説明

通信システム、通信端末及び通信方法

【課題】緊急時に音声電話による同報通信が繋がらない場合に、同報通信の連絡に使用するリソースを軽減し、通信路の輻輳状態を回避する。
【解決手段】通信システム10は、呼接続を制御するSIPサーバ120と、PoCサーバ130と、P2P通信ネットワーク200と、通信端末300とを備える。P2P通信ネットワーク200は、同報通信のグループ情報を保有するスーパーノード210と、PTT(Push to talk)制御を行い端末間の通話データを送受信する制御ノード220と、PTTにおける通信の発言権であるフロアを制御するフロア制御ノード230とを備える。通信端末300は、PoCサーバ130に対して同報通信のグループ情報を登録する登録機能とPTTの同報通信機能とを有し、緊急時に、P2P通信ネットワーク200を介して同報通信のグループの複数の通信先に対して半二重通信にてP2Pによる同報通信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声通話の技術に係り、特に、複数人への一斉同報通信を行う通信システム、通信端末及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音声通話の技術として、複数人への同時の音声電話の技術では、サーバへ利用者を事前に登録し、サーバの制御による一斉同報通信が提供されている。例えば非特許文献1には、音声電話(固定電話、携帯電話)やテキスト情報やFAXを、一斉同報システムへ送信し、システムが管理している一斉同報の着信先へ、同時に通信するサービスが記載されている。
【0003】
また、携帯電話の音声通話の技術として、Push to Talk(PTT)を利用し、半二重方式による通信を可能とする携帯通信サービス(PoC:Push to talk Over Cellular)も提供されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“一斉同報通信サービス”、[online]、[平成23年9月20日検索]、インターネット<URL:http://www.docomo.biz/html/service/isseidouhou/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載のサービスやPush to Talk(PTT)の携帯通信サービス(PoC)は既存の電話網を利用しており、それらの通信に利用されるリソースや帯域は、通常利用される通信と同様であり、緊急時に遭遇する輻輳状態等では利用できない。
【0006】
そこで、本発明は、前記した事情に鑑みて成されたものであり、緊急時に音声電話による同報通信が繋がらない場合に、同報通信の連絡に使用するリソースを軽減し、通信路の輻輳状態を回避することのできる通信システム、通信端末及び通信方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る通信システムは、SIPの呼接続を制御するSIPサーバとPoC(Push to talk Over Cellular)を行うためのPoCサーバとを含む通信ネットワークと、同報通信を行うための情報を保有するP2P(Peer to Peer)ノードで構成されたP2P通信ネットワークと、前記PoCサーバに対して同報通信のグループ識別および利用者情報を含むグループ情報を登録する登録機能と、PTT(Push to talk)の同報通信機能とを有した通信端末と、を備えた通信システムであって、前記P2P通信ネットワークは、PTT制御を行い前記通信端末間の通話データを送受信するP2PノードであるPTT制御ノードと、同報通信のグループ情報を保有するP2Pノードであるスーパーノードと、PTTにおける通信の発言権であるフロアを制御するP2PノードであるPTTフロア制御ノードとを備え、前記通信端末は、電話による同報通信とP2Pによる同報通信とのいずれかを選択する端末操作を受け付ける同報通信選択受付手段と、前記同報通信選択受付手段が前記電話による同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、前記SIPサーバにPTT同報通信を要求する同報通信要求手段と、前記SIPサーバにて同報通信の呼接続が可能であると判定された場合、前記PoCサーバおよび前記SIPサーバを含む通信ネットワークを用いて前記同報通信のグループの通信先である複数の通信端末に対して電話による同報通信を行う第1同報通信処理手段と、前記同報通信選択受付手段が前記P2Pによる同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、または、前記SIPサーバから同報通信の呼接続が不可能であることが通知された場合、前記P2P通信ネットワークを介して前記同報通信のグループの通信先である複数の通信端末に対して半二重通信にてP2Pによる同報通信を行う第2同報通信処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、通信システムは、同報通信を電話網とP2P通信網とを連携して行うことができる。そして、通信システムは、同報通信の呼接続が不可能である場合、P2Pを用いて通信路を他サービスと区分することができる。また、通信システムは、PTTに利用される半二重通信を用いるので、この片方向の通話によって通話利用の帯域を減じることができる。したがって、従来の技術では、災害時などで特定の通信サーバ(ノード)に対して呼接続が困難な状況においても、P2P通信により特定の通信サーバ(ノード)への負荷分散が可能となる。また、通信システムに必要な通信リソースは、P2P通信ネットワーク上で半二重通信によって軽減が可能となる。
【0009】
また、本発明に係る通信システムは、前記通信ネットワークの前記SIPサーバが、前記通信端末から、PTT同報通信を要求されたとき、同報通信の呼接続が不可能な輻輳が生じていると判定した場合、同報通信の呼接続が不可能であると判定し、その判定結果を前記通信端末に通知し、輻輳が無い場合、同報通信の呼接続が可能であると判定し、その判定結果を前記通信端末に通知すると共に、前記PoCサーバと連携して電話による同報通信を行うことが好ましい。
【0010】
かかる構成によれば、通信システムは、呼接続を制御するSIPサーバが、同報通信の呼接続が不可能であると判定した場合に通信端末に通知するので、電話網からの通知によって、電話による同報通信を、P2Pによる同報通信に切り替えることができる。
【0011】
また、本発明に係る通信システムは、前記通信ネットワークの前記PoCサーバが、同報通信のグループ識別および利用者情報を含むグループ情報を記憶し、前記通信端末から、同報通信のグループ情報の新規登録または登録情報の修正がなされたときに、前記P2P通信ネットワークにおいて当該通信端末のPPTグループに対応した前記スーパーノードに対して、当該同報通信の登録情報を配布することが好ましい。
【0012】
かかる構成によれば、通信システムは、PoCサーバの登録情報と通信端末側にて保持する情報とを同期させることができる。また、通信システムにおいて、P2P通信ネットワークのスーパーノードが保持する同報通信のグループ情報は、同報通信機能を持つ端末からPoCサーバにグループ情報の登録や修正がなされたときに配布されるので、スーパーノードに保持する情報も、通信端末側にて保持する情報と同期させることができる。
【0013】
