説明

通信カラオケシステム

【課題】利用者の演奏意欲を促進させる各利用者毎の総合的な演奏評価を適切に行い得る通信カラオケシステムを提供する。
【解決手段】利用者の認証制御を行うログイン認証手段100と、そのログイン認証手段100により認証される利用者毎にカラオケ装置16による総演奏回数Nを記憶するSNSデータベース84と、ログイン認証手段100により認証される利用者に対応して、マイクロフォン40により入力される音声情報に基づいてカラオケ装置16による演奏を評価する演奏評価手段102と、演奏評価手段102による演奏評価結果とSNSデータベース84に記憶された各利用者毎の総演奏回数Nとに基づいて、ログイン認証手段100により認証され得る複数の利用者を母集団とする演奏評価結果の統計を行う演奏評価結果統計手段106とを、備えたものであることから、演奏評価結果を各利用者の実際の歌唱力に近づけることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させるカラオケ装置を用いた通信カラオケシステムに関し、特に、その通信カラオケシステムを利用する各利用者毎に総合的な演奏評価を行う演奏評価技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させる音楽再生装置が知られている。例えば、カラオケボックス等で使用されるカラオケ装置がそれである。斯かるカラオケ装置によれば、予め記憶装置に記憶された多数のカラオケ演奏曲から選択された所定のカラオケ演奏曲の音楽情報を出力させると共に、そのカラオケ演奏曲の歌詞情報を含む映像をその出力に同期して画面に表示させることで、所望の歌のカラオケ演奏を楽しむことができる。
【0003】
上記カラオケ装置を用いたカラオケシステムの一例として、複数のカラオケ装置を所定の通信回線を介してサーバ装置(ホスト装置)に接続し、それらカラオケ装置及びサーバ装置相互間で情報の送受信を可能とした通信カラオケシステムが知られている。また、斯かる通信カラオケシステムにおいて、その通信カラオケシステムを利用する多数の利用者との演奏評価の比較を行う技術が知られている。例えば、特許文献1に記載された歌唱力採点システムがそれである。この技術によれば、音声入力装置から入力される歌唱音声とカラオケ曲データとに基づいて利用者の歌唱力を採点し、その採点結果と個人識別番号とを関連づけてカラオケサーバ装置に記憶することで、各利用者毎の採点結果を集計し得ると共に、その集計結果をカラオケ装置により参照でき、利用者の演奏意欲を促進させることができるとされている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−344986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記従来の技術は、前記カラオケ装置による演奏評価結果を各利用者毎に集計するという単純なものであったため、必ずしもその評価結果が実際の歌唱力を反映したものにならず、利用者の演奏意欲を促進できないばかりか、かえって演奏意欲を減退させる可能性があった。このため、利用者の演奏意欲を促進させる各利用者毎の総合的な演奏評価を適切に行い得る通信カラオケシステムの開発が求められていた。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、利用者の演奏意欲を促進させる各利用者毎の総合的な演奏評価を適切に行い得る通信カラオケシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させる複数のカラオケ装置と、所定の通信回線を介して前記複数のカラオケ装置との間で情報の送受信を行うサーバ装置とを、備えた通信カラオケシステムであって、所定の入力操作により入力される識別情報に応じて利用者を認証する認証手段と、その認証手段により認証される利用者毎に、その利用者が前記カラオケ装置により演奏を行った総演奏回数を記憶する記憶装置と、前記認証手段により認証される利用者に対応して、予め定められた関係から所定の音声入力装置により入力される音声情報に基づいて前記カラオケ装置による演奏を評価する演奏評価手段と、予め定められた関係から、前記演奏評価手段による演奏評価結果と前記記憶装置に記憶された各利用者毎の総演奏回数とに基づいて、前記認証手段により認証され得る複数の利用者を母集団とする演奏評価結果の統計を行う演奏評価結果統計手段とを、備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、所定の入力操作により入力される識別情報に応じて利用者を認証する認証手段と、その認証手段により認証される利用者毎に、その利用者が前記カラオケ装置により演奏を行った総演奏回数を記憶する記憶装置と、前記認証手段により認証される利用者に対応して、予め定められた関係から所定の音声入力装置により入力される音声情報に基づいて前記カラオケ装置による演奏を評価する演奏評価手段と、予め定められた関係から、前記演奏評価手段による演奏評価結果と前記記憶装置に記憶された各利用者毎の総演奏回数とに基づいて、前記認証手段により認証され得る複数の利用者を母集団とする演奏評価結果の統計を行う演奏評価結果統計手段とを、備えたものであることから、前記カラオケ装置を用いて行った各利用者毎の総演奏回数を加味して例えばその総演奏回数が少ないほど評価を低くするといったように演奏評価結果の統計を行うことで、その演奏評価結果を各利用者の実際の歌唱力に近づけることができる。すなわち、利用者の演奏意欲を促進させる各利用者毎の総合的な演奏評価を適切に行い得る通信カラオケシステムを提供することができる。
【0009】
ここで、好適には、前記認証手段により認証される利用者毎に、前記カラオケ装置が設置された店舗へのその利用者の来店頻度を記憶する記憶装置を備え、前記演奏評価結果統計手段は、予め定められた関係からその記憶装置に記憶された来店頻度に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものである。このようにすれば、前記カラオケ装置が設置された店舗への来店頻度を加味して例えばその来店頻度が小さいほど評価を低くするといったように演奏評価結果の統計を行うことで、その演奏評価結果を各利用者の実際の歌唱力に近づけることができるという利点がある。
【0010】
また。好適には、前記演奏評価結果統計手段は、予め定められた関係から前記演奏評価手段による演奏評価が行われた時期に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものである。このようにすれば、演奏評価が行われた時期を加味して例えば演奏評価が行われた時期が古いものほど低い加重をもって評価に反映させるといったように演奏評価結果の統計を行うことで、その演奏評価結果を各利用者の実際の歌唱力に近づけることができるという利点がある。
