説明

通信システム及び通信方法

【課題】データを送信する地域に存在する端末の情報を特定することなく、特定の住所の地域に対してデータを配信する。
【解決手段】マルチキャストによりデータを配信する通信システムは、複数の基地局と、前記データを配信すべき配信先住所の情報を指定して送信する第一の端末と、前記配信先住所の情報に基づいて前記データの転送先の基地局を前記複数の基地局から選択して、前記選択された基地局に前記データを転送する通信制御装置と、前記選択された基地局から送信された前記データを、前記選択された基地局のセル内において、前記配信先住所の情報に基づいて決定され前記配信先住所に対応する地点で受信可能な第二の無線端末と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム及び通信方法に関する。特に本発明は、マルチキャストサービスのための通信システム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信システムに適用されるマルチキャストサービスは、少ない無線リソースを使って多数の移動体端末に情報を配信することができる。マルチキャストサービスは、基地局から送信されたデータを複数の端末が同時に受信することによって、複数の端末に対して同時に同じサービスを提供する。なお、マルチキャストサービスは、マルチキャスト・ブロードキャストサービスと呼ばれ、マルチキャストサービスは、ブロードキャストサービスも含む概念である。マルチキャストサービスの規格として、3GPP(3rd Generation Partnership Project)標準化団体においてMBMS(multimedia broadband multicast Service)の規格化が、3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2) 標準化団体においてBCMCS(Broadcast/Multicast Services)の規格化が、行われた(非特許文献1、2、3参照)。
【0003】
前述したLTE(Long Term Evolution)のマルチキャストシステムは、ネットワーク主導の接続方式を採用しており、BM−SC(ブロードキャスト/マルチキャストサービスセンタ)からMBMS GW(マルチメディアブロードバンドマルチキャストサービスゲートウェイ)などを介して基地局であるNodeBに対して接続を要求して接続する。接続要求は、コンテンツデータのマルチキャストIPアドレスを含み、MBMS GWは指示されたマルチキャストIPアドレスに対してコンテンツデータを受信できる。コンテンツデータは、コンテンツプロバイダより送信され、MBMS GWを介して、基地局へと送信される。基地局は、マルチキャストIPアドレスに対応するコンテンツデータを受信して、MBMSサービスエリアの情報を使用してコンテンツデータを配信する。端末は、基地局から報知される制御情報であるSIB(System Information Block)の情報からコンテンツデータの配信に関する情報を取得し、コンテンツデータを受信する。
【0004】
その他の従来技術として、特許文献1、2は、各通信ゾーンに配置して車両と通信する基地局と、複数の基地局を統括する基地集中局と、基地集中局にサービス情報を提供するサービスセンタとを備える通信システムを開示する。サービスセンタから基地集中局へのサービス情報の伝送フォーマットに基地局識別符号を付加し、基地集中局においてサービス情報を配信すべき基地局を特定することにより、各通信ゾーン単位で通信ゾーン内に存在する車両に対して同一のサービス情報を送信できる。
【0005】
特許文献2のブロードキャスト装置は、配信地域(エリア)及び緊急情報を含む緊急情報通知メッセージを、配信地域に対応する交換局に対して送信する。交換局は、接続されている全ての無線基地局に対して、受信した緊急情報通知メッセージを転送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-269682号公報
【特許文献2】特開2009-303174号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP標準TS22.146
【非特許文献2】3GPP2標準C.S0054
【非特許文献3】3GPP標準TS23.146
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、マルチキャストで配信するコンテンツの種類によっては特定地域に限定した配信を望むコンテンツがある。前述の従来のマルチキャストサービスにおいて、あるユーザがある地域にコンテンツデータを配信したい場合に、ユーザはその地域の住所情報については容易に得ることができるが、その地域に在圏するユーザの情報を取得することができない。このため、ある地域に送信したいユーザが存在することが分かっていてもその地域のユーザに限定してコンテンツデータを配信することができなかった。
【0009】
例えば、東京の「ABC」というマンションの建物の中にいるユーザに対して音声データをマルチキャストして音声案内することが望まれる場合、マンション「ABC」の住所は容易に調べることはできる。しかし、マンション「ABC」内にある端末の情報、たとえば電話番号やメールアドレスを取得することはできないため、音声案内の送信を実現することはできなかった。
