説明

連続鋳造設備のガイドロール冷却装置

【課題】メンテナンスが容易な連続鋳造設備のガイドロール冷却装置を提供する。
【解決手段】冷却液供給源40と、ガイドロール2の内部に形成されたロール内水路20と、冷却液供給源40とロール内水路20とを接続するロータリージョイント50とを備え、ロータリージョイント50は、ガイドロール2の端部に突出して設けられロール内水路20と接続する水路が形成されたロータ51と、ロータ51が挿入され冷却液供給源40と接続する水路が形成されたケーシング52とから構成される。ロータ51がガイドロール2の端部に突出して設けられているので、ケーシング52を取り外すことでロータ51が露出し、ロータリージョイント50のメンテナンスが容易にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続鋳造設備のガイドロール冷却装置に関する。さらに詳しくは、連続鋳造設備に用いられるガイドロールの内部に冷却液を循環させて冷却する連続鋳造設備のガイドロール冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
連続鋳造設備においては、モールドの下方に多数のセグメントが湾曲して配置されており、セグメントには鋳片を上下から挟んでガイドするためのガイドロールが設けられている。このガイドロールは鋳片の熱が伝達されて高温になるため、ガイドロールの内部に冷却液を循環させて冷却するガイドロール冷却装置が設けられる。
【0003】
従来のガイドロール冷却装置は、冷却液供給源とガイドロールとがロータリージョイントを介して接続されており、そのロータリージョイントはガイドロールの端部の外部に露出して取り付けられていた。また、ロータリージョイントと冷却液供給源とは外部に露出したパイプまたはホースで接続されていた。
このパイプやホースは、狭い空間内に集中して配置されるためスケールが溜まりやすい。そのため、露出したロータリージョイントやパイプ、ホースが、スケールが落下して付着し、堆積することにより損傷することがあった。ロータリージョイントやパイプ、ホースが損傷するとセグメント交換をする必要があるため、鋳造を停止しなければならず、ランニングコストがかかるという問題があった。
【0004】
一方、特許文献1には、ロータリージョイントをリテーナで覆い、パイプレスにする技術が公開されている。この従来技術によれば、ロータリージョイントやパイプ、ホースがスケールで損傷することがなく、ロータリージョイントを長寿命化でき、ランニングコストを抑えることができる。
【0005】
しかし、上記従来のガイドロール冷却装置は、ロータリージョイントがガイドロールの内部に挿入された構造であるため、ガイドロールの内部に設けられた部材を交換することが困難であるなど、メンテナンスが困難であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2009−513361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、メンテナンスが容易な連続鋳造設備のガイドロール冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明の連続鋳造設備のガイドロール冷却装置は、冷却液供給源と、ガイドロールの内部に形成されたロール内水路と、前記冷却液供給源と前記ロール内水路とを接続するロータリージョイントと、を備え、前記ロータリージョイントは、前記ガイドロールの端部に突出して設けられ、前記ロール内水路と接続する水路が形成されたロータと、前記ロータが挿入され、前記冷却液供給源と接続する水路が形成されたケーシングと、から構成されることを特徴とする。
第2発明の連続鋳造設備のガイドロール冷却装置は、第1発明において、前記ロータの外周面に、前記ケーシングに対して回転褶動するスリーブが取り付けられていることを特徴とする。
第3発明の連続鋳造設備のガイドロール冷却装置は、第1または第2発明において、前記ケーシングは、前記ガイドロールの端部を軸支する軸受に取り付けられたリテーナの内部に形成されていることを特徴とする。
第4発明の連続鋳造設備のガイドロール冷却装置は、第3発明において、前記リテーナの内部に、前記ケーシングと前記冷却液供給源とを接続する水路が形成されていることを特徴とする。
第5発明の連続鋳造設備のガイドロール冷却装置は、第1、第2、第3または第4発明において、前記ロータには、前記ロール内水路に挿入されるサイフォン管が取り付けられており、該サイフォン管は、前記ロール内水路の終端部近傍まで達する寸法を有していることを特徴とする。
第6発明の連続鋳造設備は、第1、第2、第3、第4または第5発明のガイドロール冷却装置が備えられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1発明によれば、ロータがガイドロールの端部に突出して設けられているので、ケーシングを取り外すことでロータが露出し、ロータリージョイントのメンテナンスが容易にできる。
