送受信システム及び送受信方法
【課題】待機系装置に接続された機器から受信した信号及び待機系装置に接続された機器に送信しようとする信号を、運用系装置に搭載された送受信装置で扱うことが可能な送受信システム及び方法を提供する。
【解決手段】運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、マルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換して多重化し、1つのシリアル受信信号として運用系装置に送信し、運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換して逆多重化する。また、待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、マルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換して多重化し、1つのシリアル送信信号として運用系装置から待機系装置に送信し、待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する。
【解決手段】運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、マルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換して多重化し、1つのシリアル受信信号として運用系装置に送信し、運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換して逆多重化する。また、待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、マルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換して多重化し、1つのシリアル送信信号として運用系装置から待機系装置に送信し、待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信システム及び送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交換機等(以下、「装置」という。)において、RS232−Cシリアルインタフェースから装置のパラメータ等を設定をすることがある。また、RS232−Cシリアルインタフェースを有するプリンタを装置に接続する構成が存在する。
【0003】
このような装置を、運用系装置と待機系装置を含む二重化装置にすることにより、信頼性を向上させることがある。二重化装置において、運用系装置に障害が発生した場合などに、それまでの待機系装置を運用系装置として新たに利用する。この場合、RS232−Cシリアルインタフェースでそれまでの運用系装置に接続されているプリンタ等を、人的操作なしに待機系装置に接続する必要がある。
【0004】
特許文献1には、運用系スイッチに第1データ変換部等を設け、予備系スイッチに第2データ変換部等を設け、第1データ変換部と第2データ変換部とを、第1転送線と第2転送線と第3転送線とにより双方向に接続し、第1転送線でシリアルデータを双方向に転送し、第2転送線でクロックを双方向に転送し、第3転送線でフレームパルスを双方向に転送する技術が記載されている。
【0005】
特許文献2には、送信側のデータ転送装置で、パラレルの状態制御信号とパラレルのデータ信号とを合わせてパラレル/シリアル変換することにより、1つのシリアル信号に変換し、このシリアル信号と、クロック信号と、同期信号とを受信側のデータ転送装置に送信する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−262375号公報(段落[0013]〜[0015]等)
【特許文献2】特開平11−074856号公報(段落[0013]等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術では、運用系装置(運用系スイッチ)に接続された機器から受信した信号及び運用系装置(運用系スイッチ)に接続された機器に送信しようとする信号を運用系装置(運用系スイッチ)に接続された送受信装置で扱うことができるが、待機系装置(予備系スイッチ)に接続された機器から受信した信号及び待機系装置(予備系スイッチ)に接続された機器に送信しようとする信号を、運用系装置(運用系スイッチ)に搭載された送受信装置で扱うようにすることができない。特許文献2に記載の技術でも同様である。
【0008】
このようなことができるならば、運用系装置と待機系装置とが入れ替わった場合に、それまでの運用系装置に接続されていた機器を新たな運用系装置(それまでの待機系装置)に接続し直さなくてもその機器を使用し続けることができるので、運用系装置が入れ替わる度に機器の接続先を変える必要性はなくなり、従って、保守性が増す。
【0009】
そこで、本発明は、待機系装置に接続された機器から受信した信号及び待機系装置に接続された機器に送信しようとする信号を、運用系装置に搭載された送受信装置で扱うようにすることを可能とする送受信システム及び送受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信システムであって、前記運用系装置に備えられたマルチプレクサと、前記運用系装置に備えられたデマルチプレクサと、前記待機系装置に備えられたマルチプレクサと、前記待機系装置に備えられたデマルチプレクサと、前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、を備えることを特徴とする送受信システムが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信方法であって、前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化するステップと、前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化するステップと、を有することを特徴とする送受信方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、を備えるので、待機系装置に接続された機器から受信した信号及び待機系装置に接続された機器に送信しようとする信号を、運用系装置に搭載された送受信装置で扱うようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る送受信システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の送受信システムの各部の信号を示す図である。
【図3】UARTが受信側の場合のUART接続状態を示す図である。
【図4】UARTが受信側の場合の状態1を示す図である。
【図5】UARTが受信側の場合の状態2を示す図である。
【図6】UARTが受信側の場合の状態3を示す図である。
【図7】UARTが受信側の場合の状態4を示す図である。
【図8】UARTが送信側の場合のUART接続状態を示す図である。
【図9】UARTが送信側の場合の状態1を示す図である。
【図10】UARTが送信側の場合の状態2を示す図である。
【図11】UARTが送信側の場合の状態3を示す図である。
【図12】UARTが送信側の場合の状態4を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。RS232−Cポートを具備する二重化装置において、運用系と待機系の切替えの際、運用系RS232−Cポートに接続されている機器を、待機系RS232−Cポートに切替える必要があり、運用系と待機系間で制御信号とデータの通信が必要である。
【0015】
本発明は、RS232−Cの制御信号及びデータを多重化することにより、運用系と待機系間の制御信号・データの通信を、例えば、4本の信号線で実現することに特徴がある。
【0016】
RS232−Cの調歩同期インタフェースは、制御信号5本とデータ2本を具備する。制御信号は、入力信号であるDCD(キャリア検出)、DSR(データセットレディ)、CTS(送信可)と出力信号であるDTR(データ端末レディ)、RTS(送信リクエスト)からなり、データはRxD(受信データ)とSxD(送信データ)からなる。
【0017】
本実施形態では、図1に示すようにこれらの制御信号とデータを多重化して2本の信号線に変換し、運用系装置から待機系へ制御信号及びデータを渡す。送信クロックには、例えば、RS232−Cのボーレートを生成するクロック11.0592MHzを使用する。多重化した信号の1フレームは、例えば、11.0592Mzの18クロック分とし、フレームの先頭を示すフレームヘッド信号を生成する。これらのクロック1本・フレームヘッド1本・多重化信号2本の合計4本で運用系と待機系間の制御信号とデータの転送を行う。
【実施例】
【0018】
次に、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。二重化装置には、運用系と待機系があり、通常は運用系で動作する。運用系に異常が生じた場合には待機系に切り替わり動作する。二重化装置にはホットスタンバイ方式とコールドスタンバイ方式の二種類が存在するが、本実施例ではコールドスタンバイ方式に適用する。コールドスタンバイ方式とは、待機系が非動作状態で待機しており、運用系が異常になると起動する方式である。
【0019】
図1は二重化装置のRS232−Cインタフェース部分を示すブロック図である。運用系と待機系は同装置のため構成は同様である。以下では運用系を説明するが、待機系も同様である。
【0020】
RS232−Cインタフェースは、通常、RS232−Cの電気的特性を満足するRS232−Cトランシーバ調歩同期方式によるシリアル/パラレル変換を行うUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)から構成されている。
【0021】
図1に示す実施例では、RS232−Cトランシーバ12とUART14の間にセレクタ13が追加されている。このセレクタ13は、RS232−Cトランシーバ12からの制御信号及びデータを、UART14かマルチプレクサ/デマルチプレクサ15のどちらに接続するかを決めるセレクタである。
【0022】
セレクタ13の後段には、制御信号とデータを多重化するためのマルチプレクサ回路と、待機系からの多重化データを分離するためのデマルチプレクサ回路が必要となる。マルチプレクサ/デマルチプレクサ15は、このマルチプレクサ回路とデマルチプレクサ回路を備えている。
【0023】
その際、本実施例においては、待機系が該待機系に接続されているRS−232C機器から受信し、運用系の受信装置(UART)に送信するデータ信号及び制御信号を、待機系のマルチプレクサ回路を用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として待機系から運用系に送信し、運用系のデマルチプレクサ回路を用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する。