【0010】
また、従来のマルチキャストサービスにおいて、物理的な観点では、MBMSサービスエリアの情報によりコンテンツデータを配信する基地局または基地局内のセルを選択して、データを送信する地域を基地局又は基地局内のセル単位で構築することは可能である。しかし、セル内の特定の地域(エリア)に対して送信する手法は、定義されていない。また、基地局又は基地局内のセル単位で、基地局又は基地局内のセルに在圏する複数の端末に対してコンテンツデータが配信される。
【0011】
このため、在圏する複数の端末で受信可能とするため、電波の受信環境の悪い端末でもコンテンツデータを受信できるよう、データの配信レートを低く保つ必要がある。また、データを送信する地域を基地局または基地局内のセル単位で構築するため、基地局又は基地局内のセル内の特定の地域に存在する端末のみに限定してコンテンツデータを配信することができなかった。
【0012】
本発明の目的は、データを送信する地域に存在する端末の情報を特定することなく、特定の住所の地域に対してデータを配信することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、マルチキャストによりデータを配信する通信システムであって、複数の基地局と、前記データを配信すべき配信先住所の情報を指定して送信する第一の端末と、前記配信先住所の情報に基づいて前記データの転送先の基地局を前記複数の基地局から選択して、前記選択された基地局に前記データを転送する通信制御装置と、前記選択された基地局から送信された前記データを、前記選択された基地局のセル内において、前記配信先住所の情報に基づいて決定され前記配信先住所に対応する地点で受信可能な第二の無線端末と、を備えることを特徴とする通信システムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第一実施形態によると、データを送信する地域(又は地点)に存在する端末の情報を特定することなく、特定の住所の地域(又は地点)に対してデータを配信できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態に係る通信システムの構成を示す構成図である。
【図2】実施形態に係る通信制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態に係る基地局の構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係る無線端末の構成を示すブロック図である。
【図5】通信制御装置が格納する基地局情報テーブルを例示する図である。
【図6】通信制御装置が格納する住所情報データベースの例示する図である。
【図7】通信制御装置が格納する配信情報テーブルを例示する図である。
【図8】基地局が格納する基地局情報テーブルを例示する図である。
【図9】基地局が格納する配信情報テーブルを例示する図である。
【図10】基地局情報の登録方法を例示するシーケンス図である。
【図11】データの配信方法を例示するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、実施形態に係る移動体通信システムを示す。移動体通信システムは、マルチキャストによりデータを配信する通信システムの一例として示すものであり、本発明は移動体通信システムに限定されるものではない。
【0017】
移動体通信システムは、基地局110、111、112、113と、通信制御装置120と、無線端末100、101(移動局)とを備える。本実施形態では、基地局110、111、112、113と通信制御装置120は、例えば光ファイバなどの専用回線で接続されている。基地局110、111、112、113のうちのいずれか一つは、配信元の無線端末100から受信した配信データ(配信すべきコンテンツデータ)と配信先住所の情報とを、通信制御装置120へ送信する。通信制御装置120は、さらに配信データを配信する基地局に対して、配信データを転送する。データが転送されている基地局のセル内に在圏する無線端末101は、配信先住所に対応する受信対象地域に含まれていた場合、配信データを受信する。
【0018】
図2は、通信制御装置120の構成を示すブロック図である。通信制御装置120は、MPU161(マイクロプロセッサユニット)、メモリ162、回線インタフェース163、基地局情報テーブル151(後述の図5)、住所情報データベース152(後述の図6)、配信情報テーブル153(後述の図7)を備え、これらは互いに通信できるよう接続バス164で接続されている。回線インタフェース163は、例えば専用回線を介して基地局110、111、112、113と通信する。これらのテーブルとデータベースは、半導体メモリやハードディスク等の記憶装置(又は記憶部)に格納されてよい。
【0019】
通信制御装置120は、住所情報データベース152と基地局情報テーブル151を参照して、無線端末100から送られた配信先住所の情報に基づいて、配信データを配信すべき配信先住所(配信地域または地点)に対応しこれをカバーする基地局を検索する。通信制御装置120は、受信した配信データを検索した基地局110、111、112、113に転送する。詳細には、通信制御装置120は、配信先住所の情報に基づいて、住所情報データベース152を参照して、配信先住所に対応する地点(又は地域)の緯度と経度と高度を求める。さらに、通信制御装置120は、基地局情報テーブル151を参照して、求めた緯度と経度と高度から配信先住所に対応する基地局を選択する。
