説明

逆閉じ用傘

【課題】傘を開いたときに、主骨の強度を向上して、傘の開閉をスムーズに行えるように構成した実用的な逆閉じ用傘を提供すること。
【解決手段】逆閉じ用傘1は、メインシャフト5とスライダシャフト11とシリンダシャフト14とを備えて3重軸構成とする。スライダシャフト11の先端には、複数の主骨12の一端を支持する主骨支持部113を備え、シリンダシャフト14の元部には、複数の第1支骨15の一端を支持する支骨支持部141を備える。第1支骨15の他端は主骨12に枢着されるとともに、第2支骨16の一端を摺動可能に支持する。第2支骨16の一端を、第1支骨15の支骨嵌入溝151内に摺動可能に嵌合し、他端を主骨12に枢着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は雨に濡れた面を内部に収納できる逆閉じ用傘に関する。
【背景技術】
【0002】
逆閉じ用傘は、特許文献1によって知られている。これによると、逆閉じ用傘は、メインシャフト、スライダシャフト、シリンダシャフトを有して3重軸構造を構成している。つまり、内側に配置されたメインシャフトには、柄部が装着され、メインシャフトに摺動可能に外嵌するスライダシャフトには、防水布を装着した主骨の一端が枢支されている。スライダシャフトを摺動可能に外嵌するシリンダシャフトには、元部側に支骨の一端が枢支される第2のスライダ部が配置され、支骨は他端で主骨に枢支されている。そして、傘が閉じている状態でスライダシャフトをメインシャフトに対して摺動すると傘が開き始め、さらに押し上げると、傘を完全に開いた状態に保持することができ、実用的に使用することができることとなっていた。
【0003】
したがって、傘を閉じたときに、防水布の表面を主骨とともに内側に収納できることから、室内にあるときには、主骨の先端を上方に向けておくことによって、雨の雫を床面に垂らさずにおくことができることとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4108720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に示されている逆閉じ用傘は、実用的に構成されているものの、さらに実用的に使用するために改良すべき課題が残されていた。つまり、主骨の強度を保つ状態で支骨を配置すると、スライダシャフトの押し上げ距離が長くなっていたことから、通常の傘の長さに対して主骨の長さが短くなり、そのため防水布が小さくなっていた。また、スライダシャフトの距離を短くするために、主骨の元部に支骨の一端を枢支すると、主骨の強度を弱くすることとなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、実用的な傘であって、主骨の長さを長くして防水布を大きくするとともに、傘の開閉をさらにスムーズに行なうことができる逆閉じ用傘を提供することを目的とする。そのために本発明にかかわる逆閉じ用傘は、以下のように構成するものである。すなわち、
請求項1記載の発明では、柄部を有するメインシャフトと、前記メインシャフトに外嵌するとともに前記メインシャフトに対して摺動可能に配設されるスライダシャフトと、前記スライダシャフトに外嵌するとともに前記スライダシャフトに対して摺動可能に配設されるシリンダシャフトとを備えて3重軸構造に構成され、前記スライダシャフトに一端を枢支されるとともに防水布を装着した主骨と、前記シリンダシャフトに一端を枢支されるとともに前記主骨にヒンジ結合された第1支骨とを備え、傘を閉じている状態では、前記主骨は前記防水布とともに、前記メインシャフトの先端側に折り畳まれて、防水布の表面が内部に収納された状態にあり、前記スライダシャフトを前記メインシャフトに対して先端側に摺動させるとともに、前記スライダシャフトを前記シリンダシャフトに対して先端側に摺動させることによって、前記主骨を前記第1支骨で支持固定して前記防水布を完全に開いた状態に作用させる逆閉じ用傘であって、前記第1支骨には、一端が前記主骨における前記第1支骨のヒンジ結合部より先端側において、前記主骨にヒンジ結合された第2支骨の他端が装着されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1の発明に係るものであって、前記第1支骨には長手方向に沿って支骨嵌入溝が形成され、前記第2支骨の一端が前記支骨嵌入溝内を摺動可能に嵌入されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2の発明に係るものであって、前記支骨嵌入溝は直線状に形成されるとともに、前記支骨嵌入溝におけるシリンダシャフト元部側の先端は、屈曲して形成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1の発明に係るものであって、前記主骨は、前記スライダシャフトの先端側に装着される主骨元部と、前記主骨元部の先端側で、前記主骨元部に枢支可能に配設される主骨本体とを備え、前記主骨本体が、先端部で枢支可能に配設される主骨先端部を備え、前記第1支骨が、前記主骨に一端を枢支する第1リンク部の他端と、前記シリンダシャフトに一端を枢支する第2リンク部の他端とを、屈曲可能に連結し、前記第2支骨が、前記主骨本体と前記第1支骨の第2リンク部とを枢支可能に連結するとともに、前記主骨と前記第1支骨とは、前記第1リンクと前記第2リンク部との屈曲部と前記主骨先端部とに枢支可能な補助支骨で連結されていることを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明に係るものであって、前記シリンダシャフトには、元部側に前記第1支骨の一端を支持して前記スライダシャフトを外嵌する円環状の支骨支持部が配設されるとともに前記支骨支持部の内周面には、前記支骨支持部の内周面から軸心方向に向かって突出する突出片が配設され、前記メインシャフトには、第1の長溝が軸方向に沿って形成され、前記スライダシャフトには、前記メインシャフトの第1の長溝に対向する第2の長溝が形成され、前記突出片が、前記第2の長溝を貫通して前記第1の長溝に走行可能に配設されていることを特徴としている。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項5の発明に係るものであって、前記スライダシャフトの第2の長溝は、元部側又は先端側において屈曲して形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明に係るものであって、前記スライダシャフトの内周面には、軸心方向に向かって突出可能な突出ピン部が配設され、前記メインシャフトには、前記突出ピン部を前記メインシャフトの元部側位置で嵌入する元部側嵌入溝と、前記メインシャフトの先端側で嵌入する先端側嵌入溝とが形成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明に係るものであり、防水布の露先を収納・収納解除可能に構成する露先収納装置を備えるものであって、前記メインシャフトの先端部付近に配設されるとともに前記防水布の露先を収納可能な露先収納リングを備える露先収納部と、前記メインシャフトの元部付近に配設されたロック解除操作レバーを備えて、前記ロック解除操作レバーをロック位置とロック解除位置とに作用するロック機構部と、前記メインシャフト内に配設されて前記露先収納部と前記ロック機構部とを連接する押し上げロッドと、前記押し上げロッドを上方に付勢するコイルばねと、を備えて前記露先収納リングに前記露先を収納可能に構成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項8の発明に係るものであって、前記露先収納リングは、前記メインシャフトの上端部に配設された収納リング支持部材に摺動可能に外嵌されるとともに、前記収納リング支持部材に形成された溝内を上下動するストッパ部が配設され、前記ロック機構が、前記ロック解除操作レバーがロック位置とロック解除位置とを移動するためのスリット部を、前記メインシャフトの水平方向と垂直方向に連接して形成していることを特徴としている。