【0011】
また、好適には、前記認証手段により認証される利用者毎に、その利用者が前記カラオケ装置により演奏した演奏曲の履歴を記憶する記憶装置を備え、前記演奏評価結果統計手段は、予め定められた関係からその記憶装置に記憶された演奏曲の履歴に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものである。このようにすれば、前記カラオケ装置により演奏した演奏曲の履歴を加味して例えばその履歴に含まれる演奏曲の種類が多いほど評価を高くするといったように演奏評価結果の統計を行うことで、その演奏評価結果を各利用者の実際の歌唱力に近づけることができるという利点がある。
【0012】
また、好適には、前記演奏評価結果統計手段は、予め定められた関係から前記演奏評価手段による評価対象である演奏曲の演奏難易度に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものである。このようにすれば、評価対象である演奏曲の演奏難易度を加味して例えば難易度が高い演奏曲ほど高い加重をもって評価に反映させるといったように演奏評価結果の統計を行うことで、その演奏評価結果を各利用者の実際の歌唱力に近づけることができるという利点がある。
【0013】
また、好適には、前記演奏評価結果統計手段は、予め定められた関係から、前記演奏評価手段による評価対象である演奏曲の、前記認証手段により認証され得る複数の利用者による累計演奏回数に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものである。このようにすれば、評価対象である演奏曲の広域的な累計演奏回数を加味して例えばその累計演奏回数が多い演奏曲ほど高い加重をもって評価に反映させるといったように演奏評価結果の統計を行うことで、その演奏評価結果を各利用者の実際の歌唱力に近づけることができるという利点がある。
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の一実施例である通信カラオケシステム10を説明する概略図である。この図1に示すように、本実施例の通信カラオケシステム10では、カラオケボックス、スナック、旅館等の店舗12における複数の個室14a、14b、14c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に個室14と称する)にそれぞれ1台乃至は複数台ずつ(図1では1台ずつ)のカラオケ装置16a、16b、16c、・・・(以下、特に区別しない場合には単にカラオケ装置16と称する)が設置されている。これら複数のカラオケ装置16は、ルータ28を介して公衆電話回線等による通信回線18に接続されており、同じくその通信回線18に接続されたカラオケサービス提供会社のサーバ装置(センタ装置)20との相互間でその通信回線18を介して情報の通信が可能とされている。このサーバ装置20は、カラオケ情報(楽曲データ)、背景映像情報、曲間情報等のデジタルコンテンツ(Digital Contents)の保管や入出力管理の基本的な制御に加えて、後述するソーシャルネットワークサービス管理制御や演奏評価結果統計制御等を行うサーバであり、上記通信回線18を介して上記カラオケ装置16に定期的にコンテンツの配信を行うと共に、そのカラオケ装置16からの要求に応じて所定の機能制御プログラムを送信するものである。また、上記通信カラオケシステム10は、複数の電子早見本装置22a、22b、22c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に電子早見本装置22と称する)を備えており、上記カラオケ装置16の利用に際して、各利用者(グループ)毎に1台ずつの電子早見本装置22が貸与され、各個室14において後述するように上記カラオケ装置16の遠隔操作装置として用いられるようになっている。上記店舗12内には上記複数のカラオケ装置16を相互に接続するLAN24が敷設されており、上記電子早見本装置22からのカラオケ装置16への入力は、所定のアクセスポイント26及びLAN24を介したLAN通信等により行われる。
【0016】
図2は、上記カラオケ装置16の構成を例示するブロック線図である。この図2に示すように、上記カラオケ装置16は、CRT(Cathode-ray Tube)やTFT(Thin Film Transistor Liquid Crystal)等の映像表示装置30と、CRTコントローラ等の映像出力制御部32と、映像情報デコーダ34と、ビデオミキサ36と、音源であるシンセサイザ38と、音声入力装置であるマイクロフォン40と、A/Dコンバータ41と、アンプミキサ42と、スピーカ44と、操作パネル46と、その操作パネル46等からの入力信号を処理する入出力インターフェイス48と、中央演算処理装置であるCPU50と、読出専用メモリであるROM52と、随時書込読出メモリであるRAM54と、記憶装置であるハードディスク56と、モデム58と、LANポート60と、上記電子早見本装置22やリモコン装置64等の入力装置からのリモコン信号を受信するためのリモコン受信部62とを、備えて構成されている。
【0017】
前記映像出力制御部32は、前記CPU50において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力する文字映像出力装置として機能する他、前記映像表示装置30による種々の映像表示を制御する表示制御装置である。また、前記映像情報デコーダ34は、利用者が歌詞を参照しながら歌を歌う際に前記ハードディスク56に記憶された背景映像情報に基づいて所定の背景映像を再生(デコード)する背景映像再生装置である。この背景映像情報は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式のデータであり、そのMPEGデータに基づいて前記映像情報デコーダ34により再生された背景映像は、前記ビデオミキサへ送られる。また、前記ビデオミキサ36は、前記CPU50において生成され且つ前記映像出力制御部32から出力される文字映像と、前記映像情報デコーダ34により再生される背景映像とを合成して前記映像表示装置30に表示させる映像合成装置である。
【0018】
