送信先パネルを有する印刷管理方法及び装置
【課題】印刷ジョブ管理装置において実行されるプリンタ管理方法を提供する。
【解決手段】
本方法は、前記プリンタのリスト、および1つ以上のプリンタと印刷ジョブを処理するために予め定義された規則とを指定することによって各々定義される1つ以上の仮想的印刷装置のリストを、前記表示モニタに表示するステップと、前記仮想的印刷装置を選択するユーザからの指令を受信するステップと、前記指令に応じて、前記表示モニタ上にリストアップされた前記プリンタのうち、選択された前記仮想的印刷装置により指定された前記1つ以上のプリンタを視覚的に目立たせるステップと、を含む。
【解決手段】
本方法は、前記プリンタのリスト、および1つ以上のプリンタと印刷ジョブを処理するために予め定義された規則とを指定することによって各々定義される1つ以上の仮想的印刷装置のリストを、前記表示モニタに表示するステップと、前記仮想的印刷装置を選択するユーザからの指令を受信するステップと、前記指令に応じて、前記表示モニタ上にリストアップされた前記プリンタのうち、選択された前記仮想的印刷装置により指定された前記1つ以上のプリンタを視覚的に目立たせるステップと、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、印刷管理方法及び装置に関し、より具体的には、複数のプリンタを管理するための印刷管理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
複数のプリンタにより数多くの印刷ジョブが処理される環境においては、印刷ジョブを系統的な手法で効率的に管理する必要がある。そのような環境の例として、プロの印刷専門店や大規模な組織の印刷/コピー担当部署などがあるが、そこでは、複数のプリンタを用いて、大量の文書複製や大容量の文書印刷等の多種多様な印刷指令を、短い処理時間で実行し、完了しなければならない。本書において、このような環境を総称して「プリントショップ」と称することにする。
【0003】
一般的に、各々の印刷ジョブは、印刷対象である文書を電子的に格納するソースファイルと、当該文書を印刷するための用紙のサイズ、カラーおよびタイプと、印刷時の解像度と、両面・片面印刷の指示と、製本、ステープルおよび部単位印刷(collate printing)等の印刷ジョブ要求者側の要望に応じた所定の仕上げ処理と、を特定する役割を果たす。ジョブパラメータがそれぞれ異なる大量の印刷ジョブを処理するためには、プリントショップは複数の業務用プリンタを稼動しなければならない。このような場合、白黒印刷を実行するために少なくとも1機の白黒印刷用プリンタを稼動することが多い。同時に、カラー印刷を処理するために複数のカラープリンタが据え付けられることが多い。しかし、各々のプリンタにおいて利用可能な、用紙サイズ、用紙タイプ、解像度等の印刷設定は、機種ごとに制約を受ける。そのため、大量の印刷ジョブを複数の白黒およびカラープリンタで処理する場合、個々のジョブをその処理に適したプリンタに振り分ける必要があるが、そのようなタスクは非常に煩雑になってしまうという問題点がある。
【発明の開示】
【0004】
発明の要約
したがって、本発明は、従来技術による制約や不利益に起因する少なくとも1つの問題点を大きく解消する印刷管理方法および装置を対象としている。
【0005】
本発明の目的は、改良された印刷管理方法および装置を提供することである。
【0006】
本発明による付加的あるいは他の特徴および利点が以下に記載されているが、これは、部分的に以下の記載内容から明らかであるほか、本発明を実施することにより把握されうる。本発明の目的および他の利点は、以下の記述、特許請求の範囲、および図面において特に指摘された構成により実現および達成される。
【0007】
本発明の趣旨に沿って具体化される、広範に記載された上記および他の目的を達成するために、本発明は、その一態様において、プリンタに接続された印刷ジョブ管理装置において実行されるプリンタ管理方法であって、前記管理方法は、プリンタのリスト、ならびに印刷ジョブ処理のために予め定義された規則、および少なくとも1つのプリンタにかかる指示によって各々定義される少なくとも1つの仮想印刷装置のリストを、表示モニタに表示するステップと、前記仮想印刷装置の1つを選択するためのユーザの指令を受信するステップと、前記指令に応じて、前記表示モニタ上にリストアップされたプリンタのうち、選択された前記仮想印刷装置により特定される少なくとも1つのプリンタを、視覚的に強調するステップと、を含むことを特徴とするプリンタ管理方法を提供する。
【0008】
他の態様において、本発明は、プリンタに接続された印刷ジョブ管理装置において実行されるプリンタ管理方法であって、予め定義された基準に従って各々のプリンタの利用可能性を判断するステップと、プリンタのリストをその利用可能性とともに表示モニタに表示するステップと、を含むことを特徴とするプリンタ管理方法を提供する。
【0009】
他の態様において、本発明は、プリンタに接続されたデータ処理装置を制御するためのプログラムであって、前記データ処理装置は、表示モニタに接続され、前記プログラムは、前記データ処理装置に前記プリンタを管理するための処理を実行させるように構成され、前記処理は、プリンタのリスト、ならびに印刷ジョブ処理のために予め定義された規則、および少なくとも1つのプリンタにかかる指示によって各々定義される少なくとも1つの仮想印刷装置のリストを、表示モニタに表示するステップと、前記仮想印刷装置の1つを選択するためのユーザの指令を受信するステップと、前記指令に応じて、前記表示モニタ上にリストアップされたプリンタのうち、選択された前記仮想印刷装置により特定される少なくとも1つのプリンタを、視覚的に強調するステップと、を含むことを特徴とするプログラムを提供する。
【0010】
他の態様において、本発明は、プリンタに接続されたデータ処理装置を制御するためのプログラムであって、前記データ処理装置は、表示モニタに接続され、前記プログラムは、前記データ処理装置に前記プリンタを管理するための処理を実行させるように構成され、前記処理は、予め定義された基準に従って各々のプリンタの利用可能性を判断するステップと、プリンタのリストをその利用可能性とともに表示モニタに表示するステップと、を含むことを特徴とするプログラムを提供する。
【0011】
他の態様において、本発明は、プリンタを管理するための装置であって、表示モニタと、前記プリンタおよび前記表示モニタに接続されたデータプロセッサを含み、前記データプロセッサは、プリンタのリスト、ならびに印刷ジョブ処理のために予め定義された規則、および少なくとも1つのプリンタにかかる指示によって各々定義される少なくとも1つの仮想印刷装置のリストを、表示モニタに表示させる、すなわち、前記データプロセッサは、前記仮想印刷装置の1つを選択するためのユーザの指令を受信するように構成され、前記指令に応じて、前記表示モニタに、前記表示モニタ上にリストアップされたプリンタのうち、選択された前記仮想印刷装置により特定される少なくとも1つのプリンタを、視覚的に強調して表示させることを特徴とする装置を提供する。
【0012】
以上に示した概要および以下の詳細な説明は、両方とも典型的かつ説明的な内容であり、特許請求の範囲に記載されている発明に関する詳しい説明を行うことを目的としていると理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図面の簡単な説明
図1は、複数のプリンタを備えた印刷管理システムを示す図である。
【0014】
図2は、本発明の一実施形態による印刷ジョブ管理装置の表示部に現れるメイン画面を示す図である。
【0015】
図3は、本発明の一実施形態によるプリンタ管理方法を示す図である。
【0016】
図4は、本発明の一実施形態によるジョブチケットのデータ内容を示す図である。
【0017】
図5は、本発明の一実施形態による複数の印刷ジョブの管理方法を示す図である。
【0018】
図6は、本発明の一実施形態によるインボックスパネルの画面を示す図である。
【0019】
図7は、本発明の一実施形態によるグループエディタの画面を示す図である。
【0020】
図8は、本発明の一実施形態によるグルーピング方法を示すフローチャートである。
【0021】
図9は、本発明の一実施形態によるグルーピング方法を示すフローチャートである。
【0022】
図10は、本発明の一実施形態による、特定の印刷ジョブのためのキューパネルの一例を示す図である。
【0023】
図11は、本発明の一実施形態による一覧推奨パネルの一例を示す図である。
【0024】
図12は、本発明の一実施形態による一覧推奨パネルの他の例を示す図である。
【0025】
図13は、本発明の一実施形態による選択パネルの一例を示す図である。
【0026】
発明を実施するための最良の形態
本発明の実施形態によれば、多数の印刷ジョブを迅速かつ効率的に処理することができる。図1は、本発明の一実施形態による、複数のプリンタを有するプリントショップにおける印刷管理システムの一例を示す。クライアントコンピュータ1および2は、ローカルエリア・ネットワーク(LAN)を介してサーバ4に接続されている。スキャナ3もまたLANを介してサーバ4に接続されている。本例において、白黒プリンタ5、6、7およびカラープリンタ8、9は、LANを経由してサーバに接続されている。
【0027】
本例において、プリンタ5〜9は、高速・高品質印刷に対応する、業務用の高性能プリンタである。プリンタ5〜9の各々は、様々なサイズ、色、および様式の用紙を格納する複数の用紙トレイを備えている。さらに、プリンタ5〜9の中には、部単位印刷(collate printing)および他の印刷仕上げ機能を実行できるように、複数の出力トレイを有する高機出力仕分け機構を装備しているものもある。各々のプリンタは、印刷処理の状態やユーザへの各種の警告および指示を表示するための少なくとも1つの表示モニタを有している。それぞれのプリンタは、中央演算処理装置(CPU)および印刷動作を制御するための適切なハードウェア/ソフトウェアを装備しており、LANを介してサーバ4との通信を行う。また、これらのプリンタのいくつかは、文書のコピーやスキャンを実行可能な多機能プリンタでありうる。サーバ4には、様々な標準ネットワーク管理機能を実行するための適切なサーバソフトがインストールされている。
【0028】
本実施形態において、サーバ4には、サーバ管理ソフトに加えて、プリントショップで受け付けられる大量の印刷ジョブを管理するための印刷ジョブ管理ソフトがインストールされている。プリントショップのオペレータが印刷ジョブ管理ソフトを呼び出すと、サーバ4は、印刷ジョブ管理ソフトをランダム・アクセス・メモリ(RAM)に読み出し、印刷ジョブ管理を含む同ソフトによる各種機能を実行する。
【0029】
印刷ジョブは、印刷対象である文書に加えて、要求されたオプションを特定するための印刷命令を含んでいる。例えば、顧客が、特別な仕上げオプションが指定された印刷用にPDF形式のファイルを格納したディスケットを持参することが考えられる。そのとき、プリントショップのオペレータは、どの種類の印刷ジョブが印刷ジョブパラメータを解読する上で好ましいのかを顧客に質問する。あるいは、顧客がどの印刷オプションを希望するか説明するための質問シートに記入するよう要求されることも考えられる。例えば、顧客が、重さ24lbの25%コットン製レターサイズ用紙に、フルカラー両面印刷で100部印刷するよう要求することが考えられる。このとき、プリントショップのオペレータは、これらのジョブパラメータを顧客情報とともにファイルに記録し、さらに、これらのパラメータと原稿とを関連付けて保存するために、同ファイルと原稿のPDFファイルとをハードディスクまたは他の保護された記憶装置に格納する。
【0030】
また、印刷ジョブは、顧客が文書のコピーを要求する場合にも生成されうる。このとき、顧客が持参したコピー用の文書を、プリントショップのオペレータがスキャナ3(これはカラーおよび/または白黒スキャナでありうる)を用いてスキャンすると、同文書はディジタルファイルに変換され、さらに、スキャンされた原稿と関連付けられたデータファイルが上記と同様の方法で作成される。
【0031】
印刷ジョブおよび関連付けられたファイルに相当するこれらのデータファイルはサーバ4に転送される。このように、多数の印刷ジョブが作成されると、それらは印刷ジョブ管理ソフトを実行するためのサーバ4に集められる。
【0032】
印刷ジョブ管理ソフトを実行するための印刷ジョブ管理サーバ4は、印刷ジョブファイルを受信すると、印刷ジョブを解析し、それを実行する。印刷ジョブ管理ソフトは、Windows(登録商標)のOS、Macintosh(登録商標)のOS、Unix(登録商標) X Windows、またはタッチスクリーンおよび/またはマウスおよびキーボード等の表示モニタと協働してGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)を提供する他の一般的なオペレーティング・システム上で作動するように設計されることが好ましい。本発明の実施形態において印刷ジョブ管理ソフトを実行するサーバ4(あるいは他の適切なデータ処理装置)を、以後、「印刷ジョブ管理サーバ」と称することにする。本書において、「印刷ジョブ管理サーバ」および「印刷ジョブ管理装置」という用語は、適切なハードウェア/ソフトウェアを用いることにより、以下に記載した本発明の実施形態による様々な機能を実現可能なあらゆるデータ処理装置に対して広範に用いられるものとする。
【0033】
メイン画面(Main Screen)
多数の印刷ジョブを複数のプリンタを用いて効率的かつ系統的な手法で処理するために、本発明の実施形態による印刷ジョブ管理サーバ4は、その表示モニタ上(または、クライアントコンピュータ1、2のモニタ上、またはクライアントコンピュータ若しくはプリンタ側から印刷ジョブ管理ソフトへの遠隔アクセスが可能である場合においてはプリンタ5〜9のいずれかのモニタ上)に、図2のようなメイン画面を表示させる。図2を参照すると、インボックスパネル(In Box Panel)は、印刷ジョブ管理サーバ4に送信された全ての新規印刷ジョブを「新規ジョブ(Incoming Jobs)」のヘッダの下に格納する。インボックスパネル内の1つの行は、1つの印刷ジョブに対応する。インボックスパネル内で「新規ジョブ(Incoming Jobs)」としてリストアップされた印刷ジョブは、その時点でプリンタに割り当てられていない印刷ジョブである。ジョブチケット番号の列には、対応する印刷ジョブに割り当てられたジョブ番号が表示される。また、インボックスパネルには、用紙サイズ(Paper Size)、用紙タイプ(Paper Type)、文書カラー(Document Color)、ジョブ種類(Job Types)、部数/印刷枚数(the number of copies/prints)等のジョブパラメータの値も表示される。
【0034】
プリンタジョブパネル(Printer Jobs Panel)は、印刷ジョブ管理サーバ4によって監視される全てのプリンタにおいて実行中のジョブを表示する。完了ジョブパネル(Done Jobs Panel)は、完了したジョブまたはキャンセルされたジョブを表示する。図2のメイン画面の右側の送信先パネル(Destination Panel)は、印刷ジョブ実行のために接続中である全印刷装置を表示する。
【0035】
送信先パネル(Destination Panel)
図2に示されるように、多数の印刷ジョブは、おのおの適切な印刷装置に割り当てられなければならない。一実施形態において、送信先パネルには、印刷装置のアイコンが表示されており、プリンタ側とクラスタ/仮想キュー側の2つの領域に区分されている。プリンタ側のパネルは、サーバに接続中の実在するプリンタを示すアイコンを表示している。クラスタ/仮想キュー側のパネルは、クラスタおよび仮想キューを表示している。クラスタおよび仮想キューとは、ソフトウェアにより定義された仮想的な印刷装置のことであり、指定された印刷処理の実行のための印刷ジョブの送り先であるが、これについては以下で詳説する。
【0036】
オペレータは、印刷ジョブを、インボックスパネル、プリンタジョブパネル、および完了ジョブパネルのいずれかから、送信先パネル内に表示されたいずれかのアイコンに、ドラッグ・アンド・ドロップによって移動する。それにより、印刷ジョブ管理サーバは、選択された印刷装置に印刷ジョブを転送し、指定のプリンタ(または、クラスタ若しくは仮想キュー)が印刷動作を開始できるようにする。それにより、インボックスパネル内にあった当該印刷ジョブのエントリはプリンタジョブパネルに移動する。印刷ジョブが完了すると、当該ジョブのエントリはプリンタジョブパネルから完了ジョブパネルに移動する。
【0037】
クラスタは、ソフトウェアにより定義される仮想的な印刷装置であり、所定の種類の印刷ジョブをより効率的かつ正確に実行するよう設計されている。これは、少なくとも2つのプリンタと、特殊な規則/アルゴリズムの組み合わせによって実現される。印刷ジョブがクラスタに割り当てられた場合、その印刷ジョブは、既定またはユーザ定義の規則/アルゴリズムによって少なくとも2つのジョブに分割され、分割されたジョブは、そのクラスタによって指定されるプリンタによってそれぞれ処理される。例えば、10ページのカラーページと20ページの白黒ページからなる印刷ジョブ(ジョブ番号12345とする)が、カラープリンタ1および白黒プリンタ1という2つのプリンタと、全カラーページがカラープリンタによって印刷され、全白黒ページが白黒プリンタによって印刷されるという規則との組み合わせからなるクラスタに送られる場合を想定する。この場合、印刷ジョブは、全カラーページを含むジョブ1と、全白黒ページを含むジョブ2とに分割される。そして、これらの印刷処理のために、ジョブ1はカラープリンタ1に送信され、ジョブ2は白黒プリンタ1に送信される。
【0038】
本実施形態において、新規印刷ジョブには5桁のジョブ番号が割り当てられるものとし、印刷ジョブが少なくとも2以上のジョブに分割された場合(例えば、クラスタに割り当てられる場合)、分割されたジョブには、その関連付けを表示するための補助番号が、アンダーバーで隔てられて追加される。上記の例において、ジョブ番号12345のジョブがクラスタに送られると、そのジョブは、カラーページのためのジョブ番号12345_1のジョブと、白黒ページのためのジョブ番号12345_2のジョブとに分割される。このように分割が行なわれると、ジョブ番号12345のジョブはインボックスパネルから消え、ジョブ番号12345_1のジョブおよびジョブ番号12345_2のジョブが、メイン画面のプリンタジョブパネル内に、それぞれ「カラープリンタ1」および「白黒プリンタ1」として現れる。
【0039】
仮想キューは、それ自体が指定するジョブパラメータ値とは一致しないジョブパラメータ値からなる印刷ジョブが処理される場合に、それ自体が指定するジョブパラメータ値を優先させる。ここで、仮想キューは、特定の白黒プリンタ、トレイ、用紙サイズ、および特定の用紙タイプ(普通紙など)を指定しうる。例えば、重さ24lbのA4サイズ用紙へのカラー印刷を指示する印刷ジョブが、特定の白黒プリンタおよび重さ18lbのレターサイズ用紙を指定する仮想キューに送られた場合、印刷ジョブ管理サーバは、当該印刷ジョブの元のジョブパラメータ値を無視し、それを仮想キューによって指定されるジョブパラメータ値と置き換える。その結果、その白黒プリンタが重さ18lbのレターサイズ用紙に諧調画像(gray−scale images)を印刷出力する。この機能は、例えば、既存の印刷設定が印刷ジョブの要求に適合していないものの顧客がとりあえずその場で文書を確認することを希望した場合などに役立つ。
【0040】
また、サーバ4は、分割された印刷ジョブに関する全ての印刷処理が完了したときに、これらのジョブをメイン画面内の完了ジョブパネルに移動するように構成されうる。つまり、上記の具体例においては、ジョブ番号12345_1および12345_2の両方に関する印刷処理が完了すると、これらのジョブはメイン画面内の完了ジョブパネルに移動される。本発明の一実施形態において、分割されたジョブは双方の印刷処理が完了すると再結合され、元の印刷ジョブのジョブ番号が完了ジョブパネルに現れる。上記の仮想キューおよびクラスタは、ユーザあるいはプリントショップのオペレータにより、その要望に応じて作成されることができる。また、ユーザの利便性向上のため、初期設定またはサンプルのクラスタおよび仮想キューが印刷ジョブ管理ソフトの一部として提供されうる。例えば、ユーザは、メイン画面の最上部のバーにある「キュー(Queues)」のプルダウンメニューから「クラスタ(Cluster)」を選択し、さらに、クラスタを作成または編集するためのクラスタ・エディタを起動するための「新規(New)」を選択することができる。
【0041】