第2発明によれば、ロータの外周面にスリーブが取り付けられているので、ロータの摩耗を防止でき、ロータリージョイントを長寿命化できる。また、スリーブは容易に交換できるので、ロータリージョイントのメンテナンスが容易にできる。
第3発明によれば、ケーシングがリテーナの内部に形成されているので、スケールからケーシングを保護することができ、ロータリージョイントを長寿命化できる。
第4発明によれば、水路がリテーナの内部に形成されておりパイプレスであるので、スケールによりパイプやホースが損傷することがなく、ガイドロール冷却装置を長寿命化できる。
第5発明によれば、サイフォン管がロール内水路の終端部近傍まで達する寸法を有しているので、冷却液をガイドロールの全長に渡って循環させることができ、ガイドロールを効率よく冷却することができる。
第6発明によれば、ロータがガイドロールの端部に突出して設けられているので、ケーシングを取り外すことでロータが露出し、ロータリージョイントのメンテナンスが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガイドロール冷却装置の正面図である。
【図2】同ガイドロール冷却装置のロータリージョイント部分の拡大図である。
【図3】同ガイドロール冷却装置の側面図である。
【図4】他の実施形態に係るガイドロール冷却装置のロータリージョイント部分の拡大図である。
【図5】連続鋳造設備のストランドの(a)側面図、(b)正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
連続鋳造設備においては、モールドの下方に図5(a)に示すようなセグメント1が多数湾曲して配置されており、セグメント1には鋳片Sを上下から挟んでガイドするためのガイドロール2が設けられている。
ガイドロール2には、回転駆動源が連結された駆動ロールと、駆動ロールにより搬送される鋳片に従って回転する従動ロールとがある。また、従動ロールには、鋳片Sの幅方向に複数本並べて配置される分割ロール(図5(b)参照)と、鋳片Sの幅方向に1本のみ配置される非分割ロールとがある。
【0012】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るガイドロール冷却装置Aは、上記のうち、分割ロールであるガイドロール2を冷却するものである。
図5(b)に示すように、セグメント1のセグメントフレーム10には、その幅方向の両端に端部軸受11、11が固定されており、その幅方向の中間に中間軸受12、12が固定されている。ガイドロール2は、その両端が端部軸受11および中間軸受12に軸支されている。
【0013】
図1に示すように、ガイドロール2の内部には、その中心軸にロール内水路20が形成されている。ロール内水路20は、ガイドロール2の全長に渡って形成されており、端部軸受11に軸支された方のガイドロール端部に開口し、中間軸受12に軸支された方のガイドロール端部側が閉塞して袋状となっている。以下、ロール内水路20の開口した端部を始端部21と称し、閉塞した端部を終端部22と称する。
【0014】
ロール内水路20の内部にはサイフォン管30が挿入されている。このサイフォン管30はロール内水路20の全長に渡る寸法を有しており、一端がロール内水路20の始端部21に位置し、他端がロール内水路20の終端部22まで達している。サイフォン管30には、終端部22側に連通孔31が形成されている。また、サイフォン管30の外周面とロール内水路20の内周面との間には、支持部材32が所定位置に取り付けられており、ロール内水路20に対してサイフォン管30が固定されている。なお、支持部材32はロール内水路20を閉塞しない形状となっている。
【0015】
このサイフォン管30によりロール内水路20が同心円状の2層の水路に分割されている。そのため、始端部21側からサイフォン管30の内部に冷却液を流入させれば、その冷却液が終端部22側の連通孔31からサイフォン管30の外部に排出され、サイフォン管30の外側を通って始端部21側から排出される。このように、ロール内水路20に冷却液を循環させることで、ガイドロール2を冷却することができる。
【0016】
セグメント1には冷却液供給源40が接続されており、冷却液供給源40とロール内水路20とは、ロータリージョイント50を介して接続されている。そして、冷却液供給源40から供給された冷却液がロール内水路20を循環し、ロール内水路20から排出された冷却液は再び冷却液供給源40に戻されるようになっている。
なお、冷却液供給源40としては、例えば熱交換器が用いられる。また、冷却液としては、例えば冷却水が用いられる。
【0017】
図2に示すように、ロータリージョイント50は、主に、ロール内水路20の始端部21に取り付けられたロータ51と、そのロータ51が挿入されるケーシング52とから構成されている。
