通信装置、ルータ、通信システム、並びに通信装置及びルータの制御方法
【課題】SIP網への接続を容易化する。
【解決手段】通信システム(1)を構成するルータ(20)は、キャリア網(30)から、キャリア網上に設置されるサーバ(SIPサーバ)への接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得する。また、通信装置(10)は、ルータ(20)から、前記情報を、SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する。ローカルプロトコルとしては、例えばUPnPプロトコルを採用する。
【解決手段】通信システム(1)を構成するルータ(20)は、キャリア網(30)から、キャリア網上に設置されるサーバ(SIPサーバ)への接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得する。また、通信装置(10)は、ルータ(20)から、前記情報を、SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する。ローカルプロトコルとしては、例えばUPnPプロトコルを採用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、ルータ、通信システム、並びに通信装置及びルータの制御方法に関し、特にSIP(Session Initiate Protocol)網への接続に必要な情報(以下、SIP情報と呼称することがある)を取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各通信キャリアにおいて、NGN(Next Generation Network、次世代通信網)が主流になりつつある。NGNに対応した通信システムにおいて、通信装置は、ユーザID(Identifier)やIP(Internet Protocol)アドレス等のSIP情報を、キャリア側のSIP網からDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を用いて取得し、SIP網への登録(レジスト)処理を自動的に実行することが必須とされることが多い。
【0003】
なお、このような通信システムの一例として、特許文献1に記載されるIP電話システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−42176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本願発明者は、上記の通信システムには、その導入が困難であるという課題があることを発見した。具体的には、SIP網へ接続するためには、通信システム側でDHCPクライアント機能を実装していない通信装置に対して、DHCPクライアント機能を実装する必要がある。また、DHCPにおいてはブロードキャストを利用することになる。このため、通信システムが多段のサブネットによって構成される場合には、ブロードキャスト用にポート設定を行う等、セキュリティ上の問題も生じてしまう。さらに、DHCPクライアント機能を実装しない場合には、ユーザが手動で煩雑な設定を通信装置毎に行う必要がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、SIP網への接続を容易化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る通信装置は、キャリア網上に設置されるサーバとの通信に際して、SIP(Session Initiate Protocol)に則した呼制御を行う呼制御手段と、自装置及び前記キャリア網の間でトラヒックを中継するルータと接続する第1のインタフェース手段と、を備える。前記呼制御手段は、前記第1のインタフェース手段を介して前記ルータから、前記ルータによりDHCP(Dynamic Host Configuration Proctol)を用いて予め取得された前記サーバへの接続に必要な情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する。
【0008】
また、本発明の第2の態様に係るルータは、通信装置と接続する第1のインタフェース手段と、キャリア網と接続する第2のインタフェース手段と、前記第1及び第2のインタフェース手段を介して、前記通信装置と前記キャリア網との間のトラヒックを中継する中継手段と、を備える。前記中継手段は、前記第2のインタフェース手段を介して前記キャリア網から、SIPに則して前記通信装置と通信可能なサーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、前記第1のインタフェース手段を介して前記通信装置へ、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて通知する。
【0009】
また、本発明の第3の態様に係る通信システムは、キャリア網上に設置されるサーバとの通信を、SIPに則して行う通信装置と、前記通信装置と前記キャリア網との間でトラヒックを中継するルータと、を備える。前記ルータは、前記キャリア網から、前記サーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得する。前記通信装置は、前記ルータから、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する。
【0010】
また、本発明の第4の態様に係る制御方法は、キャリア網上に設置されるサーバとの通信を、SIPに則して行う通信装置の制御方法を提供する。この制御方法は、前記通信装置と前記キャリア網との間でトラヒックを中継するルータから、前記ルータによりDHCPを用いて予め取得された前記サーバへの接続に必要な情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得し、前記情報を、前記サーバとの通信に際しての呼制御に用いることを含む。
【0011】
さらに、本発明の第5の態様に係る制御方法は、通信装置とキャリア網との間のトラヒックを中継するルータの制御方法を提供する。この制御方法は、前記キャリア網から、SIPに則して前記通信装置と通信可能なサーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、前記通信装置へ、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて通知することを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、SIP網への接続を容易化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信システムの構成例を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る通信装置の構成例を示したブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るルータの構成例を示したブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る通信システムの動作例を示したシーケンス図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、通信装置からルータへ送信されるメッセージの第1の例を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、ルータから