説明

通信システムおよび関連する通信装置におけるサービスグループの所有権の移譲を処理する方法

【課題】サーバを備えた通信システムのためのサービスグループ(SG)の所有権を移譲する方法を提供する。
【解決手段】サービスグループは第1の複数のネットワークエレメントを備えている。方法は、上記サービスグループの所有権を持つ上記サービスグループの第1のネットワークエレメントから送信される所有者移譲リクエストを受信する工程と、上記該サービスグループの上記第1の複数のネットワークエレメントから、第2のネットワークエレメントを選択手順にしたがって選択して、上記第1のネットワークエレメントから上記第2のネットワークエレメントに上記サービスグループの所有権を移譲する工程とを含み、上記第1のネットワークエレメントは上記通信システムの第1のネットワークゲートウェイによって管理され、上記第2のネットワークエレメントは上記通信システムの第2のネットワークゲートウェイによって管理される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムおよび関連する通信装置において使用される方法に関し、さらに具体的には、通信システムおよび関連する通信装置においてサービスグループの所有権を移譲する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
〔先行技術の記載〕
OMA(Open Mobile Alliance)は、モバイルサービスのためのOMA仕様を開発し、ユーザのニーズに答えるために設立された。また、OMA仕様は、地理的な地域(例えば国)、管理運営者、サービスプロバイダ、ネットワーク、オペレーションシステム、および、モバイルデバイスの垣根を越えて相互運用可能なモバイルサービスを提供することを目的としている。詳細に述べると、OMA仕様に適合するモバイルサービスは、ユーザが、特定の管理運営者やサービスプロバイダにしばられることなく使用することができる。OMA仕様に適合するモバイルサービスは、ベアラにとらわれない(bearer agnostic)ものでもある。つまり、モバイルサービスを提供するベアラ(bearer)は、第2世代(2G)モバイルシステム(例えばGSM(登録商標)、EDGE、もしくは、GPRS)または第3世代(3G)モバイルシステムであってもよく、また、UMTS、LTE、LTE−Advancedなどの、モバイルシステムではないシステムであってもよい。さらに、モバイルサービスは、各種モバイルデバイス上で作動する、例えばWindows(登録商標)、Android、Linux(登録商標)などのオペレーションシステム上でも実行され得る。したがって、デバイスまたはOMA仕様をサポートするモバイルサービスを提供する産業分野は、モバイルサービスの相互運用性によって実現された著しく成長している市場の利点を享受することができる。加えて、デバイスまたはOMA仕様をサポートするモバイルサービスを使用するユーザも、モバイルサービスの相互運用性のおかげでよりよい環境が得られる。
【0003】
さらに、CPNS(Converged Personal Network Services)がOMAによって開発されてアプリケーション層のサポートを提供し、PNゲートウェイ(PN GW)によって相互接続された一群のパーソナルネットワーク(Personal Network;PN)である統合ネットワーク(converged network)において各種サービスへのユビキタスなアクセスを実現している。詳細に説明すれば、CPNSのアーキテクチャは、CPNSサーバ、PN GW、および、1つ以上のPNエレメント(PNE)の3つのエンティティを含む。CPNSサーバは、PN GWからリクエストを受信し、PN GWにレスポンスを送信して、適切なアプリケーションが選択されること、および、適切なコンテンツがPN GWを介してPNEに提供されることを保証する。PN GWは、PNEと他のネットワークとの間の中間エンティティとして機能して、該PNEと他のネットワークとの間でリクエストおよびレスポンスを転送する。PN GWは、携帯電話やIP適応型セットトップボックスなどであればよい。加えて、PNEは、PN GWに接続され、かつ、PNE相互間で接続されたPNエンティティであって、このPN GWまたは他のPNEから受信するコンテンツをレンダリングするために使用される。PNEは、例えば、携帯電話、パーソナルコンピュータ(PC)、音楽プレーヤ、カーナビゲーションシステム、IP適応型セットトップボックスなどであればよい。例えば、PN GWは、Bluetooth(登録商標)ネットワークおよびセルネットワークに適合した携帯電話などであればよい。このような状況において、PNEがBluetoothネットワークに接続したパーソナル媒体プレーヤ(Personal Media Player;PMP)であれば、セルネットワークに接続した携帯電話を介して、インターネットからビデオコンテンツを受信することができる。
