説明

通信制御装置、通信システム、通信制御方法、および通信制御プログラム

【課題】複数の機能を備えた通信制御装置に対して、ネットワーク構成に応じた機能が割り当てられる場合において、ユーザが各通信制御装置にどの機能を割り当てるかを決定して該機能を設定する負担を抑えることができる通信制御装置、通信システム、通信方法、および通信制御プログラムを提供する。
【解決手段】通信制御装置は、他の通信制御装置との間で通信を行うことによって、ネットワーク構成を特定する。通信制御装置は、フラッシュメモリに記憶された第一テーブル241を参照し、特定したネットワーク構成に対応する情報を選択する。通信制御装置は、選択した情報に基づき、ネットワーク構成に対応する其々の通信制御装置の機能を決定する。通信制御装置は、決定した機能を、通信制御装置および他の通信制御装置に設定する。通信制御装置および他の通信制御装置は、設定された機能に基づいて処理を実行し、通信装置間の通信を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置間の通信を制御する通信制御装置、通信システム、通信制御方法、および通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介した通信装置間の通信を制御する通信制御装置として、ルータ、モデム、ゲートウェイ等が知られている。また、通信制御装置における複雑な設定情報の設定を容易化する技術が提案されている。例えば特許文献1では、ルータの接続パラメータを効率よく設定することが可能な技術が開示されている。詳細には次のとおりである。ルータと接続するコンピュータは、設定対象とするルータに適正な接続パラメータおよび設定手順を、データベースに問い合わせる。コンピュータは、問合せに応じてデータベースから提供される接続パラメータおよび設定手順を取得する。コンピュータは、取得した接続パラメータおよび設定手順に基づいて、ルータに対する接続パラメータの設定を行う。これによってユーザは、ルータのメーカ、機種、およびファームウェア、並びに、使用されるプロバイダおよび接続事業者等が相違する場合であっても、ルータに対して容易に接続パラメータを設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−134967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一の通信制御装置が、通信装置間の通信制御に必要な複数の機能を備えている場合を想定する。通信装置の数が増加した場合や、通信制御装置が複数の機能を同時に実行する場合、通信制御装置の処理の負荷は増大する。これに対し、複数の機能を備えた複数の通信制御装置を利用し、複数の機能を分担して個々の通信制御装置に実行させることによって、其々の通信制御装置の処理の負荷を軽減させることができる。この場合、ネットワーク構成に応じて其々の通信制御装置に適正な機能を割り当て、該機能を通信制御装置に設定する必要がある。
【0005】
ここで、特許文献1に記載された技術を用いた場合、データベースは、ネットワーク構成に応じて其々の通信制御装置に割り当てる機能を判断できない。このため、通信制御装置に対して機能を設定するためには、其々の通信制御装置に適正な機能をユーザが決定し、ユーザが通信制御装置に対して手動で機能を設定しなければならなくなる。このため、ユーザの手間を要してしまうばかりでなく、ユーザによる機能の決定ミス等が発生した場合、通信制御装置への機能の設定が正確に実行されなくなるという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、複数の機能を備えた通信制御装置に対して、ネットワーク構成に応じた機能が割り当てられる場合において、ユーザが各通信制御装置にどの機能を割り当てるかを決定して該機能を設定する負担を抑えることができる通信制御装置、通信システム、通信制御方法、および通信制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係る通信制御装置は、通信装置間に介在し、複数の機能を実行可能な通信制御装置であって、WAN側に接続された他の前記通信制御装置と通信を行うためのWANインタフェースと、LAN側に接続された他の前記通信制御装置と通信を行うためのLANインタフェースと、前記通信制御装置および前記他の通信制御装置の接続関係を示すネットワーク構成を、前記WANインタフェースおよび前記LANインタフェースのうち少なくとも一方を介して前記他の通信制御装置と通信が行われることによって特定する特定手段と、前記ネットワーク構成における其々の前記通信制御装置に割り当てる機能が前記ネットワーク構成毎に対応付けられて記憶手段に記憶された情報を参照することによって、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記通信制御装置の前記機能を決定する第一決定手段と、前記第一決定手段によって決定された前記機能を、前記通信制御装置に設定する第一設定手段とを備えている。
【0008】
第一態様によれば、通信制御装置は、ネットワーク構成に応じた適切な機能を、通信装制御置に設定することができる。従って、ユーザが通信制御装置の機能を決定し、通信制御装置に対して設定を行う必要がない。このためユーザは、機能の決定および設定の手間を省くことができるとともに、機能の決定ミス等によって通信制御装置に適正な機能が設定されない不具合を防止することが可能となる。
【0009】
第一態様において、前記記憶手段に記憶された前記情報を参照することによって、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記他の通信制御装置の前記機能を決定する第二決定手段を備えていてもよい。前記第二決定手段によって決定された前記機能を、前記他の通信制御装置に対して通知する第一通知手段を備えていてもよい。前記他の通信制御装置から通知された前記機能を受け付ける第一受付手段を備えていてもよい。前記第一受付手段によって前記他の通信制御装置から受け付けた前記機能を、前記通信制御装置に設定する第二設定手段を備えていてもよい。通信制御装置は、ネットワーク構成に含まれる他の通信制御装置の機能を、他の通信制御装置に設定することができる。従って、ユーザが他の通信制御装置の機能を決定し、他の通信制御装置に対して設定を行う必要がない。このためユーザは、機能の決定および設定の手間を更に省くことができる。
【0010】
第一態様において、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成を、前記他の通信制御装置に対して通知する第二通知手段を備えていてもよい。前記他の通信制御装置から通知された前記ネットワーク構成を受け付ける第二受付手段を備えていてもよい。前記第一設定手段は、前記第二受付手段によって前記他の通信制御装置から受け付けた前記ネットワーク構成と、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成とが一致する場合に、前記第一決定手段によって決定された前記機能を、前記通信制御装置に設定してもよい。これによって、実際とは異なるネットワーク構成に対応する機能が通信装置に設定されてしまうことを防止できる。従って通信制御装置は、適正な機能を実行することができる。
【0011】
第一態様において、前記記憶手段に記憶された前記情報を参照することによって、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記他の通信制御装置の前記機能を決定する第二決定手段を備えてもよい。前記第二通知手段は、前記第二決定手段によって決定された前記機能を、前記他の通信制御装置に対して通知してもよい。前記第二受付手段は、前記他の通信制御装置から通知された前記機能を受け付けてもよい。前記第一設定手段は、前記第二受付手段によって前記他の通信制御装置から受け付けた前記機能と、前記第一決定手段によって決定された前記機能とが一致する場合に、前記第一決定手段によって決定された前記機能を前記通信制御装置に設定してもよい。これによって通信制御装置は、実際のネットワーク構成に対して適切な機能を、通信制御装置に設定することができる。
【0012】
第一態様において、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成を、前記他の通信制御装置に対して通知する第二通知手段を備えていてもよい。前記他の通信制御装置から通知された前記ネットワーク構成を受け付ける第二受付手段を備えていてもよい。前記第二設定手段は、前記第二受付手段によって前記他の通信制御装置から受け付けた前記ネットワーク構成と、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成とが一致する場合に、前記第一受付手段によって受け付けられた前記機能を前記通信制御装置に設定してもよい。これによって、実際とは異なるネットワーク構成に対応する機能が通信装置に設定されてしまうことを防止できる。従って通信制御装置は、適正な機能を実行することができる。
【0013】
