説明

通信装置管理装置および管理プログラム

【課題】従来技術が適用できないネットワーク構成においても、物理リンクの構築を適切に実施するための機能を提供し、ネットワーク管理システムを使用する保守者が通信可能なパスを構築可能とする。
【解決手段】本発明では物理リンク構成機能に、物理リンクを形成するポートが接続されているかどうかを保守者が識別可能な情報を備えた物理リンク設定待機テーブルを具備し、保守者が指定した優先順位に基づき物理リンクを形成するポートの組み合わせを物理リンク設定待機テーブルから検索して表示する機能を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置管理装置および管理プログラムに係り、特にネットワーク管理システムにおいて、ネットワーク構築に必要な物理リンク登録を容易に行なうことを可能にした通信装置管理装置および管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
大規模なキャリアネットワークは、多数の通信装置と通信装置を管理するネットワーク管理システムから構成される。ネットワーク管理システムは、通信装置に搭載されたポート間の接続を物理リンクとして管理する。ネットワーク管理システムは、複数の通信装置および物理リンクを経由する論理的な経路を、パスとして管理する。ネットワーク管理システムを使用する保守者が通信可能なパスを構築するためには、パスの経路となる物理リンクの構築を適切に実施する必要がある。しかし、ネットワークの大規模化に伴い、通信装置が具備するポート数の増加による物理リンクが増加し、通信装置間の遠距離化が進んでいる。このため、物理リンクの構築を適切に実施するためには多くの工数が必要となっている。
【0003】
本技術分野の背景技術として、特許文献1がある。特許文献1では、物理リンクを形成するポートが直接ケーブルで接続されており、一方のリンクアップもしくはリンクダウン指示を契機に、他方のリンクアップもしくはリンクダウンを識別することで物理リンク接続を確認する。そのため、特許文献1では物理リンクを形成するポート間にハブ装置など別の装置が接続されている場合、適用できない。また、特許文献1は、物理リンクを形成するポート間の接続を契機にリンクアップおよび接続断を契機にリンクダウンする機能を具備したポートにのみ適用が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−303924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、物理リンクを形成するポート間にハブ装置など別の装置が接続されている場合においても、物理リンクの構築を適切に実施するための機能を提供し、ネットワーク管理システムを使用する保守者が通信可能なパスを容易に構築可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題は、第1の通信装置と第2の通信装置と端末とデータベース部とに接続された通信装置管理装置において、データベース部は、第1の通信装置と第2の通信装置とを含む管理対象装置を記録する管理対象装置テーブルと、管理対象カードを記録する管理対象カードテーブルと、管理対象ポートを記録する管理対象ポートテーブルと、管理対象ポート間のケーブル接続および管理対象ポートと管理対象外ポートとケーブル接続を記録するケーブルテーブルと、管理対象ポート間の物理リンク接続を記録する物理リンクテーブルと、を保持し、管理対象ポートのうち、物理リンクテーブルに記載されていない複数のポートについて、端末から入力された条件に基づいて、得点計算し、得点の高いポートの組み合わせを、物理リンク接続候補として、端末に提示する通信装置管理装置により、達成できる。
【0007】
また、第1の通信装置と第2の通信装置と端末とデータベース部とに接続された通信装置管理装置における管理プログラムであって、データベース部は、第1の通信装置と第2の通信装置とを含む管理対象装置を記録する管理対象装置テーブルと、管理対象カードを記録する管理対象カードテーブルと、管理対象ポートを記録する管理対象ポートテーブルと、管理対象ポート間のケーブル接続および管理対象ポートと管理対象外ポートとケーブル接続を記録するケーブルテーブルと、管理対象ポート間の物理リンク接続を記録する物理リンクテーブルと、を保持し、コンピュータを管理対象ポートのうち、物理リンクテーブルに記載されていない複数のポートについて、端末から入力された条件に基づいて、得点計算する演算処理部、得点の高いポートの組み合わせを、物理リンク接続候補として、端末に提示する画面出力部、として機能させるための管理プログラムにより、達成できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、物理リンクの構築を容易に実施するための通信装置管理装置および管理プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ネットワーク管理システムの構成を説明するブロック図である。
