説明

通信装置およびその動作方法

【課題】2つの通信方法を使用する通信装置におけるポーリングを早期に終了させる。
【解決手段】通信部13は、通信方法Nによるポーリング電文を外部に送出し、ポーリング電文に対する応答の電文を外部から受信したなら、通信部13から通信方法Mによるポーリング電文が既に送信されているなら、予め記憶した応答電文を読み出し、通信部12へ送信する。一方、通信部23は、通信方法Nによるポーリング電文が外部から送信されたなら、ポーリング電文に対する応答の電文を外部に送出し、予め記憶したポーリング電文を読み出し、通信部22へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置およびその動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年にあっては、非接触ICカードを使った入退室システムや改札システムが増えている。
【0003】
これらのシステムは、ポーリングコマンドを作成する上位装置(例えば入退管理サーバ)と、ポーリングコマンドを所定の通信方法によるポーリング電文へ変換し送出する中継装置(例えばICカードRW)と、任意の通信手段と通信する変換部および入退時に必要な識別情報を管理する識別情報管理部を有するモバイル端末(例えばICカード)とを備える構成になっており、上位装置がポーリングコマンドを中継装置へ送り、中継装置はそれをトリガーにして任意の間隔でポーリング電文を繰り返し送出し、モバイル端末を検知している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ワイヤレスカードシステムの応用 技術資料 ARIB TR−T10 1.0版、P.13、[online]、社団法人 電波産業会、[平成22年6月14日検索]、インターネット<URL: http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/3−TR−T10v1_0.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図10は、従来の通信システムの動作を示すシーケンス図であり、通信装置1A、2Aの間の距離が長く通信範囲外の場合の様子を示すものである。
【0006】
通信装置1Aでは、通信部12が既存の通信部、通信部13Aが新たな通信部である。また、通信装置2Aでは、通信部22が既存の通信部、通信部23Aが新たな通信部である。
【0007】
情報処理部11は、通信装置1Aが起動されると、通信部12にポーリングコマンドを送信し(T101)、通信部12は、ポーリングコマンドを受信したら、通信方法Mによるポーリング電文を作成し、通信部13Aに送信する(T102)。
【0008】
通信部13Aは、通信方法Mによりポーリング電文を受信したなら、通信方法Nによるポーリング電文を作成し、通信方法Nにより外部に送出する(T103)。
【0009】
通信装置1A、2Aの間の距離が長く通信範囲外であると、通信部13Aからの通信方法Nによるポーリング電文は通信装置2Aに届かず、通信部13Aは、やがてタイムアウトとなる。
【0010】
通信部12は、通信部13Aからの応答がないので、タイムアウトとポーリング電文の送信を繰り返す。
【0011】
図11は、従来の通信システムの動作を示すシーケンス図であり、通信装置1A、2Aの間の距離が短く通信範囲内の場合の様子を示すものである。
【0012】
情報処理部11は、通信装置1Aが起動されると、通信部12にポーリングコマンドを送信し(T101)、通信部12は、ポーリングコマンドを受信したら、通信方法Mによるポーリング電文を作成し、通信部13Aに送信する(T102)。
【0013】
通信部13Aは、通信方法Mによりポーリング電文を受信したなら、通信方法Nによるポーリング電文を作成し、通信方法Nにより外部に送出する(T103)。
【0014】
通信部23Aは、通信方法Nによりポーリング電文を受信したなら、ポーリング電文に対する応答の電文を作成し、応答の電文を通信方法Nにより外部に送出する(T111)。
【0015】
通信部13Aは、通信方法Nにより応答の電文を受信したなら、それが肯定応答の電文であることを条件に、応答の送信元つまり通信部23Aとで通信方法Nによる通信が可能となるように準備を行う。
【0016】
通信部13Aは、通信部23Aとの通信方法Nによる通信が可能となったなら、先に受信していた通信方法Mによりポーリング電文をデータとして含む通信方法Nによる電文を作成し、通信部23Aに送信する(T113)。
【0017】
通信部23Aは、通信方法Nにより電文を受信し、電文からデータつまり通信方法Mによるポーリング電文を取り出し、通信方法Mにより通信部22に送信する(T115)。
【0018】
通信部22は、通信方法Mによりポーリング電文を受信し、ポーリング電文をポーリングコマンドに変換し、ポーリングコマンドを情報処理部21に送信する(T117)。
【0019】
情報処理部21は、ポーリングコマンドを受信し、ポーリングコマンドに対する応答コマンド(例えば、肯定応答のコマンド)を作成し、応答コマンドを通信部22に送信する(T119)。
【0020】
通信部22は、応答コマンドを通信方法Mによるポーリング電文に対する応答の電文に変換し、通信方法Mにより通信部23Aに送信する(T121)。
【0021】
通信部23Aは、通信方法Mにより電文を受信し、通信方法Mによる電文をデータとして含む通信方法Nによる電文を生成し、通信方法Nにより通信部13Aに送信する(T123)。
【0022】
通信部13Aは、通信方法Nにより電文を受信し、通信方法Nによる電文からデータつまり通信方法Mによるポーリング電文に対する応答の電文を取り出し、通信方法Mにより通信部12に送信する(T125)。
【0023】
通信部12は、通信方法Mにより応答の電文を受信したなら、電文を情報処理部21が作成した応答コマンドに変換し、情報処理部11に有線にて送信する(T127)。
【0024】
例えば、既存の入退室システムや改札システムなどの非接触ICカードを使用したシステムにおいて、非接触ICカードに使用される既存の通信方法だけでなく、新たにPAN(Personal Area Network)や電界通信等の通信方法も使用できるようにし、さらに既存の通信方法によるポーリング電文は変更せず、あるいは変更を最小限にして、新たな通信方法と同時に使用できるようにすることを考えた場合、下記の実現要件に対応することが必要となる。
【0025】
1)いずれの通信方法においても、当該通信方法で使用するポーリング電文は、ポーリング電文を受信する通信部まで送信された後、その処理結果を当該通信装置から返信されること。
【0026】
2)既存の通信部と新たな通信部との間で通信を行う場合、それぞれの通信部から発信されるポーリング電文は受信側の通信部では単なるデータでしかなくポーリング電文であることを認識できない。このため、新たな通信部は,新たな通信方法のポーリング処理の後、新たな通信方法による電文の中にデータとして既存の通信方法によるポーリング電文を含むこととし、当該新たな通信方法のポーリング電文を受信する既存の通信方法を使用する通信部では、電文に含まれる既存の通信方法によるポーリング電文を取り出し、処理を行うこと。
