説明

送り駆動装置

【課題】高荷重の負荷が作用しても、送りねじ機構にモーメント等の変形力が作用せず、コンパクトで製作コストの低減化を図ることができる送り駆動装置を提供する。
【解決手段】一端に可動体3を固定した回転不能の1本の送りねじ軸6と、送りねじ軸にそれぞれ螺合している複数のナット7,8と、これらナットを回転自在に支持し、且つ、互いの相対的軸方向位置が一定になるように保持して基台1上に固定されているナットハウジング11,12と、基台上に固定され、複数のナットをそれぞれ回転駆動する複数の回転駆動部13,14と、複数の回転駆動部を制御して複数のナットを回転駆動させ、送りねじ軸を軸方向に移動させる駆動制御部23とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ機構に高荷重の負荷が作用する送り駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ねじ機構を用いた送り駆動装置として、例えば特許文献1に記載の装置が知られている。
この特許文献1は樹脂成形に用いるプレス装置であって、一端がプレス型に回転自在に連結されている送りねじ軸と、ナットハウジングに軸方向移動が拘束され、且つ回転自在に支持され、送りねじ軸にねじ螺合している駆動用ナットと、回転伝達機構を介して駆動ナットに回転運動を伝達する駆動モータとを備えた送り駆動装置を備えている。
【0003】
ところで、例えば射出成形機やプレス機械などの装置は高荷重の負荷を作用しなければならないので、高荷重の負荷に耐えるねじ機構を実現しなければならない。
前述した特許文献1のねじ機構を採用して高荷重の負荷に耐える装置とするには、高荷重の負荷を作用する方向に並列に複数のねじ機構を配置する(第1の改善策)、送りねじ軸の軸径を大きくする(第2の改善策)、駆動用ナットの軸長を長くする(第3の改善策)ことが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−29368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述した第1の改善策は、複数のねじ機構(送りねじ軸及び駆動用ナット)のねじ螺合部分にモーメントが作用して耐久性が低下するおそれがあるとともに、装置の大型化、製作コストの面で問題がある。
また、第2の改善策は、大型の送りねじ軸となるので、装置のコンパクト化、軽量化の面で問題がある。
【0006】
さらに、第3の改善策は、一つの駆動用ナットのねじ溝加工の長さには限界がある。そこで、ねじ溝加工の長さが可能な駆動用ナットを、軸方向に複数連結することが考えられるが、複数の駆動用ナットの回転方向と軸方向相対位置を極めて厳密に管理しなければ、全ての駆動用ナットが負荷を均一に分担することができず、どれかの駆動用ナットに大きな負荷が作用してしまい、最大の負荷を受ける駆動ナットで負荷能力が限定されてしまう。また、複数の駆動用ナットの連結によりナット全体の長さが長くなると、駆動用ナットと送りねじ軸の変形により、駆動用ナット内部の軸方向負荷分布が生じ易く、許容負荷能力が下がるおそれもある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、高荷重の負荷が作用しても、送りねじ機構にモーメント等の変形力が作用せず、コンパクトで製作コストの低減化を図ることができる送り駆動装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載の送り駆動装置は、一端に可動体を固定した回転不能の1本の送りねじ軸と、この送りねじ軸にそれぞれ螺合している複数のナットと、これら複数のナットを回転自在に支持し、且つ、互いの相対的軸方向位置が一定になるように保持して基台上に固定されているナットハウジングと、前記基台上に固定され、前記複数のナットをそれぞれ回転駆動する複数の回転駆動部と、前記複数の回転駆動部を制御して前記複数のナットを回転駆動させ、前記送りねじ軸を軸方向に移動させる駆動制御部とを備えている。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の送り駆動装置において、前記複数の回転駆動部を複数の駆動モータで構成し、前記駆動制御部は、複数の駆動モータの一方をマスターモータとし、且つ、複数の駆動モータの他方をスレーブモータとし、前記マスターモータが前記送りねじ軸の軸方向の移動量を制御して駆動し、前記スレーブモータが前記マスターモータのトルクに追随するように制御するようにした。
【0009】
