説明

通信システム、送信機および受信機

【課題】 多値変調信号を直接拡散(DS)して伝送する場合、多値化により送信信号電力のピークファクタが大きくなることにより、送信側の増幅器の電力効率が劣化するという問題があった。
【解決手段】 送信側において、情報系列に基づきシンボル単位で変調多値数分の変調用位相回転系列を用いて変調する変調手段(100)と、前記変調手段の出力に対して周波数軸上で一定の周波数幅で変化する位相回転系列により拡散処理を施す拡散手段(110)とを備え、受信側においては、前記拡散手段(110)で用いた拡散用位相回転系列をシンボル単位で逆位相回転した逆位相回転系列を乗算する乗算手段(270)と、前記変調手段で用いた変調用位相回転系列をシンボル単位で逆位相回転した逆位相回転系列を乗算して逆拡散を行う逆拡散処理手段(270)と、前記逆拡散手段の出力に対して復調処理を行う復調手段(290)とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、符号系列により直接スペクトラム拡散を行う通信システム、送信機および受信機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下、従来の無線通信システムにおける直接拡散(DS)方式の変復調方法について、図9、図10をもとに説明を行う。図9は送信側を示しており、1000は変調部、1010は符号系列を乗算する乗算器、1020はフレームの末尾部分を先頭部分にコピーするサイクリック・プリフィックス(CP)付加部、1030はベースバンド信号をRF周波数に変換する周波数変換部、1040は増幅部、1050はアンテナである。図10は受信側を示しており、1060はアンテナ、1070は増幅器、1080はRF信号をベースバンドに変換する周波数変換部、1090は、CPを除去するCP除去部、1100は周波数領域処理部、1110はFFT、1120は周波数領域等化部、1130はIFFT、1140は符号系列を乗算し、1シンボル相当積分する相関器、1150は復調部である。さらに、1160は周波数領域のチャネル推定値を生成するチャネル推定値生成部である。図11はフレーム構成を示しており、複数シンボル(Nsym)のデータに対して、拡散率SFで拡散することを想定しており、フレーム末尾のチップNcp×SFをフレーム先頭にコピーしたサイクリック・プリフィックス(CP)部分を有する構成であり、CPの時間長に相当するマルチパス遅延波の影響を軽減できる効果がある。
【0003】
図9に示されるように、変調部1000で変調された信号は、乗算器1010において、符号系列が乗算され、広帯域の信号に拡散変調される。前記拡散変調された信号は、CP付加部1020でCPが付加された後、周波数変換部1030で周波数変換され、RF信号となる。前記周波数変換部1030の出力信号は、増幅器1040で増幅された後、1050のアンテナを経て送信される。
【0004】
一方、受信側では、図10のように、受信された信号はアンテナ1060を経て増幅器1070で増幅される。前記増幅された受信RF信号は、周波数変換部1080によりベースバンド信号に周波数変換された後、CP除去部1090に入力される。前記周波数変換部1080の出力は、CP除去部1090に入力され、CP除去部1090はフレーム先頭に付加されたCP部分の除去を行う。前記CP除去部1090の出力は、周波数領域処理部1100に入力される。前記周波数領域処理部1100では、前記CP除去後の信号に対して、FFT処理を行い、信号は周波数領域の信号に変換される。前記FFT1110の出力は、周波数領域等化部1120に入力され、チャネル推定値生成部1160の周波数領域のチャネル推定値に基づき、周波数領域で等化処理が行われる。前記周波数等化部1120の出力は、IFFT部1130に入力される。IFFT部1130の出力は、相関器1140に入力される。前記相関器1140では、符号系列の乗算を行い、シンボル単位で積分する相関演算が行われ、相関値が前記相関器1140から出力される。