説明

連携制御システム

【課題】独立して運転する第1及び第2制御システムが存在する場合に、簡便な手法により相互に連携して効率的な運転を実現することができる連携制御システムを提供する。
【解決手段】第1制御システムと、エネルギー効率の高い第2制御システムから構成され、第2制御システムに含まれる何れかの第2制御対象機器は、その運転により第1制御システムに含まれる特定の第1制御対象機器に対して影響を与える関係にあり、この第1制御対象機器と前記第2制御対象機器は、互いに対してのみ情報を伝達可能な情報伝達手段を有し、前記第1制御対象機器は、異常状態が発生した場合、当該異常状態を解消するために必要な前記第2制御対象機器の制御状態の変更指示情報を、情報伝達手段により前記第2制御対象機器に伝達すると共に、この第2制御対象機器は、変更指示情報を受け取った場合、当該変更指示情報に基づいて自らの制御状態を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗に設置されて相互に独立して運転されるショーケースシステム(第1制御システム)と空調機システム(第2制御システム)等の複数の制御システムを連携して制御する連携制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗には、複数台のショーケース(第1制御対象機器)や空気調和機の室内機(第2制御対象機器)が設置されている。各ショーケースには、店外に設置されて各ショーケースと共にショーケースシステムを構成する冷凍機から冷媒が分配供給される。そして、各ショーケースの庫内温度の制御は膨張弁を制御することによって行われるが、冷凍機の圧縮機は係るショーケースシステム(第1制御システム)の冷却系統(冷媒回路)の低圧設定値に基づいて制御される。即ち、コントローラは圧縮機の能力を調整することで吸入圧力を低圧設定値に制御する。
【0003】
この場合、低圧設定値を高くすれば圧縮機の能力は低く抑えられるため、消費電力を削減することができる。そこで、コントローラはショーケースの庫内が良好に冷却されている状況では、この低圧設定値を上げる省エネ制御を実行する。また、ショーケースが冷却不足の状態に陥った場合には低圧設定値を下げるものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、特にオープンショーケースの場合には、空気調和機(第2制御システムとしての空調機システム)の室内機からの冷房が庫内冷却に影響する。また、空気調和機はショーケースより熱エネルギー効率が高いので、ショーケースの庫内が冷却不足に陥った場合に、圧縮機の低圧設定値を下げてショーケースの冷却能力を増大させるよりも、空気調和機の冷房能力を増大させてショーケースの熱負荷を低減させた方が、効率的にショーケースの庫内温度を下げることができるので、店舗全体での省エネ効果があることも分かっている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−10232号公報
【特許文献2】特開2006−23069号公報
【特許文献3】特開2009−174734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、前述の如き低圧設定値による省エネ制御では、一部のショーケース(第1制御対象機器)が冷却不足の状態(異常状態)に陥った場合も低圧設定値を下げることになるが、それではショーケースの冷却系統全体の冷却能力が上昇してしまうため、省エネ制御運転を継続できなくなる。
【0007】
そこで、前記特許文献1では膨張弁(電磁膨張弁)の開閉状態を確認し、膨張弁が閉じた事実があれば実際には庫内は冷えており、何らかの要因(一時的な外乱を温度センサが検出した等)によって冷却不足と誤判断されたものと判定するようにしているが、顧客や照明、商品の納出等で実際に一部のショーケースに冷却不足が発生した場合には、結局低圧設定値が下げられてショーケースの冷却系統全体の冷却能力を上げてしまうことになるため、やはり省エネ制御運転を継続できなくなる問題があった。
【0008】
そこで、空気調和機を用いてショーケースの庫内冷却を補助しようとすると、そのためにはショーケースと空気調和機の室内機との位置関係が重要となり、それらの位置情報(店舗レイアウト)であるグルーピング情報を初期設定する必要がある。前記特許文献3ではこれらショーケースや室内機の位置情報を、店舗のユーザが手作業で店舗全体を制御する統合コントローラに設定したり、各機器にGPS受信機を搭載して信号を検索する、或いは、床にRFIDタグを複数配置して検出する等の手法で設定していたため、煩雑化や著しいコストの高騰を招いていた。