通信装置へ送信されるメッセージの第1の例を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、通信装置からルータへ送信されるメッセージの第2の例を示した図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、ルータから通信装置へ送信されるメッセージの第2の例を示した図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、通信装置からルータへ送信されるメッセージの第3の例を示した図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、ルータから通信装置へ送信されるメッセージの第3の例を示した図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る通信装置で取得される、SIP情報の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る通信装置及びルータ、並びにこれらを適用する通信システムの実施の形態を、図1〜図11を参照して説明する。なお、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態に係る通信システム1は、通信装置10と、ルータ20とを含む。通信装置10は、NGNであるキャリア網30上に設置されるサーバ(図示せず)との通信を、SIPに則して行う。ルータ20は、通信装置10とキャリア網20との間でトラヒックを中継する。例えば、ルータ20は、図1に点線で示す光回線終端装置40を介してキャリア網30へ接続される。なお、上記のサーバとは、SIP網の構成要素であり、SIPに則して各種の呼制御を行うサーバ(所謂、SIPサーバ)である。
【0016】
動作においては、まずルータ20が、SIP情報を、キャリア網30からDHCPを用いて取得し、保持する。ここで、SIP情報には、SIPサーバのIPアドレス、ユーザID、及びSIPドメイン名が含まれる。
【0017】
一方、通信装置10は、SIP情報を、ルータ20からSIP及びDHCPとは異なるローカルプロトコルを用いて取得する。
【0018】
このように、本実施の形態においては、通信装置10が、ルータ20とのローカル通信によってSIP情報を自律的に取得する。このため、従来の通信システム比して、SIP網への接続が容易となる。より詳細には、通信装置に対するDHCPクライアント機能の実装が不要であり、ブロードキャスト用にルータに対するポート設定を行う等、セキュリティ上の問題も発生しない。また、ルータに対する必要最低限の初期設定を行えば良く、ユーザが手動で通信装置に対する設定を行う必要も無い。
【0019】
また、上記のローカルプロトコルとしては、UPnP(Universal Plug and Play)プロトコルを用いると好適である。これは、一般的な通信装置及びルータにおいては、UPnPプロトコルが、ルータのWAN(Wide Area Network)側のIPアドレスを取得することを目的として採用されているためである。UPnPプロトコルを用いる場合、既存のインタフェースを拡張することによって、本実施の形態に係る通信装置10及びルータ20を構成することができ、以て開発コストを低減できるという効果も得られる。但し、UPnPプロトコルの使用は必須では無く、SIP及びDHCP以外の他のプロトコルを使用しても良い。通信装置10とルータ20との間のローカル通信は、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)に則して行っても良いし、MAC(Media Access Control)プロトコルに則して行っても良い。この場合も、SIP情報を自律的に取得でき、以てSIP網への接続が容易となるという効果は同様に得られる。
【0020】
以下、上記の動作を実現する通信装置10及びルータ20の具体的な構成例及び動作例を、図2〜図11を参照して詳細に説明する。
【0021】
図2に示すように、通信装置10は、呼制御部11と、プロトコルI/F部12と、電話機I/F部13と、記憶部14とを含む。
【0022】
呼制御部11は、大略、SIPサーバとの通信に際して各種の呼制御を行う。また、プロトコルI/F部12は、通信装置10をルータ20へ接続するためのインタフェースとして機能する。呼制御部11は、プロトコルI/F部12を介してルータ20から、SIP情報をUPnPプロトコルを用いて取得する。すなわち、通信装置10とルータ20との間では、UPnPプロトコルに則したXML(Extensive Markup Langage)形式のメッセージ(以下、UPnPメッセージと呼称することがある)が伝送される。また、呼制御部11は、取得したSIP情報を、記憶部14へ記憶する。さらに、呼制御部11は、記憶部14中のSIP情報を参照し、プロトコルI/F部12及びルータ20を介してSIPサーバと通信する。すなわち、通信装置10とSIPサーバとの間では、SIPに則したメッセージ(以下、SIPメッセージと呼称することがある)が伝送される。
【0023】
また、電話機I/F部13は、1以上の電話機を通信装置10へ接続するためのインタフェースである。呼制御部11は、プロトコルI/F部12及び電話機I/F部13を介して、SIPサーバと各電話機との間の呼を接続し、以て通信装置10を交換機として動作させる。但し、電話機I/F部13は必須の構成要素では無く、その実装を省略しても良い。この場合、通信装置10は、単独で、SIP対応の電話機として動作することができる。
【0024】
一方、図3に示すように、ルータ20は、プロトコルI/F部21と、キャリア網I/F部22と、中継部23と、記憶部24とを含む。
【0025】
プロトコルI/F部21は、通信装置10をルータ20へ接続するためのインタフェースとして機能する。また、キャリア網I/F部22は、ルータ20をキャリア網30へ接続するためのインタフェースとして機能する。
【0026】
中継部23は、大略、プロトコルI/F部21及びキャリア網I/F部22を介して、通信装置10とキャリア網30との間でSIPメッセージを中継する。また、中継部23は、キャリア網I/F部22を介してキャリア網30から、SIP情報をDHCPを用いて取得すると共に、取得したSIP情報を、記憶部24へ記憶する。さらに、中継部23は、プロトコルI/F部21を介して通信装置10へ、記憶部24中のSIP情報を、UPnPメッセージとして通知する。
【0027】
次に、通信装置10及びルータ20の動作例を、図4〜図11を参照して説明する。
【0028】
図4に示すように、まずルータ20が、キャリア網30との間でDHCPに則したメッセージを送受信し、以てSIP情報を予め取得する。
【0029】
具体的には、ルータ20は、DHCPDISCOVERメッセージをブロードキャストする(ステップS11)。ここで、DHCPDISCOVERメッセージは、ルータ20に対してIPアドレスを割当可能なDHCPサーバを検索するためのメッセージである。
【0030】
キャリア網30は、DHCPDISCOVERメッセージを受信すると、その応答として、DHCPOFFERメッセージをルータ20へ送信し、以てルータ20に割り当てられるWAN側のIPアドレスを通知する(ステップS12)。
【0031】
ルータ20は、DHCPOFFERメッセージを受信すると、DHCPREQUESTメッセージをキャリア網30へ送信し、以て上記のステップS12で通知されたIPアドレスの取得を要求する(ステップS13)。
【0032】
