説明

通信ネットワークシステム、通信障害検出方法およびノード装置

【課題】VLANに発生した通信障害を迅速に検出し、通信障害が発生したノード装置を特定する。
【解決手段】リング状または直線状の伝送路に接続されたノード装置が、所定の時間間隔ごとに診断用フレームを受信しているか否かを判定し(ステップS12)、診断用フレームを受信していたときには、「正常」を示すデータを、または、受信していなかったときには、「通信障害」を示すデータを埋め込んだ隣接間通信用フレームを、隣接する上流および下流のノード装置へ送出する(ステップS13,S14)。また、診断用フレームを受信せず、かつ、上流側の隣接ノード装置からの隣接間通信用フレームが「正常」を示すデータを含んでいたときには、自らと上流側の隣接ノード装置との間に障害があることを示す情報を含んだ状態通知用フレームを、他のノード装置に向けてマルチキャストで送出する(ステップS17)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、VLAN(Virtual Local Area Network)に好適な通信ネットワークシステム、通信障害検出方法およびノード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物理的に同一の通信ネットワーク上に複数のLAN(Local Area Network)を構築する技術としてVLANがある。そのVLANを構築する場合、しばしば、LANスイッチと呼ばれるノード装置(スイッチングハブなど)が用いられる。LANスイッチは、自らに接続される端末(パソコンなど)のMACアドレス(Media Access Control Address)やIPアドレス(Internet Protocol Address)、さらには、その通信で用いられるプロトコルや用途(動画のブロードキャスト、端末間通信)などに応じて設定される情報に基づき、通信フレームの伝送経路を制御する。
【0003】
LANスイッチを用いる場合、VLANは、例えば、そのLANスイッチのポートごとにVLANグループを設定することによって実現される。そのようなLANにおいては、LANスイッチのポート接続された端末が属するVLANグループが変更されても、通信ネットワークおよびLANスイッチにおける物理的な接続形態を変更する必要がなく、LANスイッチにおける当該ポートに対するVLANグループの設定を変更するだけで、その変更に対応することができる。つまり、通信ネットワークにおける端末のVLANグループの設定や変更を容易に行うことができる。そのため、会社などの事業所の通信ネットワークにおいて、通信ケーブルの配置状況を考慮することなく、例えば、部署別にグループ化されたVLANを容易に構築することができる。
【0004】
従来、例えば、特許文献1には、以上のようなスイッチングハブを用いたVLANにおいて、そのスイッチングハブにおけるVLAN設定の誤りを検出する技術の例が開示されている。また、特許文献2には、ドメイン名が異なるような場合にも、VLAN設定が可能なスイッチングハブの例が開示されている。
【特許文献1】特開2000−165430号公報
【特許文献2】特開2003−318937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来技術に開示されたスイッチングハブを用いてVLANを構成した場合には、通常、1つのスイッチングハブに複数のVLANグループが設定される。このような場合、スイッチングハブにおいて特定のVLANグループの通信に依存するような障害が発生したときには、そのVLANグループで新たに通信が行われない限り、その障害は露見しない。また、その間、他のVLANグループでの通信が正しく行われている場合には、ネットワーク全体としても正常に動作しているように見える。すなわち、これらの従来技術には、特定のVLANグループの通信に依存するような障害が発生したときには、その障害の検出が遅れるという問題がある。
【0006】
以上の従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、VLANグループが設定された通信ネットワークシステムにおいて、特定のVLANグループに発生した通信障害を迅速に検出し、かつ、その障害が発生したノード装置を特定することが可能な通信ネットワークシステム、通信障害検出方法およびノード装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、リング状または直線状の幹線伝送路に複数のノード装置が接続されて構成された通信ネットワークシステムであって、(1)前記幹線伝送路の一端に接続されている第1のノード装置が、前記幹線伝送路の前記一端に対向する他端に接続されているノード装置に向けて、所定の時間間隔ごとに診断用フレームを送出する手段を備え、(2)前記送出された診断用フレームが伝送される方向に沿って前記第1のノード装置の下流側の前記幹線伝送路に接続されたノード装置である第2のノード装置が、(2−1)前記所定の時間間隔と等しいかまたは前記所定の時間間隔よりも長い第2の時間間隔ごとに、前記診断用フレームを受信したか否かを判定する第1の判定手段と、(2−2)前記第1の判定手段により、前記診断用フレームを受信していたと判定されたときに、前記幹線伝送路に沿って自らの上流側に隣接する上流ノード装置および下流側に隣接する下流ノード装置に対し、「通信が正常である」旨の情報を含めた隣接間通信用フレームを送出し、前記診断用フレームを受信しなかったと判定されたときに、前記上流ノード装