説明

送信装置および送信方法

【課題】周辺セルの検出を容易にすること。
【解決手段】送信装置は、同期チャネル信号を生成する同期チャネル信号生成部と、L1/L2制御チャネル信号を生成する制御チャネル信号生成部と、データチャネル信号を生成するデータチャネル信号生成部と、同期チャネル信号、L1/L2制御チャネル信号、データチャネル信号を多重化する多重化部と、多重化した信号を送信する送信部とを備える。多重化部では、連続する複数のサブキャリアにて形成された周波数ブロックによって、可変幅のシステム帯域が複数に分割され、多重化部は、システム帯域の幅にかかわらず、可変幅の最も狭い幅よりも狭くなるような幅であって、かつシステム帯域の中心周波数が含まれた幅に、同期チャネル信号を多重化するとともに、システム帯域の中心周波数が含まれた幅であって、かつ同期チャネル信号を多重化した幅よりも広い幅に、L1/L2制御チャネル信号、データチャネル信号を多重化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に無線通信の技術分野に関連し、特に複数の帯域で使用することが可能な基地局、移動局および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広帯域符号分割多重接続(W−CDMA)方式やGSM(登録商標)方式等に関する既存の通信システムでは、通信に使用される帯域の中心周波数はラスタ又は周波数ラスタと呼ばれる所定の周波数に一致するように規定されている。周波数ラスタは例えば200kHz毎に周波数軸上に並んでいる。
【0003】
したがって、移動局は周波数軸上で周波数ラスタを順番にサーチすることで(200kHz毎にサーチすることで)、オペレータの中心周波数を特定し、下りリンクに接続することができる。下りリンクのセルサーチについては、非特許文献1、2に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP、TS25.101、"User Equipment(UE)radio transmission and reception(FDD)"、pp.12−14
【非特許文献2】立川敬二、「W−CDMA移動通信方式」、丸善株式会社、pp.35−45
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、広狭複数の帯域を使用する直交周波数分割多重化(OFDM)方式の無線通信システムが検討されている。OFDM方式を採用するのは、それがマルチパス伝搬干渉やシンボル間干渉を効果的に抑制できる等の利点を有するからである。このような無線通信システムでは、例えば20MHzのような広帯域とその一部の帯域(例えば5MHz)とが、移動局の装置構成、基地局の装置構成およびアプリケーション等に応じて使い分けられ、多様なオペレータがサービスを提供できるように配慮されている。
【0006】
例えば、図1に示すように、複数の帯域幅を有するOFDM方式の無線通信システムに関するスペクトルは、送信帯域幅、例えば20MHzに対して、20MHzの広い帯域幅でも5MHzの狭い帯域幅でもOFDM方式の通信がそれぞれ行われる。
【0007】
このような無線通信システムには、基地局の送信帯域幅よりも狭い受信可能帯域幅を有する端末が存在する。例えば、5MHzの狭い受信可能帯域幅を有する端末は、周波数軸上で20MHzの広い帯域幅の中心を含む周波数帯域を使用して通信を行う。
【0008】
そこで、本発明の目的は、2以上の帯域の内の何れかの周波数帯域でOFDM方式の通信が行われる移動通信システムにおいて、周辺セルの検出を容易にする受信装置および受信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本送信装置は、
同期チャネル信号を生成する同期チャネル信号生成部と、
L1/L2制御チャネル信号を生成するL1/L2制御チャネル信号生成部と、
データチャネル信号を生成するデータチャネル信号生成部と、
同期チャネル信号、L1/L2制御チャネル信号、データチャネル信号を多重化する多重化部と、
前記多重化部において多重化した信号を送信する送信部とを備え、
前記多重化部では、連続する複数のサブキャリアにて形成された周波数ブロックによって、可変幅のシステム帯域が複数に分割されており、
前記多重化部は、前記システム帯域の幅にかかわらず、可変幅のうちの最も狭い幅よりも狭くなるような幅であって、かつ前記システム帯域の中心周波数が含まれた幅に、同期チャネル信号を多重化するとともに、前記システム帯域の中心周波数が含まれた幅であって、かつ同期チャネル信号を多重化した幅よりも広い幅に、L1/L2制御チャネル信号、データチャネル信号を多重化する。
【0010】
本送信方法は、
同期チャネル信号を生成するステップと、
L1/L2制御チャネル信号を生成するステップと、