【0027】
なお、既存の通信方法を使用する装置から新たな通信方法の装置に対してポーリング電文を送信する場合も同様の処理を要する。
【0028】
前記1),2)の要件を満たすためには,既存の通信方法と比較して、「新たな通信方法によるポーリング処理」と「新たな通信方法によるデータ(既存のポーリング電文とその応答電文)伝送処理」と「通信装置内での既存の通信方法によるポーリング処理」が新たに追加される。
【0029】
しかし、前記1)、2)の実現要件に対応して新たな処理が追加されることにより新たな処理時間を要し、既存の通信方法で通信を行う場合においては制限時間内に終わっていたポーリング処理が、新たな通信方法と既存の通信方法の通信を行う場合においてはタイムアウトが発生し、制限時間以内にポーリングを終了させることができないという問題が出てくる。このため、新たな通信方法と既存の通信方法の通信を行うために必要な要件のうち,「新たな通信方法によるデータ(既存のポーリング電文とその応答電文)伝送処理」と「通信装置内での既存の通信方法によるポーリング処理」に関する処理時間を短縮する手段を提示し、異なる通信方法を使用する場合の通信におけるタイムアウトを抑制し、制限時間内のポーリング処理完了を実現することが必要である。
【0030】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、2つの通信方法を使用する通信装置におけるポーリングを早期に終了させることのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上記の課題を解決するために、第1の本発明は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置であって、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文である応答電文が予め記憶される応答電文記憶部、前記第2の通信方法によるポーリング電文を外部に送出し、当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部から受信したなら、前記第1の通信部から第1の通信方法によるポーリング電文を既に受信しているなら、前記応答電文記憶部から応答電文を読み出す中継処理部を有する第1の中継部と、当該応答電文を前記第1の通信部へ送信する第2の中継部とを備えることを特徴とする通信装置をもって解決手段とする。
【0032】
第2の本発明は、第1の本発明に係る通信装置とともに使用される通信装置であって、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶されるポーリング電文記憶部、前記第2の通信方法によるポーリング電文を外部から受信したなら、当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部に送出し、前記ポーリング電文記憶部からポーリング電文を読み出す中継処理部を有する第1の中継部と、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信する第2の中継部とを備えることを特徴とする通信装置をもって解決手段とする。
【0033】
第3の本発明は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置であって、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文である応答電文が予め記憶される応答電文記憶部、前記第2の通信方法で使用される当該通信装置の装置識別子が予め記憶される装置識別子記憶部、前記第1の通信方法で使用される通信相手の装置識別子並びに前記第2の通信方法で使用される当該通信相手の装置識別子を含む装置識別子情報が予め記憶される装置識別子情報記憶部、前記装置識別子記憶部から装置識別子を読み出し、前記第2の通信方法によるポーリング電文を作成し、当該ポーリング電文に当該装置識別子を含ませ、当該装置識別子を含ませたポーリング電文を外部に送出する中継処理部、当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部から受信したなら、当該応答の電文に含まれる装置識別子を読み出し、当該装置識別子と同じ装置識別子を含む装置識別子情報を前記装置識別子情報記憶部から検索し、当該装置識別子情報から前記第1の通信方法で使用される装置識別子を読み出し、前記応答電文記憶部から応答電文を読み出し、当該応答電文に、前記装置識別子情報から読み出した装置識別子を含ませる応答電文作成部を有する第1の中継部と、前記第1の通信部から第1の通信方法によるポーリング電文を既に受信している場合において、当該応答電文を前記第1の通信部へ送信する第2の中継部とを備えることを特徴とする通信装置をもって解決手段とする。
【0034】
第4の本発明は、第3の本発明に係る通信装置とともに使用される通信装置であって、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶されるポーリング電文記憶部、前記第2の通信方法で使用される当該通信装置の装置識別子が予め記憶される装置識別子記憶部、前記第1の通信方法で使用される通信相手の装置識別子並びに前記第2の通信方法で使用される当該通信相手の装置識別子を含む装置識別子情報が予め記憶される装置識別子情報記憶部、前記第2の通信方法によるポーリング電文を外部から受信したなら、前記装置識別子記憶部から装置識別子を読み出し、前記第2の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文を作成し、当該応答の電文に当該装置識別子を含ませ、当該装置識別子を含ませた応答の電文を外部に送出する中継処理部、当該ポーリング電文に含まれる装置識別子を読み出し、当該装置識別子と同じ装置識別子を含む装置識別子情報を前記装置識別子情報記憶部から検索し、当該装置識別子情報から前記第1の通信方法で使用される装置識別子を読み出し、前記ポーリング電文記憶部からポーリング電文を読み出し、当該ポーリング電文に、前記装置識別子情報から読み出した装置識別子を含ませるポーリング電文作成部を有する第1の中継部と、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信する第2の中継部とを備えることを特徴とする通信装置をもって解決手段とする。
【0035】
第5の本発明は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置の動作方法であって、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文である応答電文が予め記憶される応答電文記憶部を備え、前記動作方法は、前記第2の通信部が、前記第2の通信方法によるポーリング電文を外部に送出し、当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部から受信したなら、前記第1の通信部から第1の通信方法によるポーリング電文を既に受信しているなら、前記応答電文記憶部から応答電文を読み出し、前記第1の通信部へ送信することを特徴とする通信装置の動作方法をもって解決手段とする。