置および前記下流ノード装置に対し、「通信に障害がある」旨の情報を含めた隣接間通信用フレームを送出する手段と、(2−3)前記上流ノード装置から送出される隣接間通信用フレームを受信し、その受信した隣接間通信用フレームに含まれている情報の内容を判定する第2の判定手段と、(2−4)前記第1の判定手段により、前記診断用フレームを受信しなかったと判定され、かつ、前記第2の判定手段により、前記受信した隣接間通信用フレームに「通信が正常である」旨の情報が含まれていると判定されたときに、前記通信ネットワークシステムに含まれる他のノード装置に向けて、「自らと前記上流ノード装置との間の通信に障害がある」旨の情報を含めた状態通知用フレームを送出する手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
VLANグループが設定された通信ネットワークシステムにおいて、特定のVLANに発生した通信障害を迅速に検出し、かつ、その障害が発生したノード装置を特定することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る通信ネットワークシステムの構成の例を示した図である。図1において、通信ネットワークシステム1は、リング型の双方向の伝送路4a,4bに複数のノード装置2(2a〜2d)が接続されて構成され、そのそれぞれのノード装置2には、さらに、端末として1つ以上のパソコンなどの計算機3が接続されている。このとき、通信ネットワークシステム1には、1つ以上のVLANが設定されており、各計算機3は、そのいずれかのグループに属しているものとする。なお、図1の通信ネットワークシステム1には、4つのノード装置2が接続されているが、通信ネットワークシステム1に含まれるノード装置2の数は、「4」に限定されるものではない。
【0011】
このような通信ネットワークシステム1の各ノード装置2および各計算機3の相互の間では、TCP(Transmission Control Protocol)/UDP(User Datagram Protocol)などの通信が行われる。図1において、伝送路4a,4bは、リング型に構成されているが、その場合、通信フレームが伝送路4a,4bを複数回にわたって伝送されるのを防止するために、そのリングの、例えば、ノード装置2aとノード装置2dとの間にブロッキングBLが設けられている。
【0012】
すなわち、ブロッキングBLが設けられた部分の伝送路4a,4bは、物理的には接続されたものであっても、ユーザつまり計算機3の間で送受信される通信フレームの通過をブロッキングする。なお、実際には、伝送路4a,4bが通信フレームを通過させないのではなく、ブロッキングBLに隣接するノード装置2a,2dが受信した通信フレームをブロッキングBLが設けられた伝送路4a,4bへ送出しない(終端する)ことにより、ブロッキングが実現されている。なお、ブロッキングBLに隣接するノード装置2a,2dは、端局と呼ばれ、また、端局でないノード装置2b,2cは、中間局と呼ばれる。
【0013】
本実施形態では、計算機3のユーザが行う通常の通信(以下、ユーザ通信という)とは別に、VLANの通信障害を検出するための通信フレームとして、各ノード装置2の間で所定の時間間隔ごとに送受信されるVLAN診断用フレームおよび隣接間通信用フレームが用意されている。これらの通信フレームの機能や構成の詳細については、後記するところによるが、ここでは、まず、図2を用いて、それらの通信フレームがノード装置2によって伝送される範囲について説明する。
【0014】
図2は、通信ネットワークシステム1において、通信フレームが伝送される範囲を示した図である。図2に示すように、VLAN診断用フレームは、A端局(ノード装置2a)およびB端局(ノード装置2d)から、それぞれ対向する方向(図1の方向Aおよび方向B)へ送出され、中間局(ノード装置2b,2c)により中継されて、それぞれ、B端局(ノード装置2d)およびA端局(ノード装置2a)まで送信される。すなわち、VLAN診断用フレームを受信したB端局およびA端局(ノード装置2d,2a)は、受信したVLAN診断用フレームをそこで終端する。
【0015】
一方、隣接間通信用フレームは、ノード装置2a〜2dが、それぞれ、隣接するノード装置2a〜2dに対してのみ伝送する通信フレームである。すなわち、ノード装置2a〜2dは、隣接間通信用フレームを隣接するノード装置2a〜2dへ送出するか、隣接するノード装置2a〜2dから送出された隣接間通信用フレームを受信するだけであって、受信した隣接間通信用フレームをさらに先の伝送路4a,4b(図1参照)へ送出することはしない。なお、隣接間通信用フレームに関しては、ブロッキングBLが設けられているA端局(ノード装置2a)とB端局(ノード装置2d)との間の伝送路4a,4bであっても、その隣接間通信用フレームの送受信が行われる。
【0016】
また、計算機3の相互の間の通信で使用されるユーザ通信用フレームは、VLAN診断用フレームと同様に、A端局およびB端局(ノード装置2a,2d)で終端される。すなわち、VLAN診断用フレームおよびユーザ通信用フレームは、いずれも、伝送路4a,4bを一周しない。
【0017】
図3は、通信ネットワークシステム1で用いられるノード装置2のブロック構成の例を示した図である。図3に示すように、ノード装置2は、外部インターフェースとしてポートA,BおよびポートC〜Fを備える。ここで、ポートA,Bは、ノード装置2の相互の間をつなぐ伝送路(以下、幹線という)に接続され、ポートC〜Fは、ノード装置2と計算機3との間をつなぐ伝送路(以下、支線という)に接続される。なお、ここでは、支線側のポートC〜Fの数は、「4」としているが、「4」に限定されることはない。