データチャネル信号を生成するステップと、
同期チャネル信号、L1/L2制御チャネル信号、データチャネル信号を多重化するステップと、
多重化した信号を送信するステップとを備え、
前記多重化するステップでは、連続する複数のサブキャリアにて形成された周波数ブロックによって、可変幅のシステム帯域が複数に分割されており、
前記多重化するステップは、前記システム帯域の幅にかかわらず、可変幅のうちの最も狭い幅よりも狭くなるような幅であって、かつ前記システム帯域の中心周波数が含まれた幅に、同期チャネル信号を多重化するとともに、前記システム帯域の中心周波数が含まれた幅であって、かつ同期チャネル信号を多重化した幅よりも広い幅に、L1/L2制御チャネル信号、データチャネル信号を多重化する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施例によれば、2以上の帯域の内の何れかの周波数帯域でOFDM方式の通信が行われる移動通信システムにおいて、周辺セルの検出を容易にする受信装置および受信方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】複数の帯域幅を有するOFDM方式の無線通信システムに関するスペクトルを示す説明図である。
【図2】通信開始時のセルサーチ法を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施例にかかるセルサーチ後の使用する帯域への移動を示すフロー図である。
【図4】本発明の一実施例にかかるセルサーチを示す説明図である。
【図5】本発明の一実施例にかかる送信装置を示すブロック図である。
【図6A】SCHの送信帯域幅を示す説明図である。
【図6B】SCHの送信帯域幅を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施例にかかる受信装置を示すブロック図である。
【図8】本発明の一実施例にかかる送信装置を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施例にかかる周波数ブロックの割り当て方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0014】
本発明の実施例にかかる無線通信システムは、基地局装置と移動局装置とを備える。
【0015】
基地局は、送信帯域のうちの所定の周波数帯域を用いて移動局と直交周波数分割多重化(OFDM)方式により通信を行う。
【0016】
本実施例においては、一例として、基地局が20MHzの帯域幅を利用し、移動局が5MHzの帯域幅を利用する場合について説明するが、端末が基地局の送信帯域のある一部を使って通信を行う場合に適用できる。
【0017】
最初に、通信を開始する場合におけるセルサーチの方法について、図2および図3を参照して説明する。
【0018】
基地局および移動局は、広狭様々な周波数帯域の何れかで通信を行うことができる。本実施例においては、移動局が、基地局の送信帯域幅よりも狭い受信可能帯域幅を有する場合について説明する。本実施例において、第1の帯域とは基地局の送信信号帯域幅を示し、第2の帯域とは全端末の最低の受信可能帯域幅を示す。したがって、第1の帯域の帯域幅は、第2の帯域の帯域幅以上となる。第2の帯域の帯域幅は、基地局で、同期チャネル、報知チャネル、制御チャネルの送信帯域幅である(周波数ブロックの帯域幅)。また、第2の帯域幅は、システムで用意される複数の受信可能な帯域幅の異なる端末のうち、最小の能力の端末の受信帯域幅以下の帯域幅であり、システムによってあらかじめ決められる帯域幅である。
【0019】
移動局は同期チャネル(SCH)を利用してセルサーチを行う(ステップS302)。例えば、基地局は、送信帯域のうちの所定の周波数帯域を用いて下り信号を送信する。例えば、基地局は、第1の帯域のラスタ上の中心周波数を含み、第2の帯域で、同期チャネルを送信する。移動局は、該下りリンク信号を受信する。
【0020】
例えば、移動局は、20MHzのスペクトラムのうち、該20MHzの中心周波数を含む1.25MHz以上帯域、例えば1.25MHzまたは5MHzを検出する。基地局が20MHzの帯域を利用し、移動局も同じ20MHzの帯域を利用する場合、移動局は該20MHzの帯域の中心周波数をセルサーチで容易に発見できる。
【0021】
移動局が20MHzの帯域と中心周波数が異なる5MHzの帯域を使用する場合には、所定の同期パターンに基づいて、相関検出を行うことにより、20MHz帯域の中心周波数を検出する。相関計算では、1サブキャリアでもずれていると相関値は小さくなるため、帯域の中心を検出できる。同期パターンとして、PN符号系列、ゴールド符号系列、その他様々な系列を使用することができる。
【0022】
例えば、移動局が在圏するセルの中で、20MHz、10MHzおよび5MHzの帯域が用意され、移動局はその何れかを使用することができる。