【0004】
他方で、OMAは、CPNSのためのサービスグループ(SG)というコンセプトを開発している。SGは1つ以上のPN GWおよび1つ以上のPNEからなり、これらはSGが正常に動作するために必要である。サービスグループの意図は、CPNSサーバまたはコンテンツプロバイダから同じサービスを受けたいPNEをまとめてグループ化することである。換言すれば、ゲームサービスを受けたいPNEはゲームサービスを受けるSGに属し、音楽サービスを受けたいPNEは音楽サービスを受けるSGに属することができる。加えて、SGを生成するPNEはSGの所有者に任命される。SGの所有者は、新しいSGのメンバーを招待したり、SGのメンバーを除名したり、SGを削除したりすることによってSGを管理するために、SGの所有権を持つ。さらに、SGに属するPNEは、PNEを管理するPN GWを介してSG参加取りやめリクエスト(SG Leave Request)を対応するCPNSサーバに送ることによって、SGへの参加を取りやめる、または、所有者を辞任することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Open Mobile Alliance,”OMA-RD-CPNS-V1_0-20091117-C;Converged Personal Network Service Requirements Candidate Version 1.0”, 2009 November 17
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ただし、SGの所有者がSGへの参加を取りやめる、または、所有者を辞任すると、SGの所有権を持たない任意の他のPNEは、そのSGを管理することができず、SGは正常に機能しなくなる。したがって、SGの所有者がSGへの参加を取りやめようとする際に生じる上記問題をどのようにして処理するべきかは、議論および解決するべき課題である。
【0007】
以上のことを踏まえて、本発明は、上述の問題を解決するために、サービスグループの所有権を移譲する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
サーバを備えた通信システムのためのサービスグループ(SG)の所有権を移譲する方法を開示する。該サービスグループは第1の複数のネットワークエレメントを備えている。本方法は、該サービスグループの所有権を持つサービスグループの第1のネットワークエレメントから送信される所有者移譲リクエストを受信し、該サービスグループの第1の複数のネットワークエレメントから、第2のネットワークエレメントを選択手順にしたがって選択して、第1のネットワークエレメントから第2のネットワークエレメントにサービスグループの所有権を移譲することを含み、該第1のネットワークエレメントおよび第2のネットワークエレメントが、通信システムの第1のネットワークゲートウェイおよび第2のネットワークゲートウェイによってそれぞれ管理される。
【0009】
本発明のこれらの目的およびその他の目的は、図面に示す好適な実施形態についての以下の詳細な説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る一例としての通信システムの概略図である。
【図2】本発明に係る一例としての通信装置の概略図である。
【図3】本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【図4】本発明に係る一例としてのプロセスの送信シーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔関連出願件の相互参照〕
本願は、米国特許仮出願第61/376,685号明細書(出願日2010年8月25日;発明の名称「Method of Service Group Owner Transfer in CPNS」)および米国特許仮出願第61/379,398号明細書(出願日2010年9月2日;発明の名称「Method of Service Group Owner Transfer in CPNS」)の利益を主張するものであり、該特許仮出願の内容は全てここに引用されるものとする。
【0012】
〔詳細な説明〕
図1は、本発明の一例に係る通信システム10の概略図である。通信システム10は、Open Mobile Alliance(OMA)が開発したConverged Personal Network Services(CPNS)をサポートしている。通信システム10は、簡潔に説明すれば、CPNSサーバCS、PNゲートウェイ(PN GW)PG_AおよびPG_B、ならびに、PNエレメント(PNE)P_1〜P_6からなる。実際には、PN GWの個数は2つに限定されるものではない。また、各PN GWが管理するPNEの個数も3つに限定されるものではない。
