説明

通信装置および通信方法

【課題】 通話、通信にエンターテイメント性の要素を取り入れ、コミュニケーションの促進を図ることのできる通信装置および通信方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 通信部201は、移動機100における通信の度合いを示す発信履歴情報を当該移動機100から受信し、履歴情報判断部202は、受信した移動機100の発信履歴情報と、通信履歴情報記憶部203に予め記憶されている自機側発信履歴情報とのいずれかが大きいか判断する。そして、その結果に基づいてウィン情報またはルーズ情報をキャラクタ管理データに追加して記憶する。そして、通話終了後などにおいて、更新処理部205は、キャラクタ管理データ記憶部204に記憶されたウィン・ルーズ情報を含んだキャラクタ管理データを用いてキャラクタ画像データの更新情報を取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の技術として、通信をする際に好みの画像を相手に送信することが考えられている。例えば、下記特許文献1においては、実画像の代わりに自分の代理画像を用いてテレビ電話による通話を行う際に、互いのプライバシーを保護しつつ、ユーザの現状を正確に相手に伝える通信を可能とすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−274550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述特許文献1に記載されている通り、テレビ電話を用いて自端末に保存されたキャラクタ画像やキャラクタ動作をそのまま相手方端末の移動機に送信することが可能になったが、それはあくまでユーザがテレビ電話に出られないときの代替手段でしかなく、エンターテイメント性が弱くコミュニケーションを促すところまではいたっていはいない。
【0005】
そこで、本発明は、通話、通信にエンターテイメント性の要素を取り入れ、コミュニケーションの促進を図ることのできる通信装置および通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上述の課題を解決するために、本発明の通信装置は、複数の通信装置に対する通信の度合いを示す発信履歴情報を記憶する発信履歴情報記憶手段と、一の通信装置における通信の度合いを示す発信履歴情報を当該一の通信装置から受信する通信手段と、前記通信手段により受信した一の通信装置の発信履歴情報と、前記発信履歴情報記憶手段に記憶されている自機側発信履歴情報とのいずれかが大きいか判断する判断手段と、前記判断手段により、前記一の通信装置の発信履歴情報が自機側発信履歴情報より大きいと判断された場合には、その旨を示すルーズ情報をキャラクタ管理データに追加して記憶し、前記一の通信装置の発信履歴情報が前記自機側発信履歴情報より小さいと判断された場合には、その旨を示すウィン情報をキャラクタ管理データに追加して記憶するキャラクタ管理データ記憶手段と、前記キャラクタデータ記憶手段に記憶されたウィン情報およびルーズ情報を含んだキャラクタ管理データを用いてキャラクタ画像データの更新情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された更新情報で更新されたキャラクタ画像データを記憶するキャラクタ画像データ記憶手段と、前記キャラクタ画像データ記憶手段に記憶されているキャラクタ画像データを、通信が行われる際にユーザに表示する表示手段とを備えている。
【0007】
また、本発明の通信方法は、複数の通信装置に対する通信の度合いを示す発信履歴情報を記憶する発信履歴情報記憶手段に記憶する発信履歴情報記憶ステップと、一の通信装置における通信の度合いを示す発信履歴情報を当該一の通信装置から受信する通信ステップと、前記通信ステップにより受信した一の通信装置の発信履歴情報と、前記発信履歴情報記憶手段に記憶されている自機側発信履歴情報とのいずれかが大きいか判断する判断ステップと、前記判断ステップにより、前記一の通信装置の発信履歴情報が自機側発信履歴情報より大きいと判断された場合には、その旨を示すルーズ情報をキャラクタ管理データに追加してキャラクタ管理データ記憶手段に記憶し、前記一の通信装置の発信履歴情報が前記自機側発信履歴情報より小さいと判断された場合には、その旨を示すウィン情報をキャラクタ管理データに追加してキャラクタ管理データ記憶手段に記憶するキャラクタ管理データ記憶ステップと、前記キャラクタ管理データ記憶手段に記憶されたウィン・ルーズ情報を含んだキャラクタ管理データを用いてキャラクタ画像データの更新情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された更新情報で更新されたキャラクタ画像データを記憶するキャラクタ画像データ記憶手段に記憶するキャラクタ画像データ記憶ステップと、前記キャラクタ画像データ記憶ステップに記憶されているキャラクタ画像データを、通信が行われる際にユーザに表示する表示ステップとを備えている。
