説明

通信制御装置及び画像形成装置

【課題】規格外のケーブルを用いた場合でも複雑な回路を要することなく安定した通信を行うこと。
【解決手段】信号減衰量決定部がユーザによって入力されたケーブル及びパソコンの種類に応じて信号の信号減衰量を決定し、その信号減衰量が基準減衰量以上である場合、電源ICは制御ICに供給する電圧を低くする。信号減衰量が基準減衰量以上であるために、リミット線31及び32が本来のレベルであると信号がリミット線31又は32にかかってしまうような場合であっても、制御ICの電源電圧が低くなることとによって、リミット線31及び32のレベルが下がるため、信号がリミット線31及び32にかからなくなり、信号減衰量が基準減衰量以上であっても正常に通信を行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線を介して外部装置と接続可能な通信制御装置及び画像形成装置に関するものであり、特に、通信回線の信号減衰量によらず安定した通信を行う通信制御装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、USB(Universal Serial Bus)ポートを備えた画像形成装置やパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)等が多く、これらの装置間でデータ通信を行う場合、USB規格に対応したケーブルを互いのUSBポートに接続して行うことができる。USB規格の条件を満たしているケーブルを用いた場合、画像形成装置とパソコンの間で正常に通信が行えることは勿論だが、USB規格の条件を満たしていないケーブルを用いた場合、正常に通信が行えないことがある。しかし、条件を満たしていないケーブルを用いたときの通信エラーは画像形成装置側に問題があるわけではないので、特に問題ではなかった。
【0003】
しかしながら、あるケーブルを他社の画像形成装置とパソコンの接続に用いたとき、正常に通信が行えていたが、その同じケーブルを自社の画像形成装置とパソコンの接続に用いたところ、正常に通信が行えない事態が発生すると、たとえそのケーブルがUSB規格の条件を満たしていないものであっても、ユーザに対する自社の画像形成装置の印象が悪くなってしまう。従ってユーザを満足させるために、装置側はUSB規格を多少満たしていないケーブルであっても正常に通信が行えるようにする必要があり、工夫を凝らしている。
【0004】
特許文献1には、プリンタはデータの受信部の回路を切り替える切替回路を備え、受信レベルに関する所定の仕様を満たさない場合、受信できるレベルを選択的に切り替える方法について記載されている。また、特許文献2には、電圧の信号減衰量からケーブル長を算出し、出力レベルを調整する方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−038988号公報
【特許文献2】特開2003−264469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されている発明の場合、受信レベルを切り替えるために多くの回路や電子部品が必要であり、回路の複雑化、コストアップに繋がっていた。また、特許文献2に記載されている発明の場合、パソコン等の送信側の機器に出力レベルを調整する機能が必要であり、画像形成装置側では解決できない内容であった。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、規格外のケーブルを用いた場合でも複雑な回路を要することなく安定した通信が行える通信制御装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明の通信制御装置は、通信回線を介して自装置と外部装置の間でデータの送受信を行う通信制御手段と、前記通信制御手段に駆動電圧を供給する供給手段と、前記自装置と前記外部装置の接続情報を受け付ける入力受付手段と、前記接続情報の種類に対応した信号減衰量を記憶する記憶手段と、前記入力受付手段が入力を受け付けた接続情報に基づいて、前記記憶手段から対応する信号減衰量を読み出して前記自装置と前記外部装置の間の信号減衰量を決定する決定手段と、を備え、前記決定手段が決定した信号減衰量が予め定められた基準減衰量より低いとき、前記供給手段は、予め定められた基準電圧を前記通信制御手段に供給し、前記信号減衰量が前記基準減衰量以上であるとき、前記供給手段は、前記基準電圧より低い予め定められた値の電圧を前記通信制御手段に供給する。
【0009】