【0013】
詳細に説明すれば、通信システム10では、CPNSサーバCSがPN GWからリクエストを受信し、該PN GWにレスポンスを送信して、適切なアプリケーションが選択されること、および、適切なコンテンツが該PN GWによって管理されるPNEに提供されることを保証する。PN GW(例えばPN GW PG_AまたはPN GW PG_B)は、PNEと他のネットワークとの間の中間エンティティとして機能して、該PNEと他のネットワークとの間でリクエストおよびレスポンスを転送する。通信システム10において、PNE P_1〜P_3はPN GW PG_Aによって管理され、PNE P_4〜P_6はPN GW PG_Bによって管理される。換言すれば、PN GW PG_Aは、PNE P_1〜P_3とCPNSサーバCSとの間で、各種リクエスト、レスポンス、および、サービスを転送する。同様に、PN GW PG_Bは、PNE P_4〜P_6とCPNSサーバCSとの間で、各種リクエスト、レスポンス、および、サービスを転送する。好ましくは、PN GWは、例えば携帯電話またはIP適応型セットトップボックスであればよい。PNE(例えば、PNE P_1〜P_6のうちのいずれか1つ)は、このPNEを管理する対応するPN GWに接続され、かつ、PNE相互間で接続されたPNエンティティであって、この対応するPN GWまたは他のPNEから受信するコンテンツをレンダリングするために使用される。PNEは、例えば、携帯電話、パーソナルコンピュータ(PC)、音楽プレーヤ、カーナビゲーションシステム、IP適応型セットトップボックスなどであればよい。さらに、通信システム10のPNE P_2〜P_4は、サービスグループ(SG)S_1に属している。したがって、PNE P_2〜P_4は、CPNSサーバCSまたはコンテンツプロバイダから、同じサービス(例えばゲームサービスまたは音楽サービス)を受けることができる。PNE P_2は、SG S_1の所有者であり、新しいSGのメンバーを招待したり、SGのメンバーを除名したり、SG S_1を削除したりすることによってSG S_1を管理するために、SG S_1の所有権を持つと仮定するが、この仮定によって一般性が失われるわけではない。
【0014】
図2は、本発明の一例に係る通信装置20の概略図である。通信装置20は、図1に示すCPNSサーバCS、PN GW PG_AおよびPG_B、ならびに、PNE P_1〜P_6のうちのいずれか1つであってよいが、これに限定されるものではない。通信装置20は、プロセッサ200(例えばマイクロプロセッサまたは特定用途向け集積回路(ASIC))、記憶ユニット210、および、通信インターフェースユニット220を備えていてもよい。記憶ユニット210は、プロセッサ200がアクセスするプログラムコード214を記憶することができる、任意のデータ記憶装置であればよい。記憶ユニット210の例としては、SIM(subscriber identity module)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD−ROM/DVD−ROM、磁気テープ、ハードディスク、光学式データ記憶装置などがあげられるが、これらの例に限定されるものではない。通信インターフェースユニット220は、好ましくは送受信機であって、プロセッサ200の処理結果に合わせてサーバと信号を送受信することができる。
【0015】
図3は、本発明の一例に係るプロセス30のフローチャートである。プロセス30は、図1に示す通信システム10において使用され、通信システム10においてSG S_1の所有権を移譲する。プロセス30は、プログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下の各ステップを含んでいる。すなわち、
・ステップ300:開始。
・ステップ302:SG S_1のPNE P_2によって送信されるSG所有者移譲リクエストを受信する。なお、上記PNE P_2は、SG S_1の所有権を持っている。
・ステップ304:SGの所有者の選択手順にしたがって、新しい所有者をSG S_1のPNE P_3およびP_4から選択し、SG S_1の所有権をPNE P_2から新しい所有者に移譲する。
・ステップ306:終了。
【0016】
(SG S_1の所有権を持つ)SG S_1の所有者、つまり、PNE P_2が、SG S_1への参加を取りやめようとする、または、SG S_1の所有者を辞任しようとする場合に、PNE P_2は、SG所有者移譲リクエストをCPNSサーバCSに送信する。プロセス30によれば、CPNSサーバCSがSG所有者移譲リクエストをPNE P_2から受信した後に、CPNSサーバCSは、SGの所有者の選択手順にしたがって、新しい所有者をSG S_1のPNE P_3およびP_4から選択し、SG S_1の所有権をPNE P_2から新しい所有者に移譲する。なお、PNE P_2はPN GW PG_Aによって管理されているので、新しい所有者は、CPNSのサーバCSの選択に応じて、PN GW PG_Bによって管理されるPNEであっても、PN GW PG_Aによって管理されるPNEであってもよい。したがって、PNE P_2がSG S_1への参加を取りやめたい、または、SG S_1の所有者を辞任したい、つまり、SG S_1の所有権を放棄したいので、PNE P_2がSG所有者移譲リクエストをCPNSサーバCSに送ると、CPNSサーバCSはSG S_1の新しい所有者を選択し、正常な動作を実行することができる。