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明に係るものであり、前記メインシャフトの両端に、柄部を着脱可能とする着脱機構を備えるものであって、柄部の一端に装着可能なカバーリングと、前記柄部と前記メインシャフトとを連通する連結ピンと、前記カバーリングを前記連結ピンを覆うように摺動可能に配設される弾性手段とを備えて、前記柄部を前記メインシャフトに着脱可能に構成されていることを特徴としている。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項10の発明に係るものであって、前記連結ピンは、略T字状に形成されるとともに、先端部を折り返し可能に形成し、前記柄部には、前記連結ピンの折り返し部に対向する位置に切り欠き部が形成されていることを特徴としている。
【0017】
請求項12記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明に係るものであり、前記主骨を前記防水布とともに自動開張する自動開張装置を備えるものであって、前記スライダシャフト内の先端部位に配設される先端側コイルばね用ストッパ片と前記メインシャフト内の中間部位に配設される元部側コイルばね用ストッパ片と、一端が前記先端側コイルばね用ストッパ片に係止され他端が前記元部側コイルばね用ストッパ片に係止されるコイルばねと、を備え、さらに前記スライダシャフトを元部側に摺動させたときに、前記スライダシャフトの元部を係止する元部側フックと、前記元部側フックを押圧する係止解除ボタンと、を備えて構成されて、前記元部側フックを前記スライダシャフトの元部から係止解除することにより自動開張可能に構成されていることを特徴としている。
【0018】
請求項13記載の発明は、請求項12の発明に係るものであって、前記元部側フックが、前記メインシャフトの元部側において前記メインシャフトの外周面から突出したメインフックと、前記メインフックより先端側に配置されて前記メインシャフトの突出量より短い突出量で形成されたサブフックを備えて形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1の構成によれば、傘を開く際には、先ず、スライダシャフトをメインシャフトに対して摺動させて所定位置まで押し上げる。その後、スライダシャフトをシリンダシャフトに対して先端側に移動することによりスライダシャフトに枢支された主骨が第1支骨に引き寄せられて、防水布とともに開く方向に広がる。第2支骨は、一端が主骨に枢支され、他端が第1支骨に支持されていることから、主骨が開くことにより、第2支骨が第1支骨の元部側から先端側に向かって移動する。主骨の先端部はスライダシャフトの先端部を中心にしてスライダシャフトの元部側に回動することになる。つまり傘を広げることとなる。
【0020】
したがって、本発明によれば、シリンダシャフトをスライダシャフトに対して摺動させることによって傘の開閉を行うことができる。この際、第2支骨を設けることによって、第1支骨の主骨側との連結部位を主骨の元部側に配設することができる。そのため、スライダシャフト自体の移動量を短くすることができ、主骨を長くすることができる。その結果、防水布を大きくすることができる。また、第2支骨の連結部位を主骨の先端側に移動することができることによって、主骨の強度を増すことができる。
【0021】
また、本発明の請求項2の構成によれば、第2支骨の一端は、第1支骨に対して、第1支骨の支骨嵌入溝内を摺動可能に構成されている。これによって、第2支骨は傘の開き(主骨の開き)に応じてその位置を変位することができることから、上述のように、第2支骨の他端を主骨の先端側に配設することが可能となり、スムーズな動きを行うことができる。この構成は、これに限定するものではなく、例えば、第2支骨が第1支骨を外嵌する筒状部を備えて、筒状部で第1支骨上を摺動するように構成してもよい。
【0022】
また、本発明の請求項3の構成によれば、前述の支骨嵌入溝の場合、支骨嵌入溝元部側端面を屈曲させて形成すれば、第2支骨の一端が屈曲させた部位に入り込むことによって、傘の全開時に、第1支骨や主骨を保持するためのロック位置とすることができる。
【0023】
また、本発明の請求項4の構成によれば、主骨が主骨元部と主骨本体を構成し、また、主骨本体が先端部に主骨先端部を枢支可能に形成している。第1支骨は第1リンク部と第2リンク部とを屈曲可能に形成し、第1支骨と主骨の主骨先端部とを補助支骨で枢支可能に連結しているから、主骨と第1支骨と第2支骨及び補助支骨でリンク機構が構成され、傘を開いたときには、主骨先端部が主骨本体に対して内側に屈曲できるように構成されることになる。したがって、主骨に装着される防水布は先端側で内側に屈曲することになるから、使用者を雨や風から守ることができる。
【0024】
また、本発明の請求項5の構成によれば、シリンダシャフトの元部側に、支骨支持部が配設され、支骨支持部には内周面から軸方向に向かって突出する突出片が配設されている。この突出片は、シリンダシャフトをスライダシャフトに対して摺動する際、スライダシャフトの第2の長溝を貫通してメインシャフトの第1の長溝に沿って移動するから、シリンダシャフトを摺動させる際に傘の回転方向を規制して安定した動きを行えることができる。また、突出片を支骨支持部内に設けることによって、第1の長溝の上端部と下端部がシリンダシャフトの上下移動端のストッパ手段となり、特許文献1に構成された、シリンダシャフトをスライダシャフトに対して摺動させるためのストッパ部(ストッパフック)を、メインシャフトの外方に向けて配設する必要がないことから、ストッパ部(ストッパフック)で防水布に干渉することがない。そのため、防水布がストッパ部(ストッパフック)に絡んで傘の開閉を妨げることを防止できる。
【0025】
また、本発明の請求項6の構成によれば、スライダシャフトに形成された第2の長溝を元部側に屈曲させることによって、防水布を閉じる際に、シリンダシャフトが回転することにより防水布の先端部を容易に巻き付けることができ、主骨を他部位に干渉させることなく収納できる。さらに、第2の長溝を先端側に屈曲させることによって、防水布を開く際に、シリンダシャフトが回転することにより主骨とシリンダシャフトの突出部とが干渉することがないから傘をスムーズに開くことができる。
【0026】
本発明の請求項7の構成によれば、スライダシャフトの内周面に配設された突出ピン部は、メインシャフトに形成された元部側嵌入溝と、先端側嵌入溝とに嵌入可能に構成されている。つまり、メインシャフトから突出したフックストッパの替わりにスライダシャフト内周面に配置された突出ピン部で、傘を閉じた状態又は傘を開いた状態で保持することができることから、例えばメインシャフトから突出したフックストッパで防水布を絡めることがなく、傘の開閉をスムーズに行うことができる。
【0027】
さらに本発明の請求項8の構成によれば、逆閉じ用傘は、露先収納装置を備えており、傘を閉じているときに、防水布の露先がばらつかないように露先収納リングで露先を収納することができる。つまり、露先収納リングは軸方向に移動可能に配設されて、傘を閉じているときには収納した各露先を覆うように露先を外嵌し、傘を開くときには、集合されている露先から離脱するように移動する。露先収納リングを、収納している露先から離脱する場合には、メインシャフトの元部付近に配設されたロック機構部のロック解除操作レバーを操作して押し上げロッドをロック解除位置に移動させることによって行う。ロック解除位置に移動された押し上げロッドは、コイルばねの付勢力により上方に移動され、移動された押し上げロッドで露先収納リングを押し上げることになる。