【図2】装置管理サーバとデータベース部の機能ブロック図である。
【図3】装置管理サーバのネットワークの設計から運用までを説明するフローチャートである。
【図4A】管理対象装置テーブルを説明する図である。
【図4B】管理対象カードテーブルを説明する図である。
【図4C】管理対象ポートテーブルを説明する図である。
【図5】管理対象装置登録を説明するフローチャートである。
【図6】管理対象カード登録を説明するフローチャートである。
【図7】管理対象ポート登録を説明するフローチャートである。
【図8A】ケーブルテーブルを説明する図である。
【図8B】物理リンクテーブルを説明する図である。
【図8C】パステーブルを説明する図である。
【図9】ケーブル登録を説明するフローチャートである。
【図10】物理リンク登録を説明するフローチャートである。
【図11】パス登録を説明するフローチャートである。
【図12】テーブルの状態を反映したネットワークの構成を説明するブロック図である。
【図13】装置管理サーバとデータベース部の機能ブロック図である。
【図14】装置管理サーバのハードウェアブロック図である。
【図15A】ケーブル設定待機テーブルを説明する図である。
【図15B】物理リンク設定待機テーブルを説明する図である。
【図16】管理対象ポート登録を説明するフローチャートである。
【図17】物理リンク登録画面のGUIである。
【図18A】配点テーブルを説明する図である。
【図18B】得点テーブルを説明する図である。
【図18C】表示候補テーブルを説明する図である。
【図19】合計点の高い物理リンクを示すネットワークの構成を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実質同一部位には同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。
【0011】
まず、図1を参照して、ネットワーク管理システムを説明する。図1において、ネットワーク管理システム800は、装置管理サーバ100と、監視端末110と、データベース部101と、監視ネットワーク120と、管理対象装置200と、管理対象装置300とから構成されている。なお、管理対象装置300は、管理対象装置200−2としても良いが説明の都合上別の参照番号を付与した。
【0012】
管理対象装置200は、管理対象カード210と、管理対象カード220とを有する。管理対象カード210は、管理対象ポート211と、管理対象ポート212とを有する。管理対象カード220は、管理対象ポート221を有する。
【0013】
管理対象装置300は、管理対象カード310と、管理対象カード320とを有する。管理対象カード310は、管理対象ポート311と、管理対象ポート312とを有する。管理対象カード320は、管理対象ポート321を有する。
【0014】
装置管理サーバ100は、管理対象装置200と管理対象装置300を、監視ネットワーク120を介して制御する。装置管理サーバ100は、複数台の管理対象装置を制御する。保守者は、監視端末110に表示されるGUI画面を通して管理対象装置200、300の監視制御を行なう。
【0015】
図1では簡略化のため、装置管理サーバ100が監視ネットワーク120を介して接続する管理対象装置を2台、管理対象装置上の管理対象カードを2枚、管理対象カード上の管理対象ポートを1ポートまたは2ポート記載しているが、装置管理サーバ100が監視ネットワークを介して接続する管理対象装置が3台以上、管理対象装置上の管理対象カードが3枚以上、管理対象カード上の管理対象ポートが3ポート以上あってもよい。
【0016】
図2を参照して、装置管理サーバとデータベース部の詳細を説明する。図2において、装置管理サーバ100は、画面入力受付部1011と、画面出力部1012と、演算処理部1013と、通信処理部1014とからなっている。演算処理部1013は、登録処理部10131と、データ生成処理部10132とを含む。
【0017】
