説明

連結コイル巻線方法および連結コイル巻線装置

【課題】複数のコイルが渡り線を介して連結される連結コイルを形成するタクトタイムを短縮できる連結コイル巻線方法および連結コイル巻線装置を提供する。
【解決手段】複数のコイルが渡り線を介して連結される連結コイルを形成する連結コイル巻線方法であって、スピンドル機11によって回動するガイドレールユニット20に係止される巻芯3に線材2を巻回してコイルを形成する巻回工程と、巻芯3をガイドレールユニット20に沿ってコイル5の巻回中心軸と略直交する方向に移動する移動工程とを繰り返して行い、ガイドレールユニット20にて複数のコイルをその巻回中心軸と略直交する方向に並んで形成する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコイルが渡り線を介して連結される連結コイルを形成する連結コイル巻線方法および連結コイル巻線装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、モータ(電動機)のステータ構造として、コイルを巻回した複数の分割コア(巻芯)を環状に配列するものがある。
【0003】
従来、この種のコイルを巻回する連結コイル巻線装置として、特許文献1に開示されたものは、複数の分割コアをそれぞれ突出可能に支持する治具と、この治具全体を回動させるスピンドル機とを備え、順にスピンドル機を移動して治具全体の回動中心位置を切り換え、治具から突出して回動する分割コアに線材を巻回する工程を繰り返して行い、複数のコイルが渡り線を介して連結される連結コイルを形成するようになっている。
【特許文献1】特開2003−348803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の連結コイル巻線装置にあっては、線材の巻回作業時に、線材が巻回される分割コアの取付位置に応じてスピンドル機を移動して治具全体の回動中心位置を切り換え、治具全体を偏心した状態で回動させる構成となっているため、治具全体の回動速度を高められず、線材の巻回作業に時間がかかり、連結コイルを形成するタクトタイムを短縮することが難しいという問題点があった。
【0005】
また、治具に対して複数の分割コアを一括して搬入、搬出する構成のため、この搬入、搬出作業に時間がかかり、タクトタイムを短縮することが難しい。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、複数のコイルが渡り線を介して連結される連結コイルを形成するタクトタイムを短縮できる連結コイル巻線方法および連結コイル巻線装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のコイルが渡り線を介して連結される連結コイルを形成する連結コイル巻線方法であって、回動するガイドレールユニットに係止される巻芯に線材を巻回してコイルを形成する巻回工程と、巻芯をガイドレールユニットに沿ってコイルの巻回中心軸と略直交する方向に移動する移動工程とを繰り返して行い、ガイドレールユニットにて複数のコイルをその巻回中心軸と略直交する方向に並んで形成する構成とした。
【0008】
また、本発明は、複数のコイルが渡り線を介して連結される連結コイルを形成する連結コイル巻線装置であって、巻芯をコイルの巻回中心軸と略直交する方向について移動可能に支持するガイドレールユニットと、ガイドレールユニットを回動させるスピンドル機と、線材を供給する線材供給機とを備え、回動するガイドレールユニットに係止される巻芯に線材を巻回してコイルを形成することと、コイルが形成された巻芯をガイドレールユニットに沿ってコイルの巻回中心軸と略直交する方向に移動することとを繰り返し行い、ガイドレールユニットにて複数のコイルをその巻回中心軸と略直交する方向に並んで形成する構成とした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、コイルが巻回される巻芯を切り換えるにあたって、巻芯をガイドレールユニットに沿って移動することにより、ガイドレールユニットを常に同一回転中心軸について回動させることが可能となる。これにより、巻芯の芯振れが抑えられ、巻芯に線材を精度よく巻回することができる。
【0010】
そして、前記従来装置のようにスピンドル機を移動してガイドレールユニット(治具)を偏心した状態で回動させる必要がなく、ガイドレールユニットの回動速度を高めて連結コイルを形成するタクトタイムを短縮し、生産性を高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1において、連結コイル巻線装置1は、複数の巻芯(分割コア)3に線材2を連続して巻回し、複数のコイルが渡り線を介して連結される連結コイルを形成するものである。
【0013】