また、前記課題を解決するために、本発明に係る通信端末は、PoCを行うためのPoCサーバに対して同報通信のグループ識別および利用者情報を含むグループ情報を登録する登録機能と、PTTの同報通信機能とを有した通信端末であって、SIPの呼接続を制御するSIPサーバと前記PoCサーバとを含む通信ネットワークを介した電話による同報通信と、同報通信を行うための情報を保有するP2Pノードで構成されたP2P通信ネットワークを介したP2Pによる同報通信とのいずれかを選択する端末操作を受け付ける同報通信選択受付手段と、前記同報通信選択受付手段が前記電話による同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、前記SIPサーバにPTT同報通信を要求する同報通信要求手段と、前記SIPサーバにて同報通信の呼接続が可能であると判定された場合、前記PoCサーバおよび前記SIPサーバを含む通信ネットワークを用いて前記同報通信のグループの通信先である複数の通信端末に対して電話による同報通信を行う第1同報通信処理手段と、前記同報通信選択受付手段が前記P2Pによる同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、または、前記SIPサーバから同報通信の呼接続が不可能であることが通知された場合、前記P2P通信ネットワークを介して前記同報通信のグループの通信先である複数の通信端末に対して半二重通信にてP2Pによる同報通信を行う第2同報通信処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、通信端末は、端末操作によって、電話による同報通信と、P2Pによる同報通信とを実行することができる。そして、通信端末は、同報通信の呼接続が可能な場合、電話による同報通信を行うことができる。また、通信端末は、端末操作または電話網からの通知によってP2Pによる同報通信を行うことができる。そして、通信端末は、P2Pによる同報通信の場合、半二重通信にて同報通信を行うので、通話利用の帯域を減じることができる。
【0015】
また、前記課題を解決するために、本発明に係る通信方法は、SIPの呼接続を制御するSIPサーバとPoCを行うためのPoCサーバとを含む通信ネットワークと、同報通信を行うための情報を保有するP2Pノードで構成されたP2P通信ネットワークと、前記PoCサーバに対して同報通信のグループ識別および利用者情報を含むグループ情報を登録する登録機能と、PTTの同報通信機能とを有した通信端末と、を備えた通信システムにおける通信方法であって、前記P2P通信ネットワークは、PTT制御を行い前記通信端末間の通話データを送受信するP2PノードであるPTT制御ノードと、同報通信のグループ情報を保有するP2Pノードであるスーパーノードと、PTTにおける通信の発言権であるフロアを制御するP2PノードであるPTTフロア制御ノードとを備え、前記通信端末は、電話による同報通信とP2Pによる同報通信とのいずれかを選択する端末操作を受け付ける同報通信選択受付ステップと、前記同報通信選択受付ステップにて前記電話による同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、前記SIPサーバにPTT同報通信を要求する同報通信要求ステップと、前記SIPサーバにて同報通信の呼接続が可能であると判定された場合、前記PoCサーバおよび前記SIPサーバを含む通信ネットワークを用いて前記同報通信のグループの通信先である複数の通信端末に対して電話による同報通信を行う第1同報通信処理ステップと、前記同報通信選択受付ステップにて前記P2Pによる同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、または、前記SIPサーバから同報通信の呼接続が不可能であることが通知された場合、前記P2P通信ネットワークを介して前記同報通信のグループの通信先である複数の通信端末に対して半二重通信にてP2Pによる同報通信を行う第2同報通信処理ステップと、を実行することを特徴とする。
【0016】
かかる手順によれば、通信方法は、同報通信を電話網とP2P通信網とを連携して行い、同報通信の呼接続が不可能である場合、P2Pを用いて通信路を他サービスと区分することができる。また、通信方法は、PTTに利用される半二重通信を用いるので、この片方向の通話によって通話利用の帯域を減じることができる。
【0017】
また、本発明に係る通信方法は、前記通信システムの前記通信端末が、前記第2同報通信処理ステップにおいて、PTT制御を行い通信端末間の通話データを送受信するP2PノードであるPTT制御ノードから、同報通信のグループ情報を保有するP2PノードであるスーパーノードおよびPTTにおける通信の発言権であるフロアを制御するP2PノードであるPTTフロア制御ノードにアクセスするための情報を取得するP2Pアクセス情報取得ステップと、前記同報通信のグループを指定して前記スーパーノードから、前記同報通信のグループの通信先の利用者情報を検索して取得する検索処理ステップと、前記同報通信のグループの通信先の各利用者の通信端末へ接続要求を実施するグループ通信接続ステップと、ユーザによるPTTの通話操作が行われたか判定する通話操作判定ステップと、前記PTTの通話操作が行われた場合、前記同報通信のグループにおいてPTT通話の発言権の取得を前記フロア制御ノードに問い合わせる発言権取得ステップと、前記PTT通話の発言権を取得している場合、前記ユーザによる発言を前記PTT制御ノードを介して前記同報通信のグループの通信先に送信する発言送信ステップと、前記PTT通話の発言権を取得していない場合、前記通信先のユーザによる発言を前記PTT制御ノードを介して受信する発言受信ステップと、を実行することが好ましい。
【0018】
かかる手順によれば、通信方法は、端末操作によって、電話による同報通信と、P2Pによる同報通信とを切り替えて実行することができる。そして、通信方法は、同報通信の呼接続が可能な場合、電話による同報通信を行うことができる。また、通信方法は、端末操作または電話網からの通知によってP2Pによる同報通信を行うことができる。そして、通信方法は、P2Pによる同報通信の場合、半二重通信にて同報通信を行うので、通話利用の帯域を減じることができる。
【0019】
また、本発明に係る通信方法は、前記通信システムの前記通信端末が前記第2同報通信処理ステップを実行する際に、前記P2P通信ネットワークの前記スーパーノードは、発信側の通信端末から同報通信のグループを指定して当該グループの通信先の利用者情報を要求されたときに、前記PoCサーバから予め定められたタイミングで取得した同報通信のグループ情報の中から、要求されたグループ情報を検索し、該当情報の有無を応答するステップを実行し、前記P2P通信ネットワークの前記フロア制御ノードは、P2Pによる同報通信時に半二重通信の制御を行うためにグループ毎に通信の発言権の保有者情報を記憶し、前記通信端末からPTT通話の発言権を要求されたときに、当該グループのPTT通話の発言権の保有者情報に基づいて、当該通信端末の発言権の有無を応答するステップを実行することが好ましい。
【0020】
かかる手順によれば、通信方法において、スーパーノードは、発信側の通信端末からの要求に応じて、要求されたグループ情報を検索し、該当情報の有無を応答するので、発信側の通信端末はP2Pによる同報通信において、グループ内の通信先の情報を取得することができる。また、通信方法において、P2Pによる同報通信時にフロア制御ノードがPTT通話の発言権を制御するので、P2Pによる同報通信時に二重通信の制御を行うことができる。
【0021】
また、本発明に係る通信方法は、前記通信ネットワークの前記PoCサーバが、前記通信端末から、同報通信のグループ情報の新規登録または登録情報の修正がなされたときに、前記P2P通信ネットワークにおいて当該通信端末のPPTグループに対応した前記スーパーノードに対して、当該同報通信の登録情報を配布するステップを実行し、当該スーパーノードは、配布された登録情報を前記P2P通信ネットワークにおいて他のスーパーノードとの間で交換して記憶することが好ましい。
【0022】
かかる手順によれば、通信方法では、P2P通信ネットワークのスーパーノードが保持する同報通信のグループ情報を、同報通信機能を持つ端末からPoCサーバにグループ情報の登録や修正がなされたときに配布する。したがって、スーパーノードに保持する情報を通信端末側にて保持する情報と同期させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、緊急時に音声電話による同報通信が繋がらない場合に、同報通信の連絡に使用するリソースを軽減し、通信路の輻輳状態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムを模式的に示すネットワーク構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る通信端末の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る通信方法の流れを示すフローチャートである。