前記相関器1140の出力は復調部1150に入力され、復調結果が復調部1150から出力される(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】電子情報通信学会技術研究報告,無線通信システムRCS2004-86, pp.61-65(2004年6月)「パイロットチャネル推定を用いるDS-CDMA周波数領域等化の誤り率特性」(武田,安達)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザ(チャネル)ごとに、固有の符号を用いて拡散する直接拡散(DS)方式では、広帯域伝送時にマルチパス遅延波により特性が劣化するため、上記の説明のように従来手法として周波数領域で等化する手法があるが、多値変調信号を直接拡散(DS)して伝送する場合、多値化により送信信号電力のピークファクタが大きくなることにより、送信側の増幅器の電力効率が劣化するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、多値変調信号を直接拡散(DS)して伝送する場合、多値化による送信信号電力のピークファクタを低減可能な直接拡散送受信装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる符号系列はシンボル単位で周波数帯域上の振幅特性がフラットな特性となるよう、周波数軸方向で周波数がシフトするような位相回転を与える符号系列を与えるとともに、変調は、シンボル単位で、変調多値数に応じた数のキャリアを一定の周波数間隔で配置することで周波数領域で変調多値化するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、多値化による送信信号電力のピークファクタを低減可能な直接拡散送受信装置を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1による送信機の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1による送信シンボルの構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1による拡散後の変調信号の周波数軸上での周波数配置を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1による拡散系列の時間領域の波形図である。
【図5】本発明の実施の形態1による拡散系列の周波数領域の波形図である。
【図6】本発明の実施の形態1による受信機の構成図である。
【図7】本発明の実施の形態2による送信機の構成図である。
【図8】本発明の実施の形態2による周波数配置図である。
【図9】従来の送信装置の図である。
【図10】従来の受信装置の図である。
【図11】従来のフレーム構成の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
本実施の形態は、送受信装置に関するものであり、図1から図8をもとに当該送受信装置の変復調処理について説明する。
【0012】
図1に、本実施の形態における送信機の構成を示す。図2に、送信シンボルの構成を示す。また、図3に変調用位相回転系列φm(m=0,1,・・・,M-1)と拡散用位相回転系列θによる拡散後の変調信号の周波数軸上での周波数配置を示す。図4に拡散系列の時間領域の波形、図5に拡散系列の周波数領域の波形を示す。図6に受信機の構成を示す。
【0013】
図1において、100は変調部、110は拡散のための乗算器、120はサイクリック・プリフィックス付加部、130は波形整形フィルタ、140は周波数変換部、150は増幅器、160はアンテナである。図2のように、シンボルブロックはサイクリック・プリフィックスを含んだ(NCP+SF)チップから構成されており、SFとFFTポイント数は同じである。
【0014】
図1を用いて、送信機の動作を説明する。図1に示されるように、入力された情報系列に対して、変調部100では変調用位相回転系列φm(m=0,1,・・・,M-1,Mは変調多値数)により変調される。前記変調部100で変調された信号は、乗算器110において、拡散用位相回転系列θが乗算される。前記変調用位相回転系列φmおよび拡散用位相回転系列θはそれぞれ、式(1)、式(2)で表される。図3に、拡散前と拡散後の変調信号の周波数配置のイメージを示す。
【0015】
(変調用位相回転系列)

【0016】
(拡散用位相回転系列)

【0017】
ここで、Aは変調する際のキャリア間隔を示す正の整数(1≦A≦SF/M)であり、式(1)で表される変調用位相回転系列では、シンボル単位で、変調多値数に応じた数のキャリアを一定の周波数間隔で配置して周波数領域で変調多値化している。また、式(2)では、拡散用位相回転系列は、周波数領域での相関特性に優れた、拡散率SF単位で位相がのこぎり波状に変化する複素位相回転系列によりチップ単位で位相回転する系列を用いる。前記拡散用位相回転系列による拡散では、変調信号が、チップ間隔で一定の周波数量Δfで変化していく。前記拡散用位相回転系列は、例えばポリフェーズ系列、あるいはZadoff-Chuなどが使用可能である。次式に、Δfを示す。図4に拡散系列の時間領域の波形、図5に拡散系列の周波数領域の波形を示す。図4は32チップの場合の拡散系列、図5は図4の拡散系列を周波数領域に変換した32サンプルの周波数領域上の拡散系列である。図4の横軸は時間(チップ単位)、図5の横軸は周波数(サンプル単位)である。前記拡散用位相回転系列の時間領域および周波数領域の波形の電力は、共に一定となる性質を有する。