【0008】
この発明によれば、複数の通信装置に対する通信の度合いを示す発信履歴情報を記憶しておき、一の通信装置における通信の度合いを示す発信履歴情報を当該一の通信装置から受信し、受信した一の通信装置の発信履歴情報と、予め記憶されている自機側発信履歴情報とのいずれかが大きいか判断する。そして、一の通信装置の発信履歴情報が自機側発信履歴情報より大きいと判断された場合には、その旨を示すルーズ情報をキャラクタ管理データに追加して記憶し、一の通信装置の発信履歴情報が自機側発信履歴情報より小さいと判断された場合には、その旨を示すウィン情報をキャラクタ管理データに追加して記憶する。そして、記憶されたウィン情報およびルーズ情報を含んだキャラクタ管理データを用いてキャラクタ画像データの更新情報を取得し、取得された更新情報で更新されたキャラクタ画像データを記憶する。この記憶されているキャラクタ画像データは、通信が行われる際にユーザに表示する。これにより、ユーザはキャラクタ画像データを更新することで通信を行おうとする動機付けが生まれ、ユーザ間のコミュニケーションを促進することができる。
【0009】
また、本発明の通信装置において、前記発信履歴情報記憶手段は、発信履歴情報を宛先または発信者ごとに区別して記憶し、通信手段は、前記一の通信装置から自機宛への通信の度合いを示す発信履歴情報を受信し、前記判断手段は、通信相手を特定した場合の発信履歴情報を判断対象とすることが好ましい。
【0010】
この発明によれば、通信相手を特定した範囲での通信の度合いを判断の対象範囲とすることで、通信相手を特定してそのコミュニケーションの促進を図ることができる。
【0011】
また、本発明の通信装置は、前記キャラクタ管理データ記憶手段に記憶されたキャラクタ管理データに追加されたウィン情報またはルーズ情報を通信相手である前記一の通信装置に通知する通知手段をさらに備えることが好ましい。
【0012】
この発明によれば、キャラクタ管理データに追加されたウィン情報またはルーズ情報を通信相手である一の通信装置に通知することで、一の通信装置側でも通信の度合いを記憶することができ、一の通信相手側にコミュニケーションの促進を図るための情報を提供することができる。
【0013】
また、本発明の通信装置において、前記一の通信装置の発信履歴情報および前記自機側発信履歴情報は、通信接続回数または通話時間であることが好ましい。
【0014】
また、本発明の通信装置において、前記一の通信装置の発信履歴情報および前記自機側発信履歴情報は、電子メール送信回数または送信パケット量であることが好ましい。
【0015】
また、本発明の通信装置において、前記一の通信装置の発信履歴情報および前記自機側発信履歴情報は、予め定められたサイトに対するアクセス回数であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザはキャラクタ画像データを更新することで通信を行おうとする動機付けが生まれ、ユーザ間のコミュニケーションを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態における移動機100および移動機200を用いた通信システムのシステム構成図である。
【図2】発信側となる移動機100の機能を示すブロック図である。
【図3】着信側の移動機200の機能を示すブロック図である。
【図4】電子メール送信・電話発信した回数を宛先ごとに区別して記憶する管理テーブルを示す図である。
【図5】キャラクタ管理データの詳細を示す説明図である。
【図6】キャラクタ画像データを示す説明図である。
【図7】移動機100および移動機200の処理を示すシーケンス図である。
【図8】キャラクタ画像データの更新処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0019】
