説明

通信システムの電力消費制御方法及びそれに関連する通信システム

【課題】通信システムに応用する電力消費制御方法及び関連装置を提供すること。
【解決手段】通信システムは、第一ネットワーク装置と第二ネットワーク装置からなる。前記通信システムに応用される電力消費制御方法は、前記第一ネットワーク装置の受信能力を検査して第一検査結果を生成するステップと、前記第一検査結果に基づき、前記第二ネットワーク装置の送信能力を調整するように選択的に前記第二ネットワーク装置に通知するステップを有する。前記第一検査結果が、前記第一ネットワーク装置の受信能力が第一閾値より大きいことを示した場合、第一通知信号を送信して前記第二ネットワーク装置に通知する。前記第一通信信号を受信した後、前記第二ネットワーク装置の送信能力を低下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムに応用される電力消費制御方法及び関連装置に関し、特に、二つのネットワーク装置間の相互の伝達によりネットワーク装置の送信能力を調整して電力を節約し、かつフォールバック機制によりエラーを回避する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1ギガ/10ギガビット・イーサネット・システムのような高速通信システムにおいて、通信システムの電力消費は、その回路が頻繁に稼動するほど増加する。更に、通信システムの電力消費は、ポートの数が多くなるほど増加する。従って、通信システムの電力消費を如何に抑制するかがこの分野の重大な課題となっている。
【0003】
現在、主な電力節約方法としては、通信システム中のネットワーク装置(例えば、第一ネットワーク装置)自体のパラメータを調整する方法がある。例えば、電力を節約するために、伝達装置の送信能力や受信機の受信能力を低下させる。第一ネットワーク装置の送信能力又は受信能力が低下した後、もう一方のネットワーク装置(例えば、第二ネットワーク装置)が依然正常にリンクできるか確定できないので、エラーを避けるために、通常、空間(Margin)が留保されている。しかしながら、留保された空間は電力消費の無駄となり、最適な省電力が達成できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、通信システムに応用する電力消費制御方法及び関連装置を提供して、従来技術の課題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例に通信システムに応用される電力消費制御方法が開示されている。通信システムは、第一ネットワーク装置と第二ネットワーク装置からなる。電力消費制御方法は、第一ネットワーク装置の受信能力を検査して第一検査結果を生成するステップと、第一検査結果に基づき、第二ネットワーク装置の送信能力を調整するように選択的に第二ネットワーク装置に通知するステップを有する。第一検査結果が、第一ネットワーク装置の受信能力が第一閾値よりも大きいことを示した場合、第一通知信号を送信して第二ネットワーク装置に通知する。第一通知信号を受信した後、第二ネットワーク装置の送信能力を低下させる。
【0006】
本発明の別の実施例に、通信システムに応用される電力消費制御方法が開示されている。電力消費制御方法は、待機シーケンスの電圧レベルを所定の電圧レベルまで低下させ、かつ所定の電圧レベルを利用して待機シーケンスを送信する。
【0007】
本発明の別の実施例に、電力消費が制御可能な通信システムが開示されている。通信システムは、第一ネットワーク装置と第二ネットワーク装置からなる。第一ネットワーク装置は、第一受信機と第一送信機と第一検査モジュールと第一信号送信モジュールからなる。第一検査モジュールは、第一ネットワーク装置の第一受信機の受信能力を検査して、第一検査結果を生成する。第一信号送信モジュールは、第一検査結果に基づき、選択的に通知信号を生成する。第二ネットワーク装置は、第二受信機と第二送信機と第二送信能力調整モジュールからなる。第二送信能力調整モジュールは、通知信号に基づき、第二ネットワーク装置の第二送信機の送信能力を調整する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例1に基づく、電力消費制御可能な通信システムを示す図である。
【図2】本発明の実施例2に基づく、電力消費制御可能な通信システムを示した図である。
【図3】本発明の実施例3に基づく、電力消費制御可能な通信システムを示した図である。
