通信装置の基板
【課題】通信装置を構成し、ARCNET通信の機能を有する基板2において、例えば、ノードIDが割り振られた基板の種別の認識や、データ送信時間の短縮化を図る。
【解決手段】情報を通信する機能、当該基板の基板種別を予め記憶する機能、当該基板が挿入された前記通信装置のシャーシ番号及びスロット番号を取得する機能、基板種別、シャーシ番号及びスロット番号に基づいて前記通信装置に挿入された基板に基板通番を割り振る機能、ノードID、基板種別、シャーシ番号、スロット番号及び基板通番を対応付けて前記記憶手段に記憶させる機能、ノードID、基板種別及び基板通番を含む情報を前記通信装置に挿入された他の基板へ送信する機能、基板種別及び基板通番に基づいて送信先ノードを決定する機能を有する。
【解決手段】情報を通信する機能、当該基板の基板種別を予め記憶する機能、当該基板が挿入された前記通信装置のシャーシ番号及びスロット番号を取得する機能、基板種別、シャーシ番号及びスロット番号に基づいて前記通信装置に挿入された基板に基板通番を割り振る機能、ノードID、基板種別、シャーシ番号、スロット番号及び基板通番を対応付けて前記記憶手段に記憶させる機能、ノードID、基板種別及び基板通番を含む情報を前記通信装置に挿入された他の基板へ送信する機能、基板種別及び基板通番に基づいて送信先ノードを決定する機能を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回線制御装置などの通信装置の基板に関し、特に、例えば、ノードIDが割り振られた基板の種別の認識や、データ送信時間の短縮化といった点で、効果的な基板に関する。
【背景技術】
【0002】
図23には、複数の基地局装置を備えたデジタル無線通信システムの構成例を示してある。
本例のデジタル無線通信システムは、保守コンソール101、複数であるa個の有線端末局装置102−1〜102−a、運用管理装置103、複数であるb個の基地局装置104−1〜104−b、これらと(例えば、有線などにより)接続された回線制御装置105、基地局装置104−1〜104−bと無線により接続されて通信する複数の端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dを備えている。
図23の例では、基地局装置104−1の無線通信領域(サービスエリア)111−1に複数であるc個の端末局装置121−1〜121−cが存在しており、基地局装置104−bの無線通信領域(サービスエリア)111−bに複数であるd個の端末局装置122−1〜122−dが存在している。
【0003】
ここで、回線制御装置105は、複数の基地局装置104−1〜104−bと接続される。基地局装置104−1〜104−bは、自らの発する無線電波により複数の端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dとの間で無線ネットワークを形成する。有線端末局装置102−1〜102−aは、回線制御装置105と、例えば有線の伝送路で接続されている。保守コンソール101は、回線制御装置105及びデジタル無線通信システムのトラブルや不具合を監視する。
【0004】
そして、本例のデジタル無線通信システムは、例えば、基地局装置104−1〜104−bを経由した端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dの間の通信、或いは、端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dの間の直接通信、或いは、有線端末局装置102−1〜102−aと端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dとの間の通信、の通信接続サービスが行われるように構成されている。
【0005】
回線制御装置105は、デジタル無線通信システムにおける、例えば基地局装置104−1〜104−b及び複数の端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dの間の通信接続及びサービスエリアの維持、管理を行い、端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dからの発呼の制御或いは通信ルートの設定を行う制御等を行う。回線制御装置105と基地局装置104−1〜104−bとは、有線又はマイクロ回線等の伝送路で接続されるのが一般的である。
なお、本例では、端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dとしては、例えば、車両等に搭載された移動無線機、携帯無線機、情報端末局装置等を含むものとする。
【0006】
回線制御装置105は、複数の種類の基板を背面の基板(バックボード)と接続して構成される。複数の種類の基板としては、例えば、呼制御CPU(Central Processing Unit)基板、交換制御I/F(Interface)基板、基地局I/F基板、有線端末局I/F基板、等がある。また、接続された基板同士の通信プロトコルにはアークネット(ARCNET:Attached Resource Computer NETwork)が使用される。
ここで、ARCNETとは、改良型トークンパッシング・プロトコルのローカルエリアネットワークである。
【0007】
図24には、ARCNETの基本的な論理ネットワークの構成例を示してある。
本例では、4個の装置A、B、C、Dの各々に、自己の装置(ノード)の識別情報であるノードID(NodeID)と、次の装置(ノード)の識別情報であるノードID(NextID)が設定されている。
【0008】
ここで、ARCNETにおいて、ARCNETに接続する装置(ノード)は、それぞれ1つのARCNETアドレス(ノードID)を持つ必要がある。ARCNETに接続できるノードの最大数は255個であり、ノードIDは0x01〜0xFFのいずれかの値であり、異なるノードで同値のノードIDを使用することはできない。なお、ノードIDのうち0x00はブロードキャスト用に予約されているため、ノードIDに使用することはできない。
【0009】
ノードはネットワーク上で常にトークンを巡回させる。
ノードは、トークンを渡す際、必ず、NextIDの値を持つノードへ向けてトークンを送信する。
トークンを受信したノードは、送信バッファに送信データがあった場合には、送信先ノードに向けてデータを送信する。
【0010】
ところで、従来では、回線制御装置105に納める基板について、ユーザ自らが、ノードIDを振り分けて、管理していた。このため、アドレスを自動で割り振るDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)のように、ノードIDを自動で割り振る機能が求められていた。
これに関して、ノードIDを自動で割り振る方法があった。
【0011】
しかしながら、このような方法では、2台以上の装置を同じノードIDの値で起動することができなかった。
そこで、このような問題を解決するために、複数の装置のノードIDが重複した場合におけるネットワーク再構築の多発を防止した通信システムが考えられた。
【0012】
しかしながら、前記公知の方法を利用したとしても、ノードIDを割り振られた基板がどのような機能を持っているかはわからなかった。
そこで、ARCNETプロトコルの上位レイヤに、IP(Internet Protocol)とARP(Address Resolution Protocol)を使用し、IPアドレスとノードIDとをマッピングする案が考えられた。ここで、ARCNETは、Ethernet(登録商標)と同レイヤのプロトコルである。
【0013】
図25には、このような案の一例として、IPを利用したARCNETの論理ネットワークの構成例を示してある。
本例では、3個の装置A、B、C及び1個のルータの各々に、自己の装置(ノード)の識別情報であるノードID(NodeID)と、次の装置(ノード)の識別情報であるノードID(NextID)と、IPアドレスが設定されている。
【0014】
このような案を利用すると、ルータを利用したローカルネットワークの構築が可能となり、TCP(Transmission Control Protocol)などのプロトコルスタックを使用したデータ通信が可能となる。しかしながら、このような方法を使用すると、データが必ずルータを経由するため、データ送信時間が大きくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平11−341024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように、従来では、次のような(問題1)〜(問題2)があった。
(問題1)ノードIDを割り振られた基板の種別がわからないという問題があった。
具体的には、従来では、基板毎にノードIDをユーザが固定値で割り振る場合には、ノードIDによって基板の種別を認識することができたが、ノードIDが自動で割り振られる場合には、ノードIDによって基板の種別(機能)の認識ができなくなってしまう。
なお、従来では、基板毎にノードIDをユーザが割り振って管理する場合には、効率が悪くなってしまう。また、自動でノードIDを割り振ることも可能であるが、この場合には、例えば、重複するノードIDが発生する可能性があるため、ノードIDが重複した場合にネットワーク再構築する必要が出てきてしまう。
【0017】
(問題2)IPを使用すると、データ送信時間が大きくなるという問題があった。
具体的には、データ送信時に必ずルータを中継するため、データの送信時間が今までより大きくなってしまう。また、ルータを追加することで、ハードウェアの導入コストが大きくなってしまう。
具体的には、ネットワーク再構築を防ぐために、プログラムの上位レイヤにIPとARPを使用してIPアドレスとノードIDをマッピングすることで、TCPを使ったデータ通信が可能となるが、ルータを必ず経由する必要が出てくるため、データ送信時間が大きくなってしまう。
【0018】
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、例えば、ノードIDが割り振られた基板の種別の認識や、データ送信時間の短縮化といった点で、効果的な回線制御装置などの通信装置の基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するため、本発明では、通信装置を構成し、ARCNET通信の機能を有する基板において、次のような構成とした。
