説明

通行手形および通行手形作製方法

【課題】観光場所等の特定の場所を通行するための手形として所定のサービスを利用する際に利用者本人を確認することができると共に、観光の思い出として長期収蔵できる通行手形と通行手形作製方法を提供する。
【解決手段】 通行手形100は、透明なアンダーコートが塗布された木製の基材に利用者10の写真が印刷されるもので、この通行手形100を作製する際に、まず、木材を五角形の基材に加工し、その表面に透明なアンダーコートを塗布し、次に、通行手形100の発行または提供場所において利用者に関連する写真を撮影し、得られた写真の画像データを画像データ処理装置へ転送し、画像データ処理装置において画像データの加工、図形あるいは文字の画像情報の付加、合成処理を行い、そして、アンダーコートの上にインクジェットプリンタを用いて画像データに基づいて画像を印刷した後、トップコートを塗布する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真付きの通行手形と通行手形作製方法に関する。詳しくは、所定の形状に加工された基材の表面の局部または全部にアンダーコートが塗布され、このアンダーコートの上に人物等に関連する写真、例えば利用者の写真を含む画像が印刷される構造とすることによって、観光場所等の特定の場所を通行するための手形、通行券、入場券として所定のサービスを利用する際に利用者本人を確認することができると共に、観光の思い出として長期に収蔵することができる通行手形とその作製方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、観光地等で使用される通行手形は、木材に手書き、スタンプまたはスクリーン印刷等の方法で所定の文字と図形を予め印刷したものが一般的である。
【0003】
近年、木材に写真を印刷する方法が提案され、例えば、映像入りペット用塔婆および位牌が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この場合、木製塔婆および位牌素材に顔料インキを用い専用印刷機でペット映像を印刷する。しかし、このように、顔料インキを直接木材に印刷する場合、印刷機から吐出されたインキは木材の印刷面に吸収され、インキが拡散し滲みとなる。そのため、高画質、耐久性のある写真は得られないという問題があった。
【0005】
この問題を解決するため、綺麗に高画質データ等を印刷することができる印刷方法および印刷装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
この場合、下地溶剤用塗布ローラと印刷ヘッド部と印刷面保護溶剤用塗布ローラとを備える印刷装置を用いて、印刷素材の表面に水溶性インク浸透させる浸透性下地溶剤を塗布して浸透性下地層を形成しておいてから、インク印刷等により印刷層を形成した後、印刷層表面に印刷面保護溶剤を塗布して印刷面保護層を形成するようになされる。
【0007】
また、プラスチック、木材、金属、皮革、硬質ゴム等を素材とする物体の表面に対して高耐久性を有する文字、図形、写真等の印刷を行うことができる高耐久性印刷方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
この場合、被印刷体の印刷部位の表面に適合するプライマーを被層せしめ、該プライマー層の上にアンダーコート液を吹き付けもしくは塗布し、該アンダーコート層の乾燥を待って水性インクによる印刷を行い、印刷面が乾燥した後印刷面の表面にトップコートを被層せしめる。これにより、高耐久性の印刷物が得られる。
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第3104027号公報(第2頁、第2図)
【特許文献2】特開2001−310544号公報(第2〜3頁、第1図)
【特許文献3】特開2002−187340号公報(第2〜3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来、観光地等で使用される通行手形は、予め文字と図形を印刷したものしかないので、観光地で撮影した記念写真をその場で通行手形に印刷して特定の場所を通行することを許可した証として発行されたり、観光の記念品として提供されたりすることができなかった。また、観光地等で所定のサービスを利用する際に利用者本人を確認するものとして利用できないという欠点があった。
【0011】
また、特許文献1に開示された映像入りペット用塔婆および位牌は、直接木材に印刷するもので、インキは木材の印刷面に吸収され、インキが拡散し滲みとなるため、高画質、耐久性のある写真は得られないという問題があった。
【0012】
