通信制御装置、通信制御方法、プログラム、通信システムおよび無線端末
【課題】ある無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するCSGセルのような通信制御装置の導入と、CoMPのような協調型通信の導入との相乗効果を得るための通信制御装置、通信制御方法、プログラム、通信システムおよび無線端末を提供する。
【解決手段】通信制御装置であって、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、を備える、通信制御装置。
【解決手段】通信制御装置であって、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、を備える、通信制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置、通信制御方法、プログラム、通信システムおよび無線端末に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、3GPP(Third Generation Partnership Project)において4Gの無線通信システム(セルラシステム)の規格化が進められている。このような無線通信システムでは、セルエッジにおける通信容量を向上することが重要である。このため、セルエッジにおける通信容量を向上するための一つの手段として、CoMP(Coordinated Multi−Point)が検討されている。
【0003】
CoMPは、複数の基地局が協調して送受信パラメータ、スケジューリング、またはビーム・アンテナ指向性を制御しながらユーザ端末と通信する方式である。このCoMPにより、通信品質の安定化や、通信容量の増加などの効果が期待されている。
【0004】
また、無線通信システムでは、局所的に発生する通信トラフィックを効率よくサポートすることも重要である。このような観点から、HetNet(Heterogeneous Network)の導入も検討されている。HetNetは、大小のセルが重なるように配置されたネットワークである。HetNetによれば、マクロセルのような大きなセルだけではカバーすることが難しかった局所的に発生する通信トラフィックを小さなセルがカバーすることにより、エリア全体の通信容量を向上することが可能となる。なお、各セルを形成する基地局としては、eNodeB、RRH(Remote RadioHead)セル基地局、ホットゾーン基地局(Pico/micro cell eNB)、フェムトセル基地局(Home eNB)、および中継装置(リレー基地局)などが想定される。
【0005】
これら基地局は、ユーザ端末のアクセス制限を有するCSG(Closed Subscriber Group)セルと、アクセス制限を有さないOSG(Open Subscriber Group)セルとに大別される。例えば、フェムトセル基地局は、家庭におけるCSGセルとしての運用が考えられており、事前に設定されたユーザ端末がフェムトセル基地局にアクセスすることが可能である。このようなCSGセルを考慮した技術は、例えば特許文献1および特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2011−501525号公報
【特許文献2】特開2010−213273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、今後、CoMPとCSGセルの導入が進むことが予想される。しかし、CSGセルについては、現状、他の基地局と協調するための手順が検討されていない。このため、CSGセルとCoMPの組合せを実現することが困難であった。
【0008】
そこで、本開示では、ある無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するCSGセルのような通信制御装置の導入と、CoMPのような協調型通信の導入との相乗効果を得るための、新規かつ改良された通信制御装置、通信制御方法、プログラム、通信システムおよび無線端末を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示によれば、通信制御装置であって、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、を備える通信制御装置が提供される。
【0010】
また、本開示によれば、通信制御装置が、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、通信制御方法が提供される。
【0011】
また、本開示によれば、通信制御装置であって、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、を備える通信制御装置として機能させるための、プログラムが提供される。
【0012】
また、本開示によれば、第1の通信制御装置と、第2の通信制御装置と、を備え、前記第1の通信制御装置は、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記第1の通信制御装置または前記第2の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部を有する、通信システムが提供される。
【0013】
また、本開示によれば、通信制御装置との通信であって、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する前記通信制御装置と通信する、無線端末が提供される。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本開示によれば、ある無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するCSGセルのような通信制御装置の導入と、CoMPのような協調型通信の導入との相乗効果を得るための通信制御装置、通信制御方法、プログラムおよび通信システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本開示の実施形態による無線通信システムの構成例を示した説明図である。
【図2】グループ分けにより特定のUEのアクセスのみを許可する例を示した説明図である。
【図3】UEのグループ分けを行っている基地局に対するアクセスに関するプロトコルの一例を示した説明図である。
【図4】UEのグループ分けを行っている基地局に対するアクセスに関するプロトコルの別の例を示した説明図である。
【図5】グループ分けを行っている基地局によるリソース割り当てを示した説明図である。
【図6】2つの基地局による空間ダイバーシチ効果を得るための協調送信の例を示す説明図である。
【図7】2つの基地局による空間多重効果を得るための協調送信の例を示す説明図である。
【図8】2つの基地局による空間ダイバーシチ効果を得るための協調受信の例を示す説明図である。
【図9】2つの基地局による周波数方向の協調スケジューリングの例を示す説明図である。
【図10】2つの基地局による時間方向の協調スケジューリングの例を示す説明図である。
【図11】第1の実施形態による基地局の構成を示した機能ブロック図である。
【図12】本実施形態による基地局の動作の概略を示したシーケンス図である。
【図13】グループ分けに関する情報の第1の通信例を示すシーケンス図である。
【図14】グループ分けに関する情報の第1の通信例を示すシーケンス図である。
【図15】グループ分けに関する情報の第2の通信例を示すシーケンス図である。
【図16】グループ分けに関する情報の第2の通信例を示すシーケンス図である。
【図17】グループ分けに関する情報の第3の通信例を示すシーケンス図である。
【図18】グループ分けに関する情報の第3の通信例を示すシーケンス図である。
【図19】グループ分けに関する情報の第4の通信例を示すシーケンス図である。
【図20】グループ分けに関する情報の第4の通信例を示すシーケンス図である。
【図21】グループ分けに関する情報の第5の通信例を示すシーケンス図である。
【図22】グループ分けに関する情報の第5の通信例を示すシーケンス図である。
【図23】CoMPに関する第1の判断例を示したフローチャートである。
【図24】CoMPに関する第2の判断例を示したフローチャートである。
【図25】CoMPに関する第3の判断例を示したフローチャートである。
【図26】CoMPに関する第4の判断例を示したフローチャートである。
【図27】CoMPを実施するためのシグナリングを示したシーケンス図である。
【図28】CoMPを実施するためのシグナリングを示したシーケンス図である。
【図29】第2の実施形態のユースケースを示した説明図である。
【図30】第2の実施形態による基地局の構成を示した機能ブロック図である。
【図31】第2の実施形態による基地局の第1の動作例を示したフローチャートである。
【図32】第2の実施形態による基地局の第2の動作例を示したフローチャートである。
【図33】第2の実施形態による基地局の第3の動作例を示したフローチャートである。
【図34】第2の実施形態による基地局の第4の動作例を示したフローチャートである。
【図35】管理ノードの構成を示した機能ブロック図である。
【図36】管理ノードの第1の動作例を示したフローチャートである。
【図37】管理ノードの第2の動作例を示したフローチャートである。
【図38】基地局による端末リストの更新処理を示したフローチャートである。
【図39】基地局による端末リストの更新処理を別の観点から示したシーケンス図である。
【図40】管理ノードによる端末リストの更新処理を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じてUE20A、20Bおよび20Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、UE20A、20Bおよび20Cを特に区別する必要が無い場合には、単にUE20と称する。
【0017】
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.無線通信システムの基本構成
1−1.UEのグループ分けについて
(アクセス制限のためのグループ分け)
(優先接続のためのグループ分け)
1−2.CoMPについて
(協調送信)
(協調受信)
(協調スケジューリング)
2.第1の実施形態
2−1.基地局の構成
2−2.基地局の動作
−−グループ分けに関する情報の通信−−
(第1の通信例:図13、図14)
(第2の通信例:図15、図16)
(第3の通信例:図17、図18)
(第4の通信例:図19、図20)
(第5の通信例:図21、図22)
−−CoMPを実施するか否かの判断−−
(第1の判断例:図23)
(第2の判断例:図24)
(第3の判断例:図25)
(第4の判断例:図26)
−−CoMPを実施するための手順−−
3.第2の実施形態
3−1.第2の実施形態のユースケース
3−2.基地局の構成および動作
3−3.管理ノードの構成および動作
3−4.補足
4.むすび
【0018】
<<1.無線通信システムの基本構成>>
まず、図1を参照し、本開示の実施形態による無線通信システムの基本構成を説明する。図1は、本開示の実施形態による無線通信システムの構成例を示した説明図である。図1に示したように、本開示の実施形態による無線通信システムは、eNodeB11、リレーノード12、フェムトセル基地局13、UE(User Equipment)20、および管理ノード30を有する。
【0019】
eNodeB11は、eNodeB11が形成するマクロセル内に存在するリレーノード12およびUE20との通信を制御する。例えば、eNodeB11Aは、マクロセル内に存在するUE20Aと通信するためのスケジューリング情報を管理し、このスケジューリング情報に従ってUE20Aと通信する。また、eNodeB11Aは、マクロセル内に存在するリレーノード12と通信するためのスケジューリング情報、およびリレーノード12とUE20Bが通信するためのスケジューリング情報を管理する。
【0020】
また、各eNodeB11は、X2インタフェースと呼ばれる有線の通信路を介して接続される。また、各eNodeB11は、S1インタフェースと呼ばれる有線の通信路を介して管理ノード30Aと接続される。各eNodeB11は、これらインタフェースを用い、他のeNodeBや管理ノード30などと通信することができる。
【0021】
リレーノード12は、eNodeB11とUE20との通信を、eNodeB11が管理するスケジューリング情報に従って中継する。具体的には、リレーノード12は、ダウンリンクにおいて、eNodeB11から送信された信号を受信して、増幅した信号を、スケジューリング情報に従った周波数―時間を利用してUE20に送信する。リレーノード12は、このような中継を行うことにより、eNodeB11からセルエッジ付近のUE20に対して信号を直接送信する場合よりも、信号対雑音比を高くすることが可能である。
【0022】
フェムトセル基地局13は、最大送信電力がeNodeB11より小さく、マクロセルよりも小さなセルを形成する基地局である。このフェムトセル基地局13は、家庭内やオフィス内に配置されることが想定されており、例えば家族内のユーザのUE20からしかアクセスできないCSG(Closed Subscriber Group)を形成する。
【0023】
また、フェムトセル基地局13は、管理ノード30Bと接続されており、eNodeB11とはADSLなどのパケット交換ネットワークを介して通信することができる。なお、フェムトセル基地局13は、無線リンクによりeNodeB11と通信を行ってもよい。
【0024】
管理ノード30Aは、バックボーンネットワークを介して各eNodeB11と接続されている。この管理ノード30Aは、MME(Mobile Management Entity)としての機能、または、Serving Gatewayとしての機能を有してもよい。管理ノード30Aは、各eNodeB11が形成するマクロセルの状態を示す管理情報を各eNodeB11から受信し、この管理情報に基づいて各eNodeB11が形成するマクロセルにおける通信を制御する。なお、管理ノード30Aの機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。同様に、管理ノード30Bは、フェムトセル基地局13と接続されており、フェムトセル基地局13による通信を管理する。
【0025】
UE20は、上述したように、eNodeB11、リレーノード12、およびフェムトセル基地局13などの基地局と通信する無線端末である。なお、UE20が送受信するデータとしては、音声データや、音楽、講演およびラジオ番組などの音楽データや、写真、文書、絵画、図表などの静止画データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、ゲーム画像などの動画データなどが挙げられる。また、図1においてはUE20がスマートフォンである例を示しているが、UE20は、携帯電話、PC(Personal computer)、携帯用音楽再生装置、携帯用ゲーム機、家庭用音楽再生装置、家庭用ゲーム機など、無線通信機能を備えた情報処理装置であってもよい。
【0026】
以上説明したように、本開示の実施形態による無線通信システムによれば、大小のセルが重なるように配置されたHetNetと呼ばれるネットワークが形成される。このHetNetによれば、マクロセルのような大きなセルだけではカバーすることが難しかった局所的に発生する通信トラフィックを小さなセルがカバーすることにより、エリア全体の通信容量を向上することが可能となる。
【0027】
なお、以下では、HetNetを形成するeNodeB11、リレーノード12、およびフェムトセル基地局13などの通信制御装置を、必要に応じて基地局10と総称する。ただし、基地局10は、eNodeB11、リレーノード12、およびフェムトセル基地局13に限定されない。例えば、基地局10は、ホットゾーン基地局やRRH(Remote RadioHead)セル基地局であってもよい。
【0028】
ホットゾーン基地局は、最大送信電力がeNodeB11より小さい基地局である。ホットゾーン基地局は、eNodeB11とはバッグボーンネットワークのX2やS1などのインタフェースを用いて通信する。なお、ホットゾーン基地局は、どのUE20からもアクセス可能なOSG(Open Subscriber Group)を形成する。
【0029】
RRHセル基地局は、eNodeB11と光ファイバで接続されている。このため、eNodeB11は、地理的に異なる場所に配置されたRRHセル基地局に光ファイバを介して信号を伝送し、RRHセル基地局から信号を無線送信させることができる。例えば、UE20の位置に近いRRHセル基地局のみを利用することも可能である。なお、制御系の機能はeNodeB11に実装されており、eNodeB11は、UE20の分布に応じて最適な送信形態を選択する。
【0030】
<1−1.UEのグループ分けについて>
上述したeNodeB11は、全てのUE20に対してオープンであり、全てのUE20からの接続を許可する。このようなeNodeB11によりマクロセルが面的に展開されることにより、UE20が広範囲で通信可能となる。
【0031】
一方、フェムトセル基地局13のように、UE20をグループ分けし、特定のUE20からのアクセスのみを許可する基地局が存在する。このような基地局は、CSG(Closed Subscriber Group)セルと呼ばれる。例えば、CSGセルを設置したオフィスの社員や、家族の一員のUE20をCSGリストに加えることで、CSGリストに含まれるUE20のみがCSGセルにアクセスすることが可能となる。このCSGセルの導入により、CSGセルでは、UE20によるアクセスの混雑を防止し、高品質および高スピードの通信を実現することが期待される。
【0032】
また、基地局10は、UE20のグループ分けにより、特定のUE20を他のUE20よりも優先して接続させることも可能である。これにより、通信システムを構築する際に、各時間/場所における通信リソースの割振りを効率化し、特定のユーザまたは特定のエリアの通信品質を向上させることができる。以下では、グループ分けにより特定のUE20のアクセスのみを許可する例と、グループ分けにより特定のUE20を優先接続する例をより具体的に説明する。
【0033】
(アクセス制限のためのグループ分け)
図2は、グループ分けにより特定のUE20のアクセスのみを許可する例を示した説明図である。図2に示したように、基地局10Aがグループ分けを行っておらず、基地局10Bおよび10Cがグループ分けを行っている場合を考える。また、基地局10Bおよび10Cは、アクセスを許可するUE20を示す端末リストを有し、基地局10Bの端末リストにはUE20A、20Bおよび20Cが含まれ、基地局10Cの端末リストにはUE20A、20Dおよび20Eが含まれる。
【0034】