【0036】
第6の本発明は、第1の本発明に係る通信装置とともに使用される通信装置の動作方法であって、当該通信装置は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶されるポーリング電文記憶部を備え、前記動作方法は、前記第2の通信部が、前記第2の通信方法によるポーリング電文を外部から受信したなら、当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部に送出し、前記ポーリング電文記憶部からポーリング電文を読み出し、前記第1の通信部へ送信することを特徴とする通信装置の動作方法をもって解決手段とする。
【0037】
第7の本発明は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置の動作方法であって、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文である応答電文が予め記憶される応答電文記憶部、前記第2の通信方法で使用される当該通信装置の装置識別子が予め記憶される装置識別子記憶部、前記第1の通信方法で使用される通信相手の装置識別子並びに前記第2の通信方法で使用される当該通信相手の装置識別子を含む装置識別子情報が予め記憶される装置識別子情報記憶部を有し、前記動作方法は、前記第2の通信部が、前記装置識別子記憶部から装置識別子を読み出し、前記第2の通信方法によるポーリング電文を作成し、当該ポーリング電文に当該装置識別子を含ませ、当該装置識別子を含ませたポーリング電文を外部に送出し、前記第2の通信部が、当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部から受信したなら、当該応答の電文に含まれる装置識別子を読み出し、当該装置識別子と同じ装置識別子を含む装置識別子情報を前記装置識別子情報記憶部から検索し、当該装置識別子情報から前記第1の通信方法で使用される装置識別子を読み出し、前記応答電文記憶部から応答電文を読み出し、当該応答電文に、前記装置識別子情報から読み出した装置識別子を含ませ、前記第2の通信部が、前記第1の通信部から第1の通信方法によるポーリング電文を既に受信している場合において、当該応答電文を前記第1の通信部へ送信することを特徴とする通信装置の動作方法をもって解決手段とする。
【0038】
第8の本発明は、第3の本発明に係る通信装置とともに使用される通信装置の動作方法であって、当該通信装置は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶されるポーリング電文記憶部、前記第2の通信方法で使用される当該通信装置の装置識別子が予め記憶される装置識別子記憶部、前記第1の通信方法で使用される通信相手の装置識別子並びに前記第2の通信方法で使用される当該通信相手の装置識別子を含む装置識別子情報が予め記憶される装置識別子情報記憶部を有し、前記動作方法は、前記第2の通信部が、前記第2の通信方法によるポーリング電文を外部から受信したなら、前記装置識別子記憶部から装置識別子を読み出し、前記第2の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文を作成し、当該応答の電文に当該装置識別子を含ませ、当該装置識別子を含ませた応答の電文を外部に送出し、前記第2の通信部が、当該ポーリング電文に含まれる装置識別子を読み出し、当該装置識別子と同じ装置識別子を含む装置識別子情報を前記装置識別子情報記憶部から検索し、当該装置識別子情報から前記第1の通信方法で使用される装置識別子を読み出し、前記ポーリング電文記憶部からポーリング電文を読み出し、当該ポーリング電文に、前記装置識別子情報から読み出した装置識別子を含ませ、前記第2の通信部が、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信することを特徴とする通信装置の動作方法をもって解決手段とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、2つの通信方法を使用する通信装置におけるポーリングを早期に終了させることのできる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の実施の形態に係る通信システムの構成図である。
【図2】第1の実施の形態における中継部132、232の構成図である。
【図3】第1の実施の形態における通信部13における処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】第1の実施の形態における通信部23における処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態における通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図6】第1の実施の形態における通信システムの動作の別な一例を示すシーケンス図である。
【図7】第2の実施の形態における中継部132、232の構成図である。
【図8】第2の実施の形態における通信部13における処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態における通信部23における処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】従来の通信システムの動作を示すシーケンス図であり、通信装置1A、2の間の距離が長く通信範囲外の場合の様子を示すものである。
【図11】従来の通信システムの動作を示すシーケンス図であり、通信装置1A、2の間の距離が短く通信範囲内の場合の様子を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0042】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る通信システムの構成図である。
【0043】
通信装置1は、通信装置2内の情報を用いて情報処理を行う情報処理部11と、情報処理部11と有線で接続された通信部12と、通信方法M(例えば、非接触カードに使用される)によって通信部12と通信し、通信装置2とは通信方法N(例えば、電界通信)によって通信する通信部13を備える。
【0044】
通信部13は、通信装置1に新たに設けられたものであり、通信部13が設けられる前の通信装置1は通信装置2と、つまり、通信部12は、通信方法Mによって、通信装置2と通信していた。
【0045】
しかし、通信部13が設けられてからは、通信装置1は通信装置2と、つまり、通信部13は、新たな通信方法、つまり、通信方法Mとは異なる通信方法Nで、通信装置2と通信する。
【0046】
通信部13は、通信方法Mによって通信部12と通信する中継部131と、中継部131と有線で接続され、通信方法Nで通信装置2と通信する中継部132とを備える。
【0047】
