説明

通電装置および通電方法

【課題】被通電体同士を直接接触させた場合の接触抵抗が大きい場合であっても、被通電体同士に流れる電流を増大させることが可能な通電装置および通電方法を提供する。
【解決手段】被通電体同士に通電するための通電装置100であって、吸着剤11と、押し付けることなく吸着剤11と直接接触させた状態における接触抵抗が、少なくとも吸着剤11自体の電気抵抗よりも大きな電極12と、吸着剤11と電極12とを互いに近づけるように押し付ける螺子16と、吸着剤11と電極12の間に介在しており、螺子16によって押し付けられた場合の変形度合いが吸着剤11および電極12のいずれの変形度合いよりも大きく、導電性を有する炭素繊維15と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通電装置および通電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被通電体同士を通じて電気を流そうとする場合に、被通電体の界面における接触抵抗が大きいために、十分な電流を流すことができないという問題がある。
【0003】
このような問題を解決する手法としては、例えば、特許文献1(特開2007−318132号公報)に記載されているように、被通電体の材料成分を調整したり、被通電体の表面をアニールして表面加工したりすることで、接触抵抗を低減させる手法が提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、被通電体の材料成分を変更したくない場合、材料成分の変更にコストがかかってしまう場合、または、表面をアニール処理することが困難な材料等があり、これらの方法による接触抵抗の低減化が望まれない場合がある。
【0005】
また、被通電体の表面に金属膜を蒸着させる方法、溶接させる方法、および、ハンダを用いる方法によって接触抵抗を低減させることが可能な場合もあるが、いずれも、被通電体の表面の性質によっては、接触抵抗を十分に低減できない場合がある。導電性の接着剤を用いる方法もあるが、コストが高くなってしまう。
【0006】
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、被通電体同士を直接接触させた場合の接触抵抗が大きい場合であっても、被通電体同士に流れる電流を増大させることが可能な通電装置および通電方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1観点に係る通電装置は、被通電体同士に通電するための通電装置であって、第1の被通電体、第2の被通電体、押し付け手段、および、介在部材を備えている。第2の被通電体は、押し付けることなく第1の被通電体と直接接触させた状態における接触抵抗が、少なくとも第1の被通電体自体の電気抵抗よりも大きい。押し付け手段は、第1の被通電体と第2の被通電体とを互いに近づけるように押し付ける。介在部材は、第1の被通電体と第2の被通電体との間に介在しており、押し付け手段によって押し付けられた場合の変形度合いが第1の被通電体および第2の被通電体のいずれの変形度合いよりも大きく、導電性を有している。
【0008】
なお、被通電体には、半導体および導体が含まれる。この被通電体の素材としては、例えば、アルミニウムやその合金、炭素繊維、および、炭化ケイ素や窒化チタン等の導電性セラミックス等が含まれる。また、この被通電体の形態としては、例えば、セラミックス成型体(例えば、ハニカム状セラミックス成型体等)、繊維によって布やフェルト状にされたもの(例えば、スチールウール等)、および、金属板等が含まれる。さらに、被通電体の用途としては、例えば、電極、および、吸着剤等が含まれる。
【0009】
本発明の第2観点に係る通電装置は、第1観点に係る通電装置において、第1の被通電体および第2の被通電体は、いずれも剛体である。
【0010】
本発明の第3観点に係る通電装置は、第1観点または第2観点に係る通電装置において、介在部材は、第1の被通電体および第2の被通電体のいずれに対しても接触している。
【0011】
本発明の第4観点に係る通電装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係る通電装置において、第2の被通電体は、第1の被通電体とは異なる材質である金属によって形成された電極である。
【0012】
本発明の第5観点に係る通電装置は、第4観点に係る通電装置において、押し付け手段は、電極を、第1の被通電体側とは反対側から第1の被通電体側に押し付けるための機構を有している。
【0013】
本発明の第6観点に係る通電装置は、第5観点に係る通電装置において、前記押し付け手段は、螺子の締め付け度合いを調節することにより電極と第1の被通電体側との押しつけ度合いを調節する。
