説明

遊技システム及びその管理方法

【課題】各遊技機で異なる種類のゲームが実行される場合であっても、各ゲーム中に獲得したポイントを多様に活用すること。
【解決手段】ポイントカード30に設けた磁気記録部31の記憶領域31a,31b,…が複数種類のゲームごとにゲームポイントを書込み可能であるので、複数種類のゲームに関するポイントを個別に管理することができる。しかも、書き込まれたゲームポイントが当該ゲームポイントと異なる種類のゲームの優位な進行に利用されるので、複数種類のゲームが相互に関連性をもつことになり、利用者は、ゲームポイントの蓄積及び活用によって遊技システム100を全体として楽しむことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技システム及びその管理方法に関するもので、特に、ポイント蓄積用のカードを用いるタイプの遊技システム及びその管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポイントカードを用いてゲームを行うための遊技場ポイント制御システムが存在する(特許文献1参照)。この遊技場ポイント制御システムでは、ポイントカードに磁気を用いてポイントが記録されており、ポイントカードを遊技機に投入すると、使用料に相当するポイントが差し引かれるとともに、ゲームに勝ち負けを伴う場合、勝ちに対する賞としてポイントが加算され、その結果がポイントカードに書き込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−218900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記のような遊技場ポイント制御システムでは、各遊技機で異なる種類のゲームが実行されることが前提となっておらず、ポイントを利用して再度ゲームができるだけであり、ゲーム中に獲得したポイントを多様に活用することができない。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、各遊技機で異なる種類のゲームが実行される場合であっても、各ゲーム中に獲得したポイントを多様に活用することができ、ポイントを記憶できる携帯可能な記憶媒体を利用して統一的に複数のゲームを楽しめる遊技システム及びその管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、
複数種類のゲームに対応する記憶領域を有し、前記記憶領域に記録された情報の書き換えが可能な携帯可能な記憶媒体と、
ゲームに関する表示を行う表示部と、ゲームに関する操作を受け付ける操作部と、前記記憶媒体の前記記憶領域に対して情報の読取り及び書込みが可能な読取書込部と、ゲームの進行を制御する制御部とをそれぞれ有する複数の遊技機とを備え、
前記記憶領域は、前記複数種類のゲームごとにゲームポイントを書込み可能であり、
前記記憶領域に書き込まれた前記ゲームポイントは、当該ゲームポイントと異なる種類のゲームの優位な進行に利用されることを特徴とする遊技システムである。
この場合の「携帯可能な記憶媒体」は、携帯可能なゲーム装置に内蔵された記憶媒体、携帯可能なUSBその他の記憶媒体や、請求項2の発明のように、カードであってもよい。カードとする場合には磁気カード、ICカードその他記憶領域を持つカードを使用することができる。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の遊技システムにおいて、前記記憶領域に書き込まれた前記ゲームポイントは、前記ゲームポイントに対応する種類のゲームの優位な進行と、前記ゲームポイントに対応する種類のゲーム中に登場するキャラクタの成長との少なくとも一方に利用されることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1から3いずれか一項に記載の遊技システムにおいて、所定の遊技機に組み込まれている前記読取書込部は、他の遊技機で実行される別のゲームに関するゲームポイントを読取ることができ、前記所定の遊技機の前記制御部は、前記他の遊技機で実行される別のゲームに関するゲームポイントに応じて、前記所定の遊技機で実行されるゲームを優位に進行させるように動作を変更することを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4に記載の遊技システムにおいて、前記所定の遊技機の前記制御部は、前記他の遊技機で実行される別のゲームに関するゲームポイントのポイント数、又は前記他の遊技機で実行される別のゲームに関するゲームポイントの有無に応じて動作を変更することを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、