通信装置2は、通信装置1にとって必要な情報を有する情報処理部21と、情報処理部21と有線で接続された通信部22と、通信方法Mによって通信部22と通信し、通信装置1とは通信方法Nによって通信する通信部23を備える。
【0048】
通信部23は、通信装置2に新たに設けられたものであり、通信部23が設けられる前の通信装置2は通信装置1と、つまり、通信部22は、通信方法Mによって、通信装置1と通信していた。
【0049】
しかし、通信部23が設けられてからは、通信装置2は通信装置1と、つまり、通信部23は、通信方法Nで、通信装置2と通信する。
【0050】
通信部23は、通信方法Mによって通信部22と通信する中継部231と、中継部231と有線で接続され、通信方法Nで通信装置1(つまり通信装置1の中継部132)と通信する中継部232とを備える。
【0051】
図2は、第1の実施の形態における中継部132、232の構成図である。
【0052】
中継部132は、予め中継部132に記憶された電文(後述の応答電文MR)を通信部12に送信する中継処理部1321と、通信部12から通信部13の中継部131に送信される通信方法Mによるポーリング電文に対する肯定応答つまり通信方法Mによる応答電文MRが記憶された応答電文記憶部1322とを備える。
【0053】
図示しないが、中継部132には、通信部12からポーリング電文の送信が既にあったか否かによらずポーリング電文を送出すべき場合には、その旨の設定情報(以下、設定情報AUTOという)が記憶される。
【0054】
中継部232は、予め中継部232に記憶されたポーリング電文(後述のポーリング電文)を通信部22に送信する中継処理部2321と、通信部12から通信部13の中継部131に送信される通信方法Mによるポーリング電文と同じポーリング電文MPが記憶されたポーリング電文記憶部2322とを備える。
【0055】
図3は、第1の実施の形態における通信部13における処理の流れを示すフローチャートである。
【0056】
通信部13は、設定情報AUTOがあるか否かを判定する(S1)。通信部13は、設定情報AUTOがないなら(S1:NO)、通信部12からポーリング電文の送信が既にあったか否かを判定し(S3)、送信がなければ、ステップS3へ戻る。
【0057】
通信部13の中継部132の中継処理部1321は、通信部12からポーリング電文の送信が既にあったなら(S3:YES)、または、設定情報AUTOがある(S1:YES)なら、通信方法Nによるポーリング電文を作成し、通信方法Nにより外部に送出する(S5)。
【0058】
次に、中継部132は、ポーリング電文に対する応答の電文を受信したか否かを判定する(S7)。中継部132は、応答の電文を受信していないと判定したら(S7:NO)、タイムアウト(ステップS5の時刻から所定の時間が経過した)か否かを判定し(S9)、タイムアウトでないなら、ステップS7へ戻り、タイムアウトなら、ステップS11へ進む。
【0059】
ステップS11では、中継部132は、ポーリング電文の送信回数が予め設定された規定回数より多いか否かを判定し、規定回数より多いならステップS1へ戻り、超えていないなら、ステップS5へ戻る。
【0060】
通信部13は、応答の電文を受信したなら(S7:YES)、それが肯定応答の電文であることを条件に、設定情報AUTOがあるか否かを判定する(S21)。
【0061】
通信部13は、設定情報AUTOがあるなら(S21:YES)、通信部12からのポーリング電文の送信が既にあったか否かを判定し(S23)、送信が未だないならば、ステップS23へ戻る。
【0062】
通信部13の中継部132の中継処理部1321は、通信部12からのポーリング電文の送信が既にあった(S23:YES)なら、または、設定情報AUTOがない(S21:NO)なら、応答電文記憶部1322から応答電文MRを読み出し、有線にて中継部131に送信する(S25)。
【0063】
中継部131は、応答電文MRを通信方法Mにより通信部12に送信し(S27)、ステップS1に戻る。
【0064】
図4は、第1の実施の形態における通信部23における処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
通信部23の中継部232の中継処理部2321は、通信方法Nによるポーリング電文を外部から受信した(S101)なら、ポーリング電文に対する応答の電文を作成し、応答の電文を通信方法Nにより外部に送出する(S103)。
【0066】
また、中継部232の中継処理部2321は、ポーリング電文記憶部2322からポーリング電文MPを読み出し、有線にて中継部231に送信し、中継部231は、ポーリング電文MPを通信方法Mにより通信部22に送信する(S111)。
【0067】
次に、通信部23は、通信部22から応答電文MRと同じ応答の電文を受信したか否かを判定する(S113)。通信部23は、応答の電文を受信していないと判定したら(S113:NO)、タイムアウト(ステップS111の時刻から所定の時間が経過した)か否かを判定し(S115)、タイムアウトでないなら、ステップS113へ戻り、タイムアウトなら、ステップS117へ進む。
【0068】
ステップS117では、通信部23は、ポーリング電文MPの送信回数が予め設定された規定回数より多いか否かを判定し、超えていないなら、ステップS111へ戻る。
【0069】
通信部23の中継部232は、規定回数より多いなら、ポーリング電文MPに対する否定応答の電文を作成し、電文を通信方法Nにより外部に送出し(S119)、処理が終了する。
【0070】
中継部232は、応答の電文を受信したなら(S113:YES)、応答の電文を廃棄し(S121)、処理が終了する。
【0071】
図示しないが、通信装置1は、ステップS119で送出される電文を受信したら、例えば、実行中のポーリングや通信を途中で中止する。
【0072】
図5は、第1の実施の形態における通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0073】
図5は、通信装置1、2が互いに近づき、通信が開始される様子を示すものである。
【0074】
通信部13は、通信装置1が起動されると、設定情報AUTOがあるなら、通信方法Nによるポーリング電文を外部に送出する(T1)。
【0075】
通信装置1、2の間の距離が長いと、通信部13からの通信方法Nによるポーリング電文は通信装置2に届かず、通信部13は、タイムアウトとポーリング電文の送信を繰り返す。
【0076】
情報処理部11は、通信装置1が起動されると、通信部12に有線にてポーリングコマンドを送信し(T2)、通信部12は、ポーリングコマンドを受信したら、通信方法Mによるポーリング電文を作成し、通信部13に送信する(T3)。
【0077】
通信部12も、通信部13から応答の電文を受信しないので、タイムアウトと通信方法Mによるポーリング電文の送信を繰り返す。
【0078】
情報処理部11については、ここでは、タイムアウトとなるような設定がなされていないこととする。よって、情報処理部11は、ポーリングコマンドに対する応答を待機する。
【0079】
通信装置1、2が互いに近づき、通信部23の中継部232は、通信部13からの通信方法Nによるポーリング電文が受信されたら、ポーリング電文に対する応答の電文を作成し、応答の電文を通信方法Nにより外部に送出する(T11)。