データベース部101は、管理対象装置テーブルT10と、管理対象カードテーブルT20と、管理対象ポートテーブルT30と、ケーブルテーブルT40と、物理リンクテーブルT50と、パステーブルT60とを保持する。なお、各テーブルの詳細は、後述する。
【0018】
画面入力受付部1011は、監視端末110で入力されたデータを受け付けする。画面出力部1012は、監視端末110へ出力する画面を生成する。演算処理部1013は、演算処理を実行する。登録処理10131は、装置・カード等の登録処理を行なう。データ生成処理10132は、データベース部101への登録データの生成を行なう。通信処理部1014は、管理対象装置との通信を処理する。
【0019】
図3を参照して、保守者による監視端末の操作によって、装置管理サーバが実行するネットワークの設計から運用までの処理を説明する。図3において、装置管理サーバ100は、管理対象装置登録を受け付け、処理を実行する(F10)。装置管理サーバ100は、管理対象カード登録を受け付け、処理を実行する(F20)。装置管理サーバ100は、管理対象ポート登録を受け付け、処理を実行する(F30)。装置管理サーバ100は、ケーブル登録を受け付け、処理を実行する(F40)。装置管理サーバ100は、物理リンク登録を受け付け、処理を実行する(F50)。装置管理サーバ100は、パス登録を受け付け、処理を実行して(F60)、終了する。
【0020】
図4を参照して、データベースに構築される管理対象装置テーブル、管理対象カードテーブルおよび管理対象ポートテーブルを説明する。図4Aの管理対象装置テーブルT10の各レコードは、管理対象装置登録(F20)によって生成される。図4Bの管理対象カードテーブルT20は、管理対象カード登録(F30)によって生成される。同様に、図4Cの管理対象ポートテーブルT30は、管理対象ポート登録(F40)によってレコードが生成される。
【0021】
図4Aにおいて、管理対象装置テーブルT10は、管理対象識別番号T11と、装置登録時刻T12と、装置名称T13と、装置位置T14とから構成される。装置位置T14は、緯度経度で表現される。
【0022】
図4Bにおいて、管理対象カードテーブルT20は、管理対象識別番号T21と、カード登録時刻T22と、カード実装状態T23と、カード登録状態T24と、カード種別T25とから構成される。カード実装状態T23が未実装で、カード登録状態T24が登録とは、カードはないがデータはあることを示している。また、カード実装状態T23が実装で、カード登録状態T24が未登録とは、実装されているがデータが無い状態である。
【0023】
図4Cにおいて、管理対象ポートテーブルT30は、管理対象識別番号T31と、ポート登録時刻T32と、ポート実装状態T33と、ポート登録状態T34と、ポート種別T35と、使用サービスT36とから構成される。ポート実装状態T33が未実装とは、実装スペース(ケージ)はあるが、プラガブル光モジュールが挿入されていない状態である。また、使用サービスT36とは、帯域保証、ベストエフォート等の区分である。
【0024】
図5を参照して、図3における管理対象装置登録処理の詳細を説明する。図5において装置管理サーバ100は、装置情報の入力を受け付ける(F102)装置管理サーバ100は、装置登録実行を受け付ける(F103)。装置管理サーバ100は、登録対象外装置か判定する(F104)。NOのとき、装置管理サーバ100は、装置データを生成して(F105)、終了する。F104でYESのとき、装置管理サーバ100は、そのまま終了する。具体的な、装置データは、受け付けた装置名称T13、装置位置T14と、アサインした管理対象識別番号T11、装置登録時刻T12である。
【0025】
図6を参照して、図3における管理対象カード登録処理の詳細を説明する。図6において、装置管理サーバ100は、カード情報の入力を受け付ける(F202)。装置管理サーバ100は、カード登録実行を受け付ける(F203)。装置管理サーバ100は、登録対象装置のカードか判定する(F204)。YESのとき、装置管理サーバ100は、カードデータを生成して(F205)、終了する。F204でNOのとき、装置管理サーバ100は、そのまま終了する。具体的な、カードデータは、受け付けたカード登録状態T24、カード種別T25と、アサインした管理対象識別番号T21、カード登録時刻T22である。
【0026】
装置管理サーバ100は、F203のあと、カード実装に伴う実装通知を管理対象装置から受信すると、管理対象カードテーブルT20を更新して、カード実装状態T23を実装に変更する。なお、カード登録実行受付時にカードが実装されているとき、装置管理サーバ100は、F205でカード実装状態T23を実装とする。
