説明

連続鋳造設備におけるガス吹込み異常検知装置、連続鋳造設備

【課題】上ノズルからのアルゴンガス等の不活性ガス吹込みの異常を検知する装置及び該装置を備えた連続鋳造設備を提供する。
【解決手段】本発明のガス吹込み異常検知装置1は、複数個の取鍋5を順次交換してタンディッシュ7に溶鋼を供給すると共にタンディッシュ7の底部に設けられた上ノズル9から不活性ガスを溶鋼中に吹込みながら連続鋳造を行うに当り、不活性ガスの吹込み状況の異常を検知するものであって、交換前の取鍋5からの溶鋼供給時の背圧と、交換後の取鍋5からの溶鋼供給時の背圧とに基づいて背圧の降下量を算出する背圧降下量算出手段11と、背圧降下量算出手段11の算出結果に基づいてガスの吹き込み異常を判定する判定手段15とを備えたことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続鋳造設備において上ノズルからアルゴンガス等の不活性ガスを溶鋼中に吹込みながら連続鋳造を行うに当り、不活性ガスの吹込み状況の異常を検知する連続鋳造設備におけるガス吹込み異常検知装置、及び該ガス吹込み異常検知装置を備えた連続鋳造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連続鋳造によるスラブの製造方法においては、溶鋼処理の過程で発生するAl23等の非金属介在物が浸漬ノズル、スライディングノズル等の吐出口あるいは内孔等に析出して、ノズル閉塞を引き起こすために、アルゴンガス等の不活性ガスを上ノズル等から溶鋼中に吹き込んで吐出口あるいは内孔面をガスで被覆し、あるいはガスの上昇流による浮上効果により非金属介在物等を除去する対策が取られている。
【0003】
このようなものとして、例えば特許文献1に記載のスラブ鋳造におけるアルゴンガス吹込制御方法の発明がある。
特許文献1では、浸漬ノズルに吹き込むArガス流量を鋳造中に一定の時間毎に単位設定量だけ増加させ、鋳型内の湯面状況を観察して湯面変動或いは沸き立ち現象が発生するまで繰り返して増加させ、湯面変動或いは沸き立ち現象が発生したならば、単位設定量だけ減少させて吹き込み量を決定する方法を提案している。
【0004】
また、他の例として、特許文献2のアルミキルド鋼の連続鋳造方法の発明がある。
特許文献2のアルミキルド鋼の連続鋳造方法は、浸漬ノズルへ吹き込む不活性ガスの背圧または流量を鋳造中に増減させながら、該浸漬ノズルを介して溶鋼を鋳型内に注入することを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−238547号公報
【特許文献2】特開2007−237246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載の方法は、いずれもアルゴンガスの吹き込み制御に主眼が置かれている。
そのため、アルゴンガスの吹き込み制御が予定した制御に基づいて行われていたとしても、種々の原因で欠陥品が発生することも考えられる。
そこで、欠陥品をなくするためには、アルゴンガスの吹き込み制御の前段階として上ノズルからのアルゴンガスの吹込みが正常に行われているかどうかを正確に知ることが必要である。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、上ノズルからのアルゴンガス等の不活性ガス吹込みに異常があることを検出できる装置及び該装置を備えた連続鋳造設備を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る連続鋳造設備におけるガス吹込み異常検知装置は、複数個の取鍋を順次交換してタンディッシュに溶鋼を供給すると共に前記タンディッシュの底部に設けられた上ノズルからアルゴンガス等の不活性ガスを溶鋼中に吹込みながら連続鋳造を行うに当り、前記不活性ガスの吹込み状況の異常を検知する連続鋳造設備におけるガス吹込み異常検知装置であって、交換前の取鍋からの溶鋼供給時の背圧と、交換後の取鍋からの溶鋼供給時の背圧とに基づいて背圧の降下量を算出する背圧降下量算出手段と、該背圧降下量算出手段の算出結果に基づいてガスの吹き込み異常を判定する判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
