通信端末装置、サーバ装置、及び、プログラム
【課題】現在位置に関連した情報を好適に取得できる通信端末装置、サーバ装置、及び、プログラムを提供する。
【解決手段】グループ内の予め定められた携帯端末10(特定端末)のみがGPS衛星30から現在位置情報を取得し、基地局20に送信する。そして、基地局20側では、同一のグループに含まれる携帯端末10は、同じ位置にあると判別する。特定端末は、所定のタイミングで切り替えるようにする。即ち、現在位置情報の取得及び現在位置情報の基地局20への送信を持ち回りで行う。
【解決手段】グループ内の予め定められた携帯端末10(特定端末)のみがGPS衛星30から現在位置情報を取得し、基地局20に送信する。そして、基地局20側では、同一のグループに含まれる携帯端末10は、同じ位置にあると判別する。特定端末は、所定のタイミングで切り替えるようにする。即ち、現在位置情報の取得及び現在位置情報の基地局20への送信を持ち回りで行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置、サーバ装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話機などの通信端末は現在位置情報の取得が可能となっており、取得した位置情報を事業者等に通知することで、現在位置に関連した情報を受信することができる。特に、緊急の情報或いは災害情報を受信できるようになっている。
【0003】
複数の通信端末を予めグループ化して管理し、緊急情報を該当するエリア内のグループの通信端末に通知する技術も開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−284825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術では、通信端末毎に情報取得を行なうことでトラフィックが増大したり、通信端末の電池残量が低下している場合には情報の取得が難しいといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたもので、現在位置に関連した情報を好適に取得できる通信端末装置、サーバ装置、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る通信端末装置は、
他の通信端末装置と無線通信を行なう近距離通信手段と、
自己を含む複数の通信端末装置をグループとしてサーバに登録するグループ登録手段と、
現在位置を取得する現在位置取得を行う位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得した前記現在位置の情報を前記サーバに送信する現在位置送信を行う位置情報送信手段と、
前記位置情報送信手段により送信した前記現在位置の情報に関連する情報を前記サーバから受信する情報受信手段と、
前記位置取得手段による前記現在位置取得と、前記位置情報送信手段による前記現在位置送信と、を次に行う通信端末装置を前記グループに含まれる他の通信端末装置に交代するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
前記グループに含まれる複数の通信端末装置の電池残量の情報を取得する電池残量情報取得手段を更に備え、
前記制御手段は、前記現在位置取得と前記現在位置送信とを行う通信端末を前記電池残量情報取得手段により取得した前記電池残量の情報に基づいて決定するように構成されてもよい。
【0009】
前記グループ登録手段は、予め登録されている通信端末装置と前記近距離通信手段により通信可能となった場合に、該通信端末装置を前記グループに加えるように構成されてもよい。
【0010】
前記グループ登録手段は、予め登録されている通信端末装置と前記近距離通信手段により直接通信不可能な場合であっても、他の通信端末装置を介して間接的に通信可能な通信端末装置を前記グループに加えるように構成されてもよい。
【0011】
前記グループ登録手段は、前記グループに含まれる通信端末装置と前記近距離通信手段により通信不可能となった場合に、該通信端末装置を前記グループから外すように構成されてもよい。
【0012】
前記グループ登録手段は、前記グループに含まれる通信端末装置と前記近距離通信手段により通信不可能となった場合に、自己を前記グループから外すように構成されてもよい。
【0013】
自己の動作を検出する動作検出手段と、
前記動作検出手段により動作が検出されないときに、前記近距離通信手段により他の通信端末装置を検索して前記グループに加わる参加手段と、を更に備えるように構成されてもよい。
【0014】
前記グループ登録手段により登録された通信端末装置に変化があった場合は、その旨の通知を受ける変化受信手段を更に備えるように構成されてもよい。
【0015】
前記グループ登録手段によるグループの登録を解除する解除手段を更に備えるように構成されてもよい。
【0016】
本発明の第2の観点に係るサーバ装置は、
所定の情報を受信する情報受信手段を備えた複数の通信端末装置をグループとして登録するグループ登録手段と、
前記通信端末装置から位置情報を受信する位置情報受信手段と、
前記位置情報受信手段により受信した前記位置情報と、前記グループの情報と、に基づいて、前記通信端末装置に所定の情報を発信する情報発信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
他の通信端末装置と無線通信を行なう近距離通信手段、
複数の通信端末装置をグループとしてサーバに登録するグループ登録手段、
現在位置を取得する現在位置取得を行う位置取得手段、
前記位置取得手段により取得した前記現在位置の情報を前記サーバに送信する現在位置送信を行う位置情報送信手段、
前記位置情報送信手段により送信した前記現在位置の情報に関連する情報を前記サーバから受信する情報受信手段、
前記位置取得手段による前記現在位置取得と、前記位置情報送信手段による前記現在位置送信と、を次に行う通信端末装置を前記グループに含まれる他の通信端末装置に交代するように制御する制御手段、
として機能させることを特徴とする。
【0018】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
所定の情報を受信する情報受信手段を備えた複数の通信端末装置をグループとして登録するグループ登録手段、
前記通信端末装置から位置情報を受信する位置情報受信手段、
前記位置情報受信手段により受信した前記位置情報と、前記グループの情報と、に基づいて、前記通信端末装置に所定の情報を発信する情報発信手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、現在位置に関連した情報を取得する際のトラフィックを軽減させつつ、通信端末装置の省電力化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末の機能ブロック図である。
【図2】携帯端末と通信する基地局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の運用環境を説明するための図である。
【図4】グループ登録情報、端末所在地情報を示す図である。
【図5】グループ管理開始処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】測位開始イベント処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】端末選定処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】電池残量問い合わせイベント処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】タイマイベント処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】端末再選定処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】サーバイベント処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】警報通知処理の動作を示すフローチャートである。
【図13】所在地更新処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図及びフローチャートを用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に限定されず、本発明の範囲に在る限り、様々な形態を採用しても良い。
【0022】
図1は、本発明の通信端末装置としての携帯端末10の機能ブロック図である。携帯端末10は、制御部11と、表示部12と、操作部13と、加速度センサ14と、電源制御部15と、GPS測位部16と、基地局通信部17と、ワイヤレスLAN通信部18と、音声処理部19と、から構成される。
【0023】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と動作プログラムを格納するROM(Read Only Memory)とワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)などから構成され、携帯端末10の全体を制御する。制御部11には、一定時間で割り込みを発生させるタイマ111が内蔵されている。また、RAMには携帯端末10のグループの登録情報を格納する領域(グループ登録メモリ112)が確保される。
【0024】
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、制御部11の制御のもと、各種画面を表示する。
【0025】
操作部13は、ユーザからの操作を受け付け、操作に対応した信号を制御部11に入力する。
【0026】
加速度センサ14は、携帯端末10の動き(加速度)を検出し、動きを検出したときにその旨を制御部11に通知する。
【0027】
電源制御部15は、電池などから構成され、携帯端末10の各部に電力を供給する。電源制御部15は、制御部11からの求めに応じて、電池の残量を示す電池残量情報を供給する。