ゲームに関する表示を行う表示部と、ゲームに関する操作を受け付ける操作部と、携帯可能な記憶媒体に対して情報の読取り及び書込みが可能な読取書込部と、ゲームの進行を制御する制御部とをそれぞれ有する複数の遊技機を備える遊技システムの管理方法であって、
前記記憶媒体は、複数種類のゲームに対応する情報を書き換え可能に保持する記憶領域を有し、
前記記憶領域は、前記複数種類のゲームごとにゲームポイントを書込可能であり、
前記記憶領域に書き込まれた前記ゲームポイントは、当該ゲームポイントと異なる種類のゲームの優位な進行に利用されることを特徴とする遊技システムの管理方法である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1及び請求項2の発明によれば、携帯可能な記憶媒体(例えばカード)の記憶領域が複数種類のゲームごとにゲームポイントを書込み可能であるので、複数種類のゲームに関するポイントを個別に管理することができる。しかも、書き込まれたゲームポイントが当該ゲームポイントと異なる種類のゲームの優位な進行に利用されるので、複数種類のゲームが相互に関連性をもつことになり、利用者は、ゲームポイントの蓄積及び活用によって遊技システムを全体として楽しむことができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、特定のゲームで獲得したゲームポイントを当該ゲームで直接的に活用することができる。
【0013】
請求項4及び請求項5の発明によれば、特定の遊技機で獲得した成果を他の遊技機で活用することができ、複数の遊技機の活用促進を図ることができる。なお、記憶媒体に蓄積されたゲームポイントは、景品との交換に使用することもできる。
【0014】
請求項5の発明によれば、記憶領域が複数種類のゲームごとにゲームポイントを書込可能であるので、複数種類のゲームに関するポイントを個別に管理することができる。しかも、記憶領域に書き込まれたゲームポイントが当該ゲームポイントと異なる種類のゲームの優位な進行に利用されるので、複数種類のゲームが相互に関連性をもつことになり、利用者は、ゲームポイントの蓄積及び活用によって遊技システムを全体として楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態の遊技システムを説明する図である。
【図2】実施形態の遊技システムの回路を説明するブロック図である。
【図3】ゲーム用のポイントカードを説明する図である。
【図4】遊技システムの動作を説明するフローチャートである。
【図5】遊技システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る遊技システム及びその管理方法を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1に示すように、遊技システム100は、第1及び第2の遊技機10,20と、ポイントカード30とを備える。なお、遊技システム100は、図示の第1及び第2の遊技機10,20以外に、多数の不図示の遊技機を備えている。
ポイントカード30は、遊技者が個別に所持するものであり、通常は一人の遊技者に一枚のポイントカード30が発行される。各遊技者が所持するポイントカード30は、遊技システム100を構成する第1及び第2の遊技機10,20を含む多数の遊技機のいずれにも挿入することができるようになっている。
なお、遊技機は携帯型のものであってもよい。
【0018】
第1の遊技機10は、外観上は、筐体状の本体10aと、ゲームに関する表示を行う表示部12と、ゲームに関する操作を受け付ける操作部13と、ロボット玩具等を載置するためのステージ14と、ゲームを開始させるためのコイン投入部15と、ゲームポイントを読み書きするためのカード投入部16とを備える。なお、第2の遊技機20も、遊技機10と同様に、本体10aと、表示部12と、操作部13と、ステージ14と、コイン投入部15と、カード投入部16とを備える。ただし、第1の遊技機10で実行される第1ゲームと、第2の遊技機20で実行される第2ゲームとは、別のものである。つまり、遊技システム100では、少なくとも2つの遊技機10,20において互いに異なる種類のゲームが実行される。
