説明

送風装置

【課題】使用者の利便性を損なうことなく、室内全体の空気を効率よく循環させることができる送風装置を提供する。
【解決手段】吸込口21が形成されている背面側を壁W1に向けて送風装置1を壁W1近傍の床Fに設置し、送風装置1と壁W1との間の離隔距離を距離センサ5で検出し、検出された離隔距離が長い(又は短い)場合は、ルーバ4の傾斜角度を自動的に水平側(又は鉛直側)にすることによって、吹出口22から吹き出す空気の吹出し方向を水平(又は鉛直)に近くする。この場合、送風機3によって吸込口21から吸い込まれて吹出口22から吹き出した空気は壁W1に沿って上昇し、天井Cに沿って壁W2側へ移動し、壁W2に沿って下降し、床Fに沿って壁W1側へ移動し、再び吸込口21から吸い込まれる。即ち、送風装置1と壁W1との間の離隔距離、ルーバ4の傾斜角度等を使用者が調節することなく、室内R全体の空気が効率よく循環する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸い込んだ空気を風向板に沿って吹き出させる送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
室内の空気は、塵、埃、花粉、タバコの煙、呼吸と共に排出される二酸化炭素空気浄化等、人体に不快又は有害とされる様々な物質で汚染され易い。特に近年では住宅が高気密化されているため、汚染物質が室内に滞りがちである。また、従来は部屋の窓を適宜解放して自然換気を行なっていたが、大気汚染、花粉症等の理由で屋外の空気を取り込むことが困難な場合がある。このような事情から、最近では室内の空気を浄化する空気浄化機能を有する空気清浄機が普及してきている。
【0003】
一般に空気清浄機は、筐体の正面、背面等に吸込口が形成され、筐体の上面に吹出口が形成され、筐体の内部には吸込口と吹出口との間に通風路が形成されており、通風路の中途に送風機が配されている。吸込口には、空気を濾過して塵埃を捕集する集塵フィルタ及び脱臭フィルタが配され、吹出口には、空気中に含まれる細菌、ウイルス、アレルゲン等を分解するためのイオン発生装置が配されている。このような空気清浄機は、送風機が作動することによって、空気清浄機外部の空気である室内の空気を吸込口から吸い込んで通風路を通過させ、吹出口から室内へ吹き出させる。
【0004】
空気清浄機に吸い込まれた空気に含まれる汚染物質は、各フィルタによって捕集され、吸着され、又は分解されて取り除かれ、室内の空気に含まれる汚染物質は、空気清浄機から吹き出された空気に含まれるイオンによって分解されて取り除かれる。この結果、室内の空気が浄化される。
室内の空気を効率よく浄化するために、従来、上昇しながら拡散しようとするタバコの煙を効率よく吸い込む空気清浄機が提案されている(特許文献1参照)。この空気清浄機は、筐体の吸込口が設けられている一面をオーバーハングさせることによって、吸込口の上端部での吸込み力を向上させている。
【0005】
また、室内全体の空気を効率よく浄化すべく、室内の空気を全体的に循環させることが考えられる。このために従来、吹出口から吹き出された空気が適切な入射角度及び入射高さで壁へ入射するように、空気清浄機を壁際の床に設置することが考えられている。この場合、空気清浄機から吹き出した空気は空気清浄機近傍の壁に沿って上昇し、更に天井に沿って、この壁に対面する壁側へ移動する。対面する壁側へ移動した空気はこの壁に沿って下降し、更に床に沿って、空気清浄機近傍の壁側へ移動し、空気清浄機へ吸い込まれる。以上のことから、室内全体の空気が効率よく循環する。
【特許文献1】特開2000−121111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、空気清浄機から吹き出された空気が壁へ入射する入射角度及び/又は入射高さが不適切であったり、壁へ入射せず天井へ直接的に入射したりすると、室内全体の空気を効率よく循環させることが困難になる。例えば、吹き出した空気が壁又は天井から反射して、対面する壁側へ移動することなく下降を開始する。或いは、適切な循環方向とは異なる方向の空気流(以下、乱流という)が生じて、空気清浄機から吹き出された空気が室内を全体的に循環することなく再び空気清浄機へ吸い込まれる。
【0007】
このような不具合を抑制するために、空気清浄機から吹き出す空気の吹出し方向と、空気清浄機を壁から離隔させる距離とを夫々一定にしておくことで、適切な入射角度及び入射高さを保つことが考えられる。
しかしながら、空気清浄機の使用者に対して、空気清浄機を必ず壁から所定距離(例えば30cm)離隔させて設置するよう強制することは使用者の負担となり、また、例えば室内の使用状況、家具の配置等によっては、壁から所定距離離隔した位置に設置できないこともあり得る。