キャリア網30は、DHCPREQUESTメッセージを受信すると、その応答として、DHCPACKメッセージをルータ20へ送信する(ステップS14)。ここで、DHCPACKメッセージには、SIP情報が含まれており、ルータ20は、受信したSIP情報を保持する。
【0033】
次いで、通信装置10は、ルータ20との間でUPnPメッセージを送受信し、以てSIP情報を取得する。
【0034】
具体的には、通信装置10は、UPnPメッセージの一つであるM_SEARCHを、ルータ20へ送信する(ステップS21)。
【0035】
図5に示すように、このM_SEARCHメッセージ100は、XML形式で表現される、UPnP対応のデバイスを探索するためのメッセージであり、ブロードキャストアドレス"239.255.255.250:1900"が設定される。また、符号101で示すように、メッセージ100には、SIP網への接続サービスを提供可能なデバイスを探索するために"SIPConnection:1"が設定される。
【0036】
ルータ20は、メッセージ100を受信すると、その応答として、HTTP 200 OKメッセージを通信装置10へ送信する(ステップS22)。
【0037】
図6に示すように、このHTTP 200 OKメッセージ200は、XML形式で表現される。符号201で示すように、メッセージ200には、"SIPConnection:1"が設定され、以てルータ20がSIP網への接続サービスをサポートする旨を、通信装置10へ通知する。また、符号202で示すように、メッセージ200中のLOCATION行には、ルータ20が保持する情報(rootDesc.xml)を取得するためのHTTP GETメッセージの送信先IPアドレス"172.16.0.254"及びポート番号"2869"が設定される。
【0038】
通信装置10は、メッセージ200を受信すると、HTTP GETメッセージをルータ20へ送信し、以てルータ20が保持する情報(rootDesc.xml)の取得を要求する(ステップS23)。
【0039】
図7に示すように、このHTTP GETメッセージ300は、XML形式で表現される。符号301で示すように、メッセージ300中のHOST行には、上記のメッセージ200で指定された送信先IPアドレス及びポート番号が設定される。
【0040】
ルータ20は、メッセージ300を受信すると、その応答として、HTTP 200 OKメッセージを通信装置10へ送信する(ステップS24)。
【0041】
図8に示すように、このHTTP 200 OKメッセージ400は、XML形式で表現される。符号401で示すように、メッセージ400中のserviceタグに対応する要素内容(開始タグ<service>及び終了タグ</service>で囲まれた部分)には、"SIPAccount:1"が設定され、以てルータ20がSIP情報の転送サービスをサポートする旨を、通信装置10へ通知する。また、符号402で示すように、ControlURLタグに対応する要素内容には、SIP情報の転送を要求するためのHTTP_POSTメッセージ中に記述すべき値"/SIPAccount"が設定される。なお、図示を省略するが、メッセージ400には、他の情報としてルータ20の固有情報等も設定される。
【0042】
通信装置10は、メッセージ400を受信すると、HTTP_POSTメッセージをルータ20へ送信し、以てSIP情報の転送を要求する(ステップS25)。
【0043】
図9に示すように、このHTTP_POSTメッセージ500は、XML形式で表現される。符号501で示すように、メッセージ500中のPOST行には、上記のメッセージ400で指定された値が設定される。また、符号502で示すように、HOST行には、上記のメッセージ200で指定された送信先IPアドレス及びポート番号が設定される。また、符号503で示すように、SOAPACTION行には、"urn:xxx:service:SIPAccount:1#GetSIPAccount"が設定される。さらに、符号504で示すように、SOAP−ENV:Bodyタグに対応する要素内容として、SIP情報の転送要求を意味する空要素タグ<m:GetSIPAccount xmlns:m="urn:xxx:service:SIPAccount:1"> </m:GetSIPAccount>が設定される。
【0044】
ルータ20は、メッセージ500を受信すると、その応答として、HTTP 200 OKメッセージを通信装置10へ送信する(ステップS26)。
【0045】
図10に示すように、このHTTP 200 OKメッセージ600は、XML形式で表現される。符号601で示すように、メッセージ600中のSipServerIPAddressタグに対応する要素内容には、SIPサーバのIPアドレス"10.112.40.10"が設定される。また、符号602で示すように、BaseTelNumberタグに対応する要素内容には、ユーザID"031231111"が設定される。さらに、符号603で示すように、SipDomainNameタグに対応する要素内容には、SIPドメイン名"sip.ngn.co.jp"が設定される。
【0046】
図11に示すように、通信装置10は、メッセージ600を受信すると、指定されたIPアドレス、ユーザID、及びSIPドメイン名を対応付けてSIP情報700として記憶する。
【0047】
この後、通信装置10は、記憶したSIP情報700を参照して、SIP網への登録処理を実行する。
【0048】
具体的には、通信装置10は、SIPメッセージの一つであるREGISTERを、ルータ20を介してキャリア網30上のSIPサーバへ送信する(ステップS31)。SIPサーバは、REGISTERメッセージを受信すると、200 OKメッセージを通信装置10へ送信する(ステップS32)。通信装置10は、200 OKメッセージを受信すると、ACKメッセージをSIPサーバへ送信する(ステップS33)。
【0049】
これにより、通信装置10は、SIP網へユーザエージェントとして登録されることとなる。
【0050】
なお、上記の実施の形態によって本発明は限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、当業者によって種々の変更が可能なことは明らかである。
【0051】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0052】
(付記1)
キャリア網上に設置されるサーバとの通信に際して、SIP(Session Initiate Protocol)に則した呼制御を行う呼制御手段と、
自装置及び前記キャリア網の間でトラヒックを中継するルータと接続する第1のインタフェース手段と、を備え、
前記呼制御手段は、
前記第1のインタフェース手段を介して前記ルータから、前記ルータによりDHCP(Dynamic Host Configuration Proctol)を用いて予め取得された前記サーバへの接続に必要な情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する、
通信装置。
【0053】
(付記2)
付記1において、
前記呼制御手段は、前記ローカルプロトコルとして、UPnP(Universal Plug and Play)プロトコルを用いる、
ことを特徴とした通信装置。
【0054】
(付記3)
付記1又は2において、
他の通信装置と接続する第2のインタフェース手段を、さらに備え、
前記呼制御手段は、前記第1及び第2のインタフェース手段を介して、前記サーバと前記他の通信装置との間の呼を接続する、
ことを特徴とした通信装置。
【0055】
(付記4)
通信装置と接続する第1のインタフェース手段と、