【0018】
ノード装置2は、幹線側のポートA,Bを介して送受信される通信フレームの制御を行う幹線ポート制御部26と、支線側のポートC〜Fを介して送受信される通信フレームの制御を行う支線ポート制御部25とを備える。また、ノード装置2は、VLANの障害検出のために、VLAN個別バッファ21、VLAN個別フレーム制御部22、VLAN診断用バッファ23、VLAN診断用フレーム制御部24を備え、さらに、それらを制御する制御用MPU(Micro Processing Unit)27を備える。
【0019】
ここで、幹線ポート制御部26では、幹線側のポートA,Bは、すべてのVLANグループに属するように設定され、ブロッキングBLなどの特段の設定がない限り、すべての種類の通信フレームを送受信することができる。また、幹線ポート制御部26から支線ポート制御部25に接続されるポート261〜264には、それぞれVLANグループが設定される。そして、幹線ポート制御部26は、幹線側のポートA,Bにより通信フレームを受信すると、その通信フレームに付加されたタグに基づきVLANグループを識別し、その識別したVLANグループと同じVLANグループが設定されたポート261〜264へ、前記受信した通信フレームを中継する。また、幹線ポート制御部26は、ポート261〜264から入力される通信フレームを、すべて、ポートA,Bへ中継する。
【0020】
一方、支線ポート制御部25では、支線側ポートC〜F、および、支線ポート制御部25から幹線ポート制御部26に接続されるポート251〜254には、それぞれVLANグループが設定される。そして、支線ポート制御部25は、計算機3から送信された通信フレームをポートC〜Fにより受信すると、その受信した通信フレームを、受信したポートC〜Fに設定されたVLANグループと同じVLANグループが設定された他のポートC〜Fまたはポート251〜254へ中継する。また、支線ポート制御部25は、ポート251〜254から入力される通信フレームを、その通信フレームが入力されたポート251〜254に設定されたVLANグループと同じVLANグループが設定されたポートC〜Fへ中継する。
【0021】
なお、図3において、幹線ポート制御部26のポート261〜264と、支線ポート制御部25のポート251〜254とは、同じVLANグループが設定されているポート同士が接続されているものとしている。すなわち、図3では、ポート251とポート261、ポート252とポート262、ポート253とポート263、および、ポート254とポート264のそれぞれには、同じVLANグループが設定されている。
【0022】
また、ポート252〜254、ポート262〜264、ポートA,Bは、自身のポートからフレームが送出されるときに、自身の属するVLANのタグ(以下、VLANタグという)をフレームに付加する。このようなポートを、以下、タグポートと呼び、図3では、その他のポートと区別するため、タグポートには“T”の印を付している。
【0023】
図4は、通信ネットワークシステム1において、ノード装置2の障害検出に用いられる通信フレーム構成の例を示した図である。図4に示すように、通信ネットワークシステム1においては、そのノード装置2の障害を検出するために、(a)隣接間通信用フレーム、(b)VLAN診断用フレーム、(c)状態通知用フレームが用いられる。
【0024】
これらの通信フレームの構成は、IEEE802.1Qの規格に準拠したものであり、基本的には、イーサネット(登録商標)のフレームにVLANタグまたは管理用タグが付されたものとなっている。ここで、イーサネット(登録商標)のフレーム部分は、宛先アドレス、送信元アドレス、フレーム長/タイプ、データ部、CRC(Cyclic Redundancy Check Code)からなる部分であり、その宛先アドレスおよび送信元アドレスは、MAC(Media Access Control)アドレスで表される。また、VLAN診断用フレームは、UDP/IPで送受信されるため、IPヘッダおよびUDPヘッダが追加されている。
【0025】
なお、VLAN診断用フレームは、VLAN診断のために2つの端局(ノード装置2a,2d)から他の端局(ノード装置2d,2a)に向けて、それぞれ対向する方向に別個に送出される。そこで、VLAN診断用フレームのデータ部には、診断対象のVLANグループや送信方向を識別するためのユニークな診断用パターンが設定される。従って、その診断用パターンは、VLANグループによって異なるだけでなく、そのVLAN診断用フレームがA端局(ノード装置2a)から送出されるか、または、B端局(ノード装置2d)から送出されるかによっても異なる。
【0026】
続いて、図5〜図7を用いて、ノード装置2が行うVLANの障害診断の処理の概要について説明する。図5は、ノード装置2における隣接間通信用フレームの送出および受信のタイミングチャートの例を示した図である。
【0027】
図5(a)に示すように、各ノード装置2は、あらかじめ定められた所定の時間間隔T0ごとに(例えば、T0=1秒)、隣接する上流ノード装置2upおよび下流ノード装置2dwに対し、隣接間通信用フレームを送出する。この隣接間通信用フレームのデータ部には、後記するように、自らのノード装置2において、通信が正常に行われているか、または、通信に障害が生じているかを示すデータが埋め込まれる。
【0028】