図1は、本実施形態における移動機100および移動機200を用いた通信システムのシステム構成図である。図1に示すとおり、この通信システムは、移動機100、移動機200、コンテンツサーバ300、およびコンテンツサーバ400を含んで構成されている。移動機100と移動機200とは、基地局BTS1、基地局BTS2、および移動通信網NWを介して音声通信または電子メール通信を行うことができる通信装置である。
【0020】
また、移動機100および移動機200は、コンテンツサーバ300およびコンテンツサーバ400にそれぞれアクセス可能に構成されており、それぞれの移動機100および移動機200は、これらコンテンツサーバ300およびコンテンツサーバ400から、キャラクタ画像データを取得することができる。
【0021】
つぎに、これら移動機100および移動機200の機能構成について説明する。図2は、発信側となる移動機100の機能を示すブロック図である。図2に示すとおり、移動機100は、通信部101、通信履歴抽出部102、通信履歴情報記憶部103、キャラクタ管理データ記憶部104、更新処理部105、宛先入力部106および表示部107を含んで構成されている。この移動機100は、CPU、RAM、ROM、通信モジュール等から構成されているものであって、ROMに記憶されているプログラムをCPUが実行することにより以下のとおり各機能を実行することができる。
【0022】
通信部101は、移動機200に対して、通信接続要求を出力して、通話または電子メール送信などの通信を行うとともに、その通信接続に際して発信履歴情報を送信する部分である。なお、発信履歴情報とともに後述するキャラクタ画像データをもあわせて送信するようにしてもよい。また、通信部101は、発信履歴情報を送信した後、図示しないタイマが所定時間計時するまで、再度同じ相手に発信履歴情報を送らないようにすることもできる。これは無闇に発信処理をしないようにするための処理である。
【0023】
また、この通信部101は、その通信の終了後または通信の実行中に、コンテンツサーバ300に対して通信接続して、当該コンテンツサーバ300からキャラクタ画像データの取得処理を行う部分である。
【0024】
さらに、通信部101は、通信の実行中または終了後に、発信履歴情報に対するウィン・ルーズ情報を移動機200から受信することができる。これにより、通信部101は、このウィン・ルーズ情報を受信すると、キャラクタ管理データ記憶部104にその旨を記憶する。なお、ここでウィン・ルーズ情報とは、通信相手に対する発信履歴情報の比較結果であり、移動機100または移動機200のいずれの発信回数等の発信履歴情報が多いかを示す情報である。いわゆる勝ち負けを示したものである。
【0025】
通信履歴抽出部102は、通信履歴情報記憶部103に記憶されている通信履歴情報から、当該宛先に対して発信した発信履歴情報の有無を判断し、発信履歴情報が有る場合には当該発信履歴情報を抽出する部分である。例えば、この発信履歴情報は、発信回数、通話時間、電子メールの送信回数、または電子メールの送信パケット量などの通信相手への通信の度合いを示すものである。通信部101は、この通信履歴抽出部102が抽出した発信履歴情報を移動機200に発信処理に用いられる発信信号に付加して送信する。なお、宛先に対応する発信履歴情報がない場合には、通信部101は、発信履歴情報を付加することなく発信処理を行う。
【0026】
通信履歴情報記憶部103は、通信部101により発信された宛先または着信した通信相手を示す情報を含んだ通信履歴情報を、通信が発生するたびに累積的に記憶する部分である。例えば、図4に示すように、宛先ごとにその発信回数を記憶する。図4(a)は、移動機100が電子メール送信した回数をメールアドレスごとに区別して記憶する管理テーブルを示し、図4(b)は、移動機200が電話発呼した回数を電話番号ごとに区別して記憶する管理テーブルを示す。通信履歴抽出部102は、この通信履歴情報記憶部103に記憶されている電子メール送信回数または電話発呼回数を移動機200に送信する。なお、このように回数を記憶することなく、必要に応じて回数を算出する構成をとってもよく、その場合には、上述の管理テーブルは必要ではない。
【0027】
さらに例えば、宛先情報として電話番号または電子メールアドレスを記憶するとともに、さらに通話時間または送信パケット量を記憶するようにしてもよい。なお、これら通信履歴情報記憶部103に記憶されている発信履歴情報は、必要に応じてユーザ操作によりリセット(削除)するようにしてもよい。
【0028】