【0028】
したがって、本発明では、傘を閉じる際に防水布の露先が収納されて防水布を開かずに畳むことができ、傘を開く際に露先は露先収納リングから離脱するから、ワンタッチで露先収納リングを露先から離脱することができる。
【0029】
本発明の請求項9の構成によれば、露先収納リングは、メインシャフトの先端部に装着した収納リング支持部材の円周方向に沿って形成された溝幅内を上下動するように案内されているから、露先収納リングがメインシャフトから脱落することはない。また、ロック解除操作レバーを、メインシャフトの水平方向と垂直方向とに形成されたスリット部内をスライドさせることによって、押し上げロッドをロック解除位置に移動させることができる。
【0030】
さらに、本発明の請求項10の構成によれば、柄部をメインシャフトの両側のいずれかに装着するために、柄部着脱機構を備えている。この柄部着脱機構では、柄部をメインシャフトに装着した後、連結ピンを軸直交方向に差し込むことによって、柄部とメインシャフトとを連結する。つまり、柄部の端部に装着されたカバーリングを、上下移動することによって、連結ピンの装着と、装着された連結ピンのカバーを行うことができることから、差し込んだ連結ピンを脱落させないで、メインシャフトのいずれかの一方の端部に、柄部を装着することができる。
【0031】
したがって、雨天で使用した傘を閉じて持ち歩く際、防水布を内部に収納した状態で、防水布の露先を上方に向けるように柄部を装着して持ち歩けば、雨の雫を床面に垂らすことはない。
【0032】
また、本発明の請求項11の発明によれば、連結ピンを略T字状に形成して、先端部を折り返し可能に形成すれば、カバーリングを摺動させる際に、連結ピンの先端折り返し部をメインシャフトの切り欠き部に収納することによって、カバーリング内に連結ピンを収納することができる。そのため、連結ピンの脱落防止を図ることができる。
【0033】
さらに、本発明の請求項12の構成によれば、逆閉じ用傘は、自動開張装置を備えているから、傘を開く際には、ワンタッチ操作で行なうことができる。つまり、傘を閉じた状態では、スライダシャフトの元部が元部側フックに係止されている。この状態では、メインシャフト内に配設されたコイルばねは圧縮されて、上方に付勢力を有している。係止解除ボタンを押すと、元部側フックがメインシャフト内に埋設され、元部側フックに係止されていたスライダシャフトの元部を開放する。開放されたスライダシャフトは、コイルばねの付勢力で上方に押し上げられる。スライダシャフトが押し上げられることによって主骨及び防水布が開き、コイルばねにさらに圧力を加えることによって、主骨が支骨で支持されて傘の開きを保持することができる。
【0034】
上述のように本発明では、ワンタッチで主骨および防水布を開張できることから、例えば、雨天中における降車時や、部屋からの外出時において、また、荷物を多く持っている状態であるとき等、片手で簡単に傘を開くことができる。
【0035】
また、本発明の請求項13の構成によれば、元部側フックに、メインシャフトから突出して係止解除ボタンの付近に配設されたメインフックと、メインフックの上方位置で、メインフックの突出量より短い突出量のサブフックとを形成することによって、スライダシャフトの元部が、メインフックから係止解除した後にサブフックに係止することになる。そのため、傘を急激に開くことによるメインシャフト先端部の急な飛び出しを防止して、第3者に危害を加えることのないように構成している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一形態による逆閉じ用傘を示す全体図である。
【図2】図1における逆閉じ用傘の開き始めを示す全体図である。
【図3】図1における逆閉じ用傘の開いた状態を示す全体図である。
【図4】図1における逆閉じ用傘の傘開閉部を示す一部主要断面図である。
【図5】図4における第1支骨と第2支骨の枢着状態を示す拡大一部正面図である。
【図6】同拡大一部平面図である。
【図7】シリンダシャフトの波状ガイド部の詳細を示す一部正面図である。
【図8】メインシャフトとスライダシャフトとシリンダシャフトの嵌合状態を示す断面図である。
【図9】スライダシャフトの下部周りを示す一部正面図である。
【図10】メインシャフトの第1の長溝を示す一部正面図である。
【図11】スライダシャフトの別の形態による第2の長溝を示す一部正面図である。
【図12】別の形態によるスライダシャフトの突出ピン部を示す一部断面図である。
【図13】本発明における逆閉じ用傘の露先収納装置を示す構成図である。
【図14】図9の露先収納装置における露先収納リングを示す平面断面図である。
【図15】図9の露先収納装置におけるロック解除レバーの作用を示す断面図である。
【図16】本発明における逆閉じ用傘の柄部着脱装置を示す全体図である。
【図17】同正面断面図である。
【図18】同着脱用ピンを示す平面断面図である。
【図19】図14におけるカバーリングを下方に移動した状態を示す正面断面図である。
【図20】本発明における逆閉じ用傘の自動開張装置を示す一部断面図である。
【図21】図20における元部側フックを示す拡大断面図である。
【図22】図20におけるメインシャフトに形成された各溝を示す一部正面図である。
【図23】図20におけるスライダシャフトの上端部を示す平面断面図である。
【図24】第2の形態による傘開閉部における傘開閉部の全開状態の骨組み構造を示す要部断面図である。
【図25】傘開閉部の全開状態に至るまでの作用状態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
次に、本発明の一形態による逆閉じ用傘について図面に基づいて説明する。
【0038】
図1〜3は、逆閉じ用傘(以下、傘という)1の全体構成及び傘の開閉における各状態を示すものであり、図4は傘1の主要構成を示すものである。傘1は、傘開閉部3と、傘開閉部3を挿通するメインシャフト5とを有して構成され、傘開閉部3には、メインシャフト5を外嵌するスライダシャフト11とスライダシャフト11を外嵌するシリンダシャフト14とが配置されている。図4に示すように、スライダシャフト11の先端には、主骨12及び防水布13の一端が装着され、主骨12の中間部には第1支骨15の一端が枢着されている。また、第1支骨15の他端は、シリンダシャフト14の元部に枢着されている。さらに第1支骨15の中間部には、第2支骨16が摺動可能に装着されている。第2支骨16の他端は主骨12に枢着して配置されている。
【0039】
つまり、図1は傘1を折り畳んで閉じた状態を示すものであり、図2は、スライダシャフト11をメインシャフト5の先端側に摺動させるとともにシリンダシャフト14をスライダシャフト11に対して摺動させて、傘1の主骨12や防水布13を開き始めた状態(主骨が上方に開いている状態)を示すものである。さらに、図3は、シリンダシャフト14をスライダシャフト11に対してさらに摺動させて、主骨12や防水布13をさらに開いて保持された状態(主骨が下方に向かって開いた状態)を示すものである。
【0040】
メインシャフト5には、元部(図1における下部)に柄部6が装着され、先端部(図1における上部)には主骨12の元部を押える後述の露先支持キャップ22と防水布13の露先収納リング支持部材24が配置されている。さらに、メインシャフト5の元部側には、柄部6の上方に、後述の傘開閉部3を開くための押しボタン56が配置されている。
【0041】
傘開閉部3を詳細に説明すると、図4に示すように、メインシャフト5を外嵌走行するスライダシャフト11と、スライダシャフト11を外嵌走行するシリンダシャフト14とが配置され、メインシャフト5を含んで三重軸構造をなしている。