送信先パネルのアイコンをダブルクリックすることによって、ユーザは、プリンタ、クラスタ、および仮想キューの詳細なプロパティを見ることができる。より具体的には、ユーザが送信先パネル内の1つの装置をダブルクリックすると、プリンタの動作状態、新規印刷ジョブの前に処理されるべき処理待ち印刷ジョブの数、などのプリンタ(または、仮想的な印刷装置)に関する詳細情報を表示する別のウィンドウが現れる。クラスタ(または仮想キュー)の場合は、このポップアップウィンドウには、クラスタ(または仮想キュー)によって指定されるプリンタ、および印刷ジョブをプリンタに割り当てる際の規則が含まれる。
【0042】
オペレータは、特定の印刷ジョブを処理する上でどのプリンタ(または仮想的な印刷装置)が適切であるかを判断するために、選択される可能性がある印刷装置の各々の動作状態および印刷キュー情報を即座に特定しなければならない場合が多い。本例における送信先パネルおよびメイン画面は、オペレータを支援するための以下のような様々な機能を備えている。
【0043】
送信先パネルに関して、プリンタ、クラスタ、および仮想キューのアイコンの括弧内の数字は、それぞれの印刷キュー(すなわち、新規ジョブの処理を開始する前に処理されるべき未処理ジョブの順番待ちリスト(プリント・スプーラ)のこと)内のジョブ数を視覚的に表示するものである。また、「未接続(disconnected)」、「利用停止(unavailable)」、「エラー(Error)」、「Toner Low(トナー減少)」などのプリンタ(およびクラスタおよび仮想キュー)の他の状態も、個々のアイコンの内部若しくはその近傍、または別のウィンドウ枠内に、視覚的または描画的に表示されることができる。例えば、サーバは、適切な色(緑や黄色や赤など)を用いた方法や、描画により視覚に訴える方法で、送信先パネルにリストアップされたプリンタの各種作動状態を表示することができる。ここで、作動状態とは、「作動中(Active)」、「正常(Normal)」、「未接続(Disconnected)」、「エラー(Error)」、「点検中(Serviced)」、「トナー減少(Tonner Low)」、「Paper Low(用紙減少)」、「通信速度低下(Connection Speed Low)」等を含みうる。例えば、「作動中(Active)」の表示は、プリンタ前面における緑色の丸い表示によって、「エラー(Error)」は赤色の丸い表示によって、「用紙減少(Paper Low)」は黄色の丸い表示によって行なわれうる。よって、オペレータは各々のプリンタの利用可能性を迅速かつ正確に把握することができる。これにより、オペレータが印刷ジョブをプリンタまたは仮想的な印刷装置に手動で割り当てる際のミスが大幅に減少する。
【0044】
図2の例にいて、白黒プリンタ3における括弧内の数字「0」は、そのプリンタには処理待ちのジョブがないことを意味する。また、プリンタ前面における緑色の丸い表示は、作動状態が「作動中(Active)」であることを表し、同プリンタが完全に作動中であることを意味する。また、図2は、白黒プリンタ2には処理待ちジョブが1つあることを示している。プリンタ前面における赤色の丸い表示は、プリンタの点検が必要であるか、または一時的に作動を停止している状態を表す
また、このような色分け方法や、個々のプリンタの作動状態を示す上述のような視覚的表示方法を利用して、プリンタの全作動状態をユーザが素早く一目で分かるように表示することも可能である。例えば、サーバは、予め定義された規則/アルゴリズムまたはユーザにより指定された規則/アルゴリズムに従い、印刷キューにおける印刷ジョブ数とプリンタ作動状態の両方を考慮して、個々のプリンタの利用可能性の大小を判定するように構成されることができる。
【0045】
図3は、このようなアルゴリズムの一例を示す。S301において、サーバは、付属するプリンタの各々と通信し、各プリンタにおいて新規印刷ジョブを処理する前に処理されるべき処理待ちの印刷ジョブ数を判定する。S302において、サーバは、プリンタが作動中であるか否かを判断する。上記のように、プリンタがメンテナンスのため接続不能であったり、特定のプリンタのトナーまたは用紙が減少していたり、特定のプリンタにおいて接続速度が低下していたりする事態が想定される。本ステップにおいては、このようなプリンタの作動状態に関する情報が取得される。S303において、サーバは、プリンタの利用可能性の大小を導出するために、S301およびS302の結果を解析する。例えば、サーバは、作動停止状態であると認められた全プリンタに対して最も低い等級を付与することができる。また、印刷キューの処理待ち印刷ジョブ数が3よりも少なく、かつ完全作動状態にある全てのプリンタに最も高い等級を付与することができる。そして、その他の全てのプリンタに真ん中の等級を付与することができる。S304において、サーバは、S303において導出された利用可能性の大小を表示モニタに視覚的に表示させ、オペレータが容易にプリンタの利用可能性を確認できるようにする。例えば、最も高い等級を表す表示は、プリンタ前面における緑色の丸い表示によって行なわれることができる。また、真ん中の等級および最も低い等級を表す表示は、それぞれプリンタ前面における黄色および赤色の表示によって行なわれることができる。
【0046】
上記にて多様な例を用いて説明したように、印刷装置の利用可能性の色分けまたは描画による表示方法を用いれば、印刷装置の作動状態を簡単に認識することができるため、オペレータが多数の印刷ジョブを実在または仮想の各種印刷装置に短時間で割り当てなければならない場合には特に有用である。
【0047】
更に、図2の例においては、マウス等の移動によりポインタが送信先パネル内のアイコン上に移動されると、そのアイコンの近くに現れる小さなポップアップウィンドウ内に、印刷装置に関するより詳細な情報および/または補足情報が表示される。例えば、マウスポインタが白黒プリンタ3のアイコン上に移動され、そこで一秒間静止されると、プリンタのIPアドレス、モデル名、および作動状態などをテキスト表示する小さな長方形のウィンドウが現れる。この機能は、ユーザが所望の印刷装置を迅速に特定するためのさらなる手助けとなる。
【0048】
他の実施形態において、ユーザが送信先パネル内に表示された仮想的印刷装置のアイコンをクリックすると、選択された仮想的印刷装置と関連付けられた実在のプリンタが全て強調表示され(仮想キューの場合はプリンタ1台のみ)、それらのプリンタを描画によって特定できるようになる。図2においては、アイコンのクリックによりクラスタ1が選択されている。その結果、白黒プリンタ1とカラープリンタ2が強調表示されているが、その強調表示は、クラスタ1が印刷ジョブを処理する際にこれらのプリンタを利用することを意味している。この機能は、選択された仮想的印刷装置によって、実在するどのプリンタが指定されるのかをユーザが迅速に確認することができるという点で有用であり、これに上記のような描画によるプリンタ利用可能性の表示手法を少なくとも1つ組み合わせることにより、ユーザは、長い待ち時間や付加的な手動作業を伴うことなく、選択された仮想的印刷装置が印刷ジョブを処理可能であるか否かを迅速かつ確実に判断することができるようになる。これにより、オペレータが印刷ジョブを適切な仮想印刷装置に割り当てるための所要時間が大幅に短縮される。
【0049】
送信先パネルの下方にはインフォメーションパネルが配置される。インフォメーションパネルには、オペレータがマウスポインタ等を用いて選択した項目に関する各種情報が表示される。オペレータは、メイン画面(または、印刷ジョブ管理ソフト上で開くことができるいずれかのウィンドウ)に現れる操作可能な項目であればいかなるものも選択でき、その選択された項目に関する情報をインフォメーションパネルに表示させることができる。一実施形態において、このような操作可能な項目には、ジョブチケット、インボックスパネル内の各グループを表すヘッダ、プリンタジョブパネル内のプリンタを表すヘッダ、および送信先パネル内のアイコンが含まれる。この機能は、直前に説明したクラスタおよび仮想キューの構成の視覚的表示と組み合わせて用いると特に便利である。例えば、図2に示されるように、オペレータがクラスタ1を選択することにより送信先パネル内の白黒プリンタ1およびカラープリンタ1を強調表示させると、その下方のインフォメーションパネルには、クラスタ1が色の種別ごとに分割され、そのうちの白黒ページのカウント数が7未満であるときは全ての印刷にカラープリンタが用いられることを意味する表示が現れる。つまり、ユーザが別のウィンドウを開かなくても、インフォメーションパネルにクラスタに関連する規則が表示される。これは、ユーザが印刷ジョブを処理するための所望のプリンタまたは仮想的印刷装置を迅速に検索する上での更なる手助けとなる。上記の様々な例において示された操作可能な項目および印刷装置の選択方法は、マウスまたはその他のポインティング装置によるクリック操作に限定されるものではない。例えば、サーバは、単にポインタをクラスタまたは仮想キューのアイコン上に移動させるだけで、それに関連付けられたプリンタの強調表示、およびインフォメーションパネルにおける関連情報の表示が行なわれるように構成されてもよい。その他にも、音声命令を行なったり、タッチスクリーン上のアイコンにタッチしたりする方法がGUI上で利用されうる。
【0050】
また、例えば、送信先パネルおよびインフォメーションパネルのそれぞれのヘッダ部分のバーをダブルクリックすることにより、各パネルをメイン画面から消して同一モニタ上の別のウィンドウとして表示させることが可能であるほか、マウス操作により同一モニタ上の使い易い位置に移動して表示させることも可能である。
【0051】
ジョブチケット(Job Ticket)
本発明の実施形態において、印刷ジョブは、ジョブチケットと称されるデータベースのエントリを用いて整理される。ジョブチケットは、用紙サイズ、用紙タイプ、ユーザのID情報、および他の関連情報等の各種印刷ジョブパラメータの値を特定するものであり、それ自体をソースファイルと関連付ける。例えば、ユーザは、インボックスパネル、印刷ジョブパネル、および完了ジョブパネルに含まれる印刷ジョブを右クリックすると現れるメニュー画面から「ジョブチケット閲覧(View Job Ticket)」を選択することによって、ジョブチケットの内容を閲覧することができる。
【0052】
プリントショップのオペレータは、顧客から受け取った指示や情報に基づき、ウィンドウズの右クリックメニューによってメイン画面からアクセス可能なグラフィック・ユーザ・インタフェース(GUI)であるジョブチケットエディタ画面、または他の手段を用いて、これらのジョブパラメータの値を手動で入力することができる。
【0053】
図4は、ジョブチケットの内容の一例を示す図である。図4を参照すると、本例におけるジョブチケットは、「ジョブチケット番号(Job Ticket number)」、「チケット名(Ticket Name)」、ならびに「ジョブ情報設定(Job Info Settings)」、「基本設定(Basic Settings)」、「レイアウト設定(Layout Settings)」、「カバーシート(Cover Sheet)」、「仕上げ処理設定(Finishing Settings)」、「用紙間設定(Inter−Sheet Setting)」、「タブ用紙設定(Tab−Paper Settings)」、「画像品質設定(Image Quality Settings)」、および「顧客情報(Customer Information)」等に分類されるジョブパラメータ値を含む。
【0054】
「ジョブ情報設定(Job Info Settings)」には、「ジョブ名(Job Name)」、「サブミット時間(Submit Time)」、「完了時間(Completed Time)」、「期限(Due Date)」、「ジョブタイプ(印刷またはコピー)(Type(print or copy))」、「優先順位(Priority)」、「ジョブチケット作成者のID(Job Created by)」、「ジョブ位置(Job Location)」、および「推奨キュー(Queue Recommendation)」(すなわち、特定のプリンタまたは他の送信先の提案)を含む。「ジョブ情報設定(Job Info Settings)」は、印刷対象の文書を格納するファイルの、ローカルまたはネットワーク上のハードドライブ内の場所を特定するためのディレクトリパス(directory path)、白黒ページの枚数、カラーページの枚数、および特別の指示をさらに含む。
【0055】
「基本設定(Basic Settings)」は、作成部数、印刷向き(縦方向または横方向)、部単位印刷に関する情報、オフセット印刷に関する情報、原稿サイズ、出力用紙サイズ、用紙タイプ、およびトレイ番号等の用紙供給元に関する情報を含む。「レイアウト設定(Layout Settings)」は印刷時のレイアウトに関する設定を含む。「カバーシート(Cover Sheet)」は複製または作成されるカバーシートに関する設定を含む。「仕上げ処理設定(Finishing Settings)」は、ステッチ、ステープルおよびパンチ等の用紙綴じオプションを含む仕上げ処理に関する設定内容を特定する。
【0056】
さらに、サーバは、一部のジョブパラメータの値をソースファイルから直接決定できるように、ソースファイルにアクセスし、その解析を行なうように構成されうる。そして、そのサーバが、取得したパラメータ値を、対応するジョブチケットのジョブパラメータ入力部に入力するので、ユーザが手動でこれらのパラメータ値を入力する必要はない。これは手作業によるミスをなくす上で有用であり、プリントショップにおける作業を円滑化する。
【0057】
本書において、「値」という用語が変数またはパラメータに関連して言及されたときは、何らかの数量、特性、および、変数またはパラメータを特定するための他の種類の入力値を意味し、それは、本書におけるいずれかのジョブパラメータの特定の設定値を含むが、必ずしもそれにのみ限定されない。
【0058】
ジョブのグルーピング(Job Grouping)
プリントショップは、多種多様な印刷条件を指定する新規印刷ジョブを、毎日大量に受け付ける。これらの印刷ジョブは受け付けられた時点では整理されていないものの、それらの処理は迅速かつ正確に実行されなければならない。本発明の実施形態によれば、新規印刷ジョブは効率的かつ極めて透過的(transparent)に整理されるので、それにより、プリントショップにおける作業が円滑化される。この目的を達成するために、本発明の実施形態による印刷ジョブ管理サーバは、新規の印刷ジョブを解析し、さらに、それらの印刷ジョブが目的別に整理され、以降の工程においてサーバおよびオペレータによって使用可能となるように、所定の条件に基づいていくつかのグループに分類する。
【0059】
図5は、本発明の一実施形態における印刷ジョブ管理サーバにより実行される複数の印刷ジョブの管理方法を説明するためのフローチャートである。S501において、印刷ジョブ管理サーバは、複数の印刷ジョブを受信する。S502において、印刷ジョブ管理サーバは、新規印刷ジョブを分類するためのグルーピング条件を指定する。S501はS502の前に実行されても後に実行されてもよく、これらが同時に実行されてもよい。S502において指定されたグルーピング条件に従って、印刷ジョブ管理サーバは、全ての新規印刷ジョブを、ユーザによる操作なしに自動的にグルーピングする(S503)。S504において、印刷ジョブ管理サーバは、ユーザまたは印刷ジョブ管理サーバがグルーピング結果を利用できるように、グルーピング結果を送信する。例えば、S504において、印刷ジョブ管理サーバは、以降の工程においてユーザがグルーピングに関する情報を利用できるように、付属の表示モニタによってグルーピング結果をユーザに表示する。また、特定のグループへ割り当てられた印刷ジョブは、印刷処理のため、手動または自動的に特定のプリンタに送られることができる。
【0060】
本発明の実施形態による印刷ジョブ管理サーバは、グルーピング条件が与えられると、全ての新規印刷ジョブの解析およびグルーピング処理を自動的に開始するように構成されることができる(以後、「自動グルーピングモード」と称する)。その代わりに、印刷ジョブ管理サーバは、先ず、全ての新規印刷ジョブがインボックスパネル内の新規ジョブを表すヘッダの下に位置されるようにし、ユーザからの要求があり次第グルーピング処理を開始するように構成されることもできる(以後、「オンデマンド・グルーピング」と称する)。どちらのモードにおいても、一旦グルーピングが開始されると、ユーザによる介在は一切不要になる。すなわち、印刷ジョブのグルーピングは、ユーザによって中断されるか、またはグルーピングが完了するまで継続する。なお、印刷ジョブが既存のどのグループにも属さないと判断された場合、そのジョブは、インボックスパネル内の新規ジョブのヘッダの下に置いたままにされ、どのグループにも分類されないことになる。
【0061】
図6は、グルーピング処理の結果を表示するインボックスパネルを示す図である。図6に示されるように、グルーピングされた印刷ジョブは、インボックスパネル内で、各々対応するグループ名のヘッダの下に配置される。また、各々の印刷ジョブの基本的なジョブパラメータ値が画面上に見やすく表示される。このインボックスパネルは、現時点で、「BIL」グループと「1 ET」グループの少なくとも2つのグループが存在することを示している。この「BIL」グループは3つの印刷ジョブからなる。「BIL」グループとしてリストアップされている全ての印刷ジョブは、同一の優先順位の設定値、同一の用紙サイズの設定値、および同一のカラーの設定値(白黒)を有している。しかし、「1 ET」グループの印刷ジョブ(ジョブ番号99999_2)は、少なくとも用紙サイズおよびカラー設定に関して「BIL」グループとは異なっている。このような視覚的表示は、ユーザにとって、印刷ジョブのグルーピング状態を確認するための便利かつ信頼性の高い手段となる。例えば、これにより、オペレータが印刷ジョブをプリンタ(またはクラスタや仮想キュー等の仮想的な印刷装置)に割り当てる時間が削減されるほか、より効率的なプリンタの利用が実現される。なお、グルーピング条件を適切に設定することで、所定のグループに分類された全ての印刷ジョブが単一の送信先装置(プリンタ、クラスタまたは仮想キュー)に同時に送信されるようにすることが可能である。例えば、図6における「BIL」グループの3つの印刷ジョブは、適当な白黒プリンタに全ての同時に送信されることが可能である。
【0062】
ターゲットグループの手動作成(Manual Creation of Target Groups)
印刷ジョブをグルーピングするための条件として、新規印刷ジョブを割り当てるための固定されたターゲットグループを予め設定することが可能である。例えば、プリントショップのオペレータは、メイン画面上でアクセル可能なグループエディタを用いて、所定のジョブパラメータの値を指定することで、個々のターゲットグループを手動で作成することができる。図7は、グループエディタの画面の一例である。図7に示されるように、オペレータは、ジョブパラメータの値をタイプするか、ドロップダウンメニューから選択することができる。本例において、あるグループを定義するためにユーザにより指定されるジョブパラメータは、「顧客情報(Customer Information)」(例えば、顧客名)、「優先順位(Priority)」(高、中、低)、「カラー設定(Color Setting)」(カラーのみ、白黒のみ、混合)、「部数(Copies)」(印刷枚数)、「用紙(Paper)」(サイズ、タイプ、重量、色、給紙トレイ番号)、「仕上げ処理(Finishing)」、および「特別な指示(Special Instruction)」を含む。なお、好ましいモードにおいて、あるグループを定義するために指定される一連のジョブパラメータは、上述のジョブチケットを定義するために指定されるジョブパラメータの一部である。
【0063】
なお、上記の方法の代わりに、特定の印刷ジョブを参照することによりグループを作成することもできる。このとき、オペレータは、1つの印刷ジョブを選択し、グループエディタを用いて、選択されたジョブのジョブパラメータ値の全部または一部を新しいグループに適用することによって、新しいグループを作成することができる。例えば、印刷ジョブ管理サーバは、オペレータが、画面上でインボックスパネル内に示された印刷ジョブを右クリックして「グループ作成」のオプションを選択し、その印刷ジョブのジョブチケットから送信された全てのジョブパラメータ値が包含されたグループエディタ画面を開くことができるように構成されることができる。オペレータは、全ての値をそのまま承認するか、必要に応じてジョブパラメータ値の一部を削除または修正することによって、新しいグループを作成することができる。こうすることで、オペレータは所望のグループを容易に作成することができる。
【0064】