【0009】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、独立して運転する第1及び第2制御システムが存在する場合に、簡便な手法により相互に連携して効率的な運転を実現することができる連携制御システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために請求項1の発明の連携制御システムは、相互に独立して運転する第1制御システムと、この第1制御システムよりもエネルギー効率の高い第2制御システムから構成され、この第2制御システムに含まれる何れかの第2制御対象機器は、その運転により第1制御システムに含まれる特定の第1制御対象機器に対して影響を与える関係にあり、この第1制御対象機器と前記第2制御対象機器は、互いに対してのみ情報を伝達可能な情報伝達手段を有し、前記第1制御対象機器は、異常状態が発生した場合、当該異常状態を解消するために必要な前記第2制御対象機器の制御状態の変更指示情報を、情報伝達手段により前記第2制御対象機器に伝達すると共に、この第2制御対象機器は、変更指示情報を受け取った場合、当該変更指示情報に基づいて自らの制御状態を変更することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明の連携制御システムは、店舗において相互に独立して運転するショーケースシステム及び空調機システムから構成され、この空調機システムに含まれる何れかの室内機は、その運転によりショーケースシステムに含まれる特定のショーケースに対して冷却影響を与える位置関係にあり、このショーケースと前記室内機は、互いに対してのみ情報を伝達可能な情報伝達手段を有し、前記ショーケースは、庫内の冷却状態が悪化した場合、前記室内機の冷房能力を増大させる変更指示情報を、情報伝達手段により前記室内機に伝達すると共に、この室内機は、変更指示情報を受け取った場合、当該変更指示情報に基づいてショーケースに与える自らの冷房能力を増大させることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明の連携制御システムは、上記発明において前記ショーケースが、庫内の冷却状態及び/又はケースや商品の種類に応じて、自らに与えられる前記室内機の冷房能力の増大度合いを変更することを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明の連携制御システムは、請求項2又は請求項3の発明において前記ショーケースは、店舗の繁忙時間帯には前記室内機の冷房能力を増大させる変更指示情報を伝達しないことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明の連携制御システムは、店舗に設置されたショーケースシステム及び店舗照明システムから構成され、この店舗照明システムに含まれる何れかの店舗照明は、その照明によりショーケースシステムに含まれる特定のショーケースを照らす位置関係にあり、このショーケースと前記店舗照明は、互いに対してのみ情報を伝達可能な情報伝達手段を有し、前記ショーケースは、庫内の冷却状態が悪化した場合、照明による熱負荷を低減するために自らの庫内照明の照度を低下させ、前記店舗照明の照度を増大させる変更指示情報を、情報伝達手段により前記店舗照明に伝達すると共に、この店舗照明は、変更指示情報を受け取った場合、当該変更指示情報に基づいて照度を増大させることを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明の連携制御システムは、請求項2乃至請求項5の発明におけるショーケースがオープンショーケースであることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明の連携制御システムは、上記各発明において情報伝達手段は、光通信により情報を伝達することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明の連携制御システムによれば、相互に独立して運転する第1制御システムと、該第1制御システムよりもエネルギー効率の高い第2制御システムから構成され、第2制御システムに含まれる何れかの第2制御対象機器は、その運転により第1制御システムに含まれる特定の第1制御対象機器に対して影響を与える関係にあり、この第1制御対象機器と前記第2制御対象機器は、互いに対してのみ情報を伝達可能な情報伝達手段を有し、前記第1制御対象機器は、異常状態が発生した場合、当該異常状態を解消するために必要な前記第2制御対象機器の制御状態の変更指示情報を、情報伝達手段により前記第2制御対象機器に伝達すると共に、この第2制御対象機器は、変更指示情報を受け取った場合、当該変更指示情報に基づいて自らの制御状態を変更するので、第1制御対象機器において発生した異常状態を第2制御対象機器により効率よく解消し、或いは、異常状態を緩和することが可能となる。
【0018】
この場合、第1制御対象機器は第2制御対象機器に対して請求項6の発明の光通信のような情報伝達手段により直接情報を伝達することができるので、連携制御システムに各制御対象機器の設置位置情報を制御情報として設定する必要が無くなり、設置位置情報を設定するために必要な作業の簡素化とコストの削減を図ることができるようになる。
【0019】
請求項2の発明の連携制御システムによれば、店舗において相互に独立して運転するショーケースシステム及び空調機システムから構成され、この空調機システムに含まれる何れかの室内機は、その運転によりショーケースシステムに含まれる特定のショーケースに対して冷却影響を与える位置関係にあり、このショーケースと前記室内機は、互いに対してのみ情報を伝達可能な情報伝達手段を有し、前記ショーケースは、庫内の冷却状態が悪化した場合、前記室内機の冷房能力を増大させる変更指示情報を、情報伝達手段により前記室内機に伝達すると共に、この室内機は、変更指示情報を受け取った場合、当該変更指示情報に基づいてショーケースに与える自らの冷房能力を増大させるので、庫内冷却状態が悪化したショーケースの熱負荷を室内機により局所的に低減することができるようになる。これにより、ショーケースシステムに含まれる特定のショーケースの庫内冷却状態を、エネルギー効率の高い空調機システムに含まれる室内機からの冷房により効率よく改善し、或いは、悪化を緩和することが可能となる。