【図4】図3の続きを示すフローチャートである。
【図5】図4の続きを示すフローチャートである。
【図6】図5の続きを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る通信方法においてPoCサーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の通信システムおよび通信端末を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、詳細に説明する。
【0026】
[1.通信システムの概要]
図1に示す通信システム10では、通常時のほか、発信側の通信端末300a(300)からの発呼(同報通信)が緊急時の規制等に起因して着信側の通信端末300b、330c(300)と接続できないような状況が生じる緊急時も想定している。このような緊急時に、通信システム10は、通信方法として、各通信端末300が、同報通信を行うための情報(クエリ)を持つノードで構成されたP2P通信ネットワーク200と連携し、さらにフロア制御ノード230によりP2Pで半二重通信を行うこととした。以下、通信システム10の構成について説明する。
【0027】
通信システム10は、図1に示すように、通信ネットワーク100と、P2P通信ネットワーク200と、通信端末300と、を備える。
【0028】
通信ネットワーク100は、SIPの呼接続を制御するSIPサーバ120と、PoC(Push to talk Over Cellular)を行うためのPoCサーバ130とを含む。図1では、2台のSIPサーバ120a,120bと、1台のPoCサーバ130とを図示したが、これは一例であって、台数は、この限りではない。また、図1のSIPサーバ120bも、SIPサーバ120aのように情報1を保持する。以下では、特に区別しない場合には、a,bの符号を省略する。他のノードについても同様である。
【0029】
SIPサーバ120は、SIPの呼接続を制御するサーバである。本実施形態では、SIPサーバ120は、呼接続不可能な輻輳が発生しているか否かを判定する機能を有している。SIPサーバ120は、呼接続可能な場合、PoCサーバ130にアクセスすることで、PoCを行う。
SIPサーバ120は、呼接続不可能な輻輳が発生しているような緊急時に、通信端末300からの同報通信があったときに、P2Pによる同報通信の切り替え、PoCサーバ130との連携を行い、通信端末300へ情報通知する。
SIPサーバ120は、通信先の通信状態を取得して通信元に通知するといったプレゼンス機能の制御も可能である。通信先の通信状態を示すプレゼンス情報は、通話可能、不在といった情報を示す。
【0030】
PoCサーバ130は、SIPでPoCを行う際に、SIPサーバ120が接続する同報通信用サーバである。このPoCサーバ130は、電話網による同報通信を可能とするため、同報通信利用者用の登録情報を管理する(PoCリスト管理)。同報通信のグループ毎の登録情報のことをグループ情報と呼ぶ。PoCリスト管理では、同報通信のグループ情報を管理し、通信端末300による登録や修正を許容し、登録または修正した場合にはP2P通信ネットワーク200のスーパーノード210にクエリを配布する。
【0031】
図1では、1台のみ表示したが、PoCサーバ130は、PoCリスト管理のほか、PoC参加、PoC制御を行うための複数のサーバからなるサーバ群を示す。
このPoCサーバ130と連携することで、例えばSIPサーバ120aはSIPサーバ120bとの間で通話データを送受信し、電話による同報通信として、通信端末300aと通信端末300b,300cとの間の通話データの送受信を可能とする。
【0032】
P2P通信ネットワーク200は、同報通信を行うための情報を保有するP2P(Peer to Peer)ノードで構成されている。P2P通信ネットワーク200は、通信ネットワーク400を介して通信ネットワーク100との間で通信可能に接続される。
【0033】
P2P通信ネットワーク200は、P2Pノードとして、スーパーノード210と、制御ノード220と、フロア制御ノード230とを備える。図1では、2台のスーパーノード210a,210bと、2台の制御ノード220a,220bと、1台のフロア制御ノード230とを図示したが、これは一例であって、台数は、この限りではない。
【0034】
スーパーノード210は、通信端末300がP2P通信でPTT(Push to Talk)を行う際に、PTT登録グループ毎の宛先ノード(通信先)を管理するP2Pノードである。スーパーノード210は、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ等から構成されている。スーパーノード210は、同報通信のグループ情報をクエリとして保有する。スーパーノード210は、発信側の通信端末300により指定されたグループ(グループ識別)から宛先を検索する。対象のグループの宛先を記憶しているスーパーノード210のことをグループノードとも呼ぶ。
【0035】
制御ノード(PTT制御ノード)220は、通信端末300がPTT通話を行う際に最初にコンタクトするノードである。制御ノード220は、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ等から構成されている。制御ノード220は、PTT制御として、最初のフロア制御ノード230やグループノードの宛先を通信端末300に通知する。
端末間の通話中には、制御ノード220は、発信端末からの通話データと通信先の利用者情報に基づいて、通話データを通信先の人数分だけコピーして、各通信先へデータ送信を行う機能を有する。例えば、制御ノード220aは、制御ノード220bとの間で通話のコピーデータを送受信することで、通信端末300aと通信端末300b,300cとの間の通話データの送受信を可能とすることができる。
【0036】
フロア制御ノード(PTTフロア制御ノード)230は、通信端末300がP2P通信でPTTを行う際に、PTT通話における発信権限の制御を行うP2Pノードである。フロア制御ノード230は、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ等から構成されている。フロア制御ノード230は、P2P通信ネットワーク200上で半二重通信を行うためのフロア(発言権)制御を行い、通信における権限情報を保持する。なお、通信端末300における発信権限と、利用者による発言権とは同様の意味である。
フロア制御ノード230は、同報通信のグループ毎の権限情報を管理し、同報通信を行う全ての通信端末300がグループ指定で権限取得する際に、権限判定と権限取得結果の通知を行う。
【0037】
半二重通信では、同時に発言することのできる利用者は1人に限られる。このことを、図1では、発信側の通信端末300aとフロア制御ノード230とを実線で接続すると共に、着信側の通信端末300b,300cとフロア制御ノード230とを点線で接続することで表している。発言権が移動すれば図1において実線と点線との対応関係が変化する。また、同報通信においてグループ内の発話者以外の利用者は原則複数であるが、プレゼンス情報が「不在」であって通話できない通信先(利用者)がある場合、グループ内の発話者以外の利用者が単数となる場合もある。この場合、本実施形態では一対一であっても半二重通信を行うことで、通信に利用するリソースを軽減する。
【0038】
通信端末300は、無線または有線で音声通話可能な携帯端末または固定端末として構成されている。通信端末300は、電話網による同報通信の機能と、P2Pによる同報通信の機能とを有し、端末操作、または、電話網からの通知を契機として、通信方法の切り替えができるように構成されている。このような機能構成の一例を図2に示す。なお、図2についての説明は後記する。
【0039】
通信端末300は、P2P通信のクライアント端末として機能することができる。通信端末300は、PTTを行うグループ一覧情報を保持する。
通信端末300は、保持している、同報通信のグループ識別および利用者情報を含むグループ情報をPoCサーバ130に対して登録する登録機能と、PTTの同報通信機能とを有している。
【0040】