また、特許文献2に開示された印刷方法は、下地層を塗布することで高画質の写真が得られるが、下地溶剤用塗布ローラ等を有する特殊な印刷装置が必要であるため、印刷設備のコストが高くなるという不都合があった。
【0013】
また、特許文献3に開示された高耐久性印刷方法は、被印刷体の表面にプライマーを塗布し、該プライマー層の上にアンダーコート液を塗布するものであり、2つの処理工程を必要とするため、時間とコストがかかるという不都合があった。
【0014】
そこで、この発明は、特殊な印刷装置を必要とせず、観光場所等の特定の場所を通行するための手形として所定のサービスを利用する際に利用者本人を確認することができると共に、観光の思い出として長期保存できるようにした通行手形と通行手形作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る通行手形作製方法は、特定の場所を通行することを許可した証として発行されたり、観光の記念品として提供されたりする通行手形の作製方法であって、非紙材料を所定形状の基材に加工する基材加工工程と、予め前記基材表面の局部または全部に、該基材の表面を保護する機能とインクを吸収、定着させる機能を有するアンダーコートを塗布するアンダーコート塗布工程と、人物等に関連する写真を撮影する撮影工程と、前記撮影工程で得られた写真の画像データを画像データ処理装置へ転送する画像データ転送工程と、前記画像データ処理装置において、前記画像データの加工、図形あるいは文字の画像情報の付加、合成処理を行う画像データ処理工程と、前記アンダーコートの上に、インクジェットプリンタを用いて前記画像データ処理工程で得られた画像データに基づいて画像を印刷する画像印刷工程とを備えることを特徴とする。
【0016】
例えば、前記基材は、五角形に加工された木材であり、前記アンダーコートは、所定の耐水性を有する水溶性コート剤を用いて形成された透明なアンダーコートであり、前記水溶性コート剤は、定着剤と、バインダーと、水とを所定の割合で混合して形成され、前記定着剤の割合は35〜45%で、前記定着剤の割合は7〜17%である。
【0017】
また例えば、前記撮影工程では、前記通行手形の発行または提供場所において、該通行手形の利用者を被写体としてデジタルカメラを用いてスナップ写真を撮影する。また、前記画像印刷工程で印刷された画像の表面にトップコートを塗布するトップコート塗布工程をさらに備える。
【0018】
本発明においては、基材表面の局部または全部に、該基材の表面を保護する機能とインクを吸収、定着させる機能を有するアンダーコートを予め塗布した基材に人物等に関連する写真、例えば利用者の写真を印刷するようになされる。
【0019】
これにより、特殊な印刷装置を必要とせず、観光地で撮影した記念写真をその場で通行手形に印刷して特定の場所を通行することを許可した証として発行されたり、観光の記念品として提供されたりすることが可能となる。
【0020】
また、木製の基材に透明なアンダーコートを塗布することで、高画質の写真が得られることができると共に、基材の木目が見えるので木の風味が活かされ、今までの記念写真とは異なる効果を得ることが可能となる。また、写真が印刷された部分以外の基材表面を保護することも可能となる。
【0021】
また、通行手形の発行または提供場所において、利用者を被写体としてデジタルカメラを用いてスナップ写真を撮影することで、観光場所等の特定の場所を通行するための手形として所定のサービスを利用する際に利用者本人を確認することができると共に、観光の思い出として長期保存できる。
【0022】
また、印刷された画像の表面にトップコートを塗布することで、印刷された写真の色落ちや擦れによる傷の発生を保護することができ、通行手形を観光の思い出として長期に収蔵することが可能となる。
【0023】
また、本発明に係る通行手形は、上述した通行手形作製方法を用いて作製されることを特徴とするものである。
【0024】
これにより、高画質の写真付きの通行手形を提供することができ、観光地で撮影した記念写真をその場で通行手形に印刷して特定の場所を通行することを許可した証として発行されたり、観光の記念品として提供されたりすることができるため、特定の場所を通行するための手形として所定のサービスを利用する際に利用者本人を確認することができると共に、観光の思い出として長期に収蔵することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、通行手形作製方法は、非紙材料を所定の形状の基材に加工し、この基材表面の局部または全部に、該基材の表面を保護する機能とインクを吸収、定着させる機能を有する透明なアンダーコートを塗布し、次に、通行手形の発行または提供場所において人物等に関連する写真を撮影し、得られた写真の画像データを画像データ処理装置へ転送し、画像データ処理装置において画像データの加工、図形あるいは文字の画像情報の付加、合成処理を行い、そして、アンダーコートの上にインクジェットプリンタを用いて画像データに基づいて画像を印刷する。