【0027】
図7を参照して、図3における管理対象ポート登録処理の詳細を説明する。図7において、装置管理サーバ100は、ポート情報の入力を受け付ける(F302)。装置管理サーバ100は、ポート登録実行を受け付ける(F303)。装置管理サーバ100は、登録対象装置およびカードのポートか判定する(F304)。YESのとき、装置管理サーバ100は、ポートデータを生成して(F305)、終了する。F304でNOのとき、装置管理サーバ100は、そのまま終了する。具体的な、ポートデータは、受け付けたポート登録状態T34、ポート種別T35、使用サービスT36と、アサインした管理対象識別番号T31、ポート登録時刻T32である。
【0028】
装置管理サーバ100は、F303のあと、ポート実装に伴う実装通知を管理対象装置から受信すると、管理対象ポートテーブルT30を更新して、ポート実装状態T33を実装に変更する。なお、ポート登録実行受付時にポートが実装されているとき、装置管理サーバ100は、F305でポート実装状態T33を実装とする。
【0029】
図8を参照して、データベースに保持されるケーブルテーブル、物理リンクテーブルおよびパステーブルを説明する。図8AのケーブルテーブルT40の各レコードは、図3のケーブル登録(F40)によって生成される。図8Bの物理リンクテーブルT50は、物理リンク登録(F50)によって生成される。図8CのパステーブルT60は、パス登録(F60)によってレコードが生成される。
【0030】
図8Aにおいて、ケーブルテーブルT40は、管理対象識別番号T41と、ケーブル登録時刻T42と、ケーブル端点1 T43と、ケーブル端点2 T44と、使用サービスT45とから構成される。
【0031】
図8Aのケーブル410は、ケーブル端点1 T43は、管理対象ポート211であるが、ケーブル端点2 T44が管理対象外装置の端点なので、「管理対象外」と登録されている。なお、ケーブル410、ケーブル430は、図12を参照して後述する。
【0032】
図8Bにおいて、物理リンクテーブルT50は、管理対象識別番号T51と、物理リンク登録時刻T52と、物理リンク端点1 T53と、物理リンク端点2 T54と、使用サービスT55とから構成される。
【0033】
図8Cにおいて、パステーブルT60は、管理対象識別番号T61と、パス登録時刻T62と、パス端点1 T63と、パス端点2 T64と、物理リンクリストT65とから構成される。なお、図8Cは、図3のパス登録前の状態なので、ブランクである。
【0034】
図9を参照して、図3におけるケーブル登録処理の詳細を説明する。図9において、装置管理サーバ100は、ケーブル情報の入力を受け付ける(F402)。装置管理サーバ100は、ケーブル登録実行を受け付ける(F403)。装置管理サーバ100は、登録対象装置およびカードのケーブルか判定する(F404)。YESのとき、装置管理サーバ100は、ケーブルデータを生成して(F405)、終了する。F404でNOのとき、装置管理サーバ100は、そのまま終了する。具体的な、ケーブルデータは、受け付けたケーブル端点1 T43、ケーブル端点2 T44、使用サービスT45と、アサインした管理対象識別番号T41、ケーブル登録時刻T42である。
【0035】
図10を参照して、図3における物理リンク登録処理の詳細を説明する。図10において、装置管理サーバ100は、物理リンク情報の入力を受け付ける(F502)。装置管理サーバ100は、物理リンク登録実行を受け付ける(F503)。装置管理サーバ100は、登録対象装置およびカードの物理リンクか判定する(F504)。YESのとき、装置管理サーバ100は、物理リンクデータを生成して(F505)、終了する。F504でNOのとき、装置管理サーバ100は、そのまま終了する。具体的な、物理リンクデータは、受け付けた物理リンク端点1 T53、物理リンク端点2 種別T54、使用サービスT55と、アサインした管理対象識別番号T51、物理リンク登録時刻T52である。
【0036】
図11を参照して、図3におけるパス登録処理の詳細を説明する。図11において、装置管理サーバ100は、パス情報の入力を受け付ける(F602)。装置管理サーバ100は、パス登録実行を受け付ける(F603)。装置管理サーバ100は、管理対象登録済みポートおよび物理リンクか判定する(F604)。YESのとき、装置管理サーバ100は、パスデータを生成して(F605)、終了する。F604でNOのとき、装置管理サーバ100は、そのまま終了する。具体的な、パスデータは、受け付けたパス端点1 T63、パス端点2 T64、物理リンクリストT65と、アサインした管理対象識別番号T61、パス登録時刻T62である。パスを管理登録するためには、端点となる二つの管理対象ポート、経由する全ての物理リンクを指定する必要がある。