発信側の通信端末300aは、PTTによる同報通信機能を利用して、PoCサーバ130と連携し、グループ情報の登録操作や、管理されているグループ情報の変更操作を行い、電話網による同報通信が規制されるような状態では、同グループに対してP2P通信による接続を行う。PTT同報通信機能では、通信端末300の利用者は、グループ内の通信先を選択する端末操作が可能であり、電話網による同報通信で取得されたプレゼンス情報と連携することが可能である。
【0041】
発信側の通信端末300aが、グループ内の通信先と同報通信を行う場合に、PTTによって通話をするためには、フロア制御ノード230から発言権を取得し、取得できた端末からのみ通話を可能とする(半二重)。利用者はPushの端末操作により発言権を取得できない場合は、取得できるまでは権限取得を継続する必要がある。
【0042】
図1では、発信側の通信端末300aと、2台の着信側の通信端末300b,300cとを図示したが、これは一例であって、同報通信の着信側の台数は、この限りではない。ここでは、同報通信の最初に発信するという意味で発信側と呼ぶ。なお、半二重通信の最中には、発言権を保持する側のことを発信側と呼ぶ。
【0043】
[2.通信システムの各ノードにおける処理の概要]
通信システム10の各ノードでは、図1に示す情報1〜情報7のいずれかを自ノードで生成して記憶し、または、他ノードから取得して記憶し、記憶した情報を、判定や検索といった各種処理を行うために必要に応じて適宜参照する。情報1〜情報7の概要を次の表1にまとめて記載する。以下では、情報1〜情報7について、関連するノードと共に個別に説明する。
【0044】
【表1】

【0045】
(情報1)
情報1は、SIPサーバ120が緊急時動作の判定処理に用いる情報である。SIPサーバ120は、情報1を保持し、判定処理に用いる。この情報1は、災害等による緊急時において、SIPサーバ120が接続規制時に、規制や輻輳等に遭遇した同報通信の呼を、P2P通信に切り替える判断をするための情報を表す。
【0046】
SIPサーバ120は、通信端末300からPTT同報通信を要求されたとき、保持している情報1に基づいて、同報通信の呼接続が不可能な輻輳が生じているか否かを判定する。本実施形態では、SIPサーバ120は、呼接続不可能な輻輳が発生しているか否かを判定する機能を有しており、これにより情報1を得る。情報1は、例えば、呼接続不可能なことを示すフラグ(F=0)と、呼接続可能なことを示すフラグ(F=1)のように予め定めることができる。
【0047】
SIPサーバ120は、情報1により、同報通信の呼接続が不可能であると判定した場合、その判定結果を通信端末300に通知する。SIPサーバ120は、情報1により、同報通信の呼接続が可能であると判定した場合、その判定結果を通信端末300に通知すると共に、PoCサーバ130と連携して電話による同報通信を行う。
【0048】
(情報2)
図1では、発信側の通信端末300aが情報2を保持しているものとして図示したが、通信端末300aが情報2を保持していない場合もある。通常の同報通信時にSIPサーバ120がプレゼンス機能の制御によって、通信端末300aのグループの宛先についてのプレゼンス情報を取得していた場合、通信端末300aに引き渡す。この情報2は、通信先毎のプレセンス情報(通話可、不在など)を表す。発信側の通信端末300aが情報2を保持している場合の制御については後記する。
【0049】
(情報3)
情報3は、PoCサーバ130が保持する情報である。PoCサーバ130は、情報3を保持し、P2Pで同報通信を利用するために、登録情報をクエリとして配布する。この情報3は、PoCサーバ130における同報通信の登録情報を表す。登録情報は、同報通信のグループ識別と、グループ毎に所属する利用者情報とを含む。利用者情報は、例えば、利用者識別、利用者を収容する網の属性情報、IPアドレス、NAT(Network Address Translation)有無などを含む。
【0050】
本実施形態では、PoCサーバ130は、通信端末300から、同報通信のグループ情報の新規登録または登録情報の修正がなされたときに、P2P通信ネットワーク200において当該通信端末300のPPTグループに対応したスーパーノード210に対して、当該同報通信の登録情報を配布することとした。
【0051】
(情報4)
情報4は、スーパーノード210が保持する情報である。スーパーノード210は、PoCサーバ130から、例えば通信ネットワーク400を介してP2P通信ネットワーク200に配布された登録情報(同報通信のグループ情報)を取得することで、情報4を保持する。したがって、情報4は情報3の一部である。これを図1では一点鎖線の矢印で示した。この情報4は、発信側の通信端末300(P2Pノード)が、同報通信の通信先を検索するためのクエリを持つスーパーノード210に対して検索を依頼するために指定する同報通信のグループ情報を表す。スーパーノード210は、P2P通信ネットワーク200上でPTTの同報通信を行うために、同報通信のグループ情報を、通信先を検索するクエリとして保持する。また、クエリの内容は、PoCサーバ130に登録された情報が反映される。
【0052】
また、情報4として、各スーパーノード210が保持する情報の内容は等しいとは限らない。そのため、発信側の通信端末300a(P2Pノード)が、直接アクセスするスーパーノード210aに対して検索を依頼してもそこで同報通信の通信先を取得できるとは限らない。本実施形態では、検索要求されたスーパーノード210aは、同報通信するグループについてまず自ノードにて検索を行い、無ければ、他ノードにて検索を行い、発見したグループのクエリの情報を通信端末300aへ通知する。このとき、スーパーノード210間で情報を交換する。このことを、図1では、スーパーノード210aの保持する情報4と、スーパーノード210bの保持する情報4とを破線で接続することで表している。
【0053】
(情報5)
情報5は、制御ノード220が保持する情報である。制御ノード220は、情報5を保持し、発信側の通信端末300aが同報通信機能で当該制御ノード220にアクセスすると(P2PでPTTによる同報通信を行う際の最初のコンタクトをすると)、これに応じて、情報5を発信側の通信端末300aに通知する。この情報5は、発信側の通信端末300aがP2P通信時にアクセスするノードの情報を表す。すなわち、情報5は、同報通信の通信先を検索するためのクエリを保有するスーパーノード210や、発言権管理を行うフロア制御ノード230に対して、通信端末300aがアクセスするための情報を表す。
【0054】
(情報6)
情報6は、通信端末300が保持する情報である。同報通信を行う発信側の通信端末300aは、PTTによる同報通信を行う機能を保有し、PoCサーバ130に登録したグループや通信先の利用者情報を情報6として保持する。通信端末300aは、情報6として保持したそれぞれの通信先の情報として、通信先毎(利用者毎)のプレゼンス情報(情報2)を保持していれば、情報6として示すことが可能となる。
【0055】
この情報6は、同報通信を利用する際に、PoCサーバ130へ登録したグループについて、端末側で保持する情報を表す。端末側で保持する情報とは、PoCサーバ130へ登録した情報(情報3の一部)に由来するものと、当該グループについての情報2(SIPサーバ120から取得したプレゼンス情報)に由来するものとを合わせたものである。具体的には、情報6は、グループ識別と、そのグループに所属する利用者情報(表示名、プレゼンス情報など)とを含む。これら端末側で保持する情報は、利用者による端末操作によって、通信端末300の図示しないモニタに画面表示可能である。通信端末300から、自ノードのグループ情報としてPoCサーバ130に登録された登録情報の編集が可能であり、これにより、PoCサーバ130の登録情報の一部を端末側と同期させることができる。
【0056】
(情報7)
情報7は、フロア制御ノード230が保持する情報である。フロア制御ノード230は、P2P通信ネットワーク200上で半二重通信を行うためのフロア制御において、通信における権限情報として情報7を保持する。この情報7は、通信端末300間で半二重通信の制御を行う際の通信の発言権の保有者情報を表す。
【0057】
[3.通信端末の構成例]
図2は、本発明の実施形態に係る通信端末の構成例を示すブロック図である。
