説明

通信カラオケ管理システム

【課題】通信カラオケ端末での利用者の歌唱に対する歌唱採点に応じて所定の対応表示をさせる通信カラオケ管理システムに関し、歌唱後の歌唱採点に基づいて特別な歌唱評価への次段階の利用形態を提唱して利用喚起を図る。
【解決手段】所定の通信カラオケ端末より送られてきた所定利用者による歌唱採点に基づいて、ランキング演算手段で他の利用者との順位を演算し、誘導表示判断手段において予め設定された順位によってオーディションまたは歌唱検定の対象とさせるか否かを判断し、ファイルデータ転送手段が例えばオーディションの対象とされたときに、対応の通信カラオケ端末において、当該特別な歌唱評価を当該利用者に選択させるための誘導表示を含めたファイル表示をさせるためのファイルデータを当該通信カラオケ端末に転送する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信カラオケ端末での利用者の歌唱に対する歌唱採点に応じて所定の対応表示をさせる通信カラオケ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信カラオケの施設が全国的に広がりを見せ、記憶技術や記録技術の発展、また通信技術の発展により利用者に対して種々のサービスを提供することができるようになってきている。例えば、利用者の歌唱に対する歌唱力の判定も通信カラオケの利用を喚起させるサービスとして広がりを見せている。一方で通信カラオケの利用拡大を図るために遊び方等の提唱も望まれる。
【0003】
従来、通信カラオケを利用する利用者に対するサービスして、例えば歌唱力の判定、歌唱力に応じた級段位を認定する歌唱検定やプロフェッショナルへの道を開くオーディション等がある。例えば、オーディション機能を備えて利用者にその種のサービスを提供することが以下の特許文献等で提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10-26993号公報
【特許文献2】特開2000−231392号公報
【0005】
上記特許文献1では、オーディション機能を備えるカラオケ装置として、カラオケ採点装置により利用者の歌唱による音声信号を用いて採点を行い、当該採点に応じて複数の能力段階に分類し、分類された能力段階の名称を表示させることが提案されている。また、上記特許文献2では、オーディション機能を備えた通信カラオケシステムとして、オーディション用サーバを備えるデータベースと端末とが通信回路網で接続され、端末において録音された歌唱データをオーディション用サーバに送信し、当該サーバ側で審査員が審査して評価格付けを行い、端末側に配信することが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、通信カラオケの利用者が上記のようなオーディション機能や歌唱検定を利用する場合には、当該通信カラオケ装置でこれらを選択した後に歌唱を行うもので、利用者にとっては緊張等により実力を発揮できない場合が多く、当該オーディション機能や歌唱検定の利用頻度を低下させているという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、歌唱後の歌唱採点に基づいて特別な歌唱評価への次段階の利用形態を提唱して利用喚起を図る通信カラオケ管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、利用者による歌唱を採点する歌唱採点手段を備える所定数の通信カラオケ端末と通信ネットワークを介して接続するための通信手段を備え、特別な歌唱評価を行うための利用者の歌唱データを保持する手段を備える通信カラオケ管理システムであって、前記通信カラオケ端末の各利用者の所定情報および登録者IDを各利用者毎に格納する第1格納手段と、前記通信カラオケ端末の各利用者の歌唱採点に基づく各利用者間の順位を、当該利用者の所定情報と共にランキングデータとして格納する第2格納手段と、所定の前記通信カラオケ端末より送られてきた所定の利用者による前記登録者IDおよび歌唱採点に基づいて、他の利用者の歌唱採点と比較して順位を演算するランキング演算手段と、前記所定の特別な歌唱評価の対象とさせるための基準条件が予め設定され、所定の前記通信カラオケ端末より送られてきた所定の利用者による歌唱採点および前記ランキング演算手段で演算された順位の少なくとも一方に基づいて上記基準条件と比較して上記特別な歌唱評価の対象とさせるか否かを判断する誘導表示判断手段と、前記誘導表示手段で前記所定の特別な歌唱評価の対象とされたときに、対応の前記通信カラオケ端末において、当該特別な歌唱評価を当該利用者に選択させるための誘導表示を含めたファイル表示をさせるためのファイルデータを当該通信カラオケ端末に転送するためのファイルデータ転送手段と、を有する構成とする。