この場合、基地局10Aは、UE20A、20Bおよび20Dのいずれとも通信可能である。一方、基地局10Bは、UE20Aおよび20Bとは通信可能であるが、UE20Dは端末リストに含まれないので、UE20Dとは通信を行わない。同様に、基地局10Cは、UE20Aおよび20Dとは通信可能であるが、UE20Bは端末リストに含まれないので、UE20Bとは通信を行わない。
【0035】
図3は、UE20のグループ分けを行っている基地局10に対するアクセスに関するプロトコルの一例を示した説明図である。図3に示したように、UE20が、基地局10に接続可能か否かの確認するために基地局10に端末リストの問い合わせを行うと(S52)、基地局10はUE20が端末リストに含まれているか否かを確認する(S54)。そして、基地局10は、確認結果をUE20に通知する(S56)、または、UE20のグループ分けに従った動作をUE20に対して実行する。
【0036】
図4は、UE20のグループ分けを行っている基地局10に対するアクセスに関するプロトコルの別の例を示した説明図である。図3においては、基地局10が端末リストを有する例を説明したが、図4に示すように、管理ノード30が端末リストを有してもよいし、基地局10および管理ノード30の双方が端末リストを有してもよい。
【0037】
具体的には、UE20が、基地局10に接続可能か否かの確認するために基地局10に端末リストの問い合わせを行うと(S60)、基地局10はこの問い合わせを管理ノード30に転送する(S62)。そして、管理ノード30は、UE20が端末リストに含まれているか否かを確認し(S64)、確認結果を基地局10に送信する(S66)。基地局10は、管理ノード30から受信した確認結果をUE20に転送する(S68)。
【0038】
なお、図4においては記載を省略しているが、基地局10と管理ノードの間にはさらに物理的なノードが介在し得る。この場合、介在する物理的なノードは、問い合わせまたは確認結果を転送する役割を担う。
【0039】
(優先接続のためのグループ分け)
上述したように、UE20のグループ分けにより、特定のUE20の優先接続を実現することが可能となる。例えば、基地局10は、通信リソース(時間、周波数、符号および空間など)を特定のUE20に対して他のUEよりも多く割り当てることにより優先接続を実現できる。以下、図5を参照してこの点についてより具体的に説明する。
【0040】
図5は、グループ分けを行っている基地局10によるリソース割り当てを示した説明図である。図5に示した基地局10は、UE20を、リスト1に含まれるUE20、リスト2に含まれるUE20、および他のUE20にグループ分けしており、各グループ用の通信リソースを用意している。
【0041】
図5に示した例では、基地局10は、周波数F1〜F4をリスト2に含まれるUE20のグループのために用意しており、周波数F5〜F7をリスト1に含まれるUE20のグループのために用意しており、周波数F8を他のUE20のために用意している。このため、リスト2に含まれるUE20に最も高い優先度が与えられ、リスト1に含まれるUE20に次に高い優先度が与えられ、他のUE20には最も低い優先度が与えられる。
【0042】
なお、図5には、グループごとに周波数方向の通信リソースを変化させる例を示したが、他の時間方向の通信リソースなどをグループごとに変化させることも可能である。このように、基地局10が複数の端末リストを有することにより、基地局10が形成するセルにおけるより細かな通信容量の制御が可能となる。
【0043】
<1−2.CoMPについて>
続いて、本開示の実施形態による基地局10が行うCoMP通信について説明する。CoMP通信は、複数の基地局10が連携することによりUE20と通信を行う協調型通信である。このCoMP通信の一例として、協調送信、協調受信、および協調スケジューリングなどが挙げられる。以下、これらの各CoMP通信について具体的に説明する。
【0044】
(協調送信)
協調送信は、対象のUE20への情報を、複数の基地局10から対象のUE20に対して送信する方法である。その際、複数の基地局10は、少なくとも一部において同一の通信リソース(周波数・時間・空間・符号など)を利用する。また、複数の基地局10は、送信する情報の誤り訂正方式、誤り訂正符号化率、変調方式、および重みづけなどの送信パラメータを基地局10間で調整する。これにより、複数の基地局10による空間送信ダイバーシチの効果(受信品質の向上)、あるいは複数の基地局10が異なる情報を同一の通信リソースで送信することによる空間多重の効果(伝送レートの向上)が期待できる。
【0045】
図6は、2つの基地局10による空間ダイバーシチ効果を得るための協調送信の例を示す説明図である。図6に示したように、基地局10Aおよび10Bは、空間ダイバーシチ効果を得るための協調送信を行う場合、周波数および時間については同一リソースを利用しつつ、空間については異なるリソースを利用して、同一の情報をUE20Aに送信する。具体的には、同一の情報D1の送信のために、基地局10Aは空間重みW1を用い、基地局10Bは空間重みW2を利用する。この空間重みW1およびW2は、UE20A側で信号が受信された際に、合成された信号がダイバーシチ効果を得られるように選択されることが望ましい。基地局10Aおよび10Bは、このリソースの選択、および同一の情報を基地局10間で共有、制御するために、図1に示したようなパケット交換ネットワークのような通信網や有線の通信路を用いてもよい。
【0046】
図7は、2つの基地局10による空間多重効果を得るための協調送信の例を示す説明図である。図7に示したように、基地局10Aおよび10Bは、空間多重効果を得るための協調送信を行う場合、周波数および時間については同一リソースを利用しつつ、空間については異なるリソースを利用して、異なる情報をUE20Aに送信する。基地局10Aおよび10Bは、このリソースの選択、およびそれぞれの基地局から送信する情報を基地局10間で共有、制御するために、図6に示した例と同様にパケット交換ネットワークのような通信網や有線の通信路を用いてもよい。
【0047】
以上説明したように、2つの基地局10による協調送信によれば、基地局10が単独でUE20Aに情報を送信する場合と比べ、高い伝送レート(例えば、2倍の伝送レート)を得ることが可能となる。
【0048】
(協調受信)
協調受信は、対象のUE20から送信される信号を複数の基地局10が受信し、複数の基地局10が受信信号を交換すること、または受信信号を所定の箇所に集めることにより、情報を復号する方法である。その際、複数の基地局10は、UE20に対し、少なくとも一部において同一の通信リソース(周波数・時間・空間・符号など)を割り当てる。これにより、複数の基地局10による空間受信ダイバーシチの効果が得られるので、例えば通信システムのアップリンクの受信品質を改善することができる。
【0049】
図8は、2つの基地局10による空間ダイバーシチ効果を得るための協調受信の例を示す説明図である。図8に示したように、基地局10Aおよび基地局10Bは、空間ダイバーシチ効果を得るための協調受信を行う場合、同一の周波数、時間リソースをUE20Aに割り当て、UE20Aは割り当てられたリソースを利用して信号を送信する。基地局10Aおよび基地局10Bは、各々の受信信号を所定の場所へ転送することにより、または、基地局10Aおよび基地局10Bの間で交換することにより、情報の復号を試みる。このように、複数の基地局10の受信信号を情報の復号に用いることにより、受信品質の向上を図ることが可能である。なお、情報の復号は、基地局10Aおよび基地局10B以外の別の装置で行われてもよい。また、UE20Aは、空間重みを用いて情報を送信してもよい。
【0050】
(協調スケジューリング)
協調スケジューリングは、対象のUE20と通信を行う複数の基地局10において、各基地局10によるUE20への割当てリソースの少なくとも一部が異なるようにリソース割り当てを調整する方法である。これにより、複数の基地局10からの信号が少なくとも一部の通信リソースで直交するため、UE20側における干渉の軽減が期待される。
【0051】
図9は、2つの基地局10による周波数方向の協調スケジューリングの例を示す説明図である。図9に示したように、基地局10Aおよび10Bは、周波数方向の協調スケジューリングを行う場合、時間については同一のリソースを利用しつつ、周波数については異なるリソースを利用して、異なる情報を送信する。これにより、UE20Aでは基地局10Aおよび10Bからの信号が直交するので、干渉を軽減することができる。
【0052】
図10は、2つの基地局10による時間方向の協調スケジューリングの例を示す説明図である。図10に示したように、基地局10Aおよび10Bは、時間方向の協調スケジューリングを行う場合、周波数については同一のリソースを利用しつつ、時間については異なるリソースを利用して、異なる情報を送信する。かかる構成によっても、UE20Aでは基地局10Aおよび10Bからの信号が直交するので、干渉を軽減することができる。
【0053】
なお、図9および図10では基地局10Aおよび10Bから送信される情報が異なる例を示したが、基地局10Aおよび10Bは、同一の情報を送信することによりダイバーシチ効果を得ることも可能である。また、図9および図10では、複数の基地局10からUE20への送信について示しているが、UE20から複数の基地局10への送信のための協調スケジューリングも同様の方法により実現可能である。
【0054】
(CoMPに関する補足)
上述したように、CoMPに際しては利用する通信リソースの協調制御や、送信情報の共有(分配)などが必要となるが、協調制御や送信情報の共有を実現する主体は特に限定されない。例えば、当該主体は、対象となるUE20が接続している基地局10(サービング基地局)であってもよいし、図1に示した管理ノード30のような他の装置であってもよい。
【0055】
<<2.第1の実施形態>>
以上、図1〜図10を参照し、本開示による無線通信システムの基本構成を説明した。
続いて、本開示の第1の実施形態について説明する。本開示の第1の実施形態による基地局10は、以下に詳細に説明するように、周囲の基地局とUE20のグループ分けに関する情報を通信し、このグループ分けに関する情報に基づいてCoMP通信を制御することが可能である。
【0056】
<2−1.基地局の構成>
図11は、第1の実施形態による基地局10の構成を示した機能ブロック図である。図11に示したように、第1の実施形態による基地局10は、無線通信部110と、有線通信部120と、記憶部130と、通信制御部140と、を備える。
【0057】
無線通信部110は、UE20へ無線信号を送信するための送信部、およびUE20から無線信号を受信するための受信部として機能する。例えば、無線通信部110は、受信用の構成として、複数のアンテナ、アナログ処理部、AD変換部、デジタル処理部およびデコーダを含んでもよい。また、無線通信部110は、送信用の構成として、エンコーダ、デジタル処理部、DA変換部、アナログ処理部、および複数のアンテナを含んでもよい。
【0058】
有線通信部120は、他の基地局10や管理ノード30などに情報を送信するための送信部、および他の基地局10や管理ノード30などから情報を受信するための受信部として機能する。本実施形態による基地局10は、詳細については「2−2.基地局の動作」で説明するように、この有線通信部120を介してグループ分けに関する情報、およびCoMPを実施するための情報を通信することができる。なお、図11においては他の基地局10や管理ノード30とのインタフェースが有線である例を示したが、他の基地局10や管理ノード30とのインタフェースは無線であってもよい。
【0059】
記憶部130は、基地局10が動作するためのプログラムや各種情報を記憶する記憶媒体である。特に、基地局10がUE20のグループ分けを行っている場合、記憶部130には、グループ分けの内容を示す端末リストが記憶される。
【0060】
通信制御部140は、無線通信部110によるUE20との通信や、有線通信部120による他の基地局10との通信など、基地局10における通信全般を制御する。具体的には、通信制御部140は、他の基地局10とのグループ分けに関する情報の通信を制御する。また、通信制御部140は、他の基地局10とCoMP通信を行うための通信パラメータの設定を行う。また、記憶部130に端末リストが記憶されている場合、通信制御部140は、対象のUE20が端末リストに含まれているか否かに応じて、対象のUE20との通信の可否を判断したり、対象のUE20の接続を優先したりする。
【0061】
<2−2.基地局の動作>
以上、図11を参照して本実施形態による基地局10の構成を説明した。続いて、図12を参照して本実施形態による基地局10の動作の概略を説明した後に、本実施形態による基地局10の動作を詳細に説明する。
【0062】
図12は、本実施形態による基地局10の動作の概略を示したシーケンス図である。図12に示したように、基地局10Aおよび10Bは、UE20のグループ分けに関する情報を通信する(S600)。グループ分けに関する情報は、「グループ分けに関する情報の通信」において詳細に説明するように、グループ分けを行っているか否かを示す情報、端末リスト、または特定のUE20を含む端末リストを有するか否かを示す情報などであってもよい。
【0063】
その後、基地局10Aは、S600の通信により得られたグループ分けに関する情報に基づき、基地局10BとCoMPを実施するか否かを判断する(S700)。そして、基地局10Aは、CoMPを実施すると判断した場合、基地局10BとCoMPを実施するための手順に移行する(S800)。一方、基地局10Aは、CoMPを実施しないと判断した場合、UE20との1対1の通信など、他の方法の通信を実施する(S860)。
【0064】
このように、本実施形態によれば、UE20のグループ分けの導入と、CoMPの導入の相乗効果を得ることが可能となる。以下では、上述した本実施形態による基地局10による各動作についてより詳細に説明する。なお、図12においては複数の基地局の一例として2つの基地局(10Aおよび10B)を示しているが、本実施形態は、3つ以上の基地局10による通信にも適用可能である。
【0065】
−−グループ分けに関する情報の通信−−
各基地局10がUE20のグループ分けを行っているか否かは、CoMPの実施を判断するために非常に重要である。このため、図12のS600に示したように、基地局10は、周囲の基地局10がUE20のグループ分けを行っているか否かを確認する。以降では、グループ分けに関する情報の基地局10間の通信プロトコルを説明するが、基地局10間には別の装置が介在してもよい。この場合、介在する装置はシグナリング、ACK/NACKなどを転送する役割を担う。また、グループ分けに関する情報を基地局10以外の装置(例えば管理ノード30)が管理している場合には、以降で説明する通信プロトコルを基地局10−管理ノード30間の通信プロトコルに援用してもよい。
【0066】
(第1の通信例:図13、図14)
図13および図14は、グループ分けに関する情報の第1の通信例を示すシーケンス図である。図13に示したように、第1の通信例においては、基地局10AがUE20のグループ分けを行っていることを基地局10Bに対して通知する(S602)。ここで、基地局10Aは、グループ分けを行っていることと共に、基地局10Aが有する端末リストを通知してもよい。基地局10Bは、基地局10Aから当該通知を受信すると、基地局10AにACKを送信する(S604)。
【0067】
一方、基地局10Bは、基地局10Aからの通知の受信に失敗すると、図14に示したように、基地局10AにNACKを送信する(S606)。または、基地局10Bは、基地局10AにACKもNACKも送信しない(レスポンス無し)。この場合、基地局10Aは、UE20のグループ分けを行っていることを基地局10Bに対して再度通知してもよい(S608)。また、通知する回数に所定の上限が設定されていてもよい。通知が所定の回数に達した場合には、通知の再送を止めてもよい。
【0068】
(第2の通信例:図15、図16)
図15および図16は、グループ分けに関する情報の第2の通信例を示すシーケンス図である。図15に示したように、第2の通信例においては、基地局10BによりUE20のグループ分けが行われているか否かを基地局10Aが基地局10Bに問い合わせる(S612)。基地局10Bは、基地局10Aから当該問い合わせを受けると、グループ分けを行っているか否かを示す情報を基地局10Aに送信する(S614)。
【0069】
一方、基地局10Aは、基地局10BからNACKを受信した場合、または基地局10Bからレスポンスが無かった場合(S616)、図16に示したように、基地局10BによりUE20のグループ分けが行われているか否かを基地局10Bに再度問い合わせてもよい(S618)。また、問い合わせする回数に所定の上限が設定されていてもよい。問い合わせが所定の回数に達した場合には、問い合わせの再送を止めてもよい。
【0070】
(第3の通信例:図17、図18)
図17および図18は、グループ分けに関する情報の第3の通信例を示すシーケンス図である。図17に示したように、第3の通信例においては、基地局10Aは基地局10Bに基地局10Bの端末リストを問い合わせる(S622)。基地局10Bは、基地局10Aから当該問い合わせを受けると、基地局10Bの端末リストを基地局10Aに送信する(S624)。
【0071】
一方、基地局10Aは、基地局10BからNACKを受信した場合、または基地局10Bからレスポンスが無かった場合(S626)、図18に示したように、基地局10Bに基地局10Bの端末リストを再度問い合わせてもよい(S628)。また、問い合わせする回数に所定の上限が設定されていてもよい。問い合わせが所定の回数に達した場合には、問い合わせの再送を止めてもよい。なお、基地局10Aは、第2の通信例によって基地局10Bがグループ分けを行っていることを確認した後に当該第3の通信例の制御を実行してもよい。
【0072】
(第4の通信例:図19、図20)
図19および図20は、グループ分けに関する情報の第4の通信例を示すシーケンス図である。図19に示したように、第4の通信例においては、基地局10Aは、基地局10Bの端末リストに対象のUE20Xが含まれているか否かを基地局10Bに問い合わせる(S632)。基地局10Bは、基地局10Aから当該問い合わせを受けると、基地局10Bの端末リストにUE20Xが含まれているか否かを確認し、確認結果を基地局10Aに送信する(S634)。
【0073】
一方、基地局10Aは、基地局10BからNACKを受信した場合、または基地局10Bからレスポンスが無かった場合(S636)、図20に示したように、基地局10Bの端末リストに対象のUE20Xが含まれているか否かを基地局10Bに再度問い合わせてもよい(S638)。また、問い合わせする回数に所定の上限が設定されていてもよい。問い合わせが所定の回数に達した場合には、問い合わせの再送を止めてもよい。なお、基地局10Aは、第2の通信例によって基地局10Bがグループ分けを行っていることを確認した後に当該第4の通信例の制御を実行してもよい。
【0074】
(第5の通信例:図21、図22)
