説明

通信システムにおける下位層を介してのデータルーティング

【課題】効率的にプロトコルスタックの層を通してデータをルーティングする装置、プログラムおよび方法を提供する。
【解決手段】下位層のパスは、パケットに対するフロー、リンク層におけるリンク、そして、物理層におけるチャンネルから構成され、パケットはアプリケーションから受信され得る。パケットに対する最優先の下位層のパスは、少なくとも1つの使用可能な下位層のパス間から選択され得る。使用可能な下位層のパスは、ベストエフォート、またはQoSフローであり、リンク層において使用されるプロトコル、物理層におけるチャンネルタイプ、および/または、他のファクターに基づく優先順位で準備され得る。パケットは選択された下位層のパスを介して送信される。パケットに対する最高の優先順位の下位層のパスは、このパスが少なくとも1つの使用可能な下位層のパス間に存在しない場合にセットアップされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「CDMA EvDO Rev Aシステムにおけるパケットのルーティング(Routing Packets in CDMA EvDO Rev A System)」と表題を付けられ、2006年6月19日に出願された、米国の仮特許出願60/815040号の優先権を主張する。本出願は、この譲受人に譲渡され、参照によってここに組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に通信に関する、そして、特に、無線通信システムにおけるデータのルーティングのための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
通信システムにおいて、端末は、各種の層から構成されるプロトコルスタックを使用して、他の端末またはサーバとデータを交換することができる。各層は、ある種の機能を実行し、すぐ上の層からのデータをトランスポートするためのメカニズムを提供することができる。各層のトランスポートメカニズムは、異なる層において異なる名前により呼ばれる1つ以上のトランスポート手段を含むことができる。例えば、ある層に対するトランスポート手段は、”フロー”として呼ばれ、他の層に対するトランスポート手段は、”リンク”として呼ばれ、そして、さらに他の層に対するトランスポート手段は、”チャンネル”として呼ばれ得る。各層のトランスポート手段は、異なる特性を持つことができる。例えば、あるフローは、ベストエフォート(best effort)によりデータ配信を提供するかもしれないが、他のフローは、ある種のサービス品質(quality of service)(QoS)保証でデータを配信するかもしれない。
【0004】
一般に、データをプロトコルスタックの下位に渡し、各層でデータを処理し、そして、プロトコルスタックの最下位層から処理されたデータを送信することにより、データは受信エンティティへ送信され得る。データの良好なパフォーマンスと適切な処理は、データがプロトコルスタックの下位に渡される際に、各層において所望の特性を持つ適切なトランスポート手段(例、フロー、リンク、あるいはチャンネル)へデータをマップすることにより達成され得る。このことは、次に、各層によりデータが適切に処理され、データ伝送に関して望ましいパフォーマンスを達成するであろうことを確実にすることができる。
【0005】
各層において適切なトランスポート手段を選択することは、いくつかの理由で挑戦となるかもしれない。第1に、各層におけるトランスポート手段は、ダイナミックに変化する状態を有し、各トランスポート手段が、任意の与えられる瞬間において、使用可能であるかもしれないし、あるいは、使用可能でないかもしれない。第2に、ある層におけるトランスポート手段と他の層におけるトランスポート手段の間のマッピングにおいて制限があるかもしれない。
【0006】
従って、効率的なやり方で、プロトコルスタックの層を通してデータをルーティングするための技法に関しての技術にニーズが存在する。
【発明の概要】
【0007】
プロトコルスタックの下位層を通る下位層のパスを介する効率的なデータのルーティングに関する技法がここに説明される。下位層のパス(例、リンク層と物理層)は、データがプロトコルスタック内の下位層を通って送信され得るパスである。下位層のパスは、パケットに対するフロー、リンク層におけるリンク、そして、物理層におけるチャンネルから構成され得る。多くの下位層のパスが端末に対して存在し得る、そして、これらの下位層のパスのすべてあるいはサブセットは、端末において構成されるフロー、リンク、そして、チャンネルの状態に依存して、任意の与えられる瞬間における使用に対して使用可能であるかもしれない。
【0008】
ある設計において、送信されるべきパケットは、例えばアプリケーションから、受信され得る。パケットに対する最優先の下位層のパスは、少なくとも1つの使用可能な下位層のパスの間から選択され得る。使用可能な下位層のパスは、パケットの処理(例、ベストエフォートフローより高い優先度を持つQoSフローで)、リンク層において使用されるプロトコル、物理層におけるチャンネルタイプ、および/または、他のファクターに基づく優先順位で準備され得る。QoSフローを伴う下位層のパスは、そのようなパスがパケットに対して指定され、使用可能である場合に、選択され得る。ベストエフォートフローを伴う下位層のパスは、QoSフローを伴う下位層のパスがパケットに対して指定されないか、あるいは、使用可能でない場合に、選択され得る。いずれの場合においても、パケットは、選択された下位層のパスを介して送信され得る。パケットに対する最高の優先順位の下位層のパスは、このパスが少なくとも1つの使用可能な下位層のパス間に存在しない場合、設定され得る。
【0009】
本開示の種々の態様および特徴は、下記においてさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】無線通信システムを示す。
【図2】図1における各種のエンティティにおけるプロトコルスタックの例を示す。
【図3】端末における下位層に対する処理を示す。
【図4】最優先のパスを介してパケットを送信するための処理を示す。
【図5A】QoSフローを伴うパスを選択するための処理を示す。
【図5B】ベストエフォートフローを伴うパスを選択するための処理を示す。
【図5C】優先されるパスを選択するための処理を示す。
【図6】下位層に対するパスルーティングを実行するための処理を示す。
【図7】端末のブロック図を示す。
【詳細な説明】
【0011】
ここにおいて説明される技法は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交FDMA(OFDMA)システム、単一キャリアのFDMA(SC−FDMA)システム、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN(WLAN)等のような各種通信システムとネットワーク対して使用され得る。「ネットワーク」、「システム」という用語はしばしば交換可能に使用される。CDMAシステムは、cdma2000、ユニバーサル地上ラジオ接続(Universal Terrestrial Radio Access)(UTRA)等のようなラジオ技術を実現することができる。cdma2000は、IS−2000、IS−95、およびIS−856標準をカバーする。UTRAは広帯域CDMA(W−CDMA)と時分割同期CDMA(TD−SCDMA)を含む。TDMAシステムは、グローバル移動通信システム(Global system for Mobile Communication)(GSM(登録商標))のようなラジオ技術を実現することができる。OFDMAシステムは、発展したUTRA(E−UTRA)、IEEE802.11、IEEE802.16、IEEE802.20、フラッシュOFDMのようなラジオ技術を実現することができる。これら各種のラジオ技術と標準は当該技術分野おいて知られている。UTRA、E−UTRA、およびGSMは、“第3世代パートナーシッププロジェクト”(3GPP)と名付けられる組織からの文書に説明される。cmda2000は、“第3世代パートナーシッププロジェクト2”(3GPP2)と名づけられる組織からの文書に説明される。3GPPと3GPP2の文書は、公に入手可能である。
【0012】
明快さのために、技法のある種の態様は、IS−856を実現するハイレートパケットデータ(High Rate Packet Data)(HRPD)システムについて説明される。HRPDは、CDMA2000 1xEV−DO、1xEV−DO、1x−DO、DO、ハイデータレート(HDR)等としても呼ばれる。