また、請求項3記載の送り駆動装置は、両端を基台に固定した回転不能、且つ軸方向移動不能の1本の送りねじ軸と、この送りねじ軸にそれぞれ螺合している複数のナットと、前記基台上に前記送りねじ軸の軸線方向に移動自在に配置され、可動体を固定しているテーブルと、前記複数のナットを回転自在に支持し、且つ、互いの相対的軸方向位置が一定になるように保持し、前記テーブル上に固定されているナットハウジングと、前記テーブル上に固定され、前記複数のナットをそれぞれ回転駆動する複数の回転駆動部と、前記複数の回転駆動部を制御し、前記複数のナットを回転駆動させて前記テーブルを前記軸方向に移動させる駆動制御部とを備えている。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の送り駆動装置において、前記複数の回転駆動部を複数の駆動モータで構成し、前記駆動制御部は、複数の駆動モータの一方をマスターモータとし、且つ、複数の駆動モータの他方をスレーブモータとし、前記マスターモータが前記テーブルの移動量を制御して駆動し、前記スレーブモータが前記マスターモータのトルクに追随するように制御するようにした。
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の送り駆動装置において、前記送りねじ軸及び前記複数のナットのねじ螺合は、前記送りねじ軸の外周に設けたボール溝と、前記複数のナットの内周に設けたボール溝の間に複数個のボールが組み込まれて構成されたボールねじ機構である。
【0011】
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の送り駆動装置において、前記送りねじ軸及び前記複数のナットのねじ螺合は、前記送りねじ軸の外周に設けたローラ溝と、前記複数のナットの内周に設けたローラ溝の間に複数個のローラが組み込まれて構成されたローラねじ機構である。
さらに、請求項7記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の送り駆動装置において、前記送りねじ軸及び前記複数のナットのねじ螺合は、前記送りねじ軸の外周に設けたねじ溝と、前記複数のナットの内周に設けたねじ溝とが係合するすべりねじ機構である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る送り駆動装置によれば、1本の送りねじ軸に対して複数のナットが同軸に配置されているので、複数の回転駆動部から高荷重の負荷が伝達されても、送りねじ軸と複数のナットのねじ螺合部分にはモーメントが作用しない。このため、送りねじ軸、複数のナットの耐久性の低下を防止することができる。また、複数のナットが高荷重の負荷を受ける構造としており、送りねじ軸の軸径を大きくする必要がないので、送り駆動装置のコンパクト化及び軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る第1実施形態のサーボプレス機の概要を示す図である。
【図2】本発明に係る第2実施形態のサーボプレス機の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係るサーボプレス機の第1実施形態を示すものである。
本実施形態のサーボプレス機は、基台1上に固定された固定型2と、固定型2に対して離接するように基台1上に移動自在に配置された可動型3と、可動型3の移動制御を行なう送り駆動部4と、を備えている。
【0015】
可動型3は、基台1上に固定された一対のガイドレール5,5上に支持されて固定型2に向けて移動自在とされている。
送り駆動部4は、一端が可動型3に固定され、他端が自由端とされて可動型3の移動方向に軸線が向いているねじ軸6と、ねじ軸6に螺合している第1ナット7及び第2ナット8と、基台1上に固定され、第1ナット7及び第2ナット8のそれぞれを軸受9,10を介して回転自在に支持しているナットハウジング11,12と、基台1上に固定された第1駆動モータ13及び第2駆動モータ14と、第1駆動モータ13の回転駆動力を第1ナット7に伝達する第1回転伝達部15と、第2駆動モータ14の回転駆動力を第2ナット8に伝達する第2回転伝達部16とを備えている。
【0016】
第1回転伝達部15は、第1ナット7の端部に同軸に設けたナット側プーリ17と、第1駆動モータ13のモータ軸に固定されたモータ側プーリ18と、ナット側プーリ17及びモータ側プーリ18の間に掛け渡されたタイミングベルト19とで構成されている。
