説明

通信システム、読み書き装置、読み書き方法、及び読み書きプログラム

【課題】複数のメモリ領域を有するICチップと読み書き装置との間で、効率よくデータ通信を行う。
【解決手段】携帯情報端末20が有するICチップ及び読み書き装置の間で非接触にデータ通信を行う通信システムであって、ICチップは、送信データ或いは受信データを格納する複数のデータ格納部と、読み書き装置との間でデータ通信を行う端末側通信部とを有し、携帯情報端末は、送信データの生成、または、受信データの処理を行う端末側データ処理部を更に有し、読み書き装置は、複数のデータ格納部の何れかを選択する選択部と、選択されたデータ格納部を用いてデータ通信を行う装置側通信部と、直前に用いられたデータ格納部を識別する情報を保持する格納部識別情報保持部とを有し、選択部は、保持されている情報によって識別されるデータ格納部を、次に用いられるべきデータ格納部として選択する通信システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、読み書き装置、読み書き方法、及び読み書きプログラムに関する。特に本発明は、データ通信用のICチップを有する携帯情報端末及び当該ICチップの読み書き装置を備え、ICチップ及び読み書き装置の間で非接触にデータ通信を行う通信システム、並びに当該通信システムにおいて用いられる読み書き装置、読み書き方法、及び読み書きプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データ通信用のICチップを有するICカードと当該ICチップの読み書き装置との間で、電波等を用いて非接触に通信する通信システムが知られている。また、ICチップが複数のメモリ領域を有しており、それぞれのメモリ領域を、アプリケーションプログラム毎に独立したメモリ空間として使用することができる通信システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−167241
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の通信システムにおいて、ICチップが有する複数のメモリ領域の何れかを用いてデータ通信を行う場合、読み書き装置は、複数のメモリ領域のそれぞれに格納することができるデータの種別や、使用可能なアプリケーションプログラムの種別等を示す情報を、データ通信を行う毎にICカードから取得して、取得した情報に基づいて使用するメモリ領域を選択している。このため、読み書き装置が、同一のICカードとの間で連続してデータ通信を行う場合等に、効率よくデータ通信を行えていなかった。
【0004】
そこで本発明は、上記の課題を解決することができる通信システム、読み書き装置、読み書き方法、及び読み書きプログラムを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、データ通信用のICチップを有する携帯情報端末及びICチップの読み書き装置を備え、ICチップ及び読み書き装置の間で非接触にデータ通信を行う通信システムであって、ICチップは、データ通信において読み書き装置に送信するデータ、或いは読み書き装置から受信したデータを格納する複数のデータ格納部と、複数のデータ格納部の何れかを用いて、読み書き装置との間でデータ通信を行う端末側通信部とを含み、携帯情報端末は、端末側通信部が読み書き装置に送信するデータを生成して複数のデータ格納部の何れかに格納したり、また、端末側通信部が読み書き装置から受信して複数のデータ格納部の何れかに格納したデータを読み出して処理したりする端末側データ処理部を更に有し、読み書き装置は、複数のデータ格納部の何れかを、データ通信において用いられるべきデータ格納部として選択する選択部と、複数のデータ格納部のそれぞれを用いて端末側通信部との間でデータ通信を行う手続きを示す手続き情報を取得すると共に、手続き情報に基づき、選択部により選択されたデータ格納部を用いて、端末側通信部との間でデータ通信を行う装置側通信部と、複数のデータ格納部のうち、直前に行われたデータ通信において装置側通信部により用いられたデータ格納部を識別する格納部識別情報を保持する格納部識別情報保持部とを有し、選択部は、格納部識別情報保持部が保持する格納部識別情報によって識別されるデータ格納部を、次に行われるデータ通信において用いられるべきデータ格納部として選択する。
【0006】
携帯情報端末は、手続き情報を格納する手続き情報格納部を更に有し、端末側通信部は、更に、手続き情報を装置側通信部に送信し、装置側通信部は、手続き情報を、端末側通信部から受信することにより取得してもよい。読み書き装置は、手続き情報を格納する手続き情報格納部を更に有し、装置側通信部は、手続き情報を、手続き情報格納部から読み出すことにより取得してもよい。
【0007】
複数のデータ格納部のそれぞれは、当該データ格納部が格納するデータの種別を示すデータ種別情報を更に格納し、装置側通信部は、選択部によって選択されたデータ格納部のデータ種別情報を、端末側通信部から更に受信し、読み書き装置は、次に行われるデータ通信においてICチップとの間で送受信されるデータの種別を示すデータ種別情報を保持するデータ種別情報保持部と、選択部によって選択されたデータ格納部が、次に行われるデータ通信においてICチップとの間で送受信されるデータを格納するデータ格納部であるか否かを、装置側通信部が端末側通信部から受信したデータ種別情報、及びデータ種別情報保持部が保持するデータ種別情報に基づいて判定する選択判定部とを更に有し、装置側通信部は、選択部によって選択されたデータ格納部が、次に行われるデータ通信においてICチップとの間で送受信されるデータを格納するデータ格納部ではないと選択判定部によって判定された場合に、複数のデータ格納部のそれぞれにおけるデータ種別情報を端末側通信部から更に受信し、選択部は、選択部によって選択されたデータ格納部が、次に行われるデータ通信においてICチップとの間で送受信されるデータを格納するデータ格納部ではないと選択判定部によって判定された場合に、装置側通信部が受信した、複数のデータ格納部のそれぞれにおけるデータ種別情報、及びデータ種別情報保持部が保持するデータ種別情報に基づいて、複数のデータ格納部から、当該次に行われるデータ通信において用いられるべき、他のデータ格納部を選択してもよい。
【0008】
装置側通信部は、同一のICチップが有する端末側通信部との間で、複数回のデータ通信を連続して行い、選択部は、次に行われるデータ通信が、複数回のデータ通信における2回目以降のデータ通信である場合には、格納部識別情報保持部が保持する格納部識別情報によって識別されるデータ格納部を、当該次に行われるデータ通信において用いられるべきデータ格納部として選択してもよい。装置側通信部は、次に行われるデータ通信が、複数回のデータ通信における1回目のデータ通信である場合には、複数のデータ格納部のそれぞれにおけるデータ種別情報を端末側通信部から更に受信し、選択部は、次に行われるデータ通信が、複数回のデータ通信における1回目のデータ通信である場合には、装置側通信部が受信した、複数のデータ格納部のそれぞれにおけるデータ種別情報、及びデータ種別情報保持部が保持するデータ種別情報に基づいて、複数のデータ格納部から、当該次に行われるデータ通信において用いられるべき、他のデータ格納部を選択してもよい。
【0009】
手続き情報は、一つのデータ格納部が一度に格納することのできる最大のデータ量を示す情報を含み、読み書き装置は、最大のデータ量よりも大きなデータを、最大のデータ量以下の複数のデータに分割する装置側データ処理部を更に有し、装置側通信部は、複数のデータのそれぞれを、複数回のデータ通信において、選択部によって選択されたデータ格納部に順次格納させるべく、端末側通信部に順次送信し、端末側通信部は、複数のデータのそれぞれを、複数回のデータ通信において装置側通信部から順次受信して、選択部によって選択されたデータ格納部に順次格納し、端末側データ処理部は、複数回のデータ通信において端末側通信部により順次受信された複数のデータのそれぞれを、データ格納部から順次読み出してもよい。端末側データ処理部は、一つのデータ格納部が一度に格納することのできる最大のデータ量よりも大きなデータを、最大のデータ量以下の複数のデータに分割して、複数のデータ格納部の何れかに順次格納し、端末側通信部は、複数のデータのそれぞれを、複数回のデータ通信において、装置側通信部に順次送信し、装置側通信部は、複数のデータのそれぞれを、複数回のデータ通信において、端末側通信部から順次受信してもよい。
