説明

通信装置、通信方法、通信プログラム及び通信システム

【課題】親機から多段に接続された子機の接続順位を判定して、信号の適切な増幅率を決定できる。
【解決手段】同軸ケーブルCを介して親機100に多段に接続可能な子機200を有する。親機100から受信したダウンリンク信号及び親機100へ送信するアップリンク信号を増幅する増幅部271、241を有する。親機100からの信号に重畳された直流成分を抽出する直流成分抽出部230を有する。直流成分に基づいて、親機100からの子機200の接続順位を判定する接続順位判定部282bを有する。接続順位に応じて、増幅部271の増幅率を決定する決定部283を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、親機に対して多段に接続された複数の子機において、相互の情報を通信可能とした通信装置、通信方法、通信プログラム及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、通信システムは、多様なものが実用化されている。中でも、広く普及している通信システムは、コンピュータを、ハブやルータを介してケーブルで接続したネットワークである。このようなネットワークは、一般的には、家庭やオフィスの建物の構内に、LANとして構成されている。これらのLANの多くは、ADSL、光ファイバー、CATV等のアクセス用の回線を介して、インターネット等の広域なネットワークに接続されている。
【0003】
ところで、構内に構成される通信システムの一種に、インターカムシステムがある。このインターカムシステムは、複数のユーザが同時に通話可能な相互通信システムである。かかるインターカムシステムは、放送局、コンサートホール、劇場、スタジアムなど、比較的広いスペースを有する構内において用いられている。
【0004】
インターカムシステムは、主装置、親機、子機、孫機等によって構成されている。主装置は、外部との音声信号の入出力を制御する音声入出力装置である。この主装置は、他のインターカムシステム若しくは公衆電話回線等に接続される。親機は、主装置及び複数台の子機とケーブルを介して接続され、主装置と複数台の子機との間の音声信号の送受信を制御する装置である。
【0005】
複数台の子機は、親機に対して、同軸ケーブルを介して多段に接続されている(カスケード接続)。孫機は、子機との間で、音声信号を無線で送受信する通信ユニットを有している。また、孫機は、マイクとスピーカを備えたヘッドセットを有している。
【0006】
ユーザが発した音声は、マイクから入力され、音声信号として子機を介して親機に送信される(アップリンク信号)。親機からの音声信号は、子機を介して孫機に送信され(ダウンリンク信号)、ユーザは、スピーカから出力された音声を聞くことができる。
【0007】
なお、孫機と子機との無線通信に電波を用いた場合には、他の設備や機器に影響を与える可能性がある。そこで、無線通信の手段として、LEDの周波数制御による可視光通信システムを採用したものも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−260842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、子機と親機との間で信号を送受信する際には、必ず通過損が発生する。たとえば、子機において信号を分岐させる際に、分岐部が有する抵抗による分岐損が生じる。また、子機と親機とを接続するケーブルには、その導体に抵抗(インピーダンス)が存在する。このため、ケーブルを介した信号の送受信には、伝送損失が伴う。
【0010】
したがって、たとえば、子機を親機に対して複数台、同軸ケーブルを介してカスケード接続した場合、親機から遠ざかるに従って、信号が減衰することになる。特に、信号が高い周波数成分になるにつれて、減衰量は増加してしまうことが知られている。
【0011】
すると、子機から親機までの距離が長い場合、各子機で生成されるアップリンク信号が、親機へ伝送される間に減衰して、親機で正常に受信できなくなる可能性がある。同様に、親機で生成されるダウンリンク信号も、親機から子機へ伝送される間に減衰して、子機で正常に受信できなくなる可能性がある。
【0012】
これに対処するため、親機に対して遠くに離れる子機において、自己が送信するアップリンク信号及び自己が受信するダウンリンク受信信号を増幅させる方法がある。かかる増幅を行うと、減衰による受信エラーは起こり難くなる。しかし、そのために最適な増幅率を決定することは容易ではない。
【0013】
また、子機と孫機との間での通信が困難な場合がある。たとえば、子機と孫機との距離が遠く離れている場合、孫機が障害物に隠れて子機から見えない場合等がある。この場合、孫機から子機で受信したアップリンク信号は、ノイズに埋もれてS/N比が悪くなる。このとき、上記のように増幅を行うと、親機から遠くに離れた子機ほど、そのノイズが過大に増幅されてしまう。
【0014】
別の子機において、孫機との距離が近い等の理由で、受信したアップリンク信号のS/N比が良かったとしても、上記のS/N比の悪いアップリンク信号が、各子機の分岐部で合成されて親機に送信されてしまう。このため、かかる信号をダウンリンク信号として受信した孫機側では、信号が復調できない可能性がある。
【0015】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、親機から多段に接続された子機の接続順位を判定して、信号の適切な増幅率を決定可能な通信装置、通信方法、通信プログラム及び通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような構成を有している。
