送信デバイス及び電気回路並びに消費電流安定化方法
【課題】出力対象にするデータが存在するデータ有効期間では上記データを出力し、存在しないデータ無効期間ではダミーデータを出力する送信デバイスにおける消費電流の変動を抑制する。
【解決手段】送信デバイス30内のセレクタ16は、データ有効期間ではデータD1を選択し、データ無効期間では、ダミーデータ生成回路17が生成したダミーデータ5を選択する。ダミーデータ生成回路17は、データ有効期間において出力されるデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを生成する。例えば、データ変化率が50%のダミーデータ5や、データ無効期間の直前におけるデータD1のデータ変化率に応じたデータ変化率を有するダミーデータ5を生成する。
【解決手段】送信デバイス30内のセレクタ16は、データ有効期間ではデータD1を選択し、データ無効期間では、ダミーデータ生成回路17が生成したダミーデータ5を選択する。ダミーデータ生成回路17は、データ有効期間において出力されるデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを生成する。例えば、データ変化率が50%のダミーデータ5や、データ無効期間の直前におけるデータD1のデータ変化率に応じたデータ変化率を有するダミーデータ5を生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力対象にするデータが存在するデータ有効期間においては上記データを出力し、存在しないデータ無効期間においては任意のデータを出力する送信デバイスに関し、特に、送信デバイスにおいてデータを出力するために消費される電流がデータ有効期間とデータ無効期間とで余り変動しないようにすることができる消費電流安定化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
データ有効期間においては上記データを出力し、データ無効期間においては“0”データなどの任意のデータを出力することができるインタフェースとして、OIF(Optical Internetworking Forum)にて規定されるSPI-3(System Packet Interface Level 3)が従来から知られており、多くのASSP(Application Specific Standard Product)等のデバイスのパケットインタフェースとして採用されている。
【0003】
図10はSPI-3を利用した従来の一般的な送信デバイス10及び受信デバイス20の構成例を示すブロック図である。
【0004】
〔送信デバイス10の構成〕
先ず、送信デバイス10の構成について説明する。図10を参照すると、SPI-3を使ってデータを転送する送信デバイス10は、T/RSX(T:Transmit、RSX:Receive Start of Transfer signal)生成回路11と、T/RENB(RENB:Receive Read Enable signal)生成回路12と、切替制御回路15と、セレクタ16と、“0”出力回路101と、パリティ演算回路103と、パリティ出力回路104とを備えている。また、送信デバイス10には、図示を省略したパケット生成回路から32ビット構成のデータD1(データD1の直前にはアドレスが付加されている)と、データD1の有効部分を識別するためのパケット識別信号102とが入力されている。次に、送信デバイス10内の各回路について説明する。
【0005】
・T/RSX生成回路11:T/RSX生成回路11は、パケット識別信号102に基づいて、データD1の直前に存在するアドレスを検出したとき、T/RSX信号S2をハイレベル(“Hi”)とし、データD1の先頭部分を検出したとき、T/RSX信号S2をローレベル(“Lo”)とする。
【0006】
・T/RENB生成回路12:T/RENB生成回路12は、パケット識別信号102に基づいてデータD1の有効部分の先頭を検出したとき、T/RENB信号S3を“Lo”とし、無効部分の先頭を検出したとき、T/RENB信号S3を“Hi”とする。
【0007】
・“0”出力回路101:“0”出力回路101は、データD1の無効期間において送信デバイス10から出力するデータとして、32ビットオール“0”の並列データを出力する。OIFでは規定されていないが、多くのデバイスでは。データD1の無効時には、意味のないデータとして“0”データを出力している。
【0008】
・切替制御回路15:切替制御回路15は、T/RSX信号S2とT/RENB信号S3とに基づいて、セレクタ16に対して、データD1を出力するのか、“0”出力回路101から出力されている“0”データを出力するのかを指示する転送/中断信号S8を出力する。より具体的には、T/RSX信号S2の立ち上がりにおいて転送/中断信号S8を“Hi”とすることによりデータD1の出力を指示し、T/RENB信号S3の立ち上がりにおいて転送/中断信号S8を“Lo”とすることにより“0”データの出力を指示する。
【0009】
・セレクタ16:セレクタ16は、切替制御回路15からの転送/中断信号S8が“Hi”の場合はデータD1を選択してデータバスDBに出力し、“Lo”の場合は“0”出力回路101から出力される“0”データを選択してデータバスDBに出力する。
【0010】
・パリティ演算回路103:パリティ演算回路103は、データD1とパケット識別信号102とを入力し、パケット識別信号102が“Hi”である間、32ビット構成のデータD1に含まれている“1”の数が奇数か偶数かを判定し、判定結果をパリティ演算結果108として出力する。
【0011】
・パリティ出力回路104:パリティ出力回路104は、パリティ演算結果108と転送/中断信号S8とを入力とし、転送/中断信号S8が“Hi”の期間(転送を指示している期間)において、パリティ演算結果108が奇数を示している場合はパリティビット107として“0”を出力し、パリティ演算結果108が偶数を示している場合は、パリティビット107として“1”を出力する。
【0012】
〔受信デバイス20〕
次に、受信デバイス20の構成について説明する。受信デバイス20は、SPI-3を使ってデータを受信するデバイスであり、T/RSX受信回路13と、T/RENB受信回路14と、データ処理回路18と、検出回路105とを備えている。
【0013】
・T/RSX受信回路13:T/RSX受信回路13は、送信デバイス10から送られてきたT/RSX信号S2を受信してT/RSX信号S7を出力する。
【0014】
・T/RENB受信回路14:T/RENB受信回路14は、T/RENB信号S3を受信して、T/RENB信号S6を出力する。
【0015】
・データ処理回路18:データ処理回路18は、T/RENB信号S6及びT/RSX信号S7の状態に応じてデータD2及びパケット識別信号110を出力する。より具体的には、T/RSX信号S7が立ち上がった後、T/RENB信号S6が立ち下がったタイミングでデータD2の出力を開始し、その後、T/RENB信号S6が立ち上がったタイミングでデータD2の出力を停止する。また、データD2を出力している間、パケット識別信号110をデータが存在することを示す状態にする。
【0016】
・検出回路105:検出回路105は、T/RENB信号S6が“Lo”の間、パリティビット107を利用して、データバスDBを介して送られてくるデータD1に誤りがあるか否かを検証する。
【0017】
〔動作の説明〕
次に、図11のタイムチャートを参照して、図10に示した送信デバイス10及び受信デバイス20の動作を説明する。
【0018】
送信デバイス10には、データD1及びパケット識別信号102が外部から入力されており、データD1は、セレクタ16及びパリティ演算回路103に入力され、パケット識別信号102は、T/RSX生成回路11、T/RENB生成回路12及びパリティ演算回路103に入力される。
【0019】
T/RSX生成回路11は、時刻t1において、パケット識別信号102に基づいてデータD1の直前に存在するアドレスを検出すると、T/RSX信号S2を“Hi”とし、その後、時刻t2においてデータD1の先頭部分を検出するとT/RSX信号S2を“Lo”とする。また、T/RENB生成回路12は、時刻t2において、パケット識別信号102に基づいてデータD1の先頭部分を検出すると、T/RENB信号S3を“Lo”とし、時刻t3においてデータの無効部分を検出するとT/RENB信号S3を“Hi”とする。
【0020】
切替制御回路15は、時刻t1においてT/RSX信号S2が“Hi”となると、転送/中断信号S8を“Hi”にし、時刻t3においてT/RENB信号S3が“Hi”となると、転送/中断信号S8を“Lo”にする。
【0021】
セレクタ16は、時刻t1において転送/中断信号S8が“Hi”となると、アドレス、データD1をデータバスDBに出力し、時刻t3において転送/中断信号S8が“Lo”となると“0”出力回路101から出力されている“0”データをデータバスDBに出力する。
【0022】
パリティ演算回路103は、パケット識別信号102がデータが存在していることを示している間、データD1の“1”の数が奇数か偶数かを判定し、判定結果をパリティ演算結果108として出力する。パリティ出力回路104は、パリティ演算結果108と転送/中断信号S8とを入力とし、転送/中断信号S8が“Hi”の期間において、パリティ演算結果108が奇数を示している場合はパリティビット107として“0”を出力し、パリティ演算結果108が偶数を示している場合は、パリティビット107として“1”を出力する。
【0023】
受信デバイス20内の、T/RSX受信回路13は、T/RSX信号S2を受信してT/RSX信号S7を出力し、T/RENB受信回路14は、T/RENB信号S3を受信してT/RENB信号S6を出力する。
【0024】
データ処理回路18は、T/RENB信号S6が“Lo”となると、データバスDBを介して送られてきたデータD1を抽出してデータD2として出力すると共に、パケット識別信号110を“Hi”とする。
【0025】
検出回路105は、データバスDBを介して送られてきたデータD1とパリティビット107とに基づいてデータD1に誤りがあるか否かを検証する。
【0026】
以上が、SPI-3を利用した従来の一般的な送信デバイス10及び受信デバイス20の動作である。
【0027】
一方、SPI-3を利用するものではないが、入力データが有る場合には入力データを出力し、入力データが無い場合にはパリティ付きダミーデータを出力するようにした技術が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されている従来の技術は、複数の入力回路I1〜INと、共通処理回路と、複数の出力回路O1〜ONとを備えている。各入力回路I1〜INには、パリティビットの付加されたパリティ付きデータが入力され、各入力回路I1〜INは、パリティ付きデータが入力されている場合には、それを共通処理回路に出力し、パリティ付きデータが入力されていない場合には、パリティ付きダミーデータを共通処理回路に出力する。共通処理回路では、各入力回路I1〜INから出力されたデータを処理し、各出力回路O1〜ONに出力する。各出力回路O1〜ONでは、共通処理回路から出力されたデータ(パリティ付きデータ或いはパリティ付きダミーデータ)に対するパリティチェックを行い、データ誤りを検出すると、警報を発する。
【0028】
【特許文献1】特開平1−241949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