【図4】本発明の実施例に基づく、通信システムに応用される電力消費制御方法を説明したフローチャートである。
【図5】本発明の別の実施例に基づく、通信システムに応用される電力消費制御方法を説明したフローチャートである。
【図6】本発明の別の実施例に基づく、通信システムに応用される電力消費制御方法を説明したフローチャートである。
【図7】本発明の別の実施例に基づく、通信システムに応用される電力消費制御方法を説明したフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本発明の実施例1に基づく、電力消費制御可能な通信システム100を示す図である。図1を参照すると、通信システム100は、第一ネットワーク装置1100と、第二ネットワーク装置1200からなる。第一ネットワーク装置1100は、(これだけに制限されないが、)第一受信機110と、第一送信機120と、第一検査モジュール130と、第一信号送信モジュール140と、第一送信能力調整モジュール150を有する。第二ネットワーク装置1200は、(これだけに制限されないが、)第二送信機160と、第二受信機170と、第二検査モジュール180と、第二信号送信モジュール190と、第二送信能力調整モジュール195を有する。第一検査モジュール130は、第一ネットワーク装置1100の第一受信機110の受信能力を検査して第一検査結果RS11を生成する。第一信号送信モジュール140は、第一検査結果RS11に基づき、通知信号を選択的に生成する。第二送信能力調整モジュール195は、前記通知信号に基づき、第二ネットワーク装置1200の第二送信機160の送信能力を調整する。一方、第二検査モジュール180は、第二ネットワーク装置1200の第二受信機170の受信能力を検査して第二検査結果RS12を生成する。第二信号送信モジュール190は、第二検査結果RS12に基づき、別の通知信号を選択的に生成する。第一送信能力調整モジュール150は、前記通知信号に基づき第一ネットワーク装置1100の第一送信機120の送信能力を調整する。
【0010】
次に、いくつかの例を挙げながら、如何に第一検査結果RS11に基づき選択的に第二ネットワーク装置1200に通知して第二送信機160の送信能力を調整するのかを説明する。
【0011】
第一例において、通信システム100は、10M/100Mbase-Tシステムであり、第一検査結果RS11は第一ネットワーク装置1100の第一受信機110の受信能力が第一閾値TH1より大きいことを示す。このとき、第一ネットワーク装置1100の第一信号送信モジュール140は、第一通知信号NS1を送信して第二ネットワーク装置1200に通知する。第二ネットワーク装置1200が第一通知信号NS1を受信した後、第二送信能力調整モジュール195は第二送信機160の送信能力を直接低下させる。
【0012】
第二例において、通信システム100は、1Gbase-Tシステム又は10Gbase-Tシステムであり、第一検査結果RS11は、第一ネットワーク装置1100の第一受信機110の受信能力が第一閾値TH1より大きいことを示す。この時、第一ネットワーク装置1100の第一信号送信モジュール140は、第一通知信号NS1を送信して第二ネットワーク装置1200に通知する。第二ネットワーク装置1200が第一通知信号NS1を受信した後、第二送信能力調整モジュール195は、第二送信機160の送信能力を低下させる。第二送信機160の送信能力が低下させられた場合、第二受信機170の受信能力は悪化する。従って、第二送信能力調整モジュール195が第二送信機160の送信能力を低下させた後、第二検査モジュール180は第二受信機170の受信能力を検査して第二検査結果RS22を生成する。次に、二つの状況に分けて説明する。第二検査結果RS22は第二受信機170の受信能力が第二閾値HT2よりも大きいことを示した場合、第二信号送信モジュール190は、第二通知信号NS2を送信して第一ネットワーク装置1100に第二送信機160の送信能力を低下させ続けられることを通知する。一方、第二検査結果RS22が、第二受信機170の受信能力が第二閾値TH2よりも大きくないことを示した場合、第二信号送信モジュール190は第三通知信号NS3を送信して、第二送信機160の送信能力を低下させ続けることができないことを第一ネットワーク装置1100に通知する。
【0013】
