説明

通信端末装置及びプログラム

【課題】施設の建物に入場する等の一時的な要因によって電波受信強度が低下し新たな基地局をサーチする様に状況になっても、最も効率的に且つ短時間で最適な基地局を検索出来る様にする。
【解決手段】電波受信状態が不安定となり次の基地局を探索する状態になったとき、次の基地局候補として複数の基地局が候補リスト記憶部16に記憶された探索されるが、この場合、不安定になった場所がそれまで接続していた基地局に近い場合或いは不安定になった時点の電波状況変化率が大きい場合にはその基地局が最優先候補としてリストアップされるので、一時的な不安定状態において時間をかけて他の基地局をサーチする必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の基地局のうち好適な基地局を介して通信を行う通信端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等の様な基地局を介して通信を行う通信端末装置においては、ハンドオフ先の基地局の検索及び選択を効率的に行う技術が知られており、例えば、通信端末装置が基地局側よりハンドオフ候補になりそうな基地局リストを受信し、それらの基地局リスト全てのパイロット信号の受信強度を計測し、その受信強度の計測結果から基地局を決定して通信を確立する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなハンドオフの技術においては、新たな基地局の選択を短時間で行わせることが要求されており、その為、通信中の基地局との電波強度が閾値を下回り、新たな基地局をハンドオフ候補の中からサーチする場合には、それまで通信していた基地局を除いた基地局をハンドオフ候補としてサーチすることが考えられている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
即ち、通信端末装置が移動などによってそれまで通信していた基地局から離れて電波状況が悪化した場合、その基地局が新たな通信先の基地局として再度選択される可能性は極めて低いという観点から、それまで通信していた基地局はサーチ候補から外し、無駄なサーチ時間を費やすことを無くしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−171555号公報
【特許文献2】特開2002−232929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、それまで通信していた基地局との電波強度が低下して新たな基地局をサーチする必要が生じるのは、通信端末装置が移動により基地局との距離が離れた場合だけでなく、例えば建物による遮断などで電波受信状況が一時的に低下する様な場合もあり、この場合は電波受信状況が回復さえすればその時迄通信していた基地局が最適の基地局であるにもかかわらず、上記特許文献2の様に、それまで通信していた基地局を除いてハンドオフ候補の基地局をサーチする方法では、最も適した基地局をサーチ出来ない状況になってしまう欠点があった。
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、一時的な要因によって新たな基地局をサーチする様に状況になっても、最も効率的に且つ短時間で最適な基地局を検索出来る端末装置及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の通信端末装置は、複数の基地局のうち選択された基地局との通信を確立してその選択された基地局と通信を行う通信端末装置であって、通信が確立されている通信中基地局との通信が確立できない状況になったと判断された際に通信環境情報を取得する通信環境情報取得手段と、この通信環境情報取得手段によって取得された前記通信環境情報に基づいて、前記複数の基地局の中から次に通信を確立すべき基地局として探索されるべき探索基地局候補を決定する決定手段と、この決定手段によって決定された探索基地局候補から次に通信を確立すべき基地局を探索する探索手段を備えることを特徴とする。尚、本発明のおける「基地局との通信が確立できない状況」とは、通信が全く出来ない状況だけでなく、通信可能であっても次の基地局を探索しなければならない状態に通信電波状態が低下した場合も含まれる。
【0009】
請求項2は、前記通信環境情報取得手段が、前記通信中基地局との通信が確立できない状況になったと判断された時点若しくはそれ以後の当該通信端末装置と前記通信中基地局間の距離情報を前記通信環境情報として取得し、前記決定手段が、前記通信環境情報として取得された距離情報に基づいて、前記複数の基地局の中から次に通信を確立すべき基地局として探索されるべき探索基地局候補を決定することを特徴とする。
【0010】
請求項3は、前記決定手段が、前記通信環境情報として取得された距離情報が所定の閾値以上の場合は、前記通信中基地局を除いて前記探索基地局候補を決定し、前記取得された距離情報が前記所定の閾値より小さい場合は、前記通信中基地局を含めて前記探索基地局候補を決定することを特徴とする。
【0011】
請求項4は、前記決定手段が、前記通信環境情報として取得された距離情報が前記所定の閾値より小さい場合は、前記通信中基地局を最優先に探索する候補として前記探索基地局候補を決定することを特徴とする。
