説明

通信モジュール

【課題】搭載するコントローラの台数にかかわらず全てのコントローラに対しインシステムプログラミングが行える通信モジュールを提供する。
【解決手段】光通信モジュール1は複数のコントローラ、コントローラ31〜34を備える。外部のホスト装置等との通信用に用いる光通信モジュール1の端子T1と、光通信モジュール1の各コントローラ31〜34と、の接続は、各コントローラ31〜34に設けられたスイッチ素子51〜54によってオン・オフされる。従って、光通信モジュール1が複数のコントローラを備えていても、インシステムプログラミングを行うプログラミング装置が端子T1に接続されていれば、スイッチ素子51〜54の動作を制御することによって、それぞれのコントローラに対して、インシステムプログラミングが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信モジュールは、光送信機、光受信機、信号処理IC、及び、コントローラなどを筐体内に備える。一方、光通信モジュールの外形や電気インタフェースは、業界標準のMSA(Multi Source Agreement)によって定められている。特許文献1には、光送受信装置において、装置内に専用電気端子を設けることなく、インシステムプログラミングやインシステムエミュレーション機能を実現するための光送受信装置が記載されている。
【0003】
特許文献1の光送受信装置は、光信号を送信する光送信部と、光信号を受信する光受信部と、光送信部及び光受信部を制御する制御部とを有する。制御部は、光送信部及び光受信部を介して、外部装置(デバッガ)との間で光通信する。外部装置は、プログラムの書き込み及びデバッグを行う機能を有するものである。制御部は、プログラム制御により機能を実現する。制御部は、光送信部及び光受信部を介して、外部装置との間でプログラムの書き込み及びデバッグに必要な信号を光通信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−200585号公報
【特許文献2】特許第3852340号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近の通信モジュールは、多種類の高度な機能を有する。多種類の高度な機能を実現するために、複数のコントローラ(CPU、DSP、FPGA等のプログラム可能な制御IC)を有する通信モジュールが開発されている。一方、電気インタフェースに関するMSAの規定によれば、通信モジュールが有する端子の数は制限されており、各端子には電源、グランド、高速信号、制御信号などの機能が割り当てられている。よって、通信モジュールのコントローラに対してインシステムプログラミングを行なうために使用できる端子の数は少ない。従って、一台の通信モジュールが有する複数のコントローラの全てにインシステムプログラミングを行えるようにすることは、インシステムプログラミングを行うために使用可能な端子の数がMSAの規定によって少ないので、困難である。また、コントローラが一台の場合であっても、通信モジュールにインシステムプログラミング用の端子を更に設けることは、利用可能な端子の数がMSAの規定によって制限されているので、好ましくない。そこで、本発明の目的は、上記の事項を鑑みてなされたものであり、搭載するコントローラの台数にかかわらず、全てのコントローラに対しインシステムプログラミングが行える通信モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る通信モジュールは、外部の装置に接続され、当該通信モジュールと外部の装置との間で送受信される信号を受ける第1及び第2の端子と、前記第1の端子に接続されている第1のバスと、コンピュータプログラムを搭載しており、このコンピュータプログラムの変更が可能な一又は複数のコントローラと、前記一又は複数のコントローラのそれぞれに対して設けられており、前記一又は複数のコントローラのそれぞれに接続されている一又は複数のスイッチ素子と、前記一又は複数のスイッチ素子に接続されている第2のバスと、前記一又は複数のスイッチ素子に接続されている制御回路と、前記制御回路に接続されている第3のバスと、前記第1のバス、前記第2のバス、前記第3のバス及び前記第2の端子に接続されている接続素子と、を備え、前記一又は複数のコントローラのそれぞれは、前記コンピュータプログラムを変更する信号を受ける第3の端子を有しており、前記一又は複数のスイッチ素子のそれぞれは、前記第3の端子を介して、前記一又は複数のコントローラのそれぞれに接続され、前記制御回路は、前記一又は複数のスイッチ素子の動作を制御する信号を、前記一又は複数のスイッチ素子のそれぞれに出力することができ、前記スイッチ素子は、前記第2のバスと、前記一又は複数のコントローラに含まれておりこのスイッチ素子に接続される一のコントローラの前記第3の端子との接続を、前記制御回路からの信号に基づいて、オン・オフし、前記接続素子は、前記第2の端子を介して外部の装置から入力される信号に基づいて、前記第2のバス又は前記第3のバスの何れかを前記第1のバスに接続する、ことを特徴とする。第2の端子を介して外部の装置から入力される信号に応じて接続素子が第1のバスと第3のバスとを接続する場合、第1の端子と制御回路とが接続されるので、第1の端子を介して外部の装置から入力される信号に応じて制御回路がスイッチ素子の動作を制御することができる。よって、任意のコントローラと第2のバスとが接続可能となる。この後、第2の端子を介して外部の装置から入力される信号に応じて接続素子が第1のバスと第2のバスとを接続する場合、第1の端子と第2のバスとが接続されるので、第2のバスに接続されたコントローラに対し、プログラムの変更が、外部の装置から第1の端子を介して行うことが可能となる。
【0007】
この通信モジュールは、前記第2のバスと前記制御回路とに接続されている他のスイッチ素子を更に備え、前記一又は複数のコントローラは、通信データを受ける第4の端子を有する通信用のコントローラを含み、前記通信用のコントローラは、前記第4の端子を介して前記他のスイッチ素子に接続され、前記制御回路は、前記他のスイッチ素子の動作を制御する信号を、前記他のスイッチ素子に出力することができ、前記他のスイッチ素子は、前記通信用のコントローラの前記第4の端子と前記第2のバスとの接続を前記制御回路からの信号に基づいてオン・オフすることができる。第2の端子を介して外部の装置から入力される信号に応じて接続素子が第1のバスと第3のバスとを接続し、第1の端子と制御回路とが接続される場合、第1の端子を介して外部の装置から入力される信号に応じて制御回路がスイッチ素子の動作を制御することができるので、通信データを受ける通信用のコントローラの第4の端子と第2のバスとが接続可能となる。第4の端子と第2のバスとが接続された後に、第2の端子を介して外部の装置から入力される信号に応じて接続素子が第1のバスと第2のバスとを接続する場合、第1の端子と第2のバスとが接続されるので、通信データを受ける第4の端子と外部の装置に接続される第1の端子とが接続される。従って、一又は複数のコントローラが通信用のコントローラを含む場合には、第1の端子を介して一又は複数のコントローラに対しプログラムの変更が可能であると共に、この第1の端子を介して通信用のコントローラと外部の装置との間で通信データの送受信が行える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、搭載するコントローラの台数にかかわらず、全てのコントローラに対しインシステムプログラミングが行える通信モジュールが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施形態に係る光通信モジュールの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、可能な場合には、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1は、実施形態に係る光通信モジュールの構成を示す。光通信モジュール1は、光通信を行う装置であり、光送信機、光受信機、信号処理IC等を筐体内に備える。光通信モジュール1が有する光送信機及び光受信機は光ファイバに接続される。光通信モジュール1が有する信号処理IC等は後述のコントローラ31等である。
【0011】