第三例において、第二送信能力調整モジュール195が第二送信機160の送信能力を低下させた後、第一ネットワーク装置1100の第一検査モジュール130が第一受信機110の受信能力が過度に劣化していることを検出する。この時、第一検査モジュール130は第一受信機110の受信能力を検査して第三検査結果RS31を生成する。第三検査結果RS31が第一受信機110の受信能力が第一閾値TH1よりも大きくないことを示した場合、第一信号送信モジュール140は第四通知信号NS4を送信して第二ネットワーク装置1200に通知する。第四通知信号NS4を受信した後、第二送信能力調整モジュール195は、第二送信機160の送信能力を向上させる。つまり、第二送信能力調整モジュール195が第二送信機160の送信能力を低下させたことにより、第一受信機110の受信能力が劣化した場合、第二送信能力調整モジュール195に直ちに第二送信機160の送信能力を向上するよう要求する。
【0014】
上記の例において、第一検査モジュール130と第二検査モジュール180は、第一受信機110と第二受信機170が受信したネットワーク信号の信号対雑音(SNR)、最大誤差又はビタビエラー等を検査して、受信能力を検査するにおいて参考とすることができる。第一送信能力調整モジュール150と第二送信能力調整モジュール195は、第一送信機120及び第二送信機160の作業電圧又はその送信信号の信号増幅をそれぞれ調整して、送信能力を調整する。更に、上記の各例は、通信システム100のトレーニングモード、例えばネットワーク接続の構築過程の下で実行することができるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0015】
一方、第二ネットワーク装置1200の第二検査モジュール180は、第二ネットワーク装置1200の第二受信機170の受信能力を検査して第一検査結果RS12を生成することができる。又、第二信号送信モジュール190は、第一検査結果RS12に基づき、第一ネットワーク装置1100に選択的に通知して第一送信機120の送信能力を調整することができる。第二ネットワーク装置1200が如何に第一ネットワーク装置1100に第一送信機120の送信能力を調整させるかについての運用方式と前記第一ネットワーク装置1100が如何に第二ネットワーク装置1200に第二送信機160の送信能力を調整させるかについての運用方式は同一であるので、ここで更に詳しく述べない。
【0016】
上記からわかるように、本発明の通信システム100は、二つのネットワーク装置1100と1200との相互通信を利用してネットワーク装置の送信能力を調整することにより、省電力を達成することができる。この他、両者の送信能力を複数回、低下又は向上させることにより、最適な設定パラメータを算出して最適省電力効果を達成することができる。
【0017】
当然、上述の通信システム100は、本発明の実施例の一つに過ぎない。他の実施例において、第一ネットワーク装置1100、第二ネットワーク装置1200内に更に多くの機能を設計することにより、通信システム100の応用範囲を更に拡げることができる。
【0018】
図2は、本発明の実施例2に基づく、電力消費制御可能な通信システム200を示した図である。図2に示された通信システム200のアーキテクチャは、図1で示された通信システム100に類似し、その相違は、通信システム200の第一ネットワーク装置2100と第二ネットワーク装置2200がそれぞれ第一送信電力調整モジュール210と第二送信電力調整モジュール220を有していることである。この時、第一ネットワーク装置2100の第一検査モジュール130は、更に第一受信機110の受信能力の第一調整可能範囲RA1を検査し、第一信号送信モジュール140は、更に第一調整可能範囲RA1を第二ネットワーク装置2200に送信する。第二ネットワーク装置2200が、第一ネットワーク装置2100により送信された第一調整可能範囲RA1を受信した後、第二送信電力調整モジュール220は、第一調整可能範囲RA1に基づき第二ネットワーク装置2200の第二送信機160の送信電力を低下させる。一方、第二ネットワーク装置2200の第二検査モジュール180は、更に第二受信機170の受信能力の第二調整可能範囲RA2を検査し、第二信号送信モジュール190は、更に、第二調整可能範囲RA2を第一ネットワーク装置2100へ送信する。第一ネットワーク装置2100が第二ネットワーク装置2200から送信された第二調整可能範囲RA2を受信した後、第一送信電力調整モジュール210は、第二調整可能範囲RA2に基づき、第一ネットワーク装置2100の第一送信機120の送信電力を低下させる。
【0019】