【0024】
また、運用系の送信装置(UART)から入力し、待機系に接続されているRS−232C機器に送信するデータ信号及び制御信号を、運用系のマルチプレクサ回路を用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として運用系から待機系に送信し、待機系のデマルチプレクサ回路を用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する。
【0025】
更に、クロック/フレームヘッド生成回路16は、マルチプレクサ/デマルチプレクサ15で多重化信号を生成するためのクロックを生成し、更に待機系へ多重化信号フレームの先頭を伝達するためのフレームヘッドを生成する。マルチプレクサ/デマルチプレクサ15はこれらのクロックとフレームヘッドを使用して図2のような多重化データを生成する。また、多重化データを図2のタイミングで分離する。
【0026】
図2の上側に示す信号のうちクロック、フレームヘッド、多重化信号(出力)は、運用系側のマルチプレクサ/デマルチプレクサ15から待機系側のマルチプレクサ/デマルチプレクサ25に送信される信号である。RTS、DTRは運用系側の制御信号を示す。
【0027】
また、図2の下側に示す信号のうちクロック、フレームヘッド、多重化信号(入力)は、待機系側のマルチプレクサ/デマルチプレクサ25から運用系側のマルチプレクサ/デマルチプレクサ15に送信される信号である。RTS、DTRは待機系側の制御信号を示す。
【0028】
このような回路構成で、RS232−C接続機器からの制御信号とデータを多重化し、4本の信号線で送受信を行う。RS232−Cインタフェースには、図1に示すようにプリンタ等の装置(RS232−C接続機器10)が接続されているものとする。
【0029】
通常、運用系で動作している場合には、制御信号及びデータは運用系のRS232−Cトランシーバ12を介してセレクタ13に入力される。通常動作中は、セレクタ13はUART14に接続するようスイッチングされる。セレクタ13によりUART14に接続されている場合は、前述した一般的なRS232−Cの回路構成と同等である。
【0030】
次に、運用系が何らかの異常により待機系に切り替わった場合の動作を説明する。運用系が異常により待機系に切り替わった場合においても、人的操作を除いてはRS232−C接続機器は運用系のコネクタに接続された状態である。RS232−C接続機器は運用系のRS232−Cトランシーバ12を介してセレクタ13に接続されるのは先程と同様である。但し、セレクタ13はマルチプレクサ/デマルチプレクサ15側にスイッチングする。これにより、RS232−C接続機器との接続は、運用系のUART14ではなく、マルチプレクサ/デマルチプレクサ15と接続されることになる。
【0031】
マルチプレクサ/デマルチプレクサ15は待機系のクロック/フレームヘッド生成回路26からクロックとフレームヘッドを受信し、図2のフォーマットにしたがって多重化データを生成する。ここで、待機系のクロック/フレームヘッド生成回路26で生成されたクロックとフレームヘッドを使用するのは、動作している装置のクロックでRS232−C接続機器10へ出力する必要があるからである。
【0032】
待機系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ25は、マルチプレクサ/デマルチプレクサ15で生成された多重化信号を分離し、セレクタ23へ送信する。セレクタ23はUART24側へスイッチングする。これにより、待機系のUART24とRS232−C接続機器10との接続が確立される。この構成は、待機系にRS232−C接続機器が接続されている状態においても、運用系への接続切替えを行う場合も同様である。
【0033】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、RS232−Cインタフェースを具備する二重化装置で、例えば、プリンタやモデムを接続するような装置にも適用できる。
【0034】
次に、本発明の二重化装置におけるRS232−Cの二重化方法について詳細に説明する。図3は0系(例えば運用系)と1系(例えば待機系)のセレクタ及びマルチプレクサ/デマルチプレクサを詳細に示す。即ち、図3はUARTが受信側の場合のUART接続状態を示す。
【0035】
ここで、二重化装置とは一方(0系)のユニットが運用系(ACT)として動作し、他方(1系)のユニットが待機系(STBY)となり、運用系に障害が発生した場合には自動的に0系が待機系となり、1系が運用系として動作することをいう。待機系は運用系の可動状態を常時監視し、運用系の動作停止を検出した場合に自動的に系の切替を行う。
【0036】
図中13−1、13−2、13−4は0系のセレクタ内のゲート、13−3は論理和回路である。23−1、23−2、23−4は1系のセレクタ13内のゲート、23−3は論理和回路である。15−1は0系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ15内のマルチプレクサ、15−2はデマルチプレクサである。25−1は1系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ25内のマルチプレクサ、25−2はデマルチプレクサである。
【0037】
0系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ15−1と1系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ25−1間では、上述のように制御信号(2本)と多重化信号(2本)の送受信が行われる。
【0038】
図4、図5、図6、図7はUARTが受信側の場合の各状態を示す図である。図中のゲートに×印を示すのはそのゲートが開状態(OFF)であることを示す。ゲート上に何も示していないのはそのゲートが閉状態(ON)であることを示す。図4は状態1を示しており、ゲート23−4のみが開状態である。状態1では、例えば、0系が運用系、1系が待機系として動作しており、図1のRS232−C接続機器10が運用系、待機系のどちらに接続されていても、論理和回路13−3で論理和をとっているため、接続機器からのRS232−C信号をUART14で受信することが可能となる。
【0039】
図5は状態2を示す。状態2ではゲート23−1、23−2が開状態、その他のゲートは閉状態である。状態2では、0系が運用系、1系が保守系(保守中)として動作しているが、ゲート23−1、23−21が開状態であるため、1系(保守系)では0系(運用系)の運用を中断することなく、1系(保守系)に接続機器を接続して1系を独立して接続テスト等を行うことが可能となる。保守中の動作は後述する。
【0040】
図6は状態3を示す。状態3では、ゲート13−4、23−1、23−2が開状態、その他のゲートは閉状態である。状態3では、0系が待機系、1系が保守系(保守系)であり、両方の系とも運用していない。この状態では、1系(保守系)では0系(待機系)に影響を与えることなく、上述のような接続テスト等を行うことが可能となる。
【0041】
図7は状態4を示す。状態4ではゲート13−1、13−2、23−1、23−2が開状態、その他のゲートは閉状態である。状態4では、0系、1系とも保守系(保守中)であり、両方の系とも運用していない状態であるが、0系、1系とも独立して上述のような接続テスト等を行うことが可能となる。
【0042】
図8はUARTが送信側の場合の0系と1系のセレクタ及びマルチプレクサ/デマルチプレクサを詳細に示す。即ち、図8はUARTが送信側の場合のUART接続状態を示す。図中13−6、13−7、13−8は0系のセレクタ内のゲート、13−5は論理和回路である。
【0043】
また、23−6、23−7、23−8は1系のセレクタ23内のゲート、23−5は論理和回路である。15−3は0系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ15内のデマルチプレクサ、15−4はマルチプレクサである。25−4は1系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ25内のマルチプレクサ、25−3はデマルチプレクサである。
【0044】
図9、図10、図11、図12はUARTが送信側の場合の各状態を示す図である。ゲートに×印を示すのはそのゲートが開状態(OFF)であることを示す。ゲート上に何も示していないのはそのゲートが閉状態(ON)であることを示す。なお、図9〜図12はUARTが送信側の場合の状態であり、図4〜図7のUARTが受信側の場合の動作に対して逆方向の動作となる。
【0045】
図9は状態1を示しており、ゲート23−8のみが開状態である。状態1では、例えば、0系が運用系、1系が待機系として動作しており、図1のRS232−C接続機器10が運用系、待機系のどちらに接続されていても、論理和回路13−5、23−5で論理和をとっているため、UART14からの信号をどちらの機器にも送信することが可能となる。
【0046】
図10は状態2を示す。状態2ではゲート23−6、23−7が開状態、その他のゲートは閉状態である。状態2では、0系が運用系、1系が保守系(保守中)として動作しているが、1系(保守系)では0系(運用系)の運用を中断することなく、1系(保守系)に接続機器を接続して1系を独立して接続テスト等を行うことが可能となる。
【0047】
図11は状態3を示す。状態3では、ゲート13−8、23−6、23−7が開状態、その他のゲートは閉状態である。状態3では、0系が待機系、1系が保守系(保守中)であり、両方の系とも運用していない。この状態では、1系(保守系)では0系(待機系)に影響を与えることなく、上述のような接続テスト等を行うことが可能となる。
【0048】
図12は状態4を示す。状態4ではゲート13−6、13−7、23−6、23−7が開状態、その他のゲートは閉状態である。状態4では、0系、1系とも保守系(保守中)であり、両方の系とも運用していない状態であるが、0系、1系とも独立して上述のような接続テスト等を行うことができる。
【0049】
次に、本発明を更に詳細に説明する。
【0050】
(1)本発明は、運用系のRS232−C信号を待機系に接続する際にRS232−C通信速度より高いサンプリングレートでサンプリングし、データ及び制御信号をシリアルデータに変換して信号線の本数を削減することが可能である(7本→4本)。
【0051】
本発明では、マルチプレクサ/デマルチプレクサでパラレル→シリアル変換する際に受信データをそのまま待機系に送信しているため、スタートビット検出によるデータ同期の必要性はない。あくまでも、全てのデータ(データ・制御信号)をシリパラ・パラシリしているだけであるため、スタートビットの検出は関係なく、スタートビットは従来通りUARTで検出となる。
【0052】