また、図5(b)に示すように、各ノード装置2は、隣接する上流ノード装置2upおよび下流ノード装置2dwから所定の時間間隔T0ごとに送出される隣接間通信用フレームを受信する。従って、各ノード装置2は、隣接する上流ノード装置2upおよび下流ノード装置2dwにおいて、通信が正常に行われているか、または、通信に障害が生じているかを知ることができる。
【0029】
次に、図6および図7を用いて、各ノード装置2が隣接間通信用フレームを送出するときに実行する処理、および、隣接間通信用フレームを受信したときに実行する処理の概要について説明する。ここで、図6は、ノード装置2におけるVLAN診断用フレームの受信と隣接間通信用フレームの送出処理との関係を示した図、図7は、ノード装置2における障害状態の検出と状態通知用フレーム送出処理との関係を示した図である。
【0030】
VLAN診断用フレームは、所定の時間間隔T1ごとに端局(ノード装置2a,2d)から送出され、順次、隣接する下流のノード装置へ送信される。すなわち、図6(a),(b)に示すように、ノード装置2は、上流ノード装置2upから送信されてくるVLAN診断用フレームを受信し、その受信したVLAN診断用フレームを下流ノード装置2dwへ送信する。ここで、時間間隔T1は、時間間隔T0と等しいか、または、短いものとする(すなわち、T1≦T0)。
【0031】
なお、ここでいう上流および下流は、VLAN診断用フレームが送信される方向に従って定められる。従って、上流ノード装置2upとは、当該ノード装置2に対してVLAN診断用フレームを送信する側に接続されたノード装置2であり、下流ノード装置2dwとは、当該ノード装置2から送信されるVLAN診断用フレームを受信する側に接続されたノード装置2である。
【0032】
一方で、各ノード装置2は、隣接間通信用フレームを送出するとき、つまり、所定の時間間隔T0ごとに、前回隣接間通信用フレームを送出した後に、VLAN診断用フレームを少なくとも1回受信しているか否かを判定する。このとき、T1≦T0としているので、VLAN診断用フレームが上流ノード装置2upから正しく送信されている場合には、VLAN診断用フレームを少なくとも1回受信している筈である。
【0033】
そこで、その判定の結果、VLAN診断用フレームを少なくとも1回受信していたときには、ノード装置2は、隣接間通信用フレームのデータ部に、通信が正常に行われていることを示すデータ(「正常」)を埋め込み、隣接する上流ノード装置2upおよび下流ノード装置2dwへ向けて送出する(図6(a)参照)。また、VLAN診断用フレームを全く受信していなかったときには、ノード装置2は、隣接間通信用フレームのデータ部に通信障害が発生したことを示すデータ(「障害発生」)を埋め込み、隣接する上流ノード装置2upおよび下流ノード装置2dwへ向けて送出する(図6(b)参照)。
【0034】
なお、以上のようにノード装置2がVLAN診断用フレームを受信しないことを検出するだけでは、現実に障害を引き起こしているノード装置2を突き止めることはできない。そこで、ノード装置2は、隣接する上流ノード装置2upおよび下流ノード装置2dwから送信される隣接間通信用フレームに含まれているデータを考慮して、現実に障害を引き起こしているノード装置2を突き止める。その場合、現実に障害を引き起こしているノード装置2は、VLAN診断用フレームが送信される経路に沿って、最初にVLAN診断用フレームを受信しなくなったノード装置2、または、その上流に隣接するノード装置2のいずれかであると想定される。
【0035】
そこで、図7に示すように、ノード装置2は、受信すべきVLAN診断用フレームを受信していなかったときには、上流側に隣接するノード装置2から送出された隣接間通信用フレームを受信して、そのデータ部に埋め込まれているデータが、「正常」であるかまたは「障害発生」であるかを判定する。そして、その判定の結果、そのデータが「正常」であったときには、上流側に隣接するノード装置2は、VLAN診断用フレームを受信したことを意味するので、当該ノード装置2が最初にVLAN診断用フレームを受信しなくなったノード装置2であることになる。こうして、現実に障害を引き起こしているノード装置2が検出されることになる。
【0036】
すなわち、ノード装置2がVLAN診断用フレームを受信しなかったことを検出したときには、隣接する上流ノード装置2upおよび下流ノード装置2dwに対し、「障害発生」のデータを埋め込んだ隣接間通信用フレームを送出する。このとき、ノード装置2が前記の最初にVLAN診断用フレームを受信しなくなったノード装置2であったときには、隣接する上流ノード装置2upからは、「正常」のデータが埋め込まれた隣接間通信用フレームが送信され、下流ノード装置2dwからは、「障害発生」のデータが埋め込まれた隣接間通信用フレームが送信されてくる。
【0037】
そこで、ノード装置2は、自らがVLAN診断用フレームを受信せず、隣接する上流ノード装置2upから「正常」のデータが埋め込まれた隣接間通信用フレームを受信したときには、ノード装置2は、自らまたは自らに隣接する上流ノード装置2upが障害状態にあると判断して、通信ネットワークシステム1の他のノード装置2に対して、マルチキャストで、自らまたは自らに隣接する上流ノード装置2upが「障害状態」にあることを示すデータ(状態通知情報)を含んだ状態通知用フレームを送出する。
【0038】
以上のようにして、各ノード装置2は、少なくとも診断対象のVLANについて、自らまたは自らに隣接する上流ノード装置2upが障害状態にあることを検出することができ、さらには、状態通知用フレームにより、その障害状態であることの情報を他のノード装置2へ通知することができる。
【0039】