ところで、SPI-3を使用してデータ転送を行う場合、データ有効期間においてはデータD1を“Lo”“Hi”に変化させるために電流が消費されるので、図11に示すように消費電流は多くなるが、データ無効期間においては状態が“0”固定となるため、消費電流が少なくなる。このように、SPI-3を使用してデータ転送を行う場合、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時に消費される電流が大きく変動する(1A程度変動する)。送信デバイスに動作電圧を供給する電源回路は、出力電圧を一定とするために電流を調整するが、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時に発生する急激な消費電流の変動には追従できず、出力電圧が変動する恐れがある。図12のように、1つの電源回路にデジタル回路、アナログ回路、SPI-3を持つデバイスが接続されている場合、特にアナログ回路等は電圧変動による影響を受け易い傾向があるため、回路の誤動作を引き起こす可能性がある。
【0030】
特許文献1には、データ無効期間においてダミーデータを出力することが記載されているが、特許文献1に記載されている従来の技術は、消費電流の変動を低減させることを目的とするものではないため、どのようなダミーデータを出力すれば消費電流の変動を低減させることができるかについては全く記載されていない。
【0031】
〔発明の目的〕
そこで、本発明の目的は、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時に、送信デバイスで消費される電流が大きく変動しないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明にかかる第1の送信デバイスは、
出力対象にするデータが存在するデータ有効期間において前記データを出力し、存在しないデータ無効期間においてダミーデータを出力する送信デバイスであって、
前記ダミーデータとして、データ有効期間において出力されたデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを生成するダミーデータ生成回路を備えたことを特徴とする。
【0033】
本発明にかかる第2の送信デバイスは、第1の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータのデータ変化率が固定値であることを特徴とする。
【0034】
本発明にかかる第3の送信デバイスは、第2の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータのデータ変化率がほぼ50%であることを特徴とする。
【0035】
本発明にかかる第4の送信デバイスは、第1の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータのデータ変化率が動的に変化することを特徴とする。
【0036】
本発明にかかる第5の送信デバイスは、第4の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路が、データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率に応じたデータ変化率を有するダミーデータを生成することを特徴とする。
【0037】
本発明にかかる第6の送信デバイスは、第5の送信デバイスにおいて、
データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率を検出する変化率検出回路を備え、且つ、
前記ダミーデータ生成回路が前記変化率検出回路で検出されたデータ変化率に応じたダミーデータを生成することを特徴とする。
【0038】
本発明にかかる第7の送信デバイスは、第6の送信デバイスにおいて、
前記変化率検出回路が、
前記データの立ち上がり時および立ち下がり時にインクリメントされ、所定時間毎にリセットされるカウンタと、
データ無効期間の開始時に前記カウンタのカウント値を入力し、該入力したカウント値に基づいてデータ変化率を求める制御回路とを備えたことを特徴とする。
【0039】
本発明にかかる第8の送信デバイスは、第6の送信デバイスにおいて、
前記変化率検出回路が、
前記データの立ち上がり時および立ち下がり時にインクリメントされるカウンタと、
クロック信号に従って前記カウンタのカウント値を取り込みシフトする所定段数のシフトレジスタと、
データ無効期間の開始時に、前記シフトレジスタの入力段および出力段に保持されているカウント値に基づいてデータ変化率を算出する制御回路とを備えたことを特徴とする。
【0040】
本発明にかかる第9の送信デバイスは、第1〜第8の何れかの送信デバイスにおいて、
データ有効期間においては前記データに対するパリティビットを出力し、データ無効期間においては前記ダミーデータに対するパリティビットを出力するパリティ出力回路を備えたことを特徴とする。
【0041】
本発明にかかる電気回路は、
電源回路と、
該電源回路に接続された請求項1乃至9の何れか1項に記載された送信デバイスと、
前記電源回路に接続されたアナログ回路とを備えたことを特徴とする。
【0042】
本発明にかかる第1の消費電流安定化方法は、
出力対象にするデータが存在するデータ有効期間において前記データを出力し、存在しないデータ無効期間においてダミーデータを出力する送信デバイスにおける消費電流安定化方法であって、
前記ダミーデータとして、データ有効期間において出力されたデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを生成することを特徴とする。
【0043】
本発明にかかる第2の消費電流安定化方法は、第1の消費電流安定化方法において、
ダミーデータのデータ変化率が固定値であることを特徴とする消費電流安定化方法。
【0044】
本発明にかかる第3の消費電流安定化方法は、第1の消費電流安定化方法において、
ダミーデータのデータ変化率が動的に変化することを特徴とする。
【0045】
本発明にかかる第4の消費電流安定化方法は、第3の消費電流安定化方法において、
データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率に応じたデータ変化率を有するダミーデータを生成することを特徴とする。
【0046】
〔作用〕
送信デバイスは、データが存在するデータ有効期間において上記データを出力し、データが存在しないデータ無効期間においてダミーデータを出力する。このダミーデータは、ダミーデータ生成回路によって生成されるものであり、ダミーデータ生成回路は、データ有効期間において出力されたデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを生成する。
【0047】
ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータは、データ変化率が固定値でも良く、動的に変化するものであっても良い。データ変化率を固定値とする場合は、データ変化率を50%程度とし、動的に変化させる場合には、データ無効期間の直前において出力されたデータのデータ変化率に応じたものにする。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時に、送信デバイスで消費される電流が大きく変動しないようにすることができる。その理由は、データ有効期間において出力されたデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを、データ無効期間において出力するようにしているからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0050】
〔第1の実施の形態〕
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態は、SPI-3を使用してデータを転送する送信デバイス30と、SPI-3を使用してデータを受信する受信デバイス40とから構成されている。
【0051】
送信デバイス30は、“0”出力回路101の代わりにダミーデータ生成回路17を備えている点、パリティ演算回路103の代わりにパリティ演算回路103aを備えている点、およびパリティ出力回路104の代わりにパリティ出力回路104aを備えている点が図10に示した送信デバイス30と相違している。
【0052】
ダミーデータ生成回路17は、ダミーデータ5を生成する。ダミーデータ5は、32ビット構成の並列データであり、本実施の形態では、各ビット位置のデータのデータ変化率Hが50%となるようなダミーデータ5を生成する。データのデータ変化率Hは、単位時間T当たりデータが最大何回状態変化(“Lo”から“Hi”への変化および“Hi”から“Lo”への変化)することができるかを示す最大変化回数に対する、データの単位時間T当たりの状態変化の回数の割合である。データの状態は、1クロックで1回変化可能であるので、データ変化率Hは、例えば、次式(1)で表すことができる。
【0053】
データ変化率H=(Nクロックの間にデータの状態が“Lo”から“Hi”に変化した回数と“Hi”から“Lo”に変化した回数との合計値)÷N×100 …(1)
【0054】
従って、1クロック毎に状態が変化するデータのデータ変化率は、100%となる。また、Nクロックの間にN/2回状態が変化するデータのデータ変化率は50%となる。図2にデータ変化率が100%、50%、25%のダミーデータの例を示す。
【0055】
パリティ演算回路103aは、パケット識別信号102が“Hi”の場合は、データD1に含まれている“1”の数が奇数か否かを示すパリティ演算結果108を出力し、パケット識別信号102が“Lo”の場合は、32ビット構成のダミーデータ5に含まれている“1”の数が奇数か否かを示すパリティ演算結果108を出力する。
【0056】
パリティ出力回路104aは、パリティ演算結果108が奇数を示している場合はパリティビット107として“0”を出力し、パリティ演算結果108が偶数を示している場合は、パリティビット107として“1”を出力する。
【0057】
受信デバイス40は、検出回路105の代わりに検出回路105aを備えている点が図10に示した受信デバイス20と相違している。
【0058】
検出回路105aは、常時、パリティビット107を利用して、データバスDBを介して送られてくるデータD1、ダミーデータに誤りがあるか否かを検証する。
【0059】
〔第1の実施の形態の動作の説明〕
次に、図3のタイムチャートを参照して本実施の形態の動作について説明する。
【0060】
送信デバイス30には、外部からデータD1及びパケット識別信号102が入力されており、データD1はセレクタ16及びパリティ演算回路103aに入力され、パケット識別信号102は、T/RSX生成回路11、T/RENB生成回路12及びパリティ演算回路103aに入力される。
【0061】
T/RSX生成回路11は、時刻t31において、パケット識別信号102に基づいてデータD1の直前に存在するアドレスを検出すると、T/RSX信号S2を“Hi”とし、その後、時刻t32においてデータD1の先頭部分を検出すると、T/RSX信号S2を“Lo”にする。また、T/RENB生成回路12は、時刻t32において、パケット識別信号102に基づいてデータD1の先頭部分を検出すると、T/RENB信号S3を“Lo”とし、その後、時刻t33において無効部分を検出すると、T/RENB信号S3を“Hi”とする。
【0062】