この通信端末300は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、メモリ等の記憶装置と、外部との間で各種情報の送受信を行う通信インタフェース装置と、ユーザインタフェース装置とを備える。通信端末300は、記憶装置に記憶されたプログラムと前記ハードウェアとが協働することにより以下の各手段の機能を実現する。すなわち、通信端末300は、図2に示すように、主として、同報通信選択受付手段310と、同報通信要求手段320と、第1同報通信処理手段330と、第2同報通信処理手段340と、を備える。
【0058】
同報通信選択受付手段310は、電話による同報通信とP2Pによる同報通信とのいずれかを選択する端末操作を受け付ける。
ここで、電話による同報通信とは、SIPサーバ120とPoCサーバ130とを含む通信ネットワーク100を介した同報通信を示す。
また、P2Pによる同報通信とは、P2Pノードで構成されたP2P通信ネットワーク200を介した同報通信を示す。
【0059】
本実施形態では、第1同報通信処理手段330は、電話による同報通信を行う際に、SIPサーバ120から、同報通信のグループにおける通信先の各通信端末300の現在の通信状態を示すプレゼンス情報を取得することとした。
【0060】
同報通信要求手段320は、電話による同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、SIPサーバ120にPTT同報通信を要求するものである。
同報通信要求手段320は、SIPサーバ120からPTT同報通信の可を示す情報を取得すると、第1同報通信処理手段330に通知する。PTT同報通信の可を示す情報とは、同報通信の呼接続が可能であることを示す情報である。
同報通信要求手段320は、SIPサーバ120からPTT同報通信の不可を示す情報を取得すると、第2同報通信処理手段340に通知する。PTT同報通信の不可を示す情報とは、同報通信の呼接続が不可能であることを示す情報である。
【0061】
第1同報通信処理手段330は、SIPサーバ120にて同報通信の呼接続が可能であると判定された場合、PoCサーバ130およびSIPサーバ120を含む通信ネットワーク100を用いて同報通信のグループの通信先である複数の通信端末300に対して電話による同報通信を行う。この処理を第1同報通信処理と呼ぶ。第1同報通信処理手段330による処理は、従来公知の携帯通信サービスにおけるPoCと同様なので説明を省略する。
【0062】
第2同報通信処理手段340は、P2Pによる同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、または、SIPサーバ120から同報通信の呼接続が不可能であることが通知された場合、P2P通信ネットワーク200を介して同報通信のグループの通信先である複数の通信端末300に対して半二重通信にてP2Pによる同報通信を行うものである。この処理を第2同報通信処理と呼ぶ。この第2同報処理の全体については、後記する通信システム10における全体の処理の流れの中で説明する。
【0063】
本実施形態では、第2同報処理を形式的に分けた機能として、第2同報通信処理手段340が、図2に示すように、P2Pアクセス情報取得手段341と、検索処理手段342と、網属性判定手段343と、プレゼンス情報処理手段344と、グループ通信接続手段345と、通話操作判定手段346と、発言権取得手段347と、発言送信手段348と、発言受信手段349と、を備えることとした。
【0064】
P2Pアクセス情報取得手段341は、制御ノード220から、スーパーノード210およびフロア制御ノード230にアクセスするための情報を取得するものである。
検索処理手段342は、同報通信のグループを指定してスーパーノード210から、同報通信のグループの通信先の利用者情報を検索して取得するものである。
【0065】
網属性判定手段343は、スーパーノード210から取得した同報通信グループの通信先の利用者情報(情報4)を用いた判定により、グループ内の全ユーザの網属性を判定するものである。
プレゼンス情報処理手段344は、プレゼンス情報を保持している場合に、利用者による端末操作に応じて、グループの通信先の個々のプレゼンス状態を図示しない画面に表示させるものである。
【0066】
グループ通信接続手段345は、同報通信のグループの通信先の各利用者の通信端末300へ接続要求を実施するものである。
【0067】
通話操作判定手段346は、ユーザによるPTTの通話操作が行われたか判定するものである。
発言権取得手段347は、PTTの通話操作が行われた場合、同報通信のグループにおいてPTT通話の発言権の取得をフロア制御ノード230に問い合わせるものである。
発言送信手段348は、PTT通話の発言権を取得している場合、ユーザによる発言を制御ノード220を介して同報通信のグループの通信先に送信するものである。
発言受信手段349は、PTT通話の発言権を取得していない場合、通信先のユーザによる発言を制御ノード220を介して受信するものである。
【0068】
[4.通信方法の手順]
次に、本発明の実施形態に係る通信方法の手順について図3ないし図6のフローチャートを参照(適宜、図1および図2参照)して説明する。なお、以下では、通信端末300を単に端末と呼び、発信側の通信端末300aを発信端末と呼び、特に区別しない場合には符号を省略する。図3〜図6は、図1の通信システム10において、緊急時に端末操作(PTT操作)により同報通信を行い、SIPサーバ120が接続規制時に、P2P通信を利用して複数端末との半二重通信による同報通信を行うまでの一連の処理の流れを便宜的に分割して示すものである。
【0069】
ここで、前提として、SIPサーバ120が、緊急時におけるP2Pによる同報通信機能を利用判定するための前記した(情報1)が設定されている。また、同報通信を実施する前提として、PTTの同報通信を利用する際の登録情報や通信先の利用者情報としての前記した(情報2)、(情報3)、(情報6)と、端末がP2P通信を利用するためのノード情報(情報5)と、アクセス先のノードで保持する発言権(情報7)と、通信先を検索するための情報(情報4)とを利用する。これらの情報は、フローチャートにおいて、判定に用いられる。
【0070】
図3に示すように、通信システム10において処理を開始すると、フローチャートにおいて、端末(発信端末)がPTTの同報通信機能を保有しているかどうか(ステップs1)によって後続の処理が場合分けされる。ステップs1にて、機能がない場合、P2Pの同報通信が利用できないので、一方のブランチ(b2)をたどり、PTT同報通信しない(ステップs17)。
【0071】
一方、ステップs1にて、本実施形態の通信端末300のようにPTTの同報通信機能がある場合(b1)、端末は、電話による同報通信を行うのかP2Pによる同報通信を行うのかの利用判定を行う(ステップs2:同報通信選択受付ステップ)。ここで、どちらを利用するか判別する主体は、端末の利用者であって、利用者が選択する操作を促すために、端末は、例えば、“電話網の同報通信と、P2P網の同報通信のいずれかのボタンをクリックして下さい”といった内容の画面表示を行ってもよい。
【0072】
ステップs2にて、電話の場合(b3)、端末の利用者は、同報通信のグループを選択する。これにより、端末は、SIPサーバ120へPTT同報通信を要求する(ステップs3:同報通信要求ステップ)。ここで、利用者は、端末に表示された同報通信のメニューから、グループ名を選択する操作と、開始ボタンを選択する操作とを行う。
続いて、SIPサーバ120は、緊急時における輻輳状態等の場合は、呼接続が規制されるため、(情報1)により、P2Pによる同報通信を利用するかどうか同報通信の呼接続可否を判定する(ステップs4)。呼接続が可能な場合(b6)、P2Pへの切り替えが不要なので、通常接続を行う(ステップs16:第1同報通信処理ステップ)。すなわち、呼接続が可能であれば電話による同報通信が利用可能となる。
【0073】
一方、ステップs4にて、P2Pによる同報通信を利用する場合、例えば緊急時のため呼接続が不可能な場合(b5)、SIPサーバ120は、その旨を発信端末へ通知する(ステップs5)。端末側では、P2Pの同報通信の利用を判定する(ステップs6)。ここで、利用者の端末操作を促すために、端末は、例えば、“只今緊急時のため通常の同報通信(電話網)が繋がりにくくなっています。代わりに非常用同報通信(P2P網)をお薦めします。ご利用規定をご覧の上、OKボタンをクリックして下さい”といった内容の画面表示を行ってもよい。