連結コイル巻線装置1は、例えば3相交流モータのステータ(多極電機子)を構成する3相の連結コイルを形成する。なお、巻芯3はステータのコアを含む。
【0014】
U相、V相、W相の磁極を4個づつ備える12極のステータの場合、このU相、V相、W相を構成する連結コイルは、図8に示すように、4個の分割コア(巻芯3)に巻回された4個のコイル5と、隣り合う各コイルを結ぶ3本の渡り線6とを有する。図示しないステータは、U相、V相、W相の磁極が環状に並んで固定された状態で、U相、V相、W相のうちいずれかの磁極を構成する各巻芯3の間にはU相、V相、W相のうち他の磁極を構成する2個の巻芯3が配置される。渡り線6は、これによって結ばれる2個の巻芯3の間に他の相を構成する2個の巻芯3を収容できる長さに設定される。
【0015】
以下、連結コイル巻線装置1の構成について説明する。ここで、互いに略直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸が略水平左右方向、Y軸が略水平前後方向、Z軸が略垂直方向に延びるものとして説明する。
【0016】
連結コイル巻線装置1は、巻芯3としてステータの分割コアを回転させるスピンドル機11を備え、このスピンドル機11上にて回転する巻芯3(分割コア)に線材2を巻回する。
【0017】
スピンドル機11は、Z軸まわりに回動するスピンドル13を備える。このスピンドル13は円筒状に形成され、その外周部がベアリング12を介して架台4上に回転可能に支持される。
【0018】
架台4にはスピンドルモータ16が設けられ、このスピンドルモータ16の回転が、プーリ17、ベルト18、プーリ19を介してスピンドル13に伝えられ、スピンドル13が回動する。
【0019】
このスピンドル13の上部を構成する回動台28にガイドレールユニット20が設けられる。このガイドレールユニット20は、スピンドル機11の回転中心軸Oと略直交する方向に延び、スピンドル機11によってZ軸(コイル5の巻回中心軸)まわりに回動する。
【0020】
ガイドレールユニット20には互いに対向して開口する対のガイド溝20aが形成される。このガイド溝20aの間に複数のスライド治具61が摺動可能に支持される。このスライド治具61は、巻芯3を着脱可能に支持するものであり、ガイドレールユニット20に沿ってスピンドル機11の回転中心軸Oと略直交方向に移動する。
【0021】
図3に示すように、スライド治具61は、その下部にスライド盤62が形成される。このスライド盤62の両側部がガイドレールユニット20のガイド溝20aに摺動可能に係合する。
【0022】
ガイドレールユニット20は、前方ガイドレール21と中央ガイドレール22と後方ガイドレール23とに分割される。前方ガイドレール21と後方ガイドレール23には、それぞれ4個のスライド治具61が収まる。中央ガイドレール22には、1個のスライド治具61が収まる。なお、ガイドレールユニット20に収まるスライド治具61の個数は、4個に限らず、ステータの連結コイルを構成する巻芯3の個数に応じて、増減される。
【0023】
前方ガイドレール21と中央ガイドレール22と後方ガイドレール23とは、回動台28を介してスピンドル13に固定され、スピンドル13と一体に回動する。
【0024】
前方ガイドレール21の前端部21fと後方ガイドレール23の後端部23rとは、それぞれ円盤状の回動台28の外周端部に沿って円弧状に形成される。
【0025】
中央ガイドレール22をスピンドル機11の回転中心軸O方向に移動する中央ガイドレール移動機構15が設けられる。この中央ガイドレール移動機構15は、Z軸移動機24によって架台4に対してZ軸方向に移動する移動台25を備える。この移動台25には回転シャフト27の基端円盤部27bがベアリング26を介して回転可能に連結される。
【0026】
この回転シャフト27はスピンドル13の中央部をスプライン27aを介して摺動可能に貫通し、スピンドル13の回転中心軸O上にて、スピンドル13と共に回転する。
【0027】
回転シャフト27の上端に中央ガイドレール22が固定される。これにより、中央ガイドレール22は、スピンドル13の回転中心軸O上にて回転するとともに、スピンドル機11の回転中心軸O方向(コイル5の巻回中心軸方向)について移動(昇降)し、図1に実線で示すスライド位置と、図1に2点鎖線で示す巻回位置とに切り換えられる。
【0028】
中央ガイドレール22は、スライド位置にて、前方ガイドレール21と後方ガイドレール23とに対して段差なく並ぶ一方(図5の(a)参照)、巻回位置にて上昇し、前方ガイドレール21と後方ガイドレール23とに対してZ軸方向(コイル5の巻回中心軸方向)突出する(図5の(b)参照)。
【0029】
図1に示すように、スライド治具61を中央ガイドレール22に対して移動しないように係止する中央スライド係止機29として、中空構造の回転シャフト27を貫通するセンターロッド30と、このセンターロッド30を中央ガイドレール22(移動台25)に対してZ軸方向(コイル5の巻回中心軸方向)に移動するZ軸移動機33とを備える。
