説明

通信システム、通信システムの動作確認処理方法及び動作確認処理プログラム

【課題】RFタグと無線通信を行う通信装置のアンテナが正常に動作していないことを確実に検出可能な技術を提供する。
【解決手段】通信装置は、管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信し、正常に電波が送信されている場合に常に無線通信が成立する動作確認用のRFタグを備えるアンテナを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF(Radio Frequency)タグを検出するための通信装置に関し、特に通信装置のアンテナに不具合が生じたことを検出する通信装置、通信装置の動作確認処理方法及び動作確認処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RFタグと、RFタグの読取処理を行うリーダライタとの交信状況に問題が発生しているか否かを判断する検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような検査装置によれば、交信状況に問題が発生した場合に、その問題発生の原因を特定することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の技術では、アンテナが正常に動作しているか否かを検出するために、リーダライタとは別にこのような検査装置を新たに導入する必要があり、リーダライタ単独では、アンテナに異常が発生してRFタグの読取処理が行えなかった場合に、リーダライタのアンテナの無線通信が可能な範囲にRFタグが存在していないために読み取りができないのか、リーダライタのアンテナが故障しているために読み取りができないのか、を識別することが難しかった。
【0004】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、RFタグと無線通信を行う通信システムのアンテナが正常に動作していないことを確実に検出可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信し、正常に電波が送信されている場合に常に無線通信が成立する動作確認用のRFタグを備えるアンテナを備える通信装置。
【0006】
また、本発明の一態様は、管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信するアンテナと、前記アンテナの通信可能エリア内に、前記アンテナと通信可能な状態で配置される動作確認用RFタグと、を備える通信システムに関する。
【0007】
また、本発明の一態様は、管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信する複数のアンテナと、前記複数のアンテナそれぞれに個別に対応付けられ、それぞれが対応するアンテナとのみ通信可能な状態で配置されるとともに、それぞれが固有のID情報を保持する複数の動作確認用RFタグと、RFタグの読取処理を行うための読取信号を、前記複数のアンテナを介して送信させる送信部と、前記送信部が出力させた前記読取信号に対して、前記複数のアンテナにて受信される応答信号に、前記複数の動作確認用RFタグが保持する複数のID情報の内のいずれかが含まれていない場合に、該応答信号に含まれていないID情報を保持する動作確認用RFタグが対応付けられているアンテナが正常に動作していないと判定する判定部と、を備える通信システムに関する。
【0008】
また、本発明の一態様は、管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信するアンテナと、前記アンテナの通信可能エリア内に、前記アンテナと通信可能な状態で配置される動作確認用RFタグと、を備える通信システムの動作確認処理方法であって、RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信し、前記読取信号に対して、RFタグからの応答信号を1つも受信しない場合に前記アンテナが正常に動作していないと判定する通信システムの動作確認処理方法に関する。
【0009】
また、本発明の一態様は、管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信するアンテナと、前記アンテナの通信可能エリア内に、前記アンテナと通信可能な状態で配置される、固有のID情報を有する動作確認用RFタグと、を備える通信システムの動作確認処理方法であって、RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信し、前記読取信号に対して、前記動作確認用RFタグのID情報を含む応答信号を受信しない場合に、前記アンテナが正常に動作していないと判定する通信システムの動作確認処理方法に関する。
【0010】
また、本発明の一態様は、管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信する複数のアンテナと、前記複数のアンテナそれぞれに個別に対応付けられ、それぞれが対応するアンテナとのみ通信可能な状態で配置されるとともに、それぞれが固有のID情報を保持する複数の動作確認用RFタグと、を備える通信システム動作確認処理方法であって、RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信し、前記読取信号に対して、前記複数のアンテナにて受信される応答信号に、前記複数の動作確認用RFタグが保持する複数のID情報の内のいずれかが含まれていない場合に、該応答信号に含まれていないID情報を保持する動作確認用RFタグが対応付けられているアンテナが正常に動作していないと判定する通信システムの動作確認処理方法に関する。
【0011】