【0018】

【0019】
ここで、図3に示されるように、Bwは拡散処理時の占有帯域幅である。
【0020】
特に、図3に示されるように、変調用位相回転系列の性質として、変調されるデータに応じてキャリアの周波数位置がM通り変化しているが、シンボル単位で見れば、1キャリア分しか立っていない状態となるため、変調信号のピーク電力を小さくすることが可能である。従って、前記拡散のための乗算器110の出力では、変調シンボルに応じて、拡散系列が周波数軸上でM通りシフトしていることとなるため、ランダムなデータに基づき変調された変調部100の出力信号を拡散系列により拡散する場合でも、周波数スペクトルをフラットにすることができ、受信側で周波数領域等化を行う際、シンボル単位で周波数領域のチャネル推定が行える。
【0021】
乗算器110で拡散された変調信号は、サイクリック・プレフィックス(CP)付加部120に入力され、図2のシンボル構成となるよう、SFチップからなるシンボルの末尾Ncpチップ分がシンボル先頭に付加される。前記CP付加部120の出力は、波形整形フィルタ130に入力され、波形整形が行われた後、周波数変換部140において周波数変換され、増幅器150に入力される。増幅器150の出力は、アンテナ160に入力され信号が送信される。
【0022】
次に、図6により受信機側の動作を説明する。図6に示された受信機において、200はアンテナ、210は周波数変換部、220は波形整形フィルタ、230はサイクリック・プレフィックス(CP)除去部、240は周波数領域処理部、250はFFT、260は周波数領域等化部、270は相関部、280はチャネル推定値生成部、290はデータ復調する復調部である。
【0023】
アンテナ200で受信した信号は、周波数変換部210によりベースバンド信号に周波数変換される。周波数変換部210の出力は、波形整形フィルタ220により受信側でフィルタリングされた後、CP除去部230でCPが除去されたシンボルが抽出される。CP除去部230の出力は、FFT250に入力され、周波数領域の信号に変換される。前記FFT250の出力は、周波数領域等化部260に入力され、チャネル推定値生成部280が受信信号から生成した周波数領域のチャネル推定値により、周波数領域等化が行われる。
【0024】
前記周波数領域等化260の出力は、相関器270に入力される。相関器270では、変調用位相回転系列φm(m=0〜M-1)と拡散用位相回転系列θとを乗算した結果を周波数領域に変換した系列F(−θ・φm)により複素相関処理を行う。ただし、変調多値数に相当するM回の相関を行う必要がある。
【0025】
前記相関器270により得られたM個分の相関値は復調部290に入力される。復調部290では、前記M個分の相関値を用いて最も尤度の高いデータを復調結果として出力する。
【0026】
以上のように、この実施の形態によれば、符号系列はシンボル単位で周波数帯域上の振幅特性がフラットな特性となるよう、周波数軸方向で周波数がシフトするような位相回転を与える符号系列を与えるとともに、変調は、シンボル単位で、変調多値数に応じた数のキャリアを一定の周波数間隔で配置することで周波数領域にて変調多値化できる。
【0027】
またこの実施の形態によれば、周波数領域で等化を行うために、符号系列と変調信号が乗算されたシンボル単位の信号が、周波数帯域上で振幅特性がフラットな特性となる拡散後の変調信号を与えることができ、パイロットシンボルのみのフレームを挿入する必要がなく、トータルの伝送効率を低下させない直接拡散送受信装置を得ることが可能となる。
【0028】
またこの実施の形態によれば、直接拡散(DS)方式で周波数領域等化した信号に対して、周波数領域で逆拡散のための相関処理を行うことで、変調シンボルを抽出することが可能となるため、周波数領域の信号を時間領域の信号に変換するIFFTが不要となり、FFTを一つのみの利用で実現でき、処理規模の削減が図れる。
【0029】
またこの実施の形態によれば、周波数領域で等化を行う際に、時間長の大きいフレーム単位ではなく、シンボル単位でFFT処理を行うことができるため、伝送路が高速変動する際にも信号歪みが抑えられ通信品質への影響を小さくできる。
【0030】
実施の形態2.
