説明

透析システムのプライミング方法及び透析装置

【課題】透析システムに用いる透析液貯留容器の容量を従来よりも小さくすることが可能な透析システムのプライミング方法を提供する。
【解決手段】動脈側回路プライミング工程と、透析液貯留工程と、静脈側回路プライミング工程とを含む透析システムのプライミング方法。動脈側回路プライミング工程においては、透析液流路20に供給された透析液を透析膜によって逆ろ過して動脈側回路30に送液する。透析液貯留工程においては、透析液流路20に供給された透析液を透析膜によって逆ろ過して透析液貯留容器70に貯留させる。静脈側回路プライミング工程においては、第1閉塞手段90によって動脈側回路30を閉塞し、第2閉塞手段92によって静脈側回路40を開放し、第3閉塞手段94によって分岐回路60を閉塞した状態で、透析液流路20に供給された透析液を透析膜によって逆ろ過して静脈側回路40に送液する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透析システムのプライミング方法及び透析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人工透析に用いられる透析器(ダイアライザーともいう)や当該透析器に接続される動脈側回路等の回路部材は、通常、使用するごとに透析器及び回路部材内にプライミング液(例えば生理食塩水)を導入・充填し、透析器及び回路部材内の異物及び空気を除去する処理(いわゆるプライミング処理)を行っている。
【0003】
このような透析器及び回路部材を備える透析システムをプライミング処理する方法として、従来、生理食塩水ではなく透析液を用いて透析器及び回路部材のプライミング処理を行う透析システムのプライミング方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
図11は、従来の透析システムのプライミング方法を説明するために示す図である。
【0005】
プライミング処理を行う対象となる透析システム9は、図11に示すように、透析膜912によって内部が血液流路914と透析液流路920に区画された透析器910と、血液流入部916に接続される動脈側回路930と、血液流出部918に接続される静脈側回路940と、血液ポンプ(図示せず。)と、動脈側回路930の途中に分岐回路960を介して接続され、透析液を貯留可能な透析液貯留容器970と、動脈側回路930のうち分岐回路960との接続位置よりも透析器910とは反対側の部分を閉塞・開放可能な動脈側回路閉塞手段としての鉗子990と、静脈側回路940の一部を閉塞・開放可能な静脈側回路閉塞手段としての鉗子992と、透析液流入部922を介して透析液流路920に透析液を供給する透析装置900とを少なくとも備える。
【0006】
従来の透析システムのプライミング方法においては、透析装置900から透析液流路920に供給された透析液を透析膜912によって逆ろ過し、当該逆ろ過された透析液を透析器910及び回路部材(動脈側回路930及び静脈側回路940)のプライミング液として用いている。なお、静脈側回路940のプライミング処理を行うにあたっては、逆ろ過された透析液を透析液貯留容器970に貯留し、当該透析液貯留容器970に貯留された透析液を分岐回路960、動脈側回路930及び血液流路914を経由させて静脈側回路940に送液することにより、静脈側回路940をプライミングしている。
【0007】
従来の透析システムのプライミング方法によれば、生理食塩水ではなく透析液を用いて透析器及び回路部材のプライミング処理を行うことができるため、多量の生理食塩水を使用しなくても済むようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3302520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の透析システムのプライミング方法においては、透析液貯留容器の容量が比較的大きくなってしまう(例えば2リットル程度)。透析液貯留容器が例えばプラスチック製バッグの場合、バッグを懸架台のフックに吊り下げて用いた際、バッグの容量が大きくなるとそれだけ重量も重くなることから、バッグの吊下げ部(フックに通す孔の周辺部)が破損してしまいかねない。
このような不具合を解消するには、透析システムに用いる透析液貯留容器の容量をなるべく小さくすることが効果的である。
【0010】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、透析システムに用いる透析液貯留容器の容量を従来よりも小さくすることが可能な透析システムのプライミング方法及び透析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1]本発明の発明者らは、上記目的を達成するために研究を重ねる中で、静脈側回路をプライミング処理する工程(静脈側回路プライミング工程)に着目した。