図21および図22は、グループ分けに関する情報の第5の通信例を示すシーケンス図である。図21に示したように、第5の通信例においては、基地局10Aは、対象のUE20Xに対するCoMPへの参加の可否を基地局10Bに問い合わせる(S642)。基地局10Bは、基地局10Aから当該問い合わせを受けると、UE20Xに対するCoMPが可能であるか否かを判断し、判断結果を基地局10Aに送信する(S644)。例えば、基地局10Bは、基地局10Bがグループ分けを行っていない場合、基地局10Bの端末リストにUE20Xが含まれる場合、基地局10Bが端末リストに含まれないUE20に対してもオープンである場合に、UE20Xに対するCoMPが可能であると判断してもよい。
【0075】
一方、基地局10Aは、基地局10BからNACKを受信した場合、または基地局10Bからレスポンスが無かった場合(S646)、図22に示したように、UE20Xに対するCoMPへの参加の可否を基地局10Bに再度問い合わせてもよい(S648)。また、問い合わせする回数に所定の上限が設定されていてもよい。問い合わせが所定の回数に達した場合には、問い合わせの再送を止めてもよい。なお、基地局10Aは、第2の通信例によって基地局10Bがグループ分けを行っていることを確認した後に当該第5の通信例の制御を実行してもよい。さらに、基地局10Aは、第3の通信例または第4の通信例によって、基地局10Bの端末リストに対象のUE20が含まれていることを確認した後に当該第5の通信例の制御を実行してもよい。
【0076】
(グループ分けに関する情報の通信の補足)
以上説明したグループ分けに関する情報の通信プロトコルは、特にアプリケーション層で実装されることが望まれる。かかる構成により、実際に基地局10間や管理ノード30間を接続する通信路の下位層には任意のプロトコルを選択することができるので、通信システムの構成の自由度を向上させることができる。また、特にLTE(Long Term Evolution)のようなセルラシステムに上記通信プロトコルを実装する際には、上記通信プロトコルをX2インタフェースあるいはS1インタフェースの一部として実装することが望まれる。こうすることで、プロトコル・インターフェースを新規に実装するコストを削減することが可能になる。
【0077】
−−CoMPを実施するか否かの判断−−
基地局10は、上述したように周囲の基地局とUE20のグループ分けに関する情報を通信した後、CoMPを実施するか否か、実施する場合にはどのようにCoMPを実施するかを判断することが可能となる。以下、このような判断の具体例を説明する。なお、このCoMPに関する判断は、CoMPの対象のUE20がメインで接続している基地局10(サービング基地局)が行ってもよいし、他の基地局10や管理ノード30が行ってもよい。
【0078】
(第1の判断例:図23)
図23は、CoMPに関する第1の判断例を示したフローチャートである。図23に示したように、基地局10の通信制御部140は、まず周囲の基地局から受信したグループ分けに関する情報を確認する(S702)。そして、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っておらず(S704)、周囲の基地局がグループ分けを行っている場合(S706)、対象のUE20との1対1の通信を制御する(S708)。
【0079】
一方、基地局10がグループ分けを行っている場合(S704)、または、周囲の基地局がグループ分けを行っていない場合(S706)、通信制御部140は、CoMPなどの任意の方法でUE20との通信を制御する(S710)。
【0080】
この第1の判断例によれば、基地局10は、周囲にグループ分けを行っている基地局が1つでも存在する場合、対象のUEと通常の1対1の通信を行う。これにより、CoMPを実施するためのシグナリングを抑制し、UE20とのシンプルな通信を実現することができる。
【0081】
(第2の判断例:図24)
図24は、CoMPに関する第2の判断例を示したフローチャートである。図24に示したように、基地局10の通信制御部140は、まず周囲の基地局から受信したグループ分けに関する情報を確認する(S712)。そして、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っている場合(S714)、1対1の通信やブロードキャスト通信やCoMP通信などの任意の方法でUE20との通信を制御する(S716)。
【0082】
一方、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っていない場合(S714)、S718〜S724の処理を周囲の各基地局について繰り返す。具体的には、通信制御部140は、周囲の基地局がグループ分けを行っており(S718)、周囲の基地局の端末リストに対象のUE20が含まれず(S720)、周囲の基地局が端末リストに含まれないUE20に対してはオープンでない場合(S722)、周囲の基地局をCoMPのパートナーから外す(S724)。
【0083】
そして、通信制御部140は、CoMPのパートナーから外されなかった周囲の基地局にCoMPの協力を要求する通信を制御する(S726)。
【0084】
(第3の判断例:図25)
図25は、CoMPに関する第3の判断例を示したフローチャートである。図25に示したように、基地局10の通信制御部140は、まず周囲の基地局から受信したグループ分けに関する情報を確認する(S732)。そして、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っている場合(S734)、対象のUE20との1対1の通信を制御する(S736)。一方、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っていない場合(S734)、1対1の通信やブロードキャスト通信やCoMP通信など任意の方法でUE20との通信を制御する(S738)。
【0085】
この第3の判断例によれば、基地局10は、自己が例えばフェムトセル基地局のようなCSGセルである場合にはCoMPを実施しないと判断する。この場合、CoMPを実施するためのシグナリングを抑制することができる。また、基地局10は、第3の判断例に従って動作する場合、図12〜図22を参照して説明した周囲の基地局とグループ分けに関する通信を行うステップ(S600)を有さなくてもよい。
【0086】
(第4の判断例:図26)
図26は、CoMPに関する第4の判断例を示したフローチャートである。図26に示したように、基地局10の通信制御部140は、まず周囲の基地局から受信したグループ分けに関する情報を確認する(S742)。そして、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っていない場合(S744)、1対1の通信やCoMP通信などの任意の方法でUE20との通信を制御する(S746)。
【0087】
一方、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っている場合(S744)、S748〜S754の処理を周囲の各基地局について繰り返す。具体的には、通信制御部140は、周囲の基地局がグループ分けを行っており(S748)、周囲の基地局の端末リストに対象のUE20が含まれず(S750)、周囲の基地局が端末リストに含まれないUE20に対してはオープンでない場合(S752)、周囲の基地局をCoMPのパートナーから外す(S754)。
【0088】
そして、通信制御部140は、CoMPのパートナーから外されなかった周囲の基地局にCoMPの協力を要求する通信を制御する(S756)。
【0089】
(CoMPを実施するか否かの判断の補足)
以上説明した判断例を整理すると、基地局10は、各ケースにおいて下記のように動作する。なお、説明の便宜上、以下ではグループ分けを行っている基地局をCSGセルと称し、グループ分けを行っていない基地局をOSGセルと称する。
【0090】
A.サービング基地局がOSGセルである場合
A−1.周囲にCSGセルが存在する場合
A−1−1.周囲にOSGセルが存在する場合
(動作例1)CSGセルを含む周囲の基地局とCoMP
(動作例2)周囲のCSGセル以外の基地局とCoMP
(動作例3)CoMPを実施しない
A−1−2.周囲にOSGセルが存在しない場合
(動作例1)CSGセルとCoMP
(動作例2)CoMPを実施しない
A−2.周囲にCSGセルが存在しない場合
A−2−1.周囲にOSGセルが存在する場合
(動作例)OSGセルとCoMP
A−2−2.周囲にOSGセルが存在しない場合
(動作例)CoMPを実施しない
【0091】
B.サービング基地局がCSGセルである場合
B−1.周囲にCSGセルが存在する場合
B−1−1.周囲にOSGセルが存在する場合
(動作例1)OSGセルを含む周囲の基地局とCoMP
(動作例2)周囲のOSGセル以外の基地局とCoMP
(動作例3)CoMPを実施しない
B−1−2.周囲にOSGセルが存在しない場合
(動作例1)周囲のOSGセル以外の基地局とCoMP
(動作例2)CoMPを実施しない
B−2.周囲にCSGセルが存在しない場合、
B−2−1.周囲にOSGセルが存在する場合
(動作例1)OSGセルを含む周囲の基地局とCoMP
(動作例2)CoMPを実施しない
B−2−2.周囲にOSGセルが存在しない場合
(動作例)CoMPを実施しない
【0092】
−−CoMPを実施するための手順−−
上述の方法によりCoMPを実施すると判断された場合、基地局10は、CoMPを実施するためのシグナリングを行う。以下、図27および図28を参照して具体的に説明する。
【0093】
図27および図28は、CoMPを実施するためのシグナリングを示したシーケンス図である。図27に示したように、基地局10Aは、基地局10BからCoMPへの参加を示す情報が受信された場合、CoMPを実施するための通信リソースや、空間重み、変調方式、符号化方式などの送受信パラメータを選択または計算する(S802)。そして、基地局10Aは、送受信パラメータなどの選択結果を基地局10Bに通知する(S804)。その後、基地局10Aは、基地局10BからACKを受信すると(S806)、S802において選択した通信リソースや送受信パラメータに従ってCoMPを実施する(S808)。なお、CoMPの具体例は、「1−2.CoMPについて」において説明した通りである。
【0094】
一方、基地局10Aは、基地局10BからNACKを受信した場合、または基地局10Bからレスポンスが無かった場合(S810)、図28に示したように、送受信パラメータなどの選択結果を基地局10Bに再度通知する(S812)。また、通知する回数に所定の上限が設定されていてもよい。なお、基地局10Aは、基地局10BからNACKを受信した場合、または基地局10Bからレスポンスが無かった場合(S810)、または通知が所定の回数に達した場合、CoMPを実施せずUE20と1対1の通信を行ってもよいし、他の周囲の基地局とCoMPを実施してもよい。
【0095】
また、各基地局10は、CoMPの実施に際して以下の処理を行ってもよい。
(a)
サービング基地局10は、CoMPを実施する他の基地局10に対して、対象となるUE20の端末IDと、送信すべき情報を通知する。当該通知を受けた各基地局10は、通知された端末IDを有するUE20に対して、通知された情報を送信する。
(b)
サービング基地局10は、CoMPを実施する他の基地局10に対して、対象となるUE20の端末IDと、スケジューリング情報を通知する。当該通知を受けた各基地局10は、通知された端末IDを有するUE20のために、通知されたスケジューリング情報の示す通信リソース(スロット、リソースブロック)を割り当てる。
(c)
サービング基地局10は、CoMPを実施する他の基地局10に対して、対象となるUE20の端末IDと、スケジューリング情報を通知する。当該通知を受けた各基地局10は、通知された端末IDを有するUE20のために、通知されたスケジューリング情報の示す通信リソースと異なる通信リソースを割り当てる。
(d)
CoMPを実施する複数の基地局10は、UE20へ信号を送信する際に、送信電力、アンテナの指向性、アンテナの重み付けのうちの少なくともいずれかのパラメータを、過去の送信時のパラメータから変化させる。これらパラメータは、各基地局10が決定してもよい。この場合、各基地局10は、これらパラメータの設定のために、UE20から送信された信号の以前の受信結果を用いてもよい。まあ、これらのパラメータは、サービング基地局10が決定してもよいし、UE20が決定してもよい。
(e)
サービング基地局10以外のCoMPを実施する複数の基地局10の少なくとも一部は、対象となるUE20から信号を受信した場合、受信信号を復号、復調し、その結果をサービング基地局10に送信する。
(f)
サービング基地局10以外のCoMPを実施する複数の基地局10の少なくとも一部は、UE20からのACK/NACKをサービング基地局10に送信しない。さらに、CoMPを実施する複数の基地局10は、ACK/NACKを復調、復号しなくてもよいし、ACK/NACKのためのスケジューリングを行わなくてもよい。
(g)
CoMPを実施する複数の基地局10の少なくとも一部は、UE20から受信したデータに対するACK/NACKを送信しない。
(h)
CoMPを実施する複数の基地局10の少なくとも一部は、同一の周波数帯域、または重複部分を有する周波数帯域を利用して対象のUE20に信号を送信する、または、UE20から信号を受信する。
【0096】
以上説明したように、本開示の第1の実施形態によれば、CSGセルとOSGセルのように、グループ分けを行っている基地局10とグループ分けを行っていない基地局10が混在するネットワークにおいても、CoMP通信を適切に制御することが可能となる。すなわち、グループ分けを行う基地局10の導入と、CoMP通信の導入とによるメリットを同時に得ることが可能である。
【0097】
<<3.第2の実施形態>>
続いて、本開示の第2の実施形態を説明する。本開示の第2の実施形態では、複数の基地局10’が同一の端末リストを共有するための仕組みを提案する。
【0098】
<3−1.第2の実施形態のユースケース>
第2の実施形態では、同一の端末リストを有する複数の基地局10’が通信システムを構成するユースケースを想定する。例えば、比較的に規模の大きいオフィスなどで、複数の基地局10’(フェムトセル基地局のような小型基地局)によってオフィス全体をカバーするというユースケースが考えられる。
【0099】
図29に示した例では、基地局10’A〜10’Dが同一オフィスに配置され、基地局10’A〜10’Dが同一の端末リストを有する。これにより、当該端末リストに含まれるUE20は、オフィス内のどこからでも、いずれかの基地局10’に接続することが可能となる。なお、端末リストは管理ノード30’において管理されていてもよい。また、基地局10’は、UE20と1対1で通信することも、第1の実施形態で説明したようにCoMPを実施することも可能である。
【0100】
このような通信システムにおいては、各基地局10’が同一の端末リストを共有することが重要である。そこで、以下では、各基地局10’が同一の端末リストを共有するための構成を詳細に説明する。
【0101】
<3−2.基地局の構成および動作>
図30は、第2の実施形態による基地局10’の構成を示した機能ブロック図である。図30に示したように、第2の実施形態による基地局10’は、無線通信部110と、有線通信部120と、記憶部130と、通信制御部142と、リスト比較部150と、リスト更新部160と、を備える。無線通信部110、有線通信部120、および記憶部130は第1の実施形態で説明した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0102】
通信制御部142は、第1の実施形態で説明した通信制御部140の機能に加え、周囲の基地局10’の端末リストを取得するための通信を制御する。また、通信制御部142は、必要に応じ、周囲の基地局10’の端末リストの更新を要求する通信を制御する。
【0103】
リスト比較部150は、周囲の基地局10’の端末リストと、記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストを比較し、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するか否かを判断する。
【0104】
リスト更新部160は、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するとリスト比較部150により判断された場合、例えば、記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストを周囲の基地局10’の端末リストに一致させる。
【0105】
または、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するとリスト比較部150により判断された場合、通信制御部142が、周囲の基地局10’の端末リストを記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストに一致させることを要求する通信を制御してもよい。
【0106】
以下、このような基地局10’の動作例を図31〜図34を参照してより具体的に説明する。
【0107】
(第1の動作例)
図31は、第2の実施形態による基地局10’の第1の動作例を示したフローチャートである。図31に示したように、まず、基地局10’が通信制御部142による制御に従って周囲の基地局10’の端末リストを取得すると(S902)、リスト比較部150が、記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するか否かを判断する(S904)。
【0108】
そして、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在し、基地局10’の端末リストにないUE20が周囲の基地局10’の端末リストに含まれる場合、リスト更新部160は、基地局10’の端末リストに当該UE20を追加する(S908)。そして、基地局10’はUE20との通信のステップに進む(S910)。
【0109】
(第2の動作例)
図32は、第2の実施形態による基地局10’の第2の動作例を示したフローチャートである。図32に示したように、まず、基地局10’が通信制御部142による制御に従って周囲の基地局10’の端末リストを取得すると(S912)、リスト比較部150が、記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するか否かを判断する(S914)。
【0110】
そして、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在し、周囲の基地局10’の端末リストにないUE20が基地局10’の端末リストに含まれる場合(S916)、リスト更新部160は、基地局10’の端末リストから当該UE20を削除する(S918)。そして、基地局10’はUE20との通信のステップに進む(S920)。
【0111】