【0012】
請求項5は、前記通信環境情報取得手段によって取得された距離情報が所定の閾値以上の場合は、前記決定手段は所定時間の間のみ前記通信中基地局を除いて前記探索基地局候補を決定することを特徴とする。
【0013】
請求項6は、前記決定手段が、前記所定時間経過後は前記通信中基地局を最優先に探索する候補として前記探索基地局候補を決定することを特徴とする。
【0014】
請求項7は、更に、当該通信端末装置の位置を取得する位置情報取得手段を備え、前記通信環境情報取得手段は、前記位置情報検出手段によって取得された当該通信端末装置の位置と前記通信中基地局の位置とから前記距離情報を算出して取得することを特徴とする。
【0015】
請求項8は、前記通信環境情報取得手段が、前記通信中基地局との通信が確立できない状況になったと判断された時点の電波状況変化率を前記通信環境情報として取得し、前記決定手段は、前記通信環境情報として取得された電波状況変化率に基づいて、前記複数の基地局の中から次に通信を確立すべき基地局として探索されるべき探索基地局候補を決定することを特徴とする。
【0016】
請求項9は、前記決定手段が、前記通信環境情報として取得された電波状況変化率が所定の閾値以下の場合は、前記通信中基地局を除いて前記探索基地局候補を決定し、前記取得された電波状況変化率が前記所定の閾値より大きい場合は、前記通信中基地局を含めて前記探索基地局候補を決定することを特徴とする。
【0017】
請求項10は、前記決定手段が、前記通信環境情報として取得された電波状況変化率が前記所定の閾値より小さい場合は、前記通信中基地局を最優先に探索する候補として前記探索基地局候補を決定することを特徴とする。
【0018】
請求項11は、前記通信環境情報取得手段によって取得された電波状況変化率が所定の閾値以上の場合は、前記決定手段は、所定時間の間のみ前記通信中基地局を除いて前記探索基地局候補を決定することを特徴とする。
【0019】
請求項12は、前記決定手段が、前記所定時間経過後は前記通信中基地局を最優先に探索する候補として前記探索基地局候補を決定することを特徴とする。
【0020】
請求項13は、更に、前記通信中基地局との電波状況履歴を定期的に記録する電波履歴記録手段を備え、前記通信環境情報取得手段は、前記電波履歴記録手段によって記録された電波状況履歴から前記電波状況変化率を算出して取得することを特徴とする。
【0021】
請求項14の発明は、コンピュータに、通信が確立されている通信中基地局との通信が確立できない状況になったと判断された際に通信環境情報を取得する通信環境情報取得機能、この通信環境情報取得機能によって取得された前記通信環境情報に基づいて、前記複数の基地局の中から次に通信を確立すべき基地局として探索されるべき探索基地局候補を決定する決定機能、この決定機能によって決定された探索基地局候補から次に通信を確立すべき基地局を探索する探索機能を実現させる様にしたプログラムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、新たな基地局をサーチする状況において、最も効率的に且つ短時間で最適な基地局を検索することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の携帯電話装置1の構成を示した回路ブロック図。
【図2】図1の基地局リスト記憶部14の記憶領域(記憶内容)を説明する図。
【図3】図1の探索基地局候補リスト記憶部16の記憶内容を示す図。
【図4】通信環境状況判定フラグ19及び除外時間設定フラグ20を説明する図。
【図5】本発明の携帯電話装置1の動作フローチャート図。
【図6】図5のステップS3の捕捉処理の詳細なフローチャート図。
【図7】図6のステップS36の探索基地局候補決定処理の詳細なフローチャート図。
【図8】図7のステップS44の距離に基づく探索基地局候補決定処理の詳細なフローチャート図。
【図9】図7のステップS45の電波状況変化率の基づく探索基地局候補決定処理の詳細なフローチャート図。
【図10】図6のステップS37の探索処理のフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の通信端末装置の一例である携帯電話装置1の回路ブロック図である。図において、中央制御部(CPU)2には、各種のプログラムが記憶されている図示しないROM(リード・オンリ・メモリ)が設けられており、制御部2は、上記ROMに記憶されているプログラムを動作させることにより携帯電話装置1の全体の動作を制御する。
【0026】
即ち、ROMには、後述する基地局検索のための各種フローチャートを実行させるためのプログラムや通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能、アドレス帳機能、スケジュール機能等、各種の電話機能のアプリケーションを実行させるためのアプリケーションプログラムが記憶されており、中央制御部2は、上記ROMに記憶されたプログラムに基づいてこの携帯電話装置1の全体の動作を制御する。
【0027】