【0010】
端末側データ処理部は、複数回のデータ通信に含まれる一のデータ通信において、端末側通信部によって装置側通信部から受信されて、データ格納部に格納されたデータに基づいて、当該一のデータ通信の後に行われる、複数回のデータ通信に含まれる他のデータ通信において、端末側通信部が装置側通信部に送信するデータを生成して、当該データ格納部に格納してもよい。読み書き装置は、複数回のデータ通信に含まれる一のデータ通信において、装置側通信部によって端末側通信部から受信されたデータに基づいて、当該一のデータ通信の後に行われる、複数回のデータ通信に含まれる他のデータ通信において、装置側通信部が端末側通信部に送信するデータを生成する装置側データ処理部を更に有してもよい。
【0011】
また、本発明の第2の形態においては、データ通信において送受信するデータを格納する複数のデータ格納部を有するICチップとの間で非接触にデータ通信を行うICチップの読み書き装置であって、複数のデータ格納部の何れかを、データ通信において用いられるべきデータ格納部として選択する選択部と、複数のデータ格納部のそれぞれを用いてICチップとの間でデータ通信を行う手続きを示す手続き情報を取得すると共に、手続き情報に基づき、選択部により選択されたデータ格納部を用いて、ICチップとの間でデータ通信を行う装置側通信部と、複数のデータ格納部のうち、直前に行われたデータ通信において装置側通信部により用いられたデータ格納部を識別する格納部識別情報を保持する格納部識別情報保持部とを有し、選択部は、格納部識別情報保持部が保持する格納部識別情報によって識別されるデータ格納部を、次に行われるデータ通信において用いられるべきデータ格納部として選択する。
【0012】
また、本発明の第3の形態においては、データ通信において送受信するデータを格納する複数のデータ格納部を有するICチップとの間で非接触にデータ通信を行うICチップの読み書き方法であって、複数のデータ格納部の何れかを、データ通信において用いられるべきデータ格納部として選択する選択段階と、複数のデータ格納部のそれぞれを用いてICチップとの間でデータ通信を行う手続きを示す手続き情報を取得すると共に、手続き情報に基づき、選択段階において選択されたデータ格納部を用いて、ICチップとの間でデータ通信を行う装置側通信段階と、複数のデータ格納部のうち、直前に行われたデータ通信において装置側通信段階において用いられたデータ格納部を識別する格納部識別情報を保持する格納部識別情報保持段階とを有し、選択段階は、格納部識別情報保持段階において保持された格納部識別情報によって識別されるデータ格納部を、次に行われるデータ通信において用いられるべきデータ格納部として選択する。
【0013】
また、本発明の第4の形態においては、データ通信において送受信するデータを格納する複数のデータ格納部を有するICチップとの間で非接触にデータ通信を行うICチップの読み書き装置としてコンピュータを機能させる読み書きプログラムであって、コンピュータを、複数のデータ格納部の何れかを、データ通信において用いられるべきデータ格納部として選択する選択部と、複数のデータ格納部のそれぞれを用いてICチップとの間でデータ通信を行う手続きを示す手続き情報を取得すると共に、手続き情報に基づき、選択部により選択されたデータ格納部を用いて、ICチップとの間でデータ通信を行う装置側通信部と、複数のデータ格納部のうち、直前に行われたデータ通信において装置側通信部により用いられたデータ格納部を識別する格納部識別情報を保持する格納部識別情報保持部とを有し、選択部は、格納部識別情報保持部が保持する格納部識別情報によって識別されるデータ格納部を、次に行われるデータ通信において用いられるべきデータ格納部として選択することを特徴とする読み書き装置として機能させる。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数のメモリ領域を含むICチップを有する携帯情報端末と読み書き装置との間で、連続して非接触にデータ通信を行う場合に、効率よくデータ通信を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る通信システム10の一例を示す。通信システム10は、データ通信用のICチップ25が設けられた携帯情報端末20と、ICチップ25の読み書き装置30とを備え、ICチップ25と読み書き装置30との間で、例えば電波等を用いて非接触にデータ通信を行う。ここで、ICチップ25と読み書き装置30との間で行われるデータ通信は、例えば、「ISO 14443」規格に準拠した非接触ICカードと読み書き装置との間で行われるデータ通信であってよい。なお、携帯情報端末20は、例えば、携帯電話端末や、PDA(Personal Digital Assistance)、ICカード等であってよい。
【0018】
本発明の実施形態に係る通信システム10は、ICチップ25が、送受信するデータを格納する複数のデータ格納部を有する場合に、読み書き装置30が、データ通信において用いるべきデータ格納部を選択する処理を効率的に行うことによって、ICチップ25と読み書き装置30との間のデータ通信を、効率よく行うことを目的とする。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係る通信システム10の機能構成の一例を示すブロック図である。通信システム10は、携帯情報端末20、及び読み書き装置30を備える。携帯情報端末20は、ICチップ25、及び端末側データ処理部210を有する。また、ICチップ25は、複数のデータ格納部(200a、200b、・・・200c。以降200と表記)、及び端末側通信部220を含む。複数のデータ格納部200のそれぞれは、ICチップ25と読み書き装置30との間で行われるデータ通信において、ICチップ25が読み書き装置30に送信するデータ、或いはICチップ25が読み書き装置30から受信したデータを格納する。ここで、複数のデータ格納部200は、単一のメモリブロックに設けられた複数の領域であってよく、また、互いに独立した複数のメモリブロックであってもよい。
【0020】
端末側データ処理部210は、ICチップ25が読み書き装置30に送信するデータを生成してデータ格納部200に格納したり、また、ICチップ25が読み書き装置30から受信してデータ格納部200に格納したデータを読み出して、読み出したデータを処理したりする。なお、端末側データ処理部210は、携帯情報端末20において動作するアプリケーションプログラムの制御に基づいて、送信されるデータの生成及び読み出したデータの処理を行ってよい。端末側通信部220は、複数のデータ格納部200の何れかを用いて、読み書き装置30との間でデータ通信を行う。具体的には、端末側通信部220は、複数のデータ格納部200のうち、読み書き装置30によって指定されたデータ格納部200に格納されているデータを読み出して、読み書き装置30に送信したり、また、読み書き装置30から受信したデータを、読み書き装置30によって指定されたデータ格納部200に格納したりしてよい。
【0021】
読み書き装置30は、データ種別情報保持部300、選択部310、手続き情報格納部320、装置側データ処理部330、通信用バッファメモリ340、装置側通信部350、格納部識別情報保持部360、及び選択判定部370を有する。データ種別情報保持部300は、次に行われるデータ通信において、ICチップ25と読み書き装置30との間で送受信されるデータの種別を示すデータ種別情報を保持する。なお、データ種別情報保持部300は、例えば、読み書き装置30の製造者や、読み書き装置30において動作するファームウェアやアプリケーションプログラム等の制作者によって予め定められたデータ種別情報を保持してよく、また、読み書き装置30が携帯情報端末20等の外部機器から取得したデータ種別情報を保持してもよい。選択部310は、複数のデータ格納部200の何れかを、データ通信において用いられるべきデータ格納部200として選択する。そして、選択部310は、選択したデータ格納部200を識別する格納部識別情報を、装置側通信部350及び選択判定部370に出力する。
【0022】