第一態様において、前記第二通知手段は、前記第二決定手段によって決定された前記機能を、前記他の通信制御装置に対して通知してもよい。前記第二受付手段は、前記他の通信制御装置から通知された前記機能を受け付けてもよい。前記第二設定手段は、前記第二受付手段によって前記他の通信制御装置から受け付けた前記機能と、前記第一決定手段によって決定された前記機能とが一致する場合に、前記第一受付手段によって受け付けられた前記機能を前記通信制御装置に設定してもよい。これによって通信制御装置は、実際のネットワーク構成に対して適切な機能を、通信制御装置に設定することができる。
【0014】
第一態様において、WAN側に前記他の通信制御装置が接続されている場合に、WAN側に接続された前記他の通信制御装置であるWAN側装置に対して、前記通信制御装置を識別する識別情報を、WAN側に接続されている旨を通知する情報と共に送信し、LAN側に前記他の通信制御装置が接続されている場合に、LAN側に接続された前記他の通信制御装置であるLAN側装置に対して、前記通信制御装置を識別する識別情報を、LAN側に接続されている旨を通知する情報と共に送信する送信手段をそなえていてもよい。前記WAN側装置および前記LAN側装置のうち少なくとも一方から送信された前記識別情報および前記情報を受信する受信手段を備えていてもよい。前記特定手段は、前記受信手段によって受信された前記識別情報および前記情報に基づいて、前記ネットワーク構成を特定してもよい。これによって通信制御装置は、簡易な方法でネットワーク構成を特定することができる。
【0015】
第一態様において、前記第一決定手段は、前記受信手段によって前記WAN側装置から受信された前記識別情報および前記情報に基づき、前記WAN側装置のWAN側に前記通信制御装置が接続されていると判断された場合に、前記通信制御装置の前記機能としてVirtual Private Network(VPN)を決定してもよい。これによって通信制御装置は、簡易な方法で、通信制御装置の機能を詳細に決定することができる。
【0016】
第一態様において、WAN側に前記他の通信制御装置が接続されている場合に、WAN側に接続された前記他の通信制御装置であるWAN側装置に対して、前記通信制御装置を識別する識別情報を、WAN側に接続されている旨を通知する情報と共に送信する送信手段を備えていてもよい。前記WAN側装置から送信された前記識別情報を受信する受信手段を備えていてもよい。前記第二決定手段は、前記受信手段によって前記WAN側装置から受信された前記識別情報および前記情報に基づき、前記WAN側装置のWAN側に前記通信制御装置が接続されていると判断された場合に、前記WAN側装置の前記機能としてVirtual Private Network(VPN)を決定してもよい。これによって通信制御装置は、簡易な方法で、他の通信制御装置の機能を詳細に決定することができる。
【0017】
第一態様において、其々の前記機能に対応する設定値が入力される外部機器から、前記設定値を含む前記設定情報を受け付ける第三受付手段を備えていてもよい。前記第三受付手段によって受け付けられた前記設定情報のうち、前記第一設定手段によって設定された前記機能に対応する前記設定情報に含まれる前記設定値を、前記通信制御装置に設定する第三設定手段を備えていてもよい。これによってユーザは、外部機器に設定情報を一括入力することによって、ネットワーク構成に含まれる通信制御装置に対して設定情報を設定することができる。従って、ユーザが通信制御装置に対し設定情報を設定する手間を抑えることができる。
【0018】
本発明の第二態様に係る通信システムは、通信装置間に介在する通信制御装置、および、前記通信制御装置のWAN側およびLAN側のうち少なくとも一方に接続される他の通信制御装置を少なくとも備えた通信システムであって、前記通信制御装置は、前記通信制御装置および前記他の通信制御装置の接続関係を示すネットワーク構成を、前記他の通信制御装置と通信が行われることによって特定する特定手段と、前記ネットワーク構成における其々の前記通信制御装置に割り当てる機能が前記ネットワーク構成毎に対応付けられて記憶手段に記憶された情報を参照することによって、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記通信制御装置の前記機能を決定する第一決定手段と、前記第一決定手段によって決定された前記機能を、前記通信制御装置に設定する第一設定手段と前記記憶手段に記憶された前記情報を参照することによって、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記他の通信制御装置の前記機能を決定する第二決定手段と、前記第二決定手段によって決定された前記機能を、前記他の通信制御装置に対して通知する第一通知手段とを備え、前記他の通信制御装置は、前記通信制御装置から通知された前記機能を受け付ける第一受付手段と、前記第一受付手段によって前記通信制御装置から受け付けた前記機能を、前記他の通信制御装置に設定する第二設定手段とを備えている。
【0019】
第二態様によれば、通信制御装置は、ネットワーク構成に応じた適切な機能を、通信制御装置に設定することができる。従って、ユーザが通信制御装置の機能を決定し、通信制御装置に対して設定を行う必要がない。このためユーザは、機能の決定および設定の手間を省くことができるとともに、機能の決定ミス等によって通信制御装置に適正な機能が設定されない不具合を防止することが可能となる。
【0020】
また通信制御装置は、ネットワーク構成に含まれる他の通信制御装置の機能を、他の通信制御装置に設定することができる。従って、ユーザが他の通信制御装置の機能を決定し、他の通信制御装置に対して設定を行う必要がない。このため、ユーザによる機能の決定および設定の手間を更に省くことができる。
【0021】
本発明の第三態様に係る通信制御方法は、通信制御装置、および、前記通信制御装置のWAN側およびLAN側のうち少なくとも一方に接続される他の通信制御装置の接続関係を示すネットワーク構成を特定する特定ステップと、前記ネットワーク構成における其々の前記通信制御装置に割り当てる機能が前記ネットワーク構成毎に対応付けられて記憶手段に記憶された情報を参照することによって、前記特定ステップによって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記通信制御装置の前記機能を決定する第一決定ステップと、前記第一決定ステップによって決定された前記機能を、前記通信制御装置に対して設定する第一設定ステップと前記記憶手段に記憶された前記情報を参照することによって、前記特定ステップによって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記他の通信制御装置の前記機能を決定する第二決定ステップと、前記第二決定ステップによって決定された前記機能を、前記他の通信制御装置に対して通知する第一通知ステップと、前記他の通信制御装置から通知された前記機能を受け付ける第一受付ステップと、前記第一受付ステップによって前記通信制御装置から受け付けた前記機能を、前記通信制御装置に設定する第二設定ステップとを備えている。第三態様によれば、第一態様と同様の効果を奏することができる。
【0022】
本発明の第四態様に係る通信制御プログラムは、通信制御装置、および、前記通信制御装置のWAN側およびLAN側のうち少なくとも一方に接続される他の通信制御装置の接続関係を示すネットワーク構成を、WANインタフェースおよびLANインタフェースのうち少なくとも一方を介して前記他の通信制御装置と通信を行うことによって特定する特定ステップと、前記ネットワーク構成における其々の前記通信制御装置に割り当てる機能が前記ネットワーク構成毎に対応付けられて記憶手段に記憶された情報を参照することによって、前記特定ステップによって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記通信制御装置の前記機能を決定する第一決定ステップと、前記第一決定ステップによって決定された前記機能を、前記通信制御装置に対して設定する第一設定ステップとを通信制御装置のコンピュータに実行させる。第四態様によれば、第一態様と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】通信システム1の概要、および、通信制御装置10の電気的構成を示す図である。
【図2】メイン処理を示すフローチャートである。
【図3】情報収集処理を示すフローチャートである。
【図4】接続情報41、および接続情報41による通信の様子を示す図である。
【図5】構成特定処理を示すフローチャートである。
【図6】接続情報41、および接続情報41による通信の様子を示す図である。
【図7】第一テーブル241を示す図である。
【図8】第二テーブル242を示す図である。
【図9】設定受付処理を示すフローチャートである。
【図10】収集処理を示すフローチャートである。
【図11】設定用画面42を示す模式図である。
【図12】設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0025】