上記のようなグループエディタを用いれば、オペレータは多数のジョブパラメータの値を指定することができるが、グループを定義するためには、グループエディタ画面上に現れる全てのジョブパラメータの値を指定しなければならないというわけではない。つまり、一部のジョブパラメータの値のみを指定した場合は、そのジョブパラメータの値のみによって定義されるグループ(これを高レベルグループと称する)が作成される。例えば、「カラー」のジョブパラメータを「白黒」に設定し、「用紙サイズ」のジョブパラメータを「8.5×11」に設定してグループを作成した場合、カラーおよび用紙サイズのジョブパラメータ値がそれと同じ(すなわち、「白黒」および「8.5×11」)である新規印刷ジョブは、他のジョブパラメータの値が何であろうと、全てそのグループに割り当てられることになる。よって、ユーザの要望およびシステム設計に応じて、相互排他的なグループや、重複するグループや、階層構造のグループが作成可能である。しかし、必要に応じて、サーバは、所定の種類のグループの作成のみを許可するように構成されることもできる。例えば、サーバは、相互排他的なグループのみがユーザによって作成可能となるように構成されることができる。さらに、ジョブパラメータとして特定の値を指定する代わりに、一定の範囲のジョブパラメータを指定することによってグループを定義することもできる。
【0065】
さらに、頻繁に利用されるグループを初期設定のグループとして予め準備しておき、それをジョブ管理サーバにインストールしておくことも可能である。初期設定のグループを定義するためのデータは、印刷ジョブ管理サーバからアクセス可能な記憶装置に格納されうる。
【0066】
図8は、本発明の一実施形態による、予め定義されたグループを用いたグルーピング方法を示すフローチャートである。本例は、サーバが既にグルーピング条件に基づき新規印刷ジョブを割り当てるためのグループの定義を完了した状態を想定している。先ず、印刷ジョブ管理サーバは、ユーザにより作成された全ての既定グループの解析を行って(S801)、これらのグループの特性を判定し、さらに、これらのグループのジョブパラメータ値と、新規印刷ジョブの対応するパラメータ値とを比較する(S802)。ここで、ジョブチケットによって定義された新規ジョブが、あるグループのジョブパラメータ値に適合した場合、そのジョブは当該グループに割り当てられ(S804)、画面上のインボックスパネル内の当該グループを表すヘッダの下にリストアップされる。一例として、「1 ET」のグループが、「顧客(Customer)」、「カラー設定(Color Settings)」、「部数(Copies)」、「用紙(Paper)」、「仕上げ処理(Finishing)」、「特別な指示(Special Instruction)」のジョブパラメータを指定することにより定義された場合を想定する。このとき、個々のジョブパラメータ値が完全に一致する印刷ジョブを印刷ジョブ管理サーバが検出すると、そのジョブはインボックスパネル内の「1 ET」のグループのヘッダの下に配置されることになる。この他にも、比較/グルーピングのために適切に設計されたアルゴリズムが使用されうる。
【0067】
ターゲットグループの自動作成(Automatic Creation of Target Groups)
印刷ジョブ管理サーバは、予め定義されるか、またはユーザにより指定される受動的なターゲットグループを用いる代わりに、新規印刷ジョブのパラメータ値に基づいて能動的にターゲットグループを作成するように構成されることもできる。このモードにおいて、先ずサーバは、1つまたは複数の検討すべきジョブパラメータを決定し、新規印刷ジョブにおけるこれらのジョブパラメータ値を解析する。サーバは、これらのジョブパラメータ値に応じて、新規印刷ジョブを個々のグループに分類する。つまり、これらの特定のパラメータの値に基づいてグループが作成されることになり、ユーザが自らグループを作成する必要性はなくなる。印刷ジョブ管理サーバは、このような方式を、自動的なグルーピング動作を実行するためのグルーピング条件として採用することができる。
【0068】
図9は、本発明の一実施形態において、上記グルーピング動作のためにサーバにより実行されうるアルゴリズムの一例を示す。図9に示されるように、先ずユーザは、グルーピング条件を定義するための特定のジョブパラメータ(1つまたは複数)を選択する(S901)。そして、最初の印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブ(ジョブチケット)から、上記の選択されたジョブパラメータの値が読み出され、その選択されたジョブパラメータの値が最初の印刷ジョブと同一である全ての印刷ジョブを割り当てるための第1グループが定義される(S905)。ここで、最初の印刷ジョブを割り当てるためのグループは予め定義されていないものとする。そして、このようにして作成された第1グループに、最初の印刷ジョブが分類される(S904)。続いて、それ以降に受信された印刷ジョブが解析され、それらが第1グループに属するか否かが判断される(S902,S903)。それらの印刷ジョブのうち、上記の選択されたジョブパラメータの値が第1グループと同じであるものは、第1グループに割り当てられる(S904)。また、上記の選択されたジョブパラメータの値が第1グループのそれとは異なっている印刷ジョブが受信された場合、その印刷ジョブ中の新規なジョブパラメータ値に基づき、新たに第2グループが作成される(S905)。その後も、同様の動作によって、第3、第4…の新たなグループが次々と作成される。つまり、グルーピング動作の基準となる印刷ジョブパラメータ(1つまたは複数)が一旦選択されると、グルーピング動作(S902〜S905)は、ユーザの操作がなくても自動的に実行される。この他にも、比較/グルーピングのための適切に設計されたアルゴリズムが採用されうる。
【0069】
また、オペレータは、印刷ジョブのグルーピングのための基準を定義するジョブパラメータとして、例えば「仕上げ処理(Finishing)」のジョブパラメータを選択することもできる。ここで、一例として、最初の10個の新規印刷ジョブの「仕上げ処理(Finishing)」ジョブパラメータ値が、「左側ステープル綴じ」(10個のうち4つのジョブ)と「通常印刷」(10個のうち6つのジョブ)の2種類のみであった場合を想定する。これらの10個の印刷ジョブの解析が完了すると、上記2種類の「仕上げ処理(Finishing)」のジョブパラメータ値に対応する2つのグループが自動的に作成され、これら10個の印刷ジョブはそれぞれ対応するグループに割り当てられる。もし、11番目の新規ジョブの仕上げ処理(Finishing)ジョブパラメータ値が「右側ステープル綴じ」であった場合、さらに新しいグループが作成され、11番目のジョブはそのグループに割り当てられることになる。このような動作は、例えば、オペレータが中断するか、またはユーザが指定した所定数の印刷ジョブの処理が完了するまで継続される。
【0070】
このようにして作成されたグループのグループ名は、例えば、そのグループを定義するジョブパラメータの最初の3文字の後に数字を付けたものを用いるなど、予め定められた規則に従って決定されることができる。上記の例において、第1グループおよび第2グループのグループ名は、それぞれ「FIN1」および「FIN2」であり、第3グループのグループ名は「FIN3」である。このようにして、各グループに割り当てられた印刷ジョブは、画面上において、インボックスパネル内の適切なグループ名が付されたヘッダの下にリストアップされることになる。
【0071】
他の実施形態においては、このようなグルーピング動作が順次実施される代わりに、複数の印刷ジョブが前述の手法にて同時にグルーピングされうる。例えば、インボックスパネル内の新規印刷ジョブのヘッダの下に、所定の数の印刷ジョブが溜まった時点で、ユーザが、グルーピング条件を規定する1つまたは複数のジョブパラメータを選択することによって、自動グルーピングのコマンドを入力するという構成も可能である。その結果、サーバは、新規ジョブのヘッダの下にリストアップされた印刷ジョブを、前述の手法にて上から順に処理することになり、それにより、新規印刷ジョブのヘッダの下にリストアップされた全ての印刷ジョブが、選択されたパラメータに応じてグルーピングされることになる。
【0072】
このようなグルーピング動作は、オペレータが選択的にピックアップした印刷ジョブのセットに対しても適用可能である。例えば、ユーザは、インボックスパネル内の印刷ジョブを反転表示させることによって印刷ジョブのセットを選択し、それによって上述のグルーピング動作を実行するようにサーバに指示することも可能である。
【0073】
ユーザは、グルーピング動作中または完了後にインボックスパネルを閲覧するとき、グループの内容を展開およびモニターすることができる。上述の通り、オペレータは、印刷実行のため、特定のグループに属する印刷ジョブを、グループ、クラスタまたは仮想キューなどの所望の行き先装置に割り当てることができる。
【0074】
なお、サーバは、一旦グルーピングが完了したら(またはグルーピング処理中に)、印刷実行のために、特定のグループに属する全ての印刷ジョブが、即座に特定のプリンタ、特定のクラスタ、または特定の仮想キューに滞りなく送られるように構成されることも可能である(これを「自動印刷モード」と称する)。上述の自動グルーピング動作と組み合わせることで、印刷ジョブのグルーピング、プリンタへの割り当て、および印刷の実行の全てが、ユーザの操作がなくても自動的に実行されうる。このようなモードを、「全自動モード」と称する。この全自動モードにおいて、上述の能動的に作成されたグループは一定期間のみ用いられるものであってもよく、例えば、個々のグループの印刷ジョブが印刷実行のために印刷装置に送られたら自動消去されるように構成されてもよい。
【0075】
キューパネル(Queue Panel)
上述したように、印刷ジョブは、カラー、用紙タイプ、用紙サイズ、および仕上げ処理機能のオプションなどの様々なジョブパラメータを指定している。印刷ジョブにおけるジョブパラメータ設定には、ほとんど無限と言っていいほどの可能性がある。しかしながら、それぞれのプリンタの限られた機能のために、ひとたび、ある一定の方法で設定すると、かなり大規模のプリントショップであっても、設置されている複数のプリンタのうちのいくつかの初期設定を変更することなく、すべての考えうる印刷ジョブを取り扱うことができるというわけにはいかない。既存のプリンタ設定を変更しなければ取り扱うことができない印刷ジョブを、以下では「非標準印刷ジョブ」と称する。いくつかの例を挙げると、業務用の高性能プリンタであっても、レターサイズやリーガルサイズなどの特定のサイズの用紙をそれぞれ収納している有限の数の給紙トレイを有しているにすぎず、また、ある種のジョブによって要求される高性能な仕上げ処理機能を備えているとは限らない。特定の仕上げ処理機能のオプションが指定されたされた場合には、そのようなプリンタを使うことができない。このように、今日の顧客ニーズに対応するためには、プリントショップのオペレータは、非標準印刷ジョブを処理するために、用紙トレイの用紙サイズなどの既存のプリンタの設定をしばしば変更せねばならない。
【0076】
しかしながら、設定を比較的容易に変更できるプリンタを見つけることは、必ずしも容易ではない。オペレータは、インボックスパネル内のジョブエントリを選び、ジョブチケット画面を開くことによって、所望の印刷ジョブにおいて設定されたジョブパラメータ値を確認することができる。オペレータは、たとえば、送信先パネル内に表示されるプリンタのアイコンをクリックすることによって、それぞれのプリンタ(または仮想的印刷装置)のプリンタ設定を確認することもできる。そして、理論的には、オペレータは、印刷ジョブにおいて設定されたジョブパラメータ値とプリンタ設定とを手動操作で比較することによって、対応するパラメータ値がその印刷ジョブに最も近似する初期プリンタ設定を備えたプリンタを見つけ出すことができる。しかしながら、多数のプリンタ(および仮想的印刷装置)が印刷に利用可能なとき、このような検索は面倒であり時間がかかる。
【0077】
上述した自動印刷を用いると、どのグルーピング条件にも適合しない印刷ジョブを新規ジョブウィンドウ枠内にしばしば残されたままになってしまう。これらの印刷ジョブを印刷するためには、これらが手動操作によりプリンタに割り当てられねばならない。また、ユーザは、自動化されたグルーピングおよび印刷のオプションが可能である場合であっても、プリンタを手動で選択することを選ぶことも可能である。多数のプリンタが利用可能である場合、最適、すなわち正確に適合する送信先装置(プリンタ、クラスタ、または仮想キュー)を見つけ出すことは、困難であり時間がかかる。
【0078】
本発明の実施形態にかかる印刷ジョブ管理サーバは、印刷ジョブのジョブパラメータ値に正確あるいは近似的に適合する印刷装置(プリンタ、クラスタ、または仮想キュー)をユーザが見つける上での手助けとなる便利な機能を提供する。一実施形態において、印刷ジョブ管理サーバは、各プリンタにおけるプリンタ設定と印刷ジョブにおける対応するジョブパラメータ値とを比較し、一つのプリンタにおけるプリンタ設定が、いずれも印刷ジョブの対応するパラメータ値に適合する場合には、その適合がユーザに通知される。
【0079】
特定の実施形態においては、印刷ジョブ管理サーバは、ユーザの要求によりキューパネルを起動することができる。例えば、オペレータがインボックスパネル内の印刷ジョブエントリの一つをクリックすることによって特定の印刷ジョブを選択する場合に、キューパネルウィンドウが表示される。キューパネルは、印刷ジョブのために利用可能な印刷装置としてジョブ管理サーバによって関連付けまたは定義された全てのプリンタ、クラスタ、および仮想キューを表示し、対象となっている印刷ジョブの対応するジョブパラメータ値に適合するプリンタ設定を強調表示する。
【0080】
図10は、特定の印刷ジョブのキューパネルの一例を示す。図10を参照すると、キューパネルは、すべての利用可能なプリンタおよびソフトウェア定義の仮想印刷装置、すなわわち、プリンタ、クラスタ、および仮想キューを、各プリンタにおけるカラー、用紙サイズ、および用紙種類などのプリンタ設定とともに一覧表示する。これらのパラメータのプリンタ設定が、印刷ジョブで指定されている対応するジョブパラメータの値と適合する場合には、このようなプリンタ設定は強調表示される。このような情報により、ユーザは、印刷ジョブを処理するのに最適な印刷装置を絞り込み、検索することができる。図10の実施例では、キューパネルは、白黒プリンタ1 1050が各々種類の異なる様々なサイズの用紙を格納する複数の用紙トレイ1−3を有していることを示している。黄色で示したように、キューパネルは、プリンタのトレイ2の用紙サイズおよび用紙タイプの設定が、この特定の印刷ジョブの用紙サイズおよび用紙タイプの値に適合することを示している。同様に、他の強調表示された部分は、プリンタ設定が、この印刷ジョブのいくつかのジョブパラメータ値と適合することを示している。作動状態、スプールされている印刷ジョブの数、および概算の待ち時間のような各プリンタのステータスも、オペレータを支援するために、冒頭行に表示されており、この点もユーザに利便となる。たとえば、2つのプリンタが、これら3つのプリンタ設定に関して正確な適合を持つと認められた場合、オペレータは、プリンタのうち印刷の待ち時間が短い一つを選ぶことができる。
【0081】
このようにしてキューパネルは、各印刷装置が、印刷ジョブによって要求されているジョブパラメータ値に、どのように適合しているかについて表示する。したがって、ユーザは、容易かつ迅速に印刷装置を見つけて、要求された印刷ジョブを実行させたり、その要求された印刷ジョブを実行するために変更すべきプリンタ設定を見つけ出したりすることができる。要するに、キューパネル内のデータは、本来であれば時間がかかりかつ困難である作業をオペレータが完了するために必要となる重要なデータを提供する。
【0082】
ここで、完全には適合しないプリンタ(すなわち、用紙サイズについて適合しないなど)が印刷ジョブを受信した場合、選択されたプリンタのモニタが、送られてきた印刷ジョブを完了するためにはオペレータがある種の手動作業をしなければならないことを知らせる警告メッセージを表示するように印刷ジョブ管理システムを構成することができる。例えば、サーバにおいてオペレータが、カラーおよび用紙タイプの設定のみが適合するプリンタを選択した場合、オペレータは、そのプリンタにおいて印刷ジョブを処理するためには、ある給紙トレイの用紙サイズを特定の用紙サイズに変更することが必要である旨の通知を受ける。他の方法では、そのような非適合プリンタをジョブ送信先として選択する前に、オペレータが予め用紙サイズを変更することによって、キューパネルが、そのプリンタへの完全な適合を直ちに表示するようにすることもできる。
【0083】
上記の実施例のキューパネルも、以下のような効果を有する。上述したように、クラスタは、一つの印刷ジョブを処理するために特定のルール/アルゴリズムに従って2つまたはそれ以上のプリンタを互いに結合させたものである。キューパネルは、オペレータがこれら複数のリンクされたプリンタについて理解し、これらプリンタのどの特性が選択された印刷ジョブの要求に適合するのかを判断するための評価基準を視覚的に提供する。この視覚的な判断基準は、クラスタの特徴をさらに検索、識別、および使用しやすくする。クラスタに関して、完全な適合が見つからなかったとしても、クラスタを、選択された印刷ジョブに完全に適合させる状態(あるいは、完全な適合に準じた状態にさせる)ためには、どのプリンタ設定を変える(あるいは、無効にする)必要があるかについて容易に確認することができる。
【0084】
印刷キューパネルに表示することができるプリンタ設定は、カラー、用紙サイズ、および用紙タイプに限定されない。印刷管理システムでの必要性および設計に応じて、たとえば仕上げ処理のオプションやレイアウト設定(たとえば、両面か片面か)などの他のパラメータについても、上記のパラメータに加えて、あるいは上記のパラメータに代えて、一覧表示することができる。
【0085】
このように、オペレータが、印刷ジョブ用の仮想的または実在の印刷装置を決定する上で役に立つように、キューパネルは、送信先装置(プリンタ、クラスタ、および仮想キュー)を、プリンタのステータス情報、および特定の印刷ジョブとの各プリンタ設定の適合性に関する情報とともに、リストアップする。このことは、特に、様々なプリンタ設定を持つ多数のプリンタが印刷管理サーバによる管理を必要としている場合に、有益かつ便利である。
【0086】
好適な態様においては、上述のとおり、キューパネルは、接続中のプリンタおよび他の仮想的印刷装置(クラスタおよび仮想キュー)をリストアップする。しかしながら、ユーザの選択に応じて、少なくとも一つの設定値が、対象となっている印刷ジョブのジョブパラメータ値に適合すると認められたプリンタのみをリストアップすることもできる。このような機能は、サーバによって制御される接続中のプリンタ数が非常に多くて、そうしないと、プリンタおよび他の仮想的印刷装置のリストが長くなってしまう場合に、特に有用である。
【0087】
印刷装置(プリンタ/クラスタ/仮想キュー)推奨(Printing Device(Printer/Cluster Visual Queue)Recommendation)
上述したように、キューパネルは、接続されている実在または仮想的な印刷装置(プリンタ、クラスタ、および仮想キュー)を、プリンタステータスについての情報および特定の印刷ジョブとの各プリンタ設定の適合性に関する情報とともに、リストアップする。このキューパネルに表示される情報に基づいて、オペレータは、一番良く適合する送信先装置および/または2番目の送信先装置を手動で決定することができる。本発明の他の実施形態においては、印刷ジョブ管理サーバは、このような決定をユーザに定義された条件、すなわち予め設定された条件にしたがって実行することができる。このことは、さらに印刷管理動作の容易さと効率をさらに改善することになる。
【0088】
一実施形態において、ある印刷ジョブが与えられると、本発明の印刷ジョブ管理サーバは、その特定の印刷ジョブのための1つまたは複数の印刷装置(プリンタ、クラスタ、または仮想キュー)を推奨する。ソフトウェアにより実行されるアルゴリズムを用いることによって、例えば、印刷ジョブ管理サーバは、先ず、印刷される文書のカラー(すなわち、その印刷ジョブにおけるカラーのジョブパラメータ)をサポートする印刷装置を検索する。それから、最も良く適合する印刷装置の検索範囲が順次狭くなるように、印刷ジョブ管理サーバは、仕上げ処理オプションが適合するものを検索し、次いで、用紙サイズおよび用紙タイプのような用紙関連のオプションが適合するものを検索する。このアルゴリズムは、サーバにインストールされた印刷ジョブ管理ソフトウェアに予め設定されていてもよく、また、ユーザの入力により変更または修正されてもよい。例えば、サーバは、それが設定値を検討する際の優先順位をオペレータが推奨の実行に先立って決定することができるように構成されることもできる。これに代えて、あるいはこれに加えて、推奨動作を実行する際にどのパラメータをどのような順番で用いるべきかについて、使用されるアルゴリズム自体をオペレータが指定することもできる。
【0089】