【0020】
図3は、各基地局110、111、112、113の構成を示すブロック図である。各基地局110、111、112、113は、主信号処理部200を備える。主信号処理部200は、複数の無線アナログ部(セクタ)220、221、222と、制御部201と、GPS(global positioning system)レシーバ部202と、ディジタル信号処理部230と、回線インタフェース部231とを備える。
【0021】
制御部201は、MPU235(マイクロプロセッサユニット)、メモリ236、入出力インターフェース(I/O)237、基地局情報テーブル240、配信情報テーブル241を備える。これらのテーブルは、半導体ディスクやハードディスク等の記憶装置(又は記憶部)に格納されてよい。制御部201は、ディジタル信号処理部230を介して各無線アナログ部220、221、222と接続され、主に呼処理を行う。基地局情報テーブル240は、基地局の情報を管理する。配信情報テーブル241は、データの配信に関する配信情報を管理する。制御部201は、入出力インターフェース(I/O)237によって、外部と信号を授受する。
【0022】
制御部201は、入出力インターフェース(I/O)237を介して、GPSレシーバ部202に接続する。GPSレシーバ部202は、GPSアンテナを介してGPS衛星の信号を受信し、基地局の緯度と経度と高度の情報を得ることができる。ディジタル信号処理部230は、上り信号の復調及び下り信号を変調するユニットである。回線インタフェース231は、制御部201と通信制御装置120を通信させるためのインタフェースである。
【0023】
本実施形態において、無線アナログ部220、221、222の数は三つである。各無線アナログ部220、221、222は、基地局の中心とする円周方向に関してセルを等分割して設けられた扇形状の複数のセクタ(又はセクタセル)の一つに対応する。即ち、具体的には、三つの無線アナログ部220、221、222は、それぞれ、第一のセクタ(セクタ1)、第二のセクタ(セクタ2)、第三のセクタ(セクタ3)に対応する。また、無線アナログ部220、221、222は、同じ構成を備える。
【0024】
第一の無線アナログ部220は、アンテナ220a(セクタアンテナ)、受信部220b、及び、送信部220cを備える。アンテナ220aは、セクタ1に電波を送信する。第二の無線アナログ部221は、アンテナ221a、受信部221b、及び、送信部221cを備える。アンテナ221a(セクタアンテナ)は、セクタ2に電波を送信する。第三の無線アナログ部222は、アンテナ222a、受信部222b、及び、送信部222cを備える。アンテナ222a(セクタアンテナ)は、セクタ3に電波を送信する。基地局110、111、112、113の無線アナログ部は、無線端末100、101と無線通信によって信号を送受信できる。
【0025】
アンテナ220a、221a、222aは、指向性アンテナであり、特に、水平面内及び/又は垂直面内において電波ビームの送信方向を調整できるアレイアンテナであるとよい(特開2002−94448号公報、特開2000−78072号公報等参照)。
【0026】
無線アナログ部の受信部220b、221b、222bは、例えば、電子回路からなり、無線端末100、101から送信される上り信号を各々のアンテナ220a、221a、222aを介して受信し、受信したアナログ信号をディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理部230に送信する。各無線アナログ部は、図3のように、複数のアンテナを用いてダイバシティ方式で電波を受信することもできる。
【0027】
無線アナログ部の送信部220c、221c、222cは、例えば、電子回路からなり、ディジタル信号処理部230から送られる下り信号をディジタル信号からアナログ信号に変換して、アンテナ220a、221a、222aを介して電波に変換して無線端末100、101に送信する。また、送信部220c、221c、222cは、制御部201からの指示に応じて、アンテナ220a、221a、222aの電波の送信方向と送信電力の大きさを調整できる。アンテナ220a、221a、222aがアレイアンテナの場合に、送信部220c、221c、222cは、アンテナ220a、221a、222a内の複数のアンテナ素子への給電位相条件を変化させることなどによってアンテナの電波の送信方向を変えられる。
【0028】
基地局110、111、112、113の制御部201は、基地局情報テーブル240(後述の図8)、及び、配信情報テーブル241(後述の図9)を備えており、通信制御装置120から受信した配信先の緯度と経度と高度の情報からセル内での送信方向と送信電力を決定し、データを無線送信する。制御部201は、配信先の緯度と経度と高度、及び、基地局の緯度と経度と高度から電波の送信方向を決定する。また、制御部201は、配信先と基地局の間の緯度差と経度差と高度差から電波の送信距離を演算して、電波の送信距離に応じた送信電力を決定できる。
【0029】