図1を参照し、通信システム1について説明する。通信システム1は、通信制御装置11、12、13を備えている。通信制御装置11のWAN側にインターネット網16が接続し、LAN側に通信制御装置12が接続している。通信制御装置12のWAN側に通信制御装置11が接続し、LAN側に通信制御装置13が接続している。通信制御装置13のWAN側に通信制御装置12が接続し、LAN側に通信装置31、32、33が接続している。また通信制御装置12には、アナログ電話14が接続されている。以下、通信制御装置11、12、13を区別しない場合または総称する場合、これらを通信制御装置10という。通信装置31、32、33を区別しない場合または総称する場合、これらを通信装置30という。通信制御装置10の一例として、周知のルータ、モデム、ゲートウェイが挙げられる。通信装置30の一例として、通話端末、WiFi機能付のPCなどが挙げられる。なお、其々の通信制御装置10に割り当てられた符号(11、12、13)は、通信制御装置10のIDも示しているものとする。通信制御装置10は、インターネット網16を介しWebサーバなどの通信装置17と接続される。すなわち通信制御装置10は、通信装置30および通信装置17間に介在する。
【0026】
各通信制御装置10は、通信装置30から送信されたデータを、他の通信制御装置10、他の通信装置30、およびインターネット網16を介して通信装置17に中継転送することによって、通信装置30が実行する通信を制御する。通信制御装置10は、通信を制御するために必要な複数の機能を備えている。通信制御装置10が備える機能として、Point-to-point protocol over Ethernet(PPPoE)機能、ルーティング機能、WiFi機能、Voice over Internet Protocol(VoIP)機能、Virtual Private Network(VPN)機能がある。
【0027】
通信制御装置10は、通信制御装置10のネットワーク構成を独自に特定し、且つ、判断したネットワークに応じて最適な機能を独自に決定する。通信制御装置10は、決定した機能に基づいて処理を実行することによって、通信の制御を行う。これによって通信制御装置10は、複数の機能を他の通信制御装置10とともに分担して実行することができるので、一の通信制御装置10が全ての機能を同時に実行する場合と比較して、通信制御装置10の処理の負荷を軽減させることができる。
【0028】
例えば、通信制御装置10が図1に示すネットワーク構成を有している状態で、複数の機能を其々の通信制御装置10が分担して実行する場合を例に挙げて説明する。通信制御装置10は、複数の機能を他の通信制御装置10とともに分担することで処理の負荷を分散させるために、ネットワーク構成に応じた適切な機能を決定して実行し、通信制御を行う。具体的には次のとおりである。通信制御装置11は、インターネット網16に直接接続しているので、インターネット網16を介した通信を行うための機能であるPPPoE機能およびルーティング機能に基づいて通信制御を行う。通信制御装置13は、通信装置30と直接通信を行うことになるので、通信装置30と無線通信を行うための機能であるWiFi機能に基づいて通信制御を行う。通信制御装置12は、通信装置30とアナログ電話12との間で音声通話を実現させるために、音声の符号化等を行うための機能であるVoIP機能に基づいて通信制御を行う。例えば通信制御装置12は、アナログ電話14から受信したアナログ音声をデジタル音声に変換し、または、通信装置30から受信したデジタル音声をアナログ音声に逆変換する。このような機能を実行することによって、音声処理装置12は、アナログ電話14と通信装置30間で音声通話を実現させることができる。
【0029】
通信制御装置11には、外部機器18が接続されている。外部機器18として、周知のPCを使用することができる。外部機器18は、通信制御装置10に対して設定する設定情報を入力する場合に、ユーザによって使用される。なお外部機器18は、通信制御装置11に限らず通信制御装置12、13にも接続することが可能である。詳細は後述する。
【0030】
なお図1で示したネットワーク構成は一例であり、其々の通信制御装置10が実行する機能は、ネットワーク構成によって異なる。本発明では、其々の通信制御装置10がネットワーク構成に応じた最適な機能を決定し、決定した機能を実行することによって、通信装置30の通信を制御する。これによって通信制御装置10は、様々なネットワーク構成に対応した適切な機能を実行することができる。
【0031】
通信制御装置10の電気的構成について説明する。通信制御装置10は、通信制御装置10の制御を司るCPU21を備えている。CPU21は、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、LED25、WANインタフェース(以下、WAN I/Fという。)26、および、LANインタフェース(以下、LAN I/Fという。)27と電気的に接続している。ROM22は、書き換え可能な不揮発性メモリである。ROM22には、ブートプログラム、BIOS、OS等が記憶される。RAM23には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。フラッシュメモリ24には、CPU21の制御プログラムが記憶される。またフラッシュメモリ24には、機能情報、設定情報、設定済みフラグ、第一テーブル241、および第二テーブル242が記憶される。其々の詳細は後述する。WAN I/F26は、WAN側に接続した他の通信制御装置10と通信を行うためのインタフェースである。LAN I/F27は、LAN側に接続した他の通信制御装置10や通信装置30と通信を行うためのインタフェースである。アナログインタフェース(以下、アナログI/Fという。)28は、アナログ電話14と通信を行うためのインタフェースである。
【0032】
図2から図12を参照し、通信制御装置10が実行する処理について説明する。メイン処理(図2参照)は、フラッシュメモリ24に記憶されている通信制御プログラムに従って、通信制御装置10のCPU21が実行する。CPU21は、通信制御装置10の電源がONされると、メイン処理を開始する。またCPU21は、メイン処理中で、情報収集処理(図3参照)、構成特定処理(図5参照)、設定受付処理(図9参照)、収集処理(図10参照)、および設定処理(図12参照)を実行する。
【0033】
図2を参照し、メイン処理について説明する。CPU21は、通信制御装置10の動作モードが、ネットワーク構成の特定および機能の決定、並びに、機能および設定情報の設定を実行するための動作モードに設定されたかを判断する(S11)。以下、ネットワーク構成の特定および機能の決定、並びに、機能および設定情報の設定を実行するための動作モードを、設定モードという。例えば、通信制御装置10の電源がONされた直後に図示外のリセットボタンが押下された場合、CPU21は、設定モードに設定されたと判断する。設定モードに設定されていないと判断した場合(S11:NO)、CPU21は、通常の動作モードによる動作を開始する(S30)。具体的には次のとおりである。はじめにCPU21は、フラッシュメモリ24(図1参照)に記憶された機能情報を参照する。機能情報は、通信制御装置10に設定された機能を示す情報である。CPU21は、参照した機能情報によって示される機能を通信制御装置10が実行可能なように、機能を有効化する。次にCPU21は、フラッシュメモリ24(図1参照)に記憶された設定情報を参照する。設定情報は、機能に対応する詳細な設定条件を示す情報である。例えば、PPPoE機能に対応する設定情報として、ユーザID、パスワード、DNSサーバ設定等がある。ルーティング機能に対応する設定情報として、ルーティングテーブル設定、フィルタリングルール設定等がある。WiFi機能に対応する設定情報として、SSID、暗号化方式、パスワード等がある。VoIP機能の設定情報として、SIPサーバアドレス、SIPアカウント情報等がある。VPN機能の設定情報として、暗号化方式、パスワード等がある。CPU21は、参照した設定情報に基づいて通信制御装置10が機能を実行可能なように、有効化した機能を調整する。以下、通常の動作モードを通常モードという。メイン処理は終了する。
【0034】
一方、CPU21は、設定モードに設定されたと判断した場合(S11:YES)、通信制御装置10のネットワーク構成を特定するために必要な情報を収集する処理(情報収集処理、図3参照)を実行する(S13)。
【0035】
図3を参照し、情報収集処理について説明する。CPU21は、LAN側に他の通信制御装置10が接続しているか否かを、LAN I/F27の電気的状態に基づいて判断する(S31)。LAN側に他の通信制御装置10が接続している場合(S33:YES)、CPU21は、自身のID、および、LAN側に他の通信制御装置10が接続している旨を接続情報に格納し、LAN側に接続する他の通信制御装置10に対して送信する(S35)。接続情報の詳細は後述する。処理はS37に進む。一方、LAN側に他の通信制御装置10が接続していない場合(S33:NO)、処理はS37に進む。
【0036】