特定の実施形態においては、まず、オペレータが特定の印刷ジョブを選択し、ドロップダウンメニューから「一覧推奨(View Recommends)」のオプションを選択すると(あるいは、メイン画面のアイコン・バーでの一覧推奨のアイコンを選択すると)、サーバは、推奨する一または複数の印刷装置を決定するために、上述したアルゴリズムにしたがって検索動作を実行する。そして、サーバは、オペレータに対して推奨する印刷装置を視覚的に表示するために一覧推奨パネルを立ち上げる。本例においては、一覧推奨パネル内の記載事項の配列がキューパネルの場合と類似しているが、一覧推奨パネルは、印刷ジョブ管理サーバによって推奨されたこれら印刷装置(プリンタ、クラスタ、または仮想キュー)のみをリストアップするものに限られない。
【0090】
キューパネルでの場合のように、一覧推奨パネルは、リストアップされたプリンタのステータスを表示してもよい。一覧推奨パネルに表示された情報に基づいて、オペレータは、その印刷ジョブを処理するためにどの送信先装置を使用するかを直ちに決定することができる。例えば、正確に適合している装置が複数ある場合に、オペレータはより待ち時間が短い装置を選ぶことができる。
【0091】
図11は、一覧推奨パネルの一例を示している。図11において、白黒プリンタ1および白黒プリンタ2が一覧推奨パネルに表示されており、それらがジョブチケット#0003のために推奨された印刷装置であることを示す。緑色で強調表示されたプリンタ名および対応するプリンタ設定の行に示されるように、これらのプリンタは共に、用紙サイズ、用紙タイプ、およびカラー設定において完全に適合しており、これらのプリンタの適合性は等しい。しかしながら、白黒プリンタ2の接続状況は、修理が必要であり即時印刷に利用不可であることを意味する「エラー」を示している。そのため、恐らくオペレータはこの印刷ジョブのために白黒プリンタ1を選ぶことになるだろう。
【0092】
図12は、一覧推奨パネルの他の例を示している。ここで、クラスタ1が一覧推奨パネルに表示されているが、これは、クラスタ1がジョブチケット#0001のために推奨された印刷装置であることを示している。黄色で強調表示されているプリンタ名の行に示されているように、カラープリンタ2は、対応する印刷ジョブのジョブパラメータ値に完全に適合するプリンタ設定値を現時点で有していない。本例においては、用紙タイプのジョブパラメータが不適合である。オペレータは、カラープリンタ2のトレイ2に格納された用紙を手動で交換する必要があるが、必要に応じて、このジョブチケットを実行するために、強制的にプリントジョブがトレイ2で処理されるようにすることができる。
【0093】
このようにサーバは特定の印刷ジョブに適した印刷装置を決定することができ、その結果がそれぞれの推奨された印刷装置のステータス情報とともに視覚的に表示されるので、オペレータは、印刷実行またはプリンタ設定値変更のために、印刷装置に関する最善のオプションを簡単に識別することができる。
【0094】
選択パネル(Selection Panel)
他の実施形態においては、キューパネルおよび一覧推奨パネルの上記の特徴が組み合わせられて、これらのパネルに関する上述した全ての情報および機能が、便利に設計された単一のパネルからアクセス可能となる。特定の実施形態においては、キューパネルおよび一覧推奨パネルの代わりに一覧選択パネルが提供される。ユーザが、インボックス内の印刷ジョブを選択し、アイコン・ヘッダ行の(あるいはドロップダウンメニューの)「一覧選択」ボタンをクリックすると「選択パネル」が開かれる。推奨される印刷装置(1つまたは複数)は、上述と同様の方法で表示される。例えば、推奨された印刷装置は、強調表示され、プリンタ設定値が特定の印刷ジョブのジョブパラメータ値にどのように適合しているかを表示するように展開される。関係する全てのプリンタ設定値に関して完全な適合性を有する印刷装置は、緑色に強調表示されることができ、対応するトレイも同様に緑色に強調表示されることができる。プリンタ設定値の一部のみが適合しているため次善の適合性を有するものは、黄色で強調表示されることができる。したがって、上述したように、印刷装置が印刷ジョブに適合している程度は、異なる色を用いて表現することができる。
【0095】
他の全ての非推奨印刷装置も同じ選択パネルに表示される。スペースを節約するために、例えば、完全な適合性を有していない印刷装置は、印刷装置名の表示のみによってリストアップされてもよい。しかしながら、必要に応じて、オペレータは、印刷装置名をクリックしてそれを展開することで、選択された印刷装置の詳細なプリンタ設定値の確認、および各々のプリンタが特定のジョブパラメータ値にどのように適合しているかを確認することができる。上述のキューパネルの場合と同様に、特定の印刷ジョブパラメータ値に適合する個々のプリンタ設定値が別途黄色で強調表示されてもよい。
【0096】
図13は、選択パネルの一例を示す。パネル上部のヘッダ行には、パネル自体の名称である「選択パネル」とともに、サーバに接続中のプリンタ、クラスタ、および仮想キューの台数が表示される。ヘッダ行の真下には、印刷ジョブによって指定されている用紙サイズ、用紙タイプ、カラー、および仕上げ処理オプションのみならず、ジョブチケット番号およびジョブ名称を示すジョブチケット情報が表示されている。本例は、仕上げ処理オプションに関する印刷ジョブパラメータとして、ステープル、折り、製本、および両面印刷が指定するものである。
【0097】
パネルの他の部分も、上述のキューパネルおよび一覧推奨パネルと同様の方法で設計されている。このパネルは、印刷装置(プリンタ、クラスタ、仮想キュー)をそのプリンタ設定値とともにリストアップしており、これらのプリンタ設定値が印刷ジョブにおいて指定されたジョブパラメータ値とどの程度一致しているかを表示している。図13の例において、用紙トレイの各行は、各用紙トレイから供給される用紙に対してステープル、折り、製本、および両面印刷などの仕上げ処理オプションを実行可能であるか否かの情報に加えて、各トレイ内にある用紙のサイズ、タイプ、および色を表示している。例えば、ステープルの列における「X」の印は、ステープル仕上げ処理が利用可能であることを示している。
【0098】
本例において、プリンタ1およびそのトレイ1は緑色で強調表示されているが、これはプリンタ設定値が要求された印刷ジョブに適合していることを示している。実際に、パネル上部に表示されている印刷ジョブのジョブパラメータ値は、プリンタ1のトレイ1について表示されている個々のプリンタ設定値に適合していることがわかる。
【0099】
選択パネルのウィンドウのサイズは、最初にパネルを開いたときに、推奨された印刷装置がウィンドウ内に納まるように設定される。図13においては、上部に強調表示されたプリンタ1が示されており、その下にプリンタ2と、クラスタおよび仮想キューの折り畳まれたエントリとが示されている。しかしながら、本例における選択パネルは、サーバに接続された全ての印刷装置(プリンタ、クラスタ、仮想キュー)を含んでいるため、キューパネルに関連して上述したような各装置のステータスおよび他の情報も、本パネルを介したユーザのアクセスが可能となっている。ウィンドウの下方向へのスクロールおよび/またはウィンドウの展開により、ユーザは、印刷装置にアクセスし、その内容を確認することができる。
【0100】
推奨される印刷装置として適していない印刷装置は、スペース節約のために、それらの名称(もし、印刷装置のタイプ自体が適合しない場合は、それらのタイプ)のみを示すように折り畳まれて表示される。図13においては、クラスタおよび仮想キューについて推奨される印刷装置は存在しない。したがって、選択パネルには、装置(クラスタ、および仮想キュー)のタイプ名のみが表示されている。ユーザは、これらの装置のプリンタ設定値を参照したい場合は、先ずタイプ名をクリックし、続いて装置名をクリックすることにより表示を展開することができる。
【0101】
キューパネルおよび一覧推奨パネルの場合と同様に、選択パネルも印刷装置のステータスを一覧表示する。選択パネルに表示された情報に基づき、ユーザは、印刷ジョブ実行のためにどの印刷装置を使うべきかを直ちに決定することができる。例えば、正確に適合する印刷装置が複数ある場合、オペレータは、待ち時間がより短い装置を選択することができる。さらに、適切なアルゴリズムを用いることにより、サーバは、これらの印刷装置のステータス情報を参照し、最も良く適合する印刷装置を、ユーザへの表示のために自動的に特定するように構成されることができる。
【0102】
上記の説明において、「白黒」という用語は、もし白黒プリンタが、(たとえば、中間調化または他の適切な方法により)グレースケール画像を印刷できる場合にはグレースケールを含むものとする。
【0103】
上記の実施形態は、一箇所のプリントショップの環境に適用されるように記述されたが、本発明は、店舗またはネットワークのどのような物理的環境にも制限されることはなく、異なる場所にある複数のプリンタがサーバに接続されているような分散型の設定を有するプリントショップのシステムにも適用することができる。特に、プリントショップのシステムの少なくとも1つの構成要素が、仮想私設通信網(VPN)またはインターネット経由の同様の手段を介して、同システムの残りの構成要素と通信することができることは明らかである。さらに、図1を参照すると、上記の実施例におけるサーバ4は、ネットワークサーバのみならず、印刷ジョブ管理サーバとしても機能しうるが、印刷ジョブ管理ソフトウェアを実行するために個別のスタンドアロン型コンピュータが提供されてもよい。また、適切な構成によれば、印刷ジョブ管理サーバの役割を担うために、クライアントコンピュータ1および2の片方、またはプリンタ5〜9のいずれか1つに取り付けられたコンピュータ(このようなプリンタが存在する場合)使用されることができる。なお、これまでに参照した図においては、メイン画面、インボックスパネル、プリンタジョブパネル、完了ジョブパネル、送信先パネル、およびインフォメーションパネルを含む各種ウィンドウについて詳細なデザインを示したが、本発明は、これらの図面において表現され、かつ上記において説明された特定のデザインに限定されるものではなく、上記において説明された作用および機能を実施可能な他の様々なデザインを広範に含むものとする。さらに、上記においては、一例として適切なソフトウェアを備えたWindows(登録商標)ベースのサーバコンピュータについて説明したが、本発明の印刷管理システムは、上術の印刷管理システムの各種機能を実行するために特別に設計された独自仕様のハードウェアシステムに実装されることもできる。
【0104】
本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の印刷ジョブ管理方法および装置について様々な変更および変形をなすことが可能であることは、当業者にとって明らかである。したがって、本発明は、添付した請求の範囲およびその均等物に含まれる変更例および変形例に及ぶことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】複数のプリンタを備えた印刷管理システムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による印刷ジョブ管理装置の表示部に現れるメイン画面を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるプリンタ管理方法を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるジョブチケットのデータ内容を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による複数の印刷ジョブの管理方法を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によるインボックスパネルの画面を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるグループエディタの画面を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態によるグルーピング方法を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態によるグルーピング方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態による、特定の印刷ジョブのためのキューパネルの一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による一覧推奨パネルの一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による一覧推奨パネルの他の例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態による選択パネルの一例を示す図である。
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、印刷管理方法及び装置に関し、より具体的には、複数のプリンタを管理するための印刷管理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
複数のプリンタにより数多くの印刷ジョブが処理される環境においては、印刷ジョブを系統的な手法で効率的に管理する必要がある。そのような環境の例として、プロの印刷専門店や大規模な組織の印刷/コピー担当部署などがあるが、そこでは、複数のプリンタを用いて、大量の文書複製や大容量の文書印刷等の多種多様な印刷指令を、短い処理時間で実行し、完了しなければならない。本書において、このような環境を総称して「プリントショップ」と称することにする。
【0003】
一般的に、各々の印刷ジョブは、印刷対象である文書を電子的に格納するソースファイルと、当該文書を印刷するための用紙のサイズ、カラーおよびタイプと、印刷時の解像度と、両面・片面印刷の指示と、製本、ステープルおよび部単位印刷(collate printing)等の印刷ジョブ要求者側の要望に応じた所定の仕上げ処理と、を特定する役割を果たす。ジョブパラメータがそれぞれ異なる大量の印刷ジョブを処理するためには、プリントショップは複数の業務用プリンタを稼動しなければならない。このような場合、白黒印刷を実行するために少なくとも1機の白黒印刷用プリンタを稼動することが多い。同時に、カラー印刷を処理するために複数のカラープリンタが据え付けられることが多い。しかし、各々のプリンタにおいて利用可能な、用紙サイズ、用紙タイプ、解像度等の印刷設定は、機種ごとに制約を受ける。そのため、大量の印刷ジョブを複数の白黒およびカラープリンタで処理する場合、個々のジョブをその処理に適したプリンタに振り分ける必要があるが、そのようなタスクは非常に煩雑になってしまうという問題点がある。
【発明の開示】
【0004】
発明の要約
したがって、本発明は、従来技術による制約や不利益に起因する少なくとも1つの問題点を大きく解消する印刷管理方法および装置を対象としている。
【0005】
本発明の目的は、改良された印刷管理方法および装置を提供することである。
【0006】
本発明による付加的あるいは他の特徴および利点が以下に記載されているが、これは、部分的に以下の記載内容から明らかであるほか、本発明を実施することにより把握されうる。本発明の目的および他の利点は、以下の記述、特許請求の範囲、および図面において特に指摘された構成により実現および達成される。
【0007】
本発明の趣旨に沿って具体化される、広範に記載された上記および他の目的を達成するために、本発明は、その一態様において、プリンタに接続された印刷ジョブ管理装置において実行されるプリンタ管理方法であって、前記管理方法は、プリンタのリスト、ならびに印刷ジョブ処理のために予め定義された規則、および少なくとも1つのプリンタにかかる指示によって各々定義される少なくとも1つの仮想印刷装置のリストを、表示モニタに表示するステップと、前記仮想印刷装置の1つを選択するためのユーザの指令を受信するステップと、前記指令に応じて、前記表示モニタ上にリストアップされたプリンタのうち、選択された前記仮想印刷装置により特定される少なくとも1つのプリンタを、視覚的に強調するステップと、を含むことを特徴とするプリンタ管理方法を提供する。
【0008】
他の態様において、本発明は、プリンタに接続された印刷ジョブ管理装置において実行されるプリンタ管理方法であって、予め定義された基準に従って各々のプリンタの利用可能性を判断するステップと、プリンタのリストをその利用可能性とともに表示モニタに表示するステップと、を含むことを特徴とするプリンタ管理方法を提供する。
【0009】
他の態様において、本発明は、プリンタに接続されたデータ処理装置を制御するためのプログラムであって、前記データ処理装置は、表示モニタに接続され、前記プログラムは、前記データ処理装置に前記プリンタを管理するための処理を実行させるように構成され、前記処理は、プリンタのリスト、ならびに印刷ジョブ処理のために予め定義された規則、および少なくとも1つのプリンタにかかる指示によって各々定義される少なくとも1つの仮想印刷装置のリストを、表示モニタに表示するステップと、前記仮想印刷装置の1つを選択するためのユーザの指令を受信するステップと、前記指令に応じて、前記表示モニタ上にリストアップされたプリンタのうち、選択された前記仮想印刷装置により特定される少なくとも1つのプリンタを、視覚的に強調するステップと、を含むことを特徴とするプログラムを提供する。
【0010】
他の態様において、本発明は、プリンタに接続されたデータ処理装置を制御するためのプログラムであって、前記データ処理装置は、表示モニタに接続され、前記プログラムは、前記データ処理装置に前記プリンタを管理するための処理を実行させるように構成され、前記処理は、予め定義された基準に従って各々のプリンタの利用可能性を判断するステップと、プリンタのリストをその利用可能性とともに表示モニタに表示するステップと、を含むことを特徴とするプログラムを提供する。
【0011】
他の態様において、本発明は、プリンタを管理するための装置であって、表示モニタと、前記プリンタおよび前記表示モニタに接続されたデータプロセッサを含み、前記データプロセッサは、プリンタのリスト、ならびに印刷ジョブ処理のために予め定義された規則、および少なくとも1つのプリンタにかかる指示によって各々定義される少なくとも1つの仮想印刷装置のリストを、表示モニタに表示させる、すなわち、前記データプロセッサは、前記仮想印刷装置の1つを選択するためのユーザの指令を受信するように構成され、前記指令に応じて、前記表示モニタに、前記表示モニタ上にリストアップされたプリンタのうち、選択された前記仮想印刷装置により特定される少なくとも1つのプリンタを、視覚的に強調して表示させることを特徴とする装置を提供する。
【0012】
以上に示した概要および以下の詳細な説明は、両方とも典型的かつ説明的な内容であり、特許請求の範囲に記載されている発明に関する詳しい説明を行うことを目的としていると理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図面の簡単な説明
図1は、複数のプリンタを備えた印刷管理システムを示す図である。
【0014】
図2は、本発明の一実施形態による印刷ジョブ管理装置の表示部に現れるメイン画面を示す図である。
【0015】
図3は、本発明の一実施形態によるプリンタ管理方法を示す図である。
【0016】
図4は、本発明の一実施形態によるジョブチケットのデータ内容を示す図である。
【0017】
図5は、本発明の一実施形態による複数の印刷ジョブの管理方法を示す図である。
【0018】
図6は、本発明の一実施形態によるインボックスパネルの画面を示す図である。
【0019】
図7は、本発明の一実施形態によるグループエディタの画面を示す図である。
【0020】
図8は、本発明の一実施形態によるグルーピング方法を示すフローチャートである。
【0021】
図9は、本発明の一実施形態によるグルーピング方法を示すフローチャートである。
【0022】
図10は、本発明の一実施形態による、特定の印刷ジョブのためのキューパネルの一例を示す図である。
【0023】
図11は、本発明の一実施形態による一覧推奨パネルの一例を示す図である。
【0024】
図12は、本発明の一実施形態による一覧推奨パネルの他の例を示す図である。
【0025】
図13は、本発明の一実施形態による選択パネルの一例を示す図である。
【0026】
発明を実施するための最良の形態
本発明の実施形態によれば、多数の印刷ジョブを迅速かつ効率的に処理することができる。図1は、本発明の一実施形態による、複数のプリンタを有するプリントショップにおける印刷管理システムの一例を示す。クライアントコンピュータ1および2は、ローカルエリア・ネットワーク(LAN)を介してサーバ4に接続されている。スキャナ3もまたLANを介してサーバ4に接続されている。本例において、白黒プリンタ5、6、7およびカラープリンタ8、9は、LANを経由してサーバに接続されている。