【0019】
図2の回路図に示すように、第1の遊技機10は、本体回路11と、表示部12と、操作部13と、ロボット玩具RTとを備える。なお、ロボット玩具RTは、図1に示す遊技機10に設けたステージ14上で移動させることができ、その移動をゲーム中に表示部12に表示される自己のキャラクタの移動やアクションに反映させることができる。
【0020】
第1の遊技機10において、本体回路11は、制御部11aと、記憶部11bと、コイン検出部11dと、カード読取書込部11eと、玩具読取部11gとを有する。制御部11aは、CPU等の演算処理装置を有しており、記憶部11bに保管された所定のゲームプログラムを展開して実行する。記憶部11bは、ROM、RAM等を有しており、制御部11aの動作に必要なプログラムや基本的なデータを固定的に保持するとともに任意のデータを書き換え可能に保持する。これにより、表示部12にゲーム場面を表示させるとともに操作部13等を介して遊技者の操作を受けつつゲームを進行させることができる。コイン検出部11dは、図1に示す第1の遊技機10のコイン投入部15に投入されたコインを検出し、コインの投入信号を制御部11aに出力する。カード読取書込部11eは、図1に示す第1の遊技機10のカード投入部16に投入されたポイントカード30を検出し、ポイントカード30の投入信号を制御部11aに出力する。カード読取書込部11eは、制御部11aの制御下で動作して、ポイントカード30に対してゲームの種類別に管理されるゲームポイント等を含む情報の読取りを行ったり、ポイントカード30に対して上記ゲームポイント等を含む情報の書込みを行ったりすることができる。玩具読取部11gは、ステージ14に内蔵されたセンサ等(図示せず)を利用して、ステージ14上のロボット玩具RTの位置を検出することができるとともに、ロボット玩具RTに設けたアクションボタンの操作を検出することができる。つまり、玩具読取部11gは、遊技者によるロボット玩具RTの操作を検出する部分であり、検出信号を制御部11aに出力することにより、現在進行中の第1ゲームにおいて、ロボット玩具RTに対応して表示部12に表示される自己のキャラクタの移動やアクションに反映させることができる。
【0021】
第2の遊技機20も、第1の遊技機10と同様の回路構造を有する。つまり、第2の遊技機20において、本体回路11は、制御部111aと、記憶部111bと、コイン検出部11dと、カード読取書込部11eと、玩具読取部11gとを有する。ここで、制御部111aと記憶部111bとは、第1の遊技機10の本体回路11に組み込まれた制御部11aと記憶部11bとにそれぞれ対応し同様のものであるが、これらによって実行されるプログラムの内容すなわちゲームの種類が互いに異なることに対応して異なるものとなっている。第1の遊技機10で行われる第1ゲームが例えばシューティングゲームである場合、第2の遊技機20で行われる第2ゲームは、例えば球技ゲームとされる。
【0022】
図3に示すように、ポイントカード30は、例えば磁気記録部31を有しており、磁気記録部31は、同図に概念的に示すように複数種類のゲームに対応する複数の記憶領域31a,31b,…を有している。磁気記録部31すなわち複数の記憶領域31a,31b,…は、各遊技機10,20に設けたカード読取書込部11eによって、ゲームの種類別に存在するゲームポイント等を含む情報の書き換えが可能となっている。つまり、遊技者が第1の遊技機10で特定の第1ゲームを行って追加ゲームポイントを獲得した場合には、この特定の第1ゲームに関する追加ゲームポイントが加算された新たな総ゲームポイントが磁気記録部31のうち対応する記憶領域31aに保管される。また、遊技者が第2の遊技機20で別の第2ゲームを行って追加ゲームポイントを獲得した場合には、この別の第2ゲームに関する追加ゲームポイントが加算された新たな総ゲームポイントが磁気記録部31のうち対応する記憶領域31bに保管される。
【0023】