光通信モジュール1は、端子T1、端子T2、バスBus1、バスBus2、及び、バスBus3を備える。光通信モジュール1は、コントローラ31〜34、スイッチ素子51〜55、制御回路7、及び、接続素子9を備える。なお、光通信モジュール1は、コントローラ34を含む四台のコントローラを備えるが、コントローラ34を含む二台、三台、又は、五台以上のコントローラを備えてもよい。光通信モジュール1が有するコントローラはコントローラ34のみであってもよい。コントローラ34には、二台のスイッチ素子(スイッチ素子54,55)が設けられている。コントローラ34以外のコントローラ31〜33においては、一台のコントローラに一台のスイッチ素子が設けられている。
【0012】
光通信モジュール1は、端子T1及び端子T2を介して、外部装置と接続可能である。端子T1及び端子T2は、外部装置に接続され、光通信モジュール1と外部装置との間で送受信される信号を受ける。通信データ(送信データ又は受信データ)、インシステムプログラミング用の指示信号、及び、制御回路7に対する制御信号等が、端子T1を介して、外部装置と光通信モジュール1との間で送受信される。接続素子9に対する制御信号が、端子T2を介して、外部装置と光通信モジュール1との間で送受信される。
【0013】
端子T1に接続される外部装置は、インシステムプログラミングが行われている場合には、コントローラ31〜34に対してプログラムを書き込む又は変更する装置(以下、プログラミング装置という)である。端子T1に接続される外部装置は、光通信モジュール1が光通信を行っている場合には、送信信号の出力、及び、受信信号の処理、を行う装置(以下、ホスト装置という)である。端子T2に接続される外部装置は、接続素子9に対する制御信号を接続素子9に出力する外部制御装置(ホスト装置、プログラミング装置、又は、他の制御装置)である。
【0014】
バスBus1は、端子T1に接続されている。バスBus1は、接続素子9に接続されている。バスBus2は、スイッチ素子51〜55に接続されている。バスBus2は、接続素子9に接続されている。バスBus3は、制御回路7に接続されている。バスBus3は、接続素子9に接続されている。
【0015】
本実施形態において、例えば、コントローラ31はFPGA/DSP(Field-Programmable Gate Array/Digital Signal Processor)であり、コントローラ32及びコントローラ33は何れもモニタや制御等を行うためのCPUである。本実施形態において、例えば、コントローラ34は通信用のコントローラである。コントローラ34は、光通信モジュール1が有する光送信装置に送信データを出力する。コントローラ34は、光通信モジュール1が有する光受信装置からの受信データを受ける。コントローラ34は、光通信モジュール1の内部の監視(入出力パワー及び電源電圧等)、及び、制御(光出力のオン・オフ等)を行う。コントローラ34は、監視をしている値が異常値の場合、光出力をオフにする、又は、端子T1を介して外部装置にこの旨を示す信号を送信する。
【0016】
コントローラ31〜34及び制御回路7は、IC、MDIO等の通信方式、及び、その他の通信方式の何れかに基づいて、外部装置と通信を行う。コントローラ31〜34及び制御回路7は、同じ通信方式に基づいて外部装置と通信を行ってもよいし、異なった通信方式に基づいて外部装置と通信を行ってもよい(複数の通信方式が用いられてもよい)。
【0017】
コントローラ31〜34は、何れも、コンピュータプログラムを搭載している。コントローラ31〜34のそれぞれに搭載されているコンピュータプログラムは、何れも、コントローラ31〜34のそれぞれにおいて変更可能である。
【0018】
コントローラ31は端子31aを有する。端子31aはスイッチ素子51に接続されている。端子31aは、インシステムプログラミング用の端子であり、コントローラ31が搭載するコンピュータプログラムを変更する指示信号を受ける。コントローラ31が搭載するコンピュータプログラムは、外部装置から、端子T1、バスBus1、接続素子9、バスBus2、スイッチ素子51及び端子31aを介して入力される指示信号によって変更される。
【0019】
コントローラ32は端子32aを有する。端子32aはスイッチ素子52に接続されている。端子32aは、インシステムプログラミング用の端子であり、コントローラ32が搭載するコンピュータプログラムを変更する指示信号を受ける。コントローラ32が搭載するコンピュータプログラムは、外部装置から、端子T1、バスBus1、接続素子9、バスBus2、スイッチ素子52及び端子32aを介して入力される指示信号によって変更される。
