説明

送信装置

【課題】ハードウエアの構成を簡単なものとできる送信装置を含む信号伝達システムを提供する。
【解決手段】映像信号を伝送路を介してデジタル伝送する送信装置において、ベースバンドの輝度信号と色差信号とを映像期間に、制御信号を帰線期間に時分割多重する伝送路符号化手段と、I2C(Inter IC control)バスを介して受信装置情報を受信するインタフェースとを備え、制御信号の種類には、画質の制御に用いる、映像信号の画像のフィールドリピート情報が含まれ、さらに、送信装置は、音声信号を出力し、受信装置情報に基づき受信装置で表示可能な出力を行うように輝度信号と色差信号と音声信号を出力するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像信号を伝送する信号伝達システムにおける送信装置に関し、特に映像信号の送信側,及び受信側のハードウエアの構成を簡単なものとできる送信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来例について図17を用いて説明する。図17は従来の信号伝達システムの構成を表すブロック図である。
図17において、1701はSTB(Set−top box)などの映像信号出力装置(送信側)であり、映像信号を出力する。1702はMPEGデコーダであり、デジタル放送を受信してベースバンドのY色差信号を出力する。1703は信号変換回路であり、Y色差信号からRGB信号に変換する。1704は伝送路符号化回路であり、信号変換回路1703によって変換された信号を伝送路にあった信号形態に符号化する。1705はテレビモニタなどの表示装置(受信側)である。1706は伝送路復号化回路であり、伝送路符号化回路1704によって符号化された信号を復号化する。1707は信号変換回路であり、伝送路復号化回路1706から出力されたRGB信号をYPBR信号に変換する。1708はY処理回路であり、信号変換回路1707の出力のうち、輝度信号Yを処理する。1709は色処理回路であり、信号変換回路1707の出力のうち、色信号を処理する。1710は信号変換回路であり、Y処理回路1708及び色処理回路1709の出力を受けてY色差信号からRGB信号に変換する。1711は表示デバイスであり、信号変換回路1710の出力を受けてLCDもしくはCRTに出力する。
【0003】
以上のように構成された信号伝達システムの動作について説明する。
MPEGデコーダ1702はデジタル放送を受信してベースバンドの映像信号を出力する。MPEGのデータ形式はY色差信号になっているので、ここでの出力はYPBR又はYUV又はYCbrである。また、この信号を伝送路符号化するためにはRGB変換しなければならないので、信号変換回路1703によって、Y色差信号はRGB信号に変換される。変換されたRGB信号は伝送路符号化回路1704によって伝送路にあった信号形態に符号化される。
【0004】
一方、テレビモニタ1705側では、伝送路復号化回路1706が、伝送路符号化回路1704から符号化された信号を受け、元のRGB信号を生成する。信号変換回路1707によってRGB信号はY色差信号のYPBRに変換される。ここでテレビモニタ1705側で独自の処理を行うために、Y信号はY処理回路1708によって処理され、色信号PBRは色処理回路1709によってそれぞれエンハンスされて出力される。エンハンスされて出力されたY色差信号は、最後の表示デバイス1711に出力するために信号変換回路1710によって、RGB信号に変換される。表示デバイス1711は信号変換回路1710から出力されたRGB信号を出力することによって、表示することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の信号伝達システムでは、伝送路符号化はRGB信号で行われるため、MPEGデコーダの出力を一旦RGB信号に変換して符号化,伝送し、伝送路を伝った後、モニタ側でもう一度信号処理を行うために、RGB信号をYPBRに変換する必要があり、さらに、最後の表示デバイスにRGB信号で出力するために、再度Y色差信号からRGB信号に変換する必要があり、多くのハードウエアを必要とするという欠点を有していた。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたもので、映像信号の送信側,及び受信側のハードウエアの構成を簡単なものとできる送信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る送信装置は、映像信号を伝送路を介してデジタル伝送する送信装置において、ベースバンドの輝度信号と色差信号とを映像期間に、制御信号を帰線期間に時分割多重する伝送路符号化手段と、I2C(Inter IC control)バスを介して受信装置情報を受信するインタフェースとを備え、前記制御信号の種類には、画質の制御に用いる、前記映像信号の画像のフィールドリピート情報が含まれ、さらに、前記送信装置は、音声信号を出力し、前記受信装置情報に基づき受信装置で表示可能な出力を行うように前記輝度信号と前記色差信号と前記音声信号を出力することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の送信装置によれば、復号された画像信号を有するベースバンドの映像信号と、前記画像信号が復号される前の画像フォーマットを示す信号とを送信するようにしたので、ベースバンドの映像信号を復号する前の画像信号に関する情報に基づき、当該ベースバンドの映像信号に対して適切な処理を施すことができる。
【0009】