【0080】
通信部13の中継部132は、通信方法Nにより応答の電文を受信し、通信部12からポーリング電文を既に受信しているので、応答電文MRを読み出し、有線にて中継部131に送信し、中継部131は、応答電文MRを通信方法Mにより通信部12に送信する(T13)。
【0081】
通信部12は、通信方法Mにより応答電文MRを受信し、応答電文MRを応答コマンドに変換し、情報処理部11に有線にて送信する(T15)。
【0082】
一方、通信部23の中継部232は、通信部13からの通信方法Nによるポーリング電文が受信されたら、ポーリング電文MPを読み出し、有線にて中継部231に送信し、中継部231は、ポーリング電文MPを通信方法Mにより通信部22に送信する(T21)。
【0083】
通信部22は、通信方法Mによりポーリング電文MPを受信し、ポーリング電文MPをポーリングコマンドに変換し、ポーリングコマンドを情報処理部21に送信する(T23)。
【0084】
情報処理部21は、ポーリングコマンドを受信し、ポーリングコマンドに対する応答コマンド(例えば、肯定応答のコマンド)を作成し、有線にて応答コマンドを通信部22に送信する(T25)。
【0085】
通信部22は、応答コマンドをポーリング電文MPに対する応答の電文つまり応答電文MRと同じ応答の電文に変換し、通信方法Mにより通信部23の中継部231に送信し(T27)、電文は通信部23にて廃棄される。
【0086】
図6は、第1の実施の形態における通信システムの動作の別な一例を示すシーケンス図である。
【0087】
図6は、通信装置1、2が互いに近づき、通信が開始される様子を示すものである。
【0088】
通信部13は、通信装置1が起動されると、設定情報AUTOがないなら、ポーリング電文が送信される(T3)のを待機する。つまり、通信部13は、情報処理部11から通信部12にポーリングコマンドが送信され(T2)、通信部12から通信部13にポーリング電文が送信される(T3)のを待機する。
【0089】
通信部13は、ポーリング電文を受信した(T3)ら、通信方法Nによるポーリング電文を外部に送出する(T1)。
【0090】
通信装置1、2の間の距離が長いと、通信部13からの通信方法Nによるポーリング電文は通信装置2に届かず、通信部13は、タイムアウトとポーリング電文の送信を繰り返す。
【0091】
通信部12も、通信部13から通信部12に応答の電文が送信されないので、タイムアウトと通信方法Mによるポーリング電文の送信を繰り返す。
【0092】
情報処理部11については、ここでは、タイムアウトとなるような設定がなされていないこととする。よって、情報処理部11は、ポーリングコマンドに対する応答コマンドを待機する。
【0093】
通信装置1、2が互いに近づき、通信部23の中継部232は、通信部13からの通信方法Nによるポーリング電文が受信されたら、ポーリング電文に対する応答の電文を作成し、応答の電文を通信方法Nにより外部に送出する(T11)。
【0094】
通信部13の中継部132は、通信方法Nにより応答の電文を受信したなら、応答電文MRを読み出し、有線にて中継部131に送信し、中継部131は、応答電文MRを通信方法Mにより通信部12に送信する(T13)。
【0095】
以下、図5の例と同様であるので、説明を省略する。
【0096】
こうして、第1の実施の形態では、情報処理部11、21間のポーリングが終了し、その期間においては、通信部12、22間のポーリング、および、通信部13、23間のポーリングも終了する。
【0097】
なお、情報処理部11は、応答コマンドが肯定応答を示すものなら、同様のシーケンスで、通信部12、通信部13、通信部23、通信部22を介して、情報処理部21に対し通信を行い、通信が終了したなら、通信部12にポーリングコマンドを送信し、応答コマンドが肯定応答を示すまで、これを繰り返す。
【0098】
情報処理部11は、応答コマンドが否定応答を示すものであった場合でも、通信部12にポーリングコマンドを送信し、応答コマンドが肯定応答を示すまで、これを繰り返す。
【0099】
したがって、第1の実施の形態によれば、通信方法Nによる応答の電文を受信したなら(T11)、事前に通信方法Mによる応答電文MRを送信し(T13)、これにより、情報処理部11へ応答コマンドが事前に送信される(T15)ので、ポーリングを早期に終了させることができる。
【0100】
つまり、通信部13が、通信方法Nによるポーリング電文を外部に送出し(S5、T1)、当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部から受信したなら(S7:YES)、通信部12から通信方法Mによるポーリング電文を既に受信しているなら(S3:S23:YES)、応答電文記憶部1322から応答電文を読み出し、通信部12へ送信する。
【0101】
そして、通信部23が、通信方法Nによるポーリング電文を外部から受信したなら、当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部に送出し(S103、T11)、ポーリング電文記憶部2322からポーリング電文を読み出し、通信部22へ送信する。
【0102】
これにより、第1の実施の形態においては、ポーリングを早期に終了させることができる。
【0103】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態に同一または類似の装置および装置構成を用い、かかるもののについては第1の実施の形態で使用した符号を使用して重複説明を略し、第1の実施の形態とは異なる事項を中心に説明を行う。
【0104】
図7は、第2の実施の形態における中継部132、232の構成図である。
【0105】
中継部132は、中継処理部1321と、応答電文記憶部1322と、応答電文作成部1323と、装置識別子記憶部1324と、装置識別子情報記憶部1325とを備える。
【0106】
装置識別子記憶部1324は、通信方法Nで使用される通信装置1の装置識別子N1を記憶している。
【0107】
装置識別子情報記憶部1325は、装置識別子N2並びに通信方法Mで使用される通信装置2の装置識別子M2を含む装置識別子情報を記憶している。また、装置識別子情報記憶部1325は、通信装置2以外にも通信する可能性のある通信装置に関する装置識別子情報を記憶している。
【0108】
中継部232は、中継処理部2321と、ポーリング電文記憶部2322と、ポーリング電文作成部2323と、装置識別子記憶部2324と、装置識別子情報記憶部2325とを備える。
【0109】
装置識別子記憶部2324は、通信方法Nで使用される通信装置2の装置識別子N2を記憶している。
【0110】
装置識別子情報記憶部2325は、装置識別子N1並びに通信方法Mで使用される通信装置1の装置識別子M1を含む装置識別子情報を記憶している。また、装置識別子情報記憶部2325は、通信装置1以外にも通信する可能性のある通信装置に関する装置識別子情報を記憶している。
【0111】
図8は、第2の実施の形態における通信部13における処理の流れを示すフローチャートである。図8においては、図3におけるステップと同一のステップには同一の符号を使用する。