また、本発明の一態様は、管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信するアンテナと、前記アンテナの通信可能エリア内に、前記アンテナと通信可能な状態で配置される動作確認用RFタグと、を備える通信システムにおける動作確認処理方法をコンピュータに実行させる動作確認処理プログラムであって、RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信し、前記読取信号に対して、RFタグからの応答信号を1つも受信しない場合に前記アンテナが正常に動作していないと判定する処理をコンピュータに実行させる動作確認処理プログラムに関する。
【0012】
また、本発明の一態様は、管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信するアンテナと、前記アンテナの通信可能エリア内に、前記アンテナと通信可能な状態で配置される、固有のID情報を有する動作確認用RFタグと、を備える通信システムにおける動作確認処理方法をコンピュータに実行させる動作確認処理プログラムであって、RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信し、前記読取信号に対して、前記動作確認用RFタグのID情報を含む応答信号を受信しない場合に、前記アンテナが正常に動作していないと判定する処理をコンピュータに実行させる動作確認処理プログラムに関する。
【0013】
また、本発明の一態様は、管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信する複数のアンテナと、前記複数のアンテナそれぞれに個別に対応付けられ、それぞれが対応するアンテナとのみ通信可能な状態で配置されるとともに、それぞれが固有のID情報を保持する複数の動作確認用RFタグと、を備える通信システムにおける動作確認処理方法をコンピュータに実行させる動作確認処理プログラムであって、RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信し、前記読取信号に対して、前記複数のアンテナにて受信される応答信号に、前記複数の動作確認用RFタグが保持する複数のID情報の内のいずれかが含まれていない場合に、該応答信号に含まれていないID情報を保持する動作確認用RFタグが対応付けられているアンテナが正常に動作していないと判定する処理をコンピュータに実行させる動作確認処理プログラムに関する。
【発明の効果】
【0014】
以上に詳述したように、本発明によれば、RFタグと無線通信を行う通信システムのアンテナが正常に動作していないことを確実に検出可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態によるRF(Radio Frequency)タグに書き込まれた情報の読み取りなどを行う通信装置としてのリーダライタの構成を説明するための装置構成図である。
【図2】本実施形態のリーダライタによって実現される機能ブロック図である。
【図3】本実施形態のリーダライタによって実行されるアンテナの動作確認処理を示すフローチャートである。
【図4】本実施の形態のリーダライタの機能を説明するための機能ブロック図である。
【図5】本実施形態のリーダライタによって実行されるアンテナの動作確認処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態のリーダライタの構成を示す概略図である。
【図7】本実施形態のリーダライタによって実行されるアンテナの動作確認処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態によるRF(Radio Frequency)タグに書き込まれた情報の読み取りなどを行う通信システムとしてのリーダライタ1の構成を説明するための装置構成図である。
【0018】
リーダライタ1は、いわゆるRFID技術において、通信可能エリアとしてのRFタグの読み取りが可能なエリア(以下、「読取可能エリア」とも呼ぶ。)に存在する、管理対象物品に付されたRFタグ10と無線通信を行い、情報を読み取ってRFタグ10の存在を検出したり、RFタグ10に情報を書き込んだりする処理を行う装置である。そして、本実施形態のリーダライタ1は、アンテナ4が正常に動作しているか否かを確実に検知して、利用者に知らせることができるものである。
【0019】
本実施の形態のリーダライタ1及びRFタグ10によって実現されるシステムは、RFタグ10に対して電波を放射して、RFタグ10においてその電波を利用して所定の処理を行わせ、RFタグ10からの反射電波を受信することにより、読み取り処理を行う、電波方式のシステムである。
【0020】
また、本実施形態のリーダライタ1によって読み取り処理がされるRFタグ10は、リーダライタ1から送信される電波を受信して、RFタグ10が備えるICチップが、受信した電波を利用して所定の処理を行い、ID情報などを重畳させた反射電波を送信することができるもので、いわゆるパッシブタグと呼ばれる方式のタグである。
【0021】
以下、本実施形態に係るリーダライタ1を構成する各機器・部材について説明する。
【0022】
リーダライタ1は、図1に示すように、RFタグの読み取り処理を制御する制御装置2と、RFタグとの間で電波の送受信を行うアンテナ4と、アンテナ4の動作を確認するための動作確認用RFタグ6と、を備える。
【0023】
まず、制御装置2は、アンテナ4を介してRFタグに書き込まれた情報を読み取ったり、RFタグに情報を書き込んだりする処理を制御する装置である。制御装置2は、CPU2aと、メモリ2bなどを備える。
【0024】
CPU2aは、制御装置2における様々な処理を実行する。また、CPU2aは、メモリ2bに記憶された種々のプログラムを実行して、RFタグの読み取り処理や、本実施の形態において説明するアンテナの動作確認処理などの様々な処理を実行することができる。
【0025】
メモリ2bは、上述したCPU2aにおいて実行される読み取り処理などのプログラムを格納する。メモリ2bは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、VRAM(Video RAM)等から構成されることができる。
【0026】