【0042】
スライダシャフト11は、胴体部111を間にして下部に拡径状の手押し部112と上部に主骨12の一端を枢着する拡径状の主骨支持部113を有して筒状に形成されている。また、手押し部112の上方には、後述のフック部に係止するフック係止溝115(図9参照)が形成されている。
【0043】
主骨12は、主骨支持部113を中心にして放射線状に複数配置されるとともに外面に防水布13を装着している。主骨12は、防水布13の広い部分を装着する主骨本体121と主骨支持部113に固着される主骨元部122とに分割して形成し、主骨本体121と主骨元部122とを枢着ピン123で枢着している。これによって、傘を閉じる際に、主骨12は、主骨本体121と主骨元部122との間で折曲することができる。そのため、主骨12が開いた状態の位置に移行しても、折曲することによって、主骨12の先端部外周を最大径とすることがないから、防水布13の外側へ広げることがなく、傘開閉部3を閉じる際にスムーズに行うことができる。
【0044】
また、主骨本体121の中間部には、第1支骨15の一端を枢着するための第1の取付け片124が配置され、第1の取付け片124より先端側に、第2支骨16の一端を枢着するための第2の取付け片125が配置されている。
【0045】
第1支骨15は、下部を開口したコ字状に形成されて、一端が主骨12の第1の取付け片124にヒンジ結合され、他端がシリンダシャフト14の元部に配置された後述の支骨支持部141に摺動可能に枢着されている。第1支骨15には、側部に、図5〜6に示すように、長手方向に沿って支骨嵌入溝151が形成され、第2支骨16の一端が摺動可能に嵌入されている。支骨嵌入溝151におけるシリンダシャフト14の元部側(支骨支持部141側)の端部は屈曲部152が形成され、主骨12の全開時に、主骨12の開き位置を保持できるようにロック機構を構成している。
【0046】
第2支骨16は、一端が主骨12の第2の取付け片125(図4参照)にヒンジ結合され、他端が第1支骨15の支骨嵌入溝151内に摺動可能に装着されている。第2支骨16の一端に支骨嵌入溝151に嵌入する枢着ピン161が挿入され、枢着ピン161の両端には、第2支骨16の両側面を外面に配置するガイド板162が装着され、枢着ピン161が支骨嵌入溝151内を走行する際の走行ガイドとしている。
【0047】
なお、第1支骨15には、第2支骨16が、支骨嵌入溝151の屈曲部152に嵌入する際の、逃がし溝153が屈曲部152の上面に形成されている。
【0048】
シリンダシャフト14は、図4に示すように、元部にスライダシャフト11の胴体部111を外嵌走行して第1支骨15の一端を支持する支骨支持部141と、支骨支持部141の上方に隣接して配置され防水布13を収納する布収納筒部142と、を備えて構成されている。布収納筒部142の上面は、複数の山部を有して波状に形成した波状ガイド部143としている。図7に示すように、波状ガイド部143は、突出部143aと開口部143bとからなり、突出部143aで主骨元部122及び主骨本体121をばらつかせないように押える作用を行い、開口部143bに主骨12が入り込んで開張することによって主骨12と突出部143aとの干渉を防ぎ、傘を開く際のスムーズな作用を保証することになる。
【0049】
また、布収納筒部142内には、下端が支骨支持部141の下端面に掛止され、上端がスライダシャフト11に配置された主骨支持部113の上端面に掛止する引張コイルばね17が、スライダシャフト11の胴体部111に外装されている。
【0050】
支骨支持部141の外周面には、第1支骨15の本数に合わせて等分位置に縦溝141aが形成され、縦溝141aに、第1支骨15の一端がヒンジ結合されている。
【0051】
次に、メインシャフト5とスライダシャフト11及びシリンダシャフト14との嵌合状態について図8〜9に基づいて説明する。
【0052】
筒状に形成されたメインシャフト5の外周面には、シリンダシャフト14の支骨支持部141を通る部位を含めて、軸方向に沿って軸心に対して相対する位置に、第1の長溝501が一対形成されている。また、筒状に形成されたスライダシャフト11には、メインシャフト5の第1の長溝501に対向する位置に一対の第2の長溝114が形成されている。第2の長溝114は、直線部114aと直線部114aの下部に形成された屈曲部114bとを有している。筒状に形成されたシリンダシャフト14の支骨支持部141の内周面には、第1の長溝501及び第2の長溝114に対向する位置に、軸心に向かって突出する突出片144が配置されている。スライダシャフト11の一対の第2の長溝114は、下部(手押し部112側)において屈曲して形成されている。なお、メインシャフト5の第1の長溝501の上端部は横方向に屈曲して形成され、突出片144の逃げ部501xとしている。
【0053】
つまり、シリンダシャフト14を上下方向に移動する際は、突出片144がスライダシャフト11の第2の長溝114を貫通してメインシャフト5の第1の長溝501に挿入して摺動することとなる。そして、傘を閉じるとき、つまり防水布13を閉じる際には、突出片144は第2の長溝114の屈曲部114bから直線部114aに移動することによって、シリンダシャフト14をスライダシャフト11の外周面の周りを回転することになる。これによってスライダシャフト11に一端を支持した防水布13は、閉じられる最終段階でスライダシャフト11とともに回転するから、布収納筒部142に巻付けられながら収納されることとなる。
【0054】
この構成によると、シリンダシャフト14に配置される突出片144は、メインシャフト5の第1の長溝501を摺動する際に、突出片144が、メインシャフト5の第1の長溝501の先端501aに当接することによって、図9に示すように、シリンダシャフト14がメインシャフト5に対する移動ストッパとなるから、シリンダシャフト14がスライダシャフト11に対して摺動することになって主骨12を開くことができる。また、突出片144がメインシャフト5の第1の長溝501の元部端501bに当接することによって、シリンダシャフト14がメインシャフト5に対する元部端501bでの移動ストッパとなるから、シリンダシャフト14がスライダシャフト11に対して摺動することになって主骨12を閉じることができる。そのため、この機能を有するストッパ部材をメインシャフト5自体に配置することを必要としない。これにより、防水布13を閉じる際に、前述のストッパ部材を防水布13に干渉させることがない。そのため、防水布13の収納をスムーズに行うことができる。
【0055】
なお、図11に示すように、スライダシャフト11に形成された第2の長溝114は、直線部114aの先端部で屈曲して形成されていてもよい。つまり、直線部114aの先端に連接された屈曲部114cを形成することによって、傘1を開く際に主骨12に干渉させずに開くことができるから、傘の開きをスムーズに行うことができる。また、第1の長溝501は、メインシャフト5に対向する位置にメインシャフト5の軸方向に沿って一対形成されているが、一対ではなくてもよい。また、スライダシャフト11に形成される第2の長溝114も一対でなくてもよい。
【0056】
また、別の形態では、図12に示すように、メインシャフト5には、スライダシャフト11の内周面に配置された突出ピン部116の嵌入する元部側嵌入溝5aと先端側嵌入溝5bを設けてもよい。突出ピン部116はコイルばね117によって元部側嵌入溝5a側又は先端側嵌入溝5b側に嵌入可能に付勢されている。突出ピン部116が元部側嵌入溝5aに嵌入することによって、傘1を閉じた状態を維持することになり、突出ピン部116が先端側嵌入溝5bに嵌入することによって、傘1を開いた状態で保持することとなる。この突出ピン部116は、メインシャフト5側から外方に突出して設けられているわけではなくスライダシャフト11の内周面に内方に向かって突出しているから、傘1の開閉の際、防水布13と絡むことがなくスムーズに作用することができる。
