説明

通信装置及び二重化方法

【課題】通信装置において、現用と予備の切替え時に発生する瞬断を抑制することを目的とする。
【解決手段】パケット網から受信したパケットを時分割多重フレームにマッピングするマッパーを現用と予備で二重化して持ち前記現用と予備のいずれか一方のマッパーの出力する前記時分割多重フレームを時分割多重網に送出する通信装置であって、前記現用のマッパーに供給されたパケットのパケット情報と予備のマッパーに供給されたパケットのパケット情報を前記現用と予備のマッパーから供給され、前記現用と予備のマッパーに同一のパケットが揃ったときに、該パケットの優先度に基づいてマッピングを行うパケットと前記時分割多重フレームにおけるマッピング位置を決定して前記現用と予備のマッパーに指示する同期管理部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケット網とTDM網を接続する通信装置及び二重化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネットやコンピュータの普及により、通信網を流れるトラフィックは、IP(Internet Protocol)パケットや、イーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)パケットなどの所謂データ系のトラフィックが増大している。
【0003】
ここで、トラフィックを転送する回線はパケットのまま転送することができるLAN回線だけでなく、レガシーなSONET(Synchronous Optical Network)、SDH(Synchronous Digital Hierarchy)、PDH(Plesiochronous Digital Hierarchy)等のTDM(Time Division Multiplexing:時分割多重)回線がまだ残っている。また、新たなTDM技術としてOTN(Optical Transport Network)が使われ始めている。このようなTDM回線でデータ系トラフィックのパケットを運ぶ場合、TDM網の入口でパケットをTDMフレームにマッピングして転送し、TDM網の反対側の出口でTDMフレームからパケットを取り出すようなマッパー機能が必要がとなる。
【0004】
一方、このデータ系トラフィックには、音声や映像等のリアルタイム性やパケットロスの影響が大きなデータもあれば、ファイル転送やWeb閲覧などある程度の遅延やパケットロスが許容されるデータもあり、求められるサービス品質は複数である。特にVPN(Virtual Private Network)サービス等に用いられるパケット単位でスイッチングを行う通信装置では、サービス品質(Quality of Service:QOS)を考慮しながら転送を行うことが強く求められる。
【0005】
また、VPNサービスに求められる通信装置では、高速、大容量化と同時に、高信頼性のために、装置における処理をできるだけ二重化して、故障時やメンテンテナンス時に予備側に切り替えることにより信頼性を上げる冗長機能を持つことが求められる。
【0006】
図1はパケット網とTDM網を接続する機能を持つシャシー型の通信装置の一例の構成図を示す。図1において、パケットインタフェース11、パケットスイッチ12、マッパー13,14、TDMスイッチ15、TDMインタフェース16、制御部17それぞれはカード化されている。
【0007】
マッピング方向については、パケット網20からのパケットをパケットインタフェース11で受信し、受信パケットをパケットスイッチ12でパケット単位にコピーして現用及び予備のマッパー13,14それぞれに供給する。現用及び予備のマッパー13,14それぞれでパケットをTDMフレームにマッピングして出力されるTDMフレームをTDMスイッチ15で選択し、TDMインタフェース16からTDM網21に送出する。
【0008】
デマッピング方向については、TDM網21からTDMインタフェース16でTDMフレームを受信し、TDMスイッチ15でTDMフレームをコピーして現用と予備のマッパー13,14に供給する。マッパー13,14それぞれでTDMフレームをパケットにデマッピングして出力されるパケットをパケットスイッチ12で選択し、パケットインタフェース11からパケット網20に送出する。なお、制御部17は、ソフトウェア動作による各カードへの設定や、ハードウェア動作による各カードへの低速クロックやフレームパルスの生成と供給を行う。マッパー13,14のいずれを現用として用いるかは最終的にソフトウェアが決定する。
【0009】
ところで、異なるIPネットワーク及びSDHネットワーク間で冗長構成される音声処理ブレードを有し、IPネットワークから供給されるVoIPパケットを受信し、音声処理を施した後にI−TDMパケットをSDHネットワークに出力する機能を持つゲートウェイ装置のパケット同期切替方法で、ゲートウェイ装置に共通な音声処理の基準タイミングと時刻情報を共有し、その基準タイミングに合せて同期した音声処理を実施して同期したVoIP同期化パケット又はI−TDM同期化パケットを供給し、時刻情報に則って音声処理ブレード間の系切替を実施する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0010】