【0014】
本発明の第7観点に係る通電装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係る通電装置において、第1の被通電体と第2の被通電体とは、同じ材質である。なお、第1の被通電体と第2の被通電体とは、同じ素材で、かつ、同じ形態であってもよい。
【0015】
本発明の第8観点に係る通電装置は、第1観点から第7観点のいずれかに係る通電装置において、第1の被通電体は、吸着剤である。
【0016】
本発明の第9観点に係る通電装置は、第8観点に係る通電装置において、第1の被通電体は、非金属の無機系導電性物質を主成分として含有している。
【0017】
本発明の第10観点に係る通電装置は、第8観点または第9観点のいずれかに係る通電装置において、介在部材は、第1の被通電体と同じ吸着対象を吸着可能な炭素繊維もしくは金属繊維である。
【0018】
本発明の第11観点に係る通電装置は、第8観点から第10観点のいずれかに係る通電装置において、第1の被通電体および第2の被通電体の両方に通電するための電力を供給する通電部をさらに備えている。第1の被通電体は、通電部によって通電されることで発熱し、吸着対象物を脱離する。
【0019】
本発明の第12観点に係る通電方法は、被通電体同士に通電するための通電方法であって、第1の被通電体と、押し付けることなく第1の被通電体と直接接触させた状態における接触抵抗が、少なくとも第1の被通電体自体の電気抵抗よりも大きな第2の被通電体と、第1の被通電体と第2の被通電体との間に導電性を有する介在部材を介在させた状態で、第1の被通電体と第2の被通電体とを互いに近づけるように押し付けた状態で通電させる。この介在部材は、押し付け手段によって押し付けられた場合の変形度合いが第1の被通電体および第2の被通電体のいずれの変形度合いよりも大きい。
【0020】
本発明の第13観点に係る通電方法は、第12観点に係る通電装置において、第1の被通電体および第2の被通電体は、いずれも剛体である。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る通電装置もしくは通電方法によると、被通電体同士を直接接触させた場合の接触抵抗が大きい場合であっても、被通電体同士に流れる電流を増大させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1の通電装置の概略構成図である。
【図2】吸着再生部の螺子による締め付け前の状態を示す概略構成図である。
【図3】吸着再生部の螺子による締め付け後の状態を示す概略構成図である。
【図4】本発明の実施例2の通電装置の概略構成図である。
【図5】本発明の実施例3の通電装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の通電装置は、第1の被通電体、第2の被通電体、介在部材、および、押し付け手段を備える。
【0024】
(1)第1の被通電体
本発明の第1の被通電体としては、特に、形状は限定されず、例えば、導電性のハニカム状セラミックス成型体等が含まれる。
【0025】
この第1の被通電体として剛体を用いる場合には、本発明の効果を顕著に得ることができる。このような第1の被通電体としては、例えば、金属よりも柔軟性に乏しく、靭性に乏しいもの等が挙げられる。
【0026】
また、第1の被通電体としては、例えば、粒状活性炭の成型体が望ましい。このような粒状活性炭は、ふるい粗さが330メッシュ以下の粒径を有するものが好ましい。
【0027】
また、第1の被通電体としては、活性炭の他に、チタン酸バリウム等が挙げられる。
【0028】
また、第1の被通電体として活性炭の成型体を用いると、有機溶剤(VOC)の吸着剤として使用できる点で好ましい。さらには、活性炭の成型体が通電加熱された際に、活性炭自らの電気抵抗によって発熱し、吸着していた有機溶剤を脱離するものが望ましい。このように通電加熱によって有機溶剤を脱離させる活性炭の成型体の成分は、炭素が多くなりすぎると電気抵抗が低すぎて発熱しにくいため、ゼオライトや骨材となるような砂のような素材を含有させた成型体とすることが好ましい。そして、吸着能を有する第1の被通電体としては、吸着量を増大させることができ、第1の被通電体の大型化を抑制できる観点から、後述する介在部材よりも単位体積当たりの質量が大きいものが好ましい。
【0029】
(ハニカム状吸着成型体)
上記第1の被通電体の例として、ハニカム状吸着成形体を挙げて説明する。
【0030】