手続き情報格納部320は、読み書き装置30が、複数のデータ格納部200のそれぞれを用いて端末側通信部220との間でデータ通信を行う手続きを示す手続き情報を格納する。ここで、手続き情報とは、例えば、読み書き装置30が、複数のデータ格納部200のそれぞれに格納されたデータの送信を端末側通信部220に要求する場合や、端末側通信部220に送信したデータの、複数のデータ格納部200のそれぞれへの格納を要求する場合に、端末側通信部220に送出すべき搬送波を示す情報等を含んでいてよい。装置側データ処理部330は、読み書き装置30がICチップ25に送信するデータを生成して、通信用バッファメモリ340を介して装置側通信部350に出力したり、また、読み書き装置30がICチップ25から受信したデータを、通信用バッファメモリ340を介して受け取り、受け取ったデータを処理したりする。通信用バッファメモリ340は、例えばDRAM等の揮発性メモリであってよく、読み書き装置30がICチップ25との間で送受信するデータを格納する。
【0023】
装置側通信部350は、手続き情報格納部320から手続き情報を取得する。そして、装置側通信部350は、取得した手続き情報に基づき、選択部310により選択されたデータ格納部200を用いて、端末側通信部220との間でデータ通信を行う。ここで、装置側通信部350は、装置側データ処理部330から、通信用バッファメモリ340を介して受け取ったデータを、端末側通信部220に送信する。また、装置側通信部350は、端末側通信部220から受信したデータを、通信用バッファメモリ340を介して装置側データ処理部330に出力する。また、装置側通信部350は、複数のデータ格納部200のうち、データ通信を行ったデータ格納部200を識別する格納部識別情報を、格納部識別情報保持部360に出力する。
【0024】
格納部識別情報保持部360は、複数のデータ格納部200のうち、直前に行われたデータ通信において装置側通信部350により用いられたデータ格納部200を識別する格納部識別情報を、装置側通信部350から受け取って保持する。そして、選択部310は、格納部識別情報保持部360が保持する格納部識別情報によって識別されるデータ格納部200を、次に行われるデータ通信において用いられるべきデータ格納部200として選択する。選択判定部370は、選択部310によって選択されたデータ格納部200が、次に行われるデータ通信においてICチップ25と読み書き装置30との間で送受信されるデータを格納するデータ格納部であるか否かを判定する。そして、選択判定部370は、判定結果を、選択部310及び装置側通信部350に出力する。
【0025】
本発明の実施形態に係る通信システム10によれば、直前に行ったデータ通信において用いたデータ格納部200を、次に行うデータ通信において用いるべきデータ格納部200として選択することができる。これにより、連続するデータ通信において、同一のデータ格納部200を用いる場合には、従来の通信システムのように、データ通信を行う毎に、複数のデータ格納部200のそれぞれに格納されるデータの種別等をICチップ25から受信して、次に用いるべきデータ格納部200を検出することなく、用いるべきデータ格納部200を決定することができる。従って、通信システム10によれば、より効率よくデータ通信を行うことができる。
【0026】
また、通信システム10によれば、読み書き装置30が有する手続き情報格納部320から、ICチップ25とのデータ通信において必要な手続き情報を取得することができる。つまり、読み書き装置30は、ICチップ25から手続き情報を受信することなく、短時間で手続き情報を取得することができるので、ICチップ25との間で効率的にデータ通信を行うことができる。
【0027】
なお、通信システム10においては、本図に示したように、読み書き装置30が手続き情報格納部320を有するのに代えて、携帯情報端末20が手続き情報格納部320を有していてもよい。この場合、端末側通信部220は、手続き情報格納部320に格納されている手続き情報を、装置側通信部350に送信してよい。そして、この場合、装置側通信部350は、手続き情報を、端末側通信部220から受信することにより取得してよい。なお、この場合、読み書き装置30は、装置側通信部350と端末側通信部220との間でのデータ通信における手続き情報のうち、例えば複数の種類のICチップ25において共通の情報といった、一部の手続き情報を格納しており、他の手続き情報を、端末側通信部220から受信してもよい。以上により、ICチップ25が、読み書き装置30が製造された後で製造されており、装置側通信部350が、他のICチップとは異なる手続きで、当該ICチップ25との間でデータ通信を行う必要がある場合であっても、装置側通信部350は、正しい手続きで当該ICチップ25との間で通信を行うことができる。
【0028】
また、ICチップ25は、単一のICチップであっても、或いは相互に接続された複数のICチップを含むICチップ群であってもよい。そして、ICチップ25が、複数のICチップを含むICチップ群である場合には、例えば、複数のデータ格納部200及び端末側通信部220のそれぞれは、互いに異なるICチップに含まれていてもよい。
【0029】
図3は、本発明の実施形態に係る複数のデータ格納部200の一例を示す。複数のデータ格納部200のそれぞれは、当該データ格納部が格納するデータの種別を示すデータ種別情報を格納している。例えば、複数のデータ格納部200のそれぞれは、データ種別情報として、16バイトのバイナリデータを格納していてよい。なお、データの種別とは、例えば、携帯情報端末20または読み書き装置30において動作する、ICチップ25と読み書き装置30との間でデータ通信を行うアプリケーションプログラム毎に異なっていてよい。更に、この場合、データ種別情報は、当該アプリケーションプログラムの制作者等によって予め定められ、データ格納部200及びデータ種別情報保持部300に格納されていてよい。また、複数のデータ格納部200のそれぞれは、ICチップ25と読み書き装置30との間で送受信されるデータを格納している。例えば、複数のデータ格納部200のそれぞれは、当該送受信されるデータとして、最大64バイトのバイナリデータを格納していてよい。
【0030】
図4は、本発明の実施形態に係る通信システム10における処理の流れの第1の例を示すフローチャートである。本図においては、読み書き装置30が、通信可能範囲にICチップ25が進入したことを検出した後の処理の流れを説明する。まず、装置側通信部350は、手続き情報格納部320から手続き情報を取得する(S1000)。ここで、装置側通信部350は、ICチップ25が通信可能範囲に進入したことを検出したときに、当該ICチップ25から取得した、当該ICチップ25を識別するICチップ識別情報、または当該ICチップ25の種別を示すICチップ種別情報に基づいて、当該ICチップ25に対応する手続き情報を取得してもよい。
【0031】
続いて、装置側通信部350は、通信可能範囲への進入を検出したICチップ25、即ち次にデータ通信を行うICチップ25が、直前にデータ通信を行ったICチップ25と同一のICチップであるか否かを判定する(S1005)。例えば、装置側通信部350は、直前にデータ通信を行ったICチップ25を識別するICチップ識別情報と、通信可能範囲への進入を検出したICチップ25を識別するICチップ識別情報とが一致する場合に、それぞれのICチップ25が同一のICチップであると判定してよい。
【0032】
そして、次にデータ通信を行うICチップ25が、直前にデータ通信を行ったICチップ25と同一のICチップであると装置側通信部350によって判定された場合(S1005:Yes)、選択部310は、格納部識別情報保持部360が保持する格納部識別情報により識別される、直前に行われたデータ通信において装置側通信部350により用いられたデータ格納部200を、次に行われるデータ通信において用いられるデータ格納部200として選択する(S1010)。続いて、装置側通信部350は、選択部310によって選択されたデータ格納部200のデータ種別情報を送信する旨を端末側通信部220に要求する。これを受けて、端末側通信部220は、選択部310によって選択されたデータ格納部200のデータ識別情報を、データ格納部200から読み出して取得すると共に、装置側通信部350に送信する(S1015)。そして、装置側通信部350は、選択部310によって選択されたデータ格納部200のデータ種別情報を、端末側通信部220から受信すると共に、受信したデータ種別情報を、選択判定部370に出力する(S1020)。
【0033】