【0030】
Z軸移動機33がセンターロッド30を上昇させてセンターロッド30の先端部をスライド治具61に差し込むことにより、スライド治具61が中央ガイドレール22に対して移動しないように係止される。
【0031】
図4に示すように、スライド治具61のスライド盤62には、穴60が形成され、この穴60にセンターロッド30の図示しない先端部が差し込まれる。スピンドル13の回転時、センターロッド30の先端部は穴60に摺接し、スライド治具61を中央ガイドレール22に対して移動しないように係止する。
【0032】
図1に示すように、スピンドル機11の上方には、巻芯3を回転可能に支持するセンター押し機40が設けられる。このセンター押し機40として、架台4上にZ軸移動機43によってZ軸方向に移動するセンター台42が設けられ、このセンター台42にセンターパッド41が図示しないベアリングを介してスピンドル13の回転中心軸O上にて回転可能に支持される。
【0033】
スピンドル機11が巻芯3を回転するとき、センター押し機40は、センターパッド41を巻芯3の先端部に当接させ、センターパッド41が巻芯3と共に回転する。これにより、巻芯3の芯振れが抑えられる。
【0034】
なお、センター押し機40を用いないでも巻芯3の芯振れが生じない場合は、センター押し機40を設けなくてもよい。
【0035】
図2の(a)に示すように、各スライド治具61を前方ガイドレール21と後方ガイドレール23とに対して移動しないように係止する前後スライド係止機56として、回動台28上に押さえバー44をスライド治具61に押し付けるスプリング45が設けられる。
【0036】
押さえバー44はその後部からロッド46が延び、このロッド46が軸受部48を摺動可能に貫通することにより、ガイドレールユニット20の略直交方向に移動可能に支持される。
【0037】
軸受部48と押さえバー44の間にスプリング45が圧縮して介装される。スプリング45の付勢力によって押さえバー44はガイドレールユニット20に対して近づく方向に付勢される。
【0038】
押さえバー44には複数の位置決めピン47が突出する一方、図3に示すように各スライド治具61のスライド盤62には位置決め凹部63が形成される。位置決めピン47がガイドレールユニット20を貫通してスライド治具61の位置決め凹部63に差し込まれることにより、スライド治具61がガイドレールユニット20に対して移動しないように係止される。
【0039】
前後スライド係止機56の係止作動を解除する前後スライド係止作動解除機31として、架台4上にはロッド46を介して押さえバー44を引き込む駆動シリンダ35が設けられる。
【0040】
ロッド46の先端部にはロッド鍔部46aが形成される一方、駆動シリンダ35は、その伸縮作動によってZ軸方向に移動するロッドの先端部にフック部36が設けられる。
【0041】
図2の(a)、(b)に示すように、、駆動シリンダ35が伸長作動した状態でスピンドル13が所定の角度位置に停止することにより、フック部36にロッド鍔部46aが係合するようになっている。
【0042】
フック部36にロッド鍔部46aが係合した状態にて、駆動シリンダ35が収縮作動すると、フック部36がロッド鍔部32をスプリング45に引き上げ、押さえバー44をスプリング45に抗してガイドレールユニット20から遠ざける方向に移動させる。これにより、押さえバー44の各位置決めピン47が各スライド治具61の位置決め凹部63から抜き取られて、各スライド治具61がガイドレールユニット20に対して移動できる状態になる。
【0043】
スピンドル機11によって回動台28が回動するとき、駆動シリンダ35が収縮作動する。これにより、フック部36は、回動台28から離れ、回動するロッド鍔部46a等に干渉しない。
【0044】
図1に示すように、線材2を供給する線材供給機49として、架台4上にXYZ移動機51によってX、Y、Zの3軸方向に移動するノズル50が設けられ、このノズル50には図示しない線材供給源から線材2が供給される。
【0045】
線材供給機49にはノズル50の手前に被覆剥離機を設けてもよい。この被覆剥離機は線材2の周囲を回転するカッタによって融着層、絶縁層の被覆を線材2から所定の範囲で剥離するものであり、これについては、本出願人により特願2000−216443号として出願されている。
【0046】
ノズル50の近傍には、線材2を切断する図示しないカッタが設けられる。
【0047】
ガイドレールユニット20の近傍には、搬入機72が設けられ、この搬入機72によってコイル5が形成されていない巻芯3がスライド治具61を介して前方ガイドレール21に搬入される。
【0048】
この搬入機72として、架台4に搬入ガイドレール74が固定して設けられ、この搬入ガイドレール74に複数のスライド治具61がY軸方向に移動可能に支持される。