上述した第1の動作例と第2の動作例により、基地局10’と周囲の基地局10’の端末リストを一致させることが可能となる。なお、上記では基地局10’の端末リストを更新する例を説明したが、以下に説明する第3の動作例および第4の動作例のように、周囲の基地局10’の端末リストを更新することで基地局10’と周囲の基地局10’の端末リストを一致させることも可能である。
【0112】
(第3の動作例)
図33は、第2の実施形態による基地局10’の第3の動作例を示したフローチャートである。図33に示したように、まず、基地局10’が通信制御部142による制御に従って周囲の基地局10’の端末リストを取得すると(S922)、リスト比較部150が、記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するか否かを判断する(S924)。
【0113】
そして、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在し、基地局10’の端末リストにないUE20が周囲の基地局10’の端末リストに含まれる場合(S926)、通信制御部142は、周囲の基地局10’に当該UE20の削除を要求する通信を制御する(S928)。そして、基地局10’はUE20との通信のステップに進む(S930)。
【0114】
(第4の動作例)
図34は、第2の実施形態による基地局10’の第4の動作例を示したフローチャートである。図34に示したように、まず、基地局10’が通信制御部142による制御に従って周囲の基地局10’の端末リストを取得すると(S932)、リスト比較部150が、記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するか否かを判断する(S934)。
【0115】
そして、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在し、周囲の基地局10’の端末リストにないUE20が基地局10’の端末リストに含まれる場合(S936)、通信制御部142は、周囲の基地局10’に当該UE20の追加を要求する通信を制御する(S938)。そして、基地局10’はUE20との通信のステップに進む(S940)。
【0116】
<3−3.管理ノードの構成および動作>
上記では、基地局10’が主体となって複数の基地局10’の端末リストを一致させる例を説明したが、管理ノード30’が主体となって基地局10’の端末リストを一致させることも可能である。以下、このような管理ノード30’の構成および動作を詳細に説明する。
【0117】
図35は、管理ノード30’の構成を示した機能ブロック図である。図35に示したように、管理ノード30’は、有線通信部320と、通信制御部342と、リスト比較部350と、リスト作成部370と、を備える。
【0118】
有線通信部320は、基地局10’に情報を送信するための送信部、および基地局10’から情報を受信するための受信部として機能する。例えば、有線通信部320は、各基地局10’から端末リストを受信し、リスト作成部370により作成された端末リストを各基地局10’に送信する。なお、図35においては管理ノード30’と基地局10’のインタフェースが有線である例を示しているが、管理ノード30’と基地局10’のインタフェースは無線であってもよい。
【0119】
通信制御部342は、有線通信部320による通信全般を制御する。例えば、通信制御部342は、各基地局10’に端末リストを要求する通信や、にリスト作成部370により作成された端末リストの各基地局10’への送信などを制御する。
【0120】
リスト比較部350は、有線通信部320により受信された各基地局10’の端末リストを比較し、各基地局10’の端末リストのうちで、他と異なる端末リストが存在するか否かを判断する。
【0121】
リスト作成部370は、各基地局10’の端末リストのうちで、他と異なる端末リストが存在すると判断された場合、各基地局10’の端末リストに基づいて新たな端末リストを作成する。リスト作成部370により作成された新たな端末リストは、有線通信部230から各基地局10’に送信される。
【0122】
以下、このような管理ノード30’の動作例を図36および図37を参照してより具体的に説明する。
【0123】
図36は、管理ノード30’の第1の動作例を示したフローチャートである。図36に示したように、管理ノード30’が通信制御部342の制御により各基地局10’から端末リストを受信すると(S952)、リスト比較部350が、各基地局10’の端末リストのうちで、他と異なる端末リストが存在するか否かを判断する(S954)。
【0124】
続いて、リスト作成部370は、他と異なる端末リストが存在する場合、各基地局10’の端末リストのうちのいずれかに含まれているUE20からなる端末リストを新たに作成する(S956)。例えば、基地局10’Aの端末リストにUE20A、20Bおよび20Dが含まれ、基地局10’Bの端末リストにUE20A、20Bおよび20Cが含まれる場合、リスト作成部370は、UE20A、20B、20Cおよび20Dからなる端末リストを作成する。そして、有線通信部320が、リスト作成部370により新たに作成された端末リストを各基地局10’に送信する(S958)。
【0125】
図37は、管理ノード30’の第2の動作例を示したフローチャートである。図37に示したように、管理ノード30’が通信制御部342の制御により各基地局10’から端末リストを受信すると(S962)、リスト比較部350が、各基地局10’の端末リストのうちで、他と異なる端末リストが存在するか否かを判断する(S964)。
【0126】
続いて、リスト作成部370は、他と異なる端末リストが存在する場合、各基地局10’の端末リストの全てに含まれるUE20からなる端末リストを新たに作成する(S966)。例えば、基地局10’Aの端末リストにUE20A、20Bおよび20Dが含まれ、基地局10’Bの端末リストにUE20A、20Bおよび20Cが含まれる場合、リスト作成部370は、UE20Aおよび20Bからなる端末リストを作成する。そして、有線通信部320が、リスト作成部370により新たに作成された端末リストを各基地局10’に送信する(S968)。
【0127】
この第2の動作例では、全ての基地局10’によりアクセスが許可されるUE20以外は端末リストから削除されるので、セキュリティの観点からはUE20からのアクセスに対して堅牢である。
【0128】
<3−4.補足>
以上、基地局10’または管理ノード30’が主体となって端末リストを更新する例を説明した。この端末リストの更新は、基地局10’または管理ノード30’が周期的に行ってもよいが、基地局10’または管理ノード30’は、以下に説明するように、UE20からの依頼に応じて端末リストを更新してもよい。
【0129】
図38は、基地局10’による端末リストの更新処理を示したフローチャートである。図38に示したように、基地局10’の無線通信部110が、UE20の端末リストへの追加/削除の要求をUE20から受信した場合(S970)、記憶部130の端末リストにUE20を追加/端末リストからUE20を削除する(S972)。
【0130】
そして、基地局10’の有線通信部120が、リスト更新部160により更新された端末リストを周囲の基地局10’に送信する(S974)。その後、周囲の基地局10’から端末リストに対するレスポンスがあった場合、基地局10’は、UE20に更新完了を通知することで当該更新処理を終了する(S976)。一方、有線通信部120により周囲の基地局10’から更新通知が受信されない場合、有線通信部120は更新された端末リストを周囲の基地局10’に再度送信する(S974)。
【0131】
図39は、基地局10’による端末リストの更新処理を別の観点から示したシーケンス図である。図39に示したように、UE20の端末リストへの追加/削除をUE20が基地局10’Aに要求すると(S981)、基地局10’Aは、当該要求を他の基地局10’Bに送信する(S982)。なお、図39においては2つの基地局10’のみを示しているが、より多数の基地局10’が通信システムを構成する場合、各基地局10’は、例えばリレー形式で当該要求を順次に転送してもよい。
【0132】
その後、UE20の端末リストへの追加/削除の要求を受信した各基地局10’は、当該要求に従って端末リストを更新する(S983、S984)。そして、各基地局10’は、端末リストを更新した旨を示す更新通知を送信する(S985、S986)。
【0133】
なお、上記では各基地局10’が個別に端末リストを更新する例を説明したが、図40を参照して説明するように、管理ノード30’のような1つの装置が端末リストを更新してもよい。
【0134】
図40は、管理ノード30’による端末リストの更新処理を示したシーケンス図である。図40に示したように、UE20の端末リストへの追加/削除をUE20が基地局10’Aに要求すると(S991)、基地局10’Aは、当該要求を管理ノード30’に送信する(S992)そして、管理ノード30’が、当該要求に応じて端末リストを更新し(S993)、更新した端末リストを各基地局10’に送信する(S994、S995)。その後、基地局10’Aが、端末リストを更新した旨を示す更新通知をUE20へ送信する(S996)。
【0135】
以上説明したように、基地局10’Aまたは管理ノード30’は、例えばUE20からの要求に応じて端末リストを更新してもよいし、通信システムの外部からの要求や、基地局10’Aまたは管理ノード30’への人的な操作に応じて端末リストを更新してもよい。
【0136】
<<4.むすび>>
本開示によれば、UE20のグループ分けを行い、各グループに属するUE20に対する動作を区別するCSGセルのような基地局が多く導入される場合でも、当該基地局を含むCoMPを実現できるので、CSGセルの導入とCoMPの導入による相乗効果を得ることができる。その結果、局所的に発生する通信トラヒックを効率よくカバーしながら、エリア全体の通信容量を向上させることが可能となるので、ユーザエクスペリエンスの向上させることができる。
【0137】
なお、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0138】
例えば、本明細書の基地局10、管理ノード30などの処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、基地局10、管理ノード30などの処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0139】
また、基地局10、管理ノード30などに内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した基地局10、管理ノード30などの各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【0140】
また、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
通信制御装置であって、
特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、
を備える、通信制御装置。
(2)
前記通信制御部は、前記通信制御装置および他の第1の通信制御装置が前記端末グループ分けを行っておらず、他の第2の通信制御装置が前記端末グループ分けを行っている場合、前記他の第1の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、(1)に記載の通信制御装置。
(3)
前記通信制御部は、他の第2の通信制御装置が対象の無線端末を特定の無線端末として含む端末リストを有する場合、前記他の第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、(1)または(2)に記載の通信制御装置。
(4)
前記通信制御部は、他の第2の通信制御装置が前記他の無線端末との接続を許可している場合、前記他の第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(5)
前記通信制御部は、前記通信制御装置が前記端末グループ分けを行っている場合、対象の無線端末との1対1の通信を制御する、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(6)
前記通信制御部は、前記他の通信制御装置との通信であって、前記端末グループ分けに関する情報の通信を制御する、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(7)
前記通信制御部は、前記他の通信制御装置が前記端末グループ分けを行っているか否かを問い合わせる通信を制御する、(6)に記載の通信制御装置。
(8)
前記通信制御部は、前記他の通信制御装置における前記端末グループ分けを示す端末リストを問い合わせる通信を制御する、(6)または(7)に記載の通信制御装置。
(9)
前記通信制御部は、対象の無線端末を前記特定の無線端末として含む端末リストを前記他の通信制御装置が有するか否かを問い合わせる通信を制御する、(6)〜(8)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(10)
前記通信制御部は、対象の無線端末との通信のために前記他の通信制御装置と連携する協調型通信への参加の可否を問い合わせる通信を制御する、(6)〜(9)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(11)
前記特定の端末は、前記通信制御装置への接続が許可される端末、または、前記通信制御装置へ優先接続される端末である、(1)〜(10)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(12)
通信制御装置が、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、通信制御方法。
(13)
コンピュータを、
通信制御装置であって、
特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、
を備える通信制御装置として機能させるための、プログラム。
(14)
第1の通信制御装置と、
第2の通信制御装置と、
を備え、
前記第1の通信制御装置は、
特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記第1の通信制御装置または前記第2の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部を有する、通信システム。
(15)
通信制御装置との通信であって、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する前記通信制御装置と通信する、無線端末。
【符号の説明】
【0141】
10 基地局
20 UE
30 管理ノード
110 無線通信部
120、320 有線通信部
130 記憶部
140、142、342 通信制御部
150、350 リスト比較部
160 リスト更新部
170 リスト作成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置、通信制御方法、プログラム、通信システムおよび無線端末に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、3GPP(Third Generation Partnership Project)において4Gの無線通信システム(セルラシステム)の規格化が進められている。このような無線通信システムでは、セルエッジにおける通信容量を向上することが重要である。このため、セルエッジにおける通信容量を向上するための一つの手段として、CoMP(Coordinated Multi−Point)が検討されている。
【0003】
CoMPは、複数の基地局が協調して送受信パラメータ、スケジューリング、またはビーム・アンテナ指向性を制御しながらユーザ端末と通信する方式である。このCoMPにより、通信品質の安定化や、通信容量の増加などの効果が期待されている。
【0004】
また、無線通信システムでは、局所的に発生する通信トラフィックを効率よくサポートすることも重要である。このような観点から、HetNet(Heterogeneous Network)の導入も検討されている。HetNetは、大小のセルが重なるように配置されたネットワークである。HetNetによれば、マクロセルのような大きなセルだけではカバーすることが難しかった局所的に発生する通信トラフィックを小さなセルがカバーすることにより、エリア全体の通信容量を向上することが可能となる。なお、各セルを形成する基地局としては、eNodeB、RRH(Remote RadioHead)セル基地局、ホットゾーン基地局(Pico/micro cell eNB)、フェムトセル基地局(Home eNB)、および中継装置(リレー基地局)などが想定される。
【0005】
これら基地局は、ユーザ端末のアクセス制限を有するCSG(Closed Subscriber Group)セルと、アクセス制限を有さないOSG(Open Subscriber Group)セルとに大別される。例えば、フェムトセル基地局は、家庭におけるCSGセルとしての運用が考えられており、事前に設定されたユーザ端末がフェムトセル基地局にアクセスすることが可能である。このようなCSGセルを考慮した技術は、例えば特許文献1および特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2011−501525号公報
【特許文献2】特開2010−213273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、今後、CoMPとCSGセルの導入が進むことが予想される。しかし、CSGセルについては、現状、他の基地局と協調するための手順が検討されていない。このため、CSGセルとCoMPの組合せを実現することが困難であった。
【0008】
そこで、本開示では、ある無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するCSGセルのような通信制御装置の導入と、CoMPのような協調型通信の導入との相乗効果を得るための、新規かつ改良された通信制御装置、通信制御方法、プログラム、通信システムおよび無線端末を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示によれば、通信制御装置であって、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、を備える通信制御装置が提供される。
【0010】
また、本開示によれば、通信制御装置が、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、通信制御方法が提供される。
【0011】