第2回転伝達部16も、第2ナット8の端部に同軸に設けたナット側プーリ20と、第2駆動モータ14のモータ軸に固定されたモータ側プーリ21と、ナット側プーリ20及びモータ側プーリ21の間に掛け渡されたタイミングベルト22とで構成されている。
【0017】
また、第1駆動モータ13及び第2駆動モータ14は、モータ駆動制御部23により駆動制御されている。モータ駆動制御部23は、第1駆動モータ13をマスターモータとし、第2駆動モータをスレーブモータとし、ねじ軸6が所定量だけ軸方向に移動するように、マスターモータ(第1駆動モータ13)を制御して第1ナット7を所定の回転数で回転させ、スレーブモータ(第2駆動モータ14)を、マスターモータ(第1駆動モータ13)のトルクに追随するように制御している。
【0018】
次に、本実施形態のサーボプレス機の動作について説明する。
先ず、可動型3を、固定型2から離間した図1の右側に配置しておく。そして、プレスすべき被加工部材(不図示)を、固定型2の型を形成した面に配置する。
次に、被加工部材のプレス加工を行なうために、モータ駆動制御部23が第1駆動モータ13及び第2駆動モータ14の正回転制御を行なう。これにより、モータ駆動制御部23に制御された第1駆動モータ13の正方向の回転動力が第1回転伝達部15を介して第1ナット7に伝達され、モータ駆動制御部23に制御された第2駆動モータ14の正方向の回転動力が第2回転伝達部16を介して第2ナット8に伝達される。
【0019】
第1ナット7及び第2ナット8に正方向の回転が伝達されると、第1ナット7及び第2ナット8に螺合しているねじ軸6が、図1の矢印A1方向に直線運動として移動していき、このねじ軸6の一端に固定された可動型3は、一対のガイドレール5,5に支持されながら固定型2に近接する方向に高荷重の負荷が伝達されて移動していき、固定型2及び可動型3による被加工部材のプレス加工が行なわれる。
【0020】
次に、プレス加工が完了した可動型3を固定型2から離間させるために、モータ駆動制御部23が第1駆動モータ13及び第2駆動モータ14の逆回転制御を行なう。これにより、第1駆動モータ13の逆方向の回転動力が第1回転伝達部15を介して第1ナット7に伝達され、第2駆動モータ14の逆方向の回転動力が第2回転伝達部16を介して第2ナット8に伝達される。第1ナット7及び第2ナット8に逆方向の回転が伝達されると、ねじ軸6は、回転せずに図1の矢印A2方向に移動していき、可動型3が固定型2から離間する方向に移動していく。
【0021】
次に、第1実施形態のサーボプレス機の作用効果について説明する。
本実施形態の送り駆動部4は、1本のねじ軸6に対して第1ナット7及び第2ナット8が同軸に配置されているので、第1駆動モータ13及び第2駆動モータ14から高荷重の負荷が伝達されても、ねじ軸6と第1ナット7及び第2ナット8のねじ螺合部分にはモーメントが作用しない。このため、ねじ軸6、第1ナット7及び第2ナット8の耐久性の低下を防止することができる。
【0022】
また、複数のナット(第1ナット7及び第2ナット8)が高荷重の負荷を受ける構造としており、ねじ軸6の軸径を大きくする必要がないので、送り駆動部4のコンパクト化及び軽量化を図ることができる。
また、第1ナット7及び第2ナット8は、正逆方向に回転し、軸方向相対位置が固定されているので、第1ナット7及び第2ナット8の位置管理を行なう必要がない。
【0023】
また、第1ナット7及び第2ナット8に作用する第1駆動モータ13及び第2駆動モータ14のトルクは、ねじ軸6を介して軸方向の直線運動に変換されるが、モータ駆動制御部23が第1駆動モータ13及び第2駆動モータ14から出力されるトルクを同一に設定しているので、第1ナット7及び第2ナット8に伝達される軸方向負荷が均一となり、第1ナット7及び第2ナット8の耐久性を向上させることができる。
また、それぞれの第1ナット7及び第2ナット8の軸長を短くすることができるので、第1ナット7及び第2ナット8の負荷分布を小さくすることができ、許容負荷能力の減少を防止することができる。
【0024】
(第2実施形態)
次に、図2は、本発明に係るサーボプレス機の第2実施形態を示すものである。なお、図1に示すものと同一構成部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
本実施形態の送り駆動部4は、基台1上に、ガイドレール24に支持されたテーブル25が固定型2に向けて移動可能に配置されているとともに、基台1に設けた一対の固定部材26,26に両端部が固定されたねじ軸6が、テーブル25の移動方向に跨いだ状態で配置されている。