制御部201は、決定された送信方向に基づいて、セクタとこれに対応する無線アナログ部を選択する。さらに制御部201は、選択された無線アナログ部のアンテナが所定の方向に電波を送信するように、このアンテナへの給電位相条件を調整できる。なお、セクタの数が多い場合には、セクタの選択によって水平面内において電波の送信方向はほぼ定まるため、制御部201は、垂直面内において電波の送信方向(チルト角)を調整するだけよく、水平面内において電波の送信方向を調整しなくてもよい。また、配信先の緯度と経度だけを用いて高度を使用しない場合には、垂直面内において電波の送信方向を調整する必要はない。
【0030】
また、基地局間でGPSの情報(時刻信号)を使用して時刻同期することで、複数の基地局(例えば、111、112)からマルチキャストチャネルを使用して同一のデータを同タイミングで送信することもできる。無線端末101は、複数の基地局から送信されたデータを合成(ソフトコンバイン)して受信できる。この受信データの合成では、無線端末101は、複数の基地局で同タイミングに送信された同一のデータを合成して復元し、良好でない受信環境でもデータを受信することができる。
【0031】
図4は、各無線端末100、101の構成の一例を示すブロック図である。各無線端末100、101は、通信アンテナ401と、無線通信部402と、スピーカ403と、マイク404と、音声回路405と、入力部406と、表示部407と、制御部408と、メモリ409と、GPSアンテナ410と、GPSレシーバ部411とを備える。
【0032】
通信アンテナ401は、基地局110、111、112、113と無線通信するためのアンテナである。配信元の無線端末100は、通信アンテナ401を介して、基地局に無線接続して、端末ID、配信データ、及び、配信先住所の情報を送信し、サービスIDなどを基地局110から受信できる。ここで、端末IDは、端末を識別する識別子又は識別情報であり、サービスIDは、サービスを識別する識別子又は識別情報である。無線端末101は、通信アンテナ401を介して、配信データ及び配信先の緯度と経度と高度の情報を受信できる。
【0033】
無線通信部402は、無線通信に必要な処理、例えばデジタル−アナログ変換、アナログ−デジタル変換、変調、復調などを行う。スピーカ403は、音声信号を音声として出力する。マイク404は、配信すべき音声信号を取得する。音声回路405は、受信した音声信号をスピーカ403に出力可能な信号に変換したり、マイク4から入力された音声信号を配信可能な音声データに変換する。無線端末100が配信するコンテンツデータが音声データであれば、マイク404から音声データを無線端末100に入力できる。
【0034】
入力部406は、ユーザが種々のモードを設定操作したり、配信する文字情報のコンテンツデータを作成したり、発呼や応答などの種々の端末操作を行うための操作部(例えば、キー又はボタン)である。入力部406は、ユーザの操作によってデータを配信すべき住所の情報を受け取ることによって、無線端末100は配信先の住所の情報を指定できる。表示部407は、前記の端末操作のために必要な情報を表示する。制御部408は、例えば、プログラムを実行するCPUやプログラムを格納するメモリ等から構成され、無線端末100、101の各部の動作を制御する。
【0035】
メモリ409は、データを一時的又は永続的に記憶する。例えば、メモリ409は、ユーザが作成した文字情報などのコンテンツデータを記憶できる。また、メモリ409は、入力部406から入力された配信先の住所の情報を記憶し、表示部407は記憶された住所の情報をメニュー表示して、ユーザは配信先の住所の情報を入力部406によって選択することもできる。また、メモリ409は、文字情報、画像、動画などのコンテンツデータを記憶し、表示部407は記憶されたコンテンツデータの情報(タイトルなど)をメニュー表示をして、ユーザは配信すべきコンテンツデータを入力部406によって選択することができる。さらに、無線端末101において、メモリ409は、配信されたコンテンツデータを記憶することもできる。
【0036】
GPSレシーバ部411は、GPSアンテナ410を介してGPS衛星からの信号を受信し、各無線端末100、101の緯度と経度と高度の情報を得ることができる。
【0037】
図5は、通信制御装置120が保持している基地局情報テーブル151の一例を示す。通信制御装置120は、基地局情報テーブル151において、各基地局110、111、112、113から通知された各基地局110、111、112、113の緯度と経度と高度の情報を各基地局110、111、112、113を識別するID情報(基地局ID)と対応付けて管理する。なお、図5において、緯度と経度は、度・分・秒・1000分の1秒をピリオドで区切って表記され、高度はメートルの単位で表されている(図6−図9も同じ)。
【0038】
図6は、通信制御装置120が保持している住所情報データベース152の一例である。通信制御装置120は、住所情報データベース152において、配信データの配信先の住所の情報に対して緯度と経度と高度を対応付けるマッピング情報(対応付け情報)を管理する。なお、図6のように、住所は、大まかな地域を表す郵便番号とその他詳細情報(丁、番地、号など)との組合せによって表すことができる。
【0039】
