説明

通知装置および通知プログラム

【課題】 通信費の増大および管理者等の作業負担の増大を防ぐとともに、監視対象の状態を適切に通知することが可能な通知装置および通知プログラムを提供する。
【解決手段】 通知装置は、少なくとも測定対象を含む監視対象の状態を1または複数のユーザへ通知する通知装置であって、測定対象を測定した測定値を取得する測定値取得部50と、測定値に基づいて監視対象の状態を解析する解析部3と、解析結果およびユーザの監視状況の少なくともいずれか一方に基づいてメッセージを生成するメッセージ生成部5と、解析結果およびユーザの監視状況の少なくともいずれか一方に基づいてメッセージの送信先のユーザを決定する制御を行なう送信制御部6と、決定した送信先のユーザへメッセージを送信する送信部7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知装置および通知プログラムに関し、特に、遠隔地にある監視対象の状態を通知する通知装置および通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、遠隔地にある監視対象の状態を電子メール機能を利用して通知するシステムが提案されている。たとえば、下水(マンホール)、溜池、ダムおよび河川等の異常水位を監視するシステム、レストラン・チェーン店などの食用油の残量を監視するシステム、ビニルハウスの温度監視と共に暖房用の灯油の残量を監視するシステムおよび土木事業における現場のセメントの残量を監視するシステム等が提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、以下のような通知装置が開示されている。すなわち、監視対象の状態を示すテキストデータを生成し、テキストデータがパケット通信網を介して電子メールとして送信される。このような構成により、専用線およびサーバ等の設備機器を導入することなく監視対象を監視することができ、監視対象に関するデータを複数の場所に通知して利用することができる。
【0004】
また、特許文献2および特許文献3記載の通知装置も特許文献1記載の通知装置と同様に、監視対象の状態を示す電子メールを生成して送信する構成である。
【特許文献1】特開2002−101473号公報
【特許文献2】特許第3467412号公報
【特許文献3】特開2002−277032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の通知装置および特許文献2記載の通知装置は、一定周期でメールサーバ等から電子メールを受信して監視対象の管理者または遠隔監視装置からの通知要求を認識し、監視対象の状態を表わす電子メールを送信する構成であるため、管理者等の要求に迅速に対応することができないという問題点があった。
【0006】
また、特許文献1記載の通知装置および特許文献2記載の通知装置は、一定周期ごとに監視対象の状態を表わす電子メールを送信する構成であるため、監視対象の状態に変化がない場合には同じ内容の電子メールを繰り返し送信することになり、通信費の増大および電子メールを受信する管理者等の作業負担の増大を招くという問題点があった。
【0007】
また、特許文献2記載の通知装置および特許文献3記載の通知装置は、監視対象に異常が発生すると監視対象の状態を表わす電子メールを送信する構成であるため、過去に通知した異常の内容と同じであって新たに通知する必要がない異常であるか、または管理者等が既に同様の異常について対応を開始している場合にも電子メールが送信され、通信費の浪費および電子メールを受信する管理者等の作業負担の増大を招くという問題点があった。
【0008】
それゆえに、本発明の目的は、通信費の増大および管理者等の作業負担の増大を防ぐとともに、監視対象の状態を適切に通知することが可能な通知装置および通知プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通知装置は、少なくとも測定対象を含む監視対象の状態を1または複数のユーザへ通知する通知装置であって、測定対象を測定した測定値を取得する測定値取得部と、測定値に基づいて監視対象の状態を解析する解析部と、解析結果およびユーザの監視状況の少なくともいずれか一方に基づいてメッセージを生成するメッセージ生成部と、解析結果およびユーザの監視状況の少なくともいずれか一方に基づいてメッセージの送信先のユーザを決定する制御を行なう送信制御部と、決定した送信先のユーザへメッセージを送信する送信部とを備える。
【0010】
好ましくは、送信制御部は、過去に送信したメッセージの内容が新たに生成したメッセージと同じ場合であって、過去に送信した時点から所定の期間が経過していないときには、新たに生成したメッセージを過去に送信したメッセージの送信先のユーザへ送信しない制御を行なう。
【0011】
好ましくは、通知装置は、さらに、過去に送信したメッセージに対するユーザからの返信を受信する受信部を備え、送信制御部は、受信部が返信を受信した場合には、過去に送信したメッセージと同じ内容のメッセージを返信したユーザへ送信しない制御を行なう。
【0012】
より好ましくは、送信制御部は、受信部が返信を受信した場合であって過去に送信したメッセージの送信先が複数のユーザであるときには、過去に送信したメッセージと同じ内容のメッセージを複数のユーザへ送信しない制御を行なう。
【0013】
より好ましくは、メッセージ生成部は、受信部が返信を受信した場合であって過去に送信したメッセージの送信先が複数のユーザであるときには、返信があったことを表わすメッセージを生成し、送信制御部は、受信部が返信を受信した場合であって過去に送信したメッセージの送信先が複数のユーザであるときには、複数のユーザのうち返信したユーザ以外のユーザを送信先のユーザとして決定する制御を行なう。
【0014】
好ましくは、通知装置は、さらに、過去に送信したメッセージに対するユーザからの返信を受信する受信部と、返信に基づいて監視対象を制御する監視対象制御部とを備える。
【0015】
好ましくは、監視対象は、さらに、測定対象を測定して測定値を出力する測定装置を含み、解析部は、測定値に基づいて測定対象および測定装置の状態を解析する。
【0016】
好ましくは、解析部は、測定値の時間的な変化に基づいて監視対象の状態を解析する。
【0017】