また、本発明の送信装置によれば、前記送信装置において、前記フォーマットを示す信号は前記映像信号のブランキング期間に送信されるようにしたので、映像信号とともに、当該映像信号を復号する前の画像信号に関する情報を同時に送信可能である。
【0010】
また、本発明の信号伝達システムによれば、映像信号及び音声信号を伝送する信号伝達システムにおいて、デジタル放送を受信し、上記映像音声信号を出力するMPEGデコーダと、上記MPEGデコーダから出力された映像音声信号を出力する出力インターフェースと、I2C(Inter IC control)信号を出力するI2Cコントローラと、装置全体を制御するCPUと、上記CPUの動作プログラムを格納するプログラムROMと、を具備する信号送信装置と、上記信号送信装置から上記映像音声信号を受信する入力インターフェースと、上記映像音声信号を映像及び音声に変換するデバイスインターフェースと、上記デバイスインターフェースから出力された上記映像及び音声を外部に出力する映像音声出力デバイスと、信号受信装置の性能に関する情報を格納するROMテーブルを有し、上記信号送信装置からI2C信号を入力し、上記信号送信装置からの要求に従い、上記ROMテーブルに格納された情報を上記信号送信装置へ出力するI2Cコントローラと、を具備する信号受信装置と、を備えたことより、信号送信装置が信号受信装置の性能を予め知ることができ、従来のように信号受信装置側でスキャンできないレートを送信することなく、信号受信装置の性能に基づいて信号伝送するので、信号受信装置側で映像が映らなかったり、音声がならないなどの問題を回避できる。
【0011】
また、本発明の信号伝達システムによれば、前記信号伝達システムにおいて、上記ROMテーブルは、上記映像音声出力デバイスから出力可能な映像の解像度に関する情報を格納するようにしたので、信号送信装置が予め信号受信装置から出力可能な映像の解像度を知ることができ、その結果、映像が映らないなどの問題を回避できる信号伝達システムを実現可能である。
【0012】
また、本発明の信号伝達システムによれば、前記信号伝達システムにおいて、上記ROMテーブルは、上記映像音声出力デバイスから出力可能な音声のチャンネル数に関する情報を格納するようにしたので、信号送信装置が、信号受信装置が出力可能な音声のチャンネル数を予め知ることができ、その結果、音がでない等の問題を回避できる信号伝達システムを実現可能である。
【0013】
また、本発明の信号伝達システムによれば、前記信号伝達システムにおいて、上記ROMテーブルは、上記輝度信号及び色差信号をRGB信号に変換する信号変換方法に関する情報を格納するようにしたので、信号送信装置が、信号受信装置側での信号変換方法について予め知ることができ、その結果、正しく信号変換を行うことができる信号伝達システムを実現可能である。
【0014】
また、本発明の信号伝達システムによれば、前記信号伝達システムにおいて、上記ROMテーブルは、映像信号のガンマ補正に関する情報を格納するようにしたので、信号送信装置が、信号受信側での映像信号のガンマ補正に関する情報を予め知ることができ、エンハンスされない映像信号を信号受信装置に出力可能である。
【0015】
また、本発明の信号伝達システムによれば、前記信号伝達システムにおいて、上記ROMテーブルは、上記信号受信装置が映像をエンハンス加工処理しないモードを有するか否かに関する情報を格納するようにしたので、信号送信装置は、信号受信装置がエンハンス加工処理しないモードを有する場合、強制的にそのモードに切り替えることができ、その結果、信号受信装置は色のエンハンスのない映像を表示することができる。
【0016】
また、本発明の信号伝達システムによれば、前記信号伝達システムにおいて、上記ROMテーブルは、上記信号受信装置のメーカーコード及び機器コードに関する情報を格納するようにしたので、信号送信装置は、信号受信装置のメーカーコード及び機器コードを予め知ることができ、例えば、画像のアップコンバートを行う場合、信号送信装置と信号受信装置の各々の性能を比較し、良い方の装置を自動的に選択することができる。
【0017】
また、本発明の信号伝達システムによれば、前記信号伝達システムにおいて、上記信号受信装置は、上記I2Cコントローラを介して、現在どのようなアスペクト変換処理をして映像出力しているかを上記信号送信装置へ出力するようにしたので、信号送信装置は、信号受信装置が正しいアスペクトを得るよう映像信号を伝送可能となる。
【0018】
また、本発明の信号伝達システムによれば、前記信号伝達システムにおいて、上記信号送信装置は、上記MPEGデコーダから映像音声信号とは別に現在出力されている映像フレーム信号が上記MPEGデコーダ内で繰り返し出力により生成されたものであるか否かを示す制御情報を、上記映像信号の垂直帰線期間に多重して出力するセレクタを備え、上記信号受信装置は、上記映像信号から上記制御情報を分離する制御データ分離部と、上記制御情報に応じて上記映像信号に対して適応的信号処理を施し上記デバイスインターフェースへ出力する画質制御部と、を備えたことより、輝度やコントラスト、音量などの必要最低限の制御情報に基づいて信号受信装置を動作させることができる。
【0019】
また、本発明の信号伝達システムによれば、前記信号伝達システムにおいて、上記制御情報は、MPEG規格のピクチャエンコード方式を表すI,P,Bピクチャを区分可能な情報であることより、ノイズを除去するためのパラメータ設定をフレーム毎に行うことができる信号伝達システムを実現可能である。
【0020】
また、本発明の信号伝達システムによれば、前記信号伝達システムにおいて、上記制御情報は、MPEG規格の圧縮率情報であることより、ノイズを除去するためのパラメータ設定をフレーム毎に行うことができる信号伝達システムを実現可能である。