(2)本発明は、運用系における複数(2つ以上)ポートのRS232−C信号を多重化して待機系と接続し、信号線の数を削減することが可能である(7本×ポート数→4本)。
【0053】
即ち、運用系及び待機系には、例えば、2ポート(図2の#A、#B)のRS232−Cポートを有し、図1において各装置には、2組の入出力コネクタ、RS232−Cドライバ、セレクタ、UARTを有する。なお、図1では2ポート目の入出力コネクタは省略されている。
【0054】
図2の多重化信号#A及び#Bは各ポートのRS232−C信号であり、マルチプレクサに入力された2ポート分の信号は、図2では18クロック間隔のフレーム毎に2ポート分(7ビット×2個)のデータを多重化して送受信を行う。本方式により、RS232−Cのポート毎に二重化の各装置間の信号線を設ける必要が無く、信号線の本数を削減できる。
【0055】
(3)本発明はRS232−C信号をシリアル化するマルチプレクサのサンプリングレートは、RS232−C通信速度の16倍×送受信ビット数もしくはその整数倍とする(ボーレート×16×送受信ビット数×N)。
【0056】
即ち、運用系と待機系を接続する場合、上記実施例のボーレートは、38.4Kbps以下である。上記実施例の最高ボーレートの時のサンプリングレート:38.4Kbps×16倍×18=11.0592Mbpsである。UARTは一般的にRS232−C通信速度の16倍のクロックでRS232−C信号をサンプリングして受信する。
【0057】
マルチプレクサは運用系のUARTに入力される信号を通信速度の16倍×N倍のクロックでサンプリングして多重化することにより、待機系のUARTがサンプリングするタイミング以上の細かな間隔に波形を再現することが可能となる。通信速度が遅い場合にはN倍のスピードでサンプリングされるため、より再現される波形の精度は高くなる。
【0058】
なお、38.4Kbpsの場合は16倍、19.2Kbpsの場合は16×2=32倍(2倍)、9.6Kbpsの場合は16×4=64倍(4倍)となる。上記実施例では11.0592Mbps/18の値が割り切れる1倍、2倍、4倍となるが、高いクロックでサンプリングすれば良く、3倍、5倍でも可能であるため整数倍とする。また、図2に示す実施例のサンプリング方法はRS−232Cの各信号を伝送クロックの11.0592Mbpsで順次サンプリングしているが、フレームヘッドのタイミングで全てのRS232−C信号を読み込んでも良い。
【0059】
(4)本発明は、RS232−C入力ポートからUARTへのRS232−C信号と二重化の他方装置からのRS232−C信号の論理和をとることにより、何れの装置の入力ポートにRS232−C機器を接続した場合でもRS232−C機器との通信が可能である。
【0060】
図4等に示すように、0系は最初の運用系、1系は最初の待機系とし、0系に障害が発生した場合には1系が運用系になり、0系が待機系となる。UARTを接続するスイッチ(図4等のゲート)は運用系の場合はONとなり、待機系の場合はOFFとなる。
【0061】
通常は運用系(0系)の入出力コネクタ11にRS232−C機器を接続して運用し、0系の入出力コネクタ11からのRS232−C信号は論理和回路13−3を通してUART14に入力される。この場合、1系(待機系)の入出力コネクタ21にはRS232−C機器は接続されていないので、0系の入出力コネクタ11からの信号だけが入力される。
【0062】
一方、0系に障害が発生した場合には、0系が待機系、1系が運用系となり、0系のスイッチがOFF、1系のスイッチがONになる。この状態では、待機系(0系)の入出力コネクタ11に接続されたRS232−C機器のRS232−C信号は運用系(1系)の論理和回路23−3を通して運用系(1系)のUART24に入力され、1系の装置で障害が発生している0系に接続されたRS232−C機器との通信が可能となる。
【0063】
ここで、RS232−C機器10を待機系(0系)から運用系(1系)の入出力コネクタに接続を切替えても、1系の入出力コネクタからのRS232−C信号は論理和回路23−3を通して運用系(1系)のUART24に入力される(図4等参照)。
【0064】
この様にRS232−Cコネクタからの信号と接続された他方の装置からのRS232−C信号の論理和をとってUARTに入力することにより、障害発生時には障害が発生した0系の装置に接続されたRS232−C機器と新しい運用系(1系)のUARTと通信を継続できる。また、0系装置の修理(保守)を行う場合には、元の運用系(0系)からRS232−C機器を新しい運用系(1系)に繋ぎ変えるだけで新しい運用系(1系)のUARTで受信可能となる(但し、同時接続は不可)。
【0065】
(5)本発明は、自CPU接続の設定により二重化の他方装置からの入力を禁止し、自CPU接続の設定をした装置に接続されたRS232−C機器との通信が可能である。運用系、待機系の各装置には「ACT/STBY設定に従う」、「ACT/STBY設定に従わない(自CPU接続)」のいずれかの設定を行う。通常、RS232−C信号の自動切替を行う場合には両装置とも「ACT/STBY設定に従う」に設定する。
【0066】
図3は上述のようにUARTが受信側の場合のUART接続状態を、図8はUARTが送信側の場合のUART接続状態を示す(図3等ではRS232−Cトランシーバ等は省略している)。また、図4〜図7にはUARTが受信側の場合の各状態を示す。
【0067】
0系、1系の両装置が「ACT/STBY設定に従う」に設定されている場合には、図4に示すように運用系(0系)に接続されたRS232−C機器は0系のUART14と通信すると共に、ゲート23−1及び23−2がONのため、待機系(1系)に送られる。但し、1系のゲート23−4がOFFのため、1系のUART24には入力されない。
【0068】
この状態で運用系が0系から1系に切り替わった場合には、0系のゲート13−4がOFFになり、1系のゲート23−4がONになる。この時、0系と1系のゲート13−1及び23−2、23−1、23−2がONのため、0系の入出力コネクタに接続されたRS232−C機器は、1系のUARTと通信が可能となる。
【0069】
また、図4の状態では、待機系(1系)のRS232−C入出コネクタは、待機系のUART24に接続状態となっていないため(1系のゲート23−4がOFF)、待機系に接続されたRS232−C機器と通信できない。この場合、待機系(1系)を「ACT/STBY設定に従わない(自CPU接続)」に設定すると、図5に示すように1系のゲート23−1及び23−2がOFF、ゲート23−4がONになるため、待機系(1系)に接続されたRS232−C機器は待機系のUARTに接続され、通信が可能となる(保守用機能)。図5は1系が保守機能になった例を示す。
【0070】
ここで、通常であれば、例えば、0系を運用系(ACT)、1系を待機系(STBY)で運用し、運用系(0系)にRS232−C機器を接続して運用している状態で、待機系装置にデータを登録する場合には、待機系のRS232−C入出力コネクタにRS232−C機器(データ登録機器等)を接続しても、待機系のUARTと接続されない。
【0071】
その場合、本発明によれば、1系を「ACT/STBY設定に従わない(自CPU接続)」に設定することにより、運用系(0系)の入出力コネクタにRS−232C機器を接続し、この機器と運用系(0系)のUARTが通信している状態でも、待機系(1系)のRS232−Cコネクタに接続されたデータ登録装置が待機系(1系)のUARTに接続され、待機系(1系)のデータ設定が可能となる。
【0072】
なお、初期工事等の場合には、0系と1系の両装置を「ACT/STBY設定に従わない(自CPU接続)」に設定することにより、両装置にデータ登録装置を接続してデータ設定が可能となる(図7に示す状態)。なお、図4等に示すゲート13−2、23−2はマルチプレクサと論理和回路の間に位置し、論理和回路への入力をON/OFFする。
【0073】
特許文献1に記載の技術では、上述のように運用系装置(運用系スイッチ)に接続された機器から受信した信号及び運用系装置(運用系スイッチ)に接続された機器に送信しようとする信号を運用系装置(運用系スイッチ)に接続された送受信装置で扱うことができるが、待機系装置(予備系スイッチ)に接続された機器から受信した信号及び待機系装置(予備系スイッチ)に接続された機器に送信しようとする信号を、運用系装置(運用系スイッチ)に搭載された送受信装置で扱うようにすることができない。特許文献2に記載の技術でも同様である。
【0074】
このようなことができるならば、運用系装置と待機系装置とが入れ替わった場合に、それまでの運用系装置に接続されていた機器を新たな運用系装置(それまでの待機系装置)に接続し直さなくてもその機器を使用し続けることができるので、運用系装置が入れ替わる度に機器の接続先を変える必要性はなくなり、従って、保守性が増す。
【0075】
本実施形態では、運用系装置に接続された機器から受信した信号及び運用系装置に接続された機器に送信しようとする信号のみならず、待機系装置に接続された機器から受信した信号及び待機系装置に接続された機器に送信しようとする信号も、運用系装置に搭載された送受信装置で扱うようにすることが可能となる。
【0076】
本発明の実施形態によれば、運用系装置及び待機系装置のそれぞれに複数の機器が搭載された場合であっても、それに対応することができる。
【0077】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0078】
(付記1)運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信システムであって、
前記運用系装置に備えられたマルチプレクサと、
前記運用系装置に備えられたデマルチプレクサと、
前記待機系装置に備えられたマルチプレクサと、
前記待機系装置に備えられたデマルチプレクサと、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、
前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、
を備えることを特徴とする送受信システム。
【0079】
(付記2)付記1に記載の送受信システムであって、
前記運用系装置に接続されている機器及び前記待機系装置に接続されている機器は同数且つ複数であり、
前記運用系装置のマルチプレクサ、前記待機系装置のマルチプレクサ、前記運用系のデマルチプレクサ及び前記待機系のデマルチプレクサは、それぞれ、複数の機器が送受信する信号を扱うことを特徴とする送受信システム。
【0080】
(付記3)付記1又は2に記載の送受信システムであって、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置の受信装置に供給する手段と、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置に接続されている前記機器に送信する手段と、
を更に備えることを特徴とする送受信システム。
【0081】