すなわち、通信手段が、情報を通信する。記憶手段が、当該基板の基板種別を予め記憶する。番号取得手段が、当該基板が挿入された前記通信装置のシャーシ番号及びスロット番号を取得する。基板通番割り振り手段が、前記記憶手段に記憶された基板種別と、前記番号取得手段により取得されたシャーシ番号及びスロット番号に基づいて、前記通信装置に挿入された基板(例えば、認識される全ての基板)に基板通番を割り振る。記憶制御手段が、各基板の識別情報として(例えば、自動的に)割り当てられたノードIDと、前記記憶手段に記憶された基板種別と、前記番号取得手段により取得されたシャーシ番号及びスロット番号と、前記基板通番割り振り手段により割り振られた基板通番を対応付けて、ノードID、シャーシ番号、スロット番号及び基板通番を前記記憶手段に記憶させる。記憶情報送信手段が、前記記憶手段に記憶されたノードID、基板種別及び基板通番を含む情報を前記通信装置に挿入された他の基板へ前記通信手段により送信する。送信先決定手段が、基板種別及び基板通番に基づいて、前記通信手段による送信先となる基板である送信先ノード(例えば、ノードID)を決定する。
従って、例えば、ARCNET通信において、ノードIDが割り振られた基板の種別の認識や、データ送信時間の短縮化といった点で、効果的な通信装置の基板を実現することができる。
【0020】
ここで、基板が適用される通信装置としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、回線制御装置に適用することができる。
また、基板種別(基板の種別)、シャーシ番号、スロット番号、基板通番(基板の番号)、ノードID、などについては、例えば、呼び名が異なっていても、同様なものを示す場合には、本発明に含まれる。
また、記憶手段としては、例えば、メモリやデータベースを用いて構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によると、例えば、ARCNET通信において、ノードIDが割り振られた基板の種別の認識や、データ送信時間の短縮化といった点で、効果的な通信装置の基板を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例に係る通信基板の構成例及びバックボードの構成例を示す図である。
【図2】メッセージ種別の例を示す図である。
【図3】メッセージヘッダの形式の例を示す図である。
【図4】Discoverのメッセージデータの形式の例を示す図である。
【図5】Offerのメッセージデータの形式の例を示す図である。
【図6】初期化シーケンスの一例を示す図である。
【図7】初期化シーケンスの一例を示す図である。
【図8】初期化シーケンスの一例を示す図である。
【図9】Discoverのメッセージデータの設定例を示す図である。
【図10】ノード管理テーブルの設定例を示す図である。
【図11】Offerのメッセージデータの設定例を示す図である。
【図12】初期化後のARCNET論理ネットワークの構成例を示す図である。
【図13】子ノードの基板が抜き出される場合におけるシーケンスの一例を示す図である。
【図14】子ノードの基板が抜き出される場合におけるシーケンスの一例を示す図である。
【図15】子ノードの基板が抜き出される場合におけるシーケンスの一例を示す図である。
【図16】Deleteメッセージデータの設定例を示す図である。
【図17】親ノードの基板が抜き出される場合におけるシーケンスの一例を示す図である。
【図18】親ノードの基板が抜き出される場合におけるシーケンスの一例を示す図である。
【図19】ノードIDの決定後(自動割り付け後)においてノード管理テーブル制御部により行われる処理の手順の一例を示す図である。
【図20】ノードIDの決定後(自動割り付け後)においてノード管理テーブル制御部により行われる処理の手順の一例を示す図である。
【図21】ノードIDの決定後(自動割り付け後)においてノード管理テーブル制御部により行われる処理の手順の一例を示す図である。
【図22】ノードIDの決定後(自動割り付け後)においてノード管理テーブル制御部により行われる処理の手順の一例を示す図である。
【図23】複数の基地局装置を備えたデジタル無線通信システムの構成例を示す図である。
【図24】ARCNETの基本的な論理ネットワークの構成例を示す図である。
【図25】IPを利用したARCNETの論理ネットワークの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本実施例では、デジタル無線通信システムの回線制御装置(例えば、図23に示される回線制御装置105に相当する装置)について説明する。本例の回線制御装置では、装置内の基板同士をARCNETにより接続している。
【0024】
図1には、本例の回線制御装置に設けられる、本発明の一実施例に係る基板(通信基板)2の構成例(機能ブロックの例)及びバックボード1の構成例を示してある。
バックボード1は、ARCNETデバイス11を備えている。
通信基板2は、ARCNETデバイス21、ARCNETドライバ22、ARCNET通信制御部23、ミドルウェア24、アプリケーション25を直列に接続して備えている。
ARCNET通信制御部23は、ノード管理テーブル31、ノード管理テーブル31を制御するノード管理テーブル制御部32、送信バッファ33、受信バッファ34を備えている。
【0025】
ノード管理テーブル31は、ノードID(NodeID)41、基板種別42、シャーシ番号43、スロット番号44、基板通番45といった情報を(例えば、対応付けて)格納する。なお、本例では、基板種別42の情報は、例えば、予め、製品出荷時に又はその後にユーザ(人)による操作などにより、設定されて記憶されている。
バックボード1のARCNETデバイス11と通信基板2のARCNETデバイス21とが接続されて、データ3が送受信される。
【0026】
ここで、ARCNET通信制御部23は、ARCNETドライバ22とミドルウェア24の間でデータ送受信の制御を行う機能部である。本例では、ARCNET通信制御部23に備えられたノード管理テーブル制御部32、ノード管理テーブル31が、特徴的な機能部(例えば、従来と比べて新規な機能部)である。
ノード管理テーブル制御部23は、他の基板とコントロールメッセージの送受信を行い、ノード管理テーブル31の内容に対する追加、削除、更新を行う。また、ノード管理テーブル制御部23は、他の基板とデータメッセージの送受信を行い、基板間のユーザデータのやり取りを行う。
【0027】
図2の表には、メッセージ種別の例を示してある。
本例では、メッセージの種別は、Discover、Offer、Delete、Dataの4種類とする。
Discover、Offer、Deleteはコントロールメッセージであり、Dataはデータメッセージである。
メッセージの先頭にはヘッダが付与され、メッセージID、送信元ノードID、送信先ノードIDが設定される。
図3の表には、メッセージヘッダの形式の例を示してある。
具体的には、4バイト(byte)固定で、メッセージ種別、予約(0x00)、送信元ノードID、送信先ノードIDから構成される。
【0028】
図4の表には、Discoverのメッセージデータの形式の例を示してある。Discoverは、自己の基板のノード情報(本例では、自装置のID)を子ノードが親ノードに通知したいときにブロードキャスト(Broadcast)で送信する。具体的には、4バイト固定で、基板種別、予約(0x00)、シャーシ番号、スロット番号から構成される。
図5の表には、Offerのメッセージデータの形式の例を示してある。Offerは、ノード管理テーブル31の情報を親ノードが子ノードに通知したいときにブロードキャスト(Broadcast)で送信する。具体的には、504バイト固定で、252通りのノードIDの各々について、基板種別と基板通番を含むことができる。
Deleteは、ネットワークから削除されたノード情報(本例では、ノードID)を子ノードが親ノードに通知したいときに送信する。
Dataは、基板間のユーザデータの送受信の際に使用される。Dataのメッセージ形式は、ヘッダ以降のブロックにユーザデータを設定する形式となる。
【0029】
本例の回線制御装置において挿入された基板2は、挿入された位置によって固有のシャーシ番号とスロット番号を取得する。本例では、このような番号の取得が実現されるように、回線制御装置本体(基板を除く装置の本体)及び基板が構成されている。
【0030】
次に、本例における初期化シーケンスについて説明する。
ここでは、基板A〜Dの4枚が挿入された回線制御装置を例として説明する。
図6、図7、図8には、初期化シーケンスの一例を示してある。
まず、回線制御装置の電源がオン(ON)になると、挿入された基板A、B、C、DはARCNETのノードIDを自動で割り付けながら、ARCNETネットワークを構築する(処理T1)。
本例では、基板AにノードID=0x04が割り付けられ、基板BにノードID=0x07が割り付けられ、基板CにノードID=0x99が割り付けられ、基板DにノードID=0xD4が割り付けられたとする。このとき、基板AのNextID(次の装置のノードID)=0x07となり、基板BのNextID=0x99となり、基板CのNextID=0xD4となり、基板DのNextID=0x04となる。
【0031】
ここで、(自己の基板のID>NextID)となる基板Dを親ノードとする。
親ノードは、自己のノードID、基板種別、シャーシ番号、スロット番号をノード管理テーブル31に登録する(処理T2)。
次に、親ノードから送信されたトークンをNextID(=0x04)に対応する基板Aが受信する(処理T3)。これに応じて、基板Aは、基板種別、シャーシ番号、スロット番号をDiscoverメッセージに設定して、ブロードキャストにて送信する(処理T4、T5)。
図9の表には、Discoverのメッセージデータの設定例を示してある。具体的には、基板種別=2、シャーシ番号=1、スロット番号=5が設定されている。
【0032】
基板B、基板Cは、親ノードではないため、受信したDiscoverメッセージを破棄する(処理T6、T7)。
基板Dは、親ノードであるため、受信したDiscoverメッセージの情報をノード管理テーブル31に登録する(処理T8)。
基板Aについて説明したのと同様に、トークン送信、Discover送信、親ノードで登録といった処理を、基板Bについて行い(処理T9、T11〜T15)、その後、基板Cについて行う(処理T16〜T21)。
【0033】
再びトークン(装置Cから送信されたトークン)を受信した基板Dは(処理T22)、ノード管理テーブル31に情報が登録されていることを確認すると、基板種別、シャーシ番号、スロット番号を元に基板通番を割り振る(処理T31)。本例では、割り振り方法としては、同じ基板種別を持つ全てのノードに対して、シャーシ番号が小さい順から値を1、2、3、・・・と割り振る。シャーシ番号が同じ場合には、スロット番号が小さい方に優先して番号を割り振る。
【0034】