続いて、選択判定部370は、選択部310によって選択されたデータ格納部200が、次に行われるデータ通信においてICチップ25と読み書き装置30との間で送受信されるデータを格納するデータ格納部200であるか否かを、装置側通信部350が端末側通信部220から受信したデータ種別情報と、データ種別情報保持部300が保持するデータ種別情報とに基づいて判定する(S1025)。例えば、選択判定部370は、装置側通信部350が受信したデータ種別情報と、データ種別情報保持部300が保持するデータ種別情報とが一致する場合に、選択されたデータ格納部200が、次に行われるデータ通信において送受信されるデータを格納するデータ格納部200であると判定してよい。
【0034】
そして、次にデータ通信を行うICチップ25が、直前にデータ通信を行ったICチップ25と同一のICチップではないと装置側通信部350によって判定された場合(S1005:No)、或いは、選択されたデータ格納部200が、次に行われるデータ通信において送受信されるデータを格納するデータ格納部200ではないと選択判定部370によって判定された場合(S1025:No)、装置側通信部350は、複数のデータ格納部200のデータ種別情報を送信する旨を端末側通信部220に要求する。これを受けて、端末側通信部220は、複数のデータ格納部200のそれぞれに格納されている、当該データ格納部200のデータ種別情報を読み出して、装置側通信部350に送信する(S1030)。そして、装置側通信部350は、複数のデータ格納部200のそれぞれにおけるデータ種別情報を端末側通信部220から受信する(S1035)。
【0035】
続いて、選択部310は、装置側通信部350が受信した、複数のデータ格納部200のそれぞれにおけるデータ種別情報と、データ種別情報保持部300が保持するデータ種別情報とに基づいて、複数のデータ格納部200から、次に行われるデータ通信において用いられるべき、他のデータ格納部200を選択する(S1040)。例えば、選択部310は、複数のデータ格納部200のうち、対応するデータ種別情報が、データ種別情報保持部300が保持するデータ種別情報と一致するデータ格納部200を、次に行われるデータ通信において用いられるべき、他のデータ格納部200として選択してよい。
【0036】
続いて、装置側通信部350及び端末側通信部220は、選択部310によって選択されたデータ格納部200を用いて、互いにデータの送受信を行う(S1045)。ここで、装置側通信部350は、端末側通信部220からデータを受信する場合には、選択されたデータ格納部200に格納されているデータの送信を要求するデータを端末側通信部220に送信した後で、選択されたデータ格納部200に格納されているデータを端末側通信部220から受信してよい。そして、格納部識別情報保持部360は、装置側通信部350から受け取った、データ通信において用いられたデータ格納部200を識別する格納部識別情報を保持する(S1050)。なお、格納部識別情報とは、複数のデータ格納部200のそれぞれに対して一意に定められた値であってよく、例えば、装置側通信部350がそれぞれのデータ格納部200に対してデータの送受信を行う場合に端末側通信部220に送信する、手続き情報によって定められたパラメータであってよい。また、格納部識別情報保持部360は、格納部識別情報に対応づけて、直前のデータ通信の実行に先立って検出された、ICチップ25を識別するICチップ識別情報を保持してもよい。
【0037】
本発明の実施形態に係る読み書き装置30によれば、直前のデータ通信において用いたデータ格納部200が、次に行うデータ通信において送受信するデータを格納するデータ格納部200であるか否かを判定して、選択部310による選択結果を検証することができる。これにより、送受信するデータの種別が互いに異なる複数のアプリケーションを用いて、同一のICチップ25との間で連続してデータ通信を行う場合であっても、正常にデータ通信を行うことができる。
【0038】
図5は、本発明の実施形態に係る通信システム10における処理の流れの第2の例を示すフローチャートである。本例において、読み書き装置30は、装置側通信部350と、同一のICチップ25が有する端末側通信部220との間で、複数回のデータ通信を連続して行う。具体的には、読み書き装置30は、一つのデータ格納部200が一度に格納することのできる最大のデータ量よりも大きなデータを、複数のデータに分割して、端末側通信部220に送信する。なお、本図においては、読み書き装置30が、通信可能範囲にICチップ25が進入したことを検出した後の処理の流れを説明する。
【0039】
まず、装置側通信部350は、手続き情報格納部320から手続き情報を取得する(S1100)。ここで、手続き情報は、一つのデータ格納部200が一度に格納することのできる最大のデータ量を示す情報を含んでいてよい。続いて、装置側データ処理部330は、ICチップ25に送信すべき、当該最大のデータ量よりも大きなデータを、手続き情報格納部320に格納されている手続き情報に基づいて、当該最大のデータ量以下の、複数のデータに分割する(S1105)。そして、読み書き装置30は、以下の処理を、分割したデータ毎に繰り返す(S1110)。
【0040】
まず、装置側通信部350は、次に行われるデータ通信が、分割された複数のデータを送受信する複数回のデータ通信における、1回目のデータ通信であるか否かを判定する(S1115)。そして、次に行われるデータ通信が、複数回のデータ通信における1回目のデータ通信であると判定した場合に(S1115:Yes)、装置側通信部350は、複数のデータ格納部200のデータ種別情報を送信する旨を端末側通信部220に要求する。これを受けて、端末側通信部220は、複数のデータ格納部200のそれぞれに格納されている、当該データ格納部200のデータ種別情報を読み出して、装置側通信部350に送信する(S1120)。そして、装置側通信部350は、複数のデータ格納部200のそれぞれにおけるデータ種別情報を、端末側通信部220から受信する(S1125)。続いて、選択部310は、装置側通信部350が受信した、複数のデータ格納部200のそれぞれにおけるデータ種別情報と、データ種別情報保持部300が保持するデータ種別情報とに基づいて、複数のデータ格納部200から、次に行われるデータ通信において用いられるべきデータ格納部200を選択する(S1130)。
【0041】
一方、次に行われるデータ通信が、複数回のデータ通信における、2回目以降のデータ通信であると装置側通信部350によって判定された場合には(S1115:No)、選択部310は、格納部識別情報保持部360が保持する格納部識別情報によって識別される、直前に行われたデータ通信において用いられたデータ格納部200を、当該次に行われるデータ通信において用いられるべきデータ格納部200として選択する(S1135)。続いて、装置側通信部350は、当該分割されたデータを、選択部310によって選択されたデータ格納部200に格納させるべく、端末側通信部220に送信する(S1140)。そして、端末側通信部220は、当該分割されたデータを、装置側通信部350から受信して、選択部310によって選択されたデータ格納部200に格納する(S1145)。続いて、端末側データ処理部210は、端末側通信部220により受信された当該分割されたデータを、データ格納部200から読み出す(S1150)。
【0042】
一方、格納部識別情報保持部360は、装置側通信部350から受け取った、当該分割されたデータの送信において用いられたデータ格納部200を識別する格納部識別情報を保持する(S1155)。そして、読み書き装置30は、以上の処理を、分割したデータ毎に繰り返す(S1160)。そして、装置側通信部350は、全ての分割されたデータの送信が終了した旨を、端末側通信部220を介して携帯情報端末20に通知する(S1165)。一方、携帯情報端末20は、全ての分割されたデータの受信が終了したか否かを判定する(S1170)。具体的には、携帯情報端末20は、全ての分割されたデータの送信が終了した旨の通知を、読み書き装置30から受け取ったか否かを判定する。そして、全ての分割されたデータの受信は終了していないと判定した場合(S1170:No)、携帯情報端末20は、処理をS1145に戻して、他の分割されたデータを、装置側通信部350から受信する。一方、全ての分割されたデータの受信が終了したと判定された場合(S1170:Yes)、端末側データ処理部210は、データ格納部200から順次読み出した、分割されたデータのそれぞれを結合することにより、分割される前のデータを生成して、生成したデータを処理する(S1175)。
【0043】