好ましくは、通知装置は、さらに、ユーザからの電話による呼び出し信号を受信する受信部を備え、メッセージ生成部は、受信部が呼び出し信号を受信した場合には、解析結果に基づいてメッセージを生成し、送信制御部は、受信部が呼び出し信号を受信した場合には、受信した呼び出し信号を送信したユーザを送信先のユーザとして決定する制御を行なう。
【0018】
好ましくは、送信部は、決定した送信先のユーザへメッセージを電子メールで送信する。
【0019】
また、この発明のある局面に係わる通知プログラムは、監視対象の状態を1または複数のユーザへ通知する通知装置における通知プログラムであって、コンピュータに、監視対象を測定した測定値を取得する測定値取得ステップと、測定値に基づいて監視対象の状態を解析する解析ステップと、解析結果およびユーザの監視状況の少なくともいずれか一方に基づいてメッセージを生成するメッセージ生成ステップと、解析結果およびユーザの監視状況の少なくともいずれか一方に基づいてメッセージの送信先のユーザを決定する制御を行なう送信制御ステップと、決定した送信先のユーザへメッセージを送信する送信ステップとを実行させる。
【0020】
好ましくは、送信制御ステップにおいては、過去に送信したメッセージの内容が新たに生成したメッセージと同じ場合であって、過去に送信した時点から所定の期間が経過していないときには、新たに生成したメッセージを過去に送信したメッセージの送信先のユーザへ送信しない制御を行なう。
【0021】
好ましくは、通知プログラムは、さらに、コンピュータに、過去に送信したメッセージに対するユーザからの返信を受信する受信ステップを実行させ、送信制御ステップにおいては、受信ステップにおいて返信を受信した場合には、過去に送信したメッセージと同じ内容のメッセージを返信したユーザへ送信しない制御を行なう。
【0022】
より好ましくは、送信制御ステップにおいては、受信ステップにおいて返信を受信した場合であって過去に送信したメッセージの送信先が複数のユーザであるときには、過去に送信したメッセージと同じ内容のメッセージを複数のユーザへ送信しない制御を行なう。
【0023】
より好ましくは、メッセージ生成ステップにおいては、受信ステップにおいて返信を受信した場合であって過去に送信したメッセージの送信先が複数のユーザであるときには、返信があったことを表わすメッセージを生成し、送信制御ステップにおいては、受信ステップにおいて返信を受信した場合であって過去に送信したメッセージの送信先が複数のユーザであるときには、複数のユーザのうち返信したユーザ以外のユーザを送信先のユーザとして決定する制御を行なう。
【0024】
好ましくは、通知プログラムは、さらに、コンピュータに、過去に送信したメッセージに対するユーザからの返信を受信する受信ステップと、返信に基づいて監視対象を制御する監視対象制御ステップとを実行させる。
【0025】
好ましくは、監視対象は、さらに、測定対象を測定して測定値を出力する測定装置を含み、解析ステップにおいては、測定値に基づいて測定対象および測定装置の状態を解析する。
【0026】
好ましくは、解析ステップにおいては、測定値の時間的な変化に基づいて監視対象の状態を解析する。
【0027】
好ましくは、通知プログラムは、さらに、コンピュータに、ユーザからの電話による呼び出し信号を受信する受信ステップを実行させ、メッセージ生成ステップにおいては、受信ステップにおいて呼び出し信号を受信した場合には、解析結果に基づいてメッセージを生成し、送信制御ステップにおいては、受信ステップにおいて呼び出し信号を受信した場合には、受信した呼び出し信号を送信したユーザを送信先のユーザとして決定する制御を行なう。
【0028】
好ましくは、送信ステップにおいては、決定した送信先のユーザへメッセージを電子メールで送信する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、通信費の増大および管理者等の作業負担の増大を防ぐとともに、監視対象の状態を適切に通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0031】
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る通知装置が適用される遠隔監視システムの構成図である。
【0032】
同図を参照して、この遠隔監視システムは、通知装置100と、監視対象110と、監視装置103と、監視装置104とを備える。
【0033】
監視対象110は測定対象101と、測定装置102とを含む。
【0034】
通知装置100と、監視装置103および監視装置104とは、インターネット等のネットワークを介して互いに通信することができる。
【0035】
監視装置103は測定対象101の管理を行なう管理施設に配置される。たとえば、測定対象101がダムの水位である場合には、ダムの管理を行なう自治体等の管理部門が存在する施設に監視装置103が配置される。
【0036】
監視装置103は、管理施設内のLAN(Local Area Network)を介して端末105a〜端末105fに接続される。
【0037】
端末105a〜端末105cを所有する従業員(以下、ユーザとも称する)は、グループG1に属し、端末105d〜端末105fを所有する従業員は、グループG2に属する。従業員の行なう業務はグループ毎に異なる。すなわち、同じ業務を行なう従業員が各グループで3人存在する。
【0038】
監視装置104は測定装置102の保守を行なう保守施設に配置される。たとえば、測定装置102の製造メーカのエンジニアリング部門が存在する施設に測定装置104が配置される。
【0039】
監視装置104は、保守施設内のLANを介して端末105g〜端末105lに接続される。
【0040】
管理施設と同様に、端末105g〜端末105iを所有する従業員は、グループG3に属し、端末105j〜端末105lを所有する従業員は、グループG4に属する。従業員の行なう業務はグループ毎に異なる。すなわち、同じ業務を行なう従業員が各グループで3人存在する。
【0041】
測定装置102は、測定対象101の測定を行ない、測定値を通知装置100へ出力する。
【0042】
通知装置100は、測定装置102から受けた測定値に基づいて、測定対象101および測定装置102がどのような状態にあるかを解析し、解析結果を表わす電子メールを管理施設および保守施設へネットワークを介して送信する。また、通知装置100は、監視対象110の状態を表わす解析結果の他にも監視対象110に関連する情報を表わす電子メールを管理施設および保守施設へネットワークを介して送信する。