また、受信されるパケットの複製を生成することでゲートウェイ装置の複数に同一内容のパケットを供給し、該パケット毎に当該パケットに付されている識別情報に応じた共通書き込みポインタを生成し、各ゲートウェイ装置は供給されたパケット毎に対応する共通書き込みポインタに従って当該パケットを自身が備えるジッタバッファに書き込むと共に、書き込まれたパケットをジッタバッファから順次に読み出してTDM信号を生成し、複数のゲートウェイ装置のうちのいずれか1が選択的に切り換えられて、TDM信号をTDM網に供給する技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0011】
また、SONET/SDH伝送装置が、2本の伝送路からなる冗長伝送線路と、伝送切替制御情報を表すKバイトデータをパケット化して出力し、このパケットを伝送路を介して対向する対向伝送装置に対して送信し、対向伝送装置からのパケット化されたKバイトデータの受信状況に応じて情報データを含む伝送信号が伝送する伝送路を選択的に切り替える技術が知られている(例えば特許文献3参照)。
【0012】
また、同期転送信号をパケット信号に変換するインタフェース変換装置において、切替情報をTDM信号を多重化を行った後に付与する付加情報に含ませ、更にパケット網の宛先ヘッダを付与し、インタフェース変換装置のパケット網側ポートに1対の現用および予備のポートを設け、パス伝送路を2重化ペアとする技術が知られている(例えば特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−74629号公報
【特許文献2】特開2008−178060号公報
【特許文献3】特開2003−134074号公報
【特許文献4】特開2006−67040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
図1において、マッピング方向については以下のような課題がある。TDMスイッチ15はパケット単位の切替えは行わずに、TDMフレームの境界等のあるタイミングで切替える。しかし、2つのマッパー13,14から出力されるTDMフレーム内のペイロードは完全に一致する保証はない。
【0015】
その第1の理由として、マッパー13,14を通過するパケットは非同期である。冗長運用前に現用側のマッパー13のみで運用され、後から予備側マッパー14と冗長運用を行うような場合、現用側マッパー13のQOS部13aにはパケットがたまった状態から冗長運用が開始されるが、予備側のマッパー14のQOS部14aは空の状態から冗長運用されるため、後段のマッピング部13b,14bに出力するパケットがかならず同じパケットが出るとは限らない。また、上記の場合、現用側マッパー13のQOS部13aのバッファがいっぱいでパケットスイッチ12に対してバックプレッシャ制御により入力を止めるようなことも考えられる。このような場合はバックプレッシャ制御によっても現用及び予備のQOS部13a,14aからのパケット出力は異なる可能性がある。
【0016】
また、冗長運用後に制御部17からQOS設定を変更するような場合も、現用と予備のマッパー13,14への設定は同時には行わず、初めに現用側のマッパー13を設定し、次に予備側のマッパー14を設定する、というようなシリアル制御となる。これによっても両マッパー13,14のQOS部13a,14aから出力されるパケットが異なる可能性がある。
【0017】
また、第2の理由として、マッパー13,14で使用する高速クロックの非同期であることが挙げられる。高速、大容量処理を行うシャシー型の通信装置の場合、制御部17から配られた低速クロック(例えば周波数38MHz等)を基に、各カード内部で低速クロックを逓倍することで高速クロック(周波数300MHz等)を生成する。この場合、制御部17から供給される低速クロック同士は同期するものの、高速クロックの位相すべてが完全に同期するとは限らない。したがって、例えば外部から現用及び予備のマッパー13,14に同じタイミングである処理のトリガをかけたとしても、両マッパー13,14の高速クロックが同期していないと、各マッパー13,14でその処理が同じクロック位相で取り込まれるとは限らない。また、QOSを含めたマッパー内部のパケット処理においても、両マッパー13,14の高速クロックが同期していないと、現用と予備のマッパー13,14が完全に同じ位相(タイミング)で処理が行われるという保証はない。図2(A)にマッパー13,14それぞれが出力するTDMフレームの第1の理由による差異を示し、図2(B)にマッパー13,14それぞれが出力するTDMフレームの第2の理由による差異を示す。
【0018】
このような理由により、両マッパーから出力するTDMフレーム内のペイロードは完全に一致する保証はないため、現用と予備の切替え時に瞬断が発生してしまうことになるという問題があった。
【0019】
開示の通信装置は、現用と予備の切替え時に発生する瞬断を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
開示の一実施形態による通信装置は、パケット網から受信したパケットを時分割多重フレームにマッピングするマッパーを現用と予備で二重化して持ち前記現用と予備のいずれか一方のマッパーの出力する前記時分割多重フレームを時分割多重網に送出する通信装置であって、
前記現用のマッパーに供給されたパケットのパケット情報と予備のマッパーに供給されたパケットのパケット情報を前記現用と予備のマッパーから供給され、前記現用と予備のマッパーに同一のパケットが揃ったときに、該パケットの優先度に基づいてマッピングを行うパケットと前記時分割多重フレームにおけるマッピング位置を決定して前記現用と予備のマッパーに指示する同期管理部を有する。
【発明の効果】
【0021】
