説明

透過型線量計を用いた放射線治療装置

【課題】放射線の線量をより安定して測定すること。
【解決手段】放射線により電離した荷電粒子を集める電極64と、電極64が内部に配置される容器本体61と、容器本体61の内部を密封する蓋62とを備えている。蓋62は、容器本体61に固定される固定枠部分75と、固定枠部分75と一体に接合される透過部分76とを備えている。このとき、透過部分76は、固定枠部分75より薄い。蓋62は、固定枠部分75と透過部分76とが一体に接合されていることにより剛性が向上し、電極64が配置される容器の変形が抑制される。このため、透過型線量計56は、電極64を流れる電流の変動を抑制することができ、放射線の線量をより安定して測定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過型線量計を用いた放射線治療装置に関し、特に、放射線の線量を測定する透過型線量計に関する。
【背景技術】
【0002】
患部(腫瘍)に治療用放射線を照射することにより患者を治療する放射線治療装置が知られている。その放射線治療は、治療効果が高いことが望まれ、その治療用放射線は、その患部に所定の線量だけをより正確に照射されることが望まれている。その放射線治療装置は、その治療用放射線を出射する照射ヘッドと、その治療用放射線の線量を測定する透過型線量計とを備えている。その放射線治療装置は、その治療用放射線がその患部に所定の線量だけ照射されるように、その透過型線量計を用いて測定された線量に基づいてその照射ヘッドをフィードバック制御している。
【0003】
図1は、公知の透過型線量計を示している。その透過型線量計100は、円柱状に形成された空洞を外部と隔離する容器を備えている。その容器は、胴体101と上側固定枠102と上側透過部材103と下側固定枠104と下側透過部材105とを備えている。胴体101は、その空洞の側面の部分を形成する壁面を形成している。上側固定枠102は、アルミニウムから形成され、板状に形成されている。上側固定枠102は、中央に孔123が形成されている。上側透過部材103は、アルミニウムから形成され、箔状に形成されている。上側透過部材103は、胴体101と上側固定枠102との間に配置され、その空洞の1つの底面の部分を形成する壁面を形成している。下側固定枠104は、アルミニウムから形成され、板状に形成されている。下側固定枠104は、上側固定枠102と同様にして、中央に孔が形成されている。下側透過部材105は、アルミニウムから形成され、箔状に形成されている。下側透過部材105は、胴体101と下側固定枠104との間に配置され、その空洞の1つの底面の部分を形成する壁面を形成している。
【0004】
胴体101は、平坦である胴体上側シール面111を有している。上側透過部材103は、平坦である上蓋シール面112を有している。胴体上側シール面111には、上側溝113が形成されている。上側溝113は、透過型線量計100の容器の内部を囲むように配置されている。上側溝113には、Oリング114が配置されている。Oリング114は、弾性体により形成されている。Oリング114は、上蓋シール面112と胴体上側シール面111とが密着したときに、弾性変形して、透過型線量計100の容器の内部を密封する。
【0005】
胴体101は、さらに、平坦である胴体下側シール面115を有している。下側透過部材105は、平坦である下蓋シール面116を有している。胴体下側シール面115には、下側溝117が形成されている。下側溝117は、透過型線量計100の容器の内部を囲むように配置されている。下側溝117には、Oリング118が配置されている。Oリング118は、弾性体により形成されている。Oリング118は、下蓋シール面116と胴体下側シール面115とが密着したときに、弾性変形して、透過型線量計100の容器の内部を密封する。
【0006】
透過型線量計100は、さらに、複数の電極106と絶縁物107とを備えている。複数の電極106は、導体から形成され、その容器の内部に配置されている。絶縁物107は、絶縁体から形成され、その容器の内部に配置されている。絶縁物107は、複数の電極106が互いに電気的に接続されないように、胴体101に複数の電極106を支持している。透過型線量計100は、さらに、図示されていない電気機器を備えている。その電気機器は、複数の電極106に高電圧を印加し、複数の電極106に流れる電流をそれぞれ測定する。透過型線量計100を透過する放射線の線量は、その電流に基づいて算出される。
【0007】
上側固定枠102は、全体が所定の変形量以上に変形しないように十分に厚く形成され、たとえば、厚さが3.5mmに形成されている。上側透過部材103は、放射線の透過率が所定の値以上になるように十分に薄く形成され、たとえば、厚さが0.5mmに形成されている。
【0008】
透過型線量計100は、図2に示されているように、複数のボルト121を備えている。複数のボルト121は、上側固定枠102に形成された穴に挿入され、上側透過部材103に形成された穴に挿入され、胴体101に形成された雌ねじに螺子留めされ、上側固定枠102と上側透過部材103とを胴体101に固定する。下側固定枠104と下側透過部材105とは、上側固定枠102と上側透過部材103と同様にして、複数のボルトを用いて胴体101に固定されている。透過型線量計100は、さらに、複数のコネクタ122を備えている。複数のコネクタ122は、透過型線量計100の内部を環境から隔離し、かつ、複数の電極106を胴体101と上側固定枠102と下側固定枠104とに電気的に接続しないで、その電気機器に電気的に接続される配線に複数の電極106を電気的に接続するために利用される。