また、本開示によれば、通信制御装置であって、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、を備える通信制御装置として機能させるための、プログラムが提供される。
【0012】
また、本開示によれば、第1の通信制御装置と、第2の通信制御装置と、を備え、前記第1の通信制御装置は、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記第1の通信制御装置または前記第2の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部を有する、通信システムが提供される。
【0013】
また、本開示によれば、通信制御装置との通信であって、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する前記通信制御装置と通信する、無線端末が提供される。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本開示によれば、ある無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するCSGセルのような通信制御装置の導入と、CoMPのような協調型通信の導入との相乗効果を得るための通信制御装置、通信制御方法、プログラムおよび通信システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本開示の実施形態による無線通信システムの構成例を示した説明図である。
【図2】グループ分けにより特定のUEのアクセスのみを許可する例を示した説明図である。
【図3】UEのグループ分けを行っている基地局に対するアクセスに関するプロトコルの一例を示した説明図である。
【図4】UEのグループ分けを行っている基地局に対するアクセスに関するプロトコルの別の例を示した説明図である。
【図5】グループ分けを行っている基地局によるリソース割り当てを示した説明図である。
【図6】2つの基地局による空間ダイバーシチ効果を得るための協調送信の例を示す説明図である。
【図7】2つの基地局による空間多重効果を得るための協調送信の例を示す説明図である。
【図8】2つの基地局による空間ダイバーシチ効果を得るための協調受信の例を示す説明図である。
【図9】2つの基地局による周波数方向の協調スケジューリングの例を示す説明図である。
【図10】2つの基地局による時間方向の協調スケジューリングの例を示す説明図である。
【図11】第1の実施形態による基地局の構成を示した機能ブロック図である。
【図12】本実施形態による基地局の動作の概略を示したシーケンス図である。
【図13】グループ分けに関する情報の第1の通信例を示すシーケンス図である。
【図14】グループ分けに関する情報の第1の通信例を示すシーケンス図である。
【図15】グループ分けに関する情報の第2の通信例を示すシーケンス図である。
【図16】グループ分けに関する情報の第2の通信例を示すシーケンス図である。
【図17】グループ分けに関する情報の第3の通信例を示すシーケンス図である。
【図18】グループ分けに関する情報の第3の通信例を示すシーケンス図である。
【図19】グループ分けに関する情報の第4の通信例を示すシーケンス図である。
【図20】グループ分けに関する情報の第4の通信例を示すシーケンス図である。
【図21】グループ分けに関する情報の第5の通信例を示すシーケンス図である。
【図22】グループ分けに関する情報の第5の通信例を示すシーケンス図である。
【図23】CoMPに関する第1の判断例を示したフローチャートである。
【図24】CoMPに関する第2の判断例を示したフローチャートである。
【図25】CoMPに関する第3の判断例を示したフローチャートである。
【図26】CoMPに関する第4の判断例を示したフローチャートである。
【図27】CoMPを実施するためのシグナリングを示したシーケンス図である。
【図28】CoMPを実施するためのシグナリングを示したシーケンス図である。
【図29】第2の実施形態のユースケースを示した説明図である。
【図30】第2の実施形態による基地局の構成を示した機能ブロック図である。
【図31】第2の実施形態による基地局の第1の動作例を示したフローチャートである。
【図32】第2の実施形態による基地局の第2の動作例を示したフローチャートである。
【図33】第2の実施形態による基地局の第3の動作例を示したフローチャートである。
【図34】第2の実施形態による基地局の第4の動作例を示したフローチャートである。
【図35】管理ノードの構成を示した機能ブロック図である。
【図36】管理ノードの第1の動作例を示したフローチャートである。
【図37】管理ノードの第2の動作例を示したフローチャートである。
【図38】基地局による端末リストの更新処理を示したフローチャートである。
【図39】基地局による端末リストの更新処理を別の観点から示したシーケンス図である。
【図40】管理ノードによる端末リストの更新処理を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じてUE20A、20Bおよび20Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、UE20A、20Bおよび20Cを特に区別する必要が無い場合には、単にUE20と称する。
【0017】
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.無線通信システムの基本構成
1−1.UEのグループ分けについて
(アクセス制限のためのグループ分け)
(優先接続のためのグループ分け)
1−2.CoMPについて
(協調送信)
(協調受信)
(協調スケジューリング)
2.第1の実施形態
2−1.基地局の構成
2−2.基地局の動作
−−グループ分けに関する情報の通信−−
(第1の通信例:図13、図14)
(第2の通信例:図15、図16)
(第3の通信例:図17、図18)
(第4の通信例:図19、図20)
(第5の通信例:図21、図22)
−−CoMPを実施するか否かの判断−−
(第1の判断例:図23)
(第2の判断例:図24)
(第3の判断例:図25)
(第4の判断例:図26)
−−CoMPを実施するための手順−−
3.第2の実施形態
3−1.第2の実施形態のユースケース
3−2.基地局の構成および動作
3−3.管理ノードの構成および動作
3−4.補足
4.むすび
【0018】
<<1.無線通信システムの基本構成>>
まず、図1を参照し、本開示の実施形態による無線通信システムの基本構成を説明する。図1は、本開示の実施形態による無線通信システムの構成例を示した説明図である。図1に示したように、本開示の実施形態による無線通信システムは、eNodeB11、リレーノード12、フェムトセル基地局13、UE(User Equipment)20、および管理ノード30を有する。
【0019】
eNodeB11は、eNodeB11が形成するマクロセル内に存在するリレーノード12およびUE20との通信を制御する。例えば、eNodeB11Aは、マクロセル内に存在するUE20Aと通信するためのスケジューリング情報を管理し、このスケジューリング情報に従ってUE20Aと通信する。また、eNodeB11Aは、マクロセル内に存在するリレーノード12と通信するためのスケジューリング情報、およびリレーノード12とUE20Bが通信するためのスケジューリング情報を管理する。
【0020】
また、各eNodeB11は、X2インタフェースと呼ばれる有線の通信路を介して接続される。また、各eNodeB11は、S1インタフェースと呼ばれる有線の通信路を介して管理ノード30Aと接続される。各eNodeB11は、これらインタフェースを用い、他のeNodeBや管理ノード30などと通信することができる。
【0021】
リレーノード12は、eNodeB11とUE20との通信を、eNodeB11が管理するスケジューリング情報に従って中継する。具体的には、リレーノード12は、ダウンリンクにおいて、eNodeB11から送信された信号を受信して、増幅した信号を、スケジューリング情報に従った周波数―時間を利用してUE20に送信する。リレーノード12は、このような中継を行うことにより、eNodeB11からセルエッジ付近のUE20に対して信号を直接送信する場合よりも、信号対雑音比を高くすることが可能である。
【0022】
フェムトセル基地局13は、最大送信電力がeNodeB11より小さく、マクロセルよりも小さなセルを形成する基地局である。このフェムトセル基地局13は、家庭内やオフィス内に配置されることが想定されており、例えば家族内のユーザのUE20からしかアクセスできないCSG(Closed Subscriber Group)を形成する。
【0023】
また、フェムトセル基地局13は、管理ノード30Bと接続されており、eNodeB11とはADSLなどのパケット交換ネットワークを介して通信することができる。なお、フェムトセル基地局13は、無線リンクによりeNodeB11と通信を行ってもよい。
【0024】
管理ノード30Aは、バックボーンネットワークを介して各eNodeB11と接続されている。この管理ノード30Aは、MME(Mobile Management Entity)としての機能、または、Serving Gatewayとしての機能を有してもよい。管理ノード30Aは、各eNodeB11が形成するマクロセルの状態を示す管理情報を各eNodeB11から受信し、この管理情報に基づいて各eNodeB11が形成するマクロセルにおける通信を制御する。なお、管理ノード30Aの機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。同様に、管理ノード30Bは、フェムトセル基地局13と接続されており、フェムトセル基地局13による通信を管理する。
【0025】
UE20は、上述したように、eNodeB11、リレーノード12、およびフェムトセル基地局13などの基地局と通信する無線端末である。なお、UE20が送受信するデータとしては、音声データや、音楽、講演およびラジオ番組などの音楽データや、写真、文書、絵画、図表などの静止画データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、ゲーム画像などの動画データなどが挙げられる。また、図1においてはUE20がスマートフォンである例を示しているが、UE20は、携帯電話、PC(Personal computer)、携帯用音楽再生装置、携帯用ゲーム機、家庭用音楽再生装置、家庭用ゲーム機など、無線通信機能を備えた情報処理装置であってもよい。
【0026】
以上説明したように、本開示の実施形態による無線通信システムによれば、大小のセルが重なるように配置されたHetNetと呼ばれるネットワークが形成される。このHetNetによれば、マクロセルのような大きなセルだけではカバーすることが難しかった局所的に発生する通信トラフィックを小さなセルがカバーすることにより、エリア全体の通信容量を向上することが可能となる。
【0027】
なお、以下では、HetNetを形成するeNodeB11、リレーノード12、およびフェムトセル基地局13などの通信制御装置を、必要に応じて基地局10と総称する。ただし、基地局10は、eNodeB11、リレーノード12、およびフェムトセル基地局13に限定されない。例えば、基地局10は、ホットゾーン基地局やRRH(Remote RadioHead)セル基地局であってもよい。
【0028】
ホットゾーン基地局は、最大送信電力がeNodeB11より小さい基地局である。ホットゾーン基地局は、eNodeB11とはバッグボーンネットワークのX2やS1などのインタフェースを用いて通信する。なお、ホットゾーン基地局は、どのUE20からもアクセス可能なOSG(Open Subscriber Group)を形成する。
【0029】
RRHセル基地局は、eNodeB11と光ファイバで接続されている。このため、eNodeB11は、地理的に異なる場所に配置されたRRHセル基地局に光ファイバを介して信号を伝送し、RRHセル基地局から信号を無線送信させることができる。例えば、UE20の位置に近いRRHセル基地局のみを利用することも可能である。なお、制御系の機能はeNodeB11に実装されており、eNodeB11は、UE20の分布に応じて最適な送信形態を選択する。
【0030】
<1−1.UEのグループ分けについて>
上述したeNodeB11は、全てのUE20に対してオープンであり、全てのUE20からの接続を許可する。このようなeNodeB11によりマクロセルが面的に展開されることにより、UE20が広範囲で通信可能となる。
【0031】
一方、フェムトセル基地局13のように、UE20をグループ分けし、特定のUE20からのアクセスのみを許可する基地局が存在する。このような基地局は、CSG(Closed Subscriber Group)セルと呼ばれる。例えば、CSGセルを設置したオフィスの社員や、家族の一員のUE20をCSGリストに加えることで、CSGリストに含まれるUE20のみがCSGセルにアクセスすることが可能となる。このCSGセルの導入により、CSGセルでは、UE20によるアクセスの混雑を防止し、高品質および高スピードの通信を実現することが期待される。
【0032】
また、基地局10は、UE20のグループ分けにより、特定のUE20を他のUE20よりも優先して接続させることも可能である。これにより、通信システムを構築する際に、各時間/場所における通信リソースの割振りを効率化し、特定のユーザまたは特定のエリアの通信品質を向上させることができる。以下では、グループ分けにより特定のUE20のアクセスのみを許可する例と、グループ分けにより特定のUE20を優先接続する例をより具体的に説明する。
【0033】
(アクセス制限のためのグループ分け)
図2は、グループ分けにより特定のUE20のアクセスのみを許可する例を示した説明図である。図2に示したように、基地局10Aがグループ分けを行っておらず、基地局10Bおよび10Cがグループ分けを行っている場合を考える。また、基地局10Bおよび10Cは、アクセスを許可するUE20を示す端末リストを有し、基地局10Bの端末リストにはUE20A、20Bおよび20Cが含まれ、基地局10Cの端末リストにはUE20A、20Dおよび20Eが含まれる。
【0034】
この場合、基地局10Aは、UE20A、20Bおよび20Dのいずれとも通信可能である。一方、基地局10Bは、UE20Aおよび20Bとは通信可能であるが、UE20Dは端末リストに含まれないので、UE20Dとは通信を行わない。同様に、基地局10Cは、UE20Aおよび20Dとは通信可能であるが、UE20Bは端末リストに含まれないので、UE20Bとは通信を行わない。
【0035】
図3は、UE20のグループ分けを行っている基地局10に対するアクセスに関するプロトコルの一例を示した説明図である。図3に示したように、UE20が、基地局10に接続可能か否かの確認するために基地局10に端末リストの問い合わせを行うと(S52)、基地局10はUE20が端末リストに含まれているか否かを確認する(S54)。そして、基地局10は、確認結果をUE20に通知する(S56)、または、UE20のグループ分けに従った動作をUE20に対して実行する。
【0036】
図4は、UE20のグループ分けを行っている基地局10に対するアクセスに関するプロトコルの別の例を示した説明図である。図3においては、基地局10が端末リストを有する例を説明したが、図4に示すように、管理ノード30が端末リストを有してもよいし、基地局10および管理ノード30の双方が端末リストを有してもよい。
【0037】
具体的には、UE20が、基地局10に接続可能か否かの確認するために基地局10に端末リストの問い合わせを行うと(S60)、基地局10はこの問い合わせを管理ノード30に転送する(S62)。そして、管理ノード30は、UE20が端末リストに含まれているか否かを確認し(S64)、確認結果を基地局10に送信する(S66)。基地局10は、管理ノード30から受信した確認結果をUE20に転送する(S68)。
【0038】
なお、図4においては記載を省略しているが、基地局10と管理ノードの間にはさらに物理的なノードが介在し得る。この場合、介在する物理的なノードは、問い合わせまたは確認結果を転送する役割を担う。
【0039】
(優先接続のためのグループ分け)
上述したように、UE20のグループ分けにより、特定のUE20の優先接続を実現することが可能となる。例えば、基地局10は、通信リソース(時間、周波数、符号および空間など)を特定のUE20に対して他のUEよりも多く割り当てることにより優先接続を実現できる。以下、図5を参照してこの点についてより具体的に説明する。
【0040】
図5は、グループ分けを行っている基地局10によるリソース割り当てを示した説明図である。図5に示した基地局10は、UE20を、リスト1に含まれるUE20、リスト2に含まれるUE20、および他のUE20にグループ分けしており、各グループ用の通信リソースを用意している。
【0041】
図5に示した例では、基地局10は、周波数F1〜F4をリスト2に含まれるUE20のグループのために用意しており、周波数F5〜F7をリスト1に含まれるUE20のグループのために用意しており、周波数F8を他のUE20のために用意している。このため、リスト2に含まれるUE20に最も高い優先度が与えられ、リスト1に含まれるUE20に次に高い優先度が与えられ、他のUE20には最も低い優先度が与えられる。
【0042】
なお、図5には、グループごとに周波数方向の通信リソースを変化させる例を示したが、他の時間方向の通信リソースなどをグループごとに変化させることも可能である。このように、基地局10が複数の端末リストを有することにより、基地局10が形成するセルにおけるより細かな通信容量の制御が可能となる。
【0043】
<1−2.CoMPについて>
続いて、本開示の実施形態による基地局10が行うCoMP通信について説明する。CoMP通信は、複数の基地局10が連携することによりUE20と通信を行う協調型通信である。このCoMP通信の一例として、協調送信、協調受信、および協調スケジューリングなどが挙げられる。以下、これらの各CoMP通信について具体的に説明する。
【0044】
(協調送信)
協調送信は、対象のUE20への情報を、複数の基地局10から対象のUE20に対して送信する方法である。その際、複数の基地局10は、少なくとも一部において同一の通信リソース(周波数・時間・空間・符号など)を利用する。また、複数の基地局10は、送信する情報の誤り訂正方式、誤り訂正符号化率、変調方式、および重みづけなどの送信パラメータを基地局10間で調整する。これにより、複数の基地局10による空間送信ダイバーシチの効果(受信品質の向上)、あるいは複数の基地局10が異なる情報を同一の通信リソースで送信することによる空間多重の効果(伝送レートの向上)が期待できる。
【0045】
