説明

連結組立式緩衝体

【課題】スペックの違いにより外形寸法が異なる製品を、一種類の外装箱に統一して梱包可能とするために使用する梱包用の緩衝体を提供する。
【解決手段】一枚の段ボール紙から断面が略L字状に折り上げられる主緩衝部材と、該主緩衝部材の両端に、一枚の段ボール紙から折り上げられる副緩衝部材を連結して左右1組からなる緩衝体を向かい合わせに配置して外装箱に収容し、一方の緩衝体を形成する主緩衝部材、副緩衝部材と、他方の緩衝体を形成する主緩衝部材、副緩衝部材との間に製品を収納するにあたり、副緩衝部材は、収納する製品の奥行きとなる一方を支持する2つの支持面を備え、製品が大型製品のときは、第1の支持面を折りたたみ第2の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持し、製品が小型製品のときは、折りたたんだ第1の支持面を元に戻し、元に戻した第1の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持することにより大きさの異なる製品を保護可能としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータの様に衝撃に敏感な製品を、段ボール製の外装箱に詰める際に使用する梱包用の緩衝体に関する。詳しくは、スペックの違いにより外形寸法が異なる製品を、一種類の外装箱に統一して梱包可能とするために使用する梱包用の緩衝体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、製品の梱包には、発砲スチロール製パッキンが、その優れた緩衝特性と種々の形状が自由度に得られるため、従来から多用されてきた。ところが、近年、塩化ビニール等の樹脂類と一緒に廃棄物として処理する際に、ダイオキシン発生等の問題が生じ、その使用が困難になってきた。
【0003】
一方、デスクトップ型のパーソナルコンピュータの様にスペックの違いにより外形寸法が異なる製品の梱包には、外形寸法に合わせて複数の外装箱を用意する必要があるため、保管スペースの確保、保管コストのアップ、納品ミスが発生する等、種々の問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点を解消するため、主緩衝部材とその前後に副緩衝部材を連結して組み立てる緩衝体であって、スペックの違いにより外形寸法が異なる製品を、一種類の外装箱に統一して梱包可能とするために使用する梱包用の緩衝体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、一枚の段ボール紙から断面が略L字状に折り上げられる主緩衝部材と、該主緩衝部材の両端に、一枚の段ボール紙から折り上げられる副緩衝部材を連結して左右1組からなる緩衝体を向かい合わせに配置して外装箱に収容し、一方の緩衝体を形成する主緩衝部材、副緩衝部材と、他方の緩衝体を形成する主緩衝部材、副緩衝部材との間に製品を収納するにあたり、副緩衝部材は、収納する製品の奥行きとなる一方を支持する2つの支持面を備え、製品が大型製品のときは、第1の支持面を折りたたみ第2の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持し、製品が小型製品のときは、折りたたんだ第1の支持面を元に戻し、元に戻した第1の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持することにより大きさの異なる製品を保護可能としたことを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項2の発明は、請求項1記載の連結組立式緩衝体であって、主緩衝部材の中央部は、収納する製品の底面及び側面を支持する水平支持面及び垂直支持面を備え、主緩衝部材の一端は、収納する製品の奥行きとなる他方を支持する副緩衝部材の支持面を補強する補強面を備え、主緩衝部材の他端は、収納する製品の奥行きとなる一方を支持する副緩衝部材の2つの支持面を補強する補強面を備え、補強面は、2つの支持面が第2の支持面のときは垂直になし、2つの支持面が第1の支持面のときは屈折させたことを