説明

通信装置、及びその制御方法

【課題】データをフレーム単位で通信する通信装置において、フレームデータの伝送方向を切り替えることを可能にし、フレームデータの双方向通信を実現する技術を提供する。
【解決手段】外部装置とデータをフレーム単位で半二重通信するデータ通信手段と、データ通信手段によるフレームデータの伝送方向を切り替える切替手段と、データ通信手段でフレームデータを送信中に、伝送方向の切り替えを行う場合、伝送方向の切り替えの開始を指示する開始指示を送信中のフレームデータに含めて送信するようにデータ通信手段を制御すると共に、開始指示が含まれたフレームデータの送信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように切替手段を制御する第1制御手段と、データ通信手段で受信中のフレームデータに開始指示が含まれていた場合、開始指示が含まれたフレームデータの受信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように切替手段を制御する第2制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置と、データをフレーム単位で通信する通信装置、及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えばハードディスクレコーダ(HDR)などの記録装置に、例えばデジタルテレビ(DTV)などの表示装置を接続し、記録装置に記録された映像データや音声データ(以下、「AVデータ」と呼ぶ)を表示装置に伝送することが広く行われている。記録装置と表示装置とを接続するためのデジタルインタフェースとして、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)が知られている。また、PCと表示装置とを接続するためのデジタルインタフェースとしてはDVI(Digital Visual Interface)が知られている。DVIやHDMIなどのインタフェースでは、映像データはフレーム単位で通信される。但し、DVIでは映像データ(Videoデータ)の通信のみで、音声データ(Audioデータ)の通信はサポートされていない。
【0003】
現在、HDR機能を内蔵したDTV(HDR機能付DTV)などのように、記録装置と再生装置とが一体化した装置が普及している。HDR機能付DTVは、他の記録装置から映像データを受信したり、他の表示装置へ映像データを送信したりする機能、即ち、映像データを双方向通信する機能を備えていることが好ましい。
【0004】
しかしながら、DVIやHDMIなどのインタフェースは、一方向にしか映像データを送信することができない。HDMIに関しては音声データも映像データと同様、一方向にしか送信できない。従って、DVIやHDMIなどのインタフェースで映像データや、映像データと音声データとからなるAVデータの双方向通信を実現するためには、これらのインタフェースを2つ備える必要があった。
【0005】
これに対し、ブランキング期間を利用してデータの双方向通信を行う技術が知られている(特許文献1参照)。また、バックアップ用VTRを接続するケーブルとして、VとAのアナログケーブルをそれぞれ双方向の伝送が可能なように構成し、更にコントロール信号のラインを加え、これらの構成を1つのコネクタで実装することも知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−136509号公報
【特許文献2】特開2001―83209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には、ブランキング期間以外の期間におけるデータの伝送方向を切り替えることは開示されていない。
【0007】
また、特許文献2では、転送方向の切り替えにおける具体的な構成の開示がなく、どういったシーケンスで切り替えが行われているかの開示もない。
【0008】
即ち、特許文献1及び特許文献2を考慮しても、フレーム単位でデータ(典型的には映像データだが、映像データに限らない)を通信する通信装置において、データの伝送方向を切り替えることは不可能である。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、データをフレーム単位で通信する通信装置において、フレームデータの伝送方向を切り替えることを可能にし、フレームデータの双方向通信を実現する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、第1の本発明によれば、外部装置とデータをフレーム単位で半二重通信するデータ通信手段と、前記データ通信手段によるフレームデータの伝送方向を切り替える切替手段と、前記データ通信手段でフレームデータを送信中に、伝送方向の切り替えを行う場合、伝送方向の切り替えの開始を指示する開始指示を前記送信中のフレームデータに含めて送信するように前記データ通信手段を制御すると共に、前記開始指示が含まれたフレームデータの送信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第1制御手段と、前記データ通信手段で受信中のフレームデータに前記開始指示が含まれていた場合、前記開始指示が含まれたフレームデータの受信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第2制御手段と、を備えることを特徴とする通信装置が提供される。
【0011】