キャラクタ管理データ記憶部104は、キャラクタ管理データを記憶する部分である。このキャラクタ管理データについて説明する。図5は、キャラクタ管理データの詳細を示す説明図である。図5に示すように、キャラクタ管理データは、キャラクタ画像データを一意に示すキャラクタID、そのキャラクタ画像データの取得元アドレスを示す取得元URL、そのキャラクタ画像データの取得元URLを管理するコンテンツプロバイダ名(CP名)、キャラクタの状態を示す状態情報、通信相手に対する発信履歴情報の比較結果であるウィン・ルーズ情報を対応付けて記憶している。なお、キャラクタ管理データ記憶部104には、キャラクタIDに対応付けてキャラクタをイメージ的に示したキャラクタ画像データをもあわせて記憶している。
【0029】
また、状態情報は、いわゆるロールプレイングゲームのごとくキャラクタの状態を示す情報であって、体力レベル、棒旅レベル、武器レベル、防具レベル、魔法レベルのようなパラメータから構成されている。図5では、“25,10,3,50,6”が記述されており、それぞれ体力レベル、防御レベル、武器レベル、防具レベル、魔法レベルのようなパラメータに対応している。
【0030】
また、ウィン・ルーズ情報は、通信部101を用いて通信をした通信相手との発信履歴情報の比較結果を累積的に記憶する部分である。例えば、図5においては、“11”が記述されており、一桁目はデータ種別(例えば、1:送信回数、2:通話時間)、二桁目は勝ち負けデータ(1:勝ち、0:引き分け、−1:負け)を示す。
【0031】
また、このキャラクタ管理データ記憶部104は、複数のキャラクタID等のキャラクタ管理データ等を記憶することができるが、ウィン・ルーズ情報欄にその情報が記憶されるのは現に使用されているキャラクタに対してのみである。例えば、図5の例では、キャラクタID“123456”が使用されているように設定されているため、そのキャラクタIDのウィン・ルーズ情報欄のみウィンまたはルーズの情報が記憶されている。
【0032】
また、このキャラクタ管理データ記憶部104は、キャラクタ画像データも合わせて記憶している。例えば、図6に示すようなキャラクタが記憶されている。ここで図6(a)は、ステータス情報が全て“0”のキャラクタを示し、図6(b)は、武器としてバットを有しているキャラクタを示し(体力レベル:5、武器レベル:10)、図6(c)は、さらに豪華な装備を有しているキャラクタを示している。このキャラクタは、ウィン・ルーズ情報に基づいてコンテンツサーバ300から取得される画像データである。ウィン・ルーズ情報において勝ち数が0または0に近い状態である場合には、図6(a)に示すように、装備が何も無い状態である。すなわち、コンテンツサーバ300からはキャラクタ画像のダウンロードはされていない状態である。勝ち数が所定値以上となった場合には、その所定値に応じたキャラクタ画像データ(図6(b)または図6(c)を参照)がダウンロードされる。なお、通常は図6(a)から図6(c)に向けてキャラクタは成長するものであるが、これに限るものではなく、負け数が増加した場合には、図6(c)から図6(a)の状態に戻るようにしてもよい。
【0033】
更新処理部105は、通信部101による通信処理終了後または通信中に、通信部101を介してコンテンツサーバ300に対してアクセス処理して、キャラクタID、キャラクタの状態情報、およびウィン・ルーズ情報を送信することにより、キャラクタIDおよび勝ち負けの状態に応じたキャラクタ画像データを、コンテンツサーバ300から取得する部分である。例えば、ウィン・ルーズ情報に基づいた勝ち数および負け数にしたがって、その数に対応したキャラクタ画像データを取得する。コンテンツサーバ300では予め勝ち数および負け数に応じたキャラクタ画像データが記憶されており、この対応付けにしたがったキャラクタ画像データの取得処理が行われる。なお、更新処理部105は、キャラクタ管理データに記述されているウィン・ルーズ情報における勝ち数、負け数を集計してコンテンツサーバ300に送ってもよいし、ウィン・ルーズ情報そのまま送り、コンテンツサーバ300で集計させ、その数にあったキャラクタ画像データを取得するようにしてもよい。また、キャラクタ画像データとは、キャラクタ本体データのほか、装備データ(図6においける武器など)を含んだものであり、更新処理として装備データなど一部の差分データのみを取得するようにしてもよいし、全データを取り直すようにしてもよい。
【0034】