ハニカム状吸着成型体は、主に、10〜80重量%の活性炭粉末、10〜80重量%の絶縁性吸着材粉末(例えば、ゼオライトや、シリカゲル、活性アルミナなどの粉末のいずれか一つ又はそれらの組合せ)、5〜30wt重量%のバインダー(コロイダルシリカや、コロイダルアルミナ、水ガラス、セピオライト、エポキシなどのいずれか一つ又はそれらの組合せ)を含有していることが好ましい。なお、ここでのバインダーとしては、コロイダルシリカや、コロイダルアルミナ、ガラスフリット、水ガラス、セピオライトなどの無機バインダーが好ましい。
【0031】
なお、活性炭粉末の配合量を絶縁性吸着材粉末の配合量よりも多目にして適度な導電性を確保した状態で抵抗値を調節するのが好ましい。
【0032】
このようなハニカム状吸着成型体は、周知の方法で得ることができるが、例えば、以下の方法で得ることもできる。すなわち、先ず、活性炭粉末と絶縁性吸着材粉末とを混合する。次に、その混合粉末にバインダー及び溶媒(例えば、水や有機溶剤など)を加え、混合粉末、バインダーおよび溶媒を混練して混練物を調製する。次いで、この混練物を金型に通してハニカム状に押出成型する。その後、このハニカム状成型体を乾燥させる。そして、乾燥後のハニカム状成型体を炉内で焼成処理すると目的のハニカム状吸着成型体を得ることができる。なお、焼成時の焼成温度は、550℃以下であり、好ましくは400℃以下である。
【0033】
(吸着発泡成型体)
上記第1の被通電体の他の例としては、上記ハニカム状吸着成型体と同様の成分である吸着発泡成型体であってもよい。
【0034】
この吸着発泡成型体は、周知の方法で得ることができるが、例えば、以下の方法で得ることもできる。すなわち、先ず、活性炭粉末と絶縁性吸着材粉末とを混合する。次に、その混合粉末にバインダー及び溶媒(例えば、水や有機溶剤など)を加え、混合粉末、バインダーおよび溶媒を混練して混練物を調製する。次いで、この混練物に発泡ポリスチレンなどのプラスチックビーズを混ぜ、発泡ビーズ含有混練物を調製する。そして、その発泡ビーズ含有混練物を所望の形状に成型した後、その成型体を乾燥させる。そして、乾燥後の成型体を炉内で焼成処理するか、その成型体から有機溶剤によりプラスチックビーズを抽出処理するかして目的の吸着発泡成型体を得ることができる。
【0035】
(2)第2の被通電体
第2の被通電体は、特に、形状は限定されないが、押し付けることなく第1の被通電体と接触させた状態での接触抵抗が、少なくとも第1の被通電体の電気抵抗よりも大きい性質を有するものである。また、第2の被通電体は、押し付けることなく第1の被通電体と接触させた状態での接触抵抗が、第2の被通電体自体の電気抵抗よりも大きい性質を有するものであってもよい。
【0036】
このため、第2の被通電体は、上記条件を満たせば、第1の被通電体と同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよく、いずれにしても、第1の被通電体と第2の被通電体の接触抵抗が、第1の被通電体の電気抵抗よりも大きい関係となるものであればよい。
【0037】
このような第2の被通電体としては、例えば、上述した第1の被通電体と同じものであってもよいし、金属もしくは合金から構成された板状部材の電極であってもよい。このような電極の材料としては、アルミニウムなどが挙げられる。
【0038】
なお、第1の被通電体も第2の被通電体もいずれも剛体である場合には特に接触抵抗が大きくなりがちであるため、本発明の接触抵抗の低減化の効果が良好になる。
【0039】
(3)介在部材
介在部材は、第1の被通電体と第2の被通電体との間に介在するように配置される導電性部材である。この介在部材は、第1の被通電体と第2の被通電体との間に介在した状態で、第1の被通電体と第2の被通電体とが互いに押し付けられた場合において、変形度合いが第1の被通電体および第2の被通電体のいずれの変形度合いよりも大きい柔軟性を有しているものである。このように変形度合いのより大きな介在部材を第1の被通電体と第2の被通電体との間に配置することで、第1の被通電体と介在部材との接触抵抗を低減しつつ、第2の被通電体と介在部材の接触抵抗も低減でき、これらの合計の接触抵抗を、第1の被通電体と第2の被通電体とを接触させた状態での接触抵抗よりも小さくすることができ、第1の被通電体および第2の被通電体のいずれについても通電を良好にすることができる。また、この場合、介在部材は第1の被通電体および第2の被通電体の両方の表面に接触して配置されていることが好ましく、第1の被通電体や第2の被通電体の全体に均一に通電されることが望ましい。
【0040】
このような介在部材の形状は特に限定されず、例えば、繊維状、フェルト状、テープ、箔、メッシュ状、ペーパー状、織物等の形態が含まれる。また、これらのものを複数枚重ねて介在部材を構成するようにしてもよい。
【0041】