【0017】
なお、本発明の精神は、PNE P_2がSG S_1の所有権を放棄しようとする際に、CPNSサーバCSが、SGの所有者の選択手順にしたがって、新しい所有者をSG S_1のPNE P_3およびP_4から選択するという点にあるのであって、CPNSサーバCS、新しい所有者、PNE P_2、および、関連するPN GWの間で発生する信号伝送およびプロセスは、ここでは限定されない。一例をあげると、図4は、本発明の一実施形態に係る通信システム10の送信シーケンス図である。図4は、PNE P_2がSG S_1の所有権を放棄しようとする際に、通信システム10において発生する信号伝送およびプロセスを示している。
【0018】
詳細に説明すれば、PNE P_2がSG S_1の所有権を放棄しようとする際には、PNE P_2は、PNE P_2を管理するPN GW PG_Aに、SG所有者移譲リクエストを送信する。そして、PN GW PG_Aは、SG所有者移譲リクエストをCPNSサーバCSに転送する。SG所有者移譲リクエストをPN GW PG_Aから受信した後に、CPNSサーバCSは、敵意のあるPNEによって送信された偽のリクエストのために所有権が本来の意図に反して移譲されることを避けるために、PNE P_2がSG S_1の所有権を持っているか否かを判定する。PNE P_2がSG S_1の所有権を持っていることをCPNSサーバCSが確認できれば、CPNSサーバCSは、SGの所有者の選択手順にしたがって、SG S_1のPNE P_3およびP_4からの新しい所有者の選択を開始する。PNE P_4がSGの所有者の選択手順にしたがって新しい所有者として選択されると仮定するが、この仮定によって一般性が失われるわけではない。そして、CPNSサーバCSは、SG所有者移譲リクエストを、PNE P_4を管理するPN GW PG_Bを介してPNE P_4へ転送する。
【0019】
さらに、PNE P_4は、SG所有者移譲リクエストを受信した後に、SG S_1の所有権を譲受するか否かを決定する。PNE P_4がSG S_1の所有権を譲受すれば、PNE P_4は、SG S_1の所有権の譲受を示すためのSG所有者移譲レスポンスをPN GW PG_Bを介してCPNSサーバCSに送信する。CPNSサーバCSは、SG S_1の所有権の譲受を確認した後に、SG S_1の所有権が移譲されたことを示すためのSG所有者移譲レスポンスを、PN GW PG_Aを介してPNE P_2へ転送する。さらに、CPNSサーバCSは、SG SG_1の各PNEに、SG S_1の所有権がPNE P_4に移譲されたことを通知するために、SG所有者交代通知をSG S_1においてブロードキャストする。したがって、図4に示す送信シーケンス図によれば、PNE P_2がSG S_1の所有権を放棄しようとすると、新しい所有者が選択され、その結果、SG S_1は正常な動作を継続することができる。
【0020】
他方で、PNE P_4がSG S_1の所有権を拒絶すれば、PNE P_4は、SG S_1の所有権の拒絶を示すためのSG所有者移譲レスポンスをPN GW PG_Bを介してCPNSサーバCSに送信する。このような状況では、所有権は移譲されず、PNE P_2が引き続きSG S_1の所有者である。
【0021】
なお、SGの所有者の選択手順は、SG S_1においてPNEを新しい所有者として選択するために、CPNSサーバCSによって使用される。また、SGの所有者の選択手順において使用される基準は、PNEの能力、CPNSのサーバCSによる選択、サービスに関する記述、管理運営者の方針、および/またはSGの所有者(例えばPNE P_2)の推薦に基づいていてもよく、ここでは限定されるものではない。例えば、CPNSサーバCSは、SG S_1において、CPNSサーバCSからの待ち時間が最も短いPNEを新しい所有者として選択してかまわない。SG S_1の各PNEの待ち時間は、pingをSG S_1の各PNEに送ることによって取得可能である。CPNSサーバCSからの待ち時間が最も短いPNEが複数存在する場合には、CPNSサーバCSは、複数のPNEから1つのPNEを新しい所有者としてランダムに選択する。あるいは、CPNSサーバCSは、これまでにSG S_1の所有者に最も頻繁に任命されたPNEを、SG S_1において新しい所有者として選択してもよい。