例えば、携帯情報端末20または読み書き装置30において動作するアプリケーションプログラムが、複数回のデータ通信による、ひとまとまりのデータ通信を行う必要がある場合には、当該複数回のデータ通信における2回目以降のデータ通信において、直前に行われたデータ通信と同一のデータ格納部200が用いられる。従って、本発明の実施形態に係る読み書き装置30によれば、当該2回目以降のデータ通信において用いるべきデータ格納部200として、直前に用いたデータ格納部200を選択することにより、効率よくデータ通信を行うことができる。
【0044】
また、読み書き装置30は、次に行うデータ通信が、複数回のデータ通信における1回目のデータ通信である場合には、直前に用いたデータ格納部200を、用いるべきデータ格納部200として選択するのではなく、複数のデータ格納部200の中から、送受信するデータを格納するデータ格納部200を検出して、検出したデータ格納部200を、用いるべきデータ格納部200として選択することができる。例えば、異なるICチップ25との間のデータ通信であったり、また、同一のICチップ25との間のデータ通信であっても、ひとまとまりの、連続する複数回のデータ通信が終了した直後に行われる通信であったりする場合には、直前行われたデータ通信において用いたデータ格納部200が、次に行うデータ通信において用いるべきデータ格納部200であるとは限らない。しかし、読み書き装置30によれば、当該1回目のデータ通信においては、直前に用いたデータ格納部200のみに対して、送受信するデータを格納するデータ格納部200であるか否かの検証を行うのではなく、複数のデータ格納部200のデータ種別情報に基づいて、用いるべきデータ格納部200を選択するので、より効率よくデータ通信を行うことができる。
【0045】
図6は、本発明の実施形態に係る通信システム10における処理の流れの第3の例を示すフローチャートである。本例において、読み書き装置30は、図5に示した例と同様に、装置側通信部350と、同一のICチップ25が有する端末側通信部220との間で、複数回のデータ通信を連続して行う。但し、本例において、読み書き装置30は、一つのデータ格納部200が一度に格納することのできる最大のデータ量よりも大きなデータが分割された複数のデータを、端末側通信部220から受信する。なお、本図においては、読み書き装置30が、通信可能範囲にICチップ25が進入したことを検出した後の処理の流れを説明する。
【0046】
まず、装置側通信部350は、手続き情報格納部320から手続き情報を取得する(S1200)。続いて、端末側データ処理部210は、一つのデータ格納部200が一度に格納することのできる最大のデータ量よりも大きなデータを、当該最大のデータ量以下の、複数のデータに分割する(S1205)。一方、装置側通信部350は、次に行われるデータ通信が、分割された複数のデータを送受信する複数回のデータ通信における、1回目のデータ通信であるか否かを判定する(S1210)。なお、装置側通信部350は、ICチップ25が通信可能範囲に進入したことを検出した後で、分割されたデータを受信する複数回のデータ通信が、未だに開始されていない場合には、次に行われるデータ通信が、1回目のデータ通信であると判定してよい。
【0047】
そして、次に行われるデータ通信が、複数回のデータ通信における1回目のデータ通信であると判定した場合に(S1210:Yes)、装置側通信部350は、複数のデータ格納部200のデータ種別情報を送信する旨を端末側通信部220に要求する。これを受けて、端末側通信部220は、複数のデータ格納部200のそれぞれに格納されている、当該データ格納部200のデータ種別情報を読み出して、装置側通信部350に送信する(S1215)。そして、装置側通信部350は、複数のデータ格納部200のそれぞれにおけるデータ種別情報を、端末側通信部220から受信する(S1220)。続いて、選択部310は、装置側通信部350が受信した、複数のデータ格納部200のそれぞれにおけるデータ種別情報と、データ種別情報保持部300が保持するデータ種別情報とに基づいて、複数のデータ格納部200から、次に行われるデータ通信において用いられるべきデータ格納部200を選択する(S1225)。
【0048】
一方、次に行われるデータ通信が、複数回のデータ通信における、2回目以降のデータ通信であると装置側通信部350によって判定された場合には(S1115:No)、選択部310は、格納部識別情報保持部360が保持する格納部識別情報によって識別される、直前に行われたデータ通信において用いられたデータ格納部200を、当該次に行われるデータ通信において用いられるべきデータ格納部200として選択する(S1230)。
【0049】
一方、携帯情報端末20は、以下の処理を、分割したデータ毎に繰り返す(S1235)。まず、端末側データ処理部210は、当該分割したデータを、複数のデータ格納部200の何れかに格納する(S1240)。ここで、端末側データ処理部210は、当該分割したデータを格納するデータ格納部200を、それぞれのデータ格納部200のデータ種別情報に基づいて決定してよい。続いて、端末側通信部220は、当該分割されたデータを、データ格納部200から読み出して、装置側通信部350に送信する(S1245)。なお、端末側通信部220は、分割されたデータの送信を要求するデータを装置側通信部350から受信した後で、当該分割されたデータを装置側通信部350に送信してもよい。そして、装置側通信部350は、当該分割されたデータを、端末側通信部220から受信すると共に、通信用バッファメモリ340を介して、装置側データ処理部330に出力する(S1250)。続いて、格納部識別情報保持部360は、装置側通信部350から受け取った、当該分割されたデータの受信において用いられたデータ格納部200を識別する格納部識別情報を保持する(S1255)。そして、携帯情報端末20は、以上の処理を、分割したデータ毎に繰り返す(S1260)。
【0050】
そして、端末側通信部220は、全ての分割されたデータの送信が終了した旨を、装置側通信部350を介して読み書き装置30に通知する(S1265)。一方、読み書き装置30は、全ての分割されたデータの受信が終了したか否かを判定する(S1270)。具体的には、読み書き装置30は、全ての分割されたデータの送信が終了した旨の通知を、ICチップ25から受け取ったか否かを判定する。そして、全ての分割されたデータの受信は終了していないと判定した場合(S1270:No)、読み書き装置30は、処理をS1210に戻す。一方、全ての分割されたデータの受信が終了したと判定された場合(S1270:Yes)、装置側データ処理部330は、装置側通信部350が受信した、分割されたデータのそれぞれを結合することにより、分割される前のデータを生成して、生成したデータを処理する(S1275)。
【0051】
ICチップ25に設けられた一つのデータ格納部200が格納できるデータ量は限られているので、携帯情報端末20または読み書き装置30において動作するアプリケーションプログラムの処理が複雑化して、送受信するデータがより大きくなることにより、一度のデータ通信では、必要なすべてのデータを送受信することができない場合がある。この場合、一つのデータを複数のデータに分割して、複数回のデータ通信によって順次送受信する必要がある。ここで、本発明の実施形態に係る読み書き装置30によれば、複数回のデータ通信における2回目以降のデータ通信において用いるべきデータ格納部200として、直前のデータ通信において用いたデータ格納部200を選択することができる。従って、複数回のデータ通信のそれぞれにおいて、用いるべきデータ格納部200を検出する処理を行う従来の読み書き装置に比べて、より高い効率でデータ通信を行うことができる。
【0052】
図7は、本発明の実施形態に係る通信システム10における処理の流れの第4の例を示すフローチャートである。本例において、読み書き装置30は、装置側通信部350と、同一のICチップ25が有する端末側通信部220との間で、複数回のデータ通信を連続して行う。具体的には、読み書き装置30は、所謂リクエスト・アンド・レスポンス型のデータ通信を行う。つまり、読み書き装置30は、例えば、携帯情報端末20に実行させたい処理や、携帯情報端末20から取得したい情報等を示すリクエストデータを端末側通信部220に送信して、データ格納部200に格納させると共に、携帯情報端末20によって、当該リクエストデータを処理させる。そして、読み書き装置30は、携帯情報端末20に、当該リクエストデータを処理した結果等を示すレスポンスデータを生成させて、生成させたレスポンスデータを、端末側通信部220から受信する。なお、本図においては、読み書き装置30が、通信可能範囲にICチップ25が進入したことを検出した後の処理の流れを説明する。
【0053】