一方、空気清浄機を壁から所定距離離隔した位置に設置しない場合は、空気の吹出し方向を変更することが考えられるが、吹出し方向を可変にする風向板を設け、この風向板の傾斜角度を使用者が調節することは、やはり使用者の負担となる。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、筐体と、空気の吹出し方向に存在する物体との間の離隔距離に応じて、風向板の傾斜角度を制御する構成とすることにより、室内全体の空気を効率よく循環させることができる送風装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る送風装置は、空気の吸込口及び吹出口が形成されている筐体と、前記吸込口から空気を吸い込んで前記吹出口から吹き出させるための送風機と、前記吹出口に配され、傾斜角度が可変に設けられている風向板と、前記吹出口から吹き出す空気の吹出し方向を調節すべく、前記風向板の傾斜角度を制御する風向制御手段とを備える送風装置において、前記筐体と前記吹出し方向に存在する物体との間の離隔距離を検出する距離センサを備え、前記風向制御手段は、前記吹出口から吹き出された空気が前記物体へ入射する入射角度及び入射高さを調節すべく、前記距離センサの検出結果に応じて、前記風向板の傾斜角度を制御するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る送風装置は、前記風向制御手段は、前記検出結果が示す距離が長い場合は、前記風向板の傾斜角度を水平側にし、前記検出結果が示す距離が短い場合は、前記風向板の傾斜角度を鉛直側にするようにしてあることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る送風装置は、前記送風機は、回転することで送風するファンと、該ファンを回転させるモータとを有し、該モータは回転数が可変に設けられており、前記吹出口から吹き出された空気が前記物体へ入射する入射速度を調節すべく、前記距離センサの検出結果に応じて、前記モータの回転数を制御する送風制御手段を更に備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る送風装置は、前記送風制御手段は、前記検出結果が示す距離が長い場合は、前記モータの回転数を高くし、前記検出結果が示す距離が短い場合は、前記モータの回転数を低くするようにしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る送風装置は、前記吸込口から吸い込まれる空気を濾過して該空気に含まれる塵埃を捕集する集塵フィルタ及び/又は前記空気の臭いを除去する脱臭フィルタを更に備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る送風装置は、前記吹出口から吹き出す空気に付与すべきイオンを発生させるイオン発生部を更に備えることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、空気の吸込口及び吹出口が形成されている筐体と、送風機、風向板、風向制御手段、及び距離センサとを備え、吹出口から吹き出された空気が、吹出し方向に存在する物体(例えば壁、背の高い家具、風を反射させるための板部材等。以下では壁を例示する)へ入射する入射角度及び入射高さを自動的に調節するようにしてある。
送風機が作動することによって、筐体の吸込口から空気が吸い込まれ、吹出口から吹き出す。風向板は傾斜角度が可変に設けられて、吹出口に配されている。距離センサは、筐体と、吹出口からの空気の吹出し方向に存在する壁との間の離隔距離を検出する。
【0016】
風向制御手段は、距離センサの検出結果に応じて、風向板の傾斜角度を制御することによって、吹出口から吹き出す空気の吹出し方向を適切に調節する。この結果、筐体と壁との間の離隔距離に応じて、適切な吹出し方向で空気が吹き出され、吹き出された空気は、適切な入射角度及び入射高さで壁へ入射する。
吸込口から吸い込まれて吹出口から吹き出し、適切な入射角度及び入射高さで壁へ入射した空気は、壁に沿って上昇し、天井に沿ってこの壁に対面する壁側へ移動し、移動先の壁に沿って下降し、更に床に沿って、送風装置近傍の壁側へ移動して、再び吸込口から吸い込まれる。つまり、送風装置から吹き出された空気が室内の対面する2枚の壁、天井、及び床に沿って効率よく循環する。この循環に伴って、室内中央部の空気も循環するため、室内全体の空気が効率よく循環する。
【0017】
本発明にあっては、送風装置と壁との間の離隔距離が遠い場合は吹出し方向を水平に近くし、送風装置と壁との間の離隔距離が近い場合は吹出し方向を鉛直に近くする。