制御装置2は、これらの構成により、制御装置2に接続されるアンテナ4に対して、RFタグの読み取り処理やRFタグへの書き込み処理を行うための読取信号や書込信号を送信したり、アンテナ4が受信した電波に含まれる信号を取得したりすることができる。さらに、本実施形態の制御装置2は、RFタグの読取信号(あるいは書込信号)を送信した場合において、RFタグを一つも検出できなかった場合には、アンテナ4が正常に動作していないことを報知するための動作確認処理を実行することができる。このアンテナの動作確認処理の詳細については後述する。
【0027】
なお、制御装置2は、そのほかに、表示部や操作入力部などを備え、RFタグの読み取り処理に関する情報や、後述するアンテナ4の動作確認処理に関する情報を表示したり、様々な処理についての設定入力などの各種操作入力を行うことができる。また、後述する動作確認処理の結果を報知するために、上記表示部の他に、例えば、専用の報知ランプや報知ブザーなどを備えることもできる。
【0028】
また、制御装置2は、読み取り処理やRFタグの読み取り処理を管理するより上位のシステムに接続することができ、例えば、不図示のコンピュータに接続して、読み取ったRFタグの情報や、本実施形態において説明するアンテナ4の動作確認処理などに関する情報を送信したり、コンピュータから各種処理の設定情報等を取得してその情報に基づいて各種処理を行うことができる。
【0029】
次に、アンテナ4は、制御装置2からの信号に基づいて、RFタグに対して電波を送信し、読取可能エリアに存在するRFタグからの反射電波を受信する。アンテナ4は、RFタグとの間で無線通信を行うことができるものであれば、どのような形式のものでもよく、ホイップアンテナ、ループアンテナ、パッチアンテナ、アレイアンテナなど様々な種類のアンテナを用いることができる。
【0030】
そして、本実施形態のアンテナ4は、上述した動作確認処理を行うための、動作確認用RFタグ6を備える。動作確認用RFタグ6は、アンテナ4が正常に動作して、電波を送信し、RFタグからの電波を受信しているか否かを確認するためのRFタグである。動作確認用RFタグ6は、アンテナ4が正常に動作して、アンテナ4から電波が送信されている場合には常に電波を受信することができるように設置される。つまり、アンテナ4からRFタグを読み取るための電波を送信した場合には、動作確認用RFタグ6は常にその電波を受信して、反射電波を送信し、アンテナ4が確実にその反射電波を受信可能となる状態で、動作確認用RFタグ6が配置される。具体的には、動作確認用RFタグ6は、アンテナ4の読取可能エリア内でかつ、アンテナ4との無線通信の電波が遮蔽される可能性がなく、放射される電波が特定の偏波方向を有する場合にはその電波を受信可能な、所定の姿勢・位置関係で配置される。
【0031】
この動作確認用RFタグ6によれば、アンテナ4が正常に動作していれば、制御装置2からRFタグの読取信号が送信されると、読取可能エリアに他のRFタグ10が存在しているか否かにかかわらず、制御装置2は常に動作確認用RFタグ6からの反射電波による信号(以下、「応答信号」とも呼ぶ。)を取得し、動作確認用RFタグ6を検出することができる。そのため、制御装置2が読取信号を送信して、例えば所定時間内に、いずれのRFタグからの応答信号も取得できない場合、つまり、応答信号の受信数が0の場合、上述した動作確認用タグ6からの信号も受信していないこととなる。よって、この場合は、制御装置2は、アンテナ4に不具合が生じて、正常に動作していないと判断することができる。
【0032】
一方、アンテナ4が正常に動作している場合には、制御装置2が、必ず動作確認用タグ6からの応答信号を受信することができる。例えば、読取可能エリアにRFタグ10が一つも存在しない場合にも、動作確認用RFタグ6からの1つの応答信号を受信できるし、RFタグ10が1つ以上存在する場合には、そのRFタグ10からの応答信号の数と動作確認用RFタグ10からの応答信号を足し合わせた数の応答信号を受信することができる。つまり、アンテナ4が正常に動作している場合には、常に1つ以上の読取信号を受信できるため、その場合は、制御装置2は、アンテナ4が正常に動作していると判断することができる。
【0033】
この動作確認用タグ6は、ICチップと電波を受信するためのアンテナなどを備える。動作確認用タグ6は、アンテナ4からの電波を受信すると、その電波を利用してICチップにおいて所定の処理を行い、ID情報などを重畳させた反射電波を送信することができる。なお、動作確認用タグ6としては、物品管理用の通常のRFタグ10と同じ物を用いてもよいし、特別の形状・構成などを有する専用のRFタグを用いてもよい。
【0034】
なお、この動作確認用RFタグ6によって確認することができるのは、アンテナ4から正常に電波が放射されているか否かについてである。例えば、アンテナ4が損傷していて電波が放射されない場合や、アンテナ4と制御装置2との接続が不良となっているために電波が放射されない場合には、動作確認用タグ6から応答信号を受信できないため、アンテナ4が正常に動作していないと判断できる。
【0035】
次に、図2に基づいて、本実施の形態のリーダライタ1が、アンテナ4が正常に動作しているか否かの動作確認処理を実行するための機能ブロックを説明する。図2は、本実施形態のリーダライタ1によって実現される機能ブロック図である。制御装置2は、送信部200と、受信部202と、出力部204と、判定部206と、報知信号出力部208と、を備える。
【0036】
以下、本実施形態のリーダライタ1を構成する各機能を説明する。
【0037】
送信部200は、リーダライタ1の制御装置2の操作入力部からの入力に基づいて、又は、予め設定された所定のタイミングに基づいて、アンテナ4に対してRFタグを読み取るための読取信号を出力する。
【0038】
アンテナ4は、正常に動作している場合にはこの読取信号を電波として放射する。放射された電波は、動作確認用RFタグ6と、物品管理用のRFタグ10が読取可能エリアに存在する場合にはRFタグ10と、により受信されて、それぞれから反射電波が送信され、アンテナ4がその反射電波を受信する。
【0039】
受信部202は、アンテナ4が受信した反射電波を応答信号として受信する。
【0040】