【0023】
次に、移動局は、基地局から送信された報知チャネル(BCH)を受信し、該報知チャネルを使って、基地局により指示された周波数帯域情報を取得する(ステップS304)。基地局は、全サブキャリアにわたって同期チャネルをマッピングして送信することに加え、20MHzの帯域の中心周波数を中心とする5MHzの帯域で、全ユーザ向けの報知チャネルを送信する。5MHzの帯域を利用する移動局は、該報知チャネルの中心周波数を検出し、該周波数を中心とする5MHzの帯域で伝送される報知チャネルを適切に復調することができる。この報知チャネルには、20MHzの帯域の一部を使用する5MHzの帯域の中心周波数(通常はラスタ上にない)の位置を特定できる中心周波数情報が含まれている。中心周波数情報は例えば周波数がラスタ上の周波数とどの程度離れているかを示す情報を含んでいてもよい。
【0024】
次に、移動局は、報知チャネルを復調し、中心周波数情報を読み取り、無線部内の周波数シンセサイザを調整し、移動局が受信する5MHzの帯域の中心を該中心周波数情報に含まれる中心周波数に合わせる。すなわち、移動局は、中心周波数情報に含まれる中心周波数を含み、第2の帯域の帯域幅以上の帯域に、キャリア周波数を設定する。
【0025】
以後、移動局は、指示された帯域、例えば20MHzの帯域の右端の5MHzを用いて制御チャネル(CCH)を受信し、通信を開始する(ステップS306)。例えば、移動局は、指示された帯域のCCHを受信して、該CCHに格納されている移動局に対する着信の有無を示す制御情報(ページング情報)を参照し、自移動局宛のページング情報を取得した場合に通信を開始する。また、基地局からの指示に応じて、受信周波数帯域の更新を行う。
【0026】
次に、移動局は、指示された帯域でのデータチャネルを使用した通信を行う(ステップS308)。例えば、移動局は、ある時間において、指示された帯域内のCCHおよびデータチャネルを受信する。また、基地局からの指示に応じて、受信周波数帯域の更新を行う。移動局は、指示された帯域でのデータチャネルを使用した通信が終了すると、ステップS306に戻る。
【0027】
ステップS306およびステップS308において、移動局が在圏セルとの通信を右端の5MHzで行っている場合、図4に示すように、該移動局は、周辺セルをサーチするために、通信中に一旦、中心周波数を送信帯域の真ん中にずらして、周辺セルのサーチ、すなわちSCH、BCHの検出を行う。また、移動局は、周辺セルサーチ後に、速やかにもとの中心周波数に復帰して通信を再開する。この場合、基地局は、周辺セルサーチを行う移動局に対して、20MHzのラスタ上の中心周波数を含み、1.25MHz以上の帯域を割り当てる。
【0028】
すなわち、システム帯域幅の一部の周波数ブロックにより通信を行っている移動局、例えばシステム帯域幅の中心周波数を含む周波数ブロック以外で通信を行っている移動局が周辺セルサーチを行う場合に、中心周波数を含む周波数ブロックにおいて送信されているSCHを用いて、フレームタイミング(シンボルタイミングを含む)を検出する。この場合、スクランブルコード(セルID)は通信中セルの制御チャネルにより通知してもらう。
【0029】
このようにすることにより、SCHを用いた周辺セルサーチ時間を短くできる。その結果、高速なハンドオーバによる高品質な通信の継続が可能となる。
【0030】
この場合、基地局は、移動局が周辺セルサーチを行う可能性のある時間は、スケジューリングによる割り当てを行わないようにする。あるいは、基地局は周辺セルサーチ用にスケジューリングによる割り当てを行わない時間を設け、移動局はその時間に周辺セルサーチを行う。
【0031】
周辺セルサーチを行うときには、上述したように、通信のために割り当てられている周波数ブロックの受信の他に、中心周波数を含む周波数ブロックで送信されるSCHを受信する必要がある。このように周辺セルサーチを行う可能性がある時間は、スケジューリングによる割り当てを行わないようにすることにより、移動局は異なる周波数の同時受信が不要となり、受信装置の構成を簡単化できる。
【0032】
次に、本実施例にかかる送信装置の構成について、図5を参照して説明する。送信装置は、例えば基地局に設けられる。
【0033】
送信装置100は、周波数ブロック数2M(Mは、1≦Mの整数)に応じて設けられたパイロットチャネル信号生成部102(iは、1≦i≦2Mの整数)、L1/L2制御チャネル信号生成部104、ページングチャネル信号生成部106、およびデータチャネル信号生成部108と、周波数ブロック数2Mに応じて設けられ、パイロットチャネル信号生成部102、L1/L2制御チャネル信号生成部104、ページングチャネル信号生成部106およびデータチャネル信号生成部108と接続された多重部114と、多重部114と接続されたIFFT116と、IFFT116と接続されたCP付与部118と、多重部114と接続された同期チャネル(SCH)信号生成部110および報知チャネル信号生成部112とを備える。