【0027】
本例において、プリンタ5〜9は、高速・高品質印刷に対応する、業務用の高性能プリンタである。プリンタ5〜9の各々は、様々なサイズ、色、および様式の用紙を格納する複数の用紙トレイを備えている。さらに、プリンタ5〜9の中には、部単位印刷(collate printing)および他の印刷仕上げ機能を実行できるように、複数の出力トレイを有する高機出力仕分け機構を装備しているものもある。各々のプリンタは、印刷処理の状態やユーザへの各種の警告および指示を表示するための少なくとも1つの表示モニタを有している。それぞれのプリンタは、中央演算処理装置(CPU)および印刷動作を制御するための適切なハードウェア/ソフトウェアを装備しており、LANを介してサーバ4との通信を行う。また、これらのプリンタのいくつかは、文書のコピーやスキャンを実行可能な多機能プリンタでありうる。サーバ4には、様々な標準ネットワーク管理機能を実行するための適切なサーバソフトがインストールされている。
【0028】
本実施形態において、サーバ4には、サーバ管理ソフトに加えて、プリントショップで受け付けられる大量の印刷ジョブを管理するための印刷ジョブ管理ソフトがインストールされている。プリントショップのオペレータが印刷ジョブ管理ソフトを呼び出すと、サーバ4は、印刷ジョブ管理ソフトをランダム・アクセス・メモリ(RAM)に読み出し、印刷ジョブ管理を含む同ソフトによる各種機能を実行する。
【0029】
印刷ジョブは、印刷対象である文書に加えて、要求されたオプションを特定するための印刷命令を含んでいる。例えば、顧客が、特別な仕上げオプションが指定された印刷用にPDF形式のファイルを格納したディスケットを持参することが考えられる。そのとき、プリントショップのオペレータは、どの種類の印刷ジョブが印刷ジョブパラメータを解読する上で好ましいのかを顧客に質問する。あるいは、顧客がどの印刷オプションを希望するか説明するための質問シートに記入するよう要求されることも考えられる。例えば、顧客が、重さ24lbの25%コットン製レターサイズ用紙に、フルカラー両面印刷で100部印刷するよう要求することが考えられる。このとき、プリントショップのオペレータは、これらのジョブパラメータを顧客情報とともにファイルに記録し、さらに、これらのパラメータと原稿とを関連付けて保存するために、同ファイルと原稿のPDFファイルとをハードディスクまたは他の保護された記憶装置に格納する。
【0030】
また、印刷ジョブは、顧客が文書のコピーを要求する場合にも生成されうる。このとき、顧客が持参したコピー用の文書を、プリントショップのオペレータがスキャナ3(これはカラーおよび/または白黒スキャナでありうる)を用いてスキャンすると、同文書はディジタルファイルに変換され、さらに、スキャンされた原稿と関連付けられたデータファイルが上記と同様の方法で作成される。
【0031】
印刷ジョブおよび関連付けられたファイルに相当するこれらのデータファイルはサーバ4に転送される。このように、多数の印刷ジョブが作成されると、それらは印刷ジョブ管理ソフトを実行するためのサーバ4に集められる。
【0032】
印刷ジョブ管理ソフトを実行するための印刷ジョブ管理サーバ4は、印刷ジョブファイルを受信すると、印刷ジョブを解析し、それを実行する。印刷ジョブ管理ソフトは、Windows(登録商標)のOS、Macintosh(登録商標)のOS、Unix(登録商標) X Windows、またはタッチスクリーンおよび/またはマウスおよびキーボード等の表示モニタと協働してGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)を提供する他の一般的なオペレーティング・システム上で作動するように設計されることが好ましい。本発明の実施形態において印刷ジョブ管理ソフトを実行するサーバ4(あるいは他の適切なデータ処理装置)を、以後、「印刷ジョブ管理サーバ」と称することにする。本書において、「印刷ジョブ管理サーバ」および「印刷ジョブ管理装置」という用語は、適切なハードウェア/ソフトウェアを用いることにより、以下に記載した本発明の実施形態による様々な機能を実現可能なあらゆるデータ処理装置に対して広範に用いられるものとする。
【0033】
メイン画面(Main Screen)
多数の印刷ジョブを複数のプリンタを用いて効率的かつ系統的な手法で処理するために、本発明の実施形態による印刷ジョブ管理サーバ4は、その表示モニタ上(または、クライアントコンピュータ1、2のモニタ上、またはクライアントコンピュータ若しくはプリンタ側から印刷ジョブ管理ソフトへの遠隔アクセスが可能である場合においてはプリンタ5〜9のいずれかのモニタ上)に、図2のようなメイン画面を表示させる。図2を参照すると、インボックスパネル(In Box Panel)は、印刷ジョブ管理サーバ4に送信された全ての新規印刷ジョブを「新規ジョブ(Incoming Jobs)」のヘッダの下に格納する。インボックスパネル内の1つの行は、1つの印刷ジョブに対応する。インボックスパネル内で「新規ジョブ(Incoming Jobs)」としてリストアップされた印刷ジョブは、その時点でプリンタに割り当てられていない印刷ジョブである。ジョブチケット番号の列には、対応する印刷ジョブに割り当てられたジョブ番号が表示される。また、インボックスパネルには、用紙サイズ(Paper Size)、用紙タイプ(Paper Type)、文書カラー(Document Color)、ジョブ種類(Job Types)、部数/印刷枚数(the number of copies/prints)等のジョブパラメータの値も表示される。
【0034】
プリンタジョブパネル(Printer Jobs Panel)は、印刷ジョブ管理サーバ4によって監視される全てのプリンタにおいて実行中のジョブを表示する。完了ジョブパネル(Done Jobs Panel)は、完了したジョブまたはキャンセルされたジョブを表示する。図2のメイン画面の右側の送信先パネル(Destination Panel)は、印刷ジョブ実行のために接続中である全印刷装置を表示する。
【0035】
送信先パネル(Destination Panel)
図2に示されるように、多数の印刷ジョブは、おのおの適切な印刷装置に割り当てられなければならない。一実施形態において、送信先パネルには、印刷装置のアイコンが表示されており、プリンタ側とクラスタ/仮想キュー側の2つの領域に区分されている。プリンタ側のパネルは、サーバに接続中の実在するプリンタを示すアイコンを表示している。クラスタ/仮想キュー側のパネルは、クラスタおよび仮想キューを表示している。クラスタおよび仮想キューとは、ソフトウェアにより定義された仮想的な印刷装置のことであり、指定された印刷処理の実行のための印刷ジョブの送り先であるが、これについては以下で詳説する。
【0036】
オペレータは、印刷ジョブを、インボックスパネル、プリンタジョブパネル、および完了ジョブパネルのいずれかから、送信先パネル内に表示されたいずれかのアイコンに、ドラッグ・アンド・ドロップによって移動する。それにより、印刷ジョブ管理サーバは、選択された印刷装置に印刷ジョブを転送し、指定のプリンタ(または、クラスタ若しくは仮想キュー)が印刷動作を開始できるようにする。それにより、インボックスパネル内にあった当該印刷ジョブのエントリはプリンタジョブパネルに移動する。印刷ジョブが完了すると、当該ジョブのエントリはプリンタジョブパネルから完了ジョブパネルに移動する。
【0037】
クラスタは、ソフトウェアにより定義される仮想的な印刷装置であり、所定の種類の印刷ジョブをより効率的かつ正確に実行するよう設計されている。これは、少なくとも2つのプリンタと、特殊な規則/アルゴリズムの組み合わせによって実現される。印刷ジョブがクラスタに割り当てられた場合、その印刷ジョブは、既定またはユーザ定義の規則/アルゴリズムによって少なくとも2つのジョブに分割され、分割されたジョブは、そのクラスタによって指定されるプリンタによってそれぞれ処理される。例えば、10ページのカラーページと20ページの白黒ページからなる印刷ジョブ(ジョブ番号12345とする)が、カラープリンタ1および白黒プリンタ1という2つのプリンタと、全カラーページがカラープリンタによって印刷され、全白黒ページが白黒プリンタによって印刷されるという規則との組み合わせからなるクラスタに送られる場合を想定する。この場合、印刷ジョブは、全カラーページを含むジョブ1と、全白黒ページを含むジョブ2とに分割される。そして、これらの印刷処理のために、ジョブ1はカラープリンタ1に送信され、ジョブ2は白黒プリンタ1に送信される。
【0038】
本実施形態において、新規印刷ジョブには5桁のジョブ番号が割り当てられるものとし、印刷ジョブが少なくとも2以上のジョブに分割された場合(例えば、クラスタに割り当てられる場合)、分割されたジョブには、その関連付けを表示するための補助番号が、アンダーバーで隔てられて追加される。上記の例において、ジョブ番号12345のジョブがクラスタに送られると、そのジョブは、カラーページのためのジョブ番号12345_1のジョブと、白黒ページのためのジョブ番号12345_2のジョブとに分割される。このように分割が行なわれると、ジョブ番号12345のジョブはインボックスパネルから消え、ジョブ番号12345_1のジョブおよびジョブ番号12345_2のジョブが、メイン画面のプリンタジョブパネル内に、それぞれ「カラープリンタ1」および「白黒プリンタ1」として現れる。
【0039】
仮想キューは、それ自体が指定するジョブパラメータ値とは一致しないジョブパラメータ値からなる印刷ジョブが処理される場合に、それ自体が指定するジョブパラメータ値を優先させる。ここで、仮想キューは、特定の白黒プリンタ、トレイ、用紙サイズ、および特定の用紙タイプ(普通紙など)を指定しうる。例えば、重さ24lbのA4サイズ用紙へのカラー印刷を指示する印刷ジョブが、特定の白黒プリンタおよび重さ18lbのレターサイズ用紙を指定する仮想キューに送られた場合、印刷ジョブ管理サーバは、当該印刷ジョブの元のジョブパラメータ値を無視し、それを仮想キューによって指定されるジョブパラメータ値と置き換える。その結果、その白黒プリンタが重さ18lbのレターサイズ用紙に諧調画像(gray−scale images)を印刷出力する。この機能は、例えば、既存の印刷設定が印刷ジョブの要求に適合していないものの顧客がとりあえずその場で文書を確認することを希望した場合などに役立つ。
【0040】
また、サーバ4は、分割された印刷ジョブに関する全ての印刷処理が完了したときに、これらのジョブをメイン画面内の完了ジョブパネルに移動するように構成されうる。つまり、上記の具体例においては、ジョブ番号12345_1および12345_2の両方に関する印刷処理が完了すると、これらのジョブはメイン画面内の完了ジョブパネルに移動される。本発明の一実施形態において、分割されたジョブは双方の印刷処理が完了すると再結合され、元の印刷ジョブのジョブ番号が完了ジョブパネルに現れる。上記の仮想キューおよびクラスタは、ユーザあるいはプリントショップのオペレータにより、その要望に応じて作成されることができる。また、ユーザの利便性向上のため、初期設定またはサンプルのクラスタおよび仮想キューが印刷ジョブ管理ソフトの一部として提供されうる。例えば、ユーザは、メイン画面の最上部のバーにある「キュー(Queues)」のプルダウンメニューから「クラスタ(Cluster)」を選択し、さらに、クラスタを作成または編集するためのクラスタ・エディタを起動するための「新規(New)」を選択することができる。
【0041】
送信先パネルのアイコンをダブルクリックすることによって、ユーザは、プリンタ、クラスタ、および仮想キューの詳細なプロパティを見ることができる。より具体的には、ユーザが送信先パネル内の1つの装置をダブルクリックすると、プリンタの動作状態、新規印刷ジョブの前に処理されるべき処理待ち印刷ジョブの数、などのプリンタ(または、仮想的な印刷装置)に関する詳細情報を表示する別のウィンドウが現れる。クラスタ(または仮想キュー)の場合は、このポップアップウィンドウには、クラスタ(または仮想キュー)によって指定されるプリンタ、および印刷ジョブをプリンタに割り当てる際の規則が含まれる。
【0042】
オペレータは、特定の印刷ジョブを処理する上でどのプリンタ(または仮想的な印刷装置)が適切であるかを判断するために、選択される可能性がある印刷装置の各々の動作状態および印刷キュー情報を即座に特定しなければならない場合が多い。本例における送信先パネルおよびメイン画面は、オペレータを支援するための以下のような様々な機能を備えている。
【0043】
送信先パネルに関して、プリンタ、クラスタ、および仮想キューのアイコンの括弧内の数字は、それぞれの印刷キュー(すなわち、新規ジョブの処理を開始する前に処理されるべき未処理ジョブの順番待ちリスト(プリント・スプーラ)のこと)内のジョブ数を視覚的に表示するものである。また、「未接続(disconnected)」、「利用停止(unavailable)」、「エラー(Error)」、「Toner Low(トナー減少)」などのプリンタ(およびクラスタおよび仮想キュー)の他の状態も、個々のアイコンの内部若しくはその近傍、または別のウィンドウ枠内に、視覚的または描画的に表示されることができる。例えば、サーバは、適切な色(緑や黄色や赤など)を用いた方法や、描画により視覚に訴える方法で、送信先パネルにリストアップされたプリンタの各種作動状態を表示することができる。ここで、作動状態とは、「作動中(Active)」、「正常(Normal)」、「未接続(Disconnected)」、「エラー(Error)」、「点検中(Serviced)」、「トナー減少(Tonner Low)」、「Paper Low(用紙減少)」、「通信速度低下(Connection Speed Low)」等を含みうる。例えば、「作動中(Active)」の表示は、プリンタ前面における緑色の丸い表示によって、「エラー(Error)」は赤色の丸い表示によって、「用紙減少(Paper Low)」は黄色の丸い表示によって行なわれうる。よって、オペレータは各々のプリンタの利用可能性を迅速かつ正確に把握することができる。これにより、オペレータが印刷ジョブをプリンタまたは仮想的な印刷装置に手動で割り当てる際のミスが大幅に減少する。
【0044】
図2の例にいて、白黒プリンタ3における括弧内の数字「0」は、そのプリンタには処理待ちのジョブがないことを意味する。また、プリンタ前面における緑色の丸い表示は、作動状態が「作動中(Active)」であることを表し、同プリンタが完全に作動中であることを意味する。また、図2は、白黒プリンタ2には処理待ちジョブが1つあることを示している。プリンタ前面における赤色の丸い表示は、プリンタの点検が必要であるか、または一時的に作動を停止している状態を表す
また、このような色分け方法や、個々のプリンタの作動状態を示す上述のような視覚的表示方法を利用して、プリンタの全作動状態をユーザが素早く一目で分かるように表示することも可能である。例えば、サーバは、予め定義された規則/アルゴリズムまたはユーザにより指定された規則/アルゴリズムに従い、印刷キューにおける印刷ジョブ数とプリンタ作動状態の両方を考慮して、個々のプリンタの利用可能性の大小を判定するように構成されることができる。
【0045】
図3は、このようなアルゴリズムの一例を示す。S301において、サーバは、付属するプリンタの各々と通信し、各プリンタにおいて新規印刷ジョブを処理する前に処理されるべき処理待ちの印刷ジョブ数を判定する。S302において、サーバは、プリンタが作動中であるか否かを判断する。上記のように、プリンタがメンテナンスのため接続不能であったり、特定のプリンタのトナーまたは用紙が減少していたり、特定のプリンタにおいて接続速度が低下していたりする事態が想定される。本ステップにおいては、このようなプリンタの作動状態に関する情報が取得される。S303において、サーバは、プリンタの利用可能性の大小を導出するために、S301およびS302の結果を解析する。例えば、サーバは、作動停止状態であると認められた全プリンタに対して最も低い等級を付与することができる。また、印刷キューの処理待ち印刷ジョブ数が3よりも少なく、かつ完全作動状態にある全てのプリンタに最も高い等級を付与することができる。そして、その他の全てのプリンタに真ん中の等級を付与することができる。S304において、サーバは、S303において導出された利用可能性の大小を表示モニタに視覚的に表示させ、オペレータが容易にプリンタの利用可能性を確認できるようにする。例えば、最も高い等級を表す表示は、プリンタ前面における緑色の丸い表示によって行なわれることができる。また、真ん中の等級および最も低い等級を表す表示は、それぞれプリンタ前面における黄色および赤色の表示によって行なわれることができる。
【0046】
上記にて多様な例を用いて説明したように、印刷装置の利用可能性の色分けまたは描画による表示方法を用いれば、印刷装置の作動状態を簡単に認識することができるため、オペレータが多数の印刷ジョブを実在または仮想の各種印刷装置に短時間で割り当てなければならない場合には特に有用である。
【0047】
更に、図2の例においては、マウス等の移動によりポインタが送信先パネル内のアイコン上に移動されると、そのアイコンの近くに現れる小さなポップアップウィンドウ内に、印刷装置に関するより詳細な情報および/または補足情報が表示される。例えば、マウスポインタが白黒プリンタ3のアイコン上に移動され、そこで一秒間静止されると、プリンタのIPアドレス、モデル名、および作動状態などをテキスト表示する小さな長方形のウィンドウが現れる。この機能は、ユーザが所望の印刷装置を迅速に特定するためのさらなる手助けとなる。
【0048】
他の実施形態において、ユーザが送信先パネル内に表示された仮想的印刷装置のアイコンをクリックすると、選択された仮想的印刷装置と関連付けられた実在のプリンタが全て強調表示され(仮想キューの場合はプリンタ1台のみ)、それらのプリンタを描画によって特定できるようになる。図2においては、アイコンのクリックによりクラスタ1が選択されている。その結果、白黒プリンタ1とカラープリンタ2が強調表示されているが、その強調表示は、クラスタ1が印刷ジョブを処理する際にこれらのプリンタを利用することを意味している。この機能は、選択された仮想的印刷装置によって、実在するどのプリンタが指定されるのかをユーザが迅速に確認することができるという点で有用であり、これに上記のような描画によるプリンタ利用可能性の表示手法を少なくとも1つ組み合わせることにより、ユーザは、長い待ち時間や付加的な手動作業を伴うことなく、選択された仮想的印刷装置が印刷ジョブを処理可能であるか否かを迅速かつ確実に判断することができるようになる。これにより、オペレータが印刷ジョブを適切な仮想印刷装置に割り当てるための所要時間が大幅に短縮される。
【0049】
送信先パネルの下方にはインフォメーションパネルが配置される。インフォメーションパネルには、オペレータがマウスポインタ等を用いて選択した項目に関する各種情報が表示される。オペレータは、メイン画面(または、印刷ジョブ管理ソフト上で開くことができるいずれかのウィンドウ)に現れる操作可能な項目であればいかなるものも選択でき、その選択された項目に関する情報をインフォメーションパネルに表示させることができる。一実施形態において、このような操作可能な項目には、ジョブチケット、インボックスパネル内の各グループを表すヘッダ、プリンタジョブパネル内のプリンタを表すヘッダ、および送信先パネル内のアイコンが含まれる。この機能は、直前に説明したクラスタおよび仮想キューの構成の視覚的表示と組み合わせて用いると特に便利である。例えば、図2に示されるように、オペレータがクラスタ1を選択することにより送信先パネル内の白黒プリンタ1およびカラープリンタ1を強調表示させると、その下方のインフォメーションパネルには、クラスタ1が色の種別ごとに分割され、そのうちの白黒ページのカウント数が7未満であるときは全ての印刷にカラープリンタが用いられることを意味する表示が現れる。つまり、ユーザが別のウィンドウを開かなくても、インフォメーションパネルにクラスタに関連する規則が表示される。これは、ユーザが印刷ジョブを処理するための所望のプリンタまたは仮想的印刷装置を迅速に検索する上での更なる手助けとなる。上記の様々な例において示された操作可能な項目および印刷装置の選択方法は、マウスまたはその他のポインティング装置によるクリック操作に限定されるものではない。例えば、サーバは、単にポインタをクラスタまたは仮想キューのアイコン上に移動させるだけで、それに関連付けられたプリンタの強調表示、およびインフォメーションパネルにおける関連情報の表示が行なわれるように構成されてもよい。その他にも、音声命令を行なったり、タッチスクリーン上のアイコンにタッチしたりする方法がGUI上で利用されうる。
【0050】
また、例えば、送信先パネルおよびインフォメーションパネルのそれぞれのヘッダ部分のバーをダブルクリックすることにより、各パネルをメイン画面から消して同一モニタ上の別のウィンドウとして表示させることが可能であるほか、マウス操作により同一モニタ上の使い易い位置に移動して表示させることも可能である。