従来の透析システムのプライミング方法においては、透析液貯留容器に貯留された透析液を、分岐回路、動脈側回路及び透析器の血液流路を経由させて静脈側回路に送液することにより、静脈側回路をプライミングしていた。このように分岐回路に接続された貯留容器のプライミング液を用いて静脈側回路をプライミングする手法は、プライミング液として生理食塩水を用いていたときの既成概念に基づくものである。
本発明者らは、従来の既成概念にとらわれることなく自由な発想のもとで鋭意研究を重ねた結果、静脈側回路プライミング工程において、透析液貯留容器に貯留された透析液を用いるのではなく、透析膜で逆ろ過した透析液をそのまま静脈側回路のプライミング液として用いれば、今まで静脈側回路をプライミングするために透析液貯留容器に貯留しなければならなかった分の透析液を貯留しなくても済むようになり、結果として、透析液貯留容器の容量を従来よりも小さくすることが可能となることに想到し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち、本発明の透析システムのプライミング方法は、
透析膜(12)によって内部が血液流路(14)と透析液流路(20)に区画されるとともに、前記血液流路(14)の一端に通じる血液流入部(16)、前記血液流路(14)の他端に通じる血液流出部(18)、前記透析液流路(20)の一端に通じる透析液流入部(22)及び前記透析液流路(20)の他端に通じる透析液流出部(24)を有する透析器(10)と、
前記血液流入部(16)に接続される動脈側回路(30)と、
前記血液流出部(18)に接続される静脈側回路(40)と、
前記透析液流入部(22)を介して前記透析液流路(20)に透析液を供給する透析装置(100)と、
前記動脈側回路(30)の途中に分岐回路(60)を介して接続され、透析液を貯留可能な透析液貯留容器(70)と、
前記動脈側回路(30)のうち前記分岐回路(60)との接続位置よりも前記透析器(10)とは反対側の部分を閉塞・開放可能な第1閉塞手段(90)と、
前記静脈側回路(40)の一部を閉塞・開放可能な第2閉塞手段(92)と、
前記分岐回路(60)の一部を閉塞・開放可能な第3閉塞手段(94)とを備える透析システム(1)をプライミング処理するためのプライミング方法であって、
前記第1閉塞手段(90)によって前記動脈側回路(30)を開放し、前記第2閉塞手段(92)によって前記静脈側回路(40)を閉塞し、前記第3閉塞手段(94)によって前記分岐回路(60)を閉塞した状態で、前記透析液流路(20)に供給された前記透析液を前記透析膜(12)によって逆ろ過し、前記血液流路(14)を経由させて前記動脈側回路(30)に送液する動脈側回路プライミング工程と、
前記動脈側回路プライミング工程を行った後に、前記第1閉塞手段(90)によって前記動脈側回路(30)を閉塞し、前記第2閉塞手段(92)によって前記静脈側回路(40)を閉塞し、前記第3閉塞手段(94)によって前記分岐回路(60)を開放した状態で、前記透析液流路(20)に供給された前記透析液を前記透析膜(12)によって逆ろ過し、前記血液流路(14)、前記動脈側回路(30)及び前記分岐回路(60)を経由させて前記透析液貯留容器(70)に貯留させる透析液貯留工程と、
前記動脈側回路プライミング工程を行う前か、前記動脈側回路プライミング工程を行ってから前記透析液貯留工程を行うまでの間か、又は前記透析液貯留工程を行った後に、前記第1閉塞手段(90)によって前記動脈側回路(30)を閉塞し、前記第2閉塞手段(92)によって前記静脈側回路(40)を開放し、前記第3閉塞手段(94)によって前記分岐回路(60)を閉塞した状態で、前記透析液流路(20)に供給された前記透析液を前記透析膜(12)によって逆ろ過し、前記血液流路(14)を経由させて前記静脈側回路(40)に送液する静脈側回路プライミング工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
このため、本発明の透析システムのプライミング方法によれば、動脈側回路プライミング工程において、静脈側回路の一部と分岐回路の一部を閉塞した状態で、透析膜で逆ろ過した透析液を動脈側回路に送液しているため、動脈側回路を確実にプライミングすることが可能となる。
また、動脈側回路プライミング工程を行った後に透析液貯留工程を行うこととしているため、プライミング処理済の動脈側回路の一部を経由させて、透析膜で逆ろ過した透析液を透析液貯留容器に貯留させることが可能となる。
また、静脈側回路プライミング工程において、動脈側回路の一部と分岐回路の一部を閉塞した状態で、透析膜で逆ろ過した透析液を静脈側回路に送液している。つまり、透析液貯留容器に貯留された透析液を用いるのではなく、透析膜で逆ろ過した透析液をそのまま静脈側回路のプライミング液として用いているため、今まで静脈側回路をプライミングするために透析液貯留容器に貯留しなければならなかった分の透析液を貯留しなくても済むようになり、結果として、透析液貯留容器の容量を従来よりも小さくすることが可能となる。
したがって、本発明の透析システムのプライミング方法は、透析システムに用いる透析液貯留容器の容量を従来よりも小さくすることが可能な方法となる。
【0014】
[2]本発明の透析システムのプライミング方法においては、