【0013】
図1は、HRPDシステムであり得る無線通信システム100を示す。無線システム100は、(i)端末に対するラジオ通信をサポートするアクセスネットワークと、(ii)通信サービスをサポートする各種機能を実行するネットワークエンティティを含む。アクセスネットワーク120は、任意の数の基地局130と任意の数の基地局制御器/パケット制御機能(BSC/PCF)132を含むことができる。基地局は、一般に、端末と通信する固定局であり、アクセスポイント、ノードB、発展したノードB(eNode B)等と呼ばれ得る。BSC/PCF132 は、基地局のセットに接続し、その制御下の基地局に対する調整と制御を提供し、そして、これらの基地局に対してデータをルーティングする。
【0014】
インターネットプロトコル(IP)ゲートウェイ140は、アクセスネットワーク120と通信する端末に対するデータサービスをサポートし、さらにパケットデータサービングノード(Packet Data Serving Node)(PDSN)としても呼ばれ得る。IPゲートウェイ140は、端末に対するデータセッションの確立、維持、そして終了に対して責任を負う、さらに、動的IPアドレスを端末に割り当てることができる。IPゲートウェイ140は、データサービスをサポートするために、他のネットワークエンティティと通信することができる。IPゲートウェイ140は、コアネットワーク、私的データネットワーク、公的データネットワーク、インターネット等を含むデータネットワーク160に接続することができる。IPゲート140は、データネットワーク160を介して、サーバ170のような各種のエンティティと通信することが可能である。無線システム100は、図1に示されていない他のネットワークエンティティを含むことができる。
【0015】
端末110は、無線システム100によりサポートされる各種の通信サービスを獲得するために、アクセスネットワーク120と通信することができる。端末110は、移動局、ユーザ装置、ユーザ端末、加入者ユニット、局等とも呼ばれるかも知れない。端末110は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、ハンドヘルド装置、ラップトップ・コンピュータ等かもしれない。端末110は、サーバ170のような他のエンティティとデータを交換するために、アクセスネットワーク120と通信することができる。
【0016】
図2は、アクセス端末110とサーバ170間の通信のための、図1の各種エンティティにおけるプロトコルスタックの例を示す。各エンティティのプロトコルスタックは、アプリケーション層、トランスポート層、ネットワーク層、リンク層、そして、物理層を含むことができる。
【0017】
端末110は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)、リアルタイム転送プロトコル(RTP)、セッション・イニシエーション・プロトコル(SIP)、および/または、アプリケーション層における他のプロトコルを使用してサーバ170と通信することができる。アプリケーション層のデータは、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)、および/または、トランスポート層における他のプロトコルを使用して送信され得る。これらの各種のプロトコルは当該技術分野において知られている。トランスポート層のデータは、IPパケット内にカプセル化され得る、それはアクセスネットワーク120、IPゲートウェイ140、そして、可能な他のエンティティを介して端末110とサーバ170間で交換される。
端末110とアクセスネットワーク120間のリンク層は、一般に、アクセスネットワーク120により使用されるラジオ技術に依存する。HRPDの場合、リンク層は、ラジオ・リンク・プロトコル(RLP)上のポイントツーポイントプロトコル(PPP)で実現される。端末110は、IPゲートウェイ140と共にPPPセッションを維持し、RLPを介してアクセスネットワーク120とデータを交換することができる。RLPは、ラジオあるいはエアーリンクインターフェース(例えば、HRPDに対するIS−856)のトップ上で動作する。アクセスネットワーク120は、物理層のトップ上で動作する技術依存インターフェース(例、A10とA11インターフェース)を介して、IPゲートウェイ140と通信することができる。A11は、PCF134とIPゲート140間の、シグナリングインターフェースであり、A10はその間のデータインターフェースである。IPゲートウェイ140は、リンク層と物理層上でIPを介してサーバ170と通信することができる。
【0018】
図3は、端末110における下位層に対する処理を示す。端末110は、無線システム100による任意の通信サービスに従事するQ個のアクティブアプリケーションを有することができる。ここで、Q≧1。Q個のアプリケーションは、ボイス・オーバーIP(VoIP)、ビデオ、ビデオ会議、ショート・メッセージ・サービス(SMS)、インスタント・メッセージ(IM)、プッシュ・トウ・トーク(PTT)、ウェブ・ブラウジング等に関するものであるかもしれない。これらQ個のアプリケーションは、HTTP、FTP、RTP、SIP、および/または、アプリケーション層における他のプロトコルを利用することができる。Q個のアプリケーションは、会話型、ストリーミング、インタラクティブ、そして、バックグラウンドのような異なるクラスに属するデータを有することができる。異なるクラスのデータは、ベストエフォート、あるいは、QoSにより定められる異なる処理により送信され得る。例えば、インタラクティブおよびバックグラウンドのクラスに対するデータは、ベストエフォートにより送信され、会話型およびストリーミングのクラスに対するデータは、ある種のQoS保証により送信され得る。
【0019】
Qアプリケーションからのデータは、データプロトコルスタックにより処理され、K個のフローにマップされ得る。ここで、K≧1である。データプロトコルスタックは、TCP、UDP、IP、および/または、トランスポートとネットワーク層における他のプロトコルを実現することができる。フローは、ポート番号、プロトコル、送信元および/または宛先アドレス等に関する1つ以上のフィルタ基準とマッチするパケットストリームである。K個のフローは、(例、PPP、RLP、および/または、他のプロトコルに対する)リンク層により処理され、L個のリンクにマップされ得る、ここで、L≧1である。リンクは、リンク層におけるトランスポート手段であり、特定の特性(例、データの処理に関して)を担う、および/または、特定のリンクプロトコル(例、ハイレベルデータリンク制御(HDLC)、頑強なヘッダー圧縮(Robust Header Compression)(ROHC)、あるいは、空文字(Null))と対応付けられ得る。L個のリンクは、メディアアクセス制御(MAC)と物理層により処理され、M個のチャンネルにマップされ得る。ここで、M≧1である。MACは、リンク層の部分と考えられるが、図3の物理層で示される。チャンネルは、物理層におけるトランスポート手段であり、ある種の特性(例、データレート)と対応付けられ得る。
【0020】
下位層に関する処理は、異なるラジオ技術とシステムにおいて異なる可能性がある。さらに、各層におけるトランスポート手段は、異なるラジオ技術とシステムにおいて、異なる専門用語により呼ばれ得る。例えば、リンクは、HRPDにおいては、RLPインスタンス、W−CDMAにおいては、論理チャンネル、等として呼ばれ得る。チャンネルは、HRPDにおいては、トラフィックチャンネル、W−CDMAにおいては、物理チャンネル、等として呼ばれ得る。明快さのために、技法のある種の態様は、下記においてHRPDに特定して説明される。
【0021】