【0009】
このような透過型線量計は、周囲環境の変化に対して、放射線の線量を安定して測定することが望まれている。
【0010】
米国特許第5079427号明細書には、専用バッグを追加装備し、周囲温度、圧力変化に伴う線量計の体積を一定に保持する透過型線量計が開示されている。米国特許第5079427号明細書には、さらに、線量計の蓋が周囲圧力の変化に対してフレキシブルに変形する透過型線量計が開示されている。
【0011】
【特許文献1】米国特許第5079427号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、放射線の線量をより安定して測定する透過型線量計を提供することにある。
本発明の他の課題は、放射線の線量をより高精度に測定する透過型線量計を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、放射線の線量がより高精度に制御される放射線治療装置を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、放射線の線量をより高精度に測定する透過型線量計を作製する透過型線量計製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0014】
本発明による透過型線量計(56)は、放射線により電離した荷電粒子を集める電極(64)と、電極(64)が内部に配置される容器本体(61)と、容器本体(61)の内部を密封する蓋(62)とを備えている。蓋(62)は、容器本体(61)に固定される固定枠部分(75)と、固定枠部分(75)と一体に接合される透過部分(76)とを備えている。このとき、透過部分(76)は、固定枠部分(75)より薄い。蓋(62)は、固定枠部分(75)と透過部分(76)とが一体に接合されていることにより剛性が向上し、電極(64)が配置される容器の変形が抑制される。このため、透過型線量計(56)は、電極(64)を流れる電流の変動を抑制することができ、放射線の線量をより安定して測定することができる。
【0015】
本発明による透過型線量計(56)は、容器本体(61)の内部を密封する反対側蓋(63)をさらに備えている。反対側蓋(63)は、容器本体(61)に固定される反対側固定枠部分(78)と、反対側固定枠部分(78)と一体に接合される反対側透過部分(79)とを備えている。反対側透過部分(79)は、電極(64)を挟んで透過部分(76)に対向する。このとき、反対側透過部分(79)は、反対側固定枠部分(78)より薄い。反対側透過部分(79)は、透過部分(76)より広い。
【0016】
本発明による透過型線量計(56)は、蓋(62)に関する測定値を測定するセンサ(57)と、電極(64)を流れる電流に基づいて算出される線量をその測定値に基づいて補正後線量に補正する制御装置(60)とをさらに備えている。このとき、透過型線量計(56)は、蓋(62)の変形による電流の変動を補正することができ、放射線の線量をより高精度に測定することができる。その測定値は、本透過型線量計(56)が配置される環境の気圧を示し、または、蓋(62)の温度を示し、または、蓋(62)の変形量を示していることが好ましい。
【0017】
電極(64)は、互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置される複数の電極と、その複数の電極の対極とを含んでいる。このとき、透過型線量計(56)は、放射線により電離した荷電粒子の位置を検出することができる。すなわち、透過型線量計(56)は、各位置を透過する放射線の線量を測定することに適用されることが好ましい。
【0018】
本発明による放射線治療装置(3)は、本発明による透過型線量計(56)と、放射線を生成して透過型線量計(56)を透過した治療用放射線(23)を放射する照射ヘッド(16)と、透過型線量計(56)を用いて測定された線量に基づいて、治療用放射線(23)の線量が更新するように、照射ヘッド(16)を制御する制御装置(60)とを備えている。このとき、放射線治療装置(3)は、治療用放射線(23)の線量をより高精度に測定することができ、被検体(43)に照射される治療用放射線(23)の線量をより高精度に制御することができる。
【0019】
本発明による放射線治療装置(3)は、蓋(62)に関する測定値を測定するセンサ(57)をさらに備えている。このとき、制御装置(60)は、その測定値にさらに基づいて照射ヘッド(16)を制御する。このとき、放射線治療装置(3)は、蓋(62)の変形による治療用放射線(23)の線量の測定値をより高精度に補正することができ、被検体(43)に照射される治療用放射線(23)の線量をより高精度に制御することができる。
【0020】