出力部204は、受信部が受信した応答信号を取得し、その応答信号に含まれるRFタグのID情報などの情報をリーダライタ1のメモリ2bや、外部の上位システムを構成するコンピュータなどに送信し、情報を格納させる。
【0041】
判定部206は、1つ以上の応答信号を予め設定された所定時間内に受信したか否かを判定する。例えば、アンテナ4に異常が発生していて、読取信号による電波がアンテナ4から放射されなかった場合、応答信号を取得できないため、所定時間の経過後、判定部206は、アンテナ4が正常に動作していないと判断する。
【0042】
報知信号出力部208は、判定部206がアンテナ4に異常が発生していると判断した場合には、異常を報知するための信号を、例えば、リーダライタ1の表示部や、制御部2が報知ランプや報知ブザーを備える場合にはそれらの報知機器に出力する。また、リーダライタ1が上述した上位システムに接続されている場合には、その上位システムに報知信号を出力することもできる。この場合には、表示部、報知ランプ、報知ブザー、上位システムにおいて、アンテナ4に異常が発生していることが報知され、利用者はアンテナ4の異常を知ることができる。
【0043】
以上のリーダライタ1の各構成及びそれらの構成によって実現される各機能によれば、アンテナ4が正常に動作している場合には、本実施形態の制御装置2は、読取信号を送信した場合に、常にRFタグの応答信号を1つ以上受信することができる。一方、アンテナが正常に動作していない場合には、制御装置2は、応答信号を1つも受信することができない。従って、リーダライタ1の制御装置2は、読取処理を行う場合に、(i)読取信号に対して取得した応答信号が0であれば、アンテナ4が正常に動作していないと判断し、(ii)応答信号が1であれば、リーダライタ1の読取可能エリアに動作確認用RFタグ6以外のRFタグ10が存在していないと判断し、(iii)応答信号が2以上であれば、動作確認用RFタグ6に加えて読取可能エリアに存在する物品管理用のRFタグ10が検出されたと判断することができる。
【0044】
従って、本実施形態のリーダライタ1によれば、読取可能エリアに物品管理用のRFタグ10が存在していないだけなのか、アンテナ4に不具合が生じているのかを区別し、アンテナ4の異常を確実に検知することができる。
【0045】
次に、本実施形態のリーダライタ1によってアンテナ4が正常に動作しているか否かを検知するための動作確認処理の流れについて説明する。
【0046】
図3は、本実施形態のリーダライタ1によって実行されるアンテナ4の動作確認処理を示すフローチャートである。
【0047】
まず、Act101において、送信部200がアンテナ4に対して、RFタグ10の読み取りを行うための読取信号を出力する。
【0048】
次に、Act102において、判定部206が、受信部202が読取信号に対するRFタグ10及び動作確認用RFタグ6からの応答信号を受信したか否かを判断する。
【0049】
判定部206が、受信部202が(所定時間経過前に)応答信号を受信したと判断した場合には、Act103において、出力部204が受信した応答信号をメモリ2bや外部の上位システムなどに出力する。
【0050】
一方、Act102において、応答信号が受信されていない場合には、Act104において、判定部206が、読取信号を出力してから所定時間経過したか否かを判定する。
【0051】
Act104において、所定時間経過していないと判断された場合には、Act102に戻って、Act102とAct104の判断を繰り返す。
【0052】
一方、所定時間経過していると判断された場合には、アンテナ4に異常が発生していると判断して、報知信号出力部208がアンテナ4の異常を報知するための信号を、リーダライタ1の表示部や、報知ランプ、報知ブザーあるいは、上位システムなどに出力し、それぞれの機器において所定の報知処理を実行させる。
【0053】
以上が、本実施形態のリーダライタ1によって実行される、アンテナ4が正常に動作しているか否かを検知するための動作確認処理の流れである。なお、以上の処理において、リーダライタ1が、所定時間内に、少なくとも1つの応答信号を受信した場合には、アンテナ4が正常に動作しているといえるため、その応答信号の受信後にさらに続けて動作確認処理を行わなくてもよい。
【0054】
以上の処理により、リーダライタ1の読取可能エリアに物品管理用のRFタグ10が存在していないのか、アンテナ4が正常に動作していないのかを正確に区別して、アンテナ4が正常に動作していない場合には、そのアンテナ4の異常を確実に検知して知らせることができる。
【0055】
なお、アンテナ4が正常か否かを判断する基準となる、所定時間は、任意で設定することができる。例えば、RFタグの検出のために利用者がリーダライタ1を操作をして任意のタイミングで読取信号を送信するような場合には、読取信号を送信してから任意の秒数経過するまでに1以上の応答信号を受信するか否かで、アンテナ4が異常であるかを判断することができる。また、リーダライタ1が電波を連続して送信する方式の場合には、一回の読取信号の送信に対する応答信号の受信を行う時間を所定時間とし、その時間内に1以上の応答信号を受信するか否かで異常を判断することができる。
【0056】
また、本実施の形態においては、制御装置2は、リーダライタ1に含まれる装置として説明したがこれに限られるものではなく、汎用のコンピュータなどを利用することができる。例えば、コンピュータのメモリ2bにRFタグの読み取り処理や本実施の形態において説明したアンテナ4の動作確認処理に係るプログラムを記憶しておき、コンピュータのCPUがそのプログラムを実行することで、アンテナの動作確認を実行可能なリーダライタの機能を同様に実現することができる。
【0057】
また、本実施の形態においては、RFタグはパッシブタグとして説明したがこれに限られるものではない。RFタグが自ら電波を放射する方式(アクティブタグ方式)であっても同様に動作確認処理を行うことができることは言うまでもない。
【0058】
また、本実施の形態においては、物品管理用のRFタグ10の読み取り処理の際に、アンテナ4の動作確認処理を並行して行うものとして説明したが、これに限られるものではなく、アンテナ4の動作確認処理のためだけに、読み取り信号を送信して、アンテナ4が正常に動作しているか否かを判断してもよい。