【0021】
また、本発明の信号伝達システムによれば、前記信号伝達システムにおいて、制御情報は、MPEG符号化する前の素材がプログレッシブスキャンで撮像されたものかインタレーススキャンで撮像されたものかを表す情報であることより、信号受信装置はインターレースからプログレッシブへの変換方法を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態1による送信装置を含む信号伝達システムの構成を示すブロック図である
【図2】実施の形態2による送信装置を含む信号伝達システムの構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態3による送信装置を含む信号伝達システムの概略構成図である。
【図4】実施の形態3による送信装置を含む信号伝達システムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態3による送信装置を含む信号伝達システムにおける初期プロトコルを説明するための図である。
【図6】16対9のワイド素材であるテレビの画面表示の様子を示す図である。
【図7】ROMテーブルの一例を示す図である。
【図8】出力ビデオレートがインターレースの場合とプログレッシブの場合のそれぞれに帰線期間を説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態4による送信装置を含む信号伝達システムの動作を説明するためのフローチャート図である。
【図10】セレクタの動作を説明するための図である。
【図11】制御データの構成例を示す図である。
【図12】実施の形態4による送信装置を含む信号伝達システムにおけるセレクタの構成を示す図である。
【図13】実施の形態4による信号伝達システムの受信側の構成を示すブロック図である。
【図14】実施の形態4による送信装置を含む信号伝達システムにおいて各フレーム毎に送る制御信号の一例を示す図である。
【図15】従来の24pのテレシネ素材から例えば60pに変換する場合の変換回路を示すブロック図である。
【図16】実施の形態4におけるフィールドリピートの信号の伝送の方式を示す図である。
【図17】従来の信号伝達システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0024】
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態1による送信装置を含む信号伝達システムについて図1を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態1による送信装置を含む信号伝達システムの構成を示すブロック図である。
【0025】
図1において、101はSTBなどの映像信号出力装置であり、映像信号を出力する。102はMPEGデコーダであり、デジタルの放送受信などを行い、1つの輝度信号と2つの色差信号を出力する。103は伝送路符号化回路であり、MPEGデコーダ102から出力された輝度信号及び色差信号を伝送路にあった信号形態に符号化し送信する。104はテレビモニタなどの表示装置であり、映像信号を表示する。105は伝送路復号化回路であり、伝送路符号化回路103によって符号化された輝度信号及び色差信号を受信し復号化する。106はY処理回路であり、伝送路復号化回路105から出力された復号化された輝度信号を処理する。107は色処理回路であり、伝送路復号化回路105から出力された信号のうち、色信号を処理する。108は信号変換回路であり、Y処理回路106及び色処理回路107から出力されたY色差信号をRGB信号に変換する。109は表示デバイスであり、信号変換回路108の出力を受けてディスプレイなどに表示を行う。
【0026】
以上のように構成された送信装置を含む信号伝達システムの動作について説明する。
MPEGデコーダ102はデジタル放送の放送波を受信し、MPEGの規格にそってベースバンドのYPBRの信号を出力する。ここで従来の信号伝達システムではY色差信号ではなくRGB信号を符号化して伝送するようにしていたため、MPEGデコーダが出力するYPBRの信号をRGB信号に変換していたが、本実施の形態1による信号伝達システムでは、YPBRの信号はそのまま、伝送路にそった符号化を行う伝送路符号化回路103に入力される。伝送路符号化回路103は入力されたYPBR信号に対し伝送路にそった信号形態に符号化し、符号化信号を伝送路に出力する。
【0027】
伝送路復号化回路105は伝送路を介して受信した符号化信号を元のYPBR信号に復号化し出力する。伝送路復号化回路105の出力のうち、輝度信号であるY信号は、Y処理回路106に入力され、輝度のコントラスト調整やさまざまな信号処理が行われる。また、伝送路復号化回路105の出力のうち、PB及びPRの色信号は、色処理回路107によってそれぞれ必要な処理が行われる。信号変換回路108は、Y処理回路106及び色処理回路107が出力する加工されたY及び色信号をRGB信号に変換し、表示デバイス109に出力する。表示デバイス109は信号変換回路108が出力するRGB信号を受けて画面表示を行う。
【0028】
このような本実施の形態1による送信装置を含む信号伝達システムでは、MPEGデコーダ102が出力するY色差信号をそのまま符号化して伝送する構成としたから、映像信号出力装置101側(送信側)においてY色差信号をRGB信号に変換する回路を不要とでき、また表示装置104側(受信側)において、Y色差信号がそのまま入力されるので、RGB信号をY色差信号に変換する回路を不要とでき、ハードウエア構成をシンプルなものとすることができる。
【0029】
実施の形態2.