キャリア網と接続する第2のインタフェース手段と、
前記第1及び第2のインタフェース手段を介して、前記通信装置と前記キャリア網との間のトラヒックを中継する中継手段と、を備え、
前記中継手段は、
前記第2のインタフェース手段を介して前記キャリア網から、SIPに則して前記通信装置と通信可能なサーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、
前記第1のインタフェース手段を介して前記通信装置へ、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて通知する、
ルータ。
【0056】
(付記5)
付記4において、
前記中継手段は、前記ローカルプロトコルとして、UPnPプロトコルを用いる、
ことを特徴としたルータ。
【0057】
(付記6)
キャリア網上に設置されるサーバとの通信を、SIPに則して行う通信装置と、
前記通信装置と前記キャリア網との間でトラヒックを中継するルータと、を備え、
前記ルータは、前記キャリア網から、前記サーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、
前記通信装置は、前記ルータから、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する、
通信システム。
【0058】
(付記7)
付記6において、
前記ローカルプロトコルとして、UPnPプロトコルが採用される、
ことを特徴とした通信システム。
【0059】
(付記8)
付記6又は7において、
前記通信装置は、前記サーバと他の通信装置との間の呼を接続する、
ことを特徴とした通信システム。
【0060】
(付記9)
キャリア網上に設置されるサーバとの通信を、SIPに則して行う通信装置の制御方法であって、
前記通信装置と前記キャリア網との間でトラヒックを中継するルータから、前記ルータによりDHCPを用いて予め取得された前記サーバへの接続に必要な情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得し、
前記情報を、前記サーバとの通信に際しての呼制御に用いる、
ことを含む制御方法。
【0061】
(付記10)
付記10において、
前記ローカルプロトコルとして、UPnPプロトコルを用いる、
ことを特徴とした制御方法。
【0062】
(付記11)
付記9又は10において、
前記サーバと他の通信装置との間の呼を接続する、
ことをさらに含む制御方法。
【0063】
(付記12)
通信装置とキャリア網との間のトラヒックを中継するルータの制御方法であって、
前記キャリア網から、SIPに則して前記通信装置と通信可能なサーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、
前記通信装置へ、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて通知する、
ことを含む制御方法。
【0064】
(付記13)
付記12において、
前記ローカルプロトコルとして、UPnPプロトコルを用いる、
ことを特徴とした制御方法。
【符号の説明】
【0065】
1 通信システム
10 通信装置
11 呼制御部
12, 21 プロトコルI/F部
13 電話機I/F部
14, 24 記憶部
20 ルータ
22 キャリア網I/F部
23 中継部
30 キャリア網
40 光回線終端装置
100 M_SERACHメッセージ
200, 400, 600 HTTP 200 OKメッセージ
300 HTTP GETメッセージ
500 HTTP_POSTメッセージ
700 SIP情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、ルータ、通信システム、並びに通信装置及びルータの制御方法に関し、特にSIP(Session Initiate Protocol)網への接続に必要な情報(以下、SIP情報と呼称することがある)を取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各通信キャリアにおいて、NGN(Next Generation Network、次世代通信網)が主流になりつつある。NGNに対応した通信システムにおいて、通信装置は、ユーザID(Identifier)やIP(Internet Protocol)アドレス等のSIP情報を、キャリア側のSIP網からDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を用いて取得し、SIP網への登録(レジスト)処理を自動的に実行することが必須とされることが多い。
【0003】
なお、このような通信システムの一例として、特許文献1に記載されるIP電話システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−42176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本願発明者は、上記の通信システムには、その導入が困難であるという課題があることを発見した。具体的には、SIP網へ接続するためには、通信システム側でDHCPクライアント機能を実装していない通信装置に対して、DHCPクライアント機能を実装する必要がある。また、DHCPにおいてはブロードキャストを利用することになる。このため、通信システムが多段のサブネットによって構成される場合には、ブロードキャスト用にポート設定を行う等、セキュリティ上の問題も生じてしまう。さらに、DHCPクライアント機能を実装しない場合には、ユーザが手動で煩雑な設定を通信装置毎に行う必要がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、SIP網への接続を容易化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る通信装置は、キャリア網上に設置されるサーバとの通信に際して、SIP(Session Initiate Protocol)に則した呼制御を行う呼制御手段と、自装置及び前記キャリア網の間でトラヒックを中継するルータと接続する第1のインタフェース手段と、を備える。前記呼制御手段は、前記第1のインタフェース手段を介して前記ルータから、前記ルータによりDHCP(Dynamic Host Configuration Proctol)を用いて予め取得された前記サーバへの接続に必要な情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する。
【0008】
また、本発明の第2の態様に係るルータは、通信装置と接続する第1のインタフェース手段と、キャリア網と接続する第2のインタフェース手段と、前記第1及び第2のインタフェース手段を介して、前記通信装置と前記キャリア網との間のトラヒックを中継する中継手段と、を備える。前記中継手段は、前記第2のインタフェース手段を介して前記キャリア網から、SIPに則して前記通信装置と通信可能なサーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、前記第1のインタフェース手段を介して前記通信装置へ、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて通知する。
【0009】