【0020】
この場合、ショーケースは室内機に対して請求項6の発明の光通信のような情報伝達手段により直接情報を伝達することができるので、連携制御システムに各ショーケースや室内機の設置位置情報を制御情報として設定する必要が無くなり、設置位置情報を設定するために必要な作業の簡素化とGPSやRFICタグ等の機器コストの削減を図ることができるようになる。これは特に請求項6の発明のようなオープンショーケースにおいて有効である。
【0021】
請求項3の発明の連携制御システムによれば、上記発明に加えて前記ショーケースは、庫内の冷却状態、ならびにケースや商品の種類に応じて、自らに与えられる前記室内機の冷房能力の増大度合いを変更するので、室内機からの冷房により、一層効果的にショーケースの庫内冷却状態の改善を図ることが可能となる。
【0022】
請求項4の発明の連携制御システムによれば、請求項2又は請求項3の発明において前記ショーケースは、店舗の繁忙時間帯には前記室内機の冷房能力を増大させる変更指示情報を伝達しないので、局所的な冷房を行うことによって顧客に不快感を与える不都合を回避することが可能となる。
【0023】
請求項5の発明の連携制御システムによれば、店舗に設置されたショーケースシステム及び店舗照明システムから構成され、この店舗照明システムに含まれる何れかの店舗照明は、その照明によりショーケースシステムに含まれる特定のショーケースを照らす位置関係にあり、このショーケースと前記店舗照明は、互いに対してのみ情報を伝達可能な情報伝達手段を有し、前記ショーケースは、庫内の冷却状態が悪化した場合、照明による熱負荷を低減するために自らの庫内照明の照度を低下させ、前記店舗照明の照度を増大させる変更指示情報を、情報伝達手段により前記店舗照明に伝達すると共に、この店舗照明は、変更指示情報を受け取った場合、当該変更指示情報に基づいて照度を増大させるので、ショーケースシステムのショーケースの庫内冷却状態が悪化し、その改善のために自らの庫内照明の照度を低下させた場合には、当該ショーケースを照らす、庫内照明よりエネルギー効率の高い店舗照明の照度を局所的に増大させて、ショーケースの庫内及びその周囲における明るさの低下を効率よく改善し、或いは、緩和することが可能となる。
【0024】
この場合、ショーケースは店舗照明に対して請求項7の発明の光通信のような情報伝達手段により直接情報を伝達することができるので、連携制御システムに各ショーケースや店舗照明の設置位置情報を制御情報として設定する必要が無くなり、設置位置情報を設定するために必要な作業の簡素化とGPSやRFICタグ等の機器コストの削減を図ることができるようになる。尚、この場合の光通信は、照明等に情報伝達が阻害されないように波長等の異なる光源を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を適用した一実施例の連携制御システムの構成図である。
【図2】図1の連携制御システムのショーケースと室内機の位置関係を示す図である。
【図3】図1の連携制御システムの機能ブロック図である。
【図4】図3のショーケースシステムコントローラの動作を説明するフローチャートである。
【図5】図3の空調機システムコントローラの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。実施例の連携制御システム1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗の店内に複数台設置されたショーケース2A、2B(第1制御対象機器)を含むショーケースシステム3(第1制御システム)と、店舗の天井等に取り付けられた複数の室内機4A、4B(第2制御対象機器)を含む空調機システム6(第2制御システム)とから構成される。また、ショーケースシステム3と空調機システム6とは独立した冷媒回路を備え、相互に独立して運転されるものである。
【0027】
前記ショーケースシステム3は、店内に所定のレイアウトで設置された複数台の前記ショーケース2A、2B(実際には更に多数有り)と、これらショーケース2A、2Bに冷媒を分配供給するために店外に設置された冷凍機7とから構成されている。各ショーケース2A、2Bには蒸発器8と膨張弁(電動膨張弁)9等がそれぞれ設けられ、冷凍機7には相互に並列接続された二台の圧縮機11、11と凝縮器12、凝縮器用ファン13等が設けられている。そして、各ショーケース2A、2Bの膨張弁9及び蒸発器8の直列回路は、相互に並列接続され、冷媒配管14により冷凍機7の圧縮機11、11、凝縮器12と接続されて周知の冷媒回路を構成する。
【0028】
