説明

通信端末装置及び通信端末装置の制御方法

【課題】通信端末装置に接続されたイヤホンの種別に応じて設定された再生方法に従って音源を再生する。
【解決手段】ステレオとモノラルのイヤホンと接続可能な通信端末装置10であって、モノラルのイヤホン100Aとステレオのイヤホン100Bとのそれぞれについて、音源を再生する際の再生方法を入力し、入力された再生方法を各イヤホンに関連付けて記憶し、通信端末装置10に接続されたイヤホンが、ステレオかモノラルかを判定し、判定されたイヤホンに関連付けて記憶される再生方法に従って、音源を再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置の音声出力技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信端末装置は多機能化しており、音声通話等のモノラル音源だけでなく、FMステレオ放送や音楽等のステレオ音源を再生する機能を持つものがある。それに合わせて、通信端末装置は、モノラルイヤホンだけでなくステレオイヤホンも接続して使用できるものが増えてきている。モノラルイヤホンとステレオイヤホンでは、同じ音源でも再生したときの聴感が異なる。そこで、従来では、通信端末装置に接続されたイヤホンの種別を判定し、その判定したイヤホンの種別に応じて、ゲインを切り替えるという技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−117198号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の従来技術では、イヤホンの種別に応じてゲインの調整をするのみであったが、ゲイン等の適正値には利用者の聴覚による個人差がある。また、ステレオ音源といっても、FM放送の場合と音楽ファイルの場合とではゲイン等の適正値が異なることがある。そのほかにも、従来では、モノラルイヤホンを利用してステレオ音源を聞く場合に、予め決められた左右のどちらかの音を再生するという生成方法しかなく、利用者がその他の再生方法を選択することはできなかった。そのように、従来の技術では、利用者が通信端末装置に接続されたイヤホン等の音声再生装置で音を聴く場合に、音源の再生方法について利用者の意向を反映させることができなかった。
【0004】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、通信端末装置が接続されたイヤホン等の音声再生装置の種別に応じて、利用者によって設定された再生方法に従って音源を再生する通信端末装置及び通信端末装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る通信端末装置は、ステレオとモノラルの音声再生装置と接続可能な通信端末装置であって、ステレオの音声再生装置とモノラルの音声再生装置とのそれぞれについて、音源を再生する際の再生方法を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された再生方法をそれぞれの音声再生装置に関連付けて記憶する記憶手段と、前記通信端末装置に接続された音声再生装置が、ステレオの音声再生装置かモノラルの音声再生装置かを判定する判定手段と、前記判定手段により判定された音声再生装置に関連付けて前記記憶手段に記憶される再生方法に従って、音源を再生する再生手段と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る通信端末装置の制御方法は、ステレオとモノラルの音声再生装置と接続可能な通信端末装置の制御方法であって、ステレオの音声再生装置とモノラルの音声再生装置とのそれぞれについて、音源を再生する際の再生方法を入力する入力ステップと、前記通信端末装置に接続された音声再生装置が、ステレオの音声再生装置かモノラルの音声再生装置かを判定する判定ステップと、前記入力ステップにより入力された再生方法をそれぞれの音声再生装置に関連付けて記憶する記憶手段を参照し、前記判定ステップにより判定された音声再生装置に関連付けて前記記憶手段に記憶される再生方法に従って、音源を再生する再生ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明では、通信端末装置には、モノラルとステレオの音声再生装置のそれぞれに対応づけて、各音声再生装置で音源をどのように再生するかを指定した再生方法が予め設定される。この再生方法は、利用者が通信端末装置を操作して情報を入力することで設定可能であることとしてよい。そして、通信端末装置に音声再生装置が接続されると、接続された音声再生装置の種別(モノラルかステレオか)が判定される。そして、判定された音声再生装置の種別に対応づけて設定された再生方法に従って、音源の再生が行われる。