図10の表には、ノード管理テーブル31の設定例を示してある。
具体的には、基板Aについては、ノードID=4、シャーシ番号=1、スロット番号=5、基板種別番号=2、基板通番=2、子ノードとなっており、基板Bについては、ノードID=7、シャーシ番号=2、スロット番号=1、基板種別番号=3、基板通番=1、子ノードとなっており、基板Cについては、ノードID=153、シャーシ番号=1、スロット番号=4、基板種別番号=2、基板通番=1、子ノードとなっており、基板Dについては、ノードID=212、シャーシ番号=1、スロット番号=2、基板種別番号=1、基板通番=1、親ノードとなっている。なお、他のノードIDについては、未登録となっている。
【0035】
初期化シーケンスにおいて、次に、基板Dは、ノード管理テーブル31の情報(本例では、ノードID、基板種別、基板通番)をOfferメッセージに設定して、ブロードキャストにて送信する(処理T32、T33)。
図11の表には、Offerのメッセージデータの設定例を示してある。
具体的には、基板Aについては、ノードID=4、Type(基板種別を示す番号)=2、Index=2(基板通番)が設定され、基板Bについては、ノードID=7、Type(基板種別を示す番号)=3、Index=1(基板通番)が設定され、基板Cについては、ノードID=153、Type(基板種別を示す番号)=2、Index=1(基板通番)が設定され、基板Dについては、ノードID=212、Type(基板種別を示す番号)=1、Index=1(基板通番)が設定される。
【0036】
初期化シーケンスにおいて、基板A、B、Cは、基板Dから受信したノード管理テーブル31の情報を保存する(処理T34〜T36)。本例では、この情報は、各基板A、B、Cのノード管理テーブル31に保存される。
次に、基板Dは、基板Aにトークンを送信する(処理T37)。
以降、通常のARCNET通信シーケンス(通常運用)へ移行する(処理T38)。
【0037】
図12には、初期化シーケンスによって得られた初期化後のARCNET論理ネットワークの構成例を示してある。図12に示されるように、各基板A、B、C、Dに、ノードID、NextID、Type、Indexの値が設定される。
ここで、本例では、各基板は、基板種別の基板連番(基板通番)によって管理、認識される。ミドルウェア24は、他の基板に送信するとき、基板種別と基板通番を指定して、データをARCNET制御機能部23へ渡す。ARCNET制御機能部23では、ノード管理テーブル制御部32が基板種別と基板通番をノードIDへ変換し、Dataメッセージ形式で対象のノードへ送信する。メッセージを受信したノードは、送信元ノードIDを基板種別と基板通番に変換して、該当するミドルウェア24へデータを渡す。
【0038】
次に、新たな基板が追加された場合におけるシーケンスについて説明する。
新たな基板が追加されると、ARCNETは、メッセージの送受信を中止して、ARCNETネットワークを最初から構築し直す。
このため、基板が追加された場合におけるシーケンスは、初期化シーケンスと同等となる。
【0039】
次に、回線制御装置から基板が取り出された場合におけるシーケンスについて説明する。このシーケンスは、抜き出された基板が子ノードであるか或いは親ノードであるかによりシーケンスの内容が異なる。
図13、図14、図15には、抜き出された基板が子ノードであった場合におけるシーケンスの一例を示してある。
初期化シーケンスにより構成されたネットワークから基板Bが抜き出された場合を例とする(処理T101)。
【0040】
この場合、基板Aが送信したトークンに基板Bが反応しないため(処理T102、T103)、基板Aのトークンは基板Cが受信することとなる(処理T104、T105)。これにより、基板AのNextIDが基板CのノードID(=0x99)となり、基板BのノードIDがネットワークから削除される(処理T106)。このとき、ノード管理テーブル31は変更されない。
【0041】
ノード管理テーブル31は、基板Bへのデータ送信要求があると変更される。
例えば、基板Aからのトークンを受信した後に(処理T111)、基板Cのミドルウェア24から基板Bへのデータ送信要求があった場合には(処理T112)、基板CはFBE(Free Buffer Enquiry)を基板Bへ送信し(処理T113)、ACK(Acknowledgement)又はNACK(Negative Acknowledgement)の応答を待つ。
【0042】
しかしながら、基板Bは応答することができないため(処理T114)、基板Cでは、ACK又はNACKを一定時間後においても受信することができずにタイムアウトして、送信不可(送信NG)となる(処理T115)。トークンが流れて(処理T116、T117)、基板Cでは、次にトークンを受信した際に(処理T118)、基板Bがネットワークから消失したことを通知するための削除要求が発生して(処理T119)、Deleteメッセージを親ノードに向けて送信する(処理T121)。
図16の表には、Deleteメッセージデータの設定例を示してある。具体的には、ノード管理テーブル31から削除するノードID(=7)が設定されている。
【0043】
親ノードである基板Dは、ノード管理テーブル31から、基板BのノードID(=0x07)に該当する部分の情報を0クリアして削除する(処理T122)。基板Dは、これにより更新したノード管理テーブル31の情報(本例では、ノードID、基板種別、基板通番)をOfferメッセージに設定して、ブロードキャストで送信する(処理T123、T124)。基板A、基板Cでは、受信したノード管理テーブル31の情報を保存し(処理T125、T126)、これにより、基板A、基板Cのノード管理テーブル31からも基板Bの情報が削除される。
その後、基板Dから基板Aへトークンが送信され(処理T127)、以降、通常運用が行われる(処理T128)。
【0044】
図17、図18には、抜き出された基板が親ノードであった場合におけるシーケンスの一例を示してある。
初期化シーケンスにより構成されたネットワークから基板Dが抜き出されたとする(処理T201)。
この場合、基板Cから送信したトークンに基板Dが反応しないため(処理T202、T203)、基板Cからのトークンを基板Aが受信することとなり(処理T204)、以降のトークンが継続される(処理T205)。これにより、基板CのNextIDが基板AのノードID(=0x04)となり、基板DのノードIDがネットワークから削除される(処理T206)。このとき、基板Cの自己のノードIDがNextIDより大きくなるため、基板Cが親ノードになる(処理T207)。
【0045】
親ノードとなった基板Cは、ノード管理テーブル31から、基板DのノードID(=0xD4)に該当する部分の情報を0クリアして削除する(処理T211)。また、基板Cは、更新したノード管理テーブル31の情報(本例では、ノードID、基板種別、基板通番)をOfferメッセージに設定して、ブロードキャストで送信する(処理T212、T213)。
【0046】
基板A、基板Bは、基板Cから受信したノード管理テーブル31の情報を保存し(処理T214〜T215)、これにより、基板A、基板Bのノード管理テーブル31からも基板Dの情報が削除される。本例では、この受信情報は、各基板A、Bのノード管理テーブル31に保存される。
その後、通常運用へ移行する(処理T216)。
【0047】
次に、以上のシーケンスを実現するノード管理テーブル制御部32により行われる処理のフローチャートの一例を示す。
図19、図20、図21、図22には、ノードIDの決定後(自動割り付け後)においてノード管理テーブル制御部32により行われる処理の手順の一例を示してある。
【0048】
図19を参照して、全体の処理を説明する。
各基板では、電源がオン(ON)にされ(ステップS1)、自己のノードIDについて自動割り振りが完了すると(ステップS2)、自己のノードに宛てられたトークンを受信したか否かを判定する(ステップS3)。
この結果、自己宛てのトークンを受信したことが判定された場合には、例えば予め設けられた初期化完了フラグがオン(初期化完了)になっているか否かを判定する(ステップS4)。
【0049】
この結果、初期化完了フラグがオフ(初期化未完了)になっていることが判定された場合には、初期化処理が行われる(ステップS7)。
一方、初期化完了フラグがオンになっていることが判定された場合には、送信バッファ33に送信予約データがあるか否かを判定し(ステップS5)、あると判定された場合には送信シーケンスの処理が行われ(ステップS8)、ないと判定された場合にはステップS3の処理へ移行する。
【0050】
また、ステップS3の判定において、自己宛てのトークンを受信していないことが判定された場合には、自己のノードに宛てられたFBEを受信したか否かを判定し(ステップS6)、受信したことが判定された場合には受信シーケンスの処理が行われ(ステップS9)、受信していないことが判定された場合にはステップS3の処理へ移行する。
【0051】
図20を参照して、初期化シーケンスの処理(ステップS7)を説明する。
まず、ノード管理テーブル31にデータが設定されているか否かを判定し(ステップS11)、設定されていることが判定された場合には、ノード管理テーブル31の情報をOfferメッセージに設定してブロードキャストにより送信し(ステップS15)、初期化完了フラグをオンに設定して(ステップS16)、ステップS17の処理へ移行する。
【0052】
一方、ノード管理テーブル31にデータが設定されていないことが判定された場合には、自己のノードIDがNextIDより大きいか否かを判定し(ステップS12)、大きい場合には親ノードとなってノード管理テーブル31に自己のノードの情報を設定してステップS17の処理へ移行し(ステップS14)、小さい場合には子ノードとなって自己のノードの情報をDiscoverメッセージに設定してブロードキャストにより送信してステップS17の処理へ移行する(ステップS13)。
【0053】
ステップS17の処理では、NextIDに対応するノード(本例では、基板)へトークンを送信する(ステップS17)。
その後、トークンが届かずにNextIDが更新されたか否かを判定し(ステップS18)、そうではないことが判定された場合には初期化シーケンスの処理を終了する一方、そうであることが判定された場合には以降の削除シーケンスの処理を行う(ステップS19)。
【0054】
削除シーケンスの処理では、自己のノードIDがNextIDより大きいか否かを判定し(ステップS20)、小さいことが判定された場合には初期化シーケンスの処理を終了する一方、大きいことが判定された場合には、自己のノードより大きいノードIDを有するノードの情報をノード管理テーブル31から削除し(ステップS21)、ノード管理テーブル31の情報をOfferメッセージに設定してブロードキャストの送信予約を行うことで次回のトークン受信時に送信されるようにして(ステップS22)、初期化シーケンスの処理を終了する。