このために、風向制御手段は、距離センサの検出結果が示す距離が長い場合は、風向板の傾斜角度を水平側にし、距離センサの検出結果が示す距離が短い場合は、風向板の傾斜角度を鉛直側にする。
つまり、距離センサの検出結果が示す距離の長短に応じて、風向板の傾斜角度を水平側又は鉛直側にすることによって、送風装置から壁までの遠近に応じて、吹出し方向を簡易且つ適切に調節することができる。
【0018】
仮に、送風装置が壁から遠い場合に吹出し方向を鉛直側にすると、吹き出した空気が壁へ入射せず天井へ直接入射し、天井に沿って、この壁側へ移動して、乱流を生じる可能性がある。又は、天井から反射した空気が下降し、この壁に対面する壁側まで届かない可能性がある。一方、送風装置が壁から近い場合に吹出し方向を水平に近くすると、壁へ入射した空気が壁に沿って上昇せず壁から反射して下降し、この壁に対面する壁側まで届かない可能性がある。何れの場合も、室内全体の空気は循環し難い。
【0019】
本発明にあっては、送風制御手段を更に備え、吹出口から吹き出す空気の吹出し速度を調節する。適切な吹出し速度で吹き出した空気は、適切な入射速度で壁へ入射して、壁に沿って上昇し、天井に沿って、この壁に対面する壁側へ移動する。
このために送風機が、ファンと、回転数が可変に設けられているモータとを有する。モータの回転数は、送風制御手段が距離センサの検出結果に応じて制御する。モータは、送風制御手段によって制御された回転数でファンを回転させ、回転するファンは、回転数の高さに応じた送風速度で送風する。この結果、吹出口から吹き出す空気の吹出し速度を、送風装置から壁までの遠近に応じた適切な吹出し速度に調節することができる。
【0020】
仮に、吹出口から吹き出された空気が壁へ入射する入射角度及び入射高さが適切であっても、空気が壁へ入射する入射速度が高すぎる場合、空気の流れが強すぎて、壁から反射する可能性があり、入射速度が低すぎる場合、空気の流れが弱すぎて、天井に沿わずに下降する可能性がある。
【0021】
本発明にあっては、送風装置が壁から遠い場合は吹出し速度を高くし、送風装置が壁から近い場合は吹出し速度を低くする。
このために、送風制御手段は、距離センサの検出結果が示す距離が長い場合は、モータの回転数を高くし、距離センサの検出結果が示す距離が短い場合は、モータの回転数を低くする。
つまり距離センサの検出結果が示す距離の長短に応じて、モータの回転数の高低を調節することによって、送風装置から壁までの遠近に応じて、吹出し速度を簡易且つ適切に調節することができる。
【0022】
仮に、送風装置が壁から遠い場合に吹出し速度を低くすると、吹き出した空気が壁に届かずに下降する可能性がある。一方、送風装置が壁から近い場合に吹出し速度を高くすると、壁へ入射した空気が壁から反射して送風装置側へ直接的に戻ってくる可能性がある。何れの場合も、室内全体の空気は循環し難い。
【0023】
本発明にあっては、集塵フィルタ及び/又は脱臭フィルタを更に備える。
集塵フィルタは、吸込口から吸い込まれる空気を濾過してこの空気に含まれる塵埃を捕集することによって、吸込口から吸い込まれた空気を浄化する。脱臭フィルタは、吸込口から吸い込まれる空気の臭いを除去することによって、吸込口から吸い込まれた空気を浄化する。
従って、吸込口から吸い込まれて浄化され、吹出口から吹き出された空気は、室内全体を効率よく循環して、室内の塵埃及び臭いを含んだ状態で再び吸込口から吸い込まれて浄化される。
この結果、集塵フィルタ及び/又は脱臭フィルタを備える送風装置は、効率よく集塵及び/又は脱臭する空気清浄機として機能することができる。
【0024】
本発明にあっては、イオン発生部を更に備える。
イオン発生部はイオンを発生させ、発生したイオンは、吹出口から吹き出す空気に付与される。
従って、吸込口から吸い込まれて、イオンと共に吹出口から吹き出された空気は、室内全体を効率よく循環しながら室内のウイルス、細菌、アレルゲン等を分解し、再び吸込口から吸い込まれてイオンと共に吹出口から吹き出される。
この結果、イオン発生部を備える送風装置は、イオンを室内全体に飛散させる空気清浄機として機能することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の送風装置による場合、装置外部の物体(具体的には壁、更には天井、及び床)を利用して、室内全体の空気を効率よく循環させることができる。
しかも使用者が、送風装置を適切な位置に配置したり、風向板の傾斜角度を適切な角度に調節したりする必要がない。従って、室内全体の空気を効率よく循環させるために使用者に負担を強いることがない。この結果、使用者の利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態に係る送風装置の内部構成を略示する側断面図であり、図2は、この送風装置の要部構成を示すブロック図である。