CPU21は、WAN側に他の通信制御装置10が接続しているか否かを、WAN I/F26の電気的状態に基づいて判断する(S37)。WAN側に他の通信制御装置10が接続している場合(S39:YES)、CPU21は、自身のID、および、WAN側に他の通信制御装置10が接続している旨を接続情報に格納し、WAN側に接続する他の通信制御装置10に対して送信する(S41)。接続情報の詳細は後述する。処理はS43に進む。一方、WAN側に他の通信制御装置10が接続していない場合(S39:NO)、処理はS43に進む。
【0037】
CPU21は、LAN側から接続情報を受信したかを判断する(S43)。LAN側から接続情報を受信していない場合(S43:NO)、処理はS49に進む。LAN側から接続情報を受信した場合(S43:YES)、CPU21は、WAN側に他の通信制御装置10が接続しているかを判断する(S45)。WAN側に他の通信制御装置10が接続している場合(S45:YES)、CPU21は、WAN側に接続する他の通信制御装置10に対して、S43において受信した接続情報を転送する(S47)。なおCPU21は、必要に応じ、自身のID、および、LAN側に他の通信制御装置10が接続している旨を、LAN側から受信した接続情報に格納して転送する(詳細は後述する)。処理はS49に進む。一方、WAN側に他の通信制御装置10が接続していない場合(S45:NO)、処理はS49に進む。
【0038】
CPU21は、WAN側から接続情報を受信したかを判断する(S49)。WAN側から接続情報を受信していない場合(S49:NO)、処理はS55に進む。WAN側から接続情報を受信した場合(S49:YES)、CPU21は、LAN側に他の通信制御装置10が接続しているかを判断する(S51)。LAN側に他の通信制御装置10が接続している場合(S51:YES)、CPU21は、LAN側に接続する他の通信制御装置10に対して、S49において受信した接続情報を転送する(S53)。なおCPU21は、必要に応じて、自身のID、および、WAN側に他の通信制御装置10が接続している旨を、WAN側から受信した接続情報に格納して転送する(詳細は後述する)。処理はS55に進む。一方、LAN側に他の通信制御装置10が接続していない場合(S51:NO)、処理はS55に進む。
【0039】
CPU21は、情報収集処理が開始されてから所定時間が経過したかを判断する(S55)。情報収集処理が開始されてから所定時間が経過していない場合(S55:NO)、接続状態のチェックおよび接続情報の通信を継続して行うために、処理はS31に戻る。情報収集処理が開始されてから所定時間が経過した場合(S55:YES)、情報収集処理は終了し、処理はメイン処理(図2参照)に戻る。
【0040】
図4を参照し、接続情報41の詳細、および、情報収集処理(図3参照)において実行される処理の詳細について説明する。接続情報41には、IDおよびネットワークの種別が格納される。図4に示すネットワーク構成を有している場合であって、通信制御装置13のCPU21において情報収集処理が実行された場合、CPU21は、WAN側に他の通信制御装置10(通信制御装置12)が接続されているので(S39:YES、図3参照)、自身のID 13をID−1として接続情報412に格納する。またCPU21は、WAN側に他の通信制御装置10(通信制御装置12)が接続されている旨を、種別−1としてID−1と関連付けて接続情報412に格納する。以下、WAN側に他の通信制御装置10が接続されている旨を種別として格納することを、種別にWANを格納するという。またCPU21は、ID−2および種別−2に、格納する情報が無い旨を示す情報を格納する。以下、格納する情報が無い旨を示す情報をIDおよび種別に格納することを、IDおよび種別にunknownを格納するという。CPU21は、通信制御装置13のWAN側に接続した他の通信制御装置10(通信制御装置12)に対して、接続情報412を送信する(S41、図2参照)。
【0041】
一方、通信制御装置12のCPU21において情報収集処理が実行された場合、CPU21は、LAN側に接続する他の通信制御装置10(通信制御装置13)から接続情報412を受信する(S43:YES、図3参照)。CPU21は、WAN側に他の通信制御装置10(通信制御装置11)が接続されているので(S45:YES、図3参照)、受信した接続情報のID−2として、自身のIDを格納する。またCPU21は、受信した接続情報の種別−2として、LAN側に他の通信制御装置10(通信制御装置13)が接続されている旨を格納する。以下、LAN側に他の通信制御装置10が接続されている旨を種別として格納することを、種別にLANを格納するという。CPU21は、通信制御装置12のWAN側に接続した他の通信制御装置10(通信制御装置11)に対して、接続情報411を転送する(S47、図3参照)。
【0042】
なお図示されていないが、通信制御装置12のCPU21は、WAN側に他の通信制御装置10(通信制御装置11)が接続されているので(S39:YES、図3参照)、ID−1:12、種別−1:WAN、ID−2および種別−2:unknownを格納した接続情報414(図6参照、後述)を、WAN側に接続した他の通信制御装置10(通信制御装置11)に対して送信する(S41、図3参照)。また通信制御装置12のCPU21は、LAN側に他の通信制御装置10(通信制御装置13)が接続されているので(S33:YES、図3参照)、ID−1:12、種別−1:LAN、ID−2および種別−2:unknownを格納した接続情報415(図6参照、後述)を、LAN側に接続した他の通信制御装置10(通信制御装置13)に対して送信する(S35、図3参照)。また通信制御装置11のCPU21は、LAN側に他の通信制御装置10(通信制御装置12)が接続されているので(S33:YES、図3参照)、ID−1:11、種別−1:LAN、ID−2および種別−2:unknownを格納した接続情報413(図6参照、後述)を、LAN側に接続した他の通信制御装置10(通信制御装置12)に対して送信する(S35、図3参照)。また通信制御装置12のCPU21は、WAN側に接続する他の通信制御装置10(通信制御装置11)から接続情報(図示外)を受信する(S49:YES、図3参照)。CPU21は、LAN側に他の通信制御装置10(通信制御装置13)が接続されているので(S51:YES、図3参照)、受信した接続情報のID−2に自身のIDを格納し、種別−2にWANを格納する。CPU21は、LAN側に接続した他の通信制御装置10(通信制御装置13)に対して、接続情報(図示外)を転送する(S53、図3参照)。
【0043】
なお、図4のネットワーク構成とは異なり、例えば通信制御装置11のWAN側に他の通信制御装置10がさらに接続されている場合であって、通信制御装置12から送信された接続情報411を通信制御装置11が受信した場合を想定する。この場合、通信制御装置11のCPU21は、接続情報411に新たな情報を格納することなく、WAN側に接続した他の通信制御装置10に対して接続情報411をそのまま転送する。
【0044】
図2に示すように、情報収集処理(S13)の終了後、CPU21は、ネットワーク構成を特定する処理(構成特定処理、図5参照)を実行する(S15)。図5を参照し、構成特定処理について説明する。CPU21は、情報収集処理(S13、図3参照)において収集した接続情報に基づいてネットワーク構成を特定する(S61)。具体的には以下のようにしてネットワーク構成が特定される。
【0045】
図6を参照し、ネットワーク構成の特定方法について説明する。通信制御装置12のCPU21は、LAN側に接続された他の通信制御装置10(通信制御装置13)から受信した接続情報412に基づき、通信制御装置12のLAN側と、通信制御装置13のWAN側とが接続されていることを認識する。接続情報412には、ID−1として13が格納されており、種別−1としてWANが格納されているためである。またCPU21は、通信制御装置13のLAN側に他の通信制御装置10が接続されていないことを認識する。接続情報412には、ID−2および種別−2としてunknownが格納されているためである。同様にCPU21は、WAN側に接続された他の通信制御装置10(通信制御装置11)から受信した接続情報413に基づき、通信制御装置12のWAN側と、通信制御装置11のLAN側とが接続されていることを認識する。接続情報413には、ID−1として11が格納されており、種別−1としてLANが格納されているためである。またCPU21は、通信制御装置11のWAN側に他の通信制御装置10が接続されていないことを認識する。接続情報413には、ID−2および種別−2としてunknownが格納されているためである。以上のようにして通信制御装置12のCPU21は、通信制御装置10のネットワーク構成を、「通信制御装置11(LAN側)−(WAN側)通信制御装置12(LAN側)−(WAN側)通信制御装置13」のように特定する。
【0046】