【0020】
コントローラ33は端子33aを有する。端子33aはスイッチ素子53に接続されている。端子33aは、インシステムプログラミング用の端子であり、コントローラ33が搭載するコンピュータプログラムを変更する指示信号を受ける。コントローラ33が搭載するコンピュータプログラムは、外部装置から、端子T1、バスBus1、接続素子9、バスBus2、スイッチ素子53及び端子33aを介して入力される指示信号によって変更される。
【0021】
コントローラ34は端子34aを有する。端子34aはスイッチ素子54に接続されている。端子34aは、インシステムプログラミング用の端子であり、コントローラ34が搭載するコンピュータプログラムを変更する指示信号を受ける。コントローラ34が搭載するコンピュータプログラムは、外部装置から、端子T1、バスBus1、接続素子9、バスBus2、スイッチ素子54及び端子34aを介して入力される指示信号によって変更される。
【0022】
コントローラ34は、通信データ(送信データ及び受信データ)を受ける通信用の端子34bを有する。送信データは、外部装置から、端子T1、バスBus1、接続素子9、バスBus2、スイッチ素子55及び端子34bを介してコントローラ34に入力される。受信データは、端子34b、スイッチ素子55、バスBus2、接続素子9、バスBus1及び端子T1を介して外部装置に出力される。
【0023】
スイッチ素子51〜54のそれぞれは、コントローラ31〜34のそれぞれに対して設けられている。スイッチ素子55は、コントローラ34に対して設けられている。スイッチ素子51〜55は、バスBus2に接続されている。スイッチ素子51〜55は、制御回路7に接続されている。スイッチ素子51〜55は、アナログスイッチ、トライステートバッファ(双方向のトライステートバッファを含む)等であり、スイッチ素子51〜55を介して行われる通信の通信方式に応じて設定される。
【0024】
スイッチ素子51は端子31aを介してコントローラ31に接続されている。端子51aは、制御回路7に接続されている。スイッチ素子51は端子51aを有する。スイッチ素子51は、スイッチ素子51に接続されているコントローラ31の端子31aとバスBus2との接続を、制御回路7から端子51aを介して入力される制御信号に基づいて、オン・オフする。
【0025】
スイッチ素子52は端子32aを介してコントローラ32に接続されている。端子52aは、制御回路7に接続されている。スイッチ素子52は端子52aを有する。スイッチ素子52は、スイッチ素子52に接続されているコントローラ32の端子32aとバスBus2との接続を、制御回路7から端子52aを介して入力される制御信号に基づいて、オン・オフする。
【0026】
スイッチ素子53は端子33aを介してコントローラ33に接続されている。端子53aは、制御回路7に接続されている。スイッチ素子53は端子53aを有する。スイッチ素子53は、スイッチ素子53に接続されているコントローラ33の端子33aとバスBus2との接続を、制御回路7から端子53aを介して入力される制御信号に基づいて、オン・オフする。
【0027】
スイッチ素子54は端子34aを介してコントローラ34に接続されている。端子54aは、制御回路7に接続されている。スイッチ素子54は端子54aを有する。スイッチ素子54は、スイッチ素子54に接続されているコントローラ34の端子34aとバスBus2との接続を、制御回路7から端子54aを介して入力される制御信号に基づいて、オン・オフする。
【0028】
スイッチ素子55は端子34bを介してコントローラ34に接続されている。端子55aは、制御回路7に接続されている。スイッチ素子55は端子55aを有する。スイッチ素子55は、スイッチ素子55に接続されているコントローラ34の端子34bとバスBus2との接続を、制御回路7から端子55aを介して入力される制御信号に基づいて、オン・オフする。
【0029】
制御回路7は、スイッチ素子51〜55に接続されている。制御回路7は、バスBus3に接続されている。制御回路7は、端子T1、バスBus1、接続素子9及びバスBus3を介して外部装置から入力される制御信号に基づいて、スイッチ素子51〜55のオン・オフの動作を制御する制御信号を、スイッチ素子51〜55のそれぞれに出力することができる。