【0037】
図12を参照して、登録された図4および図8のテーブルの状態をネットワーク構成として説明する。図12において、ネットワーク管理システム800Aにおいて、図8Aのケーブル410とケーブル430、図8Bの物理リンク520が張られているが、管理対象外装置700と、管理対象装置300とを接続する図示しないケーブル420、管理対象装置200と管理対象装置300とを接続する図示しない物理リンク510およびパス610が管理対象登録されていない。なお、ケーブル420、物理リンク510およびパス610は、図19を参照して後述する。
【実施例1】
【0038】
図13ないし図19を参照して、実施例1の装置管理サーバを説明する。まず、図13を参照して、装置管理サーバ100に接続されたデータベース部101Aを説明する。図13において、装置管理サーバ100の構成は、図2と同一である。一方、データベース部101Aは、データベース部101に対して、ケーブル設定待機テーブルT70と、物理リンク設定待機テーブルT80と、配点テーブルT100と、得点テーブルT110と、候補表示T120とをさらに保持している。各テーブルの詳細は、図15および図18を参照して、後述する。
【0039】
図14を参照して、装置管理サーバのハードウェア構成を説明する。図14において、装置管理サーバ100は、CPU1001と、メモリ1002と、HDD1003と、HDD IF1004と、入力装置1005と、出力装置1006と、通信IF1007と、内部バス1008とから構成されている。
【0040】
CPU1001は、メモリ1002上のプログラムを実行する。メモリ1002は、HDD1003からプログラムをロードする。メモリ1002は、またデータを一時記憶する。HDD1003は、プログラムを保持する。HDD IF1004は、データベース部101とのインタフェースである。入力装置1005は、キーボード、マウス等である。出力装置1006は、表示画面、プリンタ等である。通信IF1007は、監視ネットワーク120および管理端末110とのインタフェースである。内部バス1008は、各ハードウェアを相互接続する。
図13と図14との対比から明らかなように、図13の装置管理サーバの機能ブロックは、CPU1001が実行するプログラムにより実現されている。
【0041】
図15を参照して、図4および図8を参照して説明した各テーブルが生成される際に、データベース101に追加で構築される設定待機テーブルを説明する。図15において、ケーブル設定待機テーブルT70および物理リンク設定待機テーブルT80は、図16のF306で生成される。
【0042】
図15Aにおいて、ケーブル設定待機テーブルT70は、待機ポート識別番号T71と、ポート登録時刻T32と、ポート登録状態T34と、使用サービスT36と、装置名称T13と、装置設置位置T14とから構成される。ケーブル設定待機テーブルT70は、管理対象であって、ケーブルの端点として、図8AのケーブルテーブルT40に登録されていないポート情報を記録する。
【0043】
管理対象ポートが管理対象登録または管理対象登録済みの管理対象カードに実装されたことを契機に、装置管理サーバ100は、管理対象ポートテーブルT30とは別に、ケーブル設定待機テーブルT70に管理対象ポートのレコードが補足情報と共に追加する。管理対象ポートのレコードが追加される際に使用する情報について、装置管理サーバ100は、既にデータベース101Aが保持している管理対象装置テーブルT10、管理対象カードテーブルT20、管理対象ポートテーブルT30の情報から生成する。ケーブル設定待機テーブルT70の管理対象ポートのレコードについて、該当ポートがケーブルの端点としての管理対象として、ケーブルテーブルT40に登録された時点で、装置管理サーバ100は、ケーブル設定待機テーブルT70から削除する。
【0044】
図15Bにおいて、物理リンク待機テーブルT80は、待機ポート識別番号T81と、ポート登録時刻T32と、ポート登録状態T34と、使用サービスT36と、装置名称T13と、装置設置位置T14と、ケーブル登録状態T82とから構成される。物理リンク設定待機テーブルT70は、管理対象であって、物理リンクの端点として、物理リンクテーブルT50に登録されていないポート情報を記録する。
