説明

造血前駆細胞を遺伝的に改変する方法及び改変された細胞の使用

【課題】ヒト患者への投与に適した組成物であって、薬学的に許容される担体と、組成物を投与すべきヒト患者のkg体重当り少なくとも1.63×106のCD34+造血細胞とを備え、少なくとも0.52×106のかかるCD34+造血細胞に抗HIV因子を発現するウイルス構築物が形質導入されている組成物を提供する。
【解決手段】遺伝子治療、特に造血前駆(HP)細胞に適用される遺伝子治療、形質導入細胞及びそれらを得る方法、並びにヒト患者中で改変造血細胞の長期の生着を与えるためにそれらを使用する方法に関する組成物及び方法。とりわけ、HIV感染を治療又は予防するためのHP細胞のエキソビボ遺伝子治療。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的に許容される担体と、組成物を投与すべきヒト患者のkg体重当り少なくとも1.63×10のCD34造血細胞とを備え、少なくとも0.52×10のかかるCD34造血細胞に抗HIV因子を発現するウイルス構築物が形質導入されている組成物。
【請求項2】
ヒト患者のkg体重当り少なくとも9.37×10のCD34造血細胞を備え、少なくとも5×10のかかるCD34造血細胞が形質導入されている、請求項1の組成物。
【請求項3】
前記抗HIV因子がRNAである、請求項1の組成物。
【請求項4】
前記抗HIV因子がRNAi分子である、請求項1の組成物。
【請求項5】
前記抗HIV因子がアンチセンス分子である、請求項1の組成物。
【請求項6】
前記抗HIV因子がリボザイムである、請求項1の組成物。
【請求項7】
前記抗HIV因子が、配列5’UUA GGA UCC UGA UGA GUC CGU GAG GAC GAA ACU GGC UCC−3’を有するヌクレオチドを備えるリボザイムである、請求項1の組成物。
【請求項8】
前記ウイルス構築物がレトロウイルス構築物である、請求項1の組成物。
【請求項9】
前記組成物にサイトカインが実質的に存在しない、請求項1の組成物。
【請求項10】
前記組成物にウイルスが実質的に存在しない、請求項1の組成物。
【請求項11】
前記患者中で前記形質導入されたCD34細胞が生着することができ、且つ子孫細胞を少なくとも12ヶ月間生み出すことができる、請求項1の組成物。
【請求項12】
薬学的に許容される担体と、組成物を投与すべき患者のkg体重当り少なくとも1.63×10のCD34造血細胞とを備え、少なくとも0.52×10のかかるCD34造血細胞に抗HIV因子を発現するウイルス構築物が形質導入されている組成物であって、
(a)前記患者からCD34造血細胞を単離する工程と、
(b)少なくとも1つのサイトカインとともに前記CD34造血細胞を培養する工程と、
(c)前記細胞と前記ウイルス構築物の同所局在を増大させる因子の存在下で、前記CD34造血細胞に前記抗HIV因子を発現するウイルス構築物を形質導入する工程と、
(d)前記CD34造血細胞を洗浄する工程と、
(e)前記CD34造血細胞を薬学的に許容される担体と混合することによって、前記組成物を取得する工程と、を備えた方法によって製造される組成物。
【請求項13】
工程(b)の培養が少なくとも2つのサイトカインの存在下で行われる、請求項12の組成物。
【請求項14】
工程(b)の培養が2つのサイトカインの存在下で行われる、請求項12の組成物。
【請求項15】
工程(c)における前記細胞の形質導入が組換えフィブロネクチン断片の存在下で行われる、請求項12の組成物。
【請求項16】
薬学的に許容される担体と、組成物を投与すべきヒト患者のkg体重当り少なくとも1.63×10のCD34造血細胞とを備え、少なくとも0.52×10のかかるCD34造血細胞が形質転換前にCD34細胞中に存在しない目的の遺伝子で形質転換されている組成物。
【請求項17】
ヒト患者のkg体重当り少なくとも9×10のCD34造血細胞を備え、少なくとも5×10のCD34造血細胞が形質導入されている、請求項16の組成物。
【請求項18】
前記目的の遺伝子がRNA因子を発現する、請求項16の組成物。
【請求項19】
前記患者が成人である、請求項16の組成物。
【請求項20】
薬学的に許容される担体と、組成物を投与すべきヒト患者のkg体重当り少なくとも1.63×10のCD34造血細胞とを備え、少なくとも0.52×10のかかるCD34造血細胞が形質転換前にCD34細胞中に存在しない目的の遺伝子で形質転換されている組成物であって、
(a)前記患者からCD34造血細胞を単離する工程と、
(b)少なくとも1つのサイトカインとともに前記CD34造血細胞を培養する工程と、