【0009】
請求項2〜5の発明では、「前記特別な歌唱評価は、少なくともオーディションを含み、当該オーディションおよび歌唱検定である」構成であり、
「前記第1格納手段が少なくとも前記所定の特別な歌唱評価の対象とさせるための付加条件を格納し、前記誘導表示判断手段において前記所定の特別な歌唱評価の対象とさせるための基準条件および付加条件が予め設定され、所定の前記通信カラオケ端末より送られてきた所定の利用者による歌唱採点および前記ランキング演算手段で演算された順位の少なくとも一方に基づいて上記基準条件と比較し、前記登録者IDに基づいて前記第1格納手段から抽出した上記条件を参照して上記特別な歌唱評価の対象とさせるか否かを判断する」構成であり、
「前記誘導表示判断手段は、前記ランキング演算手段で演算された順位および歌唱採点の少なくとも一方を基準条件とし、当該基準条件を満たし、かつ前記付加条件に合致した場合にオーディションに誘導する誘導表示を含めたファイル表示をさせるためのファイルデータを前記ファイルデータ転送手段より転送させる」構成であり、
「前記誘導表示判断手段は、前記ランキング演算手段で演算された順位および歌唱採点を基準条件とし、当該基準条件を満たし、かつ前記付加条件に合致しなかった場合に前記歌唱検定に誘導する誘導表示を含めたファイル表示をさせるためのファイルデータを前記ファイルデータ転送手段より転送させる」構成である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所定の通信カラオケ端末より送られてきた所定の利用者による登録者IDおよび歌唱採点に基づいて、他の利用者の歌唱採点と比較して順位を演算し、所定の特別な歌唱評価の対象とさせるための基準条件が予め設定されて上記歌唱採点および演算された順位に基づいて上記基準条件と比較して上記特別な歌唱評価の対象とさせるか否かを判断し、所定の特別な歌唱評価の対象とされたときに、対応の前記通信カラオケ端末において、当該特別な歌唱評価を当該利用者に選択させるための誘導表示を含めたファイル表示をさせるためのファイルデータを当該通信カラオケ端末に転送する構成とすることにより、歌唱後の歌唱採点に基づいてオーディション等の特別な歌唱評価への利用形態を提唱することができ、利用喚起を図ることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の最良の実施形態を図により説明する。
図1に、本発明に係る通信カラオケ管理サーバのネットワーク接続状況の模式図を示す。通信カラオケ管理システムとしての通信カラオケ管理サーバ11は、歌唱採点手段を備える所定数の通信カラオケ端末を、登録利用者と共に通信ネットワークを介して管理するシステムとして、一般公衆電話回線やこれを用いたADSLあるいはインターネット、さらには、LANなどの通信ネットワーク12上に接続される。上記通信ネットワーク12上には、利用者による歌唱を採点する歌唱採点手段を備える所定数の通信カラオケ端末13(13A〜13N)が接続されるもので、例えば、カラオケ演奏装置で使用されるディスプレイ付きリモコン装置等の遠隔入出力装置14(14A〜14N)がそれぞれ備えられる。
【0012】
そこで、図2に本発明に係る通信カラオケ管理サーバのブロック構成図を示すと共に、図3に図2の登録者DBおよびランキングDBに記憶されるデータ内容の一例の説明図を示す。図2において、通信カラオケ管理サーバ11は、適宜、制御手段21、バス22、通信手段23、RAM24、設定手段25、ランキング演算手段26、誘導表示判断手段27、ファイルデータ転送手段28、DB管理手段29、第1格納手段である登録者DB(データベース)30、第2格納手段であるランキングDB31および評価対象DB31を備える。なお、上記DB管理手段29、登録者DB30、ランキングDB31および評価対象DB32は、当該サーバ内ではなく外部のDBサーバまたは外部記憶装置として、全部または個別に設置される構成としてもよい。
【0013】