なお、ポイントカード30には、ゲームポイントを表示するポイント表示部32を設けることができる。ポイント表示部32は、熱や磁気によって書き換え可能であり、例えば遊技システム100で利用可能なゲームがあまり多くない場合、ゲームの種類ごとにポイントを表示することができる。
【0024】
また、ポイントカード30は、上記のような遊技機10,20を統括的に制御する図示しないコンピュータに設けたカード読取書込装置によっても情報の読取り及び書込みが可能になっている。なお、ポイントカード30に蓄積されたゲームポイントが一定以上になった場合、そのポイント数に応じた景品との交換が可能になる。
【0025】
以下、図4及び図5を参照して、第1の遊技機10の動作について説明する。なお、図4等に示す第1の遊技機10の動作は、遊技者によるコイン投入部15へのコインの投入をコイン検出部11dが検出した場合に、制御部11aによって開始させられる。
【0026】
まず、制御部11aは、記憶部11bから必要な情報を読み出してこの第1の遊技機10で実行可能な第1ゲームのリストを表示部12に表示させて、遊技者による操作部13を介しての選択を待つ(ステップS11)。
【0027】
次に、制御部11aは、記憶部11bから必要な情報を読み出して選択した第1ゲームでカードを利用するか否かのポップアップ表示を表示部12に行わせて、遊技者による操作部13等を介しての決定を待つ(ステップS12)。なお、例えば一定時間内にポイントカード30がカード投入部16から挿入された場合、カード使用の決定と判断することができ、一定時間内にポイントカード30がカード投入部16から挿入されなかった場合、カード不使用の決定と判断することができる。
【0028】
カード使用の決定がなされ、ポイントカード30がカード投入部16に挿入された場合、制御部11aは、ステップS11で選択された第1ゲームの進行に必要な情報を記憶部11bから読み出して第1ゲームの動作を開始する(ステップS13)。
【0029】
次に、制御部11aは、記憶部11bを参照して現在の場面がゲームポイントの活用場面であるか否かを判断する(ステップS14)。ゲームポイントの活用場面とは、例えば第1ゲームが対戦型のシューティングゲームであれば、自己の攻撃用アイテムから発射される弾丸等について高い命中率を確保し、或いは敵の攻撃用アイテムから発射される弾丸等について高い防御能力を確保するといった機会であり、本実施形態のように表示部12に自己のキャラクタが表示される場合、キャラクタのパワーアップや変身等である成長の機会を含むものとする。また、第1ゲームがテニス等の球技ゲームであれば、ゲームポイントの活用場面とは、自己のラケットから打ち出されるシュートについて高い精度や速度を確保し、或いは敵のラケットから打ち出される球について高いレシーブ能力を確保するといった機会であり、本実施形態のように表示部12に自己のキャラクタが表示される場合、キャラクタの技術向上やパワーアップ等である成長の機会を含むものとする。
【0030】
ゲームポイントの活用場面である場合、制御部11aは、カード読取書込部11eを介してポイントカード30の磁気記録部31から情報を読み取って、現在のゲームに対応するゲームポイントの有無を判断する(ステップS15)。ここで、読み取ったゲームポイントが現在のゲームに対応するか否か、すなわちゲームの単位は、例えばシューティングゲームや球技ゲームのうちでも特定のキャラクタが登場する下位概念的な特定種類のゲーム(例えばテニスゲーム)とすることがきるが、上位概念的なシューティングゲーム一般又は球技ゲーム一般とすることもできる。つまり、第1の遊技機10で行われる第1ゲームに含まれる2つのゲームが互いに異なる種類のゲームとなる場合もあるが、第1ゲームに含まれる2つのゲームが同じ種類のゲームとなる場合もある。同様に、第1の遊技機10で行われる第1ゲームと、図示しない第3の遊技機で行われる第3ゲームとについては、これらが別種類のゲームとなる場合もあるが、これらが同種類のゲームとなる場合もある。
【0031】
次に、制御部11aは、ステップS15で読み取ったゲームポイントを表示部12に表示させつつ(ステップS17)、ゲームポイントの活用処理を行う(ステップS18)。ゲームポイントの活用処理では、現在のゲームに対応するゲームポイントを用いてそのポイント数だけゲームの進行を優位にする設定が行われる。例えばシューティングゲームであれば、自己の攻撃用アイテムから発射される弾丸等について高い命中率を設定し、或いは敵の攻撃用アイテムから発射される弾丸等について高い防御能力を設定する。また、テニス等の球技であれば、ゲームポイントの活用場面とは、自己のラケットから打ち出されるシュートについて高い精度や速度を設定し、或いは敵のラケットから打ち出される球について高いレシーブ能力を設定する。