図6は、2つの基地局10による空間ダイバーシチ効果を得るための協調送信の例を示す説明図である。図6に示したように、基地局10Aおよび10Bは、空間ダイバーシチ効果を得るための協調送信を行う場合、周波数および時間については同一リソースを利用しつつ、空間については異なるリソースを利用して、同一の情報をUE20Aに送信する。具体的には、同一の情報D1の送信のために、基地局10Aは空間重みW1を用い、基地局10Bは空間重みW2を利用する。この空間重みW1およびW2は、UE20A側で信号が受信された際に、合成された信号がダイバーシチ効果を得られるように選択されることが望ましい。基地局10Aおよび10Bは、このリソースの選択、および同一の情報を基地局10間で共有、制御するために、図1に示したようなパケット交換ネットワークのような通信網や有線の通信路を用いてもよい。
【0046】
図7は、2つの基地局10による空間多重効果を得るための協調送信の例を示す説明図である。図7に示したように、基地局10Aおよび10Bは、空間多重効果を得るための協調送信を行う場合、周波数および時間については同一リソースを利用しつつ、空間については異なるリソースを利用して、異なる情報をUE20Aに送信する。基地局10Aおよび10Bは、このリソースの選択、およびそれぞれの基地局から送信する情報を基地局10間で共有、制御するために、図6に示した例と同様にパケット交換ネットワークのような通信網や有線の通信路を用いてもよい。
【0047】
以上説明したように、2つの基地局10による協調送信によれば、基地局10が単独でUE20Aに情報を送信する場合と比べ、高い伝送レート(例えば、2倍の伝送レート)を得ることが可能となる。
【0048】
(協調受信)
協調受信は、対象のUE20から送信される信号を複数の基地局10が受信し、複数の基地局10が受信信号を交換すること、または受信信号を所定の箇所に集めることにより、情報を復号する方法である。その際、複数の基地局10は、UE20に対し、少なくとも一部において同一の通信リソース(周波数・時間・空間・符号など)を割り当てる。これにより、複数の基地局10による空間受信ダイバーシチの効果が得られるので、例えば通信システムのアップリンクの受信品質を改善することができる。
【0049】
図8は、2つの基地局10による空間ダイバーシチ効果を得るための協調受信の例を示す説明図である。図8に示したように、基地局10Aおよび基地局10Bは、空間ダイバーシチ効果を得るための協調受信を行う場合、同一の周波数、時間リソースをUE20Aに割り当て、UE20Aは割り当てられたリソースを利用して信号を送信する。基地局10Aおよび基地局10Bは、各々の受信信号を所定の場所へ転送することにより、または、基地局10Aおよび基地局10Bの間で交換することにより、情報の復号を試みる。このように、複数の基地局10の受信信号を情報の復号に用いることにより、受信品質の向上を図ることが可能である。なお、情報の復号は、基地局10Aおよび基地局10B以外の別の装置で行われてもよい。また、UE20Aは、空間重みを用いて情報を送信してもよい。
【0050】
(協調スケジューリング)
協調スケジューリングは、対象のUE20と通信を行う複数の基地局10において、各基地局10によるUE20への割当てリソースの少なくとも一部が異なるようにリソース割り当てを調整する方法である。これにより、複数の基地局10からの信号が少なくとも一部の通信リソースで直交するため、UE20側における干渉の軽減が期待される。
【0051】
図9は、2つの基地局10による周波数方向の協調スケジューリングの例を示す説明図である。図9に示したように、基地局10Aおよび10Bは、周波数方向の協調スケジューリングを行う場合、時間については同一のリソースを利用しつつ、周波数については異なるリソースを利用して、異なる情報を送信する。これにより、UE20Aでは基地局10Aおよび10Bからの信号が直交するので、干渉を軽減することができる。
【0052】
図10は、2つの基地局10による時間方向の協調スケジューリングの例を示す説明図である。図10に示したように、基地局10Aおよび10Bは、時間方向の協調スケジューリングを行う場合、周波数については同一のリソースを利用しつつ、時間については異なるリソースを利用して、異なる情報を送信する。かかる構成によっても、UE20Aでは基地局10Aおよび10Bからの信号が直交するので、干渉を軽減することができる。
【0053】
なお、図9および図10では基地局10Aおよび10Bから送信される情報が異なる例を示したが、基地局10Aおよび10Bは、同一の情報を送信することによりダイバーシチ効果を得ることも可能である。また、図9および図10では、複数の基地局10からUE20への送信について示しているが、UE20から複数の基地局10への送信のための協調スケジューリングも同様の方法により実現可能である。
【0054】
(CoMPに関する補足)
上述したように、CoMPに際しては利用する通信リソースの協調制御や、送信情報の共有(分配)などが必要となるが、協調制御や送信情報の共有を実現する主体は特に限定されない。例えば、当該主体は、対象となるUE20が接続している基地局10(サービング基地局)であってもよいし、図1に示した管理ノード30のような他の装置であってもよい。
【0055】
<<2.第1の実施形態>>
以上、図1〜図10を参照し、本開示による無線通信システムの基本構成を説明した。
続いて、本開示の第1の実施形態について説明する。本開示の第1の実施形態による基地局10は、以下に詳細に説明するように、周囲の基地局とUE20のグループ分けに関する情報を通信し、このグループ分けに関する情報に基づいてCoMP通信を制御することが可能である。
【0056】
<2−1.基地局の構成>
図11は、第1の実施形態による基地局10の構成を示した機能ブロック図である。図11に示したように、第1の実施形態による基地局10は、無線通信部110と、有線通信部120と、記憶部130と、通信制御部140と、を備える。
【0057】
無線通信部110は、UE20へ無線信号を送信するための送信部、およびUE20から無線信号を受信するための受信部として機能する。例えば、無線通信部110は、受信用の構成として、複数のアンテナ、アナログ処理部、AD変換部、デジタル処理部およびデコーダを含んでもよい。また、無線通信部110は、送信用の構成として、エンコーダ、デジタル処理部、DA変換部、アナログ処理部、および複数のアンテナを含んでもよい。
【0058】
有線通信部120は、他の基地局10や管理ノード30などに情報を送信するための送信部、および他の基地局10や管理ノード30などから情報を受信するための受信部として機能する。本実施形態による基地局10は、詳細については「2−2.基地局の動作」で説明するように、この有線通信部120を介してグループ分けに関する情報、およびCoMPを実施するための情報を通信することができる。なお、図11においては他の基地局10や管理ノード30とのインタフェースが有線である例を示したが、他の基地局10や管理ノード30とのインタフェースは無線であってもよい。
【0059】
記憶部130は、基地局10が動作するためのプログラムや各種情報を記憶する記憶媒体である。特に、基地局10がUE20のグループ分けを行っている場合、記憶部130には、グループ分けの内容を示す端末リストが記憶される。
【0060】
通信制御部140は、無線通信部110によるUE20との通信や、有線通信部120による他の基地局10との通信など、基地局10における通信全般を制御する。具体的には、通信制御部140は、他の基地局10とのグループ分けに関する情報の通信を制御する。また、通信制御部140は、他の基地局10とCoMP通信を行うための通信パラメータの設定を行う。また、記憶部130に端末リストが記憶されている場合、通信制御部140は、対象のUE20が端末リストに含まれているか否かに応じて、対象のUE20との通信の可否を判断したり、対象のUE20の接続を優先したりする。
【0061】
<2−2.基地局の動作>
以上、図11を参照して本実施形態による基地局10の構成を説明した。続いて、図12を参照して本実施形態による基地局10の動作の概略を説明した後に、本実施形態による基地局10の動作を詳細に説明する。
【0062】
図12は、本実施形態による基地局10の動作の概略を示したシーケンス図である。図12に示したように、基地局10Aおよび10Bは、UE20のグループ分けに関する情報を通信する(S600)。グループ分けに関する情報は、「グループ分けに関する情報の通信」において詳細に説明するように、グループ分けを行っているか否かを示す情報、端末リスト、または特定のUE20を含む端末リストを有するか否かを示す情報などであってもよい。
【0063】
その後、基地局10Aは、S600の通信により得られたグループ分けに関する情報に基づき、基地局10BとCoMPを実施するか否かを判断する(S700)。そして、基地局10Aは、CoMPを実施すると判断した場合、基地局10BとCoMPを実施するための手順に移行する(S800)。一方、基地局10Aは、CoMPを実施しないと判断した場合、UE20との1対1の通信など、他の方法の通信を実施する(S860)。
【0064】
このように、本実施形態によれば、UE20のグループ分けの導入と、CoMPの導入の相乗効果を得ることが可能となる。以下では、上述した本実施形態による基地局10による各動作についてより詳細に説明する。なお、図12においては複数の基地局の一例として2つの基地局(10Aおよび10B)を示しているが、本実施形態は、3つ以上の基地局10による通信にも適用可能である。
【0065】
−−グループ分けに関する情報の通信−−
各基地局10がUE20のグループ分けを行っているか否かは、CoMPの実施を判断するために非常に重要である。このため、図12のS600に示したように、基地局10は、周囲の基地局10がUE20のグループ分けを行っているか否かを確認する。以降では、グループ分けに関する情報の基地局10間の通信プロトコルを説明するが、基地局10間には別の装置が介在してもよい。この場合、介在する装置はシグナリング、ACK/NACKなどを転送する役割を担う。また、グループ分けに関する情報を基地局10以外の装置(例えば管理ノード30)が管理している場合には、以降で説明する通信プロトコルを基地局10−管理ノード30間の通信プロトコルに援用してもよい。
【0066】
(第1の通信例:図13、図14)
図13および図14は、グループ分けに関する情報の第1の通信例を示すシーケンス図である。図13に示したように、第1の通信例においては、基地局10AがUE20のグループ分けを行っていることを基地局10Bに対して通知する(S602)。ここで、基地局10Aは、グループ分けを行っていることと共に、基地局10Aが有する端末リストを通知してもよい。基地局10Bは、基地局10Aから当該通知を受信すると、基地局10AにACKを送信する(S604)。
【0067】
一方、基地局10Bは、基地局10Aからの通知の受信に失敗すると、図14に示したように、基地局10AにNACKを送信する(S606)。または、基地局10Bは、基地局10AにACKもNACKも送信しない(レスポンス無し)。この場合、基地局10Aは、UE20のグループ分けを行っていることを基地局10Bに対して再度通知してもよい(S608)。また、通知する回数に所定の上限が設定されていてもよい。通知が所定の回数に達した場合には、通知の再送を止めてもよい。
【0068】
(第2の通信例:図15、図16)
図15および図16は、グループ分けに関する情報の第2の通信例を示すシーケンス図である。図15に示したように、第2の通信例においては、基地局10BによりUE20のグループ分けが行われているか否かを基地局10Aが基地局10Bに問い合わせる(S612)。基地局10Bは、基地局10Aから当該問い合わせを受けると、グループ分けを行っているか否かを示す情報を基地局10Aに送信する(S614)。
【0069】
一方、基地局10Aは、基地局10BからNACKを受信した場合、または基地局10Bからレスポンスが無かった場合(S616)、図16に示したように、基地局10BによりUE20のグループ分けが行われているか否かを基地局10Bに再度問い合わせてもよい(S618)。また、問い合わせする回数に所定の上限が設定されていてもよい。問い合わせが所定の回数に達した場合には、問い合わせの再送を止めてもよい。
【0070】
(第3の通信例:図17、図18)
図17および図18は、グループ分けに関する情報の第3の通信例を示すシーケンス図である。図17に示したように、第3の通信例においては、基地局10Aは基地局10Bに基地局10Bの端末リストを問い合わせる(S622)。基地局10Bは、基地局10Aから当該問い合わせを受けると、基地局10Bの端末リストを基地局10Aに送信する(S624)。
【0071】
一方、基地局10Aは、基地局10BからNACKを受信した場合、または基地局10Bからレスポンスが無かった場合(S626)、図18に示したように、基地局10Bに基地局10Bの端末リストを再度問い合わせてもよい(S628)。また、問い合わせする回数に所定の上限が設定されていてもよい。問い合わせが所定の回数に達した場合には、問い合わせの再送を止めてもよい。なお、基地局10Aは、第2の通信例によって基地局10Bがグループ分けを行っていることを確認した後に当該第3の通信例の制御を実行してもよい。
【0072】
(第4の通信例:図19、図20)
図19および図20は、グループ分けに関する情報の第4の通信例を示すシーケンス図である。図19に示したように、第4の通信例においては、基地局10Aは、基地局10Bの端末リストに対象のUE20Xが含まれているか否かを基地局10Bに問い合わせる(S632)。基地局10Bは、基地局10Aから当該問い合わせを受けると、基地局10Bの端末リストにUE20Xが含まれているか否かを確認し、確認結果を基地局10Aに送信する(S634)。
【0073】
一方、基地局10Aは、基地局10BからNACKを受信した場合、または基地局10Bからレスポンスが無かった場合(S636)、図20に示したように、基地局10Bの端末リストに対象のUE20Xが含まれているか否かを基地局10Bに再度問い合わせてもよい(S638)。また、問い合わせする回数に所定の上限が設定されていてもよい。問い合わせが所定の回数に達した場合には、問い合わせの再送を止めてもよい。なお、基地局10Aは、第2の通信例によって基地局10Bがグループ分けを行っていることを確認した後に当該第4の通信例の制御を実行してもよい。
【0074】
(第5の通信例:図21、図22)
図21および図22は、グループ分けに関する情報の第5の通信例を示すシーケンス図である。図21に示したように、第5の通信例においては、基地局10Aは、対象のUE20Xに対するCoMPへの参加の可否を基地局10Bに問い合わせる(S642)。基地局10Bは、基地局10Aから当該問い合わせを受けると、UE20Xに対するCoMPが可能であるか否かを判断し、判断結果を基地局10Aに送信する(S644)。例えば、基地局10Bは、基地局10Bがグループ分けを行っていない場合、基地局10Bの端末リストにUE20Xが含まれる場合、基地局10Bが端末リストに含まれないUE20に対してもオープンである場合に、UE20Xに対するCoMPが可能であると判断してもよい。
【0075】
一方、基地局10Aは、基地局10BからNACKを受信した場合、または基地局10Bからレスポンスが無かった場合(S646)、図22に示したように、UE20Xに対するCoMPへの参加の可否を基地局10Bに再度問い合わせてもよい(S648)。また、問い合わせする回数に所定の上限が設定されていてもよい。問い合わせが所定の回数に達した場合には、問い合わせの再送を止めてもよい。なお、基地局10Aは、第2の通信例によって基地局10Bがグループ分けを行っていることを確認した後に当該第5の通信例の制御を実行してもよい。さらに、基地局10Aは、第3の通信例または第4の通信例によって、基地局10Bの端末リストに対象のUE20が含まれていることを確認した後に当該第5の通信例の制御を実行してもよい。
【0076】
(グループ分けに関する情報の通信の補足)
以上説明したグループ分けに関する情報の通信プロトコルは、特にアプリケーション層で実装されることが望まれる。かかる構成により、実際に基地局10間や管理ノード30間を接続する通信路の下位層には任意のプロトコルを選択することができるので、通信システムの構成の自由度を向上させることができる。また、特にLTE(Long Term Evolution)のようなセルラシステムに上記通信プロトコルを実装する際には、上記通信プロトコルをX2インタフェースあるいはS1インタフェースの一部として実装することが望まれる。こうすることで、プロトコル・インターフェースを新規に実装するコストを削減することが可能になる。
【0077】
−−CoMPを実施するか否かの判断−−
基地局10は、上述したように周囲の基地局とUE20のグループ分けに関する情報を通信した後、CoMPを実施するか否か、実施する場合にはどのようにCoMPを実施するかを判断することが可能となる。以下、このような判断の具体例を説明する。なお、このCoMPに関する判断は、CoMPの対象のUE20がメインで接続している基地局10(サービング基地局)が行ってもよいし、他の基地局10や管理ノード30が行ってもよい。
【0078】
(第1の判断例:図23)
図23は、CoMPに関する第1の判断例を示したフローチャートである。図23に示したように、基地局10の通信制御部140は、まず周囲の基地局から受信したグループ分けに関する情報を確認する(S702)。そして、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っておらず(S704)、周囲の基地局がグループ分けを行っている場合(S706)、対象のUE20との1対1の通信を制御する(S708)。
【0079】
一方、基地局10がグループ分けを行っている場合(S704)、または、周囲の基地局がグループ分けを行っていない場合(S706)、通信制御部140は、CoMPなどの任意の方法でUE20との通信を制御する(S710)。
【0080】
この第1の判断例によれば、基地局10は、周囲にグループ分けを行っている基地局が1つでも存在する場合、対象のUEと通常の1対1の通信を行う。これにより、CoMPを実施するためのシグナリングを抑制し、UE20とのシンプルな通信を実現することができる。
【0081】
(第2の判断例:図24)
図24は、CoMPに関する第2の判断例を示したフローチャートである。図24に示したように、基地局10の通信制御部140は、まず周囲の基地局から受信したグループ分けに関する情報を確認する(S712)。そして、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っている場合(S714)、1対1の通信やブロードキャスト通信やCoMP通信などの任意の方法でUE20との通信を制御する(S716)。
【0082】
一方、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っていない場合(S714)、S718〜S724の処理を周囲の各基地局について繰り返す。具体的には、通信制御部140は、周囲の基地局がグループ分けを行っており(S718)、周囲の基地局の端末リストに対象のUE20が含まれず(S720)、周囲の基地局が端末リストに含まれないUE20に対してはオープンでない場合(S722)、周囲の基地局をCoMPのパートナーから外す(S724)。