なお、以上の説明において、ノード装置2または上流ノード装置2upが障害状態にあるとは、ノード装置2または上流ノード装置2upが全面的に障害状態にあることではなく、ノード装置2または上流ノード装置2upのうち、当該診断対象のVLANグループの通信に係る一部に障害があることをいう。
【0040】
また、以上の説明においては、ノード装置2は、VLAN診断用フレームを1回でも受信しなかった場合には、隣接する上流ノード装置2upから「正常」のデータが埋め込まれた隣接間通信用フレームを受信したか否かを、すぐに判定しているが、VLAN診断用フレームを複数回、例えば、3回受信しなかった場合に隣接する上流ノード装置2upから「正常」のデータが埋め込まれた隣接間通信用フレームを受信したか否かを判定するようにしてもよい。
【0041】
あるいは、VLAN診断用フレームが送出される時間間隔T1を、VLAN診断用フレームの受信を判定する時間間隔T0よりも充分に小さくし(例えば、T1=20m秒、T0=2秒)、時間間隔T0の間に受信されるVLAN診断用フレームの数をカウントし、その数が所定数(例えば、7回)に達しなかったときに、隣接する上流ノード装置2upから「正常」のデータが埋め込まれた隣接間通信用フレームを受信したか否かを判定するようにしてもよい。そうした場合には、VLAN診断用フレームが間欠的な通信障害によって上流ノード装置2upから当該ノード装置2へ伝送されないような場合を、障害と判定することを防ぐことができる。
【0042】
図8は、以上に説明したノード装置2におけるVLAN診断処理のフローチャートを示した図である。
【0043】
図8に示すように、端局(図1のノード装置2a,2d)は、所定の時間間隔T1ごとに、他の端局(ノード装置2d,2a)へ向けて、VLANグループに固有の診断用パターンをデータ部に埋め込んだ診断用通信フレームを送出する(ステップS11)。なお、診断用通信フレームは、端局(ノード装置2a,2d)からA方向またはB方向(図1参照)に沿って、それぞれ独立に別個に送信され、以下に説明する処理もそれぞれ独立に別個に実行される。
【0044】
端局(ノード装置2a,2d)からVLAN診断用フレームが送出されると、その端局の下流に位置する中間局(ノード装置2b,2cおよび他の端局(ノード装置2d,2a))は、所定の時間間隔T0ごとに、VLAN診断用フレームを受信したか否かを判定する(ステップS12)。そして、中間局は、その判定の結果、その時間間隔T0の間に少なくとも1回診断用通信フレームを受信していたときには(ステップS12でYes)、その隣接する上流および下流のノード装置へ「正常」のデータを埋め込んだ隣接間通信用フレームを送出し(ステップS13)、処理を終了する。また、中間局が所定の時間T0以内に全く診断用通信フレームを受信していなかったときには(ステップS12でNo)、中間局は、その隣接する上流および下流のノード装置へ「通信障害」のデータを埋め込んだ隣接間通信用フレームを送出する(ステップS14)。
【0045】
次に、中間局は、隣接する上流ノード装置から送信されてくる隣接間通信用フレームに埋め込まれているデータの内容を判定する(ステップS15)。その判定の結果、その埋め込まれているデータが「正常」を示すデータであったときには(ステップS16でYes)、中間局は、自らが「障害状態」にあること(前記したように自らに隣接するノード装置が「障害状態」である得ることも含む)を、マルチキャストで他のノード装置2へ通知する(ステップS17)。また、「正常」を示すデータでなかったときには(ステップS16でNo)、そのまま処理を終了する。
【0046】
続いて、図9〜図16を用いて、VLAN診断処理時のノード装置2の内部動作について詳しく説明する。ここで、図9、図10および図11は、A端局から送出されたVLAN診断用フレームが中間局を経由してB端局まで送信され、B端局で終端されるまでの伝送経路および伝送動作の例を示した図である。
【0047】
図9に示すように、A端局であるノード装置2Aにおいて、その制御用MPU27は、所定の時間間隔T1ごとに、VLAN診断用バッファ23に管理用タグを付加したVLAN診断用フレームを生成し、生成したVLAN診断用フレームをVLAN診断用フレーム制御部24、幹線ポート制御部26を経由してポートAへ送る。このとき、ポートAは、フレーム内の管理用タグにより、VLAN診断用フレーム制御部24から送られてきた通信フレームがVLAN診断用フレームであることを認識し、管理用タグを診断対象のVLANグループのタグに付け替えた上で幹線4の伝送路へ送出する。
【0048】
ここで、幹線ポート制御部26のポート265は、ポート261〜264が属するVLANグループとは異なるVLANグループに属しているものとするが、ポートAにおける管理用タグからVLANタグへの付け替え機能により、ポート265から送信される通信フレームは、VLANグループをまたいだ他のVLANグループへの送信が可能となっている。また、幹線ポート制御部26は、ポートBからのVLAN診断用フレームの送出を論理的にブロッキングしているので、ポートBからはVLAN診断用フレームを送出しない。
【0049】
次に、図10に示すように、中間局であるノード装置2Cにおいては、上流側の幹線4から送信されてくるVLAN診断用フレームは、ポートBにより受信され、そのVLANタグに基づきVLANグループが識別され、識別したVLANグループに従って、適宜、ポート261へ送られ、さらに、VLAN個別フレーム制御部22を経由してVLAN個別バッファ21に格納される。また、ポートBにより受信されたVLAN診断用フレームは、ポートAを経由して、下流側の幹線4にも送出される。