前記シンセサイザ38は、前記ハードディスク56から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する音源である。この演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式のデータであり、そのMIDIデータに基づいて前記シンセサイザ38により生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ42へ送られる。そのアンプミキサ42では、送られてきた音楽信号と前記マイクロフォン40を介して入力される利用者の歌声とがミキシングされ、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ44から出力される。また、前記A/Dコンバータ41は、音声入力装置である前記マイクロフォン40から入力されるアナログ信号としての音声情報をディジタル信号に変換して前記CPU50等へ供給する。
【0019】
前記操作パネル46は、前記カラオケ装置16の利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記カラオケ装置16には、前記操作パネル46の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン装置64が備えられており、前記リモコン受信部62は、そのリモコン装置64から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU50へ供給する。また、前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との対応付け(くくりつけ)処理も前記リモコン受信部62を介して行われ、そのようにして前記カラオケ装置16に対応付けられた電子早見本装置22も同様に入力装置として機能する。
【0020】
上記CPU50は、上記RAM54の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM52に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂マイクロコンピュータであり、上記電子早見本装置22やリモコン装置64等により所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、その選曲されたカラオケ演奏曲を上記RAM54に設けられた予約曲テーブルに登録したり、その予約曲テーブルの演奏順に従って上記ハードディスク56から上記RAM54に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報等を読み出したり、カラオケ演奏曲の演奏が進行するのに応じてそのRAM54から上記シンセサイザ38へ演奏情報を送信したり、歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して上記映像出力制御部32へ送ったり、選曲時には曲名文字映像を生成して上記映像出力制御部32へ送ったり、上記映像情報デコーダ34を制御して所定の背景映像を再生させたり、カラオケ演奏が行われていない間すなわち曲間において、新譜情報、選曲ランキング、店舗広告等の曲間情報を出力させたり、前記通信回線18を介した前記サーバ装置20との間の情報通信制御等の基本的な制御に加えて、後述するログイン認証制御、演奏評価制御、及びその演奏評価結果の前記サーバ装置20への送信制御等を実行する。
【0021】
前記モデム58は、前記カラオケ装置16を公衆電話回線等による通信回線18に接続するための装置であり、前記CPU50から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換して前記通信回線18に送り出すと共に、その通信回線18を介して伝送されるアナログ信号をディジタル信号に変換して前記CPU50に供給する処理を行う。なお、前記店舗12に備えられた複数のカラオケ装置16のうち何れかのカラオケ装置16が前記ルータ28の機能を備えてマスターコマンダとして前記通信回線18に接続される態様も考えられ、その場合、前記モデム58はそのマスターコマンダとして機能するカラオケ装置16には必要とされるが、そのマスターコマンダを介して前記サーバ装置20との間で情報の通信を行う他のカラオケ装置16には必ずしも設けられなくともよい。
【0022】
前記LANポート60は、前記カラオケ装置16をLAN24を介して他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器に接続するための接続器であり、前記カラオケ装置16は、そのようにLAN24を介して接続されることで、他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。例えば、前記アクセスポイント26を介して受信される前記電子早見本装置22からの選曲入力を受け付けて前記RAM54に設けられた予約曲テーブルに記憶したり、そのアクセスポイント26を介して前記カラオケ装置16から電子早見本装置22へ所定の情報を送信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との間における相互の情報のやりとりが実行される。
【0023】
前記ハードディスク56には、カラオケ演奏曲を出力させるための多数のカラオケデータ(楽曲データ)を記憶するカラオケデータベース86(図4を参照)をはじめとする各種データベースが設けられている。カラオケボックス等の店舗にそれぞれ備えられた複数のカラオケ装置16のうち所定のカラオケ装置16例えば前記カラオケ装置16aは、前記モデム58を介して前記通信回線18に接続されており、前記複数のカラオケ装置16によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、随時新たな楽曲データ等が前記サーバ装置20から前記通信回線18を介して配信され、前記ハードディスク56のカラオケデータベース86等に記憶される。また、そのようにして前記サーバ装置20から情報を取得したカラオケ装置16aとその他のカラオケ装置16との間で前記LAN24を介した通信が行われることにより、各カラオケ装置16のハードディスク56に記憶される情報が共有され、上記カラオケデータベース86等の内容が等価なものとされる。そのカラオケデータベース86に記憶されるカラオケデータは、演奏音を生成するための演奏情報及び歌詞文字映像(歌詞テロップ)を生成するための歌詞情報から成るものであり、コンテンツIDである各演奏曲に固有の選曲番号により識別される。
【0024】