【0032】
次に、制御部11aは、ポイントカード30の磁気記録部31から情報を読み取って、現在のゲームとは異なる別のゲームに対応するゲームポイントの有無を判断する(ステップS21)。ここで、ゲームの単位は、ステップS15と一致させる。具体的には、ゲームの単位が上位概念的なカテゴリである場合、例えばシューティングゲームに対して別カテゴリである球技ゲームに関するゲームポイントは、別のゲームのゲームポイントと判定される。また、ゲームの単位が下位概念的な特定種類のゲームである場合、例えばシューティングゲーム等の同一カテゴリ内における特定種類のゲームに対する別種類のゲームに関するゲームポイントは、別のゲームのゲームポイントと判定される。
【0033】
次に、制御部11aは、ステップS21で読み取ったゲームポイントを表示部12に表示させつつ(ステップS23)、ゲームポイントの活用処理を行う(ステップS24)。ステップS23におけるゲームポイントの活用処理では、別のゲームに対応するゲームポイントを用いてそのポイント数だけゲームの進行を優位にする設定が行われる。例えばシューティングゲームであれば、敵の攻撃用アイテムから発射される弾丸等について高い防御能力を設定する。また、テニス等の球技ゲームであれば、ゲームポイントの活用場面とは、敵のラケットから打ち出される球について高いレシーブ能力を設定する。
【0034】
次に、制御部11aは、記憶部11bから必要な情報を読み出して第1ゲームを適宜進行させる(ステップS25)。なお、ステップS15で現在のゲームに対応するゲームポイントがないと判断された場合や、ステップS21で別のゲームに対応するゲームポイントがないと判断された場合も、第1ゲームを適宜進行させる(ステップS25)。例えば第1ゲームが対戦型のシューティングゲームであれば、操作部13や玩具読取部11gの検出結果に基づいて、自己の攻撃用アイテムから発射される弾丸等を敵のキャラクタに向けて発射するアクション、敵の攻撃用アイテムから発射される弾丸等を自己のキャラクタに向けて発射するアクション等が徐々に進行する。この際、敵の一般的なキャラクタをヒットすれば所定数のポイントを獲得でき、特別なキャラクタをヒットすればより多くのポイントを獲得でき、ゲームポイントを徐々に蓄積することができる。
【0035】
次に、制御部11aは、記憶部11bから必要な情報を読み出して、現在のゲームポイントの状況でゲーム中のキャラクタが成長できるか否かを判断する(ステップS26)。キャラクタが成長できる場合、制御部11aは、キャラクタが成長してパワーアップするといった設定を行うことで記憶部11b中のキャラクタの情報を更新する(ステップS27)。具体的には、第1ゲームの進行中に所定以上のゲームポイントを獲得した場合、自己のキャラクタに対して技術向上やパワーアップ等の処理が行われる。
【0036】
その後、制御部11aは、第1ゲームの進行が終了段階に達したか否かを判断する(ステップS28)。現在の第1ゲームをクリヤ又は敗北した場合は、第1ゲーム終了と判断される。なお、制御部11aは、ゲームのクリヤ時間を検出しており、ゲームのクリヤ時間が短い場合、この時間の短さに応じてポイントを獲得でき、ゲームポイントが蓄積される。
【0037】
第1ゲーム終了と判断されなかった場合、ステップS14に戻って現在の場面がゲームポイントの活用場面であるか否かを判断する。一方、第1ゲーム終了と判断された場合、制御部11aは、現在の第1ゲームに対応するゲームポイントを記憶部11bから読み出して、カード読取書込部11eを介してポイントカード30の磁気記録部31のうち対応する記憶領域31a,31b,…に書き込む(ステップS29)。
【0038】
なお、ステップS12においてカード利用の決定がなされなかった場合、制御部11aは、ステップS13と同様に、ステップS11で選択された第1ゲームの進行に必要な情報を記憶部11bから読み出して第1ゲームの動作を開始する(ステップS33)。次に、制御部11aは、ステップS25と同様に、記憶部11bから必要な情報を読み出して第1ゲームを適宜進行させる(ステップS35)。次に、制御部11aは、第1ゲームの進行が終了段階に達したか否かを判断する(ステップS36)。第1ゲーム終了と判断されなかった場合、ステップS35に戻って第1ゲームを適宜進行させる。第1ゲーム終了と判断された場合、制御部11aは、第1ゲームの終了処理を行う。