前記動脈側回路プライミング工程、前記透析液貯留工程及び前記静脈側回路プライミング工程のいずれを行うよりも前に、前記第1閉塞手段(90)によって前記動脈側回路(30)を閉塞し、前記第2閉塞手段(92)によって前記静脈側回路(40)を閉塞し、前記第3閉塞手段(94)によって前記分岐回路(60)を閉塞した状態で、前記透析液流路(20)に供給された前記透析液を前記透析膜(12)によって逆ろ過し、前記血液流路(14)をプライミング処理する透析器プライミング工程をさらに含むことが好ましい。
【0015】
上記[1]に記載したプライミング方法であっても、動脈側回路プライミング工程を行う過程で血液流路が透析液で満たされることから透析器のプライミング処理は行われるが、上記のような方法とすることにより、透析器をより確実にプライミング処理することが可能となる。
【0016】
[3]本発明の透析装置(100)は、人工透析を行うための透析システム(1)に用いる透析装置であって、
前記透析システム(1)は、
透析膜(12)によって内部が血液流路(14)と透析液流路(20)に区画されるとともに、前記血液流路(14)の一端に通じる血液流入部(16)、前記血液流路(14)の他端に通じる血液流出部(18)、前記透析液流路(20)の一端に通じる透析液流入部(22)及び前記透析液流路(20)の他端に通じる透析液流出部(24)を有する透析器(10)と、
前記血液流入部(16)に接続される動脈側回路(30)と、
前記血液流出部(18)に接続される静脈側回路(40)と、
前記透析液流入部(22)を介して前記透析液流路(20)に透析液を供給する前記透析装置(100)と、
前記動脈側回路(30)の途中に分岐回路(60)を介して接続され、透析液を貯留可能な透析液貯留容器(70)と、
前記動脈側回路(30)のうち前記分岐回路(60)との接続位置よりも前記透析器(10)とは反対側の部分を電動で閉塞・開放可能に構成された第1閉塞手段(90)と、
前記静脈側回路(40)の一部を電動で閉塞・開放可能に構成された第2閉塞手段(92)と、
前記分岐回路(60)の一部を電動で閉塞・開放可能に構成された第3閉塞手段(94)とを備えるシステムであり、
前記透析装置(100)は、
前記第1閉塞手段(90)を制御して前記動脈側回路(30)を開放し、前記第2閉塞手段(92)を制御して前記静脈側回路(40)を閉塞し、前記第3閉塞手段(94)を制御して前記分岐回路(60)を閉塞した状態で、前記透析液流路(20)に供給された透析液が前記透析膜(12)によって逆ろ過される圧力で、前記透析液流路(20)に透析液を供給する第1機能と、
前記第1機能が発揮された後に、前記第1閉塞手段(90)を制御して前記動脈側回路(30)を閉塞し、前記第2閉塞手段(92)を制御して前記静脈側回路(40)を閉塞し、前記第3閉塞手段(94)を制御して前記分岐回路(60)を開放した状態で、前記透析液流路(20)に供給された透析液が前記透析膜(12)によって逆ろ過される圧力で、前記透析液流路(20)に透析液を供給する第2機能と、
前記第1機能が発揮される前か、前記第1機能が発揮されてから前記第2機能が発揮されるまでの間か、又は前記第2機能が発揮された後に、前記第1閉塞手段(90)によって前記動脈側回路(30)を閉塞し、前記第2閉塞手段(92)によって前記静脈側回路(40)を開放し、前記第3閉塞手段(94)によって前記分岐回路(60)を閉塞した状態で、前記透析液流路(20)に供給された透析液が前記透析膜(12)によって逆ろ過される圧力で、前記透析液流路(20)に透析液を供給する第3機能とを有することを特徴とする。
【0017】
このため、本発明の透析装置によれば、上記した第1機能を有するため、動脈側回路を確実にプライミングすることが可能となる。
また、上記した第2機能を有するため、プライミング処理済の動脈側回路の一部を経由させて、透析膜で逆ろ過した透析液を透析液貯留容器に貯留させることが可能となる。
また、上記した第3機能を有するため、上記[1]に記載した理由と同様の理由により、透析液貯留容器の容量を従来よりも小さくすることが可能となる。
したがって、本発明の透析装置は、透析システムに用いる透析液貯留容器の容量を従来よりも小さくすることが可能な透析装置となる。
【0018】
[4]本発明の透析装置(100)においては、
前記第1〜第3機能が発揮される前に、前記第1閉塞手段(90)によって前記動脈側回路(30)を閉塞し、前記第2閉塞手段(92)によって前記静脈側回路(40)を閉塞し、前記第3閉塞手段(94)によって前記分岐回路(60)を閉塞した状態で、前記透析液流路(20)に供給された透析液が前記透析膜(12)によって逆ろ過される圧力で、前記透析液流路(20)に透析液を供給する第4機能をさらに有することが好ましい。
【0019】
上記[1]に記載した透析装置であっても、第1機能が発揮された過程で血液流路が透析液で満たされることから透析器のプライミング処理は行われるが、上記のように構成することにより、透析器をより確実にプライミング処理することが可能となる。
【0020】