本発明による透過型線量計製造方法は、固定枠部分(75)と固定枠部分(75)より薄い透過部分(76)とが一体に形成される蓋(62)を作製するステップと、放射線により電離した荷電粒子を集める電極(64)が内部に配置される容器本体(61)に固定枠部分(75)を固定することにより容器本体(61)の内部を密封するステップとを備えている。蓋(62)は、固定枠部分(75)と透過部分(76)とが一体に接合されていることにより剛性が向上し、電極(64)が配置される容器の変形が抑制される。このため、このような透過型線量計製造方法により作製された透過型線量計(56)は、電極(64)を流れる電流の変動を抑制することができ、放射線の線量をより安定して測定することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明による透過型線量計は、放射線の線量をより安定して測定することができる。本発明による放射線治療装置は、治療用放射線の線量をより高精度に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図面を参照して、本発明による透過型線量計の実施の形態を記載する。その透過型線量計は、図3に示されているように、放射線治療装置3に適用されている。放射線治療装置3は、旋回駆動装置11とOリング12と走行ガントリ14と首振り機構15と照射ヘッド16とを備えている。旋回駆動装置11は、回転軸17を中心に回転可能にOリング12を土台に支持し、図示されていない放射線治療装置制御装置により制御されて回転軸17を中心にOリング12を回転させ、土台に対するOリング12の旋回角を出力する。回転軸17は、鉛直方向に平行である。Oリング12は、回転軸18を中心とするリング状に形成され、回転軸18を中心に回転可能に走行ガントリ14を支持している。回転軸18は、鉛直方向に垂直であり、回転軸17に含まれるアイソセンタ19を通る。回転軸18は、さらに、Oリング12に対して固定され、すなわち、Oリング12とともに回転軸17を中心に回転する。走行ガントリ14は、回転軸18を中心とするリング状に形成され、Oリング12のリングと同心円になるように配置されている。放射線治療装置3は、さらに、図示されていない走行駆動装置を備えている。その走行駆動装置は、その放射線治療装置制御装置により制御されて回転軸18を中心に走行ガントリ14を回転させ、Oリング12に対する走行ガントリ14の走行角を出力する。
【0023】
首振り機構15は、走行ガントリ14のリングの内側に固定され、照射ヘッド16が走行ガントリ14の内側に配置されるように、照射ヘッド16を走行ガントリ14に支持している。首振り機構15は、パン軸21およびチルト軸22を有している。パン軸21は、走行ガントリ14に対して固定され、回転軸18に交差しないで回転軸18に平行である。チルト軸22は、パン軸21に直交している。首振り機構15は、その放射線治療装置制御装置により制御されて、パン軸21を中心に照射ヘッド16を回転させ、チルト軸22を中心に照射ヘッド16を回転させる。
【0024】
照射ヘッド16は、その放射線治療装置制御装置により制御されて、治療用放射線23を放射する。治療用放射線23は、パン軸21とチルト軸22とが交差する交点を通る直線に概ね沿って放射される。治療用放射線23は、一様強度分布を持つように形成されている。治療用放射線23は、さらに、一部が遮蔽されて治療用放射線23が患者に照射されるときの照射野の形状が制御されている。
【0025】
治療用放射線23は、このように照射ヘッド16が走行ガントリ14に支持されることにより、首振り機構15で照射ヘッド16がアイソセンタ19に向かうように一旦調整されると、旋回駆動装置11によりOリング12が回転し、または、その走行駆動装置により走行ガントリ14が回転しても、常に概ねアイソセンタ19を通る。即ち、走行・旋回を行うことで任意方向からアイソセンタ19に向けて治療用放射線23の照射が可能になる。
【0026】
放射線治療装置3は、さらに、複数のイメージャシステムを備えている。すなわち、放射線治療装置3は、診断用X線源24、25とセンサアレイ32、33とを備えている。診断用X線源24は、走行ガントリ14に支持されている。診断用X線源24は、走行ガントリ14のリングの内側に配置され、アイソセンタ19から診断用X線源24を結ぶ線分とアイソセンタ19から照射ヘッド16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置されている。診断用X線源24は、その放射線治療装置制御装置により制御されてアイソセンタ19に向けて診断用X線35を放射する。診断用X線35は、診断用X線源24が有する1点から放射され、その1点を頂点とする円錐状のコーンビームである。診断用X線源25は、走行ガントリ14に支持されている。診断用X線源25は、走行ガントリ14のリングの内側に配置され、アイソセンタ19から診断用X線源25を結ぶ線分とアイソセンタ19から照射ヘッド16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置されている。診断用X線源25は、その放射線治療装置制御装置により制御されてアイソセンタ19に向けて診断用X線36を放射する。診断用X線36は、診断用X線源25が有する1点から放射され、その1点を頂点とする円錐状のコーンビームである。
【0027】
センサアレイ32は、走行ガントリ14に支持されている。センサアレイ32は、診断用X線源24により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した診断用X線35を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ33は、走行ガントリ14に支持されている。センサアレイ33は、診断用X線源25により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した診断用X線36を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ32、33としては、FPD(Flat Panel Detector)、X線II(Image Intensifier)が例示される。