(付記4)付記3に記載の送受信システムであって、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置の受信装置への供給を禁止する手段と、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置への供給を禁止する手段と、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置へ供給する手段と、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置に接続されている前記機器への送信を禁止する手段と、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置に接続されている前記機器への送信を禁止する手段と、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を前記待機系に接続されている前記機器へ供給する手段と、
を更に備えることを特徴とする送受信システム。
【0082】
(付記5)付記1乃至4の何れか1に記載の送受信システムであって、
ボーレート×M×N
であって、
Mは、前記シリアル受信信号又は前記シリアル送信信号に要する数値以上の最低の2のべき乗の整数
Nは1以上の整数
であることを特徴とする送受信システム。
【0083】
(付記6)運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信方法であって、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化するステップと、
前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化するステップと、
を有することを特徴とする送受信方法。
【0084】
(付記7)付記6に記載の送受信方法であって、
前記運用系装置に接続されている機器及び前記待機系装置に接続されている機器は同数且つ複数であり、
前記運用系装置のマルチプレクサ、前記待機系装置のマルチプレクサ、前記運用系のデマルチプレクサ及び前記待機系のデマルチプレクサは、それぞれ、複数の機器が送受信する信号を扱うことを特徴とする送受信方法。
【0085】
(付記8)付記6又は7に記載の送受信方法であって、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置の受信装置に供給するステップと、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置に接続されている前記機器に送信するステップと、
を更に備えることを特徴とする送受信方法。
【0086】
(付記9)付記8に記載の送受信方法であって、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置の受信装置への供給を禁止するステップと、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置への供給を禁止するステップと、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置へ供給するステップと、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置に接続されている前記機器への送信を禁止するステップと、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置に接続されている前記機器への送信を禁止するステップと、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を前記待機系に接続されている前記機器へ供給するステップと、
を更に備えることを特徴とする送受信方法。
【0087】
(付記10)付記6乃至9の何れか1に記載の送受信方法であって、
ボーレート×M×N
であって、
Mは、前記シリアル受信信号又は前記シリアル送信信号に要する数値以上の最低の2のべき乗の整数
Nは1以上の整数
であることを特徴とする送受信方法。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、交換機、ルータ、Ethernet(登録商標)HUB等のRS232−Cインタフェース(調歩同期)を具備し、且つ、二重化構成が存在する装置に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0089】
10 RS232−C接続機器
11、21 入出力コネクタ
12、22 RS232−Cトランシーバ
13、23 セレクタ
14、24 UART
15、25 マルチプレクサ/デマルチプレクサ
16、26 クロック/フレームヘッド生成回路
13−1、13−2、13−4 ゲート
13−6、13−7、13−8 ゲート
23−1、23−2、23−4 ゲート
23−6、23−7、23−8 ゲート
15−1、15−4、25−1、25−4 マルチプレクサ
15−2、15−3、25−2、25−3 デマルチプレクサ
13−3、13−5、23−3、23−5 論理和回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信システム及び送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交換機等(以下、「装置」という。)において、RS232−Cシリアルインタフェースから装置のパラメータ等を設定をすることがある。また、RS232−Cシリアルインタフェースを有するプリンタを装置に接続する構成が存在する。
【0003】
このような装置を、運用系装置と待機系装置を含む二重化装置にすることにより、信頼性を向上させることがある。二重化装置において、運用系装置に障害が発生した場合などに、それまでの待機系装置を運用系装置として新たに利用する。この場合、RS232−Cシリアルインタフェースでそれまでの運用系装置に接続されているプリンタ等を、人的操作なしに待機系装置に接続する必要がある。
【0004】
特許文献1には、運用系スイッチに第1データ変換部等を設け、予備系スイッチに第2データ変換部等を設け、第1データ変換部と第2データ変換部とを、第1転送線と第2転送線と第3転送線とにより双方向に接続し、第1転送線でシリアルデータを双方向に転送し、第2転送線でクロックを双方向に転送し、第3転送線でフレームパルスを双方向に転送する技術が記載されている。
【0005】
特許文献2には、送信側のデータ転送装置で、パラレルの状態制御信号とパラレルのデータ信号とを合わせてパラレル/シリアル変換することにより、1つのシリアル信号に変換し、このシリアル信号と、クロック信号と、同期信号とを受信側のデータ転送装置に送信する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−262375号公報(段落[0013]〜[0015]等)
【特許文献2】特開平11−074856号公報(段落[0013]等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術では、運用系装置(運用系スイッチ)に接続された機器から受信した信号及び運用系装置(運用系スイッチ)に接続された機器に送信しようとする信号を運用系装置(運用系スイッチ)に接続された送受信装置で扱うことができるが、待機系装置(予備系スイッチ)に接続された機器から受信した信号及び待機系装置(予備系スイッチ)に接続された機器に送信しようとする信号を、運用系装置(運用系スイッチ)に搭載された送受信装置で扱うようにすることができない。特許文献2に記載の技術でも同様である。
【0008】
このようなことができるならば、運用系装置と待機系装置とが入れ替わった場合に、それまでの運用系装置に接続されていた機器を新たな運用系装置(それまでの待機系装置)に接続し直さなくてもその機器を使用し続けることができるので、運用系装置が入れ替わる度に機器の接続先を変える必要性はなくなり、従って、保守性が増す。
【0009】
そこで、本発明は、待機系装置に接続された機器から受信した信号及び待機系装置に接続された機器に送信しようとする信号を、運用系装置に搭載された送受信装置で扱うようにすることを可能とする送受信システム及び送受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信システムであって、前記運用系装置に備えられたマルチプレクサと、前記運用系装置に備えられたデマルチプレクサと、前記待機系装置に備えられたマルチプレクサと、前記待機系装置に備えられたデマルチプレクサと、前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、を備えることを特徴とする送受信システムが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信方法であって、前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化するステップと、前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化するステップと、を有することを特徴とする送受信方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、を備えるので、待機系装置に接続された機器から受信した信号及び待機系装置に接続された機器に送信しようとする信号を、運用系装置に搭載された送受信装置で扱うようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る送受信システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の送受信システムの各部の信号を示す図である。
【図3】UARTが受信側の場合のUART接続状態を示す図である。
【図4】UARTが受信側の場合の状態1を示す図である。
【図5】UARTが受信側の場合の状態2を示す図である。
【図6】UARTが受信側の場合の状態3を示す図である。
【図7】UARTが受信側の場合の状態4を示す図である。
【図8】UARTが送信側の場合のUART接続状態を示す図である。
【図9】UARTが送信側の場合の状態1を示す図である。
【図10】UARTが送信側の場合の状態2を示す図である。
【図11】UARTが送信側の場合の状態3を示す図である。
【図12】UARTが送信側の場合の状態4を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。RS232−Cポートを具備する二重化装置において、運用系と待機系の切替えの際、運用系RS232−Cポートに接続されている機器を、待機系RS232−Cポートに切替える必要があり、運用系と待機系間で制御信号とデータの通信が必要である。
【0015】