【0026】
これにより、特殊な印刷装置を必要とせず、観光地で撮影した記念写真をその場で通行手形に印刷して特定の場所を通行することを許可した証として発行されたり、観光の記念品として提供されたりすることができる。
【0027】
また、木製の基材に透明なアンダーコートを塗布することで、高画質の写真が得られることができると共に、基材の木目が見えるので木の風味が活かされ、今までの記念写真とは異なる効果を得ることができる。また、写真が印刷された部分以外の基材表面を保護することもできる。また、従来のようにプライマー層を塗布する工程が必要とせず、時間とコストがかかるという不都合を解消することできる。
【0028】
また、通行手形の発行または提供場所において、通行手形の利用者を被写体としてデジタルカメラを用いてスナップ写真を撮影することで、観光場所等の特定の場所を通行するための手形として所定のサービスを利用する際に利用者本人を確認することができると共に、観光の思い出として長期保存できる。また、記念写真と通行手形を一体にすることで通行手形の収蔵価値を向上することもできる。
【0029】
また、印刷された画像の表面にトップコートを塗布することで、印刷された写真の色落ち擦れによる傷の発生を保護することができ、通行手形を観光の思い出として長期に収蔵することができる。
【0030】
また、本発明によれば、通行手形は、上述した通行手形作製方法を用いて作製されるものであり、高画質の写真付きの通行手形を提供することができ、観光地で撮影した記念写真をその場で通行手形に印刷して特定の場所を通行することを許可した証として発行されたり、観光の記念品として提供されたりすることができるため、特殊な印刷装置を必要とせず、特定の場所を通行するための手形として所定のサービスを利用する際に利用者本人を確認することができると共に、観光の思い出として長期に収蔵することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態の通行手形および通行手形作製方法について説明する。
図1は、実施の形態としての通行手形の構成を示す図である。図2は、通行手形100のA−A断面を示す図である。
【0032】
図1に示すように、通行手形100は、木製の基材11に利用者10の写真13が印刷されるものである。この写真には、文字13a,13bが含まれている。また図2に示すように、通行手形100は、基材11と、アンダーコート12と、写真インク層(写真)13と、トップコート14とから構成されている。
【0033】
基材11は、木材を五角形に加工されたものであり、上部に貫通穴15が設けられている。貫通穴15にひも(またはストラップ)16を取り付けている。この基材11の寸法は、例えば厚さ18mm、上部幅69mm、下部幅79mm、長さ108mmとする。
【0034】
アンダーコート12は、基材の表面を保護する機能とインクを吸収、定着させる機能を有する透明なアンダーコートである。このアンダーコート12は、所定の耐水性を有する水溶性コート剤を用いて形成され、該水溶性コート剤は、定着剤と、バインダーと、水とを所定の割合で混合して形成される。そのうち定着剤の割合は35〜45%で、定着剤の割合は7〜17%である。
【0035】
例えば、水溶性コート剤は、定着剤と、バインダーと、水との割合は40:12:48の割合で混合するのが望ましい。このような水溶性コート剤を用いる場合、透明度の高いアンダーコート12が形成することができ、かつ写真が印刷された部分以外の基材表面を保護することも可能である。
【0036】
写真インク層13は、インクジェットプリンタを用いて、水性顔料系インクで印刷した利用者10の写真のインク層である。水性顔料系インクには、例えばエプソン社製のICCL34型インクを用いることが望ましい。
【0037】
トップコート14は、透明な樹脂系コート剤であり、このトップコート14は印刷された写真の色落ちや擦れによる傷の発生を保護することができる。
【0038】
以下、通行手形100の作製方法について説明する。図3は、通行手形作製システムの構成を示す図である。また図4は、通行手形100の作製方法を示すフローチャートである。
【0039】
図3に示すように、通行手形作製システム200は、基材加工装置21と、アンダーコート塗布装置22と、デジタルカメラ23と、接続ケーブル24と、画像データ処理装置(例えばパーソナルコンピュータ)25と、インクジェットプリンタ26と、トップコート塗布装置27とから構成されている。
ここで、インクジェットプリンタ26は、マスターマインド社製のMMP−100型プリンタを用いることが望ましい。
【0040】