【0043】
管理施設における監視装置103および保守施設における監視装置104は、通知装置100から受信した電子メールを宛先ごとに保存する。
【0044】
そして、管理部門の各従業員は、各自が所有する端末を用いて監視装置103からLAN経由で電子メールを受信して、受信した電子メールの内容から測定対象101の状態を把握し、測定対象101の異常を回復するために測定対象101に対する運転再開および運転停止等の制御を行なう。
【0045】
また、エンジニアリング部門の各従業員は、各自が所有する端末を用いて監視装置104からLAN経由で電子メールを受信して、受信した電子メールの内容に基づいて測定装置102の状態を把握し、測定装置102に対する運転再開および運転停止等の制御ならびに測定装置102の修理等を行なう。
【0046】
図2は、測定対象101および測定装置102の一例を示す図である。
【0047】
同図を参照して、測定対象101はダムの水位である。
【0048】
測定装置102は、フロート21a〜フロート21dと、マグネット22a〜マグネット22dと、マグネット23a〜マグネット23dと、上側フロート止め25a〜上側フロート止め25dと、下側フロート止め26a〜下側フロート止め26dと、ガイドパイプ27とを備える。
【0049】
フロート21a〜フロート21dは、ガイドパイプ27に取り付けられている。そして、フロート21a〜フロート21dは、水位(測定対象)101の上昇に応じて下側フロート止め26a〜下側フロート止め26dから上側フロート止め25a〜上側フロート止め25dへ移動する。
【0050】
リードスイッチ24a〜リードスイッチ24dは、ガイドパイプ27に取り付けられている。リードスイッチ24a〜リードスイッチ24dは、フロート21a〜フロート21dに取り付けられたマグネット22a〜マグネット22dおよびマグネット23a〜マグネット23dをそれぞれ検出した場合には論理ローレベル(以下、Lレベルという)を出力し、検出しなかった場合には論理ハイレベル(以下、Hレベルという)を出力する。
【0051】
ここで、リードスイッチ24a〜リードスイッチ24dが出力する論理データをそれぞれD1〜D4とすると、水位(測定対象)101の上昇に応じて測定装置102の出力(D1,D2,D3,D4)が(L,L,L,L)、(L,L,L,H)、(L,L,H,H)、(L,H,H,H)、(H,H,H,H)と変化する。
【0052】
同図は、フロート21dが上昇し、リードスイッチ24dだけがマグネット22dおよびマグネット23dを検出しなくなり、測定装置102の出力(D1,D2,D3,D4)が(L,L,L,H)となった状態を示している。
【0053】
なお、測定装置102は、デジタルの測定値である出力(D1,D2,D3,D4)だけでなく、図示しない温度計等によって測定した水温等のアナログの測定値を出力する。
【0054】
図3は、本発明の実施の形態に係る通知装置100の構成を示す機能ブロック図である。
【0055】
同図を参照して、この通知装置は、測定値取得部50と、解析部3と、メッセージ生成部5と、送信制御部6と、送信部7と、受信部8と、監視対象制御部9と、通知制御部4とを備える。
【0056】
測定値取得部50は、デジタル入力部1と、アナログ入力部2とを含む。
【0057】
デジタル入力部1は、測定装置102からデジタルの測定値を受けて、解析部3へ出力する。
【0058】
アナログ入力部2は、測定装置102からアナログの測定値を受けて、解析部3へ出力する。
【0059】
解析部3は、デジタル入力部1から受けたデジタルの測定値およびアナログ入力部2から受けたアナログの測定値に基づいて監視対象110の状態を解析し、解析結果を通知制御部4へ出力する。
【0060】
通知制御部4は、従業員からの返信および問い合わせ(以下、従業員の監視状況という)および解析部3から受けた解析結果の少なくともいずれか一方に基づいて監視対象110の状態を通知するか否かを判断する。通知制御部4は、監視対象110の状態を通知すると判断した場合には、解析部3から受けた解析結果をメッセージ生成部5および送信制御部6へ出力する。
【0061】
メッセージ生成部5は、通知制御部4から受けた解析結果および従業員の監視状況の少なくともいずれか一方に基づいてメッセージを生成し、送信制御部6へ出力する。
【0062】
送信制御部6は、通知制御部4から受けた解析結果および従業員の監視状況の少なくともいずれか一方に基づいて、監視対象110の状態の通知先である管理施設および保守施設の従業員を表わす通知先情報を生成して送信部7へ出力する。また、送信制御部6は、メッセージ生成部5から受けたメッセージを送信部7へ出力する。
【0063】
送信部7は、送信制御部6から受けたメッセージを本文とし、かつ、送信制御部6から受けた通知先情報が表わす管理施設および保守施設の従業員を宛先とする電子メールを生成する。そして、送信部7は、生成した電子メールをネットワークを介して管理施設および保守施設の従業員へ送信する。
【0064】
[動作1]
次に、本発明の実施の形態に係る通知装置100が測定値102から受けた測定値に基づいて監視対象110の状態を通知する際の動作について図面を用いて説明する。
【0065】
図4は、本発明の実施の形態に係る通知装置100の動作手順を定めたフローチャートである。測定値取得部50と、解析部3と、メッセージ生成部5と、送信制御部6と、送信部7と、受信部8と、監視対象制御部9と、通知制御部4とは、フローチャートの各ステップを備えるプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。
【0066】
測定値取得部50は、測定装置102から受けた測定値を解析部3へ出力する(S1)。
【0067】
なお、測定値取得部50が測定値102から測定値を取得する間隔は、通知装置100の用途および測定対象101が何であるか等に応じて変更することができる。
【0068】
解析部3は、測定値取得部50におけるデジタル入力部1から受けた測定値(D1,D2,D3,D4)が(L,L,L,H)、(L,L,H,H)、または(L,H,H,H)の場合には、水位(測定対象)101は正常であり、かつ、測定装置102は正常であると解析し、解析結果を通知制御部4へ出力する(S2)。
【0069】
また、解析部3は、測定値取得部50におけるデジタル入力部1から受けた測定値(D1,D2,D3,D4)が(L,L,L,L)または(H,H,H,H)の場合には、水位(測定対象)101に異常が発生し、かつ、測定装置102は正常であると解析し、解析結果を通知制御部4へ出力する(S2)。
【0070】
また、解析部3は、測定値取得部50におけるデジタル入力部1から受けた測定値(D1,D2,D3,D4)が上記の(L,L,L,L)、(L,L,L,H)、(L,L,H,H)、(L,H,H,H)および(H,H,H,H)以外である場合には、測定装置102に異常が発生したと解析し、かつ、測定装置102が異常であるため水位(測定対象)101は正常か異常か不明であると解析し、解析結果を通知制御部4へ出力する(S2)。
【0071】
通知制御部4は、水位(測定対象)101は正常であり、かつ、測定装置102は正常であることを解析部3から受けた解析結果が表わす場合には、水位(測定対象)101および測定装置102の状態を通知する必要はないと判断し、解析部3から受けた解析結果をメッセージ生成部5および送信制御部6へ出力しない(S3でYES)。
【0072】
通知制御部4は、水位(測定対象)101および測定装置102のいずれか一方が異常であることを解析部3から受けた解析結果が表わす場合には、水位(測定対象)101および測定装置102の状態の少なくともいずれか一方を通知する必要があると判断し、解析部3から受けた解析結果をメッセージ生成部5および送信制御部6へ出力する(S3でNOおよびS4)。
【0073】
また、通知制御部4は、監視対象110の状態を通知する必要があると判断した場合および通知する必要がないと判断した場合のいずれの場合でも、解析部3から受けた解析結果を最新の一定期間分、図示しないメモリに保存する。
【0074】
次に、メッセージ生成部5は、水位(測定対象)101に異常が発生し、かつ、測定装置102は正常であることを通知制御部4から受けた解析結果が表わす場合には、測定装置102の状態を表わすメッセージを生成する必要はないが、水位(測定対象)101の状態を表わすメッセージを生成する必要があると判断し、水位(測定対象)101の状態を表わすメッセージを生成し、送信制御部6へ出力する(S5でNOおよびS7)。
【0075】
なお、メッセージ生成部5は、水位(測定対象)101の状態に応じて、管理施設の各従業員で共通のメッセージを生成してもよいし、グループG1およびグループG2ごとに個別のメッセージを生成してもよい。
【0076】
また、メッセージ生成部5は、測定装置102に異常が発生し、かつ、測定装置102が異常であるため水位(測定対象)101は正常か異常か不明であることを通知制御部4から受けた解析結果が表わす場合には、水位(測定対象)101の状態を表わすメッセージを生成する必要はないが、測定装置102の状態を表わすメッセージを生成する必要があると判断し、測定装置102の状態を表わすメッセージを生成して送信制御部6へ出力する(S5でYESおよびS6)。
【0077】
なお、メッセージ生成部5は、測定装置102の状態に応じて、保守施設の各従業員で共通のメッセージを生成してもよいし、グループG3およびグループG4ごとに個別のメッセージを生成してもよい。
【0078】
次に、送信制御部6は、水位(測定対象)101に異常が発生し、かつ、測定装置102は正常であることを通知制御部4から受けた解析結果が表わす場合には、測定装置102の状態を通知する必要はないが、水位(測定対象)101の状態を通知する必要があると判断し、管理施設の各従業員を表わす仮の通知先情報を生成する(S5でNOおよびS9)。
【0079】
なお、送信制御部6は、水位(測定対象)101の状態に応じて、グループG1またはグループG2のいずれか一方に所属する従業員を表わす仮の通知先情報を生成してもよい。
【0080】
また、送信制御部6は、測定装置102に異常が発生し、かつ、測定装置102が異常であるため水位(測定対象)101は正常か異常か不明であることを通知制御部4から受けた解析結果が表わす場合には、水位(測定対象)101の状態を通知する必要はないが、測定装置102の状態を通知する必要があると判断し、保守施設の各従業員を表わす仮の通知先情報を生成する(S5でYESおよびS8)。
【0081】
なお、送信制御部6は、測定装置102の状態に応じて、グループG3またはグループG4のいずれか一方に所属する従業員を表わす仮の通知先情報を生成してもよい。
【0082】
次に、送信制御部6は、メッセージ生成部5からメッセージを受けて、この通知装置100が過去に送信したメッセージの内容が今回メッセージ生成部5から受けたメッセージと同じ場合であって、過去に送信した時点から所定の期間が経過していないときには、過去に送信したメッセージの送信先の従業員および今回生成した仮の通知先情報が表わす従業員を比較する(S10)。
【0083】
そして、送信制御部6は、今回生成した仮の通知先情報が表わす従業員のうち、過去に送信したメッセージの送信先に含まれる従業員には今回メッセージ生成部5から受けたメッセージを送信しないことを決定する(S10でYESおよびS11)。一方、送信制御部6は、今回生成した仮の通知先情報が表わす従業員のうち、過去に送信したメッセージの送信先に含まれない従業員には今回メッセージ生成部5から受けたメッセージを送信することを決定する(S10でNOおよびS12)。
【0084】
送信制御部6は、今回生成した仮の通知先情報から過去に送信したメッセージの送信先に含まれる従業員を削除した通知先情報を生成し、生成した通知先情報を送信部7へ出力する。また、送信制御部6は、今回メッセージ生成部5から受けたメッセージを送信部7へ出力する。
【0085】
なお、送信制御部6は、今回生成した仮の通知先情報から過去に送信したメッセージの送信先に含まれる従業員を削除すると通知先の従業員が存在しなくなる場合には、通知先情報および今回メッセージ生成部5から受けたメッセージを送信部7へ出力せずに、処理を終了する(S11)。
【0086】
なお、従業員へのメッセージの送信状況から従業員の監視対象110に対する監視状況が判断できることから、通知装置100の従業員へのメッセージの送信状況は、先述の従業員の監視状況に含まれる概念である。
【0087】