初期化シーケンスの処理が終了した後には、ステップS3の処理へ移行する。
【0055】
図21を参照して、データの送信シーケンスの処理(ステップS8)を説明する。
まず、送信メッセージ(送信予約データ)がブロードキャストであるか否かを判定し(ステップS31)、ブロードキャストであることが判定された場合には、送信先へデータを送信して(ステップS39)、ステップS38の処理へ移行する。
【0056】
一方、送信メッセージ(送信予約データ)がブロードキャストではないことが判定された場合には、該当するノードIDをノード管理テーブル31から発見することができたか否かを判定し(ステップS32)、発見することができなかった場合にはステップS38の処理へ移行する一方、発見することができた場合には、FBEを送信して(ステップS33)、ACKを受信したか否かを判定する(ステップS34)。
【0057】
この結果、ACKを受信したことが判定された場合には、送信先へデータを送信して(ステップS39)、ステップS38の処理へ移行する一方、ACKを受信していないことが判定された場合には、NACKを受信したか否かを判定する(ステップS35)。
この結果、NACKを受信したことが判定された場合にはステップS38の処理へ移行する一方、NACKを受信していないことが判定された場合には、ACK/NACKの待ち時間が例えば予め設定された所定の時間となってタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS36)。
【0058】
この結果、タイムアウトしていないことが判定された場合にはステップS34の処理へ移行する一方、タイムアウトしたことが判定された場合には、送信先のノードのノードIDをDeleteメッセージに設定して親ノードへの送信予約を行い(ステップS37)、ステップS38の処理へ移行する。
ステップS38の処理では、NextIDのノードへトークンを送信する(ステップS38)。そして、送信シーケンスの処理を終了する。
送信シーケンスの処理が終了した後には、ステップS18の処理へ移行する。
なお、ステップS37の処理は、自己が親ノードである場合には、行われなくてよい。
【0059】
図22を参照して、データの受信シーケンスの処理(ステップS9)を説明する。
まず、送信元のノードIDのノードへACKを送信し(ステップS41)、送信元のノードIDのノードからメッセージを受信し(ステップS42)、受信したメッセージのメッセージID(メッセージ種別)の値を判定する(ステップS43)。以降の処理は、メッセージIDの値に応じて分岐される。
【0060】
メッセージIDの値が0x01(Discover)であることが判定された場合には、自己のノードが親ノードであるか否かを判定し(ステップS44)、親ノードではない(すなわち、子ノードである)ことが判定された場合には受信シーケンスの処理を終了する一方、親ノードであることが判定された場合には、受信したノードの情報をノード管理テーブル31に追加して(ステップS45)、受信シーケンスの処理を終了する。
なお、受信したノードの情報をノード管理テーブル31に追加する際に、そのノードの情報が既にノード管理テーブル31に登録済みであった場合には、ノード管理テーブル31に上書きする。
【0061】
メッセージIDの値が0x02(Offer)であることが判定された場合には、受信した情報(ノード管理テーブルの情報)でノード管理テーブル31の内容を更新して(ステップS46)、受信シーケンスの処理を終了する。
【0062】
メッセージIDの値が0x03(Delete)であることが判定された場合には、受信したノードIDの情報をノード管理テーブル31から削除し(ステップS47)、ノード管理テーブル31の情報をOfferメッセージに設定して子ノードへの送信予約(本例では、ブロードキャストの送信予約)を行い(ステップS48)、受信シーケンスの処理を終了する。
【0063】
メッセージIDの値が0x10(Data)であることが判定された場合には、送信元のノードのノードIDから該当する基板種別を特定し(ステップS49)、受信したデータを対象のミドルウェア24へ送信して(ステップS50)、受信シーケンスの処理を終了する。
受信シーケンスの処理が終了した後には、ステップS3の処理へ移行する。
【0064】
以上のように、本例では、通信装置の基板2について、ARCNETのノードIDに基板種別と基板通番を割り当てることが行われ、割り当てられたARCNETのノードID、基板種別、基板通番を管理するテーブル(ノード管理テーブル31)及びそれを制御する制御部(ノード管理テーブル制御部32)を有している。
また、本例では、このような基板2を組み合わせることにより、デジタル無線通信システムの回線制御装置が構成されている。
【0065】
具体的には、本例では、各基板2に、(1)予め基板種別を保存する機能、(2)回線制御装置のシャーシ番号とスロット番号を取得する機能、(3)自動で割り振られたノードIDと基板種別、シャーシ番号、スロット番号とを紐付け(対応付け)、基板通番を作成し、ノード管理テーブル31を作成する機能、(4)作成したノード管理テーブル31をARCNETで各基板に配信する機能、(5)ARCNETデータの送信時に、基板種別と基板通番をノード管理テーブル31から参照して、宛先(送信先)ノードを決定する機能、(6)ARCNET送受信データ部をメッセージ形式にする機能、を実装している。
【0066】
本例では、例えば、1つの回線制御装置に挿入された複数の基板(ノード)について、親ノードを予め決定し、親ノードが他の各ノードから送信されてきた基板種別、シャーシ番号、スロット番号を基に基板通番を各ノードに割り振り、ノード管理テーブル31で管理する。
【0067】
従って、本例では、ARCNETのノードIDが自動で割り振られた場合においても、ノードIDから基板の種別(機能)の認識が可能となる。
また、本例では、ARCNETのノードIDをユーザが管理しなくとも、例えば本提案の導入前と変わらない通信速度で、通信する機能を持った通信装置の基板2や、このような基板2を組み合わせた回線制御装置を実施することができる。
本例では、ノードIDに対して基板種別と基板通番を割り当てることで、ARCNETプロトコルの上位レイヤはノードIDを意識することなく、基板種別と基板通番を指定して通信することが可能となる。
このように、本例では、例えば、ノードIDが割り振られた基板の種別の認識や、データ送信時間の短縮化といった点で、効果的な基板2や回線制御装置を実現することができる。
【0068】
なお、本例では、次のような基板2を実現することができる。
すなわち、通信装置を構成し、ARCNET通信の機能を有する基板2において、
情報を通信する通信手段(例えば、図1に示される各処理部により、バックボード11を介して同じ通信装置に接続された他の基板との間で情報を通信する機能)と、
当該基板2の基板種別を予め記憶する記憶手段(例えば、ノード管理テーブル31の機能)と、
当該基板2が挿入された前記通信装置のシャーシ番号及びスロット番号を取得する番号取得手段(例えば、ARCNET通信制御部23などの機能)と、
前記記憶手段に記憶された基板種別と、前記番号取得手段により取得されたシャーシ番号及びスロット番号に基づいて、前記通信装置に挿入された基板に基板通番を割り振る基板通番割り振り手段(例えば、ARCNET通信制御部23の機能)と、
各基板の識別情報として割り当てられたノードIDと、前記記憶手段に記憶された基板種別と、前記番号取得手段により取得されたシャーシ番号及びスロット番号と、前記基板通番割り振り手段により割り振られた基板通番を対応付けて、ノードID、シャーシ番号、スロット番号及び基板通番を前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段(例えば、ARCNET通信制御部23の機能)と、
前記記憶手段に記憶されたノードID、基板種別及び基板通番を含む情報(本例では、Offerの情報)を前記通信装置に挿入された他の基板へ前記通信手段により送信する記憶情報送信手段(例えば、ARCNET通信制御部23の機能)と、
基板種別及び基板通番に基づいて、前記通信手段による送信先となる基板である送信先ノード(例えば、基板種別及び基板通番の組み合わせに対応するノードID)を決定する送信先決定手段(例えば、ARCNET通信制御部23の機能)と、
を備えたことを特徴とする基板2。
【0069】
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々なシステムや装置として提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウェア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウェア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【符号の説明】
【0070】
1・・バックボード、 2・・通信基板(基板)、 3・・データ、 11、21・・ARCNETデバイス、 22・・ARCNETドライバ、 23・・ARCNET通信制御部、 24・・ミドルウェア、 25・・アプリケーション、 31・・ノード管理テーブル、 32・・ノード管理テーブル制御部、 33・・送信バッファ、 34・・受信バッファ、 41・・ノードID(NodeID)、 42・・基板種別、 43・・シャーシ番号、 44・・スロット番号、 45・・基板通番、 101・・保守コンソール、 102−1〜102−a・・有線端末局装置、 103・・運用管理装置、 104−1〜104−b・・基地局装置、 105・・回線制御装置、 111−1〜111−b・・無線通信領域(サービスエリア)、 121−1〜121−c、 122−1〜122−d・・端末局装置、
【技術分野】
【0001】
本発明は、回線制御装置などの通信装置の基板に関し、特に、例えば、ノードIDが割り振られた基板の種別の認識や、データ送信時間の短縮化といった点で、効果的な基板に関する。
【背景技術】
【0002】
図23には、複数の基地局装置を備えたデジタル無線通信システムの構成例を示してある。
本例のデジタル無線通信システムは、保守コンソール101、複数であるa個の有線端末局装置102−1〜102−a、運用管理装置103、複数であるb個の基地局装置104−1〜104−b、これらと(例えば、有線などにより)接続された回線制御装置105、基地局装置104−1〜104−bと無線により接続されて通信する複数の端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dを備えている。