なお、特許請求の範囲及び本欄(課題を解決するための手段の欄)に記載した各部材等の文言下に括弧をもって付加された符号は、特許請求の範囲及び本欄に記載された内容の理解を容易にするために用いられたものであって、特許請求の範囲及び本欄に記載された内容を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】透析システム1を説明するために示す図。
【図2】透析器10を説明するために示す図。
【図3】透析装置100の電気的構成を示すブロック図。
【図4】透析装置100の第4機能を説明するために示す図。
【図5】透析装置100の第1機能を説明するために示す図。
【図6】透析装置100の第2機能を説明するために示す図。
【図7】透析装置100の第3機能を説明するために示す図。
【図8】実施形態に係る透析システムのプライミング方法を説明するために示すフローチャート。
【図9】変形例1に係る透析システムのプライミング方法を説明するために示すフローチャート。
【図10】変形例2に係る透析システムのプライミング方法を説明するために示すフローチャート。
【図11】従来の透析システムのプライミング方法を説明するために示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の透析システムのプライミング方法及び透析装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0023】
[実施形態]
まず、プライミング処理を行う対象となる透析システム1の構成について、図1及び図2を用いて詳細に説明する。
図1は、透析システム1を説明するために示す図である。
図2は、透析器10を説明するために示す図である。図2(a)は透析器10の構成を説明するために示す図であり、図2(b)は透析器10の内部構造を示す概念図である。なお、図2(b)においては、発明の理解を容易にするため、本来は透析器10内に複数配置されている透析膜12のうち、1つの透析膜12のみを模式的に図示している。
図3は、透析装置100の電気的構成を示すブロック図である。
【0024】
透析システム1は、図1に示すように、透析器10と、血液流入部16に接続される動脈側回路30と、血液流出部18に接続される静脈側回路40と、血液ポンプ50と、動脈側回路30の途中に分岐回路60を介して接続され、透析液を貯留可能な透析液貯留容器70と、透析装置100と透析器10をつなぐ透析液導入チューブ80及び透析液排出チューブ82と、動脈側回路30のうち分岐回路60との接続位置よりも透析器10とは反対側の部分を閉塞・開放可能な第1閉塞手段90と、静脈側回路40の一部を閉塞・開放可能な第2閉塞手段92と、分岐回路60の一部を閉塞・開放可能な第3閉塞手段94と、透析液排出チューブ82の一部を閉塞・開放可能な第4閉塞手段96と、透析液流入部22を介して透析液流路20に透析液を供給する透析装置100とを備える。
【0025】
透析器10は、図2に示すように、筒状のハウジング部11と、ハウジング部11の内部に配置された透析膜12と、ハウジング部11の一方端部に設けられた血液流入部16と、ハウジング部11の他方端部に設けられた血液流入部18と、ハウジング部11の側面のうち血液流出部18寄りの位置に設けられた透析液流入部22と、ハウジング部11の側面のうち血液流入部16寄りの位置に設けられた透析液流出部24とを有する。
透析膜12は、例えば中空糸膜からなる。図示による説明は省略するが、ハウジング部11の内部には、ハウジング部11の長手方向に沿って複数の透析膜12が延在配置されている。
透析器10の内部は、図2(b)に示すように、透析膜12によって血液流路14と透析液流路20に区画されている。すなわち、透析膜12の内側が血液流路14となり、透析膜12の外側が透析液流路20となる。血液流入部16及び血液流出部18は血液流路14に通じており、透析液流入部22及び透析液流出部24は透析液流路20に通じている。透析器10は、人工透析時において血液流路14の流れる向き(図2(b)の黒矢印方向)と透析液流路20の流れる向き(図2(b)の白抜き矢印方向)とが逆方向となるように(すなわち対向流となるように)構成されている。
【0026】
動脈側回路30の途中には、図1に示すように、エアトラップ32と、ローリングチューブ部34とが設けられている。なお、図1には記載していないが、動脈側回路30の途中には、ヘパリン液を回路内に導入するためのヘパリンラインが接続されている。
【0027】
静脈側回路40の途中には、エアトラップ42と、気泡検知器46とが設けられている。エアトラップ42には、静脈圧センサ44が接続されている。
【0028】
血液ポンプ50は、いわゆるローラーポンプである。図示による説明は省略するが、血液ポンプ50のローラ部が動脈側回路30のローリングチューブ部34と接触した状態で回転する(ローリングチューブ部34を扱く)ことにより、回路内の液体(例えば透析液)を所定の方向に送液することができる。
【0029】
分岐回路60は、動脈側回路30の途中に分岐コネクタ(図示せず。)を介して接続されている。
【0030】