【0059】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0060】
第2の実施の形態のリーダライタ1Aは、動作確認用RFタグ6のID情報を、他の物品管理用のRFタグ10のID情報と区別して、動作確認処理において、動作確認用RFタグ6からの応答信号が取得されなかった場合に、アンテナ4が異常であると判断するものである。第1の実施の形態においては、読取信号に対する応答信号が0か1以上かでアンテナ4の異常を判断していたのに対して、本実施の形態においては、動作確認用RFタグ6のID情報を利用して、動作確認用RFタグ6からの応答信号の受信があったか否かで判断する点が第1の実施の形態と異なる点である。以下、本実施の形態のリーダライタ1Aについて説明するが、第1の実施の形態と同じ構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0061】
本実施の形態のリーダライタ1Aの装置構成は、第1の実施の形態と同様であるが、メモリ2bは、後述する判定部206Aが動作確認用RFタグ6からの応答信号を識別するために用いる、動作確認用RFタグ6に固有のID情報を格納している。
【0062】
次に、本実施の形態のリーダライタ1Aによって実現される機能を説明する。図4は、本実施の形態のリーダライタ1Aの機能を説明するための機能ブロック図である。
【0063】
送信部200及び受信部202は第1の実施の形態と同じである。
【0064】
判定部206Aは、第1の実施の形態の場合と同様に、送信部200が読取信号を送信してから所定時間内に受信部202が応答信号を受信したか否かの判定と、受信部202が応答信号を受信した場合に、その応答信号に含まれるID情報が、メモリ2bに予め記憶された動作確認用RFタグ6のID情報と一致するか否かの判定を行う。
【0065】
判定部206Aは、所定時間内に動作確認用RFタグ6に対応するID情報を含む応答信号を受信しなかったと判定した場合には、アンテナ4が正常に動作していないと判断する。この場合には、報知信号出力部208が、第1の実施の形態と同様に、表示部や上位システムにアンテナ4の異常を報知させるための信号を出力する。
【0066】
出力部204Aは、受信部202が取得した応答信号に含まれる情報を、リーダライタ1のメモリ2bや上位システムに出力するのに加え、本実施形態においては、動作確認用RFタグ6からの応答信号については、物品管理用のRFタグ10からの信号と区別して出力する処理ができる。つまり、上述したように、判定部206Aにおいて動作確認用RFタグ6のID情報と物品管理用のRFタグ10のID情報とを区別できるため、取得した動作確認用RFタグ6の情報については、RFタグ10の情報と異なる場所に出力することができる。
【0067】
例えば、リーダライタ1Aのメモリ2bにおいて、物品管理用のRFタグ10と動作確認用RFタグ6の情報とが異なるデータベースに格納されている場合には、動作確認用RFタグ6からの信号をその対応するデータベースに格納させることができる。
【0068】
また、本実施形態のリーダライタ1AがRFタグの情報を管理する上位システムに接続されており、応答信号をその上位システムに出力する場合、物品管理用のRFタグ10の信号と動作確認用RFタグ6の信号とをフィルタリングして、物品管理用のRFタグ10からの信号のみを上位システムに出力することができる。これは、上位システムとして、動作確認用RFタグの情報が登録されておらず、他のRFタグ10と区別できない既存のシステムを用いる場合、リーダライタ1Aから動作確認用RFタグ6の情報が送信されることで、通常のRFタグ10の情報と区別されずに登録されてしまったり、動作確認用RFタグ6の情報が未登録であるためにエラーとなってしまったりすることを防ぐためである。
【0069】
なお、動作確認用RFタグ6の情報については、アンテナ4の動作を管理する別の異常管理システムなどに出力して、アンテナ4が正常に動作しているか否かについて管理してもよい。
【0070】
以上の本実施形態のリーダライタ1Aによれば、第1の実施の形態のリーダライタ1の効果に加え、動作確認用RFタグ6からの応答信号と、物品管理用のRFタグ10からの応答信号とを区別して、その情報を管理することができるという効果が得られる。従って、RFタグの情報を管理する上位システムに対してリーダライタ1Aを利用する場合に、上位システムが本実施形態のリーダライタ1Aの動作確認処理について対応している必要が無く、リーダライタ1Aを既存の上位システムに対してそのまま利用することができる。
【0071】
次に、本実施の形態の動作確認処理の流れについて説明する。図5は、本実施形態のリーダライタ1Aによって実行されるアンテナ4の動作確認処理を示すフローチャートである。
【0072】
まず、Act101において、送信部200が読取信号を出力し、Act102において、判定部206Aが応答信号を取得したか否かを判定するのは第1の実施の形態と同様である。
【0073】
次に、応答信号を取得した場合には、Act501において、判定部206Aが、メモリ2bに記憶された動作確認用RFタグ6のID情報を参照して、取得した応答信号に含まれるID情報が、動作確認用RFタグ6のID情報と一致するか否かを判定する。
【0074】
動作確認用RFタグ6のID情報と一致した場合には、Act103において、出力部204が上述した所定の出力処理を行う。例えば、取得した動作確認用RFタグ6からの情報をリーダライタ1のメモリ2bにRFタグ10の情報とは区別して格納させたり、動作確認処理に対応した上位システムや、異常管理システムに出力したりする。
【0075】
一方、Act102において応答信号を取得していない場合は、Act104において、判定部206Aが、読取信号を出力してから所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過していなかったらAct102に戻り、処理を繰り返す。所定時間が経過していた場合には、Act105において、報知信号出力部208が、アンテナ4の異常を報知するための信号を、上述した報知を行う機器などに出力し、所定の報知処理を実行させる。