ここで、上記登録者DB30は、通信カラオケ端末13(13A〜13N)の各利用者が例えば会員として予め所定情報を格納しておくもので、その所定情報としては、例えば、図3(A)に示すように、登録者ID、氏名、セカンドネーム、郵便番号、住所、電話、年齢、性別が含まれ、適宜、登録者の顔写真等のイメージファイル名が関連づけられている。当該各イメージファイルは、図示しないが、当該登録者DB30に設けられたフォルダに格納される。
【0014】
上記ランキングDB31は、後述のランキング演算手段26で演算された各利用者のランキングの情報を格納するもので、ランキングの順位等によって随時更新されるものである。例えば、図3(B)に示すように、登録者ID、セカンドネーム、歌唱採点、楽曲コードおよびイメージが関連付けられて各利用者の歌唱採点による順位が付された情報である。また、上記評価対象DB32は、例えばオーディションまたは歌唱検定を選択した利用者の歌唱音声データを格納するもので、歌唱された通信カラオケ端末13(13A〜13N)より通信ネットワーク12を介して送信されてきたものである。そして、これら登録者DB30、ランキングDB31および評価対象DB32に対して、情報の更新、閲覧(抽出)等が上記DB管理手段29で管理されるものである。
【0015】
上記制御手段21は、このシステムを統括的に制御するもので、例えば物理的なCPUに制御のためのプログラムが格納され、当該プログラムはRAM24等に展開されて実行される。上記通信手段23は、通信ネットワーク12上の通信カラオケ端末13およびその遠隔入出力装置14との間で定められた通信プロトコルによって通信を行うためのもので、当該通信ネットワーク12の通信方式と整合性をとるための例えば物理的な通信用回路やプラットフォーム等のソフトウエアにより構成される。上記RAM24は、種々のプログラムを展開、実行させるための作業領域としての役割をするものであり、例えば半導体メモリで構成され、仮想的にハードディスク上に構築される場合をも含む概念である。
【0016】
上記設定手段25は、所定の特別な歌唱評価としてのオーディションおよび歌唱検定の対象とさせるための基準条件およびオーディションへの参加のための付加条件を、図示しない入力手段等により予め設定させるためのもので、そのためのプログラムがRAM25に展開されて実行される。ここでは、上記基準条件として後述のランキング演算手段26で演算された所定順位以内(例えば10位以内)とし、上記条件として所定年齢範囲(例えば15才〜25才)とする。なお、上記基準条件を歌唱採点に対する所定得点以上(例えば90点以上)としてもよく、上記条件を年齢の他に地域、性別として適宜これらを組み合わせたものとしてもよい。
【0017】
上記ランキング演算手段26は、所定の通信カラオケ端末13(13A〜13N)より送られてきた所定の利用者による登録者IDおよび歌唱採点で、ランキングDB31に格納されているランキングに基づいて他の利用者の歌唱採点と比較して順位を演算するもので、そのためのプログラムがRAM24に展開されて実行される。
【0018】
上記誘導表示判断手段27は、上記設定手段25で予め設定されオーディションまたは歌唱検定の対象とさせるための基準条件(順位)および付加条件(年齢)に基づいて、所定の通信カラオケ端末13(13A〜13N)より送られてきた所定の利用者による歌唱採点および上記ランキング演算手段26で演算された順位に基づいて上記基準条件の順位と比較し、また登録者IDに基づいて登録者DB30から抽出した上記条件の年齢を参照してオーディションまたは歌唱検定の対象とさせるか否かを判断するもので、そのためのプログラムがRAM24に展開されて実行される。
【0019】
そして、上記ファイルデータ転送手段28は、登録者IDおよび歌唱採点を送ってきた対応の通信カラオケ端末13(13A〜13N)に表示させてオーディションまたは歌唱検定を当該利用者に選択させるために必要なファイル表示のためのファイルデータを転送するための手段であって、誘導表示判断手段27でオーディションまたは歌唱検定の対象とされたときに、本実施例では、上記ランキング演算手段26で演算された順位を含め、当該通信カラオケ端末への誘導表示のためのファイルデータを転送するもので、そのためのプログラムがRAM25に展開されて実行される。なお、送られてきた歌唱採点がオーディションまたは歌唱検定の何れにも該当しない場合には、ランキング演算手段16で演算した順位だけに基づいてファイル表示をする。
【0020】