【0074】
ステップs6にて、P2P同報通信を利用しない場合(b8)、PTT同報通信しない(ステップs17)。一方、ステップs6にて、P2P同報通信機能を開始する場合(b7)、発信端末から、P2P通信ネットワーク200のPTT制御ノード(制御ノード220)にアクセスし、検索したり権限取得したりするための(情報5)を取得する(ステップs7:P2Pアクセス情報取得ステップ)。このステップs7以降の発信端末の各処理はすべて前記第2同報通信処理ステップを示す。
【0075】
前記ステップs2にて、P2Pの場合(b4)、前記ステップs3〜s6をスキップして、ステップs7に進む。図3のフローチャートのステップs7に続いて図4のフローチャートにおけるステップs8へ進む。
【0076】
ステップs8(検索処理ステップ)では、発信端末は、PTT制御ノード(制御ノード220)から取得した情報でスーパーノード210にアクセスして、同報通信のグループ情報(グループの通信先の利用者情報)を検索する。
発信端末からアクセスを受けたスーパーノード210は、前記した(情報4)による判定として、ノード(自ノード)におけるグループの情報の有無を判別する(ステップs9)。ステップs9にて、該当グループの情報がある場合(b10)、発見した同報通信グループの通信先の利用者情報を発信端末へ返信する(ステップs12)。
【0077】
一方、ステップs9にて、該当グループの情報がない場合(b9)、発信端末からアクセスを受けたスーパーノード210は、隣接するスーパーノード(他ノード)へ情報検索を依頼する(ステップs10)。続いて、隣接するスーパーノード(他ノード)でも該当グループの情報がない場合、同様に他ノードでの情報検索を繰り返す。すなわち、スーパーノード群の情報検索結果を場合分けし(ステップs11)、該当グループの情報が全くない場合(b12)、PTT同報通信しない(ステップs17)。一方、ステップs11にて、該当グループの情報がある場合(b11)、発見した同報通信グループの通信先の利用者情報を発信端末へ返信する(ステップs12)。
【0078】
ステップs12に続いて、グループ情報を取得した発信端末は、(情報4)を用いた判定により、グループ内の全ユーザの網属性を判定する(ステップs13)。
ステップs13にて、発信端末は、取得したグループの通信先の利用者情報において全て自分の網と同一の場合(b13)、後の処理として行うルーティングにおいてIPアドレスを使用するようにここで設定しておく(ステップs14)。一方、ステップs13にて、発信端末は、取得したグループの通信先の利用者情報において異なる網が含まれる場合(b14)、ルーティングにユーザ識別を使用するようにここで設定しておく(ステップs15)。図4のフローチャートにおいてステップs14またはs15に続くブランチ(b15)は、図5のフローチャートにおけるプレゼンス判定(ステップs18)へつながっている。
【0079】
ステップs18において、プレゼンス情報(情報2)の判定は、プレゼンス機能の制御を行うSIPサーバ120にて(情報6)に対応するプレゼンス情報の有無を判定することと、端末における判定とを含む。それは、このステップs18において、SIPサーバ120にプレゼンス情報がある場合(b16)、該当の端末に通知することになる。よって、この場合、発信端末は既にプレゼンス情報を保持している。そのため、端末の利用者は、端末操作によって、グループの通信先の個々のプレゼンス状態を確認するために、プレゼンス情報を画面表示させることができる(ステップs19)。これにより、利用者は、画面表示されたグループ情報の各通信先のプレセンス情報(情報2)が“通信可の状態”なのか“不在”の状態なのかを視認して判定する(ステップs20)。通信可能な状態の場合(b18)、利用者は、通信可能な端末を同報通信先として選択する端末操作が可能であり、その操作の結果、端末から通信可能なユーザの端末と通信接続をすることを要求する(ステップs21)。
【0080】
前記ステップs18にて、プレゼンス情報がない場合(b17)、前記ステップs19,s20をスキップして、ステップs21に進む。
前記ステップs20にて、プレセンス情報(情報2)が通信不可能な状態の場合(b19)、利用者は、通信する対象の中から、端末画面にプレセンス情報が“不在”であると表示された通信先を除外するための端末操作を実行する。その操作の結果、端末は、通信先から、“不在”であると表示された通信先を除外(ステップs34)してから、ステップs21に進む。
【0081】
ステップs21により、端末が選択したグループ、通信先に対して、同報通信の接続要求(PTT接続要求)をそれぞれに送信する。これにより、発信端末は、接続応答の判定、すなわち、通信接続要求に対する判定を行う(ステップs22)。正常応答の場合(b20)、正常応答した端末とは通話が開始可能となる。そして、接続要求の送信が未実施の通信先の有無判定を行う(ステップs23)。全ての通信先へ接続要求を実施済みの場合(b22)、ステップs24に進む。一方、通信が未実施の通信先が残っている場合(b23)、ステップs21に戻る。
【0082】
前記ステップs22の判別処理からの一方のブランチにて、NG応答の場合(b21)、発信端末は、接続できない端末については同報通信する対象から除外し(ステップs35)、このブランチ(b21)における通話不可を、ステップs22の判別処理からの他方のブランチ(b18)における発信端末の制御へ通知して処理に反映させてから(ステップs36)、前記ステップs23に進む。なお、発信端末は、ステップs36にて、利用者が送信先として確定していた送信相手先のうち、NG応答と判定されて届かなかった送り先を、利用者に通知するために発信端末の画面に表示する処理も併せて行う。前記ステップs21〜s23はグループ通信接続ステップに相当する。
【0083】
図5のフローチャートにおいてステップs23に続くブランチ(b22)は、図6のフローチャートにおけるステップs24へつながっている。
ステップs24(通話操作判定ステップ)は、PTTの通話の実施判定、すなわちPTTによる通話を開始するかどうかについての場合分けを示す。ここでは、次の3つのケースを想定している。
(ケース1)下記の操作ボタン(B1)を利用者が操作する場合
(ケース2)下記の操作ボタン(B1),(B2)を利用者が操作しない場合
(ケース3)下記の操作ボタン(B2)を利用者が操作する場合
【0084】
端末がPTTの通話の実施判定をするための前提として、発信端末には2つの操作ボタン(B1)、(B2)が利用者に選択可能に設けられており、発信端末は、どのボタンが押下されたかを判定する。
操作ボタン(B1):利用者は同報通信で自分が発言したいときに押すボタンを示す。この操作に続く処理は、フローチャートにおいてブランチ(b24)につながっている(ケース1)。
操作ボタン(B2):利用者は同報通信を終了したいときに押すボタンを示す。この操作に続く処理は、フローチャートにおいてブランチ(b25)につながっている(ケース3)。なお、フローチャートにおいて(b26)の分岐はケース2を示す。
【0085】
(ケース1)
ステップs24にて、接続した端末間において発信端末から通話を開始(発言)する場合(b24)、PTT操作をすることで(操作ボタン(B1)を操作することで)発信端末からの発言が可能かどうかをフロア制御ノード239に問合せ、端末の発言権取得をフロア制御ノード230へ要求する(ステップs25:発言権取得ステップ)。
フロア制御ノード230は、自ノードに保持する(情報7)により、対象グループのPTT通話の発言権の取得可否を判定し、判定結果を返信する。この処理に応じた場合分けをステップs26で示す。ステップS26は、(情報7)による判定、すなわち対象グループのPTT通話の発言権の取得可否についての場合分けを示す。
【0086】
ここでは簡単のため、フローチャートにおいてステップS26から、発信端末が、まず、ブランチ(b27)に進むものとして説明する(ケース1A)。この場合、発信端末がステップs26にて、発言権取得した場合(b27)、PTT制御ノード(制御ノード220)へ通話(メディア)データと、通話先情報を送信する(ステップs27:発言送信ステップ)。ここで、通話先情報とは、同報通信の通信先の利用者情報とグループ識別情報とを示す。