【0028】
このようなイメージャシステムによれば、センサアレイ32、33により得た画像信号に基づき、アイソセンタ19を中心とする透過画像を生成することができる。
【0029】
放射線治療装置3は、さらに、センサアレイ31を備えている。センサアレイ31は、センサアレイ31と照射ヘッド16とを結ぶ線分がアイソセンタ19を通るように配置されて、走行ガントリ14のリングの内側に固定されている。センサアレイ31は、照射ヘッド16により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した治療用放射線23を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ31としては、FPD(Flat Panel Detector)、X線II(Image Intensifier)が例示される。
【0030】
放射線治療装置3は、さらに、カウチ41とカウチ駆動装置42とを備えている。カウチ41は、放射線治療装置3により治療される患者43が横臥することに利用される。カウチ41は、図示されていない固定具を備えている。その固定具は、その患者が動かないように、その患者をカウチ41に固定する。カウチ駆動装置42は、カウチ41を土台に支持し、その放射線治療装置制御装置により制御されてカウチ41を移動させる。
【0031】
図4は、照射ヘッド16を示している。照射ヘッド16は、電子銃51と加速管52とX線ターゲット53とフラットニングフィルタ54とマルチリーフコリメータ55とを備えている。電子銃51は、電子を放出する。加速管52は、電子銃51により放出される電子を加速して電子ビームを生成し、その電子ビームをX線ターゲット53に照射する。X線ターゲット53は、高原子番号物質から形成されている。その高原子番号物質としては、タングステン、タングステン合金、金、タンタルが例示される。X線ターゲット53は、加速管52により生成された電子ビームが照射された際の制動放射により放射線(X線)を生成する。その放射線は、X線ターゲット53が内部に有する点である仮想的点線源を通る直線に概ね沿って放射される。フラットニングフィルタ54は、アルミニウム等から形成され、概ね円錐形の突起が形成される板に形成されている。フラットニングフィルタ54は、その突起がX線ターゲット53の側に面するように配置される。フラットニングフィルタ54は、X線ターゲット53から放射される放射線が本フラットニングフィルタを通過した後に、その放射方向に垂直であるアイソセンタ平面所定領域におけるその放射線の線量が概ね一様に分布するように形成されている。マルチリーフコリメータ55は、その放射線治療装置制御装置により制御されて、フラットニングフィルタ54を透過した放射線の一部を遮蔽して治療用放射線23が患者に照射されるときの照射野の形状を制御する。
【0032】
放射線治療装置3は、さらに、透過型線量計56とセンサ57と電子銃電源58とクライストロン電源50とクライストロン59と制御装置60とを備えている。透過型線量計56とセンサ57と電子銃電源58とクライストロン電源50とクライストロン59とは、制御装置60と情報伝達可能に、制御装置60に接続されている。透過型線量計56は、フラットニングフィルタ54を透過した放射線が透過するように配置されている。透過型線量計56は、透過した放射線の線量を測定し、その線量を制御装置60に出力する。センサ57は、放射線に照射されないように、透過型線量計56の近傍に配置されている。センサ57は、透過型線量計56が配置された環境の気圧を測定し、その気圧を制御装置60に出力する。電子銃電源58は、制御装置60に制御されて、所定の電力を電子銃51に供給する。クライストロン電源50は、制御装置60に制御されて、クライストロン59に電力を供給する。クライストロン59は、導波管を介して加速管52に接続されている。クライストロン59は、制御装置60に制御されて、クライストロン電源50から供給される電力を用いて所定の電力を生成し、その導波管を介してその生成された電力を加速管52に供給する。なお、クライストロン59は、他の高周波源に置換することができる。その高周波源としては、マグネトロン、多極管が例示される。
【0033】
制御装置60は、コンピュータであり、図示されていないCPUと記憶装置と入力装置と出力装置とインターフェースとを備えている。そのCPUは、制御装置60にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、その記憶装置と入力装置と出力装置とインターフェースとを制御する。その記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録し、そのCPUにより生成される情報を一時的に記録する。その入力装置は、ユーザに操作されることにより情報を生成し、その情報をそのCPUに出力する。その入力装置としては、キーボードが例示される。その出力装置は、そのCPUにより生成される情報をユーザに認識可能に出力する。その出力装置としては、ディスプレイが例示される。そのインターフェースは、制御装置60に接続される外部機器により生成される情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をその外部機器に出力する。その外部機器は、透過型線量計56とセンサ57と電子銃電源58とクライストロン電源50とクライストロン59とを含んでいる。