また、図3は、この送風装置と壁との離隔距離が長い場合に適切な送風がなされている状態を説明する側断面図であり、図4は、この場合に不適切な送風がなされている状態を説明する側断面図である。
更に、図5は、この送風装置と壁との離隔距離が短い場合に適切な送風がなされている状態を説明する側断面図であり、図6は、この場合に不適切な送風がなされている状態を説明する側断面図である。
図中1は送風装置であり、送風装置1は室内Rで用いられ、図1に示すように、壁W1近傍の床Fに、背面2bを壁W1に対面させて立設される縦型の直方体状の筐体2を備えている。
【0028】
筐体2は合成樹脂製であって、筐体2の背面2bには吸込口21が開口しており、筐体2の天面2cは前方から後方へ(即ち正面2a側から背面2b側へ)下降する傾斜面状であって、天面2cの前後方向中央部には吹出口22が開口している。
筐体2の内部には、吸込口21と吹出口22とを結ぶ通風路23が設けられている。更に詳細には通風路23は、吸込口21が形成されている背面2b側から正面2a下部側までは筐体2の底面2dに沿って略水平に設けられており、正面2a下部から正面2a中央部までは正面2aに沿って略鉛直に設けられており、正面2a中央部から吹出口22が形成されている天面2c中央部までは後方へ傾斜する方向に設けられている。
【0029】
正面2a下部の通風路23の中途には、吸込口21から空気を吸い込んで吹出口22から吹き出させるための送風機3が内蔵されている。
送風機3はシロッコファンを用いてなり、回転することで送風するファン31と、ファン31を回転させる電動のファンモータ32とを備えている。本実施の形態におけるファンモータ32は、例えばDCモータを用いてなり、回転数[rpm]が高低2段階に可変に設けられており、ファンモータ32が高い回転数(又は低い回転数)で回転することによってファン31が高速で(又は低速で)回転して送風する。即ち、送風機3の送風速度は2段階に可変に設けられている。
図中の白抜矢符Aは、送風機3が作動することによって吸込口21から吸い込まれて通風路23を通り吹出口22から吹き出されるまでの空気の通風方向を示している。
【0030】
吸込口21と送風機3との間には、通風路23を閉塞して、脱臭フィルタ61及び集塵フィルタ62がこの順に風上側から風下側へ配されている。脱臭フィルタ61は、例えば不織布に活性炭を添着してなり、脱臭フィルタ61を通過する空気の臭いは、活性炭に吸着されることによって除去される。集塵フィルタ62は、いわゆるHEPA(High Efficiency Particulate Air )フィルタであり、静電気によって、空気中の微細な浮遊ゴミ、砂塵等の塵埃を吸着する。
【0031】
吸込口21には図示しない網状のプレフィルタが配されており、吸込口21から吸い込まれる空気は、プレフィルタによって濾過されて粗い(つまりサイズが大きい)塵埃を捕集されてから、まず脱臭フィルタ61によって脱臭され、次いで集塵フィルタ62によって濾過されて細かい(つまりサイズが小さい)塵埃を捕集されて、送風機3によって吹出口22側へ送られる。このため、送風装置1は集塵及び脱臭機能を有する空気清浄機として機能する。
なお、集塵フィルタ62と送風機3との間に、図示はしないが、水槽、水槽の水を吸い上げる円盤状の加湿フィルタ、加湿フィルタを回転させる回転機構等を有する加湿ユニットを配し、加湿フィルタを通過することによって加湿された空気が吹出口22側へ送られる構成でもよい。この場合、送風装置1は加湿装置としても機能する。
【0032】
吹出口22近傍には、イオン発生部7が配されている。イオン発生部7はプラスイオン及びマイナスイオンを発生させ、発生した各種イオンは、吹出口22から吹き出す空気に付与される。空気と共に室内Rへ吹き出したイオンは、空中に浮遊する細菌、ウイルス、アレルゲン等の汚染物質に付着して汚染物質を分解する。このため、送風装置1はイオンによる汚染物質分解機能を有する空気清浄機として機能する。
【0033】
吹出口22には風向板としてのルーバ4が設けられており、ルーバ4は、筐体2の左右方向に配された回転軸4aの回転に伴って傾斜角度が可変に設けられている。本実施の形態ではルーバ4は、送風中(即ち送風機3の作動中)に、左側面視について図1中に実線で示すように鉛直に近い傾斜角度(例えば水平方向に対して約75°)と図1中に二点鎖線で示すように水平に近い傾斜角度(例えば水平方向に対して約25°)との2種類の傾斜角度に可変される。
従って、送風機3によって吹出口22側へ送られた空気は、後方へ傾斜する通風路23に沿い、吹出口22から筐体2の後方(即ち壁W1側)へ向けて、ルーバ4に沿って、鉛直に近い吹出し方向B1又は水平に近い吹出し方向B2に吹き出す。