【0030】
接続素子9は、バスBus1、バスBus2、バスBus3及び端子T2に接続されている。接続素子9は、外部装置から端子T2を介して入力される制御信号に基づいて、バスBus1をバスBus2又はバスBus3の何れかに接続する。接続素子9は、バスBus2と端子31a〜34a及び端子34bとの接続状態の切り替えを行う場合には、バスBus1をバスBus3に接続する。接続素子9は、コントローラ31〜34と外部装置との通信を可能にする場合には、バスBus1をバスBus2に接続する。
【0031】
次に、光通信モジュール1の動作を説明する。光通信モジュール1が光通信を行っている場合について説明する。端子T1及び端子T2は、ホスト装置に接続されている。接続素子9は、バスBus1とバスBus2とを接続している。スイッチ素子55は、端子34bとバスBus2との接続をオンとしている。端子34bとバスBus2とはスイッチ素子55を介して接続されている。端子31aとバスBus2との接続は、スイッチ素子51によってオフされている。端子32aとバスBus2との接続は、スイッチ素子52によってオフされている。端子33aとバスBus2との接続は、スイッチ素子53によってオフされている。端子34aとバスBus2との接続は、スイッチ素子54によってオフされている。従って、端子T1、バスBus1、接続素子9、バスBus2、スイッチ素子55及び端子34bが接続されているので、通信用のコントローラ34は、端子T1にホスト装置が接続されている場合には、このホスト装置との間で通信データの送受信が行える。
また、スイッチ素子51〜55及び接続素子9によって、光通信モジュール1の内部において複数の通信経路が形成されるので、通信経路毎に異なる通信方式が用いられてもよい。よって、複数の種類の通信方式が利用可能となる。
【0032】
次に、光通信モジュール1が光通信を行う場合に用いられる接続素子9及びスイッチ素子51〜55の設定方法を説明する。まず、外部制御装置を端子T1及び端子T2に接続する。接続素子9は、外部制御装置から端子T2を介して入力される制御信号に基づいて、バスBus1とバスBus3とを接続する。この結果、端子T1、バスBus1、接続素子9、バスBus3及び制御回路7が接続される。
【0033】
この後、制御回路7は、外部制御装置から端子T1、バスBus1、接続素子9及びバスBus3を介して入力される制御信号に基づいて、端子34bとバスBus2との接続をオンにする制御信号を、スイッチ素子55に出力する。制御回路7は、外部制御装置から端子T1、バスBus1、接続素子9及びバスBus3を介して入力される制御信号に基づいて、端子31a〜34aのそれぞれとバスBus2との接続をオフにする制御信号を、スイッチ素子51〜54に出力する。制御回路7は、スイッチ素子51に対し、端子31aとバスBus2との接続をオフにする制御信号を出力する。制御回路7は、スイッチ素子52に対し、端子32aとバスBus2との接続をオフにする制御信号を出力する。制御回路7は、スイッチ素子53に対し、端子33aとバスBus2との接続をオフにする制御信号を出力する。制御回路7は、スイッチ素子54に対し、端子34aとバスBus2との接続をオフにする制御信号を出力する。この結果、バスBus2は、スイッチ素子55を介してコントローラ34の端子34bだけに接続され、端子31a〜34aには接続されない。
【0034】
この後、接続素子9は、外部制御装置から端子T2を介して入力される制御信号に基づいて、バスBus1とバスBus2とを接続する。この結果、端子T1、バスBus1、接続素子9、バスBus2、スイッチ素子55及び端子34bが接続され、通信用のコントローラ34は、端子T1にホスト装置が接続されている場合には、このホスト装置との間で通信データの送受信が行える。
【0035】