つまり、実施例1において、通信システム100は、二つのネットワーク装置1100と1200間で相互に通信することによりネットワーク装置の送信能力を調整して、省電力を達成する。実施例2において、通信システム200は、更に、二つのネットワーク装置2100と2200間で相互に通信することによりネットワーク装置の送信電力を調整して、省電力を達成する。ここで注意しなければならないことは、通信システム100は、10M/100Mbase-Tシステム、1Gbase-Tシステム、又は10Gbase-Tシステムに適用され、通信システム200は、10M/100Mbase-システム、又は1Gbase-Tシステムだけに適用される。
【0020】
図3は、本発明の実施例3に基づく、電力消費制御可能な通信システム300を示した図である。図3を参照すると、通信システム300は、第一ネットワーク装置3100と第二ネットワーク装置3200とからなる。第一ネットワーク装置3100は、第一受信機110と、第一送信機120と、第一待機シーケンス電圧レベル調整モジュール310と、第一待機シーケンス送信モジュール320を有する。第一待機シーケンス電圧レベル調整モジュール310は、待機シーケンスIS1の電圧レベルを所定の電圧レベルL1まで低下させ、第一待機シーケンス送信モジュール320は、所定の電圧レベルL1により、待機シーケンスIS1を送信する。一方、第二ネットワーク装置3200は、第二受信機170と、第二送信機160と、第二待機シーケンス電圧レベル調整モジュール330と、第二待機シーケンス送信モジュール340と、を有する。第二待機電圧レベル調整モジュール330は、待機シーケンスIS2の電圧レベルを所定の電圧レベルL1まで低下させ、第二待機シーケンス送信モジュール340は、所定の電圧レベルL1により、待機シーケンスIS2を送信する。例えば、1Gbase-Tシステムにおいて、PAM5変調によりデータを送信する場合、先行技術では、一般モードにおいて、+2、 +1、 0、 -1や -2等の電圧レベルによりデータを送信し、待機モードにおいて、+2、 0や -2の電圧レベルによりデータを送信する。本実施例においては、+1、0や-1等の電圧レベルで待機シーケンスIS1とIS2を送信することにより、待機モードの電力を節約できる。
【0021】
ここで注意しなければならないのは、上記の実施例は、例えばネットワーク接続の構築過程のような通信システム100のトレーニングモードのもとで実施されるが、しかし、本発明はこれに制限されない。データ送信モードにおいて、ネットワーク接続構築の後、ネットワーク装置が、環境悪化のためにエラーが生じた場合、フォールバック機制により、上記の過度に調整されたパラメータを修復するようにもう一方に通知する。図1又は図2を参照すると、第一検査結果RS11が、第一受信機110の受信能力が第三閾値TH3より大きくないことを示した場合(第三閾値TH3は、第一閾値TH1と異なる)、第一信号送信モジュール140は、通知信号NS51を送信して第二ネットワーク装置1200に通知する。第二ネットワーク装置1200が通知信号NS51を受信した後、第二送信能力調整モジュール195は、第二送信機160の送信能力を向上させる。同様に、第一検査結果RS12が、第二受信機170の受信能力が第四閾値TH4よりも大きくないことを示した場合(第四閾値TH4は第二閾値TH2と異なる)、第二信号送信モジュール180は、通知信号NS52を送信して第一ネットワーク装置1100に通知する。第一ネットワーク装置1100が通知信号NS52を受信した後、第一送信能力調整モジュール150は、第一送信機120の送信能力を向上させる。この実施例はデータ送信モードの下で実行されるが、本発明はこれだけに制限されるものではない。
【0022】
上記の実施例は本発明の実施例を説明するためだけに用いられたものであって、本発明をこの条件に制限するものではない。この発明の属する技術の分野における通常の知識を有するものは、本発明の本質の範囲内であれば、図1から図3に示された通信システムを多様に設計することができる。例えば、図1から図3に示された通信システムを任意に変更又は組合わせて新たな実施例としても本発明の範疇に属する。
【0023】
図4は、本発明の実施例に基づく、通信システムに応用した電力消費制御方法を説明したフローチャートである。実質的に同一の結果が得られる場合、ステップは、図4に示された実行順序により実行される必要はない。その方法は、これに制限されないが、以下のステップを有する。
【0024】