また、本発明の第3の態様に係る通信システムは、キャリア網上に設置されるサーバとの通信を、SIPに則して行う通信装置と、前記通信装置と前記キャリア網との間でトラヒックを中継するルータと、を備える。前記ルータは、前記キャリア網から、前記サーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得する。前記通信装置は、前記ルータから、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する。
【0010】
また、本発明の第4の態様に係る制御方法は、キャリア網上に設置されるサーバとの通信を、SIPに則して行う通信装置の制御方法を提供する。この制御方法は、前記通信装置と前記キャリア網との間でトラヒックを中継するルータから、前記ルータによりDHCPを用いて予め取得された前記サーバへの接続に必要な情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得し、前記情報を、前記サーバとの通信に際しての呼制御に用いることを含む。
【0011】
さらに、本発明の第5の態様に係る制御方法は、通信装置とキャリア網との間のトラヒックを中継するルータの制御方法を提供する。この制御方法は、前記キャリア網から、SIPに則して前記通信装置と通信可能なサーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、前記通信装置へ、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて通知することを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、SIP網への接続を容易化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信システムの構成例を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る通信装置の構成例を示したブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るルータの構成例を示したブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る通信システムの動作例を示したシーケンス図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、通信装置からルータへ送信されるメッセージの第1の例を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、ルータから通信装置へ送信されるメッセージの第1の例を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、通信装置からルータへ送信されるメッセージの第2の例を示した図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、ルータから通信装置へ送信されるメッセージの第2の例を示した図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、通信装置からルータへ送信されるメッセージの第3の例を示した図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて、ルータから通信装置へ送信されるメッセージの第3の例を示した図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る通信装置で取得される、SIP情報の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る通信装置及びルータ、並びにこれらを適用する通信システムの実施の形態を、図1〜図11を参照して説明する。なお、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態に係る通信システム1は、通信装置10と、ルータ20とを含む。通信装置10は、NGNであるキャリア網30上に設置されるサーバ(図示せず)との通信を、SIPに則して行う。ルータ20は、通信装置10とキャリア網20との間でトラヒックを中継する。例えば、ルータ20は、図1に点線で示す光回線終端装置40を介してキャリア網30へ接続される。なお、上記のサーバとは、SIP網の構成要素であり、SIPに則して各種の呼制御を行うサーバ(所謂、SIPサーバ)である。
【0016】
動作においては、まずルータ20が、SIP情報を、キャリア網30からDHCPを用いて取得し、保持する。ここで、SIP情報には、SIPサーバのIPアドレス、ユーザID、及びSIPドメイン名が含まれる。
【0017】
一方、通信装置10は、SIP情報を、ルータ20からSIP及びDHCPとは異なるローカルプロトコルを用いて取得する。
【0018】
このように、本実施の形態においては、通信装置10が、ルータ20とのローカル通信によってSIP情報を自律的に取得する。このため、従来の通信システム比して、SIP網への接続が容易となる。より詳細には、通信装置に対するDHCPクライアント機能の実装が不要であり、ブロードキャスト用にルータに対するポート設定を行う等、セキュリティ上の問題も発生しない。また、ルータに対する必要最低限の初期設定を行えば良く、ユーザが手動で通信装置に対する設定を行う必要も無い。
【0019】
また、上記のローカルプロトコルとしては、UPnP(Universal Plug and Play)プロトコルを用いると好適である。これは、一般的な通信装置及びルータにおいては、UPnPプロトコルが、ルータのWAN(Wide Area Network)側のIPアドレスを取得することを目的として採用されているためである。UPnPプロトコルを用いる場合、既存のインタフェースを拡張することによって、本実施の形態に係る通信装置10及びルータ20を構成することができ、以て開発コストを低減できるという効果も得られる。但し、UPnPプロトコルの使用は必須では無く、SIP及びDHCP以外の他のプロトコルを使用しても良い。通信装置10とルータ20との間のローカル通信は、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)に則して行っても良いし、MAC(Media Access Control)プロトコルに則して行っても良い。この場合も、SIP情報を自律的に取得でき、以てSIP網への接続が容易となるという効果は同様に得られる。
【0020】
以下、上記の動作を実現する通信装置10及びルータ20の具体的な構成例及び動作例を、図2〜図11を参照して詳細に説明する。
【0021】
図2に示すように、通信装置10は、呼制御部11と、プロトコルI/F部12と、電話機I/F部13と、記憶部14とを含む。
【0022】
呼制御部11は、大略、SIPサーバとの通信に際して各種の呼制御を行う。また、プロトコルI/F部12は、通信装置10をルータ20へ接続するためのインタフェースとして機能する。呼制御部11は、プロトコルI/F部12を介してルータ20から、SIP情報をUPnPプロトコルを用いて取得する。すなわち、通信装置10とルータ20との間では、UPnPプロトコルに則したXML(Extensive Markup Langage)形式のメッセージ(以下、UPnPメッセージと呼称することがある)が伝送される。また、呼制御部11は、取得したSIP情報を、記憶部14へ記憶する。さらに、呼制御部11は、記憶部14中のSIP情報を参照し、プロトコルI/F部12及びルータ20を介してSIPサーバと通信する。すなわち、通信装置10とSIPサーバとの間では、SIPに則したメッセージ(以下、SIPメッセージと呼称することがある)が伝送される。
【0023】