【0051】
ジョブチケット(Job Ticket)
本発明の実施形態において、印刷ジョブは、ジョブチケットと称されるデータベースのエントリを用いて整理される。ジョブチケットは、用紙サイズ、用紙タイプ、ユーザのID情報、および他の関連情報等の各種印刷ジョブパラメータの値を特定するものであり、それ自体をソースファイルと関連付ける。例えば、ユーザは、インボックスパネル、印刷ジョブパネル、および完了ジョブパネルに含まれる印刷ジョブを右クリックすると現れるメニュー画面から「ジョブチケット閲覧(View Job Ticket)」を選択することによって、ジョブチケットの内容を閲覧することができる。
【0052】
プリントショップのオペレータは、顧客から受け取った指示や情報に基づき、ウィンドウズの右クリックメニューによってメイン画面からアクセス可能なグラフィック・ユーザ・インタフェース(GUI)であるジョブチケットエディタ画面、または他の手段を用いて、これらのジョブパラメータの値を手動で入力することができる。
【0053】
図4は、ジョブチケットの内容の一例を示す図である。図4を参照すると、本例におけるジョブチケットは、「ジョブチケット番号(Job Ticket number)」、「チケット名(Ticket Name)」、ならびに「ジョブ情報設定(Job Info Settings)」、「基本設定(Basic Settings)」、「レイアウト設定(Layout Settings)」、「カバーシート(Cover Sheet)」、「仕上げ処理設定(Finishing Settings)」、「用紙間設定(Inter−Sheet Setting)」、「タブ用紙設定(Tab−Paper Settings)」、「画像品質設定(Image Quality Settings)」、および「顧客情報(Customer Information)」等に分類されるジョブパラメータ値を含む。
【0054】
「ジョブ情報設定(Job Info Settings)」には、「ジョブ名(Job Name)」、「サブミット時間(Submit Time)」、「完了時間(Completed Time)」、「期限(Due Date)」、「ジョブタイプ(印刷またはコピー)(Type(print or copy))」、「優先順位(Priority)」、「ジョブチケット作成者のID(Job Created by)」、「ジョブ位置(Job Location)」、および「推奨キュー(Queue Recommendation)」(すなわち、特定のプリンタまたは他の送信先の提案)を含む。「ジョブ情報設定(Job Info Settings)」は、印刷対象の文書を格納するファイルの、ローカルまたはネットワーク上のハードドライブ内の場所を特定するためのディレクトリパス(directory path)、白黒ページの枚数、カラーページの枚数、および特別の指示をさらに含む。
【0055】
「基本設定(Basic Settings)」は、作成部数、印刷向き(縦方向または横方向)、部単位印刷に関する情報、オフセット印刷に関する情報、原稿サイズ、出力用紙サイズ、用紙タイプ、およびトレイ番号等の用紙供給元に関する情報を含む。「レイアウト設定(Layout Settings)」は印刷時のレイアウトに関する設定を含む。「カバーシート(Cover Sheet)」は複製または作成されるカバーシートに関する設定を含む。「仕上げ処理設定(Finishing Settings)」は、ステッチ、ステープルおよびパンチ等の用紙綴じオプションを含む仕上げ処理に関する設定内容を特定する。
【0056】
さらに、サーバは、一部のジョブパラメータの値をソースファイルから直接決定できるように、ソースファイルにアクセスし、その解析を行なうように構成されうる。そして、そのサーバが、取得したパラメータ値を、対応するジョブチケットのジョブパラメータ入力部に入力するので、ユーザが手動でこれらのパラメータ値を入力する必要はない。これは手作業によるミスをなくす上で有用であり、プリントショップにおける作業を円滑化する。
【0057】
本書において、「値」という用語が変数またはパラメータに関連して言及されたときは、何らかの数量、特性、および、変数またはパラメータを特定するための他の種類の入力値を意味し、それは、本書におけるいずれかのジョブパラメータの特定の設定値を含むが、必ずしもそれにのみ限定されない。
【0058】
ジョブのグルーピング(Job Grouping)
プリントショップは、多種多様な印刷条件を指定する新規印刷ジョブを、毎日大量に受け付ける。これらの印刷ジョブは受け付けられた時点では整理されていないものの、それらの処理は迅速かつ正確に実行されなければならない。本発明の実施形態によれば、新規印刷ジョブは効率的かつ極めて透過的(transparent)に整理されるので、それにより、プリントショップにおける作業が円滑化される。この目的を達成するために、本発明の実施形態による印刷ジョブ管理サーバは、新規の印刷ジョブを解析し、さらに、それらの印刷ジョブが目的別に整理され、以降の工程においてサーバおよびオペレータによって使用可能となるように、所定の条件に基づいていくつかのグループに分類する。
【0059】
図5は、本発明の一実施形態における印刷ジョブ管理サーバにより実行される複数の印刷ジョブの管理方法を説明するためのフローチャートである。S501において、印刷ジョブ管理サーバは、複数の印刷ジョブを受信する。S502において、印刷ジョブ管理サーバは、新規印刷ジョブを分類するためのグルーピング条件を指定する。S501はS502の前に実行されても後に実行されてもよく、これらが同時に実行されてもよい。S502において指定されたグルーピング条件に従って、印刷ジョブ管理サーバは、全ての新規印刷ジョブを、ユーザによる操作なしに自動的にグルーピングする(S503)。S504において、印刷ジョブ管理サーバは、ユーザまたは印刷ジョブ管理サーバがグルーピング結果を利用できるように、グルーピング結果を送信する。例えば、S504において、印刷ジョブ管理サーバは、以降の工程においてユーザがグルーピングに関する情報を利用できるように、付属の表示モニタによってグルーピング結果をユーザに表示する。また、特定のグループへ割り当てられた印刷ジョブは、印刷処理のため、手動または自動的に特定のプリンタに送られることができる。
【0060】
本発明の実施形態による印刷ジョブ管理サーバは、グルーピング条件が与えられると、全ての新規印刷ジョブの解析およびグルーピング処理を自動的に開始するように構成されることができる(以後、「自動グルーピングモード」と称する)。その代わりに、印刷ジョブ管理サーバは、先ず、全ての新規印刷ジョブがインボックスパネル内の新規ジョブを表すヘッダの下に位置されるようにし、ユーザからの要求があり次第グルーピング処理を開始するように構成されることもできる(以後、「オンデマンド・グルーピング」と称する)。どちらのモードにおいても、一旦グルーピングが開始されると、ユーザによる介在は一切不要になる。すなわち、印刷ジョブのグルーピングは、ユーザによって中断されるか、またはグルーピングが完了するまで継続する。なお、印刷ジョブが既存のどのグループにも属さないと判断された場合、そのジョブは、インボックスパネル内の新規ジョブのヘッダの下に置いたままにされ、どのグループにも分類されないことになる。
【0061】
図6は、グルーピング処理の結果を表示するインボックスパネルを示す図である。図6に示されるように、グルーピングされた印刷ジョブは、インボックスパネル内で、各々対応するグループ名のヘッダの下に配置される。また、各々の印刷ジョブの基本的なジョブパラメータ値が画面上に見やすく表示される。このインボックスパネルは、現時点で、「BIL」グループと「1 ET」グループの少なくとも2つのグループが存在することを示している。この「BIL」グループは3つの印刷ジョブからなる。「BIL」グループとしてリストアップされている全ての印刷ジョブは、同一の優先順位の設定値、同一の用紙サイズの設定値、および同一のカラーの設定値(白黒)を有している。しかし、「1 ET」グループの印刷ジョブ(ジョブ番号99999_2)は、少なくとも用紙サイズおよびカラー設定に関して「BIL」グループとは異なっている。このような視覚的表示は、ユーザにとって、印刷ジョブのグルーピング状態を確認するための便利かつ信頼性の高い手段となる。例えば、これにより、オペレータが印刷ジョブをプリンタ(またはクラスタや仮想キュー等の仮想的な印刷装置)に割り当てる時間が削減されるほか、より効率的なプリンタの利用が実現される。なお、グルーピング条件を適切に設定することで、所定のグループに分類された全ての印刷ジョブが単一の送信先装置(プリンタ、クラスタまたは仮想キュー)に同時に送信されるようにすることが可能である。例えば、図6における「BIL」グループの3つの印刷ジョブは、適当な白黒プリンタに全ての同時に送信されることが可能である。
【0062】
ターゲットグループの手動作成(Manual Creation of Target Groups)
印刷ジョブをグルーピングするための条件として、新規印刷ジョブを割り当てるための固定されたターゲットグループを予め設定することが可能である。例えば、プリントショップのオペレータは、メイン画面上でアクセル可能なグループエディタを用いて、所定のジョブパラメータの値を指定することで、個々のターゲットグループを手動で作成することができる。図7は、グループエディタの画面の一例である。図7に示されるように、オペレータは、ジョブパラメータの値をタイプするか、ドロップダウンメニューから選択することができる。本例において、あるグループを定義するためにユーザにより指定されるジョブパラメータは、「顧客情報(Customer Information)」(例えば、顧客名)、「優先順位(Priority)」(高、中、低)、「カラー設定(Color Setting)」(カラーのみ、白黒のみ、混合)、「部数(Copies)」(印刷枚数)、「用紙(Paper)」(サイズ、タイプ、重量、色、給紙トレイ番号)、「仕上げ処理(Finishing)」、および「特別な指示(Special Instruction)」を含む。なお、好ましいモードにおいて、あるグループを定義するために指定される一連のジョブパラメータは、上述のジョブチケットを定義するために指定されるジョブパラメータの一部である。
【0063】
なお、上記の方法の代わりに、特定の印刷ジョブを参照することによりグループを作成することもできる。このとき、オペレータは、1つの印刷ジョブを選択し、グループエディタを用いて、選択されたジョブのジョブパラメータ値の全部または一部を新しいグループに適用することによって、新しいグループを作成することができる。例えば、印刷ジョブ管理サーバは、オペレータが、画面上でインボックスパネル内に示された印刷ジョブを右クリックして「グループ作成」のオプションを選択し、その印刷ジョブのジョブチケットから送信された全てのジョブパラメータ値が包含されたグループエディタ画面を開くことができるように構成されることができる。オペレータは、全ての値をそのまま承認するか、必要に応じてジョブパラメータ値の一部を削除または修正することによって、新しいグループを作成することができる。こうすることで、オペレータは所望のグループを容易に作成することができる。
【0064】
上記のようなグループエディタを用いれば、オペレータは多数のジョブパラメータの値を指定することができるが、グループを定義するためには、グループエディタ画面上に現れる全てのジョブパラメータの値を指定しなければならないというわけではない。つまり、一部のジョブパラメータの値のみを指定した場合は、そのジョブパラメータの値のみによって定義されるグループ(これを高レベルグループと称する)が作成される。例えば、「カラー」のジョブパラメータを「白黒」に設定し、「用紙サイズ」のジョブパラメータを「8.5×11」に設定してグループを作成した場合、カラーおよび用紙サイズのジョブパラメータ値がそれと同じ(すなわち、「白黒」および「8.5×11」)である新規印刷ジョブは、他のジョブパラメータの値が何であろうと、全てそのグループに割り当てられることになる。よって、ユーザの要望およびシステム設計に応じて、相互排他的なグループや、重複するグループや、階層構造のグループが作成可能である。しかし、必要に応じて、サーバは、所定の種類のグループの作成のみを許可するように構成されることもできる。例えば、サーバは、相互排他的なグループのみがユーザによって作成可能となるように構成されることができる。さらに、ジョブパラメータとして特定の値を指定する代わりに、一定の範囲のジョブパラメータを指定することによってグループを定義することもできる。
【0065】
さらに、頻繁に利用されるグループを初期設定のグループとして予め準備しておき、それをジョブ管理サーバにインストールしておくことも可能である。初期設定のグループを定義するためのデータは、印刷ジョブ管理サーバからアクセス可能な記憶装置に格納されうる。
【0066】
図8は、本発明の一実施形態による、予め定義されたグループを用いたグルーピング方法を示すフローチャートである。本例は、サーバが既にグルーピング条件に基づき新規印刷ジョブを割り当てるためのグループの定義を完了した状態を想定している。先ず、印刷ジョブ管理サーバは、ユーザにより作成された全ての既定グループの解析を行って(S801)、これらのグループの特性を判定し、さらに、これらのグループのジョブパラメータ値と、新規印刷ジョブの対応するパラメータ値とを比較する(S802)。ここで、ジョブチケットによって定義された新規ジョブが、あるグループのジョブパラメータ値に適合した場合、そのジョブは当該グループに割り当てられ(S804)、画面上のインボックスパネル内の当該グループを表すヘッダの下にリストアップされる。一例として、「1 ET」のグループが、「顧客(Customer)」、「カラー設定(Color Settings)」、「部数(Copies)」、「用紙(Paper)」、「仕上げ処理(Finishing)」、「特別な指示(Special Instruction)」のジョブパラメータを指定することにより定義された場合を想定する。このとき、個々のジョブパラメータ値が完全に一致する印刷ジョブを印刷ジョブ管理サーバが検出すると、そのジョブはインボックスパネル内の「1 ET」のグループのヘッダの下に配置されることになる。この他にも、比較/グルーピングのために適切に設計されたアルゴリズムが使用されうる。
【0067】
ターゲットグループの自動作成(Automatic Creation of Target Groups)
印刷ジョブ管理サーバは、予め定義されるか、またはユーザにより指定される受動的なターゲットグループを用いる代わりに、新規印刷ジョブのパラメータ値に基づいて能動的にターゲットグループを作成するように構成されることもできる。このモードにおいて、先ずサーバは、1つまたは複数の検討すべきジョブパラメータを決定し、新規印刷ジョブにおけるこれらのジョブパラメータ値を解析する。サーバは、これらのジョブパラメータ値に応じて、新規印刷ジョブを個々のグループに分類する。つまり、これらの特定のパラメータの値に基づいてグループが作成されることになり、ユーザが自らグループを作成する必要性はなくなる。印刷ジョブ管理サーバは、このような方式を、自動的なグルーピング動作を実行するためのグルーピング条件として採用することができる。
【0068】
図9は、本発明の一実施形態において、上記グルーピング動作のためにサーバにより実行されうるアルゴリズムの一例を示す。図9に示されるように、先ずユーザは、グルーピング条件を定義するための特定のジョブパラメータ(1つまたは複数)を選択する(S901)。そして、最初の印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブ(ジョブチケット)から、上記の選択されたジョブパラメータの値が読み出され、その選択されたジョブパラメータの値が最初の印刷ジョブと同一である全ての印刷ジョブを割り当てるための第1グループが定義される(S905)。ここで、最初の印刷ジョブを割り当てるためのグループは予め定義されていないものとする。そして、このようにして作成された第1グループに、最初の印刷ジョブが分類される(S904)。続いて、それ以降に受信された印刷ジョブが解析され、それらが第1グループに属するか否かが判断される(S902,S903)。それらの印刷ジョブのうち、上記の選択されたジョブパラメータの値が第1グループと同じであるものは、第1グループに割り当てられる(S904)。また、上記の選択されたジョブパラメータの値が第1グループのそれとは異なっている印刷ジョブが受信された場合、その印刷ジョブ中の新規なジョブパラメータ値に基づき、新たに第2グループが作成される(S905)。その後も、同様の動作によって、第3、第4…の新たなグループが次々と作成される。つまり、グルーピング動作の基準となる印刷ジョブパラメータ(1つまたは複数)が一旦選択されると、グルーピング動作(S902〜S905)は、ユーザの操作がなくても自動的に実行される。この他にも、比較/グルーピングのための適切に設計されたアルゴリズムが採用されうる。
【0069】
また、オペレータは、印刷ジョブのグルーピングのための基準を定義するジョブパラメータとして、例えば「仕上げ処理(Finishing)」のジョブパラメータを選択することもできる。ここで、一例として、最初の10個の新規印刷ジョブの「仕上げ処理(Finishing)」ジョブパラメータ値が、「左側ステープル綴じ」(10個のうち4つのジョブ)と「通常印刷」(10個のうち6つのジョブ)の2種類のみであった場合を想定する。これらの10個の印刷ジョブの解析が完了すると、上記2種類の「仕上げ処理(Finishing)」のジョブパラメータ値に対応する2つのグループが自動的に作成され、これら10個の印刷ジョブはそれぞれ対応するグループに割り当てられる。もし、11番目の新規ジョブの仕上げ処理(Finishing)ジョブパラメータ値が「右側ステープル綴じ」であった場合、さらに新しいグループが作成され、11番目のジョブはそのグループに割り当てられることになる。このような動作は、例えば、オペレータが中断するか、またはユーザが指定した所定数の印刷ジョブの処理が完了するまで継続される。
【0070】
このようにして作成されたグループのグループ名は、例えば、そのグループを定義するジョブパラメータの最初の3文字の後に数字を付けたものを用いるなど、予め定められた規則に従って決定されることができる。上記の例において、第1グループおよび第2グループのグループ名は、それぞれ「FIN1」および「FIN2」であり、第3グループのグループ名は「FIN3」である。このようにして、各グループに割り当てられた印刷ジョブは、画面上において、インボックスパネル内の適切なグループ名が付されたヘッダの下にリストアップされることになる。
【0071】
他の実施形態においては、このようなグルーピング動作が順次実施される代わりに、複数の印刷ジョブが前述の手法にて同時にグルーピングされうる。例えば、インボックスパネル内の新規印刷ジョブのヘッダの下に、所定の数の印刷ジョブが溜まった時点で、ユーザが、グルーピング条件を規定する1つまたは複数のジョブパラメータを選択することによって、自動グルーピングのコマンドを入力するという構成も可能である。その結果、サーバは、新規ジョブのヘッダの下にリストアップされた印刷ジョブを、前述の手法にて上から順に処理することになり、それにより、新規印刷ジョブのヘッダの下にリストアップされた全ての印刷ジョブが、選択されたパラメータに応じてグルーピングされることになる。
【0072】
このようなグルーピング動作は、オペレータが選択的にピックアップした印刷ジョブのセットに対しても適用可能である。例えば、ユーザは、インボックスパネル内の印刷ジョブを反転表示させることによって印刷ジョブのセットを選択し、それによって上述のグルーピング動作を実行するようにサーバに指示することも可能である。
【0073】
ユーザは、グルーピング動作中または完了後にインボックスパネルを閲覧するとき、グループの内容を展開およびモニターすることができる。上述の通り、オペレータは、印刷実行のため、特定のグループに属する印刷ジョブを、グループ、クラスタまたは仮想キューなどの所望の行き先装置に割り当てることができる。
【0074】
なお、サーバは、一旦グルーピングが完了したら(またはグルーピング処理中に)、印刷実行のために、特定のグループに属する全ての印刷ジョブが、即座に特定のプリンタ、特定のクラスタ、または特定の仮想キューに滞りなく送られるように構成されることも可能である(これを「自動印刷モード」と称する)。上述の自動グルーピング動作と組み合わせることで、印刷ジョブのグルーピング、プリンタへの割り当て、および印刷の実行の全てが、ユーザの操作がなくても自動的に実行されうる。このようなモードを、「全自動モード」と称する。この全自動モードにおいて、上述の能動的に作成されたグループは一定期間のみ用いられるものであってもよく、例えば、個々のグループの印刷ジョブが印刷実行のために印刷装置に送られたら自動消去されるように構成されてもよい。