以下に、本発明の実施の形態2による送信装置を含む信号伝達システムについて図2を用いて説明する。
図2は本発明の実施の形態2による送信装置を含む信号伝達システムの構成を示すブロック図である。
【0030】
図2において、201はSTBなどの映像信号出力装置であり、映像信号を出力する。202はMPEGデコーダであり、デジタル放送などの放送受信を行い、1つの輝度信号と2つの色差信号を出力する。203は時分割多重回路であり、MPEGデコーダ202から出力された色差信号のPB及びPRを時分割多重し、1本の信号線に変換する。204は伝送路符号化回路であり、MPEGデコーダ202から出力されたY信号と時分割多重回路203から出力された多重化されたPBR信号を伝送路にあった信号形態に符号化し送信する。205はテレビモニタなどの表示装置であり、映像信号を表示する。206は伝送路復号化回路であり、伝送路符号化された信号を元のY信号及び多重化されたPBR信号に復号化して出力する。207は分離回路であり、多重化されたPBR信号を元のPB信号及びPR信号に分離を行う。208はY処理回路であり、伝送路復号化回路206から出力されたY信号の処理を行う。209は色処理回路であり、分離されたPB信号及びPR信号に対して処理を行う。210は信号変換回路であり、入力されたYPBR信号をRGB信号に変換する、211は表示デバイスであり、信号変換回路210の出力のRGBを表示する。
【0031】
以上のように構成された送信装置を含む信号伝達システムの動作について説明する。
MPEGデコーダ202は、映像信号を受信しデコードすることでベースバンドのY及び色差信号のYPBRの3本の信号線を時分割多重回路203に出力する。PB信号及びPR信号は水平方向のサンプリング周波数がYに比べて半分であるから、時分割多重回路203は、PB信号及びPR信号に対して時間軸多重を行い、PB信号とPR信号を交互に配置し、1本の線に出力する。伝送路符号化回路204は、多重信号PBRとMPEGデコーダ202から出力されたY信号を伝送路にあった符号化を行い、表示装置205側へ送信する。
【0032】
伝送路復号化回路206は、伝送路を介して受信した信号を元の輝度信号Yと多重信号PBRに復号化し、分離回路207に出力する。PBR信号は時間多重されているので、分離回路207は元のPB信号及びPR信号に戻す。そして、Y処理回路208は輝度信号Yに対して所定の処理を行い、色処理回路209は、PB及びPRに対して所定の色処理を行う。このようにして得られたYPBR信号は信号変換回路210によってRGB信号に変換されて、そのRGB信号は表示デバイス211に入力され、表示されることになる。
【0033】
このような実施の形態2による送信装置を含む信号伝達システムでは、2つの色差信号を多重化して1本の信号線に出力する時分割多重回路203を備えたので、実施の形態1では伝送路を3本必要としていたが、本実施の形態では伝送路が2本で済むという利点を有する。
【0034】
実施の形態3.
以下に、本発明の実施の形態3による送信装置を含む信号伝達システムについて図3から図7を用いて説明する。
図3は本発明の実施の形態3による送信装置を含む信号伝達システムの構成の概略を示すブロック図である。
【0035】
図3において、301はデジタル放送受信などを行うSTBであり、映像信号を出力する。302はSTB301より受信した映像信号を表示するテレビモニタである。なお、STB301とテレビモニタ302の間には、I2Cの双方向通信が可能になっているものとする。
【0036】
図4はSTB301及びテレビモニタ302を詳細に説明するためのブロック図であり、図において図3と同一または相当する構成要素については同じ符号を用い、その説明を省略する。
【0037】
図4において、402はMPEGデコーダであり、デジタル放送などの受信を行い映像のベースバンド信号を出力する。403は映像出力インターフェースであり、MPEGデコーダ402より出力された映像信号を出力する。404はCPUであり、プログラムROM405によって動作し、MPEGデコーダ402及びその周辺を制御する。また、CPU404はI2Cコントローラ406も制御可能である。408は映像入力インターフェースであり、伝送路を介して受信した映像信号を入力する。409はデバイスインターフェースであり、表示のための表示デバイスに適した信号に変換する。410はLCDやCRTなどのディスプレイデバイスそのものを表している。411はI2Cコントローラであり、I2Cバスをコントロールするものであり、内部にテレビモニタ302の性能に関する情報を格納するROMテーブル412を有する。なお、ROMテーブル412には、ディスプレイデバイス410から出力可能な映像の解像度に関する情報、ディスプレイデバイス410から出力可能な音声のチャンネル数に関する情報、輝度信号及び色差信号をRGB信号に変換する信号変換方法に関する情報、映像信号のガンマ補正に関する情報、テレビモニタ302が映像をエンハンス加工処理しないモードを有するか否かに関する情報、テレビモニタ302のメーカーコード及び機器コードに関する情報を含むものである。また、テレビモニタ302は、I2Cコントローラ411を介して、現在どのようなアスペクト変換処理をして映像出力しているかをSTB301へ出力するものとする。
【0038】
以上のように構成された送信装置を含む信号伝達システムの動作について図5を説明する。ここでは、I2Cによる初期プロトコルについて図5を用いて説明する。
【0039】
まず、最初にSTB301側がテレビモニタ302に対してテレビモニタ302のメーカーコード及び機器コードをたずねる(S1)。テレビモニタ302はROMテーブル412からメーカーコード及び機器コードをSTB側301に返信する(S2)。
【0040】
STB301は受信したメーカーコード及び機器コードが既知のものであれば、プロトコルを終了する(S3)。また、STB301は、受信したメーカーコード及び機器コードが既知でない場合は、テレビモニタ302がどのような走査速度に対応しているかをたずねる(S4)。テレビモニタ302は自身が走査可能なスキャンのレートについて回答する(S5)。