このような状況では、CPNSサーバCSは、PNEがSG S_1の所有者に任命された回数を有していなければならない。これまでにSG S_1の所有者に最も頻繁に任命されたPNEが複数存在する場合には、CPNSサーバCSは、複数のPNEから1つのPNEを新しい所有者としてランダムに選択してよい。さらに、CPNSサーバCSは、SG S_1に最も長い期間所属しているPNEを、SG S_1において新しい所有者として選択してもよい。なぜならば、このようなPNEは、ある程度の期間はSG S_1への参加を取りやめることがないと考えられるからである。このような状況では、CPNSサーバCSは、PNEがSG S_1に所属している期間の長さに関する情報を有していなければならない。SG S_1に最も長い期間所属しているPNEが複数存在する場合には、CPNSサーバCSは、複数のPNEから1つのPNEを新しい所有者としてランダムに選択してよい。これとは逆に、CPNSサーバCSは、SG S_1に最も短い期間所属しているPNEをSG S_1において新しい所有者として選択してもかまわない。なぜならば、このようなPNEは、サービスをすべて受けるために、ある程度の期間はSG S_1に所属していると考えられるからである。このような状況では、CPNSサーバCSは、PNEがSG S_1に所属している期間の長さに関する情報を有していなければならない。SG S_1に最も短い期間所属しているPNEが複数存在する場合には、CPNSサーバCSは、複数のPNEから1つのPNEを新しい所有者としてランダムに選択してよい。まとめると、SGの所有者の選択手順において、基準がSG S_1にとって適したものであるかぎり、任意の基準を使用してかまわない。
【0022】
他方で、通信システム10が正常に動作するために、例えばCPNSサーバCS、PN GW PG_AおよびPG_B、ならびにPNE P_2〜P_4などの、SG S_1の動作に関連するエンティティは、SG S_1に対応するSGのリストをローカルで保持すべきである。換言すれば、これらのエンティティはSGのリストを保持し、SG S_1の所有者などの関連情報を記録すべきである。したがって、PNEがSG S_1に参加する、または、参加を取りやめる際、または、SG S_1の所有者が交代する際には、エンティティはこれに応じてSGのリストを更新する。例えば、CPNSサーバCS、PN GW PG_AおよびPG_B、ならびに、PNE P_4は、図4の送信シーケンス図に示すように、PNE P_4が所有権を譲受したことを示すSG所有者移譲レスポンスを受信した後に、SGのリストを更新する。まとめると、SG S_1に関連するエンティティは、所有権が移譲されると、SGのリストを更新する。エンティティが所有権の移譲を確認する方法は、ここでは限定されるものではない。
【0023】
なお、上記図において、PNE P_2およびPNE P_4は異なるPN GWに属しているが、CPNSサーバCSが、SGの所有者の選択手順にしたがってPNE P_3を新しい所有者として選択してかまわない。つまり、所有者と新しい所有者とが同じPN GWに属していてかまわない。このような状況では、プロセス30が直接適用される。さらに、これに応じて、当業者は、図4と同様の対応する送信シーケンス図を得ることができる。例えば、PN GW PG_BおよびPNE P_4をそれぞれPN GW PG_AおよびPNE P_3に置き換えて対応する送信シーケンス図を得ることによって、図4の送信シーケンス図を修正することができる。
【0024】
提案したステップを含めた上述のプロセスの各ステップは、例えばハードウェア、(ハードウェアデバイスと、ハードウェアデバイスに読み出し専用ソフトウェアとして保存されているコンピュータの命令およびデータとの組み合わせとして知られている)ファームウェア、電子システムなどの手段によって実現可能である。ハードウェアの例としては、マイクロ回路、マイクロチップ、または、シリコンチップとして知られている、アナログ回路、デジタル回路、混合回路などがあげられる。電子システムの例としては、システム・オン・チップ(SOC)、システム・イン・パッケージ(SiP)、コンピュータ・オン・モジュール(COM)、通信装置20などがあげられる。
【0025】
まとめると、本発明は、通信システムおよび関連する通信装置におけるSGの所有権を移譲する方法を開示する。SGの所有者がSGへの参加を取りやめる際、または、SGの所有者を辞任しようとする際に、CPNSサーバは、上記の方法によって新しい所有者を選択する。上述の状況が発生すれば新しい所有者が本発明にしたがって選択されるので、SGは引き続き正常に動作することができる。
【0026】
当業者であれば、本発明の教唆を保持しながら、装置および方法に多数の調整および変更を加えてもかまわないことが容易に理解できるであろう。したがって、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバを備えた通信システムのためのサービスグループ(SG)の所有権を移譲する方法であって、上記サービスグループは第1の複数のネットワークエレメントを備え、該方法は、