ここで、図4に、図1の通信カラオケ端末のブロック構成図を示す。図4に示す通信カラオケ端末13(13〜13N)は、少なくとも、利用者による歌唱を採点する歌唱採点手段を備えるものとして、制御手段41、バス42、RAM43、記憶手段44、歌唱採点手段45、映像出力手段46、表示手段47、操作制御手段48、音声入力手段49、マイク50、音楽曲出力手段51、スピーカ52、表示ファイル作成手段53、送信ファイル作成手段54、カード読取手段55、送受信手段56および通信手段57を適宜備える。
【0021】
上記制御手段41は、このシステムを統括的に制御するもので、例えば物理的なCPUに制御のためのプログラムが格納され、当該プログラムはRAM43等に展開されて実行される。当該RAM43は、種々のプログラムを展開、実行させるための作業領域としての役割をするものであり、例えば半導体メモリで構成され、仮想的にハードディスク上に構築される場合をも含む概念である。
【0022】
上記記憶手段44は、例えばハードディスク(HDD)等の記憶装置であり、楽曲元データ(ファイル)61、楽曲コード(テーブル)62、映像データ(ファイル)63、登録者ID(メモリ)64、採点ログ(ファイル)65および歌唱音声データ(メモリ)66を備える。楽曲元データ(ファイル)61は、楽曲コード62毎にデジタル的な楽曲データを保存するもので、当該楽曲(ファイル)コード61は楽曲コードと楽曲名が関連付けられている。映像データ(ファイル)63は、楽曲(コード)に対応した背景等の映像データを保存する。登録者ID(メモリ)64は、利用者の保持する後述のICカード71より読み取った当該利用者の登録者IDを一旦記憶する。採点ログ(ファイル)65は、歌唱採点手段45で採点した結果を当該登録者IDに紐付けして歌唱毎に順次記憶する。そして、歌唱音声データ(メモリ)66は、利用者の歌唱した歌唱音声データを当該登録者IDおよび楽曲コードと共に一旦記憶し、当該利用者が歌唱後にオーディションまたは歌唱検定を選択したときに、通信カラオケ管理サーバ11に送信されるもので、次曲が選択されるまで保持する(図7で説明する)。
【0023】
上記歌唱採点手段45は、例えば採点テーブルを備え、選択された楽曲元データに基づいて音楽曲出力手段51でデジタル再生された楽曲の主旋律のピッチ基準条件と、マイク52より入力されてくる歌唱データをデジタル変換したデジタル歌唱データから抽出した歌唱ピッチとを上記採点テーブルを参照して比較し、これを例えば1小節ごとの区間毎の比較した結果の得点として例えば平均することにより採点結果とするもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。
【0024】
上記映像出力手段46は、遠隔入出力装置14に種々の表示をさせるための映像を出力すると共に、選択された楽曲コードに対応した映像データを当該楽曲に同期させて表示手段47に出力するもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。遠隔入出力装置15はGUI機能を付帯し、例えば液晶ディスプレイ(LCD)とタッチセンサとを積層した入出力用の利用者インタフェイスが搭載され、当該タッチセンサにより楽曲の選択などのデータを入力することができるものである。そして、操作制御手段48は、当該タッチセンサからの入力データを制御するもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。
【0025】
上記音声入力手段49は、マイク50からのアナログ音声データをA/Dコンバータ(図示省略)を介してデジタル変換する処理を主体とし、上記音楽曲出力手段51は、記憶手段44より選択された楽曲の楽曲元データ61をデジタル再生してアナログ変換すると共に、上記マイク50からのデジタル音声データをアナログ変換し、ミキシングしてスピーカ52に出力する。
【0026】
上記表示ファイル作成手段53は、通信カラオケ端末13やその付帯する遠隔入出力装置14において、利用者の選曲、歌唱採点等を表示手段47に表示させるためのファイルや、通信カラオケ管理サーバ11からの表示ファイルおよびコマンドに応じたファイル表示をするためのファイルデータを転送するもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。上記送信ファイル作成手段54は、通信カラオケ管理サーバ11に対して利用者(登録者)に関する所定の情報を送信する際に送信ファイルを作成するもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。
【0027】