【0008】
本発明によれば、通信端末装置に音声再生装置が接続されると、その接続された音声再生装置の種別(モノラルかステレオか)に応じて利用者によって設定された再生方法に従って、音源を再生することができる。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記再生手段は、前記記憶手段に記憶される再生方法に従って、前記音源に基づいて音声信号を生成する信号生成手段と、前記信号生成手段により生成された音声信号を、前記接続された音声再生装置に出力する出力手段と、を含むことを特徴とする。こうすることで、接続された音声再生装置の種別(モノラルかステレオか)に応じて利用者によって設定された再生方法に従って、音源に基づいた音声信号を生成し、その音声信号を出力することができる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記再生方法は、モノラルの音声再生装置について、ステレオ音源を再生する際に、ステレオ音源の左右の音を当該モノラルの音声再生装置により順次交互に出力する再生方法を含む、ことを特徴とする。こうすることで、モノラルの音声再生装置においても、ステレオ音源の左右の音を聞くことができる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記再生方法は、ステレオの音声再生装置とモノラルの音声再生装置とのそれぞれについて、音源を再生する際のゲインが指定される、ことを特徴とする。こうすることで、その接続された音声再生装置の種別(モノラルかステレオか)に応じて利用者によって指定されたゲインに従って、音源を再生することができる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記再生方法は、前記ステレオの音声再生装置について、モノラル音源を再生する際に、当該ステレオの音声再生装置の右信号再生部で再生するための右用信号と、左信号再生部で再生するための左用信号と、を前記モノラル音源からの信号より生成し出力する再生方法を含む、ことを特徴とする。こうすることで、ステレオの音声再生装置にてモノラル音源を再生する際でも、聞き手に対し単純なモノラル音声を聞く場合とは異なる視聴感覚を与えることが出来る。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記再生方法が右用信号と左用信号を前記モノラル音源の信号より生成するに当たり、前記右信号と前記左信号との間で位相差又は振幅差を生じさせる再生方法を含む、ことを特徴とする。こうすることで、聞き手に対し擬似的にステレオに似た感覚を与えることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
まず、図1を用いて、本発明の実施形態の概要を説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る通信端末装置10にイヤホンが接続された状態の外観を表す図である。図1(A)においては、モノラルイヤホン100Aが接続されており、また、図1(B)においては、ステレオイヤホン100Bが接続されている。なお、モノラルイヤホンとは、1ch(チャンネル)の音声信号が出力可能なイヤホンを示し、また、ステレオイヤホンとは、2chの音声信号が出力可能なイヤホンを示す。
【0017】
本実施形態に係る通信端末装置10は、通話データを含む通信データを送受信するためのアンテナ12、液晶ディスプレイ等の表示部14、方向キー16と数字キー18を含むキー操作部20、平型コネクタ等のイヤホンジャック22を備える。通信端末装置10は、イヤホンジャック22を介してモノラルイヤホン100Aやステレオイヤホン100Bと接続される。
【0018】
本発明の実施形態において、通信端末装置10には、イヤホンの種別(モノラルかステレオか)に対応づけて、音楽データ等のステレオ音源の再生方法が予め設定される。この再生方法は利用者が自由に設定できることとしてよく、具体的な設定内容については後述する。イヤホンジャック22にイヤホンが接続されると、接続されたイヤホンの種別が判定される。そして、判定されたイヤホンの種別に対応づけて設定された再生方法に従って、音源の再生が行われ、接続されたイヤホンに音声が出力される。
【0019】
以下、上記説明した処理を実現するために、本発明の実施の形態に係る通信端末装置10が備える構成を説明する。
【0020】