表示部3は、例えば、ドットマトリクスタイプの液晶表示装置あるいはEL表示装置から構成され、電話機能として必要な情報(相手方の電話番号、電波受信状態、電池残量等の情報)を表示するとともに、電子メールやWebサイトの内容表示を行う。又、アドレス帳機能においてはアドレス帳情報(氏名、住所及び電話番号などのデータ)を表示する。
【0028】
操作部4は、この携帯電話装置1に設けられた操作キーであり、詳細は図示していないが、電源のオン・オフを行う電源ONキー、電源OFFキー、数値情報及び文字情報を入力する数値文字入力キー、各種機能(アプリケーション)の起動及び終了を選択する各種のアプリケーションキー、通話のオンフックキー及びオフフックキー等各機能を動作させるためのキーを備えている。
【0029】
アプリ処理関係部5は、各種のアプリケーションに関連する情報(データ)を記憶するもので、具体的に図示していないが、例えば、アドレス帳機能のアドレス帳情報を記憶するアドレス帳情報記憶部、スケジュール情報を記憶するスケジュール情報記憶部、電子メール機能の送受信メール情報を記憶する電子メール情報記憶部、インターネット機能のWebサイトのURL情報などを記憶するWeb情報記憶部などの記憶領域が設けられている。
【0030】
位置取得部6は、GPB(グローバル・ポジショニング・システム)受信機を備え、GPS衛星からの電波を受信してこの携帯電話装置1が存在する場所の位置情報を取得する。
【0031】
無線通信部(送受信部)7は、電話の通話機能としての動作時にはアンテナ8から取り込んだ音声の無線信号を受信ベースバンド信号に復調した後に、音声信号処理部(電話部)9を介して受話スピーカ10から音声出力させる。また、送話マイク11から入力された音声信号を音声信号処理部9で処理させた後に無線通信部7に送り、無線通信部7では音声信号を送信ベースバンド信号に符号化したのちにアンテナ8から送信出力させる。
【0032】
また、電子メール機能、インターネット接続機能等の動作時には、アンテナ8及び無線通信部7を介して電子メールの送受信およびWebサイトの閲覧が可能であり、電子メールの送受信情報及びWebサイトの閲覧情報は表示部3に送られて表示出力される。
【0033】
時計部12は、日付や時分秒などの現在時刻情報を計時する計時手段を備えており、現在時刻情報は中央制御部2を介して表示部3に送られて表示される。
【0034】
記憶部13は、各種情報を記憶する記憶領域を備えており、各種演算や一時記憶などのための図示しないワークエリアを有するほか、所謂優先ローミングリスト(PRL)と呼ばれる、基地局の位置情報とその基地局がカバーする地域情報及びその地域情報内における優先チャンネルなどその基地局の関連情報を記憶する基地局リスト記憶部14を備えている。
【0035】
この基地局リスト記憶部14は、この携帯電話装置1のメーカーからの出荷時に各種情報が記憶されているものであり、その記憶領域の詳細については後述するが、記憶部13には、更に、基地局リスト記憶部14と同様の記憶領域を有し、基地局との通信中にその基地局の周辺の基地局についての優先ローミングリストを受信して記憶する周辺基地局リスト記憶部15が設けられている。
【0036】
また、記憶部13には、上記基地局リスト記憶部14及び周辺基地局リスト記憶部15に記憶されている基地局のうち、ハンドオーバ時に次の基地局を探索(サーチ)する際にその候補の基地局を複数記憶する探索基地局候補リスト記憶部16が設けられている。
【0037】
更に、記憶部13には、位置取得部6で取得されたこの携帯電話装置1の現在位置情報を記憶する当該端末位置記憶部17が設けられている。また、中央制御部2は予め定められて所定時間毎に基地局との電波受信状況を測定しており、その測定された電波状況情報が時間と共に電波状況履歴として記憶される電波状況履歴記憶部18を備えている。
【0038】
尚、図1には示されていないが、記憶部13には各種のフラグを記憶するフラグ記憶部も備えられている。このフラグ記憶部の詳細は後述するが、フラグ記憶部としては、次の基地局の探索時にそれまで通信中の基地局(通信が確立されていた基地局)を含めて検索するか否かを判別する際に、どのような環境条件に基づいて判別するかの条件を判断するための通信環境状況判定フラグ19(図4参照のこと)が設けられている。
【0039】
また、それまで通信中の基地局を含めて探索する状態からその基地局を含めない探索に移るまでの時間(後述する除外時間)有効にするか否かが設定された除外時間設定フラグ20(図4参照のこと)も設けられている。
【0040】
更に、記憶部13には、新たな基地局の捕捉が完了した際に値「1」となる捕捉フラグ(図示せず)、探索基地局候補リスト記憶部16に記憶された複数の基地局を順次指定する基地局カウンタP(これについては後述する)が設けられている。
【0041】
電源部21は、図示していない充電可能な二次電池と、この二次電池の電池電圧が低下した際に各回路部にバックアップ電圧を供給するバックアップ電池とからなり、上述した各回路部に駆動電圧を供給するものである。
【0042】