上記カード読取手段55は、登録者である利用者が所持する非接触型のICカード(利用者カード)71を読み取る装置であり、少なくとも利用者の登録者IDを読み取る。上記送受信手段56は、遠隔入出力装置14との間で有線方式ないし無線方式(ブルートゥース機構のピコネット接続方式)を利用してデータ授受を行うためのもので、そのための回路基板およびプログラムを備える。当該遠隔入出力装置14は当該通信カラオケ端末13に対して種々の操作および表示が可能であり、上記操作制御手段48によって当該操作信号が制御される。
【0028】
そして、上記通信手段57は、通信ネットワーク12上の通信カラオケ管理サーバ11との間で定められた通信プロトコルによって通信を行うためのもので、当該通信ネットワーク12の通信方式と整合性をとるための例えば物理的な通信用回路やプラットフォーム等のソフトウエアにより構成されるものである。
【0029】
そこで、図5に、図4の通信カラオケ端末における処理フローチャートを示す。図5において、まず通信カラオケ端末13では、利用者が所持するICカード71がカード読取手段55にセットされると、当該ICカード71より登録者IDを読み取り、記憶手段44のメモリ64に一旦記憶する(ステップ(S)1)。
【0030】
上記表示手段47および遠隔入出力装置14には、利用者が、例えば遠隔入出力装置14より選択、指定した楽曲コードが入力されると、当該楽曲コードに応じた楽曲元データを記憶手段44のテーブル62を参照してファイル61より抽出すると共に、映像データをファイル63より抽出し、映像データに基づいて映像出力手段46が表示手段47に表示させると共に、楽曲元データに基づいて音楽曲出力手段51がスピーカ52より再生させる(S2)。
【0031】
当該楽曲を利用者により歌唱されている際に、歌唱音声データが音声入力手段49を介して歌唱採点手段45に随時入力されると共に、当該歌唱音声データを随時記憶手段44のメモリ66に記憶していく(S3)。なお、メモリ66に記憶されている歌唱音声データは次曲が選択されるまで保持される。歌唱採点手段45では、上述のように、入力される歌唱信号に基づいて採点処理を行い(S4)、歌唱終了後に(S5)、最終的な採点処理を行う。当該採点処理の採点結果を映像出力手段46が表示手段47ないし遠隔入出力装置15が付帯するLCD上に表示させると共に、記憶手段44のファイル(採点ログ)65を更新する(S6)。そして、一旦記憶した当該利用者の登録者ID、歌唱した楽曲コードおよび採点結果に基づいて送信ファイル作成手段54が送信ファイルを作成して通信カラオケ管理サーバ11に送信するものである(S7)。
【0032】
続いて、図6に、図2の通信カラオケ管理システムにおける処理フローチャートを示す。なお、通信カラオケ管理システムとしての通信カラオケ管理サーバ11では、上述のように、設定手段25により上記基準条件をランキング演算手段26で演算された所定順位以内(10位以内)とし、上記条件を所定年齢範囲(15才〜25才)として説明する。
【0033】
図6において、まず、通信ネットワーク12を介して所定の通信カラオケ端末13より、利用者の登録者ID、楽曲コードおよび採点結果の送信ファイルを受信すると(S11)、制御手段21の制御により受信した登録者IDに基づいて登録者DB30よりセカンドネームおよびイメージファイルを抽出し、楽曲コードおよび採点結果を含めてランキングDB31に記録する(S12)。
【0034】
そこで、ランキング演算手段26が、ランキングDB31に記憶された当該利用者の歌唱採点に基づいて、他の登録者の歌唱採点と比較して当該登録者IDの順位を演算する(S13)。また、当該登録者IDの順位と上記設定された基準条件の順位を比較し(S14)、当該基準条件(順位)を満たしていなければ(S15)、ファイルデータ転送手段28が当該登録者IDの順位およびランキングDB31より抽出した上位3位までのリストのデータを含めたファイル表示をする(S16)。
【0035】
一方、基準条件(順位)を満たしていれば(S15)、誘導表示判断手段27が、当該登録者IDの登録者の年齢を、登録者DB30を参照してオーディションの条件(年齢15才〜25才)に合致しているか否かを判断する(S17)。合致していれば、ファイルデータ転送手段28が、当該登録者IDの順位およびランキングDB31より抽出した上位3位までのリストのデータと共に、オーディション誘導表示をさせるコマンドを含めたファイル表示をさせるためのファイルデータを作成する(S18)。
【0036】