図7は、通信制御装置120が保持している配信情報テーブル153の一例である。通信制御装置120は、配信情報テーブル153において、無線端末100から要求されたサービスを管理するためのサービスIDと、要求を出した無線端末100を識別するID情報(端末ID)と、無線端末100から指定された配信先の住所と、配信先の住所に相当する緯度と経度と高度を対応付けて管理する。
【0040】
図8は、基地局110、111、112、113が保持している基地局情報テーブル240の一例である。基地局110、111、112、113は、それぞれ、基地局情報テーブル240において、自身のID情報と、自身の緯度と経度と高度とを対応付けて管理する。
【0041】
図9は、基地局110、111、112、113が保持している配信情報テーブル241の一例である。基地局110、111、112、113は、それぞれ、配信情報テーブル241において、通信制御装置120で指定された配信データのサービスIDと配信データの配信先の緯度、経度、高度の情報とを対応付けて管理する。
【0042】
図10は、通信制御装置120が各基地局の情報を登録する方法を説明する処理シーケンス図である。
【0043】
ステップS10において、各基地局110、111、112、113は、起動する。次に、ステップS11において、各基地局110、111、112、113は、通信制御装置120に対して、各基地局の情報を登録することを要求するための登録要求910を送信する。基地局情報の登録要求910は、自基地局のID情報、及び、自基地局の緯度と経度と高度の情報とを含む。自基地局の緯度と経度と高度の情報は、予め基地局のメモリ236等に格納されてもよいし、又、GPSレシーバ部202から得られてよい。
【0044】
ステップS12において、通信制御装置120は、基地局情報の登録要求910を受信する。ステップS13において、通信制御装置120は、受信した基地局のID情報、及び、基地局の緯度と経度と高度の情報を基地局情報テーブル151に登録する。ステップS14において、登録後、通信制御装置120は、基地局の情報の登録が完了したことを示す登録完了応答930を各基地局に送信する。登録完了応答には登録要求910を送った基地局のID情報を含める。ステップS15において、各基地局110、111、112、113は、通信制御装置120からの登録完了応答を受信する。
【0045】
図11は、データ配信の方法を説明する処理シーケンス図である。
【0046】
ステップS20において、データの配信を要求する要求元の無線端末100は、ユーザの操作などに基づいて、配信データを配信すべき配信先住所を指定する。ステップS21において、無線端末100は、それが在圏している基地局110に対して、データ配信要求1010を送信する。データ配信要求1010は、無線端末100自身のID情報と配信先住所の情報とを含む。
【0047】
ステップS22において、基地局110は、無線端末100からデータ配信要求1010を受信する。ステップS23において、基地局110は、通信制御装置120に対して、受信したデータ配信要求1011を転送する。データ配信要求1011は、データの配信を要求する無線端末100のID情報と配信先住所の情報とを含む。
【0048】
ステップS24において、通信制御装置120は、データ配信要求1011を受信する。ステップS25において、通信制御装置120は、住所情報データベース152を参照し、受信した配信先住所に対応する配信先の緯度と経度と高度(配信先住所に対応する地点又は地域)の情報を取得する。
【0049】
ステップS26において、通信制御装置120は、基地局情報テーブル151を参照し、配信先の緯度と経度と高度の地点に近く、その地点をセル内に含む基地局をデータ転送先(又は配信先)の基地局として選択する。無線端末101がデータをソフトコンバインして受信する場合などにおいて、基地局は、配信先の緯度と経度と高度の地点に近い順に複数選択されてもよい。なお、通信制御装置120は、配信先の緯度と経度と高度の地点に最も近い基地局だけを選択されてもよいし、配信先の緯度、経度、高度の地点から所定距離(例えば、セル半径)内にある基地局をすべて選択してもよい。また、通信制御装置120は、配信先の緯度と経度だけに基づいて基地局を選択し、基地局情報テーブル151は、配信先の高度の情報を持たないようにしてもよい。
【0050】
ステップS27において、通信制御装置120は、データの配信を要求した無線端末100のID情報と、配信先の住所の情報と、ステップS25で取得した配信先の緯度と経度と高度の情報と、ステップS26で選択された配信先の基地局の情報とを、配信情報として配信情報テーブル153に登録する。さらに、通信制御装置120は、登録する際に、配信情報を管理するために、配信情報にサービスID(サービス識別子)を割り当て、配信情報とサービスIDとを対応付ける。サービスIDは、データの転送先(配信先)の基地局に対して、通信制御装置120内でユニーク(特有)となるように割り当てられる。ステップS28において、通信制御装置120は、ステップS26で選択された基地局111、112に対してデータ配信要求1030を送信する。データ配信要求1030は、対応するサービスID、及び、配信先の緯度と経度と高度の情報とを含む。
【0051】