【0034】
ただし、送風を行なわない状態(即ち送風機3が停止している状態)では、通風路23に異物が進入することを防止すべく、ルーバ4によって吹出口22が閉塞されるようにする。
【0035】
本実施の形態における送風装置1は、送風装置1から壁W1までの遠近に応じてルーバ4の傾斜角度を調節し、吹出口22から空気が吹出し方向B1,B2の何れか一方に吹き出すよう構成してある。具体的には、送風装置1から壁W1までの距離が基準値である30cm以上であれば、ルーバ4の傾斜角度は基準値である30°より水平側の傾斜角度(例えば25°)に調節され、送風装置1から壁W1までの距離が30cm未満であれば、ルーバ4の傾斜角度は30°より鉛直側の傾斜角度(例えば75°)に調節される。
なお、送風装置1から壁W1までの遠近に応じてルーバ4の傾斜角度を3段階以上に調節する構成でもよい。例えば送風装置1から壁W1までの距離が基準値前後であればルーバ4の傾斜角度を基準値に調節し、送風装置1から壁W1までの距離が基準値より大幅に大きい(又は小さい)ならばルーバ4の傾斜角度を基準値より水平側(又は鉛直側)に調節する。
【0036】
更に本実施の形態における送風装置1は、送風装置1から壁W1までの遠近に応じてファンモータ32の回転数を調節することによって送風機3の送風速度を調節し、高速又は低速の吹出し速度で吹出口22から空気が吹き出すよう構成してある。具体的には、送風装置1から壁W1までの距離が基準値である30cm以上であれば、ファンモータ32の回転数は所定回転数より高い回転数に調節され、送風装置1から壁W1までの距離が30cm未満であれば、ファンモータ32の回転数はこの所定回転数より低い回転数に調節される。
なお、送風装置1から壁W1までの遠近に応じてファンモータ32の回転数を3段階以上に調節する構成でもよく、ルーバ4の傾斜角度をm(mはm≧2の自然数)段階に調節し、ファンモータ32の回転数をn(nはn≧2且つm≠nの自然数)段階に調節する構成でもよい。
【0037】
ところで筐体2の背面2bには、送風装置1から壁W1までの遠近を検出するために、距離センサ5が配されており、距離センサ5は、筐体2の背面2bと壁W1(即ち吹出し方向B1又は吹出し方向B2に存在する物体)との間の離隔距離を、赤外線、超音波等を用いて検出する。距離センサ5の検出結果は、後述するCPU10に与えられる。
【0038】
図2に示すように送風装置1は、CPU10、ROM11、RAM12、表示部13、操作部14、ファンモータ制御部33、ルーバモータ41、及びルーバモータ制御部42を更に備える。また、送風装置1は吸込口21から吸い込んだ空気に含まれる塵埃の多寡、空気の臭いの強弱等を検出する図示しない各種センサを更に備える。
CPU10は送風装置1の制御中枢であり、内部バス、信号線等を介して、ROM11、RAM12、表示部13、操作部14、ファンモータ制御部33、ルーバモータ制御部42、距離センサ5、及びイオン発生部7に接続されている。CPU10はRAM12を作業領域として用い、ROM11に記憶された制御プログラム及びデータに従って装置各部を制御し、各種処理を実行する。
【0039】
ファンモータ32の回転数を高い回転数又は低い回転数に調節すべく、CPU10はファンモータ制御部33を制御し、ファンモータ制御部33はCPU10に制御されて、回転数を示す制御信号をファンモータ32に与える。ファンモータ32は、ファンモータ制御部33から与えられた制御信号に従って、自身の回転数を維持又は変更する。
【0040】
また、ルーバ4の傾斜角度を水平側又は鉛直側に調節すべく、CPU10はルーバモータ制御部42を制御し、ルーバモータ制御部42はCPU10に制御されて、傾斜角度を示す制御信号をルーバモータ41に与える。ルーバモータ41は、例えばステッピングモータを用いてなり、ルーバモータ41の出力軸はルーバ4の回転軸4aに連結されており、ルーバモータ41はルーバモータ制御部42から与えられた制御信号に従って回転し、制御信号が示す傾斜角度に対応する位置で停止する。ルーバモータ41の回転によって回転軸4aを中心にルーバ4が揺動し、ルーバモータ41の停止によってルーバ4が所定の傾斜角度に維持される。
【0041】
表示部13は、例えば液晶表示パネルを用いてなり、CPU10に制御されて、送風装置1の作動状態、室内Rの空気の状態等を表示する。ここで、室内Rの空気の状態とは、室内Rの空気に含まれる塵埃の多寡、空気の臭いの強弱等であり、前述の各種センサの検出結果に基づいて、空気の状態を示す数字、記号等が表示部13に表示される。
【0042】
操作部14は、ハードキーを用いてなる各種ファンクションキーを備える。送風装置1の使用者は、表示部13を見ながら操作部14を操作することによって各種の作動命令を送風装置1に与える。