また、合致していなければ、ファイルデータ転送手段28が、当該登録者IDの順位およびランキングDB31より抽出した上位3位までのリストのデータと共に、歌唱検定誘導表示をさせるコマンドを含めたファイル表示をさせるためのファイルデータを作成する(S19)。そして、作成された上記何れかのファイル表示をさせるためのファイルデータを対応の通信カラオケ端末13(13A〜13N)に転送する(20)。
【0037】
続いて、図7に表示ファイル受信による通信カラオケ端末における処理フローチャートを示すと共に、図8に通信カラオケ端末上での表示形態の一例の説明図を示す。図7において、通信カラオケ端末13(13A〜13N)では、通信カラオケ管理サーバ11より上記ファイルデータを受信すると(S21)、表示ファイル作成手段53は、当該表示ファイルが誘導表示でないときには(S22)、図8(A)に示すように、登録者IDのイメージ81、セカンドネーム82、総合得点83、順位84および上位3位までのリスト85を含めたファイル表示をする(S23)。
【0038】
一方、表示ファイル作成手段53において、受信したファイルデータが誘導表示の場合には(S22)、オーディションに誘導するかが判別される(S24)。そして、オーディション誘導の場合には、図8(B)に示すように、当該登録者IDのイメージ81、セカンドネーム82、順位84及び上位3位までのリスト85と共に、オーディション誘導表示(「オーディションにチャレンジ!!」)86およびチャレンジボタン87を含めたファイル表示をする(S25)。このとき「総合得点」と「オーディションにチャレンジ!!」との表示を交互にさせる。
【0039】
また、歌唱検定誘導の場合には(S24)、図8(C)に示すように、当該登録者IDのイメージ81、セカンドネーム82、順位84及び上位3位までのリスト85と共に、歌唱検定誘導表示(「歌唱検定にチャレンジ!!」)88およびチャレンジボタン87を含めたファイル表示をする(S26)。このとき、「総合得点」と「歌唱検定にチャレンジ!!」との表示を交互にさせる。そして、上記作成された何れかの表示ファイルを表示手段47上に表示させるものである(S27)。
【0040】
そこで、図8(B)、(C)のオーディション誘導表示または歌唱検定誘導表示において(S28)、オーディション参加または歌唱検定参加のチャレンジボタン87が選択されると(S29)、送信ファイル作成手段54が記憶手段44の歌唱音声データ66に記憶されている当該利用者の歌唱音声データを送信する送信ファイルを作成して通信カラオケ管理サーバ11に送信する(S30)。これにより、利用者はオーディションまたは歌唱検定のために再度歌唱する必要がなく、そのための緊張感を伴わずに歌唱させることができるものである。また、上記表示がS23のように誘導表示でなく(S28)、またチャレンジボタン87が選択されずに他が選曲された場合には(S29)、終了する。
【0041】
そして、通信カラオケ管理サーバ11では、当該利用者(登録者ID)の歌唱音声データを受信すると、評価対象DB32に格納しておき、オーディションまたは歌唱検定に供するものである。
【0042】
このように、利用者にとってオーディションや歌唱検定等を意識させずに歌唱させ、歌唱後の歌唱採点に基づいてオーディションや歌唱検定等の特別な歌唱評価への利用形態を提唱することができ、これによって利用喚起を図ることができるものである。
【0043】
なお、上記実施形態では、オーディションと歌唱検定の何れかに誘導する表示を行わせる場合を示したが、オーディションのみに誘導するか否かとすることとしてもよい。また、オーディションに誘導するか否かを基準条件および付加条件で判断することととしたが、基準条件だけで行ってもよく、またオーディションは順位を基準とし、歌唱検定は歌唱採点を基準とすることとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の通信カラオケ管理システムは、歌唱採点手段を備える所定数の通信カラオケ端末を、登録利用者の情報と共に通信ネットワークを介して管理するシステムに適する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る通信カラオケ管理システムのネットワーク接続状況の模式図である。
【図2】本発明に係る通信カラオケ管理システムのブロック構成図である。
【図3】図2の会員DBおよびランキングDBに記憶されるデータ内容の一例を示した説明図である。
【図4】図1の通信カラオケ端末のブロック構成図である。