(2)上記(1)に記載のものにおいて、前記背圧降下量算出手段は、前記取鍋から前記タンディッシュへの溶鋼供給開始から所定時間経過後に、その後の所定時間内の背圧の平均値を算出し、該平均値に基づいて前記背圧降下量を算出することを特徴とするものである。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、交換後の取鍋からの溶鋼供給時における所定時間内での背圧のハンチング発生回数を算出するハンチング回数算出手段を備え、前記判定手段は、前記ハンチング回数算出手段の算出結果と前記背圧降下量算出手段の算出結果に基づいてガスの吹き込み異常を判定することを特徴とするものである。
【0011】
(4)また、上記(3)に記載のものにおいて、前記ハンチング回数算出手段は、所定時間内の前記背圧の平均値とt(MPa)とし、1秒間の背圧をs(MPa)としたときに、|s−t|の値が予め設定した値以上のときにハンチング有りと判定することを特徴とするものである。
【0012】
(5)本発明に係る連続鋳造設備は、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のガス吹込み異常検知装置を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、交換前の取鍋からの溶鋼供給時の背圧と、交換後の取鍋からの溶鋼供給時の背圧とに基づいて背圧の降下量を算出する背圧降下量算出手段と、該背圧降下量算出手段の算出結果に基づいてガスの吹込み異常を判定する判定手段とを備えたことにより、背圧降下量に基づいてガス吹込み異常、特に異常が重篤である上ノズルの亀裂の有無を判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係る連続鋳造設備におけるガス吹込み異常検知装置の説明図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す拡大図である。
【図3】図2の一部を拡大して示す拡大図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る連続鋳造設備におけるガス吹込み異常検知装置の動作説明図であり、タンディッシュの重量と背圧の時間経過による変化を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施の形態に係る連続鋳造設備におけるガス吹込み異常検知装置の動作説明図であり、ハンチング回数算出手段によるハンチング回数の検知方法の説明図である。
【図6】ハンチング有りの状態を示すグラフであり、縦軸がアルゴンガスの背圧を示し、横軸が時間を示している。
【図7】ハンチング無しの状態を示すグラフであり、縦軸がアルゴンガスの背圧を示し、横軸が時間を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施の形態に係る連続鋳造設備におけるガス吹込み異常検知装置1は、連続鋳造設備3に設けられて、複数個の取鍋5を順次交換してタンディッシュ7に溶鋼を供給すると共にタンディッシュ7の底部に設けられた上ノズル9からアルゴンガス等の不活性ガスを溶鋼中に吹込みながら連続鋳造を行うに当り、不活性ガスの吹込み状況の異常を検知するものであって、交換前の取鍋5からの溶鋼供給時の背圧と、交換後の取鍋5からの溶鋼供給時の背圧とに基づいて背圧の降下量を算出する背圧降下量算出手段11と、交換後の取鍋5からの溶鋼供給時における所定時間内での背圧のハンチング発生回数を算出するハンチング回数算出手段13と、背圧降下量算出手段11とハンチング回数算出手段13の算出結果に基づいてガスの吹き込み異常を判定する判定手段15とを備えている。
以下、詳細に説明する。
【0016】
まず、本実施の形態に係るガス吹込み異常検知装置1を設ける連続鋳造設備3について説明する。
<連続鋳造設備>
連続鋳造設備3は、鋳型16と、鋳型16の上方に設置されたタンディッシュ7と、タンディッシュ7に溶鋼を供給する取鍋5とを備えている。