ステップ402:開始。
ステップ404:第一ネットワーク装置の受信能力を検査し第一検査結果を生成する。その後、ステップ406へ進む。
ステップ406:第一ネットワーク装置の受信能力が第一閾値より大きいか否か判定する。第一検査結果が、第一ネットワーク装置の受信能力が第一閾値より大きいことを示した場合、ステップ420へ進む。さもなければ、ステップ410へ進む。
ステップ410:第二ネットワーク装置の送信能力をそのまま維持する。
ステップ420:第一通知信号を送信し第二ネットワーク装置に通知する。ノードAへジャンプする。
ステップ422:第一通知信号を受信した後、第二ネットワーク装置の送信能力を低下させる。通信システムが10M/100Mbase-Tシステムの場合、ステップ430へ進む。通信システムが1Gbase-Tシステム又は10Gbase-Tシステムの場合、ステップ440へ進む。
ステップ430:終了。ステップ404へ戻る。
ステップ440:第二ネットワーク装置の受信能力を検査し第二検査結果を生成する。その後、ステップ442へ進む。
ステップ442:第二ネットワーク装置の受信能力が第二閾値より大きいか否か判定する。第二検査結果が、第二ネットワーク装置の受信能力が第二閾値より大きいことを示した場合、ステップ450へ進む。さもなければ、ステップ460へ進む。
ステップ450:第二通知信号を送信して、第二ネットワーク装置の送信能力を低下し続けてもよいことを第一ネットワーク装置へ通知する。
ステップ460:第三通知信号を送信して、第二ネットワーク装置の送信能力を低下し続けてはいけないことを第一ネットワーク装置へ通知する。その後、ステップ462へ進む。
ステップ462:第二ネットワーク装置の送信能力を向上させる。
【0025】
図4に示された各ステップと図1に示された各部材を合わせると、各部材を如何に運行しているか容易に理解できる。故に、ここでは更に詳しく述べない。そのうち、ステップ404と406は、第一検査モジュール130により実行され、ステップ410、422と462は、第二送信能力調整モジュール195により実行され、ステップ420は、第一信号送信モジュール140により実行され、ステップ440と442は第二検査モジュール180により実行され、そして、ステップ450と460は、第二信号送信モジュール190により実行される。また、ステップ420〜430は、実施例1中の第一例(通信システム100が10M/100Mbase-Tシステムの例)で実行されるステップであり、ステップ420〜462は、実施例1中の第二例(通信システム100が1Gbase-Tシステム又は10Gbase-Tシステムの例)で実行されるステップである。
【0026】
図5は、本発明の別の実施例に基づく、通信システムに応用される電力消費制御方法を説明したフローチャートである。その方法は、これに制限されないが、以下のステップを有する。
【0027】
ステップ510:第一ネットワーク装置の受信能力を検査して、第三検査結果を生成する。その後、ステップ512へ進む。
ステップ512:第一ネットワーク装置の受信能力が第一閾値より大きいか否か判定する。第三検査結果が、第一ネットワーク装置の受信能力が第一閾値よりも大きいことを示した場合、ステップ530へ進む。さもなければ、ステップ520へ進む。
ステップ520:第四通知信号を送信して、第二ネットワーク装置に通知する。その後、ステップ522へ進む。
ステップ522:第四通知信号を受信した後、第二ネットワーク装置の送信能力を向上させる。
ステップ530:終了。
【0028】
図5に示された各ステップと図1に示された各部材を合わせると、各部材が如何に運行しているか容易に理解できる。故に、ここでは更に詳しく述べない。図5に示されたステップ510は、図4に示されたノードAから拡張される。また、ステップ510〜522は、実施例1の第三例により実行されるステップである。
【0029】
図6は、本発明の別の実施例に基づく、通信システムに適用される電力消費制御方法を説明したフローチャートである。その方法は、これに制限されないが、以下のステップを有する。
【0030】
ステップ602:開始。
ステップ610:第一ネットワーク装置の受信能力の第一調整可能範囲を検査し、第一調整可能範囲を第二ネットワーク装置に送信する。その後、ステップ612へ進む。
ステップ612:第一調整可能範囲を受信した後、第一調整可能範囲に基づき、第二ネットワーク装置の送信電力を低下させる。