テーブル25上には、ナットハウジング11,12及び第1駆動モータ13及び第2駆動モータ14が固定されており、ナットハウジング11,12は、ねじ軸6に螺合した第1ナット7及び第2ナット8を軸受9,10を介して回転自在に支持している。また、第1駆動モータ13は第1回転伝達部15を介して第1ナット7に連結し、第2駆動モータ14は第2回転伝達部16を介して第2ナット8に連結している。
【0025】
そして、テーブル25は、一対の連結部材27,27を介して可動型3に固定されている。
そして、本実施形態のモータ駆動制御部23は、第1駆動モータ13をマスターモータとし、第2駆動モータをスレーブモータとし、固定型2に離接方向にテーブル25が所定量だけ移動するように、マスターモータ(第1駆動モータ13)を制御して第1ナット7を所定の回転数で回転させ、スレーブモータ(第2駆動モータ14)を、マスターモータ(第1駆動モータ13)のトルクに追随するように制御している。
【0026】
次に、本実施形態のサーボプレス機の動作について説明する。
先ず、テーブル25及びテーブル25に固定に連結した可動型3を、固定型2から離間した図2の右側に配置しておく。そして、プレスすべき被加工部材(不図示)を、固定型2の型を形成した面に配置する。
次に、被加工部材のプレス加工を行なう際に、モータ駆動制御部23が第1駆動モータ13及び第2駆動モータ14の正回転制御を行なう。これにより、モータ駆動制御部23に制御された第1駆動モータ13の正方向の回転動力が第1回転伝達部15を介して第1ナット7に伝達され、モータ駆動制御部23に制御された第2駆動モータ14の正方向の回転動力が第2回転伝達部16を介して第2ナット8に伝達される。
【0027】
本実施形態のねじ軸6は、両端部が一対の固定部材26,26に固定されて軸方向移動が不能とされているので、第1ナット7及び第2ナット8に正方向の回転が、ナットハウジング11,12を介してテーブル25に図2の矢印A1方向に直線運動として移動されていき、テーブル25に一対の連結部材27,27を介して固定されている可動型3が、固定型2に近接する方向に高荷重の負荷が伝達されて移動していき、固定型2及び可動型3による被加工部材のプレス加工が行なわれる。
【0028】
また、プレス加工が完了した可動型3を固定型2から離間させる際には、モータ駆動制御部23が第1駆動モータ13及び第2駆動モータ14の逆回転制御を行なう。これにより、第1駆動モータ13及び第2駆動モータ14の逆方向の回転動力が第1回転伝達部15及び第2回転伝達部15を介して第1ナット7及び第2ナット8に伝達され、第1ナット7及び第2ナット8の回転が、ナットハウジング11,12を介してテーブル25に図2の矢印A2方向に直線運動として移動されていき、可動型3が固定型2から離間する方向に移動していく。
【0029】
本実施形態の送り駆動部4も、第1実施形態と同様に、1本のねじ軸6に対して第1ナット7及び第2ナット8が同軸に配置されているので、第1駆動モータ13及び第2駆動モータ14から高荷重の負荷が伝達されても、ねじ軸6と第1ナット7及び第2ナット8のねじ螺合部分にはモーメントが作用せず、ねじ軸6、第1ナット7及び第2ナット8の耐久性の低下を防止することができる。
【0030】
また、第1ナット7及び第2ナット8が高荷重の負荷を受ける構造としてねじ軸6の軸径を大きくする必要がないので、送り駆動部4のコンパクト化及び軽量化を図ることができる。また、第1ナット7及び第2ナット8は、正逆方向に回転し、軸方向相対位置が固定されているので、第1ナット7及び第2ナット8の位置管理を行なう必要がない。
さらに、モータ駆動制御部23が第1駆動モータ13及び第2駆動モータ14から出力されるトルクを同一に設定しているので、第1ナット7及び第2ナット8に伝達される軸方向負荷が均一となり、第1ナット7及び第2ナット8の耐久性を向上させることができる。
【0031】
さらに、軸長を短くした第1ナット7及び第2ナット8を使用することで、これら第1ナット7及び第2ナット8の負荷分布を小さくすることができ、許容負荷能力の減少を防止することができる。
なお、上記第1及び第2実施形態では、ねじ軸6と第1ナット7及び第2ナット8は、ねじ溝同士が係合するすべりねじ構造を示したが、ボール溝同士の間にボールを転動自在に配置したボールねじ構造、ローラ溝同士の間にローラを転動自在に配置したローラねじ構造でも良く、送り駆動部4が必要とする機能に合わせて必要な負荷転動体(ボール数、ローラ数)を持つようにすればよく、予圧を与えて剛性を上げることもできる。
【0032】
また、上記実施形態では、第1駆動モータ13は第1回転伝達部15を介して第1ナット7に連結し、第2駆動モータ14は第2回転伝達部16を介して第2ナット8に連結したが、第1駆動モータ及び第2駆動モータを中空モータとし、これら中空モータを第1ナット7及び第2ナット8に直結した構造としてもよい。