図23の例では、基地局装置104−1の無線通信領域(サービスエリア)111−1に複数であるc個の端末局装置121−1〜121−cが存在しており、基地局装置104−bの無線通信領域(サービスエリア)111−bに複数であるd個の端末局装置122−1〜122−dが存在している。
【0003】
ここで、回線制御装置105は、複数の基地局装置104−1〜104−bと接続される。基地局装置104−1〜104−bは、自らの発する無線電波により複数の端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dとの間で無線ネットワークを形成する。有線端末局装置102−1〜102−aは、回線制御装置105と、例えば有線の伝送路で接続されている。保守コンソール101は、回線制御装置105及びデジタル無線通信システムのトラブルや不具合を監視する。
【0004】
そして、本例のデジタル無線通信システムは、例えば、基地局装置104−1〜104−bを経由した端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dの間の通信、或いは、端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dの間の直接通信、或いは、有線端末局装置102−1〜102−aと端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dとの間の通信、の通信接続サービスが行われるように構成されている。
【0005】
回線制御装置105は、デジタル無線通信システムにおける、例えば基地局装置104−1〜104−b及び複数の端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dの間の通信接続及びサービスエリアの維持、管理を行い、端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dからの発呼の制御或いは通信ルートの設定を行う制御等を行う。回線制御装置105と基地局装置104−1〜104−bとは、有線又はマイクロ回線等の伝送路で接続されるのが一般的である。
なお、本例では、端末局装置121−1〜121−c、122−1〜122−dとしては、例えば、車両等に搭載された移動無線機、携帯無線機、情報端末局装置等を含むものとする。
【0006】
回線制御装置105は、複数の種類の基板を背面の基板(バックボード)と接続して構成される。複数の種類の基板としては、例えば、呼制御CPU(Central Processing Unit)基板、交換制御I/F(Interface)基板、基地局I/F基板、有線端末局I/F基板、等がある。また、接続された基板同士の通信プロトコルにはアークネット(ARCNET:Attached Resource Computer NETwork)が使用される。
ここで、ARCNETとは、改良型トークンパッシング・プロトコルのローカルエリアネットワークである。
【0007】
図24には、ARCNETの基本的な論理ネットワークの構成例を示してある。
本例では、4個の装置A、B、C、Dの各々に、自己の装置(ノード)の識別情報であるノードID(NodeID)と、次の装置(ノード)の識別情報であるノードID(NextID)が設定されている。
【0008】
ここで、ARCNETにおいて、ARCNETに接続する装置(ノード)は、それぞれ1つのARCNETアドレス(ノードID)を持つ必要がある。ARCNETに接続できるノードの最大数は255個であり、ノードIDは0x01〜0xFFのいずれかの値であり、異なるノードで同値のノードIDを使用することはできない。なお、ノードIDのうち0x00はブロードキャスト用に予約されているため、ノードIDに使用することはできない。
【0009】
ノードはネットワーク上で常にトークンを巡回させる。
ノードは、トークンを渡す際、必ず、NextIDの値を持つノードへ向けてトークンを送信する。
トークンを受信したノードは、送信バッファに送信データがあった場合には、送信先ノードに向けてデータを送信する。
【0010】
ところで、従来では、回線制御装置105に納める基板について、ユーザ自らが、ノードIDを振り分けて、管理していた。このため、アドレスを自動で割り振るDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)のように、ノードIDを自動で割り振る機能が求められていた。
これに関して、ノードIDを自動で割り振る方法があった。
【0011】
しかしながら、このような方法では、2台以上の装置を同じノードIDの値で起動することができなかった。
そこで、このような問題を解決するために、複数の装置のノードIDが重複した場合におけるネットワーク再構築の多発を防止した通信システムが考えられた。
【0012】
しかしながら、前記公知の方法を利用したとしても、ノードIDを割り振られた基板がどのような機能を持っているかはわからなかった。
そこで、ARCNETプロトコルの上位レイヤに、IP(Internet Protocol)とARP(Address Resolution Protocol)を使用し、IPアドレスとノードIDとをマッピングする案が考えられた。ここで、ARCNETは、Ethernet(登録商標)と同レイヤのプロトコルである。
【0013】
図25には、このような案の一例として、IPを利用したARCNETの論理ネットワークの構成例を示してある。
本例では、3個の装置A、B、C及び1個のルータの各々に、自己の装置(ノード)の識別情報であるノードID(NodeID)と、次の装置(ノード)の識別情報であるノードID(NextID)と、IPアドレスが設定されている。
【0014】
このような案を利用すると、ルータを利用したローカルネットワークの構築が可能となり、TCP(Transmission Control Protocol)などのプロトコルスタックを使用したデータ通信が可能となる。しかしながら、このような方法を使用すると、データが必ずルータを経由するため、データ送信時間が大きくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平11−341024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように、従来では、次のような(問題1)〜(問題2)があった。
(問題1)ノードIDを割り振られた基板の種別がわからないという問題があった。
具体的には、従来では、基板毎にノードIDをユーザが固定値で割り振る場合には、ノードIDによって基板の種別を認識することができたが、ノードIDが自動で割り振られる場合には、ノードIDによって基板の種別(機能)の認識ができなくなってしまう。
なお、従来では、基板毎にノードIDをユーザが割り振って管理する場合には、効率が悪くなってしまう。また、自動でノードIDを割り振ることも可能であるが、この場合には、例えば、重複するノードIDが発生する可能性があるため、ノードIDが重複した場合にネットワーク再構築する必要が出てきてしまう。
【0017】
(問題2)IPを使用すると、データ送信時間が大きくなるという問題があった。
具体的には、データ送信時に必ずルータを中継するため、データの送信時間が今までより大きくなってしまう。また、ルータを追加することで、ハードウェアの導入コストが大きくなってしまう。
具体的には、ネットワーク再構築を防ぐために、プログラムの上位レイヤにIPとARPを使用してIPアドレスとノードIDをマッピングすることで、TCPを使ったデータ通信が可能となるが、ルータを必ず経由する必要が出てくるため、データ送信時間が大きくなってしまう。
【0018】
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、例えば、ノードIDが割り振られた基板の種別の認識や、データ送信時間の短縮化といった点で、効果的な回線制御装置などの通信装置の基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するため、本発明では、通信装置を構成し、ARCNET通信の機能を有する基板において、次のような構成とした。
すなわち、通信手段が、情報を通信する。記憶手段が、当該基板の基板種別を予め記憶する。番号取得手段が、当該基板が挿入された前記通信装置のシャーシ番号及びスロット番号を取得する。基板通番割り振り手段が、前記記憶手段に記憶された基板種別と、前記番号取得手段により取得されたシャーシ番号及びスロット番号に基づいて、前記通信装置に挿入された基板(例えば、認識される全ての基板)に基板通番を割り振る。記憶制御手段が、各基板の識別情報として(例えば、自動的に)割り当てられたノードIDと、前記記憶手段に記憶された基板種別と、前記番号取得手段により取得されたシャーシ番号及びスロット番号と、前記基板通番割り振り手段により割り振られた基板通番を対応付けて、ノードID、シャーシ番号、スロット番号及び基板通番を前記記憶手段に記憶させる。記憶情報送信手段が、前記記憶手段に記憶されたノードID、基板種別及び基板通番を含む情報を前記通信装置に挿入された他の基板へ前記通信手段により送信する。送信先決定手段が、基板種別及び基板通番に基づいて、前記通信手段による送信先となる基板である送信先ノード(例えば、ノードID)を決定する。
従って、例えば、ARCNET通信において、ノードIDが割り振られた基板の種別の認識や、データ送信時間の短縮化といった点で、効果的な通信装置の基板を実現することができる。
【0020】
ここで、基板が適用される通信装置としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、回線制御装置に適用することができる。
また、基板種別(基板の種別)、シャーシ番号、スロット番号、基板通番(基板の番号)、ノードID、などについては、例えば、呼び名が異なっていても、同様なものを示す場合には、本発明に含まれる。
また、記憶手段としては、例えば、メモリやデータベースを用いて構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によると、例えば、ARCNET通信において、ノードIDが割り振られた基板の種別の認識や、データ送信時間の短縮化といった点で、効果的な通信装置の基板を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例に係る通信基板の構成例及びバックボードの構成例を示す図である。
【図2】メッセージ種別の例を示す図である。
【図3】メッセージヘッダの形式の例を示す図である。
【図4】Discoverのメッセージデータの形式の例を示す図である。
【図5】Offerのメッセージデータの形式の例を示す図である。