【0028】
GPS(Global Positioning System)測位部16は、GPS衛星から信号を受信して携帯端末10の現在位置を測位する。
【0029】
基地局通信部17は、後述する基地局20と通信して、通話の音声データを送受信する。また、基地局通信部17は、基地局20とウェブサイトへのアクセスや電子メールなどに関するデータ通信を行う。
【0030】
ワイヤレスLAN(Local Area Network)通信部18は、ワイヤレスLANにより周辺の機器と通信する。ワイヤレスLAN通信部18は、特定のアクセスポイントと通信するだけでなく、他の通信端末装置と直接通信するアドホック通信機能を有する。ワイヤレスLAN通信部18は、GPS測位部16や基地局通信部17を動作させる電力に比べてはるかに小さい電力で動作する。
【0031】
音声処理部19は、携帯端末10の通話機能などに関する音声を処理する。音声処理部19は、マイクロフォン192から音声の入力を受け、デジタル変換した音声信号を制御部11の制御のもと、基地局通信部17に送出する。また、制御部11の制御のもと、基地局通信部17からデジタル音声信号の入力を受け、アナログ変換してスピーカ191により出力する。
【0032】
図2は携帯端末10と通信する本発明のサーバ装置としての基地局20の機能ブロック図である。図2に示すように、基地局20には、基地局サーバ21が設けられる。基地局サーバ21は、CPUや記憶装置から構成されるコンピュータである。基地局サーバ21には、無線通信部22と、インターネット回線接続装置23と、通話回線接続装置24と、が接続される。
【0033】
無線通信部22は、携帯端末10と基地局サーバ21との通信を仲介する。無線通信部22は、携帯端末10の基地局通信部17から受信したデータを基地局サーバ21に送出する。また、無線通信部22は、基地局サーバ21から入力されたデータを基地局通信部17に送信する。
【0034】
インターネット回線接続装置23は、基地局サーバ21をインターネット回線に接続するための装置である。通話回線接続装置24は、基地局サーバ21を通話回線に接続するための装置である。
【0035】
基地局サーバ21は、携帯端末10の通話やデータ通信を制御する。また、基地局サーバ21は、インターネット回線から警報や注意報などの地域性のある情報を取得することができ、その情報を携帯端末10に送信することができる。
【0036】
基地局サーバ21は、携帯端末10のグループの登録情報を記憶するグループ情報記憶部211と、携帯端末10から送信された位置情報を記憶する端末所在地記憶部212と、を備える。基地局サーバ21は、これらの情報に基づいて、警報や注意報などの地域性のある情報を、グループに登録されている携帯端末10に送信することができる。
【0037】
図3は、本発明の運用環境を説明するための図である。この実施の形態では、複数の携帯端末10をグループとして、携帯端末10内及び基地局サーバ21内に登録する。図3には、携帯端末10a、10b、10cからなるグループAと、携帯端末10d、10eからなるグループBと、が示されている。このグループに含まれる携帯端末10間では、ワイヤレスLANにより通信が行われる。従って、グループは職場や学校など比較的近距離で行動するユーザが所有する携帯端末10の集合となる。グループに所属する携帯端末10のメンバは予め定められていてもよいし、他の携帯端末10を検出したときにグループを自動生成するものであってもよい。以下では、グループに所属する携帯端末10のメンバは予め定められている場合の例について説明する。
【0038】
基地局20側で、各携帯端末10の現在位置情報を保持することで、各携帯端末10に、その現在位置情報に則した情報(例えば警報や注意報などの情報)を送信することができる。基地局20側で、各携帯端末10の現在位置情報を得るためには、各携帯端末10がGPS衛星30から信号を受信して現在位置を測位し、測位した現在位置を基地局20に送信する必要があった。しかし、GPS衛星30や基地局20との通信は電力消費が大きいため、あまり頻繁にこの動作を行うことはできなかった。
【0039】
この実施の形態では、グループ内の予め定められた携帯端末10(特定端末)のみが現在位置情報を取得し、基地局20に送信する構成となっている。そして、基地局20側では、同一のグループに含まれる携帯端末10は、同じ位置にあると判別する。特定端末は、所定のタイミングで切り替えるようにする。即ち、現在位置情報の取得及び現在位置情報の基地局20への送信を持ち回りで行う。このようにすることで、グループに所属する携帯端末10の消費電力を抑えることができる。
【0040】
図4(A)は、携帯端末10のグループ登録メモリ112に記憶されるグループ登録情報を示す図である。グループ登録情報は、グループに所属する携帯端末10を識別するための電話番号の一覧と、その携帯端末10の電池残量を示す値と、その携帯端末10が現在グループに参加しているか否かを判別するための参加フラグと、が対応付けられた情報である。同一のグループに所属する携帯端末10は、同一のグループ登録情報を保持する。
【0041】
図4(B)は、基地局サーバ21のグループ情報記憶部211に記憶されるグループ登録情報を示す図である。基地局サーバ21のグループ登録情報は、グループに所属する携帯端末10の電話番号の一覧と、参加フラグと、が対応付けられた情報である。基地局サーバ21では電池残量の情報を使用しないので保持しない。グループ情報記憶部211には、グループ登録情報がグループの数に対応して複数記憶される。グループ登録情報は、各グループに所属する携帯端末10から送信される。
【0042】
図4(C)は、基地局サーバ21の端末所在地記憶部212に記憶される端末所在地情報である。端末所在地情報は、携帯端末10を識別するための電話番号の一覧と、その携帯端末10の所在地(現在位置)の情報と、が対応付けられた情報である。同一のグループに所属する携帯端末10は、同一の所在地となる。基地局サーバ21は、特定端末から現在位置情報を受信すると、その特定端末が所属するグループを判別し、そのグループに含まれる携帯端末10全ての所在地を同一の現在位置情報で更新する。
【0043】
続いて、本発明の動作について説明する。携帯端末10の制御部11は、グループに参加するときに、図5に示すグループ管理開始処理を実行する。まず、制御部11は、グループ登録メモリ112に記憶されるグループ登録情報を更新する(ステップS101)。ここでは、自己の携帯端末10の参加フラグをセットし電池残量を記憶する。また、ワイヤレスLANで通信可能な他の携帯端末10の参加フラグをセットし、他の携帯端末10の電池残量を記憶する。グループ参加時には、ユーザが参加するグループやそのメンバを指定できるようにする。
【0044】
次に、制御部11は、各種の初期化処理を行う(ステップS102)。例えば、現在位置を測位する間隔(測位間隔)をRAMの所定領域などに記憶し、特定端末の選定に用いる累積誤差値を初期化する。測位間隔はユーザが入力するようにしてもよい。この実施の形態では、現在位置情報の取得及び現在位置情報の基地局20への送信を行った携帯端末10は、次回に現在位置情報の取得及び現在位置情報の基地局20への送信を行う携帯端末10を同一のグループに所属する他の携帯端末10の中から選定する。この選定は、他の携帯端末10の電池残量に基づいて行われる。単に、電池残量が相対的に多い携帯端末10を選定する方法も考えられるが、この実施の形態では、画像処理に用いられる誤差拡散の演算を用いて選定を行う。累積誤差値とは、その演算で使用される数値である。
【0045】
その後、制御部11は、イベント待ち状態となる(ステップS103)。終了イベントを検出すると(ステップS104;Yes)、制御部11は、処理を終了する。他のイベントを検出すると(ステップS104;No)、制御部11は、検出したイベントに対応する各種のイベント処理(ステップS105)を実行する。
【0046】
図6は、制御部11が、イベント待ち状態であるときに測位開始イベントを検出した場合に実行される測位開始イベント処理の動作を示すフローチャートである。測位開始イベントは、他の携帯端末10または基地局サーバ21から発行される。測位開始イベント処理では、制御部11は、先ず、GPS測位部16により現在位置を測位するGPS測位処理を実行する(ステップS111)。
【0047】
続いて、制御部11は、取得した現在位置情報を基地局サーバ21に通知する(ステップS112)。そして、制御部11は、予め定められた測位間隔をタイマ111にセットする(ステップS113)。ここでセットされた測位間隔ごとに現在位置を取得するタイマイベントが発生することとなる。
【0048】
次に、制御部11は、電源制御部15から電池残量情報を取得し、グループ登録情報における自己の電池残量情報を更新する(ステップS114)。
【0049】
そして、制御部11は、次に現在位置の測位を実行する携帯端末10を選定するための端末選定処理を実行し(ステップS115)、測位開始イベント処理を終了する。
【0050】
ここで、現在位置の測位を実行する携帯端末10を選定する動作の概要について説明する。上述のように、現在位置を測位し、測位した現在位置を基地局サーバ21に通知する動作(ステップS111及びS112)は、消費電力が大きいため、これらを実行する特定端末をグループ内で適宜切り替える。次に測位を実行する特定端末の選定は、グループ登録情報の電池残量情報に基づいて行う。この実施の形態では、画像処理に用いられる誤差拡散の演算を用いて特定端末の選定を行う。
【0051】
図7は、図6のステップS115で実行される端末選定処理の動作を示すフローチャートである。端末選定処理では、まず、制御部11は、前に特定端末だった携帯端末10から通知された累積誤差値を参照する(ステップS201)。ここでは、前に特定端末だった携帯端末10がない場合について説明する。その場合、この累積誤差値は0になる。
【0052】
続いて、制御部11は、グループ登録情報における次の携帯端末10の参加フラグを参照する(ステップS202)。そして、制御部11は、その携帯端末10の参加フラグがオン(1)であるか否かを判別する(ステップS203)。
【0053】