ステップS29において、ステップS26で選択された基地局111、112は、データ配信要求1030を受信する。ステップS30において、基地局111、112は、受信したサービスIDの情報、及び、配信先の緯度と経度と高度の情報を、配信情報テーブル241に登録する。その後、ステップS31において、基地局111、112は、通信制御装置120に対して、データ配信要求応答(データ配信要求への応答)1031を返信する。データ配信要求応答1031は、データ配信要求1030によって受信したサービスIDの情報を含む。
【0052】
ステップS32において、通信制御装置120は、データ転送先の基地局111、112からデータ配信要求応答1031を受信する。ステップS33において、通信制御装置120は、データ配信要求1011を送信した基地局110に対して、データ配信要求応答1050を送信する。データ配信要求応答1050は、対応するサービスID、及び、配信の要求元の無線端末100のID情報を含む。
【0053】
ステップS34において、基地局110は、データ配信要求応答1050を受信する。ステップS35において、基地局110は、データ配信要求1010の送信した無線端末100に対して、データ配信要求応答1051を送信する。データ配信要求応答1051は、データ配信要求応答1050によって受信したサービスIDの情報を含む。
【0054】
ステップS36において、無線端末100は、データ配信要求応答1051を受け取る。ステップS37において、無線端末100は、データ配信要求応答1051によって受信したサービスIDの情報をヘッダ部に設定した配信データ1060を在圏している基地局110に対して送信する。
【0055】
ステップS38において、基地局110は、配信データ1060を受信する。ステップS39において、基地局110は、通信制御装置120に受信した配信データ1061を転送する。
【0056】
ステップS40において、通信制御装置120は、配信データを1061受信する。ステップS41において、通信制御装置120は、データ転送先(配信先)の基地局111、112に対して、受信した配信データ1070を転送する。
【0057】
ステップS42において、基地局111、112は、配信データ1070を受信する。ステップS43において、基地局111、112は、データ配信要求1030によって受信した配信先の緯度と経度と高度の情報を配信データのヘッダ部等を設定する。ステップS44において、基地局111、112は、配信先の緯度と経度と高度の地点(又は地域)に向けて、配信先の緯度と経度と高度に関連付けられた配信データ1090を配信する。基地局111、112は、配信データ1090を配信する際に、配信先の緯度と経度と高度に基づいて、セクタ(又はセクタセル)とこれに対応する無線アナログ部を選択し、アンテナの電波送信方向および送信電力を制御してデータを送信する。セクタの数が多い場合には、アンテナの電波送信方向および送信電力を必ずしも制御しなくてもよい。
【0058】
ステップS45において、配信データが転送されている基地局のセル内に在圏する無線端末101は、受信した配信データに設定されている配信先の緯度X1、経度Y1、高度Z1を、それぞれ、無線端末101の緯度X0、経度Y0、高度Z0と比較する。無線端末101は、自身の緯度、経度、高度を、GPSレシーバ部411によって取得する。無線端末101の緯度と経度と高度で特定される地点が、配信先住所に対応する受信対象地域(受信対象地点)に含まれている場合、無線端末101は、配信データを受信する。受信対象地域をX1±α、Y1±β、Z1±γ(α、β、γは所定値)とすると、無線端末101は、|X1−X0|≦α、且つ、|Y1−Y0|≦β、且つ、|Z1−Z0|≦γの条件を満たす場合に、無線端末101が受信対象地域に含まれると判断してよい。なお、α、β、γが設定されずに、無線端末101の緯度X0と経度Y0と高度Z0が、それぞれ配信先の緯度X1と経度Y1と高度Z1に一致する場合に、無線端末101が受信対象地域に含まれると判断されてもよい。
【0059】
複数の基地局111、112から送信されたデータを受信した無線端末101は、受信したデータを合成(ソフトコンバイン)して受信してよいし、また、電波受信状態がより良いセル(基地局)を選択してデータを受信してもよい。
【0060】
なお、配信データの配信元である無線端末100は、ユーザの入力などによって、受信対象地域を定めるα、β、γの値を指定し、データ配信要求1010に配信先の住所情報とともにα、β、γの値を含ませて送信してよい。この場合、α、β、γの値は、基地局110、通信制御装置120、基地局111、112を介して、配信先の緯度と経度と高度とともに無線端末101に送信される。このようにして、無線端末100側から配信データの受信対象地域の広さを設定できる。
【0061】
以下に、本実施形態の適用例を説明する。例えば、マンション内の管理人が、特定の階を配信先の住所として無線端末100に入力して、無線端末100からメンテナンスの案内などを音声データとして配信することができる。この場合、その特定の階に位置する無線端末100は、その音声データを受信することができる。例えば、デパートの従業員が、特定の店舗が存在するフロアの住所を配信先住所として無線端末100に入力して、無線端末100からその住所の情報とともにその店舗の販売情報をデータとして送信することができる。この場合、そのフロアに位置する無線端末100は、販売情報を受信することができる。
【0062】
<変形例1>