操作部14に設けられるファンクションキーは、例えば第1開始キー141、第2開始キー142、及び停止キー143であり、各ファンクションキーが操作された場合、操作部14からCPU10へ、操作されたファンクションキーに対応する操作信号が与えられる。CPU10は、操作信号が与えられたか否かに応じてファンクションキーが操作されたか否かを判定し、与えられた操作信号に応じて、何れのファンクションキーが操作されたかを判定する。
【0043】
使用者は、送風装置1を作動させて室内Rの空気の脱臭及び集塵を実行させるために第1開始キー141を操作し、空気の脱臭及び集塵に加えて室内Rへのイオンの散布も実行させるために第2開始キー142を操作し、送風装置1を作動停止させるために停止キー143を操作する。
【0044】
図7は、本発明の実施の形態に係る送風装置で実行される空気清浄処理の手順を示すフローチャートである。
送風装置1の電源がオンである場合に、CPU10は、第1開始キー141が操作されたか否かを判定し(S11)、操作されていない場合(S11でNO)、第2開始キー142が操作されたか否かを判定し(S12)、操作されていない場合(S12でNO)、処理をS11へ戻す。
第2開始キー142が操作された場合(S12でYES)、CPU10は、イオン発生部7を制御してプラスイオン及びマイナスイオンを発生させる(S13)。
【0045】
S13の処理完了後、又は第1開始キー141が操作された場合(S11でYES)、CPU10は、距離センサ5の検出結果を取得し(S14)、取得した検出結果が示す距離が基準値以上であるか否かを判定する(S15)。
S14で取得した検出結果が示す距離が基準値以上である場合(S15でYES)、CPU10は、ルーバモータ制御部42を制御して、水平側の傾斜角度までルーバ4を揺動させて停止させ(S16)、更に、ファンモータ制御部33を制御して、高回転数でファンモータ32を回転させる(S17)。S16及びS17の処理の結果、ファン31が高速で回転して、ルーバ4に沿って、水平に近い吹出し方向B2に高速の空気が吹き出す。
【0046】
一方、S14で取得した検出結果が示す距離が基準値未満である場合(S15でNO)、CPU10は、ルーバモータ制御部42を制御して、鉛直側の傾斜角度までルーバ4を揺動させて停止させ(S18)、更に、ファンモータ制御部33を制御して、低回転数でファンモータ32を回転させる(S19)。S18及びS19の処理の結果、ファン31が低速で回転して、ルーバ4に沿って、鉛直に近い吹出し方向B1に低速の空気が吹き出す。
S17又はS19の処理完了後、CPU10は、停止キー143が操作されたか否かを判定し(S20)、操作されていない場合(S20でNO)、S20の処理を繰り返し実行する。
【0047】
停止キー143が操作された場合(S20でYES)、CPU10は、作動している各部を停止させる(S21)。具体的にはCPU10は、表示部13を制御して表示されていた情報を消去させ、ファンモータ制御部33を制御してファンモータ32を停止させることで送風機3を停止させる。また、CPU10は、ルーバモータ制御部42を制御してルーバモータ41を回転及び停止させることによって、ルーバ4を用いて吹出口22を閉塞し、イオン発生部7を制御してイオンの発生を停止させる。
S21の処理完了後、CPU10は空気清浄処理を終了する。ここで、送風装置1の電源がまだオンである場合は、CPU10は処理をS11へ戻す。
【0048】
本実施の形態のルーバモータ制御部42は、S16及びS18におけるCPU10に制御されることによって風向制御手段として機能し、ファンモータ制御部33は、S17及びS19におけるCPU10に制御されることによって送風制御手段として機能する。
【0049】
以上のような空気清浄処理を実行する場合、第1開始キー141が操作されることによって送風機3が作動するため、吸込口21から吸い込まれた空気は脱臭フィルタ61及び集塵フィルタ62によって脱臭及び集塵されて、吹出口22から吹き出す。一方、第2開始キー142が操作されることによって、送風機3及びイオン発生部7が夫々作動するため、吸込口21から吸い込まれた空気は脱臭フィルタ61及び集塵フィルタ62によって脱臭及び集塵され、更にイオン発生部7が発生させたイオンを付与されて、吹出口22から吹き出す。
【0050】