参加フラグがオンであれば(ステップS203;Yes)、制御部11は、その携帯端末10の電池残量を参照し(ステップS204)、予め定められた最低残量(例えば60)以上であるか否かを判別する(ステップS205)。最低残量未満であれば(ステップS205;No)、その携帯端末10は特定端末とせず、ステップS202に戻って、次の携帯端末10の選定に移る。
【0054】
電池残量が最低残量以上であれば(ステップS205;Yes)、制御部11は、累積誤差値にステップS204で参照した電池残量を加算する(ステップS206)。
【0055】
そして、制御部11は、累積誤差値が予め定められた一定値(例えば200)以上であるか否かを判別する(ステップS207)。ここで、累積誤差値が一定値以上であれば(ステップS207;Yes)、制御部11は、ステップS204で電池残量を参照した携帯端末10を特定端末に決定し(ステップS208)、端末選定処理を終える。累積誤差値が一定値未満であれば(ステップS207;No)、ステップS202に戻って、次の携帯端末10の選定に移る。
【0056】
ステップS203において、次の携帯端末10の参加フラグがオフ(0)であると判別された場合(ステップS203;No)、制御部11は、その携帯端末10の電池残量を問い合わせる(ステップS209)。
【0057】
電池残量の問い合わせに対して応答があれば(ステップS210;Yes)、その携帯端末10の電池残量をグループ登録情報に登録し、参加フラグをオンにセットする(ステップS211)。そして、ステップS206の処理に移行する。電池残量の問い合わせに対して応答がなければ(ステップS210;No)、ステップS202に戻って、次の携帯端末10の選定に移る。
【0058】
ここで、特定端末の選定の具体例を図4(A)に示すグループ登録情報を用いて説明する。自端末が電話番号末尾0001の携帯端末10であって、累積誤差値が0であれば、次の携帯端末10(電話番号末尾0002)の電池残量は120なので、ステップS206で累積誤差値が120になり、一定値(200)未満なので(ステップS207;No)、次の携帯端末10(0003)の電池残量が参照される(ステップS202)。そして、再びステップS206で累積誤差値が340になり、一定値以上なので(ステップS207;Yes)、携帯端末10(0003)が特定端末に決定される。
【0059】
また、自端末が電話番号末尾0003の携帯端末10であって、累積誤差値が20であれば、次の携帯端末10(0004)の電池残量は50なので、電池残量が最低残量未満であるとして(ステップS205;No)、次の携帯端末10(0005)の電池残量が参照される(ステップS202)。次の携帯端末10(0005)の参加フラグはオフなので、電池残量の問い合わせに応答がなければ(ステップS210;No)、さらに次の携帯端末10(0006)の電池残量が参照される(ステップS202)。そして、ステップS206で累積誤差値が200になり、一定値以上なので(ステップS207;Yes)、携帯端末10(0006)が特定端末に決定される。以上のようにして、電池残量情報に基づいて、適切な特定端末を選定することができる。
【0060】
図8は、制御部11が、イベント待ち状態であるときに電池残量問い合わせイベントを検出した場合に実行される電池残量問い合わせイベント処理の動作を示すフローチャートである。電池残量問い合わせイベントは、図7のステップS209の処理が実行されたことによって発生する。電池残量問い合わせイベント処理では、制御部11は、電源制御部15から電池残量情報を取得し(ステップS121)、その電池残量を問い合わせのあった携帯端末10に通知する(ステップS122)。その後、制御部11は、電池残量問い合わせイベント処理を終える。
【0061】
図6のステップS113でセットした、測位間隔をタイマ111が計測すると現在位置を再度測位させるためのタイマイベントが発生する。図9は、制御部11が、イベント待ち状態であるときにタイマイベントを検出した場合に実行されるタイマイベント処理の動作を示すフローチャートである。タイマイベント処理では、制御部11は、先ず、図7のステップS208で決定された携帯端末10にワイヤレスLANにより接続する(ステップS131)。
【0062】
ここで、接続できれば(ステップS132;Yes)、制御部11は、その携帯端末10に、累積誤差値とグループ登録情報とを送信し(ステップS134)、タイマイベント処理を終える。
【0063】
接続できなければ(ステップS132;No)、制御部11は、再度特定端末を選定するための端末再選定処理を実行して(ステップS133)、ステップS131に戻る。
【0064】
図10は、図9のステップS133で実行される端末再選定処理の動作を示すフローチャートである。端末再選定処理では、まず、制御部11は、グループ登録情報における次の携帯端末10の電話番号を参照する(ステップS221)。そして、制御部11は、その電話番号が自端末の電話番号であるか否かを判別する(ステップS222)。図9のステップS132にて次に特定端末となる携帯端末10に接続できなかった場合、その次に特定端末となる携帯端末10がグループから外れた場合と、自端末がグループから外れた場合と、が想定される。ここでは、次の携帯端末10が自端末の電話番号であれば、自端末が保持するグループ登録情報には自端末しか登録されていない場合であると判別する。
【0065】
グループ登録情報における次の携帯端末10の電話番号が自端末でない場合は(ステップS222;No)、次に特定端末となる携帯端末10がグループから外れた場合である。この場合、制御部11は、累積誤差値を更新する(ステップS223)。ここでは、累積誤差値からステップS207の判別で使用した一定値(例えば200)を加算し、そこから次に特定端末となるはずだった携帯端末10の電池残量を減算する。そして、図7に示した端末選定処理を再度実行する(ステップS224)。
【0066】
ステップS224で再度特定端末が選定されると、制御部11は、その特定端末となる携帯端末10にワイヤレスLAN接続できるか否かをチェックする(ステップS225)。
【0067】
その携帯端末10に接続できなければ(ステップS226;No)、ステップS221に戻り、特定端末の再選定を行う。
【0068】
その携帯端末10に接続できれば(ステップS226;Yes)、制御部11は、その携帯端末10を次の特定端末に決定する(ステップS227)。
【0069】
続いて、制御部11は、ワイヤレスLANにより、グループ登録情報に登録されている携帯端末10(メンバ)の確認処理を実行する(ステップS228)。この確認処理では、この処理を実行する携帯端末10から直接接続できた携帯端末10はグループに参加しているメンバであると判別するだけでなく、グループに参加している他の携帯端末10から接続できた携帯端末10もメンバであると判別する。ワイヤレスLANでは、通信可能な距離であっても障害物の存在などにより接続ができない場合がある。そのため、グループ登録情報に登録されている順番に順次接続確認する方法、グループ登録情報に登録されている順番に1つ飛ばしで接続確認する方法、それぞれの携帯端末10から接続可能な経路で巡回して確認する方法、あるいはこれらの組合せなどによって、参加確認をすればよい。また、いずれの方法によっても接続できない携帯端末10はグループに参加していないと判別する。このようにすることで、自動的にグループのメンバを参加した状態にさせることができ、また、グループの人数が多くなっても適切なグループ管理を行うことができる。
【0070】
ステップS228でメンバの確認処理が終了すると、制御部11は、その結果に基づいて、グループ登録情報の参加フラグを更新し(ステップS229)、更新したグループ登録情報を基地局サーバ21に通知し(ステップS230)、端末再選定処理を終える。
【0071】
ステップS222でグループ登録情報における次の携帯端末10の電話番号が自端末である場合は(ステップS222;Yes)、自端末がグループから外れた場合である。この場合、制御部11は、基地局サーバ21に、グループから離脱した旨を通知する(ステップS231)。そして、基地局サーバ21に測位開始イベントの発行を代行する要求を送信する(ステップS232)。
【0072】
その後、制御部11は、表示部12にグループに戻るか否かを入力させる画面を表示し、ユーザの操作を待つ(ステップS233)。グループに戻らない旨が入力された場合は(ステップS234;Yes)、制御部11は、終了イベントを発行して(ステップS235)、端末再選定処理を終える。このようにすることで、確実にグループの登録から離脱することができ、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0073】
また、グループに戻らない旨が入力されない場合は(ステップS234;No)、端末再選定処理を終える。この場合、携帯端末10は、イベント待ち状態となる。
【0074】
次に、基地局サーバ21側の動作について説明する。基地局サーバ21のCPUは、携帯端末10やインターネットからイベントを検出すると図11に示すサーバイベント処理を実行する。CPUは、まず、イベントの内容を取得する(ステップS301)。そして、CPUは、そのイベントが警報発生イベントであるか否かを判別する(ステップS302)。警報発生イベントは、地震などの災害に関する警報や注意報に関する情報をインターネットから受信したときに発生する。この情報には、警報や注意報の内容及び警報や注意報が発せられる地域に関する情報が含まれる。
【0075】
警報発生イベントであれば(ステップS302;Yes)、CPUは、警報通知処理(ステップS303)を実行してサーバイベント処理を終える。警報発生イベントでなければ(ステップS302;No)、CPUは、イベントに対応したその他の処理を実行して(ステップS304)、サーバイベント処理を終える。
【0076】
図12は、図11のステップS303で実行される警報通知処理の動作を示すフローチャートである。警報通知処理では、CPUは、まず、インターネットから受信した警報(または注意報)が発生した地域を特定する(ステップS311)。
【0077】