前述の実施形態において、データの配信を要求する要求元である無線端末100が、コンテンツデータ(配信データ)を保有又は生成し無線端末100が配信元となったが、これに限定されない。即ち、データの配信を要求し配信先の住所を指定する要求元は、配信データを格納する配信元と異なってもよい。
【0063】
例えば、通信制御装置120がデータベースなどにコンテンツデータを格納することによって、通信制御装置120が配信元となってよい。また、通信制御装置120は、無線端末100以外の場所(例えば、コンテンツ配信サーバ)からコンテンツデータを受け取ってもよい。この場合、無線端末100は、データ配信要求1010にコンテンツデータを特定する情報(例えばコンテンツID)を含ませて、通信制御装置120に送信する。通信制御装置120は、基地局111、112を介して、コンテンツデータを特定する情報に基づいて、コンテンツデータを無線端末101に配信する。
【0064】
<変形例2>
無線端末100の代わりに有線端末を使用することもできる。この場合、有線端末は、インターネット等を介して、通信制御装置120にデータの配信先の住所を送信してよい。通信制御装置120は、配信先住所の情報に基づいてデータの転送先の基地局を選択して、選択された基地局にデータを転送する。
【0065】
<変形例3>
前述の実施形態において、基地局110、111、112、113は、セクタに対応した無線アナログ部を複数備えた。しかし、基地局が、送信方向を広範囲に変化させるアンテナを一つ有して、単一の無線アナログ部を備える構成を採用することもできる。この場合、基地局はセクタ(無線アナログ部)を選択せず、電波の送信方向を選択する。
【0066】
<変形例4>
前述の実施形態において、通信制御装置120は、住所を緯度と経度と高度に対応付ける住所情報データベース(対応付け情報)を有した。しかし、各基地局が、対応するセル内において住所を緯度と経度と高度に対応付ける住所情報データベースを有してもよい。
【0067】
この場合、通信制御装置120は、基地局とその住所を対応付けるテーブル(対応付け情報)を有し、通信制御装置120は、配信先住所から基地局を選択する。通信制御装置120は、選択された基地局に配信先住所の情報を送信する。選択された基地局は、住所情報データベースを参照して、配信先住所に基づいて配信先住所の緯度と経度と高度を決定し、配信情報テーブルに登録してよい。
【0068】
−作用効果−
前述の実施形態によれば、無線端末100(第一の端末)は、データを配信すべき配信先住所の情報を指定して送信する。通信制御装置120は、配信先住所の情報に基づいてデータの転送先の基地局(例えば基地局111等)を複数の基地局から選択して、選択された基地局にデータを転送する。無線端末101(第二の無線端末)は、選択された基地局のセル内において、配信先住所の情報に基づいて決定され配信先住所に対応する地点で、選択された基地局(例えば基地局111等)から送信されたデータを受信可能である。
【0069】
これにより、データを配信する基地局を限定するのに加え、データを配信する地域を基地局のセル内の特定住所に限定できる。また、データを送信する地域又は地点に存在する端末の情報を特定する必要はない。特定住所に限定してデータが配信されるため、電波の受信環境の悪い端末がデータの配信する地域に含まれる可能性が低くなり、データの配信レートが高くなる。また、特定住所に対応する地域の無線チャネルを使い、その他の地域において無線チャネルを使わないため、無線資源が節約される。
【0070】
通信制御装置120は、住所と少なくとも緯度、経度を対応付ける住所情報データベース152(対応付け情報)を格納し、配信先住所の情報に対応する緯度と経度を決定する。通信制御装置120は、配信先住所の情報に対応する緯度と経度を、それぞれ複数の基地局110、111、112、113の緯度と経度に対して比較することによって、転送先の基地局111、112を複数の基地局から選択する。これにより、例えば配信先住所に近くこれをカバーするセルを有する基地局が選択できる。
【0071】
選択された基地局(例えば基地局111等)は、当該基地局の緯度と経度と高度、及び、配信先住所に対応する地点の緯度と経度と高度に基づいて電波を送信する方向を決定し、決定された方向にデータを無線送信する。これにより、簡便に、データの配信する地域を基地局のセル内の特定住所に限定できる。高さ(高度)も考慮して、建物内の特定階に限定したデータ配信が可能となり、限られた無線帯域をより効率的に使用することができる。また、選択された基地局は、当該基地局の緯度、経度、高度、及び、配信先住所に対応する地点の緯度と経度と高度に基づいて、データの無線送信の送信電力を決定する。これにより、基地局の送信電力を必要最小限に抑えることができる。
【0072】
無線端末101(第二の無線端末)は、GPSによって得た無線端末101の緯度と経度と高度を、配信先住所に対応する地点の緯度と経度と高度に対して比較して、データを受信すべき受信対象地域に含まれるか判断し、無線端末101は受信対象地域に含まれる場合にデータを受信する。これにより、受信対象地域以外でデータが受信できなくなり、データの配信する地域を特定の住所に正確に限定できる。高さ(高度)も考慮して、建物内の特定階に限定したデータ配信が可能となり、限られた無線帯域をより効率的に使用することができる。