本実施形態によれば、現用と予備の切替え時に発生する瞬断を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】通信装置の一例の構成図である。
【図2】現用と予備のマッパーが出力するTDMフレームの差異を示す図である。
【図3】通信装置の第1実施形態の構成図である。
【図4】通信装置の第2実施形態の構成図である。
【図5】装置内フレームのフォーマットを示す図である。
【図6】マッピング部の一実施形態の構成図である。
【図7】主信号とパケット情報のフォーマットを示す図である。
【図8】同期管理部の一実施形態の構成図である。
【図9】同期判定処理の第1実施形態のフローチャートである。
【図10】パケット情報テーブルに格納されるパケット情報の様子を示す図である。
【図11】QOS制御の様子を説明するための図である。
【図12】QOS制御の様子を説明するための図である。
【図13】マッピング位置の計算の様子を示す図である。
【図14】同期判定部が出力するパケット情報の様子を示す図である。
【図15】同期判定処理の第2実施形態のフローチャートである。
【図16】HDLC方式によるカプセリングとGFPによるカプセリングの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
【0024】
<通信装置の構成>
図3は通信装置の第1実施形態の構成図を示す。図3はマッピング方向について記載している。図3において、パケットインタフェース31、パケットスイッチ32、マッパー33,34、TDMスイッチ35、TDMインタフェース36、制御部37それぞれはカード化されている。
【0025】
パケットインタフェース31はパケット網40からのパケットを受信して受信パケットをパケットスイッチ32に供給する。パケットスイッチ32において、受信パケットはスイッチ部321を通して識別子付与部322に供給され、識別子付与部322はパケット毎に識別子を付与する。識別子を付与されたパケットはコピー部323で複写され、現用及び予備のマッパー33,34それぞれに供給される。図3ではマッパー33を現用、マッパー34を予備としている。なお、後述する通り、識別子付与部322は削除することも可能である。
【0026】
マッパー33,34それぞれはパケットスイッチ32から供給されるパケットをQOS部331,341のバッファに格納する。QOS部331,341それぞれはバッファに格納したパケットの識別子、QOS情報、パケット長等の書き込み用のパケット情報を取り出してパケット単位でTDMスイッチ35内の同期管理部351に供給する。なお、同期管理部351はTDMスイッチ35のカードではなく、例えば制御部37等の他のカードに設ける構成であっても良い。
【0027】
同期管理部351はマッパー33,34それぞれから供給されるパケット情報を蓄積し、マッパー33,34に同一のパケットを格納していると判断できた場合に、マッパー33,34から読み出し可能なパケットと判断する。ただし、その読み出し可能なパケットが複数の場合は、各パケットのQOS情報に基づいて、クラスの優先度やユーザの公平性等を考慮し、どのパケットを先に読み出すべきかの優先処理を行った上で最終的な読み出し可能なパケットとする。
【0028】
同期管理部351はマッパー33,34に対して読み出しを許可した各パケットのパケット長を基に、現在読み出し可能と判断したパケットをTDMフレームのペイロードにマッピングする際のマッピング位置(バイト位置)を算出し、マッパー33,34に対して読み出し用のパケット情報として、読み出すパケットを指定するパケット指定情報と、そのマッピング位置を指示するマッピング位置情報を供給する。なお、制御部37のカードからマッパー33,34に対して共通の低速フレームパルスが分配されるため、マッパー33,34から出力されるTDMフレームは同期している。
【0029】
上記のパケット情報のパケット指定情報によりQOS部331,341それぞれから読み出されたパケットはマッピング部332,342それぞれでパケット情報のマッピング位置情報に従ってTDMフレームにマッピングされる。
【0030】
マッパー33,34それぞれから出力されたTDMフレームはTDMスイッチ35のセレクタ(SEL)352に供給される。セレクタ352は現用のTDMフレーム又は予備のTDMフレームのいずれか一方を選択して出力する。セレクタ352で選択されたTDMフレームはスイッチ部353でスイッチングされ、TDMインタフェース36からTDM網41に送出される。
【0031】
制御部37は、ソフトウェア動作による各カードへの設定や、ハードウェア動作による各カードへの低速クロックやフレームパルスの生成と供給を行う。マッパー33,34のいずれを現用として用いるかは最終的にソフトウェアが決定する。
【0032】
このように、両マッパー33,34で処理するパケット、及び、そのパケットをTDMフレームにマッピングするタイミングを同期させることにより、現用及び予備のマッパー33,34からTDMスイッチ35に出力するTDMフレームのペイロードを一致させることができるため、TDMスイッチ35で現用及び予備のマッパー33,34の二重化切替えを無瞬断で行うことができる。
【0033】
ここで、上記の実施形態で無瞬断切替のために増加する回路規模としては、同期管理部351において1パケットあたり数バイト〜10バイト前後のパケット情報を格納して処理すれば良いため、同期管理部351におけるバッファ量は小さくて済む。なお、上記実施形態ではマッパー33,34とTDMスイッチ35の間で書き込み用と読み出し用のパケット情報の交換を行うが、書き込み用と読み出し用のパケット情報の情報量は主信号つまり受信パケットの情報量に対し圧倒的に少ないため、主信号に対し低速の信号で十分実現可能である。