(c)前記細胞とベクターの同所局在を増大させる因子の存在下で、目的の遺伝子をコードするベクターによって前記CD34造血細胞を形質転換する工程と、
(d)前記CD34造血細胞を洗浄する工程と、
(e)前記CD34造血細胞を薬学的に許容される担体と混合することによって、前記組成物を取得する工程と、を備えた方法によって製造される組成物。
【請求項21】
ヒト患者の造血細胞中に目的の遺伝子を挿入する方法であって、
a)前記ヒト患者の血液中にCD34造血前駆細胞を動員することと、
b)血漿交換によって前記患者の血液から白血球を単離することと、
c)免疫選択的な方法によって前記単離された白血球からCD34造血細胞を単離することと、
d)前記細胞を形質導入ベクターと同所局在させる因子の存在下で、工程c)の前記CD34造血細胞を目的の遺伝子による形質転換工程に供することと、
e)工程d)後のCD34造血細胞の総数を測定することと、総数がヒト患者のkg体重当り少なくとも1.63×10細胞であれば、次いで、工程f)に進み、工程d)後のCD34造血細胞の総数がヒト患者のkg体重当り1.63×10細胞未満であれば、少なくとも工程b)−d)を実施し、CD34造血細胞を合流させることと、
f)前記CD34造血細胞を前記患者に送達することによって、前記ヒト患者の前記造血細胞中に目的の遺伝子を挿入することと、
を備えた方法。
【請求項22】
前記細胞を形質転換ベクターと同所存在させる前記因子がフィブロネクチンの断片である、請求項21の方法。
【請求項23】
骨髄切除せずに工程f)を行う、請求項21の方法。
【請求項24】
前記患者中に造血前駆細胞を動員する工程が、前記造血前駆細胞を動員するのに十分な量のサイトカインを前記患者に投与することによって行われる、請求項21の方法。
【請求項25】
前記患者の血液から白血球を単離する工程で、血漿交換が少なくとも2回行われる、請求項21の方法。
【請求項26】
目的の遺伝子による形質導入工程に前記CD34造血細胞を供する工程が、組換えフィブロネクチン断片の存在下で行われる、請求項21の方法。
【請求項27】
少なくとも2つのサイトカインの存在下で、工程c)の単離されたCD34造血細胞を培養する工程をさらに備える、請求項21の方法。
【請求項28】
前記ヒト患者が成人のヒト患者である、請求項21の方法。
【請求項29】
前記目的の遺伝子が抗HIV因子をコードする、請求項21の方法。
【請求項30】
前記抗HIV因子がRNAである、請求項29の方法。
【請求項31】
前記抗HIV因子がアンチセンス分子である、請求項29の方法。
【請求項32】
前記抗HIV因子がリボザイムである、請求項29の方法。
【請求項33】
前記抗HIV因子が、配列5’−UUA GGA UCC UGA UGA GUC CGU GAG GAC GAA ACU GGC UCC−3’を有するヌクレオチドを備えるリボザイムである、請求項32の方法。
【請求項34】
工程e)において、工程d)後のCD34造血細胞の総数がヒト患者のkg体重当り1.63×10細胞未満であれば、工程d)で得たCD34造血細胞を低温で保存し、工程a)−d)を繰り返し、低温で保存した任意の細胞と工程d)で得た前記細胞とを合流させる工程をさらに包含する、請求項21の方法。
【請求項35】
ヒト患者の造血細胞中に目的の遺伝子を挿入する方法であって、
a)前記患者の血液中にCD34造血前駆細胞を動員することと、
b)血漿交換によって前記患者の血液から白血球を単離することと、
c)免疫選択的な方法によって前記単離された白血球からCD34造血細胞を単離することと、
d)工程c)後のCD34造血細胞の総数を測定することと、総数がヒト患者のkg体重当り少なくとも1.63×10細胞であれば、次いで、工程e)に進み、工程c)後のCD34造血細胞の総数がヒト患者のkg体重当り1.63×10細胞未満であれば、工程b)−c)を実施して、前記CD34造血細胞と合流させることと、
e)前記細胞を形質導入ベクターと同所に局在させる因子の存在下で、工程c)の前記CD34造血細胞を目的の遺伝子による形質転換工程に供することと、
f)前記CD34造血細胞を前記患者に送達することによって、前記ヒト患者の造血細胞中に目的の遺伝子を挿入することと、
を備えた方法。
【請求項36】
前記細胞を形質転換ベクターと同所に局在させる前記因子がフィブロネクチンの断片である、請求項35の方法。
【請求項37】
配列5’−UUA GGA UCC UGA UGA GUC CGU GAG GAC GAA ACU GGC UCC−3’を有するヌクレオチドを備えたリボザイムを発現する遺伝子をヒト患者の造血細胞中に挿入する方法であって、