従来、例えば規格外の通信回線を用いたところ、信号減衰量が基準減衰量以上であるために、通信の可否を決定するリミット線が本来のレベルであると通信信号がリミット線にかかってしまい、正常な通信ができなかった。しかし、この構成によれば、信号減衰量が基準減衰量以上である場合は、通信制御手段に予め定められた値の電圧(コア電圧)より低い電圧を供給して、リミット線のレベルを下げることにより、通信信号がリミット線にかかりにくくなり、信号減衰量が基準減衰量以上であっても正常に通信を行える可能性が高くなる。つまり、通信回線として規格を満たした回線又は規格外の品質の悪い回線の何れを用いても、通信を行うことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明の画像形成装置は、通信回線を介して自装置と外部装置の間でデータの送受信を行う通信制御手段と、前記通信制御手段に駆動電圧を供給する供給手段と、前記自装置と前記外部装置の接続情報を受け付ける入力受付手段と、前記接続情報の種類に対応した信号減衰量を記憶する記憶手段と、前記入力受付手段が入力を受け付けた接続情報に基づいて、前記記憶手段から対応する信号減衰量を読み出して前記自装置と前記外部装置の間の信号減衰量を決定する決定手段と、を備え、前記決定手段が決定した信号減衰量が予め定められた基準減衰量より低いとき、前記供給手段は、予め定められた基準電圧を前記通信制御手段に供給し、前記信号減衰量が前記基準減衰量以上であるとき、前記供給手段は、前記基準電圧より低い予め定められた値の電圧を前記通信制御手段に供給する。
【0011】
従来、例えば規格外の通信回線を用いたところ、信号減衰量が基準減衰量以上であるために、通信の可否を決定するリミット線が本来のレベルであると通信信号がリミット線にかかってしまい、正常な通信ができなかった。しかし、この構成によれば、信号減衰量が基準減衰量以上である場合は、通信制御手段に予め定められた値の電圧(コア電圧)より低い電圧を供給して、リミット線のレベルを下げることにより、通信信号がリミット線にかかりにくくなり、信号減衰量が基準減衰量以上であっても正常に通信を行える可能性が高くなる。つまり、通信回線として規格を満たした回線又は規格外の品質の悪い回線の何れを用いても、通信を行うことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置であって、表示手段を表示制御する表示制御手段と、を更に備え、前記記憶手段は、前記通信回線の種類に対応した信号減衰量及び前記外部装置の種類に対応した信号減衰量をそれぞれ記憶するものであり、前記表示制御手段は、前記通信回線の種類及び前記外部装置の種類を前記表示手段に表示させるものであり、前記入力受付手段は、前記表示された通信回線及び外部装置の種類から何れかの選択入力を受け付けるものであり、前記決定手段は、前記入力受付手段が入力を受け付けた前記通信回線に対応する信号減衰量及び前記外部装置に対応する信号減衰量を前記記憶手段から読み出して、前記自装置と前記外部装置の間の信号減衰量を決定するものである。
【0013】
この構成によれば、ユーザは表示手段の表示を見ながら簡単に通信回線及び外部装置の種類を入力することができ、画像形成装置はユーザからの入力を受けて、画像形成装置と外部装置の間の信号減衰量を簡単に把握することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、信号減衰量が基準減衰量以上である場合は、通信制御手段に予め定められた基準値の電圧(コア電圧)より低い電圧を供給して、リミット線のレベルを下げることにより、通信信号がリミット線にかかりにくくなり、信号減衰量が基準減衰量以上であっても正常に通信を行える可能性が高くなる。つまり、通信回線として規格を満たした回線又は規格外の品質の悪い回線の何れを用いても、通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】画像形成装置とパソコンの接続図。
【図2】画像形成装置の電気的構成を示す機能ブロック図。
【図3】表示パネルに表示される接続情報入力画面の一例を示した図。
【図4】減衰量記憶部に記憶されるケーブル信号減衰量データテーブルとパソコン信号減衰量データテーブルのデータ構成の一例を示した図。
【図5】制御ICに1.2[V]の電圧を供給しているときの信号波形とリミット線を示した図。
【図6】制御ICに1.1[V]の電圧を供給しているときの信号波形とリミット線を示した図。
【図7】制御ICへの供給電圧の決定までの流れを示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。尚、本実施の形態では、画像形成装置を例に挙げて説明するが、通信制御装置を備えた電子機器にも適用可能である。
【0017】
図1は、本実施の形態における画像形成装置1とパソコン9がケーブルCで接続されたときの図である。ケーブルCは、例えばUSB規格に対応した通信回線であり、画像形成装置1とパソコン9を電気的に接続している。パソコン9は、ユーザの入力操作に応じて各種データをケーブルCを介して画像形成装置1に送信する。画像形成装置1はパソコン9から送信されたデータに応じて印刷等を行う。尚、ケーブルCは、コンピュータと周辺機器を接続するために統一されたバス規格のものであれば、USB規格以外のものであってもよい。