【0034】
図5は、透過型線量計56を示している。透過型線量計56は、空洞を外部と隔離する容器を備えている。その容器は、胴体61と上蓋62と下蓋63とを備えている。胴体61は、その空洞の側面の部分を形成する壁面を形成している。上蓋62は、アルミニウムから形成され、板状に形成されている。上蓋62は、その空洞の1つの底面の部分を形成する壁面を形成している。下蓋63は、アルミニウムから形成され、板状に形成されている。下蓋63は、その空洞の他の底面の部分を形成する壁面を形成している。透過型線量計56は、上蓋62が下蓋63よりフラットニングフィルタ54に近い側に配置されるように、照射ヘッド16の内部に配置されている。
【0035】
胴体61は、平坦である胴体上側シール面66を有している。上蓋62は、平坦である上蓋シール面67を有している。胴体上側シール面66には、上側溝68が形成されている。上側溝68は、透過型線量計56の容器の内部を囲むように配置されている。上側溝68には、Oリング69が配置されている。Oリング69は、弾性体により形成されている。Oリング69は、上蓋シール面67と胴体上側シール面66とが密着したときに、弾性変形して、透過型線量計56の容器の内部を密封する。
【0036】
胴体61は、さらに、平坦である胴体下側シール面71を有している。下蓋63は、平坦である下蓋シール面72を有している。胴体下側シール面71には、下側溝73が形成されている。下側溝73は、透過型線量計56の容器の内部を囲むように配置されている。下側溝73には、Oリング74が配置されている。Oリング74は、弾性体により形成されている。Oリング74は、下蓋シール面72と胴体下側シール面71とが密着したときに、弾性変形して、透過型線量計56の容器の内部を密封する。
【0037】
透過型線量計56は、さらに、複数の電極64と絶縁物65とを備えている。複数の電極64は、導体から形成され、その容器の内部に配置されている。絶縁物65は、絶縁体から形成され、その容器の内部に配置されている。絶縁物65は、複数の電極64が互いに電気的に接続されないように、胴体61に複数の電極64を支持している。複数の電極64は、複数の陽極と複数の陰極とを含んでいる。その複数の陽極は、互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置されている。その複数の陰極は、互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置されている。透過型線量計56は、さらに、図示されていない電気機器を備えている。その電気機器は、その複数の陽極と複数の陰極との間に高電圧を印加し、その複数の陽極のうちのいずれかとその複数の陰極のうちのいずれかとに流れる電流をそれぞれ測定し、その電流を制御装置60に出力する。このとき、透過型線量計56は、放射線により電離した荷電粒子の位置を検出することができる。このような複数の電極64を用いた放射線の位置検出方法は、PSD(Position Sensitive Detector:位置敏感検出器)として周知であり、たとえば、米国特許第4431921号明細書、米国特許第4827135号明細書、米国特許第4965861号明細書に開示されている。
【0038】
なお、透過型線量計56は、透過する放射線の位置を検出しないで、その放射線の線量のみを検出することができる透過型線量計に置換することもできる。このとき、その電気機器は、その複数の陽極と複数の陰極との間に高電圧を印加し、その複数の陽極の全部とその複数の陰極の全部との間に流れる電流をそれぞれ測定し、その電流を制御装置60に出力する。
【0039】
上蓋62は、図6に示されているように、固定枠部分75と透過部分76とから形成されている。固定枠部分75は、透過部分76を囲むように配置されている。固定枠部分75は、上蓋62の全体が所定の変形量以上に変形しないように十分に厚く形成され、たとえば、厚さが5mmに形成されている。透過部分76は、直径が70mmの円形に形成されている。透過部分76は、固定枠部分75より薄く形成されている。より詳細には、透過部分76は、放射線の透過率が所定の値以上になるように十分に薄く形成され、かつ、透過型線量計56の空洞の形状が所定の気圧範囲で所定の変形量以上に変形しないように十分に厚く形成され、たとえば、厚さが1mmに形成されている。
【0040】
透過型線量計56は、さらに、複数のボルト81を備えている。複数のボルト81は、上蓋62の固定枠部分75に形成された穴に挿入され、胴体61に形成された雌ねじに螺子留めされ、上蓋62を胴体61に固定する。透過型線量計56は、さらに、複数のコネクタ82を備えている。複数のコネクタ82は、透過型線量計56の内部を環境から隔離し、かつ、複数の電極64を胴体61と上蓋62と下蓋63とに電気的に接続しないで、その電気機器に電気的に接続される配線に複数の電極64を電気的に接続するために利用される。
【0041】
下蓋63は、図7に示されているように、固定枠部分78と透過部分79とから形成されている。固定枠部分78は、透過部分79を囲むように配置されている。固定枠部分78は、下蓋63の全体が所定の変形量以上に変形しないように十分に厚く形成され、たとえば、厚さが5mmに形成されている。透過部分79は、直径が80mmの円形に形成されている。透過部分79は、固定枠部分78より薄く形成されている。より詳細には、透過部分79は、放射線の透過率が所定の値以上になるように十分に薄く形成され、かつ、透過型線量計56の空洞の形状が所定の気圧範囲で所定の変形量以上に変形しないように十分に厚く形成され、たとえば、厚さが1mmに形成されている。