図3は、前記サーバ装置20の構成を説明するブロック線図である。この図3に示すように、前記サーバ装置20は、中央演算処理装置であるCPU66によりRAM70の一時記憶機能を利用しつつROM68に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータシステムを備えており、前記カラオケ装置16へのカラオケデータ等のコンテンツ配信制御をはじめとする基本的な制御に加えて、後述するSNS管理制御及び演奏評価結果統計制御等の各種制御を実行する。また、ビデオボード72により制御されるCRTやTFT等の映像表示装置74と、インターフェイス78を介して接続されるキーボード等の入力装置76と、上記CPU66を前記通信回線18に接続するための装置であるモデム80とを、備えて構成されている。また、前記カラオケ装置16に配信するための多数のカラオケデータを記憶するカラオケデータベース82や後述するSNSに関する情報を記憶するSNSデータベース84等の各種データベースが設けられている。
【0025】
上記SNSデータベース84は、前記通信カラオケシステム10を利用する各ユーザ毎の、前記カラオケ装置16を用いたカラオケ演奏に関する情報、特にその通信カラオケシステム10によるソーシャルネットワークサービスに関する情報を、そのユーザの識別情報と関連付けて記憶する記憶装置である。このソーシャルネットワークサービスとは、例えば、予め会員登録された会員相互間に限定して情報の閲覧等のサービスを提供する会員制のコミュニティ型のウェブサイトをいう。なお、以下の説明において、ソーシャルネットワークサービスをSNSと略称する。このSNSデータベース84には、上記各ユーザの前記カラオケ装置16を用いたカラオケ演奏に関する情報として、そのユーザが前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏において十八番曲として登録した演奏曲(簡易な操作により選曲入力を行い得るように設定された演奏曲)に関する情報、そのユーザが前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏において選曲した選曲履歴(カラオケ装置16において過去に選曲された演奏曲の履歴)としての演奏曲に関する情報、そのユーザが前記カラオケ装置16により過去に演奏した各演奏曲の演奏評価結果に関する情報、それら各演奏曲の演奏評価結果に基づく統計により算出されるSNS会員を母集団とする演奏評価ランキング(全国うたランキング)に関する情報、そのユーザがフレンドとして登録した他のユーザに関する情報、そのユーザが過去にリクエスト投票を行った演奏曲に関する情報、そのユーザがウォッチリスト(監視対象曲)として登録した演奏曲に関する情報、そのユーザの前記カラオケ装置16が設置された店舗12への来店履歴に関する情報、及びグループりれき(グループ履歴)に関する情報等が各ユーザ毎にそのユーザの識別情報と関連付けられて記憶される。また、各ユーザ毎に、そのユーザの名前(ニックネーム)、生年月日、性別、メールアドレス、地域、血液型、星座、パスワードを忘れたときのための質問及び解答、及びSNSへのログイン認証に用いられるパスワードがそのユーザの識別情報と関連付けられて記憶されている。また、過去における各演奏曲のSNS会員による演奏評価の平均値(全国平均点)に関する情報や、過去における各演奏曲のSNS会員による累積演奏回数に関する情報等が記憶されている。
【0026】
図4は、前記カラオケ装置16のCPU50及びサーバ装置20のCPU66に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図4に示すログイン認証手段100、演奏評価手段102、及び情報送信制御手段104は、前記カラオケ装置16のCPU50に、演奏評価結果統計手段106は、前記サーバ装置20のCPU66にそれぞれ機能的に備えられたものである。
【0027】
上記ログイン認証手段100は、前記電子早見本装置22のタッチパネルディスプレイ等を介しての所定の入力操作により入力される識別情報(ユーザID)に応じて前記通信カラオケシステム10におけるSNSのユーザを認証し、その認証が正常に行われた場合にはその識別情報をもってそのユーザのSNSへのログインを許可する。例えば、前記電子早見本装置22により識別情報及びパスワードが入力された場合、その識別情報に関連付けられて前記SNSデータベース84に記憶されたパスワードが入力されたものと一致するか否かを前記サーバ装置20に照会し、一致する場合には正常な認証を行う一方、一致しない場合にはエラーとする。なお、上記ログイン認証手段100は、前記カラオケ装置16において入力された識別情報及びパスワードを前記サーバ装置20へ送信するものであってもよく、実質的な認証はそのサーバ装置20側で行うものであっても構わない。
【0028】
前記演奏評価手段102は、前記ログイン認証手段100により認証される利用者に対応して、予め定められた関係から音声入力装置である前記マイクロフォン40により入力される音声情報に基づいて前記カラオケ装置16による演奏を評価する。例えば、前記マイクロフォン40により入力されて前記A/Dコンバータ41によりディジタル信号に変換された音声情報と、前記カラオケデータベース86から読み出されるカラオケデータ(MIDIデータ)に基づいて前記シンセサイザ38により出力される演奏情報とを比較し、メロディなどの基本音程と入力される音声から抽出される音程との相対的なずれやその音声の絶対的な声量などを基準として評価を行う。この評価の態様としては、例えば、千点満点中何点というように数値的に採点を行うものであってもよいし、20段階評定の何れに当てはまるかを判定するというように簡易なものであってもよい。また、好適には、対象となる演奏曲が出力される間すなわち演奏開始から演奏終了までの間に所定のタイミングで複数回、例えばその演奏曲における所定のフレーズ(楽句)毎に上記評価を行う。
【0029】
前記情報送信制御手段104は、前記ログイン認証手段100により認証される利用者に対応して、前記カラオケ装置16を用いたカラオケ演奏に関する種々の情報を前記サーバ装置20へ送信(アップロード)する情報送信制御を行う。例えば、前記演奏評価手段102により所定の演奏曲を対象とする演奏評価が行われた場合、その演奏評価結果を評価対象である演奏曲の選曲番号及びその演奏を行った利用者(ログイン認証手段100により認証された利用者)の識別情報と共に、前記通信回線18を介して前記サーバ装置20へ送信する。そのようにして送信された情報は、そのサーバ装置20のSNSデータベース84において該当する利用者に対応する情報として記憶される。
【0030】