【0087】
そして、PTT制御ノード(制御ノード220)は、通話(メディア)データをコピーし、複数の通話先に対してデータ送信する(ステップs28)。そして、端末(通信先の端末)が通話データを受信する(ステップs29)。そして、発信端末において、発言が終了すると(ステップs30)、発信端末からの通話データの送信が完了する(PTT操作終了)。この時点で、発信端末は、取得した発言権の解放をフロア制御ノード230へ通知し(ステップs31)、ステップs24に戻る。これにより、グループ内の他端末からの同グループにおける発言が可能となる。
【0088】
次に、フローチャートにおいてステップS26から、発信端末がブランチ(b28)に進むものとして説明する(ケース1B)。この場合、発信端末がステップs26にて、発言権取得できない場合(b28)、前記ステップs27,s28をスキップして、ステップs29に進む。この場合、グループ内の他端末に関して、前記ステップs27,s28の処理が行われ、発信端末の利用者は発言せずに、通信相手先の発言を聞くことになる。よって、ケース1Bの場合、ステップs29の主体は発信端末である(発言受信ステップ)。また、ケース1Bの場合、ステップs30の発言終了とは、グループ内の他端末の相手の発言が終了することを意味し、ステップs31の発言権の解放の動作主体はグループ内の他端末である。
【0089】
(ケース2)
前記したケース2において、前記ステップs24にて、接続した端末間において発信端末から通話を開始(発言)しない場合(b26)、前記操作ボタン(B1),(B2)を利用者が操作しないので、前記ステップs25〜s28をスキップして、ステップs29に進む。このケース2の場合は、ケース1Bの場合と同じ流れで処理を行う。
【0090】
(ケース3)
前記したケース3において、前記ステップs24にて、利用者が同報通信を終了したいときに前記操作ボタン(B2)を操作した場合、すなわち、通話しない場合(b25)、発信端末は、端末間の通信接続を切断する(ステップs32)。そして、発信端末は、グループの通信先の全ての通信が切断されたか判定する(ステップs33)。端末間の通信接続が全て切断となった場合(b29)、PTT同報通信を終了し、未切断がある場合(b30)、ステップs24に戻る。
【0091】
次に、本発明の実施形態に係る通信方法におけるPoC登録処理について図7のフローチャートを参照(適宜、図1および図2参照)して説明する。PoC登録処理は、端末側で保持する情報6として、グループ識別と、そのグループに所属する利用者情報をPoCサーバ130へ登録する処理を示す。ここで、登録とは、新規登録と更新登録とを含む。
【0092】
このPoC登録処理では、図7に示すように、端末からPoCサーバ130へ接続する(ステップs37)。そして、PoCサーバ130は、当該サーバ上のグループの既存判定、すなわち登録対象のグループが既存か否かを判定する(ステップs38)。登録を要求されたグループが新規の場合(b31)、PoCサーバ130は、グループ情報を作成する(ステップs39)。ここで、PoCサーバ130は、グループ情報を登録するためのアドレスやファイルを新規作成する。これにより、端末の利用者から、グループに属するユーザ情報を編集することが可能となる(ステップs40)。
【0093】
そして、PoCサーバ130は、登録されたグループ情報をグループ毎のクエリとしてグループノード(グループ情報を保持するスーパーノード)に配布する(ステップs41)。前記ステップs38にて、グループが登録済みの場合(b32)、前記ステップs39をスキップして、ステップs40に進む。したがて、P2P通信ネットワーク200のスーパーノード210が保持する同報通信のグループ情報は、同報通信機能を持つ端末からPoCサーバ130にグループ情報の登録や修正がなされたときに配布される。なお、新規登録の場合、初めて配布されたスーパーノードがグループノードとなる。
【0094】
以上説明したように、本実施形態に係る通信システム10によれば、同報通信を電話網とP2P通信網とを連携して行うことができる。そして、通信システム10は、同報通信の呼接続が不可能である場合、P2Pを用いて通信路を他サービスと区分することができると共に、PTTに利用される半二重通信を用いるので、通話利用の帯域を減じることができる。したがって、通信システム10によれば、緊急時に音声電話による同報通信が繋がらない場合に、同報通信の連絡に使用するリソースを軽減し、通信路の輻輳状態を回避することができる。また、本実施形態に係る通信方法および通信端末300によれば、通信システム10と同様の効果を奏することができる。
【0095】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を変えない範囲で実施することができる。例えば、SIPサーバ120は、呼接続不可能な輻輳が発生しているか否かを判定する機能によって情報1を取得するものとして説明したが、これに加えて、外部から情報1を取得する機能を付加して併用するようにしてもよい。この場合、オペレータが、情報1として、同報通信の呼接続不可を示す情報(P2Pへの切り替えが必要なことを示す情報)をSIPサーバ120に直接入力し、これをSIPサーバ120が受け付けて情報1を得る。これにより、例えば、接続規制時に、事前に接続規制の日時が決められているような場合に、スケジュールに合わせて同報通信の呼をP2Pへ容易に切り替えることができる。
【符号の説明】
【0096】
10 通信システム
100 通信ネットワーク
120(120a.120b) SIPサーバ
130 PoCサーバ
200 P2P通信ネットワーク
210(210a,210b) スーパーノード
220(220a,220b) 制御ノード(PTT制御ノード)
230 フロア制御ノード(PTTフロア制御ノード)
300(300a,300b,300c) 通信端末
310 同報通信選択受付手段
320 同報通信要求手段
330 第1同報通信処理手段
340 第2同報通信処理手段
341 P2Pアクセス情報取得手段
342 検索処理手段
343 網属性判定手段
344 プレゼンス情報処理手段
345 グループ通信接続手段
346 通話操作判定手段
347 発言権取得手段
348 発言送信手段
349 発言受信手段
400 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SIPの呼接続を制御するSIPサーバとPoC(Push to talk Over Cellular)を行うためのPoCサーバとを含む通信ネットワークと、
同報通信を行うための情報を保有するP2P(Peer to Peer)ノードで構成されたP2P通信ネットワークと、
前記PoCサーバに対して同報通信のグループ識別および利用者情報を含むグループ情報を登録する登録機能と、PTT(Push to talk)の同報通信機能とを有した通信端末と、を備えた通信システムであって、
前記P2P通信ネットワークは、
PTT制御を行い前記通信端末間の通話データを送受信するP2PノードであるPTT制御ノードと、
同報通信のグループ情報を保有するP2Pノードであるスーパーノードと、
PTTにおける通信の発言権であるフロアを制御するP2PノードであるPTTフロア制御ノードとを備え、
前記通信端末は、
電話による同報通信とP2Pによる同報通信とのいずれかを選択する端末操作を受け付ける同報通信選択受付手段と、
前記同報通信選択受付手段が前記電話による同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、前記SIPサーバにPTT同報通信を要求する同報通信要求手段と、
前記SIPサーバにて同報通信の呼接続が可能であると判定された場合、前記PoCサーバおよび前記SIPサーバを含む通信ネットワークを用いて前記同報通信のグループの通信先である複数の通信端末に対して電話による同報通信を行う第1同報通信処理手段と、