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項3の発明は、請求項1記載の連結組立式緩衝体であって、副緩衝部材は、収納する製品の奥行きとなる他方を支持する支持面を、緩やかな斜面で支持する支持面とすることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項4の発明は、請求項1記載の連結組立式緩衝体であって、副緩衝部材は、第1の支持面を折りたたみ第2の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持するときに、第2の支持面の支持強度を強くするために、第2の支持面に連設する補強面を第2の支持面の補強材とすることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項5の発明は、請求項1記載の連結組立式緩衝体であって、副緩衝部材は、折りたたんだ第1の支持面を元に戻し、元に戻した第1の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持するときに、元に戻した第1の支持面の支持強度を補強するために、第2の支持面に連設する補強面を、主緩衝部材の屈折させた補強面に連結させ、元に戻した第1の支持面の補強材とすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の連結組立式緩衝体は、一枚の段ボール紙から断面が略L字状に折り上げられる主緩衝部材と、該主緩衝部材の両端に、一枚の段ボール紙から折り上げられる副緩衝部材を連結して左右1組からなる緩衝体を向かい合わせに配置して外装箱に収容し、一方の緩衝体を形成する主緩衝部材、副緩衝部材と、他方の緩衝体を形成する主緩衝部材、副緩衝部材との間に製品を収納するにあたり、副緩衝部材は、収納する製品の奥行きとなる一方を支持する2つの支持面を備え、製品が大型製品のときは、第1の支持面を折りたたみ第2の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持し、製品が小型製品のときは、折りたたんだ第1の支持面を元に戻し、元に戻した第1の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持したので、スペックの違いにより外形寸法が異なっても一種類の外装箱に統一することができる。
【0011】
また、主緩衝部材の中央部は、収納する製品の底面及び側面を支持する水平支持面及び垂直支持面を備え、主緩衝部材の一端は、収納する製品の奥行きとなる他方を支持する副緩衝部材の支持面を補強する補強面を備え、主緩衝部材の他端は、収納する製品の奥行きとなる一方を支持する副緩衝部材の2つの支持面を補強する補強面を備え、補強面は、2つの支持面が第2の支持面のときは垂直になし、2つの支持面が第1の支持面のときは屈折させた複雑な形状にもかかわらず一枚の段ボール紙から折り上げられるので、保管スペースに場所を取らない。
【0012】
また、副緩衝部材は、収納する製品の奥行きとなる他方を支持する支持面を、緩やかな斜面で支持する支持面としたので、いろいろな外形寸法の製品に対応することができる。
【0013】
また、副緩衝部材は、第1の支持面を折りたたみ第2の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持するときに、第2の支持面の支持強度を強くするために、第2の支持面に連設する補強面を第2の支持面の補強材としたので、いろいろな外形寸法の製品に対応することができ、確実に衝撃をやわらげることができる。
【0014】
さらに、副緩衝部材は、折りたたんだ第1の支持面を元に戻し、元に戻した第1の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持するときに、元に戻した第1の支持面の支持強度を補強するために、第2の支持面に連設する補強面を、主緩衝部材の屈折させた補強面に連結させ、元に戻した第1の支持面の補強材としたので、いろいろな外形寸法の製品に対応することができ、確実に衝撃をやわらげることができる。
【0015】