図2は、図1に示した基地局リスト記憶部14の詳細な記憶領域(記憶内容)を説明する図である。図において基地局の位置情報記憶領域14Aには、各地の代表的な基地局の位置情報が多数記憶されており、各基地局に対応する記憶領域に以下の基地局関連情報が記憶されている。即ち、物理地域(対応地域)記憶領域14Bにはその基地局がカバーする(通信可能な)地域の位置情報、ローミング先記憶領域14Cには、その基地局からローミング可能な事業者名情報が夫々記憶されている。
【0043】
また、各基地局に対応させてローミング先の回線に接続させるための接続パラメータを記憶する記憶領域が設けられており、SID記憶領域14DにはシステムID情報、NID記憶領域14EにはネットワークID情報、バンドクラス記憶領域14Fにはバンドクラス情報、第1優先チャンネル番号記憶領域14Gには第1優先のチャンネル番号情報、第2優先チャンネル番号記憶領域14Hにはその次の優先チャンネル番号情報が夫々記憶されている。
【0044】
図3(a)及び(b)は、図1の記憶部13の探索基地局候補リスト記憶部16の記憶内容を示したもので、本実施の形態に於いては、次に通信(接続)するべき基地局を検索する際に、それまで通信中の基地局を含めて探索する場合とそれまで通信中の基地局を含めずに探索する場合とがあり、それまで通信中の基地局を含めて探索する場合にあっては、図3(a)に示す様に、それまで通信中の基地局iを最上位の記憶領域に記憶させ、それに続けて他の基地局A、B、C・・・を順次記憶する。
【0045】
この場合、探索は上位に記憶された基地局から順次検索を行う様になっており、即ち、探索基地局候補リスト記憶部16の上位に記憶された基地局程の探索優先順位が高い様に構成されている。図3(b)は、それまで通信中の基地局を含めずに探索する場合の記憶例であり、それまで通信中の基地局iは含まれず、他の基地局A、B、C・・・が優先順位に従って順次上位から記憶されている状態である。
【0046】
図4(a)は、記憶部13に設けられた通信環境状況判定フラグ19の内容を説明するもので、通信環境状況判定フラグ19は、フラグ19Aとフラグ19Bの2つが設けられている。フラグ19Aは、その値が「1」に設定されている際には、それまで通信していた基地局と携帯電話装置1との距離に基づき、その距離が予め定められた閾値の範囲内であるか否かによってそれまで通信していた基地局を含めて探索するか否かを判断し、「0」の時には、それまで通信していた基地局を探索に含めない様になっている。
【0047】
また、フラグ19Bは、その値が「1」に設定されている際には、それまで通信していた基地局との電波状況の変化率に基づき、その変化率が予め定められた変化率以下であるか否かによりそれまで通信していた基地局を含めて探索するか否かを判断し、「0」の時には、それまで通信していた基地局を探索に含めない様になっている。
【0048】
図4(b)は、記憶部13に設けられた除外時間設定フラグ20の内容を説明するもので、除外時間設定フラグ20が「1」に設定されている際には、予め定められている(設定されている)除外時間(所定時間)を有効として、その時間内はそれまで通信していた基地局を探索対象に含めず、「0」の時には、除外時間の設定を無効にするものである。
【0049】
次に、上記のごとく構成された携帯電話装置1の動作につき、図5乃至図10のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
図5は、携帯電話装置1のメイン動作のフローチャートであり、ステップS1で操作部4の電源ONキーが操作されたことが検出されると、ステップS2で電源オン状態になると共に各種の初期化処理がなされる。
【0051】
次のステップS3においては、基地局の捕捉処理が行われ通信可能な基地局を探索する処理が実行されるがこれについての詳細な説明は後述する。
【0052】
然して、ステップS4で基地局の捕捉が成功したことが検出されるとステップS5に進んで捕捉した基地局からの呼び出しを受信可能な持ち受け状態となる。一方、基地局の捕捉に失敗した場合にはステップS4からステップS6に進み、図1の表示部3に現在電波が届かない圏外にいることを表示すると共に、次のステップS7で、予め定められている所定周期の捕捉タイミングになったか否かを判断し、捕捉タイミングに至った場合にはステップS3に戻って再度捕捉処理を実行する。
【0053】
ステップS5で待ち受け状態が設定された後は、次のステップS8で、捕捉された基地局からその基地局の周辺基地局のローミングリストを受信し、このローミングリストを記憶部13の周辺基地局候補リスト記憶部15に格納する。受信したローミングリストの内容は図2に示した基地局リスト記憶部14の内容と同じで、基地局リスト記憶部14に記憶されている情報が予め定められた基地局におけるローミングリストに対し、ステップS8において記憶されるローミングリストは、捕捉した基地局の周辺の基地局のローミングリストである点が異なる。
【0054】
尚、ステップS8の処理は、基地局の捕捉が行われた際に1回のみ行われるもので、後述する如く、捕捉タイミングでない場合には何度もステップS5の待ち受け処理にリターンするステップが存在するが、一度ステップS8による周辺基地局のローミングリストの受信及び格納処理が行われると図示しない記憶領域に捕捉がなされたことを記憶しておき、次に、次に新たな基地局が捕捉されるまではステップS8の処理は行われずにスキップされステップS9に進む様になっている。