【0018】
図2は、画像形成装置1の電気的構成を示す機能ブロック図である。画像形成装置1は、制御部11、記憶部12、原稿読取部13、画像メモリ14、画像処理部15、画像形成部16、入力操作部17及びネットワークI/F部18を備えて構成されている。
【0019】
記憶部12は、画像形成装置1の備える種々の機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶し、減衰量記憶部121として機能する。減衰量記憶部121は、ケーブルのメーカー別及び長さ別の信号減衰量とパソコンのメーカー別及び機種別の信号減衰量をそれぞれ記憶する。
【0020】
図4は、減衰量記憶部121に記憶されるケーブル信号減衰量データテーブル121aとパソコン信号減衰量データテーブル121bのデータ構成の一例を示した図である。ケーブル信号減衰量データテーブル121aは、メーカー別及び長さ別にそれぞれ信号減衰量を記憶する。また、パソコン信号減衰量データテーブル121bは、パソコンのメーカー別及び機種別にそれぞれ信号減衰量を記憶する。ケーブル信号減衰量データテーブル121a及びパソコン信号減衰量データテーブル121bのデータは、画像形成装置1の工場出荷時に予め記憶部12に記憶されてもよいし、画像形成装置1の稼働後にデータを追加登録できるようにしてもよい。
【0021】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)等によって構成され、入力された指示信号等に応じて記憶部12に記憶されたプログラムを読み出して処理を実行し、各機能部への指示信号の出力、後述する表示パネル171に対して画像や文字等の表示信号を出力する表示制御、データ転送等を行って画像形成装置1を統括的に制御するものである。また、制御部11は、信号減衰量決定部111を有する。
【0022】
信号減衰量決定部111は、表示パネル171に表示された接続情報入力画面を介してユーザが選択入力したケーブルC及びパソコン9の種類を取り込み、そのケーブルC及びパソコン9の種類に基づいて減衰量記憶部121から信号減衰量を読み出して、画像形成装置1とパソコン9の間の信号減衰量を決定する。
【0023】
図3は、表示パネル171に表示される接続情報入力画面2の一例を示した図である。ユーザが入力操作部17のハードキー又は表示パネル171に表示された設定ボタン等を押下すると、制御部11は、接続情報入力画面2を表示パネル171に表示させる。ケーブル情報及びパソコン情報は、接続ポート毎に設定でき、ユーザが接続情報入力画面2内のプルダウンボタン22を押下すると、制御部11は、予め登録されているケーブルのメーカー別及び長さ別のリストをプルダウンメニュー21に表示させる。同様に、パソコンに対応するプルダウンボタンを押下すると、制御部11は、予め登録されているパソコンのメーカー別及び機種別のリストをプルダウンメニューに表示させる。
【0024】
ユーザは、これらのプルダウンメニューに表示されたリストの中から該当するケーブルC及びパソコン9の種類を選択し、OKボタン23を押下する。これにより、信号減衰量決定部111は、接続情報入力画面2を介して選択されたケーブルCとパソコン9の種類に対応した信号減衰量をケーブル信号減衰量データテーブル121a及びパソコン信号減衰量データテーブル121bからそれぞれ読み出し、読み出した信号減衰量を用いて画像形成装置1とパソコン9の間の信号減衰量を決定する。
【0025】
例えば、ユーザが接続情報画面2でケーブルCの種類としてメーカーA、長さ3mを選択した場合、信号減衰量決定部111は、ケーブル信号減衰量データテーブル121aからメーカーA、長さ3mの種類に対応した減衰量=X2というデータを読み出す。同様に、ユーザがパソコン9の種類としてメーカーQ、機種Q1を選択した場合、信号減衰量決定部111は、パソコン信号減衰量データテーブル121bからメーカーQ、機種Q1の種類に対応した減衰量=W1というデータを読み出す。そして、読み出した減衰量を用いて画像形成装置1とパソコン9の間の信号減衰量を決定する。
【0026】
原稿読取部13は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを用いて原稿の画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。画像メモリ14は、原稿読取部13から出力された画像データやネットワークI/F部18を介してパソコン9から送信された画像データを一時的に記憶する。画像処理部15は、画像メモリ14に記憶されている画像データに対して画像補正や拡大・縮小等の画像処理を施す。画像形成部16は、画像メモリ14に記憶されている画像データに応じて用紙に画像を形成する。
【0027】