透析液貯留容器70は、例えばプラスチック製の貯留バッグである。透析液貯留容器70のバッグ容量は、例えば300mL〜500mL程度である。
【0031】
透析装置100に接続された透析液導入チューブ80は、透析器10の透析液流入部22に接続されている。一方、透析液排出チューブ82は、透析器10の透析液流出部24に接続されている。透析液導入チューブ80を介して透析装置100から透析器10へと透析液が供給され、透析液排出チューブ82を介して透析器10から透析装置100へと透析液が排出される。
【0032】
第1〜第4閉塞手段90〜96は、各回路の一部を挟むように設けられた電動のクランプ部材である。第1〜第4閉塞手段90〜96のそれぞれは、透析装置100と電気的に接続されており、後述する透析装置100の閉塞手段制御部116からの指示によって各回路の一部を電動で閉塞・開放可能に構成されている。
【0033】
第1〜第4閉塞手段90〜96及び血液ポンプ50は、透析装置100に一体形成されている。すなわち、透析装置100の筐体外面に第1〜第4閉塞手段90〜96及び血液ポンプ50が配設されている。
【0034】
透析装置100は、図3に示すように、透析装置100内の各部に電力を供給するための電源部102と、透析装置100の筐体外面に配置され、操作者からの入力を受け付ける操作部104と、透析装置100の筐体外面に配置され、透析液の温度情報や静脈圧センサ44によって測定された静脈圧情報等の各種情報を表示する表示部106と、使用される透析器の性能データ等を記憶する記憶部108と、透析液を加温するヒータ110と、ヒータ110の温度調節を制御するヒータ制御部112と、血液ポンプ50の駆動を制御するポンプ駆動制御部114と、第1〜第4閉塞手段90〜96の動作(開放動作・閉塞動作)を制御する閉塞手段制御部116と、透析装置100内の各部を統括制御する主制御部120とを備える。
【0035】
操作部104及び表示部106は、例えば、操作部分と表示部分とが一体化されたタッチパネル式ディスプレイであってもよい。
【0036】
次に、透析装置100(透析装置100の主制御部120)が有する機能について、図4〜図7を用いて詳細に説明する。
図4は、透析装置100の第4機能を説明するために示す図である。
図5は、透析装置100の第1機能を説明するために示す図である。
図6は、透析装置100の第2機能を説明するために示す図である。
図7は、透析装置100の第3機能を説明するために示す図である。
なお、図4〜図7において、透析装置100からの透析液の流れを灰色矢印で示している。
【0037】
透析装置100(主制御部120)は、次に説明する第1〜第4機能を少なくとも有する。
【0038】
第1機能とは、図5に示すように、第1閉塞手段90を制御して動脈側回路30を開放し、第2閉塞手段92を制御して静脈側回路40を閉塞し、第3閉塞手段94を制御して分岐回路60を閉塞し、さらに第4閉塞手段96を制御して透析液排出チューブ82を閉塞した状態で、透析液流路20に供給された透析液が透析膜12によって逆ろ過される圧力で、透析液流路20に透析液を供給する機能である。
【0039】
第2機能とは、図6に示すように、第1閉塞手段90を制御して動脈側回路30を閉塞し、第2閉塞手段92を制御して静脈側回路40を閉塞し、第3閉塞手段94を制御して分岐回路60を開放し、さらに第4閉塞手段96を制御して透析液排出チューブ82を閉塞した状態で、透析液流路20に供給された透析液が透析膜12によって逆ろ過される圧力で、透析液流路20に透析液を供給する機能である。透析装置100の主制御部120は、第1機能が発揮された後に第2機能を発揮する。
【0040】
第3機能とは、図7に示すように、第1閉塞手段90によって動脈側回路30を閉塞し、第2閉塞手段92によって静脈側回路40を開放し、第3閉塞手段94によって分岐回路60を閉塞し、さらに第4閉塞手段96を制御して透析液排出チューブ82を閉塞した状態で、透析液流路20に供給された透析液が透析膜12によって逆ろ過される圧力で、透析液流路20に透析液を供給する機能である。透析装置100の主制御部120は、第2機能が発揮された後に第3機能を発揮する。
【0041】
第4機能とは、図4に示すように、第1閉塞手段90によって動脈側回路30を閉塞し、第2閉塞手段92によって静脈側回路40を閉塞し、第3閉塞手段94によって分岐回路60を閉塞し、さらに第4閉塞手段96を制御して透析液排出チューブ82を開放した状態で、透析液流路20に供給された透析液が透析膜12によって逆ろ過される圧力で、透析液流路20に透析液を供給する機能である。透析装置100の主制御部120は、第1〜第3機能が発揮される前に第4機能を発揮する。
【0042】
次に、上記した透析システム1をプライミング処理するためのプライミング方法(実施形態に係る透析システムのプライミング方法)について、上述の図4〜図7及び図8を用いて詳細に説明する。
図8は、実施形態に係る透析システムのプライミング方法を説明するために示すフローチャートである。
【0043】
実施形態に係る透析システムのプライミング方法は、図8に示すように、透析器プライミング工程S1と、動脈側回路プライミング工程S2と、透析液貯留工程S3と、静脈側回路プライミング工程S4とをこの順序で含む方法である。以下、これら各工程を順に説明する。