HRPDは、異なる特性を持つフローをサポートする。フローは、(i)特定のQoS保証を持たないデータをトランスポートするベストエフォートフロー、あるいは、(ii)ある種のQoS保証を持つデータをトランスポートするQoSフローのいずれかであり得る。異なるQoSフローは、異なるQoS保証で定義され得る。フローは、さらに、HDLC、Null/IP、あるいは、リンク層におけるROHCのようなフロープロトコルと対応付けられる可能性もある。HDLCフローは、PPPにおけるHDLCフレーミング(つまりHDLCプロトコル)によりデータをトランスポートする。IPフローは、PPPおけるフレーミングをもたない状態(つまりヌルプロトコル)および、代わりにRLPにより提供されるフレーミングを持つ状態で、未加工のIPパケットとしてデータをトランスポートする。ROHCフローは、PPPあるいはRLPにおいてROHCフレーミング(つまりROHCプロトコル)によりヘッダー圧縮パケットとしてデータをトランスポートする。別のフローは、(i)ベストエフォート、および/または、QoSのような別のデータの処理と、(ii)HDLC、Null/IP、そして、ROHCのような別のフロープロトコルに対して定義され得る。各フローは、ユニークなフローIDを割り当てられ得る。
【0022】
表1は、HRPDにおいて確立される可能性のあるいくつかのフローを表にし、フローIDと各フローについて短い説明を提供している。あるベストエフォートHDLCフローは、ベストエフォートによりHDLCフレームデータを搬送するために確立され、255のフローIDを割り当てられ得る。あるベストエフォートIPフローは、ベストエフォートにより未加工のIPパケットを搬送するために確立され、254のフローIDを割り当てられ得る。一般に、あるベストエフォートは、各プロトコルタイプに対して確立され得る。254個までのQoSフローは、すべてのプロトコルタイプに対してHRPDにおいて確立され、0から253までのフローIDを割り当てられ得る。
【表1】

【0023】
HRPDは、1次リンクと2次リンクという2つのタイプのリンク(あるいは、RLPインスタンス)をサポートする。ある1次リンクは、最初のデータセッション設定とIPアドレス割り当ての部分として確立され得る。1次リンクは、ベストエフォートとQoS HDLCフローを搬送するために使用され得る。L−1までの2次リンクは、1次リンク上に送信されない他のリンクを搬送するために確立され、使用され得る。2次リンクは、最初のデータセッション設定の間の代わりに、要求に応じて確立され得る。各リンクは、特定のプロトコル(例えば、HDLC、Null/IP、ROHC等)で構成され、その同じプロトコルの1つ以上のフローを搬送することができる。例えば、HDLCに対して構成されるリンクは、ベストエフォートとQoS HDLCフローを搬送することができるが、IPフローまたはROHCフローを搬送しない可能性がある。
【0024】
表2は、HRPDにおける2つのタイプのリンクを表にし、リンクの各タイプについて短い説明が提供される。
【表2】

【0025】
HRPDは、トラフィックチャンネルとシグナリングチャンネルの2つのタイプのチャンネルをサポートする。トラフィックチャンネルは、データを搬送するとき、および、搬送の必要があるような場合にセットアップされ、そして、ラジオ資源を節約するために必要とされない場合に解除され得る。トラフィックチャンネルのデータレートは、データ要求、ラジオ資源の使用可能性、および/または、他のファクターに基づいて設定され得る。HRPDにおいて、あるトラフィックチャンネルは、与えられた方向(例、フォワードあるいはリバース方向)に対して使用可能であり、その方向におけるすべてのリンクに対して使用することができる。一般に、システムに依存して、L個までのトラフィックチャンネル(例えば、すべてのリンクについて1個のトラフィックチャンネル、リンクあたりの1個のトラフィックチャンネル等。)は、すべての与えられた瞬間に使用可能であるかもしれない。リンクとトラフィックチャンネル間には、多対1マッピング、あるいは、1対1マッピングがあり得る。いずれの場合においても、各リンクは、特定のトラフィックチャンネルに結び付けられ得る。
【0026】
シグナリングチャンネルは、いつでも使用可能であり得る低データレートのチャンネルである。HRPDでは、1個のシグナリングチャンネルは、ある与えられた方向に対して使用可能であり、その方向におけるすべてのリンクに対してシグナリングを送信するために使用され得る。低ボリュームと小パケットサイズのデータは、データを送信するトラフィックチャンネルのセットアップを避けるために、シグナリングチャンネル上で送信される可能性もある。シグナリングチャンネルは、このように、当初には対応するトラフィックチャンネルに結び付けられたデータを搬送することができる。一般に、システムに依存して、L個までのシグナリングチャンネル(例えば、すべてのリンクについて1個のシグナリングチャンネル、リンクあたりの1個のシグナリングチャンネル等。)は、すべての与えられた瞬間に使用可能であるかもしれない。リンクとシグナリングチャンネル間には、多対1マッピング、あるいは、1対1マッピングが存在するかもしれない。いずれの場合においても、各リンクは、特定のシグナリングチャンネルに結び付けられ得る。
【0027】
表3は、チャンネルの2つタイプを表にし、チャンネルの各タイプに対する短い説明を提供する。トラフィックチャンネル数とシグナリングチャンネル数は、上記で説明されるように、システムに依存している可能性がある。
【表3】

【0028】
フローは、Q個のアプリケーションからデータストリームを搬送することができる。それは、SIP、RTP等に関する可能性がある。各データストリームは、適当なフローへマップされ、各フローは、任意の数のデータストリームを搬送することができる。例えば、端末110は、VoIPアプリケーションに対するRTPとSIRストリームを搬送するために、1つ、あるいは、2つのフローを有し、ブラウザアプリケーションに対するデータシステムを搬送するために、他のベストエフォートフローを有することができる。各フローは、トラフィックフィルタ・テンプレート(traffic filter template)(TFT)において、1つ以上のパケットフィルタにマッチするパケットを搬送することができる。パケットフィルタは、IPアドレス、TCP/UDPポート番号等に基づいてパケットを識別することができる。
【0029】
HRPDにおいて、QoSは、RLPインスタンス(つまり、リンク)に対して与えられることができる。与えられるRLPインスタンスについて望ましいQoSは、QoSプロフィールとして呼ばれるQoSパラメータのセットにより特定され得る。Q個のアプリケーションは、ある種のQoS要件を持つことができる。端末110は、アプリケーションのすべてのQoS要件を満たすことが可能な1つ以上のQoSプロフィールを決定することができる。1つ以上のRLPインスタンスは、1つ以上のQoSプロフィールに対して確立される可能性があり、各QoSプロフィールに対して1つのRLPインスタンスが確立され得る。次に、各フローは、そのフローに対して(もし存在するならば)QoS要件を満たすことが可能なRLPインスタンスにマップされ得る。各RLPインスタンスは、そのRLPインスタンスに対して与えられたQoSプロフィールにより満足されることが可能なQoS要件を持つ、任意の数のフローを搬送することができる。
【0030】
HRPDの場合には、各フローは、特定のリンク(あるいは、RLPインスタンス)へマップされ、各リンクは、1つ以上のフローを搬送することができる。各リンクは、特定のトラフィックチャンネルと特定のシグナリングチャンネルへ結び付けられ得る。
【0031】
下位層のパスは、下位層、例えばリンクと物理層、を通してデータが送信される得るパスである。図3に示されるように、下位層のパスは、特定のフロー、特定のリンク、および、特定のチャンネルから構成され得る。端末は、K個のフロー、L個のリンク、および、M個のチャンネルを有する可能性があり、ここで、K≧1、L≧1、および、M≧1である。各フローが任意のリンクにマップされる場合、かつ各リンクが任意のチャンネル上で送信される場合には、K×L×Mまでの異なる下位層のパスが、K個のフロー、L個のリンク、および、M個のチャンネルにより形成され得る。しかしながら、各フローが任意のリンクへマップされ得るが、各リンクが特定の1チャンネル上で送信される場合には、K×Lまでの異なる下位層のパスが、K個のフローとL個のリンクにより形成され得る。例えば、データの処理、フローのプロトコル等により、フローのリンクへのマッピングに制限がある場合には、K×Lより少ない異なる下位層のパスが可能であるかもしれない。下位層のパスは、ここでの説明において単に“パス”としても呼ばれる。
【0032】
すべての可能性のあるパスが、任意の与えられた瞬間において使用可能であるとは限らないかもしれない。例えば、フローが起動されない場合、リンクが接続されない場合、あるいは、チャンネルが落とされている(brought down)場合、与えられたパスは使用可能ではないかもしれない。使用可能なパスは、例えば、異なるデータの処理、異なるフロープロトコル、異なるデータレート等の異なる特性を持つかもしれない。各パケットを送信するために、最適なパスを選択することは望ましいことであるが、その場合には、適合性は、データの処理、フロープロトコル、データレート等により定量化され得る。