図4に示すように、通行手形100を作製する際に、まず、ステップS1で、基材加工装置21を用いて木材の原材料(例えば、米ヒバ)を五角形の基材11に加工する。得られた基材11をアンダーコート塗布装置22へ搬送する。
【0041】
次に、ステップS2で、アンダーコート塗布装置22を用いて五角形の基材11の写真を印刷しようとする面にアンダーコートを塗布する。ここで、例えば刷毛、スポンジ刷毛、霧吹き器、スプレーガン等を用い、水溶性コート剤を塗布する。塗布後自然乾燥させ、または温風を利用して乾燥させる。アンダーコートが塗布された基材11aは、インクジェットプリンタ26へ搬送される。なお、ステップS2で、アンダーコート塗布装置22を使用しないで、手作業でアンダーコートを塗布するようにしてもよい。
【0042】
次に、ステップS3で、コンパクト型のデジタルカメラ23で利用者を被写体としてスナップ写真を撮影する。この場合、例えば観光地の通行手形の発行または提供場所において、利用者(観光者)の記念写真を撮影する。
【0043】
次に、ステップS4で、接続ケーブル24を介して写真データを画像データ処理装置25へ転送する。画像データの転送手段として、無線通信手段、または記憶媒体を用いてもよい。記憶媒体を用いた場合は、手動で写真が記憶された記憶媒体を画像データ処理装置25へ移動し、画像データを画像データ処理装置25に移す。
【0044】
次に、ステップS5で、画像データ処理装置25において、画像データの加工、図形あるいは文字13a,13bの画像情報の付加、合成処理を行う。ここで、写真のサイズ、形状、角度、フレーム選択等の調整を行うことも可能である。
【0045】
次に、ステップS6で、インクジェットプリンタ26を用いてステップS5で得られた画像データに基づいて写真13をアンダーコートの上に印刷する。印刷後の基材11bは、トップコート塗布装置27へ搬送される。
【0046】
そして、ステップS7で、トップコート塗布装置27を用いてトップコートを塗布する。なお、ステップS7で、トップコート塗布装置27を使用しないで、手作業でトップコートを塗布するようにしてもよい。トップコートを塗布した後、乾燥させて通行手形100の作製工程が完了する。
【0047】
なお、このステップS7を省略することもできる。この場合、基材11bを通行手形100の完成品として発行、提供することができ、擦れによる傷を発生する可能性があるが、通行手形100の仕上がりが早くなり、発行時間を短縮することができる。
【0048】
このように本実施の形態においては、通行手形100は、基材11と、アンダーコート12と、写真インク層13と、トップコート14とから構成され、この通行手形100を作製する際に、まず、木材を五角形の基材11に加工し、その表面に透明なアンダーコート12を塗布し、次に、通行手形100の発行または提供場所において利用者に関連する写真を撮影し、得られた写真の画像データを画像データ処理装置25へ転送し、画像データ処理装置25において画像データの加工、図形あるいは文字の画像情報の付加、合成処理を行い、そして、アンダーコート12の上にインクジェットプリンタ26を用いて画像データに基づいて画像を印刷した後、トップコート14を塗布する。
【0049】
これにより、特殊な印刷装置を必要とせず、観光地で撮影した記念写真をその場で通行手形に印刷して特定の場所を通行することを許可した証として発行されたり、観光の記念品として提供されたりすることができる。
【0050】
また、木製の基材11に透明なアンダーコート12を塗布することで、高画質の写真が得られることができると共に、基材の木目が見えるので木の風味が活かされ、今までの記念写真とは異なる効果を得ることができる。また、写真が印刷された部分以外の基材表面を保護することもできる。また、従来のようにプライマー層を塗布する工程が必要とせず、時間とコストがかかるという不都合を解消することできる。
【0051】
また、通行手形100の発行または提供場所において、利用者10を被写体としてデジタルカメラ23を用いてスナップ写真を撮影することで、観光場所等の特定の場所を通行するための手形として所定のサービスを利用する際に利用者本人を確認することができると共に、観光の思い出として長期保存できる。また、記念写真と通行手形を一体にすることで通行手形の収蔵価値を向上することもできる。
【0052】
また、印刷された画像の表面にトップコート14を塗布することで、印刷された写真の色落ち擦れによる傷の発生を保護することができ、通行手形を観光の思い出として長期に収蔵することができる。
【0053】
なお、上述実施の形態においては、通行手形100は木材の基材11を用いたものであるが、これに限定されるものではない。例えば、基材として合成樹脂、セラミック、金属、ゴムおよび皮革等を用いてもよい。