また、第2の本発明によれば、外部装置とデータをフレーム単位で半二重通信するデータ通信手段と、前記データ通信手段による通信とは非同期に前記外部装置と制御信号を通信する制御信号通信手段と、前記データ通信手段によるフレームデータの伝送方向を切り替える切替手段と、前記データ通信手段でフレームデータを送信中に、伝送方向の切り替えを行う場合、伝送方向の切り替えの開始を指示する開始指示を送信するように前記制御信号通信手段を制御すると共に、前記開始指示が前記外部装置に到達して解釈されるまでの時間に送信可能なフレームデータの数を算出し、前記算出された数以上のフレームデータの送信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第1制御手段と、前記データ通信手段でフレームデータを受信中に、前記制御信号通信手段で前記開始指示を受信した場合、前記データ通信手段によるフレームデータの受信終了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第2制御手段と、を備えることを特徴とする通信装置が提供される。
【0012】
また、第3の本発明によれば、外部装置とデータをフレーム単位で半二重通信するデータ通信手段と、前記データ通信手段によるフレームデータの伝送方向を切り替える切替手段と、を備える通信装置の制御方法であって、前記データ通信手段でフレームデータを送信中に、伝送方向の切り替えを行う場合、伝送方向の切り替えの開始を指示する開始指示を前記送信中のフレームデータに含めて送信するように前記データ通信手段を制御すると共に、前記開始指示が含まれたフレームデータの送信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第1制御工程と、前記データ通信手段で受信中のフレームデータに前記開始指示が含まれていた場合、前記開始指示が含まれたフレームデータの受信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第2制御工程と、を備えることを特徴とする制御方法が提供される。
【0013】
また、第4の本発明によれば、外部装置とデータをフレーム単位で半二重通信するデータ通信手段と、前記データ通信手段による通信とは非同期に前記外部装置と制御信号を通信する制御信号通信手段と、前記データ通信手段によるフレームデータの伝送方向を切り替える切替手段と、を備える通信装置の制御方法であって、前記データ通信手段でフレームデータを送信中に、伝送方向の切り替えを行う場合、伝送方向の切り替えの開始を指示する開始指示を送信するように前記制御信号通信手段を制御すると共に、前記開始指示が前記外部装置に到達して解釈されるまでの時間に送信可能なフレームデータの数を算出し、前記算出された数以上のフレームデータの送信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第1制御工程と、前記データ通信手段でフレームデータを受信中に、前記制御信号通信手段で前記開始指示を受信した場合、前記データ通信手段によるフレームデータの受信終了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第2制御工程と、を備えることを特徴とする制御方法が提供される。
【0014】
なお、その他の本発明の特徴は、添付図面及び以下の発明を実施するための最良の形態における記載によって更に明らかになるものである。
【発明の効果】
【0015】
以上の構成により、本発明によれば、データをフレーム単位で通信する通信装置において、フレームデータの伝送方向を切り替えることを可能にし、フレームデータの双方向通信を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。
【0017】
なお、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせすべてが、本発明に必須とは限らない。
【0018】
また、以下では、通信装置の一例として、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)に本願発明を適用した実施形態を説明する。しかしながら、本願発明は、フレーム単位でデータを通信する通信方式(例えばDVI(Digital Visual Interface))を用いるあらゆる通信装置に適用可能である。また、データの通信経路は、有線でもよいし、無線でもよい。更に、通信装置で通信されるデータは典型的には映像(Video)データであるが、映像データに限定されるものではない。
【0019】
[第1の実施形態]
<通信装置100の構成>
図1は、第1の実施形態に係る通信装置100の構成例を示すブロック図である。通信装置100は、本願発明の概念に従って、従来のHDMIを改良したものである。
【0020】
通信装置100は、外部装置(他の通信装置)と通信するためのライン(有線でも無線でもよい)として、
・CEC(Consumer Electronics Control)ライン101・TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)データライン102
・TMDSクロックライン103
・DDC(Display Data Channel)ライン104
を備える。
【0021】
CECライン101は、外部装置と制御信号を通信するためのラインである。TMDSデータライン102は、外部装置とフレーム単位で映像データを通信するためのラインである。TMDSクロックライン103は、TMDSデータライン102のためのクロックを供給するラインである。DDCライン104は、通信装置100や他の通信装置の設定情報やステータス情報などを通信するためのラインである。
【0022】