【0044】
1.透析器プライミング工程S1
まず、図4に示すように、第1閉塞手段90によって動脈側回路30を閉塞し、第2閉塞手段92によって静脈側回路40を閉塞し、第3閉塞手段94によって分岐回路60を閉塞し、さらに第4閉塞手段96によって透析液排出チューブ82を開放した状態で、透析液流路20に供給された透析液を透析膜12によって逆ろ過し、血液流路14をプライミング処理する。
【0045】
2.動脈側回路プライミング工程S2
次に、図5に示すように、第1閉塞手段90によって動脈側回路30を開放し、第2閉塞手段92によって静脈側回路40を閉塞し、第3閉塞手段94によって分岐回路60を閉塞し、さらに第4閉塞手段96によって透析液排出チューブ82を閉塞した状態で、透析液流路20に供給された透析液を透析膜12によって逆ろ過し、血液流路14を経由させて動脈側回路30に送液する。
【0046】
3.透析液貯留工程S3
次に、図6に示すように、第1閉塞手段90によって動脈側回路30を閉塞し、第2閉塞手段92によって静脈側回路40を閉塞し、第3閉塞手段94によって分岐回路60を開放し、さらに第4閉塞手段96によって透析液排出チューブ82を閉塞した状態で、透析液流路20に供給された透析液を透析膜12によって逆ろ過し、血液流路14、動脈側回路30及び分岐回路60を経由させて透析液貯留容器70に貯留させる。
透析液貯留容器70に貯留された透析液は、例えば返血処理時に用いたり透析時の補液として用いたりする。
【0047】
4.静脈側回路プライミング工程S4
そして、図7に示すように、第1閉塞手段90によって動脈側回路30を閉塞し、第2閉塞手段92によって静脈側回路40を開放し、第3閉塞手段94によって分岐回路60を閉塞し、さらに第4閉塞手段96によって透析液排出チューブ82を閉塞した状態で、透析液流路20に供給された透析液を透析膜12によって逆ろ過し、血液流路14を経由させて静脈側回路40に送液する。
【0048】
以上の工程を含む実施形態に係る透析システムのプライミング方法によれば、動脈側回路プライミング工程S2において、静脈側回路40の一部と分岐回路60の一部を閉塞した状態で、透析膜12で逆ろ過した透析液を動脈側回路30に送液しているため、動脈側回路30を確実にプライミングすることが可能となる。
また、動脈側回路プライミング工程S2を行った後に透析液貯留工程S3を行うこととしているため、プライミング処理済の動脈側回路30の一部を経由させて、透析膜12で逆ろ過した透析液を透析液貯留容器70に貯留させることが可能となる。
また、静脈側回路プライミング工程S4において、動脈側回路30の一部と分岐回路60の一部を閉塞した状態で、透析膜12で逆ろ過した透析液を静脈側回路40に送液している。つまり、透析液貯留容器70に貯留された透析液を用いるのではなく、透析膜12で逆ろ過した透析液をそのまま静脈側回路40のプライミング液として用いているため、今まで静脈側回路をプライミングするために透析液貯留容器に貯留しなければならなかった分の透析液を貯留しなくても済むようになり、結果として、透析液貯留容器70の容量を従来よりも小さく(例えば300mL〜500mL程度)することが可能となる。
したがって、実施形態に係る透析システムのプライミング方法は、透析システムに用いる透析液貯留容器の容量を従来よりも小さくすることが可能な方法となる。
【0049】
実施形態に係る透析システムのプライミング方法においては、動脈側回路プライミング工程S2、透析液貯留工程S3及び静脈側回路プライミング工程S4のいずれを行うよりも前に、上記した透析器プライミング工程S1を行うこととしているため、透析器10をより確実にプライミング処理することが可能となる。
【0050】
実施形態に係る透析装置100によれば、上記した第1機能を有するため、動脈側回路30を確実にプライミングすることが可能となる。
また、上記した第2機能を有するため、プライミング処理済の動脈側回路30の一部を経由させて、透析膜12で逆ろ過した透析液を透析液貯留容器70に貯留させることが可能となる。
また、上記した第3機能を有するため、上記した透析システムのプライミング方法の場合と同様の理由により、透析液貯留容器70の容量を従来よりも小さくすることが可能となる。
したがって、実施形態に係る透析装置100は、透析システム1に用いる透析液貯留容器70の容量を従来よりも小さくすることが可能な透析装置となる。
【0051】
実施形態に係る透析装置100においては、上記した第4機能をさらに有するため、透析器10をより確実にプライミング処理することが可能となる。
【0052】
以上、本発明の透析システムのプライミング方法及び透析装置を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0053】
(1)上記実施形態に係る透析システムのプライミング方法においては、透析液貯留工程S3を行った後に静脈側回路プライミング工程S4を行う場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