前記演奏評価結果統計手段106は、前記通信カラオケシステム10の利用者を母集団として、前記演奏評価手段102による演奏評価結果の統計を行う。具体的には、前記ログイン認証手段100により認証され得る複数の利用者(好適には、認証され得る利用者すなわちSNS会員全員)を母集団として、それら利用者の前記演奏評価手段102による演奏評価結果に基づく順位付け(ランキング)を行う。斯かる統計を行うために、偏差値算出手段108、累計回数係数算出手段110、評価時期係数算出手段112、来店頻度係数算出手段114、総演奏回数係数算出手段116、及び演奏曲種類係数算出手段118を含んでいる。前記演奏評価結果統計手段106は、好適には、上記偏差値算出手段108により算出される偏差値Si、累計回数係数算出手段110により算出される累計演奏回数係数Ci、評価時期係数算出手段112により算出される評価時期係数Ti、来店頻度係数算出手段114により算出される来店頻度係数Ff、総演奏回数係数算出手段116により算出される総演奏回数係数Nf、演奏曲種類係数算出手段116により算出される演奏曲種類係数Mu、及び対象となる利用者が過去に前記カラオケ装置16により演奏を行うと共に演奏評価を行った総演奏回数Nに基づき、次の(1)式に従って対象となる利用者の総合的な演奏評価である歌唱力SAを算出する。この(1)式におけるα、β、γは所定の定数である。以下、これらの制御機能を用いた前記演奏評価結果統計手段106による順位付け統計処理について説明する。
【0031】
SA=Σ(Si×Ci×Ti)/N+Ff×α+Nf×β+Mu×γ (1)
【0032】
偏差値算出手段108は、前記演奏評価手段102による演奏評価結果xiを、その評価対象である演奏曲の難易度に基づく偏差値Siに換算する。具体的には、評価対象である演奏曲のSNS会員による過去における演奏評価を前記SNSデータベース84から読み出し、その情報から平均値、及び対象となる演奏評価結果に基づく分散乃至は標準偏差を求め、その標準偏差からその演奏評価結果に対応する偏差値Siを求める。このようにして算出される偏差値Siは、前記演奏評価手段102による演奏評価結果に、評価対象である演奏曲のSNS会員全体の演奏評価結果に基づく難易度を反映するものであり、その難易度が高い曲ほど高い加重をもって各利用者の演奏評価結果に反映されるように定められる。すなわち、上記偏差値算出手段108は、換言すれば、前記演奏評価結果統計手段106による統計に関して、前記演奏評価手段102による評価結果に、その評価対象である演奏曲の演奏難易度を反映する補正を行うための計算を行うものである。
【0033】
累計回数係数算出手段110は、前記演奏評価手段102による評価対象である演奏曲の、前記ログイン認証手段100により認証され得る複数の利用者(好適には、認証され得る利用者全員)による累計演奏回数Kに基づいて累計演奏回数係数Ciを算出する。例えば、過去における評価対象である演奏曲のSNS会員による累積演奏回数(各利用者による演奏回数の総計)Kを前記SNSデータベース84から読み出し、その累積演奏回数Kに基づき、次の(2)式に従って累計演奏回数係数Ciを算出する。この(2)式に従って累計演奏回数係数Ciを算出する場合、累積演奏回数Kと累計演奏回数係数Ciとは図5に示すような対応関係を示す。この図5に示すような対応関係を予め算出して所定の記憶装置に記憶しておき、その関係を読み出して上記累計演奏回数係数Ciの導出を行うものであってもよい。また、累計演奏回数Kが極端に少ない演奏曲(例えばK<1である曲)については一律にCi=0としてもよい。このようにして算出される累計演奏回数係数Ciは、前記演奏評価手段102による演奏評価結果に、評価対象である演奏曲の、前記ログイン認証手段100により認証され得る複数の利用者による累積演奏回数Kを反映するものであり、その累積演奏回数Kが多い曲ほど高い加重をもって各利用者の演奏評価結果に反映されるように定められる。すなわち、前記累積回数算出手段110は、換言すれば、前記演奏評価結果統計手段106による統計に関して、前記演奏評価手段102による評価結果に、その評価対象である演奏曲の、前記ログイン認証手段100により認証され得る複数の利用者による累積演奏回数Kを反映する補正を行うための計算を行うものである。
【0034】
i=0.2×log10(K)+0.2 (2)
【0035】
評価時期係数算出手段112は、前記演奏評価手段102による演奏評価が行われた時期に基づいて評価時期係数Tiを算出する。例えば、予め定められた図6に示すような関係から、その時点における月(当月)と前記演奏評価手段102による演奏評価が行われた月(当月−n)との差に基づいて、前記評価時期係数Tiを導出する。また、その時点における月から所定期間例えば20ヶ月以上古い評価結果については一律にTi=0としてもよい。このようにして算出される評価時期係数Tiは、前記演奏評価手段102による演奏評価結果に、その演奏評価手段102による演奏評価が行われた時期すなわち時間的な開きを反映するものであり、その時間的な開きが小さいほど高い加重をもって各利用者の演奏評価結果に反映されるように定められる。すなわち、前記評価時期係数算出手段112は、換言すれば、前記演奏評価結果統計手段106による統計に関して、前記演奏評価手段102による評価結果に、その演奏評価が行われた時点と現在との時間的な開きを反映する補正を行うための計算を行うものである。
【0036】
来店頻度係数算出手段114は、前記演奏評価手段102による演奏評価に対応する利用者の来店頻度に基づいて来店頻度係数Ffを算出する。例えば、予め定められた図7に示すような関係から、前記SNSデータベース84から読み出される前記カラオケ装置16が設置された店舗12への来店履歴(来店回数W)に基づいて、前記来店頻度係数Ffを導出する。また、来店頻度が極端に低い利用者(例えばW<3である利用者)については一律にFf=0としてもよく、更には、そのように低い来店頻度では総合的な歌唱力ははかれないとして前記歌唱力SA自体を一律に0としてもよい。このようにして算出される来店頻度係数Ffは、前記演奏評価手段102による演奏評価結果に、その演奏評価に対応する利用者の過去における来店回数Wを加味するものであり、その来店回数Wが多いほど各利用者の演奏評価結果に高いボーナスポイントが加算されるように定められる。すなわち、前記来店頻度係数算出手段114は、換言すれば、前記演奏評価結果統計手段106による統計に関して、前記演奏評価手段102による評価結果に、その演奏評価に対応する利用者の来店頻度を反映する補正を行うための計算を行うものである。
【0037】