【0076】
また、Act501において、取得した応答信号に含まれるID情報が、動作確認用RFタグ6のID情報と一致しなかった場合には、Act104において、判定部206Aが、所定時間を経過したか否か判定する。判定後の処理は、Act102の判定後の処理と同様である。
【0077】
なお、応答信号を受信した場合に、Act102、501において動作確認用RFタグ6からの応答信号ではなく、物品管理用のRFタグ10からの応答信号であると判定された場合でも、応答信号を受信しているためアンテナ4が正常に動作しているといえる。そのため、この場合には、動作確認用RFタグ6からの応答信号の取得を待たずに、アンテナ4が正常であると判断してもよい。
【0078】
また、上述のAct501において、動作確認用RFタグ6の信号ではない物品管理用のRFタグ10からの応答信号であった場合には、この動作確認処理のフローとは別の処理において、そのRFタグ10の応答信号が出力部206Aによってメモリ2bなどに出力される。
【0079】
以上が、本実施形態のリーダライタ1Aによって実行される、アンテナ4が正常に動作しているか否かを検知するための動作確認処理の流れである。以上の処理により、リーダライタ1Aの読取可能エリアに物品管理用のRFタグ10が存在していないのか、アンテナ4が正常に動作していないのか、のいずれであるかを正確に区別して、アンテナ4が正常に動作していない場合には、そのアンテナ4の異常を確実に検知して知らせることができる。
【0080】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0081】
第3の実施の形態は、リーダライタ1Bの制御装置2に対して複数のアンテナが接続されている場合に上述の動作確認処理を行うものである。本実施の形態のリーダライタ1Bは、第2の実施の形態のリーダライタ1Aと同様に、動作確認用RFタグ6のID情報をメモリ2bに格納しておき、取得した応答信号のID情報が予め記憶された動作確認用RFタグ6のID情報に一致するか否かを判定する点は同じであるが、複数のアンテナが接続されるため、全てのアンテナに付される動作確認用RFタグからの応答信号を取得したか否かを判定する点が第2の実施の形態と異なる点である。
【0082】
以下、本実施の形態のリーダライタ1Bについて説明する。なお、本実施の形態においては、リーダライタ1Bは、3つのアンテナ4A、4B、4Cを備えるものとして説明するが、アンテナの個数はこれに限られることはなく、何個でもよい。また、既に説明した実施の形態と重複する構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0083】
図6は、本実施の形態のリーダライタ1Bの構成を示す概略図である。図6に示すように、本実施の形態のリーダライタ1Bは、制御装置2に対して、複数のアンテナ4A、4B、4Cが接続されている。そして、各アンテナは、それぞれ異なるID情報を有する動作確認用RFタグ6A、6B、6Cを有する。
【0084】
そして、制御装置2から読取信号を出力し、所定時間内に全てのアンテナ4A〜4Cから応答信号が取得されたか否かを判定し、取得していない動作確認用RFタグの信号が存在した場合には、そのID情報を特定する。これにより、アンテナが複数接続されている場合に、正常に動作していないアンテナを特定することが可能になり、上述した報知手段により、例えば、アンテナBが正常に動作していない旨を放置することができる。
【0085】
図7に基づいて、本実施の形態のリーダライタ1Bによって実行される動作確認処理の流れについて説明する。図7は、本実施形態のアンテナ4A〜4Cの動作確認処理を示すフローチャートである。なお、各処理を行う機能ブロックは、図4に示す機能ブロックと同様の機能ブロックである。
【0086】
Act101において、送信部200が読取信号を出力する。
【0087】
Act701において、判定部206Aは、受信部202が動作確認用RFタグ6A〜6Cの応答信号を全て取得したか否かを判定する。具体的には、取得した応答信号についてそのID情報がメモリ2bに予め記憶された動作確認用RFタグ6A〜6CのID情報と一致するか否かの判定を行い、動作確認用RFタグ6A〜6Cの全てのID情報を取得したか判定する。
【0088】
Act701において、全ての動作確認用RFタグ6A〜6Cの応答信号を取得したと判定した場合には、Act702において、取得した動作確認用RFタグ6A〜6Cからの情報について、第1及び第2の実施形態と同様の所定の出力処理を行う。
【0089】
一方、Act701において、判定部206Aが、動作確認用RFタグ6A〜6Cの応答信号を全て取得していないと判定した場合には、Act703において、所定時間が経過したか否かの判定を行う。所定時間経過していなければAct701に戻る。
【0090】
Act703において、所定時間経過していたと判定された場合には、Act704において、判定部206Aが、取得した応答信号に係るID情報と、メモリ2bに格納された動作確認用RFタグ6A〜6CのID情報とを対比して、応答信号が取得されていない動作確認用RFタグのID情報を特定する。
【0091】
そして、Act705において、報知信号出力部208は、応答信号が取得されていない動作確認用RFタグのID情報に基づいて、対応するアンテナの異常を報知するための信号を、上述した報知を行う機器などに出力し、所定の報知処理を実行させる。例えば、動作確認用RFタグ6Bからの応答信号が取得されていない場合には、判定部206Aはアンテナ4Bが正常に動作していないと判断し、報知信号出力部208は、アンテナ4Bが正常に動作していない旨を報知するための信号を、表示部その他の報知手段に出力する。
【0092】
以上が本実施の形態のリーダライタ1Bによって実行される、複数のアンテナについて、アンテナが正常に動作しているか否かを確認するための動作確認処理の流れである。
【0093】