送信部7は、送信制御部6から受けたメッセージを本文とし、かつ、送信制御部6から受けた通知先情報が表わす管理施設および保守施設の従業員を宛先とする電子メールを生成する。そして、送信部7は、生成した電子メールをネットワークを介して管理施設および保守施設の従業員へ送信する(S13)。
【0088】
[動作2]
次に、本発明の実施の形態に係る通知装置100が監視対象110に対する従業員の監視状況に基づいてメッセージの送信制御および監視対象110の状態以外の監視対象110に関連する情報を通知する際の動作について図面を用いて説明する。
【0089】
図5は、本発明の実施の形態に係る通知装置100の動作手順を定めたフローチャートである。測定値取得部50と、解析部3と、メッセージ生成部5と、送信制御部6と、送信部7と、受信部8と、監視対象制御部9と、通知制御部4とは、フローチャートの各ステップを備えるプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。
【0090】
管理施設および保守施設における従業員は、通知装置100から受信した電子メールから水位(測定対象)101および測定装置102の状態を把握し、通知装置100から受信した電子メールに対する返信の電子メールをネットワークを介して通知装置100へ送信する。
【0091】
通知装置100における受信部8は、従業員からの返信の電子メール(以下、返信電子メールという)を受信して、返信電子メールを送信制御部6、メッセージ生成部5、通知制御部4および監視対象制御部9へ出力する(S21でYES)。
【0092】
送信制御部6は、受信部8から受けた返信電子メールに対応する、過去にこの通知装置100が送信したメッセージ(以下、返信対象のメッセージという)と同じ内容のメッセージを、返信電子メールを送信した従業員へ送信することを停止する制御を行なう(S22)。
【0093】
なお、送信制御部6が送信停止の制御を行なった後、所定の期間の経過後に送信制御部6が自律的に送信停止を解除してもよいし、管理施設および保守施設における従業員が送信停止を解除してもよい。
【0094】
ここで、監視対象制御部9は、受信部8から受けた返信電子メールに基づいて、水位(測定対象)101の異常を回復するための図示しないポンプ等の制御および測定装置102に対する運転再開および運転停止等の制御を行なう(S23)。
【0095】
また、送信制御部6は、返信対象のメッセージの送信先が複数の従業員である場合には(S24でYES)、返信対象のメッセージの送信先の従業員のうち、返信電子メールを送信した従業員以外の従業員へ返信対象のメッセージと同じ内容のメッセージを送信することを停止する制御を行なう(S25)。
【0096】
メッセージ生成部5は、受信部8から返信電子メールを受けて、返信があったことを表わすメッセージを生成し、送信制御部6へ出力する(S26)。
【0097】
送信制御部6は、受信部8から返信電子メールを受けて、返信対象のメッセージの送信先の従業員のうち、返信電子メールを送信した従業員以外の従業員を表わす通知先情報を生成し、送信部7へ出力する(S27)。また、送信制御部6は、メッセージ生成部5から受けたメッセージを送信部7へ出力する。
【0098】
送信部7は、送信制御部6から受けたメッセージを本文とし、かつ、送信制御部6から受けた通知先情報が表わす管理施設および保守施設の従業員を宛先とする電子メールを生成する。そして、送信部7は、生成した電子メールをネットワークを介して管理施設および保守施設の従業員へ送信する(S28)。
【0099】
[動作3]
次に、本発明の実施の形態に係る通知装置100が管理施設および保守施設における従業員の監視対象110の監視状況に基づいて監視対象110の状態を通知する際の動作について図面を用いて説明する。
【0100】
図6は、本発明の実施の形態に係る通知装置100の動作手順を定めたフローチャートである。測定値取得部50と、解析部3と、メッセージ生成部5と、送信制御部6と、送信部7と、受信部8と、監視対象制御部9と、通知制御部4とは、フローチャートの各ステップを備えるプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。
【0101】
管理施設および保守施設における従業員は、監視対象110の状態を知りたい場合には、通知装置100に電話をかける。
【0102】
受信部8は、従業員からの電話による呼び出し信号を受信して、呼び出し信号から従業員を特定し、電話をかけた従業員の情報を表わす従業員情報を通知制御部4、メッセージ生成部5および送信制御部6へ出力する(S31でYES)。ここで、受信部8は呼び出し信号から呼び出し側の電話番号を検出し、あらかじめ図示しないメモリに保存されている電話番号表から従業員を特定することができる。
【0103】
通知制御部4は、受信部8から従業員情報を受けて、監視対象110の状態を通知する必要があると判断し、図示しないメモリに保存している解析結果をメッセージ生成部5および送信制御部6へ出力する(S32)。
【0104】
メッセージ生成部5は、受信部8から従業員情報を受けて、通知制御部4から受けた解析結果に基づいて監視対象110の状態を表わすメッセージを生成し、送信制御部6へ出力する(S33)。
【0105】
送信制御部6は、受信部8から従業員情報を受けて、電話をかけた従業員を表わす通知先情報を生成し、送信部7へ出力する(S34)。また、送信制御部6は、メッセージ生成部5から受けたメッセージを送信部7へ出力する。
【0106】
送信部7は、送信制御部6から受けたメッセージを本文とし、かつ、送信制御部6から受けた通知先情報が表わす管理施設および保守施設の従業員を宛先とする電子メールを生成する。そして、送信部7は、生成した電子メールをネットワークを介して管理施設および保守施設の従業員へ送信する(S35)。
【0107】
ところで、特許文献1記載の通知装置および特許文献2記載の通知装置は、通信費の増大および電子メールを受信する管理者等の作業負担の増大を招くという問題点および管理者等の要求に迅速に対応することができないという問題点があった。また、特許文献3記載の通知装置は、通信費の増大および電子メールを受信する管理者等の作業負担の増大を招くという問題点があった。
【0108】