入力操作部17は、ユーザが操作画面や各種メッセージ等を視認することができる表示パネル171、電源キー、印刷枚数等を入力するテンキー、原稿の読み取り開始を指示するスタートボタン等の種々の操作命令を入力するための操作ボタンを有する。表示パネル171は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等によって構成され、紙サイズ選択、倍率選択、濃度選択等のユーザに対する操作案内画面や接続情報入力画面2が表示される。この表示パネル171は、タッチパネル機能を有する。タッチパネルは、ユーザによるタッチ操作がなされたときにそのタッチ位置を検出し、タッチ位置を示す検出信号を制御部11へ出力する。
【0028】
ネットワークI/F部18は、LAN(Local Area Network)ボード等の通信モジュールから構成され、ケーブルCを介して接続されたパソコン9と種々のデータの送受信を行う。また、ネットワークI/F部18は、制御IC181と電源IC182を有する。
【0029】
制御IC181は、ネットワークI/F部18の構成要素を制御して、パソコン9との通信制御を司るものである。電源IC182は、制御IC181に電源電圧を供給するものである。また、電源IC182は、少なくとも2種類の電圧値を出力することができ、信号減衰量決定部111によって決定された信号減衰量に応じて、制御IC181に供給する電圧値を切り替える。例えば、制御IC181のコア電圧が1.2[V]である場合、電源IC182は、制御IC181のコア電圧である1.2[V]とそのコア電圧より若干低い1.1[V]の2種類の電圧を切り替えて出力する。そして、信号減衰量決定部111によって決定された信号減衰量が予め設定された基準減衰量より低い場合、電源IC182は1.2[V]の電圧を制御IC181に供給し、信号減衰量が基準減衰量以上の場合、電源IC182は1.1[V]の電圧を制御IC181に供給する。
【0030】
図5は、制御IC181に1.2[V]の電圧を供給しているときにケーブルCを流れる通信信号の波形とリミット線を示した図であり、31及び32はリミット線、33は信号減衰量が基準減衰量内のケーブルを用いたときの通信信号、34は信号減衰量が基準減衰量以上のケーブルを使用したときの通信信号を示した図である。リミット線とは、通信の可否を決定する限界レベルであり、通信信号がリミット線32より外側、又はリミット線31より内側にかかっていると通信が正常に行われず、通信エラーとなる。
【0031】
信号減衰量が基準減衰量内のケーブルを用いたときの信号33は、リミット線31及び32にかかっていないため、品質の良い波形であり、画像形成装置1とパソコン9の間で正常に通信が行われる状態であることを示している。
【0032】
一方、信号減衰量が基準減衰量以上のケーブルを用いたときの信号34は、リミット線31にかかっているため、品質の悪い波形であることが言える。従って、画像形成装置1とパソコン9の間で正常に通信が行われない可能性が高い。
【0033】
そこで、信号減衰量が基準減衰量以上の場合、電源IC182は、制御IC181の駆動電圧より若干低い1.1[V]の電圧を供給して、リミット線31及び32のレベルを低くする。図6は、制御IC181に1.1[V]の電圧を供給しているときの信号波形とリミット線を示した図である。供給電圧を下げることによって、リミット線32の上限値と下限値の間の幅は狭くなるが、リミット線31の範囲が小さくなるため、信号34はリミット線31にかからなくなる。従って、信号減衰量が基準減衰量以上であっても、正常に通信を行うことができる。
【0034】
図7は、制御IC181への供給電圧の決定までの流れを示したフローチャートである。ユーザが予め定められた入力操作部17のハードキー又は表示パネル171に表示された設定ボタン等を押下すると、制御部11は、接続情報入力画面2を表示パネル171に表示させる(ステップS11)。そして、ユーザによってケーブルCとパソコン9の種類の選択入力がなされて、OKボタン23が押下されたら(ステップS12;OKボタン)、信号減衰量決定部111は、接続情報入力画面2を介して選択されたケーブルCとパソコン9の種類に対応した信号減衰量をケーブル信号減衰量データテーブル121a及びパソコン信号減衰量データテーブル121bからそれぞれ読み出し(ステップS13)、読み出した信号減衰量を用いて画像形成装置1とパソコン9の間の信号減衰量を決定する(ステップS14)。
【0035】
そして、制御部11は、信号減衰量決定部111が決定した信号減衰量と基準減衰量とを比較する(ステップS15)。信号減衰量が基準減衰量より低い場合(ステップS15;YES)、制御部11は電源IC182に対して制御IC181への供給電圧を1.2[V]とする指示信号を出力する(ステップS16)。これにより、電源IC182は、制御IC181へ1.2[V]の電圧を供給する。
【0036】
一方、信号減衰量が基準減衰量以上である場合(ステップS15;NO)、制御部11は電源IC182に対して制御IC181への供給電圧を1.1[V]とする指示信号を出力する(ステップS17)。これにより、電源IC182は、制御IC181へ1.1[V]の電圧を供給する。