なお、通信制御装置11のCPU21でも同様に、ネットワーク構成の特定が試みられる。通信制御装置11のCPU21は、LAN側に接続された他の通信制御装置10(通信制御装置12)から受信した接続情報414に基づき、通信制御装置11のLAN側と、通信制御装置12のWAN側とが接続されていることを認識する。またCPU21は、LAN側に接続された他の通信制御装置(通信制御装置12)から受信した接続情報411(図4参照)に基づき、通信制御装置12のLAN側と、通信制御装置13のWAN側とが接続されていることを認識する。接続情報411には、ID−1として13が格納されており、種別−1としてWANが格納されているためである。さらに接続情報411には、ID−2として12が格納されており、種別−2としてLANが格納されているためである。以上のようにして通信制御装置11のCPU21は、通信制御装置12のCPU21において特定されたネットワーク構成と同様のネットワーク構成を特定する。なお通信制御装置13のCPU21においても同様の処理が行われ、通信制御装置11、12のCPU21において特定されたネットワーク構成と同様のネットワーク構成が特定される。以上のようにして通信制御装置10は、通信制御装置10間で接続情報による通信を行うことによって、簡易な方法でネットワーク構成を特定することができる。
【0047】
図5に示すように、CPU21は、上述のようにしてネットワーク構成を特定することに成功したかを判断する(S63)。受信した接続情報41(図6参照)間で相互に矛盾が発生し、ネットワーク構成を特定することができなかった場合、CPU21は、ネットワーク構成の特定に失敗したと判断する(S63:NO)。CPU21は、LED25(図1参照)を点灯することによって、エラーが発生したことをユーザに通知する(S81)。構成特定処理は終了し、処理はメイン処理(図2参照)に戻る。一方、ネットワーク構成を特定することに成功した場合(S63:YES)、CPU21は、特定されたネットワーク構成における其々の通信制御装置10の機能を、フラッシュメモリ24に記憶された第一テーブル241(図7参照)を参照することによって特定する(S65)。詳細は以下のとおりである。
【0048】
図7に示すように、第一テーブル241には、ネットワーク構成と、ネットワーク構成における其々の通信制御装置10に割り当てる機能が対応付けて記憶されている。通信制御装置10のCPU21は、第一テーブル241のうち、特定したネットワーク構成に対応する情報を選択する。CPU21は、選択した情報に基づき、ネットワーク構成における其々の通信制御装置10の機能を決定する。例えば図6に示すネットワーク構成が特定された場合、第一テーブル241のインデックス2の情報が、特定されたネットワーク構成に対応することになる。インデックス2の情報のうちP、Q、Rが、其々、通信制御装置11、12、13に相当する。従ってCPU21は、通信制御装置11の機能としてPPPoE機能およびルーティング機能を決定し、通信制御装置12の機能としてVoIP機能を決定し、通信制御装置13の機能としてWiFi機能を決定する。
【0049】
一方、図6とは異なるネットワーク構成において、例えば通信制御装置12が、WAN側に接続した通信制御装置11から、ID−1:11、種別−1:WAN、ID−2:unknown、種別−2:unknownが格納された接続情報を受信したとする。また通信制御装置12が、WAN側に接続した通信制御装置13から、ID−1:13、種別−1:WAN、ID−2:unknown、種別−2:unknownが格納された接続情報を受信したとする。通信制御装置12は、通信制御装置12のWAN側と通信制御装置11のWAN側、および、通信制御装置12のWAN側と通信制御装置13のWAN側が接続されたネットワーク構成を特定する。この場合、第一テーブル241のインデックス5の情報が、特定されたネットワーク構成に対応することになる。インデックス5の情報のうちP、Q、Rが、其々、通信制御装置11、12、13に相当する。従ってCPU21は、通信制御装置11、12、13の機能として、VPN機能を決定する。このように通信制御装置10は、簡易な方法で、通信制御装置10の機能を詳細に決定することができる。
【0050】
図5に示すように、CPU21は、ネットワーク構成における其々の通信制御装置10に割り当てる機能を決定することに成功したかを判断する(S67)。特定されたネットワーク構成に対応する情報が、第一テーブル241(図7参照)に記憶されていない場合、CPU21は、機能の決定に失敗したと判断する(S67:NO)。CPU21は、LED25(図1参照)を点灯することによって、エラーが発生したことをユーザに通知する(S81)。構成特定処理は終了し、処理はメイン処理(図2参照)に戻る。
【0051】
一方、其々の通信制御装置10に割り当てる機能の決定に成功した場合(S67:YES)、CPU21は、S61で特定したネットワーク構成、および、S65で決定した機能を、他の通信制御装置10に対して通知するために、第一通知データを他の通信制御装置10に対して送信する(S69)。第一通知データには、ネットワーク構成、ネットワーク構成に対応する其々の通信制御装置10のID、および、其々の通信制御装置10に対応する機能が含められる。以下、ネットワーク構成、ネットワーク構成に対応する其々の通信制御装置10のID、および、其々の通信制御装置10に対応する機能を示す情報を、構成機能情報という。
【0052】
なお、他の通信制御装置10においても同様に、構成機能情報を含む第一通知データが送信されている。CPU21は、他の通信制御装置10から送信された第一通知データを受信したかを判断する(S71)。他の通信制御装置10から送信された第一通知データを受信した場合(S71:YES)、CPU21は、受信した第一通知データに含められた構成機能情報をRAM23に記憶する(S73)。処理はS75に進む。一方、他の通信制御装置10から第一通知データを受信できない場合(S71:NO)、処理はS75に進む。CPU21は、S69で第一通知データを送信してから所定時間が経過したかを判断する(S75)。第一通知データを送信してから所定時間が経過していない場合(S75:NO)、処理はS71に戻る。一方、第一通知データを送信してから所定時間が経過した場合(S75:YES)、処理はS77に進む。
【0053】
CPU21は、RAM23に記憶された構成機能情報を参照することによって、他の通信制御装置10において特定されたネットワーク構成および決定された機能と、S61、65で特定されたネットワーク構成および決定された機能とが一致するかを判断する。この判断によってCPU21は、S61、65で特定したネットワーク構成および決定された機能の妥当性を判断する(S77)。双方が一致する場合、CPU21は、ネットワーク構成および機能が妥当であり、ネットワーク構成の特定および機能の決定に成功したと判断する(S79:YES)。ネットワーク構成および機能は、フラッシュメモリ24の第二テーブル242(図8参照、後述)に記憶される(S83)。構成特定処理は終了し、処理はメイン処理(図2参照)に戻る。
【0054】
図8を参照し、第二テーブル242について説明する。第二テーブル242には、ID、機能、および設定情報が対応付けて記憶されている。例えば上述において、図7のインデックス2の情報に基づいてネットワーク構成が特定され、且つ機能が決定されたとする。この場合、CPU21は、ID11、12、13の其々に、PPPoE機能/ルーティング機能、VoIP機能、およびWiFi機能を対応付けて記憶する。なお設定情報については後述する。
【0055】
一方、双方が相違する場合、CPU21は、特定したネットワーク構成および決定した機能が誤っており、ネットワーク構成の特定および機能の決定に失敗したと判断する(S79:NO)。CPU21は、LED25(図1参照)を点灯することによって、エラーが発生したことをユーザに通知する(S81)。構成特定処理は終了し、処理はメイン処理(図2参照)に戻る。
【0056】
例えば、通信制御装置10において特定されたネットワーク構成と、他の通信制御装置10において特定されたネットワーク構成とが異なる場合、第一テーブル241に記憶された情報が通信制御装置10間で異なっている等の理由で、実際とは異なるネットワーク構成が特定されている可能性がある。この場合、特定されたネットワーク構成に応じた機能に基づいて通信制御装置10が通信制御を行うと、前提とするネットワーク構成が実際のものとは異なっているので、適切に通信制御を行うことができない可能性がある。これに対して通信制御装置10は、独自に特定したネットワーク構成と、他の通信制御装置10によって特定されたネットワーク構成とが一致する場合に、ネットワーク構成が適正であると判断し、第一テーブル241を参照することによって決定した機能が妥当なものであると判断する。これによって、通信制御装置10が実際のネットワーク構成に対応する機能に基づいて適切な通信制御を実行できるようにしている。
【0057】
図2に示すように、構成特定処理(S15)の終了後、CPU21は、構成特定処理においてネットワーク構成の特定、および機能の決定に成功したかを判断する(S17)。ネットワーク構成および機能の特定に失敗している場合(S17:NO)、メイン処理は終了する。
【0058】
一方、ネットワーク構成の特定、および機能の決定に成功した場合(S17:YES)、CPU21は、設定情報を入力するために外部機器18が通信制御装置10に接続されたかを判断する(S19)。外部機器18が通信制御装置10に接続されたと判断した場合(S19:YES)、CPU21は、外部機器18を介して入力された設定情報を受け付ける処理(設定受付処理、図9参照)を実行する(S21)。図9を参照し、設定受付処理について説明する。CPU21は、接続された外部機器18に対してユーザが入力操作を行ったかを判断する(S91)。外部機器18に対する入力操作が行われていない場合(S91:NO)、処理はS91に戻る。
【0059】
外部機器18に対する入力操作が行われた場合(S91:YES)、CPU21は、通信制御装置10、または他の通信制御装置10のいずれかに対して過去に外部機器18が接続され、設定情報の入力操作が行われたことがあるかを判断する。通信制御装置10、または他の通信制御装置10のいずれかに対して過去に設定情報の入力操作が行われている場合、設定済みフラグがフラッシュメモリ24に記憶されている。従ってCPU21は、設定済みフラグがフラッシュメモリ24に記憶されているかを判断することによって、通信制御装置10、または他の通信制御装置10のいずれかに対して過去に設定情報の入力操作が行われたことがあるかを判断する(S93)。設定済みフラグがフラッシュメモリ24に記憶されている場合(S93:YES)、CPU21は、他の通信制御装置10に設定された機能および設定情報を、他の通信制御装置10から収集する処理(収集処理、図10参照)を実行する(S95)。収集処理の詳細は後述する。処理はS97に進む。一方、設定済みフラグがフラッシュメモリ24に記憶されていない場合(S93:NO)、接続された状態の外部機器18を介して設定情報の入力を受け付けるために、処理はS97に進む。
【0060】
図10を参照し、収集処理について説明する。CPU21は、他の通信制御装置10に対して、機能および設定情報の送信を要求する要求データを送信する(S111)。なお、要求データを受信した他の通信制御装置10は、要求に応じ、フラッシュメモリ24に記憶された機能情報および設定情報を含む応答データを、通信制御装置10に対して送信する(S29、図2参照、後述)。
【0061】
CPU21は、要求データを送信してから所定時間が経過したかを判断する(S113)。CPU21は、要求データを送信してから所定時間が経過していない場合(S113:NO)、S111で送信した要求データに応じ、ネットワーク構成に対応する他の全ての通信制御装置10から、機能および過去の設定情報を含む応答データを受信したかを判断する(S115)。後述するが、この応答データは、図2に示すS29の処理において他の通信制御装置10から送信される。他の全ての通信制御装置10から応答データを受信していない場合(S115:NO)、処理はS113に戻る。他の全ての通信制御装置10から応答データを受信しない状態で、要求データを送信してから所定時間以上経過した場合(S113:YES)、他の通信制御装置10に対して再度要求データを送信するために、処理はS111に戻る。
【0062】
要求データを送信してから所定時間が経過していない状態で、他の全ての通信制御装置10から応答データを受信した場合(S115:YES)、CPU21は、受信した応答データに含まれている機能および設定情報を、応答データを送信した他の通信制御装置10のIDに対応付けて、RAM23に記憶する(S117)。CPU21は、RAM23に記憶したIDおよび機能を、S83(図5参照)で第二テーブル242(図8参照)に記憶したIDおよび機能と比較する(S119)。CPU21は、RAM23に記憶されたIDおよび機能の対応関係と、第二テーブル242に記憶されたIDおよび機能の対応関係とが一致するかを判断する(S121)。CPU21は、双方が一致する場合(S121:YES)、IDおよび機能に対応付けてRAM23に記憶されている設定情報を、第二テーブル242のうち同一のIDおよび機能に対応付けて記憶する(S123)。なお、上述によって第二テーブル242に記憶された設定情報は、後述する設定受付処理(図9参照)において、デフォルトの設定情報として使用される。収集処理は終了し、処理は設定受付処理(図9参照)に戻る。
【0063】
一方、CPU21は、RAM23に記憶されたIDおよび機能の対応関係と、第二テーブル242に記憶されたIDおよび機能の対応関係とが相違する場合(S121:NO)、S117でRAM23に記憶した機能および設定情報を削除する(S125)。CPU21は、各機能に対応する所定の初期設定情報をROM22から読み出し、第二テーブル242の設定情報として記憶する。収集処理は終了し、処理は設定受付処理(図9参照)に戻る。
【0064】
図9に示すように、CPU21は、通信制御装置10に接続された外部機器18の表示部に表示する設定用画面42(図11参照)のデータを作成する。外部機器18の表示部に表示する設定用画面42は、ユーザが外部機器18を介して設定情報の入力を行うためのものである。図11に示すように、設定用画面42では、IDおよび機能が対応付けて表示される。また設定用画面42には、IDおよび機能に対応付けて、設定情報を入力することが可能なテキストボックスが設けられる。更に設定用画面42には、保存ボタンおよび終了ボタンが設けられている。IDおよび機能の対応関係は、第二テーブル242(図8参照)に記憶されたIDおよび機能の対応関係に基づいている。またテキストボックスには、第二テーブル242に記憶されている設定情報がデフォルト情報として予め入力された状態になっている。ユーザは、デフォルト情報を参照しながら、設定情報を適宜変更することができる。保存ボタンは、入力した設定情報を保存する場合に選択される。終了ボタンは、設定情報の入力操作を終了する場合に選択される。図9に示すように。CPU21は、通信制御装置10に接続された外部機器18の表示部に、作成した設定用画面42を表示させる(S97)。
【0065】
CPU21は、設定用画面42を介してユーザが何らかの入力操作を行ったかを判断する(S101)。ユーザが入力操作を行っていない場合(S101:NO)、外部機器18の表示部に設定用画面42を継続して表示させるために、処理はS97に戻る。ユーザが入力操作を行った場合(S101:YES)、CPU21は、ユーザが保存ボタンを選択する操作を行ったかを判断する(S103)。ユーザが保存ボタンを選択する操作を行った場合(S103:YES)、CPU21は、テキストボックスに入力された設定情報を、対応するIDおよび機能に関連付けて第二テーブル242(図8参照)に記憶する(S105)。ユーザによる入力操作を継続して受け付けるために、処理はS97に戻る。
【0066】
ユーザが保存ボタンを選択する入力操作を行っていない場合(S103:NO)、CPU21は、ユーザが終了ボタンを選択する操作を行ったかを判断する(S107)。ユーザが終了ボタンを選択する操作を行った場合(S107:YES)、CPU21は、テキストボックスに入力された設定情報を、対応するIDおよび機能に対応付けて第二テーブル242に記憶する(S109)。設定受付処理は終了し、処理はメイン処理(図2参照)に戻る。一方、ユーザが終了ボタンを選択する入力操作を行っていない場合(S107:NO)、ユーザによる入力操作を継続して受け付けるために、処理はS97に戻る。
【0067】
図2に示すように、設定受付処理(S21)の終了後、CPU21は、第二テーブル242(図8参照)に記憶された設定情報を、機能と共に他の通信制御装置10に通知するために、第二通知データを他の通信制御装置10に対して送信する(S23)。第二通知データには、一の他の通信制御装置10に対応する機能および図9に示すS109において第二テーブル242に記憶された設定情報が含められる。第二通知データは、一の他の通信制御装置10を宛先に指定して送信される。従ってCPU21は、他の通信制御装置10毎に別々の第二通知データを送信することよって、他の通信制御装置10の数分の第二通知データを送信する。処理はS25に進む。
【0068】
一方、CPU21は、S19で外部機器18が通信制御装置10に接続されていないと判断した場合(S19:NO)、外部機器18が接続された他の通信制御装置10から送信された要求データ(S111、図10参照)を受信したかを判断する(S27)。要求データを受信した場合(S27:YES)、CPU21は、要求に応じ、フラッシュメモリ24に記憶された機能情報および設定情報を含む応答データを、他の通信制御装置10に対して送信する(S29)。処理はS25に進む。要求データを受信していない場合(S27:NO)、処理はS19に戻る。
【0069】
CPU21は、機能および設定情報を通信制御装置10に設定する処理(設定処理、図12参照)を実行する(S25)。図12を参照し、設定処理について説明する。CPU21は、設定処理を開始してから所定時間が経過したかを判断する(S131)。所定時間以上経過していない場合(S131:NO)、CPU21は、S23(図2参照)で他の通信制御装置10から送信された第二通知データを受信したかを判断する(S133)。第二通知データを受信していない場合(S133:NO)、処理はS131に戻る。他の通信制御装置10から第二通知データを受信した場合(S133:YES)、CPU21は、受信した第二通知データが自身宛に送信されたものであるかを判断する(S137)。受信した第二通知データの宛先が自身でなく他の通信制御装置10である場合(S137:NO)、CPU21は、受信した第二通知データを他の通信制御装置10に対して転送する(S135)。処理はS131に戻る。一方、受信した第二通知データの宛先が自身である場合(S137:YES)、処理はS139に進む。