しかしながら、本発明の実施の形態に係る通知装置では、送信制御部6が、メッセージ生成部5からメッセージを受けて、この通知装置100が過去に送信したメッセージの内容が今回メッセージ生成部5から受けたメッセージと同じ場合であって、過去に送信した時点から所定の期間が経過していないときには、過去に送信したメッセージの送信先の従業員および今回生成した仮の通知先情報が表わす従業員を比較する。そして、送信制御部6は、今回生成した仮の通知先情報が表わす従業員のうち、過去に送信したメッセージの送信先に含まれる従業員には今回メッセージ生成部5から受けたメッセージを送信しないことを決定する。送信制御部6は、今回生成した仮の通知先情報から過去に送信したメッセージの送信先に含まれる従業員を削除した通知先情報を生成する。
【0109】
したがって、本発明の実施の形態に係る通知装置では、監視対象の状態に変化がない場合に同じ内容の電子メールを繰り返し送信することを防ぎ、また、過去に通知した異常の内容と同じであって新たに通知する必要がない異常が発生した場合に電子メールが送信されることを防ぐことで、通信費の増大および管理者等の作業負担の増大を防ぐことができる。
【0110】
また、本発明の実施の形態に係る通知装置では、送信制御部6が、受信部8から受けた返信対象のメッセージと同じ内容のメッセージを、返信電子メールを送信した従業員へ送信することを停止する制御を行なう。
【0111】
したがって、本発明の実施の形態に係る通知装置では、管理者等が既に同様の異常について対応を開始している場合に電子メールが送信されることを防ぐことで、通信費の増大および管理者等の作業負担の増大を防ぐことができる。
【0112】
また、本発明の実施の形態に係る通知装置では、管理施設および保守施設における従業員が通知装置100に電話をかけると、通知装置100は監視対象110の状態を表わす電子メールを、電話をかけた従業員へ送信する。
【0113】
したがって、本発明の実施の形態に係る通知装置では、管理者等の要求に迅速に対応することができる。また、管理施設および保守施設における従業員からの通知要求を常に監視するために通知装置をネットワークに常時接続させる必要がないため、専用線およびサーバ等の設備機器の導入費および通信費の増大を防ぐことができる。
【0114】
以上より、本発明の実施の形態に係る通知装置は、通信費の増大および管理者等の作業負担の増大を防ぐとともに、監視対象の状態を適切に通知することができる。
【0115】
さらに、本発明の実施の形態に係る通知装置では、送信制御部6は、従業員から返信電子メールを受信した場合であって、返信対象のメッセージの送信先が複数の従業員であるときには、返信対象のメッセージの送信先の従業員のうち、返信電子メールを送信した従業員以外の従業員へ返信対象のメッセージと同じ内容のメッセージを送信することを停止する制御を行なう。このような構成により、返信対象のメッセージの送信先が複数の従業員の場合でも、通信費の増大および管理者等の作業負担の増大を防ぐことができる。
【0116】
さらに、本発明の実施の形態に係る通知装置では、従業員から返信電子メールを受信した場合には、返信があったことを表わすメッセージを、返信対象のメッセージの送信先の従業員のうち、返信電子メールを送信した従業員以外の従業員へ送信する。このような構成により、返信電子メールを送信した従業員以外の従業員は、他の従業員が既に対応を開始していることを認識することができ、管理施設および保守施設における従業員の作業効率を向上させることができる。
【0117】
さらに、本発明の実施の形態に係る通知装置では、監視対象制御部9は、受信部8から受けた返信電子メールに基づいて、水位(測定対象)101の異常を回復するための図示しないポンプ等の制御および測定装置102に対する運転再開および運転停止等の制御を行なう。このような構成により、従業員が監視対象110の存在する場所に行く必要性が低くなり、管理施設および保守施設における従業員の作業効率を向上させることができる。
【0118】
さらに、本発明の実施の形態に係る通知装置では、解析部3は、測定値取得部50から受けたデジタルの測定値の組み合わせに基づいて水位(測定対象)101および測定装置102の状態を解析する。このような構成により、水位(測定対象)101および測定装置102の状態を詳細に解析することができる。また、測定対象101の異常だけでなく、測定対象101を測定する測定装置102自体の異常を検出することができる。
【0119】
また、解析部3はプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する構成であるため、解析部3の実行するプログラムを変更することにより、監視対象110が何であるかに応じて解析部3の解析処理の設定を適切に変更することができる。また、管理施設および保守施設の従業員が端末を操作することにより、通知装置100にネットワークを介してプログラムをダウンロードさせることで、従業員が監視対象110の存在する場所に行って通知装置100の設定を変更する必要がなくなり、管理施設および保守施設における従業員の作業効率を向上させることができる。
【0120】
[変形例]
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、たとえば以下の変形例も含まれる。
【0121】
(1) メッセージの内容の比較
本発明の実施の形態に係る通知装置における送信制御部6は、この通知装置100が過去に送信したメッセージの内容が今回メッセージ生成部5から受けたメッセージと同じであって、かつ、所定の条件を満たす場合には今回メッセージ生成部5から受けたメッセージを送信しない構成としたが、厳密にメッセージの内容が同じことを意味するものではない。メッセージの表わす監視対象110の状態の内容が実質的に同じであって新たに通知する必要がない場合および僅かな文字の違いである場合も、メッセージの内容が同じであると送信制御部6が判断する構成とすることができる。
【0122】
(2) 解析結果
本発明の実施の形態に係る通知装置における解析部3は、測定値取得部50におけるデジタル入力部1から受けた測定値に基づいて測定対象101および測定装置102が正常であるか否かを解析した結果を通知制御部4へ出力する構成としたが、これに限定するものではない。解析部3が、測定対象101および測定装置102が正常であるか否かを解析した結果に加えて、デジタル入力部1から受けたデジタルの測定値およびアナログ入力部2から受けたアナログの測定値を解析結果として出力するか、またはこれらを時系列に整理したデータを解析結果として出力する。そして、通知制御部4は、監視対象110の状態を通知する必要があると判断した場合および通知する必要がないと判断した場合のいずれの場合でも、解析部3から受けた解析結果を最新の一定期間分、図示しないメモリに保存する。