【0034】
<通信装置の第2実施形態>
図4は通信装置の第2実施形態の構成図を示す。図4はマッピング方向について記載している。図4においては、パケット網40の一例としてイーサネット(登録商標)等のLAN網40Aを用い、TDM網41の一例としてはSONET網41Aを用いており、パケットインタフェース31の一例としてLANインタフェース31Aを用いている。
【0035】
また、識別子付与部322の一例として、SN付与部322Aを用いている。SN付与部322Aはパケット毎にシーケンス番号(SN)を発生すると共にパケット長を求め、このシーケンス番号を識別子としてパケット長と共に各パケットに付与する。
【0036】
また、マッパー33,34のマッピング部332,342の一例として、LANパケットをSONETのSTS3cフレームにマッピングするマッピング部332A,342Aを用いている。また、TDMスイッチ35の一例としてSTS(Synchronous Transport Signal)スイッチを用い、TDMインタフェース36の一例としてSONETインタフェース36Aを用いている。
【0037】
図5にSN付与部322Aが出力するパケットである装置内フレームのフォーマットを示す。フレーム先頭の装置内ヘッダとしてシーケンス番号(SN)とフレーム長がSN付与部322Aにより付加されている。MAC DAはMAC宛先アドレスであり、MAC SAはMAC送信元アドレスである。VLANタグは、TPID(タイプ識別子)と、PCP(クラス)と、CFI(Canonical Format Indicator)とVID(VLAN値)を有する。Type/フレーム長はタイプ値又はフレーム長である。ペイロードは任意のデータである。FCSはフレーム誤り検査データである。
【0038】
<マッピング部の構成>
図6はマッピング部332,342の一実施形態の構成図を示す。図6において、端子51にはコピー部323から主信号である図5に示す装置内フレームのパケットか供給され、パケット格納メモリ52、パケット情報抽出部53に供給される。パケット情報抽出部53は各パケットのシーケンス番号(SN)、フレーム長、クラス、VLAN値を抽出し、これらに当該パケットが現用又は予備のいずれであるかを示す現用/予備フラグを加えたパケット情報を生成して端子55から同期管理部351に供給する。また、パケット情報抽出部53は各パケットのシーケンス番号を書き込み制御部54に供給する。なお、図7(A)にはマッピング部332,342に供給される主信号を示し、図7(B)にパケット情報抽出部53が出力する書き込み用のパケット情報のフォーマットを示している。
【0039】
書き込み制御部54はパケット情報抽出部53から供給されるシーケンス番号からパケット格納メモリ52の書き込みアドレスを生成してパケット格納メモリ52に供給する。これによって、パケット格納メモリ52にはシーケンス番号をアドレスに見立てて、つまり、シーケンス番号に応じたアドレスに主信号のパケットが順次格納される。
【0040】
読み出し制御部56には端子57を介して同期管理部351から読み出し用のパケット情報が供給され、読み出し制御部56は上記パケット情報のパケット指定情報に基づくアドレスを生成してパケット格納メモリ52からパケットの読み出しを行う。パケット格納メモリ52から読み出されたパケットはマッピング位置付与部58に供給され、ここで、同期管理部351からのパケット情報のマッピング位置情報が読み出されたパケットに付与されて端子59からマッピング部332,342に向けて出力される。
【0041】
なお、図7(C)に同期管理部351から供給される読み出し用のパケット情報のフォーマットを示している。読み出し用のパケット情報は現用/予備フラグ(ACT/STBY)と、パケット指定情報としてのシーケンス番号と、マッピング位置情報としてのフレーム番号(SONETフレームのフレーム番号)とフレーム内におけるマッピング位置がある。
【0042】
<同期管理部の構成>
図8は同期管理部351の一実施形態の構成図を示す。図8において、端子61,62それぞれには現用及び予備のマッパー33,34から書き込み用のパケット情報が供給され、同期判定部63に供給される。同期判定部63はパケット情報テーブル64を有している。パケット情報テーブル64にはパケット情報のシーケンス番号をキーとして、パケット情報が格納される。同期判定部63は現用及び予備のシーケンス番号が同一のパケット情報のうち、先に到着したパケット情報をパケット情報テーブル64に書き込み、もう一方のパケット情報が後から到着すると、当該パケット情報をパケット情報テーブル64から読み出して、後続のQOS制御部65に出力する。
【0043】
図9は同期判定部63が実行する同期判定処理の第1実施形態のフローチャートを示す。この処理は端子61,62からパケット情報が供給される毎に開始される。ステップS11で二重化運用状態であるか否かを判別する。この実施形態で二重化運用状態とは、マッパー33,34から同一のパケットが供給されている状態で、同期状態に遷移後、無瞬断切替えを行うことのできる状態である。二重化運用状態ではない場合、つまり片系運用状態の場合、ステップS12で供給されたパケット情報をそのまま後続のQOS制御部65に出力する。
【0044】