【0070】
なおCPU21は、S23(図2参照)において自身が他の通信制御装置10に対して第二通知データを送信している場合には、S133で第二通知データを受信したと判断し(S133:YES)、S137で自身宛の第二通知データを受信したと判断する(S137:YES)。処理はS139に進む。この場合、CPU21は、第二テーブル242(図8参照)に記憶された情報のうち、自身のIDに対応する機能および設定情報を含む第二通知データを受信したとみなして、以降(S139〜S143)の処理を実行する。
【0071】
CPU21は、フラッシュメモリ24に記憶された機能情報および設定情報を削除する(S139)。CPU21は、S133で受信した第二通知データに含まれている機能をし示す機能情報、および設定情報を、フラッシュメモリ24に記憶することによって、機能および設定情報を通信制御装置10に設定する(S141)。設定済みフラグがフラッシュメモリ24に記憶される。CPU21は、フラッシュメモリ24に記憶された機能情報および設定情報を有効化するために、再起動する(S143)。設定処理は終了し、処理はメイン処理(図2参照)に戻る。図2に示すように、設定処理(S25)の終了後、メイン処理は終了する。
【0072】
再起動後、CPU21は、メイン処理(S11:NO→S30、図2参照)で説明したように、フラッシュメモリ24に記憶された機能情報によって示される機能を通信制御装置10が実行可能なように、機能を有効化する。またCPU21は、フラッシュメモリ24に記憶された設定情報によって示される設定条件に基づいて通信制御装置10が機能を実行可能なように、有効化した機能を調整する。これによって通信制御装置10は、フラッシュメモリ24に記憶された機能情報および設定情報に基づいて通信制御を実行することが可能な状態になる。
【0073】
一方、図12のS131で、他の通信制御装置10から第二通知データを受信しない状態で、設定処理が開始されてから所定時間が経過した場合(S131:YES)、LED25(図1参照)を点灯することによって、エラーが発生したことをユーザに通知する(S145)。設定処理は終了し、処理はメイン処理(図2参照)に戻る。図2に示すように、設定処理(S25)の終了後、メイン処理は終了する。
【0074】
以上説明したように、通信制御装置10は、ネットワーク構成に応じた適切な機能を、通信制御装置10に設定することができる。従って、ユーザが通信制御装置10の機能を決定し、通信制御装置10に対して設定を行う必要がない。このためユーザは、機能の決定および設定の手間を省くことができるとともに、機能の決定ミス等によって通信制御装置10に適正な機能が設定されない不具合を防止することが可能となる。また通信制御装置10は、ネットワーク構成に含まれる他の通信制御装置10の機能を、他の通信制御装置10に設定することができる。従って、ユーザが他の通信制御装置10の機能を決定し、他の通信制御装置10に対して設定を行う必要がない。このためユーザは、機能の決定および設定の手間を更に省くことができる。
【0075】
また通信制御装置10は、自身が決定したネットワーク構成および機能と、他の通信制御装置10において決定されたネットワーク構成および機能とを比較し、双方が一致する場合に、決定したネットワーク構成および機能を有効としている。これによって通信制御装置10は、実際のネットワーク構成に対して適切な機能を、通信制御装置10に設定することができる。
【0076】
またユーザは、外部機器18に設定情報を一括して入力することによって、ネットワーク構成に含まれる通信制御装置10に対して設定情報を設定することができる。従って、ユーザが通信制御装置10に対し設定情報を設定する手間を抑えることができる。
【0077】
なお、WAN I/F26が本発明の「WANインタフェース」に相当する。LAN I/F27が本発明の「LANインタフェース」に相当する。S61の処理を行うCPU21が本発明の「特定手段」に相当する。S65の処理を行うCPU21が本発明の「第一決定手段」「第二決定手段」に相当する。S141の処理を行うCPU21が本発明の「第一設定手段」「第二設定手段」「第三設定手段」に相当する。に相当する。S23の処理を行うCPU21が本発明の「第一通知手段」に相当する。S133の処理を行うCPU21が本発明の「第一受付手段」に相当する。S69の処理を行うCPU21が本発明の「第二通知手段」に相当する。S71の処理を行うCPU21が本発明の「第二受付手段」に相当する。S35、S41の処理を行うCPU21が本発明の「送信手段」に相当する。S43、S49の処理を行うCPU21が本発明の「受信手段」に相当する。S103の処理を行うCPU21が本発明の「第三受付手段」に相当する。
【0078】
なお本発明は上述の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上述において、通信制御装置10に対する設定情報の設定は行われず、機能の設定のみが行われてもよい。この場合、設定モードで起動した通信制御装置10に対して、外部機器18の接続の有無にかかわらず、機能が設定されることになる。なおこの場合、設定情報は、ROM22に記憶された所定の初期設定情報が自動的に設定されてもよい。更にこの場合、外部機器18が接続された通信制御装置10に対してのみ、外部機器18を介して入力された設定情報が設定されてもよい。
【0079】
上述では、他の通信制御装置10において特定されたネットワーク構成および決定された機能と、通信制御装置10において特定されたネットワーク構成および決定された機能とを比較し、一致する場合に、機能および設定情報を通信制御装置10に設定していた。これに対し、機能のみを比較してもよいし、比較を行わなくてもよい。なお比較を行わない場合、他の通信制御装置10から送信された第二通知パケットに格納された機能と、自身が決定した自身の機能とが相違する場合、通信制御装置10は、第二通知パケットに格納された設定情報の設定を行わなくてもよい。
【0080】
上述では、通信制御装置10は、接続情報の通信を行うことによってネットワーク構成を特定していた。これに対して、ネットワーク構成を判断するために使用される周知のプロトコルに基づいて、ネットワーク構成が判断されてもよい。例えば、設定モード動作時に仮IPアドレスを設定し、Routing Information Protocol(RIP)に基づいて通信を行うことによって、ネットワーク構成が特定されてもよい。第一テーブル241に記憶されたネットワーク構成および機能は一例であり、他の内容であってもよい。第一テーブル241に記憶されるネットワーク構成および機能は、外部機器18によって変更できるようにしてもよい。設定情報の設定は、外部機器18を介することなく、通信制御装置10に対して直接行われてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 通信システム
10、11、12、13 通信制御装置
24 フラッシュメモリ
30、31、32、33 通信装置
241 第一テーブル
242 第二テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置間に介在し、複数の機能を実行可能な通信制御装置であって、
WAN側に接続された他の前記通信制御装置と通信を行うためのWANインタフェースと、
LAN側に接続された他の前記通信制御装置と通信を行うためのLANインタフェースと、
前記通信制御装置および前記他の通信制御装置の接続関係を示すネットワーク構成を、前記WANインタフェースおよび前記LANインタフェースのうち少なくとも一方を介して前記他の通信制御装置と通信が行われることによって特定する特定手段と、
前記ネットワーク構成における其々の前記通信制御装置に割り当てる機能が前記ネットワーク構成毎に対応付けられて記憶手段に記憶された情報を参照することによって、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記通信制御装置の前記機能を決定する第一決定手段と、
前記第一決定手段によって決定された前記機能を、前記通信制御装置に設定する第一設定手段と
を備えたことを特徴とする通信制御装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶された前記情報を参照することによって、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記他の通信制御装置の前記機能を決定する第二決定手段と、
前記第二決定手段によって決定された前記機能を、前記他の通信制御装置に対して通知する第一通知手段と、
前記他の通信制御装置から通知された前記機能を受け付ける第一受付手段と、
前記第一受付手段によって前記他の通信制御装置から受け付けた前記機能を、前記通信制御装置に設定する第二設定手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成を、前記他の通信制御装置に対して通知する第二通知手段と、
前記他の通信制御装置から通知された前記ネットワーク構成を受け付ける第二受付手段と、
を備え、
前記第一設定手段は、