まず、装置側通信部350は、手続き情報格納部320から手続き情報を取得する(S1300)。そして、装置側通信部350は、複数のデータ格納部200のデータ種別情報を送信する旨を端末側通信部220に要求する。これを受けて、端末側通信部220は、複数のデータ格納部200のそれぞれに格納されている、当該データ格納部200のデータ種別情報を読み出して、装置側通信部350に送信する(S1305)。そして、装置側通信部350は、複数のデータ格納部200のそれぞれにおけるデータ種別情報を、端末側通信部220から受信する(S1310)。続いて、選択部310は、装置側通信部350が受信した、複数のデータ格納部200のそれぞれにおけるデータ種別情報と、データ種別情報保持部300が保持するデータ種別情報とに基づいて、複数のデータ格納部200から、以降に行うデータ通信において用いられるべきデータ格納部200を選択する(S1315)。
【0054】
続いて、装置側通信部350は、装置側データ処理部330によって生成されたリクエストデータを、選択部310によって選択されたデータ格納部200に格納させるべく、端末側通信部220に送信する(S1320)。そして、端末側通信部220は、装置側通信部350からリクエストデータを受信して、選択部310によって選択されたデータ格納部200に格納する(S1325)。一方、格納部識別情報保持部360は、装置側通信部350から受け取った、リクエストデータの送信において用いられたデータ格納部200を識別する格納部識別情報を保持する(S1330)。続いて、選択部310は、次に行われるレスポンスデータの受信において用いられるべきデータ格納部として、格納部識別情報保持部360が保持する格納部識別情報によって識別される、リクエストデータの送信において用いられたデータ格納部200を選択する(S1335)。
【0055】
一方、端末側データ処理部210は、端末側通信部220によって装置側通信部350から受信されて、データ格納部200に格納されたリクエストデータに基づいて、当該リクエストデータに対応するレスポンスデータを生成する(S1340)。続いて、端末側データ処理部210は、生成したレスポンスデータを、リクエストデータが格納されていたデータ格納部200に格納する(S1345)。続いて、端末側通信部220は、生成されたレスポンスデータをデータ格納部200から読み出して、装置側通信部350に送信する(S1350)。そして、装置側通信部350は、レスポンスデータを端末側通信部220から受信する(S1355)。
【0056】
図8は、本発明の実施形態に係る通信システム10における処理の流れの第5の例を示すフローチャートである。本例において、読み書き装置30は、装置側通信部350と、同一のICチップ25が有する端末側通信部220との間で、複数回のデータ通信を連続して行う。具体的には、読み書き装置30は、図7に示した例と同様に、所謂リクエスト・アンド・レスポンス型のデータ通信を行う。しかし、本例における読み書き装置30は、図7に示した例とは異なり、携帯情報端末20からリクエストデータを受信して、受信したリクエストデータを処理した後で、当該リクエストデータに対応するレスポンスデータを生成して、端末側通信部220に送信する。なお、本図においては、読み書き装置30が、通信可能範囲にICチップ25が進入したことを検出した後の処理の流れを説明する。
【0057】
まず、装置側通信部350は、手続き情報格納部320から手続き情報を取得する(S1400)。そして、装置側通信部350は、複数のデータ格納部200のデータ種別情報を送信する旨を端末側通信部220に要求する。これを受けて、端末側通信部220は、複数のデータ格納部200のそれぞれに格納されている、当該データ格納部200のデータ種別情報を読み出して、装置側通信部350に送信する(S1405)。そして、装置側通信部350は、複数のデータ格納部200のそれぞれにおけるデータ種別情報を、端末側通信部220から受信する(S1410)。続いて、選択部310は、装置側通信部350が受信した、複数のデータ格納部200のそれぞれにおけるデータ種別情報と、データ種別情報保持部300が保持するデータ種別情報とに基づいて、複数のデータ格納部200から、以降に行うデータ通信において用いられるべきデータ格納部200を選択する(S1415)。
【0058】
一方、端末側データ処理部210は、リクエストデータを生成して、生成したリクエストデータをデータ格納部200に格納する(S1420)。ここで、端末側データ処理部210は、生成したリクエストデータを格納するデータ格納部200を、それぞれのデータ格納部200のデータ種別情報に基づいて決定してよい。続いて、端末側通信部220は、生成されたリクエストデータを、データ格納部200から読み出して、装置側通信部350に送信する(S1425)。なお、端末側通信部220は、リクエストデータの送信を要求するデータを装置側通信部350から受信した後で、リクエストデータを装置側通信部350に送信してもよい。そして、装置側通信部350は、リクエストデータを端末側通信部220から受信する(S1430)。
【0059】
続いて、格納部識別情報保持部360は、装置側通信部350から受け取った、リクエストデータの受信において用いられたデータ格納部200を識別する格納部識別情報を保持する(S1435)。続いて、選択部310は、次に行われるレスポンスデータの送信において用いられるべきデータ格納部として、格納部識別情報保持部360が保持する格納部識別情報によって識別される、リクエストデータの受信において用いられたデータ格納部200を選択する(S1440)。続いて、装置側データ処理部330は、装置側通信部350によって端末側通信部220から受信されたリクエストデータに基づいて、当該リクエストデータに対応するレスポンスデータを生成する(S1445)。続いて、装置側通信部350は、生成されたレスポンスデータを、選択部310によって選択されたデータ格納部200に格納させるべく、端末側通信部220に送信する(S1450)。そして、端末側通信部220は、レスポンスデータを装置側通信部350から受信する(S1455)。続いて、端末側通信部220は、受信したレスポンスデータを、リクエストデータが格納されていたデータ格納部200に格納する(S1460)。
【0060】
携帯情報端末20または読み書き装置30において動作するアプリケーションプログラムの処理が複雑化した場合、リクエスト・アンド・レスポンス型のような、より複雑なデータ通信が必要とされることが多くなる。このようなデータ通信を行う場合、読み書き装置30は、複数回のデータ通信、具体的には、少なくとも2回のデータ通信を連続して行う必要がある。ここで、本発明の実施形態に係る読み書き装置30によれば、複数回のデータ通信における2回目以降のデータ通信において用いるべきデータ格納部200として、直前のデータ通信において用いたデータ格納部200を選択することができる。従って、複数回のデータ通信のそれぞれにおいて、用いるべきデータ格納部200を検出する処理を行う従来の読み書き装置に比べて、より高い効率でデータ通信を行うことができる。
【0061】
図9は、本発明の実施形態に係るコンピュータ1500のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。本発明の実施形態に係るコンピュータ1500は、ホストコントローラ1582により相互に接続されるCPU1505、RAM1520、グラフィックコントローラ1575、及び表示装置1580を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1584によりホストコントローラ1582に接続される通信インターフェイス1530、ハードディスクドライブ1540、及びCD−ROMドライブ1560を有する入出力部と、入出力コントローラ1584に接続されるROM1510、フレキシブルディスクドライブ1550、及び入出力チップ1570を有するレガシー入出力部とを備える。
【0062】
ホストコントローラ1582は、RAM1520と、高い転送レートでRAM1520をアクセスするCPU1505及びグラフィックコントローラ1575とを接続する。CPU1505は、ROM1510及びRAM1520に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィックコントローラ1575は、CPU1505等がRAM1520内に設けたフレームバッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置1580上に表示させる。これに代えて、グラフィックコントローラ1575は、CPU1505等が生成する画像データを格納するフレームバッファを、内部に含んでもよい。