図2は、通信端末装置10の構成を示すブロック構成図である。図2に示されるように、通信端末装置10は、アンテナ12、無線送受信部13、表示部14、キー操作部20、イヤホンジャック22、制御部30、メモリ32、音声変換回路36を含み構成される。なお、イヤホンジャック22にはイヤホン100が接続される。イヤホン100と記載する場合には、モノラルイヤホンとステレオイヤホンの両方を含む意味で用いることとする。以下、各部における処理を詳細に説明する。
【0021】
[ステレオ音源の再生方法の事前設定]
まず、利用者により行われるステレオ音源の再生方法の事前設定について説明する。利用者は、モノラルイヤホンとステレオイヤホンの各イヤホンについて、ステレオ音源の再生方法を設定する。そして、設定された再生方法に基づいて、音声変換回路36に指定するパラメータ値が決定される。以下、図3を参照しつつ、ステレオ音源の再生方法の設定内容とその手順について具体例を用いて説明する。
【0022】
図3は、表示部14に表示されたステレオ音源の再生方法の設定画面を示す図である。図3に示されるように、通信端末装置10の表示部14には、ステレオ音源の再生方法を設定するためのメニュー画面が表示される。そして、利用者は表示部14に表示されたメニュー画面に従い、キー操作部20により情報を入力して、ステレオ音源の再生方法の設定を行う。
【0023】
図3(A)には、ステレオ音源の再生方法の設定に関するメニュー画面を示したものである。メニュー画面では、モノラルイヤホンの設定に進むか(1)、ステレオイヤホンの設定に進むか(2)が選択可能である。また、同画面において、戻る(3)を選択すると再生方法の設定を終了する。なお、各項目は、方向キー16によりカーソルを合わせて、方向キー16に含まれるエンターキーを押下することで選択される。
【0024】
図3(B)には、モノラルイヤホンによるステレオ音源の再生方法の設定画面が示される。モノラルイヤホンによりステレオ音源を再生する際の設定項目としては、本実施形態においては、同図(B)に示されるように、音量設定(1)、ステレオ音源の再生モード(2)、MIX切替間隔(3)が指定可能である。
【0025】
音量設定(1)は、音声変換回路36により出力される音声信号のゲインを指定する情報である。本実施形態においては、音量設定はゲージで表されており、左右の方向キー16により、指定される音量が変更される。ここで、ゲージには1メモリあたりのゲイン変化量を定めておくこととしてもよい。なお、図3に示されたゲージでは、右にいくにつれてゲインが大きくなることとしている。そして、図3(B)において指定される音量設定が変更されると、その内容がメモリ32に記憶される。
【0026】
ステレオ音源の再生モード(2)は、ステレオ音源の左右2chの音を、モノラルイヤホンにおいて、どのように再生させるかの再生態様を示す情報である。本実施形態では、ステレオ音源の再生モードには、右(右chの再生)、左(左chの再生)、MIX(左右のchを順次交互に再生)が指定可能である。図3(B)では、下線が引かれた項目が選択されていることとする。再生モードの選択は、方向キー16により行うことができる。再生モードが変更されると、その内容がメモリ32に記憶される。
【0027】
なお、再生モードの「右」とは、ステレオ音源の右chのみを出力する再生態様を示し、また、再生モードの「左」とは、ステレオ音源の左chのみを出力する再生態様を示す。
【0028】
そして、再生モードの「MIX」については、図4を参照しながら説明する。図4に示されるように、「MIX」の再生モードとは、時分割により、ステレオ音源の右chと左chとを順次交互に再生する再生態様である。本実施形態では、右chと左chとは所定の時間間隔により等間隔で交互に出力されることとする。「MIX」の再生モードにおける所定の時間間隔は、図3(B)で示される設定画面のMIX切替間隔(3)の項目で設定される。MIX切替間隔は、当該項目を選択後に、数字キー18により情報を入力して指定される。MIX切替間隔が変更されると、その内容がメモリ32に記憶される。また、図3(B)の設定画面で、戻る(4)を選択すると、図3(A)のメニュー画面に戻る。
【0029】
図3(C)には、ステレオイヤホンにおけるステレオ音源の再生方法の設定画面が示される。図3(C)に示されるように、ステレオイヤホンによりステレオ音源を再生する際の設定としては、音量設定(1)が指定される。音量設定の指定に関しては、上述したものと同様であるので説明を省略する。また、図3(C)の設定画面で、戻る(2)を選択すると、図3(A)のメニュー画面(A)に戻る。
【0030】
[イヤホンが接続された際に行われる設定処理]
イヤホンジャック22にイヤホンが接続されると、制御部30により、以下の割り込み処理が実行される。
【0031】