さらに、更新処理部105は、このような更新のためのキャラクタ画像データのほかにお勧め情報として、キャラクタに喋らせるための音声データ、または吹出しを用いてメッセージを表示させるための文字データを取得するように構成することもできる。この文字データの内容は、移動機100はどのような処理をすればキャラクタがさらに更新されるか(武器等のキャラクタ画像データが更新されるか)を示すものであることが好ましい。
【0035】
宛先入力部106は、移動機200に発信するための宛先情報の入力を受け付ける部分である。例えば、テンキー、タッチパネルなどから電話番号、電子メールアドレスを受け付けることができる。受け付けた電話番号または電子メールアドレスは、通信履歴情報記憶部103に発信履歴情報として記憶される。
【0036】
表示部107は、キャラクタ画像データを表示する部分であり、例えば通信部101により通信接続された際に、キャラクタ画像データを表示したり、また、予め定められたアプリケーションにおいて利用される際にキャラクタ画像データを表示する。さらに加えて、キャラクタ画像データに対応させて文字データを表示させるようにしてもよい。
【0037】
このようにして移動機100は移動機200に対して発信履歴情報を通知し、また移動機200から通知した発信履歴情報に対する比較結果であるウィン・ルーズ情報を受信し、これを自機が有するキャラクタ管理データに反映することができる。
【0038】
つぎに、着信側の移動機200について説明する。図3は、着信側の移動機200の機能を示すブロック図である。図3に示すように、移動機200は、通信部201(通信手段、通知手段)、履歴情報判断部202(判断手段)、通信履歴情報記憶部203(発信履歴情報記憶手段)、キャラクタ管理データ記憶部204(キャラクタ管理データ記憶手段、キャラクタ画像データ記憶手段)、更新処理部205(取得手段)、および表示部206(表示手段)を含んで構成されている。この移動機200は、CPU、RAM、ROM、通信モジュール等から構成されているものであって、ROMに記憶されているプログラムをCPUが実行することにより以下のとおり各機能を実行することができる。
【0039】
通信部201は、移動機100からの通信接続要求を受けると、その着信処理を行うことで通信接続を行う部分である。例えば、通話接続、または電子メールの受信処理を行う部分である。また、通信接続要求の際に送信された発信履歴情報を受信する。
【0040】
履歴情報判断部202は、自機の移動機100に対する発信履歴を示す発信履歴情報を通信履歴情報記憶部203から取得し、当該発信履歴情報と、通信部201により受信された移動機100の移動機200に対する発信履歴を示す発信履歴情報と比較することで、いずれが多いか判断する部分である。例えば、履歴情報判断部202は、移動機100が移動機200に対する発信回数と、移動機200が移動機100に対する発信回数とを比較し、いずれが多いか判断する部分である。なお、発信履歴回数など一種類の情報に限らず、通話時間、メール送信回数、送信パケット量、または所定サイトへのアクセス回数などの総計を算出することで複合的に比較・判断するようにしてもよい。
【0041】
通信履歴情報記憶部203は、移動機200が発信した発信履歴情報を記憶する部分である。移動機100における通信履歴情報記憶部103と同様に、通信部201が通信するたびに、その発信先となる宛先情報等が記憶される。
【0042】
キャラクタ管理データ記憶部204は、キャラクタ管理データを記憶する部分である。移動機100におけるキャラクタ管理データ記憶部104と同様のキャラクタ管理データを記憶する(図5参照)。なお、キャラクタ管理データ記憶部204は、移動機100からウィン・ルーズ情報が送信された場合には、その旨が通信部201により追加されるように構成されている。
【0043】
更新処理部205は、通信部201を介してコンテンツサーバ400に対してアクセス処理して、ウィン・ルーズ情報を送信することにより、勝ち負けの状態に応じたキャラクタ画像データを、コンテンツサーバ400から取得する部分である。移動機100における更新処理部105と同様の機能である。
【0044】
表示部206は、キャラクタ管理データ記憶部204に記憶されたキャラクタ画像データを表示する部分であり、例えば、通信部201により通信接続された際に、移動機100から送信されたキャラクタ画像データとともに、キャラクタ管理データ記憶部204に記憶されている自己のキャラクタ画像データとを表示する。また、そのほか、予め定められたアプリケーションにおいて用いられる際に表示するようにしてもよい。
【0045】