以上説明したように、本発明の連結組立式緩衝体によれば、パーソナルコンピュータの様にスペックの違いにより外形寸法が異なる製品であっても、一種類の外装箱に統一して梱包可能とすることができるので、外形寸法に合わせて複数の外装箱を用意する必要もなく、保管スペースの確保、保管コストのアップ、納品ミス等の問題点がなくなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例を示すもので、左右1組からなる緩衝体のうち一方の緩衝体の斜視図である。
【図2】同上、一方の主緩衝部材の斜視図である。
【図3】同上、製品の前方を支持する一方の副緩衝部材の斜視図である。
【図4】同上、製品の後方を支持する一方の副緩衝部材を示し、(a)は大型製品を支持する副緩衝部材の斜視図、(b)は小型製品を支持する副緩衝部材の斜視図である。
【図5】同上、一方の主緩衝部材の展開図である。
【図6】同上、製品の前方を支持する一方の副緩衝部材の展開図である。
【図7】同上、製品の後方を支持する一方の副緩衝部材の展開図である。
【図8】本発明の実施例を示すもので、左右1組からなる緩衝体のうち他方の緩衝体の斜視図である。
【図9】同上、他方の主緩衝部材の斜視図である。
【図10】同上、製品の前方を支持する他方の副緩衝部材の斜視図である。
【図11】同上、製品の後方を支持する他方の副緩衝部材を示し、(a)は大型製品を支持する副緩衝部材の斜視図、(b)は小型製品を支持する副緩衝部材の斜視図である。
【図12】同上、他方の主緩衝部材の展開図である。
【図13】同上、製品の前方を支持する他方の副緩衝部材の展開図である。
【図14】同上、製品の後方を支持する他方の副緩衝部材の展開図である。
【図15】大型製品を梱包するために左右1組の緩衝体を外装箱に収容した状態を示す斜視図である。
【図16】同上、大型製品を梱包した状態を示す斜視図である。
【図17】同上、大型製品を梱包した状態の前方の副緩衝部材の部分拡大図である。
【図18】(a)は大型製品を梱包した状態の後方の副緩衝部材の部分拡大図、(b)は主緩衝部材の上記に対応した部分拡大図である。
【図19】フロント部分が湾曲状をした大型製品を梱包した状態の前方の副緩衝部材の部分拡大図である。
【図20】小型製品を梱包するために左右1組の緩衝体を外装箱に収容した状態を示す斜視図である。
【図21】同上、小型製品を梱包した状態を示す斜視図である。
【図22】同上、小型製品を梱包した状態の前方の副緩衝部材の部分拡大図である。
【図23】(a)は小型製品を梱包した状態の後方の副緩衝部材の部分拡大図、(b)は主緩衝部材の上記に対応した部分拡大図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【実施例】
【0018】
先ず、本発明の実施例として、収納する製品の奥行きとなる一方を製品の後方、他方を製品の前方とみなして、図1〜図14を参照しながら説明する。図1は、左右1組からなる緩衝体のうち一方の緩衝体の斜視図である。図2は、一方の主緩衝部材の斜視図である。図3は、製品の前方を支持する一方の副緩衝部材の斜視図である。図4は、製品の後方を支持する一方の副緩衝部材の斜視図である。図5は、一方の主緩衝部材の展開図である。図6は、製品の前方を支持する一方の副緩衝部材の展開図である。図7は、製品の後方を支持する一方の副緩衝部材の展開図である。また、図8は、左右1組からなる緩衝体のうち他方の緩衝体の斜視図である。図9は、他方の主緩衝部材の斜視図である。図10は、製品の前方を支持する他方の副緩衝部材の斜視図である。図11は、製品の後方を支持する他方の副緩衝部材の斜視図である。図12は、他方の主緩衝部材の展開図である。図13は、製品の前方を支持する他方の副緩衝部材の展開図である。図14は、製品の後方を支持する他方の副緩衝部材の展開図である。
【0019】
左右1組からなる緩衝体10のうち、図1に示した形態に組み立てられる一方の緩衝体20は、図2に示した主緩衝部材201と、その両端に副緩衝部材203を連結した組立品である。副緩衝部材203は、図3に示した前方副緩衝部材213及び図4に示した後方副緩衝部材223から構成される。
【0020】