図9は、変形例1に係る透析システムのプライミング方法を説明するために示すフローチャートである。
図10は、変形例2に係る透析システムのプライミング方法を説明するために示すフローチャートである。
例えば、図9に示すように、動脈側回路プライミング工程S23を行う前に静脈側回路プライミング工程S22を行ってもよいし、図10に示すように、動脈側回路プライミング工程S32を行ってから透析液貯留工程S34を行うまでの間に静脈側回路プライミング工程S33を行ってもよい。
実施形態に係る透析装置100についても、上記の透析システムのプライミング方法における変形例1及び2の場合と同様に、上記した第3機能は、第1機能が発揮される前に発揮されるものであってもよいし、第1機能が発揮されてから第2機能が発揮されるまでの間に発揮されるものであってもよい。
【0054】
(2)上記実施形態においては、動脈側回路プライミング工程S2を行う前に透析器プライミング工程S1を行う場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。動脈側回路プライミング工程(又は静脈側回路プライミング工程)を行うことで透析器についても充分なプライミング処理が実施されるのであれば、透析器プライミング工程を行わなくてもよい。透析装置についても同様に、第1機能(又は第3機能)が発揮されることで透析器についても充分なプライミング処理が実施されるのであれば、透析装置(主制御部)は第4機能を有していなくてもよい。
【0055】
(3)上記実施形態に係る透析システムのプライミング方法においては、第1〜第4閉塞手段として、電動のクランプ部材からなる第1〜第4閉塞手段90〜96を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。第1〜第4閉塞手段として、例えば鉗子などの他の閉塞手段を用いた場合であっても、本発明の透析システムのプライミング方法の発明の範囲に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0056】
1,9 透析システム
10,910 透析器
11 ハウジング部
12,912 透析膜
14,914 血液流路
16,916 血液流入部
18,918 血液流出部
20,920 透析液流路
22,922 透析液流入部
24,924 透析液流出部
30,930 動脈側回路
32,932 (動脈側回路の)エアトラップ
34,934 ローリングチューブ部
40,940 静脈側回路
42,942 (静脈側回路の)エアトラップ
44 静脈圧センサ
46 気泡検知器
50 血液ポンプ
60,960 分岐回路
70,970 透析液貯留容器
80,980 透析液導入チューブ
82,982 透析液排出チューブ
90 第1閉塞手段
92 第2閉塞手段
94 第3閉塞手段
96 第4閉塞手段
100,900 透析装置
102 電源部
104 操作部
106 表示部
108 記憶部
110 ヒータ
112 ヒータ制御部
114 ポンプ駆動制御部
116 閉塞手段制御部
120 主制御部
990,992,996 鉗子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透析膜(12)によって内部が血液流路(14)と透析液流路(20)に区画されるとともに、前記血液流路(14)の一端に通じる血液流入部(16)、前記血液流路(14)の他端に通じる血液流出部(18)、前記透析液流路(20)の一端に通じる透析液流入部(22)及び前記透析液流路(20)の他端に通じる透析液流出部(24)を有する透析器(10)と、
前記血液流入部(16)に接続される動脈側回路(30)と、
前記血液流出部(18)に接続される静脈側回路(40)と、
前記透析液流入部(22)を介して前記透析液流路(20)に透析液を供給する透析装置(100)と、
前記動脈側回路(30)の途中に分岐回路(60)を介して接続され、透析液を貯留可能な透析液貯留容器(70)と、
前記動脈側回路(30)のうち前記分岐回路(60)との接続位置よりも前記透析器(10)とは反対側の部分を閉塞・開放可能な第1閉塞手段(90)と、
前記静脈側回路(40)の一部を閉塞・開放可能な第2閉塞手段(92)と、
前記分岐回路(60)の一部を閉塞・開放可能な第3閉塞手段(94)とを備える透析システム(1)をプライミング処理するためのプライミング方法であって、
前記第1閉塞手段(90)によって前記動脈側回路(30)を開放し、前記第2閉塞手段(92)によって前記静脈側回路(40)を閉塞し、前記第3閉塞手段(94)によって前記分岐回路(60)を閉塞した状態で、前記透析液流路(20)に供給された前記透析液を前記透析膜(12)によって逆ろ過し、前記血液流路(14)を経由させて前記動脈側回路(30)に送液する動脈側回路プライミング工程と、