【0112】
ステップS1〜S3については、図3におけるステップと同一であるから、説明を省略する。
【0113】
通信部13の中継部132の中継処理部1321は、通信部12からポーリング電文の送信が既にあったなら(S3:YES)、または、設定情報AUTOがある(S1:YES)なら、装置識別子記憶部1324から装置識別子N1を読み出し、通信方法Nによるポーリング電文を作成し、ポーリング電文に装置識別子N1を含ませ、装置識別子N1を含ませたポーリング電文を通信方法Nにより外部に送出する(S5a)。
【0114】
ステップS7〜S11については、図3におけるステップと同一であるから、説明を省略する。
【0115】
中継処理部1321は、応答の電文を受信したなら(S7:YES)、それが肯定応答の電文であることを条件に、応答の電文を応答電文作成部1323へ転送する(S13)。
【0116】
応答電文作成部1323は、応答の電文に含まれる装置識別子(例えば、装置識別子N2)を読み出し、これと同じ装置識別子を含む装置識別子情報を装置識別子情報記憶部1325から検索し、この装置識別子情報から、通信方法Mで使用される装置識別子(例えば、装置識別子M2)を読み出す(S15)。
【0117】
次に、応答電文作成部1323は、応答電文記憶部1322から応答電文MRを読み出し、応答電文MRに、ステップS15で読み出した装置識別子(例えば、装置識別子M2)を含ませる(S17)。
【0118】
次に、通信部13は、設定情報AUTOがあるか否かを判定する(S21)。
【0119】
通信部13は、設定情報AUTOがないなら(S21:NO)、通信部12からのポーリング電文の送信が既にあったか否かを判定し(S23)、送信が未だないならば、ステップS23へ戻る。
【0120】
通信部13の中継部132の中継処理部1321は、通信部12からのポーリング電文の送信が既にあったなら(S23:YES)、または、設定情報AUTOがある(S21:YES)なら、装置識別子(例えば、装置識別子M2)を含んだ応答電文MRを有線にて中継部131に送信する(S25)。
【0121】
中継部131は、応答電文MRを通信方法Mにより通信部12に送信し(S27)、ステップS1に戻る。
【0122】
図9は、第2の実施の形態における通信部23における処理の流れを示すフローチャートである。図9においては、図4におけるステップと同一のステップには同一の符号を使用する。
【0123】
通信部23の中継部232の中継処理部2321は、通信方法Nによるポーリング電文を外部から受信した(S101)なら、装置識別子記憶部2324から装置識別子N2を読み出し、通信方法Nによる応答の電文を作成し、応答の電文に装置識別子N2を含ませ、装置識別子N2を含ませた応答の電文を通信方法Nにより外部に送出する(S103a)。
【0124】
また、中継処理部2321は、通信方法Nによるポーリング電文を外部から受信した(S101)なら、ポーリング電文をポーリング電文作成部2323へ転送する(S105)。
【0125】
ポーリング電文作成部2323は、ポーリング電文に含まれる装置識別子(例えば、装置識別子N1)を読み出し、これと同じ装置識別子を含む装置識別子情報を装置識別子情報記憶部2325から検索し、この装置識別子情報から、通信方法Mで使用される装置識別子(例えば、装置識別子M1)を読み出す(S107)。
【0126】
次に、ポーリング電文作成部2323は、ポーリング電文記憶部2322からポーリング電文MPを読み出し、ポーリング電文MPに、ステップS107で読み出した装置識別子(例えば、装置識別子M1)を含ませる(S109)。
【0127】
中継部232の中継処理部2321は、装置識別子(例えば、装置識別子M1)を含むポーリング電文MPを有線にて中継部231に送信し、中継部231は、ポーリング電文MPを通信方法Mにより通信部22に送信する(S111)。
【0128】
ステップS113〜S121については、図4におけるステップと同一であるから、説明を省略する。
【0129】
次に、図5を援用し、第2の実施の形態における通信システムの動作の一例を説明する。
【0130】
通信部13は、通信装置1が起動されると、設定情報AUTOがあるなら、装置識別子N1を含むポーリング電文を外部に送出する(T1)。
【0131】
ポーリング電文が通信装置2に届かないと、通信部13は、タイムアウトとポーリング電文の送信を繰り返す。
【0132】
情報処理部11は、通信装置1が起動されると、通信部12にポーリングコマンドを送信し(T2)、通信部12は、通信方法Mによるポーリング電文を作成し、通信部13に送信する(T3)。
【0133】
通信部12も、通信部13から応答の電文が送信されないので、タイムアウトとポーリング電文の送信を繰り返す。
【0134】
情報処理部11は、タイムアウトとなるような設定がなされていないので、ポーリングコマンドに対する応答コマンドを待機する。
【0135】
通信部23の中継部232は、通信部13からのポーリング電文が受信されたら、装置識別子N2を含む応答の電文を作成し、応答の電文を通信方法Nにより外部に送出する(T11)。
【0136】
通信部13の中継部132は、通信方法Nにより電文を受信し、通信部12からポーリング電文を既に受信しているので、応答の電文から装置識別子N2を読み出し、これと同じ装置識別子を含む装置識別子情報を検索し、この装置識別子情報から、通信方法Mで使用される装置識別子M2を読み出し、応答電文MRを読み出し、応答電文MRに装置識別子M2を含ませ、中継部131に送信し、中継部131は、応答電文MRを通信部12に送信する(T13)。
【0137】
通信部12は、応答電文MRを受信し、応答電文MRを、装置識別子M2を含んだまま応答コマンドに変換し、情報処理部11に送信する(T15)。
【0138】
ここで、情報処理部11は、応答コマンドから装置識別子M2を読み出し、例えば、装置識別子M2によるいわゆる認証のような、装置識別子M2に応じた処理を行うことができる。
【0139】
一方、通信部23の中継部232は、通信部13からの、装置識別子N1を含むポーリング電文が受信されたら、装置識別子N1を読み出し、これと同じ装置識別子を含む装置識別子情報を検索し、この装置識別子情報から装置識別子M1を読み出し、ポーリング電文MPを読み出し、ポーリング電文MPに装置識別子M1を含ませ、中継部231に送信し、中継部231は、装置識別子M1を含むポーリング電文MPを通信部22に送信する(T21)。
【0140】
通信部22は、ポーリング電文MPを受信し、ポーリング電文MPを、装置識別子M1を含んだままポーリングコマンドに変換し、情報処理部21に送信する(T23)。
【0141】
情報処理部21は、ポーリングコマンドを受信し、ポーリングコマンドに対する応答コマンド(例えば、肯定応答のコマンド)を作成し、有線にて応答コマンドを通信部22に送信する(T25)。
【0142】
ここで、情報処理部21は、ポーリングコマンドから装置識別子M1を読み出し、例えば、装置識別子M1によるいわゆる認証を行い、認証結果に基づいて、応答コマンドを肯定応答のコマンドとするか否定応答のコマンドとするかを決定する処理のような、装置識別子M1に応じた処理を行うことができる。