次に、CPUは、基地局サーバ21に登録されている携帯端末10のユーザを検索するためのユーザIDに初期値を代入する(ステップS312)。
【0078】
続いて、CPUは、図4(C)に示した端末所在地情報を参照して、ユーザIDに対応する携帯端末10の現在位置を特定する(ステップS313)。
【0079】
そして、CPUは、特定した携帯端末10の現在位置が警報が発生した地域と一致するか否かを判別し(ステップS314)、一致すれば(ステップS314;Yes)、その携帯端末10に警報情報を送信する(ステップS315)。
【0080】
その後、CPUは、ユーザIDを次のユーザに切り替え(ステップS316)、全てのユーザについて判別が終了するまで(ステップS317;No)、ステップS313〜S316の処理を繰り返す。
【0081】
図13は、図11のステップS304でその他の処理に含まれる所在地更新処理の動作を示すフローチャートである。携帯端末10から図6のステップS112の処理を実行することによって、基地局サーバ21に現在位置情報が通知されると、CPUは所在地更新処理を実行する。所在地更新処理では、CPUは、携帯端末10から受信した現在位置情報を取得し(ステップS321)、グループ情報記憶部211に記憶されるグループ登録情報を参照する(ステップS322)。
【0082】
そして、CPUは、現在位置情報を通知した携帯端末10が所属するグループに所属する携帯端末10全ての現在位置(端末所在地情報)を、ステップS321で取得した現在位置情報で更新し(ステップS323)、所在地更新処理を終える。このように、グループに所属する携帯端末10の端末所在地情報を一括して更新するので、グループに所属する携帯端末10が基地局サーバ21に接続する回数を低減でき、グループに所属する携帯端末装置10全体の電力消費を抑えることができ、またトラフィックの軽減も可能になる。
【0083】
また、図11のステップS304のその他の処理には、携帯端末10からグループ登録情報(特に参加や離脱の情報)を受信したときに(図10のステップS230が実行されたときなど)、グループ情報記憶部211に記憶されるグループ登録情報を更新する処理も含まれる。さらに、図11のステップS304のその他の処理には、携帯端末10から測位開始イベントの発行を代行する要求を受信したときに(図10のステップS232が実行されたときに)、特定端末に測位開始の要求を送信する処理も含まれる。
【0084】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る携帯端末10では、グループに含まれる特定端末のみにより現在位置情報を取得し、基地局サーバ21に通知する。そして、基地局サーバ21では、同一のグループの携帯端末10は同じ現在位置情報を登録する。これにより、トラフィックを軽減させつつ、携帯端末10の省電力も図れる。
【0085】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、図7のステップS209や図10のステップS228において、グループに所属する携帯端末10の検出や参加確認を行っていたが、グループに参加する側の携帯端末10からグループに参加する旨を通知するようにしてもよい。例えば、加速度センサ14により所定時間動きが検出されなかった場合、学校や職場に到着したものと判別し、制御部11がグループ参加の通知を行うようにしてもよい。このようにすることで、自動的にグループに参加させることができる。
【0086】
また、各携帯端末10が所属するグループは1つに限定されず、複数であってもよい。この場合、携帯端末10が複数のグループ登録情報を保持するようにすればよい。それぞれのグループが形成される場所が定まっている場合には、いずれのグループ登録情報を使用するかを現在位置情報から自動判別するようにしてもよい。
【0087】
特定端末の選定は、図7に示す端末選定処理によって行っていたが、グループ内で電池残量が最も多い携帯端末10を特定端末に決定したり、電池残量が多い順に特定端末に決定されやすいようにしてもよい。
【0088】
なお、グループに所属するメンバの加入及び離脱の情報は、特定の携帯端末10で管理できるようにしてもよい。例えば、メンバの加入及び離脱の情報を基地局サーバ21に通知する場合、基地局サーバ21から特定の携帯端末10にその情報を通知するようにしてもよい。例えば、修学旅行に参加する学生の携帯端末10でメンバを構成し、そのメンバの加入及び離脱の情報を引率の教師の携帯端末10に通知することなどが想定される。このようにすることで、特定の携帯端末10でグループのメンバの行動を把握することができる。
【0089】
また、上記実施の形態では、制御部11が実行するプログラムは、予め格納されているものとして説明した。このプログラムは、外部記憶媒体や通信網を介して制御部11が備える記憶領域などに格納されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0090】
10…携帯端末、11…制御部、12…表示部、13…操作部、14…加速度センサ、15…電源制御部、16…GPS測位部、17…基地局通信部、18…ワイヤレスLAN通信部、19…音声処理部、20…基地局、21…基地局サーバ、22…無線通信部、23…インターネット回線接続装置、24…通信回線接続装置、30…GPS衛星
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置、サーバ装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話機などの通信端末は現在位置情報の取得が可能となっており、取得した位置情報を事業者等に通知することで、現在位置に関連した情報を受信することができる。特に、緊急の情報或いは災害情報を受信できるようになっている。
【0003】
複数の通信端末を予めグループ化して管理し、緊急情報を該当するエリア内のグループの通信端末に通知する技術も開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−284825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術では、通信端末毎に情報取得を行なうことでトラフィックが増大したり、通信端末の電池残量が低下している場合には情報の取得が難しいといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたもので、現在位置に関連した情報を好適に取得できる通信端末装置、サーバ装置、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る通信端末装置は、
他の通信端末装置と無線通信を行なう近距離通信手段と、
自己を含む複数の通信端末装置をグループとしてサーバに登録するグループ登録手段と、
現在位置を取得する現在位置取得を行う位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得した前記現在位置の情報を前記サーバに送信する現在位置送信を行う位置情報送信手段と、
前記位置情報送信手段により送信した前記現在位置の情報に関連する情報を前記サーバから受信する情報受信手段と、
前記位置取得手段による前記現在位置取得と、前記位置情報送信手段による前記現在位置送信と、を次に行う通信端末装置を前記グループに含まれる他の通信端末装置に交代するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
前記グループに含まれる複数の通信端末装置の電池残量の情報を取得する電池残量情報取得手段を更に備え、
前記制御手段は、前記現在位置取得と前記現在位置送信とを行う通信端末を前記電池残量情報取得手段により取得した前記電池残量の情報に基づいて決定するように構成されてもよい。
【0009】
前記グループ登録手段は、予め登録されている通信端末装置と前記近距離通信手段により通信可能となった場合に、該通信端末装置を前記グループに加えるように構成されてもよい。
【0010】
前記グループ登録手段は、予め登録されている通信端末装置と前記近距離通信手段により直接通信不可能な場合であっても、他の通信端末装置を介して間接的に通信可能な通信端末装置を前記グループに加えるように構成されてもよい。
【0011】
前記グループ登録手段は、前記グループに含まれる通信端末装置と前記近距離通信手段により通信不可能となった場合に、該通信端末装置を前記グループから外すように構成されてもよい。
【0012】
前記グループ登録手段は、前記グループに含まれる通信端末装置と前記近距離通信手段により通信不可能となった場合に、自己を前記グループから外すように構成されてもよい。
【0013】
自己の動作を検出する動作検出手段と、
前記動作検出手段により動作が検出されないときに、前記近距離通信手段により他の通信端末装置を検索して前記グループに加わる参加手段と、を更に備えるように構成されてもよい。
【0014】
前記グループ登録手段により登録された通信端末装置に変化があった場合は、その旨の通知を受ける変化受信手段を更に備えるように構成されてもよい。
【0015】
前記グループ登録手段によるグループの登録を解除する解除手段を更に備えるように構成されてもよい。
【0016】
本発明の第2の観点に係るサーバ装置は、
所定の情報を受信する情報受信手段を備えた複数の通信端末装置をグループとして登録するグループ登録手段と、
前記通信端末装置から位置情報を受信する位置情報受信手段と、
前記位置情報受信手段により受信した前記位置情報と、前記グループの情報と、に基づいて、前記通信端末装置に所定の情報を発信する情報発信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
他の通信端末装置と無線通信を行なう近距離通信手段、
複数の通信端末装置をグループとしてサーバに登録するグループ登録手段、
現在位置を取得する現在位置取得を行う位置取得手段、
前記位置取得手段により取得した前記現在位置の情報を前記サーバに送信する現在位置送信を行う位置情報送信手段、
前記位置情報送信手段により送信した前記現在位置の情報に関連する情報を前記サーバから受信する情報受信手段、