図3に示すように壁W1から遠い位置に設置されている送風装置1において、ルーバ4の傾斜角度及びファンモータ32の回転数が夫々適切に設定されている場合、吸込口21から吸い込まれた空気は、吹出口22から壁W1へ向けてルーバ4に沿って水平側に(即ち吹出し方向B2に)高速で吹き出され、適切な入射角度及び入射高さ並びに入射速度で壁W1へ入射する。この結果、壁W1へ入射した空気は壁W1に沿って上昇し、天井Cに沿って、壁W1に対面する壁W2側へ移動し、壁W2に沿って下降し、床Fに沿って壁W1側へ移動し、再び吸込口21から吸い込まれる。つまり、脱臭及び集塵された空気が室内R全体を循環して室内Rの空気中に含まれる臭い及び塵埃を送風装置1へ移送する。また、イオンを含む空気が室内R全体へ飛散して室内Rの空気中に浮遊する汚染物資を分解する。つまり、この状態の送風装置1は空気清浄効率がよい。
【0051】
しかしながら、壁W1から遠い位置に設置されている送風装置1において、図4に示すように、ルーバ4の傾斜角度が不適切に設定されている場合、吸込口21から吸い込まれた空気は、吹出口22から壁W1へ向けてルーバ4に沿って鉛直側に(即ち吹出し方向B1に)高速で吹き出される。この結果、吹出口22から吹き出された高速の(即ち勢いが強い)空気は壁W1へ入射せずに天井Cへ入射し、天井Cに沿って壁W2側へ移動する適切な流れと、天井Cに沿って壁W1側へ移動し、壁W1に沿って下降する乱流とが生じる。この乱流は、室内R全体を循環することなく再び吸込口21から吸い込まれるため、この状態の送風装置1は空気清浄効率が悪い。
【0052】
また、壁W1から遠い位置に設置されている送風装置1において、ファンモータ32の回転数が不適切に設定されている場合、図示はしないが、吸込口21から吸い込まれた空気は、吹出口22から壁W1へ向けてルーバ4に沿って水平側に(即ち吹出し方向B2に)低速で吹き出される。この結果、吹出口22から吹き出された低速の(即ち勢いが弱い)空気は、壁W1まで到達することなく下降するか、又は壁W1へ入射しても壁W1に沿って天井Cまで上昇しきれずに下降して、乱流が生じる。この乱流は、室内R全体を循環することなく再び吸込口21から吸い込まれるため、この状態の送風装置1は空気清浄効率が悪い。
【0053】
一方、図5に示すように壁W1から近い位置に設置されている送風装置1において、ルーバ4の傾斜角度及びファンモータ32の回転数が夫々適切に設定されている場合、吸込口21から吸い込まれた空気は、吹出口22から壁W1へ向けてルーバ4に沿って鉛直側に(即ち吹出し方向B1に)低速で吹き出され、適切な入射角度及び入射高さ並びに入射速度で壁W1へ入射する。この結果、壁W1へ入射した空気は壁W1に沿って上昇し、天井Cに沿って壁W2側へ移動し、壁W2に沿って下降し、床Fに沿って壁W1側へ移動し、再び吸込口21から吸い込まれる。つまり、脱臭及び集塵された空気が室内R全体を循環して室内Rの空気中に含まれる臭い及び塵埃を送風装置1へ移送する。また、イオンを含む空気が室内R全体へ飛散して室内Rの空気中に浮遊する汚染物資を分解する。つまり、この状態の送風装置1は空気清浄効率がよい。
【0054】
しかしながら、壁W1から近い位置に設置されている送風装置1において、図6に示すように、ルーバ4の傾斜角度が不適切に設定されている場合、吸込口21から吸い込まれた空気は、吹出口22から壁W1へ向けてルーバ4に沿って水平側に(即ち吹出し方向B2に)低速で吹き出される。この結果、吹出口22から吹き出された低速の空気は壁W1の低すぎる位置に入射し、勢いが弱すぎて天井Cまで上昇しきれずに壁W1の中途から下降を開始するため、室内R全体を循環する空気の流れが生じ難い。つまり、この状態の送風装置1は空気清浄効率が悪い。
【0055】
また、壁W1から近い位置に設置されている送風装置1において、ファンモータ32の回転数が不適切に設定されている場合、図示はしないが、吸込口21から吸い込まれた空気は、吹出口22から壁W1へ向けてルーバ4に沿って鉛直側に(即ち吹出し方向B1に)高速で吹き出される。この結果、吹出口22から吹き出された高速の空気は勢いが強すぎて壁W1に沿って上昇せずに壁W1から反射して下降するため、室内R全体を循環する空気の流れが生じ難い。つまり、この状態の送風装置1は空気清浄効率が悪い。
【0056】
以上のように、本実施の形態の送風装置1は、ルーバ4の傾斜角度及びファンモータ32の回転数を夫々適切に、且つ自動的に設定するため、使用者の利便性を損なうことなく、室内Rの空気全体を効率よく浄化することができる。
なお、送風装置1と壁W1との間にゴミ箱、ペット等の異物が介在して、送風装置1から壁W1までの距離を誤検出することを防止するために、送風装置1の後方を撮像し、撮像した画像のデータに基づいて異物の有無を判定し、異物が存在する場合は使用者に異物の撤去を指示するか、異物を避けて距離を検出するよう構成してもよい。
また、床置きタイプの送風装置1に限定されず、壁掛けタイプの送風装置1であってもよい。
【0057】