【0143】
通信部22は、情報処理部21からの応答コマンドをポーリング電文MPに対する応答の電文つまり応答電文MRと同じ応答の電文に変換し、通信部23の中継部231に送信し(T27)、電文は通信部23にて廃棄される。
【0144】
次に、図6を援用し、第2の実施の形態における通信システムの動作の別な一例を説明する。
【0145】
通信部13は、通信装置1が起動されると、設定情報AUTOがないなら、通信部12からポーリング電文が送信される(T3)のを待機する。
【0146】
通信部13は、ポーリング電文を受信した(T3)ら、装置識別子N1を含むポーリング電文を外部に送出する(T1)。
【0147】
ポーリング電文が通信装置2に届かないと、通信部13は、タイムアウトとポーリング電文の送信を繰り返す。
【0148】
通信部12も、通信部13から応答の電文が送信されないので、タイムアウトとポーリング電文の送信を繰り返す。
【0149】
情報処理部11は、タイムアウトとなるような設定がなされていないので、ポーリングコマンドに対する応答コマンドを待機する。
【0150】
通信部23の中継部232は、通信部13からのポーリング電文が受信されたら、装置識別子N2を含む応答の電文を作成し、応答の電文を通信方法Nにより外部に送出する(T11)。
【0151】
ステップS13〜S27については、図5を援用して説明したステップと同一であるから、説明を省略する。
【0152】
したがって、第2の実施の形態によれば、各通信装置1、2は、装置識別子により、相手が通信装置2、1であることを認識でき、相手に応じた処理を行うことができる。
【0153】
つまり、通信部13が、装置識別子記憶部1322から装置識別子を読み出し、通信方法Nによるポーリング電文を作成し、ポーリング電文に装置識別子を含ませ、ポーリング電文を外部に送出し(S5a、T1)、通信部13が、ポーリング電文に対する応答の電文を外部から受信したなら(S7:YES)、応答の電文に含まれる装置識別子を読み出し、同じ装置識別子を含む装置識別子情報を装置識別子情報記憶部1325から検索し、装置識別子情報から通信方法Mで使用される装置識別子を読み出し(S15)、応答電文記憶部1322から応答電文を読み出し、応答電文に装置識別子を含ませ(S17)、通信部12から通信方法Nによるポーリング電文が既に送信されている(S3:S23:YES)場合において、応答電文を通信部12へ送信する(S27)。
【0154】
また、通信部23が、通信方法Nによるポーリング電文を外部から受信したなら、装置識別子記憶部2324から装置識別子を読み出し、通信方法Nによるポーリング電文に対する応答の電文を作成し、応答の電文に装置識別子を含ませ、外部に送出し(S111、T11)、通信部23が、ポーリング電文に含まれる装置識別子を読み出し、同じ装置識別子を含む装置識別子情報を装置識別子情報記憶部2325から検索し、通信方法Mで使用される装置識別子を読み出し(S107)、ポーリング電文記憶部2322からポーリング電文を読み出し、ポーリング電文に装置識別子を含ませ(S109)、通信部23が、ポーリング電文を通信部22へ送信する(S111a)。
【0155】
これにより、第2の実施の形態においては、ポーリングを早期に終了させることができ、通信相手を認識することができる。
【0156】
なお、本実施の形態では、通信方法を例として説明を行ったが、各通信方法は、有線を用いて行うものであってもよい。
【0157】
なお、本実施の形態に係る通信装置1や通信装置2の動作方法を装置に実行させるためのコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムは、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録でき、また、インターネットなどの通信網を介して伝送させて、広く流通させることができる。
【符号の説明】
【0158】
1、2…通信装置
11、21…情報処理部
12、13、22、23…通信部
131、132、231、232…中継部
1321、2321…中継処理部
1322…応答電文記憶部
1323…応答電文作成部
1324、2324…装置識別子記憶部
1325、2325…装置識別子情報記憶部
2322…ポーリング電文記憶部
2323…ポーリング電文作成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置であって、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文である応答電文が予め記憶される応答電文記憶部、
前記第2の通信方法によるポーリング電文を外部に送出し、当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部から受信したなら、前記第1の通信部から第1の通信方法によるポーリング電文を既に受信しているなら、前記応答電文記憶部から応答電文を読み出す中継処理部を有する第1の中継部と、
当該応答電文を前記第1の通信部へ送信する第2の中継部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1記載の通信装置とともに使用される通信装置であって、
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶されるポーリング電文記憶部、
前記第2の通信方法によるポーリング電文を外部から受信したなら、当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部に送出し、前記ポーリング電文記憶部からポーリング電文を読み出す中継処理部を有する第1の中継部と、
当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信する第2の中継部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項3】
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置であって、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文である応答電文が予め記憶される応答電文記憶部、
前記第2の通信方法で使用される当該通信装置の装置識別子が予め記憶される装置識別子記憶部、
前記第1の通信方法で使用される通信相手の装置識別子並びに前記第2の通信方法で使用される当該通信相手の装置識別子を含む装置識別子情報が予め記憶される装置識別子情報記憶部、
前記装置識別子記憶部から装置識別子を読み出し、前記第2の通信方法によるポーリング電文を作成し、当該ポーリング電文に当該装置識別子を含ませ、当該装置識別子を含ませたポーリング電文を外部に送出する中継処理部、
当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部から受信したなら、当該応答の電文に含まれる装置識別子を読み出し、当該装置識別子と同じ装置識別子を含む装置識別子情報を前記装置識別子情報記憶部から検索し、当該装置識別子情報から前記第1の通信方法で使用される装置識別子を読み出し、前記応答電文記憶部から応答電文を読み出し、当該応答電文に、前記装置識別子情報から読み出した装置識別子を含ませる応答電文作成部を有する第1の中継部と、