【0049】
搬入機72として、搬入ガイドレール74の前方には、搬入ガイドレール74上の巻芯3を押す駆動ピン81が設けられる。この駆動ピン81は、YZ軸移動機82によってY軸方向とZ軸方向に移動する。
【0050】
ガイドレールユニット20が搬入ガイドレール74の延長上に延びる状態で、駆動ピン81が搬入ガイドレール74上の巻芯3を押して図1にてY軸左方向に移動することにより、搬入ガイドレール74上のスライド治具61が前方ガイドレール21上へと移動する。こうして、巻芯3がスピンドル機11に搬入される。
【0051】
搬入ガイドレール74の前部にはストッパピン76がZ軸移動機77を介して昇降可能に設けられる。ストッパピン76が上昇した状態で、スライド治具61の前部がストッパピン76に当接し、スライド治具61が搬入ガイドレール74上から落下しないようになっている。一方、ストッパピン76が下降した状態では、上述したように、搬入ガイドレール74上のスライド治具61がガイドレールユニット20上へと移動することを妨げないようになっている。
【0052】
ガイドレールユニット20の近傍には、搬入機72と反対側に搬出機90が設けられ、この搬出機90によってコイル5が形成された巻芯3がスライド治具61を介して後方ガイドレール23から搬出される。
【0053】
この搬出機90として、後方ガイドレール23の下方には、後方ガイドレール23上の巻芯3を押す駆動ピン95が設けられる。この駆動ピン95は、YZ軸移動機94によってY軸方向とZ軸方向に移動する。
【0054】
ガイドレールユニット20が搬出ガイドレール91の延長上に延びる状態で、駆動ピン95が後方ガイドレール23上の巻芯3を押して図1にてY軸左方向に移動することにより、後方ガイドレール23上のスライド治具61が搬出ガイドレール91上へと移動する。こうして、巻芯3がスピンドル機11から搬出される。
【0055】
図3、図4に示すように、スライド治具61は、治具本体65と治具可動体68とを有し、両者の間に巻芯3のヨーク部3aを挟持する。
【0056】
治具本体65の正面には、絡げピン39が突出して設けられる。巻芯3に線材2を巻回する前に、ノズル50から繰り出される線材2が絡げピン39に絡げられることにより、係止される。
【0057】
治具本体65にはV溝65aと押さえ面65bが形成される。一方、治具可動体68には押さえ面68aが形成される。図3、図4に示すように、治具可動体68が治具本体65に引き込まれた状態で、押さえ面65bと押さえ面68aとの間にV溝67が形成され、このV溝67とV溝65aとの間に巻芯3のヨーク部3aが挟持される。
【0058】
治具本体65には横スリット66が形成される一方、治具可動体68にはスライドバー69が形成される。横スリット66にスライドバー69が摺動可能に嵌合することにより、治具本体65に治具可動体68が摺動可能に支持される。
【0059】
治具本体65と治具可動体68との間にはスプリング64が圧縮して介装される。このスプリング64の付勢力によって治具可動体68が治具本体65に引き込まれ、治具本体65と治具可動体68との間に巻芯3のヨーク部3aを挟持した状態が維持される。
【0060】
治具本体65には、その側面に開口する縦スリット70が形成される。後述するように、開放ピン96が縦スリット70に差し込まれ、スライドバー69のテーパ状のカム面69aを押すことによって治具可動体68をスプリング64に抗して摺動させ、治具可動体68の押さえ面68aが巻芯3のヨーク部3aから離れ、巻芯3をスライド治具61から取り外すことが可能な開放状態となる。
【0061】
スライド治具61を開放する開放駆動機構99として、搬出ガイドレール91の下方には、Z軸移動機97によってZ軸方向に移動する4本の開放ピン96が設けられる。搬出ガイドレール91上に4個のスライド治具61がある状態で、4本の開放ピン96が上昇して治具本体65の縦スリット70から横スリット66に差し込まれ、スライドバー69のテーパ状のカム面69aを押すことによって治具可動体68をスプリング64に抗して移動し、スライド治具61が開放状態となり、巻芯3をスライド治具61から取り外すことが可能になる。
【0062】
なお、スライド治具61は、これに限らず、開放ピン96がY軸方向に移動する動作に連動して治具可動体が移動し、開放する構成としてもよい。
【0063】
連結コイル巻線装置1には、図示しない搬送設備が設けられ、この搬送設備によってスライド治具61が搬出機90の搬出ガイドレール91上から搬入機72の搬入ガイドレール74へと搬送される。
【0064】
連結コイル巻線装置1にアクチュエータとして設けられる、Z軸移動機24、Z軸移動機43、XYZ移動機51、Z軸移動機77、YZ軸移動機82、Z軸移動機97等は、サーボモータによって回転駆動されるボールネジと、このボールネジに螺合して平行移動する従動子等によって構成される。