【図6】初期化シーケンスの一例を示す図である。
【図7】初期化シーケンスの一例を示す図である。
【図8】初期化シーケンスの一例を示す図である。
【図9】Discoverのメッセージデータの設定例を示す図である。
【図10】ノード管理テーブルの設定例を示す図である。
【図11】Offerのメッセージデータの設定例を示す図である。
【図12】初期化後のARCNET論理ネットワークの構成例を示す図である。
【図13】子ノードの基板が抜き出される場合におけるシーケンスの一例を示す図である。
【図14】子ノードの基板が抜き出される場合におけるシーケンスの一例を示す図である。
【図15】子ノードの基板が抜き出される場合におけるシーケンスの一例を示す図である。
【図16】Deleteメッセージデータの設定例を示す図である。
【図17】親ノードの基板が抜き出される場合におけるシーケンスの一例を示す図である。
【図18】親ノードの基板が抜き出される場合におけるシーケンスの一例を示す図である。
【図19】ノードIDの決定後(自動割り付け後)においてノード管理テーブル制御部により行われる処理の手順の一例を示す図である。
【図20】ノードIDの決定後(自動割り付け後)においてノード管理テーブル制御部により行われる処理の手順の一例を示す図である。
【図21】ノードIDの決定後(自動割り付け後)においてノード管理テーブル制御部により行われる処理の手順の一例を示す図である。
【図22】ノードIDの決定後(自動割り付け後)においてノード管理テーブル制御部により行われる処理の手順の一例を示す図である。
【図23】複数の基地局装置を備えたデジタル無線通信システムの構成例を示す図である。
【図24】ARCNETの基本的な論理ネットワークの構成例を示す図である。
【図25】IPを利用したARCNETの論理ネットワークの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本実施例では、デジタル無線通信システムの回線制御装置(例えば、図23に示される回線制御装置105に相当する装置)について説明する。本例の回線制御装置では、装置内の基板同士をARCNETにより接続している。
【0024】
図1には、本例の回線制御装置に設けられる、本発明の一実施例に係る基板(通信基板)2の構成例(機能ブロックの例)及びバックボード1の構成例を示してある。
バックボード1は、ARCNETデバイス11を備えている。
通信基板2は、ARCNETデバイス21、ARCNETドライバ22、ARCNET通信制御部23、ミドルウェア24、アプリケーション25を直列に接続して備えている。
ARCNET通信制御部23は、ノード管理テーブル31、ノード管理テーブル31を制御するノード管理テーブル制御部32、送信バッファ33、受信バッファ34を備えている。
【0025】
ノード管理テーブル31は、ノードID(NodeID)41、基板種別42、シャーシ番号43、スロット番号44、基板通番45といった情報を(例えば、対応付けて)格納する。なお、本例では、基板種別42の情報は、例えば、予め、製品出荷時に又はその後にユーザ(人)による操作などにより、設定されて記憶されている。
バックボード1のARCNETデバイス11と通信基板2のARCNETデバイス21とが接続されて、データ3が送受信される。
【0026】
ここで、ARCNET通信制御部23は、ARCNETドライバ22とミドルウェア24の間でデータ送受信の制御を行う機能部である。本例では、ARCNET通信制御部23に備えられたノード管理テーブル制御部32、ノード管理テーブル31が、特徴的な機能部(例えば、従来と比べて新規な機能部)である。
ノード管理テーブル制御部23は、他の基板とコントロールメッセージの送受信を行い、ノード管理テーブル31の内容に対する追加、削除、更新を行う。また、ノード管理テーブル制御部23は、他の基板とデータメッセージの送受信を行い、基板間のユーザデータのやり取りを行う。
【0027】
図2の表には、メッセージ種別の例を示してある。
本例では、メッセージの種別は、Discover、Offer、Delete、Dataの4種類とする。
Discover、Offer、Deleteはコントロールメッセージであり、Dataはデータメッセージである。
メッセージの先頭にはヘッダが付与され、メッセージID、送信元ノードID、送信先ノードIDが設定される。
図3の表には、メッセージヘッダの形式の例を示してある。
具体的には、4バイト(byte)固定で、メッセージ種別、予約(0x00)、送信元ノードID、送信先ノードIDから構成される。
【0028】
図4の表には、Discoverのメッセージデータの形式の例を示してある。Discoverは、自己の基板のノード情報(本例では、自装置のID)を子ノードが親ノードに通知したいときにブロードキャスト(Broadcast)で送信する。具体的には、4バイト固定で、基板種別、予約(0x00)、シャーシ番号、スロット番号から構成される。
図5の表には、Offerのメッセージデータの形式の例を示してある。Offerは、ノード管理テーブル31の情報を親ノードが子ノードに通知したいときにブロードキャスト(Broadcast)で送信する。具体的には、504バイト固定で、252通りのノードIDの各々について、基板種別と基板通番を含むことができる。
Deleteは、ネットワークから削除されたノード情報(本例では、ノードID)を子ノードが親ノードに通知したいときに送信する。
Dataは、基板間のユーザデータの送受信の際に使用される。Dataのメッセージ形式は、ヘッダ以降のブロックにユーザデータを設定する形式となる。
【0029】
本例の回線制御装置において挿入された基板2は、挿入された位置によって固有のシャーシ番号とスロット番号を取得する。本例では、このような番号の取得が実現されるように、回線制御装置本体(基板を除く装置の本体)及び基板が構成されている。
【0030】
次に、本例における初期化シーケンスについて説明する。
ここでは、基板A〜Dの4枚が挿入された回線制御装置を例として説明する。
図6、図7、図8には、初期化シーケンスの一例を示してある。
まず、回線制御装置の電源がオン(ON)になると、挿入された基板A、B、C、DはARCNETのノードIDを自動で割り付けながら、ARCNETネットワークを構築する(処理T1)。
本例では、基板AにノードID=0x04が割り付けられ、基板BにノードID=0x07が割り付けられ、基板CにノードID=0x99が割り付けられ、基板DにノードID=0xD4が割り付けられたとする。このとき、基板AのNextID(次の装置のノードID)=0x07となり、基板BのNextID=0x99となり、基板CのNextID=0xD4となり、基板DのNextID=0x04となる。
【0031】
ここで、(自己の基板のID>NextID)となる基板Dを親ノードとする。
親ノードは、自己のノードID、基板種別、シャーシ番号、スロット番号をノード管理テーブル31に登録する(処理T2)。
次に、親ノードから送信されたトークンをNextID(=0x04)に対応する基板Aが受信する(処理T3)。これに応じて、基板Aは、基板種別、シャーシ番号、スロット番号をDiscoverメッセージに設定して、ブロードキャストにて送信する(処理T4、T5)。
図9の表には、Discoverのメッセージデータの設定例を示してある。具体的には、基板種別=2、シャーシ番号=1、スロット番号=5が設定されている。
【0032】
基板B、基板Cは、親ノードではないため、受信したDiscoverメッセージを破棄する(処理T6、T7)。
基板Dは、親ノードであるため、受信したDiscoverメッセージの情報をノード管理テーブル31に登録する(処理T8)。
基板Aについて説明したのと同様に、トークン送信、Discover送信、親ノードで登録といった処理を、基板Bについて行い(処理T9、T11〜T15)、その後、基板Cについて行う(処理T16〜T21)。
【0033】
再びトークン(装置Cから送信されたトークン)を受信した基板Dは(処理T22)、ノード管理テーブル31に情報が登録されていることを確認すると、基板種別、シャーシ番号、スロット番号を元に基板通番を割り振る(処理T31)。本例では、割り振り方法としては、同じ基板種別を持つ全てのノードに対して、シャーシ番号が小さい順から値を1、2、3、・・・と割り振る。シャーシ番号が同じ場合には、スロット番号が小さい方に優先して番号を割り振る。
【0034】
図10の表には、ノード管理テーブル31の設定例を示してある。
具体的には、基板Aについては、ノードID=4、シャーシ番号=1、スロット番号=5、基板種別番号=2、基板通番=2、子ノードとなっており、基板Bについては、ノードID=7、シャーシ番号=2、スロット番号=1、基板種別番号=3、基板通番=1、子ノードとなっており、基板Cについては、ノードID=153、シャーシ番号=1、スロット番号=4、基板種別番号=2、基板通番=1、子ノードとなっており、基板Dについては、ノードID=212、シャーシ番号=1、スロット番号=2、基板種別番号=1、基板通番=1、親ノードとなっている。なお、他のノードIDについては、未登録となっている。
【0035】
初期化シーケンスにおいて、次に、基板Dは、ノード管理テーブル31の情報(本例では、ノードID、基板種別、基板通番)をOfferメッセージに設定して、ブロードキャストにて送信する(処理T32、T33)。
図11の表には、Offerのメッセージデータの設定例を示してある。
具体的には、基板Aについては、ノードID=4、Type(基板種別を示す番号)=2、Index=2(基板通番)が設定され、基板Bについては、ノードID=7、Type(基板種別を示す番号)=3、Index=1(基板通番)が設定され、基板Cについては、ノードID=153、Type(基板種別を示す番号)=2、Index=1(基板通番)が設定され、基板Dについては、ノードID=212、Type(基板種別を示す番号)=1、Index=1(基板通番)が設定される。
【0036】
初期化シーケンスにおいて、基板A、B、Cは、基板Dから受信したノード管理テーブル31の情報を保存する(処理T34〜T36)。本例では、この情報は、各基板A、B、Cのノード管理テーブル31に保存される。
次に、基板Dは、基板Aにトークンを送信する(処理T37)。
以降、通常のARCNET通信シーケンス(通常運用)へ移行する(処理T38)。
【0037】
図12には、初期化シーケンスによって得られた初期化後のARCNET論理ネットワークの構成例を示してある。図12に示されるように、各基板A、B、C、Dに、ノードID、NextID、Type、Indexの値が設定される。