ここで、主緩衝部材201は図5に示した1枚の段ボール紙200から、図2に示した様に、横断面が略L字状に折り上げられる。また、前方副緩衝部材213は図6に示した1枚の段ボール紙210から、図3に示した様に、略ロ字状に折り上げられる。また、後方副緩衝部材223(223a、223b)は図7に示した1枚の段ボール紙220から、図4(a)、(b)に示した様に、略カギ状または略ロ字状に折り上げられる。
【0021】
図2に示した主緩衝部材201の中央部は、収納する製品の底面及び側面を支持する水平支持面201Hと垂直支持面201Vを備え、主緩衝部材201の一端は、前方副緩衝部材213の前方支持面213Aを補強する前方補強面201FA、201FBを備え、主緩衝部材201の他端は、後方副緩衝部材223の後方支持面を補強する後方補強面201RA、201RBを備える。図3に示した前方副緩衝部材213は、緩やかな斜面で製品を前方で支持する前方支持面213Aを備える。図4に示した後方副緩衝部材223(223a、223b)は、2つの支持面で製品を後方で支持する後方支持面223A、223Bを備え、製品が大型製品のときは、図4(a)に示した様に、第1の後方支持面223Aを折りたたみ第2の後方支持面223Bで製品の後方を支持する。また、製品が小型製品のときは、図4(b)に示した様に、折りたたんだ第1の後方支持面223Aを元に戻し、元に戻した第1の後方支持面223Aで製品の後方を支持する。
【0022】
次に、図5、図6、図7に示した段ボール紙200、210、220から、主緩衝部材201、前方副緩衝部材213、後方副緩衝部材223(223a、223b)を折り上げ、一方の緩衝体20を組み立てる手順について詳細に説明する。
【0023】
図5に示した段ボール紙200を、図2に示した主緩衝部材201の形態に折り上げるには、先ず、予め折り癖がつけられた折目L201〜L208を同方向に直角に折曲し、係合片P201、P202を係合孔R201、R202に係合して略L字状に折り上げ、水平支持面201H及び垂直支持面201Vを形成する。次に、予め折り癖がつけられた折目L2091、折目L2092を山折に折曲して前方補強面201FA、201FBを形成する。又、予め折り癖がつけられた折目L2095、L2096を折目L202、L203と同様に直角に折曲し、折目L2097を山折に折曲して後方補強面201RA、201RBを形成する。
【0024】
図6に示した段ボール紙210を、図3に示した前方副緩衝部材213の形態に折り上げるには、予め折り癖がつけられた折目L211、L212、L213を同方向に直角に折曲し、略ロ字状に折り上げ、緩やかな斜面の前方支持面213Aを形成する。
【0025】
図7に示した段ボール紙220を、図4(a)に示した後方副緩衝部材223aの形態に折り上げるには、予め折り癖がつけられた折目L221、L222,L223、L225、L226を同方向に直角に折曲し、折目L224を逆方向に直角に折曲して略カギ状とし、第1の後方支持面223Aを折りたたみ第2の後方支持面223Bを形成する。この状態から図4(b)に示した後方副緩衝部材223bの形態に折り上げるには、逆方向に直角に折曲したL224を戻して同方向に直角に折曲して略ロ字状とし、折りたたんだ第1の後方支持面223Aを元に戻し、元に戻した第1の後方支持面223Aを形成する。
【0026】
このようにして折り上げた前方副緩衝部材213、後方副緩衝部材223(223a、223b)を主緩衝部材201の両端に連結して図1に示した一方の緩衝体20の形態に組み立てるには、先ず、前方副緩衝部材213の前方支持面213A及び係合溝M211を主緩衝部材201の係合溝M202及び係合溝M201に嵌めこみ、係合片P211を主緩衝部材201の係合孔R203に係合して前方副緩衝部材213を主緩衝部材201の一端に連結する。次に、略カギ状に折り上げられた後方副緩衝部材223aの端片T221を主緩衝部材201の係合溝M203に挿入し、主緩衝部材201の後方補強面201RA、201RBを囲むように巻き付け、係合片P221を係合孔R221及び主緩衝部材201の係合孔R204に係合して略カギ状の後方副緩衝部材223aを主緩衝部材201の他端に連結する。
【0027】