本発明は、RS232−Cの制御信号及びデータを多重化することにより、運用系と待機系間の制御信号・データの通信を、例えば、4本の信号線で実現することに特徴がある。
【0016】
RS232−Cの調歩同期インタフェースは、制御信号5本とデータ2本を具備する。制御信号は、入力信号であるDCD(キャリア検出)、DSR(データセットレディ)、CTS(送信可)と出力信号であるDTR(データ端末レディ)、RTS(送信リクエスト)からなり、データはRxD(受信データ)とSxD(送信データ)からなる。
【0017】
本実施形態では、図1に示すようにこれらの制御信号とデータを多重化して2本の信号線に変換し、運用系装置から待機系へ制御信号及びデータを渡す。送信クロックには、例えば、RS232−Cのボーレートを生成するクロック11.0592MHzを使用する。多重化した信号の1フレームは、例えば、11.0592Mzの18クロック分とし、フレームの先頭を示すフレームヘッド信号を生成する。これらのクロック1本・フレームヘッド1本・多重化信号2本の合計4本で運用系と待機系間の制御信号とデータの転送を行う。
【実施例】
【0018】
次に、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。二重化装置には、運用系と待機系があり、通常は運用系で動作する。運用系に異常が生じた場合には待機系に切り替わり動作する。二重化装置にはホットスタンバイ方式とコールドスタンバイ方式の二種類が存在するが、本実施例ではコールドスタンバイ方式に適用する。コールドスタンバイ方式とは、待機系が非動作状態で待機しており、運用系が異常になると起動する方式である。
【0019】
図1は二重化装置のRS232−Cインタフェース部分を示すブロック図である。運用系と待機系は同装置のため構成は同様である。以下では運用系を説明するが、待機系も同様である。
【0020】
RS232−Cインタフェースは、通常、RS232−Cの電気的特性を満足するRS232−Cトランシーバ調歩同期方式によるシリアル/パラレル変換を行うUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)から構成されている。
【0021】
図1に示す実施例では、RS232−Cトランシーバ12とUART14の間にセレクタ13が追加されている。このセレクタ13は、RS232−Cトランシーバ12からの制御信号及びデータを、UART14かマルチプレクサ/デマルチプレクサ15のどちらに接続するかを決めるセレクタである。
【0022】
セレクタ13の後段には、制御信号とデータを多重化するためのマルチプレクサ回路と、待機系からの多重化データを分離するためのデマルチプレクサ回路が必要となる。マルチプレクサ/デマルチプレクサ15は、このマルチプレクサ回路とデマルチプレクサ回路を備えている。
【0023】
その際、本実施例においては、待機系が該待機系に接続されているRS−232C機器から受信し、運用系の受信装置(UART)に送信するデータ信号及び制御信号を、待機系のマルチプレクサ回路を用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として待機系から運用系に送信し、運用系のデマルチプレクサ回路を用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する。
【0024】
また、運用系の送信装置(UART)から入力し、待機系に接続されているRS−232C機器に送信するデータ信号及び制御信号を、運用系のマルチプレクサ回路を用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として運用系から待機系に送信し、待機系のデマルチプレクサ回路を用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する。
【0025】
更に、クロック/フレームヘッド生成回路16は、マルチプレクサ/デマルチプレクサ15で多重化信号を生成するためのクロックを生成し、更に待機系へ多重化信号フレームの先頭を伝達するためのフレームヘッドを生成する。マルチプレクサ/デマルチプレクサ15はこれらのクロックとフレームヘッドを使用して図2のような多重化データを生成する。また、多重化データを図2のタイミングで分離する。
【0026】
図2の上側に示す信号のうちクロック、フレームヘッド、多重化信号(出力)は、運用系側のマルチプレクサ/デマルチプレクサ15から待機系側のマルチプレクサ/デマルチプレクサ25に送信される信号である。RTS、DTRは運用系側の制御信号を示す。
【0027】
また、図2の下側に示す信号のうちクロック、フレームヘッド、多重化信号(入力)は、待機系側のマルチプレクサ/デマルチプレクサ25から運用系側のマルチプレクサ/デマルチプレクサ15に送信される信号である。RTS、DTRは待機系側の制御信号を示す。
【0028】
このような回路構成で、RS232−C接続機器からの制御信号とデータを多重化し、4本の信号線で送受信を行う。RS232−Cインタフェースには、図1に示すようにプリンタ等の装置(RS232−C接続機器10)が接続されているものとする。
【0029】
通常、運用系で動作している場合には、制御信号及びデータは運用系のRS232−Cトランシーバ12を介してセレクタ13に入力される。通常動作中は、セレクタ13はUART14に接続するようスイッチングされる。セレクタ13によりUART14に接続されている場合は、前述した一般的なRS232−Cの回路構成と同等である。
【0030】
次に、運用系が何らかの異常により待機系に切り替わった場合の動作を説明する。運用系が異常により待機系に切り替わった場合においても、人的操作を除いてはRS232−C接続機器は運用系のコネクタに接続された状態である。RS232−C接続機器は運用系のRS232−Cトランシーバ12を介してセレクタ13に接続されるのは先程と同様である。但し、セレクタ13はマルチプレクサ/デマルチプレクサ15側にスイッチングする。これにより、RS232−C接続機器との接続は、運用系のUART14ではなく、マルチプレクサ/デマルチプレクサ15と接続されることになる。
【0031】
マルチプレクサ/デマルチプレクサ15は待機系のクロック/フレームヘッド生成回路26からクロックとフレームヘッドを受信し、図2のフォーマットにしたがって多重化データを生成する。ここで、待機系のクロック/フレームヘッド生成回路26で生成されたクロックとフレームヘッドを使用するのは、動作している装置のクロックでRS232−C接続機器10へ出力する必要があるからである。
【0032】
待機系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ25は、マルチプレクサ/デマルチプレクサ15で生成された多重化信号を分離し、セレクタ23へ送信する。セレクタ23はUART24側へスイッチングする。これにより、待機系のUART24とRS232−C接続機器10との接続が確立される。この構成は、待機系にRS232−C接続機器が接続されている状態においても、運用系への接続切替えを行う場合も同様である。
【0033】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、RS232−Cインタフェースを具備する二重化装置で、例えば、プリンタやモデムを接続するような装置にも適用できる。
【0034】
次に、本発明の二重化装置におけるRS232−Cの二重化方法について詳細に説明する。図3は0系(例えば運用系)と1系(例えば待機系)のセレクタ及びマルチプレクサ/デマルチプレクサを詳細に示す。即ち、図3はUARTが受信側の場合のUART接続状態を示す。
【0035】
ここで、二重化装置とは一方(0系)のユニットが運用系(ACT)として動作し、他方(1系)のユニットが待機系(STBY)となり、運用系に障害が発生した場合には自動的に0系が待機系となり、1系が運用系として動作することをいう。待機系は運用系の可動状態を常時監視し、運用系の動作停止を検出した場合に自動的に系の切替を行う。
【0036】
図中13−1、13−2、13−4は0系のセレクタ内のゲート、13−3は論理和回路である。23−1、23−2、23−4は1系のセレクタ13内のゲート、23−3は論理和回路である。15−1は0系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ15内のマルチプレクサ、15−2はデマルチプレクサである。25−1は1系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ25内のマルチプレクサ、25−2はデマルチプレクサである。
【0037】
0系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ15−1と1系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ25−1間では、上述のように制御信号(2本)と多重化信号(2本)の送受信が行われる。
【0038】
図4、図5、図6、図7はUARTが受信側の場合の各状態を示す図である。図中のゲートに×印を示すのはそのゲートが開状態(OFF)であることを示す。ゲート上に何も示していないのはそのゲートが閉状態(ON)であることを示す。図4は状態1を示しており、ゲート23−4のみが開状態である。状態1では、例えば、0系が運用系、1系が待機系として動作しており、図1のRS232−C接続機器10が運用系、待機系のどちらに接続されていても、論理和回路13−3で論理和をとっているため、接続機器からのRS232−C信号をUART14で受信することが可能となる。
【0039】
図5は状態2を示す。状態2ではゲート23−1、23−2が開状態、その他のゲートは閉状態である。状態2では、0系が運用系、1系が保守系(保守中)として動作しているが、ゲート23−1、23−21が開状態であるため、1系(保守系)では0系(運用系)の運用を中断することなく、1系(保守系)に接続機器を接続して1系を独立して接続テスト等を行うことが可能となる。保守中の動作は後述する。
【0040】
図6は状態3を示す。状態3では、ゲート13−4、23−1、23−2が開状態、その他のゲートは閉状態である。状態3では、0系が待機系、1系が保守系(保守系)であり、両方の系とも運用していない。この状態では、1系(保守系)では0系(待機系)に影響を与えることなく、上述のような接続テスト等を行うことが可能となる。
【0041】
図7は状態4を示す。状態4ではゲート13−1、13−2、23−1、23−2が開状態、その他のゲートは閉状態である。状態4では、0系、1系とも保守系(保守中)であり、両方の系とも運用していない状態であるが、0系、1系とも独立して上述のような接続テスト等を行うことが可能となる。
【0042】
図8はUARTが送信側の場合の0系と1系のセレクタ及びマルチプレクサ/デマルチプレクサを詳細に示す。即ち、図8はUARTが送信側の場合のUART接続状態を示す。図中13−6、13−7、13−8は0系のセレクタ内のゲート、13−5は論理和回路である。