ここで、本例では、各基板は、基板種別の基板連番(基板通番)によって管理、認識される。ミドルウェア24は、他の基板に送信するとき、基板種別と基板通番を指定して、データをARCNET制御機能部23へ渡す。ARCNET制御機能部23では、ノード管理テーブル制御部32が基板種別と基板通番をノードIDへ変換し、Dataメッセージ形式で対象のノードへ送信する。メッセージを受信したノードは、送信元ノードIDを基板種別と基板通番に変換して、該当するミドルウェア24へデータを渡す。
【0038】
次に、新たな基板が追加された場合におけるシーケンスについて説明する。
新たな基板が追加されると、ARCNETは、メッセージの送受信を中止して、ARCNETネットワークを最初から構築し直す。
このため、基板が追加された場合におけるシーケンスは、初期化シーケンスと同等となる。
【0039】
次に、回線制御装置から基板が取り出された場合におけるシーケンスについて説明する。このシーケンスは、抜き出された基板が子ノードであるか或いは親ノードであるかによりシーケンスの内容が異なる。
図13、図14、図15には、抜き出された基板が子ノードであった場合におけるシーケンスの一例を示してある。
初期化シーケンスにより構成されたネットワークから基板Bが抜き出された場合を例とする(処理T101)。
【0040】
この場合、基板Aが送信したトークンに基板Bが反応しないため(処理T102、T103)、基板Aのトークンは基板Cが受信することとなる(処理T104、T105)。これにより、基板AのNextIDが基板CのノードID(=0x99)となり、基板BのノードIDがネットワークから削除される(処理T106)。このとき、ノード管理テーブル31は変更されない。
【0041】
ノード管理テーブル31は、基板Bへのデータ送信要求があると変更される。
例えば、基板Aからのトークンを受信した後に(処理T111)、基板Cのミドルウェア24から基板Bへのデータ送信要求があった場合には(処理T112)、基板CはFBE(Free Buffer Enquiry)を基板Bへ送信し(処理T113)、ACK(Acknowledgement)又はNACK(Negative Acknowledgement)の応答を待つ。
【0042】
しかしながら、基板Bは応答することができないため(処理T114)、基板Cでは、ACK又はNACKを一定時間後においても受信することができずにタイムアウトして、送信不可(送信NG)となる(処理T115)。トークンが流れて(処理T116、T117)、基板Cでは、次にトークンを受信した際に(処理T118)、基板Bがネットワークから消失したことを通知するための削除要求が発生して(処理T119)、Deleteメッセージを親ノードに向けて送信する(処理T121)。
図16の表には、Deleteメッセージデータの設定例を示してある。具体的には、ノード管理テーブル31から削除するノードID(=7)が設定されている。
【0043】
親ノードである基板Dは、ノード管理テーブル31から、基板BのノードID(=0x07)に該当する部分の情報を0クリアして削除する(処理T122)。基板Dは、これにより更新したノード管理テーブル31の情報(本例では、ノードID、基板種別、基板通番)をOfferメッセージに設定して、ブロードキャストで送信する(処理T123、T124)。基板A、基板Cでは、受信したノード管理テーブル31の情報を保存し(処理T125、T126)、これにより、基板A、基板Cのノード管理テーブル31からも基板Bの情報が削除される。
その後、基板Dから基板Aへトークンが送信され(処理T127)、以降、通常運用が行われる(処理T128)。
【0044】
図17、図18には、抜き出された基板が親ノードであった場合におけるシーケンスの一例を示してある。
初期化シーケンスにより構成されたネットワークから基板Dが抜き出されたとする(処理T201)。
この場合、基板Cから送信したトークンに基板Dが反応しないため(処理T202、T203)、基板Cからのトークンを基板Aが受信することとなり(処理T204)、以降のトークンが継続される(処理T205)。これにより、基板CのNextIDが基板AのノードID(=0x04)となり、基板DのノードIDがネットワークから削除される(処理T206)。このとき、基板Cの自己のノードIDがNextIDより大きくなるため、基板Cが親ノードになる(処理T207)。
【0045】
親ノードとなった基板Cは、ノード管理テーブル31から、基板DのノードID(=0xD4)に該当する部分の情報を0クリアして削除する(処理T211)。また、基板Cは、更新したノード管理テーブル31の情報(本例では、ノードID、基板種別、基板通番)をOfferメッセージに設定して、ブロードキャストで送信する(処理T212、T213)。
【0046】
基板A、基板Bは、基板Cから受信したノード管理テーブル31の情報を保存し(処理T214〜T215)、これにより、基板A、基板Bのノード管理テーブル31からも基板Dの情報が削除される。本例では、この受信情報は、各基板A、Bのノード管理テーブル31に保存される。
その後、通常運用へ移行する(処理T216)。
【0047】
次に、以上のシーケンスを実現するノード管理テーブル制御部32により行われる処理のフローチャートの一例を示す。
図19、図20、図21、図22には、ノードIDの決定後(自動割り付け後)においてノード管理テーブル制御部32により行われる処理の手順の一例を示してある。
【0048】
図19を参照して、全体の処理を説明する。
各基板では、電源がオン(ON)にされ(ステップS1)、自己のノードIDについて自動割り振りが完了すると(ステップS2)、自己のノードに宛てられたトークンを受信したか否かを判定する(ステップS3)。
この結果、自己宛てのトークンを受信したことが判定された場合には、例えば予め設けられた初期化完了フラグがオン(初期化完了)になっているか否かを判定する(ステップS4)。
【0049】
この結果、初期化完了フラグがオフ(初期化未完了)になっていることが判定された場合には、初期化処理が行われる(ステップS7)。
一方、初期化完了フラグがオンになっていることが判定された場合には、送信バッファ33に送信予約データがあるか否かを判定し(ステップS5)、あると判定された場合には送信シーケンスの処理が行われ(ステップS8)、ないと判定された場合にはステップS3の処理へ移行する。
【0050】
また、ステップS3の判定において、自己宛てのトークンを受信していないことが判定された場合には、自己のノードに宛てられたFBEを受信したか否かを判定し(ステップS6)、受信したことが判定された場合には受信シーケンスの処理が行われ(ステップS9)、受信していないことが判定された場合にはステップS3の処理へ移行する。
【0051】
図20を参照して、初期化シーケンスの処理(ステップS7)を説明する。
まず、ノード管理テーブル31にデータが設定されているか否かを判定し(ステップS11)、設定されていることが判定された場合には、ノード管理テーブル31の情報をOfferメッセージに設定してブロードキャストにより送信し(ステップS15)、初期化完了フラグをオンに設定して(ステップS16)、ステップS17の処理へ移行する。
【0052】
一方、ノード管理テーブル31にデータが設定されていないことが判定された場合には、自己のノードIDがNextIDより大きいか否かを判定し(ステップS12)、大きい場合には親ノードとなってノード管理テーブル31に自己のノードの情報を設定してステップS17の処理へ移行し(ステップS14)、小さい場合には子ノードとなって自己のノードの情報をDiscoverメッセージに設定してブロードキャストにより送信してステップS17の処理へ移行する(ステップS13)。
【0053】
ステップS17の処理では、NextIDに対応するノード(本例では、基板)へトークンを送信する(ステップS17)。
その後、トークンが届かずにNextIDが更新されたか否かを判定し(ステップS18)、そうではないことが判定された場合には初期化シーケンスの処理を終了する一方、そうであることが判定された場合には以降の削除シーケンスの処理を行う(ステップS19)。
【0054】
削除シーケンスの処理では、自己のノードIDがNextIDより大きいか否かを判定し(ステップS20)、小さいことが判定された場合には初期化シーケンスの処理を終了する一方、大きいことが判定された場合には、自己のノードより大きいノードIDを有するノードの情報をノード管理テーブル31から削除し(ステップS21)、ノード管理テーブル31の情報をOfferメッセージに設定してブロードキャストの送信予約を行うことで次回のトークン受信時に送信されるようにして(ステップS22)、初期化シーケンスの処理を終了する。
初期化シーケンスの処理が終了した後には、ステップS3の処理へ移行する。
【0055】
図21を参照して、データの送信シーケンスの処理(ステップS8)を説明する。
まず、送信メッセージ(送信予約データ)がブロードキャストであるか否かを判定し(ステップS31)、ブロードキャストであることが判定された場合には、送信先へデータを送信して(ステップS39)、ステップS38の処理へ移行する。
【0056】
一方、送信メッセージ(送信予約データ)がブロードキャストではないことが判定された場合には、該当するノードIDをノード管理テーブル31から発見することができたか否かを判定し(ステップS32)、発見することができなかった場合にはステップS38の処理へ移行する一方、発見することができた場合には、FBEを送信して(ステップS33)、ACKを受信したか否かを判定する(ステップS34)。
【0057】
この結果、ACKを受信したことが判定された場合には、送信先へデータを送信して(ステップS39)、ステップS38の処理へ移行する一方、ACKを受信していないことが判定された場合には、NACKを受信したか否かを判定する(ステップS35)。
この結果、NACKを受信したことが判定された場合にはステップS38の処理へ移行する一方、NACKを受信していないことが判定された場合には、ACK/NACKの待ち時間が例えば予め設定された所定の時間となってタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS36)。
【0058】
この結果、タイムアウトしていないことが判定された場合にはステップS34の処理へ移行する一方、タイムアウトしたことが判定された場合には、送信先のノードのノードIDをDeleteメッセージに設定して親ノードへの送信予約を行い(ステップS37)、ステップS38の処理へ移行する。
ステップS38の処理では、NextIDのノードへトークンを送信する(ステップS38)。そして、送信シーケンスの処理を終了する。
送信シーケンスの処理が終了した後には、ステップS18の処理へ移行する。
なお、ステップS37の処理は、自己が親ノードである場合には、行われなくてよい。
