話機の動作手順を示すフローチャートであり、実施例1における図6のフローチャートに対応する処理を示す図である。なお、実施例2におけるコードレス電話機の構成は図1〜図3に示す構成と同様の構成である。
【0041】
図7のステップS50〜ステップS55の処理、ステップS60〜ステップS67の処理は、それぞれ図6のステップS40〜ステップS45の処理、ステップS47〜ステップS53の処理と同様の処理である。図6の処理と異なる手順は、ステップS56〜ステップS60の処理である。
【0042】
すなわち、ステップS55の処理においてオフフックガ検出されたら、ステップS56の処理において相手方との回線接続を維持し、ステップS57の処理において対策音出力を継続する。そして、ステップS58の処理においてタイマC(第3のタイマ)による計数を開始し、ステップS59の処理により一定時間、例えば、本実施例では「1分間」経過したか判別する。1分間経過したらステップS60の処理において相手方との回線を切断する。1分間経過していなければ、ステップS59の処理における経過時間監視を続ける。
【0043】
このように構成すれば、迷惑電話に対する対策音出力継続中にオフフック操作があるとタイマC(第3のタイマ)により一定時間経過するまでの間、対策音出力を継続した後、回線切断し、その後2.2秒経過したら回線接続(再捕捉)して通話を開始できるようになる。
【実施例3】
【0044】
また、実施例1、2においては同一電話番号から連続着信が所定回数あったら自動的に迷惑電話と判別し、また、通話中利用者が迷惑電話対策の「対策選択キー」を操作した場合に対策音出力を行う例を説明したが、更に、利用者がオフフックして回線接続後に無音である期間が所定時間を経過したら対策選択キーを自動的に有効とすることもできる。
【0045】
図8は実施例2にかかるコードレス電話機の動作手順を示すフローチャートであり、実施例1における図5のフローチャートに対応する処理を示す図である。なお、実施例3におけるコードレス電話機の構成は図1〜図3に示す構成と同様の構成である。
【0046】
図8に示すフローチャートにおいて、図5のフローチャートと異なる手順は、ステップS91〜ステップS95の処理手順が追加されている点である。その他の手順は図5の処理手順と同様である。
【0047】
すなわち、ステップS90の処理において回線接続されると、ステップS91の処理において無音期間の測定が開始される。ステップS92の処理において無音期間が10秒経過したか判別し、10秒経過していなければステップS93の処理で通話状態が継続されステップS94の処理において回線が切断されたか否か判別が行われる。回線が切断されていなければ、ステップS92の処理に戻り、無音期間の監視が継続される。回線が切断されたらステップS57の処理に戻り着信待ち状態に復帰する。
【0048】
尚、S91ステップにおける無音期間の検出はいたずら電話目的で発呼してきた相手側のみの無音期間である。
【0049】
ステップS92の処理において、無音期間が10秒経過したことが検出されたら、ステップS95の処理において対策選択検出部は、対策選択キーが操作されると対策音を出力可能な状態にする。換言すれば、ステップS91までは対策音の出力を禁止した状態であるのに対し、発呼側の無音期間が所定時間(例えば、10秒)を経過すると、前記対策選択キーを有効とし、対策選択キーが操作されると対策音を出力可能な状態にする。更に、ステップS97の処理において、「対策選択キー」が操作されたか否かを判別し、「対策選択キー」が操作された場合も実施例1と同様に対策音出力の手順に移行する。
【0050】
このように構成することによって、利用者がオフフックして回線接続後に無音である期間が所定時間を経過したら自動的に対策音出力を行うことができるようになる。
【0051】
尚、本実施例では、ステップS92で無音期間が10秒を経過すると、ステップS95で対策操作有効としたが、ステップS92で無音期間が10秒を経過すると、自動的に回線に対策音を出力する構成としても良いし。
【0052】
又、いたずら電話は無言電話に限らず、回線接続直後に卑猥な言葉や中傷するような言葉を発する場合がある。このような場合にも対処できるように、無音期間が10秒を経過する前に強制的に対策音を送出する為のキーを別途設けても良い。
【0053】
更に、無音期間は10秒に限らない。又、無音期間の設定は工場出荷時にメーカー側で行っても良いしユーザが設定或いは選択可能としても良い。
【0054】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、無音期間が所定時間以上であれば、対策操作を有効としている為、確実にいたずら電話目的の相手先のみに対策音を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明にかかるコードレス電話機の外観を示す図である。
【図2】本発明の実施例にかかる親機の構成を示すブロック図、
【図3】本発明の実施例にかかる子機の構成を示すブロック図である。
【図4】子機のメモリに記憶される着信履歴のデータを説明するための説明図である。
【図5】本発明の実施例1にかかるコードレス電話機の動作手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例1にかかるコードレス電話機の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例2にかかるコードレス電話機の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例3にかかるコードレス電話機の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】従来のコードレス電話機における迷惑電話着信時の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
10・・・・コードレス電話機置
20・・・・親機
21・・・・電話回線制御部
22・・・・音声信号処理部
23・・・・無線部
24・・・・制御部
241・・・対策選択検出部
25・・・・マイク・スピーカ部
26・・・・操作・表示部
27・・・・メモリ
271・・・迷惑電話対策処理部
272・・・回線接続継続処理部
273・・・対策音出力制御部
274・・・オフフック検出部
275・・・回線接続切断処理部
28・・・・アンテナ
N・・・・・公衆電話回線
30・・・・子機
32・・・・音声信号処理部
33・・・・無線部
34・・・・制御部
35・・・・マイク・スピーカ部
36・・・・操作・表示部
37・・・・メモリ
38・・・・アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
迷惑電話発信側からの着信に応答後、回線へ所定の対策音を出力する迷惑電話対策音出力機能を有する電話機において、
前記電話機は、前記発信側から音声が出力されない期間(無音期間)が所定時間以上であると判定すると、自動的に前記対策音を回線へ出力することを特徴とする迷惑電話対策音出力機能を有する電話機。
【請求項2】
迷惑電話発信側からの着信に応答後、回線へ所定の対策音を出力する迷惑電話対策音出力機能を有する電話機において、
前記対策音を出力指示するためのキーと、制御部と、を有し、
前記制御部は、前記発信側からの着信があり、前記発信側から音声が出力されない期間(無音期間)が所定時間以上であると判定すると、前記キーによる操作を有効とすることを特徴とする迷惑電話対策音出力機能を有する電話機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の迷惑電話対策音出力機能を有する電話機であり、
更に、強制的に対策音を出力指示するための強制出力指示キーを有し、該強制出力指示キーが操作された際には、前記発信側から音声が出力されない期間(無音期間)が所定時間以上となる前であっても、強制的に前記対策音を回線へ出力することを特徴とする迷惑電話対策音出力機能を有する電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−60011(P2007−60011A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−240026(P2005−240026)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】