前記第二受付手段によって前記他の通信制御装置から受け付けた前記ネットワーク構成と、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成とが一致する場合に、前記第一決定手段によって決定された前記機能を、前記通信制御装置に設定することを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶された前記情報を参照することによって、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記他の通信制御装置の前記機能を決定する第二決定手段を備え、
前記第二通知手段は、
前記第二決定手段によって決定された前記機能を、前記他の通信制御装置に対して通知し、
前記第二受付手段は、
前記他の通信制御装置から通知された前記機能を受け付け、
前記第一設定手段は、
前記第二受付手段によって前記他の通信制御装置から受け付けた前記機能と、前記第一決定手段によって決定された前記機能とが一致する場合に、前記第一決定手段によって決定された前記機能を前記通信制御装置に設定することを特徴とする請求項3に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成を、前記他の通信制御装置に対して通知する第二通知手段と、
前記他の通信制御装置から通知された前記ネットワーク構成を受け付ける第二受付手段と、
を備え、
前記第二設定手段は、
前記第二受付手段によって前記他の通信制御装置から受け付けた前記ネットワーク構成と、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成とが一致する場合に、前記第一受付手段によって受け付けられた前記機能を前記通信制御装置に設定することを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項6】
前記第二通知手段は、
前記第二決定手段によって決定された前記機能を、前記他の通信制御装置に対して通知し、
前記第二受付手段は、
前記他の通信制御装置から通知された前記機能を受け付け、
前記第二設定手段は、
前記第二受付手段によって前記他の通信制御装置から受け付けた前記機能と、前記第一決定手段によって決定された前記機能とが一致する場合に、前記第一受付手段によって受け付けられた前記機能を前記通信制御装置に設定することを特徴とする請求項5に記載の通信制御装置。
【請求項7】
WAN側に前記他の通信制御装置が接続されている場合に、WAN側に接続された前記他の通信制御装置であるWAN側装置に対して、前記通信制御装置を識別する識別情報を、WAN側に接続されている旨を通知する情報と共に送信し、LAN側に前記他の通信制御装置が接続されている場合に、LAN側に接続された前記他の通信制御装置であるLAN側装置に対して、前記通信制御装置を識別する識別情報を、LAN側に接続されている旨を通知する情報と共に送信する送信手段と、
前記WAN側装置および前記LAN側装置のうち少なくとも一方から送信された前記識別情報および前記情報を受信する受信手段と
を備え、
前記特定手段は、
前記受信手段によって受信された前記識別情報および前記情報に基づいて、前記ネットワーク構成を特定することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の通信制御装置。
【請求項8】
前記第一決定手段は、
前記受信手段によって前記WAN側装置から受信された前記識別情報および前記情報に基づき、前記WAN側装置のWAN側に前記通信制御装置が接続されていると判断された場合に、前記通信制御装置の前記機能としてVirtual Private Network(VPN)を決定することを特徴とする請求項7に記載の通信制御装置。
【請求項9】
WAN側に前記他の通信制御装置が接続されている場合に、WAN側に接続された前記他の通信制御装置であるWAN側装置に対して、前記通信制御装置を識別する識別情報を、WAN側に接続されている旨を通知する情報と共に送信する送信手段と、
前記WAN側装置から送信された前記識別情報を受信する受信手段と
を備え、
前記第二決定手段は、
前記受信手段によって前記WAN側装置から受信された前記識別情報および前記情報に基づき、前記WAN側装置のWAN側に前記通信制御装置が接続されていると判断された場合に、前記WAN側装置の前記機能としてVirtual Private Network(VPN)を決定することを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項10】
其々の前記機能に対応する設定値が入力される外部機器から、前記設定値を含む前記設定情報を受け付ける第三受付手段と、
前記第三受付手段によって受け付けられた前記設定情報のうち、前記第一設定手段によって設定された前記機能に対応する前記設定情報に含まれる前記設定値を、前記通信制御装置に設定する第三設定手段と
を備えたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の通信制御装置。
【請求項11】
通信装置間に介在する通信制御装置、および、前記通信制御装置のWAN側およびLAN側のうち少なくとも一方に接続される他の通信制御装置を少なくとも備えた通信システムであって、
前記通信制御装置は、
前記通信制御装置および前記他の通信制御装置の接続関係を示すネットワーク構成を、前記他の通信制御装置と通信が行われることによって特定する特定手段と、
前記ネットワーク構成における其々の前記通信制御装置に割り当てる機能が前記ネットワーク構成毎に対応付けられて記憶手段に記憶された情報を参照することによって、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記通信制御装置の前記機能を決定する第一決定手段と、
前記第一決定手段によって決定された前記機能を、前記通信制御装置に設定する第一設定手段と
前記記憶手段に記憶された前記情報を参照することによって、前記特定手段によって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記他の通信制御装置の前記機能を決定する第二決定手段と、
前記第二決定手段によって決定された前記機能を、前記他の通信制御装置に対して通知する第一通知手段と
を備え、
前記他の通信制御装置は、
前記通信制御装置から通知された前記機能を受け付ける第一受付手段と、
前記第一受付手段によって前記通信制御装置から受け付けた前記機能を、前記他の通信制御装置に設定する第二設定手段と
を備えたことを特徴とする通信システム
【請求項12】
通信制御装置、および、前記通信制御装置のWAN側およびLAN側のうち少なくとも一方に接続される他の通信制御装置の接続関係を示すネットワーク構成を特定する特定ステップと、
前記ネットワーク構成における其々の前記通信制御装置に割り当てる機能が前記ネットワーク構成毎に対応付けられて記憶手段に記憶された情報を参照することによって、前記特定ステップによって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記通信制御装置の前記機能を決定する第一決定ステップと、
前記第一決定ステップによって決定された前記機能を、前記通信制御装置に対して設定する第一設定ステップと
前記記憶手段に記憶された前記情報を参照することによって、前記特定ステップによって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記他の通信制御装置の前記機能を決定する第二決定ステップと、
前記第二決定ステップによって決定された前記機能を、前記他の通信制御装置に対して通知する第一通知ステップと、
前記他の通信制御装置から通知された前記機能を受け付ける第一受付ステップと、
前記第一受付ステップによって前記通信制御装置から受け付けた前記機能を、前記通信制御装置に設定する第二設定ステップと
を備えたことを特徴とする通信制御方法。
【請求項13】
通信制御装置、および、前記通信制御装置のWAN側およびLAN側のうち少なくとも一方に接続される他の通信制御装置の接続関係を示すネットワーク構成を、WANインタフェースおよびLANインタフェースのうち少なくとも一方を介して前記他の通信制御装置と通信を行うことによって特定する特定ステップと、
前記ネットワーク構成における其々の前記通信制御装置に割り当てる機能が前記ネットワーク構成毎に対応付けられて記憶手段に記憶された情報を参照することによって、前記特定ステップによって特定された前記ネットワーク構成に対応する前記通信制御装置の前記機能を決定する第一決定ステップと、
前記第一決定ステップによって決定された前記機能を、前記通信制御装置に対して設定する第一設定ステップと
を通信制御装置のコンピュータに実行させるための通信制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−74603(P2013−74603A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214463(P2011−214463)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】