【0033】
パスは、異なる優先度を割り当てられる可能性があり、その場合には、与えられたパスの優先度は、特別のパケットを送信するために、そのパスを使用することの望ましさを示し得る。フロー、リンク、および、チャンネルから構成される与えられたパスの場合には、このパスの優先度は、フローによるデータの処理、リンクに対して使用されるプロトコル、および、データを送信するために使用されるチャンネルのタイプに基づいて決定され得る。
【0034】
パスの優先度は、フローによるデータの処理に依存し得る。QoSフローは、特定のQoS保証を提供するために構成され、このように、何らQoS保証を提供しないベストエフォートフローよりも優先され得る。異なるQoSフローは、異なるQoS保証で構成され得る。適切なQoSフローは、パケットのQoS要件と使用可能なQoSフローのQoS保証に基づいて、パケットに対して選択することができる。QoSフローが使用可能でない場合には、ベストエフォートフローが、パケットに対して考慮され得る。
【0035】
ベストエフォートフローは、異なる優先度を持ちうる。それは、プロトコルオーバーヘッド、CPU/処理効率(あるいは、計算強度(computation intensity))等のような種々のファクターに基づいて決定することができる。例えば、ベストエフォートIPフローは、IPフローがHDLCフローより少ないオーバーヘッドを有するため、ベストエフォートHDLCフローよりも優先され、RLPフレーミングが、HDLCフレーミングより単純であるために、より大きなCPU効率となる可能性もある。ROHCフロー、あるいは、ヘッダー圧縮が可能にされた、いくつかの他のフローは、ヘッダー圧縮のために、ヘッダー圧縮を持たない類似のフローより少ないプロトコルオーバーヘッドを有するが、よりCPU集中的(CPU intensive)となり得る。したがって、ROHCフローは、ヘッダーオーバーヘッドを減少するために小さなパケットを送信するアプリケーション(例、テルネット(telnet)、テキスト通信、VoIPのようなリアルタイムアプリケーション等)に対して、より相応しいかもしれない。
【0036】
アプリケーションは、そのアプリケーションにより生成されるデータの特性を知ることができ、そして、下位層を通るルーティングでアシストするための情報を供給することができる。アプリケーションは、より良いルーティングの決定を行うために使用されるフローの処理パラメータを供給することができる。アプリケーションは、適切なベストエフォートフローへそのデータを結合するために、1つ以上のTFTをインスツールすることができる。特定のベストエフォートフロー(あるいは、ベストエフォートTFT)へパケットを結合するために使用されるTFTは、特定のQoSフロー(あるいは、QoS TFT)へパケットを結合するために使用されるTFTとは異なるかもしれない。ベストエフォートTFTのフォーマットおよび/または、セマンティックス(semantics)は、QoS TFTのものと同じか、あるいは、異なるかもしれない。与えられたQoS TFTにマッチするパケットが、そのTFTと関係するQoSフローにマップされるように、QoSTFTは、性質上、2進数であるかもしれない。QoS TFTにマッチしないパケットが、ベストエフォートフロー上に送信され得る。しかしながら、ベストエフォートTFTは、命令の代わりに、ヒントと考えられるかもしれない。例えば、パケットは、与えられたベストエフォートTFTにマッチするが、関係するベストエフォートフローが何らかの理由で使用可能でない場合には、パケットは何か他のベストエフォートフロー上でなおさらに送信され得る。(i)ベストエフォートフローを持つ資源予約が存在しない、(ii)各種のベストエフォートフローの間の唯一の相違が、これらのフローに関して使用されるプロトコル、リンクフレーミング等のような構成であり得る、という理由で、与えられたパケットは、それから、いくつかのありえるベストエフォートフローのいずれか1つの上で送信され得る。
【0037】
各フローは、特定のリンクに結合され得る。この場合には、ひとたびフローが選択されると、リンクもまた是非を問わずに選択される。各リンクは特定のトラフィックチャンネルと特定のシグナリングチャンネルと関係するかもしれない。ひとたび、フローが選択されると、リンクは識別され、トラフィックチャンネルか、そのリンクに対するシグナリングチャンネルかのいずれかが、データ送信に使用され得る。
【0038】
トラフィックチャンネルは、シグナリングチャンネルよりも優先され、使用可能な場合に、使用のために選択され得る。トラフィックチャンネルが使用可能でない場合、そのときには、適切であれば、トラフィックチャンネルが生じるのを待つ、あるいは、優先度の低いフロー上にデータを送信する代わりに、シグナリングチャンネルが使用され得る。しかしながら、小容量のデータ、あるいは、小パケット、あるいは、シグナリングチャンネル上で低待ち時間要件を持つパケットだけを送信することが、適切であるかもしれない。アプリケーションは、そのデータ特性を識別し、フロー処理のパラメータの部分として、この情報を供給することができる。トラフィックチャンネルが使用可能ではなく、データがシグナリングチャンネル上で送信されることができない場合には、次に優先されるフローがデータを送信すると考えられるかもしれない。
【0039】
ひとつの設計では、次の優先度の順位が、上で説明される考慮に基づいて定義され得る:
1.トラフィックチャンネルよりもQoSフロー
2.シグナリングチャンネルよりもQoSフロー
3.トラフィックチャンネルよりも最優先のベストエフォートフロー(例、ベストエフォートIPフロー)
4.シグナリングチャンネルよりも最優先のベストエフォートフロー
5.トラフィックチャンネルよりも第2に優先されるベストエフォートフロー(例、RLPフレーミングを持つベストエフォートROHCフロー)
6.シグナリングチャンネルよりも第2に優先されるベストエフォートフロー、および、
7.トラフィックチャンネルよりも第3に優先されるベストエフォートフロー(例、ベストエフォートHDLCフロー)
8.シグナリングチャンネルよりも第3に優先されるベストエフォートフロー
9.トラフィックチャンネルよりも第4に優先されるベストエフォートフロー(例、HDLCフレーミングを持つベストエフォートROHCフロー)
10.シグナリングチャンネルよりも第4に優先されるベストエフォートフロー、
11.フローとチャンネルの他の組み合わせ
このパスが使用可能な場合には、パケットに対する最高の優先順位のパス(つまり、最優先のパス)を介して、パケットが送信され得る。最高の優先順位のパスが使用可能でない場合、使用可能であってパケットに対して適切なすべてのパス間で最優先のパスを介して、パケットは送信され得る。パスは、ある時点において1つと考えられ、相応しいパスがパケットに対して識別されるまで、最優先のパスで開始しているかもしれない。
【0040】
最高の優先順位のパスが使用可能でない場合には、それでもなお、パケットは低位の優先度のパスを介して送信され得る。もし適切ならば、最高の優先順位のパスは平行してセットアップされ得る、その結果、次のパケットがこのパスを介して送信され得る。パスのセットアップ(setup)は、フローが中断されている場合にはそれを活性化し、リンクがダウンしている場合にはそれを接続し、トラフィックチャンネルが使用可能でない場合にはそれを引き起こし、あるいは、これらのアクションの任意の組み合わせを必然的に伴う可能性がある。セットアップ時間に依存して、1より多くのパケットは、最高の優先順位のパスがセットアップできる前に、より低い優先度のパスを介して送信され得る。
【0041】
最高の優先順位のパスのセットアップを試みるか否かの決定は、各種ファクターに基づき行われ得る。最高の優先順位のパスのセットアップは、セットアップが、低い優先度のパスを介して送信されるすべてのパケット上で試され、そのセットアップの試みが失敗続きである場合には、特に、費用がかかるかもしれない。この場合には、セットアップが定期的間隔で試みられるように、セットアップの試みが調節され得る。セットアップの試みは、フロー処理のパラメータを介してアプリケーションにより制御され得る。例えば、アプリケーションが、1つ、あるいは、わずかなパケットを送信していることを知っている場合には、最高の優先順位のパスをセットアップする利点は、ほとんどないかもしれない。この場合には、1つ、あるいは、わずかなパケットは、最高の優先順位のパスをセットアップする試みもなく、より低い優先度のパスを介して送信され得る。