一方、二重化運用状態であれば、ステップS14で供給されたパケット情報の現用/予備フラグから当該パケット情報が現用であるか予備であるかを判別する。供給されたパケット情報が現用の場合はステップS15で供給されたパケット情報のシーケンス番号と同一のシーケンス番号の予備のパケット情報がパケット情報テーブル64に存在するか否かを判別する。同一のシーケンス番号の予備のパケット情報がパケット情報テーブル64に存在する場合は、ステップS16で同期状態に遷移して制御部37に報告したのち、パケット情報テーブル64から当該パケット情報を読み出し後続のQOS制御部65に出力する。同一のシーケンス番号の予備のパケット情報がパケット情報テーブル64に存在しない場合は、ステップS17で供給された現用のパケット情報をパケット情報テーブル64に書き込む。
【0045】
一方、供給されたパケット情報が予備の場合はステップS18で供給されたパケット情報のシーケンス番号と同一のシーケンス番号の現用のパケット情報がパケット情報テーブル64に存在するか否かを判別する。同一のシーケンス番号の現用のパケット情報がパケット情報テーブル64に存在する場合は、ステップS19で同期状態に遷移して制御部37に報告したのち、パケット情報テーブル64から当該パケット情報を読み出して後続のQOS制御部65に出力する。同一のシーケンス番号の現用のパケット情報がパケット情報テーブル64に存在しない場合は、ステップS20で供給されたパケット情報をパケット情報テーブル64に書き込む。
【0046】
図10(A)に同期判定部63に供給される現用のパケット情報の一例を示し、図10(B)に同期判定部63に供給される予備のパケット情報の一例を示し、図10(C)にパケット情報テーブル64に格納されるパケット情報の様子を示す。時点t1にシーケンス番号101の現用のパケット情報とシーケンス番号100の予備のパケット情報が同期判定部63に供給され、パケット情報テーブル64に格納される。
【0047】
時点t2にシーケンス番号100の現用のパケット情報が供給され、パケット情報テーブル64からシーケンス番号100の予備のパケット情報が読み出されQOS制御部65に供給される。
【0048】
時点t3にシーケンス番号101の予備のパケット情報が供給され、パケット情報テーブル64からシーケンス番号101の現用のパケット情報が読み出されQOS制御部65に供給される。
【0049】
同様にして、時点t4にシーケンス番号102の現用のパケット情報とシーケンス番号103の予備のパケット情報が同期判定部63に供給され、パケット情報テーブル64に格納される。
【0050】
時点t5にシーケンス番号105の現用のパケット情報が供給され、パケット情報テーブル64に格納される。
【0051】
時点t6にシーケンス番号103の現用のパケット情報とシーケンス番号105の予備のパケット情報が同期判定部63に供給され、パケット情報テーブル64からシーケンス番号103の予備のパケット情報とシーケンス番号105の現用のパケット情報が読み出されQOS制御部65に供給される。
【0052】
時点t7にシーケンス番号102の予備のパケット情報が同期判定部63に供給され、パケット情報テーブル64からシーケンス番号102の現用のパケット情報が読み出されQOS制御部65に供給される。
【0053】
図8において、同期判定部63が出力するパケット情報はQOS制御部65及び書き込み制御部66に供給される。QOS制御部65はVLAN値毎に分けられ、更に、クラス毎に分けられた複数のバッファを有している。QOS制御部65に供給されたパケット情報は書き込み制御部66の制御により当該パケット情報のVLAN値及びクラスに応じたバッファに書き込まれる。スケジューリング及び読み出し制御部67はQOS制御部65の複数のバッファに格納されているパケット情報から、優先度の高いクラスを優先したスケジューリングでパケット情報を読み出し、読み出したパケット情報をマッピング位置算出部68に供給する。なお、クラスの優先度はクラスA>クラスB>クラスCの順であり、クラスAの優先度が最も高いものとする。
【0054】
ここで、図11(A)に示すように、QOS制御部65のVLAN=10のクラスBのバッファにシーケンス番号=103のパケット情報が格納され、VLAN=50のクラスCのバッファにシーケンス番号=105のパケット情報が格納された状態であるものとする。この状態では、スケジューリング及び読み出し制御部67の制御により、図11(B)に示すように、優先度の高いVLAN=10のクラスBのバッファからシーケンス番号=103のパケット情報が先に読み出されて出力される。
【0055】
また、図12(A)に示すように、QOS制御部65のVLAN=50のクラスAのバッファにシーケンス番号=102のパケット情報が格納され、VLAN=50のクラスBのバッファにシーケンス番号=103のパケット情報が格納された状態であるものとする。この状態では、スケジューリング及び読み出し制御部67の制御により、図12(B)に示すように、優先度の高いVLAN=50のクラスAのバッファからシーケンス番号=102のパケット情報が先に読み出されて出力される。
【0056】
図8において、マッピング位置算出部68は制御部37から端子69を介してSTS3cフレームの先頭を示す125μsec周期のフレームパルスを供給されている。マッピング位置算出部68はQOS制御部65から順次供給されるパケット情報のフレーム長を基に、STS3cフレームのフレーム番号とSTS3cフレームにおける各パケットをマッピングする先頭位置つまりマッピング位置を計算し、QOS制御部65から供給されるパケット情報に計算したフレーム番号とマッピング位置を付与して端子70からマッパー33,34に供給する。
【0057】