【0083】
そして、通信制御部140は、CoMPのパートナーから外されなかった周囲の基地局にCoMPの協力を要求する通信を制御する(S726)。
【0084】
(第3の判断例:図25)
図25は、CoMPに関する第3の判断例を示したフローチャートである。図25に示したように、基地局10の通信制御部140は、まず周囲の基地局から受信したグループ分けに関する情報を確認する(S732)。そして、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っている場合(S734)、対象のUE20との1対1の通信を制御する(S736)。一方、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っていない場合(S734)、1対1の通信やブロードキャスト通信やCoMP通信など任意の方法でUE20との通信を制御する(S738)。
【0085】
この第3の判断例によれば、基地局10は、自己が例えばフェムトセル基地局のようなCSGセルである場合にはCoMPを実施しないと判断する。この場合、CoMPを実施するためのシグナリングを抑制することができる。また、基地局10は、第3の判断例に従って動作する場合、図12〜図22を参照して説明した周囲の基地局とグループ分けに関する通信を行うステップ(S600)を有さなくてもよい。
【0086】
(第4の判断例:図26)
図26は、CoMPに関する第4の判断例を示したフローチャートである。図26に示したように、基地局10の通信制御部140は、まず周囲の基地局から受信したグループ分けに関する情報を確認する(S742)。そして、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っていない場合(S744)、1対1の通信やCoMP通信などの任意の方法でUE20との通信を制御する(S746)。
【0087】
一方、通信制御部140は、基地局10がグループ分けを行っている場合(S744)、S748〜S754の処理を周囲の各基地局について繰り返す。具体的には、通信制御部140は、周囲の基地局がグループ分けを行っており(S748)、周囲の基地局の端末リストに対象のUE20が含まれず(S750)、周囲の基地局が端末リストに含まれないUE20に対してはオープンでない場合(S752)、周囲の基地局をCoMPのパートナーから外す(S754)。
【0088】
そして、通信制御部140は、CoMPのパートナーから外されなかった周囲の基地局にCoMPの協力を要求する通信を制御する(S756)。
【0089】
(CoMPを実施するか否かの判断の補足)
以上説明した判断例を整理すると、基地局10は、各ケースにおいて下記のように動作する。なお、説明の便宜上、以下ではグループ分けを行っている基地局をCSGセルと称し、グループ分けを行っていない基地局をOSGセルと称する。
【0090】
A.サービング基地局がOSGセルである場合
A−1.周囲にCSGセルが存在する場合
A−1−1.周囲にOSGセルが存在する場合
(動作例1)CSGセルを含む周囲の基地局とCoMP
(動作例2)周囲のCSGセル以外の基地局とCoMP
(動作例3)CoMPを実施しない
A−1−2.周囲にOSGセルが存在しない場合
(動作例1)CSGセルとCoMP
(動作例2)CoMPを実施しない
A−2.周囲にCSGセルが存在しない場合
A−2−1.周囲にOSGセルが存在する場合
(動作例)OSGセルとCoMP
A−2−2.周囲にOSGセルが存在しない場合
(動作例)CoMPを実施しない
【0091】
B.サービング基地局がCSGセルである場合
B−1.周囲にCSGセルが存在する場合
B−1−1.周囲にOSGセルが存在する場合
(動作例1)OSGセルを含む周囲の基地局とCoMP
(動作例2)周囲のOSGセル以外の基地局とCoMP
(動作例3)CoMPを実施しない
B−1−2.周囲にOSGセルが存在しない場合
(動作例1)周囲のOSGセル以外の基地局とCoMP
(動作例2)CoMPを実施しない
B−2.周囲にCSGセルが存在しない場合、
B−2−1.周囲にOSGセルが存在する場合
(動作例1)OSGセルを含む周囲の基地局とCoMP
(動作例2)CoMPを実施しない
B−2−2.周囲にOSGセルが存在しない場合
(動作例)CoMPを実施しない
【0092】
−−CoMPを実施するための手順−−
上述の方法によりCoMPを実施すると判断された場合、基地局10は、CoMPを実施するためのシグナリングを行う。以下、図27および図28を参照して具体的に説明する。
【0093】
図27および図28は、CoMPを実施するためのシグナリングを示したシーケンス図である。図27に示したように、基地局10Aは、基地局10BからCoMPへの参加を示す情報が受信された場合、CoMPを実施するための通信リソースや、空間重み、変調方式、符号化方式などの送受信パラメータを選択または計算する(S802)。そして、基地局10Aは、送受信パラメータなどの選択結果を基地局10Bに通知する(S804)。その後、基地局10Aは、基地局10BからACKを受信すると(S806)、S802において選択した通信リソースや送受信パラメータに従ってCoMPを実施する(S808)。なお、CoMPの具体例は、「1−2.CoMPについて」において説明した通りである。
【0094】
一方、基地局10Aは、基地局10BからNACKを受信した場合、または基地局10Bからレスポンスが無かった場合(S810)、図28に示したように、送受信パラメータなどの選択結果を基地局10Bに再度通知する(S812)。また、通知する回数に所定の上限が設定されていてもよい。なお、基地局10Aは、基地局10BからNACKを受信した場合、または基地局10Bからレスポンスが無かった場合(S810)、または通知が所定の回数に達した場合、CoMPを実施せずUE20と1対1の通信を行ってもよいし、他の周囲の基地局とCoMPを実施してもよい。
【0095】
また、各基地局10は、CoMPの実施に際して以下の処理を行ってもよい。
(a)
サービング基地局10は、CoMPを実施する他の基地局10に対して、対象となるUE20の端末IDと、送信すべき情報を通知する。当該通知を受けた各基地局10は、通知された端末IDを有するUE20に対して、通知された情報を送信する。
(b)
サービング基地局10は、CoMPを実施する他の基地局10に対して、対象となるUE20の端末IDと、スケジューリング情報を通知する。当該通知を受けた各基地局10は、通知された端末IDを有するUE20のために、通知されたスケジューリング情報の示す通信リソース(スロット、リソースブロック)を割り当てる。
(c)
サービング基地局10は、CoMPを実施する他の基地局10に対して、対象となるUE20の端末IDと、スケジューリング情報を通知する。当該通知を受けた各基地局10は、通知された端末IDを有するUE20のために、通知されたスケジューリング情報の示す通信リソースと異なる通信リソースを割り当てる。
(d)
CoMPを実施する複数の基地局10は、UE20へ信号を送信する際に、送信電力、アンテナの指向性、アンテナの重み付けのうちの少なくともいずれかのパラメータを、過去の送信時のパラメータから変化させる。これらパラメータは、各基地局10が決定してもよい。この場合、各基地局10は、これらパラメータの設定のために、UE20から送信された信号の以前の受信結果を用いてもよい。まあ、これらのパラメータは、サービング基地局10が決定してもよいし、UE20が決定してもよい。
(e)
サービング基地局10以外のCoMPを実施する複数の基地局10の少なくとも一部は、対象となるUE20から信号を受信した場合、受信信号を復号、復調し、その結果をサービング基地局10に送信する。
(f)
サービング基地局10以外のCoMPを実施する複数の基地局10の少なくとも一部は、UE20からのACK/NACKをサービング基地局10に送信しない。さらに、CoMPを実施する複数の基地局10は、ACK/NACKを復調、復号しなくてもよいし、ACK/NACKのためのスケジューリングを行わなくてもよい。
(g)
CoMPを実施する複数の基地局10の少なくとも一部は、UE20から受信したデータに対するACK/NACKを送信しない。
(h)
CoMPを実施する複数の基地局10の少なくとも一部は、同一の周波数帯域、または重複部分を有する周波数帯域を利用して対象のUE20に信号を送信する、または、UE20から信号を受信する。
【0096】
以上説明したように、本開示の第1の実施形態によれば、CSGセルとOSGセルのように、グループ分けを行っている基地局10とグループ分けを行っていない基地局10が混在するネットワークにおいても、CoMP通信を適切に制御することが可能となる。すなわち、グループ分けを行う基地局10の導入と、CoMP通信の導入とによるメリットを同時に得ることが可能である。
【0097】
<<3.第2の実施形態>>
続いて、本開示の第2の実施形態を説明する。本開示の第2の実施形態では、複数の基地局10’が同一の端末リストを共有するための仕組みを提案する。
【0098】
<3−1.第2の実施形態のユースケース>
第2の実施形態では、同一の端末リストを有する複数の基地局10’が通信システムを構成するユースケースを想定する。例えば、比較的に規模の大きいオフィスなどで、複数の基地局10’(フェムトセル基地局のような小型基地局)によってオフィス全体をカバーするというユースケースが考えられる。
【0099】
図29に示した例では、基地局10’A〜10’Dが同一オフィスに配置され、基地局10’A〜10’Dが同一の端末リストを有する。これにより、当該端末リストに含まれるUE20は、オフィス内のどこからでも、いずれかの基地局10’に接続することが可能となる。なお、端末リストは管理ノード30’において管理されていてもよい。また、基地局10’は、UE20と1対1で通信することも、第1の実施形態で説明したようにCoMPを実施することも可能である。
【0100】
このような通信システムにおいては、各基地局10’が同一の端末リストを共有することが重要である。そこで、以下では、各基地局10’が同一の端末リストを共有するための構成を詳細に説明する。
【0101】
<3−2.基地局の構成および動作>
図30は、第2の実施形態による基地局10’の構成を示した機能ブロック図である。図30に示したように、第2の実施形態による基地局10’は、無線通信部110と、有線通信部120と、記憶部130と、通信制御部142と、リスト比較部150と、リスト更新部160と、を備える。無線通信部110、有線通信部120、および記憶部130は第1の実施形態で説明した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0102】
通信制御部142は、第1の実施形態で説明した通信制御部140の機能に加え、周囲の基地局10’の端末リストを取得するための通信を制御する。また、通信制御部142は、必要に応じ、周囲の基地局10’の端末リストの更新を要求する通信を制御する。
【0103】
リスト比較部150は、周囲の基地局10’の端末リストと、記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストを比較し、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するか否かを判断する。
【0104】
リスト更新部160は、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するとリスト比較部150により判断された場合、例えば、記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストを周囲の基地局10’の端末リストに一致させる。
【0105】
または、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するとリスト比較部150により判断された場合、通信制御部142が、周囲の基地局10’の端末リストを記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストに一致させることを要求する通信を制御してもよい。
【0106】
以下、このような基地局10’の動作例を図31〜図34を参照してより具体的に説明する。
【0107】
(第1の動作例)
図31は、第2の実施形態による基地局10’の第1の動作例を示したフローチャートである。図31に示したように、まず、基地局10’が通信制御部142による制御に従って周囲の基地局10’の端末リストを取得すると(S902)、リスト比較部150が、記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するか否かを判断する(S904)。
【0108】
そして、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在し、基地局10’の端末リストにないUE20が周囲の基地局10’の端末リストに含まれる場合、リスト更新部160は、基地局10’の端末リストに当該UE20を追加する(S908)。そして、基地局10’はUE20との通信のステップに進む(S910)。
【0109】
(第2の動作例)
図32は、第2の実施形態による基地局10’の第2の動作例を示したフローチャートである。図32に示したように、まず、基地局10’が通信制御部142による制御に従って周囲の基地局10’の端末リストを取得すると(S912)、リスト比較部150が、記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するか否かを判断する(S914)。
【0110】
そして、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在し、周囲の基地局10’の端末リストにないUE20が基地局10’の端末リストに含まれる場合(S916)、リスト更新部160は、基地局10’の端末リストから当該UE20を削除する(S918)。そして、基地局10’はUE20との通信のステップに進む(S920)。
【0111】
上述した第1の動作例と第2の動作例により、基地局10’と周囲の基地局10’の端末リストを一致させることが可能となる。なお、上記では基地局10’の端末リストを更新する例を説明したが、以下に説明する第3の動作例および第4の動作例のように、周囲の基地局10’の端末リストを更新することで基地局10’と周囲の基地局10’の端末リストを一致させることも可能である。
【0112】
(第3の動作例)
図33は、第2の実施形態による基地局10’の第3の動作例を示したフローチャートである。図33に示したように、まず、基地局10’が通信制御部142による制御に従って周囲の基地局10’の端末リストを取得すると(S922)、リスト比較部150が、記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するか否かを判断する(S924)。
【0113】
そして、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在し、基地局10’の端末リストにないUE20が周囲の基地局10’の端末リストに含まれる場合(S926)、通信制御部142は、周囲の基地局10’に当該UE20の削除を要求する通信を制御する(S928)。そして、基地局10’はUE20との通信のステップに進む(S930)。
【0114】
(第4の動作例)
図34は、第2の実施形態による基地局10’の第4の動作例を示したフローチャートである。図34に示したように、まず、基地局10’が通信制御部142による制御に従って周囲の基地局10’の端末リストを取得すると(S932)、リスト比較部150が、記憶部130に記憶されている基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在するか否かを判断する(S934)。
【0115】
そして、基地局10’の端末リストと異なる端末リストを有する周囲の基地局10’が存在し、周囲の基地局10’の端末リストにないUE20が基地局10’の端末リストに含まれる場合(S936)、通信制御部142は、周囲の基地局10’に当該UE20の追加を要求する通信を制御する(S938)。そして、基地局10’はUE20との通信のステップに進む(S940)。
【0116】
<3−3.管理ノードの構成および動作>
上記では、基地局10’が主体となって複数の基地局10’の端末リストを一致させる例を説明したが、管理ノード30’が主体となって基地局10’の端末リストを一致させることも可能である。以下、このような管理ノード30’の構成および動作を詳細に説明する。
【0117】
図35は、管理ノード30’の構成を示した機能ブロック図である。図35に示したように、管理ノード30’は、有線通信部320と、通信制御部342と、リスト比較部350と、リスト作成部370と、を備える。
【0118】
有線通信部320は、基地局10’に情報を送信するための送信部、および基地局10’から情報を受信するための受信部として機能する。例えば、有線通信部320は、各基地局10’から端末リストを受信し、リスト作成部370により作成された端末リストを各基地局10’に送信する。なお、図35においては管理ノード30’と基地局10’のインタフェースが有線である例を示しているが、管理ノード30’と基地局10’のインタフェースは無線であってもよい。
【0119】
通信制御部342は、有線通信部320による通信全般を制御する。例えば、通信制御部342は、各基地局10’に端末リストを要求する通信や、にリスト作成部370により作成された端末リストの各基地局10’への送信などを制御する。
【0120】
リスト比較部350は、有線通信部320により受信された各基地局10’の端末リストを比較し、各基地局10’の端末リストのうちで、他と異なる端末リストが存在するか否かを判断する。
【0121】
リスト作成部370は、各基地局10’の端末リストのうちで、他と異なる端末リストが存在すると判断された場合、各基地局10’の端末リストに基づいて新たな端末リストを作成する。リスト作成部370により作成された新たな端末リストは、有線通信部230から各基地局10’に送信される。
【0122】
以下、このような管理ノード30’の動作例を図36および図37を参照してより具体的に説明する。
【0123】
図36は、管理ノード30’の第1の動作例を示したフローチャートである。図36に示したように、管理ノード30’が通信制御部342の制御により各基地局10’から端末リストを受信すると(S952)、リスト比較部350が、各基地局10’の端末リストのうちで、他と異なる端末リストが存在するか否かを判断する(S954)。
【0124】
