通信装置、通信方法、プログラム、並びに表示装置
【課題】回転体から回転体外部に対して、所定の情報を正確に通信する。
【解決手段】本開示の第1の側面である通信装置は、回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と、前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出部と、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定部と、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号部とを備える。本開示は、例えば全周囲立体映像表示装置に適用できる。
【解決手段】本開示の第1の側面である通信装置は、回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と、前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出部と、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定部と、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号部とを備える。本開示は、例えば全周囲立体映像表示装置に適用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信方法、プログラム、並びに表示装置に関し、特に、高速回転される回転体との間で情報を通信する場合に用いて好適な通信装置、通信方法、プログラム、並びに表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン受像機などに採用されている平面ディスプレイに立体視可能な映像を表示する3次元表示技術が存在する。この3次元表示技術は、例えば、ディスプレイを見る人の左右の眼の視差を利用するものがある。具体的には、例えば、平面ディスプレイに左目用の画像と右目用の映像を交互に表示し、さらに偏光フィルタなどを介することにより、左目には左目用の映像だけが、右目には右目用の映像だけが見られるようにして立体視を実現している。
【0003】
これに対して、被写体(表示されるオブジェクト)を中心とする円周上に設けられた複数の視点から撮像した(または、コンピュータグラフィックスによりオブジェクトを全周囲から見た状態を想定して生成した)視点の異なる複数の画像(以下、視点画像と称する)を用い、全周囲の任意の方向から見てもオブジェクトを立体的に視認できるように表示を行う全周囲立体映像表示装置が数多く提案されている(例えば、特許文献1または2参照)。
【0004】
これらの全周囲立体映像表示装置は、その筐体が円筒形状を成しており、筐体の内部には小型のLED(light emitting diode)などを大量に配置して構成されたディスプレイが、筐体の側面にはスリットが設けられており、ディスプレイの映像がスリット越しに筐体の外部から視認できるようになされている。そして、筐体がモータにより高速回転されることにより、円筒形状の筐体側面を任意の方向から見るユーザに対して、ディスプレイに表示されたオブジェクトが立体的に視認できるようになされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−177709号公報
【特許文献2】特開2005−114771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、全周囲立体映像表示装置においては、円筒形状の筐体がモータにより高速回転されるので、筐体内部のディスプレイに対して画像信号を供給することが必要となる。
【0007】
また反対に、高速回転される筐体から筐体外部に対して、所定の情報を正確に通信できる仕組みの出現が要求されている。
【0008】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、回転体から回転体外部に対して、所定の情報を正確に通信できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第1の側面である通信装置は、回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と、前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出部と、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定部と、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号部とを備える。
【0010】
前記決定手段は、前記復号手段の復号結果に基づいて前記遅延時間Tを変更することができる。
【0011】
前記送信部は、エラー訂正符号を含む前記IR信号をパケット単位で送信し、前記復号部は、抽出した前記ビット列の復号に際して前記エラー訂正符号に基づくエラー訂正を行い、前記決定部は、前記エラー訂正の状況に基づいて前記遅延時間Tを変更することができる。
【0012】
前記送信部は、前記円軌道上に等間隔で複数設けられているようにすることができる。
【0013】
本開示の第1の側面である通信方法は、回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部とを備える通信装置の通信方法において、通信装置による、前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出ステップと、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定ステップと、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号ステップとを含む。
【0014】
本開示の第1の側面であるプログラムは、回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部とを備える通信装置の制御用のプログラムであって、前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出ステップと、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定ステップと、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号ステップとを含む処理を通信装置のコンピュータに実行させる。
【0015】
本開示の第1の側面においては、受信部の受信結果である受信データのエッジが検出され、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングがサンプリングポイントに決定され、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データがサンプリングされることにより、前記IR信号に対応するビット列が抽出され、抽出された前記ビット列に基づいて前記IR信号が復号される。
【0016】
本開示の第2の側面である表示装置は、回転体に内蔵された表示部と、前記回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と、前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出部と、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定部と、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号部と、復号された前記IR信号に含まれる情報に基づいて所定の処理を行う制御部とを備える。
【0017】
本開示の第2の側面である表示装置は、前記回転体に設けられ、ユーザの動きを検知する検知部をさらに備えることができ、前記送信部は、検知された前記ユーザの動きを示す検知情報を含む前記IR信号を送信し、前記制御部は、復号された前記IR信号に含まれる前記検知情報に基づいて前記回転体の回転数を変更させることができる。
【0018】
本開示の第2の側面においては、受信部の受信結果である受信データのエッジが検出され、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングがサンプリングポイントに決定され、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データがサンプリングされることにより、前記IR信号に対応するビット列が抽出され、抽出された前記ビット列に基づいて前記IR信号が復号される。さらに、復号された前記IR信号に含まれる情報に基づいて所定の処理が行われる。
【発明の効果】
【0019】
本開示の第1の側面によれば、回転体から回転体外部に対して、所定の情報を正確に通信することができる。
【0020】
本開示の第2の側面によれば、回転体から回転体外部に通信された所定の情報に基づいて所定の処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本開示の実施の形態である全周囲立体映像表示装置の外観図である。
【図2】全周囲立体映像表示装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】IR信号のパケットフォーマットを示す図である。
【図4】回転部底面のIR送信部と固定部上面のIR送信部の側面図である。
【図5】回転部底面のIR送信部と固定部上面のIR送信部の配置面である。
【図6】IR受信部の構成例を示すブロック図である。
【図7】受信データのエッジとサンプリングポイントの関係を示す図である。
【図8】復号部の構成例を示すブロック図である。
【図9】IR信号受信処理を説明するフローチャートである。
【図10】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
<1.実施の形態>
[全周囲立体映像表示装置の構成例]
図1は、実施の形態である全周囲立体映像表示装置の外観を示している。この全周囲立体映像表示装置10は、台座となる固定部11と、高速回転される円筒形状の回転部12から構成される。
【0024】
全周囲立体映像表示装置10は、高速回転される回転部12を任意の方向から見たユーザが立体的に視認できるオブジェクトを、回転部12の内部中央に出現させる(表示させる)。さらに、例えば回転部12に手をかざして左または右に動かすユーザの動きに応じ、回転部12の回転数を変更することにより、立体的に視認できるオブジェクトが回転しているようにユーザに視認させることができる。
【0025】
固定部11は、回転部12が高速回転されている状態であっても全周囲立体映像表示装置10が移動しない程度に十分な重量を有している。固定部11は、回転部12に内蔵された表示部32(図2)に対して画像信号を送信する。回転部12は、その円筒状の側面に複数のスリット13が設けられており、その内部にはスリット13と同数のディスプレイを有する表示部32が設けられている。さらに、回転部12の円筒状の側面の上下には、検知部33が設けられている。検知部33は、高速回転される回転部12に対して、例えばユーザが手をかざして左右に移動する動作を検知する。この検知結果を示す検知情報は、IR信号として回転部12から固定部11に通信される。本開示は、特に、このIR信号の通信を高い精度で実現するものである。
【0026】
図2は、全周囲立体映像表示装置10の内部の構成例を示している。
【0027】
固定部11は、制御部21、回転数調整部22、モータ23、画像信号取得部24、画像信号送信部25、およびIR受信部26を有する。制御部21は、IR受信部26から通知される検知情報に基づき、回転数調整部22を制御してモータ23の回転数を変更させる。回転数調整部22は、モータ23の回転数を調整する。モータ23は、回転数調整部22からの制御に従い、回転部12を約1800rpmで高速回転させる。なお、モータ23を中空モータとして回転部12側に設けるようにしてしてもよい。
【0028】
画像信号取得部24は、外部から入力される画像信号を取得して画像信号送信部25に出力する。画像信号送信部25は、回転部12の画像信号受信部31に対して画像信号を送信する。この画像信号の送信は、例えば、回転部12の回転軸内に設けられた有線または無線による通信経路を介して行われる。
【0029】
IR受信部26は、固定部11の上面に配置される。IR受信部26は、回転部12のIR送信部34がIRDA(infrared data association)規格に基づいて送信するIR信号を受信し、その結果得られる検知情報を制御部21に出力する。
【0030】
回転部12は、画像信号受信部31、表示部32、検知部33、およびIR送信部34を有する。画像信号受信部31は、固定部11の画像信号送信部25が送信した画像信号を受信して表示部32に供給する。表示部32は、スリット13と同数の円弧状のディスプレイ(不図示)を有しており、供給された画像信号を各ディスプレイに表示させる。検知部33は、回転部12に対してユーザが、例えば手をかざして左または右に移動する動きを検知し、その検知結果を示す検知情報をIR送信部34に出力する。
【0031】
IR送信部34は、回転部12の底面に配置される。IR送信部34は、検知部33からの検知情報を誤り訂正可能な状態にパケット化し、IR信号として送信する。IR送信部34は、回転部12が1回転する間に1パケットずつ送信する。
【0032】
ここで、検知情報のパケット化について具体的に説明する。図3は、検知情報が格納されるパケットのフォーマットを示している。IR送信部34は、検知情報を24ビット毎にパケットのペイロードに格納し、ペイロードの前に4ビットのシンクパターンを、ペイロードの後に16ビットの誤り訂正符号を付加して44ビットのパケットを生成する。4ビットのシンクパターンは、例えば1111とされる。誤り訂正符号は、ガロア体GF(24)上のリードソロモン符号パリティ、4シンボル(=16ビット)とされる。
【0033】
44ビットのパケットを8ビット分の間隔をあけて送信するとすれば、IR送信部34は、回転部12が1回転する間に52ビット分のIR信号を送信できればよい。回転部12の回転数を30Hz(=1800rmp)とした場合、IR送信部34は、1秒間で1560(=52×30)ビット分のIR信号を送信することになる。したがって、IR送信部34に要求される性能はそれを上回ればよく、例えばビットクロック300KHzのものを用いればよい。
【0034】
図4は、IR受信部26とIR送信部34の配置を示す側面図、図5は、IR受信部26が配置される固定部11の上面と、IR送信部34が配置される回転部12の底面を示している。
【0035】
IR受信部26とIR送信部34とは対向する位置に配置される。ただし、IR送信部34は、回転部12が高速回転されることにより、円軌道を高速移動することになるので、常にIR受信部26と対向しているわけではない。そこで、IR受信部26がIR送信部34からのIR信号をより正確に受信できるように、IR送信部34は複数設けられており、回転部12の回転軸を中心とする半径rの円周上に等間隔で配置される。一方、IR受信部26も回転部12の回転軸を中心とする半径rの円周上に配置される。
【0036】
複数のIR送信部34は、同時に同一のIR信号を送信する(IRを発光する)。図5の場合、3個のIR送信部34が120°間隔で配置されている。なお、IR送信部34の数は任意である。IR送信部34の数を1とし、IR受信部26を複数設けてもよい。
【0037】
ただし、図示するようにIR受信部26と複数のIR送信部34を配置しても、IR受信部26で受信(受光)されるIRの強度に対応する受信データは、その波形にジッタ、歪などが生じ得る。したがって、IR受信部26で受信される受信データから、送信されたIR信号に含まれる検出情報を正確に復号できる仕組みが必要となる。
【0038】
図6は、IR受信部26の構成例を示している。IR受信部26は、エッジ検出部51、サンプリングタイミング生成部52、シンクパターン検出部53、および復号部54から構成される。
【0039】
IR受信部26においては、送信されたIR信号を受信(受光)したときのIRの強度を示す受信データがエッジ検出部51、シンクパターン検出部53、および復号部54に供給される。
【0040】
エッジ検出部51は、送信されたIR信号を受信(受光)したときのIRの強度を示す受信データの波形のエッジ(シンクパターン(4ビット=1111)の先頭である可能性がある)を検出してサンプリングタイミング生成部52に通知する。
【0041】
サンプリングタイミング生成部52は、エッジが検出されたタイミングに基づいて、シンクパターンを検出するタイミグを示すサンプリングポイントを決定してシンクパターン検出部53に通知する。
【0042】
図7は、エッジの検出タイミングとサンプリングポイントの関係を示している。同図Aに示されるように、サンプリングタイミング生成部52は、エッジが検出されたタイミングから所定の遅延時間Tだけ遅れたタイミングをサンプリングポイントに決定してシンクパターン検出部53に通知する。ただし、同図Aの波形は理想的なものであり、実際にはジッタや歪が生じている。
【0043】
また、サンプリングタイミング生成部52は、決定したサンプリングポイントを基準とし、回転部12の回転数により決まる1ビット区間の間隔で周期的なサンプリングタイミングを決定してシンクパターン検出部53および復号部54に通知する。
【0044】
さらに、サンプリングタイミング生成部52は、復号部54から通知されるエラー訂正の状況に応じて、遅延時間Tを予め決められている複数の時間のいずれかに変更する。同図Bの場合、遅延時間Tとして7種類の時間が予め決められている。なお、エラー訂正の状況がエラー無しの場合、遅延時間Tは変更されない。
【0045】
シンクパターン検出部53は、通知されたサンプリングポイントおよびサンプリングタイミングに従って受信データを4回連続してサンプリングし、その結果得られる4ビットがシンクパターンであるか否かを検出する。シンクパターンを検出した場合、シンクパターン検出部53は、その旨を復号部54に通知する。
【0046】
復号部54は、通知されるサンプリングタイミングに従って受信データをサンプリングし、検出されたシンクパターンの後に連続する24ビットのペイロードと16ビットの誤り訂正符号の合計40ビット=10シンボルに基づいて、送信された検知情報を復号する。復号部54は、この復号処理におけるエラー訂正の状況をサンプリングタイミング生成部52に通知する。
【0047】
図8は、復号部54の構成例を示している。復号部54は、シリアルレジスタ61、シンドローム計算部62、定数計算部63、エラー値計算部64、および修正部65から構成される。
【0048】
シリアルレジスタ61は、通知されるサンプリングタイミングに従って受信データをサンプリングし、その結果得られる4ビット毎に1シンボルとして、合計10シンボルを格納する。したがって、シリアルレジスタ61には、検出されたシンクパターンの後に連続する24ビットのペイロードと16ビットの誤り訂正符号の合計40ビット=10シンボルp0,p1,p2,p3,d0,d1,d2,d3,d4,d5が格納される。
【0049】
シンドローム計算部62は、シリアルレジスタ61に保持されるシンボルを読み出してシンドロームS0,S1,S2,S3を算出し、算出したシンドロームS0乃至S3を定数計算部63に出力する。定数計算部63は、入力されるシンドロームS0乃至S3を用い、リードソロモン符号の復号に必要な定数A,B,C,D,Xi,Xjなどを計算する。
【0050】
エラー値計算部64は、シリアルレジスタ61に格納されているペイロードの6シンボルに生じているエラーの位置を検出し、その訂正値を計算して修正部65に通知する。いまの場合、エラー値計算部64は、ペイロードの6シンボルのうちの2シンボルまでに対して修正値を計算することができる。また、エラー値計算部64は、エラー訂正の状況をサンプリングタイミング生成部52に通知する。具体的には、エラー無し、1シンボルエラー訂正済み、2シンボルエラー訂正済み、または3シンボル以上エラー訂正不可の4種類の状況のいずれかを通知する。サンプリングタイミング生成部52では、この通知に基づいて遅延時間Tが変更される。
【0051】
修正部65は、シリアルレジスタ61に格納されているペイロードの6シンボルのうち、対応するものをエラー訂正値により置換する。
【0052】
シンドローム計算部62および定数計算部63の計算は、シリアルレジスタ61にシンボルが格納され始めるのに合わせて並列して開始され、シリアルレジスタ61に対して10シンボルが格納されたときとほぼ同時に定数が求められる。また、ペイロードのエラー訂正については、シリアルレジスタ61に10シンボルが格納されるのと略同時に終了される。したがって、次のパケットが受信される8ビット区間後にまでに遅延時間Tを調整することができる。
【0053】
[動作説明]
次に、IR受信部26におけるIR信号受信処理について説明する。図9は、IR信号受信処理を説明するフローチャートである。
【0054】
このIR信号受信処理は、IR信号の1パケット毎に行われるものであり、前提として、回転部12のIR送信部34は、IR信号として、回転部12の1回転毎に1パケット(44ビット)、パケット間隔を8ビット空けて送信しているものとする。
【0055】
ステップS1において、エッジ検出部51は、受信(受光)した受信データにエッジがあるか否かを検出し、エッジを検出するまで待機する。そして、エッジを検出した場合、その旨をサンプリングタイミング生成部52に通知する。
【0056】
ステップS2において、サンプリングタイミング生成部52は、エッジが検出されたタイミングから所定の遅延時間Tだけ遅れたタイミングをサンプリングポイントに決定してシンクパターン検出部53に通知する。ステップS3において、シンクパターン検出部53は、通知されたサンプリングポイントおよびサンプリングタイミングに従って受信データを4回連続してサンプリングする。
【0057】
ステップS4において、シンクパターン検出部53は、サンプリングした4ビットがシンクパターンであるか否かを検出する。シンクパターンが検出されない場合、処理はステップS1に戻されて、それ以降が繰り返される。シンクパターンが検出された場合、処理はステップS5に進められる。
【0058】
ステップS5において、シンクパターン検出部53は、シンクパターンの検出を復号部54に通知する。復号部54は、40ビット=10シンボルに基づいて、送信された検知情報を復号する。この復号には、エラー訂正が含まれ、復号部54のエラー値計算部64は、エラー訂正の状況をサンプリングタイミング生成部52に通知する。
【0059】
ステップS6において、サンプリングタイミング生成部52は、通知されたエラー訂正の状況がエラー無しであるか否かを判定する。エラー無しである場合、遅延時間Tは変更されずに、処理はステップS1に戻り、IR信号の次のパケットを対象として、それ以降が繰り返される。
【0060】
通知されたエラー訂正の状況がエラー無しではない場合、処理はステップS7に進められる。ステップS7において、サンプリングタイミング生成部52は、遅延時間Tを変更する。
【0061】
変更の方法は様々に考えられる。例えば、現在の遅延時間Tを図7Bに示す1の時間として、エラー訂正の状況が1シンボルエラー訂正済みである場合には2の時間、2シンボルエラー訂正済みである場合には4の時間、3シンボル以上エラー訂正不可である場合には6の時間にするなどと変更する。さらに、前回のパケットの受信に際するエラー訂正と同じ状況の場合には、エラー訂正の状況が1シンボルエラー訂正済みである場合には3の時間、2シンボルエラー訂正済みである場合には5の時間、3シンボル以上エラー訂正不可である場合には7の時間にするなどと変更する。あるいは、エラー無しではない場合には、遅延時間Tを1,2,・・・,7,1,2などと順に変更するようにしてもよい。
【0062】
ステップS7で遅延時間Tが変更された後、処理はステップS1に戻り、IR信号の次のパケットを対象として、それ以降が繰り返される。
【0063】
以上で、IR信号受信処理の説明を終了する。IR信号受信処理によれば、受信したパケットのエラー訂正の状況に応じて、次のパケットをサンプリングするときのサンプリングポイントの決定に関わる遅延時間Tを変更するようにしたので、IR信号のパケットを連続的に精度良く受信、復号することができる。
【0064】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0065】
図10は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0066】
このコンピュータ100において、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0067】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部108、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア211を駆動するドライブ210が接続されている。
【0068】
以上のように構成されるコンピュータ100では、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105およびバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0069】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0070】
また、プログラムは、1台のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0071】
なお、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
10 全周囲立体映像表示装置, 11 固定部, 12 回転部, 13 スリット, 21 制御部, 22 回転数調整部, 23 モータ, 26 IR受信部, 33 検知部, 34 IR送信部, 51 エッジ検出部, 52 サンプリングタイミング生成部, 53 シンクパターン検出部, 54 復号部, 61 シリアルレジスタ, 62 シンドローム計算部, 63 定数計算部, 64 エラー値計算部, 65 修正部, 100 コンピュータ, 101 CPU
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信方法、プログラム、並びに表示装置に関し、特に、高速回転される回転体との間で情報を通信する場合に用いて好適な通信装置、通信方法、プログラム、並びに表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン受像機などに採用されている平面ディスプレイに立体視可能な映像を表示する3次元表示技術が存在する。この3次元表示技術は、例えば、ディスプレイを見る人の左右の眼の視差を利用するものがある。具体的には、例えば、平面ディスプレイに左目用の画像と右目用の映像を交互に表示し、さらに偏光フィルタなどを介することにより、左目には左目用の映像だけが、右目には右目用の映像だけが見られるようにして立体視を実現している。
【0003】
これに対して、被写体(表示されるオブジェクト)を中心とする円周上に設けられた複数の視点から撮像した(または、コンピュータグラフィックスによりオブジェクトを全周囲から見た状態を想定して生成した)視点の異なる複数の画像(以下、視点画像と称する)を用い、全周囲の任意の方向から見てもオブジェクトを立体的に視認できるように表示を行う全周囲立体映像表示装置が数多く提案されている(例えば、特許文献1または2参照)。
【0004】
これらの全周囲立体映像表示装置は、その筐体が円筒形状を成しており、筐体の内部には小型のLED(light emitting diode)などを大量に配置して構成されたディスプレイが、筐体の側面にはスリットが設けられており、ディスプレイの映像がスリット越しに筐体の外部から視認できるようになされている。そして、筐体がモータにより高速回転されることにより、円筒形状の筐体側面を任意の方向から見るユーザに対して、ディスプレイに表示されたオブジェクトが立体的に視認できるようになされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−177709号公報
【特許文献2】特開2005−114771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、全周囲立体映像表示装置においては、円筒形状の筐体がモータにより高速回転されるので、筐体内部のディスプレイに対して画像信号を供給することが必要となる。
【0007】
また反対に、高速回転される筐体から筐体外部に対して、所定の情報を正確に通信できる仕組みの出現が要求されている。
【0008】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、回転体から回転体外部に対して、所定の情報を正確に通信できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第1の側面である通信装置は、回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と、前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出部と、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定部と、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号部とを備える。
【0010】
前記決定手段は、前記復号手段の復号結果に基づいて前記遅延時間Tを変更することができる。
【0011】
前記送信部は、エラー訂正符号を含む前記IR信号をパケット単位で送信し、前記復号部は、抽出した前記ビット列の復号に際して前記エラー訂正符号に基づくエラー訂正を行い、前記決定部は、前記エラー訂正の状況に基づいて前記遅延時間Tを変更することができる。
【0012】
前記送信部は、前記円軌道上に等間隔で複数設けられているようにすることができる。
【0013】
本開示の第1の側面である通信方法は、回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部とを備える通信装置の通信方法において、通信装置による、前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出ステップと、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定ステップと、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号ステップとを含む。
【0014】
本開示の第1の側面であるプログラムは、回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部とを備える通信装置の制御用のプログラムであって、前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出ステップと、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定ステップと、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号ステップとを含む処理を通信装置のコンピュータに実行させる。
【0015】
本開示の第1の側面においては、受信部の受信結果である受信データのエッジが検出され、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングがサンプリングポイントに決定され、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データがサンプリングされることにより、前記IR信号に対応するビット列が抽出され、抽出された前記ビット列に基づいて前記IR信号が復号される。
【0016】
本開示の第2の側面である表示装置は、回転体に内蔵された表示部と、前記回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と、前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出部と、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定部と、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号部と、復号された前記IR信号に含まれる情報に基づいて所定の処理を行う制御部とを備える。
【0017】
本開示の第2の側面である表示装置は、前記回転体に設けられ、ユーザの動きを検知する検知部をさらに備えることができ、前記送信部は、検知された前記ユーザの動きを示す検知情報を含む前記IR信号を送信し、前記制御部は、復号された前記IR信号に含まれる前記検知情報に基づいて前記回転体の回転数を変更させることができる。
【0018】
本開示の第2の側面においては、受信部の受信結果である受信データのエッジが検出され、前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングがサンプリングポイントに決定され、決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データがサンプリングされることにより、前記IR信号に対応するビット列が抽出され、抽出された前記ビット列に基づいて前記IR信号が復号される。さらに、復号された前記IR信号に含まれる情報に基づいて所定の処理が行われる。
【発明の効果】
【0019】
本開示の第1の側面によれば、回転体から回転体外部に対して、所定の情報を正確に通信することができる。
【0020】
本開示の第2の側面によれば、回転体から回転体外部に通信された所定の情報に基づいて所定の処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本開示の実施の形態である全周囲立体映像表示装置の外観図である。
【図2】全周囲立体映像表示装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】IR信号のパケットフォーマットを示す図である。
【図4】回転部底面のIR送信部と固定部上面のIR送信部の側面図である。
【図5】回転部底面のIR送信部と固定部上面のIR送信部の配置面である。
【図6】IR受信部の構成例を示すブロック図である。
【図7】受信データのエッジとサンプリングポイントの関係を示す図である。
【図8】復号部の構成例を示すブロック図である。
【図9】IR信号受信処理を説明するフローチャートである。
【図10】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
<1.実施の形態>
[全周囲立体映像表示装置の構成例]
図1は、実施の形態である全周囲立体映像表示装置の外観を示している。この全周囲立体映像表示装置10は、台座となる固定部11と、高速回転される円筒形状の回転部12から構成される。
【0024】
全周囲立体映像表示装置10は、高速回転される回転部12を任意の方向から見たユーザが立体的に視認できるオブジェクトを、回転部12の内部中央に出現させる(表示させる)。さらに、例えば回転部12に手をかざして左または右に動かすユーザの動きに応じ、回転部12の回転数を変更することにより、立体的に視認できるオブジェクトが回転しているようにユーザに視認させることができる。
【0025】
固定部11は、回転部12が高速回転されている状態であっても全周囲立体映像表示装置10が移動しない程度に十分な重量を有している。固定部11は、回転部12に内蔵された表示部32(図2)に対して画像信号を送信する。回転部12は、その円筒状の側面に複数のスリット13が設けられており、その内部にはスリット13と同数のディスプレイを有する表示部32が設けられている。さらに、回転部12の円筒状の側面の上下には、検知部33が設けられている。検知部33は、高速回転される回転部12に対して、例えばユーザが手をかざして左右に移動する動作を検知する。この検知結果を示す検知情報は、IR信号として回転部12から固定部11に通信される。本開示は、特に、このIR信号の通信を高い精度で実現するものである。
【0026】
図2は、全周囲立体映像表示装置10の内部の構成例を示している。
【0027】
固定部11は、制御部21、回転数調整部22、モータ23、画像信号取得部24、画像信号送信部25、およびIR受信部26を有する。制御部21は、IR受信部26から通知される検知情報に基づき、回転数調整部22を制御してモータ23の回転数を変更させる。回転数調整部22は、モータ23の回転数を調整する。モータ23は、回転数調整部22からの制御に従い、回転部12を約1800rpmで高速回転させる。なお、モータ23を中空モータとして回転部12側に設けるようにしてしてもよい。
【0028】
画像信号取得部24は、外部から入力される画像信号を取得して画像信号送信部25に出力する。画像信号送信部25は、回転部12の画像信号受信部31に対して画像信号を送信する。この画像信号の送信は、例えば、回転部12の回転軸内に設けられた有線または無線による通信経路を介して行われる。
【0029】
IR受信部26は、固定部11の上面に配置される。IR受信部26は、回転部12のIR送信部34がIRDA(infrared data association)規格に基づいて送信するIR信号を受信し、その結果得られる検知情報を制御部21に出力する。
【0030】
回転部12は、画像信号受信部31、表示部32、検知部33、およびIR送信部34を有する。画像信号受信部31は、固定部11の画像信号送信部25が送信した画像信号を受信して表示部32に供給する。表示部32は、スリット13と同数の円弧状のディスプレイ(不図示)を有しており、供給された画像信号を各ディスプレイに表示させる。検知部33は、回転部12に対してユーザが、例えば手をかざして左または右に移動する動きを検知し、その検知結果を示す検知情報をIR送信部34に出力する。
【0031】
IR送信部34は、回転部12の底面に配置される。IR送信部34は、検知部33からの検知情報を誤り訂正可能な状態にパケット化し、IR信号として送信する。IR送信部34は、回転部12が1回転する間に1パケットずつ送信する。
【0032】
ここで、検知情報のパケット化について具体的に説明する。図3は、検知情報が格納されるパケットのフォーマットを示している。IR送信部34は、検知情報を24ビット毎にパケットのペイロードに格納し、ペイロードの前に4ビットのシンクパターンを、ペイロードの後に16ビットの誤り訂正符号を付加して44ビットのパケットを生成する。4ビットのシンクパターンは、例えば1111とされる。誤り訂正符号は、ガロア体GF(24)上のリードソロモン符号パリティ、4シンボル(=16ビット)とされる。
【0033】
44ビットのパケットを8ビット分の間隔をあけて送信するとすれば、IR送信部34は、回転部12が1回転する間に52ビット分のIR信号を送信できればよい。回転部12の回転数を30Hz(=1800rmp)とした場合、IR送信部34は、1秒間で1560(=52×30)ビット分のIR信号を送信することになる。したがって、IR送信部34に要求される性能はそれを上回ればよく、例えばビットクロック300KHzのものを用いればよい。
【0034】
図4は、IR受信部26とIR送信部34の配置を示す側面図、図5は、IR受信部26が配置される固定部11の上面と、IR送信部34が配置される回転部12の底面を示している。
【0035】
IR受信部26とIR送信部34とは対向する位置に配置される。ただし、IR送信部34は、回転部12が高速回転されることにより、円軌道を高速移動することになるので、常にIR受信部26と対向しているわけではない。そこで、IR受信部26がIR送信部34からのIR信号をより正確に受信できるように、IR送信部34は複数設けられており、回転部12の回転軸を中心とする半径rの円周上に等間隔で配置される。一方、IR受信部26も回転部12の回転軸を中心とする半径rの円周上に配置される。
【0036】
複数のIR送信部34は、同時に同一のIR信号を送信する(IRを発光する)。図5の場合、3個のIR送信部34が120°間隔で配置されている。なお、IR送信部34の数は任意である。IR送信部34の数を1とし、IR受信部26を複数設けてもよい。
【0037】
ただし、図示するようにIR受信部26と複数のIR送信部34を配置しても、IR受信部26で受信(受光)されるIRの強度に対応する受信データは、その波形にジッタ、歪などが生じ得る。したがって、IR受信部26で受信される受信データから、送信されたIR信号に含まれる検出情報を正確に復号できる仕組みが必要となる。
【0038】
図6は、IR受信部26の構成例を示している。IR受信部26は、エッジ検出部51、サンプリングタイミング生成部52、シンクパターン検出部53、および復号部54から構成される。
【0039】
IR受信部26においては、送信されたIR信号を受信(受光)したときのIRの強度を示す受信データがエッジ検出部51、シンクパターン検出部53、および復号部54に供給される。
【0040】
エッジ検出部51は、送信されたIR信号を受信(受光)したときのIRの強度を示す受信データの波形のエッジ(シンクパターン(4ビット=1111)の先頭である可能性がある)を検出してサンプリングタイミング生成部52に通知する。
【0041】
サンプリングタイミング生成部52は、エッジが検出されたタイミングに基づいて、シンクパターンを検出するタイミグを示すサンプリングポイントを決定してシンクパターン検出部53に通知する。
【0042】
図7は、エッジの検出タイミングとサンプリングポイントの関係を示している。同図Aに示されるように、サンプリングタイミング生成部52は、エッジが検出されたタイミングから所定の遅延時間Tだけ遅れたタイミングをサンプリングポイントに決定してシンクパターン検出部53に通知する。ただし、同図Aの波形は理想的なものであり、実際にはジッタや歪が生じている。
【0043】
また、サンプリングタイミング生成部52は、決定したサンプリングポイントを基準とし、回転部12の回転数により決まる1ビット区間の間隔で周期的なサンプリングタイミングを決定してシンクパターン検出部53および復号部54に通知する。
【0044】
さらに、サンプリングタイミング生成部52は、復号部54から通知されるエラー訂正の状況に応じて、遅延時間Tを予め決められている複数の時間のいずれかに変更する。同図Bの場合、遅延時間Tとして7種類の時間が予め決められている。なお、エラー訂正の状況がエラー無しの場合、遅延時間Tは変更されない。
【0045】
シンクパターン検出部53は、通知されたサンプリングポイントおよびサンプリングタイミングに従って受信データを4回連続してサンプリングし、その結果得られる4ビットがシンクパターンであるか否かを検出する。シンクパターンを検出した場合、シンクパターン検出部53は、その旨を復号部54に通知する。
【0046】
復号部54は、通知されるサンプリングタイミングに従って受信データをサンプリングし、検出されたシンクパターンの後に連続する24ビットのペイロードと16ビットの誤り訂正符号の合計40ビット=10シンボルに基づいて、送信された検知情報を復号する。復号部54は、この復号処理におけるエラー訂正の状況をサンプリングタイミング生成部52に通知する。
【0047】
図8は、復号部54の構成例を示している。復号部54は、シリアルレジスタ61、シンドローム計算部62、定数計算部63、エラー値計算部64、および修正部65から構成される。
【0048】
シリアルレジスタ61は、通知されるサンプリングタイミングに従って受信データをサンプリングし、その結果得られる4ビット毎に1シンボルとして、合計10シンボルを格納する。したがって、シリアルレジスタ61には、検出されたシンクパターンの後に連続する24ビットのペイロードと16ビットの誤り訂正符号の合計40ビット=10シンボルp0,p1,p2,p3,d0,d1,d2,d3,d4,d5が格納される。
【0049】
シンドローム計算部62は、シリアルレジスタ61に保持されるシンボルを読み出してシンドロームS0,S1,S2,S3を算出し、算出したシンドロームS0乃至S3を定数計算部63に出力する。定数計算部63は、入力されるシンドロームS0乃至S3を用い、リードソロモン符号の復号に必要な定数A,B,C,D,Xi,Xjなどを計算する。
【0050】
エラー値計算部64は、シリアルレジスタ61に格納されているペイロードの6シンボルに生じているエラーの位置を検出し、その訂正値を計算して修正部65に通知する。いまの場合、エラー値計算部64は、ペイロードの6シンボルのうちの2シンボルまでに対して修正値を計算することができる。また、エラー値計算部64は、エラー訂正の状況をサンプリングタイミング生成部52に通知する。具体的には、エラー無し、1シンボルエラー訂正済み、2シンボルエラー訂正済み、または3シンボル以上エラー訂正不可の4種類の状況のいずれかを通知する。サンプリングタイミング生成部52では、この通知に基づいて遅延時間Tが変更される。
【0051】
修正部65は、シリアルレジスタ61に格納されているペイロードの6シンボルのうち、対応するものをエラー訂正値により置換する。
【0052】
シンドローム計算部62および定数計算部63の計算は、シリアルレジスタ61にシンボルが格納され始めるのに合わせて並列して開始され、シリアルレジスタ61に対して10シンボルが格納されたときとほぼ同時に定数が求められる。また、ペイロードのエラー訂正については、シリアルレジスタ61に10シンボルが格納されるのと略同時に終了される。したがって、次のパケットが受信される8ビット区間後にまでに遅延時間Tを調整することができる。
【0053】
[動作説明]
次に、IR受信部26におけるIR信号受信処理について説明する。図9は、IR信号受信処理を説明するフローチャートである。
【0054】
このIR信号受信処理は、IR信号の1パケット毎に行われるものであり、前提として、回転部12のIR送信部34は、IR信号として、回転部12の1回転毎に1パケット(44ビット)、パケット間隔を8ビット空けて送信しているものとする。
【0055】
ステップS1において、エッジ検出部51は、受信(受光)した受信データにエッジがあるか否かを検出し、エッジを検出するまで待機する。そして、エッジを検出した場合、その旨をサンプリングタイミング生成部52に通知する。
【0056】
ステップS2において、サンプリングタイミング生成部52は、エッジが検出されたタイミングから所定の遅延時間Tだけ遅れたタイミングをサンプリングポイントに決定してシンクパターン検出部53に通知する。ステップS3において、シンクパターン検出部53は、通知されたサンプリングポイントおよびサンプリングタイミングに従って受信データを4回連続してサンプリングする。
【0057】
ステップS4において、シンクパターン検出部53は、サンプリングした4ビットがシンクパターンであるか否かを検出する。シンクパターンが検出されない場合、処理はステップS1に戻されて、それ以降が繰り返される。シンクパターンが検出された場合、処理はステップS5に進められる。
【0058】
ステップS5において、シンクパターン検出部53は、シンクパターンの検出を復号部54に通知する。復号部54は、40ビット=10シンボルに基づいて、送信された検知情報を復号する。この復号には、エラー訂正が含まれ、復号部54のエラー値計算部64は、エラー訂正の状況をサンプリングタイミング生成部52に通知する。
【0059】
ステップS6において、サンプリングタイミング生成部52は、通知されたエラー訂正の状況がエラー無しであるか否かを判定する。エラー無しである場合、遅延時間Tは変更されずに、処理はステップS1に戻り、IR信号の次のパケットを対象として、それ以降が繰り返される。
【0060】
通知されたエラー訂正の状況がエラー無しではない場合、処理はステップS7に進められる。ステップS7において、サンプリングタイミング生成部52は、遅延時間Tを変更する。
【0061】
変更の方法は様々に考えられる。例えば、現在の遅延時間Tを図7Bに示す1の時間として、エラー訂正の状況が1シンボルエラー訂正済みである場合には2の時間、2シンボルエラー訂正済みである場合には4の時間、3シンボル以上エラー訂正不可である場合には6の時間にするなどと変更する。さらに、前回のパケットの受信に際するエラー訂正と同じ状況の場合には、エラー訂正の状況が1シンボルエラー訂正済みである場合には3の時間、2シンボルエラー訂正済みである場合には5の時間、3シンボル以上エラー訂正不可である場合には7の時間にするなどと変更する。あるいは、エラー無しではない場合には、遅延時間Tを1,2,・・・,7,1,2などと順に変更するようにしてもよい。
【0062】
ステップS7で遅延時間Tが変更された後、処理はステップS1に戻り、IR信号の次のパケットを対象として、それ以降が繰り返される。
【0063】
以上で、IR信号受信処理の説明を終了する。IR信号受信処理によれば、受信したパケットのエラー訂正の状況に応じて、次のパケットをサンプリングするときのサンプリングポイントの決定に関わる遅延時間Tを変更するようにしたので、IR信号のパケットを連続的に精度良く受信、復号することができる。
【0064】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0065】
図10は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0066】
このコンピュータ100において、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0067】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部108、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア211を駆動するドライブ210が接続されている。
【0068】
以上のように構成されるコンピュータ100では、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105およびバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0069】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0070】
また、プログラムは、1台のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0071】
なお、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
10 全周囲立体映像表示装置, 11 固定部, 12 回転部, 13 スリット, 21 制御部, 22 回転数調整部, 23 モータ, 26 IR受信部, 33 検知部, 34 IR送信部, 51 エッジ検出部, 52 サンプリングタイミング生成部, 53 シンクパターン検出部, 54 復号部, 61 シリアルレジスタ, 62 シンドローム計算部, 63 定数計算部, 64 エラー値計算部, 65 修正部, 100 コンピュータ, 101 CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、
前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と、
前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出部と、
前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定部と、
決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号部と
を備える通信装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記復号手段の復号結果に基づいて前記遅延時間Tを変更する
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記送信部は、エラー訂正符号を含む前記IR信号をパケット単位で送信し、
前記復号部は、抽出した前記ビット列の復号に際して前記エラー訂正符号に基づくエラー訂正を行い、
前記決定部は、前記エラー訂正の状況に基づいて前記遅延時間Tを変更する
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記送信部は、前記円軌道上に等間隔で複数設けられている
請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、
前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と
を備える通信装置の通信方法において、
通信装置による、
前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出ステップと、
前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定ステップと、
決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号ステップと
を含む通信方法。
【請求項6】
回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、
前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と
を備える通信装置の制御用のプログラムであって、
前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出ステップと、
前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定ステップと、
決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号ステップと
を含む処理を通信装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
回転体に内蔵された表示部と、
前記回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、
前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と、
前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出部と、
前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定部と、
決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号部と、
復号された前記IR信号に含まれる情報に基づいて所定の処理を行う制御部と
を備える表示装置。
【請求項8】
前記回転体に設けられ、ユーザの動きを検知する検知部を
さらに備え、
前記送信部は、検知された前記ユーザの動きを示す検知情報を含む前記IR信号を送信し、
前記制御部は、復号された前記IR信号に含まれる前記検知情報に基づいて前記回転体の回転数を変更させる
請求項7に記載の表示装置。
【請求項1】
回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、
前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と、
前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出部と、
前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定部と、
決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号部と
を備える通信装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記復号手段の復号結果に基づいて前記遅延時間Tを変更する
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記送信部は、エラー訂正符号を含む前記IR信号をパケット単位で送信し、
前記復号部は、抽出した前記ビット列の復号に際して前記エラー訂正符号に基づくエラー訂正を行い、
前記決定部は、前記エラー訂正の状況に基づいて前記遅延時間Tを変更する
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記送信部は、前記円軌道上に等間隔で複数設けられている
請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、
前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と
を備える通信装置の通信方法において、
通信装置による、
前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出ステップと、
前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定ステップと、
決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号ステップと
を含む通信方法。
【請求項6】
回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、
前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と
を備える通信装置の制御用のプログラムであって、
前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出ステップと、
前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定ステップと、
決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号ステップと
を含む処理を通信装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
回転体に内蔵された表示部と、
前記回転体に設けられ、円軌道上を高速移動しながらIR信号を送信する送信部と、
前記送信部の円軌道に対向する位置に固定され、送信された前記IR信号を受信する受信部と、
前記受信部の受信結果である受信データのエッジを検出するエッジ検出部と、
前記エッジの検出タイミングから遅延時間Tだけ遅らせたタイミングをサンプリングポイントに決定する決定部と、
決定された前記サンプリングポイントを基準として所定の周期で前記受信データをサンプリングすることにより、前記IR信号に対応するビット列を抽出し、抽出した前記ビット列に基づいて前記IR信号を復号する復号部と、
復号された前記IR信号に含まれる情報に基づいて所定の処理を行う制御部と
を備える表示装置。
【請求項8】
前記回転体に設けられ、ユーザの動きを検知する検知部を
さらに備え、
前記送信部は、検知された前記ユーザの動きを示す検知情報を含む前記IR信号を送信し、
前記制御部は、復号された前記IR信号に含まれる前記検知情報に基づいて前記回転体の回転数を変更させる
請求項7に記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−257139(P2012−257139A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129805(P2011−129805)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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