【0042】
透過型線量計56は、さらに、複数のボルト83を備えている。複数のボルト83は、下蓋63の固定枠部分78に形成された穴に挿入され、胴体61に形成された雌ねじに螺子留めされ、下蓋63を胴体61に固定する。
【0043】
透過部分79は、X線ターゲット53の仮想的点線源に対する透過部分79の立体角がその仮想的点線源に対する透過部分76の立体角と一致するように形成され、より好ましくは多少余裕があるように形成されている。すなわち、下蓋63は、仮想的点線源から放射されて透過部分76を透過した放射線が透過部分79を透過するように、形成され、透過部分79は、透過部分76より広くなるように、形成されている。ここで、本明細書に記載される透過型線量計56のサイズに関する数値は、一例であり、本明細書に記載される条件を満足するように適宜設計される。
【0044】
制御装置60にインストールされているコンピュータプログラムは、図8に示されているように、測定値収集部91と変形量算出部92と電離信号収集部93と補正部94と制御部95とを含んでいる。測定値収集部91は、センサ57を用いて、透過型線量計56が配置された環境の気圧を測定し、その気圧をセンサ57から収集する。変形量算出部92は、測定値収集部91により収集された気圧に基づいて透過型線量計56の空洞の変形量を算出する。その変形量は、透過型線量計56の上蓋62の変形量と下蓋63の変形量とを示している。
【0045】
電離信号収集部93は、透過型線量計56を用いて、透過型線量計56を透過する放射線の線量を測定し、その線量を透過型線量計56から収集する。すなわち、電離信号収集部93は、複数の電極64の複数の陽極のうちの1つの陽極とその複数の陰極のうちの1つの陰極との組み合わせからなる複数の対にそれぞれ流れる電流をそれぞれ測定し、その電流を透過型線量計56から収集する。電離信号収集部93は、その電流に基づいて、透過型線量計56を透過する放射線の線量を算出し、透過型線量計56の容器の複数の位置をそれぞれ透過する複数の放射線の線量をそれぞれ算出する。
【0046】
補正部94は、変形量算出部92により算出された変形量に基づいて、電離信号収集部93により算出された線量を補正後線量に補正する。制御部95は、補正部94により算出された補正後線量に基づいて、電子銃電源58とクライストロン電源50とクライストロン59とをフィードバック制御する。たとえば、制御部95は、その補正後線量のばらつきが低減するように、電子銃電源58とクライストロン電源50とクライストロン59とを制御する。たとえば、制御部95は、その補正後線量のばらつきが低減するように、電子銃電源58を制御して電子銃51に供給される電力を更新し、クライストロン電源50とクライストロン59を制御して加速管52に供給される電力を更新する。
【0047】
本発明による透過型線量計製造方法の実施の形態は、上蓋62と下蓋63とを作製する動作と、上蓋62と下蓋63とを胴体61に固定する動作とを備えている。すなわち、上蓋62は、それ以上分解することができないように、固定枠部分75と透過部分76とが一体になるように、削り出しにより作製される。下蓋63は、上蓋62と同様にして、それ以上分解することができないように、固定枠部分78と透過部分79とが一体になるように、削り出しにより作製される。なお、上蓋62と下蓋63とは、削りだしと異なる他の機械加工により作製することもできる。その機械加工としては、鋳造、鍛造、複数の部品を溶接することが例示される。
【0048】
上蓋62は、固定枠部分75に形成された複数の穴に複数のボルト81がそれぞれ挿入され、その複数のボルト81が胴体61に形成された雌ねじに螺子留めされることにより、胴体61に固定される。下蓋63は、上蓋62と同様にして、固定枠部分78に形成された複数の穴に複数のボルト83がそれぞれ挿入され、その複数のボルト83が胴体61に形成された雌ねじに螺子留めされることにより、胴体61に固定される。
【0049】
上蓋62と下蓋63とは、このように作製されることにより、分解可能である蓋に比較して、剛性が向上する。このため、上蓋62と下蓋63とは、透過型線量計56が配置される環境の気圧により変形することが防止され、透過型線量計56は、容器の中に充填されている気体の密度が変動することが防止される。このため、透過型線量計56は、透過する放射線の線量をより安定して測定することができる。透過型線量計56は、さらに、図1と図2とに示される透過型線量計100に比較して、手間が低減され、より容易に作製されることができる。
【0050】
図9は、透過型線量計56が配置される環境の気圧と透過部分76の板厚と透過部分76の最大たわみ量との関係を示している。その気圧は、図9で、1気圧(1013hPa)との気圧差により表現されている。その最大たわみ量は、上蓋62を梁モデルにモデル化したときに、その梁モデルのたわみの程度を示している。その最大たわみ量は、一般的に、その気圧差の絶対値が同じであれば、気圧が上がったときと下がったときとで同じである。その関係96は、その気圧差の絶対値が大きくなるほど、透過部分76の最大たわみ量が大きくなることを示している。関係96は、さらに、透過部分76の板厚が小さくなるほど、最大たわみ量の変化が大きくなることを示している。すなわち、関係96は、さらに、図1と図2とに示されている透過型線量計100の上側透過部材103または下側透過部材105に比較して、透過型線量計56の透過部分76が気圧の変化によりたわみにくいことを示している。関係96は、さらに、透過部分76の板厚が概ね1mm以上であるときに、IEC規格により規定される気圧の範囲(7×104Pa〜11×104Pa)で最大たわみ量が所定の値(およそ2.0×10−3mm)より小さくなることを示している。