【0065】
連結コイル巻線装置1に設けられる図示しないコントローラは、Z軸移動機24、駆動シリンダ35、Z軸移動機43、XYZ移動機51、Z軸移動機77、YZ軸移動機82、Z軸移動機97等の作動をシーケンス制御し、線材2を巻芯3に巻回して連結コイルを自動的に形成する。
【0066】
連結コイル巻線装置1は、以上のように構成されて、以下の手順で線材2を巻芯3に巻回して連結コイルを形成する。
【0067】
(1).搬入工程として、図5の(a)に示すように、ガイドレールユニット20の中央ガイドレール22上に巻芯3を搬入する。これは、巻芯3を搬入ガイドレール74から前方ガイドレール21へと搬入する動作に追従して、前方ガイドレール21にある巻芯3が押されて前方ガイドレール21を進んで中央ガイドレール22へと移動する。
【0068】
(2).巻回工程として、図5の(b)に示すように、巻芯3に線材2を巻回してコイル5を形成する。これは、中央ガイドレール22が上昇して巻回位置に切り換えられ、前方ガイドレール21と後方ガイドレール23とに対して突出し、中央ガイドレール22上にてスライド治具61を介して保持された線材2が巻かれる巻芯3が他の巻芯3より上方に突出する。この状態で、ノズル50を動かして線材2の端部を絡げピン39(図3、図7参照)に絡げた後、スピンドル機11によって回転する巻芯3に線材2を整列させて巻回し、コイル5を形成する。このとき、線材2が巻かれる巻芯3の回転中心軸がガイドレール20の回転中心軸Oと一致している。
【0069】
スピンドル機11が巻芯3を回転するとき、センター押し機40は、センターパッド41を巻芯3の先端部に当接させ、スピンドル機11の回転中心軸O上にて巻芯3と共に回転する。これにより、巻芯3の芯振れが抑えられ、巻芯3に線材2を精度よく巻回することができる。
【0070】
(3).搬入工程として、ガイドレールユニット20上に次にコイル5を形成する巻芯3を搬入するとともに、移動工程として、コイル5が形成された巻芯3をガイドレールユニット20上にてコイル5の巻回中心軸方向に移動する。
【0071】
これは、図5の(c)に示すように、中央ガイドレール22が下降してスライド位置に切り換えられ、ガイドレールユニット20が搬入ガイドレール74と搬出ガイドレール91とに対して直線上に延びる回動位置に保持される。
【0072】
そして、中央スライド係止機29が、センターロッド30の先端部をスライド治具61の穴60から引き抜いて、スライド治具61がガイドレールユニット20に対して移動できる状態にする。
【0073】
これと同時に、前後スライド係止作動解除機31が作動し、フック部36がロッド鍔部46aをスプリング45に抗して引き込む。これにより、前後スライド係止機56は、押さえバー44の各位置決めピン47が各スライド治具61の位置決め凹部63から抜き取られて、各スライド治具61がガイドレールユニット20に対して移動できる状態にする。
【0074】
そして、駆動ピン81が搬入ガイドレール74上のスライド治具61を押してY軸方向に移動する。これより、搬入ガイドレール74上のスライド治具61がガイドレールユニット20上へと移動し、巻芯3の搬入が行われる。
【0075】
この搬入時、移動工程として、図6の(d)(f)に示すように、コイル5が形成されていない巻芯3を支持するスライド治具61が、隣り合うスライド治具61に押されて前方ガイドレール21から中央ガイドレール22へと移動するとともに、コイル5が形成された巻芯3を支持するスライド治具61が、隣り合うスライド治具61に押されて中央ガイドレール22から後方ガイドレール23へと移動する。このとき、ガイドレールユニット20に載せられた各巻芯3がそれぞれ順次ガイドレールユニット20に沿って移動する。
【0076】
上述したように、搬入工程と移動工程とは、並行して行われるため、連結コイルを形成するタクトタイムを短縮することができる。
【0077】
なお、これに限らず、ガイドレールユニット20上にてコイル5が形成された巻芯3を移動する駆動機を設け、先にコイル5が形成された巻芯3をガイドレールユニット20上にて移動する移動工程を行った後に、搬入ガイドレール74上からガイドレールユニット20上に次にコイル5を形成する巻芯3を搬入する搬入工程を行ってもよい。
【0078】
(4).渡り線形成工程として、隣り合って並ぶ巻芯3に渡って線材2を掛け渡して渡り線6を形成する。
【0079】
これは、図6の(d)に示すように、後方ガイドレール23上の巻芯3のコイル5から延びる線材2を巻回位置へと上昇した中央ガイドレール22上の巻芯3に掛け渡すことによって、隣り合って並ぶ巻芯3の間に所定長さの渡り線6が形成される。
【0080】