前記動脈側回路プライミング工程を行った後に、前記第1閉塞手段(90)によって前記動脈側回路(30)を閉塞し、前記第2閉塞手段(92)によって前記静脈側回路(40)を閉塞し、前記第3閉塞手段(94)によって前記分岐回路(60)を開放した状態で、前記透析液流路(20)に供給された前記透析液を前記透析膜(12)によって逆ろ過し、前記血液流路(14)、前記動脈側回路(30)及び前記分岐回路(60)を経由させて前記透析液貯留容器(70)に貯留させる透析液貯留工程と、
前記動脈側回路プライミング工程を行う前か、前記動脈側回路プライミング工程を行ってから前記透析液貯留工程を行うまでの間か、又は前記透析液貯留工程を行った後に、前記第1閉塞手段(90)によって前記動脈側回路(30)を閉塞し、前記第2閉塞手段(92)によって前記静脈側回路(40)を開放し、前記第3閉塞手段(94)によって前記分岐回路(60)を閉塞した状態で、前記透析液流路(20)に供給された前記透析液を前記透析膜(12)によって逆ろ過し、前記血液流路(14)を経由させて前記静脈側回路(40)に送液する静脈側回路プライミング工程とを含むことを特徴とする透析システムのプライミング方法。
【請求項2】
請求項1に記載の透析システムのプライミング方法において、
前記動脈側回路プライミング工程、前記透析液貯留工程及び前記静脈側回路プライミング工程のいずれを行うよりも前に、前記第1閉塞手段(90)によって前記動脈側回路(30)を閉塞し、前記第2閉塞手段(92)によって前記静脈側回路(40)を閉塞し、前記第3閉塞手段(94)によって前記分岐回路(60)を閉塞した状態で、前記透析液流路(20)に供給された前記透析液を前記透析膜(12)によって逆ろ過し、前記血液流路(14)をプライミング処理する透析器プライミング工程をさらに含むことを特徴とする透析システムのプライミング方法。
【請求項3】
人工透析を行うための透析システム(1)に用いる透析装置であって、
前記透析システム(1)は、
透析膜(12)によって内部が血液流路(14)と透析液流路(20)に区画されるとともに、前記血液流路(14)の一端に通じる血液流入部(16)、前記血液流路(14)の他端に通じる血液流出部(18)、前記透析液流路(20)の一端に通じる透析液流入部(22)及び前記透析液流路(20)の他端に通じる透析液流出部(24)を有する透析器(10)と、
前記血液流入部(16)に接続される動脈側回路(30)と、
前記血液流出部(18)に接続される静脈側回路(40)と、
前記透析液流入部(22)を介して前記透析液流路(20)に透析液を供給する前記透析装置(100)と、
前記動脈側回路(30)の途中に分岐回路(60)を介して接続され、透析液を貯留可能な透析液貯留容器(70)と、
前記動脈側回路(30)のうち前記分岐回路(60)との接続位置よりも前記透析器(10)とは反対側の部分を電動で閉塞・開放可能に構成された第1閉塞手段(90)と、
前記静脈側回路(40)の一部を電動で閉塞・開放可能に構成された第2閉塞手段(92)と、
前記分岐回路(60)の一部を電動で閉塞・開放可能に構成された第3閉塞手段(94)とを備えるシステムであり、
前記透析装置(100)は、
前記第1閉塞手段(90)を制御して前記動脈側回路(30)を開放し、前記第2閉塞手段(92)を制御して前記静脈側回路(40)を閉塞し、前記第3閉塞手段(94)を制御して前記分岐回路(60)を閉塞した状態で、前記透析液流路(20)に供給された透析液が前記透析膜(12)によって逆ろ過される圧力で、前記透析液流路(20)に透析液を供給する第1機能と、
前記第1機能が発揮された後に、前記第1閉塞手段(90)を制御して前記動脈側回路(30)を閉塞し、前記第2閉塞手段(92)を制御して前記静脈側回路(40)を閉塞し、前記第3閉塞手段(94)を制御して前記分岐回路(60)を開放した状態で、前記透析液流路(20)に供給された透析液が前記透析膜(12)によって逆ろ過される圧力で、前記透析液流路(20)に透析液を供給する第2機能と、
前記第1機能が発揮される前か、前記第1機能が発揮されてから前記第2機能が発揮されるまでの間か、又は前記第2機能が発揮された後に、前記第1閉塞手段(90)によって前記動脈側回路(30)を閉塞し、前記第2閉塞手段(92)によって前記静脈側回路(40)を開放し、前記第3閉塞手段(94)によって前記分岐回路(60)を閉塞した状態で、前記透析液流路(20)に供給された透析液が前記透析膜(12)によって逆ろ過される圧力で、前記透析液流路(20)に透析液を供給する第3機能とを有することを特徴とする透析装置(100)。
【請求項4】
請求項3に記載の透析装置において、
前記第1〜第3機能が発揮される前に、前記第1閉塞手段(90)によって前記動脈側回路(30)を閉塞し、前記第2閉塞手段(92)によって前記静脈側回路(40)を閉塞し、前記第3閉塞手段(94)によって前記分岐回路(60)を閉塞した状態で、前記透析液流路(20)に供給された透析液が前記透析膜(12)によって逆ろ過される圧力で、前記透析液流路(20)に透析液を供給する第4機能をさらに有することを特徴とする透析装置(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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