【0045】
また、管理対象ポートが管理対象登録された、または管理対象登録済みの管理対象カードに実装されたことを契機に、装置管理サーバ100は、物理リンク設定待機テーブルT80に管理対象ポートのレコードが補足情報と共に追加する。管理対象ポートのレコードが追加される際に使用する情報について、装置管理サーバ100は、既にデータベース101が保持している管理対象装置テーブルT10、管理対象カードテーブルT20、管理対象ポートテーブルT30、ケーブルテーブルT40の情報から生成する。物理リンク設定待機テーブルT80の管理対象ポートのレコードについて、該当ポートが物理リンクの端点としての管理対象として、物理リンクテーブルT50に登録された時点で、装置管理サーバ100は、物理リンク設定待機テーブルT80から削除する。
【0046】
図16を参照して、装置管理サーバ100による設定待機データの生成を説明する。図16において、図7のF30との対比から明らかなように、F30Aにおいて、装置管理サーバ100は、ポートデータの生成(F305)に引き続いて、設定待機データを生成する(F306)。ケーブル設定待機テーブルT70および物理リンク待機テーブルT80は、新たなポート実装に伴っても更新される。
【0047】
図17を参照して、物理リンク設定待機テーブルT80を利用して、指定された優先順位に基づき物理リンクを形成するポートの組み合わせを検索して候補を表示し、表示された候補から保守者が選択した物理リンクを登録する画面を説明する。図17において、物理リンク登録画面W100は、物理リンク候補優先度設定エリアW110と、物理リンク端点候補一覧エリアW120から構成される。
【0048】
物理リンク候補優先度設定エリアW110は、保守者が物理リンクの端点の組み合わせを決定する情報の優先度を設定する。物理リンク端点候補一覧エリアW120は、物理リンク候補優先度設定テーブルW110で設定した優先度および設定に従って、検索した結果を表示する。
【0049】
物理リンク候補優先度設定エリアW110は、物理リンク設定待機テーブルT80が具備する情報を検索条件とするか否か、検索条件とする場合にどのような条件とするかを指定できる条件指定レコードを複数用意する。ここでは、片端点指定W111と、使用サービス指定W112と、ポート登録状態W113と、ケーブル登録状態W114と、装置指定W115と、装置設定位置W116とが検索条件として用意されている。
【0050】
片端点指定W111は、登録する物理リンクの一方の管理対象ポートを指定する。使用サービス指定W112は、登録ポートで使用するサービスを指定する。ポート登録状態W113は、登録済みポートを優先する。ケーブル登録状態W114は、登録済みケーブルを優先する。装置指定W115は、登録する物理リンクの両端の装置が別装置であることを優先する。装置設定位置W116は、登録する物理リンクの端点間の距離の近さを優先する。
【0051】
また、ここでは、片端点指定W111、使用サービス指定W112、ポート登録状態W113、装置指定W115を使用する。したがって、使用しないラジオボタンにチェックがない。
【0052】
条件指定レコードW111〜W116は物理リンク候補優先度設定エリアW110の中での優先順位を変更することが可能であり、候補表示W130を実行した時点で上位の条件指定レコードW111から物理リンク設定待機テーブルT80を検索する。
【0053】
物理リンク端点候補一覧エリアW120は、検索した結果を物理リンクの両端点となる可能性の高い順番に管理対象ポートの組を表示する。物理リンク端点候補一覧エリアW120の管理対象ポートの組み合わせから、保守者は、任意の組み合わせを選択し、物理リンクとして登録する。
【0054】
同様に、ケーブル設定待機テーブルT70を利用して、保守者が指定した優先順位に基づきケーブルを形成するポートの組み合わせを検索して候補を表示、および表示された候補から保守者が選択したケーブルを登録できるが、図17と同形態のため説明を省略する。
【0055】
図18を参照して、図17に示した物理リンク登録画面W100において、物理リンク候補優先度設定エリアW110で指定した条件から、物理リンク端点候補一覧エリアW120を表示するために使用するテーブルを説明する。
【0056】