切替制御回路15は、時刻t31においてT/RSX信号S2が“Hi”となると、転送/中断信号S8を“Hi”にしてデータ有効期間であることを表示し、時刻t33においてT/RENB信号S3が“Hi”となると、転送/中断信号S8を“Lo”にしてデータ無効期間であることを表示する。
【0063】
セレクタ16は、時刻t31において転送/中断信号S8が“Hi”となると、アドレス、データD1をデータバスDBに出力し、時刻t33において転送/中断信号S8が“Lo”となると、ダミーデータ生成回路17が生成したダミーデータ5をデータバスDBの各ビットに出力する。本実施の形態では、前述したように、ダミーデータ5としてデータ変化率Hが50%のものを出力する。なお、T/RENB信号S3が“Hi”のときに送信デバイス30から受信デバイス40へ転送するデータについては、OFIに規定されておらず、受信デバイス40内のデータ処理回路18は、T/RENB信号S3が“Hi”のとき(T/RENB信号S6が“Hi”のとき)に、データバスDBを介して送られてきたデータは無視するため、ダミーデータ5としてどのようなデータを使用しても出力データD2に影響することはない。このように、データ無効期間(時刻t33〜t34)において、データ変化率50%のダミーデータ5を出力することにより、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時における消費電力の変動を抑制することができる。
【0064】
パリティ演算回路103aは、パケット識別信号102がデータが存在していることを示している間(時刻t31〜t33)は、データD1の“1”の数が奇数か偶数かを示すパリティ演算結果108を出力する。また、パケット識別信号102がデータが存在しないことを示している間(時刻t33〜t34)は、ダミーデータ5の“1”の数が奇数か偶数かを示すパリティ演算結果108を出力する。
【0065】
パリティ出力回路104aは、パリティ演算結果108を入力とし、パリティ演算結果108が奇数を示している場合はパリティビット107として“0”を出力し、パリティ演算結果108が偶数を示している場合は、パリティビット107として“1”を出力する。このように、本実施の形態では、データ有効期間だけでなく、データ無効期間においても、送信デバイス30から受信デバイス40へパリティビット107が送信され、受信デバイス40の検出回路105aにおいてパリティチェックが行われる。
【0066】
〔第1の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時に、送信デバイス30で消費される電流が大きく変動しないようにすることができる。その理由は、データ無効期間において出力するダミーデータとして、データ有効期間において出力されるデータとのデータ変化率との差分が小さいダミーデータを生成するダミー信号生成回路17を備えているからである。
【0067】
また、本実施の形態は、データ有効期間においてはデータD1に対するパリティビット107を出力し、データ無効期間においてはダミーデータ5に対するパリティビット107を出力するパリティ出力回路104aを備えているので、データ無効期間においても障害を検出することが可能になる。
【0068】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、データ無効期間の直前において送信デバイスから出力されるデータのデータ変化率を実際に検出し、検出したデータ変化率に応じたダミーデータをデータ無効期間に送信デバイスから出力することを特徴とする。
【0069】
図4を参照すると、本実施の形態は、SPI-3を利用してデータを送信する送信デバイス50と、SPI-3を利用してデータを受信する受信デバイス60とを備えている。
【0070】
本実施の形態の受信デバイス60は、検出回路105aを備えていない点が、図1に示した第1の実施の形態の受信デバイス20と相違している。
【0071】
また、本実施の形態の送信デバイス50は、変化率検出回路21が追加されている点、ダミーデータ生成回路17の代わりにダミーデータ生成回路201を備えている点、パリティ演算回路103aを備えていない点、およびパリティ出力回路104aを備えていない点が図1に示した第1の実施の形態の送信デバイス30と相違している。
【0072】
変化率検出回路21は、32ビット構成のデータD1の、各ビット位置のデータ変化率h0〜h31を検出する。
【0073】
図5は、変化率検出回路21の構成例を示すブロック図であり、カウンタ部211と、制御部212とを備えている。
【0074】
カウンタ部211は、32個のカウンタ211-0〜211-31を備えており、各カウンタ211-0〜211-31には、それぞれデータD1の第0ビット目〜第31ビット目のデータd0〜d31が入力されている。各カウンタ211-0〜211-31は、データd0〜d31の立ち上がり及び立ち下がりにおいてカウント値をインクリメントし(本実施の形態では、+1する)、リセット信号が入力されたとき、カウント値を「0」とする。
【0075】
制御部212は、各カウンタ211-0〜211-31毎の制御回路212-0〜212-31を備えている。各制御回路212-0〜212-31は、パケット識別信号102が“Hi”となったとき(データ有効期間の開始時)、カウンタ211-0〜211-31に対してリセット信号を出力し、その後、パケット識別信号102が“Hi”であることを条件にして所定時間毎にカウンタ211-0〜211-31に対してリセット信号を出力する。また、制御回路212-0〜212-31は、パケット識別信号102が“Lo”となったとき(データ無効期間の開始時)、その時点のカウンタ211-0〜211-31のカウント値に基づいて、データD1の各ビット位置のデータ変化率h0〜h31を算出し、ダミーデータ生成回路201に対して出力する。
【0076】
ここで、カウンタ211-0〜211-31のリセット間隔は、短いほど、データ無効期間の直前のデータ変化率を正確に検出することができる。しかしながら、微小な時間の電流変動はある程度無視したほうが良いため、本実施の形態では、16クロック毎にカウンタ211-0〜211-31をリセットするものとする。なお、本実施の形態の変化率検出回路21では、データD1のデータ長によっては、データ無効期間の直前の16クロック分のデータ変化率を検出することができない場合があるが、データ長が16ビットの倍数のデータであれば、データ無効期間の直前の16クロック分のデータ変化率を検出することができる。
【0077】
ダミーデータ生成回路201は、変化率検出回路21が検出した各ビット位置のデータ変化率の基づいて、各ビット位置のダミーデータを生成する。
【0078】
図6は、ダミーデータ生成回路201の構成例を示すブロック図であり、変化率検出回路21から出力されたデータ変化率h0〜h31が入力されるダミーデータ出力部61-0〜61-31と、各ダミーデータ出力部61-0〜61-31毎のダミーデータ記憶部62-0〜62-31とを備えている。
【0079】
ダミーデータ記憶部62-0〜62-31には、データ変化率が10%、30%、50%、70%、90%のダミーデータが登録されている。各ダミーデータ出力部61-0〜61-31は、入力されたデータ変化率h0〜h31が0%以上20%未満、20%以上40%未満、40%以上60%未満、60%以上80%未満、80%以上100%以下の場合、それぞれダミーデータ記憶部62-0〜62-31からデータ変化率が10%、30%、50%、70%、90%のダミーデータを読み出し、セレクタ16に対して出力する。
【0080】
〔第2の実施の形態の動作の説明〕
次に、本実施の形態の動作について説明する。なお、変化率検出回路21及びダミーデータ生成回路201以外の動作は、第1の実施の形態と同様なので、ここでは、変化率検出回路21及びダミーデータ生成回路201の動作についてのみ説明する。
【0081】
変化率検出回路21には、パケット識別信号102が入力されており、変化率検出回路21内の各制御回路212-0〜212-31は、図7のタイムチャートに示すように、時刻t71においてパケット識別信号102が“Hi”になると、カウンタ211-0〜211-31に対してリセット信号を出力する。その後、制御回路212-0〜212-31は、パケット識別信号102が“Hi”であることを条件にして、16クロック毎にカウンタ211-0〜211-31に対してリセット信号を出力する。
【0082】
各カウンタ211-0〜211-31は、それぞれデータD1の第0ビット目〜第31ビット目のデータd0〜d31を入力としており、データd0〜d31の立ち上がり及び立ち下がりにおいてカウント値を+1し、リセット信号が入力されたとき、カウント値を「0」とする。
【0083】
その後、時刻t72において、パケット識別信号102が“Lo”となると、制御回路212-0〜212-31は、その時点のカウンタ211-0〜211-31のカウント値に基づいてデータ変化率h0〜h31を算出し、算出した各ビット位置のデータ変化率h0〜h31をダミーデータ生成回路201に対して出力する。例えば、カウンタ211-0のカウント値が「8」であった場合には、データ変化率h0は、50%(=8÷16)となる。
【0084】
ダミーデータ生成回路201は、変化率検出回路21から送られてきた各ビット位置のデータ変化率h0〜h31に基づいて、各ビット位置のダミーデータを生成し、セレクタ16に対して出力する。例えば、ダミーデータ生成回路201内のダミーデータ出力部61-0は、入力されたデータ変化率h0が40%であれば、ダミーデータ記憶部62-0からデータ変化率が50%のデータを取り出し、セレクタ16に対して出力する。
【0085】
〔第2の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時に発生する消費電流の変動を極めて少ないものにすることが可能になる。その理由は、データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率を検出する変化率検出回路21と、変化率検出回路21で検出されたデータ変化率に応じたダミーデータを生成するダミーデータ生成回路201とを備えているからである。
【0086】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、データD1のデータ長にかかわらず、データ無効期間の直前のデータ変化率を検出できるようにしたことを特徴とする。本実施の形態は、図4において、変化率検出回路21として図8に示す構成を有する変化率検出回路21を用いることに実現される。
【0087】
図8を参照すると、変化率検出回路21は、カウンタ部81と、制御部82とを備えている。
【0088】
カウンタ部81は、32個のカウンタ81-0〜81-31を備えており、各カウンタ81-0〜81-31には、それぞれデータD1の第0ビット目〜第31ビット目のデータd0〜d31が入力されている。各カウンタ81-0〜81-31は、データd0〜d31の立ち上がり及び立ち下がりにおいてカウント値をインクリメントし(本実施の形態では、+1する)、リセット信号が入力されたとき、カウント値を「0」とする。
【0089】
制御部82は、32個のシフトレジスタ821-0〜821-31と、32個の制御回路822-0〜822-31とを備えている。
【0090】
シフトレジスタ821-0〜821-31は、16段構成のものであり、送信デバイス50の駆動クロックであるクロック信号に従って、カウンタ81-0〜81-31から出力されているカウント値を取り込み、シフトする。なお、本実施の形態では、データ無効期間の直前の16クロック分のデータ変化率を検出するようにしているため、シフトレジスタ821-0〜821-31の段数を16段としたが、シフトレジスタ821-0〜821-31の段数はこれに限られるものではない。