ステップ620:第二ネットワーク装置の受信能力の第二調整可能範囲を検査して、第二調整可能範囲を第一ネットワーク装置へ送信する。その後、ステップ622へ進む。
ステップ622:第二調整可能範囲を受信した後、第二調整可能範囲に基づき、第一ネットワーク装置の送信電力を低下させる。
【0031】
図6に示された各ステップと図2に示された各部材を合わせると、各部材が如何に運行しているか容易に理解できる。故に、ここでは更に詳しく述べない。
【0032】
図7は、本発明の別の実施例に基づく、通信システムに適用される電力消費制御方法を説明したフローチャートである。その方法は、これに制限されないが、以下のステップを有する。
【0033】
ステップ702:開始。
ステップ704:待機シーケンスの電圧レベルを所定の電圧レベルまで低下させる。
ステップ706:所定の電圧レベルにより、前記待機シーケンスを送信する。
【0034】
図7に示された各ステップと図3に示された各部材を合わせると、各部材を如何に運行しているか容易に理解できる。故に、ここでは更に詳しく述べない。
【0035】
上記の各フローチャートのステップは、本発明が実行される実施例であって、本発明の範囲をこれだけに制限するものではない。本発明の本質を外れなければ、その方法は、更に、他の中間ステップやいくつかのステップを組合わせて一つのステップとして適切な変更が可能である。
【0036】
以上の実施例は、本発明の技術特徴を説明するのみであり、本発明の範囲をこれだけに制限するものではない。つまり、本発明は、通信システムに適応される電力消費制御方法及びそれに関連する装置を提供する。二つのネットワーク装置間の相互通信を利用してネットワーク装置の送信能力を調整し省電力を達成する。従って、両者の送信能力を数回、低下又は向上させることにより、最適な設定パラメータが得られ、最適な省電力効果が達成できる。この他、通信システムの応用範囲を拡大させるために、第一ネットワーク装置と第二ネットワーク装置に 更に多くの機能を設計することができる。例えば、二つのネットワーク装置間2100と2200間の相互通信(図2に示された通信システム200と図6のフローチャートを参照)により、ネットワーク装置の電力消費を調整できる。又は、待機シーケンスの電力レベルを低下させることにより、前記待機シーケンスを送信して待機モードの電力を節約できる(図3の通信システム300及び図7のフローチャートを参照)。更に、フォールバック機制を設計することにより、エラーを回避するために、上記過度に調整したパラメータを修正するように一方へ通知できる。よって、本発明に開示された通信システムの電力消費制御機制は、二つのネットワーク装置間の相互通信により、最適な省電力効果を達成できるばかりでなく、エラーの発生も回避できる。
【0037】
以上は本発明の実施例を述べたものであるが、本発明の特許請求の範囲であれば、この装置及び方法に如何なる変更を加えても、本発明の範囲内に属す。
【符号の説明】
【0038】
100、200、300 通信システム
1100、2100、3100 第一ネットワーク装置
1200、2200、3200 第二ネットワーク装置
110 第一受信機
120 第一送信機
130 第一検査モジュール
140 第一信号送信モジュール
150 第一送信能力調整モジュール
160 第二送信機
170 第二受信機
180 第二検査モジュール
190 第二信号送信モジュール
195 第二送信能力調整モジュール
RS11、RS12 第一検査結果
RS22 第二検査結果
RS31 第三検査結果
TH1 第一閾値
TH2 第二閾値
TH3 第三閾値
TH4 第四閾値
NS1、NS2、NS3、NS4、NS51、NS52 通知信号
210 第一送信電力調整モジュール
220 第二送信電力調整モジュール
RA1 第一調整可能範囲
RA2 第二調整可能範囲
310 第一待機シーケンス電圧レベル調整モジュール
320 第一待機シーケンス送信モジュール
330 第二待機シーケンス電圧レベル調整モジュール
340 第二待機シーケンス送信モジュール
IS1、IS2 待機シーケンス
L1 所定電圧レベル
402〜462、510〜530、602〜622、702〜706 ステップ
A ノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムに応用される電力消費制御方法であって、
前記通信システムは、第一ネットワーク装置と第二ネットワーク装置を有し、
前記電力消費制御方法は、
前記第一ネットワーク装置の受信能力を検査して第一検査結果を生成するステップと、