【0037】
以上、説明したように、信号減衰量決定部111がユーザによって入力されたケーブルC及びパソコン9の種類に応じて信号の信号減衰量を決定し、その信号減衰量が基準減衰量以上である場合、電源IC182は制御IC181に供給する電圧を低くして、リミット線31及び32のレベルを下げる。これにより、信号減衰量が基準減衰量以上であるために、リミット線31及び32が本来のレベルであると通信信号がリミット線31又は32にかかってしまうような場合であっても、通信信号がリミット線31及び32にかからなくなる。従って、信号減衰量が基準減衰量以上であっても正常に通信を行える可能性が高くなる。つまり、画像形成装置1とパソコン9の間を繋ぐケーブルとして、規格を満たしたケーブル又は規格外の品質の悪いケーブルの何れを用いても、通信を行うことができる。
【0038】
また、画像形成装置1の待機時、又は省エネルギーモード時に電源IC182は低い方の電圧を制御IC181に供給することによって、画像形成装置1全体の消費電力を抑えることができる。
【0039】
尚、本実施の形態では、ケーブルCとパソコン9の種類を接続情報入力画面2を介して選択入力することとしたが、パソコン9にケーブル長認識機能が備わっている場合、画像形成装置1はパソコン9からケーブルCの長さ情報を及びパソコン9の種類情報を取り込んで、その情報を基に装置間の信号減衰量を決定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 画像形成装置
11 制御部(表示制御手段)
111 信号減衰量決定部(決定手段)
12 記憶部
121 減衰量記憶部(記憶手段)
13 原稿読取部
14 画像メモリ
15 画像処理部
16 画像形成部
17 入力操作部(入力受付手段)
171 表示パネル(表示手段、入力受付手段)
18 ネットワークI/F部
181 制御IC(通信制御手段)
182 電源IC(供給手段)
9 パソコン(外部装置)
C ケーブル(通信回線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して自装置と外部装置の間でデータの送受信を行う通信制御手段と、
前記通信制御手段に駆動電圧を供給する供給手段と、
前記自装置と前記外部装置の接続情報を受け付ける入力受付手段と、
前記接続情報の種類に対応した信号減衰量を記憶する記憶手段と、
前記入力受付手段が入力を受け付けた接続情報に基づいて、前記記憶手段から対応する信号減衰量を読み出して前記自装置と前記外部装置の間の信号減衰量を決定する決定手段と、
を備え、前記決定手段が決定した信号減衰量が予め定められた基準減衰量より低いとき、前記供給手段は、予め定められた基準電圧を前記通信制御手段に供給し、前記信号減衰量が前記基準減衰量以上であるとき、前記供給手段は、前記基準電圧より低い予め定められた値の電圧を前記通信制御手段に供給する通信制御装置。
【請求項2】
通信回線を介して自装置と外部装置の間でデータの送受信を行う通信制御手段と、
前記通信制御手段に駆動電圧を供給する供給手段と、
前記自装置と前記外部装置の接続情報を受け付ける入力受付手段と、
前記接続情報の種類に対応した信号減衰量を記憶する記憶手段と、
前記入力受付手段が入力を受け付けた接続情報に基づいて、前記記憶手段から対応する信号減衰量を読み出して前記自装置と前記外部装置の間の信号減衰量を決定する決定手段と、
を備え、前記決定手段が決定した信号減衰量が予め定められた基準減衰量より低いとき、前記供給手段は、予め定められた基準電圧を前記通信制御手段に供給し、前記信号減衰量が前記基準減衰量以上であるとき、前記供給手段は、前記基準電圧より低い予め定められた値の電圧を前記通信制御手段に供給する画像形成装置。
【請求項3】
表示手段を表示制御する表示制御手段と、
を更に備え、前記記憶手段は、前記通信回線の種類に対応した信号減衰量及び前記外部装置の種類に対応した信号減衰量をそれぞれ記憶するものであり、前記表示制御手段は、前記通信回線の種類及び前記外部装置の種類を前記表示手段に表示させるものであり、前記入力受付手段は、前記表示された通信回線及び外部装置の種類から何れかの選択入力を受け付けるものであり、前記決定手段は、前記入力受付手段が入力を受け付けた前記通信回線に対応する信号減衰量及び前記外部装置に対応する信号減衰量を前記記憶手段から読み出して、前記自装置と前記外部装置の間の信号減衰量を決定するものである請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−258501(P2010−258501A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102770(P2009−102770)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】