略カギ状に折り上げられた後方副緩衝部材223aは、第1の後方支持面223Aを折りたたみ第2の後方支持面223Bで製品の後方を支持する際に、第2の後方支持面223Bの支持強度を強くするために、第2の後方支持面223Bに連設する補強面223Cを直角に折曲し補強面223Cに設けられた係合片P222を相対する面の係合孔R222に係合して補強材とする。
【0028】
なお、この略カギ状の後方副緩衝部材223aから略ロ字状の後方副緩衝部材223bに転換するには、折目L223、L225を元に戻し、折目L224を逆方向から同方向に変えて直角に折曲すれば良い。その際、略ロ字状の後方副緩衝部材223bは、折りたたんだ第1の後方支持面223Aを元に戻し、元に戻した第1の後方支持面223Aで製品の後方を支持する際に、第1の後方支持面223Aの支持強度を強くするために、第2の後方支持面223Bに連設する補強面223Cを鋭角に折曲し補強面223Cに設けられた係合片P222を主緩衝部材の屈折させた後方補強面の係合孔R205に係合して補強材とする。
【0029】
また、左右1組からなる緩衝体10のうち、図8に示した形態に組み立てられる他方の緩衝体30は、図9に示した主緩衝部材301、その両端に副緩衝部材303を連結した組立品である。副緩衝部材303は、図10に示した前方副緩衝部材313及び図11に示した後方副緩衝部材323から構成される。
【0030】
ここで、主緩衝部材301は図12に示した1枚の段ボール紙300から、図9に示した様に、横断面が略L字状に折り上げられる。また、前方副緩衝部材313は図13に示した1枚の段ボール紙310から、図10に示した様に、略ロ字状に折り上げられる。また、後方副緩衝部材323(323a、323b)は図14に示した1枚の段ボール紙320から、図11(a)、(b)に示した様に、略カギ状または略ロ字状に折り上げられる。
【0031】
図9に示した主緩衝部材301の中央部は、収納する製品の底面及び側面を支持する水平支持面301Hと垂直支持面301Vを備え、主緩衝部材301の一端は、前方副緩衝部材313の前方支持面313Aを補強する前方補強面301FA、301FBを備え、主緩衝部材301の他端は、後方副緩衝部材323の後方支持面を補強する後方補強面301RA、301RBを備える。図10に示した前方副緩衝部材313は、緩やかな斜面で製品を前方で支持する前方支持面313Aを備える。図11に示した後方副緩衝部材323(323a、323b)は、2つの支持面で製品を後方で支持する後方支持面323A、323Bを備え、製品が大型製品のときは、図11(a)に示した様に、第1の後方支持面323Aを折りたたみ第2の後方支持面323Bで製品の後方を支持する。また、製品が小型製品のときは、図11(b)に示した様に、折りたたんだ第1の後方支持面323Aを元に戻し、元に戻した第1の後方支持面323Aで製品の後方を支持する。
【0032】
次に、図12、図13、図14に示した段ボール紙300、310、320から、主緩衝部材301、前方副緩衝部材313、後方副緩衝部材323(323a、323b)を折り上げ、緩衝体10のうち他方の緩衝体30を組み立てる手順について詳細に説明する。
【0033】
図12に示した段ボール紙300を、図9に示した主緩衝部材301の形態に折り上げるには、先ず、予め折り癖がつけられた折目L301〜L308を同方向に直角に折曲し、係合片P301、P302を係合孔R301、R302に係合して略L字状に折り上げ、水平支持面301H及び垂直支持面301Vを形成する。次に、予め折り癖がつけられた折目L3091、折目L3092を山折に折曲して前方補強面301FA、301FBを形成する。又、予め折り癖がつけられた折目L3095、L3096を折目L302、L303と同様に直角に折曲し、折目L3097を山折に折曲して後方補強面301RA、301RBを形成する。
【0034】
図13に示した段ボール紙310を、図10に示した前方副緩衝部材313の形態に折り上げるには、予め折り癖がつけられた折目L311、L312、L313を同方向に直角に折曲し、略ロ字状に折り上げ、緩やかな斜面の前方支持面313Aを形成する。
【0035】