【0059】
図22を参照して、データの受信シーケンスの処理(ステップS9)を説明する。
まず、送信元のノードIDのノードへACKを送信し(ステップS41)、送信元のノードIDのノードからメッセージを受信し(ステップS42)、受信したメッセージのメッセージID(メッセージ種別)の値を判定する(ステップS43)。以降の処理は、メッセージIDの値に応じて分岐される。
【0060】
メッセージIDの値が0x01(Discover)であることが判定された場合には、自己のノードが親ノードであるか否かを判定し(ステップS44)、親ノードではない(すなわち、子ノードである)ことが判定された場合には受信シーケンスの処理を終了する一方、親ノードであることが判定された場合には、受信したノードの情報をノード管理テーブル31に追加して(ステップS45)、受信シーケンスの処理を終了する。
なお、受信したノードの情報をノード管理テーブル31に追加する際に、そのノードの情報が既にノード管理テーブル31に登録済みであった場合には、ノード管理テーブル31に上書きする。
【0061】
メッセージIDの値が0x02(Offer)であることが判定された場合には、受信した情報(ノード管理テーブルの情報)でノード管理テーブル31の内容を更新して(ステップS46)、受信シーケンスの処理を終了する。
【0062】
メッセージIDの値が0x03(Delete)であることが判定された場合には、受信したノードIDの情報をノード管理テーブル31から削除し(ステップS47)、ノード管理テーブル31の情報をOfferメッセージに設定して子ノードへの送信予約(本例では、ブロードキャストの送信予約)を行い(ステップS48)、受信シーケンスの処理を終了する。
【0063】
メッセージIDの値が0x10(Data)であることが判定された場合には、送信元のノードのノードIDから該当する基板種別を特定し(ステップS49)、受信したデータを対象のミドルウェア24へ送信して(ステップS50)、受信シーケンスの処理を終了する。
受信シーケンスの処理が終了した後には、ステップS3の処理へ移行する。
【0064】
以上のように、本例では、通信装置の基板2について、ARCNETのノードIDに基板種別と基板通番を割り当てることが行われ、割り当てられたARCNETのノードID、基板種別、基板通番を管理するテーブル(ノード管理テーブル31)及びそれを制御する制御部(ノード管理テーブル制御部32)を有している。
また、本例では、このような基板2を組み合わせることにより、デジタル無線通信システムの回線制御装置が構成されている。
【0065】
具体的には、本例では、各基板2に、(1)予め基板種別を保存する機能、(2)回線制御装置のシャーシ番号とスロット番号を取得する機能、(3)自動で割り振られたノードIDと基板種別、シャーシ番号、スロット番号とを紐付け(対応付け)、基板通番を作成し、ノード管理テーブル31を作成する機能、(4)作成したノード管理テーブル31をARCNETで各基板に配信する機能、(5)ARCNETデータの送信時に、基板種別と基板通番をノード管理テーブル31から参照して、宛先(送信先)ノードを決定する機能、(6)ARCNET送受信データ部をメッセージ形式にする機能、を実装している。
【0066】
本例では、例えば、1つの回線制御装置に挿入された複数の基板(ノード)について、親ノードを予め決定し、親ノードが他の各ノードから送信されてきた基板種別、シャーシ番号、スロット番号を基に基板通番を各ノードに割り振り、ノード管理テーブル31で管理する。
【0067】
従って、本例では、ARCNETのノードIDが自動で割り振られた場合においても、ノードIDから基板の種別(機能)の認識が可能となる。
また、本例では、ARCNETのノードIDをユーザが管理しなくとも、例えば本提案の導入前と変わらない通信速度で、通信する機能を持った通信装置の基板2や、このような基板2を組み合わせた回線制御装置を実施することができる。
本例では、ノードIDに対して基板種別と基板通番を割り当てることで、ARCNETプロトコルの上位レイヤはノードIDを意識することなく、基板種別と基板通番を指定して通信することが可能となる。
このように、本例では、例えば、ノードIDが割り振られた基板の種別の認識や、データ送信時間の短縮化といった点で、効果的な基板2や回線制御装置を実現することができる。
【0068】
なお、本例では、次のような基板2を実現することができる。
すなわち、通信装置を構成し、ARCNET通信の機能を有する基板2において、
情報を通信する通信手段(例えば、図1に示される各処理部により、バックボード11を介して同じ通信装置に接続された他の基板との間で情報を通信する機能)と、
当該基板2の基板種別を予め記憶する記憶手段(例えば、ノード管理テーブル31の機能)と、
当該基板2が挿入された前記通信装置のシャーシ番号及びスロット番号を取得する番号取得手段(例えば、ARCNET通信制御部23などの機能)と、
前記記憶手段に記憶された基板種別と、前記番号取得手段により取得されたシャーシ番号及びスロット番号に基づいて、前記通信装置に挿入された基板に基板通番を割り振る基板通番割り振り手段(例えば、ARCNET通信制御部23の機能)と、
各基板の識別情報として割り当てられたノードIDと、前記記憶手段に記憶された基板種別と、前記番号取得手段により取得されたシャーシ番号及びスロット番号と、前記基板通番割り振り手段により割り振られた基板通番を対応付けて、ノードID、シャーシ番号、スロット番号及び基板通番を前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段(例えば、ARCNET通信制御部23の機能)と、
前記記憶手段に記憶されたノードID、基板種別及び基板通番を含む情報(本例では、Offerの情報)を前記通信装置に挿入された他の基板へ前記通信手段により送信する記憶情報送信手段(例えば、ARCNET通信制御部23の機能)と、
基板種別及び基板通番に基づいて、前記通信手段による送信先となる基板である送信先ノード(例えば、基板種別及び基板通番の組み合わせに対応するノードID)を決定する送信先決定手段(例えば、ARCNET通信制御部23の機能)と、
を備えたことを特徴とする基板2。
【0069】
ここで、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々なシステムや装置として提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウェア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウェア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【符号の説明】
【0070】
1・・バックボード、 2・・通信基板(基板)、 3・・データ、 11、21・・ARCNETデバイス、 22・・ARCNETドライバ、 23・・ARCNET通信制御部、 24・・ミドルウェア、 25・・アプリケーション、 31・・ノード管理テーブル、 32・・ノード管理テーブル制御部、 33・・送信バッファ、 34・・受信バッファ、 41・・ノードID(NodeID)、 42・・基板種別、 43・・シャーシ番号、 44・・スロット番号、 45・・基板通番、 101・・保守コンソール、 102−1〜102−a・・有線端末局装置、 103・・運用管理装置、 104−1〜104−b・・基地局装置、 105・・回線制御装置、 111−1〜111−b・・無線通信領域(サービスエリア)、 121−1〜121−c、 122−1〜122−d・・端末局装置、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置を構成し、ARCNET通信の機能を有する基板において、
情報を通信する通信手段と、
当該基板の基板種別を予め記憶する記憶手段と、
当該基板が挿入された前記通信装置のシャーシ番号及びスロット番号を取得する番号取得手段と、
前記記憶手段に記憶された基板種別と、前記番号取得手段により取得されたシャーシ番号及びスロット番号に基づいて、前記通信装置に挿入された基板に基板通番を割り振る基板通番割り振り手段と、
各基板の識別情報として割り当てられたノードIDと、前記記憶手段に記憶された基板種別と、前記番号取得手段により取得されたシャーシ番号及びスロット番号と、前記基板通番割り振り手段により割り振られた基板通番を対応付けて、ノードID、シャーシ番号、スロット番号及び基板通番を前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶手段に記憶されたノードID、基板種別及び基板通番を含む情報を前記通信装置に挿入された他の基板へ前記通信手段により送信する記憶情報送信手段と、
基板種別及び基板通番に基づいて、前記通信手段による送信先となる基板である送信先ノードを決定する送信先決定手段と、
を備えたことを特徴とする基板。
【請求項1】
通信装置を構成し、ARCNET通信の機能を有する基板において、
情報を通信する通信手段と、
当該基板の基板種別を予め記憶する記憶手段と、
当該基板が挿入された前記通信装置のシャーシ番号及びスロット番号を取得する番号取得手段と、
前記記憶手段に記憶された基板種別と、前記番号取得手段により取得されたシャーシ番号及びスロット番号に基づいて、前記通信装置に挿入された基板に基板通番を割り振る基板通番割り振り手段と、
各基板の識別情報として割り当てられたノードIDと、前記記憶手段に記憶された基板種別と、前記番号取得手段により取得されたシャーシ番号及びスロット番号と、前記基板通番割り振り手段により割り振られた基板通番を対応付けて、ノードID、シャーシ番号、スロット番号及び基板通番を前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶手段に記憶されたノードID、基板種別及び基板通番を含む情報を前記通信装置に挿入された他の基板へ前記通信手段により送信する記憶情報送信手段と、
基板種別及び基板通番に基づいて、前記通信手段による送信先となる基板である送信先ノードを決定する送信先決定手段と、
を備えたことを特徴とする基板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−166415(P2011−166415A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26397(P2010−26397)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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