【0123】
このような構成により、管理施設および保守施設における従業員が監視対象110の測定値をそのまま取得したい場合に、従業員が通知装置100に電話をかけることにより、メッセージ生成部5が解析結果である監視対象110の測定値を内容とするメッセージを生成し、このメッセージを管理施設および保守施設における従業員が取得することができる。
【0124】
(3) 電子メール
本発明の実施の形態に係る通知装置における送信部7は、送信制御部6から受けたメッセージを本文とし、かつ、送信制御部6から受けた通知先情報が表わす管理施設および保守施設の従業員を宛先とする電子メールを生成する。そして、送信部7は、生成した電子メールをネットワークを介して管理施設および保守施設の従業員へ送信する構成としたが、これに限定するものではない。
【0125】
電子メールに限らず、送信制御部6から受けたメッセージを、送信制御部6から受けた通知先情報が表わす管理施設および保守施設の従業員へ送信することができる通信手段であれば、どのようなものでもよい。
【0126】
(4) 測定値
本発明の実施の形態に係る通知装置における解析部3は、デジタル入力部1から受けたデジタルの測定値に基づいて監視対象110の状態を解析し、解析結果を通知制御部4へ出力する構成としたが、これに限定するものではない。解析部3が、アナログ入力部2から受けたアナログの測定値に基づいて監視対象110の状態を解析する構成とすることができる。たとえば、測定装置102が、図示しない温度計等によって測定した水温等のアナログの測定値を通知装置100へ出力し、解析部3が、アナログ入力部2から受けたアナログの測定値である温度が所定の上限値以上であるか、または所定の下限値未満である場合には測定対象101に異常が発生したと解析する構成とすることができる。
【0127】
さらに、解析部3は、ある時点における測定値のみに基づいて監視対象110の状態を解析する構成に限定するものではない。アナログ入力部2から受けたアナログの測定値の時間変動を測定し、変動値が所定の閾値を超える場合には測定対象101に異常が発生したと解析する構成とすることができる。
【0128】
このような構成により、ある時点における測定対象101の測定値が所定の閾値を超えた場合に測定対象101に異常が発生したと解析する構成よりも迅速に異常を検出することができる。たとえば、ダムの水位が豪雨により急激に上昇している状態を迅速に検出して管理者等に通知する通知装置を構成することが可能である。
【0129】
(5) 通知制御部
本発明の実施の形態に係る通知装置では、通知制御部4が、従業員の監視状況および解析部3から受けた解析結果の少なくともいずれか一方に基づいて監視対象110の状態を通知するか否かを判断する構成としたが、本発明において通知制御部4は必須の構成要素ではない。なぜならば、測定対象101および測定装置102が正常であるか否かに関わらず、監視対象110の状態を時系列にまとめたデータが管理施設および保守施設で必要となる場合もあり、また、通知制御部4がなくても、前述のように送信制御部6が行なうメッセージの送信制御により、通信費の増大および従業員の作業負担の増大を防ぐとともに、監視対象の状態を適切に通知するという本発明の目的を達成することが可能だからである。
【0130】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の実施の形態に係る通知装置が適用される遠隔監視システムの構成図である。
【図2】測定対象101および測定装置102の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る通知装置100の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る通知装置100の動作手順を定めたフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る通知装置100の動作手順を定めたフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る通知装置100の動作手順を定めたフローチャートである。
【符号の説明】
【0132】
100 通知装置、101 測定対象、102 測定装置、103,104 監視装置、105a〜105l 端末、110 監視対象、21a〜21d フロート、22a〜22d マグネット、23a〜23d マグネット、25a〜25d 上側フロート止め、26a〜26d 下側フロート止め、27 ガイドパイプ、1 デジタル入力部、2 アナログ入力部、3 解析部、4 通知制御部、5 メッセージ生成部、6 送信制御部、7 送信部、8 受信部、9 監視対象制御部、50 測定値取得部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも測定対象を含む監視対象の状態を1または複数のユーザへ通知する通知装置であって、
前記測定対象を測定した測定値を取得する測定値取得部と、
前記測定値に基づいて前記監視対象の状態を解析する解析部と、
前記解析結果および前記ユーザの監視状況の少なくともいずれか一方に基づいてメッセージを生成するメッセージ生成部と、
前記解析結果および前記ユーザの監視状況の少なくともいずれか一方に基づいて前記メッセージの送信先のユーザを決定する制御を行なう送信制御部と、
前記決定した送信先のユーザへ前記メッセージを送信する送信部とを備える通知装置。
【請求項2】
前記送信制御部は、過去に送信した前記メッセージの内容が新たに生成した前記メッセージと同じ場合であって、前記過去に送信した時点から所定の期間が経過していないときには、前記新たに生成したメッセージを前記過去に送信したメッセージの送信先のユーザへ送信しない制御を行なう請求項1記載の通知装置。
【請求項3】
前記通知装置は、さらに、過去に送信した前記メッセージに対する前記ユーザからの返信を受信する受信部を備え、
前記送信制御部は、前記受信部が前記返信を受信した場合には、前記過去に送信したメッセージと同じ内容の前記メッセージを前記返信したユーザへ送信しない制御を行なう請求項1記載の通知装置。
【請求項4】