【0055】
次のステップS9においては、電波状況の記録処理が行われる。この記録処理は予め定められた時間毎に捕捉されている基地局と電波強度情報などを測定し、図示しない記憶領域に履歴情報として順次記憶させていくもので、この処理が終了すると次のステップS10に進む。
【0056】
ステップS10は着信の有無を検出する処理であり、着信が検出されるとステップS11にてオフフック操作がなされたか否かが判断され、オフフック操作がなされるとステップS12に進んで通話処理がなされる。
(なお、ステップS11にてオフフック操作がされない場合は、ステップS14で着信の終了が検出される迄、ステップS11に戻り、オフフック操作されたか否かが判別される。)
【0057】
次のステップS13で通話終了(オフフック操作)がなされたことが検出される迄はステップS12に戻って通話処理が継続されるが、通話終了(オフフック操作)がなされたことが検出された際及びステップS11でオフフック操作をせずに所定時間放置することによってステップS14で着信の終了が検出された際には、ステップS15に進み新たな基地局の捕捉タイミングになったか否かが判別される。
【0058】
そして、新たな基地局の捕捉タイミングになったことが検出された場合にはステップS3に戻り捕捉処理が実行され、そうでない場合にはステップS5の待ち受け処理に戻る。
【0059】
次に、ステップS6において圏外表示がなされ且つ次のステップS7で捕捉タイミングではない場合及びステップS10で着信が検出されていない場合にはステップS16に進み、図1の操作部4でのキー操作がなされたか否かが検出される。
【0060】
キー操作がなされたことが検出された場合にはステップS17に進んで操作されたキーが電源OFFキーか否かが判断され、電源OFFキーの場合には次のステップS18において電源OFFの処理が行われて本フローを終了するが、操作されたキーが電源OFFキーでない場合にはステップS19に進み、操作されたキーに応じた処理がなされる。
【0061】
即ち、このステップS19においては、操作されたキーに応じて電話機能における発呼処理や電子メールの作成及び送信、Webサイトの内容表示、アドレス帳機能におけるアドレス帳情報(氏名、住所及び電話番号などのデータ)の作成など通話機能以外の付加されている機能の処理がなされる。
【0062】
このステップS19での処理完了後或いはステップS16においてキー操作が検出されなかった場合にはステップS20に進み、基地局の捕捉タイミングか否かが判断され、捕捉タイミングの時はステップS3、捕捉タイミングでない場合にはステップS5にそれぞれリターンする。
【0063】
図6は、図5のステップS3の捕捉処理の詳細なフローチャートである。図6において、ステップ30においては、捕捉フラグが値「0」に設定され、次のステップS31では現在、既に基地局の捕捉が行われているか否か、即ち、既に通信が確立されていて待ち受け時などに通信中であるか否かが判断され、捕捉が既になされている際は捕捉済みの基地局がそのまま選択され(ステップS32)、次のステップS33に進む。
【0064】
一方、基地局の捕捉がなされていない場合、例えば、電源をONした直後或いは移動などによって通信が途絶えた場合などにおいては、ステップS31からステップS34に進み、前回電源をOFFしたときの基地局或いは通信が途絶えた時の基地局を選択してからステップS33に進む。
【0065】
ステップS33では、選択された基地局に対し待ち受け可能状態になっているか否かが判断される。この場合、待ち受け可能状態とは、基地局との電波送受信状態が良好で基地局からの着信及び携帯電話装置1からの発呼が十分可能な状態を意味する。既に基地局を良好に捕捉している状態では待ち受け可能状態なのでステップS35において捕捉フラグを値「1」にしてからこのフローを終了する。
【0066】
一方、待ち受け可能状態になっていない場合には、選択された基地局との電波の送受信状況が悪化して不安定或いは送受信が不可能な状態であるので、ステップS33からステップS36に進み、探索基地局の候補を決定し、次のステップS37で決定された候補の基地局との接続を行わせる探索処理を実行する。
【0067】
図7は、ステップS36の探索基地局の候補を決定する詳細なフローチャートである。ステップS40では、基地局リストの読み出しが行われる。即ち、図1の記憶部13の基地局リスト記憶部14に記憶されている基地局のうち、図1の位置取得部6によって携帯電話装置1自身の現在位置を取得してその位置に基づく周辺の基地局及び図6のステップS32或いはS34のいずれかで選択された基地局に関連する基地局、言い換えれば現在位置の周辺及び選択された基地局の周辺の複数の基地局の基地局関連情報が読み出されて、記憶部13の図示しないワークエリアに記憶される。
【0068】
この場合、図5のステップS8において、周辺基地局の基地局関連情報が取得され、既に探索基地局候補リスト記憶部15に周辺基地局の基地局関連情報が記憶されている場合には、そちらの情報の方がより次の基地局の候補の情報として精度が高いと考えられるので、そちらの基地局関連情報もワークエリアに記憶される。
【0069】