【0057】
次に、防水布13の露先131を収納する露先収納装置について、図13〜15に基づいて説明する。露先131は、各主骨12の先端に装着されるとともに防水布13(図4参照)の一端を装着して、防水布13を安定して広げることができるようにするものである。
【0058】
露先収納装置20は、メインシャフト5の先端部付近に配置された露先収納部21と、メインシャフト5の元部付近に配置されて押し上げロッド25で連結されたロック機構部27と、を備えて構成されている。
【0059】
露先収納部21は、メインシャフト5の先端側に装着された露先支持キャップ22と、各露先131の先端を囲撓可能に上下移動する露先収納リング23と、露先収納リング23を支持する露先収納リング支持部材24と、を備えて構成されている。露先支持キャップ22には、防水布13を閉じたときに、その先端部の露先131を係合する複数の係合溝221が形成されている。露先収納リング23は、リング状の収納筒部231と収納筒部231の軸方向における中間部位において軸心を通り直径方向に延設して収納筒部231の内周面に連結する板状のストッパ部232を有して形成されている。ストッパ部232の軸心部は、押し上げロッド25の先端部を挿通するためにリング状に形成されるとともに、露先収納リング23を上方に付勢する上部側コイルばね26の一端を係止する広幅の掛止面232aとされている。露先収納リング支持部材24は、メインシャフト5に装着される円筒状に形成され、下端部は、露先131の先端が当接する傾斜面241に形成され、軸方向中間部には、露先収納リング23のストッパ部232を収納するための溝部242が形成されている。
【0060】
この溝部242は、ストッパ部232の上下方向の厚みより大きく形成され、上端面がストッパ部232の上限位置となる上限ストッパ面242aとして形成され、下端面がストッパ部232の下限位置となる下限ストッパ面242bとして形成されている。ストッパ部232が上限ストッパ面242aに当接すると、露先収納リング23は、防水布13の露先131を開放して、傘開閉部3を開く状態にすることができ、ストッパ部232が下限ストッパ面242bに当接すると、露先収納リング23は、傘開閉部3を閉じたときに露先131を収納できることとなる。
【0061】
ロック機構部27は、メインシャフト5の元部付近に形成されたスリット部28と押し上げロッド25の下端に装着されたロック解除操作レバー29と、ロック解除操作レバー29の下方に配置されて押し上げロッド25を上方に付勢するように外嵌する下部側コイルばね30と、を備えて構成されている。スリット部28は、軸直交方向に形成される水平スリット281と、水平スリット281の一端に連接されて水平スリット281より上方に延びる垂直スリット282とを有している。ロック解除操作レバー29は、水平スリット281及び垂直スリット282より幅が小さく形成されて、水平スリット281及び垂直スリット282内を摺動する。そして、図15に示すように、ロック解除操作レバー29が水平スリット281から垂直スリット282内に移動すると、下部側コイルばね30の付勢力で押し上げロッド25を上方に移動させて、露先収納リング23を露先131から離脱させることとなる。なお、符号56は、後述の押しボタンを示している。
【0062】
次に、メインシャフト5の両端に柄部6を装着できるように構成する柄部6の着脱装置(単に着脱装置ともいう)40について図16〜19に基づいて説明する。
【0063】
図16〜19に示すように、柄部6はU字状又はJ字状に形成されてメインシャフト5の元部に装着されている。着脱装置40は、柄部6のメインシャフト5の装着側の一端に装着されるカバーリング41と、柄部6とメインシャフト5とを連結する着脱用ピン42と、カバーリング41内に配置される波状板バネ43とを備えて構成されている。メインシャフト5の両端部は、先細り状のテーパ面が形成され、柄部6に形成されたテーパ孔に装着可能としている。また、図18に示すように、柄部6には、メインシャフト5の装着側端部付近において、先端部から離隔した位置に円周方向に沿って第1の一部切欠部61と軸心に対して相対する側に第2の一部切欠部62が形成され、第1の一部切欠部61及び第2の一部切欠部62の下方の位置で全周にわたって配置された全面切欠部63が形成されている。第1の一部切欠部61と第2の一部切欠部62は、柄部6に形成されたピン挿通孔61a、62aに連通されている。メインシャフト5には、第1の一部切欠部61と第2の一部切欠部62に対向するピン挿通孔502が形成されている。
【0064】
カバーリング41は、図17に示すように、柄部6の外周面を覆うリング状に形成された本体部411と、本体部411の中間部位で本体部411の内周面から全周にわたって内方に突出するとともに柄部6の全面切欠部63内の上端部付近に配置された突出リング412と、を備えて形成されている。カバーリング41は、図18に示すように、柄部6に形成された第1の一部切欠部61と第2の一部切欠部62、及び全面切欠部63を覆うことができるように摺動可能に装着されている。
【0065】
着脱用ピン42は、図18に示すように、柄部6のピン挿通孔6a及びメインシャフト5のピン挿通孔502を挿通可能に形成されている。着脱用ピン42は、略T字状に形成された長尺ピン421と、先端に折り返し可能な短尺ピン422とを備えている。長尺ピン421の頭部は第1の一部切欠部61に沿って円弧状に形成されて第1の一部切欠部61内に収納され、先端部がメインシャフト5のピン挿通孔502を通って第2の一部切欠部62内に突入している。短尺ピン422は、第2の一部切欠部62部位において、長尺ピン421に枢着されている。従って、着脱用ピン42は、柄部6及びメインシャフト5を挿通した後、短尺ピン422を折り返して第2の一部切欠部62内に収納する。これによって、着脱用ピン42は、柄部6の外周面を越えることなく柄部6内に収納できるから、カバーリング41は挿通された着脱用ピン42を被せることによって、着脱用ピン42の脱落を防止することができる。
【0066】
一方、波状板バネ43は、全面切欠部63内に収納されて上端部をカバーリング41の突出リング412に当接されている。したがって、カバーリング41を手で下方に移動させると、図19に示すように、波状板バネ43は下方に押圧されて平面状態となるように変形される。このため、突出リング412を上方に押し上げるような付勢力を発生する。そして、カバーリング41を下方に下げることによって、カバーリング41で覆われていた着脱用ピン42が現れることになり、着脱用ピン42の柄部6からの着脱を行うことができる。
【0067】
次に、傘開閉部3を開く際に、片手で容易に主骨12及び防水布13を開張する自動開張装置について図20〜22に基づいて説明する。
【0068】
自動開張装置50は、スライダシャフト11の主骨支持部113に装着された第1のストッパ板51と、メインシャフト5の下部に装着された第2のストッパ板52と、第1のストッパ板51と第2のストッパ板52とに両端を係止する圧縮コイルばね53と、第2のストッパ板52の下方に配置されてメインシャフト5内に挿入された元部側フック54とを備えて構成されている。
【0069】
元部側フック54は、図20〜21に示すように、先端にメインシャフト5の内周面に当接する支点部55と、元部にメインシャフト5から外方に突出する押しボタン56と、を有してメインシャフト5内を挿通する胴体部57が形成されている。支点部55と押しボタン56との間には、下部にメインフック58がメインシャフト5から突出して配置され、上部にサブフック59がメインシャフト5から突出可能に配置されている。
【0070】