このような介在部材の素材は、例えば、炭素繊維や金属繊維等が挙げられる。この繊維の一本当たりの太さは、ミクロンオーダーであることが好ましい。また、介在部材の材質としては、導電性が低下することを防止する観点から、表面に酸化皮膜等が形成されにくい素材であることが望ましい。
【0042】
なお、介在部材は、柔らかくて形が変形可能なものであればよく、上記以外にも、例えば、導電性テープ、アルミ箔、アルミメッシュ等の金属メッシュ等であってもよい。なお、介在部材としては、接触面積を増大させることができる観点から、展性の大きなものが好ましい。
【0043】
なお、少なくとも第1の被通電体の界面および第2の被通電体の界面には、上記柔軟性等を備える介在部材を配置する必要があるが、第1の被通電体の界面および第2の被通電体の界面以外の部分には、導電性がある材料であれば特に上記柔軟性を有していない材料を介在させてもよい。例えば、第1の被通電体の界面に接するように配置された介在部材と、第2の被通電体の界面に接するように配置された介在部材と、の間にさらに他の導電性部材を介在させてもよい。
【0044】
以上、第1の被通電体、第2の被通電体、および、介在部材の例を説明したが、本発明によると、これらの第1の被通電体、第2の被通電体、および、介在部材の表面形状によらず、被通電体同士に流れる電流の一定の増大効果を得ることができる。
【0045】
(4)押し付け手段
押し付け手段は、第1の被通電体と第2の被通電体とを互いに近づけるように押し付け、第1の被通電体と第2の被通電体との間に介在する介在部材を変形させる。
【0046】
このような押し付け手段としては、上記機能を有するものであれば特に限定されず、バネや自重によって押し付ける場合も含まれる。
【0047】
(実施例1)
上記第1の被通電体、第2の被通電体、介在部材、および、押し付け手段が採用された通電装置の例を図1〜3を用いて説明する。
【0048】
通電装置100は、吸着剤に有機溶剤等を吸着させつつ、吸着剤を通電加熱によって再生させることで繰り返し空気を清浄化させることができる装置である。この通電装置100は、本体ケーシング110、送風装置50、電源40、および、吸着再生部10を主として有している。
【0049】
本体ケーシング110には、図示しない吸込口と吹出口が設けられており、被処理空気を吸込口から取り込んで、清浄化させた後に吹出口から吹き出す。
【0050】
送風装置50は、上述した被処理空気を本体ケーシング110に導きつつ、送り出す空気流れを生じさせる。
【0051】
電源40は、吸着再生部10の再生処理の際に電力を供給することができ、リード線を介して吸着再生部10の電極15に接続されている。
【0052】
吸着再生部10は、通過する被処理空気に曝されるようにして、ケーシング110の内部に配置されている。この吸着再生部10は、第1の被通電体としての吸着剤11、第2の被通電体としての電極12、介在部材としての炭素繊維15、吸着用ケーシング18、および、螺子16を有している。
【0053】
吸着剤11は、吸着用ケーシング18内に配置され、概ね、活性炭40%、ゼオライト40%、無機バインダーを残部として形成されており、電気抵抗が110Ωであった。この吸着剤11は、電気抵抗の値が電極12との接触抵抗よりも小さい。
【0054】
電極12は、アルミニウムによって形成されており、吸着用ケーシング18内の吸着剤11の両端に配置されている。
【0055】
炭素繊維15は、吸着用ケーシング18内であって、吸着剤11と電極12との間にそれぞれ配置されている。
【0056】
螺子16は、図2、3に示すように、図示しない吸着用ケーシング18の螺子穴にねじ込まれており、ねじ込み度合いを調節することで内面18aと電極15との間の距離を調節することができる。これにより、炭素繊維15が厚さ方向に押しつぶされる程度を調節することができるため、吸着剤11を破壊することなく、吸着剤11と炭素繊維15の接触抵抗および炭素繊維15と電極12との接触抵抗を低減させることができる。なお、この螺子16は、直接吸着剤11を押し付けるのではなく、電極12や炭素繊維15を介しているため、螺子16の押し付け力が吸着剤11に局所的に作用して吸着剤11を破壊してしまうことを抑制できるようになっている。
【0057】
このような通電装置100において、吸着剤11に被処理空気の吸着成分を吸着させた後、電源40からの電力を電極12に供給することで吸着剤11に十分に電流を流すことができる。これにより、吸着剤11は、自己の電気抵抗によって発熱し、吸着していた吸着成分を脱離することができ、再生される。
【0058】
(実施例2)
実施例2の通電装置200は、図4に示すように、実施例1の炭素繊維15の中央近傍の一部を他の導電性部材15aによって置換した例である。他の構成については、実施例1と同様である。この実施例2では、例えば、炭素繊維15のコストを抑えたい場合や、炭素繊維よりも導電性の良い材質を採用する場合に特に有効である。