つぎに、本実施形態の移動機100および移動機200の処理について説明する。図7は、移動機100および移動機200の処理を示すシーケンス図である。まず、移動機100において、宛先入力部106により発信先である電話番号が入力される(S101)。なお、ここでは通話を行うために電話番号を入力しているが、電子メールを送信する場合には、電子メールアドレスが入力されることになる。
【0046】
つぎに、発信先に対して通話履歴である発信履歴情報があるか否かが通信履歴抽出部102により判断される(S102)。ここで、通信履歴抽出部102により発信履歴情報があると判断されると、発信履歴情報が抽出され(S103)、通信部101により発信処理される際に抽出された発信履歴情報が送信される(S104)。発信処理がなされると、通信回線が確立され、通話が行われる(S105)。なお、発信履歴情報の送信処理を行うと、タイマ(図示せず)が計時開始し、所定時間、再度発信履歴情報の送信処理を行わないよう制御してもよい。
【0047】
移動機200では、通信部201により受信された発信履歴情報は一旦バッファ部(図示せず)に記憶され(S106)、履歴情報判断部202により通信履歴情報記憶部203に記憶されている発信履歴情報との比較・判断が行われる(S107)。ここで、移動機200の通信履歴情報記憶部203に記憶されている発信履歴情報のほうが、移動機100から送信された発信履歴情報より大きいと、履歴情報判断部202により判断されると、その旨を示すウィン情報がキャラクタ管理データ記憶部204に記憶されているキャラクタ管理データに記憶される。例えば、図5に示すようにウィン・ルーズ情報欄に“11”のように記憶される。なお、通信が確立されると、通信履歴情報記憶部203に着信履歴として、発信者を示す発信者情報、通話時間等が記憶される。
【0048】
また、移動機200において記憶されている発信履歴情報のほうが、移動機100から送信された発信履歴情報より小さいと、履歴情報判断部202により判断されると、その旨を示すルーズ情報がキャラクタ管理データ記憶部204に記憶されているキャラクタ管理データに記憶される。例えば、“1−1”(一桁目:通話、二桁目:勝ち負け結果(ここでは−1))などのようにキャラクタ管理データに記憶される。
【0049】
なお、この比較・判断処理に変更して、表示部206上には移動機100から送信されたキャラクタ画像データおよび自機のキャラクタ画像データを表示して、発信履歴情報の比較処理を行っていることを明示的に表示してもよい。
【0050】
そして、通信部201により、キャラクタ管理データに直近に(すなわち最後に)追加されたウィン・ルーズ情報は、移動機100に送信される(S110)。移動機100では、通信部101によりウィン・ルーズ情報が受信され、そして、キャラクタ管理データ記憶部104におけるキャラクタ管理データのウィン・ルーズ情報欄に記憶される(S111)。なお、ここで移動機100の表示部107上に移動機200から送信されたウィン・ルーズ情報に基づいて自機で記憶しているキャラクタ画像データを変化するように表示させ発信履歴情報の比較結果を明示的に表示するようにしてもよい。例えば、ウィン・ルーズ情報により移動機100側が勝ったと判断された場合には、喜んでいるようにキャラクタ画像データを表示するようにする。
【0051】
このようにして、ウィン・ルーズ情報が移動機100および移動機200に記憶され、ウィン・ルーズ情報が累積的に記憶されることになる。
【0052】
つぎに、このようにして記憶されたウィン・ルーズ情報の利用について説明する。図8は、ウィン・ルーズ情報の利用形態の具体例である、キャラクタ画像データの更新処理を示すシーケンス図である。
【0053】
移動機100の通信部101または移動機200の通信部201において、通話の切断処理が行われると(S201)、移動機100の更新処理部105によりコンテンツサーバ300にアクセス処理がなされる。ここでは、キャラクタ管理データに記述されている取得元URLに対する接続処理が行われる(S202)。そして、更新処理部105により、ウィン・ルーズ情報の一覧が全て送信され、そしてコンテンツサーバ300からこのウィン・ルーズ情報に基づいて新たなキャラクタ画像データが取得され(S204)、そしてキャラクタ管理データ記憶部104にキャラクタ画像データが記憶される(S206)。なお、ウィン・ルーズ情報における勝ち数、負け数等を移動機側で集計したものを送ってもよいし、コンテンツサーバ300に集計させ、その数にあったキャラクタ画像データを送信するようにしてもよい。