ショーケースシステム3の冷媒回路にはアンモニアやフルオロカーボンガス等の冷媒が封入される。そして、冷凍機7の圧縮機11、11が運転されると、各圧縮機11、11にて圧縮された高温高圧のガス冷媒は凝縮器12に流入し、凝縮器用ファン13により空冷(水冷でも良い)されて液化する。凝縮した液冷媒は各ショーケース2A、2Bの膨張弁9で減圧された後、各蒸発器8に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で蒸発器8は温度が低下する。この蒸発器8と熱交換した冷気は図示しない冷却循環用ファンにより庫内に循環され、各ショーケース2A、2Bの庫内は冷却される。そして、ショーケース2A、2Bの各蒸発器8で蒸発したガス冷媒は再び冷凍機7の圧縮機11、11に吸い込まれる循環を繰り返す。
【0029】
各ショーケース2A、2Bにはマイクロコンピュータから構成された端末コントローラとしてのショーケースコントローラ(第1制御対象機器コントローラ)16が搭載されている。また、各ショーケース2A、2Bには庫内温度を検出する庫内温度センサ17と、上部に取り付けられた光通信機(情報伝達手段)18の発光素子18Aと、図示しない庫内照明や前記冷気循環用ファン等が設けられており、それらはショーケースコントローラ16に接続されて情報の授受や運転制御が成される。
【0030】
冷凍機7にはマイクロコンピュータから構成された端末コントローラとしての冷凍機コントローラ21が搭載されている。また、圧縮機11、11の吐出側と吸入側の冷媒配管14には吐出圧力センサ22と吸入圧力センサ23が取り付けられており、圧縮機11、11、凝縮器用ファン13と共に冷凍機コントローラ21に接続されて情報の授受や運転制御が成される。
【0031】
これらショーケースコントローラ16、16及び冷凍機コントローラ21は有線或いは無線通信によりショーケースシステムコントローラ26に接続されて情報の授受を行う。このショーケースシステムコントローラ(実施例では、これも第1制御対象機器コントローラを構成する)26はマイクロコンピュータにて構成され、ショーケースシステム3全体の制御を統合管理するもので、各ショーケース2A、2Bや冷凍機7の運転制御を行うための各種制御情報(庫内の設定温度や低圧設定値等)を設定可能とされ、これら制御情報はショーケースシステムコントローラ26から各ショーケースコントローラ16、16や冷凍機コントローラ21に配信される。ショーケースコントローラ16及び冷凍機コントローラ21はショーケースシステムコントローラ26から受信した制御情報に基づいて各機器の制御を行う。
【0032】
また、各ショーケースコントローラ16、16及び冷凍機コントローラ21からは運転状態に関する情報等がショーケースシステムコントローラ26に送信され、これによりショーケースシステムコントローラ26はショーケースシステム3全体を統合管理する。
【0033】
具体的には、冷凍機コントローラ21はショーケースシステムコントローラ26から送信された制御情報と吸入圧力センサ23が検出する圧縮機11、11の吸入圧力に基づき、吸入圧力が所定の低圧設定値となるように圧縮機11、11の運転を制御して圧縮能力を調整する。また、吐出圧力センサ22が検出する圧縮機11、11の吐出圧力に基づいて凝縮器用ファン13の運転を制御し、高温冷媒の冷却を行う。
【0034】
ショーケースコントローラ16は庫内温度センサ17が検出する庫内温度に基づき、設定温度となるように膨張弁9の開度を適正に調整し、蒸発器8に流入する冷媒量を制御する。また、ショーケースシステムコントローラ26はユーザによる「省エネ制御」のオン操作に基づいてショーケースシステム3の省エネ制御を実行する。この省エネ制御は、各ショーケース2A、2Bの庫内温度が十分に冷えている状態、即ち、庫内の冷却状態が良好な場合には、低圧設定値を上げることである。低圧設定値を上げれば、冷凍機7の圧縮機11、11の圧縮能力が低減されるので、過剰な運転が抑制され、消費電力も抑制されることになる。
【0035】
一方、空調機システム6は複数台の前記室内機4A、4Bと室外機27とから構成され、各室内機4A、4Bに設けられた図示しない利用側熱交換器は室外機27に設けられた図示しない熱源側熱交換器と周知の冷媒回路を構成する。各室内機4A、4Bには図示しない送風機と吹出口30からの風向調整用のフラップ28(図2)、前記光通信機(情報伝達手段)18の受光素子18B等が設けられている。また、室内機4Aにはマイクロコンピュータから構成される室内機コントローラ(第2制御対象機器コントローラ)29が搭載され、前記送風機やフラップ28、受光素子18Bはこの室内機コントローラ29に接続されている。
【0036】
また、室外機27には室外機コントローラ31が搭載されており、この室外機コントローラ31及び各室内機コントローラ29、29は有線或いは無線通信により空調機システムコントローラ32に接続されて情報の授受を行う。この空調機システムコントローラ(実施例では、これも第2制御対象機器コントローラを構成する)32はマイクロコンピュータにて構成され、空調機システム6全体の制御を統合管理するもので、各室内機4A、4Bや室外機27の運転制御を行うための各種制御情報(空調設定温度等)を設定可能とされ、これら制御情報は空調機システムコントローラ32から各室内機コントローラ29、29や室外機コントローラ31に配信される。室内機コントローラ29及び室外機コントローラ31は空調機システムコントローラ32から受信した制御情報に基づいて各機器の制御を行う。
【0037】