【0075】
キューパネル(Queue Panel)
上述したように、印刷ジョブは、カラー、用紙タイプ、用紙サイズ、および仕上げ処理機能のオプションなどの様々なジョブパラメータを指定している。印刷ジョブにおけるジョブパラメータ設定には、ほとんど無限と言っていいほどの可能性がある。しかしながら、それぞれのプリンタの限られた機能のために、ひとたび、ある一定の方法で設定すると、かなり大規模のプリントショップであっても、設置されている複数のプリンタのうちのいくつかの初期設定を変更することなく、すべての考えうる印刷ジョブを取り扱うことができるというわけにはいかない。既存のプリンタ設定を変更しなければ取り扱うことができない印刷ジョブを、以下では「非標準印刷ジョブ」と称する。いくつかの例を挙げると、業務用の高性能プリンタであっても、レターサイズやリーガルサイズなどの特定のサイズの用紙をそれぞれ収納している有限の数の給紙トレイを有しているにすぎず、また、ある種のジョブによって要求される高性能な仕上げ処理機能を備えているとは限らない。特定の仕上げ処理機能のオプションが指定されたされた場合には、そのようなプリンタを使うことができない。このように、今日の顧客ニーズに対応するためには、プリントショップのオペレータは、非標準印刷ジョブを処理するために、用紙トレイの用紙サイズなどの既存のプリンタの設定をしばしば変更せねばならない。
【0076】
しかしながら、設定を比較的容易に変更できるプリンタを見つけることは、必ずしも容易ではない。オペレータは、インボックスパネル内のジョブエントリを選び、ジョブチケット画面を開くことによって、所望の印刷ジョブにおいて設定されたジョブパラメータ値を確認することができる。オペレータは、たとえば、送信先パネル内に表示されるプリンタのアイコンをクリックすることによって、それぞれのプリンタ(または仮想的印刷装置)のプリンタ設定を確認することもできる。そして、理論的には、オペレータは、印刷ジョブにおいて設定されたジョブパラメータ値とプリンタ設定とを手動操作で比較することによって、対応するパラメータ値がその印刷ジョブに最も近似する初期プリンタ設定を備えたプリンタを見つけ出すことができる。しかしながら、多数のプリンタ(および仮想的印刷装置)が印刷に利用可能なとき、このような検索は面倒であり時間がかかる。
【0077】
上述した自動印刷を用いると、どのグルーピング条件にも適合しない印刷ジョブを新規ジョブウィンドウ枠内にしばしば残されたままになってしまう。これらの印刷ジョブを印刷するためには、これらが手動操作によりプリンタに割り当てられねばならない。また、ユーザは、自動化されたグルーピングおよび印刷のオプションが可能である場合であっても、プリンタを手動で選択することを選ぶことも可能である。多数のプリンタが利用可能である場合、最適、すなわち正確に適合する送信先装置(プリンタ、クラスタ、または仮想キュー)を見つけ出すことは、困難であり時間がかかる。
【0078】
本発明の実施形態にかかる印刷ジョブ管理サーバは、印刷ジョブのジョブパラメータ値に正確あるいは近似的に適合する印刷装置(プリンタ、クラスタ、または仮想キュー)をユーザが見つける上での手助けとなる便利な機能を提供する。一実施形態において、印刷ジョブ管理サーバは、各プリンタにおけるプリンタ設定と印刷ジョブにおける対応するジョブパラメータ値とを比較し、一つのプリンタにおけるプリンタ設定が、いずれも印刷ジョブの対応するパラメータ値に適合する場合には、その適合がユーザに通知される。
【0079】
特定の実施形態においては、印刷ジョブ管理サーバは、ユーザの要求によりキューパネルを起動することができる。例えば、オペレータがインボックスパネル内の印刷ジョブエントリの一つをクリックすることによって特定の印刷ジョブを選択する場合に、キューパネルウィンドウが表示される。キューパネルは、印刷ジョブのために利用可能な印刷装置としてジョブ管理サーバによって関連付けまたは定義された全てのプリンタ、クラスタ、および仮想キューを表示し、対象となっている印刷ジョブの対応するジョブパラメータ値に適合するプリンタ設定を強調表示する。
【0080】
図10は、特定の印刷ジョブのキューパネルの一例を示す。図10を参照すると、キューパネルは、すべての利用可能なプリンタおよびソフトウェア定義の仮想印刷装置、すなわわち、プリンタ、クラスタ、および仮想キューを、各プリンタにおけるカラー、用紙サイズ、および用紙種類などのプリンタ設定とともに一覧表示する。これらのパラメータのプリンタ設定が、印刷ジョブで指定されている対応するジョブパラメータの値と適合する場合には、このようなプリンタ設定は強調表示される。このような情報により、ユーザは、印刷ジョブを処理するのに最適な印刷装置を絞り込み、検索することができる。図10の実施例では、キューパネルは、白黒プリンタ1 1050が各々種類の異なる様々なサイズの用紙を格納する複数の用紙トレイ1−3を有していることを示している。黄色で示したように、キューパネルは、プリンタのトレイ2の用紙サイズおよび用紙タイプの設定が、この特定の印刷ジョブの用紙サイズおよび用紙タイプの値に適合することを示している。同様に、他の強調表示された部分は、プリンタ設定が、この印刷ジョブのいくつかのジョブパラメータ値と適合することを示している。作動状態、スプールされている印刷ジョブの数、および概算の待ち時間のような各プリンタのステータスも、オペレータを支援するために、冒頭行に表示されており、この点もユーザに利便となる。たとえば、2つのプリンタが、これら3つのプリンタ設定に関して正確な適合を持つと認められた場合、オペレータは、プリンタのうち印刷の待ち時間が短い一つを選ぶことができる。
【0081】
このようにしてキューパネルは、各印刷装置が、印刷ジョブによって要求されているジョブパラメータ値に、どのように適合しているかについて表示する。したがって、ユーザは、容易かつ迅速に印刷装置を見つけて、要求された印刷ジョブを実行させたり、その要求された印刷ジョブを実行するために変更すべきプリンタ設定を見つけ出したりすることができる。要するに、キューパネル内のデータは、本来であれば時間がかかりかつ困難である作業をオペレータが完了するために必要となる重要なデータを提供する。
【0082】
ここで、完全には適合しないプリンタ(すなわち、用紙サイズについて適合しないなど)が印刷ジョブを受信した場合、選択されたプリンタのモニタが、送られてきた印刷ジョブを完了するためにはオペレータがある種の手動作業をしなければならないことを知らせる警告メッセージを表示するように印刷ジョブ管理システムを構成することができる。例えば、サーバにおいてオペレータが、カラーおよび用紙タイプの設定のみが適合するプリンタを選択した場合、オペレータは、そのプリンタにおいて印刷ジョブを処理するためには、ある給紙トレイの用紙サイズを特定の用紙サイズに変更することが必要である旨の通知を受ける。他の方法では、そのような非適合プリンタをジョブ送信先として選択する前に、オペレータが予め用紙サイズを変更することによって、キューパネルが、そのプリンタへの完全な適合を直ちに表示するようにすることもできる。
【0083】
上記の実施例のキューパネルも、以下のような効果を有する。上述したように、クラスタは、一つの印刷ジョブを処理するために特定のルール/アルゴリズムに従って2つまたはそれ以上のプリンタを互いに結合させたものである。キューパネルは、オペレータがこれら複数のリンクされたプリンタについて理解し、これらプリンタのどの特性が選択された印刷ジョブの要求に適合するのかを判断するための評価基準を視覚的に提供する。この視覚的な判断基準は、クラスタの特徴をさらに検索、識別、および使用しやすくする。クラスタに関して、完全な適合が見つからなかったとしても、クラスタを、選択された印刷ジョブに完全に適合させる状態(あるいは、完全な適合に準じた状態にさせる)ためには、どのプリンタ設定を変える(あるいは、無効にする)必要があるかについて容易に確認することができる。
【0084】
印刷キューパネルに表示することができるプリンタ設定は、カラー、用紙サイズ、および用紙タイプに限定されない。印刷管理システムでの必要性および設計に応じて、たとえば仕上げ処理のオプションやレイアウト設定(たとえば、両面か片面か)などの他のパラメータについても、上記のパラメータに加えて、あるいは上記のパラメータに代えて、一覧表示することができる。
【0085】
このように、オペレータが、印刷ジョブ用の仮想的または実在の印刷装置を決定する上で役に立つように、キューパネルは、送信先装置(プリンタ、クラスタ、および仮想キュー)を、プリンタのステータス情報、および特定の印刷ジョブとの各プリンタ設定の適合性に関する情報とともに、リストアップする。このことは、特に、様々なプリンタ設定を持つ多数のプリンタが印刷管理サーバによる管理を必要としている場合に、有益かつ便利である。
【0086】
好適な態様においては、上述のとおり、キューパネルは、接続中のプリンタおよび他の仮想的印刷装置(クラスタおよび仮想キュー)をリストアップする。しかしながら、ユーザの選択に応じて、少なくとも一つの設定値が、対象となっている印刷ジョブのジョブパラメータ値に適合すると認められたプリンタのみをリストアップすることもできる。このような機能は、サーバによって制御される接続中のプリンタ数が非常に多くて、そうしないと、プリンタおよび他の仮想的印刷装置のリストが長くなってしまう場合に、特に有用である。
【0087】
印刷装置(プリンタ/クラスタ/仮想キュー)推奨(Printing Device(Printer/Cluster Visual Queue)Recommendation)
上述したように、キューパネルは、接続されている実在または仮想的な印刷装置(プリンタ、クラスタ、および仮想キュー)を、プリンタステータスについての情報および特定の印刷ジョブとの各プリンタ設定の適合性に関する情報とともに、リストアップする。このキューパネルに表示される情報に基づいて、オペレータは、一番良く適合する送信先装置および/または2番目の送信先装置を手動で決定することができる。本発明の他の実施形態においては、印刷ジョブ管理サーバは、このような決定をユーザに定義された条件、すなわち予め設定された条件にしたがって実行することができる。このことは、さらに印刷管理動作の容易さと効率をさらに改善することになる。
【0088】
一実施形態において、ある印刷ジョブが与えられると、本発明の印刷ジョブ管理サーバは、その特定の印刷ジョブのための1つまたは複数の印刷装置(プリンタ、クラスタ、または仮想キュー)を推奨する。ソフトウェアにより実行されるアルゴリズムを用いることによって、例えば、印刷ジョブ管理サーバは、先ず、印刷される文書のカラー(すなわち、その印刷ジョブにおけるカラーのジョブパラメータ)をサポートする印刷装置を検索する。それから、最も良く適合する印刷装置の検索範囲が順次狭くなるように、印刷ジョブ管理サーバは、仕上げ処理オプションが適合するものを検索し、次いで、用紙サイズおよび用紙タイプのような用紙関連のオプションが適合するものを検索する。このアルゴリズムは、サーバにインストールされた印刷ジョブ管理ソフトウェアに予め設定されていてもよく、また、ユーザの入力により変更または修正されてもよい。例えば、サーバは、それが設定値を検討する際の優先順位をオペレータが推奨の実行に先立って決定することができるように構成されることもできる。これに代えて、あるいはこれに加えて、推奨動作を実行する際にどのパラメータをどのような順番で用いるべきかについて、使用されるアルゴリズム自体をオペレータが指定することもできる。
【0089】
特定の実施形態においては、まず、オペレータが特定の印刷ジョブを選択し、ドロップダウンメニューから「一覧推奨(View Recommends)」のオプションを選択すると(あるいは、メイン画面のアイコン・バーでの一覧推奨のアイコンを選択すると)、サーバは、推奨する一または複数の印刷装置を決定するために、上述したアルゴリズムにしたがって検索動作を実行する。そして、サーバは、オペレータに対して推奨する印刷装置を視覚的に表示するために一覧推奨パネルを立ち上げる。本例においては、一覧推奨パネル内の記載事項の配列がキューパネルの場合と類似しているが、一覧推奨パネルは、印刷ジョブ管理サーバによって推奨されたこれら印刷装置(プリンタ、クラスタ、または仮想キュー)のみをリストアップするものに限られない。
【0090】
キューパネルでの場合のように、一覧推奨パネルは、リストアップされたプリンタのステータスを表示してもよい。一覧推奨パネルに表示された情報に基づいて、オペレータは、その印刷ジョブを処理するためにどの送信先装置を使用するかを直ちに決定することができる。例えば、正確に適合している装置が複数ある場合に、オペレータはより待ち時間が短い装置を選ぶことができる。
【0091】
図11は、一覧推奨パネルの一例を示している。図11において、白黒プリンタ1および白黒プリンタ2が一覧推奨パネルに表示されており、それらがジョブチケット#0003のために推奨された印刷装置であることを示す。緑色で強調表示されたプリンタ名および対応するプリンタ設定の行に示されるように、これらのプリンタは共に、用紙サイズ、用紙タイプ、およびカラー設定において完全に適合しており、これらのプリンタの適合性は等しい。しかしながら、白黒プリンタ2の接続状況は、修理が必要であり即時印刷に利用不可であることを意味する「エラー」を示している。そのため、恐らくオペレータはこの印刷ジョブのために白黒プリンタ1を選ぶことになるだろう。
【0092】
図12は、一覧推奨パネルの他の例を示している。ここで、クラスタ1が一覧推奨パネルに表示されているが、これは、クラスタ1がジョブチケット#0001のために推奨された印刷装置であることを示している。黄色で強調表示されているプリンタ名の行に示されているように、カラープリンタ2は、対応する印刷ジョブのジョブパラメータ値に完全に適合するプリンタ設定値を現時点で有していない。本例においては、用紙タイプのジョブパラメータが不適合である。オペレータは、カラープリンタ2のトレイ2に格納された用紙を手動で交換する必要があるが、必要に応じて、このジョブチケットを実行するために、強制的にプリントジョブがトレイ2で処理されるようにすることができる。
【0093】
このようにサーバは特定の印刷ジョブに適した印刷装置を決定することができ、その結果がそれぞれの推奨された印刷装置のステータス情報とともに視覚的に表示されるので、オペレータは、印刷実行またはプリンタ設定値変更のために、印刷装置に関する最善のオプションを簡単に識別することができる。
【0094】
選択パネル(Selection Panel)
他の実施形態においては、キューパネルおよび一覧推奨パネルの上記の特徴が組み合わせられて、これらのパネルに関する上述した全ての情報および機能が、便利に設計された単一のパネルからアクセス可能となる。特定の実施形態においては、キューパネルおよび一覧推奨パネルの代わりに一覧選択パネルが提供される。ユーザが、インボックス内の印刷ジョブを選択し、アイコン・ヘッダ行の(あるいはドロップダウンメニューの)「一覧選択」ボタンをクリックすると「選択パネル」が開かれる。推奨される印刷装置(1つまたは複数)は、上述と同様の方法で表示される。例えば、推奨された印刷装置は、強調表示され、プリンタ設定値が特定の印刷ジョブのジョブパラメータ値にどのように適合しているかを表示するように展開される。関係する全てのプリンタ設定値に関して完全な適合性を有する印刷装置は、緑色に強調表示されることができ、対応するトレイも同様に緑色に強調表示されることができる。プリンタ設定値の一部のみが適合しているため次善の適合性を有するものは、黄色で強調表示されることができる。したがって、上述したように、印刷装置が印刷ジョブに適合している程度は、異なる色を用いて表現することができる。
【0095】
他の全ての非推奨印刷装置も同じ選択パネルに表示される。スペースを節約するために、例えば、完全な適合性を有していない印刷装置は、印刷装置名の表示のみによってリストアップされてもよい。しかしながら、必要に応じて、オペレータは、印刷装置名をクリックしてそれを展開することで、選択された印刷装置の詳細なプリンタ設定値の確認、および各々のプリンタが特定のジョブパラメータ値にどのように適合しているかを確認することができる。上述のキューパネルの場合と同様に、特定の印刷ジョブパラメータ値に適合する個々のプリンタ設定値が別途黄色で強調表示されてもよい。
【0096】
図13は、選択パネルの一例を示す。パネル上部のヘッダ行には、パネル自体の名称である「選択パネル」とともに、サーバに接続中のプリンタ、クラスタ、および仮想キューの台数が表示される。ヘッダ行の真下には、印刷ジョブによって指定されている用紙サイズ、用紙タイプ、カラー、および仕上げ処理オプションのみならず、ジョブチケット番号およびジョブ名称を示すジョブチケット情報が表示されている。本例は、仕上げ処理オプションに関する印刷ジョブパラメータとして、ステープル、折り、製本、および両面印刷が指定するものである。
【0097】
パネルの他の部分も、上述のキューパネルおよび一覧推奨パネルと同様の方法で設計されている。このパネルは、印刷装置(プリンタ、クラスタ、仮想キュー)をそのプリンタ設定値とともにリストアップしており、これらのプリンタ設定値が印刷ジョブにおいて指定されたジョブパラメータ値とどの程度一致しているかを表示している。図13の例において、用紙トレイの各行は、各用紙トレイから供給される用紙に対してステープル、折り、製本、および両面印刷などの仕上げ処理オプションを実行可能であるか否かの情報に加えて、各トレイ内にある用紙のサイズ、タイプ、および色を表示している。例えば、ステープルの列における「X」の印は、ステープル仕上げ処理が利用可能であることを示している。
【0098】
本例において、プリンタ1およびそのトレイ1は緑色で強調表示されているが、これはプリンタ設定値が要求された印刷ジョブに適合していることを示している。実際に、パネル上部に表示されている印刷ジョブのジョブパラメータ値は、プリンタ1のトレイ1について表示されている個々のプリンタ設定値に適合していることがわかる。
【0099】
選択パネルのウィンドウのサイズは、最初にパネルを開いたときに、推奨された印刷装置がウィンドウ内に納まるように設定される。図13においては、上部に強調表示されたプリンタ1が示されており、その下にプリンタ2と、クラスタおよび仮想キューの折り畳まれたエントリとが示されている。しかしながら、本例における選択パネルは、サーバに接続された全ての印刷装置(プリンタ、クラスタ、仮想キュー)を含んでいるため、キューパネルに関連して上述したような各装置のステータスおよび他の情報も、本パネルを介したユーザのアクセスが可能となっている。ウィンドウの下方向へのスクロールおよび/またはウィンドウの展開により、ユーザは、印刷装置にアクセスし、その内容を確認することができる。
【0100】
推奨される印刷装置として適していない印刷装置は、スペース節約のために、それらの名称(もし、印刷装置のタイプ自体が適合しない場合は、それらのタイプ)のみを示すように折り畳まれて表示される。図13においては、クラスタおよび仮想キューについて推奨される印刷装置は存在しない。したがって、選択パネルには、装置(クラスタ、および仮想キュー)のタイプ名のみが表示されている。ユーザは、これらの装置のプリンタ設定値を参照したい場合は、先ずタイプ名をクリックし、続いて装置名をクリックすることにより表示を展開することができる。
【0101】
キューパネルおよび一覧推奨パネルの場合と同様に、選択パネルも印刷装置のステータスを一覧表示する。選択パネルに表示された情報に基づき、ユーザは、印刷ジョブ実行のためにどの印刷装置を使うべきかを直ちに決定することができる。例えば、正確に適合する印刷装置が複数ある場合、オペレータは、待ち時間がより短い装置を選択することができる。さらに、適切なアルゴリズムを用いることにより、サーバは、これらの印刷装置のステータス情報を参照し、最も良く適合する印刷装置を、ユーザへの表示のために自動的に特定するように構成されることができる。
【0102】
上記の説明において、「白黒」という用語は、もし白黒プリンタが、(たとえば、中間調化または他の適切な方法により)グレースケール画像を印刷できる場合にはグレースケールを含むものとする。
【0103】