また、電話機I/F部13は、1以上の電話機を通信装置10へ接続するためのインタフェースである。呼制御部11は、プロトコルI/F部12及び電話機I/F部13を介して、SIPサーバと各電話機との間の呼を接続し、以て通信装置10を交換機として動作させる。但し、電話機I/F部13は必須の構成要素では無く、その実装を省略しても良い。この場合、通信装置10は、単独で、SIP対応の電話機として動作することができる。
【0024】
一方、図3に示すように、ルータ20は、プロトコルI/F部21と、キャリア網I/F部22と、中継部23と、記憶部24とを含む。
【0025】
プロトコルI/F部21は、通信装置10をルータ20へ接続するためのインタフェースとして機能する。また、キャリア網I/F部22は、ルータ20をキャリア網30へ接続するためのインタフェースとして機能する。
【0026】
中継部23は、大略、プロトコルI/F部21及びキャリア網I/F部22を介して、通信装置10とキャリア網30との間でSIPメッセージを中継する。また、中継部23は、キャリア網I/F部22を介してキャリア網30から、SIP情報をDHCPを用いて取得すると共に、取得したSIP情報を、記憶部24へ記憶する。さらに、中継部23は、プロトコルI/F部21を介して通信装置10へ、記憶部24中のSIP情報を、UPnPメッセージとして通知する。
【0027】
次に、通信装置10及びルータ20の動作例を、図4〜図11を参照して説明する。
【0028】
図4に示すように、まずルータ20が、キャリア網30との間でDHCPに則したメッセージを送受信し、以てSIP情報を予め取得する。
【0029】
具体的には、ルータ20は、DHCPDISCOVERメッセージをブロードキャストする(ステップS11)。ここで、DHCPDISCOVERメッセージは、ルータ20に対してIPアドレスを割当可能なDHCPサーバを検索するためのメッセージである。
【0030】
キャリア網30は、DHCPDISCOVERメッセージを受信すると、その応答として、DHCPOFFERメッセージをルータ20へ送信し、以てルータ20に割り当てられるWAN側のIPアドレスを通知する(ステップS12)。
【0031】
ルータ20は、DHCPOFFERメッセージを受信すると、DHCPREQUESTメッセージをキャリア網30へ送信し、以て上記のステップS12で通知されたIPアドレスの取得を要求する(ステップS13)。
【0032】
キャリア網30は、DHCPREQUESTメッセージを受信すると、その応答として、DHCPACKメッセージをルータ20へ送信する(ステップS14)。ここで、DHCPACKメッセージには、SIP情報が含まれており、ルータ20は、受信したSIP情報を保持する。
【0033】
次いで、通信装置10は、ルータ20との間でUPnPメッセージを送受信し、以てSIP情報を取得する。
【0034】
具体的には、通信装置10は、UPnPメッセージの一つであるM_SEARCHを、ルータ20へ送信する(ステップS21)。
【0035】
図5に示すように、このM_SEARCHメッセージ100は、XML形式で表現される、UPnP対応のデバイスを探索するためのメッセージであり、ブロードキャストアドレス"239.255.255.250:1900"が設定される。また、符号101で示すように、メッセージ100には、SIP網への接続サービスを提供可能なデバイスを探索するために"SIPConnection:1"が設定される。
【0036】
ルータ20は、メッセージ100を受信すると、その応答として、HTTP 200 OKメッセージを通信装置10へ送信する(ステップS22)。
【0037】
図6に示すように、このHTTP 200 OKメッセージ200は、XML形式で表現される。符号201で示すように、メッセージ200には、"SIPConnection:1"が設定され、以てルータ20がSIP網への接続サービスをサポートする旨を、通信装置10へ通知する。また、符号202で示すように、メッセージ200中のLOCATION行には、ルータ20が保持する情報(rootDesc.xml)を取得するためのHTTP GETメッセージの送信先IPアドレス"172.16.0.254"及びポート番号"2869"が設定される。
【0038】
通信装置10は、メッセージ200を受信すると、HTTP GETメッセージをルータ20へ送信し、以てルータ20が保持する情報(rootDesc.xml)の取得を要求する(ステップS23)。
【0039】
図7に示すように、このHTTP GETメッセージ300は、XML形式で表現される。符号301で示すように、メッセージ300中のHOST行には、上記のメッセージ200で指定された送信先IPアドレス及びポート番号が設定される。
【0040】
ルータ20は、メッセージ300を受信すると、その応答として、HTTP 200 OKメッセージを通信装置10へ送信する(ステップS24)。
【0041】
図8に示すように、このHTTP 200 OKメッセージ400は、XML形式で表現される。符号401で示すように、メッセージ400中のserviceタグに対応する要素内容(開始タグ<service>及び終了タグ</service>で囲まれた部分)には、"SIPAccount:1"が設定され、以てルータ20がSIP情報の転送サービスをサポートする旨を、通信装置10へ通知する。また、符号402で示すように、ControlURLタグに対応する要素内容には、SIP情報の転送を要求するためのHTTP_POSTメッセージ中に記述すべき値"/SIPAccount"が設定される。なお、図示を省略するが、メッセージ400には、他の情報としてルータ20の固有情報等も設定される。
【0042】
通信装置10は、メッセージ400を受信すると、HTTP_POSTメッセージをルータ20へ送信し、以てSIP情報の転送を要求する(ステップS25)。
【0043】
図9に示すように、このHTTP_POSTメッセージ500は、XML形式で表現される。符号501で示すように、メッセージ500中のPOST行には、上記のメッセージ400で指定された値が設定される。また、符号502で示すように、HOST行には、上記のメッセージ200で指定された送信先IPアドレス及びポート番号が設定される。また、符号503で示すように、SOAPACTION行には、"urn:xxx:service:SIPAccount:1#GetSIPAccount"が設定される。さらに、符号504で示すように、SOAP−ENV:Bodyタグに対応する要素内容として、SIP情報の転送要求を意味する空要素タグ<m:GetSIPAccount xmlns:m="urn:xxx:service:SIPAccount:1"> </m:GetSIPAccount>が設定される。
【0044】
ルータ20は、メッセージ500を受信すると、その応答として、HTTP 200 OKメッセージを通信装置10へ送信する(ステップS26)。
【0045】
図10に示すように、このHTTP 200 OKメッセージ600は、XML形式で表現される。符号601で示すように、メッセージ600中のSipServerIPAddressタグに対応する要素内容には、SIPサーバのIPアドレス"10.112.40.10"が設定される。また、符号602で示すように、BaseTelNumberタグに対応する要素内容には、ユーザID"031231111"が設定される。さらに、符号603で示すように、SipDomainNameタグに対応する要素内容には、SIPドメイン名"sip.ngn.co.jp"が設定される。
【0046】
図11に示すように、通信装置10は、メッセージ600を受信すると、指定されたIPアドレス、ユーザID、及びSIPドメイン名を対応付けてSIP情報700として記憶する。