【0042】
アプリケーションは、また、そのデータがどのように送信されるかに基づいて、その優先度を示す可能性もある。例、フロー処理のパラメータを使用する。例えば、VoIPアプリケーションは、QoSフロー上でVoIPパケットを送信することを優先することができる。QoSフローが中断される場合、そのときにはVoIPアプリケーションは、何のQoS保証もないベストエフォートフロー上にそれらを送信する代わりに、パケットをドロップすることを優先することができる。他の例としては、シグナリング(例、SIP)アプリケーションは、使用可能である場合には、QoSフロー上に、あるいは、QoSフローが使用可能でない場合には、QoSフローが起動されるのを待つ代わりに、ベストエフォートフロー上に、シグナリングメッセージを送信すること(例、VoIP呼を終了するために)を優先することができる。
【0043】
明快さのために、パケットに対するパスを選択するための特定の設計が下記で説明される。この設計は、HRPDについて上記で説明されたフロー、リンク、そして、チャンネルを想定している。
【0044】
フローは、次の状態の1つを有することができる。
【0045】
・空(null)−フローは確立されず、データの送信に使用されることが不可能である、
・起動(activated)−フローはセットアップされ、オン状態にされ、データを送信するために使用され得る、例えば、資源予約は使用可能であり、(あるならば)QoSは保証される。または、
・中断(suspended)−フローはセットアップされるが、オン状態にされず、データの送信に使用されることは不可能である、例えば、資源予約はない状態であり、および/または、QoSはセットアップされるが保証はされない。
【0046】
リンクは、次の状態の1つを有することができる:
・空−リンクは構成されず、データの搬送に使用されることが不可能である、
・接続(Connected)−リンクは構成され、起動され、データの送信に使用され得る、例えば、トラフィックチャンネルは使用可能である。あるいは、
・非接続(Not connected)−リンクは構成されるが、起動されない、例えば、トラフィックチャンネルは使用可能ではない。
【0047】
リンクは、トラフィックチャンネルおよびシグナリングチャンネルと関係付けられ得る。トラフィックチャンネルは必要とされると持ち出され(brought up)、必要でなければ取り外される(taken down)。シグナリングチャンネルは、すべての場合に使用可能であり、わずかな量のデータを送信するために使用することができる。トラフィックチャンネルは使用可能ではない場合、リンクは接続されない。しかし、それにも関わらず、シグナリングチャンネルを使用してデータを送信するために使用され得る。
図4は、最優先のパスを介してパケットを送信するためのプロセス400の設計を示す。最初に、パケットはアプリケーションから受信され得る(ブロック410)。このQoSパスがパケットに対して指定され、使用可能である場合には、パケットはQoSフローによりパスを介して送信され得る(ブロック420)。ブロック422において決定されるように、パケットがブロック420において送信されると、そのときプロセスは終了する。パケットに対して指定されるQoSパスがない場合、あるいは、QoSパスが指定されるが、何らかの理由で、パケットがこのパスを介して送信することが不可能な場合には、パケットはブロック420において送信されないかもしれない。この場合には、このベストエフォートパスがパケットに対して指定され、使用可能である場合には、パケットは、ベストエフォートフローによりパスを介して送信され得る(ブロック430)。ブロック432において決定されるように、パケットがブロック430において送信される場合には、処理はブロック450にまで続く。
【0048】
パケットに対して、指定されるベストエフォートパスが存在しない場合、あるいは、ベストエフォートパスは指定されるが、何らかの理由で、パケットがこのパスを介して送信されることが不可能な場合、パケットはブロック430において送信されない可能性がある。この場合には、パケットは、もしあるならば、使用可能なパス間で、最優先のパスを介して送信され得る(ブロック440)。パケットがこのパスを介して送信されない場合には、パケットに対する最高の優先順位のパスがセットアップされ得る(ブロック450)。たとえパケットがいずれのパスを介しても送信されない場合でさえ、ブロック450は、実行され得る。ブロック420、430、および、440は、下記で説明されるように実行され得る。
【0049】
図5Aは、図4のブロック420に対する処理の設計を示す。パケットが任意のQoSフローに属するかどうかを決定するために、パケットは、QoSフローに対するパケットフィルタのセットでフィルタされ得る(ブロック512)。ブロック514において決定されるように、パケットが任意のパケットフィルタにマッチし、QoSフローに属する場合には、このQoSフローを持つパス(FQk,LQl,C)は識別され得る(ブロック516)。このパスは、チャンネルC上で送信されるリンクLQlへマップされる適切なQoS保証を持つQoSフローFQkから構成され得る。次に、フローFQkが起動されるかどうかの決定が行われ得る(ブロック518)。フローFQkが起動されると、次にリンクLQlが接続されるかどうかの決定が行われ得る(ブロック520)。フローFQkが起動され、リンクLQlが接続されると、次に、最も望ましいQoSを提供することが可能なパス(FQk、LQl、Ctr)を介して、あるいは、フローFQk、リンクLQlおよび、トラフィックチャンネルCtr上で、パケットは送信され得る(ブロック522)。
【0050】
フローFQkが起動されるが、リンクLQlが接続されない場合、パケットがリンクLQlに対するシグナリングチャンネル上で送信されることが可能かどうかの決定が行われ得る(524)。ブロック524における決定は、アプリケーションの方針、パケットのサイズ、シグナリングチャンネルのデータレート、および/または、特性、等々、のような各種のファクターに依存しているかもしれない。ブロック524に対する答えが、“YES”であるならば、パケットは、フローFQk、リンクLQl、そして、シグナリングチャンネルCS上で、つまり、パス(FQk、LQl、C)を介して、送信され得る(ブロック526)。パケットがブロック514におけるどのパケットフィルタともマッチしない場合、あるいは、フローFQkがブロック518において中断される場合、あるいは、リンクLQlが接続されず、パケットがブロック524におけるシグナリングチャンネル上に送信されることが不可能な場合、そのときは、パケットはブロック420において送信されない。
【0051】
図5Bは、図4のブロック430に対する処理の設計を示す。パケットが任意のベストエフォートフローへ属するかどうかを決定するために、パケットはベストエフォートフローに対するパケットフィルタのセットでフィルタされ得る(ブロック532)。ブロック534において決定されるように、パケットが任意のパケットフィルタにマッチし、特定のベストエフォートフローに属する場合、そのときは、このベストエフォートフローを持つパス(FBEK、LBEl、C)は、識別され得る(ブロック536)。このパスは、チャンネルC上で送信されるリンクLBElにマップされるベストエフォートフローFBEkから構成され得る。次に、フローFBEkが起動されるかどうかの決定は、行われ得る(ブロック538)。フローFBEkが起動される場合には、リンクLBElが接続されるかどうかの決定が行われ得る(ブロック540)。フローFBEkが起動され、リンクLBElが接続される場合には、パケットは、フローFBEk、リンクLBEl、および、トラフィックチャンネルCtr上で、つまり、このパケットに対する最優先のベストエフォートパスとして指定されるパス(FBEk、LBEl、Ctr)を介して送信され得る(ブロック542)。
【0052】