図13にマッピング位置算出部68におけるマッピング位置の計算の様子を示す。ここでは、シーケンス番号100,シーケンス番号101,シーケンス番号103,シーケンス番号102,シーケンス番号105の順にパケットが一例としてGFP(Generic Framing Procedure)フレームにカプセリングしてマッピングされるものとする。
【0058】
シーケンス番号100のフレーム長64バイトのパケットは、例えばフレーム番号=1の13バイト目をマッピング位置とする。次に、シーケンス番号101のフレーム長1500バイトのパケットはシーケンス番号100のパケットの直後のフレーム番号=1の85バイト目をマッピング位置とする。これはシーケンス番号100のパケットのフレーム長64バイトにGFPフレームのオーバーヘッド8バイトを加えて求めている。その後、空白領域(GFP idle)を経て、シーケンス番号103のフレーム長1500バイトのパケットはフレーム番号=1の2173バイト目をマッピング位置とする。更に、シーケンス番号102のフレーム長1500バイトのパケットはシーケンス番号103のパケットの直後のフレーム番号=2の4321バイト目をマッピング位置とし、シーケンス番号105のフレーム長64バイトのパケットはシーケンス番号102のパケットの直後のフレーム番号=3の737バイト目をマッピング位置とする。
【0059】
図14(A)に同期判定部63に供給される現用のパケット情報を示し、図14(B)に同期判定部63に供給される予備のパケット情報を示し、図14(C)にマッピング位置算出部68から出力されるパケット情報の様子を示す。なお、図14(A),(B)は図10(A),(B)と同一である。
【0060】
図14(C)においては、同期判定部63で現用及び予備のマッパー33,34から供給されるパケット情報のシーケンス番号が揃ったのち、QOS制御部65で優先度の高いものから順にパケット情報が取り出され、フレーム番号とマッピング位置を付与されて出力されている。なお、シーケンス番号100のパケットのマッピング位置=1−13は、フレーム番号=1の13バイト目を表している。
【0061】
図15は同期判定部63が実行する同期判定処理の第2実施形態のフローチャートを示す。この処理は端子61,62からパケット情報が供給される毎に開始される。ステップS31で二重化運用状態であるか否かを判別する。この実施形態で二重化運用状態とは、マッパー33,34から同一のパケットが供給されている状態で、同期状態に遷移後、無瞬断切替えを行える状態である。二重化運用状態ではない場合、つまり片系運用状態の場合、ステップS32で供給されたパケット情報をそのまま後続のQOS制御部65に出力する。
【0062】
一方、二重化運用状態であれば、ステップS34で供給されたパケット情報の現用/予備フラグから当該パケット情報が現用であるか予備であるかを判別する。供給されたパケット情報が現用の場合はステップS35で供給されたパケット情報のシーケンス番号と同一のシーケンス番号の予備のパケット情報がパケット情報テーブル64に存在するか否かを判別する。同一のシーケンス番号の予備のパケット情報がパケット情報テーブル64に存在する場合は、ステップS36で同期状態に遷移して制御部37に報告したのち、パケット情報テーブル64から当該パケット情報を読み出して後続のQOS制御部65に出力する。
【0063】
同一のシーケンス番号の予備のパケット情報がパケット情報テーブル64に存在しない場合は、ステップS37で供給された現用のパケット情報をパケット情報テーブル64に書き込む。そして、ステップS38でタイマを起動し、ステップS39でタイムアウトしたか否かを判別する。ここで、ステップS37で現用のパケット情報をパケット情報テーブル64に書き込んでから所定時間内に同一のシーケンス番号の予備のパケット情報が供給された場合にはタイムアウトすることなく同期状態を維持し、この処理を終了する。所定時間内に同一のシーケンス番号の予備のパケット情報が供給されない場合にはタイムアウトし、ステップS40で非同期状態に遷移し、制御部37にアラームを報告したのち、パケット情報テーブル64から当該パケット情報を読み出して後続のQOS制御部65に出力する。
【0064】
一方、供給されたパケット情報が予備の場合はステップS41で供給されたパケット情報のシーケンス番号と同一のシーケンス番号の現用のパケット情報がパケット情報テーブル64に存在するか否かを判別する。同一のシーケンス番号の現用のパケット情報がパケット情報テーブル64に存在する場合は、ステップS42で同期状態に遷移して制御部37に報告したのち、パケット情報テーブル64から当該パケット情報を読み出して後続のQOS制御部65に出力する。
【0065】
同一のシーケンス番号の現用のパケット情報がパケット情報テーブル64に存在しない場合は、ステップS43で供給された予備のパケット情報をパケット情報テーブル64に書き込む。そして、ステップS44でタイマを起動し、ステップS45でタイムアウトしたか否かを判別する。ここで、ステップS43で予備のパケット情報をパケット情報テーブル64に書き込んでから所定時間内に同一のシーケンス番号の現用のパケット情報が供給された場合にはタイムアウトすることなく同期状態を維持し、この処理を終了する。所定時間内に同一のシーケンス番号の現用のパケット情報が供給されない場合にはタイムアウトし、ステップS46で非同期状態に遷移し、制御部37にアラームを報告したのち、パケット情報テーブル64から当該パケット情報を読み出して後続のQOS制御部65に出力する。
【0066】