【0043】
また、23−6、23−7、23−8は1系のセレクタ23内のゲート、23−5は論理和回路である。15−3は0系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ15内のデマルチプレクサ、15−4はマルチプレクサである。25−4は1系のマルチプレクサ/デマルチプレクサ25内のマルチプレクサ、25−3はデマルチプレクサである。
【0044】
図9、図10、図11、図12はUARTが送信側の場合の各状態を示す図である。ゲートに×印を示すのはそのゲートが開状態(OFF)であることを示す。ゲート上に何も示していないのはそのゲートが閉状態(ON)であることを示す。なお、図9〜図12はUARTが送信側の場合の状態であり、図4〜図7のUARTが受信側の場合の動作に対して逆方向の動作となる。
【0045】
図9は状態1を示しており、ゲート23−8のみが開状態である。状態1では、例えば、0系が運用系、1系が待機系として動作しており、図1のRS232−C接続機器10が運用系、待機系のどちらに接続されていても、論理和回路13−5、23−5で論理和をとっているため、UART14からの信号をどちらの機器にも送信することが可能となる。
【0046】
図10は状態2を示す。状態2ではゲート23−6、23−7が開状態、その他のゲートは閉状態である。状態2では、0系が運用系、1系が保守系(保守中)として動作しているが、1系(保守系)では0系(運用系)の運用を中断することなく、1系(保守系)に接続機器を接続して1系を独立して接続テスト等を行うことが可能となる。
【0047】
図11は状態3を示す。状態3では、ゲート13−8、23−6、23−7が開状態、その他のゲートは閉状態である。状態3では、0系が待機系、1系が保守系(保守中)であり、両方の系とも運用していない。この状態では、1系(保守系)では0系(待機系)に影響を与えることなく、上述のような接続テスト等を行うことが可能となる。
【0048】
図12は状態4を示す。状態4ではゲート13−6、13−7、23−6、23−7が開状態、その他のゲートは閉状態である。状態4では、0系、1系とも保守系(保守中)であり、両方の系とも運用していない状態であるが、0系、1系とも独立して上述のような接続テスト等を行うことができる。
【0049】
次に、本発明を更に詳細に説明する。
【0050】
(1)本発明は、運用系のRS232−C信号を待機系に接続する際にRS232−C通信速度より高いサンプリングレートでサンプリングし、データ及び制御信号をシリアルデータに変換して信号線の本数を削減することが可能である(7本→4本)。
【0051】
本発明では、マルチプレクサ/デマルチプレクサでパラレル→シリアル変換する際に受信データをそのまま待機系に送信しているため、スタートビット検出によるデータ同期の必要性はない。あくまでも、全てのデータ(データ・制御信号)をシリパラ・パラシリしているだけであるため、スタートビットの検出は関係なく、スタートビットは従来通りUARTで検出となる。
【0052】
(2)本発明は、運用系における複数(2つ以上)ポートのRS232−C信号を多重化して待機系と接続し、信号線の数を削減することが可能である(7本×ポート数→4本)。
【0053】
即ち、運用系及び待機系には、例えば、2ポート(図2の#A、#B)のRS232−Cポートを有し、図1において各装置には、2組の入出力コネクタ、RS232−Cドライバ、セレクタ、UARTを有する。なお、図1では2ポート目の入出力コネクタは省略されている。
【0054】
図2の多重化信号#A及び#Bは各ポートのRS232−C信号であり、マルチプレクサに入力された2ポート分の信号は、図2では18クロック間隔のフレーム毎に2ポート分(7ビット×2個)のデータを多重化して送受信を行う。本方式により、RS232−Cのポート毎に二重化の各装置間の信号線を設ける必要が無く、信号線の本数を削減できる。
【0055】
(3)本発明はRS232−C信号をシリアル化するマルチプレクサのサンプリングレートは、RS232−C通信速度の16倍×送受信ビット数もしくはその整数倍とする(ボーレート×16×送受信ビット数×N)。
【0056】
即ち、運用系と待機系を接続する場合、上記実施例のボーレートは、38.4Kbps以下である。上記実施例の最高ボーレートの時のサンプリングレート:38.4Kbps×16倍×18=11.0592Mbpsである。UARTは一般的にRS232−C通信速度の16倍のクロックでRS232−C信号をサンプリングして受信する。
【0057】
マルチプレクサは運用系のUARTに入力される信号を通信速度の16倍×N倍のクロックでサンプリングして多重化することにより、待機系のUARTがサンプリングするタイミング以上の細かな間隔に波形を再現することが可能となる。通信速度が遅い場合にはN倍のスピードでサンプリングされるため、より再現される波形の精度は高くなる。
【0058】
なお、38.4Kbpsの場合は16倍、19.2Kbpsの場合は16×2=32倍(2倍)、9.6Kbpsの場合は16×4=64倍(4倍)となる。上記実施例では11.0592Mbps/18の値が割り切れる1倍、2倍、4倍となるが、高いクロックでサンプリングすれば良く、3倍、5倍でも可能であるため整数倍とする。また、図2に示す実施例のサンプリング方法はRS−232Cの各信号を伝送クロックの11.0592Mbpsで順次サンプリングしているが、フレームヘッドのタイミングで全てのRS232−C信号を読み込んでも良い。
【0059】
(4)本発明は、RS232−C入力ポートからUARTへのRS232−C信号と二重化の他方装置からのRS232−C信号の論理和をとることにより、何れの装置の入力ポートにRS232−C機器を接続した場合でもRS232−C機器との通信が可能である。
【0060】
図4等に示すように、0系は最初の運用系、1系は最初の待機系とし、0系に障害が発生した場合には1系が運用系になり、0系が待機系となる。UARTを接続するスイッチ(図4等のゲート)は運用系の場合はONとなり、待機系の場合はOFFとなる。
【0061】
通常は運用系(0系)の入出力コネクタ11にRS232−C機器を接続して運用し、0系の入出力コネクタ11からのRS232−C信号は論理和回路13−3を通してUART14に入力される。この場合、1系(待機系)の入出力コネクタ21にはRS232−C機器は接続されていないので、0系の入出力コネクタ11からの信号だけが入力される。
【0062】
一方、0系に障害が発生した場合には、0系が待機系、1系が運用系となり、0系のスイッチがOFF、1系のスイッチがONになる。この状態では、待機系(0系)の入出力コネクタ11に接続されたRS232−C機器のRS232−C信号は運用系(1系)の論理和回路23−3を通して運用系(1系)のUART24に入力され、1系の装置で障害が発生している0系に接続されたRS232−C機器との通信が可能となる。
【0063】
ここで、RS232−C機器10を待機系(0系)から運用系(1系)の入出力コネクタに接続を切替えても、1系の入出力コネクタからのRS232−C信号は論理和回路23−3を通して運用系(1系)のUART24に入力される(図4等参照)。
【0064】
この様にRS232−Cコネクタからの信号と接続された他方の装置からのRS232−C信号の論理和をとってUARTに入力することにより、障害発生時には障害が発生した0系の装置に接続されたRS232−C機器と新しい運用系(1系)のUARTと通信を継続できる。また、0系装置の修理(保守)を行う場合には、元の運用系(0系)からRS232−C機器を新しい運用系(1系)に繋ぎ変えるだけで新しい運用系(1系)のUARTで受信可能となる(但し、同時接続は不可)。
【0065】
(5)本発明は、自CPU接続の設定により二重化の他方装置からの入力を禁止し、自CPU接続の設定をした装置に接続されたRS232−C機器との通信が可能である。運用系、待機系の各装置には「ACT/STBY設定に従う」、「ACT/STBY設定に従わない(自CPU接続)」のいずれかの設定を行う。通常、RS232−C信号の自動切替を行う場合には両装置とも「ACT/STBY設定に従う」に設定する。
【0066】
図3は上述のようにUARTが受信側の場合のUART接続状態を、図8はUARTが送信側の場合のUART接続状態を示す(図3等ではRS232−Cトランシーバ等は省略している)。また、図4〜図7にはUARTが受信側の場合の各状態を示す。
【0067】
0系、1系の両装置が「ACT/STBY設定に従う」に設定されている場合には、図4に示すように運用系(0系)に接続されたRS232−C機器は0系のUART14と通信すると共に、ゲート23−1及び23−2がONのため、待機系(1系)に送られる。但し、1系のゲート23−4がOFFのため、1系のUART24には入力されない。
【0068】
この状態で運用系が0系から1系に切り替わった場合には、0系のゲート13−4がOFFになり、1系のゲート23−4がONになる。この時、0系と1系のゲート13−1及び23−2、23−1、23−2がONのため、0系の入出力コネクタに接続されたRS232−C機器は、1系のUARTと通信が可能となる。
【0069】
また、図4の状態では、待機系(1系)のRS232−C入出コネクタは、待機系のUART24に接続状態となっていないため(1系のゲート23−4がOFF)、待機系に接続されたRS232−C機器と通信できない。この場合、待機系(1系)を「ACT/STBY設定に従わない(自CPU接続)」に設定すると、図5に示すように1系のゲート23−1及び23−2がOFF、ゲート23−4がONになるため、待機系(1系)に接続されたRS232−C機器は待機系のUARTに接続され、通信が可能となる(保守用機能)。図5は1系が保守機能になった例を示す。
【0070】
ここで、通常であれば、例えば、0系を運用系(ACT)、1系を待機系(STBY)で運用し、運用系(0系)にRS232−C機器を接続して運用している状態で、待機系装置にデータを登録する場合には、待機系のRS232−C入出力コネクタにRS232−C機器(データ登録機器等)を接続しても、待機系のUARTと接続されない。
【0071】
その場合、本発明によれば、1系を「ACT/STBY設定に従わない(自CPU接続)」に設定することにより、運用系(0系)の入出力コネクタにRS−232C機器を接続し、この機器と運用系(0系)のUARTが通信している状態でも、待機系(1系)のRS232−Cコネクタに接続されたデータ登録装置が待機系(1系)のUARTに接続され、待機系(1系)のデータ設定が可能となる。
【0072】
なお、初期工事等の場合には、0系と1系の両装置を「ACT/STBY設定に従わない(自CPU接続)」に設定することにより、両装置にデータ登録装置を接続してデータ設定が可能となる(図7に示す状態)。なお、図4等に示すゲート13−2、23−2はマルチプレクサと論理和回路の間に位置し、論理和回路への入力をON/OFFする。
【0073】