【0034】
M番目の周波数ブロックは、送信装置の送信帯域幅における中心周波数を含む。
【0035】
パイロットチャネル信号生成部102は、パイロットチャネル信号を生成し、多重部114に入力する。L1/L2制御チャネル信号生成部104は、L1/L2制御チャネル信号を生成し、多重部114に入力する。ページングチャネル信号生成部106は、ページングチャネル信号を生成し、多重部114に入力する。データチャネル信号生成部108は、データチャネル信号を生成し、多重部114に入力する。同期チャネル信号生成部110は、同期チャネル信号を生成し、多重部114に入力する。報知チャネル信号生成部112は、報知チャネルを生成し、多重部114に入力する。
【0036】
M番目の周波数ブロック以外に対応する多重部114i(i≠M)は、パイロットチャネル信号を送信するパイロットチャネル、L1/L2制御チャネル信号を送信するL1/L2制御チャネル、ページングチャネル信号を送信するページングチャネル、データチャネル信号を送信するデータチャネルを多重化し、IFFT116に入力する。
【0037】
また、M番目の周波数ブロックに対応する多重部114は、パイロットチャネル信号を送信するパイロットチャネル、L1/L2制御チャネル信号を送信するL1/L2制御チャネル、ページングチャネル信号を送信するページングチャネル、データチャネル信号を送信するデータチャネルに加え、同期チャネル信号を送信する同期チャネルと、報知チャネル信号を送信する報知チャネルとを多重化し、IFFT116に入力する。
【0038】
IFFT116は、多重化された信号を高速逆フーリエ変換する。
【0039】
CP付与部118は、逆フーリエ変換後のOFDM方式で変調済みの信号にガードインターバルを付加し、送信するシンボルを出力する。その後、送信するシンボルの信号形式は、無線周波数で送信するための信号形式に変換され、送信される。
【0040】
上述した送信装置100において、SCHの送信帯域幅を、ブロック帯域幅の2n倍(nは、1≦nの整数)とするようにしてもよい。
【0041】
SCHはシステム帯域幅の中心で送信されるため、図6Aに示すように、例えばブロック帯域幅が1.25MHz、SCH帯域幅が1.25MHzとすると、中央の2つの周波数ブロックの一部のみにSCHがマッピングされる場合がある。
【0042】
そこで、SCHの送信帯域幅をブロック帯域幅の2n倍とすることにより、図6Bに示すように、上記の問題すなわち、中央の2つの周波数ブロックの一部のみにSCHがマッピングされる問題を解消することができる。
【0043】
次に、本発明の実施例にかかる受信装置200について、図7を参照して説明する。本実施例にかかる受信装置は、例えば移動局に設けられる。
【0044】
受信装置200は、受信信号が入力されるキャリア周波数乗算部202と、キャリア周波数乗算部202の出力信号が入力されるフィルタリング部204と、フィルタリング部204と接続されたスイッチ206と、スイッチ206と切り替え可能に接続された周辺セルサーチ部218および通信部208と、周辺セルサーチ部218と接続されたハンドオーバ判定部234と、制御手段としての周辺セルサーチタイミング制御部232と、周辺セルサーチタイミング制御部232と接続されたキャリア周波数設定部230とを備える。キャリア周波数設定部230には、接続セルの割り当て周波数ブロックを示す情報が入力され、キャリア周波数乗算部202にキャリア周波数を示す情報を入力する。周辺セルサーチタイミング制御部232は、スイッチ206を制御する。
【0045】
また、通信部208は、スイッチ206と接続された同期検出部210およびCP除去部212と、CP除去部212と接続されたFFT214と、FFT214と接続された復号部216とを備える。同期検出部210は、CP除去部212と接続される。
【0046】
また、周辺セルサーチ部218は、スイッチ206と接続された同期チャネル検出手段としての同期タイミング検出部220およびCP除去部222と、CP除去部222と接続されたFFT224と、FFT224と接続されたセルID検出部226および受信信号電力測定部228とを備える。同期タイミング検出部220は、CP除去部222と接続される。セルID検出部226および受信信号電力測定部228は、ハンドオーバ判定部234と接続される。セルID検出部226の出力信号は受信信号電力測定部228に入力される。
【0047】
受信信号は、キャリア周波数乗算部202において、キャリア周波数設定部230において設定されたキャリア周波数が乗算され、フィルタリング部204において、フィルタリングが行われる。
【0048】