前記位置取得手段による前記現在位置取得と、前記位置情報送信手段による前記現在位置送信と、を次に行う通信端末装置を前記グループに含まれる他の通信端末装置に交代するように制御する制御手段、
として機能させることを特徴とする。
【0018】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
所定の情報を受信する情報受信手段を備えた複数の通信端末装置をグループとして登録するグループ登録手段、
前記通信端末装置から位置情報を受信する位置情報受信手段、
前記位置情報受信手段により受信した前記位置情報と、前記グループの情報と、に基づいて、前記通信端末装置に所定の情報を発信する情報発信手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、現在位置に関連した情報を取得する際のトラフィックを軽減させつつ、通信端末装置の省電力化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末の機能ブロック図である。
【図2】携帯端末と通信する基地局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の運用環境を説明するための図である。
【図4】グループ登録情報、端末所在地情報を示す図である。
【図5】グループ管理開始処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】測位開始イベント処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】端末選定処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】電池残量問い合わせイベント処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】タイマイベント処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】端末再選定処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】サーバイベント処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】警報通知処理の動作を示すフローチャートである。
【図13】所在地更新処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図及びフローチャートを用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に限定されず、本発明の範囲に在る限り、様々な形態を採用しても良い。
【0022】
図1は、本発明の通信端末装置としての携帯端末10の機能ブロック図である。携帯端末10は、制御部11と、表示部12と、操作部13と、加速度センサ14と、電源制御部15と、GPS測位部16と、基地局通信部17と、ワイヤレスLAN通信部18と、音声処理部19と、から構成される。
【0023】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と動作プログラムを格納するROM(Read Only Memory)とワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)などから構成され、携帯端末10の全体を制御する。制御部11には、一定時間で割り込みを発生させるタイマ111が内蔵されている。また、RAMには携帯端末10のグループの登録情報を格納する領域(グループ登録メモリ112)が確保される。
【0024】
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、制御部11の制御のもと、各種画面を表示する。
【0025】
操作部13は、ユーザからの操作を受け付け、操作に対応した信号を制御部11に入力する。
【0026】
加速度センサ14は、携帯端末10の動き(加速度)を検出し、動きを検出したときにその旨を制御部11に通知する。
【0027】
電源制御部15は、電池などから構成され、携帯端末10の各部に電力を供給する。電源制御部15は、制御部11からの求めに応じて、電池の残量を示す電池残量情報を供給する。
【0028】
GPS(Global Positioning System)測位部16は、GPS衛星から信号を受信して携帯端末10の現在位置を測位する。
【0029】
基地局通信部17は、後述する基地局20と通信して、通話の音声データを送受信する。また、基地局通信部17は、基地局20とウェブサイトへのアクセスや電子メールなどに関するデータ通信を行う。
【0030】
ワイヤレスLAN(Local Area Network)通信部18は、ワイヤレスLANにより周辺の機器と通信する。ワイヤレスLAN通信部18は、特定のアクセスポイントと通信するだけでなく、他の通信端末装置と直接通信するアドホック通信機能を有する。ワイヤレスLAN通信部18は、GPS測位部16や基地局通信部17を動作させる電力に比べてはるかに小さい電力で動作する。
【0031】
音声処理部19は、携帯端末10の通話機能などに関する音声を処理する。音声処理部19は、マイクロフォン192から音声の入力を受け、デジタル変換した音声信号を制御部11の制御のもと、基地局通信部17に送出する。また、制御部11の制御のもと、基地局通信部17からデジタル音声信号の入力を受け、アナログ変換してスピーカ191により出力する。
【0032】
図2は携帯端末10と通信する本発明のサーバ装置としての基地局20の機能ブロック図である。図2に示すように、基地局20には、基地局サーバ21が設けられる。基地局サーバ21は、CPUや記憶装置から構成されるコンピュータである。基地局サーバ21には、無線通信部22と、インターネット回線接続装置23と、通話回線接続装置24と、が接続される。
【0033】
無線通信部22は、携帯端末10と基地局サーバ21との通信を仲介する。無線通信部22は、携帯端末10の基地局通信部17から受信したデータを基地局サーバ21に送出する。また、無線通信部22は、基地局サーバ21から入力されたデータを基地局通信部17に送信する。
【0034】
インターネット回線接続装置23は、基地局サーバ21をインターネット回線に接続するための装置である。通話回線接続装置24は、基地局サーバ21を通話回線に接続するための装置である。
【0035】
基地局サーバ21は、携帯端末10の通話やデータ通信を制御する。また、基地局サーバ21は、インターネット回線から警報や注意報などの地域性のある情報を取得することができ、その情報を携帯端末10に送信することができる。
【0036】
基地局サーバ21は、携帯端末10のグループの登録情報を記憶するグループ情報記憶部211と、携帯端末10から送信された位置情報を記憶する端末所在地記憶部212と、を備える。基地局サーバ21は、これらの情報に基づいて、警報や注意報などの地域性のある情報を、グループに登録されている携帯端末10に送信することができる。
【0037】
図3は、本発明の運用環境を説明するための図である。この実施の形態では、複数の携帯端末10をグループとして、携帯端末10内及び基地局サーバ21内に登録する。図3には、携帯端末10a、10b、10cからなるグループAと、携帯端末10d、10eからなるグループBと、が示されている。このグループに含まれる携帯端末10間では、ワイヤレスLANにより通信が行われる。従って、グループは職場や学校など比較的近距離で行動するユーザが所有する携帯端末10の集合となる。グループに所属する携帯端末10のメンバは予め定められていてもよいし、他の携帯端末10を検出したときにグループを自動生成するものであってもよい。以下では、グループに所属する携帯端末10のメンバは予め定められている場合の例について説明する。
【0038】
基地局20側で、各携帯端末10の現在位置情報を保持することで、各携帯端末10に、その現在位置情報に則した情報(例えば警報や注意報などの情報)を送信することができる。基地局20側で、各携帯端末10の現在位置情報を得るためには、各携帯端末10がGPS衛星30から信号を受信して現在位置を測位し、測位した現在位置を基地局20に送信する必要があった。しかし、GPS衛星30や基地局20との通信は電力消費が大きいため、あまり頻繁にこの動作を行うことはできなかった。
【0039】
この実施の形態では、グループ内の予め定められた携帯端末10(特定端末)のみが現在位置情報を取得し、基地局20に送信する構成となっている。そして、基地局20側では、同一のグループに含まれる携帯端末10は、同じ位置にあると判別する。特定端末は、所定のタイミングで切り替えるようにする。即ち、現在位置情報の取得及び現在位置情報の基地局20への送信を持ち回りで行う。このようにすることで、グループに所属する携帯端末10の消費電力を抑えることができる。
【0040】
図4(A)は、携帯端末10のグループ登録メモリ112に記憶されるグループ登録情報を示す図である。グループ登録情報は、グループに所属する携帯端末10を識別するための電話番号の一覧と、その携帯端末10の電池残量を示す値と、その携帯端末10が現在グループに参加しているか否かを判別するための参加フラグと、が対応付けられた情報である。同一のグループに所属する携帯端末10は、同一のグループ登録情報を保持する。
【0041】
図4(B)は、基地局サーバ21のグループ情報記憶部211に記憶されるグループ登録情報を示す図である。基地局サーバ21のグループ登録情報は、グループに所属する携帯端末10の電話番号の一覧と、参加フラグと、が対応付けられた情報である。基地局サーバ21では電池残量の情報を使用しないので保持しない。グループ情報記憶部211には、グループ登録情報がグループの数に対応して複数記憶される。グループ登録情報は、各グループに所属する携帯端末10から送信される。
【0042】