(a)通信線を介して親機に多段に接続可能な子機に構成されている。
(b)親機から受信した信号及び親機へ送信する信号の少なくとも一方を増幅する増幅部を有する。
(c)親機からの信号に重畳された直流成分を抽出する直流成分抽出部を有する。
(d)直流成分に基づいて、親機からの子機の接続順位を判定する接続順位判定部を有する。
(e)接続順位に応じて、増幅部の増幅率を決定する決定部を有する。
【0017】
他の態様では、決定部が増幅率を決定する基準を記憶した記憶部を有する。
【0018】
他の態様では、前記基準は、親機から遠い子機ほど増幅率が高く、親機から近い子機ほど増幅率が低くなるように設定されている。
【0019】
他の態様では、前記基準は、接続順位に対応する増幅率が設定されたテーブルである。
【0020】
他の態様では、前記基準は、親機と各子機との間の通過損を相殺可能な増幅率が設定されている。
【0021】
他の態様では、接続順位判定部は、通信線に接続された端子電位と、親機に接続された子機の数とに基づいて、接続順位を判定する。
【0022】
他の態様では、直流成分抽出部により抽出された直流成分に基づいて、端子電位を検出する端子電位検出部を有する。
【0023】
他の態様では、端子電位に基づいて、端子間の電圧降下を検出する電圧降下検出部を有する。
【0024】
他の態様では、重畳された直流電圧と、電圧降下に基づいて、親機に接続された子機の数を判定する接続数判定部を有する。
【0025】
他の態様では、孫機に無線若しくは有線により接続可能に設けられ、孫機から受信した信号のレベルを監視する監視部と、監視部により、あらかじめ設定されたレベルに達していないと判定された場合に、親機への信号の送信を停止させる停止指示部とを有する。
【0026】
なお、他の態様として、上記の各部の機能を実現するための方法及びコンピュータに実行させるプログラムとして捉えることもできる。
【0027】
また、他の態様として、通信線に、直流成分を重畳する重畳部を有する通信システム、通信線を介して直流成分を重畳する重畳部を有する親機を接続した通信システム、無線若しくは有線により通信可能に接続された孫機を有する通信システムとして捉えることもできる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によれば、親機から多段に接続された子機の接続順位を判定して、信号の適切な増幅率を決定可能な通信装置、通信方法、通信プログラム及び通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態の通信システムの全体構成図
【図2】実施形態の通信システムを示すブロック図
【図3】分岐回路の一例を示す図
【図4】ダウンリンク信号処理の一例を示すフローチャート
【図5】アップリンク信号処理の一例を示すフローチャート
【図6】親機に子機6台をカスケード接続した一例を示す図
【図7】増幅率を決定するテーブルの一例を示す図
【図8】テーブルに基づく増幅率の決定例を示す図
【図9】分岐部を子機外に構成した例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
[1.構成]
[概要]
本実施形態の通信システムは、図1及び図2に示すように、親機100、子機200、孫機300、主装置M等により構成されている。親機100には、複数の子機200が同軸ケーブル(通信線)Cを介して、カスケード接続されている。
【0031】
子機200と孫機300との間は、無線通信により、信号を送受信可能に設けられている。無線通信としては、後述する発光素子と受光素子を用いた光による通信を用いる。
【0032】
さらに、親機100は、主装置Mに接続されている。この主装置Mは、電話回線若しくは他の通信システム等に接続されて、本通信システムに対する音声信号の入出力を行うことができる。
【0033】
親機100から出力された音声信号(ダウンリンク信号)は、同軸ケーブルCを介して、複数の子機200に、近い順に順次送信される。このダウンリンク信号は、各子機200において受信され、ユーザが使用する孫機300に送信される。ダウンリンク信号を受信した孫機300は、音声信号を音声に変換することにより、ユーザが音声を聞くことができる。
【0034】
ユーザが発声した音声は、孫機300から音声信号(アップリンク信号)として、子機200に送信される。子機200は、アップリンク信号を、同軸ケーブルCを介して、親機100に送信する。親機100は、アップリンク信号を主装置Mに出力する。
【0035】
また、親機100は、受信したアップリンク信号を、ダウンリンク信号として、各子機200に送信する。これにより、孫機300から入力され、子機200から送信された音声信号は、他の子機200においても受信され、各孫機300において各ユーザが音声を聞くことができる。
【0036】
[親機]
親機100は、図2に示すように、信号多重分離部110、アップリンク受信部120、ダウンリンク送信部130、重畳部140等を有している。
【0037】
信号多重分離部110は、アップリンク信号及びダウンリンク信号を分離又は混合する処理部(ダイプレクサ)である。この信号多重分離部110は、ローパスフィルタ(LPF)111、ハイパスフィルタ(HPF)112、混合分配器113等を有している。
【0038】