【0050】
次に、図11に示すように、B端局であるノード装置2Bにおいては、上流側の幹線4から送信されてくるVLAN診断用フレームは、ポートBにより受信され、そのVLANタグに基づきVLANグループが識別され、識別したVLANグループに従って、適宜、ポート261へ送られ、さらに、VLAN個別フレーム制御部22を経由してVLAN個別バッファ21に格納される。また、幹線ポート制御部26は、ポートAからのVLAN診断用フレームの送出を論理的にブロッキングしているので、ポートAからはVLAN診断用フレームを送出しない。VLAN診断用フレームは、B端局で終端される。
【0051】
図12、図13および図14は、B端局から送出されたVLAN診断用フレームが中間局を経由してA端局まで送信され、A端局で終端されるまでの伝送経路および伝送動作の例を示した図である。ただし、その伝送経路および伝送動作は、図9、図10および図11で説明した伝送経路および伝送動作と、伝送経路が逆向きになるだけであり、その伝送動作はほとんど同じなので、その詳細な説明を割愛する。なお、図9、図10および図11の説明で、「A」を「B」、「B」を「A」と読み替えれば、図12、図13および図14の説明になる。
【0052】
図15は、中間局における隣接間通信用フレーム送出時の伝送経路および伝送動作の例を示した図である。図15に示すように、中間局であるノード装置2Cにおいて、制御用MPU27は、所定の時間間隔T0ごとに、VLAN個別バッファ21をアクセスし、VLAN個別バッファ21に新たなVLAN診断用フレームが受信されているか否かを判定する(図8、ステップS12に相当)。
【0053】
その判定の結果、新たなVLAN診断用フレームが受信されていたときには、制御用MPU27は、VLAN診断用バッファ23に隣接間通信用フレームを生成し、その隣接間通信用フレームのデータ部に「正常」を示すデータを埋め込み、その隣接間通信用フレームをVLAN診断用フレーム制御部24および幹線ポート制御部26を介してポートAおよびポートBへ送る。ポートAおよびポートBは、送られてきた隣接間通信用フレームに、診断対象のVLANグループのVLANタグを付して、上流側および下流側の幹線4へ送出する(図8、ステップS13に相当)。なお、このとき、制御用MPU27は、VLAN個別バッファ21をクリアする。
【0054】
一方、VLAN個別バッファ21に新たなVLAN診断用フレームが受信されていなかったときには、VLAN診断用バッファ23に隣接間通信用フレームを生成し、その隣接間通信用フレームのデータ部に「通信障害」を示すデータを埋め込み、その隣接間通信用フレームをVLAN診断用フレーム制御部24および幹線ポート制御部26を介してポートAおよびポートBへ送る。ポートAおよびポートBは、送られてきた隣接間通信用フレームに診断対象のVLANグループのVLANタグを付し、そのVLANタグを付した隣接間通信用フレームを上流側および下流側の幹線4へ送出する(図8、ステップS14に相当)。
【0055】
図16は、中間局における隣接間通信用フレーム受信時の伝送経路および伝送動作の例を示した図である。図15に示すように、中間局であるノード装置2Cにおいて、ポートAおよびポートBは、それぞれ幹線4を経由して隣接するノード装置2から送信されてくる隣接間通信用フレームを受信する。受信された隣接間通信用フレームは、幹線ポート制御部26およびVLAN診断用フレーム制御部24を経由してVLAN診断用バッファ23に格納される。
【0056】
このとき、制御用MPU27は、所定の時間間隔T0ごとに、VLAN診断用バッファ23をアクセスし、VLAN診断用バッファ23に格納されている上流側のノード装置2から送信されてきた隣接間通信用フレームのデータ部に埋め込まれているデータの内容を判定する(図8、ステップS15に相当)。
【0057】
制御用MPU27は、その判定により、上流側のノード装置2から送信されてきた隣接間通信用フレームに「正常」を示すデータが埋め込まれていたと判定され、かつ、先の判定で、VLAN個別バッファ21に新たなVLAN診断用フレームが受信されていないと判定されていたときには、当該ノード装置2と上流側のノード装置2との間の当該診断対象のVLANグループの通信に障害が発生したと判断する(図8、ステップS16でYesの場合に相当)。
【0058】
制御用MPU27は、VLAN診断用バッファ23に状態通知用フレームを生成し、その状態通知用フレームのデータ部の状態通知情報(図4参照)として、当該ノード装置2の装置識別番号、当該ノード装置2の上流側に隣接するノード装置2の装置識別番号などノード装置2を識別する情報を埋め込む。そして、制御用MPU27は、図15に示した経路に従って、その状態通知用フレームをVLAN診断用フレーム制御部24および幹線ポート制御部26を介してポートAおよびポートBへ送る。ポートAおよびポートBは、送られてきた状態通知用フレームに診断対象のVLANグループのVLANタグを付し、そのVLANタグを付した状態通知用フレームを上流側および下流側の幹線4へ送出する(図8、ステップS17に相当)。
【0059】
このとき、状態通知用フレームは、マルチキャストで送出されるため、通信ネットワークシステム1に含まれる他のノード装置2は、その状態通知用フレームを受信することにより、障害状態にあるノード装置2の識別情報を取得することができる。つまり、どこに障害があるかを知ることができる。
【0060】