タンディッシュ7は、図2に示すように、外殻を鉄皮17で覆われ、鉄皮17の内側に耐火物18が貼り付けられている。タンディッシュ7の底部には、耐火物18に嵌合するようにして上ノズル9が設置されている(図2参照)。上ノズル9の下方にはアクチュエータ19によって動作するスライディングノズル21が設置され、さらに、スライディングノズル21の下方には浸漬ノズル23が設置されている。
【0017】
上ノズル9は、図3に示すように、上部吹込部9a、下部吹込部9b、及び上部吹込部9aと下部吹込部9bとの中間に位置する本体部9cの3つの部分で構成されており、これら3つの部分の外周部は鉄板9eで覆われている。上部吹込部9a及び下部吹込部9bは、ガスを吹込む部分であり、アルミナ質のポーラス煉瓦で形成され、本体部9cは、比較的緻密なアルミナ質で形成されている。
【0018】
上部吹込部9aにはアルゴンガス等の不活性ガスを導入するガス導入管25aが設置され、また、下部吹込部9bにも、不活性ガスを導入するためのガス導入管25bが設置されている。ガス導入管25aから供給される不活性ガスは上部吹込部9aを介して溶鋼に吹き込まれ、一方、ガス導入管25bから供給される不活性ガスは下部吹込部9bを介して溶鋼に吹き込まれる。
ガス導入管25a、25bはそれぞれ独立したガス供給装置に接続しており、それぞれ独立して不活性ガスの供給量が制御されるようになっている。
【0019】
図1に示すように、ガス導入管25には圧力検知器27が設けられて、圧力検知器27の圧力検知信号がガス吹込み異常検知装置1に入力される。
なお、図1におけるガス導入管25は、図3におけるガス導入管25a、25bの両方を総称している。また、圧力検出器27は、ガス導入管25a、25bのそれぞれに個別に設置された圧力検出器27a、27bを総称している。
タンディッシュ7の下部にはタンディッシュ7の重量を検知することを目的としてロードセルからなる重量検知器29が設置され、重量検知器29の重量検知信号がガス吹込み異常検知装置1に入力される。
【0020】
<ガス吹込み異常検知装置>
アルゴンガス吹込み異常検知装置1は、前述したように、背圧降下量算出手段11と、ハンチング回数算出手段13と、判定手段15を備えている。
これらの各手段は、CPUが所定のプログラムを実行することで実現される。
【0021】
〈背圧降下量算出手段〉
背圧降下量算出手段11は、交換前の取鍋5からの溶鋼供給時の背圧と、その後直近に交換した交換後の取鍋5からの溶鋼供給時の背圧とに基づいて背圧降下量を算出する。
背圧降下量算出手段11が背圧降下量算出の基礎とする背圧は、取鍋5からタンディッシュ7への溶鋼供給開始から所定時間経過後に、その後の所定時間内の背圧の平均値とするのが好ましい。
【0022】
取鍋5からタンディッシュ7への溶鋼供給開始は、取鍋5を交換した後に行われるが、取鍋交換時期は、重量検知器29の重量検知信号を入力して、当該重量検知信号に基づいて検知する。
図4は、横軸が時間、右側縦軸がタンディッシュ(TD)重量を示している。図4のグラフにはTD重量の時間推移が太線グラフで示されている。図4において、「1ch目」と記載しているのは、タンディッシュ7を交換した後、第1チャージ目の取鍋5からの溶鋼の供給であることを示している。また、「2ch目」とは、「1ch目」が終了した後、取鍋5のみを交換して交換後の取鍋5からの溶鋼の供給である。図4から分かるように、取鍋交換時にはTD重量が低下し、その後、タンディッシュ7への溶鋼の供給が開始されると、TD重量が増している。
【0023】
溶鋼供給開始から所定時間経過とは如何なるタイミングであるかを、図4のグラフに基づいて説明する。
タンディッシュ7を交換した後、取鍋5からの溶鋼の供給の場合には、溶鋼供給からd秒経過後である。d秒の一例を挙げればd=600秒である。
また、取鍋5のみを交換した後、取鍋5からの溶鋼供給の場合は、例えば「2ch目」の供給開始時t1からc秒経過後である。c秒の一例を挙げればc=180秒である。
【0024】
タンディッシュ7を交換した後、取鍋5からの溶鋼の供給の場合と、取鍋5のみを交換した後、取鍋5からの溶鋼供給の場合とにおいて、平均値算出のタイミングを異ならせた理由は以下の通りである。
1ch目、及びタンディッシュ交換後はタンディッシュ重量‘0’からの溶鋼注ぎ上げとなるが、2ch目以降の取鍋5のみの交換後は通常であれば10t以上(少なくとも‘0’より大)からの注ぎ上げとなる。
このように、1ch目、及びタンディッシュ交換後と、取鍋5のみを交換した場合とでは、定常制御状態に達するまでの時間が異なってくる為、それぞれの場合について定常制御状態に達するまでに必要と考えられる時間を経過した時点で平均値算出のタイミングとした。
なお、本実施の形態では、1ch目、及びタンディッシュ交換後と、取鍋5のみを交換した場合のそれぞれにおける平均値算出のタイミングを可変として適宜設定できるようにしている。
平均値は、図4のグラフでは、α秒間の平均を取ることが示されている。α秒の具体例を挙げれば、α=300秒である。
また、判定を適正に行うためのαの好ましい範囲は、30秒≦α≦900秒である。
【0025】
背圧降下量算出手段11は、例えば「1ch目」のα時間における背圧の平均値β1と、「2ch目」のα時間における背圧の平均値β2とを比較して、その差(β1−β2)を算出して、判定手段15に出力する。
【0026】
<ハンチング回数算出手段>
ハンチング回数算出手段13は、交換後の取鍋5からの溶鋼供給時における所定時間内での背圧のハンチング発生回数を算出する。
ハンチング回数算出手段13によるハンチング回数の算出方法を、図5に基づいて説明する。
b秒間における背圧の平均値をt(MPa)とし、1秒毎のサンプリングで検出された背圧をs(MPa)とする。
|s−t|が予め定めた所定値θ(例えばθ=0.0002Mpa)以上であればハンチング有りとする。そして、ハンチング回数は、所定時間b秒間に何回ハンチングが有ったかを算出して、判定手段15に出力する。b秒の具体例を挙げれば、b=180秒である。
【0027】
なお、ハンチングの有無を判定するため、背圧平均値を求めるための時間b(秒)の好ましい範囲は10秒≦b≦600秒である。
【0028】
<判定手段>
判定手段15は、背圧降下量算出手段11とハンチング回数算出手段13の算出結果に基づいてガスの吹き込み異常を判定する。
判定手段15は、背圧降下量算出手段11の算出結果を入力して背圧の降下量(β1−β2)が予め設定した閾値γ以下であれば、背圧降下「無し」と判定する。他方、降下量(β1−β2)が予め設定した閾値γを越えるときは背圧降下「有り」と判定する。
背圧降下「無し」の場合には、背圧の時間経過によるグラフは、例えば図4のグラフで細線で示した「背圧(正常)」のような線になる。他方、背圧降下「有り」の場合には、背圧の時間経過によるグラフは、例えば図4のグラフで太線で示した「背圧(異常)」のような線になる。
【0029】
また、判定手段15は、ハンチング回数算出手段13の算出結果を入力して、入力されたハンチング回数に基づいてハンチングについての評価を行う。
評価としては、例えば3段階の評価とする。即ち、所定時間b秒間のハンチング回数がa回(例えば、a=5)を越えたときには「有り(多数)」と評価し、所定時間b秒間のハンチング回数が1〜a回のときには「有り(少数)」と評価し、所定時間b秒間のハンチング回数が0の場合または3b秒間で1回のときには「無し」と評価する。
ハンチング有りの場合の状態をグラフで示したものが、図6であり、ハンチング無しの状態をグラフで示したものが図7である。
【0030】
判定手段15は、背圧降下量に対する評価と、ハンチング回数に対する評価とに基づいてガス吹込み状態が異常かどうかを判定する。
判定結果の一例を示すと、表1のようになる。
【0031】
【表1】

【0032】
背圧降下の有無は、上ノズルの構造的(耐火物の亀裂も含む)なリークの有無と関連しており、リークが無い場合には背圧降下無しとなり、リークが有る場合には背圧降下有りとなる。
また、ハンチングの回数は、ポーラス部(上部吹込部9aと下部吹込部9b)への介在物付着の有無と関連しており、付着がない場合にはハンチング回数は多く、付着が多くなるにしたがってハンチング回数は少なくなる。
【0033】
背圧降下とハンチング回数とから表1に示すような判定「○」「△」「×」「××」を行った。これらの判定結果の意味することは以下の通りである。
「○」:リークの懸念なく介在物付着も少ない
「△」:リークの懸念ないが介在物付着が若干有り