特許文献1に記載の技術では、上述のように運用系装置(運用系スイッチ)に接続された機器から受信した信号及び運用系装置(運用系スイッチ)に接続された機器に送信しようとする信号を運用系装置(運用系スイッチ)に接続された送受信装置で扱うことができるが、待機系装置(予備系スイッチ)に接続された機器から受信した信号及び待機系装置(予備系スイッチ)に接続された機器に送信しようとする信号を、運用系装置(運用系スイッチ)に搭載された送受信装置で扱うようにすることができない。特許文献2に記載の技術でも同様である。
【0074】
このようなことができるならば、運用系装置と待機系装置とが入れ替わった場合に、それまでの運用系装置に接続されていた機器を新たな運用系装置(それまでの待機系装置)に接続し直さなくてもその機器を使用し続けることができるので、運用系装置が入れ替わる度に機器の接続先を変える必要性はなくなり、従って、保守性が増す。
【0075】
本実施形態では、運用系装置に接続された機器から受信した信号及び運用系装置に接続された機器に送信しようとする信号のみならず、待機系装置に接続された機器から受信した信号及び待機系装置に接続された機器に送信しようとする信号も、運用系装置に搭載された送受信装置で扱うようにすることが可能となる。
【0076】
本発明の実施形態によれば、運用系装置及び待機系装置のそれぞれに複数の機器が搭載された場合であっても、それに対応することができる。
【0077】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0078】
(付記1)運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信システムであって、
前記運用系装置に備えられたマルチプレクサと、
前記運用系装置に備えられたデマルチプレクサと、
前記待機系装置に備えられたマルチプレクサと、
前記待機系装置に備えられたデマルチプレクサと、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、
前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、
を備えることを特徴とする送受信システム。
【0079】
(付記2)付記1に記載の送受信システムであって、
前記運用系装置に接続されている機器及び前記待機系装置に接続されている機器は同数且つ複数であり、
前記運用系装置のマルチプレクサ、前記待機系装置のマルチプレクサ、前記運用系のデマルチプレクサ及び前記待機系のデマルチプレクサは、それぞれ、複数の機器が送受信する信号を扱うことを特徴とする送受信システム。
【0080】
(付記3)付記1又は2に記載の送受信システムであって、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置の受信装置に供給する手段と、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置に接続されている前記機器に送信する手段と、
を更に備えることを特徴とする送受信システム。
【0081】
(付記4)付記3に記載の送受信システムであって、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置の受信装置への供給を禁止する手段と、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置への供給を禁止する手段と、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置へ供給する手段と、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置に接続されている前記機器への送信を禁止する手段と、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置に接続されている前記機器への送信を禁止する手段と、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を前記待機系に接続されている前記機器へ供給する手段と、
を更に備えることを特徴とする送受信システム。
【0082】
(付記5)付記1乃至4の何れか1に記載の送受信システムであって、
ボーレート×M×N
であって、
Mは、前記シリアル受信信号又は前記シリアル送信信号に要する数値以上の最低の2のべき乗の整数
Nは1以上の整数
であることを特徴とする送受信システム。
【0083】
(付記6)運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信方法であって、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化するステップと、
前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化するステップと、
を有することを特徴とする送受信方法。
【0084】
(付記7)付記6に記載の送受信方法であって、
前記運用系装置に接続されている機器及び前記待機系装置に接続されている機器は同数且つ複数であり、
前記運用系装置のマルチプレクサ、前記待機系装置のマルチプレクサ、前記運用系のデマルチプレクサ及び前記待機系のデマルチプレクサは、それぞれ、複数の機器が送受信する信号を扱うことを特徴とする送受信方法。
【0085】
(付記8)付記6又は7に記載の送受信方法であって、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置の受信装置に供給するステップと、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置に接続されている前記機器に送信するステップと、
を更に備えることを特徴とする送受信方法。
【0086】
(付記9)付記8に記載の送受信方法であって、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置の受信装置への供給を禁止するステップと、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置への供給を禁止するステップと、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置へ供給するステップと、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置に接続されている前記機器への送信を禁止するステップと、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置に接続されている前記機器への送信を禁止するステップと、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を前記待機系に接続されている前記機器へ供給するステップと、
を更に備えることを特徴とする送受信方法。
【0087】
(付記10)付記6乃至9の何れか1に記載の送受信方法であって、
ボーレート×M×N
であって、
Mは、前記シリアル受信信号又は前記シリアル送信信号に要する数値以上の最低の2のべき乗の整数
Nは1以上の整数
であることを特徴とする送受信方法。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、交換機、ルータ、Ethernet(登録商標)HUB等のRS232−Cインタフェース(調歩同期)を具備し、且つ、二重化構成が存在する装置に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0089】
10 RS232−C接続機器
11、21 入出力コネクタ
12、22 RS232−Cトランシーバ
13、23 セレクタ
14、24 UART
15、25 マルチプレクサ/デマルチプレクサ
16、26 クロック/フレームヘッド生成回路
13−1、13−2、13−4 ゲート
13−6、13−7、13−8 ゲート
23−1、23−2、23−4 ゲート
23−6、23−7、23−8 ゲート
15−1、15−4、25−1、25−4 マルチプレクサ
15−2、15−3、25−2、25−3 デマルチプレクサ
13−3、13−5、23−3、23−5 論理和回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信システムであって、
前記運用系装置に備えられたマルチプレクサと、
前記運用系装置に備えられたデマルチプレクサと、
前記待機系装置に備えられたマルチプレクサと、
前記待機系装置に備えられたデマルチプレクサと、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、
前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、
を備えることを特徴とする送受信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の送受信システムであって、
前記運用系装置に接続されている機器及び前記待機系装置に接続されている機器は同数且つ複数であり、
前記運用系装置のマルチプレクサ、前記待機系装置のマルチプレクサ、前記運用系のデマルチプレクサ及び前記待機系のデマルチプレクサは、それぞれ、複数の機器が送受信する信号を扱うことを特徴とする送受信システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の送受信システムであって、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置の受信装置に供給する手段と、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置に接続されている前記機器に送信する手段と、
を更に備えることを特徴とする送受信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の送受信システムであって、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置の受信装置への供給を禁止する手段と、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置への供給を禁止する手段と、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置へ供給する手段と、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置に接続されている前記機器への送信を禁止する手段と、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置に接続されている前記機器への送信を禁止する手段と、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を前記待機系に接続されている前記機器へ供給する手段と、