図21〜22に示すように、押しボタン56はメインシャフト5の下部に形成された押しボタン用溝503に挿通して配置されている。メインフック58は、メインシャフト5に形成されたメインフック用溝504に出入可能に配置されている。サブフック59は、メインシャフト5に形成されたサブフック用溝505に出入可能に配置されている。サブフック59はメインフック58より、メインシャフト5の外方への突出量を短く形成している。
【0071】
元部側フック54は、支点部55をメインシャフト5の内周面に当接させて、支点部55とサブフック59との間の背部571側を、支点部55とは反対側のメインシャフト5内周面に当接させた状態で、胴体部57の下端部を、図20において左傾させている。つまり、押しボタン56をメインシャフト5の内周面側向かって押し込むと、メインフック58とサブフック59が、メインシャフト5内に向かって移動できるように構成している。メインフック58及びサブフック59は、スライダシャフト11の手押し部112の直上に形成されたフック係止溝115(図9及び図21参照)に係止可能に形成されている。押しボタン56の操作でフック係止溝115がメインフック58から解除されると、スライダシャフト11は圧縮コイルばね53の付勢力で上昇するものの、フック係止溝115がサブフック59に係止されてスライダシャフト11の上昇は一旦停止する。フック係止溝115がサブフック59に係止された状態で、さらに押しボタン56を押し込むと、フック係止溝115はサブフック59から解除されて、スライダシャフト11は再び上昇することになる。これによって、主骨12及び防水布13は開張することになり、シリンダシャフト14の支骨支持部141をさらに押し上げることによって、傘1は、完全に開張することになる。
【0072】
サブフック59で、一旦スライダシャフト11の上昇を停止することにより、傘開閉部3を急激に開張することを防止する。そのため、第3者に危険が及ぶことを防止することができる。
【0073】
なお、実施形態の押しボタン56は、露先収納装置20のロック解除操作レバー29が操作される前において、重なる位置にあり、押しボタン56がロック解除操作レバー29の内側に配置されている。これによって、自動開張装置50は、露先収納装置20を操作する前では操作できないことになって、安全対策を図ることができる。
【0074】
また、図22〜23に示すように、メインシャフト5には、長手方向の1箇所において、ストッパガイド用スリット506が形成され、第1のストッパ板51に主骨支持部113に連結する連結部511がストッパガイド用スリット506を挿通して配置されている。
【0075】
次に、上述のように構成された傘1の作用について説明する。
【0076】
傘開閉部3が閉じている状態では、図1に示すように、スライダシャフト11の手押し部112はメインシャフト5の柄部6に接近した位置にあり、メインシャフト5の元部側に柄部6が装着されている。主骨12及び防水布13は上方に向けて閉じた状態にある。この状態では、図13に示すように、防水布13の露先131は、露先収納装置20の露先収納リング23で覆われて収納された状態にある。また、図20に示すように、スライダシャフト11のフック係止溝115が自動開張装置50のメインフック58に係止されている。なお、柄部6は、メインシャフト5との間で回転防止されている。
【0077】
また、この状態では、防水布13の表面(雨に直接濡れる面)は、主骨12とともに、その元部側の一部が、シリンダシャフト14の布収納筒部142内に折り畳まれている。
【0078】
次に、傘開閉部3を開く場合、まず、露先収納装置20のロック解除操作レバー29をメインシャフト5に形成された水平スリット281に沿って水平方向に移動し、その後、垂直スリット282内に収納する。垂直スリット282に収納したロック解除操作レバー29は、上方部位が開放されていることから、下部側コイルばね30の付勢力により押し上げロッド25を上方に移動させる。これによって、押し上げロッド25の上部で連結された露先収納リング23が防水布13の露先131から離脱することになって、露先131は露先収納リング23から開放される。次に自動開張装置50の押しボタン56を押し込むように操作する。
【0079】
なお、上述のように、実施形態の押しボタン56を操作する場合、露先収納装置20のロック解除操作レバー29を押しボタン56と重なる位置から解除することによって、初めて操作できる。
【0080】
押しボタン56を押し込むことによって、メインフック58がスライダシャフト11のフック係止溝115から解除される。すると、スライダシャフト11は、圧縮コイルばね53の付勢力によって、メインシャフト5に対して摺動することになりシリンダシャフト14とともに上方に移動する。圧縮コイルばね53は、略最大限に圧縮されている状態にあることから、その付勢力は大きい。そのためスライダシャフト11は急激な上方移動を行う。
【0081】
しかし、スライダシャフト11の急激な上方への移動は、フック係止溝115がサブフック59に係止されることによってその移動を停止する。押しボタン56をさらに押し込むことによって、フック係止溝115がサブフック59から解除され、再び上方への移動を開始する。
【0082】
スライダシャフト11とシリンダシャフト14が上昇する際、シリンダシャフト14の突出片144は、スライダシャフト11の第2の長溝114を貫通してメインシャフト5の第1の長溝501に係合しているから、スライダシャフト11とシリンダシャフト14は、メインシャフト5に対して回転することなく上昇移動を行う。シリンダシャフト14がメインシャフと5の第1の長溝501の上端位置に達すると、シリンダシャフト14はその上昇を停止し、スライダシャフト11がシリンダシャフト14に対して上昇することになる。
【0083】
この際、主骨支持部113と支骨支持部141との間を掛止している引張コイルばね17は圧縮状態にある。
【0084】
そして、図4に示すように、この状態でスライダシャフト11がシリンダシャフト14に対して上昇すると、つまり、主骨支持部113を引張コイルばね17の付勢力に抗して上方(露先支持キャップ22)に向かって移動させると、シリンダシャフト14は、スライダシャフト11に対して相対的に下方に移動することになり、支骨支持部141を下方に押し下げることとなる。支骨支持部141に枢支された第1支骨15は、主骨12にヒンジ結合されていることから主骨12を引き下げることとなる。従って、第1支骨15は、図2に示すように、支骨支持部141に対して広げる方向に回動され、主骨12は、主骨支持部113に対して広げる方向に回動される。さらに、第2支骨16は、第1支骨15の支骨嵌入溝151内を主骨12側から支骨支持部141側に向かって摺動する。
【0085】
さらに、スライダシャフト11に圧力を加え続けると、主骨支持部113は露先支持キャップ22に当接し、第2支骨16は、支骨嵌入溝151の屈曲部152に移動して主骨12及び第1支骨15を開いた状態で保持することになる。
【0086】
次に、傘開閉部3を閉じる際の作用について説明する。傘開閉部3を閉じる場合には、スライダシャフト11の手押し部112をメインシャフト5の元部側に引っ張ることによって行う。すると、引張コイルばね17の付勢力が、主骨支持部113と支骨支持部141とを接近させる方向に働く。つまり、主骨支持部113を露先支持キャップ22から離隔することとなり、第1支骨15を支骨支持部141に対して閉じる方向に回動させ、第2支骨16を支骨嵌入溝151内における主骨12の枢着点側に摺動させる。一方、主骨12も主骨支持部113に対して閉じる方向に回動して第1支骨15と第2支骨16及び主骨12とを防水布13とともにメインシャフト5側に向けて移動する。
【0087】