また、各室内機コントローラ29、29及び室外機コントローラ31からは運転状態に関する情報等が空調機システムコントローラ32に送信され、これにより空調機システムコントローラ32は空調機システム6全体を統合管理する。
【0038】
具体的には、空調機システムコントローラ32は各室内機コントローラ29からの空調能力要求に応じて室外機コントローラ31に制御情報を送信し、室外機コントローラ31は空調機システムコントローラ32から送信された制御情報に応じて室外機27に設けられた圧縮機の運転を制御する。各室内機コントローラ29、29は空調機システムコントローラ32から送信された空調設定温度と吸込空気温度(図示しない吸込空気温度センサが検出する室内温度)に基づき、店舗内からの吸込空気温度が空調設定温度となるように前記送風機の風量やフラップ28を制御する。
【0039】
一方、前記光通信機18は照明等に情報伝達が阻害されないように波長等の異なる光源、例えば、指向性の高いLEDやレーザーを用い、発光素子18A、18Bとの間で1対1の通信を確立するものである。ここで、図2に示すように或る室内機4Aは、その下方近傍の店内に設置された特定のショーケース2A及び2Bに冷却影響を与える関係にある。そこで、各ショーケース2A、2Bの上部にそれぞれ取り付けられた各発光素子18Aは、冷却影響を与える位置関係にある室内機4Aの受光素子18B、18B(実施例では二個取り付けられている)に指向するように予め取り付ける。これにより、ショーケース2A、2Bの発光素子18Aは室内機4Aの受光素子18B、18Bとのみ光通信で情報の伝達を行えるように構成されている。
【0040】
尚、本発明における情報伝達手段としてはそれに限らず、短距離無線通信等も考えられる。但し、その場合には通信相手を特定するためにIDやアドレスを用いてフィルタリングを行う必要がある。
【0041】
また、前記空調機システムコントローラ32はショーケースシステムコントローラ26とも情報の授受を行い、連携制御が可能とされ、それにより店舗全体でも統合制御を可能とされている。また、係る実施例に限らず、これら各コントローラ26、32を単一の統合コントローラとして店舗全体を当該統合コントローラで制御するようにしても良い。
【0042】
次に、図3は係るショーケースシステムコントローラ26と空調機システムコントローラ32の機能ブロック図を示している。尚、この図においては説明を簡略化するためにショーケースコントローラ16と室内機コントローラ29の光通信制御部38、44をショーケースシステムコントローラ26と空調機システムコントローラ32に含めて示している。
【0043】
ショーケースシステムコントローラ26は主制御部33、記憶部34、外部入出力I/F部36、省エネ制御部37を有する。また、空調機システムコントローラ32は主制御部39、記憶部41、外部入出力I/F部42、機器制御部43を有する。主制御部33、39は各コントローラ16、21、29、31との通信や記憶部34、41、外部入出力I/F部36、42等の周辺機器とのデータのやり取りや各種制御プログラムの実行等、コントローラ26、32の主要機能を司る。記憶部34、41は制御プログラムや制御定数等を保持するROM、各種データの一時記憶用のRAM、HDD等の大容量記憶装置から構成される。外部入出力I/F部36、42はユーザによる前記「省エネ制御」のオンオフや各機器での温度設定等の変更を行うGUI等である。
【0044】
ショーケースシステムコントローラ26の省エネ制御部37は、記憶部34に記憶された省エネ制御プログラムに基づいて前述した省エネ制御を実行する。空調機システムコントローラ32の機器制御部43は記憶部41に記憶された各機器の個別の制御プログラムを実行する。この制御プログラムには通常の室内温度の維持・管理の他、ショーケースコントローラ16から光通信で通知される後述する冷却モードに基づいて、ショーケース2A、2Bの熱負荷低減のための冷却補助処理を実行する。
【0045】
ショーケースコントローラ16が有する光通信制御部38は、光通信機18の発光素子18Aで、それが指向している室内機4A、或いは、4Bの受光素子18Bとのみ通信を確立し、室内機コントローラ29と光通信を行う際の制御を司る。また、室内機コントローラ29が有する光通信制御部44は、光通信機18の受光素子18Bで、それに指向しているショーケース2A、或いは、2Bの発光素子18Aとのみ通信を確立し、ショーケースコントローラ16と光通信を行う際の制御を司る。
【0046】
以上の構成で、次に図4及び図5のフローチャートを参照してショーケースシステム3と空調機システム6間で行われる本発明の連携制御システム1の連携制御について説明する。図4はショーケースシステムコントローラ26の動作を示し、図5は空調機システムコントローラ32の動作を示している。ショーケースシステムコントローラ26は図4のステップS1で省エネ制御プログラム等の制御プログラム起動の初期化処理としてROM等に記憶されている設定温度等の設定値を含む制御情報をRAM上に展開する。
【0047】
次に、ステップS2で定期的にショーケースコントローラ16から送信され、取得したショーケース2A、2Bの庫内温度と設定温度との偏差を確認する。次にステップS3で設定温度との偏差に基づき、膨張弁9の開度調整の制御情報を生成してショーケースコントローラ16に送信することで庫内温度の制御を行う。庫内温度が高い場合には膨張弁9の開度を拡大し、低い場合には開度を縮小する。