図4(C)は、基地局サーバ21の端末所在地記憶部212に記憶される端末所在地情報である。端末所在地情報は、携帯端末10を識別するための電話番号の一覧と、その携帯端末10の所在地(現在位置)の情報と、が対応付けられた情報である。同一のグループに所属する携帯端末10は、同一の所在地となる。基地局サーバ21は、特定端末から現在位置情報を受信すると、その特定端末が所属するグループを判別し、そのグループに含まれる携帯端末10全ての所在地を同一の現在位置情報で更新する。
【0043】
続いて、本発明の動作について説明する。携帯端末10の制御部11は、グループに参加するときに、図5に示すグループ管理開始処理を実行する。まず、制御部11は、グループ登録メモリ112に記憶されるグループ登録情報を更新する(ステップS101)。ここでは、自己の携帯端末10の参加フラグをセットし電池残量を記憶する。また、ワイヤレスLANで通信可能な他の携帯端末10の参加フラグをセットし、他の携帯端末10の電池残量を記憶する。グループ参加時には、ユーザが参加するグループやそのメンバを指定できるようにする。
【0044】
次に、制御部11は、各種の初期化処理を行う(ステップS102)。例えば、現在位置を測位する間隔(測位間隔)をRAMの所定領域などに記憶し、特定端末の選定に用いる累積誤差値を初期化する。測位間隔はユーザが入力するようにしてもよい。この実施の形態では、現在位置情報の取得及び現在位置情報の基地局20への送信を行った携帯端末10は、次回に現在位置情報の取得及び現在位置情報の基地局20への送信を行う携帯端末10を同一のグループに所属する他の携帯端末10の中から選定する。この選定は、他の携帯端末10の電池残量に基づいて行われる。単に、電池残量が相対的に多い携帯端末10を選定する方法も考えられるが、この実施の形態では、画像処理に用いられる誤差拡散の演算を用いて選定を行う。累積誤差値とは、その演算で使用される数値である。
【0045】
その後、制御部11は、イベント待ち状態となる(ステップS103)。終了イベントを検出すると(ステップS104;Yes)、制御部11は、処理を終了する。他のイベントを検出すると(ステップS104;No)、制御部11は、検出したイベントに対応する各種のイベント処理(ステップS105)を実行する。
【0046】
図6は、制御部11が、イベント待ち状態であるときに測位開始イベントを検出した場合に実行される測位開始イベント処理の動作を示すフローチャートである。測位開始イベントは、他の携帯端末10または基地局サーバ21から発行される。測位開始イベント処理では、制御部11は、先ず、GPS測位部16により現在位置を測位するGPS測位処理を実行する(ステップS111)。
【0047】
続いて、制御部11は、取得した現在位置情報を基地局サーバ21に通知する(ステップS112)。そして、制御部11は、予め定められた測位間隔をタイマ111にセットする(ステップS113)。ここでセットされた測位間隔ごとに現在位置を取得するタイマイベントが発生することとなる。
【0048】
次に、制御部11は、電源制御部15から電池残量情報を取得し、グループ登録情報における自己の電池残量情報を更新する(ステップS114)。
【0049】
そして、制御部11は、次に現在位置の測位を実行する携帯端末10を選定するための端末選定処理を実行し(ステップS115)、測位開始イベント処理を終了する。
【0050】
ここで、現在位置の測位を実行する携帯端末10を選定する動作の概要について説明する。上述のように、現在位置を測位し、測位した現在位置を基地局サーバ21に通知する動作(ステップS111及びS112)は、消費電力が大きいため、これらを実行する特定端末をグループ内で適宜切り替える。次に測位を実行する特定端末の選定は、グループ登録情報の電池残量情報に基づいて行う。この実施の形態では、画像処理に用いられる誤差拡散の演算を用いて特定端末の選定を行う。
【0051】
図7は、図6のステップS115で実行される端末選定処理の動作を示すフローチャートである。端末選定処理では、まず、制御部11は、前に特定端末だった携帯端末10から通知された累積誤差値を参照する(ステップS201)。ここでは、前に特定端末だった携帯端末10がない場合について説明する。その場合、この累積誤差値は0になる。
【0052】
続いて、制御部11は、グループ登録情報における次の携帯端末10の参加フラグを参照する(ステップS202)。そして、制御部11は、その携帯端末10の参加フラグがオン(1)であるか否かを判別する(ステップS203)。
【0053】
参加フラグがオンであれば(ステップS203;Yes)、制御部11は、その携帯端末10の電池残量を参照し(ステップS204)、予め定められた最低残量(例えば60)以上であるか否かを判別する(ステップS205)。最低残量未満であれば(ステップS205;No)、その携帯端末10は特定端末とせず、ステップS202に戻って、次の携帯端末10の選定に移る。
【0054】
電池残量が最低残量以上であれば(ステップS205;Yes)、制御部11は、累積誤差値にステップS204で参照した電池残量を加算する(ステップS206)。
【0055】
そして、制御部11は、累積誤差値が予め定められた一定値(例えば200)以上であるか否かを判別する(ステップS207)。ここで、累積誤差値が一定値以上であれば(ステップS207;Yes)、制御部11は、ステップS204で電池残量を参照した携帯端末10を特定端末に決定し(ステップS208)、端末選定処理を終える。累積誤差値が一定値未満であれば(ステップS207;No)、ステップS202に戻って、次の携帯端末10の選定に移る。
【0056】
ステップS203において、次の携帯端末10の参加フラグがオフ(0)であると判別された場合(ステップS203;No)、制御部11は、その携帯端末10の電池残量を問い合わせる(ステップS209)。
【0057】
電池残量の問い合わせに対して応答があれば(ステップS210;Yes)、その携帯端末10の電池残量をグループ登録情報に登録し、参加フラグをオンにセットする(ステップS211)。そして、ステップS206の処理に移行する。電池残量の問い合わせに対して応答がなければ(ステップS210;No)、ステップS202に戻って、次の携帯端末10の選定に移る。
【0058】
ここで、特定端末の選定の具体例を図4(A)に示すグループ登録情報を用いて説明する。自端末が電話番号末尾0001の携帯端末10であって、累積誤差値が0であれば、次の携帯端末10(電話番号末尾0002)の電池残量は120なので、ステップS206で累積誤差値が120になり、一定値(200)未満なので(ステップS207;No)、次の携帯端末10(0003)の電池残量が参照される(ステップS202)。そして、再びステップS206で累積誤差値が340になり、一定値以上なので(ステップS207;Yes)、携帯端末10(0003)が特定端末に決定される。
【0059】
また、自端末が電話番号末尾0003の携帯端末10であって、累積誤差値が20であれば、次の携帯端末10(0004)の電池残量は50なので、電池残量が最低残量未満であるとして(ステップS205;No)、次の携帯端末10(0005)の電池残量が参照される(ステップS202)。次の携帯端末10(0005)の参加フラグはオフなので、電池残量の問い合わせに応答がなければ(ステップS210;No)、さらに次の携帯端末10(0006)の電池残量が参照される(ステップS202)。そして、ステップS206で累積誤差値が200になり、一定値以上なので(ステップS207;Yes)、携帯端末10(0006)が特定端末に決定される。以上のようにして、電池残量情報に基づいて、適切な特定端末を選定することができる。
【0060】
図8は、制御部11が、イベント待ち状態であるときに電池残量問い合わせイベントを検出した場合に実行される電池残量問い合わせイベント処理の動作を示すフローチャートである。電池残量問い合わせイベントは、図7のステップS209の処理が実行されたことによって発生する。電池残量問い合わせイベント処理では、制御部11は、電源制御部15から電池残量情報を取得し(ステップS121)、その電池残量を問い合わせのあった携帯端末10に通知する(ステップS122)。その後、制御部11は、電池残量問い合わせイベント処理を終える。
【0061】
図6のステップS113でセットした、測位間隔をタイマ111が計測すると現在位置を再度測位させるためのタイマイベントが発生する。図9は、制御部11が、イベント待ち状態であるときにタイマイベントを検出した場合に実行されるタイマイベント処理の動作を示すフローチャートである。タイマイベント処理では、制御部11は、先ず、図7のステップS208で決定された携帯端末10にワイヤレスLANにより接続する(ステップS131)。
【0062】
ここで、接続できれば(ステップS132;Yes)、制御部11は、その携帯端末10に、累積誤差値とグループ登録情報とを送信し(ステップS134)、タイマイベント処理を終える。
【0063】
接続できなければ(ステップS132;No)、制御部11は、再度特定端末を選定するための端末再選定処理を実行して(ステップS133)、ステップS131に戻る。
【0064】
図10は、図9のステップS133で実行される端末再選定処理の動作を示すフローチャートである。端末再選定処理では、まず、制御部11は、グループ登録情報における次の携帯端末10の電話番号を参照する(ステップS221)。そして、制御部11は、その電話番号が自端末の電話番号であるか否かを判別する(ステップS222)。図9のステップS132にて次に特定端末となる携帯端末10に接続できなかった場合、その次に特定端末となる携帯端末10がグループから外れた場合と、自端末がグループから外れた場合と、が想定される。ここでは、次の携帯端末10が自端末の電話番号であれば、自端末が保持するグループ登録情報には自端末しか登録されていない場合であると判別する。
【0065】
グループ登録情報における次の携帯端末10の電話番号が自端末でない場合は(ステップS222;No)、次に特定端末となる携帯端末10がグループから外れた場合である。この場合、制御部11は、累積誤差値を更新する(ステップS223)。ここでは、累積誤差値からステップS207の判別で使用した一定値(例えば200)を加算し、そこから次に特定端末となるはずだった携帯端末10の電池残量を減算する。そして、図7に示した端末選定処理を再度実行する(ステップS224)。