上記サービスグループの所有権を持つ上記サービスグループの第1のネットワークエレメントから送信される所有者移譲リクエストを受信する工程と、
上記サービスグループの上記第1の複数のネットワークエレメントから、第2のネットワークエレメントを選択手順にしたがって選択して、上記第1のネットワークエレメントから上記第2のネットワークエレメントに上記サービスグループの所有権を移譲する工程とを含み、
上記第1のネットワークエレメントは上記通信システムの第1のネットワークゲートウェイによって管理され、上記第2のネットワークエレメントは上記通信システムの第2のネットワークゲートウェイによって管理される、方法。
【請求項2】
上記サービスグループの上記第1のネットワークエレメントから送信される上記所有者移譲リクエストを受信する上記工程は、上記サービスグループの上記第1のネットワークエレメントから送信される上記所有者移譲リクエストを上記第1のネットワークゲートウェイを介して受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記サーバが上記所有者移譲リクエストを受信した後に、上記第1のネットワークエレメントが上記サービスグループの所有権を持っているか否かを判定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
上記サービスグループの上記第1の複数のネットワークエレメントから上記第2のネットワークエレメントを選択手順にしたがって選択した後に、上記サーバから上記第2のネットワークエレメントに上記所有者移譲リクエストを送信する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上記サーバから上記第2のネットワークエレメントに上記所有者移譲リクエストを送信する上記工程は、上記第2のネットワークゲートウェイを介して上記サーバから上記第2のネットワークエレメントに上記所有者移譲リクエストを送信することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
上記所有者移譲リクエストの譲受を示す所有者移譲レスポンスを、上記第2のネットワークエレメントから上記サーバに送信する工程をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
上記第2のネットワークエレメントから上記サーバに上記所有者移譲レスポンスを送信する上記工程は、上記第2のネットワークゲートウェイを介して上記第2のネットワークエレメントから上記サーバに上記所有者移譲レスポンスを送信することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上記サーバから上記第1のネットワークエレメントに上記所有者移譲レスポンスを送信する工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
上記サーバから上記第1のネットワークエレメントに上記所有者移譲レスポンスを送信する上記工程は、上記第1のネットワークゲートウェイを介して上記サーバから上記第1のネットワークエレメントに上記所有者移譲レスポンスを送信することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
上記第2のネットワークエレメントが上記サービスグループの所有権を持っていることを、上記第1のネットワークエレメントおよび上記第1の複数のネットワークエレメントに通知する工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
上記第2のネットワークエレメントが上記サービスグループの所有権を持っていることを示すために、上記サーバがサービスグループのリストをローカルで更新する、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
上記第2のネットワークエレメントが上記サービスグループの所有権を持っていることを示すために、上記第1のネットワークゲートウェイが第1のサービスグループのリストをローカルで更新し、上記第2のネットワークゲートウェイが第2のサービスグループのリストをローカルで更新する、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
上記第2のネットワークエレメントが上記サービスグループの所有権を持っていることを示すために、上記第1のネットワークエレメントがサービスグループのリストをローカルで更新する、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