【0048】
次に、ステップS4で各ショーケース2A、2Bの庫内の冷却状態を判定する。この制御は毎回の制御ループではなく、或る一定のインターバルをもって実施するか、任意の時間経過における条件成立等に基づいて判定する。判定をスキップする場合にはステップS5に進む。冷却状態の判定を行うタイミングではステップS8に進み、ショーケース2A、2Bの庫内の冷却状態が良好であるか否か判断する。庫内が十分冷えており、冷却状態が良ければステップS5に進み、設定温度より高く冷却状態が悪い場合にはステップS9に進む。
【0049】
ステップS9でショーケースシステムコントローラ26は冷却モード(変更指示情報)を決定する。即ち、ショーケース2A及び/又は2Bが冷蔵ショーケースで、庫内の冷却状態が悪く、空調機システム6の室内機4Aによる局所的な冷房で冷却補助を行う場合には冷却モードを「1」、ショーケース2A及び/又は2Bが省エネよりも冷却優先の冷凍ショーケースで、係る冷却補助に加えて低圧設定値の低下(低圧制御)も行う場合には冷却モードを「2」、係る冷却補助を行わず、低圧設定値を下げるのみの場合は冷却モードを「0」とする。尚、冷却モード「1」と「2」は上記以外に、例えばショーケース2Aの庫内冷却状態の悪化度合いや庫内に陳列される商品で決定しても良い。例えば、庫内冷却状態の悪化度合いが大きい場合には冷却モードを「2」、それより小さい場合には「1」、商品が冷凍商品、又は、鮮度を重要視するものである場合は冷却モードを「2」、それ以外の場合は「1」とする等でも良い。
【0050】
この冷却モード「0」は室内機4Aの冷房能力を増大させる変更指示情報ではなく、後述する冷房モードをリセットして「0」とし、風向や風量をリセットする変更指示情報となる。例えば、店舗が顧客で混み合う繁忙時間帯には、局所的な冷房を行うと不快感を与えてしまう危険性があるので、冷却モードは「0」とされる。この繁忙時間帯はユーザによりショーケースシステムコントローラ26に設定される。
【0051】
次に、ショーケースシステムコントローラ26はステップS10に進み、決定された冷却モードを判断し、冷却モード「0」及び「2」の場合にはステップS5に進み、モード1の場合にはステップS6に進む。ステップS5ではその時点でのショーケース2A、2Bの庫内の冷却状態に応じて前記低圧設定値の上げ下げ制御を実行する。即ち、ステップS8でショーケース2A、2Bの庫内の冷却状態が良好な場合で、前記「省エネ制御」がオンとされている場合には、ステップS5で低圧設定値を上げて圧縮機11、11の圧縮能力を下げ、省エネ化を図る。
【0052】
一方、ステップS10で前記冷却モード「0」及び「2」の場合にはステップS8でショーケース2A、2Bの庫内の冷却状態は悪いので、ステップS5で低圧設定値を下げ、圧縮機11、11の圧縮能力を上げてショーケース2A、2Bの庫内冷却能力を増大させる。
【0053】
尚、ステップS8でショーケース2A、2Bの庫内の冷却状態が悪い場合、本来は低圧設定値を下げて圧縮機11、11の圧縮能力を上げ、ショーケース2A、2Bの冷却能力を増大させる必要があるが、ステップS10で冷却モード「1」の場合はステップS5をスキップしてステップS6に進む。これにより、冷却モード「1」では低圧設定値を下げる制御は保留されることになる。
【0054】
このように決定された冷却モード(変更指示情報)は庫内の冷却状態やケースに関する情報(冷凍ショーケースであるか冷蔵ショーケースであるかの情報等)と共にショーケースシステムコントローラ26から各ショーケース2A、2Bのショーケースコントローラ16に送信される。そして、各ショーケース2A、2Bの光通信機18の発光素子18Aから室内機4Aの受光素子18Bに出力され、光通信で直接伝達される。次に、ステップS7で終了判定を行い、継続する場合にはステップS2に戻る。
【0055】
他方空調機システムコントローラ32は、図5のステップS11で空調機光通信制御プログラム等の制御プログラム起動の初期化処理としてROM等に記憶されている空調温度等の設定値を含む制御情報をRAM上に展開する。
【0056】
次に、ステップS12で室内機4A、4Bの室内機コントローラ29からの情報に基づき、各室内機4A、4Bの光通信機18の受光素子18Bがショーケースから光通信を受信したか否かを判断する。受信がなければステップS13に進む。例えば、ショーケース2Aの発光素子18Aから室内機4Aの受光素子18Bに光通信が行われた場合、空調機システムコントローラ32はステップS12からステップS14に進み、通信コマンドを解析する。
【0057】
即ち、空調機システムコントローラ32は、ショーケース2Aからの光通信の内容を確認し、当該ショーケース2Aの庫内の冷却状態の他、前述したケースに関する情報(当該ショーケース2Aが冷凍ショーケースか冷蔵ショーケースか)等を取得する。次に、ステップS15でショーケース2Aから送信された冷却モード(変更指示情報)を判断する。
【0058】
ショーケース2Aの発光素子18Aから室内機4Aの受光素子18Bに直接伝達されたショーケース2Aの冷却モードが「0」であった場合、空調機システムコントローラ32はステップS15からステップS18に進み、室内機4Aの室内機コントローラ29に風向調整と設定温度をリセットして空調機4Aの冷房モードを「0」(リセット)にする旨の情報を送信する。即ち、空調機4Aは冷房モード「0」の場合にはショーケース2Aに対する冷房による特別な冷却補助は実施しない。