【0054】
また、上述実施の形態において、撮影工程(ステップS3)でコンパクト型のデジタルカメラ23(図3)を用いて写真撮影を行う例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、一眼レフデジタルカメラ、CCDカメラ、カメラ付き携帯電話等を用いて写真撮影を行うようにしてもよい。なお、画像データを読み込むスキャナを用いた場合にもこの発明を適用できる。なお、人物以外に風景、ペット等の写真を撮影してもよい。
【0055】
また、上述実施の形態において、アンダーコート12およびトップコート14は、基材11の印刷面の全面に塗布された例であるが、これに限定されるものではない。例えば、基材11の写真印刷部分のみにアンダーコート12およびトップコート14を塗布するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
この発明は、観光地において特定の場所を通行するための手形、通行券、入場券として発行されたり、観光の記念品として提供されたりする記念写真付きの通行手形を提供する目的に適用する。今まで紙ベースの記念写真を提供してきた観光写真業界の新しい形となる商品を提供する目的に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態の通行手形の構成例を示す斜視図である。
【図2】通行手形100のA−A断面を示す図である。
【図3】通行手形作製システムの構成例を示す図である。
【図4】通行手形100の作製方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10 利用者
11 基材
12 アンダーコート
13 写真インク層(写真)
14 トップコート
15 貫通穴
21 基材加工装置
22 アンダーコート塗布装置
23 デジタルカメラ
24 接続ケーブル
25 画像データ処理装置
26 インクジェットプリンタ
27 トップコート塗布装置
100 通行手形
200 通行手形作製システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の場所を通行することを許可した証として発行されたり、観光の記念品として提供されたりする通行手形の作製方法であって、
非紙材料を所定形状の基材に加工する基材加工工程と、
予め前記基材表面の局部または全部に、該基材の表面を保護する機能とインクを吸収、定着させる機能を有するアンダーコートを塗布するアンダーコート塗布工程と、
人物等に関連する写真を撮影する撮影工程と、
前記撮影工程で得られた写真の画像データを画像データ処理装置へ転送する画像データ転送工程と、
前記画像データ処理装置において、前記画像データの加工、図形あるいは文字の画像情報の付加、合成処理を行う画像データ処理工程と、
前記アンダーコートの上に、インクジェットプリンタを用いて前記画像データ処理工程で得られた画像データに基づいて画像を印刷する画像印刷工程と
を備えることを特徴とする通行手形作製方法。
【請求項2】
前記基材は、五角形に加工された木材であり、
前記アンダーコートは、所定の耐水性を有する水溶性コート剤を用いて形成された透明なアンダーコートであり、
前記水溶性コート剤は、定着剤と、バインダーと、水とを所定の割合で混合して形成され、前記定着剤の割合は35〜45%で、前記バインダーの割合は7〜17%であることを特徴とする請求項1に記載の通行手形作製方法。
【請求項3】
前記撮影工程では、前記通行手形の発行または提供場所において、該通行手形の利用者を被写体としてデジタルカメラを用いてスナップ写真を撮影することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通行手形作製方法。
【請求項4】
前記画像印刷工程で印刷された画像の表面にトップコートを塗布するトップコート塗布工程をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の通行手形作製方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の通行手形作製方法を用いて作製されたことを特徴とする通行手形。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−334970(P2006−334970A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−163778(P2005−163778)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(502366332)株式会社文教スタヂオ (2)
【Fターム(参考)】