次のステップS41では、図4に示した通信環境状況判定フラグ19の設定状況が読み出され次のステップS42で、基地局間の距離或いは電波状況変化率のどちらの設定フラグが「1」になっているかが判断され、「1」になっている方が選択される。
【0070】
次のステップS43では、選択されたのが基地局間の距離の方が選択されたか否かが判別され、距離の方が選択された場合にはステップS44に進んで距離に基づく探索基地局候補決定処理が実行され、そうでない場合には電波状況変化率の方が選択されたものとしてステップS45の電波状況変化率に基づく探索基地局候補決定処理が実行される。
【0071】
図8は、上記ステップS44の距離に基づく探索基地局候補決定処理の詳細なフローチャートである。ステップS50では、携帯電話装置1自身の位置情報を図1に示した位置取得部6より取得し、次のステップS51では、その位置情報とそれまで捕捉していたが電波状況が悪化して通信の確立が不安定或いは不可能(これらの状況を「通信が確立できない状況」と総称する)になった基地局(以後、これらの基地局を「LOSTした基地局」と称呼する。)との距離を算出する。
【0072】
次のステップS52において、算出された距離が予め定められた閾値の距離より小さい場合にはステップS53に進み、LOSTした基地局を含めて候補基地局を決定する。具体的には、図3(a)に示した様に、探索基地局候補リスト記憶部16に、先ずLOSTした基地局iを最優先候補として最上位の記憶領域に記憶させ、その後に、図7のステップS40で処理された基地局リストの中から優先順位に従って基地局が読み出されて記憶される。
【0073】
一方、次のステップS52において、算出された距離が予め定められた閾値の距離より小さくない場合にはステップS54に進み、LOSTした基地局を除いて候補基地局を決定する。即ち、図3(b)に示した様に、探索基地局候補リスト記憶部16に、図7のステップS40で処理された基地局リストの中から優先順位に従って基地局を読み出さして順次記憶させる。
【0074】
このように、携帯電話装置1の位置と基地局との距離によって候補基地局の決定を異ならせるのは、携帯電話装置1の位置がLOSTした基地局に近い距離にある場合には、例えば建物による遮断などで電波受信状況が一時的に低下した、といったことが考えられるため、LOSTした基地局を最優先候補とすることにより迅速に次の基地局をサーチできるようにするものである。
【0075】
然して、ステップS54の次のステップS55においては、図4(b)に示した除外時間設定フラグ20が「1」に設定されているか否かが判断され、設定されていない場合にはそのままこの基地局候補の決定処理フローを終え、図6のステップS37に示した探索処理に進むが、除外時間設定フラグ20が「1」に設定されていた場合にはステップS56に進み、予め定められている除外時間として所定時間が経過しているか否かを判断し、経過していない場合はフローを終了し、経過している場合はステップS57に進み、上述したステップS53と同様に、LOSTした基地局を含めて候補基地局を決定する。
【0076】
即ち、除外時間設定フラグ20が「1」に設定されていた場合、所定時間以内であればそのまま図6のステップS37に示した探索処理に進んでLOSTした基地局を除いて探索処理を行うが、その処理を継続して繰り返し行い、所定時間経過しても探索が出来なかった場合には、改めてLOSTした基地局を含めて探索処理を行うものである。
【0077】
図9は、図7のステップS45の電波状況変化率に基づく探索基地局候補決定処理の詳細なフローチャートである。
【0078】
ステップS60では、過去及び現在の電波状況の履歴を読み出し、ステップS61では読み出した履歴から電波状況の変化率を算出する。
【0079】
次のステップS62において、算出された変化率が予め定められた閾値より大きい場合にはステップS63に進み、図8のステップS53と同様にLOSTした基地局を含めて且つLOSTした基地局を最優先候補として候補基地局を決定する。即ち、電波状況変化率が大きい(急激に変化する)場合は、LOSTした基地局に近い場合であっても、例えば、建物などの施設に入った場合に発生する可能性が高い。その為、LOSTした基地局を最優先候補として候補基地局を決定するものである。
【0080】
一方、次のステップS62において、算出された変化率が予め定められた閾値より小さい場合には、図8のステップ54と同様に、LOSTした基地局を除いて候補基地局を決定する。以後のステップS65、S66及びS67は、図8のステップS55、S56及びS57と同一の処理を行って候補基地局を決定するものであり、その詳細な説明は省略する。
【0081】
図10は、図6のステップS37の探索処理、即ち、ステップS36で決定された複数の候補基地局の中から接続可能な基地局を探索して接続する処理の詳細なフローチャートである。
【0082】
ステップS70においては、探索した基地局の数をカウントする基地局カウンタPを初期値「1」に設定し、次のステップS71では基地局カウンタPの値で指定されている基地局との接続処理を行ない、その結果接続出来たか否か(即ち、待ち受け可能な状態になったか否か)を判断する。
【0083】