ローパスフィルタ111は、同軸ケーブルCを流れる信号のうち、アップリンク信号の周波数成分を通過させ、ダウンリンク信号の周波数成分を遮断する。これにより、ローパスフィルタ111は、子機200から受信したアップリンク信号を抽出できる。
【0039】
ハイパスフィルタ112は、同軸ケーブルCを流れる信号のうち、ダウンリンク信号の周波数成分を通過させ、アップリンク信号の周波数成分を遮断する。これにより、ハイパスフィルタ112は、子機200へ送信するダウンリンク信号を抽出できる。
【0040】
混合分配器113は、同軸ケーブルCとローパスフィルタ111及びハイパスフィルタ112との間で、信号の合成及び分配を行う処理部である。
【0041】
アップリンク受信部120は、アップリンク信号を処理する処理部である。このアップリンク受信部120は、復調部121、出力部122等を有している。復調部121は、信号多重分離部110から入力されたアップリンク信号の復調を行う処理部である。出力部122は、復調されたアップリンク信号を主装置Mへ出力する処理部である。
【0042】
ダウンリンク送信部130は、ダウンリンク信号を処理する処理部である。このダウンリンク送信部130は、入力部131、変調部132等を有している。入力部131は、主装置Mからの音声信号を入力する処理部である。変調部132は、入力部131及び復調部121から入力された信号を変調する処理部である。
【0043】
重畳部140は、信号多重分離部110から同軸ケーブルCを流れる信号に、直流電圧を重畳する処理部である。この重畳部140は、制御部142、電源部141等を有している。電源部141は、直流電圧を供給するための直流電源である。制御部142は、印加電圧を制御する処理部である。この制御部142は、電圧の印加の有無のみを制御できるようにしても、電圧を調整できるように構成してもよい。重畳部140を、電源部141のみにより構成してもよい。
【0044】
[子機]
子機200は、分岐部210、信号多重分離部220、直流成分抽出部230、ダウンリンク受信部240、発光部250、受光部260、アップリンク送信部270、制御部280等を有している。
【0045】
分岐部210は、同軸ケーブルCを流れる信号を分岐させる処理部である。分岐部210は、たとえば、抵抗器R1、コンデンサC1,C2、分岐回路211等を有している。ただし、これは一例に過ぎず、本発明はこれには限定されない。
【0046】
抵抗器R1は、同軸ケーブルCの信号線プラグ間に設置されている。この抵抗器R1は、同軸ケーブルCの内部抵抗値及び整合抵抗の影響を無視できる程度の抵抗値のものを用いる。同軸ケーブルC内の直流成分は、抵抗器R1にて電圧降下が発生する。
【0047】
コンデンサC1、C2は、分岐回路211の両端に設置されている。これらのコンデンサC1、C2は、直流成分除去用であり、低インピーダンスのものが用いられる。分岐回路211は、同軸ケーブルC内の高周波成分を信号多重分離部220との間で伝送する。分岐回路211は、たとえば、図3に示すように、コイルと抵抗により構成される。但し、これは一例に過ぎず、本発明はこれには限定されない。
【0048】
信号多重分離部220は、アップリンク信号及びダウンリンク信号を分離又は混合する処理部(ダイプレクサ)である。この信号多重分離部220は、信号多重分離部110と同様に、ローパスフィルタ221、ハイパスフィルタ222、分配混合器223等を有している。
【0049】
直流成分抽出部230は、同軸ケーブルCから、交流成分を除去することにより、重畳された直流成分を抽出する処理部である(CRフィルタ)。この直流成分抽出部230は、たとえば、図2に示すように、抵抗とコンデンサにより構成される。但し、これは一例に過ぎず、本発明はこれには限定されない。
【0050】
ダウンリンク受信部240は、信号多重分離部220から入力されたダウンリンク信号を処理する処理部である。このダウンリンク受信部240は、ダウンリンク信号を増幅する増幅部241を有している。増幅部241による増幅率は、後述するように制御部280により制御できる。発光部250は、ダウンリンク受信部240からのダウンリンク信号を出力光に変換する発光素子である。
【0051】
受光部260は、後述する孫機300からの出力光を受光して電気信号に変換する受光素子である。アップリンク送信部270は、アップリンク信号を処理する処理部である。このアップリンク送信部270は、受光部260からの信号を増幅する増幅部271を有している。増幅部271による増幅率は、後述するように制御部280により制御できる。
【0052】
制御部280は、ダウンリンク受信部240及びアップリンク送信部270の増幅部241、271の増幅率、アップリンク送信部270による信号送信の有無等を制御する処理部である。
【0053】
この制御部280は、検出部281、判定部282、決定部283、増幅指示部284、監視部285、停止指示部286、記憶部287等を有している。
【0054】
検出部281は、直流成分抽出部230により抽出された直流成分の電圧を検出する処理部である。この検出部281は、端子電位検出部281a、電圧降下検出部281b等を有している。
【0055】
端子電位検出部281aは、抵抗器R1の親機側の端子と、同軸ケーブルCのシールド部(GND)との間の電位差、抵抗器R1の他方の端子とGNDとの間の電位差を検出する処理部である。電圧降下検出部281bは、上記電位差に基づいて、抵抗器R1間の電圧降下を検出する処理部である。
【0056】
判定部282は、検出部281による検出値に基づいて、親機100と子機200との関係を判定する処理部である。この判定部282は、接続数判定部282a、接続順位判定部282b等を有している。