周辺セルサーチタイミング制御部232は、スイッチ206の切り替えを制御する。周辺セルサーチタイミング制御部232は、任意のタイミングで通信または周辺セルサーチを行うように切り替える。例えば、基地局100は、データチャネルを割り当てた場合には、例えばCCHにより移動局に通知する。移動局200は、受信したCCHに基づいて、自移動局宛のデータがあるか否かを判定する。移動局200は、CCHを受信した結果、該CCHに格納されたページング情報に基づいて自移動局宛のデータがないと判定した場合、次のCCHを受信する間まで待ち状態となる。周辺セルサーチタイミング制御部232は、この待ち状態の間、周辺セルサーチを行うようにスイッチ206の切り替えを制御する。
【0049】
また、この場合、周辺セルサーチタイミング制御部232は、周辺セルサーチを行うことを示す情報をキャリア周波数設定部230に入力する。キャリア周波数設定部230は、周辺セルサーチを行うことを示す情報が入力された場合、接続セルの送信帯域の中心周波数を含むM番目の周波数ブロックに対応する周波数に設定し、該周波数を示す情報をキャリア周波数乗算部202に入力する。
【0050】
また、周辺セルサーチタイミング制御部232は、周辺セルサーチを行わない場合、通信を行うことを示す情報をキャリア周波数設定部230に入力する。キャリア周波数設定部230は、通信を行うことを示す情報が入力された場合、接続セルの割り当て周波数ブロック情報に基づいて、割り当て周波数ブロックに対応する周波数に設定し、該周波数を示す情報をキャリア周波数乗算部202に入力する。
【0051】
周辺セルサーチが行われる場合、周辺の基地局から送信された同期チャネルは、同期チャネルタイミング検出部220により、同期チャネルのタイミングが検出され、該タイミングに基づいて、CP除去部222においてCPが除去される。また、CPが除去された信号は、FFT224において高速フーリエ変換が行われる。
【0052】
セルID検出部226は、高速フーリエ変換が行われた信号からセルIDを検出し、該セルIDを示す情報をハンドオーバ判定部234および受信信号電力測定部228に入力する。
【0053】
受信信号電力測定部228は、各セルIDに対して、高速フーリエ変換が行われた信号の受信電力を測定し、該受信電力を示す情報をハンドオーバ判定部234に入力する。
【0054】
ハンドオーバ判定部234は、検出された周辺セルIDと、当該周辺セルの受信レベルに基づいて、ハンドオーバを行うか否かを判定する。ハンドオーバ判定部234は、ハンドオーバを行うと判定した場合には、ハンドオーバを要求するハンドオーバ希望信号を、基地局にフィードバックする。
【0055】
また、接続されているセルとの通信が行われる場合には、通信部208における処理が行われる。
【0056】
同期検出部210は、受信信号に基づいて同期検出を行い。同期タイミングを示す情報をCP除去部212に入力する。CP除去部212は、同期タイミングに基づいて、受信信号のCP除去を行う。CPの除去が行われた信号は、FFT214において、高速フーリエ変換が行われ、復号部216に入力される。復号部216は、高速フーリエ変換が行われた信号の復号処理を行い、復号結果を出力する。具体的には、復号部216は、接続されたセルの割り当てられた周波数帯域の制御チャネル、ページングチャネルおよびデータチャネルの復号を行う。
【0057】
次に、本発明の他の実施例にかかる送信装置100について説明する。
【0058】
本実施例にかかる送信装置100は、ページング情報を全帯域の中心周波数を含む周波数ブロックで送信する。
【0059】
送信装置100は、例えば基地局に設けられ、図8に示すように、周波数ブロック数2M(Mは、1≦Mの整数)に応じて設けられたパイロットチャネル信号生成部102(iは、1≦i≦2Mの整数)、L1/L2制御チャネル信号生成部104、およびデータチャネル信号生成部108と、周波数ブロック数2Mに応じて設けられ、パイロットチャネル信号生成部102、L1/L2制御チャネル信号生成部104およびデータチャネル信号生成部108と接続された多重部114と、多重部114と接続されたIFFT116と、IFFT116と接続されたCP付与部118と、多重部114と接続された同期チャネル(SCH)信号生成部110、報知チャネル信号生成部112およびページングチャネル信号生成部120とを備える。
【0060】
M番目の周波数ブロックは、送信装置100の送信帯域幅における中心周波数を含む。
【0061】
パイロットチャネル信号生成部102は、パイロットチャネル信号を生成し、多重部114に入力する。L1/L2制御チャネル信号生成部104は、L1/L2制御チャネル信号を生成し、多重部114に入力する。データチャネル信号生成部108は、データチャネル信号を生成し、多重部114に入力する。
【0062】