この時点においては、ステップS70で基地局カウンタPが値「1」に設定されているので、探索基地局候補リスト記憶部16の最上位の基地局、即ち、図3(a)の場合はLOSTした基地局i、図3(b)の場合は基地局Aが指定されて接続が試みられる。そして、ステップS71で、待ち受け可能な状態になった場合にはステップS72に進み、捕捉フラグを値「1」に設定してフローを終了する。
【0084】
ステップS71で接続に失敗して待ち受け可能な状態にならなかった場合は、ステップS73において基地局カウンタPの値に「1」が加えられ、ステップS74で基地局カウンタPの値が、候補基地局数Nを超えたか否かが判断され、まだ超えていないときにはステップS71に戻り、基地局カウンタPで指定される基地局との接続が試みられる。
【0085】
このようにして、基地局との接続が成功するまで優先順位に従って順次候補基地局との接続が試みられ、全ての候補基地局と接続出来なかった場合にはステップS74からステップS75に進んで捕捉フラグの値が「0」に設定されて探索処理を終了する。
【0086】
然して、基地局の捕捉が失敗した場合には、図5のステップS4で捕捉が成功しなかったことが判別されてステップS6、S7、S16〜S20を介して再びステップS3に進み捕捉処理がされる。
【0087】
この場合、移動によって携帯電話装置1の位置を変えることにより図7のステップS40によって読み出される基地局が変わるので前回とは異なった基地局を含む探索が行われて接続の可能性が高くなるものである。
【0088】
このように、上記の実施形態によれば、次の基地局を探索する際に、LOSTした基地局との距離或いは電波状況の変化履歴に基づいて、探索候補として、LOSTした基地局自体を含めるか否かを臨機応変に変更して決定するので、効率的に次の基地局を探索することができる。即ち、例えば、距離が離れた際におこる電波受信状況の低下と、建物等の施設による遮蔽等で一時的に起こる突発的な電波受信状況の低下とを区別して、夫々異なった探索方法により効率的に基地局を探索することができる。
【0089】
また、距離が長い場合は、探索候補として、LOSTした基地局を除外時間として所定時間のみ除外するだけなので、所定時間がすぎれば、LOSTした基地局も探索されるようになり、除外の副作用を最小限にとどめることができる。更に、所定時間経過後は、LOSTした基地局を最優先に探索するようにするので、効率的な基地局の探索が可能となる。
【0090】
尚、上記実施の形態では、LOSTした基地局との距離或いは電波状況変化率のいずれか一方で候補基地局を決定する様にしたが、その両方で候補基地局を決定する様にしてもよい。
【0091】
また、上述した距離或いは電波状況変化率以外の要因に基づいてLOSTした基地局を含めて探索するか否かを決定する様にしてもよいもので、たとえは、電波状況が悪化して次の基地局を探索しなければならない状況になったとき、送受信電波強度が、まだ所定の閾値以上である場合にはLOSTした基地局を含めて探索し、所定の閾値以下であればLOSTした基地局を除外して探索する様にしてもよいものである。
【0092】
更に、図10のステップS71で受信可能な基地局が選択されたときにはその基地局と接続する様にしたが、より最適な他の基地局の有無をその基地局より受信し、他の基地局が存在する場合にあってはその基地局と接続する様にしてもよい。
【0093】
また、上記の実施の形態では、図6のステップS33の待ち受け状態において電波状況が悪化して不安定或いは通信不可能になったことが検出されたときに、ステップS36及びS37で次の基地局を探索し捕捉する様にしたが、通話中においても電波状況が悪化して不安定になった際に次の基地局を探索して捕捉することは一般的に行われているものであり、本発明においても、図5のステップS12の前後或いは最中に、電波状況が所定の値以上か否かを判断する処理を設け、所定の値以下の場合にはステップS36及びS37と同じ処理を実行させる様にしてもよい。
【0094】
このような処理を設けることにより、通話中に電波状況が悪化しても他の基地局と良好に通話が可能となり、しかもLOSTした基地局との距離或いは電波状況の変化履歴に基づいて、探索候補として、LOSTした基地局自体を含めるか否かを臨機応変に変更して決定するので、効率的に次の基地局を探索することができる。
【0095】
更に、上記各実施形態では、本発明を携帯電話装置1に適用した例について述べたが、例えば複数のアクセスポイントのうちの一つを基地局として選択するLAN或いはWAN等の無線装置などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 携帯電話装置
2 中央制御部
3 表示部
4 操作部
6 位置取得部
7 無線通信部
13 記憶部
14 基地局リスト記憶部
15 周辺基地局リスト記憶部
16 探索基地局候補リスト記憶部
17 当該端末位置記憶部
18 電波状況履歴記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基地局のうち選択された基地局との通信を確立してその選択された基地局と通信を行う通信端末装置であって、
通信が確立されている通信中基地局との通信が確立できない状況になったと判断された際に通信環境情報を取得する通信環境情報取得手段と、