【0057】
接続数判定部282aは、親機100にカスケード接続されている子機200の台数を判定する処理部である。この判定は、重畳されている直流電圧及び電圧降下検出部281bにより検出された電圧降下の値に基づいて行われる。
【0058】
接続順位判定部282bは、当該子機200が、親機100から何台目に接続されたものであるかを判定する処理部である。この判定は、端子電位検出部281aにより検出された電位と、電圧降下検出部281bにより検出された電圧降下の値とに基づいて行われる。
【0059】
このような直流電圧の検出に基づく判定部282の判定手法を、以下に説明する。
【0060】
まず、
親機100で重畳させる直流電圧:V
子機200内部の抵抗器R1の親機100側の端子−GND間の電位差:Vp
子機200内部の抵抗器R1のもう一方の端子−GND間の電位差:Vn
とする。
【0061】
この場合、
抵抗器R1間の電圧降下:Vled
は、次のように表される。
【0062】
(数1)
Vled=Vp−Vn
【0063】
また、
カスケード接続されている子機200の数:N
は、次のように求めることができる。
【0064】
(数2)
N=V/Vled
【0065】
すると、
親機100から検出したい子機200までの接続数:M
は次のように求めることができる。
【0066】
(数3)
M=N−Vp/Vled+1
【0067】
以上のように、判定部282が、同軸ケーブルCの信号に重畳された直流電圧に基づいて、親機100から何台目の子機200であるかを判定することができる。
【0068】
決定部283は、判定部282による判定結果に基づいて、増幅部241、増幅部271の増幅率を決定する処理部である。ここで、同軸ケーブルCを流れる信号は、その距離が長い程減衰する。このため、決定部283は、親機100から遠い子機200では、増幅率を高く設定し、親機100から近い子機200では、増幅率を低く設定する。
【0069】
増幅率は、特定の値には限定されない。たとえば、増幅率を、子機200と親機100との間の通過損が相殺可能な値とすることが望ましい。この通過損には、主として、子機200における損失と通信線における損失が含まれるので、これが相殺される値に設定することが考えられる。より具体的には、分岐部210における分岐損、同軸ケーブルCにおける伝送損失が相殺される値とする。増幅指示部284は、決定部283により決定された増幅率に基づいて、増幅部241、増幅部271への増幅を指示する処理部である。
【0070】
監視部285は、受光部260からの信号のレベルが、所定のしきい値に達しているか否かを判定する処理部である。停止指示部286は、監視部285により、信号のレベルがしきい値に達していないと判定された場合に、アップリンク送信部270に、アップリンク信号の送信停止を指示する処理部である。しきい値としては、たとえば、1μVrms等とすることが考えられるが、この値には限定されない。
【0071】
記憶部287は、制御部280の処理に必要な各種の情報を記憶する処理部である。この記憶部287に記憶される情報としては、各処理部における演算式、これらの演算式に用いるパラメータ、演算結果、判定のためのしきい値等の処理の基準等が含まれている。これらの情報には、たとえば、重畳される直流電圧値、検出された電圧値、決定された増幅率、アップリンク信号のレベル判定のためのしきい値等が含まれている。
【0072】
また、増幅率を決定するための基準も、記憶部287に記憶する情報に含まれる。この基準としては、たとえば、上記のように、親機100から遠い子機200では、増幅率を高くし、親機100から近い子機200では、増幅率を低くするといった基準が考えられる。接続順位に対応する増幅率が設定されたテーブルも、基準に含まれる。
【0073】
[孫機]
孫機300は、受光部310、ダウンリンク受信部320、出力部330、入力部340、アップリンク送信部350、発光部360等を有している。なお、孫機300は、その一例として、ヘッドセットHと通信部Sによって構成されている。上記の各部は、後述するように、ヘッドセットHと通信部Sのいずれかに配設されている。
【0074】
受光部310は、発光部250の出力光を受光して、電気信号に変換する受光素子である。ダウンリンク受信部320は、ダウンリンク信号を処理する処理部である。このダウンリンク受信部320は、復調部321、増幅部322等を有している。復調部321は、受光部310により変換されたダウンリンク信号を復調する処理部である。
【0075】
増幅部322は、復調部321により復調された信号を増幅する処理部である。出力部330は、ダウンリンク受信部320から入力された信号を、音声に変換する処理部である。
【0076】
入力部340は、ユーザが発した音声を電気信号に変換する処理部である。アップリンク送信部350は、アップリンク信号を処理する処理部である。このアップリンク送信部350は、増幅部351、変調部352等を有している。増幅部351は、入力部340から入力された信号を、増幅する処理部である。変調部352は、増幅部351にて増幅された信号を、変調する処理部である。発光部360は、変調部352により変調された信号に基づいて、発光する発光素子である。
【0077】
なお、上記のアップリンク送信部350、ダウンリンク受信部320は、通信部Sのユニットに構成することが考えられる。また、上記の受光部310、出力部330、入力部340、発光部360は、ヘッドセットHに構成することが考えられる(図1参照)。