【0091】
制御回路822-0〜822-31は、パケット識別信号102が“Hi”になったとき(データ有効期間になったとき)、カウンタ81-0〜81-31に対してリセット信号を出力し、パケット識別信号102が“Lo”となったとき、シフトレジスタ821-0〜821-31の入力段及び出力段にセットされているカウント値に基づいてデータ変化率h0〜h31を算出し、ダミーデータ生成回路201に対して出力する。
【0092】
〔第3の実施の形態の動作〕
次に本実施の形態の動作について説明する。なお、変化率検出回路21の動作以外は、第2の実施の形態と同様であるので、ここでは、変化率検出回路21の動作についてのみ説明する。
【0093】
制御回路822-0〜822-31は、パケット識別信号102が“Hi”となると、カウンタ81-0〜81-31に対してリセット信号を出力する。カウンタ81-0〜81-31は、リセット信号が入力されると、カウント値を「0」とする。また、カウンタ81-0〜81-31は、データd0〜d31の立ち上がり及び立ち下がりにおいてカウント値を+1する。シフトレジスタ821-0〜821-31は、クロック信号に従ってカウンタ81-0〜81-31から出力されるカウント値を取り込み、シフトする。従って、シフトレジスタ821-0〜821-31には、過去16クロック分のカウンタ81-0〜81-31のカウント値が保持される。
【0094】
制御回路822-0〜822-31は、パケット識別信号102が“Lo”となると、シフトレジスタ821-0〜821-31の入力段及び出力段にセットされているカウント値に基づいて、データ変化率h0〜h31を算出し、セレクタ202に対して出力する。より具体的には、{(入力段のセットされているカウント値)−(出力段にセットされているカウント値)}÷16なる演算を行うことによりデータ変化率を算出する。
【0095】
〔第3の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、送信デバイス50から出力されるデータが可変長データであっても、データ無効期間の直前に出力されるデータのデータ変化率に応じたダミーデータを出力することが可能になる。その理由は、データD1の立ち上がり時および立ち下がり時にインクリメントされるカウンタ81-0〜81-31と、クロック信号に従ってカウンタ81-0〜81-31のカウント値を取り込みシフトする所定段数のシフトレジスタ821-0〜821-31と、データ無効期間の開始時に、シフトレジスタ821-0〜821-31の入力段および出力段に保持されているカウント値に基づいてデータ変化率を算出する制御回路822-0〜822-31とを有する変化率検出回路21を備えているからである。
【0096】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図9を参照すると、本実施の形態は、SPI-3を利用してデータを送信する送信デバイス70と、SPI-3を利用してデータを受信する受信デバイス40とを備えている。
【0097】
本実施の形態と図1に示した第1の実施の形態との相違点は、送信デバイス30の代わりに送信デバイス70を備えている点である。送信デバイス70は、変化率検出回路21が追加されている点、およびダミーデータ生成回路17の代わりにダミーデータ生成回路201を備えている点が、図1に示した送信デバイス30と相違している。
【0098】
〔第4の実施の形態の動作の説明〕
次に本実施の形態の動作について説明する。
【0099】
変化率検出回路21は、データD1の各ビット位置のデータ変化率h0〜h31を検出し、ダミーデータ生成回路201に対して出力する。ダミーデータ生成回路201では、変化率検出回路21から出力されたデータ変化率h0〜h31に応じたダミーデータD1をセレクタ16に対して出力する。パリティ演算回路103aは、パケット識別信号102が“Hi”の間は、データD1に対するパリティ演算結果108を出力し、パケット識別信号102が“Lo”の間は、ダミーデータ生成回路201から出力されたダミーデータに対するパリティ演算結果108を出力する。パリティ出力回路104aは、パリティ演算回路103aから出力されたパリティ演算結果108に応じたパリティビット107を受信デバイス40に対して出力する。
【0100】
〔第4の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時における消費電力の変動を抑制することができるという第2、第3の実施の形態によって得られる効果に加え、データ無効期間においても障害検出を行えるという効果を得ることができる。その理由は、データ有効期間においてはデータD1に対するパリティビット107を出力し、データ無効期間においてはダミーデータ5に対するパリティビット107を出力するパリティ出力回路104aを備えているからである。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、SPI-3を利用してデータを送信する送信デバイスなどに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明にかかる送信デバイスの第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】データ変化率を説明するための図である。
【図3】第1の実施の形態の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図4】本発明にかかる送信デバイスの第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図5】第2の実施の形態で使用する変化率検出回路21の構成例を示すブロック図である。
【図6】ダミーデータ生成回路201の構成例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図8】第3の実施の形態で使用する変化率検出回路21の構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明にかかる送信デバイスの第4の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図10】SPI-3を使用する従来の一般的な送信デバイス、受信デバイスの構成例を示すブロック図である。
【図11】図10の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図12】従来技術の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
【0103】
10、30、50、70…送信デバイス
11…T/RSX生成回路
12…T/RENB生成回路
15…切替制御回路
16…セレクタ
17、201…ダミーデータ生成回路
21…変化率検出回路
81、211…カウンタ部
81−0〜81−31、211−0〜211−31…カウンタ
82、212…制御部
821−0〜821−31…シフトレジスタ
212−0〜212−31、822−0〜822−31…制御回路
61−0〜61−31…ダミーデータ出力部
62−0〜62−31…ダミーデータ記憶部
101…“0”出力回路
103、103a…パリティ演算回路
104、104a…パリティ出力回路
20、40、60…受信デバイス
13…T/RSX受信回路
14…T/RENB受信回路
18…データ処理回路
105、105a…検出回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力対象にするデータが存在するデータ有効期間においては上記データを出力し、存在しないデータ無効期間においては任意のデータを出力する送信デバイスに関し、特に、送信デバイスにおいてデータを出力するために消費される電流がデータ有効期間とデータ無効期間とで余り変動しないようにすることができる消費電流安定化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
データ有効期間においては上記データを出力し、データ無効期間においては“0”データなどの任意のデータを出力することができるインタフェースとして、OIF(Optical Internetworking Forum)にて規定されるSPI-3(System Packet Interface Level 3)が従来から知られており、多くのASSP(Application Specific Standard Product)等のデバイスのパケットインタフェースとして採用されている。
【0003】
図10はSPI-3を利用した従来の一般的な送信デバイス10及び受信デバイス20の構成例を示すブロック図である。
【0004】
〔送信デバイス10の構成〕
先ず、送信デバイス10の構成について説明する。図10を参照すると、SPI-3を使ってデータを転送する送信デバイス10は、T/RSX(T:Transmit、RSX:Receive Start of Transfer signal)生成回路11と、T/RENB(RENB:Receive Read Enable signal)生成回路12と、切替制御回路15と、セレクタ16と、“0”出力回路101と、パリティ演算回路103と、パリティ出力回路104とを備えている。また、送信デバイス10には、図示を省略したパケット生成回路から32ビット構成のデータD1(データD1の直前にはアドレスが付加されている)と、データD1の有効部分を識別するためのパケット識別信号102とが入力されている。次に、送信デバイス10内の各回路について説明する。
【0005】
・T/RSX生成回路11:T/RSX生成回路11は、パケット識別信号102に基づいて、データD1の直前に存在するアドレスを検出したとき、T/RSX信号S2をハイレベル(“Hi”)とし、データD1の先頭部分を検出したとき、T/RSX信号S2をローレベル(“Lo”)とする。
【0006】
・T/RENB生成回路12:T/RENB生成回路12は、パケット識別信号102に基づいてデータD1の有効部分の先頭を検出したとき、T/RENB信号S3を“Lo”とし、無効部分の先頭を検出したとき、T/RENB信号S3を“Hi”とする。
【0007】
・“0”出力回路101:“0”出力回路101は、データD1の無効期間において送信デバイス10から出力するデータとして、32ビットオール“0”の並列データを出力する。OIFでは規定されていないが、多くのデバイスでは。データD1の無効時には、意味のないデータとして“0”データを出力している。
【0008】
・切替制御回路15:切替制御回路15は、T/RSX信号S2とT/RENB信号S3とに基づいて、セレクタ16に対して、データD1を出力するのか、“0”出力回路101から出力されている“0”データを出力するのかを指示する転送/中断信号S8を出力する。より具体的には、T/RSX信号S2の立ち上がりにおいて転送/中断信号S8を“Hi”とすることによりデータD1の出力を指示し、T/RENB信号S3の立ち上がりにおいて転送/中断信号S8を“Lo”とすることにより“0”データの出力を指示する。
【0009】
・セレクタ16:セレクタ16は、切替制御回路15からの転送/中断信号S8が“Hi”の場合はデータD1を選択してデータバスDBに出力し、“Lo”の場合は“0”出力回路101から出力される“0”データを選択してデータバスDBに出力する。
【0010】