【0039】
第2の遊技機20は、ゲーム内容を除いて第1の遊技機10と略同様に動作する。つまり、第2の遊技機20も、図4及び5に示すように動作する。ただし、第2の遊技機20で行われる第2ゲームの内容は、第1の遊技機10で行われる第1ゲーム内容と異なっており、ステップS25のゲーム進行の内容が第2ゲームの種類に応じた特別なものとなっている。ここで、第1の遊技機10で行われる第1ゲームで獲得したゲームポイントがありこれがポイントカード30に記録されていれば、第2の遊技機20において、第2ゲームのゲームポイントがなくても、第2ゲームを優位に進行させることができる。
【0040】
以上のように、本実施形態の遊技システム100によれば、ポイントカード30に設けた磁気記録部31の記憶領域31a,31b,…が複数種類のゲームごとにゲームポイントを書込み可能であるので、複数種類のゲームに関するポイントを個別に管理することができる。しかも、書き込まれたゲームポイントが当該ゲームポイントと異なる種類のゲームの優位な進行に利用されるので、複数種類のゲームが相互に関連性をもつことになり、利用者は、ゲームポイントの蓄積及び活用によって遊技システム100を全体として楽しむことができる。
【0041】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、玩具読取部11gによってロボット玩具RTの動作を検出してゲームの進行に反映しているが、このような玩具読取部11gを有しない遊技機であっても、上記と同様にゲームポイントの蓄積及び活用が可能になる。
【0042】
また、上記実施形態では、シューティングゲームや球技ゲームのように、ゲームポイントの活用場面が多数ある場合について説明したが、例えば単発のルーレットゲームのようにゲームポイントの活用場面が1回である場合、ゲーム開始時にポイントカード30の磁気記録部31からゲームポイントを読み出すだけで足り、ゲーム終了時にポイントカード30の磁気記録部31に対して必要に応じてゲームポイントの書き換えを行えばよい。なお、ルーレットゲームの場合、ゲームポイントは当り確率を高めるために利用される。
【0043】
上記実施形態では、ポイントカード30にゲームの種類ごとにゲームポイントを書き込んでいるが、ゲームの種類によってはクリヤしたステージ等の追加情報をポイントカード30に書き込むこともできる。
【0044】
以上の説明では、第1の遊技機10で獲得したゲームポイントを第2の遊技機20で活用し、第2の遊技機20で獲得したゲームポイントを第1の遊技機10で活用するといった、ゲームポイントの双方向的な活用について説明したが、第1の遊技機10で獲得したゲームポイントを第2の遊技機20で活用することのみを認め逆方向の活用を認めない処理も可能である。
【0045】
また、以上の説明では、例えば第1の遊技機10で獲得したゲームポイントをそのポイント数に応じて第2の遊技機20で活用することを前提としているが、第1の遊技機10で獲得したゲームポイントの有無のみに応じて第2の遊技機20で活用するといった処理も可能である。
【0046】
また、以上の説明では、ポイントカード30が磁気記録部31を有するとしたが、ポイントカード30は、磁気カードに限らず、ICカード等の他の記憶メディアとすることができ、暗証番号等のセキュリティ機能を持たることもできる。
【0047】
例えば第1の遊技機10で獲得したゲームポイントをそのポイント数に応じて第2の遊技機20で活用することを前提としているが、第1の遊技機10で獲得したゲームポイントの有無のみに応じて第2の遊技機20で活用するといった処理も可能である。
【0048】
以上の説明では、コインの投入によってゲームをスタートさせるとしたが、ポイントカード30の挿入によってゲームをスタートさせることもできる。この場合、ポイントカード30に蓄積されたゲームポイントによってゲーム実行を可能にすることもできるが、ポイントカード30にゲーム使用料としてのポイントを別途蓄積できるようにすることもできる。
【0049】