【0078】
出力部330としては、たとえば、ヘッドセットHに取り付けられたスピーカを用いることができる。入力部340としては、たとえば、ヘッドセットHに取り付けられたマイクロホンを用いることができる。受光部310及び発光部360は、たとえば、ヘッドセットHに設けられた受光素子及び発光素子を用いることができる。
【0079】
[2.作用]
以上のような本実施形態の作用を説明する。
[親機によるダウンリンク送信処理]
まず、親機100からのダウンリンク送信処理を説明する。すなわち、ダウンリンク送信部130が、ダウンリンク信号を、信号多重分離部110に出力する。
【0080】
信号多重分離部110においては、混合分配器113が、ハイパスフィルタ112を経由したダウンリンク信号を、同軸ケーブルCを流れる信号に混合する。また、重畳部140が、同軸ケーブルCを流れる信号に、直流電圧を重畳する。
【0081】
[子機によるダウンリンク受信処理]
次に、子機200におけるダウンリンク受信処理を、図4のフローチャートを参照して説明する。なお、図4、図5(後述する)のフローチャートの処理の順序は例示であり、本発明は、必ずしもこの順序に限定されるものではない。
【0082】
すなわち、子機200においては、分岐部210が、同軸ケーブルCを流れる信号を分岐する(ステップ01)。直流成分抽出部230は、同軸ケーブルCを流れる信号から、直流成分を抽出して、制御部280に入力する(ステップ02)。
【0083】
制御部280の検出部281においては、端子電位検出部281aが、抵抗器R1の親機側の端子とGNDの間の電位差、抵抗器R1の他方の端子とGNDの間の電位差を検出する(ステップ03)。電圧降下検出部281bは、上記電位差に基づいて、抵抗器R1間の電圧降下を検出する(ステップ04)。
【0084】
判定部282における接続数判定部282aは、検出された電圧降下の値と、記憶部287に記憶された重畳電圧値とに基づいて、親機100に接続された子機200の台数(接続数)を判定する(ステップ05)。判定された接続数は、記憶部287が記憶する。
【0085】
接続順位判定部282bは、接続数、検出部281により検出された電位及び電圧降下の値とに基づいて、当該子機200が親機100から何台目に接続されたか(接続順位)を判定する(ステップ06)。判定された接続順位は、記憶部287が記憶する。
【0086】
決定部283は、判定部282による判定結果に基づいて、増幅率を決定する(ステップ07)。決定された増幅率は、記憶部287が記憶する。増幅指示部284は、増幅部241、271に、決定された増幅率による増幅を指示する(ステップ08)。
【0087】
一方、分岐部210は、交流成分を抽出して、信号多重分離部220に入力する(ステップ09)。信号多重分離部220においては、混合分配器223が信号を分配し、ハイパスフィルタ222がダウンリンク信号を分離する(ステップ10)。
【0088】
ダウンリンク受信部240においては、増幅部241が、分離されたダウンリンク信号を、上記の増幅率に基づいて増幅する(ステップ11)。発光部250は、増幅されたダウンリンク信号に基づいて発光する(ステップ12)。
【0089】
[孫機によるダウンリンク受信処理]
次に、孫機300によるダウンリンク受信処理を説明する。すなわち、孫機300の受光部310は、発光部250の発光を受光して、電気信号に変換して、ダウンリンク受信部320に入力する。ダウンリンク受信部320における復調部321は、入力された信号を復調する。増幅部322は、復調された信号を増幅する。出力部330は、増幅された信号を音声に変換する。
【0090】
[孫機によるアップリンク送信処理]
次に、孫機300からのアップリンク送信処理を説明する。すなわち、入力部340は、ユーザが発した音声を電気信号に変換して、アップリンク送信部350に入力する。アップリンク送信部350における増幅部351は、入力された信号を増幅する。変調部352は、増幅された信号を変調する。発光部360は、変調された信号に基づいて発光する。
【0091】
[子機によるアップリンク送信処理]
次に、子機200におけるアップリンク送信処理を、図5のフローチャートを参照して説明する。すなわち、受光部260は、発光部360の発光を受光して電気信号に変換し、アップリンク送信部270及び制御部280に入力する(ステップ21)。
【0092】
制御部280の監視部285は、受光部260からの電気信号のレベルを監視する(ステップ22)。信号のレベルが所定のしきい値に達している場合(ステップ23のYES)、アップリンク送信部270における増幅部271は、上記の増幅率に基づいて、入力された信号を増幅する(ステップ26)。
【0093】
信号多重分離部220においては、混合分配器223は、ローパスフィルタ221を経由したアップリンク信号を、分岐部210を流れる信号に混合する(ステップ27)。これにより、アップリンク信号が、分岐部210を経由して、同軸ケーブルCを流れる。
【0094】
なお、監視部285が、電気信号のレベルが、所定のしきい値に達していないと判定した場合(ステップ23のNO)、停止指示部286は、アップリンク送信部270に送信停止を指示する(ステップ24)。これに従い、アップリンク送信部270は、アップリンク信号の送信を停止する(ステップ25)。これにより、低レベルのアップリンク信号は、同軸ケーブルCには流れない。
【0095】
[親機によるアップリンク受信処理]