【0054】
また、移動機200においても、同様に、更新処理部205によりコンテンツサーバ300にアクセス処理がなされ、キャラクタ管理データに記述されている取得元URLに対する接続処理が行われる(S203)。そして、更新処理部205により、コンテンツサーバ400からウィン・ルーズ情報に基づいて新たなキャラクタ画像データが取得され(S205)、そしてキャラクタ管理データ記憶部204にキャラクタ画像データが記憶される(S207)。
【0055】
なお、図8に示されるキャラクタ画像データの更新処理は、通話切断後行うようにしているが、これに限るものではなく、通話中に行うようにしてもよいし、また通話処理とは関係なく、予め定められたタイミングや、条件にしたがって更新処理を行うようにしてもよい。
【0056】
このようにして、ウィン・ルーズ情報に基づいてキャラクタ画像データが更新される。ユーザは、新しいキャラクタ画像データがほしい場合には、電話をしたり、または電子メールの送信などの処理を行うことになり、ユーザなどにコミュニケーションの促進を行うことができる。
【0057】
つぎに、本実施形態の移動機100および移動機200の作用効果について説明する。本実施形態の移動機200において、通信履歴情報記憶部103は、移動機100を含む複数の移動機に対する通信の度合いを示す発信履歴情報を記憶する。そして、通信部201は、移動機100における通信の度合いを示す発信履歴情報を当該移動機100から受信し、履歴情報判断部202は、受信した移動機100の発信履歴情報と、通信履歴情報記憶部203に予め記憶されている自機側発信履歴情報とのいずれかが大きいか判断する。そして、移動機100の発信履歴情報が自機側発信履歴情報より大きいと判断された場合には、キャラクタ管理データ記憶部204は、その旨を示すルーズ情報をキャラクタ管理データに追加して記憶し、移動機100の発信履歴情報が自機側発信履歴情報より小さいと判断された場合には、その旨を示すウィン情報をキャラクタ管理データに追加して記憶する。そして、通話終了後などにおいて、更新処理部205は、キャラクタ管理データ記憶部204に記憶されたウィン・ルーズ情報を含んだキャラクタ管理データを用いてキャラクタ画像データの更新情報をコンテンツサーバ400から取得し、取得された更新情報で更新されたキャラクタ画像データを記憶する。この記憶されているキャラクタ画像データは、通信が行われる際にユーザに表示部206に表示される。これにより、ユーザはキャラクタ画像データを更新することで通信を行おうとする動機付けが生まれ、ユーザ間のコミュニケーションを促進することができる。
【0058】
また、本実施形態の移動機200において、履歴情報判断部202は、通信相手を特定した範囲での通信の度合いを判断の対象範囲とすることで、通信相手を特定してそのコミュニケーションの促進を図ることができる。例えば、移動機100からは移動機200宛の発信履歴情報が送信され、この発信履歴情報と、移動機200における移動機100を宛先とする発信履歴情報とに基づいて、通信の度合いはいずれが大きいかを判断するようにしても良い。
【0059】
また、本実施形態の移動機200において、通信部201が、キャラクタ管理データ記憶部204に記憶されているキャラクタ管理データに追加されたウィン・ルーズ情報を通信相手である移動機100に通知することで、移動機100側でも通信の度合いを記憶することができ、移動機100側に対してコミュニケーションの促進を図るための情報を提供することができる。
【0060】
これら本実施形態の移動機200における発信履歴情報は、通信接続回数または通話時間であったり、電子メールの送信回数または送信パケット量であったり、または予め定められたサイトに対するアクセス回数であったりすることが好ましい。
【符号の説明】
【0061】
100…移動機、101…通信部、102…通信履歴抽出部、103…通信履歴情報記憶部、104…キャラクタ管理データ記憶部、105…更新処理部、106…宛先入力部、107…表示部、200…移動機、201…通信部、202…履歴情報判断部、203…通信履歴情報記憶部、204…キャラクタ管理データ記憶部、205…更新処理部、206…表示部、300…コンテンツサーバ、400…コンテンツサーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信装置に対する通信の度合いを示す発信履歴情報を記憶する発信履歴情報記憶手段と、
一の通信装置における通信の度合いを示す発信履歴情報を当該一の通信装置から受信する通信手段と、