以上の説明では、複数の利用者が同一のゲームを行うことについて触れなかったが、第1ゲームが行われる第1の遊技機10を第1の利用者が使用し、第1ゲームが行われる第3の遊技機(図示せず)を第3の利用者が使用することにより、第1の利用者と第3の利用者とが敵対して或いは共同して対戦することもできる。この場合も、第1の利用者と第3の利用者とが個別にゲームポイントを蓄積することになる。
【0050】
上記実施形態では、演出用の音楽その他の付随的効果音についての説明を省略しているが、遊技システム100は、動作の適所で上記のような付随的効果音を発生する。
【0051】
また、上記実施形態では、遊技機としてコインを使用するものについて説明したが、コインを使用しないものにも適用できる。さらに、ポイントカードに代えて他の携帯可能なゲーム装置その他の記憶媒体を使用することもできる。
【符号の説明】
【0052】
10,20 遊技機
10a 本体
11 本体回路
11a,111a 制御部
11b ,111b 記憶部
11e カード読取書込部
12 表示部
13 操作部
15 コイン投入部
16 カード投入部
30 ポイントカード
31 磁気記録部
31a 記憶領域
31a,31b 記憶領域
100 遊技システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のゲームに対応する記憶領域を有し、前記記憶領域に記録された情報の書き換えが可能な携帯可能な記憶媒体と、
ゲームに関する表示を行う表示部と、ゲームに関する操作を受け付ける操作部と、前記記憶媒体の前記記憶領域に対して情報の読取り及び書込みが可能な読取書込部と、ゲームの進行を制御する制御部とをそれぞれ有する複数の遊技機とを備え、
前記記憶領域は、前記複数種類のゲームごとにゲームポイントを書込み可能であり、
前記記憶領域に書き込まれた前記ゲームポイントは、当該ゲームポイントと異なる種類のゲームの優位な進行に利用されることを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記記憶媒体はカードであることを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記記憶領域に書き込まれた前記ゲームポイントは、前記ゲームポイントに対応する種類のゲームの優位な進行と、前記ゲームポイントに対応する種類のゲーム中に登場するキャラクタの成長との少なくとも一方に利用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技システム。
【請求項4】
所定の遊技機に組み込まれている前記読取書込部は、他の遊技機で実行される別のゲームに関するゲームポイントを読取ることができ、
前記所定の遊技機の前記制御部は、前記他の遊技機で実行される別のゲームに関するゲームポイントに応じて、前記所定の遊技機で実行されるゲームを優位に進行させるように動作を変更することを特徴とする請求項1から3いずれか一項に記載の遊技システム。
【請求項5】
前記所定の遊技機の前記制御部は、前記他の遊技機で実行される別のゲームに関するゲームポイントのポイント数、又は前記他の遊技機で実行される別のゲームに関するゲームポイントの有無に応じて動作を変更することを特徴とする請求項4に記載の遊技システム。
【請求項6】
ゲームに関する表示を行う表示部と、ゲームに関する操作を受け付ける操作部と、携帯可能な記憶媒体に対して情報の読取り及び書込みが可能な読取書込部と、ゲームの進行を制御する制御部とをそれぞれ有する複数の遊技機を備える遊技システムの管理方法であって、
前記記憶媒体は、複数種類のゲームに対応する情報を書き換え可能に保持する記憶領域を有し、
前記記憶領域は、前記複数種類のゲームごとにゲームポイントを書込可能であり、
前記記憶領域に書き込まれた前記ゲームポイントは、当該ゲームポイントと異なる種類のゲームの優位な進行に利用されることを特徴とする遊技システムの管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−143054(P2011−143054A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5782(P2010−5782)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】