【0041】
次に、STB301側からテレビモニタ302側がどのような音の再生ができるかをたずねる(S6)。テレビモニタ302側は自身が出力可能な音のチャンネル数を返信する(S7)。これにより、STB301とテレビモニタ302の間で初期のプロトコルは終了する。
【0042】
次に、ケース1として、STB301が480iのLR2チャンネルの音声を有する放送を受信した場合を仮定する。この場合、先程の初期アクセスのネゴシエーションによって、STB301は、テレビモニタ302が480i及び2チャンネルのLRを出力できることがわかっているので、表示レートや音声の加工なしにそのままテレビモニタ302側に出力を行う。
【0043】
また、別の場合でケース2として、放送受信が1080iの5.1チャンネル放送であった場合には、STB301は、1080iは、接続されているテレビモニタ302では、受像できないことが初期のプロトコルネゴシエーションによってわかっているので、STB301側で1080iから480pの変換を行う。480pへの変換を行うのは先のネゴシエーションでテレビモニタ302が480pまでの表示レートが可能であることがわかっていることによる。また、オーディオも5.1チャンネルの再生は、接続されているテレビモニタではできないことがわかっているので、2チャンネルのLRにダウンミックスするという処理をSTB301側で行うことによって、結果的に映像データは480pの出力を、音声データはLRのダウンミックス2チャンネルを出力する。
【0044】
ここで、テレビモニタ302の中にもつI2Cコントローラ411の内部にあるROMテーブル412について図7を用いて説明する。例えば、アドレスの01番地には表示可能レートを表わす4ビットを格納しておき、例えば480iの299.7Hzの信号を表示可能であるテレビモニタであれば、0000という値が入っているものとする。また、アドレスの02番地には出音可能なチャンネル数が格納されており、6チャンネルデコードできるものであれば、0006などの値が入っているものとする。このようなコードは業界でアドレスとその数値を標準で決めておくことによって、もしテレビモニタ側がSTBにとって既知でないメーカーであっても、最低限のプロトコルが決まっていることで、映像が映らない、もしくは、正常でないアスペクトで映ることや、音がならないなどという事態は回避することができる。つまり、従来のように、送信側が、PCモニタ側やテレビモニタ側で引き込めないフレームレートなどで伝送し、映像表示ができないといった問題を回避することができる。
【0045】
このように本実施の形態3による送信装置を含む信号伝達システムでは、STBはテレビモニタの性能を知った上で出力するので、従来はテレビモニタ側でスキャンできないレートをSTBが出す可能性があったが、このようなネゴシエーションを行っておくことによって、テレビモニタ側で映像が映らない、もしくは音がならない等の問題を回避することができる。
【0046】
また、テレビモニタがメーカーコードと機器コードをSTBに送信する場合、そのメーカー及び機器コードがSTBとテレビモニタ間の両者間で情報が開示されているメーカー間であれば、例えば画像のアップコンバートをSTBがすべきか、テレビモニタ側にまかせるべきかをそれぞれの持っているアップコンバートの性能比較でよいほうを自動的に選ぶことができる。
【0047】
また、初期アクセスの例として、先程はスキャンタイプと何チャンネルの音が再生できるかだけをネゴシエーションとして行う例を挙げたが、その他に接続しているテレビモニタが16対9のワイドテレビか4対3のノーマルのテレビかがわかれば、自動的にSTBの側でレターボックス変換またはパンスキャン変換を行い出力することで、正しいアスペクトを自動的に得ることができる。従って、従来のように、STB側の初期メニューで被接続モニタがワイドであるかノーマルであるかを設定する必要がなくなる。
【0048】
また、テレビモニタは一般に受信した信号をそのまま出力するのではなく、その中で特に輝度や色についてエンハンスして出力を行う。しかし、パソコンなどのユーザでは、故意に輝度や色を操作することは望ましくない場合があるので、テレビモニタ側のエンハンスの特性をSTB側に通知し、STB側でそのエンハンスの逆補正をかけたものを予め出力するようにすれば、トータルとしてテレビモニタ側にエンハンスされない映像信号を出力することができる。
【0049】
また、テレビモニタ側にエンハンスしないモードを設けるようにすれば、STB側からそのモードに強制的に切り換えて、色のエンハンスのない再現を確保することができる。
【0050】
また、次に被接続モニタがワイドテレビの場合、テレビ側にワイドモードやノーマルモードなどの表示モードがあるのが一般的で、例えば16対9のモニタがつながっている場合には、STBで受信した素材が16対9であるならば、STBはそのままアスペクト変換せず出力するが、テレビ側の設定がノーマル表示になっていると、図6の右側に示すように、本当は真円のものが縦長に映るようなことになってしまうことがあり得る。この場合には、STB側からテレビ側をフルの表示モードに設定するようにすれば、正常なアスペクト画を得ることができる。なお、図6は、左側の絵が本来期待される出力の16対9の絵であり、右側が誤ってテレビ側の設定がノーマルになった場合の誤ったアスペクトの図を表している。
【0051】
また、STBとテレビモニタの間をRGB信号ではなくY色差信号、つまりYPBRなどの信号で伝送する場合には、元のRGB信号にテレビ側で変換するための変換式が異なる場合があるので、その変換式そのものを送信することも可能である。MPEGストリームデータの中にその変換式は記述されているので、STB側で抜き出したその変換式をI2Cを介してテレビモニタ側に送信することで、テレビモニタ側で正しいRGBに変換できる。
【0052】
なお、実施の形態3の信号伝達システムにおけるデータ送信は、図12に示すように映像信号線のCTL0もしくはCTL1を用いて多重して送付するようにしてもよい。
【0053】
実施の形態4.
以下に、本発明の実施の形態4による送信装置を含む信号伝達システムについて図8から図16を用いて説明する。
【0054】
図12は、本発明の実施の形態4による送信装置を含む信号伝達システムの送信側の映像出力インターフェースが具備するセレクタの構成を示した図である。なお、実施の形態3との違いは、映像出力インターフェース403がセレクタを備えた構成となっている点である。
【0055】
図12において、選択器(セレクタ)1201は、レッド色信号Rと、その他の制御信号であるCTL0をDEによって時間的に選択する。セレクタ1202は、グリーン信号Gとコントロール信号CTL1を時間的に選択する。セレクタ1203は、ブルー信号BとHVシンク信号を時間的に切り換える。ここで、DEとは画像の走査期間と帰線期間を区別する信号である。
【0056】
図10はセレクタの動作について説明するための図である。ここでは、セレクタ1201について説明するが、他のセレクタ1202,1203も同様に動作するものであり、その説明は省略する。図において、DE信号は映像期間の間はHIGHの期間であり、帰線期間の間はLOWの信号となる。
【0057】
セレクタ1201は、R信号及びCTL0信号が入力されるのにつれて、DE信号がHIGHレベルのときにはR信号を通過させ、DE信号がLOWの期間にはCTL0の信号を通過させるように動作する。これにより、出力信号は、映像期間にはR信号が入り、帰線期間にはCTL0の信号、つまり制御データを送信することが可能なる。なお、この帰線期間は出力のビデオレートがインターレースの場合、図8の左側に示すような帰線期間の状態となり、プログレッシブの場合、図8の右側に示すような図となる。
【0058】
以上のように構成された送信装置を含む信号伝達システムの動作について図9を用いて説明する。
まず、最初にSTBからテレビ側へメーカーコード及び機器コードの問い合わせを行う(S12)。テレビモニタ側が規格化の以前に出荷されたような機器である場合には、メーカーコード及び機器コードの問い合わせをしても、それに対する回答が得られないのが通常であるから、この場合には処理は終了し、STBの理解としては被接続モニタはI2Cへのテレビモニタ制御の機能をサポートしないので、今後I2Cで制御コマンドは送らないということに決定する(S13)。
【0059】
また、メーカーコード,機器コードの問い合わせの結果、返事があった場合には、それがSTBが既知のタイプかどうかを判定する(S14)。その場合、既知のタイプであった場合には処理は終了し、被接続モニタはSTB側でその性能が全てわかっているので、STB自身との組合せで最適な映像及び音声の出力を変えられるように動作をする(S15)。S14において、既知でないタイプ(UNKNOWN_TYPE)であると検出された場合には、ディスプレイが表示できるレートや音声チャンネル数を順に確認していく。音量調整やミュート,輝度,コントラスト調整などの基本的な調整機能は、業界標準を作成しておき、これらを使うことができるというようにSTBは判断する。
【0060】
図11は制御データの構成例であり、例えば“01”が2バイト期間連続するような予約パターンをヘッダとして持ち、次にSTBからテレビへのライトなのかテレビ側の状態をリードするためのリードなのかを識別するための何バイトかのR/Wデータ、そしてその次にテレビ側の何番地に何を書くかを示すアドレス、及びその書く値もしくは読んでくる値のデータの値をもって1つの制御データを構成する。制御データをこのような構成とすることにより、テレビ側に対して所望のコマンドを送ることができる。
【0061】
図13は受信側つまりテレビモニタの構成を示すブロック図である。
図13において、1301は受信用テレビモニタそのものを表す。1302は映像入力インターフェースであり、伝送路を介して受信した映像信号を入力する。1303は制御データ分離部であり、映像信号の中から制御データのみを分離する。1304は一時記憶部であり、制御データを一時的に記憶する。1305は画質制御部であり、映像信号の画質補正を行う。1306はデバイスインターフェースであり、ディスプレイデバイス1307に対してのインターフェースとなる。1308はCPUであり、制御データ分離部1303からの制御信号のうち、リアルタイム性を必要としないものについて、画質制御部1305を制御するのに使われる。1309はI2Cコントローラであり、I2Cバスを制御する。1310はI2Cコントローラ1309内のROMテーブルであり、テレビモニタ1301の性能について記述されている。輝度やコントラスト,音量など基本的なコマンドは業界で規格化されていることを前提として、そのような制御データの解釈はCPU1308が行い、CPU1308が画質制御部1305をコントロールするものとする。
【0062】
また、各フレーム毎に付随したデータは、CPU1308の介在なしに画質制御部1305に入力されることが望ましいため、直接画質制御部1305への制御信号も制御データ分離部1303が出力するものとする。制御信号の例としては、デコードされた画像がIピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャのいずれであるかや、各フレーム毎のその素材が、プログレッシブで撮像されたものかインターレースで撮像されたものかなどの別を表す情報である。
【0063】
受信側をこのような構成とすることにより、輝度やコントラスト,音量など必要最低限のものをSTBからの制御としてテレビモニタ側を動作させることができ、また、フレーム毎に制御信号を伝送し、STBはフレーム毎に画質制御を行うことができる。
【0064】
図14は各フレーム毎に送る制御信号の例を示す図であり、ここでは、テレシネの情報を重畳する例を説明している。テレシネの画像の場合、フィールドリピートして出力したフィールドが存在し、従来は受信側でフィールドメモリを持ち、それの差分をとることでフィールドリピートしたものであるかどうかを検出して走査変換を行っていた。
【0065】
図15は従来の24pのテレシネ素材から例えば60pに変換する場合の変換回路を示すブロック図である。図15において、1501,1502,1503はそれぞれ1フィールドだけ遅延して出力するフィールドメモリを表す。相関計算手段1504はこれらフィールドメモリによって遅延して受信した信号と現在の信号との間の相関を画素ごとにとり、相関が有る場合には現在のフィールドはフィールドリピートされたものであるという判断をし、それぞれのフィールドメモリからフィールドメモリのどの出力を出力するかを選択する選択手段1505を制御するように動作する。このような従来のフィールドリピートの検出手段では、相関計算は検出精度を上げようとすると計算量が非常に煩雑になり、ハードが重くなるという欠点があり、また、非常によく似た図柄の場合、誤検出を避けられないという問題点があった。
【0066】
そこで、上記問題点を解決するために、本実施の形態では、図16に示すように、フィールドリピートの信号の伝送の方式を用いるようにした。
【0067】
図16において、1601は放送波をデコードしベースバンドのビデオ信号の出力するMPEGデコーダであり、同時に放送波のストリーム中に含まれているそのフレームがトップフィールドかボトムフィールドかの情報、及びフィールドリピートされたものであるかどうかの情報を出力する。1602は伝送路符号化回路であり、走査期間にはMPEGデコーダ1601から出力されるRGB信号を伝送路符号化し出力するが、帰線期間には先に述べた制御データの形によってトップ,ボトム情報及びフィールドリピート情報を重畳する。1603は伝送路復号化回路であり、伝送路を介して受信した信号を元のRGBに復号化して、そのRGB信号をY色差信号にマトリクス変換し出力する。1604,1605,1606は、それぞれ1フィールドだけ映像信号を遅延させるフィールドメモリである。1607は伝送路復号化回路1603の出力のうち、制御データに重畳されている情報を抜き出す帰線期間コード解析手段である。1608は制御期間コード解析手段1607の出力を受けて、どのフィールドメモリからの出力を出力するかを選択する選択手段である。
【0068】
このように構成することによって、帰線期間コード解析手段1608は、送信側で重畳されたトップボトム情報及びフィールドリピート情報を誤りなく再生することができるので、正しいフィールドリピート情報及びトップ,ボトム情報を用いてY出力信号を得ることができる。
【0069】
次に、このような手段を用いてテレビモニタ側で24pから60p変換し、出力する場合の出力画像について図14を用いて説明する。図14において、A1はフレームAの第1フィールドを表し、A2は同じフレームAの第2フィールドを表すものとする。テレビモニタ入力信号は、例えば時間的にA1,A2でもう一度フィールドリピートされたA1が来るような場合を想定する。その場合、テレビモニタの出力信号は、まず、A1とA2から構成される1つのフレームが出力され、次の時間には同じくA1とA2から作られたフレームが出力される。ここで、モニタへの入力信号の第3フィールド目が第1フィールドと同じA1であるというように、正しく検出された場合にはテレビモニタの出力信号の第3フレーム目もA1とA2から作られる正しい絵が合成されるが、この時誤検出があると、正しく再現されないという問題があった。今回の図16に示すような構成においては、放送局側で重畳されたMPEGストリーム情報のトップ,ボトム情報及びフィールドリピート情報によって、リピートフィールドであるかどうかの判断をしているので、テレビモニタへの出力信号が正しく再生されることになる。
【0070】
なお、本実施の形態4において、テレシネの情報であるフィールドリピート及びトップ,ボトム情報を重畳した場合の説明を行ったが、例えば、そのフレームがIピクチャであったかPピクチャであったかBピクチャであったか、という情報も同様にして重畳することができる。但し、Iピクチャというのはフレーム内コーディングされた画像であり、Pピクチャはフレーム間の差分を用いたもの、Bピクチャは双方向の差分を用いて符号化された画像である。これによって、ノイズ除去のパラメータ設定をフレーム毎に行うことができる。従来はベースバンドの映像信号は、それぞれのフレームがIピクチャ,Bピクチャ,Pピクチャのいずれであるかわからないので、ノイズ除去を適応的に行うことができなかった。
【0071】
また、別の例として、MPEGの圧縮率の情報を重畳することもできる。この場合、MPEGの圧縮率は、MPEGのエレメンタリーストリームのヘッダより何メガビット/セカンドのビデオストリームかを得ることができる。さらに、水平,垂直サイズ及びフレームレートも得ることができるので、それとビットレートの関係をテレビ側に通知することによって、ノイズ除去のパラメータの設定をすることができる。このようにすれば、従来のように、送信側でMPEGの圧縮率に関する情報が分からないため、適切な処理ができないといった問題を回避できる。
【0072】
さらに、別の例として、素材の撮像がプログレッシブなカメラによるものか、インターレースのカメラによるものかという情報もMPEGストリームのヘッダより知ることができるので、この情報を同様の制御データとして送信することができる。そして、このデータによって、テレビモニタ側ではIP変換の、つまり、インターレースからプログレッシブへの変換の方法の選択に生かすことができる。従って、従来は、正確なIP変換を行うために動き検出回路が必要であり、その動き検出回路を用いて静止領域はプログレッシブな内挿を行い、動画領域はインターレースとして内挿していたが、ここではそれが不要になる。また、素材がインターレースであっても、画面の大部分にOSDなどのグラフィックス層をのせている場合も、プログレッシブで内挿することが適当であるが、OSDなどがのっているかどうかはSTB内部でわかっているので、その時にはプログレッシブとして制御信号を送信することによって、正しい内挿を行うことが可能となる。
【0073】
また、実施の形態4による信号伝達システムのデータ送信において、転送レートが遅いものは、図4に示すI2Cバスを利用してデータを送付するようにしてもよい。
【0074】
なお、上記実施の形態2において、色差信号を1本に多重したことによって、実施の形態1では3本の信号線が必要であったのが、2本の伝送路で映像信号全てを送信することが可能となったので、残りの1本の信号線を用いてMPEGデコーダから出力される自然画とOSDの領域を区別する信号を伝送することができる。この信号を伝送することによって、480pを放送時のIP変換のエラーが発生しても、480pのデータ放送に影響を及ぼさず、高画質に表示することができる。また、文字と自然画の処理の切りわけを画素ごとに行うことができるという特徴を有する。
【0075】
また、上記実施の形態2においては伝送路が2本ですむため、残りの1本をユーザ定義の信号線として定義することができる。
【0076】
なお、図4では映像信号を出力する装置がSTBの場合について述べたが、省電力が要求されるようなデジタルカメラやノートPCの場合にも全く同様の構成が適用できる。デジタルカメラやノートPC等の携帯端末等の場合には、静止画を伝送するのでテレビモニタ側の映像入力インターフェース408もしくは、例えば、テレビモニタ本体の画質制御部1305に持っているメモリを持っている場合には、最初に11CバスコントロールもしくはCTL0もしくはCTL1を用いた制御でメモリの有無や容量を確認し、次に上記メモリに記憶することをテレビモニタ側にコントロール側(携帯端末側)が指示し、次にコントロール側(携帯端末側)は1枚もしくはテレビモニタ側のメモリ容量内の枚数をユーザの指示で映像出力インターフェース403を通じてテレビモニタ側に送る。テレビモニタ側は映像入力インターフェース408、もしくは例えばテレビモニタ本体の画質制御部1305にユーザの設定した映像を貯える。最初のメモリ有無の確認でテレビモニタ側がメモリを有さない場合は、動画と同様に常に映像信号を出力する。また、PC等の場合は内部の映像が変わる度に同様の制御を行うためにPCの映像に変化が生じると上記シーケンスで静止データを送信するものを含む。こうする事によりデジタルカメラやノートPC等の携帯端末から連続的に同じ静止画を再送することなくテレビモニタ側に保持された静止画をテレビモニタ側に表示し続ける事ができる。これにより、映像信号の発生側のデジタルカメラなどの映像出力インターフェースは1枚の静止画を伝送する場合にのみ動作すればよく、省電力化につながるという効果を有する。なお、この静止画伝送を時間的に繰り返すことによって、例えば1秒おきに静止画を送ったり、休んだりすることを繰り返すことによって、モーションJPEGのような画像を高効率に省電力で伝送することも可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明にかかる信号伝達システムは、ベースバンドの映像信号を復号する前の画像新信号に関する情報に基づき、当該ベースバンドの映像信号に対し適切な処理を施すことができ、また、映像信号の送信側、及び受信側のハードウエアの構成を簡単なものとすることができ、高画質化、消費電力の低減が要求されるようなデジタルカメラやノートPC等に有用である。
【符号の説明】
【0078】
101,201 映像信号出力装置
102,202 MPEGデコーダ
103,204 伝送路符号化回路
104,205 表示装置
105,206 伝送路復号化回路
106,208 Y処理回路
107,209 色処理回路
108,210 信号変換回路
109,211 表示デバイス
203 時分割多重回路
207 分離回路
301 STB
302,1301 TVモニタ
402 MPEGデコーダ
403 映像出力インターフェース
404 CPU
405 プログラムROM
406 I2Cコントローラ
408,1302 映像入力インターフェース
409,1306 デバイスインターフェース
410,1307 ディスプレイデバイス
411,1309 I2Cコントローラ
412,1309 ROMテーブル
1201,1202,1203 セレクタ
1303 制御データ分離部
1304 一時記憶部
1305 画質制御部
1308 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号を伝送路を介してデジタル伝送する送信装置において、
ベースバンドの輝度信号と色差信号とを映像期間に、制御信号を帰線期間に時分割多重する伝送路符号化手段と、
I2C(Inter IC control)バスを介して受信装置情報を受信するインタフェースとを備え、
前記制御信号の種類には、画質の制御に用いる、前記映像信号の画像のフィールドリピート情報が含まれ、
さらに、前記送信装置は、音声信号を出力し、
前記受信装置情報に基づき受信装置で表示可能な出力を行うように前記輝度信号と前記色差信号と前記音声信号を出力する送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−188527(P2011−188527A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118844(P2011−118844)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【分割の表示】特願2004−146505(P2004−146505)の分割
【原出願日】平成13年7月23日(2001.7.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】