総演奏回数係数算出手段116は、前記演奏評価手段102による演奏評価に対応する利用者の総演奏回数Nに基づいて総演奏回数係数Nfを算出する。例えば、予め定められた図8に示すような関係から、前記SNSデータベース84から読み出される、その利用者が前記カラオケ装置16を用いて演奏を行うと共に演奏評価を行った総演奏回数Nに基づいて、前記総演奏回数係数Nfを導出する。また、総演奏回数Nが極端に少ない利用者(例えば<2である利用者)については一律にNf=0としてもよく、更には、1〜2曲では総合的な歌唱力ははかれないとして前記歌唱力SA自体を一律に0としてもよい。なお、上記総演奏回数Nは、その時点から所定期間内例えば過去5年以内のものに限定してもよい。このようにして算出される総演奏回数係数Nfは、前記演奏評価手段102による演奏評価結果に、その演奏評価に対応する利用者の過去における総演奏回数Nを加味するものであり、その総演奏回数Nが多いほど各利用者の演奏評価結果に高いボーナスポイントが加算されるように定められる。すなわち、前記総演奏回数係数算出手段116は、換言すれば、前記演奏評価結果統計手段106による統計に関して、前記演奏評価手段102による評価結果に、その演奏評価に対応する利用者の総演奏回数を反映する補正を行うための計算を行うものである。
【0038】
演奏曲種類係数算出手段118は、前記演奏評価手段102による演奏評価に対応する利用者の演奏履歴(選曲履歴)に基づいて演奏曲種類係数Muを算出する。例えば、その利用者の過去における演奏履歴を前記SNSデータベース84から読み出し、その演奏履歴における演奏曲の種類すなわちオリジナル曲の総数Noと総演奏回数Nとに基づき、次の(3)式に従って演奏曲種類係数Muを算出する。このようにして算出される演奏曲種類係数Muは、前記演奏評価手段102による演奏評価結果に、その演奏評価に対応する利用者が過去に演奏した演奏曲の種類すなわち重複して演奏したものではない演奏曲の比率(いかに種類の異なる曲を演奏しているか)を反映するものであり、重複して演奏したものではない演奏曲の比率が高いほど各利用者の演奏評価結果に高いボーナスポイントが加算されるように定められる。すなわち、前記演奏曲種類係数算出手段118は、換言すれば、前記演奏評価結果統計手段106による統計に関して、前記演奏評価手段102による評価結果に、その演奏評価に対応する利用者が過去に演奏した演奏曲の種類を反映する補正を行うための計算を行うものである。
【0039】
u=No/N (3)
【0040】
前記演奏評価結果統計手段106は、以上のようにして算出される偏差値Si、累計演奏回数係数Ci、評価時期係数Ti、来店頻度係数Ff、総演奏回数係数Nf、演奏曲種類係数Mu、及び総演奏回数Nから、前述した(1)式に従って利用者の総合的な演奏評価である歌唱力SAを算出する。このようにして算出される歌唱力SAは、評価対象である各演奏曲の難易度及びSNS会員による累計演奏回数、各演奏曲の演奏評価が行われた時期、演奏評価に対応する利用者の来店頻度、過去に演奏した総演奏回数、及び過去に演奏した演奏曲の種類を反映するものであり、各係数を適宜定めることにより、それぞれの利用者の実際の歌唱力に近い指標となり得るものである。この演奏評価結果統計手段106により統計された歌唱力SAは、対応する利用者毎に前記SNSデータベース84に記憶されると共に、そのSNSデータベース84に登録された全SNS会員を母集団として順位付け(ランキング)が行われ、全国うたランキングとして前記カラオケ装置16や電子早見本装置22、或いはパーソナルコンピュータや携帯電話機等の外部装置によって閲覧可能とされる。
【0041】
図9は、前記カラオケ装置16のCPU50によるログイン制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0042】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、前記電子早見本装置22やリモコン装置64等により利用者の識別情報(ID)及びパスワードが入力されたか否かが判断される。このSA1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA1の判断が肯定される場合には、SA2において、入力された識別情報に関連付けられて前記サーバ装置20のSNSデータベース84に記憶されたパスワードが入力されたものと一致するか否かそのサーバ装置20に照会が行われる。次に、SA3において、入力された識別情報に関連付けられて前記サーバ装置20のSNSデータベース84に記憶されたパスワードが入力されたものと一致したか否かが判断される。このSA3の判断が肯定される場合には、SA4において、入力された識別情報に係る利用者の認証が完了し、その利用者のログイン処理が行われた後、本ルーチンが終了させられるが、SA3の判断が否定される場合には、SA5において、前記電子早見本装置22や映像表示装置30等に所定のエラーメッセージが表示された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SA1乃至SA5が前記ログイン認証手段100の動作に対応する。
【0043】
図10は、前記カラオケ装置16のCPU50による演奏評価制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0044】
先ず、SB1において、演奏評価モードであるか否かが判断される。このSB1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SB1の判断が肯定される場合には、SB2において、所定の演奏曲の演奏開始タイミングであるか否かが判断される。このSB2の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SB2の判断が肯定される場合には、演奏開始に係る演奏曲のカラオケデータが前記カラオケデータベース86から読み出され、SB3において、その読み出されたカラオケデータ(MIDIデータ)に基づいて前記シンセサイザ38から所定の演奏音が出力される。また、その演奏音の出力と同期して上記カラオケデータに基づいて歌詞文字映像が生成され、前記映像出力制御部32により随時出力されて前記映像表示装置30に表示されると共に、その歌詞文字映像が順次色替りさせられる。次に、SB4において、音声入力装置である前記マイクロフォン40から入力されて前記A/Dコンバータ41によりディジタル信号に変換された音声情報と、演奏に係るMIDIデータとに基づいて演奏の評価が行われ、その評価結果が前記RAM54等に随時記憶される。次に、SB5において、演奏終了タイミングであるか否かが判断される。このSB5の判断が否定される場合には、SB3以下の処理が再び実行されるが、SB5の判断が肯定される場合には、SB6において、前記RAM54等に記憶された区分毎の演奏評価結果が読み出され、1曲を通しての演奏評価結果が算出される。次に、SB7において、SB6にて算出された演奏評価結果がその評価の対象である演奏曲の選曲番号及び利用者のユーザIDと共に前記サーバ装置20へ送信され、前記SNSデータベース84に各利用者毎に記憶された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SB4及びSB6が前記演奏評価手段102の動作に、SB7が前記情報送信制御手段104の動作にそれぞれ対応する。