前記第一検査結果に基づき、前記第二ネットワーク装置の送信能力を調整するように前記第二ネットワーク装置に選択的に通知するステップと、
を有することを特徴とする電力消費制御方法。
【請求項2】
前記第一検査結果に基づき、前記第二ネットワーク装置の送信能力を調整するように前記第二ネットワーク装置に選択的に通知するステップは、
前記第一検査結果が、前記第一ネットワーク装置の受信能力が第一閾値より大きいことを示した場合、第一通知信号を送信して前記第二ネットワークに通知するステップと、
前記第一通知信号を受信した後、前記第二ネットワーク装置の送信能力を低下させるステップと、
を有することを特徴とする請求項1記載の電力消費制御方法。
【請求項3】
前記第二ネットワーク装置の送信能力を低下させた後、前記第二ネットワーク装置の受信能力を検査して第二検査結果を生成するステップと、
前記第二検査結果が、前記第二ネットワーク装置の受信能力が第二閾値よりも大きいことを示した場合、第二通知信号を送信して前記第二ネットワーク装置の送信能力を低下し続けてもよいことを前記第一ネットワーク装置に通知するステップと、
を更に有することを特徴とする請求項2記載の電力消費制御方法。
【請求項4】
前記第二検査結果が、前記第二ネットワーク装置の受信能力が前記第二閾値より大きくないことを示した場合、第三通知信号を送信して前記第二ネットワーク装置の送信能力を低下し続けてはいけないことを前記第一ネットワーク装置に通知するステップと、
前記第二ネットワーク装置の送信能力を向上させるステップと、
を更に有することを特徴とする請求項3記載の電力消費制御方法。
【請求項5】
前記第二ネットワーク装置の送信能力を低下させた後、前記第一ネットワーク装置の受信能力を検査して第三検査結果を生成するステップと、
前記第三検査結果が、前記第一ネットワーク装置の受信能力が前記第一閾値よりも大きくないことを示した場合、第四通知信号を送信して前記第二ネットワーク装置に通知するステップと、
前記第四通知信号を受信した後、前記第二ネットワーク装置の送信能力を向上させるステップと、
を更に有することを特徴とする請求項2記載の電力消費制御方法。
【請求項6】
前記通信システムのトレーニングモードの下で実行されることを特徴とする請求項2記載の電力消費制御方法。
【請求項7】
前記第一ネットワーク装置の受信能力の調整可能範囲を検査して、前記調整可能範囲を前記第二ネットワーク装置に送信するステップと、
前記調整可能範囲を受信した後、前記調整可能範囲に基づき、前記第二ネットワーク装置の送信電力を低下させるステップと、
を更に有することを特徴とする請求項1記載の電力制御方法。
【請求項8】
待機シーケンスの電圧レベルを所定の電圧レベルまで低下させるステップと、
前記所定の電圧レベルにより、前記待機シーケンスを送信するステップと、
を更に有することを特徴とする請求項1記載の電力制御方法。
【請求項9】
前記第一検査結果に基づき、前記第二ネットワーク装置の送信能力を調整するように前記第二ネットワーク装置に選択的に通知するステップは、
前記第一検査結果が、前記第一ネットワーク装置の受信能力が第三閾値より大きくないことを示した場合、第五通知信号を送信して前記第二ネットワーク装置に通知するステップと、
前記第五通知信号を受信した後、前記第二ネットワーク装置の送信能力を向上させるステップを
有することを特徴とする請求項1記載の電力制御方法。
【請求項10】
前記通信システムのデータ送信モードの下で実行されることを特徴とする請求項9記載の電力制御方法。
【請求項11】
前記第一ネットワーク装置の受信能力を検査するステップは、
前記第一ネットワーク装置が受信したネットワーク信号の信号対雑音(SNR)、最大誤差又はビタビエラーに基づき、前記第一ネットワーク装置の受信能力を検査することを特徴とする請求項1記載の電力制御方法。
【請求項12】
電力消費制御可能な通信システムであって、第一ネットワーク装置と第二ネットワーク装置を有し、
前記第一ネットワーク装置は、
第一受信機と、
第一送信機と、
前記第一ネットワーク装置の前記第一受信機の受信能力を検査し、第一検査結果を生成する第一検査モジュールと、
前記第一検査結果に基づき、通知信号を選択的に生成する第一信号送信モジュールと、を有し、
前記第二ネットワーク装置は、
第二受信機と、
第二送信機と、
前記通信信号に基づき、前記第二ネットワーク装置の前記第二送信機の送信能力を調整する第二送信能力調整モジュールと、を有することを特徴とする電力消費制御可能な通信システム。
【請求項13】