【0066】
ステップS224で再度特定端末が選定されると、制御部11は、その特定端末となる携帯端末10にワイヤレスLAN接続できるか否かをチェックする(ステップS225)。
【0067】
その携帯端末10に接続できなければ(ステップS226;No)、ステップS221に戻り、特定端末の再選定を行う。
【0068】
その携帯端末10に接続できれば(ステップS226;Yes)、制御部11は、その携帯端末10を次の特定端末に決定する(ステップS227)。
【0069】
続いて、制御部11は、ワイヤレスLANにより、グループ登録情報に登録されている携帯端末10(メンバ)の確認処理を実行する(ステップS228)。この確認処理では、この処理を実行する携帯端末10から直接接続できた携帯端末10はグループに参加しているメンバであると判別するだけでなく、グループに参加している他の携帯端末10から接続できた携帯端末10もメンバであると判別する。ワイヤレスLANでは、通信可能な距離であっても障害物の存在などにより接続ができない場合がある。そのため、グループ登録情報に登録されている順番に順次接続確認する方法、グループ登録情報に登録されている順番に1つ飛ばしで接続確認する方法、それぞれの携帯端末10から接続可能な経路で巡回して確認する方法、あるいはこれらの組合せなどによって、参加確認をすればよい。また、いずれの方法によっても接続できない携帯端末10はグループに参加していないと判別する。このようにすることで、自動的にグループのメンバを参加した状態にさせることができ、また、グループの人数が多くなっても適切なグループ管理を行うことができる。
【0070】
ステップS228でメンバの確認処理が終了すると、制御部11は、その結果に基づいて、グループ登録情報の参加フラグを更新し(ステップS229)、更新したグループ登録情報を基地局サーバ21に通知し(ステップS230)、端末再選定処理を終える。
【0071】
ステップS222でグループ登録情報における次の携帯端末10の電話番号が自端末である場合は(ステップS222;Yes)、自端末がグループから外れた場合である。この場合、制御部11は、基地局サーバ21に、グループから離脱した旨を通知する(ステップS231)。そして、基地局サーバ21に測位開始イベントの発行を代行する要求を送信する(ステップS232)。
【0072】
その後、制御部11は、表示部12にグループに戻るか否かを入力させる画面を表示し、ユーザの操作を待つ(ステップS233)。グループに戻らない旨が入力された場合は(ステップS234;Yes)、制御部11は、終了イベントを発行して(ステップS235)、端末再選定処理を終える。このようにすることで、確実にグループの登録から離脱することができ、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0073】
また、グループに戻らない旨が入力されない場合は(ステップS234;No)、端末再選定処理を終える。この場合、携帯端末10は、イベント待ち状態となる。
【0074】
次に、基地局サーバ21側の動作について説明する。基地局サーバ21のCPUは、携帯端末10やインターネットからイベントを検出すると図11に示すサーバイベント処理を実行する。CPUは、まず、イベントの内容を取得する(ステップS301)。そして、CPUは、そのイベントが警報発生イベントであるか否かを判別する(ステップS302)。警報発生イベントは、地震などの災害に関する警報や注意報に関する情報をインターネットから受信したときに発生する。この情報には、警報や注意報の内容及び警報や注意報が発せられる地域に関する情報が含まれる。
【0075】
警報発生イベントであれば(ステップS302;Yes)、CPUは、警報通知処理(ステップS303)を実行してサーバイベント処理を終える。警報発生イベントでなければ(ステップS302;No)、CPUは、イベントに対応したその他の処理を実行して(ステップS304)、サーバイベント処理を終える。
【0076】
図12は、図11のステップS303で実行される警報通知処理の動作を示すフローチャートである。警報通知処理では、CPUは、まず、インターネットから受信した警報(または注意報)が発生した地域を特定する(ステップS311)。
【0077】
次に、CPUは、基地局サーバ21に登録されている携帯端末10のユーザを検索するためのユーザIDに初期値を代入する(ステップS312)。
【0078】
続いて、CPUは、図4(C)に示した端末所在地情報を参照して、ユーザIDに対応する携帯端末10の現在位置を特定する(ステップS313)。
【0079】
そして、CPUは、特定した携帯端末10の現在位置が警報が発生した地域と一致するか否かを判別し(ステップS314)、一致すれば(ステップS314;Yes)、その携帯端末10に警報情報を送信する(ステップS315)。
【0080】
その後、CPUは、ユーザIDを次のユーザに切り替え(ステップS316)、全てのユーザについて判別が終了するまで(ステップS317;No)、ステップS313〜S316の処理を繰り返す。
【0081】
図13は、図11のステップS304でその他の処理に含まれる所在地更新処理の動作を示すフローチャートである。携帯端末10から図6のステップS112の処理を実行することによって、基地局サーバ21に現在位置情報が通知されると、CPUは所在地更新処理を実行する。所在地更新処理では、CPUは、携帯端末10から受信した現在位置情報を取得し(ステップS321)、グループ情報記憶部211に記憶されるグループ登録情報を参照する(ステップS322)。
【0082】
そして、CPUは、現在位置情報を通知した携帯端末10が所属するグループに所属する携帯端末10全ての現在位置(端末所在地情報)を、ステップS321で取得した現在位置情報で更新し(ステップS323)、所在地更新処理を終える。このように、グループに所属する携帯端末10の端末所在地情報を一括して更新するので、グループに所属する携帯端末10が基地局サーバ21に接続する回数を低減でき、グループに所属する携帯端末装置10全体の電力消費を抑えることができ、またトラフィックの軽減も可能になる。
【0083】
また、図11のステップS304のその他の処理には、携帯端末10からグループ登録情報(特に参加や離脱の情報)を受信したときに(図10のステップS230が実行されたときなど)、グループ情報記憶部211に記憶されるグループ登録情報を更新する処理も含まれる。さらに、図11のステップS304のその他の処理には、携帯端末10から測位開始イベントの発行を代行する要求を受信したときに(図10のステップS232が実行されたときに)、特定端末に測位開始の要求を送信する処理も含まれる。
【0084】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る携帯端末10では、グループに含まれる特定端末のみにより現在位置情報を取得し、基地局サーバ21に通知する。そして、基地局サーバ21では、同一のグループの携帯端末10は同じ現在位置情報を登録する。これにより、トラフィックを軽減させつつ、携帯端末10の省電力も図れる。
【0085】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、図7のステップS209や図10のステップS228において、グループに所属する携帯端末10の検出や参加確認を行っていたが、グループに参加する側の携帯端末10からグループに参加する旨を通知するようにしてもよい。例えば、加速度センサ14により所定時間動きが検出されなかった場合、学校や職場に到着したものと判別し、制御部11がグループ参加の通知を行うようにしてもよい。このようにすることで、自動的にグループに参加させることができる。
【0086】
また、各携帯端末10が所属するグループは1つに限定されず、複数であってもよい。この場合、携帯端末10が複数のグループ登録情報を保持するようにすればよい。それぞれのグループが形成される場所が定まっている場合には、いずれのグループ登録情報を使用するかを現在位置情報から自動判別するようにしてもよい。
【0087】
特定端末の選定は、図7に示す端末選定処理によって行っていたが、グループ内で電池残量が最も多い携帯端末10を特定端末に決定したり、電池残量が多い順に特定端末に決定されやすいようにしてもよい。
【0088】
なお、グループに所属するメンバの加入及び離脱の情報は、特定の携帯端末10で管理できるようにしてもよい。例えば、メンバの加入及び離脱の情報を基地局サーバ21に通知する場合、基地局サーバ21から特定の携帯端末10にその情報を通知するようにしてもよい。例えば、修学旅行に参加する学生の携帯端末10でメンバを構成し、そのメンバの加入及び離脱の情報を引率の教師の携帯端末10に通知することなどが想定される。このようにすることで、特定の携帯端末10でグループのメンバの行動を把握することができる。
【0089】
また、上記実施の形態では、制御部11が実行するプログラムは、予め格納されているものとして説明した。このプログラムは、外部記憶媒体や通信網を介して制御部11が備える記憶領域などに格納されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0090】
10…携帯端末、11…制御部、12…表示部、13…操作部、14…加速度センサ、15…電源制御部、16…GPS測位部、17…基地局通信部、18…ワイヤレスLAN通信部、19…音声処理部、20…基地局、21…基地局サーバ、22…無線通信部、23…インターネット回線接続装置、24…通信回線接続装置、30…GPS衛星
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の通信端末装置と無線通信を行なう近距離通信手段と、
自己を含む複数の通信端末装置をグループとしてサーバに登録するグループ登録手段と、
現在位置を取得する現在位置取得を行う位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得した前記現在位置の情報を前記サーバに送信する現在位置送信を行う位置情報送信手段と、