・パリティ演算回路103:パリティ演算回路103は、データD1とパケット識別信号102とを入力し、パケット識別信号102が“Hi”である間、32ビット構成のデータD1に含まれている“1”の数が奇数か偶数かを判定し、判定結果をパリティ演算結果108として出力する。
【0011】
・パリティ出力回路104:パリティ出力回路104は、パリティ演算結果108と転送/中断信号S8とを入力とし、転送/中断信号S8が“Hi”の期間(転送を指示している期間)において、パリティ演算結果108が奇数を示している場合はパリティビット107として“0”を出力し、パリティ演算結果108が偶数を示している場合は、パリティビット107として“1”を出力する。
【0012】
〔受信デバイス20〕
次に、受信デバイス20の構成について説明する。受信デバイス20は、SPI-3を使ってデータを受信するデバイスであり、T/RSX受信回路13と、T/RENB受信回路14と、データ処理回路18と、検出回路105とを備えている。
【0013】
・T/RSX受信回路13:T/RSX受信回路13は、送信デバイス10から送られてきたT/RSX信号S2を受信してT/RSX信号S7を出力する。
【0014】
・T/RENB受信回路14:T/RENB受信回路14は、T/RENB信号S3を受信して、T/RENB信号S6を出力する。
【0015】
・データ処理回路18:データ処理回路18は、T/RENB信号S6及びT/RSX信号S7の状態に応じてデータD2及びパケット識別信号110を出力する。より具体的には、T/RSX信号S7が立ち上がった後、T/RENB信号S6が立ち下がったタイミングでデータD2の出力を開始し、その後、T/RENB信号S6が立ち上がったタイミングでデータD2の出力を停止する。また、データD2を出力している間、パケット識別信号110をデータが存在することを示す状態にする。
【0016】
・検出回路105:検出回路105は、T/RENB信号S6が“Lo”の間、パリティビット107を利用して、データバスDBを介して送られてくるデータD1に誤りがあるか否かを検証する。
【0017】
〔動作の説明〕
次に、図11のタイムチャートを参照して、図10に示した送信デバイス10及び受信デバイス20の動作を説明する。
【0018】
送信デバイス10には、データD1及びパケット識別信号102が外部から入力されており、データD1は、セレクタ16及びパリティ演算回路103に入力され、パケット識別信号102は、T/RSX生成回路11、T/RENB生成回路12及びパリティ演算回路103に入力される。
【0019】
T/RSX生成回路11は、時刻t1において、パケット識別信号102に基づいてデータD1の直前に存在するアドレスを検出すると、T/RSX信号S2を“Hi”とし、その後、時刻t2においてデータD1の先頭部分を検出するとT/RSX信号S2を“Lo”とする。また、T/RENB生成回路12は、時刻t2において、パケット識別信号102に基づいてデータD1の先頭部分を検出すると、T/RENB信号S3を“Lo”とし、時刻t3においてデータの無効部分を検出するとT/RENB信号S3を“Hi”とする。
【0020】
切替制御回路15は、時刻t1においてT/RSX信号S2が“Hi”となると、転送/中断信号S8を“Hi”にし、時刻t3においてT/RENB信号S3が“Hi”となると、転送/中断信号S8を“Lo”にする。
【0021】
セレクタ16は、時刻t1において転送/中断信号S8が“Hi”となると、アドレス、データD1をデータバスDBに出力し、時刻t3において転送/中断信号S8が“Lo”となると“0”出力回路101から出力されている“0”データをデータバスDBに出力する。
【0022】
パリティ演算回路103は、パケット識別信号102がデータが存在していることを示している間、データD1の“1”の数が奇数か偶数かを判定し、判定結果をパリティ演算結果108として出力する。パリティ出力回路104は、パリティ演算結果108と転送/中断信号S8とを入力とし、転送/中断信号S8が“Hi”の期間において、パリティ演算結果108が奇数を示している場合はパリティビット107として“0”を出力し、パリティ演算結果108が偶数を示している場合は、パリティビット107として“1”を出力する。
【0023】
受信デバイス20内の、T/RSX受信回路13は、T/RSX信号S2を受信してT/RSX信号S7を出力し、T/RENB受信回路14は、T/RENB信号S3を受信してT/RENB信号S6を出力する。
【0024】
データ処理回路18は、T/RENB信号S6が“Lo”となると、データバスDBを介して送られてきたデータD1を抽出してデータD2として出力すると共に、パケット識別信号110を“Hi”とする。
【0025】
検出回路105は、データバスDBを介して送られてきたデータD1とパリティビット107とに基づいてデータD1に誤りがあるか否かを検証する。
【0026】
以上が、SPI-3を利用した従来の一般的な送信デバイス10及び受信デバイス20の動作である。
【0027】
一方、SPI-3を利用するものではないが、入力データが有る場合には入力データを出力し、入力データが無い場合にはパリティ付きダミーデータを出力するようにした技術が従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されている従来の技術は、複数の入力回路I1〜INと、共通処理回路と、複数の出力回路O1〜ONとを備えている。各入力回路I1〜INには、パリティビットの付加されたパリティ付きデータが入力され、各入力回路I1〜INは、パリティ付きデータが入力されている場合には、それを共通処理回路に出力し、パリティ付きデータが入力されていない場合には、パリティ付きダミーデータを共通処理回路に出力する。共通処理回路では、各入力回路I1〜INから出力されたデータを処理し、各出力回路O1〜ONに出力する。各出力回路O1〜ONでは、共通処理回路から出力されたデータ(パリティ付きデータ或いはパリティ付きダミーデータ)に対するパリティチェックを行い、データ誤りを検出すると、警報を発する。
【0028】
【特許文献1】特開平1−241949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
ところで、SPI-3を使用してデータ転送を行う場合、データ有効期間においてはデータD1を“Lo”“Hi”に変化させるために電流が消費されるので、図11に示すように消費電流は多くなるが、データ無効期間においては状態が“0”固定となるため、消費電流が少なくなる。このように、SPI-3を使用してデータ転送を行う場合、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時に消費される電流が大きく変動する(1A程度変動する)。送信デバイスに動作電圧を供給する電源回路は、出力電圧を一定とするために電流を調整するが、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時に発生する急激な消費電流の変動には追従できず、出力電圧が変動する恐れがある。図12のように、1つの電源回路にデジタル回路、アナログ回路、SPI-3を持つデバイスが接続されている場合、特にアナログ回路等は電圧変動による影響を受け易い傾向があるため、回路の誤動作を引き起こす可能性がある。
【0030】
特許文献1には、データ無効期間においてダミーデータを出力することが記載されているが、特許文献1に記載されている従来の技術は、消費電流の変動を低減させることを目的とするものではないため、どのようなダミーデータを出力すれば消費電流の変動を低減させることができるかについては全く記載されていない。
【0031】
〔発明の目的〕
そこで、本発明の目的は、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時に、送信デバイスで消費される電流が大きく変動しないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明にかかる第1の送信デバイスは、
出力対象にするデータが存在するデータ有効期間において前記データを出力し、存在しないデータ無効期間においてダミーデータを出力する送信デバイスであって、
前記ダミーデータとして、データ有効期間において出力されたデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを生成するダミーデータ生成回路を備えたことを特徴とする。
【0033】
本発明にかかる第2の送信デバイスは、第1の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータのデータ変化率が固定値であることを特徴とする。
【0034】
本発明にかかる第3の送信デバイスは、第2の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータのデータ変化率がほぼ50%であることを特徴とする。
【0035】
本発明にかかる第4の送信デバイスは、第1の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータのデータ変化率が動的に変化することを特徴とする。
【0036】
本発明にかかる第5の送信デバイスは、第4の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路が、データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率に応じたデータ変化率を有するダミーデータを生成することを特徴とする。
【0037】
本発明にかかる第6の送信デバイスは、第5の送信デバイスにおいて、
データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率を検出する変化率検出回路を備え、且つ、
前記ダミーデータ生成回路が前記変化率検出回路で検出されたデータ変化率に応じたダミーデータを生成することを特徴とする。
【0038】
本発明にかかる第7の送信デバイスは、第6の送信デバイスにおいて、
前記変化率検出回路が、
前記データの立ち上がり時および立ち下がり時にインクリメントされ、所定時間毎にリセットされるカウンタと、
データ無効期間の開始時に前記カウンタのカウント値を入力し、該入力したカウント値に基づいてデータ変化率を求める制御回路とを備えたことを特徴とする。
【0039】
本発明にかかる第8の送信デバイスは、第6の送信デバイスにおいて、
前記変化率検出回路が、
前記データの立ち上がり時および立ち下がり時にインクリメントされるカウンタと、
クロック信号に従って前記カウンタのカウント値を取り込みシフトする所定段数のシフトレジスタと、
データ無効期間の開始時に、前記シフトレジスタの入力段および出力段に保持されているカウント値に基づいてデータ変化率を算出する制御回路とを備えたことを特徴とする。
【0040】
本発明にかかる第9の送信デバイスは、第1〜第8の何れかの送信デバイスにおいて、
データ有効期間においては前記データに対するパリティビットを出力し、データ無効期間においては前記ダミーデータに対するパリティビットを出力するパリティ出力回路を備えたことを特徴とする。
【0041】
本発明にかかる電気回路は、
電源回路と、
該電源回路に接続された請求項1乃至9の何れか1項に記載された送信デバイスと、
前記電源回路に接続されたアナログ回路とを備えたことを特徴とする。
【0042】
本発明にかかる第1の消費電流安定化方法は、
出力対象にするデータが存在するデータ有効期間において前記データを出力し、存在しないデータ無効期間においてダミーデータを出力する送信デバイスにおける消費電流安定化方法であって、