なお、制御部37では、上記アラームを受けると、先にパケット情報を同期判定部63に送ったマッパーが現用となるように二重化切替制御を行う。この場合、先にパケット情報を送ったマッパーが既に現用の場合は切替えは不要であり、先にパケット情報を送ったマッパーが予備の場合は切替えを行う。
【0067】
上記の実施形態では識別子付与部322にてパケットの識別子としてシーケンス番号を発生するとして説明を行ったが、シーケンス番号の代りに、LANパケットに含まれるエラー検出情報であるFCS(Frame Check Sequence)を用いてパケットの識別を行っても良い。LANパケットのヘッダやペイロードの値が異なればFCS値は異なるため、パケットの識別子として用いることができる。なお、このFCSはLANパケットにもともと含まれる値であるため、図3における識別子付与部322は不要となる。そして、QOS部331,341,同期管理部351では、シーケンス番号をFCSに置き換えて処理を行う。
【0068】
また、シーケンス番号の代りに、受信パケットの一部又は全部を用いてハッシュ演算を行い、得られたハッシュ値をパケットの識別子として用いることも可能である。この場合、識別子付与部322を削除しマッパー33,34の端子51の直後にハッシュ演算部を設け、シーケンス番号の代りにハッシュ値を付与する。IPパケットではLANパケットのようにFCSを有していないため、マッパー33,34に設けたハッシュ演算部のハッシュ値でパケットの識別を行うことにより、パケットスイッチ32から識別子付与部322を削除することができる。
【0069】
上記の実施形態では、LANパケットをSONETフレームにマッピングする際に、GFPでカプセリングすることとして説明した。この場合は8バイト固定のオーバーヘッドが付加される。しかし、X.86のようなHDLC(High level Data Link Control procedures)方式を用いたカプセリングではオーバーヘッドは9バイトであるが、このHDLC方式では先頭や末尾に‘0x7E’(0xは16進表示を示す)のパターンを用いるため、カプセリングするLANパケット中の0x7Eの1バイトを‘0x7D’及び‘0x5E’の2バイトに置き換える。この場合、カプセリング後のフレーム長はLANフレーム長に9バイトを単に加えたものとはならず、LANパケット内に含まれる‘0x7E’パターンの数によって更に長くなってしまう。
【0070】
このように、マッパー33、34でHDLC方式のカプセリングを行ってSONETフレームにマッピングする場合には、マッパー33、34のQOS部331,341のパケット情報抽出部53において、LANパケット中の‘0x7E’パターンの出現回数をカウントし、これもパケット情報に付加して同期管理部351に転送する。そして、同期管理部351で‘0x7E’パターンの出現回数を加味してマッピング位置を計算することになる。図16にLANパケットのHDLC方式によるカプセリングとGFPによるカプセリングの様子を示す。なお、図16においては、‘0x7E’パターンを‘7Eh’と表している。
(付記1)
パケット網から受信したパケットを時分割多重フレームにマッピングするマッパーを現用と予備で二重化して持ち前記現用と予備のいずれか一方のマッパーの出力する前記時分割多重フレームを時分割多重網に送出する通信装置であって、
前記現用のマッパーに供給されたパケットのパケット情報と予備のマッパーに供給されたパケットのパケット情報を前記現用と予備のマッパーから供給され、前記現用と予備のマッパーに同一のパケットが揃ったときに、該パケットの優先度に基づいてマッピングを行うパケットと前記時分割多重フレームにおけるマッピング位置を決定して前記現用と予備のマッパーに指示する同期管理部を
有することを特徴とする通信装置。
(付記2)
付記1記載の通信装置において、
前記パケット情報は、前記マッパーに供給されたパケットの識別子と優先度とパケット長を含むことを特徴とする通信装置。
(付記3)
付記2記載の通信装置において、
前記パケット網から受信したパケットに前記識別子としてのシーケンス番号を付与するシーケンス番号付与部を
有することを特徴とする通信装置。
(付記4)
付記2記載の通信装置において、
前記識別子は、前記パケットに含まれるエラー検出情報であることを特徴とする通信装置。
(付記5)
付記2記載の通信装置において、
前記現用と予備のマッパー内で、パケットの所定領域のハッシュ演算を行った結果を前記識別子として用いることを特徴とする通信装置。
(付記6)
付記2乃至5のいずれか1項記載の通信装置において、
前記同期管理部は、前記現用と予備のいずれか一方のマッパーからパケット情報を供給されて所定時間内に、識別子が同一のパケット情報を他方のマッパーから供給されない場合、前記一方のマッパーを現用として非同期の運用を指示することを特徴とする通信装置。
(付記7)
付記2乃至6のいずれか1項記載の通信装置において、
前記現用と予備のマッパーは、前記パケットを時分割多重フレームにマッピングする際のカプセリングで前記パケットに含まれる特定パターンで前記パケット長が変わる場合、前記パケットに含まれる特定パターンの数を前記パケット情報に付加して前記同期管理部に供給することを特徴とする通信装置。
(付記8)
パケット網から受信したパケットを時分割多重フレームにマッピングするマッパーを現用と予備で二重化して持ち前記現用と予備のいずれか一方のマッパーの出力する前記時分割多重フレームを時分割多重網に送出する通信装置の二重化方法であって、