【0059】
前述した如く店舗が顧客で混み合う場合には、ショーケース2Aの庫内の冷却状態が悪い状況でもショーケース2Aの冷却モードはショーケースシステムコントローラ26により「0」とされるので、室内機4Aの冷房モードも空調機システムコントローラ32により「0」とされ、局所的な冷房を行うことによって顧客に不快感を与える不都合が回避される。但し、ショーケースシステム3側では低圧設定値は下げられるので、省エネにはならないがショーケース2Aの庫内の冷却能力は増大されることになる。
【0060】
一方、ショーケース2Aの冷却モードが「1」か「2」の場合には、空調機システムコントローラ32はステップS16に進み、自らの冷房モードをセットする。この場合、空調機システムコントローラ32は、ショーケース2Aが冷蔵ショーケースで冷却状態が悪化し、送信された冷却モードが「1」であった場合は室内機4Aの冷房モードも「1」とし、ショーケース2Aが冷凍ショーケースで冷却状態が悪化し、送信された冷却モードが「2」であった場合には、空調機システムコントローラ32は室内機4Aの冷房モードも「2」にセットする。
【0061】
次に、ステップS17で冷房モードが「1」か「2」を判断し、冷房モードが「1」の場合はステップS20に進む。ステップS20では室内機4Aのフラップ28と送風機を制御し、冷気の風量を増大させ、且つ、風向をショーケース2Aの方向とする風向・風量の調整を行う(冷房モード「1」)。これにより、ショーケース2Aの熱負荷の低減を図る。
【0062】
他方、冷房モードが「2」の場合はステップS19に進む。ステップS19では室内機4Aの冷房設定温度を一時的(冷房モードが「2」である間)に低下させ、ステップS20に進む。そして、ステップS13で終了判定を行い、継続する場合にはステップS12に戻る。
【0063】
即ち、ショーケース2Aが冷凍ショーケースで庫内の冷却状態が悪化した場合には、風向・風量の調整に加えて冷房設定温度も下げる調整を行うことで強力にショーケース2Aの熱負荷低減補助を実施する。このようにショーケースシステムコントローラ26はショーケース2Aの庫内の冷却状態、ショーケースの種類、或いは、商品の種類、実施例では当該ショーケース2Aが冷凍ショーケースであるか冷蔵ショーケースであるかに応じて、冷蔵ショーケースの場合には風向・風量の調整、冷凍ショーケースの場合にはそれに加えて冷房設定温度の調整を行うことで、ショーケース2Aに与えられる室内機4Aの冷房能力の増大度合いを変更するので、室内機4Aからの冷房により、極めて効果的にショーケース2Aの庫内冷却状態の改善を図ることができるようになる。以上は、ショーケース2Bや室内機4Bの場合も同様である。
【0064】
以上のようにショーケース2A(又は2B)のショーケースコントローラ16は、庫内の冷却状態が悪化した場合、ショーケースシステムコントローラ26からの指示で自らの発光素子18Aが指向した受光素子18Bを有する室内機4Aの冷房能力を増大させる変更指示情報(冷却モード)を、光通信機18により室内機4Aに伝達する。そして、この室内機4Aは、変更指示情報(冷却モード)を受け取った場合、空調機システムコントローラ32からの指示で当該変更指示情報に基づき、ショーケース2A(又は2B)に与える自らの冷房能力を増大させるので、庫内冷却状態が悪化したショーケース2A(又は2B)の熱負荷を室内機4Aにより局所的に低減することができるようになる。これにより、ショーケースシステム3に含まれる特定のショーケースの庫内冷却状態を、エネルギー効率の高い空調機システム6に含まれる室内機からの冷房により効率よく改善し、或いは、悪化を緩和することが可能となる。
【0065】
この場合、ショーケース2A(又は2B)は室内機4Aに対して光通信のような情報伝達手段により直接情報を伝達することができるので、連携制御システム1のショーケースシステムコントローラ26や空調機システムコントローラ32に各ショーケース2A、2Bや室内機4A、4Bの設置位置情報を制御情報として設定する必要が無くなり、設置位置情報を設定するために必要な作業の簡素化とGPSやRFICタグ等の機器コストの削減を図ることができるようになる。これは特にオープンショーケースにおいて有効である。
【0066】
尚、上記実施例では相互に独立して運転する第1制御システムとしてショーケースシステム3を、第2制御システムとして空調機システム6を採り上げ、空調機システム6の室内機4A、4Bによりショーケースシステム3のショーケース2A、2Bの庫内冷却補助を実現する連携制御システム1に本発明を適用したが、それに限らず、第2制御システムとして店舗の天井に取り付けられた複数の店舗照明(第2制御対象機器)から成る店舗照明システムを採用しても良い。
【0067】
その場合、或る店舗照明はショーケース2A及び/又は2Bを照らす位置関係にあるものとする。そして、ショーケースシステム3のショーケースシステムコントローラ26はショーケース2A、2B(第1制御対象機器)において庫内の冷却状態が悪化した場合、照明による熱負荷を低減するために、ショーケースコントローラ16に指示して熱負荷となる図示しない庫内照明の照度を低下させる制御を実行する。そして、前述した光通信機18等の情報伝達手段により、当該ショーケース2A及び/又は2B(同様の発光素子18Aを有する)を照らす位置関係にある前記店舗照明(同様の受光素子18Bを有する)に、照度を増大させる旨の変更指示情報を直接伝達する。