ところで一般に、空気調和機と、使用者、家具等の物体との間の離隔距離を検出し、検出結果に基づいて風向を変更する空気調和機が用いられている。しかしながら、このような空気調和機は物体を障害物とみなしてこの物体を避けるように送風するのに対し、本発明の送風装置は、物体を積極的に利用し、この物体に適切に入射するよう風向を変更することが特徴である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態に係る送風装置の内部構成を略示する側断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る送風装置の要部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る送風装置と壁との離隔距離が長い場合に適切な送風がなされている状態を説明する側断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る送風装置と壁との離隔距離が長い場合に不適切な送風がなされている状態を説明する側断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る送風装置と壁との離隔距離が短い場合に適切な送風がなされている状態を説明する側断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る送風装置と壁との離隔距離が短い場合に不適切な送風がなされている状態を説明する側断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る送風装置で実行される空気清浄処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1 送風装置
10 CPU
2 筐体
21 吸込口
22 吹出口
3 送風機
31 ファン
32 ファンモータ(モータ)
33 ファンモータ制御部(送風制御手段)
4 ルーバ(風向板)
42 ルーバモータ制御部(風向制御手段)
5 距離センサ
61 脱臭フィルタ
62 集塵フィルタ
7 イオン発生部
B1,B2 吹出し方向
W1 壁(物体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の吸込口及び吹出口が形成されている筐体と、
前記吸込口から空気を吸い込んで前記吹出口から吹き出させるための送風機と、
前記吹出口に配され、傾斜角度が可変に設けられている風向板と、
前記吹出口から吹き出す空気の吹出し方向を調節すべく、前記風向板の傾斜角度を制御する風向制御手段と
を備える送風装置において、
前記筐体と前記吹出し方向に存在する物体との間の離隔距離を検出する距離センサを備え、
前記風向制御手段は、前記吹出口から吹き出された空気が前記物体へ入射する入射角度及び入射高さを調節すべく、前記距離センサの検出結果に応じて、前記風向板の傾斜角度を制御するようにしてあることを特徴とする送風装置。
【請求項2】
前記風向制御手段は、前記検出結果が示す距離が長い場合は、前記風向板の傾斜角度を水平側にし、前記検出結果が示す距離が短い場合は、前記風向板の傾斜角度を鉛直側にするようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記送風機は、回転することで送風するファンと、該ファンを回転させるモータとを有し、該モータは回転数が可変に設けられており、
前記吹出口から吹き出された空気が前記物体へ入射する入射速度を調節すべく、前記距離センサの検出結果に応じて、前記モータの回転数を制御する送風制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記送風制御手段は、前記検出結果が示す距離が長い場合は、前記モータの回転数を高くし、前記検出結果が示す距離が短い場合は、前記モータの回転数を低くするようにしてあることを特徴とする請求項3に記載の送風装置。
【請求項5】
前記吸込口から吸い込まれる空気を濾過して該空気に含まれる塵埃を捕集する集塵フィルタ及び/又は前記空気の臭いを除去する脱臭フィルタを更に備えることを特徴とする請求項1から4の何れかひとつに記載の送風装置。
【請求項6】
前記吹出口から吹き出す空気に付与すべきイオンを発生させるイオン発生部を更に備えることを特徴とする請求項1から5の何れかひとつに記載の送風装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−72735(P2009−72735A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246354(P2007−246354)
【出願日】平成19年9月24日(2007.9.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】