さらに、親機100におけるアップリンク受信処理を説明する。すなわち、親機100の信号多重分離部110においては、混合分配器113が、同軸ケーブルCを流れる信号を分配する。この信号から、ローパスフィルタ111がアップリンク信号を分離して、アップリンク受信部120に入力する。
【0096】
アップリンク受信部120の復調部121は、入力されたアップリンク信号の復調を行う。復調されたアップリンク信号は、出力部122によって主装置Mへ出力される。
【0097】
なお、アップリンク受信部120は、復調されたアップリンク信号を、ダウンリンク送信部130における変調部132に入力する。変調部132は、復調されたアップリンク信号を変調して、上記のように、ダウンリンク信号として同軸ケーブルCに出力する。このため、全ての孫機300において、他の孫機300からの音声を聞くことができる。
【0098】
(実施例)
さらに、より具体的な実施例を、図6〜図8を参照して説明する。
(接続順位の判定)
まず、接続順位の判定例を説明する。数値条件は、以下の通りである。なお、現実の装置構成、検出誤差等のために、演算結果が整数とならない場合もある。ただし、かかる場合も、少数点以下の所定桁の切り捨て、繰り上げ若しくは四捨五入、判定の上下限値若しくはしきい値等の設定により、正確な台数を求めることが可能である。
【0099】
親機での重畳DC電圧:+5V
カスケード接続する子機:6台
各子機での抵抗値:1kΩ
同軸ケーブルCの特性インピーダンス:50Ω
終端抵抗値:50Ω
【0100】
この場合、各子機における電圧降下は、
Vled=0.8266…(終端抵抗による電圧降下0.04)
【0101】
各子機では、以下の式により、全体で6台の子機が接続されていることが判定できる。
N=V/Vled1=5/0.826≒6
なお、
【0102】
a)子機#1では、以下の式により、自らが親機に一番近い子機であると判定できる。
M=N−Vp1/Vled1+1=6−5/0.826+1≒1
この場合、子機#1は、親機に近いので、アップリンク信号及びダウンリンク信号の増幅率を低めに設定する。
【0103】
b)子機#5では、以下の式により、自らが親機に五番目に近い子機であると判定できる。
M=N−Vp5/Vled5+1=6−1.66/0.826+1≒5
この場合、子機#5は、親機から遠いので、アップリンク信号及びダウンリンク信号の増幅率を高めに設定する。
【0104】
(増幅率の決定)
上記のように決定された接続順位Mに基づいて、増幅率を決定するためのテーブルの一例を、図7に示す。このテーブルでは、子機と親機との間の通過損を相殺できるように、増幅率が設定されている。つまり、子機における損失(ここでは、分岐部の分岐損)と通信線における損失(ここでは、同軸ケーブルにおける伝送損失)を相殺できるように、増幅率が設定されている。なお、分岐部の損失は約1dB、同軸ケーブルは損失を0.1dBとしている。
【0105】
上記のテーブルに従うと、図8に示すように、子機#1の増幅率は、1.012倍、子機#2の増幅率は、1.148倍、子機#3の増幅率は1.303倍に設定される。
【0106】
[3.効果]
以上のような本実施形態は、次のような効果が得られる。
(1)親機100の出力に重畳された直流成分により、親機100に接続されている子機200の数、それぞれの子機200が親機100に対して何番目に接続されているかを判定できる。
【0107】
(2)そして、単に子機200の接続順位を判定するだけでなく、それぞれの子機200が何番目に接続されているかに応じて、親機100と各子機200との間で送受信される信号の増幅率を自動で設定できる。たとえば、親機100に対して遠くに設置されている子機200から送信するアップリンク信号は、より増幅した状態で親機100に送出するという制御が可能となる。また、親機100に対して遠くに設置されている子機200において受信するダウンリンク信号は、より増幅した状態で孫機300に送出するという制御が可能となる。
【0108】
これにより、同軸ケーブルCを介して複数の子機200がカスケード接続された環境において、送受信される信号の減衰が存在しても、各子機200内における増幅機能によって減衰分を相殺することが可能となる。
【0109】
(3)信号を増幅する機能を持つ専用装置(ブースター)を、同軸ケーブルCの経路に設ける必要がない。このため、通信システムの実際の設置現場における設備費用を、安価に抑えることができる
【0110】
(4)子機200を同軸ケーブルCに接続した段階で、重畳電圧を検知可能であれば、子機200の総数及び接続順位を判定し、増幅率を設定できるので、設定作業の手間がかからない。
【0111】
(5)孫機300から子機200で受信した信号のレベルが、所定のしきい値以下であった場合に、子機200でアップリンクを中止する。このため、ノイズ等の余分な成分が含まれている信号を、子機200で増幅してアップリンクしてしまうことが防止される。
【0112】
これにより、子機200と孫機300との距離が遠く離れている場合、孫機300が障害物に隠れて子機200から見えない場合等により通信不能な場合であっても、アップリンク信号がノイズに埋もれてしまうことがない。
【0113】
[4.他の実施形態]
(1)子機と孫機との通信は、上記の実施形態においては、発光素子と受光素子を用いた光により行っていた。これは、たとえば、赤外線の発光素子を用いた赤外光、可視光の発光素子を用いた可視光等を用いることができる。アップリンク及びダウンリンクともに可視光若しくは赤外光を用いても、いずれか一方が赤外光、他方が可視光であってもよい。
【0114】