図14に示した段ボール紙320を、図11(a)に示した後方副緩衝部材323aの形態に折り上げるには、予め折り癖がつけられた折目L321、L322,L323、L325、L326を同方向に直角に折曲し、折目L324を逆方向に直角に折曲して略カギ状とし、第1の後方支持面323Aを折りたたみ第2の後方支持面323Bを形成する。この状態から図11(b)に示した後方副緩衝部材323bの形態に折り上げるには、逆方向に直角に折曲したL324を戻して同方向に直角に折曲して略ロ字状とし、折りたたんだ第1の後方支持面323Aを元に戻し、元に戻した第1の後方支持面323Aを形成する。
【0036】
このようにして折り上げた前方副緩衝部材313、後方副緩衝部材323(323a、323b)を主緩衝部材301の両端に連結して図8に示した他方の緩衝体30の形態に組み立てるには、先ず、前方副緩衝部材313の前方支持面313A及び係合溝M311を主緩衝部材301の係合溝M302及び係合溝M301に嵌めこみ、係合片P311を主緩衝部材301の係合孔R303に係合して前方副緩衝部材313を主緩衝部材301の一端に連結する。次に、略カギ状に折り上げられた後方副緩衝部材323aの端片T321を主緩衝部材301の係合溝M303に挿入し、主緩衝部材301の後方補強面301RA、301RBを囲むように巻き付け、係合片P321を係合孔R321及び主緩衝部材301の係合孔R304に係合して略カギ状の後方副緩衝部材323aを主緩衝部材301の他端に連結する。
【0037】
略カギ状に折り上げられた後方副緩衝部材323aは、第1の後方支持面323Aを折りたたみ第2の後方支持面323Bで製品の後方を支持する際に、第2の後方支持面323Bの支持強度を強くするために、第2の後方支持面323Bに連設する補強面323Cを直角に折曲し補強面323Cに設けられた係合片P322を相対する面の係合孔R322に係合して補強材とする。
【0038】
なお、この略カギ状の後方副緩衝部材323aから略ロ字状の後方副緩衝部材323bに転換するには、折目L323、L325を元に戻し、折目L324を逆方向から同方向に変えて直角に折曲すれば良い。その際、略ロ字状の後方副緩衝部材323bは、折りたたんだ第1の後方支持面323Aを元に戻し、元に戻した第1の後方支持面323Aで製品の後方を支持する際に、第1の後方支持面223Aの支持強度を強くするために、第2の後方支持面323Bに連設する補強面323Cを鋭角に折曲し補強面323Cに設けられた係合片P322を主緩衝部材の屈折させた後方補強面の係合孔R305に係合して補強材とする。
【0039】
以上のようにして組み立てた一方及び他方の緩衝体からなる左右1組の緩衝体10を外装箱40に収容し、製品を梱包する使用状態を、図15〜図23を参照しながら説明する。先ず、大型製品50を梱包するには、図15に示すように、主緩衝部材201の両端に、前方副緩衝部材213及び略カギ状の後方副緩衝部材223aを連結した一方の緩衝体20と、主緩衝部材301の両端に、前方副緩衝部材313及び略カギ状の後方副緩衝部材323aを連結した他方の緩衝体30を向かい合わせにして外装箱40に収容する。
【0040】
外装箱40に収容した一方の緩衝体20と他方の緩衝体30の間に、図16に示すように、大型製品50を収納する。その場合、大型製品50の左右の側面と底面は一方及び他方の主緩衝部材201、301の垂直支持面201V、301Vと水平支持面201H、301Hで支持する。大型製品50のフロント側50Fは、図17に示すように、前方副緩衝部材213及び313の前方支持面213A及び313Aで支持する。大型製品50の背面側50Eは、図18(a)に示すように、後方副緩衝部材223a及び323aの第2の後方支持面223B及び323Bで支持する。
【0041】
なお、略カギ状の後方副緩衝部材223a、323aを主緩衝部材201、301に連結するにあたり、略カギ状の後方副緩衝部材223a、323aが連結される主緩衝部材201、301の後方補強面201RA、301RAは、図18(b)に示すように、垂直になして、折りたたんだ第1の後方支持面223A、323Aの補強材とする。
【0042】
また、大型製品50の背面側50Eを略カギ状の後方副緩衝部材223a、323aの第2の後方支持面223B及び323Bで支持する際、第2の後方支持面223B及び323Bの支持強度を強くするために、第2の後方支持面223B及び323Bに連設する補強面223C及び323Cを直角に折曲し補強面223C及び323Cに設けられた係合片P222及びP322を相対する面の係合孔R222及びR322に係合して補強材とする(図7、図14)。