前記ダミーデータとして、データ有効期間において出力されたデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを生成することを特徴とする。
【0043】
本発明にかかる第2の消費電流安定化方法は、第1の消費電流安定化方法において、
ダミーデータのデータ変化率が固定値であることを特徴とする消費電流安定化方法。
【0044】
本発明にかかる第3の消費電流安定化方法は、第1の消費電流安定化方法において、
ダミーデータのデータ変化率が動的に変化することを特徴とする。
【0045】
本発明にかかる第4の消費電流安定化方法は、第3の消費電流安定化方法において、
データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率に応じたデータ変化率を有するダミーデータを生成することを特徴とする。
【0046】
〔作用〕
送信デバイスは、データが存在するデータ有効期間において上記データを出力し、データが存在しないデータ無効期間においてダミーデータを出力する。このダミーデータは、ダミーデータ生成回路によって生成されるものであり、ダミーデータ生成回路は、データ有効期間において出力されたデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを生成する。
【0047】
ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータは、データ変化率が固定値でも良く、動的に変化するものであっても良い。データ変化率を固定値とする場合は、データ変化率を50%程度とし、動的に変化させる場合には、データ無効期間の直前において出力されたデータのデータ変化率に応じたものにする。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時に、送信デバイスで消費される電流が大きく変動しないようにすることができる。その理由は、データ有効期間において出力されたデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを、データ無効期間において出力するようにしているからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0050】
〔第1の実施の形態〕
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態は、SPI-3を使用してデータを転送する送信デバイス30と、SPI-3を使用してデータを受信する受信デバイス40とから構成されている。
【0051】
送信デバイス30は、“0”出力回路101の代わりにダミーデータ生成回路17を備えている点、パリティ演算回路103の代わりにパリティ演算回路103aを備えている点、およびパリティ出力回路104の代わりにパリティ出力回路104aを備えている点が図10に示した送信デバイス30と相違している。
【0052】
ダミーデータ生成回路17は、ダミーデータ5を生成する。ダミーデータ5は、32ビット構成の並列データであり、本実施の形態では、各ビット位置のデータのデータ変化率Hが50%となるようなダミーデータ5を生成する。データのデータ変化率Hは、単位時間T当たりデータが最大何回状態変化(“Lo”から“Hi”への変化および“Hi”から“Lo”への変化)することができるかを示す最大変化回数に対する、データの単位時間T当たりの状態変化の回数の割合である。データの状態は、1クロックで1回変化可能であるので、データ変化率Hは、例えば、次式(1)で表すことができる。
【0053】
データ変化率H=(Nクロックの間にデータの状態が“Lo”から“Hi”に変化した回数と“Hi”から“Lo”に変化した回数との合計値)÷N×100 …(1)
【0054】
従って、1クロック毎に状態が変化するデータのデータ変化率は、100%となる。また、Nクロックの間にN/2回状態が変化するデータのデータ変化率は50%となる。図2にデータ変化率が100%、50%、25%のダミーデータの例を示す。
【0055】
パリティ演算回路103aは、パケット識別信号102が“Hi”の場合は、データD1に含まれている“1”の数が奇数か否かを示すパリティ演算結果108を出力し、パケット識別信号102が“Lo”の場合は、32ビット構成のダミーデータ5に含まれている“1”の数が奇数か否かを示すパリティ演算結果108を出力する。
【0056】
パリティ出力回路104aは、パリティ演算結果108が奇数を示している場合はパリティビット107として“0”を出力し、パリティ演算結果108が偶数を示している場合は、パリティビット107として“1”を出力する。
【0057】
受信デバイス40は、検出回路105の代わりに検出回路105aを備えている点が図10に示した受信デバイス20と相違している。
【0058】
検出回路105aは、常時、パリティビット107を利用して、データバスDBを介して送られてくるデータD1、ダミーデータに誤りがあるか否かを検証する。
【0059】
〔第1の実施の形態の動作の説明〕
次に、図3のタイムチャートを参照して本実施の形態の動作について説明する。
【0060】
送信デバイス30には、外部からデータD1及びパケット識別信号102が入力されており、データD1はセレクタ16及びパリティ演算回路103aに入力され、パケット識別信号102は、T/RSX生成回路11、T/RENB生成回路12及びパリティ演算回路103aに入力される。
【0061】
T/RSX生成回路11は、時刻t31において、パケット識別信号102に基づいてデータD1の直前に存在するアドレスを検出すると、T/RSX信号S2を“Hi”とし、その後、時刻t32においてデータD1の先頭部分を検出すると、T/RSX信号S2を“Lo”にする。また、T/RENB生成回路12は、時刻t32において、パケット識別信号102に基づいてデータD1の先頭部分を検出すると、T/RENB信号S3を“Lo”とし、その後、時刻t33において無効部分を検出すると、T/RENB信号S3を“Hi”とする。
【0062】
切替制御回路15は、時刻t31においてT/RSX信号S2が“Hi”となると、転送/中断信号S8を“Hi”にしてデータ有効期間であることを表示し、時刻t33においてT/RENB信号S3が“Hi”となると、転送/中断信号S8を“Lo”にしてデータ無効期間であることを表示する。
【0063】
セレクタ16は、時刻t31において転送/中断信号S8が“Hi”となると、アドレス、データD1をデータバスDBに出力し、時刻t33において転送/中断信号S8が“Lo”となると、ダミーデータ生成回路17が生成したダミーデータ5をデータバスDBの各ビットに出力する。本実施の形態では、前述したように、ダミーデータ5としてデータ変化率Hが50%のものを出力する。なお、T/RENB信号S3が“Hi”のときに送信デバイス30から受信デバイス40へ転送するデータについては、OFIに規定されておらず、受信デバイス40内のデータ処理回路18は、T/RENB信号S3が“Hi”のとき(T/RENB信号S6が“Hi”のとき)に、データバスDBを介して送られてきたデータは無視するため、ダミーデータ5としてどのようなデータを使用しても出力データD2に影響することはない。このように、データ無効期間(時刻t33〜t34)において、データ変化率50%のダミーデータ5を出力することにより、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時における消費電力の変動を抑制することができる。
【0064】
パリティ演算回路103aは、パケット識別信号102がデータが存在していることを示している間(時刻t31〜t33)は、データD1の“1”の数が奇数か偶数かを示すパリティ演算結果108を出力する。また、パケット識別信号102がデータが存在しないことを示している間(時刻t33〜t34)は、ダミーデータ5の“1”の数が奇数か偶数かを示すパリティ演算結果108を出力する。
【0065】
パリティ出力回路104aは、パリティ演算結果108を入力とし、パリティ演算結果108が奇数を示している場合はパリティビット107として“0”を出力し、パリティ演算結果108が偶数を示している場合は、パリティビット107として“1”を出力する。このように、本実施の形態では、データ有効期間だけでなく、データ無効期間においても、送信デバイス30から受信デバイス40へパリティビット107が送信され、受信デバイス40の検出回路105aにおいてパリティチェックが行われる。
【0066】
〔第1の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時に、送信デバイス30で消費される電流が大きく変動しないようにすることができる。その理由は、データ無効期間において出力するダミーデータとして、データ有効期間において出力されるデータとのデータ変化率との差分が小さいダミーデータを生成するダミー信号生成回路17を備えているからである。
【0067】
また、本実施の形態は、データ有効期間においてはデータD1に対するパリティビット107を出力し、データ無効期間においてはダミーデータ5に対するパリティビット107を出力するパリティ出力回路104aを備えているので、データ無効期間においても障害を検出することが可能になる。
【0068】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、データ無効期間の直前において送信デバイスから出力されるデータのデータ変化率を実際に検出し、検出したデータ変化率に応じたダミーデータをデータ無効期間に送信デバイスから出力することを特徴とする。
【0069】
図4を参照すると、本実施の形態は、SPI-3を利用してデータを送信する送信デバイス50と、SPI-3を利用してデータを受信する受信デバイス60とを備えている。
【0070】
本実施の形態の受信デバイス60は、検出回路105aを備えていない点が、図1に示した第1の実施の形態の受信デバイス20と相違している。
【0071】
また、本実施の形態の送信デバイス50は、変化率検出回路21が追加されている点、ダミーデータ生成回路17の代わりにダミーデータ生成回路201を備えている点、パリティ演算回路103aを備えていない点、およびパリティ出力回路104aを備えていない点が図1に示した第1の実施の形態の送信デバイス30と相違している。
【0072】
変化率検出回路21は、32ビット構成のデータD1の、各ビット位置のデータ変化率h0〜h31を検出する。
【0073】
図5は、変化率検出回路21の構成例を示すブロック図であり、カウンタ部211と、制御部212とを備えている。
【0074】
カウンタ部211は、32個のカウンタ211-0〜211-31を備えており、各カウンタ211-0〜211-31には、それぞれデータD1の第0ビット目〜第31ビット目のデータd0〜d31が入力されている。各カウンタ211-0〜211-31は、データd0〜d31の立ち上がり及び立ち下がりにおいてカウント値をインクリメントし(本実施の形態では、+1する)、リセット信号が入力されたとき、カウント値を「0」とする。
【0075】