ロータ51の外周には、一方の端部寄りにフランジ51fが形成されている。そして、ロータ51は、その一端を始端部21の内部に挿入し、フランジ51fをガイドロール2の端部に当接させてボルトで固定されている。そのため、ロータ51は、ガイドロール2の端部に突出して設けられている。
【0018】
また、ロータ51の内部には、ケーシング52側(図2における左側)にサイフォン管30と同径の円筒状の孔51aが形成されており、ガイドロール2側(図2における右側)にサイフォン管30よりも大径の円筒状の孔51bが形成されている。そして、サイフォン管30の一端が孔51a、51bの内部に挿入され孔51aの内壁に固定されている。また、ロータ51には、その外周面と孔51bとを連通させる排液孔51cが形成されている。これら孔51a、51bおよび排液孔51cが、ロール内水路20と接続する水路となっており、ロータ51のケーシング52側の端部はサイフォン管30の内部に接続しており、ロータ51の外周面の排液孔51cはサイフォン管30の外部に接続している。
【0019】
ロータ51の外周面には、スリーブ53がロータ51に対して回転しないように取り付けられている。また、スリーブ53には、ロータ51の排液孔51cと同位置に孔が形成されており、排液孔51cを閉塞しないようになっている。
【0020】
なお、サイフォン管30はロータ51およびガイドロール2に固定されているため、ロータ51およびガイドロール2と一体となって回転するようになっている。
また、ロータ51とガイドロール2、サイフォン管30およびスリーブ53との各接触面にはOリングが嵌めこまれており、液密となっている。
【0021】
ガイドロール2の端部を軸支する端部軸受11には第1リテーナ54がボルトで固定されており、その第1リテーナ54には第2リテーナ55がボルトで固定されている。この第1、第2リテーナ54、55の内部には、ロータ51が挿入される穴が形成されており、この穴がケーシング52となっている。すなわち、ケーシング52は、第1、第2リテーナ54、55の内部に形成されている。
【0022】
より詳細には、第1リテーナ54にはスリーブ53の外径と同径の貫通穴が形成されており、その貫通穴にロータ51およびスリーブ53が挿入されている。この第1リテーナ54は、排液孔51cよりガイドロール2側でスリーブ53と接触している。
【0023】
一方、第2リテーナ55には、スリーブ53の外径と同径の有底穴が形成されており、その有底穴にロータ51およびスリーブ53が挿入されている。第2リテーナ55に形成された有底穴の底部52aには、ロータ51の端部が位置しており、底部52aとサイフォン管30の内部とが接続されている。また、第2リテーナ55には、排液孔51cと対向する位置に溝52bが形成されている。溝52bは環状に形成されており、ロータ51が回転しても常に排液孔51cと溝52bとが接続するようになっている。第2リテーナ55は、排液孔51cよりケーシング52側でスリーブ53と接触しており、底部52aと溝52bとが分離されている。
【0024】
なお、スリーブ53と第1、第2リテーナ54、55との各接触面にはXリングが嵌めこまれており、ケーシング52に対してスリーブ53が回転褶動でき、かつ液密になっている。
【0025】
このように、ケーシング52が第1、第2リテーナ54、55の内部に形成されているので、連続鋳造設備で発生するスケールからケーシング52を保護することができ、ロータリージョイント50を長寿命化できる。
【0026】
以上のように、ロータリージョイント50は、ロータ51がガイドロール2の端部に突出して設けられているので、第1、第2リテーナ54、55からなるケーシング52を取り外すことでロータ51が露出する。そのため、ロータ51の掃除など、ロータリージョイント50のメンテナンスが容易にできる。
また、ロータ51が突出しているため、第1、第2リテーナ54、55を取り付ける際に、隙間が確認でき位置合わせが行いやすい。そのため、取り付け時のシール損傷などを防止でき、メンテナンス時間も短縮できる。
また、ガイドロール2の内部に複雑な部材が挿入されないので、径の小さいガイドロール2にも適用することができる。
【0027】
さらに、ロータ51の外周面にスリーブ53が取り付けられているので、スリーブ53が摩耗することで、ロータ51の摩耗を防止でき、ロータリージョイント50を長寿命化できる。また、スリーブ53は容易に交換できるので、ロータリージョイント50のメンテナンスが容易にできる。
【0028】
図1および図3に示すように、セグメントフレーム10、端部軸受11および第2リテーナ55の内部には、冷却液供給源40の給液側に接続する給水路61と、排液側に接続する排水路62が形成されている。そして、第2リテーナ55の内部において、給水路61は底部52aに接続し、排水路62は溝52bに接続している。そのため、ロータリージョイント50の底部52aおよび溝52bは冷却液供給源40と接続されている。