【0047】
この後、通信装置10は、記憶したSIP情報700を参照して、SIP網への登録処理を実行する。
【0048】
具体的には、通信装置10は、SIPメッセージの一つであるREGISTERを、ルータ20を介してキャリア網30上のSIPサーバへ送信する(ステップS31)。SIPサーバは、REGISTERメッセージを受信すると、200 OKメッセージを通信装置10へ送信する(ステップS32)。通信装置10は、200 OKメッセージを受信すると、ACKメッセージをSIPサーバへ送信する(ステップS33)。
【0049】
これにより、通信装置10は、SIP網へユーザエージェントとして登録されることとなる。
【0050】
なお、上記の実施の形態によって本発明は限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、当業者によって種々の変更が可能なことは明らかである。
【0051】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0052】
(付記1)
キャリア網上に設置されるサーバとの通信に際して、SIP(Session Initiate Protocol)に則した呼制御を行う呼制御手段と、
自装置及び前記キャリア網の間でトラヒックを中継するルータと接続する第1のインタフェース手段と、を備え、
前記呼制御手段は、
前記第1のインタフェース手段を介して前記ルータから、前記ルータによりDHCP(Dynamic Host Configuration Proctol)を用いて予め取得された前記サーバへの接続に必要な情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する、
通信装置。
【0053】
(付記2)
付記1において、
前記呼制御手段は、前記ローカルプロトコルとして、UPnP(Universal Plug and Play)プロトコルを用いる、
ことを特徴とした通信装置。
【0054】
(付記3)
付記1又は2において、
他の通信装置と接続する第2のインタフェース手段を、さらに備え、
前記呼制御手段は、前記第1及び第2のインタフェース手段を介して、前記サーバと前記他の通信装置との間の呼を接続する、
ことを特徴とした通信装置。
【0055】
(付記4)
通信装置と接続する第1のインタフェース手段と、
キャリア網と接続する第2のインタフェース手段と、
前記第1及び第2のインタフェース手段を介して、前記通信装置と前記キャリア網との間のトラヒックを中継する中継手段と、を備え、
前記中継手段は、
前記第2のインタフェース手段を介して前記キャリア網から、SIPに則して前記通信装置と通信可能なサーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、
前記第1のインタフェース手段を介して前記通信装置へ、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて通知する、
ルータ。
【0056】
(付記5)
付記4において、
前記中継手段は、前記ローカルプロトコルとして、UPnPプロトコルを用いる、
ことを特徴としたルータ。
【0057】
(付記6)
キャリア網上に設置されるサーバとの通信を、SIPに則して行う通信装置と、
前記通信装置と前記キャリア網との間でトラヒックを中継するルータと、を備え、
前記ルータは、前記キャリア網から、前記サーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、
前記通信装置は、前記ルータから、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する、
通信システム。
【0058】
(付記7)
付記6において、
前記ローカルプロトコルとして、UPnPプロトコルが採用される、
ことを特徴とした通信システム。
【0059】
(付記8)
付記6又は7において、
前記通信装置は、前記サーバと他の通信装置との間の呼を接続する、
ことを特徴とした通信システム。
【0060】
(付記9)
キャリア網上に設置されるサーバとの通信を、SIPに則して行う通信装置の制御方法であって、
前記通信装置と前記キャリア網との間でトラヒックを中継するルータから、前記ルータによりDHCPを用いて予め取得された前記サーバへの接続に必要な情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得し、
前記情報を、前記サーバとの通信に際しての呼制御に用いる、
ことを含む制御方法。
【0061】
(付記10)
付記10において、
前記ローカルプロトコルとして、UPnPプロトコルを用いる、
ことを特徴とした制御方法。
【0062】
(付記11)
付記9又は10において、
前記サーバと他の通信装置との間の呼を接続する、
ことをさらに含む制御方法。
【0063】
(付記12)
通信装置とキャリア網との間のトラヒックを中継するルータの制御方法であって、
前記キャリア網から、SIPに則して前記通信装置と通信可能なサーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、
前記通信装置へ、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて通知する、
ことを含む制御方法。
【0064】
(付記13)
付記12において、
前記ローカルプロトコルとして、UPnPプロトコルを用いる、
ことを特徴とした制御方法。
【符号の説明】
【0065】
1 通信システム
10 通信装置
11 呼制御部
12, 21 プロトコルI/F部
13 電話機I/F部
14, 24 記憶部
20 ルータ
22 キャリア網I/F部
23 中継部
30 キャリア網
40 光回線終端装置
100 M_SERACHメッセージ
200, 400, 600 HTTP 200 OKメッセージ
300 HTTP GETメッセージ
500 HTTP_POSTメッセージ
700 SIP情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア網上に設置されるサーバとの通信に際して、SIP(Session Initiate Protocol)に則した呼制御を行う呼制御手段と、
自装置及び前記キャリア網の間でトラヒックを中継するルータと接続する第1のインタフェース手段と、を備え、
前記呼制御手段は、
前記第1のインタフェース手段を介して前記ルータから、前記ルータによりDHCP(Dynamic Host Configuration Proctol)を用いて予め取得された前記サーバへの接続に必要な情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する、
通信装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記呼制御手段は、前記ローカルプロトコルとして、UPnP(Universal Plug and Play)プロトコルを用いる、
ことを特徴とした通信装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
他の通信装置と接続する第2のインタフェース手段を、さらに備え、
前記呼制御手段は、前記第1及び第2のインタフェース手段を介して、前記サーバと前記他の通信装置との間の呼を接続する、
ことを特徴とした通信装置。
【請求項4】
通信装置と接続する第1のインタフェース手段と、
キャリア網と接続する第2のインタフェース手段と、