本実施の形態は、実施の形態1と同一の送受信装置の構成をとるが、複数のユーザが同時に送信するDS-CDMA対応となっている点が異なり、本実施の形態2では実施の形態1と異なる送信部分についてのみ説明を行う。
【0031】
図7はユーザが複数いる場合の送信機の構成図であり、図7において、300、301、302は変調部、310、311、312は拡散のための乗算器、320、321、322はサイクリック・プリフィックス付加部、330、331、332は波形整形フィルタ、340、341、342は周波数変換部、350、351、352は増幅器、360、361、362はアンテナである。
【0032】
図7において、図1と異なる点は、ユーザ(u)ごとに与える変調用位相回転系列φm,u(m=0,1,・・・M-1, u=0,1,・・・U)の与え方である。ここで、Mは変調多値数、Uはユーザ数である。図8にユーザごとの周波数配置例を示す。図8(a)にユーザ毎に変調時のキャリアを固めて配置する例を示す(u=0,1の場合)。図8(b)にユーザ毎に分散して配置する例を示す(u=0,1の場合)。
【0033】
図8に示されるように、ユーザ毎に変調の多値数分のキャリアがオーバーラップせずに配置されているため、基地局側で複数のユーザからの信号を受信する際に、各ユーザからの信号電力が異なる場合でも、CDMA特有の遠近問題の影響が軽減され、通信品質の低下が抑えられる。
【0034】
以上のように、この実施の形態によれば、DS-CDMAにおいて複数のユーザ(端末)が同時に送信する際、ユーザごとにシンボル単位で同期をとり、異なるキャリアを使用して多値変調することで、CDMA特有の遠近問題の影響を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上のように、この発明は符号系列により直接スペクトラム拡散を行う通信装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
100 変調部、110 乗算器、120 サイクリック・プリフィックス付加部、130 波形整形フィルタ、140 周波数変換部、150 増幅器、160 アンテナ、200 アンテナ、210 周波数変換部、220 波形整形フィルタ、230 サイクリック・プレフィックス(CP)除去部、240 周波数領域処理部、250 FFT、260 周波数領域等化部、270 相関部、280 チャネル推定値生成部、290 復調部、300,301,302 変調部、310,311,312 乗算器、320,321,322 サイクリック・プリフィックス付加部、330,331,332 波形整形フィルタ、340,341,342 周波数変換部、350,351,352 増幅器、360,361,362 アンテナ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側において、
情報系列に基づきシンボル単位で変調多値数分の変調用位相回転系列を用いて変調する変調手段と、
前記変調手段の出力に対して、周波数軸上で一定の周波数幅で変化する位相回転系列により拡散処理を施す拡散手段と、
を備え、
受信側においては、
前記拡散手段で用いた拡散用位相回転系列をシンボル単位で逆位相回転した逆位相回転系列を乗算する乗算手段と、
前記変調手段で用いた変調用位相回転系列をシンボル単位で逆位相回転した逆位相回転系列を乗算して逆拡散を行う逆拡散処理手段と、
前記逆拡散手段の出力に対して復調処理を行う復調手段と、
を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記変調手段では、拡散後の送信信号帯域を越えない範囲で、所定の周波数間隔で変調多値数分のキャリアをシンボル単位で切り替えて配置すること、を特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記逆拡散処理手段では、サイクリック・プリフィックスを除去するサイクリック・プリフィックス除去手段と、前記サイクリック・プリフィックス除去手段の出力に対して、周波数領域で等化処理を行う等化処理手段と、前記等化処理手段の出力に対して、拡散手段で用いた位相回転系列を周波数領域に変換して逆位相回転した逆位相回転系列を乗算するとともに、前記変調手段で用いた位相回転系列を周波数領域に変換して逆位相回転した逆位相回転系列を乗算して、周波数領域