a)前記造血前駆細胞を動員するのに十分な量のサイトカインを前記患者に投与することによって、前記患者の血液中にCD34造血前駆細胞を動員することと、
b)血漿交換を少なくとも2回行うことによって前記患者の血液から白血球を単離することと、
c)免疫選択的な方法によって前記単離された白血球からCD34造血細胞を単離することと、
d)サイトカインの存在下において、培地中で、工程c)の単離されたCD34造血細胞を約1日間培養することと、
e)組換えフィブロネクチン断片の存在下で、前記細胞中に配列5’−UUA GGA UCC UGA UGA GUC CGU GAG GAC GAA ACU GGC UCC−3’を有するヌクレオチドを備えるリボザイムを生じさせるベクターを備えたレトロウイルスによる形質導入工程に、工程d)のCD34造血前駆細胞を供することと、
f)工程e)後のCD34造血細胞の総数を測定することと、総数がヒト患者のkg体重当り少なくとも1.63×10細胞であれば、次いで、工程g)に進み、工程e)後のCD34造血細胞の総数がヒト患者のkg体重当り1.63×10細胞未満であれば、工程b)−e)を実施して、CD34造血細胞を合流させることと、
g)骨髄切除せずに、前記CD34造血細胞を前記患者に送達することにより、前記リボザイムを発現する遺伝子を前記ヒト患者の造血細胞中に挿入することと、
を備えた方法。
【請求項38】
請求項1の組成物を調製する方法であって、
a)前記患者の血液中にCD34造血前駆細胞を動員することと、
b)血漿交換によって前記患者の血液から白血球を単離することと、
c)免疫選択的な方法によって前記単離された白血球からCD34造血細胞を単離することと、
d)前記細胞を形質導入ベクターと同所に局在させる因子の存在下で、工程c)の前記CD34造血細胞を目的の遺伝子による形質転換工程に供することと、
e)工程d)後のCD34造血細胞の総数を測定することと、工程d)後のCD34造血細胞の総数がヒト患者のkg体重当り1.63×10細胞未満であれば、工程b)−d)を再度実施して、CD34造血細胞を合流させることと、
を備えた方法。
【請求項39】
薬学的に許容される担体と、組成物を投与すべきヒト患者のkg体重当り少なくとも1.63×10のCD34造血細胞とを備え、kg当り少なくとも0.52×10のかかるCD34細胞に抗HIV因子を発現するウイルス構築物が形質導入されている組成物の使用であって、HIVに感染したヒト患者を治療するための医薬を製造するための使用。
【請求項40】
請求項35の方法を実施する際に使用するための要素を備えたキット。
【請求項41】
a)ヒト患者中に造血前駆細胞を動員することができる量の因子と、
b)CD34造血細胞を培養するのに適合した少なくとも1つのサイトカインを含む培地と、
c)細胞中に配列5’−UUA GGA UCC UGA UGA GUC CGU GAG GAC GAA ACU GGC UCC−3’を有するリボザイムを生じさせる配列を有するヌクレオチドを備えたレトロウイルスベクターと、
d)内部が組換えフィブロネクチン断片で被覆された組織培養容器と、
を備えたキット。
【請求項42】
請求項41のキットと該キットを使用するための使用書とを備えたパッケージ。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図7E】
image rotate

【図7F】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図9D】
image rotate

【図9E】
image rotate

【図9F】
image rotate

【図9G】
image rotate

【図9H】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2010−77125(P2010−77125A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−211662(P2009−211662)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【分割の表示】特願2003−512448(P2003−512448)の分割
【原出願日】平成14年7月10日(2002.7.10)
【出願人】(301001904)ジョンソン・アンド・ジョンソン・リサーチ・プロプライエタリー・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON & JOHNSON RESEARCH PTY LIMITED 
【Fターム(参考)】