制御部212は、各カウンタ211-0〜211-31毎の制御回路212-0〜212-31を備えている。各制御回路212-0〜212-31は、パケット識別信号102が“Hi”となったとき(データ有効期間の開始時)、カウンタ211-0〜211-31に対してリセット信号を出力し、その後、パケット識別信号102が“Hi”であることを条件にして所定時間毎にカウンタ211-0〜211-31に対してリセット信号を出力する。また、制御回路212-0〜212-31は、パケット識別信号102が“Lo”となったとき(データ無効期間の開始時)、その時点のカウンタ211-0〜211-31のカウント値に基づいて、データD1の各ビット位置のデータ変化率h0〜h31を算出し、ダミーデータ生成回路201に対して出力する。
【0076】
ここで、カウンタ211-0〜211-31のリセット間隔は、短いほど、データ無効期間の直前のデータ変化率を正確に検出することができる。しかしながら、微小な時間の電流変動はある程度無視したほうが良いため、本実施の形態では、16クロック毎にカウンタ211-0〜211-31をリセットするものとする。なお、本実施の形態の変化率検出回路21では、データD1のデータ長によっては、データ無効期間の直前の16クロック分のデータ変化率を検出することができない場合があるが、データ長が16ビットの倍数のデータであれば、データ無効期間の直前の16クロック分のデータ変化率を検出することができる。
【0077】
ダミーデータ生成回路201は、変化率検出回路21が検出した各ビット位置のデータ変化率の基づいて、各ビット位置のダミーデータを生成する。
【0078】
図6は、ダミーデータ生成回路201の構成例を示すブロック図であり、変化率検出回路21から出力されたデータ変化率h0〜h31が入力されるダミーデータ出力部61-0〜61-31と、各ダミーデータ出力部61-0〜61-31毎のダミーデータ記憶部62-0〜62-31とを備えている。
【0079】
ダミーデータ記憶部62-0〜62-31には、データ変化率が10%、30%、50%、70%、90%のダミーデータが登録されている。各ダミーデータ出力部61-0〜61-31は、入力されたデータ変化率h0〜h31が0%以上20%未満、20%以上40%未満、40%以上60%未満、60%以上80%未満、80%以上100%以下の場合、それぞれダミーデータ記憶部62-0〜62-31からデータ変化率が10%、30%、50%、70%、90%のダミーデータを読み出し、セレクタ16に対して出力する。
【0080】
〔第2の実施の形態の動作の説明〕
次に、本実施の形態の動作について説明する。なお、変化率検出回路21及びダミーデータ生成回路201以外の動作は、第1の実施の形態と同様なので、ここでは、変化率検出回路21及びダミーデータ生成回路201の動作についてのみ説明する。
【0081】
変化率検出回路21には、パケット識別信号102が入力されており、変化率検出回路21内の各制御回路212-0〜212-31は、図7のタイムチャートに示すように、時刻t71においてパケット識別信号102が“Hi”になると、カウンタ211-0〜211-31に対してリセット信号を出力する。その後、制御回路212-0〜212-31は、パケット識別信号102が“Hi”であることを条件にして、16クロック毎にカウンタ211-0〜211-31に対してリセット信号を出力する。
【0082】
各カウンタ211-0〜211-31は、それぞれデータD1の第0ビット目〜第31ビット目のデータd0〜d31を入力としており、データd0〜d31の立ち上がり及び立ち下がりにおいてカウント値を+1し、リセット信号が入力されたとき、カウント値を「0」とする。
【0083】
その後、時刻t72において、パケット識別信号102が“Lo”となると、制御回路212-0〜212-31は、その時点のカウンタ211-0〜211-31のカウント値に基づいてデータ変化率h0〜h31を算出し、算出した各ビット位置のデータ変化率h0〜h31をダミーデータ生成回路201に対して出力する。例えば、カウンタ211-0のカウント値が「8」であった場合には、データ変化率h0は、50%(=8÷16)となる。
【0084】
ダミーデータ生成回路201は、変化率検出回路21から送られてきた各ビット位置のデータ変化率h0〜h31に基づいて、各ビット位置のダミーデータを生成し、セレクタ16に対して出力する。例えば、ダミーデータ生成回路201内のダミーデータ出力部61-0は、入力されたデータ変化率h0が40%であれば、ダミーデータ記憶部62-0からデータ変化率が50%のデータを取り出し、セレクタ16に対して出力する。
【0085】
〔第2の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時に発生する消費電流の変動を極めて少ないものにすることが可能になる。その理由は、データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率を検出する変化率検出回路21と、変化率検出回路21で検出されたデータ変化率に応じたダミーデータを生成するダミーデータ生成回路201とを備えているからである。
【0086】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、データD1のデータ長にかかわらず、データ無効期間の直前のデータ変化率を検出できるようにしたことを特徴とする。本実施の形態は、図4において、変化率検出回路21として図8に示す構成を有する変化率検出回路21を用いることに実現される。
【0087】
図8を参照すると、変化率検出回路21は、カウンタ部81と、制御部82とを備えている。
【0088】
カウンタ部81は、32個のカウンタ81-0〜81-31を備えており、各カウンタ81-0〜81-31には、それぞれデータD1の第0ビット目〜第31ビット目のデータd0〜d31が入力されている。各カウンタ81-0〜81-31は、データd0〜d31の立ち上がり及び立ち下がりにおいてカウント値をインクリメントし(本実施の形態では、+1する)、リセット信号が入力されたとき、カウント値を「0」とする。
【0089】
制御部82は、32個のシフトレジスタ821-0〜821-31と、32個の制御回路822-0〜822-31とを備えている。
【0090】
シフトレジスタ821-0〜821-31は、16段構成のものであり、送信デバイス50の駆動クロックであるクロック信号に従って、カウンタ81-0〜81-31から出力されているカウント値を取り込み、シフトする。なお、本実施の形態では、データ無効期間の直前の16クロック分のデータ変化率を検出するようにしているため、シフトレジスタ821-0〜821-31の段数を16段としたが、シフトレジスタ821-0〜821-31の段数はこれに限られるものではない。
【0091】
制御回路822-0〜822-31は、パケット識別信号102が“Hi”になったとき(データ有効期間になったとき)、カウンタ81-0〜81-31に対してリセット信号を出力し、パケット識別信号102が“Lo”となったとき、シフトレジスタ821-0〜821-31の入力段及び出力段にセットされているカウント値に基づいてデータ変化率h0〜h31を算出し、ダミーデータ生成回路201に対して出力する。
【0092】
〔第3の実施の形態の動作〕
次に本実施の形態の動作について説明する。なお、変化率検出回路21の動作以外は、第2の実施の形態と同様であるので、ここでは、変化率検出回路21の動作についてのみ説明する。
【0093】
制御回路822-0〜822-31は、パケット識別信号102が“Hi”となると、カウンタ81-0〜81-31に対してリセット信号を出力する。カウンタ81-0〜81-31は、リセット信号が入力されると、カウント値を「0」とする。また、カウンタ81-0〜81-31は、データd0〜d31の立ち上がり及び立ち下がりにおいてカウント値を+1する。シフトレジスタ821-0〜821-31は、クロック信号に従ってカウンタ81-0〜81-31から出力されるカウント値を取り込み、シフトする。従って、シフトレジスタ821-0〜821-31には、過去16クロック分のカウンタ81-0〜81-31のカウント値が保持される。
【0094】
制御回路822-0〜822-31は、パケット識別信号102が“Lo”となると、シフトレジスタ821-0〜821-31の入力段及び出力段にセットされているカウント値に基づいて、データ変化率h0〜h31を算出し、セレクタ202に対して出力する。より具体的には、{(入力段のセットされているカウント値)−(出力段にセットされているカウント値)}÷16なる演算を行うことによりデータ変化率を算出する。
【0095】
〔第3の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、送信デバイス50から出力されるデータが可変長データであっても、データ無効期間の直前に出力されるデータのデータ変化率に応じたダミーデータを出力することが可能になる。その理由は、データD1の立ち上がり時および立ち下がり時にインクリメントされるカウンタ81-0〜81-31と、クロック信号に従ってカウンタ81-0〜81-31のカウント値を取り込みシフトする所定段数のシフトレジスタ821-0〜821-31と、データ無効期間の開始時に、シフトレジスタ821-0〜821-31の入力段および出力段に保持されているカウント値に基づいてデータ変化率を算出する制御回路822-0〜822-31とを有する変化率検出回路21を備えているからである。
【0096】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図9を参照すると、本実施の形態は、SPI-3を利用してデータを送信する送信デバイス70と、SPI-3を利用してデータを受信する受信デバイス40とを備えている。
【0097】
本実施の形態と図1に示した第1の実施の形態との相違点は、送信デバイス30の代わりに送信デバイス70を備えている点である。送信デバイス70は、変化率検出回路21が追加されている点、およびダミーデータ生成回路17の代わりにダミーデータ生成回路201を備えている点が、図1に示した送信デバイス30と相違している。
【0098】
〔第4の実施の形態の動作の説明〕
次に本実施の形態の動作について説明する。
【0099】
変化率検出回路21は、データD1の各ビット位置のデータ変化率h0〜h31を検出し、ダミーデータ生成回路201に対して出力する。ダミーデータ生成回路201では、変化率検出回路21から出力されたデータ変化率h0〜h31に応じたダミーデータD1をセレクタ16に対して出力する。パリティ演算回路103aは、パケット識別信号102が“Hi”の間は、データD1に対するパリティ演算結果108を出力し、パケット識別信号102が“Lo”の間は、ダミーデータ生成回路201から出力されたダミーデータに対するパリティ演算結果108を出力する。パリティ出力回路104aは、パリティ演算回路103aから出力されたパリティ演算結果108に応じたパリティビット107を受信デバイス40に対して出力する。
【0100】
〔第4の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、データ有効期間とデータ無効期間との切り替わり時における消費電力の変動を抑制することができるという第2、第3の実施の形態によって得られる効果に加え、データ無効期間においても障害検出を行えるという効果を得ることができる。その理由は、データ有効期間においてはデータD1に対するパリティビット107を出力し、データ無効期間においてはダミーデータ5に対するパリティビット107を出力するパリティ出力回路104aを備えているからである。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、SPI-3を利用してデータを送信する送信デバイスなどに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明にかかる送信デバイスの第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】データ変化率を説明するための図である。