なお、図9〜図16を用いて説明したことから分かることであるが、支線ポート制御部25と幹線ポート制御部26とをつなぐポートのうち、ポート252とポート262、ポート253とポート263、および、ポート254とポート264のVLANグループには、VLAN個別フレーム制御部22が設けられていない。その場合には、制御用MPUは、VLAN診断用フレームの受信を監視したり、隣接間通信用フレームのデータ部に埋め込まれているデータの内容を判定したりすることができない。従って、VLAN個別フレーム制御部22が設けられていないグループのVLANは、障害診断の対象にすることができない。
【0061】
すなわち、診断対象にするグループのVLANには、必ず、VLAN個別フレーム制御部22を設けておく必要があるが、逆に、信頼性をそれほど必要としないようなグループのVLANには、VLAN個別フレーム制御部22を設ける必要がない。
【0062】
以上で本実施形態の説明を終えるが、本発明は、以上の実施形態に限定されることなく実施することができる。例えば、以上の実施形態では、ノード装置2を接続する伝送路4は、リング状であるとしたが、例えば、図1において、ノード装置2aとノード装置2dとが伝送路4a,4dで物理的に接続されていない直線状の伝送路であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態に係る通信ネットワークシステムの構成の例を示した図。
【図2】本実施形態に係る通信ネットワークシステムにおいて、通信フレームが伝送される範囲を示した図。
【図3】本実施形態に係る通信ネットワークシステムで用いられるノード装置のブロック構成の例を示した図。
【図4】本実施形態に係る通信ネットワークシステムにおいて、ノード装置の障害検出に用いられる通信フレーム構成の例を示した図。
【図5】本実施形態に係るノード装置における隣接間通信用フレームの送出および受信のタイミングチャートの例を示した図。
【図6】本実施形態に係るノード装置におけるVLAN診断用フレームの受信と隣接間通信用フレームの送出処理との関係を示した図。
【図7】本実施形態に係るノード装置における障害状態の検出と状態通知用フレーム送出処理との関係を示した図。
【図8】本実施形態に係るノード装置におけるVLAN診断処理のフローチャートを示した図。
【図9】A端局から送出されるVLAN診断用フレームの伝送経路および伝送動作の例を示した図。
【図10】A端局から送出されたVLAN診断用フレームが中間局で中継されるときの伝送経路および伝送動作の例を示した図。
【図11】A端局から送出されたVLAN診断用フレームがB端局で受信され、B端局で終端されるときの伝送経路および伝送動作の例を示した図。
【図12】B端局から送出されるVLAN診断用フレームの伝送経路および伝送動作の例を示した図。
【図13】B端局から送出されたVLAN診断用フレームが中間局で中継されるときの伝送経路および伝送動作の例を示した図。
【図14】B端局から送出されたVLAN診断用フレームがA端局で受信され、A端局で終端されるときの伝送経路および伝送動作の例を示した図。
【図15】中間局における隣接間通信用フレーム送出時の伝送経路および伝送動作の例を示した図。
【図16】中間局における隣接間通信用フレーム受信時の伝送経路および伝送動作の例を示した図。
【符号の説明】
【0064】
1 通信ネットワークシステム
2 ノード装置
3 計算機
4 幹線
4a 伝送路
21 VLAN個別バッファ
22 VLAN個別フレーム制御部
23 VLAN診断用バッファ
24 VLAN診断用フレーム制御部
25 支線ポート制御部
26 幹線ポート制御部
27 制御用MPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング状または直線状の幹線伝送路に複数のノード装置が接続されて構成された通信ネットワークシステムであって、
前記幹線伝送路の一端に接続されている第1のノード装置が、
前記幹線伝送路の前記一端に対向する他端に接続されているノード装置に向けて、所定の時間間隔ごとに診断用フレームを送出する手段
を備え、
前記送出された診断用フレームが伝送される方向に沿って前記第1のノード装置の下流側の前記幹線伝送路に接続されたノード装置である第2のノード装置が、
前記所定の時間間隔と等しいかまたは前記所定の時間間隔よりも長い第2の時間間隔ごとに、前記診断用フレームを受信したか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により、前記診断用フレームを受信していたと判定されたときに、前記幹線伝送路に沿って自らの上流側に隣接する上流ノード装置および下流側に隣接する下流ノード装置に対し、「通信が正常である」旨の情報を含めた隣接間通信用フレームを送出し、前記診断用フレームを受信しなかったと判定されたときに、前記上流ノード装置および前記下流ノード装置に対し、「通信に障害がある」旨の情報を含めた隣接間通信用フレームを送出する手段と、
前記上流ノード装置から送出される隣接間通信用フレームを受信し、その受信した隣接間通信用フレームに含まれている情報の内容を判定する第2の判定手段と、
前記第1の判定手段により、前記診断用フレームを受信しなかったと判定され、かつ、前記第2の判定手段により、前記受信した隣接間通信用フレームに「通信が正常である」旨の情報が含まれていると判定されたときに、前記通信ネットワークシステムに含まれる他のノード装置に向けて、「自らまたは前記上流ノード装置に通信障害がある」旨の情報を含めた状態通知用フレームを送出する手段と、
を備えたこと
を特徴とする通信ネットワークシステム。
【請求項2】
前記ノード装置は、端末に接続される複数のポートをさらに備え、