(2)子機と孫機との通信媒体は、光には限定されない。その他、現在又は将来において利用可能な周波数を用いた無線通信でもよい。この場合、子機と孫機には、発光素子と受光素子の代わりに、送受信用のアンテナを用いることが考えられる。また、通信線による有線接続による通信であってもよい。
【0115】
(3)親機、子機、孫機との間で送受信する信号は、どのような情報に基づく信号であってもよい。音声、文字、画像、動画、その他の情報を変換した信号であってもよい。これらのいずれかの情報を組み合わせた情報を変換した信号であってもよい。
【0116】
(4)親機と子機とを接続する通信線は同軸ケーブルには限定されない。LANケーブル、光ファイバケーブル、その他、現在又は将来において利用可能なあらゆる通信線を利用できる。
【0117】
(5)接続順位の判定に用いるパラメータは、あらかじめ記憶部に記憶されたものを用いることもできる。たとえば、子機の接続数、各子機における電圧降下の値等は、あらかじめ記憶部に記憶したものを用いてもよい。
【0118】
(6)親機、子機、孫機の構成態様は、上記の実施形態には限定されない。たとえば、図9に示すように、分岐部210について、子機200の外に設けてもよい。また、重畳部140を、親機100とは別に設けてもよい。孫機300と子機200との間の信号の送受信をアンテナにより行う場合、通信部Sにアンテナを設けてもよい。
【0119】
(7)上記の実施形態では、ダウンリンク受信部240の増幅部241、アップリンク送信部270の増幅部271の双方における増幅率の制御を行っていた。しかし、接続順位に応じた増幅率の制御は、増幅部241及び増幅部271のいずれか一方のみで行ってもよい。
【0120】
(8)上記の実施形態では、停止指示部286は、アップリンク送信部270による送信を停止させていた。ただし、信号レベルが所定のしきい値に達していない場合、停止指示部286が、増幅部271によるアップリンク信号の増幅を停止させる構成であってもよい。
【0121】
(9)上記の実施形態では、接続数及び接続順位の判定処理、増幅率の決定処理、信号の増幅処理を、子機200側において行っていた。ただし、子機200側で判定された増幅率の情報を親機100に送信し、これを受信した親機100において、当該増幅率に基づく増幅処理を行ってもよい。また、子機200側で判定された接続順位の情報を親機100に送信し、これを受信した親機100側において、当該接続順位に基づく増幅率の決定処理及び信号の増幅処理を行ってもよい。
【0122】
かかる処理を実現するために、たとえば、親機100が、受信した情報を記憶する記憶部、信号の増幅処理を行う増幅部(アップリング受信部120及びダウンリンク送信部130の少なくとも一方に)等を備えることが考えられる。また、親機100が、接続順位に基づいて増幅率を決定する決定部を備えることも考えられる。
【0123】
また、親機100が、いずれの子機200の信号かを識別して、それぞれについて決定された増幅率に基づいて増幅処理を行うことも可能である。たとえば、各子機200毎に異なるチャネルを割り当てておく。信号多重分離部110は、チャネル毎に子機200の信号を分離する。そして、分離された各信号を、各子機200に応じて決定された増幅率に基づいて、増幅部によって増幅する。
【0124】
(10)本発明は、CPU等を含むコンピュータを所定のプログラムで制御することによって実現できる。この場合のプログラムは、コンピュータのハードウェアを物理的に活用することで、上記のような各部の処理を実現するものである。
【0125】
(11)上記の各部の処理を実行する方法、プログラム及びプログラムを記録した記録媒体も、実施形態の一態様である。また、ハードウェアで処理する範囲、プログラムを含むソフトウェアで処理する範囲をどのように設定するかは、特定の態様には限定されない。たとえば、上記の各部のいずれかを、それぞれの処理を実現する回路として構成することも可能である。
【0126】
(12)記憶部としては、たとえば、メモリ、ハードディスク、光ディスク等の現在もしくは将来において利用可能なあらゆる記憶媒体を使用できる。さらに、記憶部には、一時的な記憶領域として使用されるレジスタ、メモリ等も含まれる。
【0127】
(13)入力部は、音声を入力する装置には限定されない。たとえば、マウス、キーボード、リモコン、スイッチ、ディスプレイ(タッチパネル)等、現在もしくは将来において利用可能なあらゆる入力装置を使用できる。
【0128】
(14)出力部は、音声を出力する装置には限定されない。たとえば、ディスプレイ、プリンタ等の現在もしくは将来において利用可能なあらゆる出力装置を使用できる。
【0129】
(15)本発明においては、大小の判定処理において、「達している」、「達していない」、「以上」、「以下」、「より大きい」、「より小さい」等、しきい値を含む判定するか、含まない判定とするかは自由である。
【0130】
(16)本発明は、可視光通信を利用した通信装置、通信システムに適しているが、これには限定されない。一般的なLANを含み、現在又は将来において利用可能なあらゆる通信装置、通信システムに適用可能である。使用する通信プロトコルについても、特定のものには限定されない。
【符号の説明】
【0131】
100…親機
110,220…信号多重分離部
111,221…ローパスフィルタ
112,222…ハイパスフィルタ
113,223…混合分配器
120…アップリンク受信部
121,321…復調部
122,330…出力部
130…ダウンリンク送信部
131,340…入力部
132,352…変調部
140…重畳部
141…電源部