上で変調多値数分の相関処理を行う相関処理手段とを備えた、ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記復調手段では、前記逆拡散処理手段の出力する変調多値数分の相関処理結果に基づき、最も尤度の高いものを復調データとして出力すること、を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記変調手段では、複数ユーザが同時にアクセスすることができるよう、ユーザ毎に送信信号を送信する際に、拡散後の送信信号帯域を越えない範囲で、所定の周波数間隔で変調多値数分のキャリアがオーバーラップしないように配置すること、を特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記変調手段では、複数ユーザが同時にアクセスすることができるよう、ユーザ毎に送信信号を送信する際に、拡散後の送信信号帯域を越えない範囲で、所定の周波数間隔で変調多値数分のキャリアがオーバーラップしないように分散して配置あるいはユーザ単位でまとめて配置すること、を特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
情報系列に基づきシンボル単位で変調多値数分の変調用位相回転系列を用いて変調する変調手段と、
前記変調手段の出力に対して、周波数軸上で一定の周波数幅で変化する位相回転系列により拡散処理を施す拡散手段と、
を備えたことを特徴とする送信機。
【請求項8】
前記変調手段では、拡散後の送信信号帯域を越えない範囲で、所定の周波数間隔で変調多値数分のキャリアをシンボル単位で切り替えて配置すること、を特徴とする請求項7に記載の送信機。
【請求項9】
前記変調手段では、複数ユーザが同時にアクセスすることができるよう、ユーザ毎に送信信号を送信する際に、拡散後の送信信号帯域を越えない範囲で、所定の周波数間隔で変調多値数分のキャリアがオーバーラップしないように配置すること、を特徴とする請求項7または8に記載の送信機。
【請求項10】
前記変調手段では、複数ユーザが同時にアクセスすることができるよう、ユーザ毎に送信信号を送信する際に、拡散後の送信信号帯域を越えない範囲で、所定の周波数間隔で変調多値数分のキャリアがオーバーラップしないように分散して配置あるいはユーザ単位でまとめて配置すること、を特徴とする請求項9に記載の送信機。
【請求項11】
送信機が変調手段により情報系列に基づきシンボル単位で変調多値数分の変調用位相回転系列を用いて変調した後、拡散手段により前記変調手段の出力に対して、周波数軸上で一定の周波数幅で変化する位相回転系列により拡散処理を施して送信した信号を受信する受信機であって、
前記拡散手段で用いた拡散用位相回転系列をシンボル単位で逆位相回転した逆位相回転系列を乗算する乗算手段と、
前記変調手段で用いた変調用位相回転系列をシンボル単位で逆位相回転した逆位相回転系列を乗算して逆拡散を行う逆拡散処理手段と、
前記逆拡散手段の出力に対して復調処理を行う復調手段と、
を備えたことを特徴とする受信機。
【請求項12】
前記逆拡散処理手段では、サイクリック・プリフィックスを除去するサイクリック・プリフィックス除去手段と、前記サイクリック・プリフィックス除去手段の出力に対して、周波数領域で等化処理を行う等化処理手段と、前記等化処理手段の出力に対して、拡散手段で用いた位相回転系列を周波数領域に変換して逆位相回転した逆位相回転系列を乗算するとともに、前記変調手段で用いた位相回転系列を周波数領域に変換して逆位相回転した逆位相回転系列を乗算して、周波数領域上で変調多値数分の相関処理を行う相関処理手段とを備えた、ことを特徴とする請求項11に記載の受信機。
【請求項13】
前記復調手段では、前記逆拡散処理手段の出力する変調多値数分の相関処理結果に基づき、最も尤度の高いものを復調データとして出力すること、を特徴とする請求項11または12に記載の受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−49950(P2011−49950A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198074(P2009−198074)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】