前記送信制御部は、前記受信部が前記返信を受信した場合であって前記過去に送信したメッセージの送信先が複数のユーザであるときには、前記過去に送信したメッセージと同じ内容の前記メッセージを前記複数のユーザへ送信しない制御を行なう請求項3記載の通知装置。
【請求項5】
前記メッセージ生成部は、前記受信部が前記返信を受信した場合であって前記過去に送信したメッセージの送信先が複数のユーザであるときには、前記返信があったことを表わす前記メッセージを生成し、
前記送信制御部は、前記受信部が前記返信を受信した場合であって前記過去に送信したメッセージの送信先が複数のユーザであるときには、前記複数のユーザのうち前記返信したユーザ以外のユーザを送信先のユーザとして決定する制御を行なう請求項4記載の通知装置。
【請求項6】
前記通知装置は、さらに、
過去に送信した前記メッセージに対する前記ユーザからの返信を受信する受信部と、
前記返信に基づいて前記監視対象を制御する監視対象制御部とを備える請求項1記載の通知装置。
【請求項7】
前記監視対象は、さらに、前記測定対象を測定して前記測定値を出力する測定装置を含み、
前記解析部は、前記測定値に基づいて前記測定対象および前記測定装置の状態を解析する請求項1記載の通知装置。
【請求項8】
前記解析部は、前記測定値の時間的な変化に基づいて前記監視対象の状態を解析する請求項1記載の通知装置。
【請求項9】
前記通知装置は、さらに、
前記ユーザからの電話による呼び出し信号を受信する受信部を備え、
前記メッセージ生成部は、前記受信部が前記呼び出し信号を受信した場合には、前記解析結果に基づいて前記メッセージを生成し、
前記送信制御部は、前記受信部が前記呼び出し信号を受信した場合には、前記受信した呼び出し信号を送信した前記ユーザを送信先のユーザとして決定する制御を行なう請求項1記載の通知装置。
【請求項10】
前記送信部は、前記決定した送信先のユーザへ前記メッセージを電子メールで送信する請求項1記載の通知装置。
【請求項11】
監視対象の状態を1または複数のユーザへ通知する通知装置における通知プログラムであって、コンピュータに、
前記監視対象を測定した測定値を取得する測定値取得ステップと、
前記測定値に基づいて前記監視対象の状態を解析する解析ステップと、
前記解析結果および前記ユーザの監視状況の少なくともいずれか一方に基づいてメッセージを生成するメッセージ生成ステップと、
前記解析結果および前記ユーザの監視状況の少なくともいずれか一方に基づいて前記メッセージの送信先のユーザを決定する制御を行なう送信制御ステップと、
前記決定した送信先のユーザへ前記メッセージを送信する送信ステップとを実行させる通知プログラム。
【請求項12】
前記送信制御ステップにおいては、過去に送信した前記メッセージの内容が新たに生成した前記メッセージと同じ場合であって、前記過去に送信した時点から所定の期間が経過していないときには、前記新たに生成したメッセージを前記過去に送信したメッセージの送信先のユーザへ送信しない制御を行なう請求項11記載の通知プログラム。
【請求項13】
前記通知プログラムは、さらに、コンピュータに、過去に送信した前記メッセージに対する前記ユーザからの返信を受信する受信ステップを実行させ、
前記送信制御ステップにおいては、前記受信ステップにおいて前記返信を受信した場合には、前記過去に送信したメッセージと同じ内容の前記メッセージを前記返信したユーザへ送信しない制御を行なう請求項11記載の通知プログラム。
【請求項14】
前記送信制御ステップにおいては、前記受信ステップにおいて前記返信を受信した場合であって前記過去に送信したメッセージの送信先が複数のユーザであるときには、前記過去に送信したメッセージと同じ内容の前記メッセージを前記複数のユーザへ送信しない制御を行なう請求項13記載の通知プログラム。
【請求項15】
前記メッセージ生成ステップにおいては、前記受信ステップにおいて前記返信を受信した場合であって前記過去に送信したメッセージの送信先が複数のユーザであるときには、前記返信があったことを表わす前記メッセージを生成し、
前記送信制御ステップにおいては、前記受信ステップにおいて前記返信を受信した場合であって前記過去に送信したメッセージの送信先が複数のユーザであるときには、前記複数のユーザのうち前記返信したユーザ以外のユーザを送信先のユーザとして決定する制御を行なう請求項14記載の通知プログラム。
【請求項16】
前記通知プログラムは、さらに、コンピュータに、
過去に送信した前記メッセージに対する前記ユーザからの返信を受信する受信ステップと、
前記返信に基づいて前記監視対象を制御する監視対象制御ステップとを実行させる請求項11記載の通知プログラム。
【請求項17】
前記監視対象は、さらに、前記測定対象を測定して前記測定値を出力する測定装置を含み、
前記解析ステップにおいては、前記測定値に基づいて前記測定対象および前記測定装置の状態を解析する請求項11記載の通知プログラム。
【請求項18】
前記解析ステップにおいては、前記測定値の時間的な変化に基づいて前記監視対象の状態を解析する請求項11記載の通知プログラム。
【請求項19】
前記通知プログラムは、さらに、コンピュータに、
前記ユーザからの電話による呼び出し信号を受信する受信ステップを実行させ、
前記メッセージ生成ステップにおいては、前記受信ステップにおいて前記呼び出し信号を受信した場合には、前記解析結果に基づいて前記メッセージを生成し、
前記送信制御ステップにおいては、前記受信ステップにおいて前記呼び出し信号を受信した場合には、前記受信した呼び出し信号を送信した前記ユーザを送信先のユーザとして決定する制御を行なう請求項11記載の通知プログラム。
【請求項20】
前記送信ステップにおいては、前記決定した送信先のユーザへ前記メッセージを電子メールで送信する請求項11記載の通知プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−195806(P2006−195806A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−7806(P2005−7806)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(000233790)株式会社ノーケン (13)
【出願人】(300066494)株式会社パル技研 (3)
【Fターム(参考)】