フローFBEkは起動されるが、リンクLBElは接続されない場合には、パケットがリンクLBElに対するシグナリングチャンネル上に送信されることが可能であるかどうかの決定が行われ得る(544)。答えが”YES”である場合には、パケットは、フローFBEk、リンクLBEl、および、シグナリングチャンネルCS上で、つまり、パス(FBEk、LBEl、C)を介して送信され得る(ブロック546)。パケットがブロック534における任意のパケットフィルタともマッチしない場合、あるいは、フローFBEkがブロック538において中断される場合、あるいは、リンクLBElが接続されず、パケットがブロック544におけるシグナリングチャンネル上で送信されることが不可能な場合には、パケットはブロック430において送信されない。
【0053】
図5Cは、図4のブロック440に対する処理の設計を示す。パケットに対して、まだ考慮されていないパスが存在するかどうかの決定は、最初に行われるかもしれない(ブロック552)。すべてのパスが考慮された場合には、パケットは後の送信に対する待ち行列(queue)に格納される可能性があり(ブロック554)、処理は終了する。そうでない場合には、まだ考慮されていないすべてのパス間で最優先のパス(F、L、C)が識別され得る(ブロック556)。パケットは、パスに対する特定の優先順位を有するかもしれない。例えば、優先順位は、(i)あるとしたら、パケットに対して指定されるQoSフローと同様のプロトコルを使用するベストエフォートフローを持つパス、(ii)ベストエフォートROHCフローを持つパス、(iii)ベストエフォートIPフローを持つパス、(iv)ベストエフォートHDLCフローを持つパス、(v)等(etc)、を含むことができる。一般に、優先順位は、アプリケーションの方針、システムが定義したフロープロトコルの優先度、等のような種々のファクターに依存しているかもしれない。
【0054】
フローFkが起動されるかどうかの決定が行われ得る(ブロック558)。フローFが起動される場合には、リンクLが接続されるかどうかの決定が行われ得る(ブロック560)。フローFが起動され、リンクLが接続されると、パケットは、フローF、リンクL、および、トラフィックチャンネルCtr上で、つまり、優先順位に基づいて、すべての使用可能なパス間で、このパケットに対する最優先のパスであるところのパス(F、L、Ctr)を介して、送信され得る(ブロック562)。フローFは起動されるが、リンクLは接続されない場合には、パケットがリンクLに対するシグナリングチャンネル上で送信されることが可能かどうかの決定が行われ得る(564)。答えが”YES”である場合、パケットは、フローF、リンクL、および、シグナリングチャンネルC上で、つまり、パス(F、L、C)を介して、送信され得る(ブロック566)。フローFがブロック558において中断される場合、あるいは、リンクLが接続されず、パケットがブロック564においてシグナリングチャンネル上で送信されることが不可能な場合には、パケットに対する他のパスを識別することを試みるために、処理はブロック552へ戻る。
【0055】
図6は、下位層に対するパスルーティングの実行に関する処理600を示す。他のエンティティへ送信されるパケットは、受信され得る(ブロック612)。パケットに対する最優先の下位層のパスは、少なくとも1つの使用可能な下位層のパス間から選択され得る(ブロック614)。パケットは、選択された下位層のパスを介して、送信され得る(ブロック616)。このパスが少なくとも1つの使用可能な下位層のパス間にない場合には、パケットに対する最高の優先順位の下位層のパスが、セットアップされ得る(ブロック618)。
【0056】
使用可能な下位層のパスの各々は、リンク層と物理層を通ってデータを搬送する、そして、少なくとも1つの基準にマッチするパケットに対するフロー、リンク層におけるリンク(例、HRPDにおけるRLPインスタンス)、および、物理層におけるチャンネルを含むことができる。使用可能な下位層パスは、(i)例えば、ベストエフォートフローより高い優先度を有するQoSフローを持つパケットの処理、(ii)リンク層において使用されるプロトコル(例、HDLC、Null/IP、ROHC等)のような構成、(iii)物理層におけるチャンネルタイプ(例、トラフィックとシグナリングチャンネル)、および/または、(iv)他のファクター、に基づく優先度の順位に準備され得る。
【0057】
ブロック614の場合、そのようなパスがパケットに対して指定され、使用可能な場合、QoSフローを持つ下位層のパスが選択され得る。QoSフローを持つ下位層のパスがパケットに対して指定されないか、あるいは、使用可能でない場合、ベストエフォートフローを持つ下位層のパスが、選択され得る。例えば、パケットは、少なくとも1つのQoSフローに対する少なくとも1つのパケットフィルタでフィルタされ得る。パケットがQoSフローに対するパケットフィルタにマッチする場合、このQoSフローを持つ下位層のパスは、パケットに対する最優先の下位層のパスとして、選択され得る。例えば、図5Aに示されるように、パケットは、(i)QoSフローが起動され、選択された下位層のパスに対するリンクが接続される場合には、トラフィックチャンネル上で、あるいは、(ii)QoSフローが起動され、リンクが接続されず、そして、シグナリングチャンネルが使用可能であり、パケットの搬送が可能な場合には、シグナリングチャンネル上で送信され得る。
【0058】
パケットは、少なくとも1つのベストエフォートフローに対して、少なくとも1つのパケットフィルタでフィルタされることも可能である。パケットがベストエフォートフローに対するパケットフィルタにマッチする場合、このベストエフォートフローを持つ下位層のパスは、パケットに対する最優先の下位層パスとして選択され得る。例えば、図5Bで示されるように、パケットは、(i)ベストエフォートフローが起動され、選択された下位層のパスに対するリンクが接続される場合には、トラフィックチャンネル上で、あるいは、(ii)ベストエフォートフローが起動され、リンクが接続されず、シグナリングチャンネルが使用可能であり、パケットを搬送することが可能である場合には、シグナリングチャンネル上で送信され得る。
【0059】
明快さのために、技法のある種の態様は、HPPDに対して、そして、フロー、リンク(あるいは、RLPインスタンス)、および、チャンネルから構成される下位層のパスに対して、特定して説明されてきた。技法は、他の無線通信システムとラジオ技術に対して使用される可能性もある。異なるシステムとラジオ技術は、異なるチャンネルタイプ、これらのチャンネル上でデータを送信する異なる方針とルール等を有する可能性がある。例えば、次は、いくつかの、技術に特有の特性と動作である。
・IEEE802.11は、シグナリングチャンネル上でのデータを送信することをサポートしないが、すべてのフローが結合された単一リンクをサポートする。
【0060】
・いくつかのUMTSラジオ技術(例、EDGE、GRRS、W−CDMA等)は、シグナリングチャンネル上でデータを送信するために、ショートメッセージサービス(SMS)を使用する。
【0061】
・GPRSとW−CDMAは、同じ2次リンク上で複数の圧縮プロトコルを構成できる。
【0062】
・CDMA2000 1Xは、シグナリングチャンネル上でパケットを送信するために、ショート・データ・バースト(SDB)を使用する。
【0063】
・HRPDは、リンクあたりに1つのRLPと、すべてのリンクに対して単一トラフィックチャンネルを使用する。したがって、トラフィックチャンネルがダウンした場合には、リンクのすべてが同様にダウンになる。この特性は、ルーティング・アルゴリズムを単純化するために使用され得る。
【0064】
一般に、下位層のパスは、異なるラジオ技術とシステムに対して、異なる仕方で定義され得る。下位層のパスは、MACフロー、論理チャンネル等のようなデータリンク層の下のエンティティを含むことができる。任意の与えられたラジオ技術、あるいはシステムについて、使用可能なパスに対する特別の優先順位が存在し得る。端末におけるルーティング手続きは、各パケットに対する最優先の下位層のパスを選択するために、サポートされているラジオ技術の特定の特性を考慮することができる。
【0065】
ここで説明される技法は、良好なパフォーマンスを達成するために、パケットに対して相応しい下位層のパスを選択する。これらの技法は、下位層(例えば、リンクと物理層)を介してルーティングを実行し、各パケットに対する次のホップノード(例えば、基地局)への相応しい下位層のパスを見つける。技法は、異なるIPアドレスを持つ異なるデバイス/局へパケットを送信するために相応しい通信ルートを見つける標準的なIPルーティングとは異なる問題を解決する。
【0066】