前記第一信号送信モジュールは、前記第一検査結果が、前記第一ネットワーク装置の第一受信機の受信能力が第一閾値より大きいことを示した場合、第一通知信号を送信して前記第二ネットワーク装置に通知し、
前記第二送信能力調整モジュールは、前記第一通知信号を受信した後、前記第二ネットワーク装置の第二送信機の送信能力を低下させることを特徴とする請求項12記載の通信システム。
【請求項14】
前記第二ネットワーク装置は、更に、
前記第二送信能力調整モジュールが前記第二送信機の送信能力を低下させた後、前記第二受信機の受信能力を検査し第二検査結果を生成する第二検査モジュールと、
前記第二検査結果が、前記第二ネットワーク装置の第二送信機の受信能力が第二閾値より大きいことを示した場合、第二通知信号を送信して前記第二ネットワーク装置の送信能力を低下し続けてもよいことを前記第一ネットワークに通知する第二信号送信モジュールと、
を有することを特徴とする請求項13記載の通信システム。
【請求項15】
前記第二信号送信モジュールは、更に
前記第二検査結果が、前記第二ネットワーク装置の前記第二受信機の受信能力が前記第二閾値より大きくないことを示した場合、第三通知信号を送信して、前記第二ネットワーク装置の前記第二送信機の送信能力を低下し続けてはいけないことを前記第一ネットワーク装置に通知し、
前記第二送信能力調整モジュールは、更に、
前記第二検査結果が、前記第二ネットワーク装置の前記第二受信機の受信能力が前記第二閾値より大きくないことを示した場合、前記第二ネットワーク装置の前記第二送信機の送信能力を向上させる
ことを特徴とする請求項14記載の通信システム。
【請求項16】
前記第一検査モジュールは、更に、
前記第二ネットワーク装置の前記第二送信機の送信能力を低下させた後、前記第一ネットワーク装置の前記第一受信機の受信能力を検査し第三検査結果を生成し、
前記第一信号送信モジュールは、更に、
前記第三検査結果が、前記第一ネットワーク装置の前記第一受信機の受信能力が前記第一閾値より大きくないことを示した場合、第四通知信号を送信して第二ネットワーク装置へ通知し、
前記第二送信能力調整モジュールは、更に、
前記第四通知信号を受信した後、前記第二ネットワーク装置の前記第二送信機の送信能力を向上させる
ことを特徴とする請求項13記載の通信システム。
【請求項17】
トレーニングモードにおいて実行されることを特徴とする請求項13記載の通信システム。
【請求項18】
前記第一検査モジュールは、更に、
前記第一ネットワーク装置の前記第一受信機の受信能力の調整可能範囲を検査し、
前記第一信号送信モジュールは、更に、
前記第二ネットワーク装置に前記調整可能範囲を送信し、
前記第二ネットワーク装置は、更に、
前記調整可能範囲を受信した後、前記調整可能範囲に基づき、前記第二ネットワーク装置の前記第二送信機の送信電力を低下させる第二送信電力調整モジュールを有する
ことを特徴とする請求項12記載の通信システム。
【請求項19】
前記第一ネットワーク装置は、更に、
待機シーケンスの電圧レベルを所定の電圧レベルまで低下させる第一待機シーケンス電圧レベル調整モジュールと、
前記所定の電圧レベルにより前記待機シーケンスを送信する第一待機シーケンス送信モジュールと、を有し、
前記第二ネットワーク装置は、更に、
前記待機シーケンスの電圧レベルを前記所定の電圧レベルまで低下させる第二待機シーケンス電圧レベル調整モジュールと、
前記所定の電圧レベルにより前記待機シーケンスを送信する第二待機シーケンス送信モジュールと、を有する
ことを特徴とする請求項12記載の通信システム。
【請求項20】
前記第一信号送信モジュールは、更に、
前記第一検査結果が、前記第一受信機の受信能力が第三閾値より大きくないことを示した場合、第五通知信号を送信して第二ネットワーク装置に通知し、
前記第二送信能力調整モジュールは、更に、
前記第五通知信号を受信した後、前記第二送信機の送信能力を向上させる
ことを特徴とする請求項12記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−252316(P2010−252316A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−64818(P2010−64818)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(502081468)瑞▲いー▼半導體股▲ふん▼有限公司 (8)
【Fターム(参考)】