前記第1の通信部から第1の通信方法によるポーリング電文を既に受信している場合において、当該応答電文を前記第1の通信部へ送信する第2の中継部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項3記載の通信装置とともに使用される通信装置であって、
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶されるポーリング電文記憶部、
前記第2の通信方法で使用される当該通信装置の装置識別子が予め記憶される装置識別子記憶部、
前記第1の通信方法で使用される通信相手の装置識別子並びに前記第2の通信方法で使用される当該通信相手の装置識別子を含む装置識別子情報が予め記憶される装置識別子情報記憶部、
前記第2の通信方法によるポーリング電文を外部から受信したなら、前記装置識別子記憶部から装置識別子を読み出し、前記第2の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文を作成し、当該応答の電文に当該装置識別子を含ませ、当該装置識別子を含ませた応答の電文を外部に送出する中継処理部、
当該ポーリング電文に含まれる装置識別子を読み出し、当該装置識別子と同じ装置識別子を含む装置識別子情報を前記装置識別子情報記憶部から検索し、当該装置識別子情報から前記第1の通信方法で使用される装置識別子を読み出し、前記ポーリング電文記憶部からポーリング電文を読み出し、当該ポーリング電文に、前記装置識別子情報から読み出した装置識別子を含ませるポーリング電文作成部を有する第1の中継部と、
当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信する第2の中継部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項5】
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置の動作方法であって、
前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文である応答電文が予め記憶される応答電文記憶部を備え、
前記動作方法は、
前記第2の通信部が、前記第2の通信方法によるポーリング電文を外部に送出し、当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部から受信したなら、前記第1の通信部から第1の通信方法によるポーリング電文を既に受信しているなら、前記応答電文記憶部から応答電文を読み出し、前記第1の通信部へ送信する
ことを特徴とする通信装置の動作方法。
【請求項6】
請求項1記載の通信装置とともに使用される通信装置の動作方法であって、
当該通信装置は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、
前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶されるポーリング電文記憶部を備え、
前記動作方法は、
前記第2の通信部が、前記第2の通信方法によるポーリング電文を外部から受信したなら、当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部に送出し、前記ポーリング電文記憶部からポーリング電文を読み出し、前記第1の通信部へ送信する
ことを特徴とする通信装置の動作方法。
【請求項7】
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置の動作方法であって、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文である応答電文が予め記憶される応答電文記憶部、
前記第2の通信方法で使用される当該通信装置の装置識別子が予め記憶される装置識別子記憶部、
前記第1の通信方法で使用される通信相手の装置識別子並びに前記第2の通信方法で使用される当該通信相手の装置識別子を含む装置識別子情報が予め記憶される装置識別子情報記憶部を有し、
前記動作方法は、
前記第2の通信部が、前記装置識別子記憶部から装置識別子を読み出し、前記第2の通信方法によるポーリング電文を作成し、当該ポーリング電文に当該装置識別子を含ませ、当該装置識別子を含ませたポーリング電文を外部に送出し、
前記第2の通信部が、当該ポーリング電文に対する応答の電文を外部から受信したなら、当該応答の電文に含まれる装置識別子を読み出し、当該装置識別子と同じ装置識別子を含む装置識別子情報を前記装置識別子情報記憶部から検索し、当該装置識別子情報から前記第1の通信方法で使用される装置識別子を読み出し、前記応答電文記憶部から応答電文を読み出し、当該応答電文に、前記装置識別子情報から読み出した装置識別子を含ませ、
前記第2の通信部が、前記第1の通信部から第1の通信方法によるポーリング電文を既に受信している場合において、当該応答電文を前記第1の通信部へ送信する
ことを特徴とする通信装置の動作方法。
【請求項8】
請求項3記載の通信装置とともに使用される通信装置の動作方法であって、
当該通信装置は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶されるポーリング電文記憶部、
前記第2の通信方法で使用される当該通信装置の装置識別子が予め記憶される装置識別子記憶部、
前記第1の通信方法で使用される通信相手の装置識別子並びに前記第2の通信方法で使用される当該通信相手の装置識別子を含む装置識別子情報が予め記憶される装置識別子情報記憶部を有し、
前記動作方法は、
前記第2の通信部が、前記第2の通信方法によるポーリング電文を外部から受信したなら、前記装置識別子記憶部から装置識別子を読み出し、前記第2の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文を作成し、当該応答の電文に当該装置識別子を含ませ、当該装置識別子を含ませた応答の電文を外部に送出し、
前記第2の通信部が、当該ポーリング電文に含まれる装置識別子を読み出し、当該装置識別子と同じ装置識別子を含む装置識別子情報を前記装置識別子情報記憶部から検索し、当該装置識別子情報から前記第1の通信方法で使用される装置識別子を読み出し、前記ポーリング電文記憶部からポーリング電文を読み出し、当該ポーリング電文に、前記装置識別子情報から読み出した装置識別子を含ませ、
前記第2の通信部が、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信する
ことを特徴とする通信装置の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−114619(P2012−114619A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261002(P2010−261002)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】