【0068】
各店舗照明及び店舗照明システムも同様の店舗照明コントローラ及び店舗照明システムコントローラを有しており、店舗照明システムコントローラは、受光素子で変更指示情報を受信した場合、当該店舗照明の店舗照明コントローラに、照度を増大させる旨の指示を行い、店舗照明コントローラは自らの店舗照明の照度を増大させるものとする。
【0069】
このようにすることで、ショーケースシステム3のショーケースの庫内冷却状態が悪化し、その改善のために自らの庫内照明の照度を低下させた場合には、当該ショーケースを照らす、庫内照明よりエネルギー効率の高い店舗照明の照度を局所的に増大させて、ショーケースの庫内及びその周囲における明るさの低下を効率よく改善し、或いは、緩和することが可能となる。
【0070】
この場合も同様に、ショーケースは店舗照明に対して光通信のような情報伝達手段により直接情報を伝達することができるので、連携制御システムに各ショーケースや店舗照明の設置位置情報を制御情報として設定する必要が無くなり、設置位置情報を設定するために必要な作業の簡素化とGPSやRFICタグ等の機器コストの削減を図ることができるようになるものである。
【符号の説明】
【0071】
1 連携制御システム
2A、2B ショーケース
3 ショーケースシステム
4A、4B 室内機
6 空調機システム
16 ショーケースコントローラ
18 光通信機
18A 発光素子
18B 受光素子
26 ショーケースシステムコントローラ
29 室内機コントローラ
32 空調機システムコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に独立して運転する第1制御システムと、該第1制御システムよりもエネルギー効率の高い第2制御システムとから構成され、
該第2制御システムに含まれる何れかの第2制御対象機器は、その運転により前記第1制御システムに含まれる特定の第1制御対象機器に対して影響を与える関係にあり、
該第1制御対象機器と前記第2制御対象機器は互いに対してのみ情報を伝達可能な情報伝達手段を有し、
前記第1制御対象機器は、異常状態が発生した場合、当該異常状態を解消するために必要な前記第2制御対象機器の制御状態の変更指示情報を、前記情報伝達手段により前記第2制御対象機器に伝達すると共に、
該第2制御対象機器は、前記変更指示情報を受け取った場合、当該変更指示情報に基づいて自らの制御状態を変更することを特徴とする連携制御システム。
【請求項2】
店舗において相互に独立して運転するショーケースシステム及び空調機システムから構成され、
該空調機システムに含まれる何れかの室内機は、その運転により前記ショーケースシステムに含まれる特定のショーケースに対して冷却影響を与える位置関係にあり、
該ショーケースと前記室内機は、互いに対してのみ情報を伝達可能な情報伝達手段を有し、
前記ショーケースは、庫内の冷却状態が悪化した場合、前記室内機の冷房能力を増大させる変更指示情報を、前記情報伝達手段により前記室内機に伝達すると共に、
該室内機は、前記変更指示情報を受け取った場合、当該変更指示情報に基づいて前記ショーケースに与える自らの冷房能力を増大させることを特徴とする連携制御システム。
【請求項3】
前記ショーケースは、庫内の冷却状態及び/又はケースや商品の種類に応じて、自らに与えられる前記室内機の冷房能力の増大度合いを変更することを特徴とする請求項2に記載の連携制御システム。
【請求項4】
前記ショーケースは、前記店舗の繁忙時間帯には前記室内機の冷房能力を増大させる変更指示情報を伝達しないことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の連携制御システム。
【請求項5】
店舗に設置されたショーケースシステム及び店舗照明システムから構成され、
該店舗照明システムに含まれる何れかの店舗照明は、その照明により前記ショーケースシステムに含まれる特定のショーケースを照らす位置関係にあり、
該ショーケースと前記店舗照明は、互いに対してのみ情報を伝達可能な情報伝達手段を有し、
前記ショーケースは、庫内の冷却状態が悪化した場合、照明による熱負荷を低減するために自らの庫内照明の照度を低下させ、前記店舗照明の照度を増大させる変更指示情報を、前記情報伝達手段により前記店舗照明に伝達すると共に、
該店舗照明は、前記変更指示情報を受け取った場合、当該変更指示情報に基づいて照度を増大させることを特徴とする連携制御システム。
【請求項6】
前記ショーケースはオープンショーケースであることを特徴とする請求項2乃至請求項5のうちの何れかに記載の連携制御システム。
【請求項7】
前記情報伝達手段は、光通信により情報を伝達することを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちの何れかに記載の連携制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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