また、上記実施形態ではサーボプレス機について説明したが、高荷重の負荷を作用する射出成形機の射出軸や型締め軸に、上述した送り駆動部4を採用しても、同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0033】
1…基台、2…固定型、3…可動型(可動体)、4…駆動部、5…ガイドレール、6… ねじ軸(送りねじ軸)、7…第1ナット(ナット)、8… 第2ナット(ナット)、9,10…軸受、11,12…ナットハウジング、13…第1駆動モータ(回転駆動部、駆動モータ)、14…第2駆動モータ(回転駆動部、駆動モータ)、15…第1回転伝達部、16…第2回転伝達部、17…ナット側プーリ、18…モータ側プーリ、19…タイミングベルト、20…ナット側プーリ、21…モータ側プーリ、22…タイミングベルト、23…モータ駆動制御部(駆動制御部)、24…ガイドレール、25… テーブル、26…固定部材、27…連結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に可動体を固定した回転不能の1本の送りねじ軸と、この送りねじ軸にそれぞれ螺合している複数のナットと、
これら複数のナットを回転自在に支持し、且つ、互いの相対的軸方向位置が一定になるように保持して基台上に固定されているナットハウジングと、
前記基台上に固定され、前記複数のナットをそれぞれ回転駆動する複数の回転駆動部と、
前記複数の回転駆動部を制御して前記複数のナットを回転駆動させ、前記送りねじ軸を軸方向に移動させる駆動制御部と、を備えていることを特徴とする送り駆動装置。
【請求項2】
前記複数の回転駆動部を複数の駆動モータで構成し、前記駆動制御部は、複数の駆動モータの一方をマスターモータとし、且つ、複数の駆動モータの他方をスレーブモータとし、前記マスターモータが前記送りねじ軸の軸方向の移動量を制御して駆動し、前記スレーブモータが前記マスターモータのトルクに追随するように制御することを特徴とする請求項1記載の送り駆動装置。
【請求項3】
両端を基台に固定した回転不能、且つ軸方向移動不能の1本の送りねじ軸と、この送りねじ軸にそれぞれ螺合している複数のナットと、
前記基台上に前記送りねじ軸の軸線方向に移動自在に配置され、可動体を固定しているテーブルと、
前記複数のナットを回転自在に支持し、且つ、互いの相対的軸方向位置が一定になるように保持し、前記テーブル上に固定されているナットハウジングと、
前記テーブル上に固定され、前記複数のナットをそれぞれ回転駆動する複数の回転駆動部と、
前記複数の回転駆動部を制御し、前記複数のナットを回転駆動させて前記テーブルを前記軸方向に移動させる駆動制御部と、を備えていることを特徴とする送り駆動装置。
【請求項4】
前記複数の回転駆動部を複数の駆動モータで構成し、前記駆動制御部は、複数の駆動モータの一方をマスターモータとし、且つ、複数の駆動モータの他方をスレーブモータとし、前記マスターモータが前記テーブルの移動量を制御して駆動し、前記スレーブモータが前記マスターモータのトルクに追随するように制御することを特徴とする請求項3記載の送り駆動装置。
【請求項5】
前記送りねじ軸及び前記複数のナットのねじ螺合は、前記送りねじ軸の外周に設けたボール溝と、前記複数のナットの内周に設けたボール溝の間に複数個のボールが組み込まれて構成されたボールねじ機構であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の送り駆動装置。
【請求項6】
前記送りねじ軸及び前記複数のナットのねじ螺合は、前記送りねじ軸の外周に設けたローラ溝と、前記複数のナットの内周に設けたローラ溝の間に複数個のローラが組み込まれて構成されたローラねじ機構であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の送り駆動装置。
【請求項7】
前記送りねじ軸及び前記複数のナットのねじ螺合は、前記送りねじ軸の外周に設けたねじ溝と、前記複数のナットの内周に設けたねじ溝とが係合するすべりねじ機構であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の送り駆動装置。

【図1】
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【図2】
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