【0063】
入出力コントローラ1584は、ホストコントローラ1582と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス1530、ハードディスクドライブ1540、CD−ROMドライブ1560を接続する。通信インターフェイス1530は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ1540は、コンピュータ1500内のCPU1505が使用するプログラム及びデータを格納する。CD−ROMドライブ1560は、CD−ROM1595からプログラム又はデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540に提供する。
【0064】
また、入出力コントローラ1584には、ROM1510と、フレキシブルディスクドライブ1550、及び入出力チップ1570の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1510は、コンピュータ1500が起動時に実行するブートプログラムや、コンピュータ1500のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスクドライブ1550は、フレキシブルディスク1590からプログラム又はデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540に提供する。入出力チップ1570は、フレキシブルディスクドライブ1550や、例えばパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0065】
RAM1520を介してハードディスクドライブ1540に提供される読み書きプログラムは、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。読み書きプログラムは、記録媒体から読み出され、RAM1520を介してコンピュータ1500内のハードディスクドライブ1540にインストールされ、CPU1505において実行される。コンピュータ1500にインストールされて実行される読み書きプログラムは、CPU1505等に働きかけて、コンピュータ1500を、図1から図8にかけて説明した読み書き装置30として機能させる。
【0066】
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595の他に、DVDやPD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークやインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ1500に提供してもよい。
【0067】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システム10の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る通信システム10の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る複数のデータ格納部200の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る通信システム10における処理の流れの第1の例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る通信システム10における処理の流れの第2の例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る通信システム10における処理の流れの第3の例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る通信システム10における処理の流れの第4の例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る通信システム10における処理の流れの第5の例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るコンピュータ1500のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0069】
10 通信システム、20 携帯情報端末、25 ICチップ、30 読み書き装置、200a〜c データ格納部、210 端末側データ処理部、220 端末側通信部、300 データ種別情報保持部、310 選択部、320 手続き情報格納部、330 装置側データ処理部、340 通信用バッファメモリ、350 装置側通信部、360 格納部識別情報保持部、370 選択判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ通信用のICチップを有する携帯情報端末及び前記ICチップの読み書き装置を備え、前記ICチップ及び前記読み書き装置の間で非接触にデータ通信を行う通信システムであって、
前記ICチップは、
前記データ通信において前記読み書き装置に送信するデータ、或いは前記読み書き装置から受信したデータを格納する複数のデータ格納部と、
前記複数のデータ格納部の何れかを用いて、前記読み書き装置との間で前記データ通信を行う端末側通信部と
を含み、
前記携帯情報端末は、
前記端末側通信部が前記読み書き装置に送信するデータを生成して前記複数のデータ格納部の何れかに格納したり、また、前記端末側通信部が前記読み書き装置から受信して前記複数のデータ格納部の何れかに格納したデータを読み出して処理したりする端末側データ処理部
を更に有し、
前記読み書き装置は、
前記複数のデータ格納部の何れかを、前記データ通信において用いられるべき前記データ格納部として選択する選択部と、
前記複数のデータ格納部のそれぞれを用いて前記端末側通信部との間で前記データ通信を行う手続きを示す手続き情報を取得すると共に、前記手続き情報に基づき、前記選択部により選択された前記データ格納部を用いて、前記端末側通信部との間で前記データ通信を行う装置側通信部と、
前記複数のデータ格納部のうち、直前に行われた前記データ通信において前記装置側通信部により用いられた前記データ格納部を識別する格納部識別情報を保持する格納部識別情報保持部と
を有し、
前記選択部は、前記格納部識別情報保持部が保持する前記格納部識別情報によって識別される前記データ格納部を、次に行われる前記データ通信において用いられるべき前記データ格納部として選択する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記携帯情報端末は、
前記手続き情報を格納する手続き情報格納部
を更に有し、
前記端末側通信部は、更に、前記手続き情報を前記装置側通信部に送信し、
前記装置側通信部は、前記手続き情報を、前記端末側通信部から受信することにより取得する
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記読み書き装置は、
前記手続き情報を格納する手続き情報格納部
を更に有し、
前記装置側通信部は、前記手続き情報を、前記手続き情報格納部から読み出すことにより取得する
請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記複数のデータ格納部のそれぞれは、当該データ格納部が格納するデータの種別を示すデータ種別情報を更に格納し、
前記装置側通信部は、前記選択部によって選択された前記データ格納部の前記データ種別情報を、前記端末側通信部から更に受信し、
前記読み書き装置は、
次に行われる前記データ通信において前記ICチップとの間で送受信されるデータの種別を示す前記データ種別情報を保持するデータ種別情報保持部と、
前記選択部によって選択された前記データ格納部が、次に行われる前記データ通信において前記ICチップとの間で送受信されるデータを格納する前記データ格納部であるか否かを、前記装置側通信部が前記端末側通信部から受信した前記データ種別情報、及び前記データ種別情報保持部が保持する前記データ種別情報に基づいて判定する選択判定部と
を更に有し、