まず、接続されたイヤホンの種別が以下のように判定される。すなわち、制御部30により、イヤホンジャック22の各ポートのレベルが測定され、測定されたレベルに基づいて、各ポートとイヤホン端子とが導通されているかが判断される。そして、左右のチャネルの両ポートが導通していればステレオイヤホンとして判定され、また、一方のポートのみが導通していればモノラルイヤホンであるとして判定される。
【0032】
そして、制御部30によりメモリ32がアクセスされ、判定されたイヤホンの種別に対応する再生設定が読み込まれる。ここで読み込まれた再生設定に基づき、制御部30によって音声変換回路36にパラメータが設定される。設定されるパラメータは、例えば、接続されたイヤホンがモノラルイヤホンである場合には、音源再生時のゲインと、ステレオ音源の再生モード(左ch、右ch、MIX)であり、また、接続されたイヤホンがステレオイヤホンである場合には、音源再生時のゲインが指定されることとなる。
【0033】
[ステレオ音源の再生処理]
そして、接続されたイヤホンの種別に応じて、パラメータが設定された音声変換回路36により、ステレオ音源に基づいて音声信号が生成される。生成された音声信号は、イヤホンジャック22を介してイヤホンに伝送され、音声の再生が行われる。本実施形態では、ステレオ音源として例えばMP3フォーマット等で圧縮された音楽データが再生されることとして、その再生処理を説明する。メモリ32に格納された圧縮音楽データは、制御部30によって、作業メモリ上にWAVフォーマットの音声データとして展開される。そして、展開された音声データは、音声変換回路36によりイヤホンに伝送する音声信号に変換されて出力される。
【0034】
ここで、接続されたイヤホンがモノラルイヤホンである場合には、以下のように音声信号が出力される。まず、展開された音声データは、音声変換回路36により、設定されたゲインに従って振幅を調整した音声信号に変換される。
【0035】
そして、設定された再生モードが「左」である場合には、音声変換回路36のスイッチを制御して、音声信号の左チャネルの信号のみを、モノラルイヤホンが導通されるポートに出力する。
【0036】
また、設定された再生モードが「右」である場合には、出力する音声信号の右チャネルのみを、モノラルイヤホンが導通されるポートに出力する。
【0037】
そして、設定された再生モードが「MIX」である場合には、振幅の調整された音声信号を、音声変換回路36のスイッチを制御して、「左チャネルON、右チャネルOFF」と「左チャネルOFF、右チャネルON」の2つの状態を指定された時間間隔毎に切り替えて、音声信号をモノラルイヤホンが導通されるポートに出力する。
【0038】
また、接続されたイヤホンがステレオイヤホンである場合には、対応する再生設定のゲインの指定に従って振幅が調整された音声信号が、ステレオイヤホンが導通される左右の両ポートに出力される。
【0039】
以上の処理により、音声変換回路36により出力された音声信号は、イヤホンジャック22を介してイヤホン100に伝達される。そして、イヤホン100においては、伝達された音声信号に従って音声の出力が行われる。
【0040】
以下、図5を参照しつつ、通信端末装置10にイヤホンが接続された場合に行われる制御処理のフローを説明する。
【0041】
図5は、通信端末装置10における制御処理のフロー図である。通信端末装置10のイヤホンジャック22にイヤホンが接続されると、イヤホンジャック22の各ポートのレベル測定に基づいて、制御部30により、接続されたイヤホンの種別が判定される(S101)。そして、接続されたイヤホンがモノラルイヤホンであると判定される場合には(S102:Y)、制御部30により、メモリ32に格納されたモノラルイヤホンの再生設定が読み込まれる(S103)。そして、読み込まれた設定に指定されたゲインや再生モードに従って、音声変換回路36に出力ゲインやステレオ(ST)音源信号がモノラル(MONO)の音声再生装置へ送られる際の再生モード(ST→MONO)のパラメータ値が設定される(S104、S105)。
【0042】
一方で、接続されたイヤホンがステレオイヤホンであると判定された場合には(S102:N)、制御部30により、メモリ32に格納されたステレオイヤホンの再生設定が読み込まれる(S106)。そして、読み込まれた設定に従って、音声変換回路36には出力ゲインやモノラル(MONO)音源信号がステレオ(ST)の音声再生装置へ送られる際の再生モード(MONO→ST)のパラメータ値が設定される(S107、S111)。
【0043】