前記同報通信選択受付手段が前記P2Pによる同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、または、前記SIPサーバから同報通信の呼接続が不可能であることが通知された場合、前記P2P通信ネットワークを介して前記同報通信のグループの通信先である複数の通信端末に対して半二重通信にてP2Pによる同報通信を行う第2同報通信処理手段と、を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記通信ネットワークの前記SIPサーバは、前記通信端末から、PTT同報通信を要求されたとき、同報通信の呼接続が不可能な輻輳が生じていると判定した場合、同報通信の呼接続が不可能であると判定し、その判定結果を前記通信端末に通知し、輻輳が無い場合、同報通信の呼接続が可能であると判定し、その判定結果を前記通信端末に通知すると共に、前記PoCサーバと連携して電話による同報通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記通信ネットワークの前記PoCサーバは、同報通信のグループ識別および利用者情報を含むグループ情報を記憶し、前記通信端末から、同報通信のグループ情報の新規登録または登録情報の修正がなされたときに、前記P2P通信ネットワークにおいて当該通信端末のPPTグループに対応した前記スーパーノードに対して、当該同報通信の登録情報を配布することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
PoC(Push to talk Over Cellular)を行うためのPoCサーバに対して同報通信のグループ識別および利用者情報を含むグループ情報を登録する登録機能と、PTT(Push to talk)の同報通信機能とを有した通信端末であって、
SIPの呼接続を制御するSIPサーバと前記PoCサーバとを含む通信ネットワークを介した電話による同報通信と、同報通信を行うための情報を保有するP2P(Peer to Peer)ノードで構成されたP2P通信ネットワークを介したP2Pによる同報通信とのいずれかを選択する端末操作を受け付ける同報通信選択受付手段と、
前記同報通信選択受付手段が前記電話による同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、前記SIPサーバにPTT同報通信を要求する同報通信要求手段と、
前記SIPサーバにて同報通信の呼接続が可能であると判定された場合、前記PoCサーバおよび前記SIPサーバを含む通信ネットワークを用いて前記同報通信のグループの通信先である複数の通信端末に対して電話による同報通信を行う第1同報通信処理手段と、
前記同報通信選択受付手段が前記P2Pによる同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、または、前記SIPサーバから同報通信の呼接続が不可能であることが通知された場合、前記P2P通信ネットワークを介して前記同報通信のグループの通信先である複数の通信端末に対して半二重通信にてP2Pによる同報通信を行う第2同報通信処理手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項5】
SIPの呼接続を制御するSIPサーバとPoC(Push to talk Over Cellular)を行うためのPoCサーバとを含む通信ネットワークと、
同報通信を行うための情報を保有するP2P(Peer to Peer)ノードで構成されたP2P通信ネットワークと、
前記PoCサーバに対して同報通信のグループ識別および利用者情報を含むグループ情報を登録する登録機能と、PTT(Push to talk)の同報通信機能とを有した通信端末と、を備えた通信システムにおける通信方法であって、
前記P2P通信ネットワークは、
PTT制御を行い前記通信端末間の通話データを送受信するP2PノードであるPTT制御ノードと、
同報通信のグループ情報を保有するP2Pノードであるスーパーノードと、
PTTにおける通信の発言権であるフロアを制御するP2PノードであるPTTフロア制御ノードとを備え、
前記通信端末は、
電話による同報通信とP2Pによる同報通信とのいずれかを選択する端末操作を受け付ける同報通信選択受付ステップと、
前記同報通信選択受付ステップにて前記電話による同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、前記SIPサーバにPTT同報通信を要求する同報通信要求ステップと、
前記SIPサーバにて同報通信の呼接続が可能であると判定された場合、前記PoCサーバおよび前記SIPサーバを含む通信ネットワークを用いて前記同報通信のグループの通信先である複数の通信端末に対して電話による同報通信を行う第1同報通信処理ステップと、
前記同報通信選択受付ステップにて前記P2Pによる同報通信を選択する端末操作を受け付けた場合、または、前記SIPサーバから同報通信の呼接続が不可能であることが通知された場合、前記P2P通信ネットワークを介して前記同報通信のグループの通信先である複数の通信端末に対して半二重通信にてP2Pによる同報通信を行う第2同報通信処理ステップと、を実行することを特徴とする通信方法。
【請求項6】
前記通信システムの前記通信端末は、前記第2同報通信処理ステップにおいて、
PTT制御を行い通信端末間の通話データを送受信するP2PノードであるPTT制御ノードから、同報通信のグループ情報を保有するP2PノードであるスーパーノードおよびPTTにおける通信の発言権であるフロアを制御するP2PノードであるPTTフロア制御ノードにアクセスするための情報を取得するP2Pアクセス情報取得ステップと、
前記同報通信のグループを指定して前記スーパーノードから、前記同報通信のグループの通信先の利用者情報を検索して取得する検索処理ステップと、
前記同報通信のグループの通信先の各利用者の通信端末へ接続要求を実施するグループ通信接続ステップと、
ユーザによるPTTの通話操作が行われたか判定する通話操作判定ステップと、
前記PTTの通話操作が行われた場合、前記同報通信のグループにおいてPTT通話の発言権の取得を前記フロア制御ノードに問い合わせる発言権取得ステップと、
前記PTT通話の発言権を取得している場合、前記ユーザによる発言を前記PTT制御ノードを介して前記同報通信のグループの通信先に送信する発言送信ステップと、
前記PTT通話の発言権を取得していない場合、前記通信先のユーザによる発言を前記PTT制御ノードを介して受信する発言受信ステップと、を実行することを特徴とする請求項5に記載の通信方法。
【請求項7】
前記通信システムの前記通信端末が前記第2同報通信処理ステップを実行する際に、
前記P2P通信ネットワークの前記スーパーノードは、発信側の通信端末から同報通信のグループを指定して当該グループの通信先の利用者情報を要求されたときに、前記PoCサーバから予め定められたタイミングで取得した同報通信のグループ情報の中から、要求されたグループ情報を検索し、該当情報の有無を応答するステップを実行し、
前記P2P通信ネットワークの前記フロア制御ノードは、P2Pによる同報通信時に半二重通信の制御を行うためにグループ毎に通信の発言権の保有者情報を記憶し、前記通信端末からPTT通話の発言権を要求されたときに、当該グループのPTT通話の発言権の保有者情報に基づいて、当該通信端末の発言権の有無を応答するステップを実行することを特徴とする請求項6に記載の通信方法。
【請求項8】
前記通信ネットワークの前記PoCサーバは、前記通信端末から、同報通信のグループ情報の新規登録または登録情報の修正がなされたときに、前記P2P通信ネットワークにおいて当該通信端末のPPTグループに対応した前記スーパーノードに対して、当該同報通信の登録情報を配布するステップを実行し、
当該スーパーノードは、配布された登録情報を前記P2P通信ネットワークにおいて他のスーパーノードとの間で交換して記憶することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−102336(P2013−102336A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244501(P2011−244501)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】