図7は、渡り線形成工程における巻芯3等を示す斜視図である。巻芯3は、外側鍔部3bに2つのスリット部3c、3dを有する。線材2は、巻き始めに絡げピン39に絡げられた後、スリット部3cを通って巻芯3に巻回される。巻芯3に巻回し終わった線材2は、これから巻回工程を迎える巻芯3のスリット部3dに通される。これにより、渡り線6は、スリット部3c、3dの間に延びる。なお、巻芯3は、外側鍔部3bにスリット部3c、3dを持たない構成としてもよい。
【0081】
また、各コイル5を結ぶ渡り線6の長さは、中央ガイドレール移動機構15によって巻芯3が、スピンドル機11の回転中心軸O方向に移動するストロークを調整することにより、任意に設定される。
【0082】
上記した(1).搬入工程、(2).巻回工程、(3).搬入工程及び移動工程、(4).渡り線形成工程を順に繰り返して行うことにより、4個のコイル5が3本の渡り線6を介して連結される連結コイルが形成される。
【0083】
(5).カッタによって4個目のコイル5からノズル50へと延びる線材2を切断する。
【0084】
(6).搬出工程として、前後スライド係止作動解除機31が作動し、前後スライド係止機56の各位置決めピン47が各スライド治具61の位置決め凹部63から抜き取られて、各スライド治具61がガイドレールユニット20に対して移動できる状態にする。この状態で、駆動ピン95が後方ガイドレール23上の巻芯3を押してY軸後方向に移動することにより、後方ガイドレール23上のスライド治具61が搬出ガイドレール91上へと移動する。こうして、4個の巻芯3に渡って形成された連結コイルがスピンドル機11から搬出ガイドレール91上へ搬出される。
【0085】
(7).搬出ガイドレール91上に4個のスライド治具61があり、図示しないストッパを介して搬出ガイドレール91に対する移動が係止されている状態で、4本の開放ピン96が各スライド治具61の縦スリット70に差し込まれ、治具可動体68をスプリング64に抗して摺動させることにより、治具可動体68の押さえ面68aが巻芯3のヨーク部3aから離れ、巻芯3をスライド治具61から取り外すことが可能な開放状態となる。この開放状態にて、4個の巻芯3を各スライド治具61から取り外す。続いて、コイル5が形成されていない巻芯3を各スライド治具61に取り付けた後、4本の開放ピン96を下降させる。
【0086】
(8).搬出ガイドレール91にてコイル5が形成されていない巻芯3が取り付けられたスライド治具61は、図示しない搬送設備によって搬入ガイドレール74へと搬送される。
【0087】
以上の各工程が順に行われることによって、連結コイルが自動的に形成される。
【0088】
連結コイル巻線装置1は、4個のコイル5を有する連結コイルを形成する構成としたが、これに限らず、仕様に応じてコイル5の個数を増減することが可能である。
【0089】
以上のように、本実施の形態では、複数のコイル5が渡り線6を介して連結される連結コイルを形成する連結コイル巻線方法であって、回動するガイドレールユニット20に係止される巻芯3に線材2を巻回してコイル5を形成する巻回工程と、巻芯3をガイドレールユニット20に沿ってコイル5の巻回中心軸(スピンドル機11の回転中心軸O)と略直交する方向に移動する移動工程とを繰り返して行い、ガイドレールユニット20にて複数のコイル5をその巻回中心軸と略直交する方向に並んで形成する構成とした。
【0090】
上記構成に基づき、複数のコイル5が連続して巻回され、各コイル5が渡り線6を介して連結される連結コイルを形成することが可能となる。
【0091】
コイル5が巻回される巻芯3を切り換えるにあたって、巻芯3をガイドレールユニット20に沿って移動することにより、ガイドレールユニット20を常に同一回転中心軸Oについて回動させることが可能となる。これにより、巻芯3の芯振れが抑えられ、巻芯3に線材2を精度よく巻回することができる。また、前記従来装置のようにスピンドル機を移動してガイドレールユニット20(治具)を偏心した状態で回動させる必要がなく、ガイドレールユニット20の回動速度を高めて連結コイルを形成するタクトタイムを短縮し、生産性を高められる。
【0092】
本実施の形態では、巻芯3をガイドレールユニット20に搬入する動作に追従してコイル5が形成された巻芯3をガイドレールユニット20に沿ってコイル5の巻回中心軸と略直交する方向に移動させる構成とした。
【0093】
上記構成に基づき、巻芯3をガイドレールユニット20に搬入する動作と、コイル5が形成された巻芯3をガイドレールユニット20にて後方向に移動する動作とが同時に並行して行われるため、連結コイルを形成するタクトタイムを短縮して、生産性を高められる。
【0094】
本実施の形態では、複数のコイル5が渡り線6を介して連結される連結コイルを形成する連結コイル巻線装置1であって、巻芯3をコイル5の巻回中心軸(スピンドル機11の回転中心軸O)と略直交する方向について移動可能に支持するガイドレールユニット20と、ガイドレールユニット20を回動させるスピンドル機11と、線材2を供給する線材供給機49とを備え、回動するガイドレールユニット20に係止される巻芯3に線材2を巻回してコイル5を形成する巻回工程と、コイル5が形成された巻芯3をガイドレールユニット20に沿ってコイル5の巻回中心軸と略直交する方向に移動する移動工程とを繰り返し行い、ガイドレールユニット20にて複数のコイル5をその巻回中心軸と略直交する方向に並んで形成する構成とした。