以上のように、端子T2を介して外部装置から入力される制御信号に応じて接続素子9がバスBus1とバスBus3とを接続し、端子T1と制御回路7とが接続される場合、端子T1を介して外部装置から入力される制御信号に応じて制御回路7がスイッチ素子51〜55の動作を制御することができるので、通信データを受けるコントローラ34の端子34bとバスBus2とが接続可能となる。端子34bとバスBus2とが接続された後に、端子T2を介して外部装置から入力される制御信号に応じて接続素子9がバスBus1とバスBus2とを接続する場合、端子T1とバスBus2とが接続されるので、通信データを受ける端子34bと外部装置に接続される端子T1とが接続される。従って、光通信モジュール1が、通信用のコントローラ34を含む場合には、端子T1を介してコントローラ34を含む一又は複数のコントローラに対しプログラムの変更が可能であると共に、この端子T1を介して通信用のコントローラ34と外部装置との間で通信データの送受信が行える。
【0036】
次に、光通信モジュール1に対してインシステムプログラミングを行う場合の光通信モジュール1の動作について説明する。特に、例えば、コントローラ31に搭載されているコンピュータプログラムを変更するインシステムプログラミングを行う場合について説明する。なお、以下に示す動作は、コントローラ31に限らず、コントローラ32〜34に搭載されているコンピュータプログラムを変更するインシステムプログラミングを行う場合でも同様である。光通信モジュール1に対するインシステムプログラミングは、例えば、光通信モジュール1の製造中に、及び、光通信モジュール1のメンテナンス中に、行われる。端子T1及び端子T2にはプログラミング装置が接続されている。接続素子9は、バスBus1とバスBus2とを接続している。スイッチ素子51は、端子31aとバスBus2との接続をオンとしている。端子31aとバスBus2とはスイッチ素子51を介して接続されている。端子32aとバスBus2との接続は、スイッチ素子52によってオフされている。端子33aとバスBus2との接続は、スイッチ素子53によってオフされている。端子34aとバスBus2との接続は、スイッチ素子54によってオフされている。端子34bとバスBus2との接続は、スイッチ素子55によってオフされている。従って、端子T1、バスBus1、接続素子9、バスBus2、スイッチ素子51及び端子31aが接続されているので、コントローラ31は、プログラミング装置が端子T1に接続されている場合には、プログラミング装置からのインシステムプログラミングが可能となる。
【0037】
次に、コントローラ31に搭載されているコンピュータプログラムを変更するインシステムプログラミングを行う場合に用いられる接続素子9及びスイッチ素子51〜55の設定方法を説明する。なお、以下に示す設定方法は、コントローラ31に限らず、コントローラ32〜34の何れの場合でも同様である。まず、外部制御装置を端子T1及び端子T2に接続する。接続素子9は、外部制御装置から端子T2を介して入力される制御信号に基づいて、バスBus1とバスBus3とを接続する。この結果、端子T1、バスBus1、接続素子9、バスBus3及び制御回路7が接続される。
【0038】
この後、制御回路7は、外部制御装置から端子T1、バスBus1、接続素子9及びバスBus3を介して入力される制御信号に基づいて、端子31aとバスBus2との接続をオンにする制御信号を、スイッチ素子51に出力する。制御回路7は、外部制御装置から端子T1、バスBus1、接続素子9及びバスBus3を介して入力される制御信号に基づいて、端子32a〜34a及び端子34bのそれぞれとバスBus2との接続をオフにする制御信号を、スイッチ素子52〜55に出力する。制御回路7は、スイッチ素子52に対し、端子32aとバスBus2との接続をオフにする制御信号を出力する。制御回路7は、スイッチ素子53に対し、端子33aとバスBus2との接続をオフにする制御信号を出力する。制御回路7は、スイッチ素子54に対し、端子34aとバスBus2との接続をオフにする制御信号を出力する。制御回路7は、スイッチ素子55に対し、端子34bとバスBus2との接続をオフにする制御信号を出力する。この結果、バスBus2は、スイッチ素子51を介してコントローラ31の端子31aだけに接続され、端子32a〜34a及び端子34bには接続されない。
【0039】
この後、接続素子9は、外部制御装置から端子T2を介して入力される制御信号に基づいて、バスBus1とバスBus2とを接続する。この結果、端子T1、バスBus1、接続素子9、バスBus2、スイッチ素子51及び端子31aが接続され、よって、プログラミング装置が端子T1に接続されている場合には、コントローラ31は、プログラミング装置からのインシステムプログラミングが可能となる。