を更に備えることを特徴とする送受信システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の送受信システムであって、
ボーレート×M×N
であって、
Mは、前記シリアル受信信号又は前記シリアル送信信号に要する数値以上の最低の2のべき乗の整数
Nは1以上の整数
であることを特徴とする送受信システム。
【請求項6】
運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信方法であって、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化するステップと、
前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化するステップと、
を有することを特徴とする送受信方法。
【請求項7】
請求項6に記載の送受信方法であって、
前記運用系装置に接続されている機器及び前記待機系装置に接続されている機器は同数且つ複数であり、
前記運用系装置のマルチプレクサ、前記待機系装置のマルチプレクサ、前記運用系のデマルチプレクサ及び前記待機系のデマルチプレクサは、それぞれ、複数の機器が送受信する信号を扱うことを特徴とする送受信方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の送受信方法であって、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置の受信装置に供給するステップと、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置に接続されている前記機器に送信するステップと、
を更に備えることを特徴とする送受信方法。
【請求項9】
請求項8に記載の送受信方法であって、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置の受信装置への供給を禁止するステップと、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置への供給を禁止するステップと、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置へ供給するステップと、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置に接続されている前記機器への送信を禁止するステップと、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置に接続されている前記機器への送信を禁止するステップと、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を前記待機系に接続されている前記機器へ供給するステップと、
を更に備えることを特徴とする送受信方法。
【請求項10】
請求項6乃至9の何れか1に記載の送受信方法であって、
ボーレート×M×N
であって、
Mは、前記シリアル受信信号又は前記シリアル送信信号に要する数値以上の最低の2のべき乗の整数
Nは1以上の整数
であることを特徴とする送受信方法。
【請求項1】
運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信システムであって、
前記運用系装置に備えられたマルチプレクサと、
前記運用系装置に備えられたデマルチプレクサと、
前記待機系装置に備えられたマルチプレクサと、
前記待機系装置に備えられたデマルチプレクサと、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、
前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化する手段と、
を備えることを特徴とする送受信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の送受信システムであって、
前記運用系装置に接続されている機器及び前記待機系装置に接続されている機器は同数且つ複数であり、
前記運用系装置のマルチプレクサ、前記待機系装置のマルチプレクサ、前記運用系のデマルチプレクサ及び前記待機系のデマルチプレクサは、それぞれ、複数の機器が送受信する信号を扱うことを特徴とする送受信システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の送受信システムであって、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置の受信装置に供給する手段と、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置に接続されている前記機器に送信する手段と、
を更に備えることを特徴とする送受信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の送受信システムであって、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置の受信装置への供給を禁止する手段と、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置への供給を禁止する手段と、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置へ供給する手段と、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置に接続されている前記機器への送信を禁止する手段と、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置に接続されている前記機器への送信を禁止する手段と、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を前記待機系に接続されている前記機器へ供給する手段と、
を更に備えることを特徴とする送受信システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の送受信システムであって、
ボーレート×M×N
であって、
Mは、前記シリアル受信信号又は前記シリアル送信信号に要する数値以上の最低の2のべき乗の整数
Nは1以上の整数
であることを特徴とする送受信システム。
【請求項6】
運用系装置と待機系装置との間でデータ信号及び制御信号を送受信する送受信方法であって、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信し、前記運用系装置の受信装置に送信するデータ信号及び制御信号を、前記待機系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル受信信号として前記待機系装置から前記運用系装置に送信し、前記運用系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化するステップと、
前記運用系装置の送信装置から入力し、前記待機系装置に接続されている機器に送信するデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置のマルチプレクサを用いてパラレル/シリアル変換することにより多重化し、1つのシリアル送信信号として前記運用系装置から前記待機系装置に送信し、前記待機系装置のデマルチプレクサを用いてシリアル/パラレル変換することにより逆多重化するステップと、
を有することを特徴とする送受信方法。
【請求項7】
請求項6に記載の送受信方法であって、
前記運用系装置に接続されている機器及び前記待機系装置に接続されている機器は同数且つ複数であり、
前記運用系装置のマルチプレクサ、前記待機系装置のマルチプレクサ、前記運用系のデマルチプレクサ及び前記待機系のデマルチプレクサは、それぞれ、複数の機器が送受信する信号を扱うことを特徴とする送受信方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の送受信方法であって、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置の受信装置に供給するステップと、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を、前記運用系装置に接続されている前記機器に送信するステップと、
を更に備えることを特徴とする送受信方法。
【請求項9】
請求項8に記載の送受信方法であって、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置の受信装置への供給を禁止するステップと、
前記運用系装置が該運用系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置への供給を禁止するステップと、
前記待機系装置が該待機系装置に接続されている機器から受信したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置の受信装置へ供給するステップと、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記運用系装置に接続されている前記機器への送信を禁止するステップと、
前記運用系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号の前記待機系装置に接続されている前記機器への送信を禁止するステップと、
前記待機系装置の送信装置から入力したデータ信号及び制御信号を前記待機系に接続されている前記機器へ供給するステップと、
を更に備えることを特徴とする送受信方法。
【請求項10】
請求項6乃至9の何れか1に記載の送受信方法であって、
ボーレート×M×N
であって、
Mは、前記シリアル受信信号又は前記シリアル送信信号に要する数値以上の最低の2のべき乗の整数
Nは1以上の整数
であることを特徴とする送受信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−34189(P2012−34189A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172043(P2010−172043)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【特許番号】特許第4756228号(P4756228)
【特許公報発行日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【特許番号】特許第4756228号(P4756228)
【特許公報発行日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
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