本実施形態では、TMDSデータライン102は、3つのチャネル(Ch0、Ch1、及びCh2)を有するものとするが、チャネルの数は任意である。
【0023】
通信装置100はまた、伝送方向切り替え部105、データ通信部106、CECコマンド発行解釈部108、データ処理部109、及びCPU111を備える。
【0024】
切替手段の一例としての伝送方向切り替え部105は、データ通信部106による伝送方向の設定及び切り替えを行う。
【0025】
データ通信部106は、データ送信部107a及びデータ受信部107bを備え、伝送方向切り替え部105によって設定された伝送方向で、外部装置とフレーム単位でデータを通信する。データの伝送方向は、送信又は受信のどちらか一方向にしか設定されないため、データ通信部106は、同時にデータの送受信を行うことはできない。即ち、データ通信部106は、半二重通信による双方向通信が可能である。以後、この半二重通信におけるフレームデータの流れる方向を伝送方向と定義する。
【0026】
制御信号通信手段の一例であるCECコマンド発行解釈部108は、CECライン101を介して、種々の制御信号(例えば、伝送方向を切り替える切替要求)を通信する。CECコマンド発行解釈部108はまた、通信する制御信号の生成(発行)及び解釈も行う。ここで、CECコマンド発行解釈部108は、データ通信部106とは非同期に双方向通信を行うことができる。
【0027】
データ処理部109は、データ通信部106が通信するフレーム単位のデータ(フレームデータ)を処理する。データ処理部109は、TMDSコマンド発行解釈部110を備える。TMDSコマンド発行解釈部110は、フレームデータに含まれる制御信号(例えば、伝送方向の切り替えの開始を指示する開始指示)の生成(発行)及び解釈を行う。
【0028】
図2は、フレームデータの一例を示す図である。フレームデータは、垂直ブランキング期間201、水平ブランキング期間202、及びアクティブ期間203を含む。即ち、本実施形態において、フレームデータはブランキング期間を有するビデオフレームデータである。AVデータをHDMIで伝送する場合において、表示装置に表示される映像のデータは、アクティブ期間203に含まれる。音声データや制御信号などの他のデータは、垂直ブランキング期間201及び水平ブランキング期間202の一方又は両方に含まれる。なお、ブランキング期間に含まれる制御信号はCECライン101を介して通信されるCECコマンドとは異なるものであることに注意されたい。ブランキング期間に含まれる制御信号はフレームに同期して片方向のみ伝送可能であるが、CECライン101を介して通信されるCECコマンドはフレームに非同期で双方向に通信可能である。本実施形態では、伝送方向の切り替えの開始を指示する開始指示は、フレームデータに含まれて通信される(詳細は後述)。開始指示などの制御信号は、通常、映像への悪影響を避けるために、ブランキング期間(水平ブランキング期間202又はアクティブ期間203)に含まれるが、これに限定されるものではなく、アクティブ期間203に含まれてもよい。
【0029】
制御手段の一例であるCPU111は、通信装置100の各構成要素を制御する。具体的には、例えば、CECコマンド発行解釈部108に対して制御信号の発行及び送信を指示したり、CECコマンド発行解釈部108が受信した制御信号の解釈結果の通知を受けて、制御信号に基づく制御を行ったりする。また、伝送方向切り替えEN(Enable)信号線113を介して、伝送方向を切り替えるように伝送方向切り替え部105を制御する。
【0030】
通信装置100はまた、通信装置100を搭載する機器の機器情報などを保持するEDID(Extended Display Identification Data)ROM112を備える。
【0031】
通信装置100はまた、通信装置100内部におけるデータ通信路であるデータバス114を備える。
【0032】
<フレームデータ伝送方向切替処理の流れ(送信側から受信側へ)>
図3は、第1の実施形態に係る通信装置100を備えるハードディスクレコーダ(HDR)300において、フレームデータの伝送方向を送信側から受信側へ切り替える処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートにおいて、HDR300は、例えばデジタルテレビ(DTV)などの外部装置(不図示)に対してデータを送信中であるものとする。
【0033】
S301において、CECコマンド発行解釈部108が、伝送方向を切り替える切替要求を受信すると、本フローチャートの処理が開始する。
【0034】
S302で、CPU111は、通信装置100がフレームデータの双方向通信に対応しているか否かを判定する。本実施形態では、通信装置100がフレームデータの双方向通信に対応しているものとするので、S303に進む。仮に通信装置100がフレームデータの双方向通信に対応していない場合、CECコマンド発行解釈部108は切替要求を解釈できないので、CPU111は以下の処理を行うこと無く、本フローチャートの処理は終了する(即ち、切替要求は無視される)。
【0035】
S303で、CPU111はTMDSコマンド発行解釈部110及びデータ通信部106を利用して、送信中のフレームデータ(図2参照)に伝送方向の切り替えの開始を指示する開始指示を含めて、外部装置へ送信する。なお、開始指示は、開始指示を送信する通信装置100のEDID ROM112に格納されている機器情報を含むことが好ましい(以下同様)。
【0036】
S304で、開始指示が含まれたフレームデータの送信が完了すると、S305で、CPU111は伝送方向切り替え部105に対して伝送方向切り替えEN信号をアサートする。
【0037】
S306で、伝送方向切り替え部105は、データ通信部106の伝送方向を送信側(ソース)から受信側(シンク)に切り替える。その後、S307で、データ通信部106は、外部装置からのフレームデータの受信を開始する。
【0038】
以上の処理により、HDR300は、データの送信側(ソース)から受信側(シンク)に切り替わる。
【0039】
本フローチャートにおいて特に注目すべきことは、S304において開始指示が含まれたフレームの送信完了後にS305に移行することである。これにより、データをフレーム単位で通信する通信装置100において、フレームに同期して伝送方向を切り替えることが可能となる。
【0040】
なお、図3のフローチャートでは、HDR300は、外部装置から受信した切替要求をトリガーとしてフレームデータの伝送方向を切り替えたが、トリガーはこれに限られない。例えば、HDR300が時計を備え、所定の時刻に伝送方向を切り替えるようにHDR300を構成してもよい。この場合、HDR300の通信装置100は切替要求を受信する必要が無いので、CECライン101及びCECコマンド発行解釈部108を備える必要は無い。
【0041】
<フレームデータ伝送方向切替処理の流れ(受信側から送信側へ)>
図4は、第1の実施形態に係る通信装置100を備えるハードディスクレコーダ(HDR)300において、フレームデータの伝送方向を受信側から送信側へ切り替える処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートにおいて、HDR300は、例えばHDR機能付DTVなどの外部装置(不図示)に対してデータを送信中であるものとする。
【0042】
S401において、データ通信部106が、フレームデータの方向を切替可能か否かを確認する確認要求の含まれたフレームデータを受信し、TMDSコマンド発行解釈部110が確認要求を解釈すると、本フローチャートの処理が開始する。
【0043】
S402で、CPU111は、通信装置100がフレームデータの双方向通信に対応しているか否かを判定する。本実施形態では、通信装置100がフレームデータの双方向通信に対応しているものとするので、S403に進む。仮に通信装置100がフレームデータの双方向通信に対応していない場合、TMDSコマンド発行解釈部110は確認要求を解釈できないので、CPU111は以下の処理を行うこと無く、本フローチャートの処理は終了する(即ち、確認要求は無視される)。
【0044】
S403で、CECコマンド発行解釈部108は、フレームデータの伝送方向を切替可能であることを示す応答指示を外部装置へ送信する。
【0045】
S404において、S403における応答指示の送信後、予め定められた時間が経過する前に、開始指示の含まれたフレームデータをデータ通信部106が受信して、TMDSコマンド発行解釈部110が開始指示を解釈した場合、S405に進む。予め定められた時間が経過する前に開始指示が受信されなかった場合、何らかのエラーが発生したと考えられるので、CPU111は以下の処理を行うこと無く、本フローチャートの処理は終了する。
【0046】
S405で、開始指示が含まれたフレームデータの受信が完了すると、S406で、CPU111は伝送方向切り替え部105に対して伝送方向切り替えEN信号をアサートする。
【0047】
S407で、伝送方向切り替え部105は、データ通信部106の伝送方向を受信側(シンク)から送信側(ソース)に切り替える。その後、S408で、データ通信部106は、外部装置へのフレームデータの送信を開始する。
【0048】
以上の処理により、HDR300は、データの受信側(シンク)から受信側(ソース)に切り替わる。
【0049】
本フローチャートにおいて特に注目すべきことは、S405において開始指示が含まれたフレームデータの受信完了後にS406に移行することである。これにより、データをフレーム単位で通信する通信装置100において、フレームに同期して伝送方向を切り替えることが可能となる。
【0050】
なお、図4のフローチャートでは、HDR300は、外部装置から受信した確認要求と、それに続いて受信した開始指示をトリガーとして伝送方向を切り替えた。しかし、HDR300の通信装置100がフレームデータの双方向通信に対応していることが前提で、確認を必要としない場合などは、確認要求は不要である。この場合、HDR300の通信装置100は、S404における開始指示の受信をトリガーとしてS405以降の処理を実行し、フレームデータの伝送方向を切り替える。そして、通信装置100は応答指示を送信する必要が無いので、CECライン101及びCECコマンド発行解釈部108を備える必要は無い。
【0051】
<リモコンなどからの切替指示>
図3及び図4のフローチャートにおいては、HDR300は、通信相手の外部装置からフレームデータの伝送方向を切り替えるトリガー(S301の切替要求、S401の確認要求、S404の開始指示など)を受信した。しかし、HDR300は、外部装置以外(例えば、HDR300のリモコンや操作パネルなど)を介して、伝送方向を切り替えるトリガーを受信してもよい。以下、図5及び図6を参照して説明する。
【0052】
なお、図5及び図6において、図3及び図4と同一の処理が行われるステップには同一の符号を付し、説明を省略する。
【0053】
図5は、HDR300が、第1の実施形態に係る通信装置100を備えるHDR機能付DTV500へ映像データを送信中に、フレームデータの伝送方向の切り替えを指示する切替指示を受信した場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
図5のHDR300の通信装置100は、フレームデータの伝送方向の切り替えを指示する切替指示を、リモコン300aを介して受信する受信部(不図示)を備える。
【0055】
S501において、受信部が切替指示を受信すると、S502で、データ通信部106が、伝送方向を切替可能か否かを確認する確認要求の含まれたフレームデータを送信する。
【0056】
S503において、S502における確認要求の送信後、予め定められた時間が経過する前に、CECコマンド発行解釈部108が応答指示を受信した場合、S303に進む。予め定められた時間が経過する前に応答指示が受信されなかった場合、外部装置(図5ではHDR機能付DTV500)の通信装置100は伝送方向を切替不可能であると考えられる。そこで、S504で、CPU111は通知手段の一例であるディスプレイ(不図示)にその旨のメッセージを表示してユーザに通知し、本フローチャートの処理は終了する。なお、通知手段は、視覚的なものに限定されず、例えば、ブザーなどであってもよい。
【0057】
また、HDR機能付DTV500の通信装置がフレームデータの伝送方向を切替可能であることが分かっている場合など、確認要求の送信を必要としない場合は、S502乃至S504は省略可能である。
【0058】
図6は、HDR機能付DTV500が、HDR300からフレームデータを受信中に、フレームデータの伝送方向の切り替えを指示する切替指示を受信した場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
図6のHDR機能付DTV500の通信装置100は、伝送方向の切り替えを指示する切替指示を、リモコン500aを介して受信する受信部(不図示)を備える。
【0060】
S601において、受信部が切替指示を受信すると、S602で、CECコマンド発行解釈部108が切替要求を送信する。
【0061】
S603において、S602における切替要求の送信後、予め定められた時間が経過する前に、開始指示の含まれたフレームデータをデータ通信部106が受信して、TMDSコマンド発行解釈部110が開始指示を解釈した場合、S405に進む。予め定められた時間が経過する前に開始指示が受信されなかった場合、外部装置(図6ではHDR300)の通信装置100はフレームデータの伝送方向を切替不可能であると考えられる。そこで、S604で、CPU111は通知手段の一例であるディスプレイ(不図示)にその旨のメッセージを表示し、本フローチャートの処理は終了する。なお、通知手段は、視覚的なものに限定されず、例えば、ブザーなどであってもよい。
【0062】
本実施形態においては、機器情報は、開始指示と共にフレームデータのブランキング期間に含めて送信したが、ブランキング期間でなく、例えば、送信する最後のフレームデータに含めて送信しても構わない。また、機器情報とは、EDID ROM112に格納されている情報に限らず、通信を開始する上で必要な機器情報のみであっても構わない。
【0063】
また、通信相手が双方向通信に対応しているか(フレームデータの伝送方向を切替可能か)否かの確認は、例えば、次の構成により簡略化することが可能である。即ち、EDID ROM112、もしくは、他のROM(不図示)に、予め双方向通信に対応しているか否かの情報を保存しておく。そして、通信装置同士(例えば、HDR300とHDR機能付DTV500)がデータの通信を開始する前に相互に機器認証を行う際に、双方向通信に対応しているか否かの情報を交換してもよい。
【0064】
以上説明したように、本実施形態によれば、通信装置100がフレームデータを送信中にフレームデータの伝送方向の切り替えを行う場合、開始指示を送信中のフレームデータに含めて送信する。そして、開始指示が含まれたフレームデータの送信完了後にフレームデータの伝送方向を切り替える。また、通信装置100が受信中のフレームデータに開始指示が含まれていた場合、通信装置100は、開始指示が含まれたフレームデータの受信完了後にフレームデータの伝送方向を切り替える。
【0065】
これにより、フレーム単位でデータを通信する通信装置において、データの伝送方向を切り替えることを可能にし、データの双方向通信を実現することが可能となる。また、伝送方向の切り替えを、フレームに同期して行うことが可能となる。
【0066】
更に、機器情報が開始指示に含まれる場合は、伝送方向の切り替え後にDDCライン104を利用して機器情報を転送することを省略できるため、伝送方向の切り替えをより高速に行うことができる。
【0067】
また、双方向通信に対応しているか否かの情報を通信開始前に通信相手に送信した場合、伝送方向の切り替えの際に確認要求を転送することを省略できるため、伝送方向の切り替えをより高速に行うことができる。
【0068】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、開始指示及び確認要求は、フレームデータに含まれて通信された。第2の実施形態では、開始指示及び確認要求は、CECコマンド発行解釈部108(図1参照)によって通信される。これにより、通信装置100は、TMDSコマンド発行解釈部110を備える必要は無くなる。即ち、第2の実施形態に係る通信装置100は、第1の実施形態に係る通信装置100からTMDSコマンド発行解釈部110を除いたものである。
【0069】
以下、図7及び図8を参照して、フレームデータの伝送方向切替処理の流れを説明する。本実施形態でも、第1の実施形態と同様、フレームデータの伝送方向切替処理には4つのパターンがある。即ち、
パターン1:フレームデータ送信中に通信相手の外部装置以外から切替指示を受信する場合(図7のHDR300)
パターン2:フレームデータ受信中に通信相手の外部装置から確認要求を受信する場合(図7のHDR機能付DTV500)
パターン3:フレームデータ送信中に通信相手の外部装置から切替要求を受信する場合(図8のHDR300)
パターン4:フレームデータ受信中に通信相手の外部装置以外から切替指示を受信する場合(図8のHDR機能付DTV500)
の4パターンである。
【0070】
図7を参照して、パターン1及び2について説明する。なお、説明を簡潔にするために、第1の実施形態(図5参照)との相違点のみ説明し、図3、図4、及び図5と同一の処理が実行されるステップには同一の符号を付し、説明を省略する。
【0071】
まず、パターン1について説明する。
【0072】
S701では、S502と異なり、CECコマンド発行解釈部108が開始指示を送信する。S701における開始指示は、確認要求を兼ねるが、機器情報は含まれない。
【0073】
S503で予め定められた時間内に応答指示が受信された場合、データ通信部106が応答指示受信時に送信中のフレームデータ(或いは送信中のフレームデータ以降に送信されるフレームデータ)をS702及びS703で送信完了後、S305に進む。即ち、S503で応答指示を受信後、S702及びS703で予め定められた数のフレームデータを送信完了させることで、フレームに同期した伝送方向の切り替えが実現される。
【0074】
S704では、DDCライン104を介してHDR300の機器情報が送信される。本実施形態では、機器情報を含む開始指示が送信されないため、このステップが必要になる。但し、第1の実施形態と同様、通信開始前に機器情報が交換されていても構わない。
【0075】
次に、パターン2について説明する。
【0076】
S711では、S401と異なり、CECコマンド発行解釈部108が開始指示を受信する。S711における開始指示は、確認要求を兼ねるが、機器情報は含まれない。
【0077】
S712で、CPU111は、データ通信部106を介したフレームデータの受信が終了するまで待ち、受信終了後、S406に進む。即ち、第1の実施形態(図5のS404参照)とは異なり、CPU111は、通信相手のHDR300からフレームデータが送信されなくなったことをトリガーとして、S406以降の処理を行う。
【0078】
S713では、DDCライン104を介してHDR300の機器情報が受信(取得)される。S713が必要な理由は、S704が必要な理由と同様である。
【0079】
なお、HDR機能付DTV500が双方向通信に対応しているか否かを確認する必要が無い場合などは、S701及びS711において、開始指示が確認要求を兼ねる必要は無い。この場合、図7において、S503、S402、及びS403は省略可能である。
【0080】
次に、図8を参照して、パターン3及び4について説明する。なお、説明を簡潔にするために、第1の実施形態(図6参照)との相違点のみ説明し、図3、図4、図6、及び図7と同一の処理が実行されるステップには同一の符号を付し、説明を省略する。
【0081】
まず、パターン3について説明する。
【0082】
S801では、S303と異なり、CECコマンド発行解釈部108が開始指示を送信する。この開始指示には、機器情報が含まれてもよいが、本実施形態では含まれないものとする。
【0083】
S802で、CPU111は、開始指示がHDR機能付DTV500に到達して解釈されるまでの時間tを、CECライン101の通信速度や開始指示のデータ量に基づいて計算し、時間tに送信可能なフレームデータの数Nを算出する。そして、データ通信部106がフレームデータをN回(或いはそれ以上、即ち、予め定められた数以上)送信し、S304に進む。これにより、HDR機能付DTV500においてフレームデータの伝送方向を切り替える準備が完了する前にフレームデータの送信が終了することが防止される。
【0084】
次に、パターン4について説明する。
【0085】
S811では、S603と異なり、CECコマンド発行解釈部108が開始指示を受信する。開始指示の受信後、S712に進み、パターン2と同様、CPU111はフレームデータの受信終了を待ってフレームデータの伝送方向の切り替えを行う。
【0086】
なお、第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、通信相手が双方向通信に対応しているか否かの確認は、通信開始前に行われてもよい。
【0087】
また、機器情報の交換は、伝送方向を切り替える前に、CECライン101の帯域に余裕がある時にCECライン101経由で行われてもよい。
【0088】
以上説明したように、本実施形態によれば、開始指示及び確認要求は、CECコマンド発行解釈部108によって通信される。
【0089】
これにより、通信装置100からTMDSコマンド発行解釈部110を除くことが可能となり、通信装置100の構成が簡略化される。
【0090】
[その他の実施形態]
上述した各実施の形態の処理は、各機能を具現化したソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或は装置に提供してもよい。そして、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって、前述した実施形態の機能を実現することができる。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピィ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどを用いることができる。或いは、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることもできる。
【0091】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれている。
【0092】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれてもよい。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】第1の実施形態に係る通信装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】フレームデータの一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る通信装置を備えるハードディスクレコーダ(HDR)において、データの伝送方向を送信側から受信側へ切り替える処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態に係る通信装置を備えるハードディスクレコーダ(HDR)において、データの伝送方向を受信側から送信側へ切り替える処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】HDRが、第1の実施形態に係る通信装置を備えるHDR機能付DTVへデータを送信中に、伝送方向の切り替えを指示する切替指示を受信した場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】HDR機能付DTVが、HDRからデータを受信中に、伝送方向の切り替えを指示する切替指示を受信した場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態において、伝送方向を切り替える処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
【図8】第2の実施形態において、伝送方向を切り替える処理の流れを示すフローチャートを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置とデータをフレーム単位で半二重通信するデータ通信手段と、
前記データ通信手段によるフレームデータの伝送方向を切り替える切替手段と、
前記データ通信手段でフレームデータを送信中に、伝送方向の切り替えを行う場合、伝送方向の切り替えの開始を指示する開始指示を前記送信中のフレームデータに含めて送信するように前記データ通信手段を制御すると共に、前記開始指示が含まれたフレームデータの送信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第1制御手段と、
前記データ通信手段で受信中のフレームデータに前記開始指示が含まれていた場合、前記開始指示が含まれたフレームデータの受信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第2制御手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記データ通信手段による通信とは非同期に前記外部装置と制御信号を通信する制御信号通信手段を更に備え、
前記第1制御手段による制御は、前記制御信号通信手段で前記伝送方向を切り替える切替要求を受信した場合に実行される
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記伝送方向の切り替えを指示する切替指示を前記外部装置以外から受信する受信手段を更に備え、
前記第1制御手段による制御は、前記受信手段で前記切替指示を受信した場合にも実行される
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記データ通信手段でフレームデータを受信中に前記切替指示を受信した場合、前記切替要求を送信するように前記制御信号通信手段を制御すると共に、前記切替要求に対する応答としての前記開始指示が含まれたフレームデータの受信完了に応じて、前記伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第3制御手段
を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記データ通信手段でフレームデータを送信中に前記切替指示を受信した場合、伝送方向を切替可能か否かを確認する確認要求を前記送信中のフレームデータに含めて送信するように前記データ通信手段を制御すると共に、前記確認要求に対する応答として、前記制御信号通信手段で伝送方向を切替可能であることを示す応答指示を受信した場合に、前記第1制御手段による制御を実行させる第4制御手段
を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記第3制御手段の制御による前記切替要求の送信後、前記開始指示が含まれたフレームデータが予め定められた第1の時間内に受信されなかった場合、又は、前記第4制御手段の制御による前記確認要求の送信後、前記応答指示が予め定められた第2の時間内に受信されなかった場合に、前記外部装置が伝送方向を切替不可能であることをユーザに通知する通知手段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記フレームデータは、ブランキング期間を有するビデオフレームデータであり、
前記切替要求及び前記開始指示のうちの少なくとも一方は、前記ブランキング期間に含まれる
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
外部装置とデータをフレーム単位で半二重通信するデータ通信手段と、