こうして通信端末装置10にイヤホンが接続されると、そのイヤホンに対応して設定された再生方法に従って、音声変換回路36にパラメータがセットされる。そしてパラメータがセットされた音声変換回路36により、制御部30により展開された音声データを音声信号に変換して(S108)、その音声信号を出力する(S109)。そして、出力された音声信号は、イヤホンジャック22を介して、接続されたイヤホンに出力される。
【0044】
以上説明した本発明の実施の形態に係る通信端末装置によれば、通信端末装置に接続されたイヤホンの種別に応じて利用者によって設定された再生方法に従って、ステレオ音源を再生することができる。
【0045】
[変形例]
次に、上記の実施形態の変形例について、図6を参照しつつ説明する。以下に示す実施形態は、ワイヤレスイヤホンと通信して音声を出力する通信端末装置10に、本発明の技術を適用したものである。
【0046】
図6は、ワイヤレスイヤホン50と、ワイヤレスイヤホン50と通信する通信端末装置10のそれぞれの構成を示すブロック構成図である。
【0047】
ワイヤレスイヤホン50は、制御部52、無線通信部54、メモリ56、音声変換回路58とイヤホン100を含み構成される。制御部52によりワイヤレスイヤホン50の各部が制御される。そして、メモリ56は、作業領域として機能するほか、ワイヤレスイヤホン50のプロファイル情報が格納される。プロファイル情報には、イヤホン100がステレオイヤホンであるのかモノラルイヤホンであるのかを示す情報が含まれる。そして、ワイヤレスイヤホン50は、無線通信部54により通信端末装置10から送信される音声信号を受信して、音声変換回路58で増幅等の変換を施した後に、イヤホン100により音声出力する。
【0048】
本実施形態の通信端末装置10に関して、無線通信を行う無線通信カード42と、I/F回路44とを含む無線通信部40を備える点で、初めに説明した実施形態とは異なるが、それ以外は共通の構成を有する。
【0049】
通信端末装置10とワイヤレスイヤホン50とが無線通信のリンクを確立する際には、ワイヤレスイヤホン50のメモリ56に格納されたプロファイル情報が無線通信部54を介して通信端末装置10に送信される。送信されたプロファイル情報は、無線通信カード42により受信され、I/F回路44を介して制御部30に伝送される。そして、プロファイル情報は、制御部30により解析され、ワイヤレスイヤホン50が備えるイヤホン100の種別(ステレオイヤホンかモノラルイヤホンか)が判定される。そして、通信端末装置10においては、判定されたイヤホンの種別に従って、メモリ32からそれぞれの再生設定が読み込まれ、そこで読み込まれた再生設定に従って音声変換回路36にパラメータが設定される。そして、パラメータが設定された音声変換回路36により音声信号が生成される。生成された音声信号は、無線通信カード42を介してワイヤレスイヤホン50に送信され、イヤホン100において音声出力される。
【0050】
以上説明した本発明の実施の形態に係る通信端末装置によれば、ワイヤレスイヤホンと通信して音声を出力する通信端末装置においても、ワイヤレスイヤホンとのリンク確立の際に、そのワイヤレスイヤホンの種別を判定できる。そして、判定された種別に対応付けて利用者によって設定された再生方法に従って、音源を再生することができる。
【0051】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0052】
上記実施形態では、イヤホンが接続された場合に、そのイヤホンの種別に応じて設定されたステレオ音源の再生方法を読み込んで音源を再生する例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、モノラル音源についても同様に、イヤホンの種別に応じて再生方法を設定し、接続されたイヤホンの種別に応じて設定を読み込んで音源を再生することとしてもよい。
【0053】
例として、モノラル音源にステレオの音声再生装置であるステレオヘッドフォンが接続された場合に設定される再生方法として、モノラル音源を左右のスピーカへ送る際、片一方のスピーカへの信号をもう一方への信号に対し位相差又は振幅差あるいはこの両方の差を施すことにより、聞き手に対し擬似的にステレオに似た感覚を与える効果(アンビエンス (Ambience)効果)を与えることが出来る。
【0054】
本発明の技術は、通信端末装置にイヤホン以外にもスピーカ等の音声再生装置が接続される場合にも適用可能であるのはもちろんのことである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信端末装置にイヤホンが接続された状態の外観を表す図である。
【図2】通信端末装置の構成を示すブロック構成図である。
【図3】表示部に表示されたステレオ音源の再生方法の設定画面を示す図である。