そして、主骨支持部113がシリンダシャフト14の布収納筒部142内に収納されると、主骨12の中央部側元部が防水布13の元部とともに布収納筒部142内に波状ガイド部143に案内されながら収納されることとなる。波状ガイド部143は、それぞれの主骨12と同数に形成されていることにより、防水布13の元部は、スライダシャフト11の胴体部111の周りで偏った重なりを起こすことなく波状ガイド部143に沿って収納される。従って、防水布13をスムーズに閉じることができる。
【0088】
また、スライダシャフト11下降移動の際、シリンダシャフト14の突出片144はスライダシャフト11に形成された第2の長溝114が下部において屈曲されていることにより、防水布13の布収納筒部142内への収納完了前においては、防水布13を巻き付けることになって、防水布13の収納をさらにスムーズに行うことができる。
【0089】
スライダシャフト11を最下方位置に移動して、スライダシャフト11のフック係止溝115を元部側フック54のメインフック58に係止すると、露先収納装置20のロック解除操作レバー29を垂直スリット282から水平スリット281に移動して、露先収納リング23で防水布13の露先131を覆う。これによって、傘開閉部3(傘1)を閉じた状態にすることができ、その後、室内に入るときには、柄部6を脱着して、メインシャフト5の先端側に装着する。この作業は、柄部6に装着されたカバーリング41を下方に移動させて、覆われていた着脱用ピン42を表面に現して柄部6から抜くことによって行う。これは、短尺ピン422を長尺ピン421の軸方向に沿うように折り返した後、長尺ピン421から引き抜くことになる。着脱用ピン42を脱着すれば、メインシャフト5の先端側にそのまま装着することになる。
【0090】
閉じられた傘開閉部3は、防水布13の表面側に雨水が付着されていることから、雨水は、傘開閉部3の内部に溜まることになり、閉じた傘開閉部3の外面、つまり防水布13の裏面側には雨水は付着されていない。従って、傘開閉部3の内部に貯溜された雨水は、影響のない適当な場所に捨てれば、例えば、室内で持ち歩いても他人に迷惑をかけることがない。
【0091】
上述のように、実施形態の逆閉じ用傘1では、主骨12と第1支骨15との間に、第1支骨15を摺動する第2支骨16を設けたことから、傘開閉部3の開閉時に、スライダシャフト11の移動量を少なくしてスムーズの開閉を行うことができる。第2支骨16は第1支骨15に一端を摺動可能に枢着して他端を主骨12に枢着しているから、主骨12の先端側に配置させることができる。したがって、第2支骨16で第1支骨15とともに主骨12を支持できることから、主骨12を開いたときの強度を増すことができ、その分、主骨12の長さを従来より長くすることができる。よって、防水布13を大きくすることができて雨よけ部を広くすることができる。また、主骨12を開いたときに強度を増すことができることは、傘開閉部3の開閉作用をスムーズにさせる。
【0092】
また、実施形態の逆閉じ用傘1では、傘開閉部3を開く際に、シリンダシャフト14の内周面に形成した突出片144がメインシャフト5の第1の長溝501に沿って移動してその上端部で移動停止をする。スライダシャフト11がさらに移動を続けるため、主骨12及び防水布13が開くことになる。この際、突出片144をシリンダシャフト14内に設けることによって、シリンダシャフト14のスライダシャフト11に対する摺動の際に、スライダシャフトに対するストッパ機能を有するストッパ部材を、メインシャフト5に配置することがないことから、メインシャフと5で防水布13に絡む虞がなく、これによっても傘開閉部3の開閉をスムーズに行うことができる。
【0093】
さらに、実施形態の逆閉じ用傘1では、露先収納装置20を備えているから、傘開閉部3を閉じたときに、防水布13の露先131を露先収納リング23で収納することができる。
【0094】
また、実施形態の逆閉じ用傘1では、柄部6の着脱装置40を備えているから、雨中での使用時に、柄部6をメインシャフト5の元部に装着し、傘1の持ち歩き時に、メインシャフト5の先端側に装着して、防水布13に溜まった雨の雫を、傘1内に溜めながら室内を歩行することができる。
【0095】
また、実施形態の逆閉じ用傘1では、自動開張装置50を備えているから、柄部6付近の押しボタン56を押し込むことによって、主骨12や防水布13を自動的に開くことができる。これによって、降車時に片手でのワンタッチ操作ができるから、傘開閉部3の開張時に雨に濡れ難い。
【0096】
なお、傘開閉部3において、防水布13の先端部を下方に折り曲げることにより、雨の侵入をさらに防止することができる。つまり、第2の形態の傘開閉部3Aは、図24〜25に示すように、前述の形態と同様に、メインシャフト5と、メインシャフト5を外嵌走行するスライダシャフト11と、スライダシャフト11を外嵌走行するシリンダシャフト14とを備えて三重軸構造をなし、スライダシャフト11の先端側には主骨支持部113が配置され、シリンダシャフト14の元部側には、支骨支持部141が配置されている。
【0097】
主骨12Aは主骨支持部113を中心に放射線状に複数配置されるとともに外面に防水布13を装着している。また、主骨12Aは、防水布13の広い部分を装着する主骨本体121と主骨支持部113に固着される主骨元部122とに分割して形成し、さらに主骨本体121の先端部に主骨先端部121aを枢支可能に装着して主骨先端部121aを下方に折り曲げ可能に構成している。そして主骨本体121と主骨元部122、主骨本体121と主骨先端部121aとを枢着ピン123で枢着している。
【0098】
第1支骨15Aは、主骨12側に枢支する第1リンク部15aと支骨支持部141側に枢支する第2リンク部15bとを備えて構成されている。第1リンク部15aと第2リンク部15bとは、枢着ピン123で連結され、第1支骨15Aを屈曲可能に構成している。
【0099】
第2支骨16Aは、一端を主骨12Aの主骨本体121に枢支させ、他端を第1支骨15Aの第2リンク部15bに枢着ピン123で枢支させている。さらに、主骨12Aと第1支骨15Aとは、第1支骨15Aの第1リンク部15aと第2リンク部15bとの連結部に補助支骨16Bの一端を枢着ピン123で枢支するとともに、主骨先端部121aに補助支骨16Bの他端を枢着ピン123で枢支して連結されている。
【0100】
これによって、傘を開くために、スライダシャフト11をメインシャフト5に対して先端側に摺動させ、さらに摺動させることにより、スライダシャフト11の主骨支持部113をシリンダシャフト14の支骨支持部141から離隔させることになり、これにより主骨12Aを押し広げることになる。その結果、主骨元部122、主骨本体121、主骨先端部121a、第1支骨15の第1リンク部15a、第2リンク部15b、及び補助支骨16Bは枢着ピン123によりそれぞれの作動が規制された動きとなって、主骨12Aは、外側へ反転することとなる。そのため、主骨12Aは、図25の全開状態前から図24の全開状態に作用することになり、主骨先端部121aを、傘開閉部3Aの内側に折曲することができ、雨の侵入をさらに防ぐことができる。
【0101】
傘を閉じる際に、主骨12Aは、主骨本体121と主骨元部122との間で折曲することができる。そのため、主骨12Aが開いた状態の位置に移行しても、折曲することによって、主骨12Aの先端部外周を最大径とすることがないから、防水布13の外側へ広げることがなく、傘開閉部3Aを閉じる作用をスムーズに行うことができる。
【符号の説明】
【0102】
1、傘
3、傘開閉部
5、メインシャフト
6、柄部
11、スライダシャフト
112、手押し部
113、主骨支持部
114a、直線部
114b、屈曲部
114c、屈曲部
116、突出部
12(12A)、主骨
121、主骨本体
121a、主骨先端部
122、主骨元部
13、防水布
14、シリンダシャフト
141、支骨支持部
142、布収納筒部