【0043】
なお、フロント部分50Fが湾曲状50Wをした大型製品50の場合は、フロント側を支持する前方副緩衝部材213及び313の前方支持面231A及び313Aは緩やかな斜面で形成されるので、図19に示すように、斜面の途中213Pで支持される。
【0044】
次に、小型製品60を梱包するには、図20に示すように、主緩衝部材201の両端に、前方副緩衝部材213及び略ロ字状の後方副緩衝部材223bを連結した一方の緩衝体20と、主緩衝部材301の両端に、前方副緩衝部材313及び略ロ字状の後方副緩衝部材323bを連結した他方の緩衝体30を向かい合わせにして外装箱40に収容する。
【0045】
外装箱40に収容した一方の緩衝体20と他方の緩衝体30の間に、図21に示すように、小型製品60を収納する。その場合、小型製品60の左右の側面と底面は一方及び他方の主緩衝部材201、301の垂直支持面201V、301Vと水平支持面201H、301Hで支持する。小型製品60のフロント側60Fは、図22に示すように、前方副緩衝部材213及び313の前方支持面213A及び313Aで支持する。小型製品60の背面側60Eは、図23(a)に示すように、後方副緩衝部材223b及び323bの第1の後方支持面223A及び323Aで支持する。
【0046】
なお、略ロ字状の後方副緩衝部材223b、323bを主緩衝部材201、301に連結するにあたり、略ロ字状の後方副緩衝部材223b、323bが連結される主緩衝部材201、301の後方補強面201RA、301RAは、図23(b)に示すように、屈折させて、第1の後方支持面223A及び323Aの補強材とする。
【0047】
また、小型製品60の背面側60Eを略ロ字状の後方副緩衝部材223b、323bの第1の後方支持面223A及び323Aで支持する際、第1の後方支持面223A及び323Aの支持強度を強くするために、第2の後方支持面223B及び323Bに連設する補強面223C及び323Cを鋭角に折曲し補強面223C及び323Cに設けられた係合片P222及びP322を主緩衝部材201、301の屈折させた後方補強面201RA、301RAの係合孔R205及びR305に係合して補強材とする(図5、図12)。
【0048】
なお、上記の説明では、収納する製品の奥行きとなる一方を製品の後方、他方を製品の前方とみなして説明したが、収納する製品の奥行きとなる一方を製品の前方、他方を製品の後方とみなし、製品の前方を2つの支持面を有する第1、第2の支持面で支持し、製品の後方を緩やかな斜面の支持面で支持することも可能である。
【0049】
以上、説明したように、大型製品を梱包する場合、第1の支持面を折りたたみ第2の支持面で支持する略カギ状の副緩衝部材を用い、小型製品を梱包する場合、折りたたんだ第1の支持面を元に戻し、元に戻した第1の支持面で支持する略ロ字状の副緩衝部材を用いるので、スペックの違いにより外形寸法が異なっても一種類の外装箱に統一することが出来るので、外装箱の保管スペースが確保でき、また、保管コストを削減することができ、さらに、外装箱の納品ミスを無くすことが出来る。
【符号の説明】
【0050】
10 緩衝体
20 一方の緩衝体
201 一方の主緩衝部材
201FA、201FB 前方補強面
201RA、201RB 後方補強面
201H 水平支持面
201V 垂直支持面
200 一方の主緩衝部材を展開した段ボール紙
L201〜L2098 予め折り癖がつけられた折目
P201、P202 係合片
R201〜R205 係合孔
M201〜M203 係合溝
203 一方の副緩衝部材
213 一方の前方副緩衝部材
213A 前方支持面
210 一方の前方副緩衝部材を展開した段ボール紙
L211〜L213 予め折り癖がつけられた折目
P211 係合片
M211 係合溝
223(223a、223b) 一方の後方副緩衝部材
223A 第1の後方支持面
223B 第2の後方支持面
223C 補強面
220 一方の後方副緩衝部材を展開した段ボール紙
L221〜L226 予め折り癖がつけられた折目