前記装置側通信部は、前記選択部によって選択された前記データ格納部が、次に行われる前記データ通信において前記ICチップとの間で送受信されるデータを格納する前記データ格納部ではないと前記選択判定部によって判定された場合に、前記複数のデータ格納部のそれぞれにおける前記データ種別情報を前記端末側通信部から更に受信し、
前記選択部は、前記選択部によって選択された前記データ格納部が、次に行われる前記データ通信において前記ICチップとの間で送受信されるデータを格納する前記データ格納部ではないと前記選択判定部によって判定された場合に、前記装置側通信部が受信した、前記複数のデータ格納部のそれぞれにおける前記データ種別情報、及び前記データ種別情報保持部が保持する前記データ種別情報に基づいて、前記複数のデータ格納部から、当該次に行われるデータ通信において用いられるべき、他の前記データ格納部を選択する
請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記装置側通信部は、同一の前記ICチップが有する前記端末側通信部との間で、複数回の前記データ通信を連続して行い、
前記選択部は、次に行われる前記データ通信が、前記複数回のデータ通信における2回目以降の前記データ通信である場合には、前記格納部識別情報保持部が保持する前記格納部識別情報によって識別される前記データ格納部を、当該次に行われるデータ通信において用いられるべき前記データ格納部として選択する
請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記装置側通信部は、次に行われる前記データ通信が、前記複数回のデータ通信における1回目の前記データ通信である場合には、前記複数のデータ格納部のそれぞれにおける前記データ種別情報を前記端末側通信部から更に受信し、
前記選択部は、次に行われる前記データ通信が、前記複数回のデータ通信における1回目の前記データ通信である場合には、前記装置側通信部が受信した、前記複数のデータ格納部のそれぞれにおける前記データ種別情報、及び前記データ種別情報保持部が保持する前記データ種別情報に基づいて、前記複数のデータ格納部から、当該次に行われるデータ通信において用いられるべき、他の前記データ格納部を選択する
請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記手続き情報は、一つの前記データ格納部が一度に格納することのできる最大のデータ量を示す情報を含み、
前記読み書き装置は、
前記最大のデータ量よりも大きなデータを、前記最大のデータ量以下の複数のデータに分割する装置側データ処理部
を更に有し、
前記装置側通信部は、前記複数のデータのそれぞれを、前記複数回のデータ通信において、前記選択部によって選択された前記データ格納部に順次格納させるべく、前記端末側通信部に順次送信し、
前記端末側通信部は、前記複数のデータのそれぞれを、前記複数回のデータ通信において前記装置側通信部から順次受信して、前記選択部によって選択された前記データ格納部に順次格納し、
前記端末側データ処理部は、前記複数回のデータ通信において前記端末側通信部により順次受信された前記複数のデータのそれぞれを、前記データ格納部から順次読み出す
請求項5に記載の通信システム。
【請求項8】
前記端末側データ処理部は、一つの前記データ格納部が一度に格納することのできる最大のデータ量よりも大きなデータを、前記最大のデータ量以下の複数のデータに分割して、前記複数のデータ格納部の何れかに順次格納し、
前記端末側通信部は、前記複数のデータのそれぞれを、前記複数回のデータ通信において、前記装置側通信部に順次送信し、
前記装置側通信部は、前記複数のデータのそれぞれを、前記複数回のデータ通信において、前記端末側通信部から順次受信する
請求項5に記載の通信システム。
【請求項9】
前記端末側データ処理部は、前記複数回のデータ通信に含まれる一の前記データ通信において、前記端末側通信部によって前記装置側通信部から受信されて、前記データ格納部に格納されたデータに基づいて、当該一のデータ通信の後に行われる、前記複数回のデータ通信に含まれる他の前記データ通信において、前記端末側通信部が前記装置側通信部に送信するデータを生成して、当該データ格納部に格納する請求項5に記載の通信システム。
【請求項10】
前記読み書き装置は、
前記複数回のデータ通信に含まれる一の前記データ通信において、前記装置側通信部によって前記端末側通信部から受信されたデータに基づいて、当該一のデータ通信の後に行われる、前記複数回のデータ通信に含まれる他の前記データ通信において、前記装置側通信部が前記端末側通信部に送信するデータを生成する装置側データ処理部
を更に有する
請求項5に記載の通信システム。
【請求項11】
データ通信において送受信するデータを格納する複数のデータ格納部を有するICチップとの間で非接触にデータ通信を行う前記ICチップの読み書き装置であって、
前記複数のデータ格納部の何れかを、前記データ通信において用いられるべき前記データ格納部として選択する選択部と、
前記複数のデータ格納部のそれぞれを用いて前記ICチップとの間で前記データ通信を行う手続きを示す手続き情報を取得すると共に、前記手続き情報に基づき、前記選択部により選択された前記データ格納部を用いて、前記ICチップとの間で前記データ通信を行う装置側通信部と、
前記複数のデータ格納部のうち、直前に行われた前記データ通信において前記装置側通信部により用いられた前記データ格納部を識別する格納部識別情報を保持する格納部識別情報保持部と
を有し、
前記選択部は、前記格納部識別情報保持部が保持する前記格納部識別情報によって識別される前記データ格納部を、次に行われる前記データ通信において用いられるべき前記データ格納部として選択する
ことを特徴とする読み書き装置。
【請求項12】
データ通信において送受信するデータを格納する複数のデータ格納部を有するICチップとの間で非接触にデータ通信を行う前記ICチップの読み書き方法であって、
前記複数のデータ格納部の何れかを、前記データ通信において用いられるべき前記データ格納部として選択する選択段階と、
前記複数のデータ格納部のそれぞれを用いて前記ICチップとの間で前記データ通信を行う手続きを示す手続き情報を取得すると共に、前記手続き情報に基づき、前記選択段階において選択された前記データ格納部を用いて、前記ICチップとの間で前記データ通信を行う装置側通信段階と、
前記複数のデータ格納部のうち、直前に行われた前記データ通信において前記装置側通信段階において用いられた前記データ格納部を識別する格納部識別情報を保持する格納部識別情報保持段階と
を有し、
前記選択段階は、前記格納部識別情報保持段階において保持された前記格納部識別情報によって識別される前記データ格納部を、次に行われる前記データ通信において用いられるべき前記データ格納部として選択する
ことを特徴とする読み書き方法。
【請求項13】
データ通信において送受信するデータを格納する複数のデータ格納部を有するICチップとの間で非接触にデータ通信を行う前記ICチップの読み書き装置としてコンピュータを機能させる読み書きプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記複数のデータ格納部の何れかを、前記データ通信において用いられるべき前記データ格納部として選択する選択部と、
前記複数のデータ格納部のそれぞれを用いて前記ICチップとの間で前記データ通信を行う手続きを示す手続き情報を取得すると共に、前記手続き情報に基づき、前記選択部により選択された前記データ格納部を用いて、前記ICチップとの間で前記データ通信を行う装置側通信部と、
前記複数のデータ格納部のうち、直前に行われた前記データ通信において前記装置側通信部により用いられた前記データ格納部を識別する格納部識別情報を保持する格納部識別情報保持部と
を有し、
前記選択部は、前記格納部識別情報保持部が保持する前記格納部識別情報によって識別される前記データ格納部を、次に行われる前記データ通信において用いられるべき前記データ格納部として選択する
ことを特徴とする読み書き装置として機能させる読み書きプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−172071(P2006−172071A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362665(P2004−362665)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(500438172)テックファーム株式会社 (14)
【Fターム(参考)】