【0073】
選択された基地局(例えば基地局111等)が複数のセクタ又は複数のセクタセルを有する場合に、この基地局は一つのセクタ又はセクタセルを選択し、選択されたセクタ又はセクタセルに対応するアンテナからデータを無線送信する。これにより、さらに正確にデータを配信する地域を限定できる。
【0074】
無線端末100(第一の端末)は、データを生成又は格納して通信制御装置120にデータを送信する。これにより、無線端末100を配信元として無線端末100のユーザが、配信を希望する時に(予め他所にデータを格納しておくことなく)適時にデータの配信ができる。
【0075】
本発明は前記の実施形態やその変形例に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【符号の説明】
【0076】
100、101 無線端末
110、111、112、113 基地局
120 通信制御装置
151 基地局情報テーブル
152 住所情報データベース
201 制御部
202 GPSレシーバ部
220、221、222 無線アナログ部
240 基地局情報テーブル
241 配信情報テーブル
402 無線通信部
406 入力部
409 メモリ
411 GPSレシーバ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャストによりデータを配信する通信システムであって、
複数の基地局と、
前記データを配信すべき配信先住所の情報を指定して送信する第一の端末と、
前記配信先住所の情報に基づいて前記データの転送先の基地局を前記複数の基地局から選択して、前記選択された基地局に前記データを転送する通信制御装置と、
前記選択された基地局から送信された前記データを、前記選択された基地局のセル内において、前記配信先住所の情報に基づいて決定され前記配信先住所に対応する地点で受信可能な第二の無線端末と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
マルチキャストによりデータを配信する通信システムであって、
複数の基地局と、
前記データを配信すべき配信先住所の情報に基づいて前記データの転送先の基地局を前記複数の基地局から選択して、前記選択された基地局に前記データを転送する通信制御装置と、を備え、
前記選択された基地局は、そのセル内において、前記配信先住所の情報に基づいて決定され前記配信先住所に対応する地点に、前記転送されたデータを送信することを特徴とする通信システム。
【請求項3】
前記通信制御装置は、
住所と少なくとも緯度と経度を対応付ける対応付け情報を格納し、
前記配信先住所の情報に対応する緯度と経度を決定し、
前記配信先住所の情報に対応する緯度と経度を、それぞれ前記複数の基地局の緯度と経度に対して比較することによって、前記転送先の基地局を前記複数の基地局から選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記選択された基地局は、当該基地局の緯度と経度と高度、及び、前記配信先住所に対応する地点の緯度と経度と高度に基づいて電波を送信する方向を決定し、前記決定された方向に前記データを無線送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項5】
前記選択された基地局は、当該基地局の緯度と経度と高度、及び、前記地点の緯度と経度と高度に基づいて、前記データを送信する電力を決定する請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記第二の無線端末は、GPSによって得た前記第二の無線端末の緯度と経度と高度を、それぞれ、前記配信先住所に対応する地点の緯度と経度と高度に対して比較して、前記第二の無線端末が前記データを受信すべき受信対象地域に含まれるか判断し、前記第二の無線端末は前記受信対象地域に含まれる場合に前記データを受信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項7】
前記選択された基地局が複数のセクタ又は複数のセクタセルを有する場合に、当該基地局は一つのセクタ又はセクタセルを選択し、前記選択されたセクタ又はセクタセルに対応するアンテナから前記データを無線送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項8】
前記第一の端末は、前記データを生成又は格納し、前記通信制御装置に前記データを送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項9】
マルチキャストによりデータを配信する通信方法であって、
前記データを配信すべき配信先住所の情報を指定して送信するステップと、
前記配信先住所の情報に基づいて前記データの転送先の基地局を複数の基地局から選択して、前記選択された基地局に前記データを転送するステップと、
前記選択された基地局から送信された前記データを、前記選択された基地局のセル内において、前記配信先住所の情報に基づいて決定され前記配信先住所に対応する地点で受信するステップと、
を含むことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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