以上のような構成であるから、ロータリージョイント50を介して、給水路61とサイフォン管30の内部とが回転可能に接続され、排水路62とサイフォン管30の外部とが回転可能に接続される。
【0029】
このように、給水路61および排水路62がセグメントフレーム10、端部軸受11および第2リテーナ55の内部に形成されておりパイプレスであるので、スケールによりパイプやホースが損傷することがなく、ガイドロール冷却装置Aを長寿命化できる。
【0030】
ガイドロール冷却装置Aによるガイドロール2の冷却は以下のように行われる。
冷却液供給源40から供給される冷却液は、給水路61を通りロータリージョイント50に導かれる。ロータリージョイント50に導かれた冷却液は、給水路61に接続された底部52aを通って、サイフォン管30の内部に供給される。冷却液は、サイフォン管30の内部を始端部21側から終端部22側に流れ、連通孔31からサイフォン管30の外部に排出される。そして、冷却液はサイフォン管30の外部を終端部22側から始端部21側に流れつつ、ガイドロール2の熱を吸収していく。ここで、サイフォン管30はロール内水路20の終端部まで達しているので、冷却液をガイドロール2の全長に渡って循環させることができ、ガイドロール2を効率よく冷却することができる。
【0031】
ロータリージョイント50に戻ってきた冷却液は、ロータ51の孔51bおよび排液孔51cを通り(図2参照)、溝52bを通って、排水路62に排出される。そして、冷却水は排水路62を通って冷却液供給源40に戻される。
【0032】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係るガイドロール冷却装置Bは、非分割ロールであるガイドロール2を冷却するものである。
非分割ロールの場合、その両端が端部軸受11、11で軸支されており、内部には両端を連通する一本のロール内水路20が形成されている。そして、ロール内水路20の一端から冷却液を流入させ、他端から排出することで冷却が行われる。そのため、非分割ロールの両端に取り付けられるロータリージョイントには、給水路61または排水路62の一方が接続されるものが用いられる。以下、給水路61が接続されるロータリージョイントについて説明する。
【0033】
図4に示すように、ロータリージョイント70は、主に、ロール内水路20の一端に取り付けられたロータ71と、そのロータ71が挿入されるケーシング72とから構成されている。
ロータ71の外周には、一方の端部寄りにフランジ71fが形成されている。そして、ロータ71は、その一端をロール内水路20の端部の内部に挿入し、フランジ71fをガイドロール2の端部に当接させてボルトで固定されている。そのため、ロータ71は、ガイドロール2の端部に突出して設けられている。
【0034】
また、ロータ71の内部には、両端を連通する円筒状の孔71aが形成されている。この孔71aはロール内水路20と接続する水路となっている。
また、ロータ71の外周面には、スリーブ73がロータ71に対して回転しないように取り付けられている。
なお、ロータ71とガイドロール2およびスリーブ73との各接触面にはOリングが嵌めこまれており、液密となっている。
【0035】
ガイドロール2の端部を軸支する端部軸受11には第1リテーナ74がボルトで固定されており、その第1リテーナ74には第2リテーナ75がボルトで固定されている。この第1、第2リテーナ74、75の内部には、ロータ71が挿入される穴が形成されており、この穴がケーシング72となっている。すなわち、ケーシング72は、第1、第2リテーナ74、75の内部に形成されている。
【0036】
より詳細には、第1リテーナ74にはスリーブ73の外径と同径の貫通穴が形成されており、その貫通穴にロータ71およびスリーブ73が挿入されている。
一方、第2リテーナ5には、スリーブ73の外径より大径の有底穴が形成されている。第2リテーナ75に形成された有底穴の底部72aには、ロータ71の端部が位置しており、底部72aとロータ71の孔71aとが接続されている。
なお、スリーブ73と第1リテーナ74との接触面にはXリングが嵌めこまれており、ケーシング72に対してスリーブ73が回転褶動でき、かつ液密になっている。
【0037】
以上のように、ロータリージョイント70は、ロータ71がガイドロール2の端部に突出して設けられているので、第1、第2リテーナ74、75からなるケーシング72を取り外すことでロータ71が露出する。そのため、ロータ71の掃除など、ロータリージョイント70のメンテナンスが容易にできる。
また、ロータ71が突出しているため、第1、第2リテーナ74、75を取り付ける際に、隙間が確認でき位置合わせが行いやすい。そのため、取り付け時のシール損傷などを防止でき、メンテナンス時間も短縮できる。
また、ガイドロール2の内部に複雑な部材が挿入されないので、径の小さいガイドロール2にも適用することができる。
【0038】