【0059】
(実施例3)
実施例3の通電装置300は、図5に示すように、吸着剤11を複数用いている。そして、吸着剤同士の間には、炭素繊維15が配置されている。他の構成については、実施例1と同様である。このような構成とすることで、接触抵抗を低減させつつ電極12の配置の自由度を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係る通電装置もしくは通電方法は、被通電体間での接触抵抗を低減させる場合に、特に有用である。
【符号の説明】
【0061】
11 吸着剤(第1の被通電体)
12 電極(第2の被通電体)
15 炭素繊維(介在部材)
16 螺子(押し付け手段)
100 通電装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特開2007−318132号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被通電体同士に通電するための通電装置であって、
第1の被通電体と、
押し付けることなく前記第1の被通電体と直接接触させた状態における接触抵抗が、少なくとも前記第1の被通電体自体の電気抵抗よりも大きな第2の被通電体と、
前記第1の被通電体と前記第2の被通電体とを互いに近づけるように押し付ける押し付け手段と、
前記第1の被通電体と前記第2の被通電体との間に介在しており、前記押し付け手段によって押し付けられた場合の変形度合いが前記第1の被通電体および前記第2の被通電体のいずれの変形度合いよりも大きく、導電性を有する介在部材と、
を備えた通電装置。
【請求項2】
前記第1の被通電体および前記第2の被通電体は、いずれも剛体である、
請求項1に記載の通電装置。
【請求項3】
前記介在部材は、前記第1の被通電体および前記第2の被通電体のいずれに対しても接触している、
請求項1または2に記載の通電装置。
【請求項4】
前記第2の被通電体は、前記第1の被通電体とは異なる材質である金属によって形成された電極である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の通電装置。
【請求項5】
前記押し付け手段は、前記電極を、前記第1の被通電体側とは反対側から前記第1の被通電体側に押し付けるための機構を有している、
請求項4に記載の通電装置。
【請求項6】
前記押し付け手段は、螺子の締め付け度合いを調節することにより前記電極と前記第1の被通電体側との押しつけ度合いを調節する、
請求項5に記載の通電装置。
【請求項7】
前記第1の被通電体と前記第2の被通電体とは、同じ材質である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の通電装置。
【請求項8】
前記第1の被通電体は、吸着剤である、
請求項1から7のいずれか1項に記載の通電装置。
【請求項9】
前記第1の被通電体は、非金属の無機系導電性物質を主成分として含有している、
請求項8に記載の通電装置。
【請求項10】
前記介在部材は、前記第1の被通電体と同じ吸着対象を吸着可能な炭素繊維もしくは金属繊維である、
請求項8または9に記載の通電装置。
【請求項11】
前記第1の被通電体および前記第2の被通電体の両方に通電するための電力を供給する通電部をさらに備え、
前記第1の被通電体は、前記通電部によって通電されることで発熱し、吸着対象物を脱離する、
請求項8から10のいずれか1項に記載の通電装置。
【請求項12】
被通電体同士に通電するための通電方法であって、
第1の被通電体と、押し付けることなく前記第1の被通電体と直接接触させた状態における接触抵抗が、少なくとも前記第1の被通電体自体の電気抵抗よりも大きな第2の被通電体と、の間に導電性を有する介在部材を介在させた状態で、前記第1の被通電体と前記第2の被通電体とを互いに近づけるように押し付けた状態で通電させ、
前記介在部材は、前記押し付け手段によって押し付けられた場合の変形度合いが前記第1の被通電体および前記第2の被通電体のいずれの変形度合いよりも大きい、
通電方法。
【請求項13】
前記第1の被通電体および前記第2の被通電体は、いずれも剛体である、
請求項12に記載の通電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−206749(P2011−206749A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79563(P2010−79563)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】