【0040】
以上によって、端子T2を介して外部装置から入力される制御信号に応じて接続素子9がバスBus1とバスBus3とを接続する場合、端子T1と制御回路7とが接続されるので、端子T1を介して外部装置から入力される制御信号に応じて制御回路7がスイッチ素子51〜55の動作を制御することができる。よって、コントローラ31〜34に含まれる任意のコントローラとバスBus2とが接続可能となる。この後、端子T2を介して外部装置から入力される制御信号に応じて接続素子9がバスBus1とバスBus2とを接続する場合、端子T1とバスBus2とが接続されるので、バスBus2に接続されたコントローラに対し、プログラムの変更が、外部装置から端子T1を介して行うことが可能となる。従って、光通信モジュール1が備えるコントローラの台数にかかわらず、光通信モジュール1が備える全てのコントローラに対しインシステムプログラミングが行える。
【0041】
以上、好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
【符号の説明】
【0042】
Bus1,Bus2,Bus3…バス、1…光通信モジュール、31,32,33,34…コントローラ、31a,32a,33a,34a,34b,51a,52a,53a,54a,55a,T1,T2…端子、51,52,53,54,55…スイッチ素子、7…制御回路、9…接続素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信モジュールであって、
外部の装置に接続され、当該通信モジュールと外部の装置との間で送受信される信号を受ける第1及び第2の端子と、
前記第1の端子に接続されている第1のバスと、
コンピュータプログラムを搭載しており、このコンピュータプログラムの変更が可能な一又は複数のコントローラと、
前記一又は複数のコントローラのそれぞれに対して設けられており、前記一又は複数のコントローラのそれぞれに接続されている一又は複数のスイッチ素子と、
前記一又は複数のスイッチ素子に接続されている第2のバスと、
前記一又は複数のスイッチ素子に接続されている制御回路と、
前記制御回路に接続されている第3のバスと、
前記第1のバス、前記第2のバス、前記第3のバス及び前記第2の端子に接続されている接続素子と、
を備え、
前記一又は複数のコントローラのそれぞれは、前記コンピュータプログラムを変更する信号を受ける第3の端子を有しており、
前記一又は複数のスイッチ素子のそれぞれは、前記第3の端子を介して、前記一又は複数のコントローラのそれぞれに接続され、
前記制御回路は、前記一又は複数のスイッチ素子の動作を制御する信号を、前記一又は複数のスイッチ素子のそれぞれに出力することができ、
前記スイッチ素子は、前記第2のバスと、前記一又は複数のコントローラに含まれておりこのスイッチ素子に接続される一のコントローラの前記第3の端子との接続を、前記制御回路からの信号に基づいて、オン・オフし、
前記接続素子は、前記第2の端子を介して外部の装置から入力される信号に基づいて、前記第2のバス又は前記第3のバスの何れかを前記第1のバスに接続する、ことを特徴とする通信モジュール。
【請求項2】
前記第2のバスと前記制御回路とに接続されている他のスイッチ素子を更に備え、
前記一又は複数のコントローラは、通信データを受ける第4の端子を有する通信用のコントローラを含み、
前記通信用のコントローラは、前記第4の端子を介して前記他のスイッチ素子に接続され、
前記制御回路は、前記他のスイッチ素子の動作を制御する信号を、前記他のスイッチ素子に出力することができ、
前記他のスイッチ素子は、前記通信用のコントローラの前記第4の端子と前記第2のバスとの接続を前記制御回路からの信号に基づいてオン・オフする、ことを特徴とする請求項1に記載の通信モジュール。


【図1】
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【公開番号】特開2012−129862(P2012−129862A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280590(P2010−280590)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】