前記複数のポートの少なくとも1つにはVLANのグループが設定され、
前記第1のノード装置は、前記診断用フレームを送出するとき、その診断用フレームに診断対象のVLANグループを指定する情報を含めて、前記診断用フレームを送出すること
を特徴とする請求項1に記載の通信ネットワークシステム。
【請求項3】
前記幹線伝送路は、互いに対向する伝送方向の独立した2つの伝送路からなり、
前記幹線伝送路の両端に接続されているそれぞれのノード装置は、それぞれ独立に、互いに他端に接続されているノード装置に向けて、前記診断用フレームを送出すること
を特徴とする請求項1に記載の通信ネットワークシステム。
【請求項4】
リング状または直線状の幹線伝送路に複数のノード装置が接続されて構成された通信ネットワークシステムにおける通信障害検出方法であって、
前記幹線伝送路の一端に接続されている第1のノード装置が、
前記幹線伝送路の前記一端に対向する他端に接続されているノード装置に向けて、所定の時間間隔ごとに診断用フレームを送出するステップ
を実行し、
前記送出された診断用フレームが伝送される方向に沿って前記第1のノード装置の下流側の前記幹線伝送路に接続されたノード装置である第2のノード装置が、
前記所定の時間間隔と等しいかまたは前記所定の時間間隔より長い第2の時間間隔ごとに、前記診断用フレームを受信したか否かを判定する第1の判定ステップと、
前記第1の判定ステップにおいて、前記診断用フレームを受信していたと判定されたときに、前記幹線伝送路に沿って自らの上流側に隣接する上流ノード装置および下流側に隣接する下流ノード装置に対し、「通信が正常である」旨の情報を含めた隣接間通信用フレームを送出し、前記診断用フレームを受信しなかったと判定されたときに、前記上流ノード装置および前記下流ノード装置に対し、「通信に障害がある」旨の情報を含めた隣接間通信用フレームを送出するステップと、
前記上流ノード装置から送出される隣接間通信用フレームを受信し、その受信した隣接間通信用フレームに含まれている情報の内容を判定する第2の判定ステップと、
前記第1の判定ステップにおいて、前記診断用フレームを受信しなかったと判定され、かつ、前記第2の判定ステップにおいて、前記受信した隣接間通信用フレームに「通信が正常である」旨の情報が含まれていると判定されたときに、前記通信ネットワークシステムに含まれる他のノード装置に向けて、「自らまたは前記上流ノード装置に通信障害がある」旨の情報を含めた状態通知用フレームを送出するステップと、
を実行すること
を特徴とする通信障害検出方法。
【請求項5】
前記ノード装置は、端末に接続される複数のポートをさらに備え、
前記複数のポートの少なくとも1つにはVLANのグループが設定され、
前記第1のノード装置は、前記診断用フレームを送出するとき、その診断用フレームに診断対象のVLANグループを指定する情報を含めて、前記診断用フレームを送出すること
を特徴とする請求項4に記載の通信障害検出方法。
【請求項6】
前記幹線伝送路は、互いに対向する伝送方向の独立した2つの伝送路からなり、
前記幹線伝送路の両端に接続されているそれぞれのノード装置は、それぞれ独立に、互いに他端に接続されているノード装置に向けて、前記診断用フレームを送出すること
を特徴とする請求項4に記載の通信障害検出方法。
【請求項7】
リング状または直線状の幹線伝送路に複数のノード装置が接続されて構成された通信ネットワークシステムに用いられるノード装置であって、
前記ノード装置が前記幹線伝送路の一端に接続されたときに、前記幹線伝送路の前記一端に対向する他端に接続されているノード装置に向けて、所定の時間間隔ごとに診断用フレームを送出する手段と、
前記ノード装置が前記診断用フレームの伝送方向に沿って前記一端の下流側の前記幹線伝送路に接続されたときに、前記所定の時間間隔と等しいかまたは前記所定の時間間隔よりも長い第2の時間間隔ごとに、前記診断用フレームを受信したか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により、前記診断用フレームを受信していたと判定されたときに、前記幹線伝送路に沿って自らの上流側に隣接する上流ノード装置および下流側に隣接する下流ノード装置に対し、「通信が正常である」旨の情報を含めた隣接間通信用フレームを送出し、前記診断用フレームを受信しなかったと判定されたときに、前記上流ノード装置および前記下流ノード装置に対し、「通信に障害がある」旨の情報を含めた隣接間通信用フレームを送出する手段と、
前記上流ノード装置から送出される隣接間通信用フレームを受信し、その受信した隣接間通信用フレームに含まれている情報の内容を判定する第2の判定手段と、
前記第1の判定手段により、前記診断用フレームを受信しなかったと判定され、かつ、前記第2の判定手段により、前記受信した隣接間通信用フレームに「通信が正常である」旨の情報が含まれていると判定されたときに、前記通信ネットワークシステムに含まれる他のノード装置に向けて、「自らまたは前記上流ノード装置に通信障害がある」旨の情報を含めた状態通知用フレームを送出する手段と、
を備えたこと
を特徴とするノード装置。
【請求項8】
端末に接続される複数のポートをさらに備え、
前記複数のポートの少なくとも1つにはVLANのグループが設定され、
前記診断用フレームを送出するときには、その診断用フレームに診断対象のVLANグループを指定する情報を含めて、その診断用フレームを送出すること
を特徴とする請求項7に記載のノード装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate