説明

連結装置

【課題】伸縮線材を簡単かつ容易に連結具に脱着して被固定材をガラス板に固定する。
【解決手段】連結装置は、一対の連結具4と、伸縮線材5とを備える。連結具4は、パッキン1とガラス板3の間に挿入して回転できる太さの細線材からなり、この細線材は、連結ライン10の先端部にガラス周縁係止部11を、パッキン1からの露出部に脱着連結部12を設けている。連結具4は、ガラス周縁係止部11がガラス板3の外周縁に係止され、パッキン1でガラス板3の表面に押圧されて保持される。連結装置は、ガラス板3の対向部に連結された連結具4に伸縮線材5を連結して、ガラス板3と伸縮線材5との間に被固定材6を挟着する。伸縮線材5は、自由に変形できる連結リング21を両端に有すると共に、それ自体が弾性的に伸縮できる伸縮性を有しており、両端に設けている連結リング21を、ガラス板3の2カ所に連結された連結具4の脱着連結部12に連結している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板の表面にシート材などをセットする連結装置に関し、とくに、ガラス板の2カ所に連結具を引っ掛けて連結し、この連結具に両端を連結して、シート材などを固定する伸縮線材とからなる連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、ガラス板の対向する位置に連結具を引っ掛けて連結し、この連結具に伸縮線材の両端を連結することで、伸縮線材でガラス板の表面に断熱材や遮光プレートを固定する連結装置を開発した。(特許文献1参照)
【0003】
本発明者が先に開発した連結装置は、ガラス板に連結される連結具と、この連結具に両端を連結する伸縮線材とからなる。連結具は、ゴム状弾性体のパッキンを介して外周を枠体に固定しているガラス板の対向部に連結される。この連結具は、パッキンとガラス板の間に挿入でき、かつ、パッキンとガラス板の間に挿入して回転できる太さの線材からなる。線材は、先端部をL字状としてガラス板の外周縁に係止されるガラス周縁係止部を設けている。さらに、線材は、パッキンからの露出部に伸縮線材を連結する脱着連結部を設けている。以上の連結具は、L字状の先端部がパッキンとガラス板の間に挿入される状態で回転されて、ガラス周縁係止部がガラス板の外周縁に係止され、ゴム状弾性体のパッキンでもってガラス板の表面に押圧されてガラス板に連結状態に保持される。伸縮線材は、ガラス板の対向部に連結している一対の連結具にその両端を連結して、ガラス板と伸縮線材との間に断熱材や遮光プレート等の被固定材を挟着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−195323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の連結装置は、簡単な構造としながら、ガラス板に確実に抜けないように連結できる。しかしながら、以上の連結装置は、連結具の後端にループ状の脱着連結部を設けて、ここに伸縮線材を結束し、あるいはフックを介して連結している。脱着連結部に結束する伸縮線材は、連結具に簡単に脱着できない。このため、ガラス板に固定するシートや板材の被固定材のデザインを変更し、あるいは、間に小さな虫や埃が侵入し、あるいは又結露や汚れ等が発生するときに、被固定材を簡単に脱着できない欠点がある。
【0006】
また、フックを介して脱着連結部に連結する伸縮線材は、図1に示すように、断熱材のように厚い板材96Bの被固定材96をガラス板93の内面に密着して固定するとき、被固定材96の外周縁とガラス板93の外周縁部との間に隙間97を設ける必要があって、被固定材96でガラス板93の全面を覆うことができない欠点があった。さらに、フック95Aを連結具94の脱着連結部94Aに引っ掛けて連結するので、この部分が厚くなって、引き違い窓を開くときに開かれる窓枠に当たって開くことができなくなる欠点もある。さらにまた、先端にフック95Aを連結している伸縮線材95は、ゴム状弾性体として簡単に連結できるが、この伸縮線材95は、被固定材96を固定するときに、フック95Aを確実に脱着連結部94Aに係止できない状態となってこれが外れると、作業者に跳ね返って危険な状態となる欠点もある。
【0007】
本発明は、さらに以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、極めて簡単な構造としながら、伸縮線材を簡単かつ容易に、しかも速やかに連結具に脱着して、被固定材のデザインを簡単に変更でき、また間に侵入する小さな虫や埃を簡単に綺麗に除去でき、さらに、結露や汚れ等が発生するときには、被固定材を外して簡単に綺麗にできる連結装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の大切な目的は、ガラス板の全面を覆うことができる大きくて厚い被固定材をも確実に固定でき、しかも伸縮線材を連結具に連結する部分を薄くして、引き違い窓をもスムーズに開くことができ、また、安全かつ確実に伸縮線材を脱着連結部に連結できる連結装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
本発明の連結装置は、ゴム状弾性体のパッキン1を介して外周を枠体2に固定してなるガラス板3の対向部に連結される一対の連結具4と、一対の連結具4に両端が連結される伸縮線材5とを備えている。連結具4は、パッキン1とガラス板3の間に挿入でき、かつパッキン1とガラス板3の間に挿入して回転できる太さの細線材からなり、この細線材は、連結ライン10の先端部をL字状としてガラス板3の外周縁に係止されるガラス周縁係止部11を有し、さらに細線材はパッキン1からの露出部に伸縮線材5を連結する脱着連結部12を設けている。この連結具4は、L字状の先端部がパッキン1とガラス板3の間に挿入される状態で回転されて、ガラス周縁係止部11がガラス板3の外周縁に係止され、ゴム状弾性体のパッキン1でもってガラス板3の表面に押圧されてガラス板3に連結状態に保持される。さらに、連結装置は、一対の連結具4をガラス板3の対向部に連結し、この連結具4に伸縮線材5を連結して、ガラス板3と伸縮線材5との間に被固定材6を挟着する。さらに、連結装置は、伸縮線材5が、自由に変形できる柔軟な連結リング21を両端に有すると共に、それ自体が弾性的に伸縮できる伸縮性を有しており、伸縮線材5の両端に設けている連結リング21を、ガラス板3の2カ所に連結してなる連結具4の脱着連結部12に連結している。
【0010】
以上の連結装置は、極めて簡単な構造としながら、伸縮線材を簡単かつ容易に、しかも速やかに連結具に脱着して、被固定材のデザインを簡単に変更でき、また間に侵入する小さな虫や埃を簡単に綺麗に除去でき、さらに、結露や汚れ等が発生するときには、被固定材を外して簡単に綺麗にできる特徴がある。それは、以上の連結装置の伸縮線材が、自由に変形できる柔軟な連結リングを両端に連結して、それ自体が弾性的に伸縮できる伸縮性を有するからである。この伸縮線材は、両端に設けている連結リングに、ガラス板の2カ所に連結している連結具の脱着連結部を挿通して簡単に連結できる。
【0011】
また、以上の連結装置は、自由に変形できる柔軟な連結リングに脱着連結部を挿通して連結具に連結できるので、図12に示すように、ガラス板の全面を覆うことができる大きくて厚い被固定材をも確実に固定できる。それは、柔軟な連結リングを被固定材の周縁に沿って変形して、被固定材をガラス板に固定できるからである。
【0012】
さらにまた、以上の連結装置は、柔軟な連結リングを被固定材の表面に沿って変形できるので、伸縮線材を連結具に連結する部分を薄くして、引き違い窓をもスムーズに開くことができる特徴がある。また、連結リングをフックのように硬質な材料でなくて自由に変形できる柔軟な材質とするので、脱着連結部に引っ掛けるときに外れて、作業者に跳ね返っても危険な状態となることはなく、また、連結リングに脱着連結部を挿通して連結するので、安全にしかも確実に脱着連結部に連結できる特徴がある。
【0013】
本発明の連結装置は、連結具4の脱着連結部12が、伸縮線材5の連結リング21に挿入されて連結できる係止部15を両側に突出して設けることができる。
以上の連結装置は、連結リングに脱着連結部を挿通して、より確実に外れないように連結できる特徴がある。
【0014】
本発明の連結装置は、伸縮線材5が、ゴム状弾性体からなる弾性線材20の両端に連結リング21を連結することができる。
以上の連結装置は、ゴム状弾性体の伸縮線材を弾性的に伸ばす状態で、被固定材をガラス板に密着するように固定できる。
【0015】
本発明の連結装置は、伸縮線材5のゴム状弾性体を、透光性のあるプラスチックとすることができる。
以上の連結装置は、伸縮線材を目立たない状態としながら、被固定材をガラス板の表面に固定できる。
【0016】
本発明の連結装置は、伸縮線材5の連結リング21を、ゴム状弾性体の弾性リングとすることができる。
以上の連結装置は、連結リングをゴム状弾性体とするので、これを伸縮させながら、脱着連結部に確実に連結できる。
【0017】
本発明の連結装置は、連結具4の脱着連結部12が、連結ライン10の後端部に固定してなる板材16を有し、この板材16が連結ライン10の両側に突出する係止部15を有することができる。
以上の連結装置は、より確実に安定して外れないように、連結リングを脱着連結部に連結できると共に、板材でもって連結具を簡単にガラス板に係止でき、さらに被固定材をガラス板に固定する状態では、板材をガラス板表面に沿うように配置して、薄く配置できる。
【0018】
本発明の連結装置は、連結具4の脱着連結部12が、板材16の内部に、連結ライン10の後端部を板材16の表面に沿って折曲してなる折曲部17を有することができる。
以上の連結装置は、連結ラインの後端部を確実に板材の内部に固定できる。とくに、連結ラインを回転しない状態で板材に固定して、連結具を確実にガラス板に脱着できる特徴がある。
【0019】
本発明の連結装置は、連結具4の連結ライン10の後端に、両側に突出する係止線材19を設けて係止部15とすることができる。
以上の連結装置は、連結ラインを折曲加工して脱着連結部の係止部とするので、連結具をより簡単な構造として安価に多量生産できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明者が先に開発した連結装置で厚い被固定材をガラス板の内面に固定する状態を示す拡大断面図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる連結装置の使用例を示す一部拡大断面斜視図である。
【図3】図2に示す連結装置の拡大断面図である。
【図4】図2に示す連結装置の連結具を伸縮線材に連結する状態を示す拡大断面斜視図である。
【図5】図2に示す連結装置の連結具の斜視図である。
【図6】図5に示す連結具の平面図である。
【図7】図5に示す連結具の側面図である。
【図8】連結具の他の一例を示す斜視図である。
【図9】連結具の他の一例を示す斜視図である。
【図10】連結具の他の一例を示す斜視図である。
【図11】連結具の他の一例を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施例にかかる連結装置の他の使用例を示す拡大断面図である。
【図13】ガラス板の表面に挟着される被固定材の一例を示す正面図である。
【図14】伸縮線材が被固定材をガラス板に挟着する一例を示す正面図である。
【図15】伸縮線材が被固定材をガラス板に挟着する他の一例を示す正面図である。
【図16】伸縮線材が被固定材をガラス板に挟着する他の一例を示す正面図である。
【図17】伸縮線材が被固定材をガラス板に挟着する他の一例を示す正面図である。
【図18】伸縮線材が被固定材をガラス板に挟着する他の一例を示す正面図である。
【図19】伸縮線材が被固定材をガラス板に挟着する他の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための連結装置を例示するものであって、本発明は連結装置を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0022】
図2ないし図4に示す連結装置は、ゴム状弾性体のパッキン1を介して外周を枠体2に固定しているガラス板3の対向部に連結される一対の連結具4と、この連結具4に両端を連結している伸縮線材5とで被固定材6のシート材6Aをガラス板3の室内側の表面に固定している。この図に示すように、連結具4は、主としてガラス板3の室内側からパッキン1の間に挿入されて、ガラス板3の室内側に被固定材6のシート材6A等を固定する。ただ、本発明の連結装置は、ガラス板の室外側の表面からパッキンの間に連結具を挿入して、ガラス板の室外側に被固定材のシート材などを固定することもできる。
【0023】
連結具4は、図5ないし図7に示すように、パッキン1とガラス板3の間に挿入でき、かつパッキン1とガラス板3の間に挿入して回転できる太さの細線材からなる。この細線材は、好ましくはピアノ線、ステンレス製のバネ線等の弾性金属線が使用される。ただ、弾性のない金属線も使用できる。さらに、金属線は、表面を被覆して錆びない処理をし、あるいはSUS304等の錆びないバネ線を使用することもできる。さらに、連結具4の細線材は、硬質プラスチック製の細線材も使用できる。細線材は、ガラス板3とパッキン1との間にスムーズに挿入して回転できる太さとする。細線材が太すぎると、ガラス板3とパッキン1との間に挿入するのが難しくなる。したがって、細線材の太さは、たとえば1.5mm以下、好ましくは1.2mm以下、さらに好ましくは1mm以下とする。細線材は細すぎると十分な強度を実現できない。したがって、細線材の太さは、たとえば0.3mm以上、好ましくは0.5mm以上とする。細線材の太さは、材質と用途を考慮して最適値に設定されるが、たとえば約0.8mm〜1mmとして、ガラス板3とパッキン1の間にスムーズに挿入しながら十分な強度にできる。
【0024】
連結具4は、直線状の連結ライン10の先端部に、L字状に折曲してなるガラス周縁係止部11を設けている。ガラス周縁係止部11は、L字状に折曲されて、ガラス板3の外周縁に係止される。さらに、連結ライン10の後端部は、パッキン1からの露出部に伸縮線材5を連結する脱着連結部12を設けている。連結具4は、細線材を折曲加工して、連結ライン10の先端にガラス周縁係止部11を設け、さらに、連結ライン10の後端部に脱着連結部12を設けている。
【0025】
図5ないし図7の連結具4は、ガラス周縁係止部11の先端部をさらに内側に折曲する形状として、先端にロック片13を設けている。ロック片13は、図2ないし図4に示すように、ガラス板3の外側面に係止されて、ガラス周縁係止部11を抜けないようにガラス板3の外周縁に係止する。このガラス周縁係止部11は、ロック片13で溝形に形成されるが、溝の内幅をガラス板3の厚さとして、ロック片13の内側にガラス板3を案内して、ガラス周縁係止部11を抜けないようにガラス板3の外周縁に引っかけて連結できる。とくに、連結具4は、パッキン1の弾性でもって、ガラス板3の表面に向かって弾性的に押圧されるので、ガラス周縁係止部11は抜けないようにガラス板3の外周縁に係止される。
【0026】
さらに、図5ないし図7の連結具4は、連結ライン10の後端部に設けている脱着連結部12を、回転阻止部14に併用している。回転阻止部14は、パッキン1から外部に露出する連結ライン10の露出部、図において連結ライン10の後端部に設けられる。回転阻止部14は、ガラス周縁係止部11をガラス板3の外周縁に係止させる状態で、ガラス板3の表面に沿う板状ないし線状で、連結ライン10の両側に突出して設けられる。すなわち、回転阻止部14は、ガラス周縁係止部11を含む面内に対して直交する面内にあって、所定の横幅を有する形状とされる。回転阻止部14がガラス板3の内面に沿う状態となって、ガラス板3の外周縁に係止されるガラス周縁係止部11の回転が阻止される。したがって、回転阻止部14を有する連結具4は、回転阻止部14で連結ライン10の回転が阻止されるので、ガラス周縁係止部11をガラス板3の外周縁に係止する状態に保持できる。いいかえると、ガラス周縁係止部11がガラス板3の表面と平行な状態となって、引っ掛け状態が解除されることがない。このため、回転阻止部14でもって、常にガラス周縁係止部11をガラス板3の外周縁に係止する状態に保持して、抜けないようにガラス板3に連結できる。
【0027】
図5ないし図11は、連結ライン10の後端に、種々の脱着連結部12を有する連結具4を示している。脱着連結部12は、伸縮線材5の連結リング21に外れないように連結される。脱着連結部12は、連結ライン10の両側に突出する係止部15を有する。これらの連結具4は、連結ライン10の後端部に設けている脱着連結部12を回転阻止部14に併用している。図5ないし図10に示す脱着連結部12は板状で、図11の脱着連結部12は連結ライン10の両側に突出する線状としている。
【0028】
図5ないし図10に示す脱着連結部12は、連結ライン10の後端部に接着された板材16を有し、この板材16が連結ライン10の両側に突出する係止部15を構成している。この連結ライン10は、後端部を板材16の表面に沿って折曲して折曲部17とし、この折曲部17を板材16に固定して、脱着連結部12としている。折曲部17は、2枚の板材16に挟着して固定され、あるいは板材16を成形するプラスチックに埋設されて、板材16に固定されて、連結ライン10の後端部に脱着連結部12を設けている。
【0029】
図5ないし図8に示す脱着連結部12は、折曲部17をループ状に折曲加工している。ループ状の折曲部17は、板材16の内部に強固に固定できる。折曲部17は、図9に示すように、連結ライン10の後端部を両側に突出するように折曲し、あるいは図10に示すように、連結ライン10の後端部を両側に突出するジグザグ状に折曲加工することもできる。さらに、図示しないが、連結ラインの後端部を板状にプレス加工して横幅を広くし、板状のプレス部を板材に固定して脱着連結部とすることもできる。板状のプレス部は、2枚の板材に挟着して固定され、あるいは、プラスチック製の板材に埋設する状態でインサート成形して固定される。
【0030】
図5ないし図10の脱着連結部12の板材16は、連結ライン10の両側に、伸縮線材5の連結リング21を外れないように引っ掛ける引っ掛け凹部18を設けている。この脱着連結部12は、引っ掛け凹部18に連結リング21を案内して、外れないように連結できる。ただ、引っ掛け凹部は必ずしも設ける必要はなく、連結ラインの両側に突出する脱着連結部に連結リングを引っ掛けて連結することもできる。
【0031】
図5ないし図7の脱着連結部12の板材16は外形を円形として、図8の板材16は外形を連結ライン10の両側に長径を突出させる楕円形とし、図9の板材16は外形を四角形とし、図10の板材16は矢の羽根の形状であって、前後の傾斜を逆向きとして、連結ライン10の両側に引っ掛け凹部18を設けている。
【0032】
図11の脱着連結部12は、連結ライン10の後端に、連結ライン10の両側に突出する係止線材19を設けて係止部15としている。この係止線材19は、連結ライン10の細線材を折曲加工することで、細線材のみを使用して脱着連結部12を設けることができる。
【0033】
以上の連結具4は、図4の鎖線で示すように、後端の脱着連結部12や回転阻止部14をつかんで、図の矢印Aで示すように、L字状の先端部をパッキン1とガラス板3の間に挿入する。このとき、ガラス周縁係止部11をガラス板3と平行な姿勢として、ガラス板3とパッキン1との間に通過させる。ゴム状弾性体からなるパッキン1は変形して、ガラス周縁係止部11をスムーズにガラス板3との間に通過させる。ガラス周縁係止部11をガラス板3の外周縁まで挿入する状態で、回転阻止部14や脱着連結部12をつかんで、図の矢印Bで示すように90度回転させると、ガラス周縁係止部11がガラス板3の外周縁に係止される状態になる。この状態で、ゴム状弾性体のパッキン1は、細線材をガラス板3の表面に向かって押圧する。この連結状態にある連結具4は、パッキン1を室内側から室外側には貫通せず、パッキン1がガラス板3の防水を阻害することはない。
【0034】
図2に示すように、一対の連結具4がガラス板3の対向部に連結されて、連結具4に伸縮線材5を連結して、ガラス板3と伸縮線材5との間に被固定材6を挟着する。図2はガラス板3の上下に連結具4を連結し、上下の連結具4に伸縮線材5の両端を連結して、伸縮線材5とガラス板3の間に被固定材6であるシート材6Aを挟んで固定している。さらに、図2の連結装置は、ガラス板3の上下に各々2組の連結具4を連結して、2本の伸縮線材5で被固定材6のシート材6Aをガラス板3の表面に挟着している。
【0035】
伸縮線材5は、自由に変形できる柔軟な連結リング21を両端に有すると共に、それ自体が弾性的に伸縮できる伸縮性を有する。伸縮線材5は、弾性線材20の両端に連結リング21を連結している。この伸縮線材5は、弾性線材20を長くして、優れた伸縮性、すなわち伸縮できるストロークを大きくできる。ただし、伸縮線材は、伸縮しない線材の両端に、伸縮できる連結リングを連結して弾性的に伸縮できる構造とすることもできる。また、弾性線材の両端に伸縮できる連結リングを連結して、弾性線材と連結リングの両方で、伸縮線材の伸縮性を実現することもできる。
【0036】
弾性線材20は、ゴム状弾性体やコイルスプリング等の伸縮性を有する線材が使用できる。ゴム状弾性体の弾性線材20は、透光性のあるプラスチックである。透光性のプラスチックには、シリコンゴムが最適である。シリコンゴムは耐候性があって透光性があるので、被固定材を固定する状態で、目立たない特徴がある。弾性線材には、透光性のプラスチックとしてウレタンゴムなども使用できる。
【0037】
連結リング21は、自由に変形できる柔軟な透明のプラスチック糸、細い金属線、ゴム状弾性体の糸などの線材が使用できる。透明のプラスチック糸には、テグスなどのナイロン糸が最適である。また、細い金属線には、0.1mm〜0.3mmのステンレス線やピアノ線が使用できる。連結リング21は、連結具4の脱着連結部12を挿通できる大きさであって、線材の両端を弾性線材20に固定してループ状としている。さらに、伸縮できる連結リング21は、ゴム状弾性体からなる弾性リングとすることができる。
【0038】
本発明の連結装置は、シート材などの被固定材6をガラス板3の表面に伸縮線材5で挟んで固定できるが、固定する被固定材6を特定しない。被固定材6には、たとえば、透明シート、半透明シート、不透明シート材等のシート材6Aが使用され、または、所定の厚さの断熱シートなども使用できる。
【0039】
図3は、本発明の連結装置が、被固定材6として、薄いシート材6Aをガラス板3の表面に固定する一例を示している。この図に示すように、薄いシート材6Aである被固定材6は、ガラス板3の表面に伸縮線材5で挟んで固定するだけでなく、シート材6Aの端部を連結具4の露出部とガラス板3との間にも挟んで固定することができる。この構造は、シート材6Aである被固定材6の外周縁とガラス板3の外周縁部との間にできる隙間をさらに狭くしながら、被固定材6をガラス板3に固定できる。したがって、薄いシート材をガラス板3の全面に隙間無く被覆することもできる。
【0040】
さらに、本発明の連結装置は、図12に示すように、被固定材6として、所定の厚さの断熱シート6Bをガラス板3の表面に固定することもできる。図の連結装置は、連結具4の連結ライン10であって、パッキン1から突出する露出部を脱着連結部12として、伸縮線材5の連結リング21を連結している。この連結具4は、連結ライン10の後端部に設けた板材16の係止部に連結リング21を係止することなく、連結リング21に連結ライン10を挿通し、この連結ライン10を脱着連結部12として連結リング21を連結している。この構造は、伸縮線材5の連結リング21を連結ライン10に挿通すると共に、連結ライン10の後端部をガラス板3の表面に被固定材6で挟んで固定することにより、すなわち、連結ライン10の一方をパッキン1で、他方を被固定材6でガラス板3の表面に向かって押圧することにより、中間に挿通された連結リング21が連結具4から外れるのを阻止している。伸縮線材5は、両端に設けた柔軟な連結リング21を被固定材6の周縁に沿って変形させることで、所定の厚さの被固定材6の端部を連結リング21で保持して、被固定材6をガラス板3に固定している。この構造も、所定の厚さの断熱シート6Bである被固定材6をガラス板3の全面に隙間無く被覆することができる。
【0041】
さらに、本発明の連結装置は、複数枚のシート材を積層してガラス板3の表面に伸縮線材5とガラス板3とで挟んで互いに相対的にずらせることができる状態で挟着することができる。被固定材6である複数枚のシート材6Aは、たとえば、図13に示すように、同じピッチで複数の貫通孔31のあるシート材6Aを積層して、光や視認性をコントロールすることができる。それは、積層しているシート材6Aの相対位置をずらせて、貫通孔31を一致し、あるいは貫通孔31の位置を異なる位置として、他方のシート材6Aで貫通孔31を閉塞できるからである。
【0042】
伸縮線材5が被固定材6をガラス板3の表面に挟着する具体例を図14ないし図19に示している。図14と図15は、複数組の連結具4をガラス板の上下の対向位置に連結して、上下に伸びる複数の伸縮線材5で被固定材6をガラス板の表面に挟着している。図16と図17は、複数組の連結具4をガラス板の左右の対向位置に連結して、水平方向にのびる複数の伸縮線材5で被固定材6をガラス板の表面に挟着している。さらに、図18の連結装置は、ガラス板の上下と左右の対向位置に複数組の連結具4を連結して、上下左右に伸びる複数の伸縮線材5で被固定材6をガラス板の表面に挟着する。さらにまた、図19の連結装置は、ガラス板の隅部に対向して複数組の連結具4を連結して、ガラス板の四隅部に伸縮線材5を張りめぐらして、被固定材6をガラス板の表面に挟着する。以上の具体例は、種々の方向に伸縮線材5を張り巡らせて被固定材6をガラス板の表面に挟着するが、本発明の連結装置は、伸縮線材が被固定材をガラス板の表面に挟着する状態を特定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の連結具は、ガラス板の外周に連結されて、ガラス板などの表面に、透過光の調整シート、ガラス板の装飾材、広告媒体、種々の表示、断熱シートなどを固定するのに使用される。
【符号の説明】
【0044】
1…パッキン
2…枠体
3…ガラス板
4…連結具
5…伸縮線材
6…被固定材 6A…シート材
6B…断熱シート
10…連結ライン
11…ガラス周縁係止部
12…脱着連結部
13…ロック片
14…回転阻止部
15…係止部
16…板材
17…折曲部
18…引っ掛け凹部
19…係止線材
20…弾性線材
21…連結リング
31…貫通孔
93…ガラス板
94…連結具 94A…脱着連結部
95…伸縮線材 95A…フック
96…被固定材 96B…板材
97…隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム状弾性体のパッキン(1)を介して外周を枠体(2)に固定してなるガラス板(3)の対向部に連結される一対の連結具(4)と、一対の連結具(4)に両端が連結される伸縮線材(5)とを備え、
前記連結具(4)は、パッキン(1)とガラス板(3)の間に挿入でき、かつパッキン(1)とガラス板(3)の間に挿入して回転できる太さの細線材からなり、この細線材は連結ライン(10)の先端部をL字状としてガラス板(3)の外周縁に係止されるガラス周縁係止部(11)を有し、さらに細線材はパッキン(1)からの露出部に伸縮線材(5)を連結する脱着連結部(12)を有し、
L字状の先端部がパッキン(1)とガラス板(3)の間に挿入される状態で回転されて、ガラス周縁係止部(11)がガラス板(3)の外周縁に係止され、ゴム状弾性体のパッキン(1)でもってガラス板(3)の表面に押圧されてガラス板(3)に連結状態に保持されるようにしており、
一対の連結具(4)がガラス板(3)の対向部に連結され、この連結具(4)に伸縮線材(5)を連結して、ガラス板(3)と伸縮線材(5)との間に被固定材(6)を挟着するようにしてなるガラス板(3)に被固定材(6)を装着する連結装置であって、
前記伸縮線材(5)が、自由に変形できる柔軟な連結リング(21)を両端に有すると共に、それ自体が弾性的に伸縮できる伸縮性を有し、
前記伸縮線材(5)の両端に設けている連結リング(21)が、ガラス板(3)の2カ所に連結してなる連結具(4)の脱着連結部(12)に連結されるようにしてなる連結装置。
【請求項2】
前記連結具(4)の脱着連結部(12)が、前記伸縮線材(5)の連結リング(21)に挿入されて連結できる係止部(15)を両側に突出して設けてなる請求項1に記載される連結装置。
【請求項3】
前記伸縮線材(5)が、ゴム状弾性体からなる弾性線材(20)の両端に連結リング(21)を連結してなる請求項1又は2に記載される連結装置。
【請求項4】
前記伸縮線材(5)のゴム状弾性体が、透光性のあるプラスチックである請求項3に記載される連結装置。
【請求項5】
前記伸縮線材(5)の連結リング(21)がゴム状弾性体の弾性リングである請求項1ないし4のいずれかに記載される連結装置。
【請求項6】
前記連結具(4)の脱着連結部(12)が、連結ライン(10)の後端部に固定してなる板材(16)を有し、この板材(16)が連結ライン(10)の両側に突出する係止部(15)を有する請求項1ないし5のいずれかに記載される連結装置。
【請求項7】
前記連結具(4)の脱着連結部(12)が、板材(16)の内部に、連結ライン(10)の後端部を板材(16)の表面に沿って折曲してなる折曲部(17)を有する請求項6に記載される連結装置。
【請求項8】
前記連結具(4)の連結ライン(10)の後端に、両側に突出する係止線材(19)を設けて係止部(15)としている請求項2に記載される連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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