【0045】
図11は、前記サーバ装置20のCPU66による演奏評価結果統計制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0046】
先ず、SC1において、所定のカラオケ装置16から新規に演奏評価結果の送信(アップロード)があったか否かが判断される。このSC1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SC1の判断が肯定される場合には、SC2において、アップロードされた演奏評価の対象である演奏曲の平均点が前記SNSデータベース84から読み出され、その平均点に基づいて演奏評価結果が偏差値に換算される。次に、SC3において、アップロードされた演奏評価及びその演奏評価に対応する利用者に関連して記憶された情報が前記SNSデータベース84から読み出され、それらの情報に基づいて各種係数が算出される。次に、SC4において、SC2にて算出された偏差値及びSC3にて算出された各種係数から利用者の総合的な歌唱力SAが算出される。次に、SC5において、SC4にて算出された総合的な歌唱力SAが前記SNSデータベース84にその利用者に対応する情報として記憶(更新)された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SC1乃至SC5が前記演奏評価結果統計手段106の動作に対応する。
【0047】
このように、本実施例によれば、所定の入力操作により入力される識別情報に応じて利用者を認証するログイン認証手段100(SA1乃至SA5)と、そのログイン認証手段100により認証される利用者毎に、その利用者が前記カラオケ装置16により演奏を行った総演奏回数Nを記憶する記憶装置としてのSNSデータベース84と、前記ログイン認証手段100により認証される利用者に対応して、予め定められた関係から音声入力装置であるマイクロフォン40により入力される音声情報に基づいて前記カラオケ装置16による演奏を評価する演奏評価手段102(SB4及びSB6)と、予め定められた関係から、前記演奏評価手段102による演奏評価結果と前記SNSデータベース84に記憶された各利用者毎の総演奏回数Nとに基づいて、前記ログイン認証手段100により認証され得る複数の利用者を母集団とする演奏評価結果の統計を行う演奏評価結果統計手段106(SC1乃至SC5)とを、備えたものであることから、前記カラオケ装置16を用いて行った各利用者毎の総演奏回数Nを加味して例えばその総演奏回数Nが少ないほど評価を低くするといったように演奏評価結果の統計を行うことで、その演奏評価結果を各利用者の実際の歌唱力に近づけることができる。すなわち、利用者の演奏意欲を促進させる各利用者毎の総合的な演奏評価を適切に行い得る通信カラオケシステム10を提供することができる。
【0048】
また、前記ログイン認証手段100により認証される利用者毎に、前記カラオケ装置16が設置された店舗12へのその利用者の来店頻度を記憶する記憶装置としてのSNSデータベース84を備え、前記演奏評価結果統計手段106は、予め定められた関係からそのSNSデータベース84に記憶された来店頻度に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものであるため、前記カラオケ装置16が設置された店舗12への来店頻度を加味して例えばその来店頻度が小さいほど評価を低くするといったように演奏評価結果の統計を行うことで、その演奏評価結果を各利用者の実際の歌唱力に近づけることができるという利点がある。
【0049】
また。前記演奏評価結果統計手段106は、予め定められた関係から前記演奏評価手段102による演奏評価が行われた時期に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものであるため、演奏評価が行われた時期を加味して例えば演奏評価が行われた時期が古いものほど低い加重をもって評価に反映させるといったように演奏評価結果の統計を行うことで、その演奏評価結果を各利用者の実際の歌唱力に近づけることができるという利点がある。
【0050】
また、前記ログイン認証手段100により認証される利用者毎に、その利用者が前記カラオケ装置16により演奏した演奏曲の履歴を記憶する記憶装置としてのSNSデータベース84を備え、前記演奏評価結果統計手段106は、予め定められた関係からそのSNSデータベース84に記憶された演奏曲の履歴に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものであるため、前記カラオケ装置16により演奏した演奏曲の履歴を加味して例えばその履歴に含まれる演奏曲の種類が多いほど評価を高くするといったように演奏評価結果の統計を行うことで、その演奏評価結果を各利用者の実際の歌唱力に近づけることができるという利点がある。
【0051】
また、前記演奏評価結果統計手段106は、予め定められた関係から前記演奏評価手段102による評価対象である演奏曲の演奏難易度に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものであるため、評価対象である演奏曲の演奏難易度を加味して例えば難易度が高い演奏曲ほど高い加重をもって評価に反映させるといったように演奏評価結果の統計を行うことで、その演奏評価結果を各利用者の実際の歌唱力に近づけることができるという利点がある。
【0052】
また、前記演奏評価結果統計手段106は、予め定められた関係から、前記演奏評価手段102による評価対象である演奏曲の、前記ログイン認証手段100により認証され得る複数の利用者による累計演奏回数に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものであるため、評価対象である演奏曲の広域的な累計演奏回数を加味して例えばその累計演奏回数が多い演奏曲ほど高い加重をもって評価に反映させるといったように演奏評価結果の統計を行うことで、その演奏評価結果を各利用者の実際の歌唱力に近づけることができるという利点がある。
【0053】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0054】