【図5】図4の通信カラオケ端末における処理フローチャートである。
【図6】図2の通信カラオケ管理システムにおける処理フローチャートである。
【図7】表示ファイル受信による通信カラオケ端末における処理フローチャートである。
【図8】通信カラオケ端末上での表示形態の一例の説明図である。
【符号の説明】
【0046】
11 通信カラオケ管理サーバ
12 通信ネットワーク
13 通信カラオケ端末
14 遠隔入出力装置
26 ランキング処理手段
27 誘導表示判断手段
30 登録者DB
31 ランキングDB
45 歌唱採点手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者による歌唱を採点する歌唱採点手段を備える所定数の通信カラオケ端末と通信ネットワークを介して接続するための通信手段を備え、特別な歌唱評価を行うための利用者の歌唱データを保持する手段を備える通信カラオケ管理システムであって、
前記通信カラオケ端末の各利用者の所定情報および登録者IDを各利用者毎に格納する第1格納手段と、
前記通信カラオケ端末の各利用者の歌唱採点に基づく各利用者間の順位を、当該利用者の所定情報と共にランキングデータとして格納する第2格納手段と、
所定の前記通信カラオケ端末より送られてきた所定の利用者による前記登録者IDおよび歌唱採点に基づいて、他の利用者の歌唱採点と比較して順位を演算するランキング演算手段と、
前記所定の特別な歌唱評価の対象とさせるための基準条件が予め設定され、所定の前記通信カラオケ端末より送られてきた所定の利用者による歌唱採点および前記ランキング演算手段で演算された順位の少なくとも一方に基づいて上記基準条件と比較して上記特別な歌唱評価の対象とさせるか否かを判断する誘導表示判断手段と、
前記誘導表示判断手段で前記所定の特別な歌唱評価の対象とされたときに、対応の前記通信カラオケ端末において、当該特別な歌唱評価を当該利用者に選択させるための誘導表示を含めたファイル表示をさせるためのファイルデータを当該通信カラオケ端末に転送するためのファイルデータ転送手段と、
を有することを特徴とする通信カラオケ管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の通信カラオケ管理システムであって、前記特別な歌唱評価は、少なくともオーディションを含み、当該オーディションおよび歌唱検定であることを特徴とする通信カラオケ管理システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の通信カラオケ管理システムであって、前記第1格納手段が少なくとも前記所定の特別な歌唱評価の対象とさせるための付加条件を格納し、前記誘導表示判断手段において前記所定の特別な歌唱評価の対象とさせるための基準条件および付加条件が予め設定され、所定の前記通信カラオケ端末より送られてきた所定の利用者による歌唱採点および前記ランキング演算手段で演算された順位の少なくとも一方に基づいて上記基準条件と比較し、前記登録者IDに基づいて前記第1格納手段から抽出した上記条件を参照して上記特別な歌唱評価の対象とさせるか否かを判断することを特徴とする通信カラオケ管理システム。
【請求項4】
請求項2または3記載の通信カラオケ管理システムであって、前記誘導表示判断手段は、前記ランキング演算手段で演算された順位および歌唱採点の少なくとも一方を基準条件とし、当該基準条件を満たし、かつ前記付加条件に合致した場合にオーディションに誘導する誘導表示を含めたファイル表示をさせるためのファイルデータを前記ファイルデータ転送手段より転送させることを特徴とする通信カラオケ管理システム。
【請求項5】
請求項2または3記載の通信カラオケ管理システムであって、前記誘導表示判断手段は、前記ランキング演算手段で演算された順位および歌唱採点の少なくとも一方を基準条件とし、当該基準条件を満たし、かつ前記付加条件に合致しなかった場合に前記歌唱検定に誘導する誘導表示を含めたファイル表示をさせるためのファイルデータを前記ファイルデータ転送手段より転送させることを特徴とする通信カラオケ管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−11236(P2006−11236A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191212(P2004−191212)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】