同期チャネル信号生成部110は、同期チャネル信号を生成し、多重部114に入力する。報知チャネル信号生成部112は、報知チャネルを生成し、多重部114に入力する。ページングチャネル信号生成部120は、ページングチャネル信号を生成し、多重部114に入力する。
【0063】
M番目の周波数ブロック以外に対応する多重部114i(i≠M)は、パイロットチャネル信号を送信するパイロットチャネル、L1/L2制御チャネル信号を送信するL1/L2制御チャネル、データチャネル信号を送信するデータチャネルを多重化し、IFFT116に入力する。
【0064】
また、M番目の周波数ブロックに対応する多重部114は、パイロットチャネル信号を送信するパイロットチャネル、L1/L2制御チャネル信号を送信するL1/L2制御チャネル、データチャネル信号を送信するデータチャネルに加え、同期チャネル信号を送信する同期チャネルと、報知チャネル信号を送信する報知チャネルと、ページングチャネル信号を送信するページングチャネルを多重化し、IFFT116に入力する。
【0065】
IFFT116は、多重化された信号を高速逆フーリエ変換する。
【0066】
CP付与部118は、逆フーリエ変換後のOFDM方式で変調済みの信号にガードインターバルを付加し、送信するシンボルを出力する。その後、送信するシンボルの信号形式は、無線周波数で送信するための信号形式に変換され、送信される。
【0067】
上述したように送信装置100において、SCHの送信帯域幅を、ブロック帯域幅の2n倍(nは、1≦nの整数)とするようにしてもよい。
【0068】
次に、本発明の他の実施例にかかる受信装置200について説明する。本実施例にかかる受信装置は、図7を参照して説明した受信装置と同様の構成であるため、その説明を省略する。ただし、待ち受け時には図7を参照して説明した受信装置200におけるスイッチ206は不要となる。
【0069】
送信装置100は、ページング情報を全帯域の中心周波数を含む周波数ブロックで送信する。受信装置200は、受信したCCHに基づいて、自移動局宛のデータがあるか否かを判定する。具体的には、移動局200は、CCHを受信した結果、該CCHに格納されたページング情報に基づいて自移動局宛のデータがないと判定した場合、次のCCHを受信する間まで待ち状態となる。周辺セルサーチタイミング制御部232は、この待ち状態の間、周辺セルサーチを行うようにスイッチ206を切り替えるように制御する。
【0070】
本実施例にかかる送信装置100によれば、全帯域の中心周波数を含む周波数ブロックでページング情報が送信されることにより、ページング情報と周辺セルサーチとを行う周波数帯域を一致させることができる。このため、ページング情報に基づいて自移動局宛のデータがないと判定した場合、キャリア周波数の変更を行うことなく周辺セルサーチを行うことができる。すなわち、接続セルの割り当て周波数ブロックに対応する周波数帯域から、基地局の送信帯域の中心周波数を含む周波数帯域へずらし、また、接続セルの割り当て周波数ブロックに対応する周波数帯域へ戻す時間を短縮することができる。また、待ち受け状態での周辺セルサーチを簡略化することができる。
【0071】
次に、本発明の他の実施例にかかる送信装置100について説明する。
【0072】
本実施例にかかる送信装置100は、図5を参照して説明した送信装置と同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0073】
次に、本発明の他の実施例にかかる受信装置200について説明する。
【0074】
本実施例にかかる受信装置は、図7を参照して説明した受信装置と同様の構成であるため、その説明を省略する。ただし、図7を参照して説明した受信装置200におけるスイッチ206は不要となる。
【0075】
本実施例にかかる送信装置100は、移動局が周辺セルサーチを行うタイミングでは、該移動局に基地局の送信帯域の中心周波数を含む周波数帯域を割り当てる。
【0076】
一例として、基地局の送信帯域が3つの周波数ブロックに分割される場合について、図9を参照して説明する。基地局の送信帯域が2または4以上の周波数ブロックに分割される場合についても同様である。
【0077】
複数の移動局をグループ分けし、各グループに送信帯域を分割した周波数ブロックが割り当てられ、所定の周期で、各グループに割り当てられた周波数ブロックが変更される。
【0078】
例えば、基地局は、予め全てのユーザを複数のユーザグループ、例えばA、BおよびCの3つのグループに分けておく。
【0079】
ユーザグループAへの周波数ブロックは、時刻t、t+1、t+2、t+3、・・・において、周波数ブロック1、2、3、1の順に割り当てられる。また、ユーザグループBへの周波数ブロックは、時刻t、t+1、t+2、t+3、・・・において、周波数ブロック2、3、1、2の順に割り当てられる。また、ユーザグループCへの周波数ブロックは、時刻t、t+1、t+2、t+3、・・・において、周波数ブロック3、1、2、3の順に割り当てられる。