前記通信手段により受信した一の通信装置の発信履歴情報と、前記発信履歴情報記憶手段に記憶されている自機側発信履歴情報とのいずれかが大きいか判断する判断手段と、
前記判断手段により、前記一の通信装置の発信履歴情報が自機側発信履歴情報より大きいと判断された場合には、その旨を示すルーズ情報をキャラクタ管理データに追加して記憶し、前記一の通信装置の発信履歴情報が前記自機側発信履歴情報より小さいと判断された場合には、その旨を示すウィン情報をキャラクタ管理データに追加して記憶するキャラクタ管理データ記憶手段と、
前記キャラクタデータ記憶手段に記憶されたウィン情報およびルーズ情報を含んだキャラクタ管理データを用いてキャラクタ画像データの更新情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された更新情報で更新されたキャラクタ画像データを記憶するキャラクタ画像データ記憶手段と、
前記キャラクタ画像データ記憶手段に記憶されているキャラクタ画像データを、通信が行われる際にユーザに表示する表示手段と
を備える通信装置。
【請求項2】
前記発信履歴情報記憶手段は、発信履歴情報を宛先または発信者ごとに区別して記憶し、
通信手段は、前記一の通信装置から自機宛への通信の度合いを示す発信履歴情報を受信し、
前記判断手段は、通信相手を特定した場合の発信履歴情報を判断対象とすることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記キャラクタ管理データ記憶手段に記憶されたキャラクタ管理データに追加されたウィン情報またはルーズ情報を通信相手である前記一の通信装置に通知する通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記一の通信装置の発信履歴情報および前記自機側発信履歴情報は、通信接続回数または通話時間であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記一の通信装置の発信履歴情報および前記自機側発信履歴情報は、電子メール送信回数または送信パケット量であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記一の通信装置の発信履歴情報および前記自機側発信履歴情報は、予め定められたサイトに対するアクセス回数であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
複数の通信装置に対する通信の度合いを示す発信履歴情報を記憶する発信履歴情報記憶手段に記憶する発信履歴情報記憶ステップと、
一の通信装置における通信の度合いを示す発信履歴情報を当該一の通信装置から受信する通信ステップと、
前記通信ステップにより受信した一の通信装置の発信履歴情報と、前記発信履歴情報記憶手段に記憶されている自機側発信履歴情報とのいずれかが大きいか判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより、前記一の通信装置の発信履歴情報が自機側発信履歴情報より大きいと判断された場合には、その旨を示すルーズ情報をキャラクタ管理データに追加してキャラクタ管理データ記憶手段に記憶し、前記一の通信装置の発信履歴情報が前記自機側発信履歴情報より小さいと判断された場合には、その旨を示すウィン情報をキャラクタ管理データに追加してキャラクタ管理データ記憶手段に記憶するキャラクタ管理データ記憶ステップと、
前記キャラクタ管理データ記憶手段に記憶されたウィン・ルーズ情報を含んだキャラクタ管理データを用いてキャラクタ画像データの更新情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された更新情報で更新されたキャラクタ画像データを記憶するキャラクタ画像データ記憶手段に記憶するキャラクタ画像データ記憶ステップと、
前記キャラクタ画像データ記憶ステップに記憶されているキャラクタ画像データを、通信が行われる際にユーザに表示する表示ステップと
を備える通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−239370(P2010−239370A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84772(P2009−84772)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】