【0051】
図10は、透過型線量計の比較例が配置される環境の気圧の変動に対するその比較例による線量の測定値の変動を示している。その比較例は、図1と図2とに示されている透過型線量計100に一致している。その気圧は、図10で、1気圧(1013hPa)との気圧差により表現されている。その変動97は、その気圧が変動することにより透過型線量計100の測定値が比較的大きく変動することを示している。また、変動97と図9の関係96とは、透過型線量計100の上側透過部材103または下側透過部材105がたわむことにより透過型線量計100による線量の測定値が変動することを示している。図10は、さらに、透過型線量計56が配置される環境の気圧の変動に対する透過型線量計56による線量の測定値の変動を示している。その変動98は、透過型線量計の比較例に比較して、その気圧の変動に対する透過型線量計56の線量の測定値の変動がより小さいことを示している。変動98は、さらに、IEC規格により規定される気圧の範囲で透過型線量計56の測定値のばらつき(標準偏差)が所定の値(JIS規格により推奨される2%)より小さいことを示している。変動98は、さらに、IEC規格により規定される気圧の範囲で透過型線量計56がその気圧の範囲で十分に高精度に放射線の線量を測定することができることを示している。
【0052】
図11は、透過部分76の板厚と透過型線量計56のX線透過率との関係を示している。その関係99は、透過部分76の板厚が小さいほど、透過型線量計56のX線透過率が大きいことを示している。関係99は、さらに、透過部分76の板厚が概ね1mmより小さい場合で、透過部分76の板厚が変動するときに、透過型線量計56のX線透過率の変動が所定の範囲(±2%)内ですることを示している。すなわち、関係99は、透過部分76の板厚が概ね1mmより小さいときに、透過型線量計56がその範囲で十分に高精度に放射線の線量を測定することができることを示している。
【0053】
放射線治療装置3を用いた放射線治療では、ユーザが、まず、治療計画を作成する。その治療計画は、患者43の患部に治療用放射線23を照射する照射角度と、その各照射角度から照射する治療用放射線23の線量および性状とを示している。ユーザは、放射線治療装置3のカウチ41に患者43を固定する。放射線治療装置3の放射線治療装置制御装置は、その治療計画により示される照射角度で治療用放射線23が患者43に照射されるように、旋回駆動装置11と走行駆動装置とカウチ駆動装置42とを用いて、照射ヘッド16と患者43とを位置合わせする。
【0054】
次いで、その放射線治療装置制御装置は、追尾動作と照射動作とを繰り返して実行する。その追尾動作では、その放射線治療装置制御装置は、放射線治療装置3のイメージャシステムにより撮像された画像に基づいて患部位置を算出する。その放射線治療装置制御装置は、治療用放射線23がその患部位置を透過するように首振り機構15を用いて照射ヘッド16を駆動する。その照射動作では、その放射線治療装置制御装置は、その追尾動作により照射ヘッド16が移動した直後に照射ヘッド16を用いて治療用放射線23をその患部に照射する。
【0055】
制御装置60は、その追尾動作と照射動作とを繰り返して実行している最中に、透過型線量計56を透過する放射線の線量を透過型線量計56から収集する。制御装置60は、さらに、センサ57から気圧を収集し、その気圧に基づいて透過型線量計56の空洞の変形量を算出する。制御装置60は、その算出された変形量に基づいてその収集された線量を補正後線量に補正し、その補正後線量に基づいて、電子銃電源58とクライストロン電源50とクライストロン59とをフィードバック制御する。すなわち、制御装置60は、その補正後線量のばらつきが低減するように、電子銃電源58を制御して電子銃51に供給される電力を更新し、クライストロン電源50とクライストロン59を制御して加速管52に供給される電力を更新する。
【0056】
このような動作によれば、照射ヘッド16は、治療用放射線23の線量のばらつきを低減することができ、放射線治療装置3は、治療用放射線23を患者43の患部に所定の線量だけより高精度に照射することができる。
【0057】
なお、センサ57は、気圧と異なる他の測定値を測定する他のセンサに置換することができ、さらに、複数の測定値をそれぞれ測定する複数のセンサに置換することができる。その測定値としては、透過型線量計56が配置された環境の温度、透過型線量計56の上蓋62と下蓋63との温度、または、透過型線量計56の上蓋62と下蓋63との変形量そのものが例示される。このとき、制御装置60は、既述の実施の形態と同様にして、その測定値に基づいて電子銃電源58とクライストロン電源50とクライストロン59とをフィードバック制御する。このような放射線治療装置は、既述の実施の形態と同様にして、治療用放射線を患者の患部に所定の線量だけより高精度に照射することができる。
【0058】
透過型線量計56は、放射線治療装置3と異なる他の装置に適用されることができ、たとえば、単独で使用されることもできる。このとき、制御装置60は、出力装置を介して、その測定値に基づいて補正された補正後線量をユーザに認識可能に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、公知の透過型線量計を示す断面図である。