さらに、ロータ71の外周面にスリーブ73が取り付けられているので、スリーブ73が摩耗することで、ロータ71の摩耗を防止でき、ロータリージョイント70を長寿命化できる。また、スリーブ73は容易に交換できるので、ロータリージョイント70のメンテナンスが容易にできる。
【0039】
上記構成のロータリージョイント70は、ガイドロール2の両端に取り付けられる。そして、一方のロータリージョイント70の底部72aには、セグメントフレーム10、端部軸受11および第2リテーナ75の内部に形成された給水路61に接続され、他方のロータリージョイント70の底部72aには、セグメントフレーム10、端部軸受11および第2リテーナ75の内部に形成された排水路62に接続される。
以上のような構成であるから、ロータリージョイント70を介して、ロール内水路20と給水路61および排水路62とが回転可能に接続される。
【0040】
ガイドロール冷却装置Bによるガイドロール2の冷却は以下のように行われる。
冷却液供給源40から供給される冷却液は、給水路61を通り一方のロータリージョイント70に導かれる。ロータリージョイント70に導かれた冷却液は、給水路61に接続された底部72aおよび孔71aを通って、ロール内水路20に供給される。冷却液は、ロール内水路20を一端から他端に向かって流れつつ、ガイドロール2の熱を吸収していく。他方のロータリージョイント70に戻ってきた冷却液は、孔71bおよび底部72aを通って、排水路62に排出される。そして、冷却水は排水路62を通って冷却液供給源40に戻される。
【0041】
(その他の実施形態)
駆動ロールには、その一端に回転駆動源が接続されるため、内部には分割ロールと同様な袋状のロール内水路が形成されている。そして、回転駆動源が接続されていない方の端部に給水路61および排水路62が接続される。そのため、駆動ロールには、第1実施形態のロータリージョイント50が取り付けられる。その他の構成も第1実施形態と同様である。
【0042】
また、ロータ51、71の外周面にスリーブ53、73が取り付けられているが、このスリーブ53、57を取り付けず、ロータ51、71がケーシング52、72に対して直接回転褶動するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 セグメント
2 ガイドロール
10 セグメントフレーム
11 端部軸受
12 中間軸受
20 ロール内水路
30 サイフォン管
40 冷却液供給源
50 ロータリージョイント
51 ロータ
52 ケーシング
53 スリーブ
54 第1リテーナ
55 第2リテーナ
61 給水路
62 排水路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却液供給源と、
ガイドロールの内部に形成されたロール内水路と、
前記冷却液供給源と前記ロール内水路とを接続するロータリージョイントと、を備え、
前記ロータリージョイントは、
前記ガイドロールの端部に突出して設けられ、前記ロール内水路と接続する水路が形成されたロータと、
前記ロータが挿入され、前記冷却液供給源と接続する水路が形成されたケーシングと、から構成される
ことを特徴とする連続鋳造設備のガイドロール冷却装置。
【請求項2】
前記ロータの外周面に、前記ケーシングに対して回転褶動するスリーブが取り付けられている
ことを特徴とする請求項1記載の連続鋳造設備のガイドロール冷却装置。
【請求項3】
前記ケーシングは、前記ガイドロールの端部を軸支する軸受に取り付けられたリテーナの内部に形成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の連続鋳造設備のガイドロール冷却装置。
【請求項4】
前記リテーナの内部に、前記ケーシングと前記冷却液供給源とを接続する水路が形成されている
ことを特徴とする請求項3記載の連続鋳造設備のガイドロール冷却装置。
【請求項5】
前記ロータには、前記ロール内水路に挿入されるサイフォン管が取り付けられており、
該サイフォン管は、前記ロール内水路の終端部近傍まで達する寸法を有している
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の連続鋳造設備のガイドロール冷却装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5記載のガイドロール冷却装置が備えられた
ことを特徴とする連続鋳造設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−103254(P2013−103254A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249284(P2011−249284)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(502235326)住友重機械テクノフォート株式会社 (122)
【Fターム(参考)】