前記データ通信手段による通信とは非同期に前記外部装置と制御信号を通信する制御信号通信手段と、
前記データ通信手段によるフレームデータの伝送方向を切り替える切替手段と、
前記データ通信手段でフレームデータを送信中に、伝送方向の切り替えを行う場合、伝送方向の切り替えの開始を指示する開始指示を送信するように前記制御信号通信手段を制御すると共に、前記開始指示が前記外部装置に到達して解釈されるまでの時間に送信可能なフレームデータの数を算出し、前記算出された数以上のフレームデータの送信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第1制御手段と、
前記データ通信手段でフレームデータを受信中に、前記制御信号通信手段で前記開始指示を受信した場合、前記データ通信手段によるフレームデータの受信終了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第2制御手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項9】
前記第1制御手段による制御は、前記制御信号通信手段で伝送方向を切り替える切替要求を受信した場合に実行される
ことを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
伝送方向の切り替えを指示する切替指示を前記外部装置以外から受信する受信手段を更に備え、
前記第1制御手段による制御は、前記受信手段で前記切替指示を受信した場合にも実行される
ことを特徴とする請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
前記データ通信手段でフレームデータを受信中に前記切替指示を受信した場合、前記切替要求を送信するように前記制御信号通信手段を制御すると共に、前記データ通信手段によるフレームデータの受信終了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第3制御手段
を更に備えることを特徴とする請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記データ通信手段でフレームデータを送信中に前記切替指示を受信した場合、前記第1制御手段の制御により送信された前記開始指示に対する応答として、前記制御信号通信手段で伝送方向を切替可能であることを示す応答指示を受信後、予め定められた数のフレームデータの送信完了に応じて、前記切替手段により伝送方向を切り替えるように前記第1制御手段を制御する第4制御手段
を更に備えることを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
前記第3制御手段の制御による前記切替要求の送信後、前記開始指示が予め定められた第1の時間内に受信されなかった場合、又は、前記第1制御手段の制御による前記開始指示の送信後、前記応答指示が予め定められた第2の時間内に受信されなかった場合に、前記外部装置が伝送方向を切替不可能であることをユーザに通知する通知手段を更に備えることを特徴とする請求項12に記載の通信装置。
【請求項14】
外部装置とデータをフレーム単位で半二重通信するデータ通信手段と、前記データ通信手段によるフレームデータの伝送方向を切り替える切替手段と、を備える通信装置の制御方法であって、
前記データ通信手段でフレームデータを送信中に、伝送方向の切り替えを行う場合、伝送方向の切り替えの開始を指示する開始指示を前記送信中のフレームデータに含めて送信するように前記データ通信手段を制御すると共に、前記開始指示が含まれたフレームデータの送信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第1制御工程と、
前記データ通信手段で受信中のフレームデータに前記開始指示が含まれていた場合、前記開始指示が含まれたフレームデータの受信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第2制御工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項15】
外部装置とデータをフレーム単位で半二重通信するデータ通信手段と、前記データ通信手段による通信とは非同期に前記外部装置と制御信号を通信する制御信号通信手段と、前記データ通信手段によるフレームデータの伝送方向を切り替える切替手段と、を備える通信装置の制御方法であって、
前記データ通信手段でフレームデータを送信中に、伝送方向の切り替えを行う場合、伝送方向の切り替えの開始を指示する開始指示を送信するように前記制御信号通信手段を制御すると共に、前記開始指示が前記外部装置に到達して解釈されるまでの時間に送信可能なフレームデータの数を算出し、前記算出された数以上のフレームデータの送信完了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第1制御工程と、
前記データ通信手段でフレームデータを受信中に、前記制御信号通信手段で前記開始指示を受信した場合、前記データ通信手段によるフレームデータの受信終了に応じて、伝送方向を切り替えるように前記切替手段を制御する第2制御工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−219157(P2008−219157A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−50225(P2007−50225)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】