前記第1及び第2のインタフェース手段を介して、前記通信装置と前記キャリア網との間のトラヒックを中継する中継手段と、を備え、
前記中継手段は、
前記第2のインタフェース手段を介して前記キャリア網から、SIPに則して前記通信装置と通信可能なサーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、
前記第1のインタフェース手段を介して前記通信装置へ、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて通知する、
ルータ。
【請求項5】
請求項4において、
前記中継手段は、前記ローカルプロトコルとして、UPnPプロトコルを用いる、
ことを特徴としたルータ。
【請求項6】
キャリア網上に設置されるサーバとの通信を、SIPに則して行う通信装置と、
前記通信装置と前記キャリア網との間でトラヒックを中継するルータと、を備え、
前記ルータは、前記キャリア網から、前記サーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、
前記通信装置は、前記ルータから、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する、
通信システム。
【請求項7】
キャリア網上に設置されるサーバとの通信を、SIPに則して行う通信装置の制御方法であって、
前記通信装置と前記キャリア網との間でトラヒックを中継するルータから、前記ルータによりDHCPを用いて予め取得された前記サーバへの接続に必要な情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得し、
前記情報を、前記サーバとの通信に際しての呼制御に用いる、
ことを含む制御方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記ローカルプロトコルとして、UPnPプロトコルを用いる、
ことを特徴とした制御方法。
【請求項9】
請求項7又は8において、
前記サーバと他の通信装置との間の呼を接続する、
ことをさらに含む制御方法。
【請求項10】
通信装置とキャリア網との間のトラヒックを中継するルータの制御方法であって、
前記キャリア網から、SIPに則して前記通信装置と通信可能なサーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、
前記通信装置へ、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて通知する、
ことを含む制御方法。
【請求項1】
キャリア網上に設置されるサーバとの通信に際して、SIP(Session Initiate Protocol)に則した呼制御を行う呼制御手段と、
自装置及び前記キャリア網の間でトラヒックを中継するルータと接続する第1のインタフェース手段と、を備え、
前記呼制御手段は、
前記第1のインタフェース手段を介して前記ルータから、前記ルータによりDHCP(Dynamic Host Configuration Proctol)を用いて予め取得された前記サーバへの接続に必要な情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する、
通信装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記呼制御手段は、前記ローカルプロトコルとして、UPnP(Universal Plug and Play)プロトコルを用いる、
ことを特徴とした通信装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
他の通信装置と接続する第2のインタフェース手段を、さらに備え、
前記呼制御手段は、前記第1及び第2のインタフェース手段を介して、前記サーバと前記他の通信装置との間の呼を接続する、
ことを特徴とした通信装置。
【請求項4】
通信装置と接続する第1のインタフェース手段と、
キャリア網と接続する第2のインタフェース手段と、
前記第1及び第2のインタフェース手段を介して、前記通信装置と前記キャリア網との間のトラヒックを中継する中継手段と、を備え、
前記中継手段は、
前記第2のインタフェース手段を介して前記キャリア網から、SIPに則して前記通信装置と通信可能なサーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、
前記第1のインタフェース手段を介して前記通信装置へ、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて通知する、
ルータ。
【請求項5】
請求項4において、
前記中継手段は、前記ローカルプロトコルとして、UPnPプロトコルを用いる、
ことを特徴としたルータ。
【請求項6】
キャリア網上に設置されるサーバとの通信を、SIPに則して行う通信装置と、
前記通信装置と前記キャリア網との間でトラヒックを中継するルータと、を備え、
前記ルータは、前記キャリア網から、前記サーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、
前記通信装置は、前記ルータから、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得する、
通信システム。
【請求項7】
キャリア網上に設置されるサーバとの通信を、SIPに則して行う通信装置の制御方法であって、
前記通信装置と前記キャリア網との間でトラヒックを中継するルータから、前記ルータによりDHCPを用いて予め取得された前記サーバへの接続に必要な情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて取得し、
前記情報を、前記サーバとの通信に際しての呼制御に用いる、
ことを含む制御方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記ローカルプロトコルとして、UPnPプロトコルを用いる、
ことを特徴とした制御方法。
【請求項9】
請求項7又は8において、
前記サーバと他の通信装置との間の呼を接続する、
ことをさらに含む制御方法。
【請求項10】
通信装置とキャリア網との間のトラヒックを中継するルータの制御方法であって、
前記キャリア網から、SIPに則して前記通信装置と通信可能なサーバへの接続に必要な情報を、DHCPを用いて取得し、
前記通信装置へ、前記情報を、前記SIP及びDHCPと異なるローカルプロトコルを用いて通知する、
ことを含む制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−21659(P2013−21659A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155914(P2011−155914)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【特許番号】特許第5057124号(P5057124)
【特許公報発行日】平成24年10月24日(2012.10.24)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【特許番号】特許第5057124号(P5057124)
【特許公報発行日】平成24年10月24日(2012.10.24)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
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