上記所有者移譲リクエストの拒絶を示す所有者移譲レスポンスを、上記第2のネットワークエレメントから上記サーバに送信する工程をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項15】
上記選択手順にしたがって選択された上記第2のネットワークエレメントは、サーバーからの待ち時間が最も短いものである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
第2の複数のネットワークエレメントがサーバからの待ち時間が最も短い場合に、上記第2のネットワークエレメントが、上記サービスグループの上記第2の複数のネットワークエレメントから上記選択手順にしたがってランダムに選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上記選択手順にしたがって選択された上記第2のネットワークエレメントは、これまでに最も頻繁に上記サービスグループの所有者に任命されたものである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
第2の複数のネットワークエレメントがこれまでに最も頻繁にサービスグループの所有者に任命された場合に、上記第2のネットワークエレメントが、上記サービスグループの上記第2の複数のネットワークエレメントから上記選択手順にしたがってランダムに選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
上記選択手順にしたがって選択された上記第2のネットワークエレメントは、上記サービスグループに最も長い期間所属しているものである、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
第2の複数のネットワークエレメントが上記サービスグループに最も長い期間所属している場合に、上記第2のネットワークエレメントが、上記サービスグループの第2の複数のネットワークエレメントから上記選択手順にしたがってランダムに選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
上記選択手順にしたがって選択された上記第2のネットワークエレメントは、上記サービスグループに最も短い期間所属しているものである、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
第2の複数のネットワークエレメントが上記サービスグループに最も短い期間所属している場合に、上記第2のネットワークエレメントが、上記サービスグループの第2の複数のネットワークエレメントから上記選択手順にしたがってランダムに選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
上記第2のネットワークエレメントは、上記第2のネットワークエレメントの能力、サーバの選択、サービスに関する記述、管理運営者の方針、および、上記第1のネットワークエレメントからの推薦のうちの少なくとも1つにしたがって選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
上記サーバはConverged Personal Network Services(CPNS)サーバであり、
上記第1のネットワークゲートウェイおよび上記第2のゲートウェイはパーソナルネットワークゲートウェイ(PN GW)であり、
上記第1のネットワークエレメントおよび上記第1の複数のネットワークエレメントはパーソナルネットワークエレメント(PNE)であり、
上記通信システムは、Open Mobile Alliance(OMA)が開発したCPNSの仕様に適合している、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
上記第1のネットワークエレメントがサービスグループへの参加を取りやめようとする場合、または、サービスグループの所有者を辞任しようとする場合に、上記第1のネットワークエレメントが上記所有者移譲リクエストを上記サーバに送信する、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
上記第1のネットワークゲートウェイおよび上記第2のネットワークゲートウェイは、同一のネットワークゲートウェイであるか、または、異なるネットワークゲートウェイである、請求項1に記載の方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−50088(P2012−50088A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−184028(P2011−184028)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(502160992)宏達國際電子股▲ふん▼有限公司 (97)
【Fターム(参考)】