「×」(背圧降下「無し」&ハンチング「無し」):リークの懸念ないが介在物付着の懸念有り
「×」(背圧降下「有り」&ハンチング「少数」):リークの懸念有り介在物付着が若干有り
「××」:リークの懸念有り介在物付着の懸念有り
【0034】
以上のように、本実施の形態においては、背圧降下の有無と、ハンチング回数とに基づいてガス吹込み状態を判定するようにしたので、ガス吹込み状態の異常を確実かつ緻密に検知することが可能になる。
つまり、ハンチング有無のチェックだけでなく背圧降下まで判定をすることにより、非金属介在物の付着によるものか、より重篤な(ガスリークといった耐火物異常)異常かをある程度判別可能でなる。
【0035】
なお、上記の実施の形態においては、背圧降下とハンチング回数によってガス吹込み状態を判定するようにしているが、背圧降下の有無のみを検知してそれに基づいて判定を行うようにしても、ガスリークというより重篤なガス吹込み異常を検知することは可能である。
よって、本発明は、背圧降下の有無のみを検知してそれに基づいてガス吹込み異常を判定するような態様を含む。
【符号の説明】
【0036】
1 ガス吹込み異常検知装置
3 連続鋳造設備
5 取鍋
7 タンディッシュ
9 上ノズル
9a 上部吹込部
9b 下部吹込部
9c 本体部
9e 鉄板
11 背圧降下量算出手段
13 ハンチング回数算出手段
15 判定手段
16 鋳型
17 鉄皮
18 耐火物
19 アクチュエータ
21 スライディングノズル
23 浸漬ノズル
25 ガス導入管
25a ガス導入管(上部吹込部側)
25b ガス導入管(下部吹込部側)
27 圧力検知器
29 重量検知器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の取鍋を順次交換してタンディッシュに溶鋼を供給すると共に前記タンディッシュの底部に設けられた上ノズルからアルゴンガス等の不活性ガスを溶鋼中に吹込みながら連続鋳造を行うに当り、前記不活性ガスの吹込み状況の異常を検知する連続鋳造設備におけるガス吹込み異常検知装置であって、
交換前の取鍋からの溶鋼供給時の背圧と、交換後の取鍋からの溶鋼供給時の背圧とに基づいて背圧の降下量を算出する背圧降下量算出手段と、
該背圧降下量算出手段の算出結果に基づいてガスの吹き込み異常を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする連続鋳造設備におけるガス吹込み異常検知装置。
【請求項2】
前記背圧降下量算出手段は、前記取鍋から前記タンディッシュへの溶鋼供給開始から所定時間経過後に、その後の所定時間内の背圧の平均値を算出し、該平均値に基づいて前記背圧降下量を算出することを特徴とする請求項1記載の連続鋳造設備におけるガス吹込み異常検知装置。
【請求項3】
交換後の取鍋からの溶鋼供給時における所定時間内での背圧のハンチング発生回数を算出するハンチング回数算出手段を備え、
前記判定手段は、前記ハンチング回数算出手段の算出結果と前記背圧降下量算出手段の算出結果に基づいてガスの吹き込み異常を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載された連続鋳造設備におけるガス吹込み異常検知装置。
【請求項4】
前記ハンチング回数算出手段は、所定時間内の前記背圧の平均値とt(MPa)とし、1秒間の背圧をs(MPa)としたときに、|s−t|の値が予め設定した値以上のときにハンチング有りと判定することを特徴とする請求項3に記載の連続鋳造設備におけるガス吹込み異常検知装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のガス吹込み異常検知装置を備えたことを特徴とする連続鋳造設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−45584(P2012−45584A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190519(P2010−190519)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】