143、波状ガイド部
15、第1支骨
151、支骨嵌入溝
152、屈曲部
16(16A)、第2支骨
17A、補助支骨
17、引張りコイルばね
20、露先収納装置
21、露先収納部
23、露先収納リング
24、露先収納リング支持部材
242、溝部
25、押し上げロッド
26、上部側コイルばね
27、ロック機構部
28、スリット部
281、水平スリット
282、垂直スリット
29、ロック解除操作レバー
30、下部側コイルばね
40、柄部着脱装置
41、カバーリング
42、着脱用ピン
43、波状板ばね
50、自動開張装置
53、圧縮コイルばね
54、元部側フック
56、押しボタン
58、メインフック
59、サブフック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄部を有するメインシャフトと、前記メインシャフトに外嵌するとともに前記メインシャフトに対して摺動可能に配設されるスライダシャフトと、前記スライダシャフトに外嵌するとともに前記スライダシャフトに対して摺動可能に配設されるシリンダシャフトとを備えて3重軸構造に構成され、
前記スライダシャフトに一端を枢支されるとともに防水布を装着した主骨と、前記シリンダシャフトに一端を枢支されるとともに前記主骨にヒンジ結合された第1支骨とを備え、
傘を閉じている状態では、前記主骨は前記防水布とともに、前記メインシャフトの先端側に折り畳まれて、防水布の表面が内部に収納された状態にあり、
前記スライダシャフトを前記メインシャフトに対して先端側に摺動させるとともに、前記スライダシャフトを前記シリンダシャフトに対して先端側に摺動させることによって、前記主骨を前記第1支骨で支持固定して前記防水布を完全に開いた状態に作用させる逆閉じ用傘であって、
前記第1支骨には、一端が前記主骨における前記第1支骨のヒンジ結合部より先端側において、前記主骨にヒンジ結合された第2支骨の他端が装着されていることを特徴とする逆閉じ用傘。
【請求項2】
前記第1支骨には長手方向に沿って支骨嵌入溝が形成され、前記第2支骨の一端が前記支骨嵌入溝内を摺動可能に嵌入されていることを特徴とする請求項1記載の逆閉じ用傘。
【請求項3】
前記支骨嵌入溝は直線状に形成されるとともに、前記支骨嵌入溝におけるシリンダシャフト元部側の先端は、屈曲して形成されていることを特徴とする請求項2記載の逆閉じ用傘。
【請求項4】
前記主骨は、前記スライダシャフトの先端側に装着される主骨元部と、前記主骨元部の先端側で、前記主骨元部に枢支可能に配設される主骨本体とを備え、前記主骨本体が、先端部で枢支可能に配設される主骨先端部を備え、
前記第1支骨が、前記主骨に一端を枢支する第1リンク部の他端と、前記シリンダシャフトに一端を枢支する第2リンク部の他端とを、屈曲可能に連結し、
前記第2支骨が、前記主骨本体と前記第1支骨の第2リンク部とを枢支可能に連結するとともに、前記主骨と前記第1支骨とは、前記第1リンクと前記第2リンク部との屈曲部と前記主骨先端部とに枢支可能な補助支骨で連結されていることを特徴とする請求項1記載の逆閉じ用傘。
【請求項5】
前記シリンダシャフトには、元部側に前記第1支骨の一端を支持して前記スライダシャフトを外嵌する円環状の支骨支持部が配設されるとともに前記支骨支持部の内周面には、前記支骨支持部の内周面から軸心方向に向かって突出する突出片が配設され、
前記メインシャフトには、第1の長溝が軸方向に沿って形成され、
前記スライダシャフトには、前記メインシャフトの第1の長溝に対向する第2の長溝が形成され、
前記突出片が、前記第2の長溝を貫通して前記第1の長溝に走行可能に配設されていることを特徴とする請求項1,2,3又は4のいずれかに記載の逆閉じ用傘。
【請求項6】
前記スライダシャフトの第2の長溝は、元部側又は先端側において屈曲して形成されていることを特徴とする請求項5記載の逆閉じ用傘。
【請求項7】
前記スライダシャフトの内周面には、軸心方向に向かって突出可能な突出ピン部が配設され、
前記メインシャフトには、前記突出ピン部を前記メインシャフトの元部側位置で嵌入する元部側嵌入溝と、前記メインシャフトの先端側で嵌入する先端側嵌入溝とが形成されていることを特徴とする請求項1,2,3又は4のいずれかに記載の逆閉じ用傘。
【請求項8】
防水布の露先を収納・収納解除可能に構成する露先収納装置を備えるものであって、前記メインシャフトの先端部付近に配設されるとともに前記防水布の露先を収納可能な露先収納リングを備える露先収納部と、前記メインシャフトの元部付近に配設されたロック解除操作レバーを備えて、前記ロック解除操作レバーをロック位置とロック解除位置とに作用するロック機構部と、前記メインシャフト内に配設されて前記露先収納部と前記ロック機構部とを連接する押し上げロッドと、前記押し上げロッドを上方に付勢するコイルばねと、を備えて前記露先収納リングに前記露先を収納可能に構成されていることを特徴とする請求項1,2,3又は4のいずれかに記載の逆閉じ用傘。
【請求項9】
前記露先収納リングは、前記メインシャフトの上端部に配設された収納リング支持部材に摺動可能に外嵌されるとともに、前記収納リング支持部材に形成された溝内を上下動するストッパ部が配設され、前記ロック機構が、前記ロック解除操作レバーがロック位置とロック解除位置とを移動するためのスリット部を、水平方向と垂直方向に連接して形成していることを特徴とする請求項8記載の逆閉じ用傘。
【請求項10】
前記メインシャフトの両端に、柄部を着脱可能とする着脱機構を備えるものであって、柄部の一端に装着可能なカバーリングと、前記柄部と前記メインシャフトとを連通する連結ピンと、前記カバーリングを前記連結ピンを覆うように摺動可能に配設される弾性手段とを備えて、前記柄部を前記メインシャフトに着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の逆閉じ用傘。
【請求項11】
前記連結ピンは、略T字状に形成されるとともに、先端部を折り返し可能に形成し、前記柄部には、前記連結ピンの折り返し部に対向する位置に切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項10記載の逆閉じ用傘。
【請求項12】
前記主骨を前記防水布とともに自動開張する自動開張装置を備えるものであって、前記スライダシャフト内の先端部位に配設される先端側コイルばね用ストッパ片と前記メインシャフト内の中間部位に配設される元部側コイルばね用ストッパ片と、一端が前記先端側コイルばね用ストッパ片に係止され他端が前記元部側コイルばね用ストッパ片に係止されるコイルばねと、を備え、さらに、前記スライダシャフトを元部側に摺動させたときに、前記スライダシャフトの元部を係止する元部側フックと、前記元部側フックを押圧する係止解除ボタンと、を備えて構成され、前記元部側フックを前記スライダシャフトの元部から係止解除することにより自動開張可能に構成されていることを特徴とする請求項1,2,3又は4のいずれかに記載の逆閉じ用傘。
【請求項13】
前記元部側フックが、前記メインシャフトの元部側において前記メインシャフトの外周面から突出したメインフックと、前記メインフックより先端側に配置されて前記メインフックの突出量より短い突出量で形成されたサブフックを備えて形成されていることを特徴とする請求項12記載の逆閉じ用傘。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−5224(P2011−5224A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207466(P2009−207466)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(503242925)株式会社ユートレーディングコーポレーション (2)
【Fターム(参考)】