前記現用のマッパーに供給されたパケットのパケット情報と予備のマッパーに供給されたパケットのパケット情報を前記現用と予備のマッパーから供給され、前記現用と予備のマッパーに同一のパケットが揃ったときに、該パケットの優先度に基づいてマッピングを行うパケットと時分割多重フレームにおけるマッピング位置を決定して前記現用と予備のマッパーに指示することを特徴とする二重化方法。
(付記9)
付記8記載の二重化方法において、
前記パケット情報は、前記マッパーに供給されたパケットの識別子と優先度とパケット長を含むことを特徴とする二重化方法。
(付記10)
付記9記載の二重化方法において、
前記パケット網から受信したパケットに前記識別子としてのシーケンス番号を付与することを特徴とする二重化方法。
(付記11)
付記9又は10項記載の二重化方法において、
前記現用と予備のいずれか一方のマッパーからパケット情報を供給されて所定時間内に、識別子が同一のパケット情報を他方のマッパーから供給されない場合、前記一方のマッパーを現用として非同期の運用を指示することを特徴とする二重化方法。
【符号の説明】
【0071】
31 パケットインタフェース
31A LANインタフェース
32 パケットスイッチ
33,34 マッパー
35 TDMスイッチ
35A STSスイッチ
36 TDMインタフェース
37 制御部
40 パケット網
40A LAN網
41 TDM網
41A SONET網
321,353 スイッチ部
322 識別子付与部
322A SN付与部
323 コピー部
331,341 QOS部
332,342 マッピング部
351 同期管理部
352 セレクタ
52 パケット格納メモリ
53 パケット情報抽出部
54 書き込み制御部
56 読み出し制御部
58 マッピング位置付与部
63 同期判定部
64 パケット情報テーブル
65 QOS制御部
66 書き込み制御部
67 スケジューリング及び読み出し制御部
68 マッピング位置算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット網から受信したパケットを時分割多重フレームにマッピングするマッパーを現用と予備で二重化して持ち前記現用と予備のいずれか一方のマッパーの出力する前記時分割多重フレームを時分割多重網に送出する通信装置であって、
前記現用のマッパーに供給されたパケットのパケット情報と予備のマッパーに供給されたパケットのパケット情報を前記現用と予備のマッパーから供給され、前記現用と予備のマッパーに同一のパケットが揃ったときに、該パケットの優先度に基づいてマッピングを行うパケットと前記時分割多重フレームにおけるマッピング位置を決定して前記現用と予備のマッパーに指示する同期管理部を
有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1記載の通信装置において、
前記パケット情報は、前記マッパーに供給されたパケットの識別子と優先度とパケット長を含むことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項2記載の通信装置において、
前記パケット網から受信したパケットに前記識別子としてのシーケンス番号を付与するシーケンス番号付与部を
有することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項2記載の通信装置において、
前記識別子は、前記パケットに含まれるエラー検出情報であることを特徴とする通信装置。
【請求項5】
請求項2記載の通信装置において、
前記現用と予備のマッパー内で、パケットの所定領域のハッシュ演算を行った結果を前記識別子として用いることを特徴とする通信装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1項記載の通信装置において、
前記同期管理部は、前記現用と予備のいずれか一方のマッパーからパケット情報を供給されて所定時間内に、識別子が同一のパケット情報を他方のマッパーから供給されない場合、前記一方のマッパーを現用として非同期の運用を指示することを特徴とする通信装置。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれか1項記載の通信装置において、
前記現用と予備のマッパーは、前記パケットを時分割多重フレームにマッピングする際のカプセリングで前記パケットに含まれる特定パターンで前記パケット長が変わる場合、前記パケットに含まれる特定パターンの数を前記パケット情報に付加して前記同期管理部に供給することを特徴とする通信装置。
【請求項8】
パケット網から受信したパケットを時分割多重フレームにマッピングするマッパーを現用と予備で二重化して持ち前記現用と予備のいずれか一方のマッパーの出力する前記時分割多重フレームを時分割多重網に送出する通信装置の二重化方法であって、
前記現用のマッパーに供給されたパケットのパケット情報と予備のマッパーに供給されたパケットのパケット情報を前記現用と予備のマッパーから供給され、前記現用と予備のマッパーに同一のパケットが揃ったときに、該パケットの優先度に基づいてマッピングを行うパケットと時分割多重フレームにおけるマッピング位置を決定して前記現用と予備のマッパーに指示することを特徴とする二重化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−120116(P2012−120116A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270635(P2010−270635)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】