図18Aにおいて、配点テーブルT100は、条件T101と、得点T102と、対象カラムT103と、使用フラグT104とから構成される。条件T101の条件1〜条件6は、図17のW111〜W116に対応する。使用フラグT104は、図17の使用しないラジオボタンに対応する。得点T102は、条件にヒットしたとき与える得点である。対象カラムT103は、条件を記載する。
【0057】
配点テーブルT100には、物理リンク候補優先度設定エリアW110の条件指定レコードW111の優先順位に対してあらかじめ得点T102を固定的に設定している。対象カラムT103は、それぞれの条件が物理リンク設定待機テーブルT80のどのカラムの情報を示しているかを示す。使用フラグT104は、条件を使用するか否かを識別する。
【0058】
保守者が物理リンク登録画面W100において候補表示W130を実行した契機で、物理リンク候補優先度設定エリアW110において指定した条件指定レコードW111の優先順位、条件設定、対象カラムT103および使用フラグT104に従い物理リンクの端点候補を決定する。
【0059】
図18Bにおいて、得点テーブルT110は、待機ポート識別番号T111と、条件1 T112と、条件2 T113と、条件3 T114と、条件4 T115と、条件5 T116と、条件6 T117と、総得点T118と、順位T119とから構成されている。
【0060】
得点計算を具体的に説明すると、物理リンク設定待機テーブルT80に登録されている管理対象ポートに対して、配点テーブルT100に従って配点を行ない、得点テーブルT110へ反映する。例えば、得点テーブルT110の条件2 T113に関して、配点テーブルT100から条件2は7点および対象カラムは使用サービスT35ということが分かる。ここで、物理リンク候補優先度設定テーブルW110では、使用サービス情報としてサービスAが入力されていることから、物理リンク設定待機テーブルT80で使用サービスT35がサービスAである管理対象ポートの得点は7点、そうではない管理対象ポートの得点は0点となる。同様に全ての条件に対して配点を実施し、総得点T118と順位T119を算出する。
【0061】
なお、条件4のケーブル登録状態の使用フラグは図7においてケーブル登録状態W114を未使用としたため、未使用となっている。使用する場合、装置管理サーバ100は、ケーブル設定待機テーブル管理T70を参照し、登録済みの管理対象ポートに対して、得点3点をそれぞれ付与する。
【0062】
続いて、装置管理サーバ100は、得点テーブルT110で算出された総得点T118の大きい管理対象ポートの組み合わせを総得点の合計の多い順に候補表示テーブルT120に登録する。
【0063】
図18Cにおいて、候補表示テーブルT120は、端点1 T121と、端点2 T122と、合計点T123とから構成される。端点1 T121と端点2 T122の組み合わせは、6種類(4C2)である。
【0064】
候補表示テーブルT120への登録については、全ての組み合わせを順不同に登録し、登録後に合計得点で並び変えても良い。また、物理リンク設定待機テーブルT80に保持している管理対象ポート数が多い場合、全ての組み合わせを計算しても得点の低い組合せは物理リンクとして成立しない可能性が高いため、任意の順位までの計算としても良い。候補表示テーブルT120への登録が完了した時点で、装置管理サーバ100は、候補表示テーブルT120の情報を物理リンク端点候補一覧エリアW120へ反映する。
【0065】
図17に戻って、物理リンク端点候補一覧エリアW120の候補ポート欄には、図18Cの合計点T123の大きい順に組合せを表示する。保守者は、選択する接続にチェックマークを加え、物理リンク登録ボタンを押下する。なお、ここでは、管理対象ポート211と管理対象ポート311の組み合わせを選択したとする。
【0066】
図19を参照して、選択結果を説明する。図19において、管理対象装置200のポート211と管理対象装置300のポート311の間の物理リンク510が選択されたので、管理対象外装置700のポート712と管理対象装置300のポート311の間にケーブル420が必要になる。また、管理対象装置200の非使用ポートはポート221、管理対象装置300の非使用ポートはポート321である。この結果、管理対象装置200のポート221、ポート211、管理対象外装置700、管理対象装置300のポート311、ポート321のパス610が張られる。
【0067】
本実施例により、物理リンク設定待機テーブルが備える情報を保守者が意図的に登録することなく、関連する他の操作により自動的に生成する機能、および保守者が指定した優先順位に基づき物理リンクを形成するポートの組み合わせを物理リンク設定待機テーブルから検索して表示する機能を実現することができた。