【0080】
基地局は、周辺セルサーチの実行を要求してきた移動局の属するグループを、中心周波数を含む周波数ブロックが割り当てられているグループに変更する。例えば、ユーザグループAに属する移動局が、時刻tにおいて周辺セルサーチの実行を要求してきた場合、基地局は、該移動局の属するグループをユーザグループAから、時刻tにおいて、接続セルの送信帯域の中心周波数を含む周波数ブロック、すなわち周波数ブロック2を割り当てられているユーザグループBに変更する。この場合、該移動局は、周辺セルサーチ後もユーザグループBに属し続ける。
【0081】
また、基地局は、周辺セルサーチの実行を要求してきた移動局に、中心周波数を含む周波数ブロックを一時的に割り当てるようにしてもよい。例えば、移動局に、時刻tの間、周波数ブロック2を例外的に割り当て、時刻t+1以降は、ユーザグループAに復帰させる。
【0082】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に、以下の項目を開示する。
【0083】
(1) 送信帯域のうちの所定の周波数帯域を用いて移動局と直交周波数分割多重化(OFDM)方式により通信を行う基地局であって:
第1の帯域のラスタ上の中心周波数を含み、第2の帯域で同期チャネルが送信され、
周辺セルサーチを行う移動局に対して、前記第1の帯域のラスタ上の中心周波数を含み、前記第2の帯域幅以上の帯域を割り当てる割り当て手段;
を備えることを特徴とする基地局。
【0084】
(2) (1)に記載の基地局において:
前記第1の帯域の帯域幅は、基地局の送信信号帯域幅であることを特徴とする基地局。
【0085】
(3) (1)または(2)に記載の基地局において:
前記第2の帯域の帯域幅は、基地局で、同期チャネル、報知チャネル、制御チャネルの送信帯域幅であることを特徴とする基地局。
【0086】
(4) (1)に記載の基地局において:
前記第1の帯域の帯域幅は、前記第2の帯域の帯域幅以上であることを特徴とする基地局。
【0087】
(5) (1)に記載の基地局において:
前記第2の帯域の帯域幅は、システムで用意される複数の受信可能な帯域幅の異なる端末のうち、最小の能力の端末の受信帯域幅以下の帯域幅であり、システムによってあらかじめ決められる帯域幅であることを特徴とする基地局。
【0088】
(6) (1)ないし(5)のいずれか1項に記載の基地局において:
前記第1の帯域のラスタ上の中心周波数を含み、第2の帯域で移動局に対して着信の有無を示す制御情報を送信する制御情報送信手段;
を備えることを特徴とする基地局。
【0089】
(7) (6)に記載の基地局において:
前記制御情報送信手段は、前記制御情報に、前記第2の帯域の中心周波数を特定する中心周波数情報を格納して送信することを特徴とする基地局。
【0090】
(8) (1)に記載の基地局において:
複数の移動局がグループ分けされ、各グループに前記送信帯域を分割した周波数ブロックが割り当てられ、所定の周期で、各グループに割り当てられた周波数ブロックが変更され、
前記割り当て手段は、周辺セルサーチの実行を要求してきた移動局の属するグループを、前記中心周波数を含む周波数ブロックが割り当てられているグループに変更することを特徴とする基地局。
【0091】
(9) (1)に記載の基地局において:
複数の移動局がグループ分けされ、各グループに前記送信帯域を分割した周波数ブロックが割り当てられ、所定の周期で、各グループに割り当てられた周波数ブロックが変更され、
前記割り当て手段は、周辺セルサーチの実行を要求してきた移動局に、前記中心周波数を含む周波数ブロックを一時的に割り当てることを特徴とする基地局。
【0092】
(10) 送信帯域のうちの所定の周波数帯域を用いて移動局と直交周波数分割多重化(OFDM)方式により通信を行う方法であって:
第1の帯域のラスタ上の中心周波数を含み、第2の帯域で同期チャネルを送信するステップ;
周辺セルサーチを行う移動局に対して、前記第1の帯域のラスタ上の中心周波数を含み、前記第2の帯域の帯域幅以上の帯域を割り当てるステップ;
を有することを特徴とする通信方法。
【0093】
(11) 送信帯域のうちの所定の周波数帯域を用いて通信を行う基地局と、直交周波数分割多重化(OFDM)方式により通信を行い、
前記所定の周波数帯域を用いて伝送される下りリンク信号を受信する受信手段;
第1の帯域のラスタ上の中心周波数を含み、第2の帯域で送信された同期チャネルを検出する同期チャネル検出手段;
周辺セルサーチを行う場合に、前記中心周波数を含み、第2の帯域の帯域幅以上の帯域に、キャリア周波数を設定するキャリア周波数設定手段;
前記キャリア周波数の切り替え制御を行う制御手段;
を備えることを特徴とする移動局。
【0094】
(12) (11)に記載の移動局において:
前記制御手段は、所定の周期で前記キャリア周波数を切り替えることを特徴とする移動局。
【0095】
(13) (11)に記載の移動局において:
前記制御手段は、自移動局に対して着信の有無を示す制御情報に基づいて、前記キャリア周波数を切り替えることを特徴とする移動局。
【0096】
(14) 送信帯域のうちの所定の周波数帯域を用いて通信を行う基地局と、直交周波数分割多重化(OFDM)方式により通信を行う方法であって:
前記所定の周波数帯域を用いて伝送される下りリンク信号を受信する受信ステップ;
第1の帯域のラスタ上の中心周波数を含み、第2の帯域で送信された同期チャネルを検出する同期チャネル検出ステップ;
周辺セルサーチを行う場合に、前記中心周波数を含み、第2の帯域の帯域幅以上の帯域に、キャリア周波数を設定するキャリア周波数設定ステップ;
前記キャリア周波数を切り替える切り替えステップ;
を有することを特徴とする通信方法。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明にかかる基地局、移動局および通信方法は、無線通信システムに適用できる。
【符号の説明】
【0098】
100 送信装置
200 受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期チャネル信号を生成する同期チャネル信号生成部と、
L1/L2制御チャネル信号を生成するL1/L2制御チャネル信号生成部と、
データチャネル信号を生成するデータチャネル信号生成部と、
同期チャネル信号、L1/L2制御チャネル信号、データチャネル信号を多重化する多重化部と、
前記多重化部において多重化した信号を送信する送信部とを備え、
前記多重化部では、連続する複数のサブキャリアにて形成された周波数ブロックによって、可変幅のシステム帯域が複数に分割されており、
前記多重化部は、前記システム帯域の幅にかかわらず、可変幅のうちの最も狭い幅よりも狭くなるような幅であって、かつ前記システム帯域の中心周波数が含まれた幅に、同期チャネル信号を多重化するとともに、前記システム帯域の中心周波数が含まれた幅であって、かつ同期チャネル信号を多重化した幅よりも広い幅に、L1/L2制御チャネル信号、データチャネル信号を多重化することを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記多重化部は、2の倍数個の周波数ブロックに同期チャネルを多重化することを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記同期チャネル信号生成部において生成される同期チャネル信号は、移動局によってセルサーチのために使用され、
前記多重化部は、移動局でのセルサーチタイミングを考慮してデータチャネル信号を多重化することを特徴とする請求項1または2に記載の送信装置。
【請求項4】
同期チャネル信号を生成するステップと、
L1/L2制御チャネル信号を生成するステップと、
データチャネル信号を生成するステップと、
同期チャネル信号、L1/L2制御チャネル信号、データチャネル信号を多重化するステップと、
多重化した信号を送信するステップとを備え、
前記多重化するステップでは、連続する複数のサブキャリアにて形成された周波数ブロックによって、可変幅のシステム帯域が複数に分割されており、
前記多重化するステップは、前記システム帯域の幅にかかわらず、可変幅のうちの最も狭い幅よりも狭くなるような幅であって、かつ前記システム帯域の中心周波数が含まれた幅に、同期チャネル信号を多重化するとともに、前記システム帯域の中心周波数が含まれた幅であって、かつ同期チャネル信号を多重化した幅よりも広い幅に、L1/L2制御チャネル信号、データチャネル信号を多重化することを特徴とする送信方法。
【請求項5】
前記多重化するステップは、2の倍数個の周波数ブロックに同期チャネルを多重化することを特徴とする請求項4に記載の送信方法。
【請求項6】
前記同期チャネル信号は、移動局によってセルサーチのために使用され、
前記多重化するステップは、移動局でのセルサーチタイミングを考慮してデータチャネル信号を多重化することを特徴とする請求項4または5に記載の送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−161105(P2012−161105A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−114981(P2012−114981)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【分割の表示】特願2009−164282(P2009−164282)の分割
【原出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】