前記位置情報送信手段により送信した前記現在位置の情報に関連する情報を前記サーバから受信する情報受信手段と、
前記位置取得手段による前記現在位置取得と、前記位置情報送信手段による前記現在位置送信と、を次に行う通信端末装置を前記グループに含まれる他の通信端末装置に交代するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記グループに含まれる複数の通信端末装置の電池残量の情報を取得する電池残量情報取得手段を更に備え、
前記制御手段は、前記現在位置取得と前記現在位置送信とを行う通信端末を前記電池残量情報取得手段により取得した前記電池残量の情報に基づいて決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記グループ登録手段は、予め登録されている通信端末装置と前記近距離通信手段により通信可能となった場合に、該通信端末装置を前記グループに加える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記グループ登録手段は、予め登録されている通信端末装置と前記近距離通信手段により直接通信不可能な場合であっても、他の通信端末装置を介して間接的に通信可能な通信端末装置を前記グループに加える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信端末装置。
【請求項5】
前記グループ登録手段は、前記グループに含まれる通信端末装置と前記近距離通信手段により通信不可能となった場合に、該通信端末装置を前記グループから外す
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信端末装置。
【請求項6】
前記グループ登録手段は、前記グループに含まれる通信端末装置と前記近距離通信手段により通信不可能となった場合に、自己を前記グループから外す
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信端末装置。
【請求項7】
自己の動作を検出する動作検出手段と、
前記動作検出手段により動作が検出されないときに、前記近距離通信手段により他の通信端末装置を検索して前記グループに加わる参加手段と、を更に備える
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の通信端末装置。
【請求項8】
前記グループ登録手段により登録された通信端末装置に変化があった場合は、その旨の通知を受ける変化受信手段を更に備える
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の通信端末装置。
【請求項9】
前記グループ登録手段によるグループの登録を解除する解除手段を更に備える
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の通信端末装置。
【請求項10】
所定の情報を受信する情報受信手段を備えた複数の通信端末装置をグループとして登録するグループ登録手段と、
前記通信端末装置から位置情報を受信する位置情報受信手段と、
前記位置情報受信手段により受信した前記位置情報と、前記グループの情報と、に基づいて、前記通信端末装置に所定の情報を発信する情報発信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項11】
コンピュータを、
他の通信端末装置と無線通信を行なう近距離通信手段、
複数の通信端末装置をグループとしてサーバに登録するグループ登録手段、
現在位置を取得する現在位置取得を行う位置取得手段、
前記位置取得手段により取得した前記現在位置の情報を前記サーバに送信する現在位置送信を行う位置情報送信手段、
前記位置情報送信手段により送信した前記現在位置の情報に関連する情報を前記サーバから受信する情報受信手段、
前記位置取得手段による前記現在位置取得と、前記位置情報送信手段による前記現在位置送信と、を次に行う通信端末装置を前記グループに含まれる他の通信端末装置に交代するように制御する制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
所定の情報を受信する情報受信手段を備えた複数の通信端末装置をグループとして登録するグループ登録手段、
前記通信端末装置から位置情報を受信する位置情報受信手段、
前記位置情報受信手段により受信した前記位置情報と、前記グループの情報と、に基づいて、前記通信端末装置に所定の情報を発信する情報発信手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
他の通信端末装置と無線通信を行なう近距離通信手段と、
自己を含む複数の通信端末装置をグループとしてサーバに登録するグループ登録手段と、
現在位置を取得する現在位置取得を行う位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得した前記現在位置の情報を前記サーバに送信する現在位置送信を行う位置情報送信手段と、
前記位置情報送信手段により送信した前記現在位置の情報に関連する情報を前記サーバから受信する情報受信手段と、
前記位置取得手段による前記現在位置取得と、前記位置情報送信手段による前記現在位置送信と、を次に行う通信端末装置を前記グループに含まれる他の通信端末装置に交代するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記グループに含まれる複数の通信端末装置の電池残量の情報を取得する電池残量情報取得手段を更に備え、
前記制御手段は、前記現在位置取得と前記現在位置送信とを行う通信端末を前記電池残量情報取得手段により取得した前記電池残量の情報に基づいて決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記グループ登録手段は、予め登録されている通信端末装置と前記近距離通信手段により通信可能となった場合に、該通信端末装置を前記グループに加える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記グループ登録手段は、予め登録されている通信端末装置と前記近距離通信手段により直接通信不可能な場合であっても、他の通信端末装置を介して間接的に通信可能な通信端末装置を前記グループに加える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信端末装置。
【請求項5】
前記グループ登録手段は、前記グループに含まれる通信端末装置と前記近距離通信手段により通信不可能となった場合に、該通信端末装置を前記グループから外す
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信端末装置。
【請求項6】
前記グループ登録手段は、前記グループに含まれる通信端末装置と前記近距離通信手段により通信不可能となった場合に、自己を前記グループから外す
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信端末装置。
【請求項7】
自己の動作を検出する動作検出手段と、
前記動作検出手段により動作が検出されないときに、前記近距離通信手段により他の通信端末装置を検索して前記グループに加わる参加手段と、を更に備える
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の通信端末装置。
【請求項8】
前記グループ登録手段により登録された通信端末装置に変化があった場合は、その旨の通知を受ける変化受信手段を更に備える
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の通信端末装置。
【請求項9】
前記グループ登録手段によるグループの登録を解除する解除手段を更に備える
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の通信端末装置。
【請求項10】
所定の情報を受信する情報受信手段を備えた複数の通信端末装置をグループとして登録するグループ登録手段と、
前記通信端末装置から位置情報を受信する位置情報受信手段と、
前記位置情報受信手段により受信した前記位置情報と、前記グループの情報と、に基づいて、前記通信端末装置に所定の情報を発信する情報発信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項11】
コンピュータを、
他の通信端末装置と無線通信を行なう近距離通信手段、
複数の通信端末装置をグループとしてサーバに登録するグループ登録手段、
現在位置を取得する現在位置取得を行う位置取得手段、
前記位置取得手段により取得した前記現在位置の情報を前記サーバに送信する現在位置送信を行う位置情報送信手段、
前記位置情報送信手段により送信した前記現在位置の情報に関連する情報を前記サーバから受信する情報受信手段、
前記位置取得手段による前記現在位置取得と、前記位置情報送信手段による前記現在位置送信と、を次に行う通信端末装置を前記グループに含まれる他の通信端末装置に交代するように制御する制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
所定の情報を受信する情報受信手段を備えた複数の通信端末装置をグループとして登録するグループ登録手段、
前記通信端末装置から位置情報を受信する位置情報受信手段、
前記位置情報受信手段により受信した前記位置情報と、前記グループの情報と、に基づいて、前記通信端末装置に所定の情報を発信する情報発信手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−258906(P2010−258906A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108398(P2009−108398)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
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