【符号の説明】
【0068】
100…装置管理サーバ、101…データベース、110…監視端末、120…監視ネットワーク、200、300…管理対象装置、210、220、310、320…管理対象カード、211、212、221、311、312、321…管理対象ポート、410、420、430…ケーブル、510、520…物理リンク、610…パス、700…管理対象外装置、711、712…管理対象外ポート、800…ネットワーク管理システム、1001…CPU、1002…メモリ、1003…HDD、1004…HDD IF、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…通信IF、1008…内部バス、1011…画面入力受付部、1012…画面出力部、1013…演算処理部、1014…通信処理部、10131…登録処理部、10132…データ生成処理部、T10…管理対象装置テーブル、T20…管理対象カードテーブル、T30…管理対象ポートテーブル、T40…ケーブルテーブル、T50…物理リンクテーブル、T60…パステーブル、T70…ケーブル設定待機テーブル、T80…物理リンク設定待機テーブル、T100…配点テーブル、T110…得点テーブル、T120…候補表示テーブル、W100…物理リンク登録画面、W110…物理リンク候補優先度設定エリア、W111、W112、W113、W114、W115、W116…条件指定レコード、W120…物理リンク端点候補一覧エリア、W121…物理リンク端点候補、W130…候補表示ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信装置と第2の通信装置と端末とデータベース部とに接続された通信装置管理装置において、
前記データベース部は、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とを含む管理対象装置を記録する管理対象装置テーブルと、管理対象カードを記録する管理対象カードテーブルと、管理対象ポートを記録する管理対象ポートテーブルと、前記管理対象ポート間のケーブル接続および前記管理対象ポートと管理対象外ポートとケーブル接続を記録するケーブルテーブルと、前記管理対象ポート間の物理リンク接続を記録する物理リンクテーブルと、を保持し、
前記管理対象ポートのうち、前記物理リンクテーブルに記載されていない複数のポートについて、前記端末から入力された条件に基づいて、得点計算し、
得点の高い前記ポートの組み合わせを、物理リンク接続候補として、前記端末に提示することを特徴とする通信装置管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置管理装置であって、
前記管理対象ポートのうち、前記ケーブルテーブルに記載されていない複数のポートについて、前記端末から入力された条件に基づいて、得点計算し、
得点の高い前記ポートの組み合わせを、ケーブル接続候補として、前記端末に提示することを特徴とする通信装置管理装置。
【請求項3】
第1の通信装置と第2の通信装置と端末とデータベース部とに接続された通信装置管理装置における管理プログラムであって、
前記データベース部は、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とを含む管理対象装置を記録する管理対象装置テーブルと、管理対象カードを記録する管理対象カードテーブルと、管理対象ポートを記録する管理対象ポートテーブルと、前記管理対象ポート間のケーブル接続および前記管理対象ポートと管理対象外ポートとケーブル接続を記録するケーブルテーブルと、前記管理対象ポート間の物理リンク接続を記録する物理リンクテーブルと、を保持し、
コンピュータを
前記管理対象ポートのうち、前記物理リンクテーブルに記載されていない複数のポートについて、前記端末から入力された条件に基づいて、得点計算する演算処理部、
得点の高い前記ポートの組み合わせを、物理リンク接続候補として、前記端末に提示する画面出力部、として機能させるための管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−9081(P2013−9081A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139342(P2011−139342)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】