以上の本実施の形態のリーダライタ1Bによれば、複数のアンテナを備える場合であっても、読取可能エリアに物品管理用RFタグ10が存在しないのか、アンテナが正常に動作していないのかを区別し、さらに、アンテナが正常に動作していない場合には、どのアンテナに異常が発生しているのかを特定してその異常を利用者に知らせることができる。
【0094】
なお、複数のアンテナを備える場合、各アンテナの読取可能エリア内に他のアンテナが存在する場合、それぞれのアンテナ自身に付された動作確認用RFタグだけでなく、エリア内の他のアンテナの動作確認用RFタグからの反射電波を受信してしまう場合がある。例えば、アンテナ4Bが故障しているが、アンテナ4Aがアンテナ4Bに対応する動作確認用RFタグ6Bからの反射電波も受信してしまう場合、受信部202は、故障しているはずのアンテナ4Bの動作確認用RFタグ4Bからの応答信号も取得することになる。そうすると、判定部206Aによって、アンテナ4Bは故障していないと判断されてしまう。
【0095】
従って、複数のアンテナを備える場合、それぞれの動作確認用RFタグは、対応するアンテナとのみ通信可能な状態で配置される必要がある。この場合には、例えば、各アンテナが備える動作確認用RFタグに、設置された対応するアンテナからは確実に検出できるが、他のアンテナからは検出ができないように電波を遮蔽するシールドを設けることができる。これにより、各アンテナは、対応する動作確認用RFタグのみを検出可能になるため、上述のように他のアンテナの動作確認用RFタグを検出することはない。
【0096】
なお、上述した各実施の形態においては、動作確認用RFタグ6は、アンテナ4に対して1つ設けるものとして説明したがこれに限られるものではなく、複数取り付けてもよい。複数の動作確認用RFタグ6を取り付けることにより、動作確認処理をより確実なものとすることができる。
【0097】
また、上述した各実施の形態においては、動作確認用RFタグ6からの所定時間内に応答信号を1回取得した場合には、アンテナ4が正常に動作しているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、リーダライタ1の制御装置2が、読取信号を複数回出力し、動作確認用RFタグ6からの応答信号を複数回取得できた場合に、アンテナ4が正常に動作していると判断してもよい。また、動作確認処理によってアンテナ4が正常に動作していないと判断された場合に、さらに繰り返して動作確認処理を行い、それでもアンテナ4が正常に動作していないと判断された場合に、最終的にアンテナ4に異常が発生していると判断し、上述した所定の報知処理を行うこともできる。いずれの場合も、複数回動作確認処理を行うため、より確実にアンテナ4の動作状態を確認することができる。
【0098】
また、上述した各実施の形態においては、動作確認用RFタグ6をアンテナ4が備えるものとして説明したがこれに限られるものではなく、アンテナ4が正常に動作している場合に、常に電波を受信して、アンテナ4に対して反射電波を送信可能なものであればよい。例えば、動作確認用RFタグ6を、アンテナ4からの電波を確実に受信してアンテナ4がその反射電波を受信可能な姿勢、位置関係で、アンテナ4から独立して配置することができる。
【0099】
更に、上述した各実施形態におけるリーダライタ1、1A、1Bを構成するコンピュータにおいて上述した各動作を実行させるプログラムを、アンテナの動作確認処理プログラムとして提供することができる。上述した各実施の形態では、発明を実施する機能を実現するための当該プログラムが、装置内部に設けられたメモリに予め記録されている場合を例示したが、これに限らず同様のプログラムをネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様のプログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。
【0100】
具体的に、記録媒体としては、例えば、ROMやRAM等のコンピュータに内部実装される内部記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体、コンピュータプログラムを保持するデータベース、あるいは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、回線上の伝送媒体などが挙げられる。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0101】
なお、プログラムは、その一部または全部が、動的に生成される実行モジュールであってもよい。
【0102】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0103】
1,1A,1B リーダライタ、2 制御装置、2a CPU、2b メモリ、4,4A〜4C アンテナ、6,6A〜6C 動作確認用RFタグ、10 RFタグ、200 送信部、202 受信部、204 出力部、206,206A 判定部、208 報知信号出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】特開2008−299364号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信するアンテナと、
前記アンテナの通信可能エリア内に、前記アンテナと通信可能な状態で配置される動作確認用RFタグと、
を備える通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信させる送信部と、
前記送信部が出力させた前記読取信号に対して、RFタグからの応答信号を1つも受信しない場合に、前記アンテナが正常に動作していないと判定する判定部と、
をさらに備える通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記動作確認用RFタグは、固有のID情報を有し、
RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信させる送信部と、
前記送信部が出力させた前記読取信号に対して、前記動作確認用RFタグのID情報を含む応答信号を受信しない場合に、前記アンテナが正常に動作していないと判定する判定部と、