200…子機
210…分岐部
211…分岐回路
230…直流成分抽出部
240,320…ダウンリンク受信部
241,271,322,351…増幅部
250,360…発光部
260,310…受光部
270,350…アップリンク送信部
280…制御部
281…検出部
282…判定部
283…決定部
284…増幅指示部
285…監視部
286…停止指示部
287…記憶部
300…孫機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信線を介して親機に多段に接続可能な子機に構成され、
親機から受信した信号及び親機へ送信する信号の少なくとも一方を増幅する増幅部と、
親機からの信号に重畳された直流成分を抽出する直流成分抽出部と、
前記直流成分に基づいて、親機からの子機の接続順位を判定する接続順位判定部と、
前記接続順位に応じて、前記増幅部の増幅率を決定する決定部と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記決定部が増幅率を決定する基準を記憶した記憶部を有することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記基準は、親機から遠い子機ほど増幅率が高く、親機から近い子機ほど増幅率が低くなるように設定されていることを特徴とする請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記基準は、接続順位に対応する増幅率が設定されたテーブルであることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の通信装置。
【請求項5】
前記基準は、親機と各子機との間の通過損を相殺可能な増幅率が設定されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記接続順位判定部は、通信線に接続された端子電位と、親機に接続された子機の数とに基づいて、前記接続順位を判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記直流成分抽出部により抽出された直流成分に基づいて、前記端子電位を検出する端子電位検出部を有することを特徴とする請求項6記載の通信装置。
【請求項8】
前記端子電位に基づいて、端子間の電圧降下を検出する電圧降下検出部を有することを特徴とする請求項7記載の通信装置。
【請求項9】
重畳された直流電圧と、前記電圧降下に基づいて、親機に接続された子機の数を判定する接続数判定部を有することを特徴とする請求項8記載の通信装置。
【請求項10】
孫機に無線若しくは有線により接続可能に設けられ、
孫機から受信した信号のレベルを監視する監視部と、
前記監視部により、あらかじめ設定されたレベルに達していないと判定された場合に、親機への信号の送信を停止させる停止指示部と、
を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
接続線を介して親機に多段に接続可能な子機が有する増幅部、直流成分抽出部、接続順位判定部及び決定部により実行される通信方法であって、
増幅部が、親機から受信した信号及び親機へ送信する信号の少なくとも一方を増幅する処理と、
直流成分抽出部が、親機からの信号に重畳された直流成分を抽出する処理と、
接続順位判定部が、前記直流成分に基づいて、親機からの子機の接続順位を判定する処理と、
決定部が、前記接続順位に応じて、増幅部の増幅率を決定する処理と、
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項12】
接続線を介して親機に多段に接続可能なコンピュータにより実行される通信プログラムであって、
前記コンピュータに、
親機から受信した信号及び親機へ送信する信号の少なくとも一方を増幅する処理と、
親機からの信号に重畳された直流成分を抽出する処理と
前記直流成分に基づいて、親機からの子機の接続順位を判定する処理と、
前記接続順位に応じて、前記増幅する処理の増幅率を決定する処理と、
を実行させることを特徴とする通信プログラム。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の複数の通信装置が、通信線を介して多段に接続され、
前記通信線を流れる信号に直流成分を重畳する重畳部を有することを特徴とする通信システム。
【請求項14】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の複数の通信装置が、通信線を介して多段に接続され、
前記通信線に接続され、前記複数の通信装置に対して信号を送受信可能な親機を有し、
前記親機が送信する信号に、直流成分を重畳する重畳部を有することを特徴とする通信システム。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の通信装置に対して、無線若しくは有線により信号を送受信可能な孫機を有することを特徴とする通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−46262(P2013−46262A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183127(P2011−183127)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(390005223)株式会社タムラ製作所 (526)
【Fターム(参考)】