続いて、リスト作成部370は、他と異なる端末リストが存在する場合、各基地局10’の端末リストのうちのいずれかに含まれているUE20からなる端末リストを新たに作成する(S956)。例えば、基地局10’Aの端末リストにUE20A、20Bおよび20Dが含まれ、基地局10’Bの端末リストにUE20A、20Bおよび20Cが含まれる場合、リスト作成部370は、UE20A、20B、20Cおよび20Dからなる端末リストを作成する。そして、有線通信部320が、リスト作成部370により新たに作成された端末リストを各基地局10’に送信する(S958)。
【0125】
図37は、管理ノード30’の第2の動作例を示したフローチャートである。図37に示したように、管理ノード30’が通信制御部342の制御により各基地局10’から端末リストを受信すると(S962)、リスト比較部350が、各基地局10’の端末リストのうちで、他と異なる端末リストが存在するか否かを判断する(S964)。
【0126】
続いて、リスト作成部370は、他と異なる端末リストが存在する場合、各基地局10’の端末リストの全てに含まれるUE20からなる端末リストを新たに作成する(S966)。例えば、基地局10’Aの端末リストにUE20A、20Bおよび20Dが含まれ、基地局10’Bの端末リストにUE20A、20Bおよび20Cが含まれる場合、リスト作成部370は、UE20Aおよび20Bからなる端末リストを作成する。そして、有線通信部320が、リスト作成部370により新たに作成された端末リストを各基地局10’に送信する(S968)。
【0127】
この第2の動作例では、全ての基地局10’によりアクセスが許可されるUE20以外は端末リストから削除されるので、セキュリティの観点からはUE20からのアクセスに対して堅牢である。
【0128】
<3−4.補足>
以上、基地局10’または管理ノード30’が主体となって端末リストを更新する例を説明した。この端末リストの更新は、基地局10’または管理ノード30’が周期的に行ってもよいが、基地局10’または管理ノード30’は、以下に説明するように、UE20からの依頼に応じて端末リストを更新してもよい。
【0129】
図38は、基地局10’による端末リストの更新処理を示したフローチャートである。図38に示したように、基地局10’の無線通信部110が、UE20の端末リストへの追加/削除の要求をUE20から受信した場合(S970)、記憶部130の端末リストにUE20を追加/端末リストからUE20を削除する(S972)。
【0130】
そして、基地局10’の有線通信部120が、リスト更新部160により更新された端末リストを周囲の基地局10’に送信する(S974)。その後、周囲の基地局10’から端末リストに対するレスポンスがあった場合、基地局10’は、UE20に更新完了を通知することで当該更新処理を終了する(S976)。一方、有線通信部120により周囲の基地局10’から更新通知が受信されない場合、有線通信部120は更新された端末リストを周囲の基地局10’に再度送信する(S974)。
【0131】
図39は、基地局10’による端末リストの更新処理を別の観点から示したシーケンス図である。図39に示したように、UE20の端末リストへの追加/削除をUE20が基地局10’Aに要求すると(S981)、基地局10’Aは、当該要求を他の基地局10’Bに送信する(S982)。なお、図39においては2つの基地局10’のみを示しているが、より多数の基地局10’が通信システムを構成する場合、各基地局10’は、例えばリレー形式で当該要求を順次に転送してもよい。
【0132】
その後、UE20の端末リストへの追加/削除の要求を受信した各基地局10’は、当該要求に従って端末リストを更新する(S983、S984)。そして、各基地局10’は、端末リストを更新した旨を示す更新通知を送信する(S985、S986)。
【0133】
なお、上記では各基地局10’が個別に端末リストを更新する例を説明したが、図40を参照して説明するように、管理ノード30’のような1つの装置が端末リストを更新してもよい。
【0134】
図40は、管理ノード30’による端末リストの更新処理を示したシーケンス図である。図40に示したように、UE20の端末リストへの追加/削除をUE20が基地局10’Aに要求すると(S991)、基地局10’Aは、当該要求を管理ノード30’に送信する(S992)そして、管理ノード30’が、当該要求に応じて端末リストを更新し(S993)、更新した端末リストを各基地局10’に送信する(S994、S995)。その後、基地局10’Aが、端末リストを更新した旨を示す更新通知をUE20へ送信する(S996)。
【0135】
以上説明したように、基地局10’Aまたは管理ノード30’は、例えばUE20からの要求に応じて端末リストを更新してもよいし、通信システムの外部からの要求や、基地局10’Aまたは管理ノード30’への人的な操作に応じて端末リストを更新してもよい。
【0136】
<<4.むすび>>
本開示によれば、UE20のグループ分けを行い、各グループに属するUE20に対する動作を区別するCSGセルのような基地局が多く導入される場合でも、当該基地局を含むCoMPを実現できるので、CSGセルの導入とCoMPの導入による相乗効果を得ることができる。その結果、局所的に発生する通信トラヒックを効率よくカバーしながら、エリア全体の通信容量を向上させることが可能となるので、ユーザエクスペリエンスの向上させることができる。
【0137】
なお、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0138】
例えば、本明細書の基地局10、管理ノード30などの処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、基地局10、管理ノード30などの処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0139】
また、基地局10、管理ノード30などに内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した基地局10、管理ノード30などの各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【0140】
また、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
通信制御装置であって、
特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、
を備える、通信制御装置。
(2)
前記通信制御部は、前記通信制御装置および他の第1の通信制御装置が前記端末グループ分けを行っておらず、他の第2の通信制御装置が前記端末グループ分けを行っている場合、前記他の第1の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、(1)に記載の通信制御装置。
(3)
前記通信制御部は、他の第2の通信制御装置が対象の無線端末を特定の無線端末として含む端末リストを有する場合、前記他の第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、(1)または(2)に記載の通信制御装置。
(4)
前記通信制御部は、他の第2の通信制御装置が前記他の無線端末との接続を許可している場合、前記他の第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(5)
前記通信制御部は、前記通信制御装置が前記端末グループ分けを行っている場合、対象の無線端末との1対1の通信を制御する、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(6)
前記通信制御部は、前記他の通信制御装置との通信であって、前記端末グループ分けに関する情報の通信を制御する、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(7)
前記通信制御部は、前記他の通信制御装置が前記端末グループ分けを行っているか否かを問い合わせる通信を制御する、(6)に記載の通信制御装置。
(8)
前記通信制御部は、前記他の通信制御装置における前記端末グループ分けを示す端末リストを問い合わせる通信を制御する、(6)または(7)に記載の通信制御装置。
(9)
前記通信制御部は、対象の無線端末を前記特定の無線端末として含む端末リストを前記他の通信制御装置が有するか否かを問い合わせる通信を制御する、(6)〜(8)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(10)
前記通信制御部は、対象の無線端末との通信のために前記他の通信制御装置と連携する協調型通信への参加の可否を問い合わせる通信を制御する、(6)〜(9)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(11)
前記特定の端末は、前記通信制御装置への接続が許可される端末、または、前記通信制御装置へ優先接続される端末である、(1)〜(10)のいずれか一項に記載の通信制御装置。
(12)
通信制御装置が、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、通信制御方法。
(13)
コンピュータを、
通信制御装置であって、
特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、
を備える通信制御装置として機能させるための、プログラム。
(14)
第1の通信制御装置と、
第2の通信制御装置と、
を備え、
前記第1の通信制御装置は、
特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記第1の通信制御装置または前記第2の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部を有する、通信システム。
(15)
通信制御装置との通信であって、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する前記通信制御装置と通信する、無線端末。
【符号の説明】
【0141】
10 基地局
20 UE
30 管理ノード
110 無線通信部
120、320 有線通信部
130 記憶部
140、142、342 通信制御部
150、350 リスト比較部
160 リスト更新部
170 リスト作成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信制御装置であって、
特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、
を備える、通信制御装置。
【請求項2】
前記通信制御部は、前記通信制御装置および他の第1の通信制御装置が前記端末グループ分けを行っておらず、他の第2の通信制御装置が前記端末グループ分けを行っている場合、前記他の第1の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記通信制御部は、他の第2の通信制御装置が対象の無線端末を特定の無線端末として含む端末リストを有する場合、前記他の第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記通信制御部は、他の第2の通信制御装置が前記他の無線端末との接続を許可している場合、前記他の第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記通信制御部は、前記通信制御装置が前記端末グループ分けを行っている場合、対象の無線端末との1対1の通信を制御する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項6】
前記通信制御部は、前記他の通信制御装置との通信であって、前記端末グループ分けに関する情報の通信を制御する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項7】
前記通信制御部は、前記他の通信制御装置が前記端末グループ分けを行っているか否かを問い合わせる通信を制御する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項8】
前記通信制御部は、前記他の通信制御装置における前記端末グループ分けを示す端末リストを問い合わせる通信を制御する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項9】
前記通信制御部は、対象の無線端末を前記特定の無線端末として含む端末リストを前記他の通信制御装置が有するか否かを問い合わせる通信を制御する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項10】
前記通信制御部は、対象の無線端末との通信のために前記他の通信制御装置と連携する協調型通信への参加の可否を問い合わせる通信を制御する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項11】
前記特定の端末は、前記通信制御装置への接続が許可される端末、または、前記通信制御装置へ優先接続される端末である、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項12】
通信制御装置が、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、通信制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、
通信制御装置であって、
特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、
を備える通信制御装置として機能させるための、プログラム。
【請求項14】
第1の通信制御装置と、
第2の通信制御装置と、
を備え、
前記第1の通信制御装置は、
特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記第1の通信制御装置または前記第2の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部を有する、通信システム。
【請求項15】
通信制御装置との通信であって、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する前記通信制御装置と通信する、無線端末。
【請求項1】
通信制御装置であって、
特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、
を備える、通信制御装置。
【請求項2】
前記通信制御部は、前記通信制御装置および他の第1の通信制御装置が前記端末グループ分けを行っておらず、他の第2の通信制御装置が前記端末グループ分けを行っている場合、前記他の第1の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記通信制御部は、他の第2の通信制御装置が対象の無線端末を特定の無線端末として含む端末リストを有する場合、前記他の第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記通信制御部は、他の第2の通信制御装置が前記他の無線端末との接続を許可している場合、前記他の第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記通信制御部は、前記通信制御装置が前記端末グループ分けを行っている場合、対象の無線端末との1対1の通信を制御する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項6】
前記通信制御部は、前記他の通信制御装置との通信であって、前記端末グループ分けに関する情報の通信を制御する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項7】
前記通信制御部は、前記他の通信制御装置が前記端末グループ分けを行っているか否かを問い合わせる通信を制御する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項8】
前記通信制御部は、前記他の通信制御装置における前記端末グループ分けを示す端末リストを問い合わせる通信を制御する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項9】
前記通信制御部は、対象の無線端末を前記特定の無線端末として含む端末リストを前記他の通信制御装置が有するか否かを問い合わせる通信を制御する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項10】
前記通信制御部は、対象の無線端末との通信のために前記他の通信制御装置と連携する協調型通信への参加の可否を問い合わせる通信を制御する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項11】
前記特定の端末は、前記通信制御装置への接続が許可される端末、または、前記通信制御装置へ優先接続される端末である、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項12】
通信制御装置が、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する、通信制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、
通信制御装置であって、
特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部、
を備える通信制御装置として機能させるための、プログラム。
【請求項14】
第1の通信制御装置と、
第2の通信制御装置と、
を備え、
前記第1の通信制御装置は、
特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記第1の通信制御装置または前記第2の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記第2の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する通信制御部を有する、通信システム。
【請求項15】
通信制御装置との通信であって、特定の無線端末と他の無線端末に対する動作を区別するための端末グループ分けを前記通信制御装置または他の通信制御装置が行っているか否かに応じ、前記他の通信制御装置と連携する協調型通信を制御する前記通信制御装置と通信する、無線端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【公開番号】特開2012−244476(P2012−244476A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113674(P2011−113674)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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