P221、P222 係合片
R221、R222 係合孔
T221 端片
30 他方の緩衝体
301 他方の主緩衝部材
301FA、301FB 前方補強面
301RA、301RB 後方補強面
301H 水平支持面
301V 垂直支持面
300 他方の主緩衝部材を展開した段ボール紙
L301〜L3098 予め折り癖がつけられた折目
P301、P302 係合片
R301〜R305 係合孔
M301〜M303 係合溝
303 他方の副緩衝部材
313 他方の前方副緩衝部材
313A 前方支持面
310 他方の前方副緩衝部材を展開した段ボール紙
L311〜L313 予め折り癖がつけられた折目
P311 係合片
M311 係合溝
323(323a、323b) 他方の後方副緩衝部材
323A 第1の後方支持面
323B 第2の後方支持面
323C 補強面
320 他方の後方副緩衝部材を展開した段ボール紙
L321〜L326 予め折り癖がつけられた折目
P321、P322 係合片
R321、R322 係合孔
T321 端片
40 外装箱
50 大型製品
60 小型製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚の段ボール紙から断面が略L字状に折り上げられる主緩衝部材と、該主緩衝部材の両端に、一枚の段ボール紙から折り上げられる副緩衝部材を連結して左右1組からなる緩衝体を向かい合わせに配置して外装箱に収容し、前記一方の緩衝体を形成する主緩衝部材、副緩衝部材と、前記他方の緩衝体を形成する主緩衝部材、副緩衝部材との間に製品を収納するにあたり、前記副緩衝部材は、収納する製品の奥行きとなる一方を支持する2つの支持面を備え、前記製品が大型製品のときは、第1の支持面を折りたたみ第2の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持し、前記製品が小型製品のときは、折りたたんだ第1の支持面を元に戻し、元に戻した第1の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持することにより大きさの異なる製品を保護可能としたことを特徴とする連結組立式緩衝体。
【請求項2】
前記主緩衝部材の中央部は、収納する製品の底面及び側面を支持する水平支持面及び垂直支持面を備え、前記主緩衝部材の一端は、収納する製品の奥行きとなる他方を支持する副緩衝部材の支持面を補強する補強面を備え、前記主緩衝部材の他端は、収納する製品の奥行きとなる一方を支持する副緩衝部材の2つの支持面を補強する補強面を備え、前記補強面は、前記2つの支持面が第2の支持面のときは垂直になし、前記2つの支持面が第1の支持面のときは屈折させたことを特徴とする請求項1記載の連結組立式緩衝体。
【請求項3】
前記副緩衝部材は、収納する製品の奥行きとなる他方を支持する支持面を、緩やかな斜面で支持する支持面とすることを特徴とする請求項1記載の連結組立式緩衝体。
【請求項4】
前記副緩衝部材は、第1の支持面を折りたたみ第2の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持するときに、第2の支持面の支持強度を強くするために、前記第2の支持面に連設する補強面を第2の支持面の補強材とすることを特徴とする請求項1記載の連結組立式緩衝体。
【請求項5】
前記副緩衝部材は、折りたたんだ第1の支持面を元に戻し、元に戻した第1の支持面で製品の奥行きとなる一方を支持するときに、元に戻した第1の支持面の支持強度を補強するために、前記第2の支持面に連設する補強面を、前記主緩衝部材の屈折させた補強面に連結させ、元に戻した第1の支持面の補強材とすることを特徴とする請求項1記載の連結組立式緩衝体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−235947(P2011−235947A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110889(P2010−110889)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(390019493)中央紙器工業株式会社 (26)
【Fターム(参考)】