図7は、図1の端末110の設計のブロック図を示す。リバースリンク(あるいは、アップリンク)上で、端末110により送信されるデータとシグナリングは、符号器722により処理され(例、フォーマットされ、符号化され、そして、インターリーブされる)、出力チップを生成するために、適用可能なラジオ技術(例、HRPD、CDMA2000 1X、W−CDMA、GSM等)に従って変調器(MOD)724によりさらに処理(例、変調、チャンネル化、そして、スクランブル)される。送信器(TMTR)732は、出力チップを調整(例えば、アナログ変換、フィルタ、増幅、そして、周波数アップコンバート)し、アンテナ734を介して送信されるリバースリンク信号を生成する。
【0067】
フォワードリンク(あるいは、ダウンリンク)上で、アンテナ734は、基地局により送信されるフォワードリンク信号を受信し、受信信号を供給する。受信器(RCVR)736は、受信信号を調整(例、フィルタ、増幅、周波数ダウンコンバート、そして、ディジタル化)し、サンプルを供給する。復調器(Demod)726は、サンプルを処理(例、デスクランブル、チャンネル化、復調)し、シンボル推定を供給する。復号器728はシンボル推定をさらに処理(例、ディスインターリーブと復号)し、復号されたデータを供給する。符号器722、変調器724、復調器726、そして、復号器728は、モデムプロセッサ720により実現され得る。これらのユニットは、端末110が通信するシステムにより使用されるラジオ技術(例、HRPD、CDMA2000 1X、W−CDMA、GSM等)に従って処理を実行する。
【0068】
制御器/プロセッサ740は、端末110における動作を制御する。制御器/プロセッサ740は、さらに、図4から5Cまでの処理400、図6の処理600、および/または、下位層を介してデータをルーティングするための他の処理をインプリメントすることができる。メモリ742は、端末110に対するデータとプログラムを格納する。メモリ742は、下位層のパスの情報、例えば、起動され中断されるフロー、接続され切断されるリンク、使用可能なチャンネル等に対する情報、を格納することができる。
【0069】
ここで説明される技法は、各種の手段によりインプリメントされるかもしれない。例えば、これらの技法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、または、それらの組み合わせでインプリメントされるかもしれない。ハードウェア・インプリメンテーションについて、技法を実行するために使用される処理装置は、1つ以上の、特定用途向けIC(ASIC)、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ディジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子機器、ここに説明された機能を行うことを目指した他の電子ユニット、コンピュータ、または、それらの組み合わせ内でインプリメントされ得る。
【0070】
ファームウェア、および/または、ソフトウェア・インプリメンテーションについて、技法は、ここに説明された機能を行うモジュール(例、手順、機能、等)によりインプリメントされ得る。ファームウェア、および/または、ソフトウェア命令は、メモリ(例えば、図7のメモリ742)に格納され、プロセッサ(例えば、プロセッサ740)により実行されるかもしれない。メモリは、プロセッサの内に、あるいはプロセッサの外部に、インプリメントされるかもしれない。ファームウェア、および/または、ソフトウェア命令は、また、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的消去・書込み可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、コンパクトディスク(CD)、磁気または光学データ記憶装置等の他のプロセッサ可読媒体に格納されるかもしれない。
【0071】
ここに説明される技法を実現する装置は、独立型ユニットであるか、または、デバイスの部分であるかもしれない。デバイスは、(i)独立型集積回路(IC)、(ii)データ、および/または、命令を格納するためのメモリICを含むかもしれない1つ以上のICセット、(iii)移動局モデム(MSM)のようなASIC、(iv)他のデバイス内に埋め込まれるかもしれないモジュール、(v)携帯電話、無線デバイス、ハンドセット、あるいは、移動ユニット、(vi)等、であるかもしれない。
【0072】
開示についての前述の説明は、任意の当業者がその開示を作るか使用することを可能にするために提供される。開示への各種の修正は、当業者に容易に明白になるであろう。そして、ここに定義される一般的な法則は、開示の精神または範囲から外れずに、他の変形に適用されるかもしれない。したがって、その開示は、ここに説明された例に限定するようには意図されず、ここに開示された法則と新規な特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信するパケットを受信するように、少なくとも1つの使用可能な下位層のパス間から前記パケットに対する最優先の下位層のパスを選択するように、および、前記選択される下位層のパスを介して前記パケットを送信するように、構成されるプロセッサ、および、
前記プロセッサに結合されるメモリ、
を備える装置。
【請求項2】
前記使用可能な下位層のパスの各々は、リンク層と物理層を通ってデータを搬送する、請求項1の装置。
【請求項3】
前記使用可能な下位層パスの各々は、パケットに対するフロー、リンク層におけるリンク、および、物理層におけるチャンネルを含む、請求項1の装置。
【請求項4】
前記リンクは、ハイレートパケットデータ(HRPD)におけるラジオ・リンク・プロトコル(RLP)インスタンスに対応する、請求項3の装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記パケットに対して指定され、かつ使用可能である場合に、サービス品質(QoS)フローを持つ下位層パスを選択するように、および、前記QoSフローを持つ前記下位層パスが前記パケットに対して指定されないか、または、使用可能でない場合に、ベストエフォートフローを持つ下位層パスを選択するように、構成される、請求項1の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、少なくとも1つのサービス品質(QoS)フローに対する少なくとも1つのパケットフィルタで前記パケットをフィルタするように、および、前記パケットが前記QoSフローに対するパケットフィルタにマッチする場合に、前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスとしてQoSフローを持つ下位層のパスを選択するように、構成される、請求項1の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記QoSフローが起動させられ、そして、前記選択された下位層のパスに対するリンクが接続される場合に、トラフィックチャンネル上で前記パケットを送信するように、構成される、請求項6の装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記QoSフローが起動させられ、前記リンクが接続されず、そして、シグナリングチャンネルが使用可能で、かつ前記パケットを搬送することが可能である場合に、前記シグナリングチャンネル上で前記パケットを送信するように、構成される、請求項7の装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、少なくとも1つのベストエフォートフローに対する少なくとも1つのパケットフィルタで前記パケットをフィルタするように、および、前記パケットが前記ベストエフォートフローに対するパケットフィルタにマッチする場合に、前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスとしてベストエフォートフローを持つ下位層のパスを選択するように、構成される、請求項1の装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記ベストエフォートフローが起動させられ、かつ前記選択された下位層のパスに対するリンクが接続される場合に、トラフィックチャンネル上で前記パケットを送信するように、構成される、請求項9の装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記ベストエフォートフローが起動させられ、前記リンクが接続されず、そして、シグナリングチャンネルが使用可能で、前記パケットを搬送することが可能である場合に、前記シグナリングチャンネル上で前記パケットを送信するように、構成される、請求項10の装置。