【0095】
上記構成に基づき、複数のコイル5が連続して巻回され、各コイル5が渡り線6を介して連結される連結コイルを形成することが可能となる。
【0096】
コイル5が巻回される巻芯3を切り換えるにあたって、巻芯3をガイドレールユニット20に沿って移動することにより、ガイドレールユニット20を常に同一回転中心軸Oについて回動させることが可能となる。これにより、巻芯3の芯振れが抑えられ、巻芯3に線材2を精度よく巻回することができる。また、ガイドレールユニット20の回動速度を高めて連結コイルを形成するタクトタイムを短縮して、生産性を高められるとともに、連結コイル巻線装置1の構造を簡素化できる。
【0097】
本実施の形態では、ガイドレールユニット20を前方ガイドレール21と中央ガイドレール22と後方ガイドレール23とに分割し、中央ガイドレール22をスピンドル機11の回転中心軸O方向に移動する中央ガイドレール移動機構15を設け、中央ガイドレール22を前方ガイドレール21と後方ガイドレール23とに対して段差無く延びるスライド位置と、前方ガイドレール21と後方ガイドレール23とに対して突出する巻回位置とに切り換える構成とした。
【0098】
上記構成に基づき、スライド位置にて巻芯3が前方ガイドレール21と中央ガイドレール22と後方ガイドレール23とに渡って移動する一方、巻回位置にて中央ガイドレール22に支持される巻芯3が前方ガイドレール21または後方ガイドレール23に支持される巻芯3に対してコイル5の巻回中心軸方向(スピンドル機11の回転中心軸O方向)に突出し、巻芯3に巻回される線材2が他の巻芯3等に干渉することが回避され、線材2を繰り出すノズル50等の配置自由度を高められる。
【0099】
なお、中央ガイドレール22がスライド位置にある状態で巻芯3に線材2を巻回できる場合、中央ガイドレール22が上昇して巻回位置に切り換える必要はない。
【0100】
本実施の形態では、巻回工程にて巻芯3に押し付けられるセンターパッド41をスピンドル機11の回転中心軸O上にて回転可能に支持するセンター押し機40を備える構成とした。
【0101】
上記構成に基づき、スピンドル機11によって回転する巻芯3に線材2を巻回する巻回工程にて、センター押し機40が巻芯3を回転可能に支持することにより、巻芯3の芯振れが抑えられ、巻芯3に線材2を精度よく巻回することが可能となる。
【0102】
本実施の形態では、ガイドレールユニット20に巻芯3を摺動可能に支持するスライド治具61と、ガイドレールユニット20にスライド治具61を搬入する搬入機72と、ガイドレールユニット20からスライド治具61を搬出する搬出機90とを備える構成とした。
【0103】
上記構成に基づき、搬入機72を介してスライド治具61をガイドレールユニット20に搬入する動作と、搬出機90を介してスライド治具61をガイドレールユニット20から搬出する動作とが同時に行うことが可能になり、連結コイルを形成するタクトタイムを短縮して、生産性を高められる。
【0104】
本実施の形態では、スライド治具61を中央ガイドレール22に対して移動しないように係止する中央スライド係止機29を設け、この中央スライド係止機29は、スライド治具61を回転可能に係合するセンターロッド30を備え、このセンターロッド30をスピンドル機11の回転軸O方向に移動してスライド治具61の係止作動を解除する構成とした。
【0105】
上記構成に基づき、スライド治具61を中央ガイドレール22に対して移動しないように係止する係止作動と、この係止作動を解除する動作とを自動的に行うことが可能となる。このため、連結コイルを形成するタクトタイムを短縮して、生産性を高められる。
【0106】
本実施の形態では、スプリング45の付勢力によってスライド治具61を前方ガイドレール21と後方ガイドレール23とに対して移動しないように係止する前後スライド係止機56と、この前後スライド係止機56の係止作動を解除する前後スライド係止作動解除機31とを備える構成とした。
【0107】
上記構成に基づき、スライド治具61を前方ガイドレール21と後方ガイドレール23とに対して移動しないように係止する係止作動と、この係止作動を解除する動作とを自動的に行うことが可能となる。このため、連結コイルを形成するタクトタイムを短縮することができ、生産性を高められる。