この通信環境情報取得手段によって取得された前記通信環境情報に基づいて、前記複数の基地局の中から次に通信を確立すべき基地局として探索されるべき探索基地局候補を決定する決定手段と、
この決定手段によって決定された探索基地局候補から次に通信を確立すべき基地局を探索する探索手段と、
を備えることを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記通信環境情報取得手段は、前記通信中基地局との通信が確立できない状況になったと判断された時点若しくはそれ以後の当該通信端末装置と前記通信中基地局間の距離情報を前記通信環境情報として取得し、
前記決定手段は、前記通信環境情報として取得された距離情報に基づいて、前記複数の基地局の中から次に通信を確立すべき基地局として探索されるべき探索基地局候補を決定することを特徴とする請求項2に記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記通信環境情報として取得された距離情報が所定の閾値以上の場合は、前記通信中基地局を除いて前記探索基地局候補を決定し、前記取得された距離情報が前記所定の閾値より小さい場合は、前記通信中基地局を含めて前記探索基地局候補を決定することを特徴とする請求項2に記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記通信環境情報として取得された距離情報が前記所定の閾値より小さい場合は、前記通信中基地局を最優先に探索する候補として前記探索基地局候補を決定することを特徴とする請求項2に記載の通信端末装置。
【請求項5】
前記通信環境情報取得手段によって取得された距離情報が所定の閾値以上の場合は、前記決定手段は、所定時間の間のみ前記通信中基地局を除いて前記探索基地局候補を決定することを特徴とする請求項2に記載の通信端末装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記所定時間経過後は、前記通信中基地局を最優先に探索する候補として前記探索基地局候補を決定することを特徴とする請求項5に記載の通信端末装置。
【請求項7】
更に、当該通信端末装置の位置を取得する位置情報取得手段を備え、
前記通信環境情報取得手段は、前記位置情報検出手段によって取得された当該通信端末装置の位置と前記通信中基地局の位置とから前記距離情報を算出して取得することを特徴とする請求項2に記載の通信端末装置。
【請求項8】
前記通信環境情報取得手段は、前記通信中基地局との通信が確立できない状況になったと判断された時点の電波状況変化率を前記通信環境情報として取得し、
前記決定手段は、前記通信環境情報として取得された電波状況変化率に基づいて、前記複数の基地局の中から次に通信を確立すべき基地局として探索されるべき探索基地局候補を決定することを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項9】
前記決定手段は、前記通信環境情報として取得された電波状況変化率が所定の閾値以下の場合は、前記通信中基地局を除いて前記探索基地局候補を決定し、前記取得された電波状況変化率が前記所定の閾値より大きい場合は、前記通信中基地局を含めて前記探索基地局候補を決定することを特徴とする請求項8に記載の通信端末装置。
【請求項10】
前記決定手段は、前記通信環境情報として取得された電波状況変化率が前記所定の閾値より大きい場合は、前記通信中基地局を最優先に探索する候補として前記探索基地局候補を決定することを特徴とする請求項8に記載の通信端末装置。
【請求項11】
前記通信環境情報取得手段によって取得された電波状況変化率が所定の閾値以下の場合は、前記決定手段は、所定時間の間のみ前記通信中基地局を除いて前記探索基地局候補を決定することを特徴とする請求項8に記載の通信端末装置。
【請求項12】
前記決定手段は、前記所定時間経過後は、前記通信中基地局を最優先に探索する候補として前記探索基地局候補を決定することを特徴とする請求項11に記載の通信端末装置。
【請求項13】
更に、前記通信中基地局との電波状況履歴を定期的に記録する電波履歴記録手段を備え、前記通信環境情報取得手段は、前記電波履歴記録手段によって記録された電波状況履歴から前記電波状況変化率を算出して取得することを特徴とする請求項8に記載の通信端末装置。
【請求項14】
コンピュータに、
通信が確立されている通信中基地局との通信が確立できない状況になったと判断された際に通信環境情報を取得する通信環境情報取得機能、
この通信環境情報取得機能によって取得された前記通信環境情報に基づいて、前記複数の基地局の中から次に通信を確立すべき基地局として探索されるべき探索基地局候補を決定する決定機能、
この決定機能によって決定された探索基地局候補から次に通信を確立すべき基地局を探索する探索機能、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−114600(P2011−114600A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269499(P2009−269499)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】