上記の実施形態は、一箇所のプリントショップの環境に適用されるように記述されたが、本発明は、店舗またはネットワークのどのような物理的環境にも制限されることはなく、異なる場所にある複数のプリンタがサーバに接続されているような分散型の設定を有するプリントショップのシステムにも適用することができる。特に、プリントショップのシステムの少なくとも1つの構成要素が、仮想私設通信網(VPN)またはインターネット経由の同様の手段を介して、同システムの残りの構成要素と通信することができることは明らかである。さらに、図1を参照すると、上記の実施例におけるサーバ4は、ネットワークサーバのみならず、印刷ジョブ管理サーバとしても機能しうるが、印刷ジョブ管理ソフトウェアを実行するために個別のスタンドアロン型コンピュータが提供されてもよい。また、適切な構成によれば、印刷ジョブ管理サーバの役割を担うために、クライアントコンピュータ1および2の片方、またはプリンタ5〜9のいずれか1つに取り付けられたコンピュータ(このようなプリンタが存在する場合)使用されることができる。なお、これまでに参照した図においては、メイン画面、インボックスパネル、プリンタジョブパネル、完了ジョブパネル、送信先パネル、およびインフォメーションパネルを含む各種ウィンドウについて詳細なデザインを示したが、本発明は、これらの図面において表現され、かつ上記において説明された特定のデザインに限定されるものではなく、上記において説明された作用および機能を実施可能な他の様々なデザインを広範に含むものとする。さらに、上記においては、一例として適切なソフトウェアを備えたWindows(登録商標)ベースのサーバコンピュータについて説明したが、本発明の印刷管理システムは、上術の印刷管理システムの各種機能を実行するために特別に設計された独自仕様のハードウェアシステムに実装されることもできる。
【0104】
本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の印刷ジョブ管理方法および装置について様々な変更および変形をなすことが可能であることは、当業者にとって明らかである。したがって、本発明は、添付した請求の範囲およびその均等物に含まれる変更例および変形例に及ぶことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】複数のプリンタを備えた印刷管理システムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による印刷ジョブ管理装置の表示部に現れるメイン画面を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるプリンタ管理方法を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるジョブチケットのデータ内容を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による複数の印刷ジョブの管理方法を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によるインボックスパネルの画面を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるグループエディタの画面を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態によるグルーピング方法を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態によるグルーピング方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態による、特定の印刷ジョブのためのキューパネルの一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による一覧推奨パネルの一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による一覧推奨パネルの他の例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態による選択パネルの一例を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示モニタとプリンタとに接続された印刷ジョブ管理装置において実行されるプリンタ管理方法であって、
前記プリンタのリスト、および1つ以上のプリンタと印刷ジョブを処理するために予め定義された規則とを指定することによって各々定義される1つ以上の仮想的印刷装置のリストを、前記表示モニタに表示するステップと、
前記仮想的印刷装置を選択するユーザからの指令を受信するステップと、
前記指令に応じて、前記表示モニタ上にリストアップされた前記プリンタのうち、選択された前記仮想的印刷装置により指定された前記1つ以上のプリンタを視覚的に目立たせるステップと、を含むことを特徴とするプリンタ管理方法。
【請求項2】
前記プリンタのリストおよび前記仮想的印刷装置のリストは、それぞれ、前記プリンタおよび前記1つ以上の仮想的印刷装置の視覚的表示を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ管理方法。
【請求項3】
前記プリンタのリストは、各々のプリンタのステータスを表示することを特徴とする請求項1に記載のプリンタ管理方法。
【請求項4】
前記プリンタのステータスは、未処理であり新規印刷ジョブの処理前に処理される必要がある印刷ジョブの数を含むことを特徴とする請求項3に記載のプリンタ管理方法。
【請求項5】
前記プリンタのステータスは、前記プリンタの作動状態を含むことを特徴とする請求項3に記載のプリンタ管理装置。
【請求項6】
前記プリンタのステータスは、色分け表示されることを特徴とする請求項3に記載のプリンタ管理装置。
【請求項7】
前記プリンタのリストおよび前記仮想的印刷装置のリストは、それぞれ前記プリンタおよび前記1つ以上の仮想的印刷装置のアイコン表示を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ管理装置。
【請求項8】
仮想的印刷装置を定義するユーザからの指令を受信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ管理方法。
【請求項9】
前記指令に応じて、選択された前記仮想的印刷装置の前記予め定義された規則を、前記表示モニタに表示するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ管理方法。
【請求項10】
表示モニタを備え、プリンタに接続された印刷ジョブ管理装置において実行されるプリンタ管理方法であって、
予め定義された条件に従って、前記プリンタの各々の利用可能性を判定するステップと、
前記プリンタおよび前記プリンタの利用可能性を、前記表示モニタに表示するステップと、を含むことを特徴とするプリンタ管理方法。
【請求項11】
予め定義された条件に従って、前記プリンタの各々の利用可能性を判定する前記ステップは、
新規印刷ジョブの処理前に前記プリンタによって処理される必要がある未処理の印刷ジョブの数を判定するステップと、
前記プリンタが作動中であるか否かを示すプリンタ作動状態を判定するステップと、
判定された前記未処理の印刷ジョブの数および判定された前記プリンタ作動状態に応じて、前記利用可能性の大小を導出するステップと、を含むことを特徴とする請求項10に記載のプリンタ管理方法。
【請求項12】
前記プリンタの各々の利用可能性を判定する前記ステップは、前記利用可能性の大小を描画により表示するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載のプリンタ管理方法。
【請求項13】
前記利用可能性の大小を描画により表示する前記ステップにおいては、色分けによる表示が行なわれることを特徴とする請求項12に記載のプリンタ管理方法。
【請求項14】
表示モニタに接続され、プリンタに接続されたデータ処理装置を制御するためのプリンタ管理プログラムであって、
前記プリンタのリスト、および1つ以上のプリンタと印刷ジョブを処理するために予め定義された規則とを指定することによって各々定義される1つ以上の仮想的印刷装置のリストを、前記表示モニタに表示する手順と、
前記仮想的印刷装置を選択するユーザからの指令を受信する手順と、
前記指令に応じて、前記表示モニタ上にリストアップされた前記プリンタのうち、選択された前記仮想的印刷装置により指定された前記1つ以上のプリンタを視覚的に目立たせる手順と、を前記データ処理装置に実行させるためのプログラム。
【請求項15】
前記プリンタのリストおよび前記仮想的印刷装置のリストは、それぞれ前記プリンタおよび前記1つ以上の仮想的印刷装置の視覚的表示を含むことを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記プリンタのリストは、各々のプリンタのステータスを表示することを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項17】
前記プリンタのステータスは、未処理であり新規印刷ジョブの処理前に処理される必要がある印刷ジョブの数を含むことを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記プリンタのステータスは、前記プリンタの作動状態を含むことを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項19】
前記プリンタのステータスは、色分け表示されることを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項20】
前記プリンタのリストおよび前記仮想的印刷装置のリストは、それぞれ前記プリンタおよび前記1つ以上の仮想的印刷装置のアイコン表示を含むことを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項21】
仮想的印刷装置を定義するユーザからの指令を受信する手順をさらに前記データ処理装置に実行させるための請求項14に記載のプログラム。
【請求項22】
前記指令に応じて、選択された前記仮想的印刷装置の前記予め定義された規則を、前記表示モニタに表示する手順をさらに前記データ処理装置に実行させるための請求項14に記載のプログラム。
【請求項23】
表示モニタに接続され、プリンタに接続されたデータ処理装置を制御するためのプリンタ管理プログラムであって、
予め定義された条件に従って、前記プリンタの各々の利用可能性を判定する手順と、
前記プリンタおよび前記プリンタの利用可能性を、前記表示モニタに表示する手順と、を前記データ処理装置に実行させるためのプログラム。
【請求項24】
予め定義された条件に従って、前記プリンタの各々の利用可能性を判定する前記手順は、
新規印刷ジョブの処理前に前記プリンタによって処理される必要がある未処理の印刷ジョブの数を判定する手順と、
前記プリンタが作動中であるか否かを示すプリンタ作動状態を判定する手順と、
判定された前記未処理の印刷ジョブの数および判定された前記プリンタ作動状態に応じて、前記利用可能性の大小を導出する手順と、を含むことを特徴とする請求項23に記載のプログラム。
【請求項25】
前記表示モニタは、導出された前記利用可能性の大小の描画表示により、プリンタの前記利用可能性を表示することを特徴とする請求項24に記載のプログラム。
【請求項26】
前記描画表示は、色分けを用いることを特徴とする請求項24に記載のプログラム。
【請求項27】
プリンタと、
表示モニタと、
前記プリンタおよび前記表示モニタに接続されたデータ処理装置と、を含み、
前記データ処理装置は、前記プリンタのリスト、および1つ以上のプリンタと印刷ジョブを処理するために予め定義された規則とを指定することによって各々定義される1つ以上の仮想的印刷装置のリストを、前記表示モニタに表示させ、前記仮想的印刷装置を選択するユーザからの指令を受信するように構成され、前記指令に応じて、前記表示モニタ上にリストアップされた前記プリンタのうち、選択された前記仮想的印刷装置により指定された前記1つ以上のプリンタを、視覚的に目立つように前記表示モニタに表示させることを特徴とするプリンタ管理装置。
【請求項28】
請求項14〜26のいずれか1つに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
表示モニタとプリンタとに接続された印刷ジョブ管理装置において実行されるプリンタ管理方法であって、
前記プリンタのリスト、および1つ以上のプリンタと印刷ジョブを処理するために予め定義された規則とを指定することによって各々定義される1つ以上の仮想的印刷装置のリストを、前記表示モニタに表示するステップと、
前記仮想的印刷装置を選択するユーザからの指令を受信するステップと、
前記指令に応じて、前記表示モニタ上にリストアップされた前記プリンタのうち、選択された前記仮想的印刷装置により指定された前記1つ以上のプリンタを視覚的に目立たせるステップと、を含むことを特徴とするプリンタ管理方法。
【請求項2】
前記プリンタのリストおよび前記仮想的印刷装置のリストは、それぞれ、前記プリンタおよび前記1つ以上の仮想的印刷装置の視覚的表示を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ管理方法。
【請求項3】
前記プリンタのリストは、各々のプリンタのステータスを表示することを特徴とする請求項1に記載のプリンタ管理方法。
【請求項4】
前記プリンタのステータスは、未処理であり新規印刷ジョブの処理前に処理される必要がある印刷ジョブの数を含むことを特徴とする請求項3に記載のプリンタ管理方法。
【請求項5】
前記プリンタのステータスは、前記プリンタの作動状態を含むことを特徴とする請求項3に記載のプリンタ管理装置。
【請求項6】
前記プリンタのステータスは、色分け表示されることを特徴とする請求項3に記載のプリンタ管理装置。
【請求項7】
前記プリンタのリストおよび前記仮想的印刷装置のリストは、それぞれ前記プリンタおよび前記1つ以上の仮想的印刷装置のアイコン表示を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ管理装置。
【請求項8】
仮想的印刷装置を定義するユーザからの指令を受信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ管理方法。
【請求項9】
前記指令に応じて、選択された前記仮想的印刷装置の前記予め定義された規則を、前記表示モニタに表示するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ管理方法。
【請求項10】
表示モニタを備え、プリンタに接続された印刷ジョブ管理装置において実行されるプリンタ管理方法であって、
予め定義された条件に従って、前記プリンタの各々の利用可能性を判定するステップと、
前記プリンタおよび前記プリンタの利用可能性を、前記表示モニタに表示するステップと、を含むことを特徴とするプリンタ管理方法。
【請求項11】
予め定義された条件に従って、前記プリンタの各々の利用可能性を判定する前記ステップは、
新規印刷ジョブの処理前に前記プリンタによって処理される必要がある未処理の印刷ジョブの数を判定するステップと、
前記プリンタが作動中であるか否かを示すプリンタ作動状態を判定するステップと、
判定された前記未処理の印刷ジョブの数および判定された前記プリンタ作動状態に応じて、前記利用可能性の大小を導出するステップと、を含むことを特徴とする請求項10に記載のプリンタ管理方法。
【請求項12】
前記プリンタの各々の利用可能性を判定する前記ステップは、前記利用可能性の大小を描画により表示するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載のプリンタ管理方法。
【請求項13】
前記利用可能性の大小を描画により表示する前記ステップにおいては、色分けによる表示が行なわれることを特徴とする請求項12に記載のプリンタ管理方法。
【請求項14】
表示モニタに接続され、プリンタに接続されたデータ処理装置を制御するためのプリンタ管理プログラムであって、
前記プリンタのリスト、および1つ以上のプリンタと印刷ジョブを処理するために予め定義された規則とを指定することによって各々定義される1つ以上の仮想的印刷装置のリストを、前記表示モニタに表示する手順と、
前記仮想的印刷装置を選択するユーザからの指令を受信する手順と、
前記指令に応じて、前記表示モニタ上にリストアップされた前記プリンタのうち、選択された前記仮想的印刷装置により指定された前記1つ以上のプリンタを視覚的に目立たせる手順と、を前記データ処理装置に実行させるためのプログラム。
【請求項15】
前記プリンタのリストおよび前記仮想的印刷装置のリストは、それぞれ前記プリンタおよび前記1つ以上の仮想的印刷装置の視覚的表示を含むことを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記プリンタのリストは、各々のプリンタのステータスを表示することを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項17】
前記プリンタのステータスは、未処理であり新規印刷ジョブの処理前に処理される必要がある印刷ジョブの数を含むことを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記プリンタのステータスは、前記プリンタの作動状態を含むことを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項19】
前記プリンタのステータスは、色分け表示されることを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項20】
前記プリンタのリストおよび前記仮想的印刷装置のリストは、それぞれ前記プリンタおよび前記1つ以上の仮想的印刷装置のアイコン表示を含むことを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項21】
仮想的印刷装置を定義するユーザからの指令を受信する手順をさらに前記データ処理装置に実行させるための請求項14に記載のプログラム。
【請求項22】
前記指令に応じて、選択された前記仮想的印刷装置の前記予め定義された規則を、前記表示モニタに表示する手順をさらに前記データ処理装置に実行させるための請求項14に記載のプログラム。
【請求項23】
表示モニタに接続され、プリンタに接続されたデータ処理装置を制御するためのプリンタ管理プログラムであって、
予め定義された条件に従って、前記プリンタの各々の利用可能性を判定する手順と、
前記プリンタおよび前記プリンタの利用可能性を、前記表示モニタに表示する手順と、を前記データ処理装置に実行させるためのプログラム。
【請求項24】
予め定義された条件に従って、前記プリンタの各々の利用可能性を判定する前記手順は、
新規印刷ジョブの処理前に前記プリンタによって処理される必要がある未処理の印刷ジョブの数を判定する手順と、
前記プリンタが作動中であるか否かを示すプリンタ作動状態を判定する手順と、
判定された前記未処理の印刷ジョブの数および判定された前記プリンタ作動状態に応じて、前記利用可能性の大小を導出する手順と、を含むことを特徴とする請求項23に記載のプログラム。
【請求項25】
前記表示モニタは、導出された前記利用可能性の大小の描画表示により、プリンタの前記利用可能性を表示することを特徴とする請求項24に記載のプログラム。
【請求項26】
前記描画表示は、色分けを用いることを特徴とする請求項24に記載のプログラム。
【請求項27】
プリンタと、
表示モニタと、
前記プリンタおよび前記表示モニタに接続されたデータ処理装置と、を含み、
前記データ処理装置は、前記プリンタのリスト、および1つ以上のプリンタと印刷ジョブを処理するために予め定義された規則とを指定することによって各々定義される1つ以上の仮想的印刷装置のリストを、前記表示モニタに表示させ、前記仮想的印刷装置を選択するユーザからの指令を受信するように構成され、前記指令に応じて、前記表示モニタ上にリストアップされた前記プリンタのうち、選択された前記仮想的印刷装置により指定された前記1つ以上のプリンタを、視覚的に目立つように前記表示モニタに表示させることを特徴とするプリンタ管理装置。
【請求項28】
請求項14〜26のいずれか1つに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−272900(P2007−272900A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−90233(P2007−90233)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(507031918)コニカ ミノルタ システムズ ラボラトリー, インコーポレイテッド (157)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−90233(P2007−90233)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(507031918)コニカ ミノルタ システムズ ラボラトリー, インコーポレイテッド (157)
【Fターム(参考)】
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