【0108】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明の連結コイル巻線方法および連結コイル巻線装置は、モータのステータを構成する連結コイルに限らず、他の多極電機子を構成する連結コイルにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の実施の形態を示す連結コイル巻線装置の側面図。
【図2】同じく連結コイル巻線装置の平面図及び断面図。
【図3】同じくスライド治具の斜視図。
【図4】同じくスライド治具の断面図。
【図5】同じく連結コイル巻線装置の動作を示す側面図。
【図6】同じく連結コイル巻線装置の動作を示す側面図。
【図7】同じく巻芯等の斜視図。
【図8】同じく連結コイルの側面図。
【符号の説明】
【0111】
1 連結コイル巻線装置
2 線材
3 巻芯(分割コア)
5 コイル
6 渡り線
11 スピンドル機
15 中央ガイドレール移動機構
20 ガイドレールユニット
21 前方ガイドレール
22 中央ガイドレール
23 後方ガイドレール
29 中央スライド係止機
30 センターロッド
31 前後スライド係止作動解除機
40 センター押し機
41 センターパッド
49 線材供給機
50 ノズル
56 前後スライド係止機
61 スライド治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコイルが渡り線を介して連結される連結コイルを形成する連結コイル巻線方法であって、
回動するガイドレールユニットに係止される巻芯に線材を巻回して前記コイルを形成する巻回工程と、
前記巻芯を前記ガイドレールユニットに沿って前記コイルの巻回中心軸と略直交する方向に移動する移動工程とを繰り返して行い、
前記ガイドレールユニットにて複数の前記コイルをその巻回中心軸と略直交する方向に並んで形成することを特徴とする連結コイル巻線方法。
【請求項2】
前記巻芯を前記ガイドレールユニットに搬入する動作に追従して前記コイルが形成された前記巻芯を前記ガイドレールユニットに沿って前記コイルの巻回中心軸と略直交する方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の連結コイル巻線方法。
【請求項3】
複数のコイルが渡り線を介して連結される連結コイルを形成する連結コイル巻線装置であって、
巻芯を前記コイルの巻回中心軸と略直交する方向について移動可能に支持するガイドレールユニットと、
前記ガイドレールユニットを回動させるスピンドル機と、
線材を供給する線材供給機とを備え、
回動する前記ガイドレールユニットに係止される前記巻芯に前記線材を巻回して前記コイルを形成することと、
前記コイルが形成された前記巻芯を前記ガイドレールユニットに沿って前記コイルの巻回中心軸と略直交する方向に移動することとを繰り返し行い、
前記ガイドレールユニットにて複数の前記コイルをその巻回中心軸と略直交する方向に並んで形成することを特徴とする連結コイル巻線装置。
【請求項4】
前記ガイドレールユニットを前方ガイドレールと中央ガイドレールと後方ガイドレールとに分割し、
前記中央ガイドレールを前記スピンドル機の回転中心軸方向に移動する中央ガイドレール移動機構を設け、
前記中央ガイドレールを前記前方ガイドレールと前記後方ガイドレールとに対して段差無く延びるスライド位置と、前記前方ガイドレールと前記後方ガイドレールとに対して突出する巻回位置とに切り換えることを特徴とする請求項3に記載の連結コイル巻線装置。
【請求項5】
前記巻芯に押し付けられるセンターパッドを前記スピンドル機の回転中心軸上にて回転可能に支持するセンター押し機を備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の連結コイル巻線装置。
【請求項6】
前記ガイドレールユニットに前記巻芯を摺動可能に支持するスライド治具と、
前記ガイドレールユニットに前記スライド治具を搬入する搬入機と、
前記ガイドレールユニットから前記スライド治具を搬出する搬出機とを備えたことを特徴とする請求項3から5のいずれか一つに記載の連結コイル巻線装置。
【請求項7】
前記スライド治具を前記中央ガイドレールに対して移動しないように係止する中央スライド係止機を設け、
この中央スライド係止機は前記スライド治具を回転可能に係合するセンターロッドを備え、
このセンターロッドを前記スピンドル機の回転軸方向に移動して前記スライド治具の係止作動を解除することを特徴とする請求項6に記載の連結コイル巻線装置。
【請求項8】
スプリングの付勢力によって前記スライド治具を前記前方ガイドレールと後方ガイドレールとに対して移動しないように係止する前後スライド係止機と、
この前後スライド係止機の係止作動を解除する前後スライド係止作動解除機とを備えたことを特徴とする請求項6または7に記載の連結コイル巻線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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