をさらに備える通信システム。
【請求項4】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記動作確認用RFタグは、前記アンテナと一体的に配置されている通信システム。
【請求項5】
管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信する複数のアンテナと、
前記複数のアンテナそれぞれに個別に対応付けられ、それぞれが対応するアンテナとのみ通信可能な状態で配置されるとともに、それぞれが固有のID情報を保持する複数の動作確認用RFタグと、
RFタグの読取処理を行うための読取信号を、前記複数のアンテナを介して送信させる送信部と、
前記送信部が出力させた前記読取信号に対して、前記複数のアンテナにて受信される応答信号に、前記複数の動作確認用RFタグが保持する複数のID情報の内のいずれかが含まれていない場合に、該応答信号に含まれていないID情報を保持する動作確認用RFタグが対応付けられているアンテナが正常に動作していないと判定する判定部と、
を備える通信システム。
【請求項6】
管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信するアンテナと、前記アンテナの通信可能エリア内に、前記アンテナと通信可能な状態で配置される動作確認用RFタグと、を備える通信システムの動作確認処理方法であって、
RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信し、
前記読取信号に対して、RFタグからの応答信号を1つも受信しない場合に前記アンテナが正常に動作していないと判定する通信システムの動作確認処理方法。
【請求項7】
管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信するアンテナと、前記アンテナの通信可能エリア内に、前記アンテナと通信可能な状態で配置される、固有のID情報を有する動作確認用RFタグと、を備える通信システムの動作確認処理方法であって、
RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信し、
前記読取信号に対して、前記動作確認用RFタグのID情報を含む応答信号を受信しない場合に、前記アンテナが正常に動作していないと判定する通信システムの動作確認処理方法。
【請求項8】
管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信する複数のアンテナと、前記複数のアンテナそれぞれに個別に対応付けられ、それぞれが対応するアンテナとのみ通信可能な状態で配置されるとともに、それぞれが固有のID情報を保持する複数の動作確認用RFタグと、を備える通信システム動作確認処理方法であって、
RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信し、
前記読取信号に対して、前記複数のアンテナにて受信される応答信号に、前記複数の動作確認用RFタグが保持する複数のID情報の内のいずれかが含まれていない場合に、該応答信号に含まれていないID情報を保持する動作確認用RFタグが対応付けられているアンテナが正常に動作していないと判定する通信システムの動作確認処理方法。
【請求項9】
管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信するアンテナと、前記アンテナの通信可能エリア内に、前記アンテナと通信可能な状態で配置される動作確認用RFタグと、を備える通信システムにおける動作確認処理方法をコンピュータに実行させる動作確認処理プログラムであって、
RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信し、
前記読取信号に対して、RFタグからの応答信号を1つも受信しない場合に前記アンテナが正常に動作していないと判定する処理をコンピュータに実行させる動作確認処理プログラム。
【請求項10】
管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信するアンテナと、前記アンテナの通信可能エリア内に、前記アンテナと通信可能な状態で配置される、固有のID情報を有する動作確認用RFタグと、を備える通信システムにおける動作確認処理方法をコンピュータに実行させる動作確認処理プログラムであって、
RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信し、
前記読取信号に対して、前記動作確認用RFタグのID情報を含む応答信号を受信しない場合に、前記アンテナが正常に動作していないと判定する処理をコンピュータに実行させる動作確認処理プログラム。
【請求項11】
管理対象物に付されたRFタグとの間で無線通信するための電波を送受信する複数のアンテナと、前記複数のアンテナそれぞれに個別に対応付けられ、それぞれが対応するアンテナとのみ通信可能な状態で配置されるとともに、それぞれが固有のID情報を保持する複数の動作確認用RFタグと、を備える通信システムにおける動作確認処理方法をコンピュータに実行させる動作確認処理プログラムであって、
RFタグの読取処理を行うための読取信号を前記アンテナを介して送信し、
前記読取信号に対して、前記複数のアンテナにて受信される応答信号に、前記複数の動作確認用RFタグが保持する複数のID情報の内のいずれかが含まれていない場合に、該応答信号に含まれていないID情報を保持する動作確認用RFタグが対応付けられているアンテナが正常に動作していないと判定する処理をコンピュータに実行させる動作確認処理プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−65284(P2011−65284A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213675(P2009−213675)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】