【請求項12】
各下位層のパスはフローを含み、前記少なくとも1つの使用可能な下位層のパスが、ベストエフォートフローより高い優先度を持つサービス品質(QoS)フローを持つパケットの処理に基づいて、優先度の順位で準備される、請求項1の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの使用可能な下位層のパスが、リンク層で使用されるプロトコルに基づいて、優先度の順位で準備される、請求項1の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの使用可能な下位層のパスが、物理層におけるチャンネルタイプに基づいて、優先度の順位で準備される、請求項1の装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つの使用可能な下位層のパス間に存在しない場合に、前記パケットに対して最高の優先順位の下位層のパスをセットアップするように、構成される、請求項1の装置。
【請求項16】
送信するパケットを受信することと、
少なくとも1つの使用可能な下位層のパス間から、前記パケットに対して最優先の下位層のパスを選択することと、
前記選択された下位層のパスを介して前記パケットを送信すること、
を含む方法。
【請求項17】
前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスを選択することは、
前記パケットに対して指定され、使用可能である場合に、サービス品質(QoS)フローを持つ下位層のパスを選択することと、
前記QoSフローを持つ前記下位層のパスが前記パケットに対して指定されないか、または、使用可能でない場合に、ベストエフォートフローを持つ下位層のパスを選択すること、
を含む、請求項16の方法。
【請求項18】
前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスを選択することは、
少なくとも1つのサービス品質(QoS)フローに対する少なくとも1つのパケットフィルタで、前記パケットをフィルタすることと、
前記パケットが前記QoSフローに対するパケットフィルタにマッチする場合に、前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスとしてQoSフローを持つ下位層のパスを選択すること、
を含む、請求項16の方法。
【請求項19】
前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスを選択することは、
少なくとも1つのベストエフォートフローに対する少なくとも1つのパケットフィルタで、前記パケットをフィルタすることと、
前記パケットが前記ベストエフォートフローに対するパケットフィルタにマッチする場合に、前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスとしてベストエフォートフローを持つ下位層のパスを選択すること、
を含む、請求項16の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの使用可能な下位層のパス間に存在しない場合に、前記パケットに対する最高の優先順位の下位層のパスをセットアップすること、
をさらに含む、請求項16の方法。
【請求項21】
送信するパケットを受信するための手段と、
少なくとも1つの使用可能な下位層のパス間から、前記パケットに対する最優先の下位層のパスを選択するための手段と、
前記選択された下位層のパスを介して前記パケットを送信するための手段、
を備える装置。
【請求項22】
前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスを選択するための前記手段は、
前記パケットに対して指定され、使用可能である場合に、サービス品質(QoS)フローを持つ下位層のパスを選択するための手段と、
前記QoSフローを持つ前記下位層のパスが前記パケットに対して指定されないか、または、使用可能でない場合に、ベストエフォートフローを持つ下位層のパスを選択するための手段、
を備える、請求項21の装置。
【請求項23】
前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスを選択するための手段は、
少なくとも1つのサービス品質(QoS)フローに対する少なくとも1つのパケットフィルタで前記パケットをフィルタするための手段と、
前記パケットが前記QoSフローに対するパケットフィルタにマッチする場合に、前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスとしてQoSフローを持つ下位層のパスを選択するための手段、
を備える、請求項21の装置。
【請求項24】
前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスを選択するための手段は、
少なくとも1つのベストエフォートフローに対する少なくとも1つのパケットフィルタで前記パケットをフィルタするための手段と、
前記パケットがベストエフォートフローに対するパケットフィルタにマッチする場合に、前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスとしてベストエフォートフローを持つ下位層のパスを選択するための手段、
を備える、請求項21の装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つの使用可能な下位層のパス間に存在しない場合に、前記パケットに対して最高の優先順位の下位層のパスをセットアップするための手段、
をさらに備える、請求項21の装置。
【請求項26】
送信するパケットを受信する、
少なくとも1つの使用可能な下位層のパス間から、前記パケットに対して最優先の下位層のパスを選択する、および、
前記選択された下位層のパスを介して前記パケットを送信する、
ための命令を格納するためのプロセッサ可読媒体。
【請求項27】
前記パケットに対して指定され、使用可能である場合に、サービス品質(QoS)フローを持つ下位層のパスを選択する、および、
前記QoSフローを持つ前記下位層のパスが前記パケットに対して指定されないか、または、使用可能でない場合に、ベストエフォートフローを持つ下位層のパスを選択する、
ための命令をさらに格納する、請求項26のプロセッサ可読媒体。
【請求項28】
少なくとも1つのサービス品質(QoS)フローに対する少なくとも1つのパケットフィルタで、前記パケットをフィルタする、および、
前記パケットが前記QoSフローに対するパケットフィルタにマッチする場合に、前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスとしてQoSフローを持つ下位層のパスを選択する、
ための命令をさらに格納する、請求項26のプロセッサ可読媒体。
【請求項29】
少なくとも1つのベストエフォートフローに対する少なくとも1つのパケットフィルタで、前記パケットをフィルタする、および、
前記パケットが前記ベストエフォートフローに対するパケットフィルタにマッチする場合に、前記パケットに対する前記最優先の下位層のパスとしてベストエフォートフローを持つ下位層のパスを選択する、
ための命令をさらに格納する、請求項26のプロセッサ可読媒体。
【請求項30】
前記少なくとも1つの使用可能な下位層のパス間に存在しない場合に、前記パケットに対して最高の優先順位の下位層のパスをセットアップする、
ための命令をさらに格納する、請求項26のプロセッサ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−59060(P2013−59060A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−231859(P2012−231859)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【分割の表示】特願2009−516689(P2009−516689)の分割
【原出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】