例えば、前述の実施例において、前記ログイン認証手段100、演奏評価手段102、及び情報送信制御手段104は、前記カラオケ装置16のCPU50に、前記演奏評価結果統計手段106は、前記サーバ装置20のCPU66にそれぞれ機能的に備えられたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの制御機能は前記カラオケ装置16及びサーバ装置20の何れに備えられたものであってもよい。例えば、前記ログイン認証手段100が前記サーバ装置20のCPU66に機能的に備えられ、そのサーバ装置20側でユーザのログイン認証を行うものであってもよい。また、前記演奏評価結果統計手段106の一部例えば偏差値算出手段108の動作に対応する部分が前記カラオケ装置16に備えられ、そのカラオケ装置16側で前述した演奏評価結果統計制御の一部を行うものであってもよい。或いは、それら制御機能の一部が前記カラオケ装置16ともサーバ装置20とも異なる別の制御装置、例えば前記電子早見本装置22等に設けられたものであっても構わない。
【0055】
また、前述の実施例において、前記演奏評価結果統計手段106は、演奏評価結果に基づいて算出される偏差値Si、累計演奏回数係数Ci、評価時期係数Ti、来店頻度係数Ff、総演奏回数係数Nf、演奏曲種類係数Mu、及び総演奏回数Nから、前述した(1)式に従って利用者の総合的な演奏評価である歌唱力SAを算出するものであったが、これはあくまで統計の一例に過ぎず、本実施例とは別の数式或いは関係から各利用者の総合的な演奏評価結果を導出するものであってもよい。更には、前述の実施例における算出に用いられた偏差値Si、累計演奏回数係数Ci、評価時期係数Ti、来店頻度係数Ff、総演奏回数係数Nf、演奏曲種類係数Mu、及び総演奏回数Nのうち一部の要素を用いずに斯かる統計を行うものであってもよいことは言うまでもない。
【0056】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施例である通信カラオケシステムを説明する概略図である。
【図2】図1の通信カラオケシステムに備えられたカラオケ装置の構成を例示するブロック線図である。
【図3】図1の通信カラオケシステムに備えられたサーバ装置の構成を例示するブロック線図である。
【図4】図2のカラオケ装置のCPU及び図3のサーバ装置のCPUに備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図5】図3のサーバ装置のCPUによる演奏評価結果の統計において累計演奏回数係数を導出するために予め定められた関係を例示する図である。
【図6】図3のサーバ装置のCPUによる演奏評価結果の統計において評価時期係数を導出するために予め定められた関係を例示する図である。
【図7】図3のサーバ装置のCPUによる演奏評価結果の統計において来店頻度係数を導出するために予め定められた関係を例示する図である。
【図8】図3のサーバ装置のCPUによる演奏評価結果の統計において総演奏回数係数を導出するために予め定められた関係を例示する図である。
【図9】図2のカラオケ装置のCPUによるログイン制御の要部を説明するフローチャートである。
【図10】図2のカラオケ装置のCPUによる演奏評価制御の要部を説明するフローチャートである。
【図11】図3のサーバ装置のCPUによる演奏評価結果統計制御の要部を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10:通信カラオケシステム
12:店舗
16:カラオケ装置
18:通信回線
20:サーバ装置
40:マイクロフォン(音声入力装置)
84:SNSデータベース(記憶装置)
100:ログイン認証手段
102:演奏評価手段
106:演奏評価結果統計手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させる複数のカラオケ装置と、所定の通信回線を介して前記複数のカラオケ装置との間で情報の送受信を行うサーバ装置とを、備えた通信カラオケシステムであって、
所定の入力操作により入力される識別情報に応じて利用者を認証する認証手段と、
該認証手段により認証される利用者毎に、該利用者が前記カラオケ装置により演奏を行った総演奏回数を記憶する記憶装置と、
前記認証手段により認証される利用者に対応して、予め定められた関係から所定の音声入力装置により入力される音声情報に基づいて前記カラオケ装置による演奏を評価する演奏評価手段と、
予め定められた関係から、前記演奏評価手段による演奏評価結果と前記記憶装置に記憶された各利用者毎の総演奏回数とに基づいて、前記認証手段により認証され得る複数の利用者を母集団とする演奏評価結果の統計を行う演奏評価結果統計手段と
を、備えたものであることを特徴とする通信カラオケシステム。
【請求項2】
前記認証手段により認証される利用者毎に、前記カラオケ装置が設置された店舗への該利用者の来店頻度を記憶する記憶装置を備え、前記演奏評価結果統計手段は、予め定められた関係から該記憶装置に記憶された来店頻度に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものである請求項1の通信カラオケシステム。
【請求項3】
前記演奏評価結果統計手段は、予め定められた関係から前記演奏評価手段による演奏評価が行われた時期に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものである請求項1又は2の通信カラオケシステム。
【請求項4】
前記認証手段により認証される利用者毎に、該利用者が前記カラオケ装置により演奏した演奏曲の履歴を記憶する記憶装置を備え、前記演奏評価結果統計手段は、予め定められた関係から該記憶装置に記憶された演奏曲の履歴に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものである請求項1から3の何れかの通信カラオケシステム。
【請求項5】
前記演奏評価結果統計手段は、予め定められた関係から前記演奏評価手段による評価対象である演奏曲の演奏難易度に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものである請求項1から4の何れかの通信カラオケシステム。
【請求項6】
前記演奏評価結果統計手段は、予め定められた関係から、前記演奏評価手段による評価対象である演奏曲の、前記認証手段により認証され得る複数の利用者による累計演奏回数に基づいて前記演奏評価結果の統計を行うものである請求項1から5の何れかの通信カラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−242045(P2008−242045A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−81956(P2007−81956)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】