【図3】第1の実施の形態の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図4】本発明にかかる送信デバイスの第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図5】第2の実施の形態で使用する変化率検出回路21の構成例を示すブロック図である。
【図6】ダミーデータ生成回路201の構成例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図8】第3の実施の形態で使用する変化率検出回路21の構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明にかかる送信デバイスの第4の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図10】SPI-3を使用する従来の一般的な送信デバイス、受信デバイスの構成例を示すブロック図である。
【図11】図10の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図12】従来技術の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
【0103】
10、30、50、70…送信デバイス
11…T/RSX生成回路
12…T/RENB生成回路
15…切替制御回路
16…セレクタ
17、201…ダミーデータ生成回路
21…変化率検出回路
81、211…カウンタ部
81−0〜81−31、211−0〜211−31…カウンタ
82、212…制御部
821−0〜821−31…シフトレジスタ
212−0〜212−31、822−0〜822−31…制御回路
61−0〜61−31…ダミーデータ出力部
62−0〜62−31…ダミーデータ記憶部
101…“0”出力回路
103、103a…パリティ演算回路
104、104a…パリティ出力回路
20、40、60…受信デバイス
13…T/RSX受信回路
14…T/RENB受信回路
18…データ処理回路
105、105a…検出回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力対象にするデータが存在するデータ有効期間において前記データを出力し、存在しないデータ無効期間においてダミーデータを出力する送信デバイスであって、
前記ダミーデータとして、データ有効期間において出力されたデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを生成するダミーデータ生成回路を備えたことを特徴とする送信デバイス。
【請求項2】
請求項1記載の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータのデータ変化率が固定値であることを特徴とする送信デバイス。
【請求項3】
請求項2記載の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータのデータ変化率がほぼ50%であることを特徴とする送信デバイス。
【請求項4】
請求項1記載の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータのデータ変化率が動的に変化することを特徴とする送信デバイス。
【請求項5】
請求項4記載の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路が、データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率に応じたデータ変化率を有するダミーデータを生成することを特徴とする送信デバイス。
【請求項6】
請求項5記載の送信デバイスにおいて、
データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率を検出する変化率検出回路を備え、且つ、
前記ダミーデータ生成回路が前記変化率検出回路で検出されたデータ変化率に応じたダミーデータを生成することを特徴とする送信デバイス。
【請求項7】
請求項6記載の送信デバイスにおいて、
前記変化率検出回路が、
前記データの立ち上がり時および立ち下がり時にインクリメントされ、所定時間毎にリセットされるカウンタと、
データ無効期間の開始時に前記カウンタのカウント値を入力し、該入力したカウント値に基づいてデータ変化率を求める制御回路とを備えたことを特徴とする送信デバイス。
【請求項8】
請求項6記載の送信デバイスにおいて、
前記変化率検出回路が、
前記データの立ち上がり時および立ち下がり時にインクリメントされるカウンタと、
クロック信号に従って前記カウンタのカウント値を取り込みシフトする所定段数のシフトレジスタと、
データ無効期間の開始時に、前記シフトレジスタの入力段および出力段に保持されているカウント値に基づいてデータ変化率を算出する制御回路とを備えたことを特徴とする送信デバイス。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の送信デバイスにおいて、
データ有効期間においては前記データに対するパリティビットを出力し、データ無効期間においては前記ダミーデータに対するパリティビットを出力するパリティ出力回路を備えたことを特徴とする送信デバイス。
【請求項10】
電源回路と、
該電源回路に接続された請求項1乃至9の何れか1項に記載された送信デバイスと、
前記電源回路に接続されたアナログ回路とを備えたことを特徴とする電気回路。
【請求項11】
出力対象にするデータが存在するデータ有効期間において前記データを出力し、存在しないデータ無効期間においてダミーデータを出力する送信デバイスにおける消費電流安定化方法であって、
前記ダミーデータとして、データ有効期間において出力されたデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを生成することを特徴とする消費電流安定化方法。
【請求項12】
請求項11記載の消費電流安定化方法において、
ダミーデータのデータ変化率が固定値であることを特徴とする消費電流安定化方法。
【請求項13】
請求項11記載の消費電流安定化方法において、
ダミーデータのデータ変化率が動的に変化することを特徴とする消費電流安定化方法。
【請求項14】
請求項13記載の消費電流安定化方法において、
データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率に応じたデータ変化率を有するダミーデータを生成することを特徴とする消費電流安定化方法。
【請求項1】
出力対象にするデータが存在するデータ有効期間において前記データを出力し、存在しないデータ無効期間においてダミーデータを出力する送信デバイスであって、
前記ダミーデータとして、データ有効期間において出力されたデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを生成するダミーデータ生成回路を備えたことを特徴とする送信デバイス。
【請求項2】
請求項1記載の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータのデータ変化率が固定値であることを特徴とする送信デバイス。
【請求項3】
請求項2記載の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータのデータ変化率がほぼ50%であることを特徴とする送信デバイス。
【請求項4】
請求項1記載の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路で生成されるダミーデータのデータ変化率が動的に変化することを特徴とする送信デバイス。
【請求項5】
請求項4記載の送信デバイスにおいて、
前記ダミーデータ生成回路が、データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率に応じたデータ変化率を有するダミーデータを生成することを特徴とする送信デバイス。
【請求項6】
請求項5記載の送信デバイスにおいて、
データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率を検出する変化率検出回路を備え、且つ、
前記ダミーデータ生成回路が前記変化率検出回路で検出されたデータ変化率に応じたダミーデータを生成することを特徴とする送信デバイス。
【請求項7】
請求項6記載の送信デバイスにおいて、
前記変化率検出回路が、
前記データの立ち上がり時および立ち下がり時にインクリメントされ、所定時間毎にリセットされるカウンタと、
データ無効期間の開始時に前記カウンタのカウント値を入力し、該入力したカウント値に基づいてデータ変化率を求める制御回路とを備えたことを特徴とする送信デバイス。
【請求項8】
請求項6記載の送信デバイスにおいて、
前記変化率検出回路が、
前記データの立ち上がり時および立ち下がり時にインクリメントされるカウンタと、
クロック信号に従って前記カウンタのカウント値を取り込みシフトする所定段数のシフトレジスタと、
データ無効期間の開始時に、前記シフトレジスタの入力段および出力段に保持されているカウント値に基づいてデータ変化率を算出する制御回路とを備えたことを特徴とする送信デバイス。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の送信デバイスにおいて、
データ有効期間においては前記データに対するパリティビットを出力し、データ無効期間においては前記ダミーデータに対するパリティビットを出力するパリティ出力回路を備えたことを特徴とする送信デバイス。
【請求項10】
電源回路と、
該電源回路に接続された請求項1乃至9の何れか1項に記載された送信デバイスと、
前記電源回路に接続されたアナログ回路とを備えたことを特徴とする電気回路。
【請求項11】
出力対象にするデータが存在するデータ有効期間において前記データを出力し、存在しないデータ無効期間においてダミーデータを出力する送信デバイスにおける消費電流安定化方法であって、
前記ダミーデータとして、データ有効期間において出力されたデータとのデータ変化率の差分が小さいダミーデータを生成することを特徴とする消費電流安定化方法。
【請求項12】
請求項11記載の消費電流安定化方法において、
ダミーデータのデータ変化率が固定値であることを特徴とする消費電流安定化方法。
【請求項13】
請求項11記載の消費電流安定化方法において、
ダミーデータのデータ変化率が動的に変化することを特徴とする消費電流安定化方法。
【請求項14】
請求項13記載の消費電流安定化方法において、
データ無効期間の直前に出力されたデータのデータ変化率に応じたデータ変化率を有するダミーデータを生成することを特徴とする消費電流安定化方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−72164(P2008−72164A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246312(P2006−246312)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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