【図2】図2は、公知の透過型線量計を示す平面図である。
【図3】図3は、本発明による放射線治療装置を示す斜視図である。
【図4】図4は、照射ヘッドを示す断面図である。
【図5】図5は、本発明による透過型線量計を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明による透過型線量計を示す平面図である。
【図7】図7は、本発明による透過型線量計を示す平面図である。
【図8】図8は、制御装置を示すブロック図である。
【図9】図9は、環境の気圧と透過部分の板厚と透過部分の最大たわみ量との関係を示すグラフである。
【図10】図10は、透過型線量計の比較例による測定値の変動を示し、透過型線量計の実施例による測定値の変動を示すグラフである。
【図11】図11は、透過部分の板厚とX線透過率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0060】
3 :放射線治療装置
11:旋回駆動装置
12:Oリング
14:走行ガントリ
15:首振り機構
16:照射ヘッド
17:回転軸
18:回転軸
19:アイソセンタ
21:パン軸
22:チルト軸
23:治療用放射線
24:診断用X線源
25:診断用X線源
31:センサアレイ
32:センサアレイ
33:センサアレイ
35:診断用X線
36:診断用X線
41:カウチ
42:カウチ駆動装置
43:患者
50:クライストロン電源
51:電子銃
52:加速管
53:X線ターゲット
54:フラットニングフィルタ
55:マルチリーフコリメータ
56:透過型線量計
57:センサ
58:電子銃電源
59:クライストロン
60:制御装置
61:胴体
62:上蓋
63:下蓋
64:複数の電極
65:絶縁物
66:胴体上側シール面
67:上蓋シール面
68:上側溝
69:Oリング
71:胴体下側シール面
72:下蓋シール面
73:下側溝
74:Oリング
75:固定枠部分
76:透過部分
78:固定枠部分
79:透過部分
81:複数のボルト
82:複数のコネクタ
83:複数のボルト
91:測定値収集部
92:変形量算出部
93:電離信号収集部
94:補正部
95:制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線により電離した荷電粒子を集める電極と、
前記電極が内部に配置される容器本体と、
前記容器本体の内部を密封する蓋とを具備し、
前記蓋は、
前記容器本体に固定される固定枠部分と、
前記固定枠部分と一体に接合される透過部分とを備え、
前記透過部分は、前記固定枠部分より薄い
透過型線量計。
【請求項2】
請求項1において、
前記容器本体の内部を密封する反対側蓋を更に具備し、
前記反対側蓋は、
前記容器本体に固定される反対側固定枠部分と、
前記反対側固定枠部分と一体に接合される反対側透過部分とを備え、
前記反対側透過部分は、前記電極を挟んで前記透過部分に対向し、
前記反対側透過部分は、前記反対側固定枠部分より薄い
透過型線量計。
【請求項3】
請求項2において、
前記反対側透過部分は、前記透過部分より広い
透過型線量計。
【請求項4】
請求項3において、
前記蓋に関する測定値を測定するセンサと、
前記電極を流れる電流に基づいて算出される線量を前記測定値に基づいて補正後線量に補正する制御装置
とを更に具備する透過型線量計。
【請求項5】
請求項4において、
前記測定値は、本透過型線量計が配置される環境の気圧を示す
透過型線量計。
【請求項6】
請求項4において、
前記測定値は、前記蓋の温度を示す
透過型線量計。
【請求項7】
請求項4において、
前記測定値は、前記蓋の変形量を示す
透過型線量計。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかにおいて、
前記電極は、
互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置される複数の電極と、
前記複数の電極の対極とを含む
透過型線量計。
【請求項9】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載される透過型線量計と、
前記放射線を生成して前記透過型線量計を透過した治療用放射線を放射する照射ヘッドと、
前記透過型線量計を用いて測定された線量に基づいて、前記治療用放射線の線量が更新するように、前記照射ヘッドを制御する制御装置
とを具備する放射線治療装置。
【請求項10】
請求項8において、
前記蓋に関する測定値を測定するセンサを更に具備し、
前記制御装置は、前記測定値に更に基づいて前記照射ヘッドを制御する
放射線治療装置。
【請求項11】
固定枠部分と前記固定枠部分より薄い透過部分とが一体に形成される蓋を作製するステップと、
放射線により電離した荷電粒子を集める電極が内部に配置される容器本体に前記固定枠部分を固定することにより前記容器本体の内部を密封するステップ
とを具備する透過型線量計製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−54309(P2010−54309A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218861(P2008−218861)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】