【図4】「MIX」の再生モードを説明する図である。
【図5】通信端末装置における制御処理のフロー図である。
【図6】ワイヤレスイヤホンと、ワイヤレスイヤホンと通信する通信端末装置のそれぞれの構成を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
【0056】
10 通信端末装置、12 アンテナ、13 無線送受信部、14 表示部、16 方向キー、18 数字キー、20 キー操作部、22 イヤホンジャック、30 制御部、32 メモリ、36 音声変換回路、40 無線通信部、42 無線通信カード、44 I/F回路、50 ワイヤレスイヤホン、52 制御部、54 無線通信部、56 メモリ、58 音声変換回路、100A モノラルイヤホン、100B ステレオイヤホン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステレオとモノラルの音声再生装置と接続可能な通信端末装置であって、
ステレオの音声再生装置とモノラルの音声再生装置とのそれぞれについて、音源を再生する際の再生方法を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された再生方法をそれぞれの音声再生装置に関連付けて記憶する記憶手段と、
前記通信端末装置に接続された音声再生装置が、ステレオの音声再生装置かモノラルの音声再生装置かを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された音声再生装置に関連付けて前記記憶手段に記憶される再生方法に従って、音源を再生する再生手段と、
を含むことを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信端末装置であって、
前記再生手段は、
前記記憶手段に記憶される再生方法に従って、前記音源に基づいて音声信号を生成する信号生成手段と、
前記信号生成手段により生成された音声信号を、前記接続された音声再生装置に出力する出力手段と、を含む
ことを特徴とする通信端末装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の通信端末装置であって、
前記再生方法は、モノラルの音声再生装置について、ステレオ音源を再生する際に、ステレオ音源の左右の音を当該モノラルの音声再生装置により順次交互に出力する再生方法を含む、
ことを特徴とする通信端末装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の通信端末装置であって、
前記再生方法は、ステレオの音声再生装置とモノラルの音声再生装置とのそれぞれについて、音源を再生する際のゲインが指定される、
ことを特徴とする通信端末装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の通信端末装置であって、
前記再生方法は、前記ステレオの音声再生装置について、モノラル音源を再生する際に、当該ステレオの音声再生装置の右信号再生部で再生するための右用信号と、左信号再生部で再生するための左用信号と、を前記モノラル音源からの信号より生成し出力する再生方法を含む、
ことを特徴とする通信端末装置。
【請求項6】
請求項5に記載の通信端末装置であって、
前記再生方法が右用信号と左用信号を前記モノラル音源の信号より生成するに当たり、前記右信号と前記左信号との間で位相差又は振幅差を生じさせる再生方法を含む、
ことを特徴とする通信端末装置。
【請求項7】
ステレオとモノラルの音声再生装置と接続可能な通信端末装置の制御方法であって、
ステレオの音声再生装置とモノラルの音声再生装置とのそれぞれについて、音源を再生する際の再生方法を入力する入力ステップと、
前記通信端末装置に接続された音声再生装置が、ステレオの音声再生装置かモノラルの音声再生装置かを判定する判定ステップと、
前記入力ステップにより入力された再生方法をそれぞれの音声再生装置に関連付けて記憶する記憶手段を参照し、前記判定ステップにより判定された音声再生装置に関連付けて前記記憶手段に記憶される再生方法に従って、音源を再生する再生ステップと、
を含むことを特徴とする通信端末装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−11515(P2008−11515A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139057(P2007−139057)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】